説明

情報提供システム、中継装置および端末装置

【課題】質問に対する回答を適切に収集すること。
【解決手段】ユーザ情報登録部が、車両の位置情報を取得し、質問内容特定部が、携帯端末装置から質問情報を受信した場合に、当該質問情報から質問内容を特定し、依頼先抽出部が、ユーザ情報登録部によって取得された位置情報および内容特定手段によって特定された質問内容に基づいて回答依頼先となる車両を抽出し、回答依頼送信部が、回答依頼先として抽出された車両に対して質問内容への回答依頼を送信するように中継装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の車両間あるいは複数の端末装置間で相互に情報提供を行う情報提供システム、同システムに用いられる中継装置および端末装置に関し、特に、質問に対する回答を適切に収集することができる情報提供システム、中継装置および端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載された通信機を用いて車両間で相互に情報提供を行う車両間情報提供システムが知られている。たとえば、特許文献1には、渋滞や事故等を目撃したドライバーが、自車両に搭載された通信機を用いてこれらの目撃情報を不特定多数の車両に対して発信する車両間情報提供システムが開示されている。
【0003】
一方、インターネット等では、不特定多数のユーザに対して質問を行うことで、かかる質問に対する回答を不特定多数のユーザから収集する情報提供システムが普及しつつある。
【0004】
たとえば、特許文献2には、サーバーが、一のクライアント装置から受信した質問情報を他のクライアント装置に対して送信することで、他のクライアント装置から回答情報を収集するとともに、収集した回答情報を質問元のクライアント装置へ送信する情報提供システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−250394号公報
【特許文献2】特開2002−259399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載された技術を車両間情報提供システムへ適用した場合、質問者からの質問に対して適切な回答を収集することが困難であるという問題があった。これは、同一内容の質問であっても、質問者であるドライバーの現在地によってドライバーの欲する回答が異なる場合があるためである。
【0007】
たとえば、ドライバーが「前方は渋滞していますか。」という質問をした場合に、不特定多数の車両に対してかかる質問を行うこととすると、渋滞中か否かを知りたい場所以外の場所の渋滞状況まで収集されてしまうこととなるため、好ましくない。
【0008】
なお、質問内容と併せて質問者の位置情報を送信することで、自分と関係のある質問か否かを他の車両のドライバーに判断させることもできるが、走行中のドライバーに対してこのような判断をさせることは、交通安全上好ましくない。
【0009】
また、特許文献2に記載の技術のように、不特定多数の車両から回答を募ることとすると、虚偽の回答まで収集される可能性が高く、システムに対する信頼度が低下するおそれもある。これは、特に、場所に由来する質問の場合に、その場所へ行ったことのない人にまで質問を行うと、かかる人がデタラメな回答をすることが多いためである。
【0010】
なお、このような問題点は、車両間において情報提供を行う場合に限らず、パーソナルコンピュータや携帯電話といった端末装置間において情報提供を行う場合にも同様に発生し得る問題である。
【0011】
これらのことから、質問に対する回答を適切に収集することができる情報提供システム、中継装置および端末装置をいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0012】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、質問に対する回答を適切に収集することができる情報提供システム、中継装置および端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報提供システムは、複数の車載システムと、前記複数の車載システム間で送受信される情報を中継する中継装置とを含んだ情報提供システムであって、前記中継装置は、前記車載システムの位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記車載システムから質問情報を受信した場合に、当該質問情報から質問内容を特定する内容特定手段と、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報および前記内容特定手段によって特定された質問内容に基づいて回答依頼先となる前記車載システムを抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記車載システムに対して前記質問内容への回答依頼を送信する回答依頼送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る中継装置は、複数の車載システム間で送受信される情報を中継する中継装置であって、前記車載システムの位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記車載システムから質問情報を受信した場合に、当該質問情報から質問内容を特定する内容特定手段と、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報および前記内容特定手段によって特定された質問内容に基づいて回答依頼先となる前記車載システムを抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記車載システムに対して前記質問内容への回答依頼を送信する回答依頼送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る情報提供システムは、複数の端末装置と、前記複数の端末装置間で送受信される情報を中継する中継装置とを含んだ情報提供システムであって、前記中継装置は、前記端末装置の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記端末装置から質問情報を受信した場合に、当該質問情報から質問内容を特定する内容特定手段と、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報および前記内容特定手段によって特定された質問内容に基づいて回答依頼先となる前記端末装置を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記端末装置に対して前記質問内容への回答依頼を送信する回答依頼送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る中継装置は、複数の端末装置間で送受信される情報を中継する中継装置であって、前記端末装置の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記端末装置から質問情報を受信した場合に、当該質問情報から質問内容を特定する内容特定手段と、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報および前記内容特定手段によって特定された質問内容に基づいて回答依頼先となる前記端末装置を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記端末装置に対して前記質問内容への回答依頼を送信する回答依頼送信手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る端末装置は、使用者からの入力操作に基づく質問情報を所定の中継装置に対して送信する送信手段と、前記送信手段によって送信された質問情報に対する回答情報を前記中継装置を介して受信した場合に、前記回答情報の内容を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、位置情報取得手段が、車載システムの位置情報を取得し、内容特定手段が、車載システムから質問情報を受信した場合に、当該質問情報から質問内容を特定し、抽出手段が、位置情報取得手段によって取得された位置情報および内容特定手段によって特定された質問内容に基づいて回答依頼先となる車載システムを抽出し、回答依頼送信手段が、抽出手段によって抽出された車載システムに対して質問内容への回答依頼を送信することとしたため、一の車両からの質問に対する回答を他の車両から適切に収集することができるという効果を奏する。
