説明

情報測定装置、情報管理サーバ、情報管理システム、情報測定装置の制御方法、情報管理サーバの制御方法、情報管理プログラムおよびこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】安価な情報測定装置を提供する。
【解決手段】体温計1は、体温を測定する温度センサ3と、所定の時間間隔で時間をカウントするカウンタ5と、体温と、該体温が測定される時点でカウンタ5によってカウントされる測定時カウント数とを対応付けた体温管理データを生成する体温管理データ生成部10と、体温管理データ生成部10によって生成される体温管理データを体温管理サーバ2に送信する送信部12とを備え、送信部12は、体温管理データを送信する送信開始時および送信終了時にそれぞれカウンタ5によってカウントされる、送信開始時カウント数および送信終了時カウント数を取得し、体温管理サーバ2に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象の所定の情報を時系列に測定するとともに、測定した情報を情報管理サーバにネットワークを介して送信する情報測定装置、該情報測定装置から受信した情報を管理する情報管理サーバ、情報管理システム、情報測定装置の制御方法、情報管理サーバの制御方法、情報管理プログラムおよびこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、医療費の高騰や高齢化社会を迎えて、健康維持に対して人々の関心が高まるとともに、疾病しないように、常日頃から自身の健康管理を行うことが望まれるようになっている。例えば、この健康管理としては、食事により摂取するカロリー量および栄養のバランスを調整したり、適度な運動を行って筋肉を動かしたりといったことが行われている。
【0003】
また、健康管理をサポートするための機器として、体温計、体重計、体脂肪計、血圧計、歩数計等の計測器が広く普及している。さらに、近年では、これらの各機器と、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置との間で通信を確立させ、該各機器にて計測した結果を該情報処理装置において記録し管理するようになってきている。
【0004】
また、上記各機器を用いて健康管理を行うためには、該各機器で測定したデータがいつの時点のデータであるかを知る必要がある。上記各機器で測定したデータがいつの時点のデータであるか推定するための技術が特許文献1〜特許文献5、および非特許文献1に開示されている。
【0005】
特許文献1には、正確な発振動作を行う水晶発振子を備えた自動情報観測伝送装置が開示されている。上記自動情報観測伝送装置は、情報の観測から送信までの経過時間を、水晶振動子による正確な発振動作により測定し、その経過時間を情報センターのコンピュータに送信し、情報センター側では、センターのコンピュータに保持している現在時刻から、情報の観測時刻を間接的に求める。
【0006】
また、特許文献2には、血圧の測定日時等をカウントする時計を備えた血圧計が開示されている。上記血圧計は、通信用のインタフェースによって、測定した血圧測定値を測定日時のデータとともに、外部のコンピュータに送信する。
【0007】
また、特許文献3には、生体情報データ測定器に経過時間を測定する計時手段を設けた生体情報管理装置が開示されている。上記生体情報管理装置では、上記生体情報データ測定器が、生体情報およびその測定時の計時をサーバへ送信する際に、上記計時手段による送信動作時の計時をサーバへ送信する。そして、上記生体情報データ測定器から受信した送信動作時の計時と、上記サーバに設けられた計時手段による送信動作時の時刻とから、生体情報測定時刻演算手段によって生体情報の測定時刻を演算する。
【0008】
また、特許文献4には、生体消費熱量測定器に時計機能を設けていない生体消費熱量データ管理装置が開示されている。上記生体消費熱量データ管理装置では、上記生体消費量測定器が生体消費熱量データをサーバへ送信する際に、サーバに設けられた時計手段による送信動作時の時刻に基づき、送信されてきた生体消費熱量データの測定時間を算出する。ただし、上記生体消費熱量データ管理装置は、生体消費熱量データの測定時刻を推定する構成ではなく、合計の測定時間を推定する構成であり、他の文献に記載された技術とは目的が異なっている。
【0009】
また、特許文献5には、電源投入起動から経過時間を計測する経過時間計測手段を備えた周辺機器装置が開示されている。上記周辺機器装置は、時計を内蔵する外部装置から日時情報を取得し、該日付時刻情報に基づいて上記経過時間を実時間に換算する。
【0010】
また、非特許文献1には、時計機能を内蔵しており、測定データを時刻情報とともにパソコンに取り込む機器が開示されている。
【特許文献1】特開2000−331276号公報(平成12年11月30日公開)
【特許文献2】特開平11−253411号公報(平成11年9月21日公開)
【特許文献3】特開2003−210415号公報(平成15年7月29日公開)
【特許文献4】特開2003−260043号公報(平成15年9月16日公開)
【特許文献5】特開2004−303095号公報(平成16年10月28日公開)
【非特許文献1】http://www.microstone.co.jp/archives/VIM-Manual-Medical_r220.pdf
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述した特許文献1〜3、5および非特許文献1に開示された技術では、各機器に情報の測定時刻または情報を測定してからの正確な経過時間を測定するための部材が搭載されている。
【0012】
特に、特許文献2および非特許文献1に記載された技術では、各機器に時計が搭載されているために、時刻設定に必要な時刻表示装置や、時刻を調整するための調整装置等の部材も搭載する必要が生じ、各機器が大型化するとともに、コストが高くなってしまう。
【0013】
また、特許文献1、3、5に開示された技術では、各機器に正確な経過時間を測定するための部材が搭載されているが、このような部材は時計と異なり、時刻設定に必要な時刻表示装置や、時刻を調節するための調整装置等の部材を搭載する必要がない。ただし、正確な経過時間を測定するための部材は高価であるために、各機器は大型化しないが、コストが高くなってしまう。
【0014】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価な情報測定装置、情報管理サーバ、情報管理システム、情報測定装置の制御方法、情報管理サーバの制御方法、情報管理プログラムおよびこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の情報測定装置は、上記課題を解決するために、測定対象の所定の情報を時系列に測定し、該情報の管理を行う情報管理サーバに該情報を送信する情報測定装置であって、上記情報を測定する情報測定手段と、所定の時間間隔で時間をカウントするカウンタと、上記情報と、該情報が測定される時点で上記カウンタによってカウントされる測定時カウント数とを対応付けた情報管理データを生成する情報管理データ生成手段と、上記情報管理データ生成手段によって生成される上記情報管理データを上記情報管理サーバに送信する送信手段とを備え、上記送信手段は、上記情報管理データの送信を開始する前の時点である送信開始時から送信を終了した後の時点である送信終了時までの間の少なくとも2つの時点で、上記カウンタによってカウントされる第1送信時カウント数および第2送信時カウント数を取得し、上記情報管理サーバに送信することを特徴としている。
【0016】
上記構成により、本発明の情報測定装置は、時刻を測定する手段を備えていなくても、所定の時間間隔で時間をカウントする安価なカウンタを用いて、測定対象の所定の情報を測定した測定時刻を情報管理サーバにおいて推定することができる。
【0017】