【0019】
また、本発明によれば、位置情報取得手段が、端末装置の位置情報を取得し、内容特定手段が、端末装置から質問情報を受信した場合に、当該質問情報から質問内容を特定し、抽出手段が、位置情報取得手段によって取得された位置情報および内容特定手段によって特定された質問内容に基づいて回答依頼先となる端末装置を抽出し、回答依頼送信手段が、抽出手段によって抽出された端末装置に対して質問内容への回答依頼を送信することとしたため、一の端末装置からの質問に対する回答を他の端末装置から適切に収集することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明に係る情報提供手法の概要を示す図である。
【図2】図2は、本実施例に係る中継装置が接続されるネットワーク環境を示す図である。
【図3】図3は、中継装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、質問内容の一例を示す図である。
【図5】図5は、質問内容が第1のグループに属する質問内容である場合の動作例を示す図である。
【図6】図6は、行動履歴情報を用いた回答依頼先抽出処理の動作例を示す図である。
【図7】図7は、立ち寄り情報に基づいて回答依頼先を絞り込む場合の動作例を示す図である。
【図8】図8は、質問内容が第2のグループに属する質問内容である場合の動作例を示す図である。
【図9】図9は、車載装置および携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、乗車者による質問時および回答時の操作例を示す図である。
【図11】図11は、中継装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、回答依頼先抽出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る情報提供システム、中継装置および端末装置の実施例を詳細に説明する。まず、実施例の詳細な説明に先立ち、本発明に係る情報提供手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る情報提供手法の概要を示す図である。なお、ここでは、一例として、車両間において情報提供を行う場合について説明する。
【0022】
同図中の100a〜100gは、本発明に係る車載システムを搭載した車両をあらわしている。ここで、「車載システム」とは、たとえば、GPS(Global Positioning System)機能やナビゲーション機能を有する携帯端末装置と、表示機能等の基礎的な機能のみを有する車載装置とをブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信によって連携させたシステムである。ただし、携帯端末装置が有する機能を車載装置が有する場合には、車載システムは、少なくとも車載装置を含んでいればよい。
【0023】
図1の(A)に示したように、中継装置10は、車載システム間で送受信される情報を中継する装置である。かかる中継装置10は、車載システムの位置情報を定期的に取得することによって、各車載システムの位置を把握している。
【0024】
ここで、中継装置10が、車両100aに搭載された車載システムから質問情報を受信したとする(同図の(1)参照)。かかる場合、中継装置10は、受信した質問情報から質問内容を特定し(同図の(2)参照)、特定した質問内容および各車載システムの位置情報に基づいて回答依頼先となる車載システムを抽出する(同図の(3)参照)。
【0025】
具体的には、中継装置10は、質問情報を送信した車載システムの位置情報および質問内容に基づいて回答依頼の送信範囲を決定する。たとえば、特定した質問内容が「美味しいレストランはありますか?」という内容であった場合、中継装置10は、車両100a周辺の所定範囲(たとえば、車両100aが所在する市や区等の地域)を送信範囲として決定する。また、特定した質問内容が「前方は渋滞していますか?」という内容であった場合には、車両100aよりも前方の所定範囲を送信範囲として決定する。
【0026】
つづいて、中継装置10は、決定した送信範囲に所在する車載システムを回答依頼先として抽出する。たとえば、同図の(A)では、車両100bおよび車両100cが回答依頼先として決定されている。
【0027】
そして、中継装置10は、回答依頼先として決定した車両100bおよび車両100cに搭載された車載システムに対して回答依頼をそれぞれ送信する(同図の(4)参照)。
【0028】
このように、本発明に係る情報提供手法では、質問内容および位置情報に基づいて回答依頼先となる車載システムを抽出することとした。すなわち、質問に対する回答依頼先を、有効な回答情報を持っている可能性が高い乗車者に限定することで、一の車両からの質問に対する回答を他の車両から適切に収集することができる。
【0029】
ところで、本発明に係る情報提供手法では、各車載システムの現在の位置情報だけでなく、過去の位置情報も考慮して回答依頼先をさらに抽出することもできる。
【0030】
具体的には、同図の(B)に示すように、中継装置10は、各車載システムの行動履歴情報を記憶している。そして、中継装置10は、かかる行動履歴情報を参照することで、送信範囲に過去に所在した車載システムを特定し、特定した車載システムを回答依頼先としてさらに抽出する。
【0031】
このとき、本発明に係る情報提供手法では、車載システムの抽出をどの程度過去まで遡って行うかを質問内容のリアルタイム性に応じて決定することとしている。ここで、「質問内容のリアルタイム性」とは、回答内容の根拠となる情報の古さがどの程度まで許容されるかをあらわす尺度である。
【0032】
たとえば、質問内容のリアルタイム性が高い場合には、回答内容の根拠となる情報が新しいものでなければ許容されないことを意味する。このようにリアルタイム性が高い質問内容については、抽出期間を短くすることで、有効性のない回答が収集されるのを防止できる。なお、このような質問内容としては、たとえば、「前方は渋滞していますか?」といったものが該当する。
【0033】
また、質問内容のリアルタイム性が低い場合には、回答内容の根拠となる情報がある程度古いものであっても許容されることを意味する。このようにリアルタイム性が低い質問内容については、抽出期間を長くすることで、有効性のある回答をより多く収集することができる。なお、リアルタイム性が低い質問内容としては、たとえば、「美味しいレストランはありますか?」といったものが該当する。
【0034】
このように、中継装置10は、質問内容のリアルタイム性が低いものほど、より過去に遡って車載システムの抽出を行うこととしている。すなわち、質問内容のリアルタイム性に従って送信範囲に所在した車載システムを抽出する抽出期間を決定することで、質問に対する回答をより適切に収集することができる。
【0035】
なお、質問内容や回答内容は、あらかじめ定型化されたものを用いることとしてもよい。これによって、乗車者は、運転中であっても気軽に質問や回答を行うことができる。
【0036】
以下では、図1を用いて説明した情報提供手法を適用した情報提供システム、中継装置および端末装置についての実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0037】
図2は、本実施例に係る中継装置10が接続されるネットワーク環境を示す図である。なお、同図の(A)には、中継装置10が接続されるネットワーク環境を、同図の(B)には、車両に搭載される車載システムの構成例を、それぞれ示している。
【0038】
同図の(A)に示したように、中継装置10は、管理センターに設置され、車両100a〜100n間で送受信される情報を中継する装置である。かかる中継装置10は、インターネット等のネットワークを介して車両100a〜100nにそれぞれ搭載された車載システムと接続されている。
【0039】
車載システムは、同図の(B)に示したように、車載装置20および携帯端末装置30を含んで構成されており、携帯端末装置30が、中継装置10との通信を担っている。
【0040】
車載装置20は、表示機能やオーディオ再生機能、携帯端末装置30との通信機能といった基礎的な機能のみを実装しており、携帯端末装置30と連携することで多機能化する車載装置である。
【0041】
また、携帯端末装置30は、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信を用いて車載装置20と接続する。ここで、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)とは、2.4GHzの周波数帯を用いて半径数10m程度の無線通信を行う近距離無線通信規格であり、近年では、携帯電話やパーソナルコンピュータなどの電子機器に広く適用されている。