すなわち、上記情報測定装置において、上記カウンタとして、例えば、月差数秒の腕時計のように1秒毎にカウントするような、経過時間を正確に測定可能なカウンタではなく、製造ロットによって異なる時間間隔で時間をカウントする構成のカウンタを用いたとしても、情報管理サーバにおいて、該情報測定装置によって情報が測定された測定時刻を推定することが可能である。
【0018】
具体的に説明すると、上記情報測定装置では、情報管理データ生成手段によって生成された情報管理データを、送信手段によって情報管理サーバに送信する際に、該送信手段は、上記情報管理データを送信する送信開始時から送信終了時までの間の少なくとも2つの時点で、上記カウンタによってカウントされる第1送信時カウント数および第2送信時カウント数をカウンタから取得し、情報管理サーバに送信する。
【0019】
そして、情報管理サーバにおいて、上記情報測定装置から受診した上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数に基づいて、上記情報管理データの測定時カウント数に対応する時刻を推定する。
【0020】
このように、本発明の情報測定装置は、一定の計時を行うことが可能であればよく、時刻を測定する手段が不要であるために、精度の低い安価なカウンタを用いて構成することができ、かつ、時刻設定に必要な時刻表示装置や調整装置等の部材を省略することができる。そのため、本発明の情報測定装置は、装置の小型化および製造コストの削減が可能となる。
【0021】
なお、測定対象の所定の情報としては、例えば、生体の生体情報の一種である体温、体脂肪、血圧等、あるいは河川の水位等が挙げられる。
【0022】
また、本発明の情報測定装置では、上記情報管理データ生成手段が生成した上記情報管理データを時系列に記憶する情報管理データ記憶部を備え、上記送信手段が上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数のうち少なくとも1つを上記情報管理データとして上記情報管理データ記憶部に記憶させるとともに、上記情報管理データ生成手段が次回送信する上記情報管理データを該情報管理データ記憶部に時系列に記憶させてもよい。
【0023】
情報測定装置が情報管理サーバに対して送信する情報管理データは、該情報測定装置が初めて該情報管理データを情報管理サーバに対して送信するデータである新規データであるか、2回目以降に送信するデータであるかが区別可能である必要がある。
【0024】
そこで、本発明の情報測定装置では、情報測定装置が送信する情報管理データに、該情報管理データが新規データであるか、2回目以降のデータであるかを区別するための目印として、上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数のうち少なくとも1つを含ませている。
【0025】
これは、本発明の情報測定装置が情報管理データ生成手段によって生成された上記情報管理データを時系列に記憶する情報管理データ記憶部を備え、送信手段が上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数のうち少なくとも1つを情報管理データとして該情報管理データ記憶部に記憶させるとともに、情報管理データ生成手段が次回送信する情報管理データを時系列に記憶させることにより、2回目以降の情報管理データには、前回送信時の情報管理データと、次回送信する情報管理データとの間に、前回送信時の上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数のうち少なくとも1つが含まれることになる。
【0026】
すなわち、2回目以降に情報測定装置が情報管理サーバに対して情報管理データを送信する際には、前回送信時の情報管理データと、前回送信時の上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数のうち少なくとも1つと、次回送信する情報管理データとが含まれた情報管理データが送信される。このため、情報管理サーバにおいて、情報測定装置から受信した情報管理データに上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数のうち少なくとも1つが含まれているか否かで、該情報管理データが新規データであるか、2回目以降に受信したデータであるかを判定することができる。
【0027】
これにより、情報管理サーバにおいて、情報を情報測定装置毎に管理することが可能となる。
【0028】
また、本発明の情報測定装置では、上記測定対象の所定の情報は、生体の生体情報であってもよい。
【0029】
本発明の情報管理サーバは、測定対象の所定の情報を時系列に測定するとともに、所定の時間間隔でカウントを刻む情報測定装置から送信される情報を管理する情報管理サーバであって、上記情報の測定時にカウントされる測定時カウント数と上記情報とを対応付けた情報管理データと、上記情報測定装置における該情報管理データの送信開始時から送信終了時までの間の少なくとも2つの時点のカウント数である第1送信時カウント数および第2送信時カウント数とを、上記情報測定装置から受信する受信手段と、時刻を測定する時刻測定手段と、上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数の取得時に、上記時刻測定手段によって測定される第1送信時刻および第2送信時刻を取得し、上記第1送信時カウント数と上記第1送信時刻とを対応付けたデータであって、さらに上記第2送信時カウント数と上記第2送信時刻とを対応付けた送信時刻データを生成する送信時刻データ生成手段と、上記送信時刻データ生成手段によって生成された上記送信時刻データの上記第1送信時カウント数と上記第2送信時カウント数とのカウント数差と、上記第1送信時刻と上記第2送信時刻との時間差とから、上記情報管理データの上記測定時カウント数に対応する時刻を推定する時刻推定手段とを備えることを特徴としている。
【0030】
上記構成により、本発明の情報管理サーバは、所定の時間間隔で時間をカウントする安価なカウンタが設けられた情報測定装置から受信した第1送信時カウント数と第2送信時カウント数を用いて、情報を測定した測定時刻を推定することができる。
【0031】
すなわち、上記情報測定装置において、上記カウンタとして、例えば、月差数秒の腕時計のように1秒毎にカウントするような、経過時間を正確に測定可能なカウンタではなく、製造ロットによって異なる時間間隔で時間をカウントする構成のカウンタを用いたとしても、上記情報管理サーバにおいて、該情報測定装置によって情報が測定された測定時刻を推定することが可能である。
【0032】
具体的に説明すると、上記情報管理サーバでは、情報測定装置から情報管理データを受信する際に、該情報管理データの送信開始時から送信終了時までの間の少なくとも2つの時点で、上記カウンタによってカウントされた第1送信時カウント数および第2送信時カウント数を受信する。そして、情報管理サーバは、上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数の取得時に、時刻測定手段によって測定される第1送信時刻および第2送信時刻を取得する。
【0033】
そのため、本発明の情報管理サーバは、上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数のカウント数差と、上記第1送信時刻および上記第2送信時刻の時間差とから、該情報管理データの測定時カウント数に対応する時刻を推定することが可能となる。
【0034】
なお、測定対象の所定の情報としては、例えば、生体の生体情報の一種である体温、体脂肪、血圧等、あるいは河川の水位等が挙げられる。
【0035】
また、本発明の情報管理サーバでは、上記時刻推定手段は、上記情報と、該情報に対応する上記測定時カウント数と、該測定時カウント数から推定される時刻とを対応付けた時刻推定後データを生成し、上記時刻推定後データを記憶する時刻推定後データ記憶部を備えていてもよい。
【0036】