【0042】
なお、本実施例では、ブルートゥース(登録商標)を用いて車載装置20/携帯端末装置30間の通信を行う場合について説明するが、Wi−Fi(ワイファイ:登録商標)、ZigBee(ジグビー:登録商標)といった他の無線通信規格を用いることとしてもよい。また、車載装置20/携帯端末装置30間の通信を有線通信で行うこととしてもよい。
【0043】
また、携帯端末装置30は、GPS衛星等の測位衛星と接続することによって、測位衛星から位置情報を取得する。なお、以下では、車両100a〜100nのうちの任意の車両100a〜100nを単に「車両100」と記載することとする。
【0044】
次に、本実施例に係る中継装置10の構成について図3を用いて説明する。図3は、中継装置10の構成を示すブロック図である。なお、同図には、中継装置10の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0045】
同図に示したように、中継装置10は、通信インタフェース11と、記憶部12と、制御部13とを備えている。また、記憶部12は、ユーザ情報12aと、地図情報12bと、蓄積回答情報12cとを記憶している。また、制御部13は、ユーザ情報登録部13aと、質問内容特定部13bと、依頼先抽出部13cと、回答依頼送信部13dと、回答情報収集部13eと、回答情報送信部13fとを備えている。
【0046】
通信インタフェース11は、携帯端末装置30との間で通信データの送受信を行う通信デバイスである。記憶部12は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部である。
【0047】
ユーザ情報12aは、本実施例に係る車載システムを搭載した車両100への乗車者、詳しくは、携帯端末装置30の所有者に関する情報である。具体的には、ユーザ情報12aは、携帯端末装置30の位置情報の他、過去に取得した位置情報から生成された行動履歴情報等を含んでいる。なお、ユーザ情報12aの具体的な内容については、図7を用いて後述する。
【0048】
地図情報12bは、車両100が走行する一般道や高速道路に関する情報の他、店舗やビルあるいは公園といった施設に関する情報を含んでいる。なお、施設に関する情報には、施設の現在地のほか、施設名や営業時間、電話番号等が含まれている。
【0049】
蓄積回答情報12cは、車両100(携帯端末装置30)から送信された回答情報を回答情報収集部13eが蓄積した情報である。
【0050】
制御部13は、中継装置10全体を制御する制御部である。ユーザ情報登録部13aは、通信インタフェース11を介して携帯端末装置30から受信した位置情報をかかる携帯端末装置30の識別情報(以下、「携帯ID」と記載する)と関連付けてユーザ情報12aとして記憶する処理部である。
【0051】
なお、携帯端末装置30は、車載装置20との連携中においてのみ位置情報を中継装置10へ送信するものとする。また、携帯端末装置30は、位置情報とともに自装置の携帯IDを送信するものとする。
【0052】
また、ユーザ情報登録部13aは、ユーザ情報12aとして蓄積された過去の位置情報に基づいて各車載システムを搭載した車両100の行動履歴情報を生成する処理部でもある。そして、ユーザ情報登録部13aは、行動履歴情報を生成すると、生成した行動履歴情報を携帯IDと関連付けてユーザ情報12aとして記憶する。
【0053】
質問内容特定部13bは、携帯端末装置30から通信インタフェース11経由で質問情報を受信した場合に、受信した質問情報から質問内容を特定する処理部である。
【0054】
具体的には、本実施例では、質問内容が定型化されており、質問情報には、質問者(乗車者)によって選択された質問内容を識別する識別情報(以下、「質問ID」と記載する)が埋め込まれている。そして、質問内容特定部13bは、かかる質問IDを質問情報から取り出すことによって質問内容を特定する。
【0055】
なお、質問情報には、質問IDのほかに、携帯ID等の他の情報も埋め込まれている。質問内容特定部13bは、質問情報から質問IDや携帯ID等の情報を取り出すと、取り出した情報を依頼先抽出部13cへ渡す。
【0056】
ここで、質問内容の一例について図4を用いて説明する。図4は、質問内容の一例を示す図である。同図に示したように、本実施例では、「美味しいレストラン」、「お薦めのショップ」、「お薦めのスポット」「渋滞」および「天気」の5つの質問内容が、それぞれ質問ID「Q01」〜「Q05」と対応付けられてあらかじめ用意されている。
【0057】
これら5つの質問内容は、リアルタイム性の観点から、質問ID「Q01」〜「Q03」のグループ(第1のグループ)と、質問ID「Q04」および「Q05」のグループ(第2のグループ)とに分類されている。
【0058】
具体的には、第1のグループは、リアルタイム性が低い質問内容のグループである。ここで、「リアルタイム性が低い質問内容」とは、言い換えれば、回答内容の有効期間が長い質問内容である。すなわち、回答内容の根拠となる情報が比較的古い場合であっても許容されることを意味する。
【0059】
たとえば、質問ID「Q01」の質問内容「美味しいレストラン」は、そのレストランを1ヶ月前に訪れた乗車者からの回答であったとしても、その回答内容の有効性は高いと言える。これは、レストランで振舞われる料理の味が、短期間で変化するものではないためである。
【0060】
一方、第2のグループは、リアルタイム性が高い質問内容のグループである。ここで、「リアルタイム性が高い質問内容」とは、言い換えれば、回答内容の有効期間が短い質問内容である。すなわち、回答内容の根拠となる情報が新しいものでなければならないことを意味する。
【0061】
たとえば、質問ID「Q04」の質問内容「渋滞」や質問ID「Q05」の質問内容「天気」は、現在その場にいる者からの回答でなければ有効性は低いといえる。
【0062】
このように、本実施例では、各質問内容に対してリアルタイム性があらかじめ設定されており、かかるリアルタイム性に応じて2つのグループに分類することとしている。
【0063】
なお、同図に示したように、本実施例では、質問内容が定型化されている場合について説明するが、これに限ったものではない。たとえば、質問者は、携帯端末装置30を用いて質問文を入力し、入力した質問文を含んだ質問情報を中継装置10へ送信することとしてもよい。かかる場合、質問内容特定部13bは、質問文から「渋滞」や「天気」あるいは「店」といったキーワードを抽出することによって、質問内容を特定することができる。
【0064】
図3に戻り、依頼先抽出部13cについて説明する。依頼先抽出部13cは、質問内容特定部13bから受け取った情報(質問IDや携帯ID等)と、ユーザ情報12aと、地図情報12bとを用いて、質問内容の回答依頼先となる車両100(携帯端末装置30)を抽出する処理部である。
【0065】
具体的には、依頼先抽出部13cは、まず、質問内容が属するグループ(第1のグループまたは第2のグループ)を質問IDから特定する。また、依頼先抽出部13cは、質問情報を送信した車両100(携帯端末装置30)の位置情報を携帯IDから特定する。そして、依頼先抽出部13cは、特定したグループおよび位置情報に応じて回答依頼先の送信範囲を決定する。
【0066】
つづいて、依頼先抽出部13cは、決定した送信範囲に所在する車両100(携帯端末装置30)をユーザ情報12aを参照して特定し、特定した車両100(携帯端末装置30)を回答依頼先として抽出する。そして、依頼先抽出部13cは、抽出した車両100(携帯端末装置30)の携帯IDおよび質問内容を回答依頼送信部13dへ渡す。
【0067】
回答依頼送信部13dは、依頼先抽出部13cから携帯IDおよび質問内容を受け取ると、携帯IDによって識別される携帯端末装置30に対して質問内容への回答依頼を送信する処理部である。
【0068】
なお、本実施例では、質問内容と同様に、回答依頼の内容も定型化されているものとする。たとえば、質問内容「渋滞」に対する回答依頼の内容は、「前方は渋滞していますか?」といった内容であり、質問内容「美味しいレストラン」に対する回答依頼の内容は、「近くに美味しいレストランはありますか?」といった内容となっている。
【0069】
このように、回答依頼の内容を定型化することで、回答者(乗車者)は、毎回、定型化された回答依頼を受け取ることとなるため、回答依頼の内容(すなわち、質問内容)を短時間で把握することができる。
【0070】
なお、回答依頼送信部13dは、一の車両100(携帯端末装置30)から受信した質問情報およびかかる質問情報に対する回答依頼に対してそれぞれ共通の整理番号を付すことによって、回答依頼先から回答情報を受信したときに、どの質問情報に対する回答情報であるかを特定可能としている。
【0071】
ここで、質問内容特定部13b、依頼先抽出部13cおよび回答依頼送信部13dの動作例について図5〜図8を用いて説明する。なお、以下では、質問内容が第1のグループに属する質問内容である場合の動作例について図5〜図7を用いて説明したあと、質問内容が第2のグループに属する質問内容である場合の動作例について図8を用いて説明することとする。
【0072】
まず、質問内容が第1のグループに属する質問内容である場合の動作例について説明する。図5は、質問内容が第1のグループに属する質問内容である場合の動作例を示す図である。なお、同図の(A)には、質問内容特定部13bの動作例を、同図の(B)には、依頼先抽出部13cおよび回答依頼送信部13dの動作例を、それぞれ示している。
【0073】
同図の(A)に示したように、中継装置10では、車両100a(具体的には、車両100aに搭載された車載システムを構成する携帯端末装置30)から質問情報を受信すると(同図の(1)参照)、質問内容特定部13bが、質問IDから質問内容を特定する(同図の(2)参照)。ここでは、質問ID「Q01」の質問内容「美味しいレストラン」が特定されたとする。また、かかる質問内容は、リアルタイム性が低い第1のグループに属する質問内容である。
【0074】
質問内容が第1のグループである場合、依頼先抽出部13cは、同図の(B)に示したように、質問情報に含まれる携帯IDを参照し、記憶部12に記憶されたユーザ情報12aから、質問情報を送信した車両100a(携帯端末装置30)の位置情報を特定する(同図の(3)参照)。
【0075】
また、依頼先抽出部13cは、特定した位置情報に対応する地域を回答依頼の送信範囲として決定する(同図の(4)参照)。ここでは、車両100a(携帯端末装置30)が「K市」に所在しているため、送信範囲として「K市」が決定されることとなる。
【0076】
そして、中継装置10では、依頼先抽出部13cが、決定された送信範囲「K市」に所在する他の車両100(携帯端末装置30)を回答依頼先として抽出し(同図の(4)参照)、回答依頼送信部13dが、回答依頼先として抽出された車両100(携帯端末装置30)に対して回答依頼を送信する(同図の(5)参照)。ここでは、車両100b〜100eの携帯端末装置30に対して「近くにある美味しいレストランを教えてください。」という回答内容の回答依頼が送信される。
【0077】
なお、ここでは、質問者の現在地に対応する地域を「市」としたが、これに限ったものではなく、かかる地域は、「区」や「町」といった他の単位であってもよい。
【0078】
また、質問内容が第1のグループに属する場合、依頼先抽出部13cは、送信範囲に現在所在している車両100(携帯端末装置30)だけでなく、過去に送信範囲に所在していた車両100(携帯端末装置30)も回答依頼先として抽出する。
【0079】
以下では、かかる場合について図6を用いて説明する。図6は、行動履歴情報を用いた回答依頼先抽出処理の動作例を示す図である。なお、同図の(A)には、車両100a(携帯端末装置30)が質問情報を送信する1時間前のK市の様子を、同図の(B)には、現在のK市の様子を、それぞれ示している。
【0080】
同図の(A)に示したように、車両100f〜100hが、車両100a(携帯端末装置30)が質問情報を送信する1時間前にK市内に所在していたとする。また、かかる時点から質問情報が送信されるまでの間に、車両100f〜100hがK市外へ移動し、車両100a〜100eがK市内に移動してきたとする。すなわち、K市には、この1時間で、車両100aを除く車両100b〜100hの7台が所在していたとする。
【0081】
一方、依頼先抽出部13cは、質問内容が第1のグループに属する場合、送信範囲であるK市からの車両100(携帯端末装置30)の抽出期間を1時間と決定する。つづいて、依頼先抽出部13cは、過去1時間分の行動履歴情報を参照し、抽出期間中にK市に所在した車両100(携帯端末装置30)を特定する。ここでは、車両100b〜100hの7台が特定されることとなる。
【0082】
そして、依頼先抽出部13cは、特定した7台の車両100b〜100hの携帯端末装置30を回答依頼先として抽出する。この結果、同図の(B)に示したように、現在K市に所在していない車両100f〜100hにも回答依頼が送信されることとなる。
【0083】
このように、依頼先抽出部13cが、質問内容のリアルタイム性に応じて、過去に送信範囲に所在した車載システムを抽出する抽出期間を決定し、決定した抽出期間において送信範囲に所在した車載システムを行動履歴情報に基づいて特定して、特定した車載システムを回答依頼先としてさらに抽出することとしたため、質問に対する回答をより適切に収集することができる。
【0084】
すなわち、第1のグループに属する質問内容のように、リアルタイム性が低い質問内容の場合、現時点では送信範囲に所在していない車両100(携帯端末装置30)であっても有効な情報を持っている可能性が高い。このため、送信範囲に現在所在する車両100(携帯端末装置30)だけでなく、過去に所在した車両100(携帯端末装置30)も回答依頼先へ加えることで、有効な回答情報をより多くの車両100(携帯端末装置30)から収集することができる。
【0085】
さらに、どの程度まで過去に遡ってよいかは、質問内容のリアルタイム性に左右されるため、かかるリアルタイム性に応じて抽出期間を決定することで、有効期間を渡過した回答が収集されることを防止しつつ、有効な回答情報を収集することができる。
【0086】
なお、ここでは、説明の便宜上、抽出期間を1時間としたが、「美味しいレストラン」などの施設に関する質問である場合、抽出期間は、1ヶ月〜3ヶ月程度であってもよい。
【0087】
ところで、図6では、抽出期間において送信範囲に所在した全ての車両100(携帯端末装置30)を回答依頼先として抽出することとしたが、抽出された車両100(携帯端末装置30)の全てが有効な回答情報を持っているとは限らない。
【0088】
たとえば、普段は送信範囲内に所在していない車両100(携帯端末装置30)が、たまたま送信範囲内に所在していたために回答依頼先として抽出されてしまうことがある。このような場合には、かかる車両100(携帯端末装置30)に対して「近くに美味しいレストランはありますか?」といった質問をしたとしても有効な回答が返ってくる可能性が低いためである。
【0089】
また、「近くに美味しいレストランはありますか?」という質問の回答依頼先として抽出された車両100の乗車者が、送信範囲内のどのレストランにも立ち寄ったことがない場合には、適切な回答を返すことができないおそれもある。
【0090】
そこで、中継装置10は、車両100(携帯端末装置30)が過去に立ち寄った施設に関する立ち寄り情報を行動履歴情報としてさらに記憶し、抽出期間において送信範囲に所在した車両100(携帯端末装置30)の中から、送信範囲内に所在する施設へ立ち寄ったことのある車両100(携帯端末装置30)を行動履歴情報に基づいて絞り込むこととしてもよい。
【0091】
以下では、かかる場合について図7を用いて説明する。図7は、立ち寄り情報に基づいて回答依頼先を絞り込む場合の動作例を示す図である。なお、同図の(A)には、ユーザ情報12aの一例を、同図の(B)には、依頼先抽出部13cおよび回答依頼送信部13dの動作例を、それぞれ示している。
【0092】
同図の(A)に示したように、ユーザ情報12aは、「携帯ID」項目、「現在地」項目および「行動履歴」項目を含んでおり、携帯端末装置30ごとにレコードが登録される。「現在地」項目は、携帯端末装置30から受信した位置情報のうち、最新の位置情報が格納される項目であり、具体的には、「緯度」項目および「経度」項目を含んでいる。なお、「緯度」項目および「経度」項目は、それぞれ位置情報に含まれる緯度および経度が格納される項目である。
【0093】
「行動履歴」項目は、車両100(携帯端末装置30)の行動履歴情報が格納される項目であり、具体的には、「過去位置情報」項目および「立ち寄り情報」項目を含んでいる。
【0094】
「過去位置情報」項目は、携帯端末装置30から受信した位置情報のうち、最新の位置情報以外の位置情報が格納される項目である。
【0095】
「立ち寄り情報」項目は、車両100が過去に立ち寄った施設に関する情報である立ち寄り情報が格納される項目であり、「施設名」項目と「所在地域」項目と「立ち寄った日時」項目とを含んでいる。「施設名」項目は、車両100が立ち寄った施設の施設名が格納される項目であり、「所在地域」項目は、かかる施設の所在地域が格納される項目であり、「立ち寄った日時」項目は、車両100がかかる施設に立ち寄った日時が格納される項目である。