上記構成により、情報測定装置から受信した情報と、該情報に対応する上記測定時カウント数と、該測定時カウント数から推定される時刻とを対応付けた時刻推定後データを生成し、該時刻推定後データを記憶部に記憶しておくことにより、該情報測定装置にて測定した結果を情報管理サーバにおいて管理することが可能となる。
【0037】
また、情報測定装置からの情報管理データの受信が2回目以降の場合、前回受信した情報管理データから生成された時刻推定後データが、情報管理サーバ記憶部に記憶されている。したがって、情報管理サーバにおいて、情報を情報測定装置毎に管理するためには、2回目以降に受信した情報管理データから生成された時刻推定後データを、前回生成された時刻推定後データに追加記憶させる必要がある。
【0038】
そこで、時刻推定後データに測定時カウント数を対応付けておくことにより、情報測定装置から受信した情報管理データが2回目以降のデータであった場合に、該情報管理データの前回受信した情報管理データの測定時カウント数と、該時刻推定後データの測定時カウント数とを照合することにより、受信した情報管理データが時刻推定後データ記憶部に記憶されているどの時刻推定後データに対応するか調べることができる。これにより、情報管理サーバにおいて、情報を情報測定装置毎に管理することが可能となる。
【0039】
また、本発明の情報管理サーバでは、上記情報管理データに上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数のうち少なくとも1つが含まれているか否かを判定する新規データ判定手段を備えていてもよい。
【0040】
情報測定装置からの情報管理データの受信が2回目以降の場合、前回受信した情報管理データから生成された時刻推定後データが、情報管理サーバ記憶部に記憶されている。したがって、情報管理サーバにおいて、情報を情報測定装置毎に管理するためには、2回目以降に受信した情報管理データから生成された時刻推定後データを、前回生成された時刻推定後データに追加記憶させる必要がある。そのため、情報測定装置から受信した情報管理データは、まず新規データであるか2回目以降のデータであるかを判定する必要がある。
【0041】
また、本発明の情報管理サーバは、2回目以降に情報測定装置から情報管理データを受信する際には、前回受信時の情報管理データと、前回受信時の上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数のうち少なくとも1つと、今回初めて受信する情報管理データとが含まれた情報管理データを受信する。このため、上記情報管理サーバにおいて、情報測定装置から受信した情報管理データに上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数のうち少なくとも1つが含まれているか否かで、該情報管理データが新規データであるか、2回目以降に受信したデータであるかを判定することができる。
【0042】
そのため、上記情報管理サーバでは、情報測定装置から受信した情報管理データが、新規データであるか2回目以降のデータであるかの判定するために、新規データ判定手段が該情報管理データに上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数のうち少なくとも1つが含まれているか否かを判断する。これにより、情報管理サーバにおいて、情報を情報測定装置毎に管理することが可能となる。
【0043】
また、本発明の情報管理サーバでは、上記情報管理データには、前回受信した情報管理データと、前回受信時の上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数のうち少なくとも1つと、前回受信後に生成された情報管理データとが時系列に含まれており、上記時刻推定後データ記憶部から上記時刻推定後データを取得し、該時刻推定後データの上記測定時カウント数と、上記前回受信した情報管理データの上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数とを照合する時刻推定後データ照合手段を備えていてもよい。
【0044】
情報測定装置からの情報管理データの受信が2回目以降の場合、前回受信した情報管理データから生成された時刻推定後データが、情報管理サーバ記憶部に記憶されている。したがって、情報管理サーバにおいて、情報を情報測定装置毎に管理するためには、2回目以降に受信した情報管理データから生成された時刻推定後データを、前回生成された時刻推定後データに追加記憶させる必要がある。
【0045】
また、情報測定装置からの受信が2回目以降の情報管理データには、前回受信した情報管理データと、前回受信時の上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数のうち少なくとも1つと、前回受信後に生成された情報管理データとが時系列に含まれている。
【0046】
そこで、本発明の情報管理サーバでは、情報測定装置から受信した情報管理データに上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数のうち少なくとも1つが含まれている場合、該時刻推定後データの上記測定時カウント数と、該前回受信した情報管理データの上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数のうち少なくとも1つとを照合することにより、該情報管理データがどの時刻推定後データに対応しているかを照合することができる。これにより、情報測定装置から受信した情報管理データを、対応する時刻推定後データに追加記憶させることができるため、情報管理サーバにおいて、情報を情報測定装置毎に管理することが可能となる。
【0047】
本発明の情報管理システムは、上述した情報測定装置と、上述した情報管理サーバとを含むことを特徴としている。
【0048】
したがって、本発明の情報測定装置は、特に大きな記憶容量を有する記憶部を備えることなく、装置の小型化および製造コストの削減が可能となるという効果を奏する。
【0049】
また、本発明の情報管理サーバでは、上記測定対象の所定の情報は、生体の生体情報であってもよい。
【0050】
本発明の情報測定装置の制御方法は、測定対象の所定の情報を時系列に測定し、該情報の管理を行う情報管理サーバに該情報を送信する情報測定装置の制御方法であって、上記情報を測定する情報測定工程と、所定の時間間隔で時間をカウントするカウンタによって、上記情報の測定時にカウントされる測定時カウント数を測定するカウント数測定工程と、上記情報と、上記測定時カウント数とを対応付けた情報管理データを生成する情報管理データ生成工程と、上記情報管理データを上記情報管理サーバに送信する際に、上記情報測定装置における該情報管理データの送信開始時から送信終了時までの間の少なくとも2つの時点のカウント数である第1送信時カウント数および第2送信時カウント数を測定する送信時カウント数測定工程と、上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数を、上記情報管理サーバに送信する送信工程とを含むことを特徴としている。
【0051】
上記情報測定装置の制御方法の各工程においては、情報測定装置の各手段と同様の処理が実現されているので、情報測定装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0052】
本発明の情報管理サーバの制御方法は、測定対象の所定の情報を時系列に測定するとともに、所定の時間間隔でカウントを刻む情報測定装置から送信される情報を管理する情報管理サーバの制御方法であって、