【0096】
ここで、立ち寄り情報は、ユーザ情報登録部13aによって過去位置情報に基づいて生成されるものである。具体的には、ユーザ情報登録部13aは、車両100(携帯端末装置30)から同一の位置を示す位置情報が複数回(たとえば、2回)送られてきた場合であって、かつ、かかる位置情報によって示される場所にレストランや公園といった施設が存在する場合に、この車両100(携帯端末装置30)がその施設に立ち寄ったと判定する。
【0097】
そして、ユーザ情報登録部13aは、車両100(携帯端末装置30)が施設に立ち寄ったと判定すると、かかる車両100(携帯端末装置30)に対応するレコードの「立ち寄り情報」項目に対して、施設名、所在地域および立ち寄った日時をそれぞれ格納する。
【0098】
なお、携帯端末装置30は、車両のエンジン停止時およびエンジン始動時、具体的には、車載装置20との連携を解除する場合および車載装置20と連携した場合に、それぞれ位置情報を送信するものとする。
【0099】
一方、依頼先抽出部13cは、抽出期間内に送信範囲であるK市に所在した車両100(携帯端末装置30)の中から回答依頼先として抽出する車両100(携帯端末装置30)を立ち寄り情報を参照して絞り込む。
【0100】
たとえば、依頼先抽出部13cは、現在K市内に所在しない車両100f〜100hのうち、K市内の施設に立ち寄ったことのある車両100fのみを回答依頼先としてさらに抽出する。
【0101】
この結果、同図の(B)に示したように、図6において抽出された車両100b〜100hの7台の車両うち、K市内の施設に立ち寄ったことのある車両100b〜100fの5台の車両が回答依頼先として抽出され、これらの車両の携帯端末装置30に対して回答依頼が送信されることとなる。
【0102】
このように、依頼先抽出部13cが、抽出期間において送信範囲に所在した車両100(携帯端末装置30)の中から回答依頼先として抽出する車両100(携帯端末装置30)を立ち寄り情報に基づいて絞り込むこととしたため、抽出期間内に送信範囲に所在した車両100(携帯端末装置30)の中から、有効な回答情報を持っている可能性の高い車両100(携帯端末装置30)をさらに抽出することができる。
【0103】
なお、ここでは、抽出期間において送信範囲であるK市に所在した車両100b〜100hのうち、現在所在しない車両100f〜100hを立ち寄り情報に基づいて選別することとしたが、現在K市に所在する車両100b〜100eも立ち寄り情報に基づいて選別してもよい。
【0104】
また、依頼先抽出部13cは、質問内容に対応する施設(たとえば、「近くに美味しいレストランはありますか?」という質問内容であれば「レストラン」)へ立ち寄ったことのある車両100(携帯端末装置30)だけをさらに絞り込むこととしてもよい。このようにすれば、有効な回答情報を持った車両100(携帯端末装置30)のみをより確実に抽出することができる。
【0105】
次に、質問内容が第2のグループに属する質問内容である場合の動作例について図8を用いて説明する。図8は、質問内容が第2のグループに属する質問内容である場合の動作例を示す図である。なお、同図の(A)には、質問内容特定部13bの動作例を、同図の(B)には、依頼先抽出部13cおよび回答依頼送信部13dの動作例を、それぞれ示している。
【0106】
同図の(A)に示したように、車両100i(携帯端末装置30)は、第2のグループに属する質問内容の質問情報を送信する場合には、携帯IDおよび質問IDに加えて、自車両100iに対して設定されたルート情報を含んだ質問情報を送信する。
【0107】
中継装置10では、車両100i(携帯端末装置30)から質問情報を受信すると(同図の(1)参照)、質問内容特定部13bが、質問IDから質問内容を特定する(同図の(2)参照)。ここでは、質問ID「Q04」の質問内容「渋滞」が特定されたとする。かかる質問内容は、リアルタイム性が高い第2のグループに属する質問内容である。
【0108】
質問内容が第2のグループである場合、依頼先抽出部13cは、同図の(B)に示したように、携帯IDに対応する位置情報およびルート情報から、車両100iよりも前方かつルート上の所定範囲を送信範囲として決定する(同図の(3)参照)。
【0109】
そして、中継装置10では、依頼先抽出部13cが、決定された送信範囲に所在する車両100(携帯端末装置30)を回答依頼先として抽出し、回答依頼送信部13dが、回答依頼先として抽出された車両100(携帯端末装置30)に対して回答依頼を送信する。ここでは、車両100j〜100lの携帯端末装置30に対して「前方は渋滞していますか?」という回答内容の回答依頼が送信される(同図の(4)参照)。
【0110】
なお、同図の(B)に示したように、依頼先抽出部13cは、ルート情報として設定ルートのほかに代替ルートが含まれる場合には、かかる代替ルートも送信範囲として決定してもよい。また、依頼先抽出部13cは、車両100nのように、車両100iとは進行方向が逆の車両100が送信範囲に所在する場合には、かかる車両100を回答依頼先から除外することとしてもよい。
【0111】
また、依頼先抽出部13cは、質問内容が第2のグループである場合には、抽出期間を「0」に決定する。すなわち、依頼先抽出部13cは、送信範囲に現在所在する車両100(携帯端末装置30)のみを回答依頼先として抽出する。
【0112】
すなわち、「前方は渋滞していますか?」といった質問を、その場所を1日前に通過した車両100(携帯端末装置30)に対して行ったとしても、かかる車両100(携帯端末装置30)から有効な回答が得られる可能性は低い。このため、依頼先抽出部13cは、送信範囲に現在所在する車両100(携帯端末装置30)のみを回答依頼先として抽出することで、リアルタイム性が高い(言い換えれば、回答内容の有効期間が短い)質問内容に対する回答情報をより適切に収集することができる。
【0113】
また、依頼先抽出部13cが、質問情報を送信した車載システムから受信したルート情報に基づき、当該車載システムよりも前方かつルート上の所定範囲に送信範囲を限定することとしたため、送信範囲を最適化することができる。
【0114】
図3に戻り、回答情報収集部13eについて説明する。回答情報収集部13eは、回答依頼先となった車両100(携帯端末装置30)からの回答情報を一定時間受け付け、受信した回答情報を蓄積回答情報12cへ蓄積する処理部である。
【0115】
ここで、回答情報収集部13eは、回答情報を受信すると、受信した回答情報に付与された整理番号ごとに回答情報を集計したうえで、蓄積回答情報12cとして記憶する。なお、蓄積回答情報12cは、回答情報を、同一の整理番号が付与された質問情報により特定される質問IDおよび質問元の車両100(携帯端末装置30)の位置情報と関連付けた情報である。
【0116】
また、回答情報収集部13eは、回答情報の受け付けを終了すると、回答情報送信部13fに対して回答情報送信指示を行う。
【0117】
回答情報送信部13fは、回答情報収集部13eから回答情報送信指示を受けた場合に、蓄積回答情報12cから該当する回答情報を取り出して通信インタフェース11経由で質問元の車両100(携帯端末装置30)へ送信する処理部である。
【0118】
ところで、中継装置10は、質問情報を受信した場合に、かかる質問情報に対する回答情報が蓄積回答情報12cとして既に記憶されている場合には、他の車両100(携帯端末装置30)に対して回答依頼を行うことなく、かかる回答情報を質問元の車両100(携帯端末装置30)へ送信することとしてもよい。
【0119】
具体的には、回答情報送信部13fは、質問内容特定部13bから質問IDを受け取るとともに、質問情報に含まれる携帯IDから質問元の車両100(携帯端末装置30)の位置情報を特定する。また、回答情報送信部13fは、これら質問IDおよび位置情報をキーとし、同様の質問IDおよび位置情報と関連付けられた回答情報を蓄積回答情報12cから検索する。
【0120】
そして、回答情報送信部13fは、該当する回答情報が検索された場合には、検索された回答情報を蓄積回答情報12cから取り出して質問元の車両100(携帯端末装置30)へ送信する。一方、中継装置10では、該当する回答情報が蓄積回答情報12cから検索されなかった場合に、依頼先抽出部13cおよび回答依頼送信部13dの処理を実行する。
【0121】