上記情報の測定時にカウントされる測定時カウント数と上記情報とを対応付けた情報管理データと、上記情報測定装置における該情報管理データの送信開始時から送信終了時までの間の少なくとも2つの時点のカウント数である第1送信時カウント数および第2送信時カウント数とを、上記情報測定装置から受信する受信工程と、上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数の取得時の時刻である、第1送信時刻および第2送信時刻を測定する送信時刻測定工程と、上記第1送信時カウント数と上記第1送信時刻とを対応付けたデータであって、さらに上記第2送信時カウント数と上記第2送信時刻とを対応付けた送信時刻データを生成する送信時刻データ生成工程と、上記送信時刻データの上記第1送信時カウント数と上記第2送信時カウント数とのカウント数差と、上記第1送信時刻と上記第2送信時刻との時間差とから、上記情報管理データの上記測定時カウント数に対応する時刻を推定する時刻推定工程とを含むことを特徴としている。
【0053】
情報管理サーバの制御方法の各工程においては、情報管理サーバの各手段と同様の処理が実現されているので、情報管理サーバと同様の作用効果を得ることができる。
【0054】
そのため、本発明の情報管理サーバは、第1送信時カウント数および第2送信時カウント数のカウント数差と、第1送信時刻および第2送信時刻の時間差とから、該情報管理データの測定時カウント数に対応する時刻を推定することが可能となる。
【0055】
なお、上記情報測定装置および上記情報管理サーバは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記情報測定装置および上記情報管理サーバをコンピュータにて実現させる情報管理プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0056】
本発明の情報測定装置は、以上のように、測定対象の所定の情報を時系列に測定し、該情報の管理を行う情報管理サーバに該情報を送信する情報測定装置であって、上記情報を測定する情報測定手段と、所定の時間間隔で時間をカウントするカウンタと、上記情報と、該情報が測定される時点で上記カウンタによってカウントされる測定時カウント数とを対応付けた情報管理データを生成する情報管理データ生成手段と、上記情報管理データ生成手段によって生成される上記情報管理データを上記情報管理サーバに送信する送信手段とを備え、上記送信手段は、上記情報管理データを送信する送信開始時から送信終了時までの間の少なくとも2つの時点で、上記カウンタによってカウントされる第1送信時カウント数および第2送信時カウント数を取得し、上記情報管理サーバに送信することを特徴としている。
【0057】
また、本発明の情報管理サーバは、測定対象の所定の情報を時系列に測定するとともに、所定の時間間隔でカウントを刻む情報測定装置から送信される情報を管理する情報管理サーバであって、上記情報の測定時にカウントされる測定時カウント数と上記情報とを対応付けた情報管理データと、上記情報測定装置における該情報管理データの送信開始時から送信終了時までの間の少なくとも2つの時点のカウント数である第1送信時カウント数および第2送信時カウント数とを、上記情報測定装置から受信する受信手段と、時刻を測定する時刻測定手段と、上記第1送信時カウント数および上記第2送信時カウント数の取得時に、上記時刻測定手段によって測定される第1送信時刻および第2送信時刻を取得し、上記第1送信時カウント数と上記第1送信時刻とを対応付けたデータであって、さらに上記第2送信時カウント数と上記第2送信時刻とを対応付けた送信時刻データを生成する送信時刻データ生成手段と、上記送信時刻データ生成手段によって生成された上記送信時刻データの上記第1送信時カウント数と上記第2送信時カウント数とのカウント数差と、上記第1送信時刻と上記第2送信時刻との時間差とから、上記情報管理データの上記測定時カウント数に対応する時刻を推定する時刻推定手段とを備えることを特徴としている。
【0058】
このように、本発明の情報測定装置および情報管理サーバを含む情報管理システムは、一定の計時を行うことが可能であればよく、時刻を測定する手段が不要であるために、精度の低い安価なカウンタを用いて構成することができ、かつ、時刻設定に必要な時刻表示装置や調整装置等の部材を省略することができる。そのため、本発明の情報管理システムは、装置の小型化および製造コストの削減が可能となる。
【0059】
さらに、本発明の情報管理システムは、単純で安価な構成を要求され、測定情報を常時送信することができない状況に置かれる機器において特に有効であることから、生体に常時装着して測定する可能性のある生体情報測定装置に有望である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
本発明の一実施形態について、測定対象の情報として、生体の生体情報の一つである体温を測定・管理する体温管理システムを例に、図1〜図13に基づいて説明すると以下の通りである。
【0061】
本実施形態の体温管理システムについて図1を参照して説明する。図1は、本実施形態の体温管理システムに用いられる体温計1および体温管理サーバ2の概略構成を示すブロック図である。
【0062】
本実施形態の体温管理システムは、図1に示すように、体温計1と、体温管理サーバ2とから構成されている。上記体温管理システムは、体温計1によって測定されたユーザの体温データを、ネットワーク13を介して体温管理サーバ2に送信し、体温管理サーバ2において各機器から送信された体温データを管理するものである。なお、ネットワーク13としては、赤外線、LAN、Bluetooth、無線等が用いられる。
【0063】
まず、体温計1の全体構成について説明する。
【0064】
体温計1は、温度センサ(情報測定手段)3と、体温表示部4と、カウンタ5と、体温計記憶部6と、体温計主制御部7とを備えている。
【0065】
温度センサ3は、ユーザの体温を電気信号の電圧として測定するものである。
【0066】
体温表示部4は、種々のデータを表示するものである。本実施形態では、体温表示部4には、温度センサ3によって測定されたユーザの体温、ユーザに対する指示、データの処理状況等が表示される。
【0067】
カウンタ5は、所定の時間間隔でカウントを刻むものである。カウンタ5は、一定の計時を行うことが可能であればよく、例えば、セラミック発振子のような、周波数の精度が低い安価な発振子の周波数信号をカウントする構成であってもよい。
【0068】
このように、本実施形態の体温計1におけるカウンタ5は、一定の計時を行うことが可能であればよく、時刻を測定する手段が不要であるために、精度の低い安価なカウンタを用いて構成することができ、かつ、時刻設定に必要な時刻表示装置や調整装置等の部材を省略することができる。そのため、体温計1は、装置の小型化および製造コストの削減が可能となる。
【0069】
体温計記憶部6は、種々のデータを記憶しているものである。本実施形態では、体温計記憶部6には、電圧値と該電圧値に対応する体温データとが対応付けられた電圧・体温データテーブルが記憶されている。また、体温計記憶部6は、体温管理データ記憶部(情報管理データ記憶部)11を備えており、以下に説明する体温計主制御部7に設けられた体温管理データ生成部10によって生成された体温管理データが記憶される。
【0070】
体温計主制御部7は、体温計1の種々の制御を行うためのものであり、電圧・体温データ変換部8と、体温データ取得部9と、体温管理データ生成部(情報管理データ生成手段)10と、送信部(送信手段)12とを備えている。
【0071】
電圧・体温データ変換部8は、温度センサ3によって測定されたユーザの体温に対応する電圧値を体温データに変換するためのものである。具体的には、電圧・体温データ変換部8は、温度センサ3によって測定されたユーザの体温に対応する電圧値を取得し、体温データ取得部9を介して、体温計記憶部6に記憶された電圧値と体温データとを対応付けた電圧・体温データテーブルから、上記電圧値に対応する体温データを取得する。
【0072】
さらに、電圧・体温データ変換部8は、温度センサ3から取得したユーザの体温に対応する電圧値を体温データとして変換した後、該体温データが示す数値を体温表示部4に表示させる。これにより、体温計1のユーザは、測定した体温を把握することが可能となる。
【0073】