このように、回答情報送信部13fが、質問内容特定部13bによって特定された質問内容に対する回答情報を蓄積回答情報12cの中から検索するとともに、蓄積回答情報12cから該当する回答情報が検索されなかった場合に、依頼先抽出部13cによる処理および回答依頼送信部13dによる処理を実行することとした。したがって、質問者が欲している情報を保持している場合には、かかる情報を質問者に対して提供することができ、質問者が欲している情報を保持していない場合であっても、他の車両100(携帯端末装置30)から情報を募ることによって、かかる情報を質問者へ提供することができる。
【0122】
次に、車載装置20および携帯端末装置30の構成について図9を用いて説明する。図9は、車載装置20および携帯端末装置30の構成を示すブロック図である。なお、同図には、車載装置20および携帯端末装置30の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0123】
車載装置20は、近距離通信部21と、タッチパネルディスプレイ22と、マイク23と、スピーカ24と、制御部25とを備えている。また、タッチパネルディスプレイ22は、表示部22aと、操作部22bとを備え、制御部25は、連携部25aを備えている。
【0124】
一方、携帯端末装置30は、近距離通信部31と、通信インタフェース32と、位置情報取得部33と、記憶部34と、制御部35とを備えている。また、記憶部34は、質問内容候補34aと、回答内容候補34bとを記憶し、制御部35は、送信処理部35aと、連携部35bと、受信処理部35cとを備えている。
【0125】
まず、車載装置20の各構成要素について説明する。近距離通信部21は、携帯端末装置30との間でブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信を行う処理部である。タッチパネルディスプレイ22は、各種画像を表示するためのディスプレイの表面に入力用のタッチパネルを付した入出力デバイスである。ここでは、説明の便宜上、タッチパネルディスプレイ22を表示部22aと操作部22bとに分けて説明する。
【0126】
マイク23は、乗車者の音声を収集するとともに、集音した音声を連携部25aへ渡す処理を行う集音部である。スピーカ24は、連携部25aから受け取った音声を出力する音声出力部である。
【0127】
制御部25は、車載装置20全体を制御する制御部であり、連携部25aを備えている。連携部25aは、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信を用いて携帯端末装置30との通信リンクを確立するとともに、確立した通信リンクを用いて車載装置20/携帯端末装置30間の通信処理を行う処理部である。
【0128】
具体的には、連携部25aは、乗車者による操作部22bへの操作に応じて、携帯端末装置30の記憶部34に記憶された質問内容候補34aまたは回答内容候補34bを近距離通信部21経由で受信して表示部22aに対して表示させる処理を行う。また、連携部25aは、操作部22bから質問IDまたは回答IDを受け取ると、受け取った質問IDまたは回答IDを近距離通信部21経由で携帯端末装置30へ渡す。
【0129】
また、連携部25aは、マイク23から受けった音声を近距離通信部21を介して携帯端末装置30へ渡したり、携帯端末装置30から近距離通信部21を介して受け取った音声をスピーカ24に対して出力させたりもする。
【0130】
次に、携帯端末装置30の各構成要素について説明する。近距離通信部31は、車載装置20との間でブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信を行う処理部である。また、通信インタフェース32は、中継装置10との間で通信データの送受信を行う通信デバイスである。
【0131】
位置情報取得部33は、測位衛星から位置情報を取得して送信処理部35aへ渡す処理を行う処理部である。記憶部34は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、質問内容候補34aと、回答内容候補34bとを記憶している。
【0132】
質問内容候補34aは、図4に示した5つの質問内容を質問IDと関連付けた情報である。また、回答内容候補34bは、質問ID「Q04」および「Q05」の質問内容に対してあらかじめ用意された回答内容を回答IDと関連付けた情報である。このように、本実施例では、質問内容および回答内容が定型化されているため、乗車者は、質問や回答を気軽に行うことができる。
【0133】
制御部35は、携帯端末装置30全体を制御する制御部であり、送信処理部35aと、連携部35bと、受信処理部35cとを備えている。
【0134】
送信処理部35aは、位置情報取得部33から位置情報を定期的に受け取って携帯IDとともに中継装置10へ送信する処理部である。また、送信処理部35aは、連携部35bから質問IDを受け取った場合に、受け取った質問IDおよび携帯IDを含んだ質問情報を生成して中継装置10へ送信する処理部でもある。なお、質問IDが「Q04」または「Q05」である場合、送信処理部35aは、質問IDおよび携帯IDに加えてルート情報も含んだ質問情報を生成して中継装置10へ送信する。
【0135】
このように、送信処理部35aは、乗車者(使用者)からの入力操作に基づく質問情報を所定の中継装置に対して送信する。
【0136】
また、送信処理部35aは、連携部35bから回答IDおよび整理番号を受け取ると、受け取った回答IDおよび整理番号を含んだ回答情報を中継装置10に送信する。
【0137】
連携部35bは、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信を用いて車載装置20との通信リンクを確立するとともに、確立した通信リンクを用いて車載装置20/携帯端末装置30間の通信処理を行う処理部である。
【0138】
具体的には、連携部35bは、車載装置20から質問IDを受け取った場合に、受け取った質問IDを送信処理部35aへ渡す処理を行う。同様に、連携部35bは、車載装置20から回答IDおよび整理番号を受け取った場合に、受け取った回答IDおよび整理番号を送信処理部35aへ渡す処理を行う。
【0139】
また、連携部35bは、受信処理部35cから質問IDおよび整理番号を受け取った場合に、受け取った質問IDに対応する質問内容および回答内容候補34bを記憶部34から取り出し、取り出した質問内容および回答内容候補34bを整理番号とともに近距離通信部31経由で車載装置20へ渡す。また、連携部35bは、受信処理部35cから回答情報を受け取った場合に、受け取った回答情報を近距離通信部31経由で車載装置20へ送信する。
【0140】
このように、連携部35bは、中継装置10から回答情報を受信した場合に、かかる回答情報の内容を車載装置20を介して乗車者(使用者)へ報知する。
【0141】
受信処理部35cは、中継装置10から通信インタフェース31経由で回答依頼を受信した場合に、受信した回答依頼から質問IDおよび整理番号を取り出して連携部35bへ渡す処理部である。また、受信処理部35cは、中継装置10から通信インタフェース31経由で回答情報を受信した場合に、受信した回答情報を連携部35bへ渡す処理部でもある。
【0142】
ここで、乗車者による質問時および回答時の操作例について図10を用いて説明する。図10は、乗車者による質問時および回答時の操作例を示す図である。なお、同図の(A)には、質問時の操作例を、同図の(B)には、回答時の操作例を、同図の(C)には、自主的な投稿を行う場合の操作例をそれぞれ示している。
【0143】
まず、質問時の操作例について同図の(A)を用いて説明する。同図の(A)に示したように、乗車者は、質問を行いたい場合には、まず、表示部22aに表示されたメニューボタン221を押下する。ここで、かかるメニューボタン221が押下されると、連携部25aは、携帯端末装置30から質問内容候補34aを受け取って表示部22aへ表示させる。
【0144】
つづいて、乗車者は、表示部22aに表示された質問内容222a〜222eのうち、所望の質問内容を押下する。そして、乗車者によって質問内容が選択されると、連携部25aは、選択された質問内容に対応する質問IDを携帯端末装置30へ送信する。
【0145】
なお、ここでは、質問内容や回答内容があらかじめ用意されている場合について説明したが、これに限ったものではない。たとえば、乗車者は、携帯端末装置30の図示しない操作部や車載装置20の操作部22bを用いて質問内容や回答内容を入力することとしてもよい。
【0146】
また、携帯端末装置30は、中継装置10から回答情報を受信した場合には、受信した回答情報を車載装置20の表示部22aに代えて(または表示部22aとともに)自装置の図示しないディスプレイに対して表示させてもよい。
【0147】