体温管理データ生成部10は、電圧・体温データ変換部8によって変換された体温データと、カウンタ5によってカウントされたカウント数とを対応付けた、図2に示すような体温管理データを生成するためのものである。具体的には、体温管理データ生成部10は、電圧・体温データ変換部8によって変換された体温データを取得するとともに、該体温データを取得した時点にカウンタ5によってカウントされた測定時カウント数を取得する。そして、体温管理データ生成部10は、上記体温データと上記測定時カウント数とを対応付けた体温管理データを生成し、該体温管理データを体温計記憶部6の体温管理データ記憶部11に時系列で順次記憶させる。
【0074】
送信部12は、体温計1における種々のデータを体温管理サーバ2に送信するためのものである。具体的には、送信部12は、体温管理データ記憶部11に記憶されている上記体温管理データを体温管理サーバ2に送信する。また、送信部12は、上記体温管理データを体温管理サーバ2に送信する送信開始時および送信終了時にそれぞれカウンタ5によってカウントされる、送信開始時カウント数および送信終了時カウント数を取得し、体温管理サーバ2に送信する。さらに、送信部12は、上記送信開始時カウント数を体温管理データとして体温管理データ記憶部11に追加記憶させる。
【0075】
なお、本実施形態では、送信部12は上記体温管理データを体温管理サーバ2に送信する送信開始時および送信終了時に、カウンタ5によってカウントされた送信開始時カウント数および送信終了時カウント数を取得する構成であるが、本発明はこれに限られない。すなわち、送信部12は、上記体温管理データを体温管理サーバ2に送信する際に、送信開始時から送信終了時までの間の少なくとも2つの時点において、カウンタ5によってカウントされたカウント数を取得する構成であればよい。
【0076】
また、本実施形態では、送信部12は、送信開始時カウント数を体温管理データとして体温管理データ記憶部11に追加記憶させているが、本発明はこれに限られず、送信開始時から送信終了時までの間の少なくとも2つの時点において、カウンタ5によってカウントされたカウント数のうち、少なくとも1つのカウント数を体温管理データとして記憶させる構成であればよい。
【0077】
送信開始時から送信終了時までの間の少なくとも2つの時点とは、上記体温管理データの送信開始時から所定時間経過後の時点であってもよいし、送信部12が該体温管理データの送信開始時から送信終了時までの間に含まれた特定の信号または特定のパターン、例えば、GETやOK等の信号、16進データで0FFF0FFF等のパターンを検出した時点であってもよい。
【0078】
次に、本実施形態の体温管理システムにおける体温管理サーバ2の全体構成について説明する。
【0079】
体温管理サーバ2は、時刻測定部(時刻測定手段)14と、体温管理サーバ記憶部15と、体温管理サーバ主制御部16とを備えている。体温管理サーバ2は、体温計1から体温管理データ、送信開始時カウント数および送信終了時カウント数を取得し、上記送信開始時カウント数および上記送信終了時カウント数を取得した時刻である送信開始時刻および送信終了時刻を時刻測定部14から取得し、それらに基づいて体温管理データの測定時カウント数に対応する時刻を推定するものである。
【0080】
時刻測定部14は、時刻を測定するためのものである。
【0081】
体温管理サーバ記憶部15は、種々のデータを記憶しているものである。本実施形態では、体温管理サーバ記憶部15は、測定時刻推定データ記憶部19および時刻推定後データ記憶部(時刻推定後データ記憶部)24を備えている。
【0082】
体温管理サーバ主制御部16は、体温管理サーバ2の種々の制御を行うためのものであり、受信部(受信手段)17と、測定時刻推定データ生成部(送信時刻データ生成手段)18と、時刻推定部(時刻推定手段)20と、新規データ判定部(新規データ判定手段)21と、時刻推定後データ照合部(時刻推定後データ照合手段)22と、時刻推定後データ取得部23とを備えている。
【0083】
受信部17は、体温計1の送信部12から送信された体温管理データと、送信開始時カウント数と、送信終了時カウント数とをネットワーク13を介して受信するためのものである。
【0084】
測定時刻推定データ生成部18は、受信部17が受信した体温管理データの測定時カウント数に対応する時刻を推定するための測定時刻推定データを生成するためのものである。
【0085】
具体的には、測定時刻推定データ生成部18は、受信部17が受信した送信開示時カウント数および送信終了時カウント数を順次取得するとともに、送信開始時カウント数を取得した時点の時刻である送信開始時刻および送信終了時カウント数を取得した時点の時刻である送信終了時刻を時刻測定部14から取得する。
【0086】
そして、測定時刻推定データ生成部18は、送信開始時カウント数と送信開始時刻とを対応付けたデータであって、さらに送信終了時カウント数と送信終了時刻とを対応付けた送信時刻データを生成する。さらに、測定時刻推定データ生成部18は、上記送信時刻データを、受信部17が受信した上記体温管理データに対応付けた測定時刻推定データを生成し、該測定時刻推定データを測定時刻推定データ記憶部19に記憶させる。
【0087】
なお、本実施形態では、測定時刻推定データ生成部18は、送信時刻データを生成した後、該送信時刻データと体温管理データとを対応付けて測定時刻推定データを生成する構成であるが、本発明はこれに限られず、少なくとも送信時刻データを生成可能な構成であればよい。
【0088】
ここで、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データについて、図4および図6を用いて説明する。測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データとしては、体温計1が初めて体温管理サーバ2に対して送信した体温管理データに基づいて生成されたものと(以下、新規の測定時刻推定データとする)、体温計1が2回目以降に体温管理サーバ2に対して送信した体温管理データに基づいて生成されたもの(以下、2回目以降の測定時刻推定データとする)とがある。図4は、新規の測定時刻推定データを示す表である。図6は、2回目以降の測定時刻推定データを示す表である。
【0089】
新規の測定時刻推定データおよび2回目以降の測定時刻推定データは、図4および図6に示すように、データ番号n1では送信終了時カウント数と送信終了時刻とが対応付けられており、データ番号n2では送信開始時カウント数と送信開始時刻とが対応付けられている。さらに、測定時刻推定データは、データ番号n3以降は、体温データと、該体温データに対応する測定時カウント数とが対応付けられており、最新の体温データから時系列に配置されている。さらに、2回目以降の測定時刻推定データには、図6のデータ番号n9に示すように、前回受信したときの送信開始時カウント数が含まれている。
【0090】
時刻推定部20は、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データを取得し、下記数式1に基づいて計算することにより、該測定時刻推定データのデータ番号nの測定時カウント数に対応する時刻を推定するものである。
(数1)
データ番号nの測定時刻=送信開始時刻−(送信開始時カウント数−データ番号nの測定時カウント数)/(送信終了時カウント数−送信開始時カウント数)×(送信終了時刻−送信開始時刻)
そして、時刻推定部20は、体温計1から受信した体温データと、該体温データに対応する測定時カウント数と、該測定時カウント数から上記数式1に基づいて推定される時刻とを対応付けた時刻推定後データを生成し、該時刻推定後データを時刻推定後データ記憶部24に記憶させる。時刻推定後データは、体温計1毎に時刻推定後データ記憶部24に記憶されているために、各体温計1にて測定した結果を体温管理サーバ2において管理することが可能となる。
【0091】
なお、測定時刻推定データ生成部18が測定時刻推定データを生成せず、送信時刻データのみを生成する構成である場合、時刻推定部20は送信時刻データおよび体温管理データからデータを取得し、上記数式1に基づいて、体温管理データの測定時カウント数に対応する時刻を計算する。このとき、体温管理データは、新しいデータから時系列にデータ番号n1、n2・・・のようにデータ番号が付加されている。
【0092】
ここで、時刻推定後データ記憶部24に記憶された時刻推定後データについて、図5および図7を用いて説明する。時刻推定後データ記憶部24に記憶された時刻推定後データとしては、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された新規の測定時刻推定データに基づいて生成されたものと、2回目以降の測定時刻推定データに基づいて生成されたものとがある。図5は、新規の測定時刻推定データに基づいて生成された時刻推定後データを示す表である。図7は、2回目以降の測定時刻推定データに基づいて生成された時刻推定後データを示す表である。
【0093】
新規の測定時刻推定データに基づいて生成された時刻推定後データおよび2回目以降の測定時刻推定データに基づいて生成された時刻推定後データは、図5および図7に示すように、データ番号d1では送信開始時カウント数と送信開始時刻とが対応付けられている。さらに、上記各時刻推定後データは、データ番号d2以降では、体温データと、該体温データに対応する測定時カウント数と、該測定時カウント数から推定された時刻とが対応付けられており、最新の体温データから時系列に配置されている。さらに、2回目以降の測定時刻推定データに基づいて生成された時刻推定後データには、図7のデータ番号d8に示すように、前回受信したときの送信開始時カウント数と送信開始時刻とが含まれている。
【0094】
新規データ判定部21は、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データが、新規の測定時刻推定データであるか、2回目以降の測定時刻推定データであるかを判定するためのものである。
【0095】
測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データが、2回目以降の測定時刻推定データである場合、前回受信した体温管理データから生成された時刻推定後データが、体温管理サーバ記憶部15の時刻推定後データ記憶部24に記憶されている。したがって、体温管理サーバ2において、体温データを体温計1毎に管理するためには、2回目以降の測定時刻推定データを、前回生成された時刻推定後データに追加記憶させる必要がある。そのため、体温計1から受信した体温管理データから生成された測定時刻推定データは、まず新規データ判定部21によって新規の測定時刻推定データであるか、あるいは2回目以降の測定時刻推定データであるかを判定する必要がある。
【0096】
また、生体情報管理サーバ2は、体温計1から2回目以降に体温管理データを受信する際には、前回受信時の体温管理データと、前回受信時の測定開始時カウント数と、今回初めて受信する体温管理データとが含まれた体温管理データを受信する。このため、体温管理サーバ2において、体温計1から受信した体温管理データから生成された測定時刻推定データに送信開始時カウント数が含まれているか否かで、該測定時刻推定データが新規の測定時刻推定データであるか、あるいは2回目以降の測定時刻推定データであるかを判定することができる。
【0097】
そのため、体温管理サーバ2では、体温計1から受信した体温管理データから生成された測定時刻推定データが、新規の測定時刻推定データであるか2回目以降の測定時刻推定データであるかの判定するために、新規データ判定部21が該体温管理データから生成された測定時刻推定データに送信開始時カウント数が含まれているか否かを判断する。これにより、体温管理サーバ2において、体温データを体温計1毎に管理することが可能となる。
【0098】
なお、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データでは、上記前回受信時の測定時カウント数には、体温データとして空のデータが対応付けられている。そのため、上記測定時刻推定データに送信開始時カウント数が含まれているか否かを判断するために、新規データ判定部21は体温データがブランクであるか否かを判断する。
【0099】
時刻推定後データ照合部22は、時刻推定後データ記憶部24に記憶されている各体温計1に対応する時刻推定後データから、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データに対応する時刻推定後データがあるか否かを照合するためのものである。
【0100】
上述したように、体温管理サーバ2において、体温データを体温計1毎に管理するためには、2回目以降に受信した体温管理データから生成された時刻推定後データを、前回生成された時刻推定後データに追加記憶させる必要がある。
【0101】
また、体温計1から2回目以降に受信した体温管理データから生成された測定時刻推定データには、前回受信した体温管理データと、前回受信時の送信開始時カウント数と、前回受信後に生成された体温管理データとが時系列に含まれている。
【0102】
そこで、体温管理サーバ2では、新規データ判定部21において測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データが2回目以降の測定時刻推定データであると判定された場合は、まず時刻推定後データ照合部22が時刻推定後データ記憶部24から任意の時刻推定後データを、時刻推定後データ取得部23を介して取得する。そして、時刻推定後データ照合部22は、上記時刻推定後データの上記測定時カウント数と、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データにおける該前回受信した体温管理データの該送信開始時カウント数とを照合することにより、該測定時刻推定データがどの時刻推定後データに対応しているかを照合することができる。これにより、体温管理サーバ2において、体温データを体温計1毎に管理することが可能となる。
【0103】
ここで、本実施形態の体温管理システムの体温計1における処理手順について図8を参照して説明する。図8は、体温計1における処理手順を示すフローチャートである。
【0104】
まず、体温計1の温度センサ3が、ユーザの体温を電気信号の電圧として測定する(S1)。そして、体温計主制御部7の電圧・体温データ変換部8は、温度センサ3によって測定されたユーザの体温に対応する電圧値を取得し、体温データ取得部9を介して、体温計記憶部6に記憶された電圧値と体温データとを対応付けた電圧・体温データテーブルから、上記電圧値に対応する体温データを取得する(S2)。このとき、電圧・体温データ変換部8は、取得した体温データの数値を体温表示部4に表示させる。
【0105】
次に、体温管理データ生成部10が、電圧・体温データ変換部8から体温データを取得し、その取得時にカウンタ5によってカウントされた測定時カウント数を取得する。そして、体温管理データ生成部10は、体温データと測定時カウント数とを対応付けた体温管理データを生成し(S3)、該体温管理データを体温計記憶部6の体温管理データ記憶部11に記憶させる。
【0106】
次に、送信部12が、体温管理データ記憶部11に記憶された体温管理データを体温管理サーバ2に送信する前に、カウンタ5によってカウントされたカウント数を送信開始時カウント数として取得し(S4)、該送信開始時カウント数を体温管理サーバ2にネットワーク13を介して送信する(S5)。
【0107】
次に、送信部12は、体温管理データ記憶部11に記憶された体温管理データを取得し、該体温管理データを体温管理サーバ2にネットワーク13を介して送信する(S6)。そして、送信部12は、体温管理データを体温管理サーバ2に送信し終えた後、カウンタ5によってカウントされたカウント数を送信終了時カウント数として取得する(S7)。そして、送信部12は、送信終了時カウント数を体温管理サーバ2にネットワーク13を介して送信する(S8)。
【0108】
次に、送信部12は、体温管理データ記憶部11に記憶された体温管理データに、上記送信開始時カウント数を体温管理データとして記憶させる(S9)。
【0109】