次に、回答時の操作例について同図の(B)を用いて説明する。なお、同図の(B−1)には、質問内容が第2のグループに属するものである場合を、同図の(B−2)には、質問内容が第1のグループに属するものである場合をそれぞれ示している。
【0148】
同図の(B−1)に示したように、携帯端末装置30が中継装置10から質問情報を受信し、車載装置20の連携部25aが、携帯端末装置30から質問内容および回答内容候補34bを受け取ると、表示部22aには、質問内容に応じた質問文が表示される。ここでは、「前方は渋滞していますか?」という質問文224aが表示されている。
【0149】
乗車者は、質問に回答する場合には、まず、質問文224aを押下する。ここで、質問文224aが押下されると、連携部25aは、携帯端末装置30から受信した回答内容候補34bに含まれる回答内容225a〜225cを表示部22aに対して表示させる。そして、乗車者が何れかの回答内容を押下すると、連携部25aは、押下された回答内容に対応する回答IDを整理番号とともに携帯端末装置30へ送信する。
【0150】
また、同図の(B−2)に示したように、「近くにある美味しいレストランを教えてください。」という質問文224bを受信した場合には、連携部25aは、自車両100の周辺の地図情報を表示部22aに対して表示させる。そして、乗車者は、表示部22aに表示されたレストラン226a〜226dの中からお薦めのレストランを選択する。なお、お薦めしたいレストランが画面上に表示されていない場合、乗車者は、スクロール等の操作を行って所望のレストランを表示させてもよい。
【0151】
乗車者によってレストランが選択されると、連携部25aは、選択されたレストランの識別情報を整理番号とともに携帯端末装置30へ送信する。
【0152】
ところで、乗車者は、質問を受けた場合に限らず、自主的に情報を投稿することもできる。たとえば、同図の(C)に示したように、乗車者は、情報を投稿したい場合には、表示部22aに表示された投稿ボタン227を押下する。ここで、投稿ボタン227が押下されると、表示部22aには、投稿したい内容のカテゴリ228a〜228eが表示される。
【0153】
また、これらカテゴリ228a〜228eのうちの何れかが乗車者によって押下されると、押下されたカテゴリに関する投稿内容229a〜229eがさらに表示される。そして、乗車者によって何れかの投稿内容が押下されると、押下された投稿内容を含んだ投稿情報が、質問情報や回答情報と同様に、携帯端末装置30を介して中継装置10へ送信されることとなる。
【0154】
このように、乗車者に対して質問内容候補34aの中から質問内容を選択させるとともに、複数の回答内容候補34bの中から回答依頼に対する回答内容を選択させることとしため、乗車者は、質問や回答を気軽に行うことができ、これによって、車両間情報提供サービスを活性化させることができる。
【0155】
なお、定型化された質問内容や回答内容ではうまく質問や回答ができないような場合には、乗車者は、表示部22aに表示された音声入力ボタン223を押下し、マイク23を用いて質問内容を音声入力することとしてもよい。
【0156】
たとえば、音声入力ボタン223が押下されると、表示部22aには、同図の(C)に示したカテゴリ228a〜228eが表示され、乗車者は、カテゴリの選択を行ったのち、マイク23を用いて音声入力を行う。これによって、音声入力された質問内容に対して質問IDが割り当てられ、どういったカテゴリの質問であるかを特定することが可能となる。
【0157】
車載装置20は、このようにして入力された音声データを携帯端末装置30経由で中継装置10へ送信し、中継装置10が、回答依頼先を抽出するとともに、抽出した回答依頼先に対して音声データを送信する。これによって、回答依頼先となった車両100(携帯端末装置30)の乗車者は、質問者の音声を聞いて質問に応えることとなる。
【0158】
次に、中継装置10の具体的な動作例について図11を用いて説明する。図11は、中継装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0159】
同図に示したように、中継装置10では、車両100(携帯端末装置30)から質問情報を受信すると、質問内容特定部13bが、質問内容を特定する(ステップS101)。また、回答情報送信部13fは、特定された質問内容および車両100(携帯端末装置30)の位置情報に基づいて蓄積回答情報12cを検索し(ステップS102)、該当する回答情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS103)。
【0160】
かかる判定において回答情報が検索されなかった場合(ステップS103、No)、制御部13は、回答依頼先抽出処理を実行する(ステップS104)。ここで、回答依頼先抽出処理は、複数の車両100(携帯端末装置30)の中から回答依頼先となる車両100(携帯端末装置30)を抽出する処理である。なお、かかる回答依頼先抽出処理の具体的な処理手順については、図12を用いて後述する。
【0161】
回答依頼先抽出処理を終えると、中継装置10では、回答依頼送信部13dが、回答依頼先抽出処理によって抽出された車両100(携帯端末装置30)に対して回答依頼を送信する(ステップS105)。
【0162】
つづいて、中継装置10では、回答依頼先となった車両100(携帯端末装置30)から回答情報を受信すると、回答情報収集部13eが、受信した回答情報を蓄積回答情報12cとして記憶部に蓄積する(ステップS106)。また、中継装置10では、回答依頼を送信してから一定時間が経過したか否かを判定し(ステップS107)、一定時間が経過していない場合には(ステップS107、No)、一定時間が経過するまで回答情報の蓄積を続ける。
【0163】
一方、一定時間が経過したと判定すると(ステップS107、Yes)、回答情報送信部13fは、蓄積回答情報12cの中から該当する整理番号と対応付けられた回答情報を取り出し、取り出した回答情報を質問元の車両100(携帯端末装置30)に対して送信して、処理を終了する。
【0164】
なお、ステップS103において、蓄積回答情報12cに該当する回答情報が記憶されていると判定された場合(ステップS103、Yes)、回答情報送信部13fは、該当する回答情報を蓄積回答情報12cから取り出し、取り出した回答情報を質問元の車両100(携帯端末装置30)へ送信して(ステップS109)、処理を終える。
【0165】
次に、ステップS104における回答依頼先抽出処理について図12を用いて説明する。図12は、回答依頼先抽出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0166】
同図に示すように、回答依頼先抽出処理を開始すると、依頼先抽出部13cは、質問内容が第1のグループに属する質問内容であるか否かを判定する(ステップS201)。かかる処理において、質問内容が第1のグループに属する質問内容であると判定された場合(ステップS201、Yes)、依頼先抽出部13cは、質問元の車両100(携帯端末装置30)の所在地域を送信範囲として決定する(ステップS202)。
【0167】
また、依頼先抽出部13cは、送信範囲に所在する車両100(携帯端末装置30)を回答依頼先として抽出する(ステップS203)。
【0168】
さらに、依頼先抽出部13cは、行動履歴情報を参照し、所定の抽出期間において送信範囲に所在した車両100(携帯端末装置30)を回答依頼先としてさらに抽出して(ステップS204)、処理を終える。
【0169】
一方、質問内容が第1のグループでない場合、すなわち、質問内容が第2のグループである場合(ステップS201、No)、依頼先抽出部13cは、質問元の車両100(携帯端末装置30)の位置情報および質問情報に含まれるルート情報に基づき、質問元の車両100(携帯端末装置30)よりも前方かつルート上の所定範囲を送信範囲として決定して(ステップS205)、処理を終える。
【0170】
上述してきたように、本実施例では、ユーザ情報登録部が、車載システムの位置情報を取得し、質問内容特定部が、車載システムから質問情報を受信した場合に、当該質問情報から質問内容を特定し、依頼先抽出部が、ユーザ情報登録部によって取得された位置情報および内容特定手段によって特定された質問内容に基づいて回答依頼先となる車載システムを抽出し、回答依頼送信部が、回答依頼先として抽出された車載システムに対して質問内容への回答依頼を送信することとした。したがって、一の車両100からの質問に対する回答を他の車両100から適切に収集することができる。
【0171】
また、本実施例では、依頼先抽出部が、質問情報を送信した車載システムの位置情報および質問内容に基づいて回答依頼の送信範囲を決定するとともに、決定した送信範囲に所在する車載システムを回答依頼先として抽出することとした。したがって、質問に対する回答として有効な情報を持っている可能性の高い車両100を効率的に抽出することができる。