次に、本実施形態の体温管理システムの体温管理サーバ2における処理手順について図9を参照して説明する。図9は、体温管理サーバ2における処理手順を示すフローチャートである。
【0110】
まず、体温管理サーバ主制御部16の受信部17がネットワーク13を介して、体温計1の送信部12より送信開始時カウント数を受信する(S11)。そして、測定時刻推定データ生成部18は、受信部17が受信した送信開始時カウント数を取得し、その取得時の時刻を送信開始時刻として時刻測定部14より取得する(S12)。
【0111】
次に、受信部17は、送信部12より体温管理データを受信する(S13)。
【0112】
次に、受信部17は、送信部12より送信終了時カウント数を受信する(S14)。そして、測定時刻推定データ生成部18は、受信部17が受信した送信終了時カウント数を取得し、その取得時の時刻を送信終了時刻として時刻測定部14より取得する(S15)。
【0113】
次に、測定時刻推定データ生成部18は、送信開始時カウント数と送信開始時刻とを対応付けるとともに、送信終了時カウント数と送信終了時刻とを対応付けた、図3に示す送信時刻データを生成する(S16)。
【0114】
次に、測定時刻推定データ生成部18は、送信時刻データを体温管理データに対応付けた測定時刻推定データを生成し(S17)、該測定時刻推定データを体温管理サーバ記憶部15の測定時刻推定データ記憶部19に記憶させる。
【0115】
次に、新規データ判定部21は、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データを取得し、該測定時刻推定データが新規の測定時刻推定データか2回目以降の測定時刻推定データかを判定する(S18)。
【0116】
新規データ判定部21が、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データが新規の測定時刻推定データであると判定した場合(S18でYes)、時刻推定部20は測定時刻推定データ記憶部19から測定時刻推定データを取得し、該測定時刻推定データの送信開始時カウント数と送信終了時カウント数とのカウント数差と、送信開始時刻と送信終了時刻との時間差とから、測定時カウント数に対応する時刻を推定する(S19)。
【0117】
そして、時刻推定部20は、体温データと、該体温データに対応する測定時カウント数と、該測定時カウント数から推定される時刻とを対応付けた時刻推定後データを生成し、該時刻推定後データを体温管理サーバ記憶部15の時刻推定後データ記憶部24に記憶させる(S20)
また、新規データ判定部21が、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データが2回目以降の測定時刻推定データであると判定した場合(S18でNo)、時刻推定後データ照合部22は時刻推定後データ記憶部24から時刻推定後データ取得部23を介して時刻推定後データを取得し、該時刻推定後データの測定時カウント数と該測定時刻推定データの測定時カウント数とを比較照合し、該測定時刻推定データに対応する時刻推定後データを検索する(S21)。
【0118】
そして、時刻推定部20は、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データから時刻推定後データを生成し、照合した時刻推定後データに追加記憶させる(S22)。
【0119】
ここで、体温管理サーバ2の処理手順において、S18〜S22の処理について具体的に図10〜図12を参照して説明する。まず、S18において、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データが、新規の測定時刻推定データか2回目以降の測定時刻推定データかを判断するための処理手順について図10を参照して説明する。図10は、測定時刻推定データが新規の測定時刻推定データか、あるいは2回目以降の測定時刻推定データかを判定するためのフローチャートである。なお、以下の説明で用いる測定時刻推定データおよび時刻推定後データは、図4または図6の測定時刻推定データおよび図5または図7の時刻推定後データを用いている。
【0120】
まず、新規データ判定部21が、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データのデータ番号n1の体温データを検索する(S31)。そして、新規データ判定部21は、データ番号n1の体温データがブランクか否かを判定する(S32)。
【0121】
新規データ判定部21は、データ番号n1の体温データがブランクであると判定した場合(S32でYes)、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データのデータ番号n2の体温データを検索する(S33)。そして、新規データ判定部21は、データ番号n2の体温データがブランクか否かを判定する(S34)。
【0122】
新規データ判定部21は、データ番号n2の体温データがブランクであると判定した場合(S34でYes)、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データのデータ番号nをn3にセットし(S35)、データ番号n3の体温データを検索する(S36)。そして、新規データ判定部21は、データ番号n3の体温データがブランクか否かを判定する(S37)。
【0123】
また、新規データ判定部21は、データ番号n1の体温データまたはデータ番号n2の体温データかブランクであると判定した場合(S32でNo、S34でNo)、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データを削除する(S38)。
【0124】
新規データ判定部21は、データ番号n3の体温データがブランクであると判定した場合(S37でYes)、測定時刻推定データに含まれている測定開始時カウント数に対応する空の体温データであると判断、すなわち測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データは2回目以降の測定時刻推定データであると判断し(S39)、測定時刻推定データが2回目以降の測定時刻推定データである場合の処理を行う。この処理については、後ほど説明するので、ここでは説明は省略する。
【0125】
また、新規データ判定部21は、データ番号n3の体温データがブランクでないと判定した場合(S37でNo)、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データのデータ番号n4の体温データおよび測定時カウント数を検索する(S40)。そして、新規データ判定部21は、データ番号n4の体温データおよび測定時カウント数がブランクか否かを判定する(S41)。
【0126】
次に、新規データ判定部21は、データ番号n4の体温データおよび測定時カウント数がブランクであると判定した場合(S41でYes)、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データが新規の測定時刻推定データであると判断し(S42)、測定時刻推定データが新規の測定時刻推定データである場合の処理を行う。この処理については、後ほど説明するので、ここでは説明は省略する。
【0127】
また、新規データ判定部21は、データ番号n4の体温データおよび測定時カウント数がブランクでないと判定した場合(S41でNo)、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データのデータ番号nをn+2にセットして(S43)、S36の処理に戻る。
【0128】
次に、新規データ判定部21が測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データを新規の測定時刻推定データであると判定した場合の処理手順について図11を参照して説明する。図11は、測定時刻推定データが新規の測定時刻推定データである場合の処理手順を示すフローチャートである。なお、以下の説明で用いる測定時刻推定データおよび時刻推定後データは、図4の測定時刻推定データおよび図5の時刻推定後データを用いている。