【0172】
なお、上述してきた実施例では、車両間において情報提供を行う場合について説明してきたが、これに限ったものではなく、本発明に係る情報提供手法は、パーソナルコンピュータや携帯電話といった端末装置間において情報提供を行う場合にも適用可能である。
【0173】
かかる場合の情報提供システムは、上述してきた実施例において車載装置20および携帯端末装置30が実行する各種処理を所定の端末装置(たとえば、携帯端末装置30やパーソナルコンピュータ)が実行することとすればよい。かかる場合にも、上述してきた実施例と同様に、質問に対する回答を適切に収集することができる。
【産業上の利用可能性】
【0174】
以上のように、本発明に係る情報提供システム、中継装置および端末装置は、質問に対する回答を適切に収集したい場合に有用であり、特に、車載装置と携帯端末装置とを連携させた車載システムを搭載した車両間で相互に情報提供を行う場合に適している。
【符号の説明】
【0175】
10 中継装置
11 通信インタフェース
12 記憶部
12a ユーザ情報
12b 地図情報
12c 蓄積回答情報
13 制御部
13a ユーザ情報登録部
13b 質問内容特定部
13c 依頼先抽出部
13d 回答依頼送信部
13e 回答情報収集部
13f 回答情報送信部
20 車載装置
21 近距離通信部
22 タッチパネルディスプレイ
22a 表示部
22b 操作部
23 マイク
24 スピーカ
25 制御部
25a 連携部
30 携帯端末装置
31 近距離通信部
32 通信インタフェース
33 位置情報取得部
34 記憶部
35 制御部
35a 送信処理部
35b 連携部
35c 受信処理部
100a〜100n 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車載システムと、前記複数の車載システム間で送受信される情報を中継する中継装置とを含んだ情報提供システムであって、
前記中継装置は、
前記車載システムの位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記車載システムから質問情報を受信した場合に、当該質問情報から質問内容を特定する内容特定手段と、
前記位置情報取得手段によって取得された位置情報および前記内容特定手段によって特定された質問内容に基づいて回答依頼先となる前記車載システムを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記車載システムに対して前記質問内容への回答依頼を送信する回答依頼送信手段と
を備えたことを特徴とする情報提供システム。
【請求項2】
前記抽出手段は、
前記質問情報を送信した車載システムの位置情報および前記質問内容に基づいて前記回答依頼の送信範囲を決定するとともに、決定した送信範囲に所在する他の車載システムを前記回答依頼先として抽出することを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。
【請求項3】
前記中継装置は、
前記車載システムを搭載した車両の行動履歴情報を記憶する行動履歴記憶手段
をさらに備え、
前記抽出手段は、
前記内容特定手段によって特定された質問内容のリアルタイム性に応じて、過去に前記送信範囲に所在した車載システムを抽出する抽出期間を決定し、決定した抽出期間において前記送信範囲に所在した車載システムを前記行動履歴情報に基づいて特定し、特定した車載システムを前記回答依頼先としてさらに抽出することを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。
【請求項4】
前記行動履歴記憶手段は、
前記車載システムを搭載した車両が過去に立ち寄った施設に関する立ち寄り情報を前記行動履歴情報としてさらに記憶し、
前記抽出手段は、
前記抽出期間において前記送信範囲に所在した車載システムのうち、前記回答依頼先として抽出する車載システムを前記立ち寄り情報に基づいて絞り込むことを特徴とする請求項3に記載の情報提供システム。
【請求項5】
前記車載システムは、
自車両に対して設定されたルート情報を前記中継装置へ送信するルート情報送信手段
を備え、
前記抽出手段は、
前記質問情報を送信した車載システムから受信したルート情報に基づき、当該車載システムよりも前方かつ走行予定経路上の所定範囲に前記送信範囲を限定することを特徴とする請求項2、3または4に記載の情報提供システム。
【請求項6】
前記車載システムは、
乗車者に対して複数の質問内容候補の中から前記質問内容を選択させる質問内容選択手段と、
前記中継装置から前記回答依頼を受信した場合に、乗車者に対して複数の回答内容候補の中から前記回答依頼に対する回答内容を選択させる回答内容選択手段と
を備えたことを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記載の情報提供システム。
【請求項7】
前記中継装置は、
前記車載システムから受信した回答情報を記憶する回答情報記憶手段と、
前記内容特定手段によって特定された質問内容に対する回答情報を前記回答情報記憶手段に記憶された回答情報の中から検索する検索手段と
をさらに備え、
前記検索手段によって回答情報が検索されなかった場合に、前記抽出手段による処理および前記回答依頼送信手段による処理を実行することを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の情報提供システム。
【請求項8】
複数の車載システム間で送受信される情報を中継する中継装置であって、
前記車載システムの位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記車載システムから質問情報を受信した場合に、当該質問情報から質問内容を特定する内容特定手段と、
前記位置情報取得手段によって取得された位置情報および前記内容特定手段によって特定された質問内容に基づいて回答依頼先となる前記車載システムを抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記車載システムに対して前記質問内容への回答依頼を送信する回答依頼送信手段と
を備えたことを特徴とする中継装置。
【請求項9】
複数の端末装置と、前記複数の端末装置間で送受信される情報を中継する中継装置とを含んだ情報提供システムであって、
前記中継装置は、
前記端末装置の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記端末装置から質問情報を受信した場合に、当該質問情報から質問内容を特定する内容特定手段と、
前記位置情報取得手段によって取得された位置情報および前記内容特定手段によって特定された質問内容に基づいて回答依頼先となる前記端末装置を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記端末装置に対して前記質問内容への回答依頼を送信する回答依頼送信手段と
を備えたことを特徴とする情報提供システム。
【請求項10】
複数の端末装置間で送受信される情報を中継する中継装置であって、
前記端末装置の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記端末装置から質問情報を受信した場合に、当該質問情報から質問内容を特定する内容特定手段と、
前記位置情報取得手段によって取得された位置情報および前記内容特定手段によって特定された質問内容に基づいて回答依頼先となる前記端末装置を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記端末装置に対して前記質問内容への回答依頼を送信する回答依頼送信手段と
を備えたことを特徴とする中継装置。
【請求項11】
使用者からの入力操作に基づく質問情報を所定の中継装置に対して送信する送信手段と、
前記送信手段によって送信された質問情報に対する回答情報を前記中継装置を介して受信した場合に、前記回答情報の内容を報知する報知手段と
を備えたことを特徴とする端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−59005(P2012−59005A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201417(P2010−201417)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【出願人】(591117192)ニフティ株式会社 (144)
【Fターム(参考)】