【0129】
まず、新規データ判定部21が測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データが新規の測定時刻推定データであると判定すると(S42)、時刻推定部20は、該測定時刻推定データのデータ番号n1、n2のカウント数および時刻を取得する(S51)。
【0130】
次に、時刻推定部20は、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データのデータ番号nをn3にセットし(S52)、データ番号n3の測定時カウント数の取得が完了したか否かを判定する(S53)。
【0131】
時刻推定部20は、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データのデータ番号n3から測定時カウント数の取得が完了したと判断した場合(S53でYes)、測定時刻推定データのデータ番号n1、n2の送信開始時カウント数、送信開始時刻、送信終了時カウント数および送信終了時刻を用いて、上記数式1により、データ番号n3の測定時カウント数から測定時刻を推定する(S54)。
【0132】
また、時刻推定部20は、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データのデータ番号n3から測定時カウント数を取得できなかったと判断した場合(S53でNo)、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データの全データを測定時カウント数から時刻に変換したと判断して処理を終了する。
【0133】
次に、時刻推定部20は、体温データと、該体温データに対応する測定時カウント数と、該測定時カウント数から推定される時刻とを対応付けた時刻推定後データを生成し、該時刻推定後データを体温管理サーバ記憶部15の時刻推定後データ記憶部24に記憶させる(S55)。そして、時刻推定部20は、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データのデータ番号nをn+1にセットして(S56)、S53の処理に戻る。
【0134】
次に、新規データ判定部21が測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データを2回目以降の測定時刻推定データであると判定した場合の処理手順について図12を参照して説明する。図12は、測定時刻推定データが2回目以降の測定時刻推定データである場合の処理手順を示すフローチャートである。なお、以下の説明で用いる測定時刻推定データおよび時刻推定後データは、図6の測定時刻推定データおよび図7の時刻推定後データを用いている。
【0135】
まず、時刻推定後データ照合部22は、新規データ判定部21が測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データが2回目以降の測定時刻推定データであると判定すると(S39)、時刻推定後データ記憶部24に記憶された時刻推定後データのデータ番号d1、d2、d3のカウント数を検索する(S61)。そして、時刻推定後データ照合部22は、データ番号d1、d2、d3のカウント数がブランクか否かを判定する(S62)。
【0136】
時刻推定後データ照合部22は、データ番号d1、d2、d3のカウント数がブランクでないと判定した場合(S62でNo)、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データのデータ番号n9、n10、n11のカウント数を取得するとともに、時刻推定後データ記憶部24に記憶された時刻推定後データのデータ番号d1、d2、d3のカウント数を、時刻推定後データ取得部23を介して取得し、下記数式2を計算する(S63)。
(数2)
e=1−{(d1カウント数−d2カウント数)/(d2カウント数−d3カウント数)}/{(n9カウント数−n10カウント数)/(n10カウント数−n11カウント数)}
次に、時刻推定後データ照合部22は、S63において計算したeの絶対値が0.03より大きいか否かを判定する(S64)。eの絶対値が0.03よりも小さい場合(S64でNo)、時刻推定後データ照合部22は、時刻推定後データ取得部23を介して時刻推定後データ記憶部24から時刻推定後データのデータ番号d2の体温データを取得するとともに、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データのデータ番号n10の体温データを取得する。そして、時刻推定後データ照合部22は、時刻推定後データのデータ番号d2の体温データと、測定時刻推定データのデータ番号n10の体温データとを比較し、同一の値か否かを判定する(S65)。
【0137】
なお、S64においてeの絶対値の判定基準となる数値0.03は一例であり、これに限られない。上記数式2において、各カウント数の差が小さい場合は、計算誤差が大きくなるために、eの絶対値の判定基準となる数値を大きめに設定してもよい。また、上記数式2において、各カウント数の差が十分大きい場合は、一致条件を厳しくするために、eの絶対値の判定基準となる数値を小さめに設定してもよい。
【0138】
時刻推定後データ照合部22は、時刻推定後データのデータ番号d2の体温データと、測定時刻推定データのデータ番号n10の体温データとが同一の値であると判定した場合(S65でYes)、時刻推定後データ照合部22は、時刻推定後データ取得部23を介して時刻推定後データ記憶部24から時刻推定後データのデータ番号d3の体温データを取得するとともに、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データのデータ番号n11の体温データを取得する。そして、時刻推定後データ照合部22は、時刻推定後データのデータ番号d3の体温データと、測定時刻推定データのデータ番号n11の体温データとを比較し、同一の値か否かを判定する(S66)。
【0139】
時刻推定後データ照合部22は、時刻推定後データのデータ番号d3の体温データと、測定時刻推定データのデータ番号n11の体温データとが同一の値であると判定した場合(S66でYes)、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データは選択した時刻推定後データに対応したデータであると判断する(S68)。
【0140】
そして、時刻推定部20は、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データを取得し、上記数式1に基づいて計算することにより、該測定時刻推定データの測定時カウント数に対応する時刻を推定する。そして、時刻推定部20は、体温データと、該体温データに対応する測定時カウント数と、該測定時カウント数から推定された時刻とを対応付けた時刻推定後データを生成し、時刻推定後データ記憶部24に記憶された上記時刻推定後データに追加記憶させる(S69)。なお、S69において時刻推定後データを生成する処理は、図11のS51〜S56の処理と同一である。
【0141】
また、時刻推定後データ照合部22は、時刻推定後データのデータ番号d1、d2、d3のカウント数がブランクであると判定した場合(S62でYes)、eの絶対値が0.03よりも大きい場合(S64でYes)、時刻推定後データのデータ番号d2の体温データと、測定時刻推定データのデータ番号n10の体温データとが異なる値であると判定した場合(S65でNo)または時刻推定後データのデータ番号d3の体温データと、測定時刻推定データのデータ番号n11の体温データとが異なる値であると判定した場合(S66でNo)、時刻推定後データ記憶部24に他の時刻推定後データが記憶されているか否か検索する(S67)。
【0142】
時刻推定後データ照合部22は、時刻推定後データ記憶部24に記憶された他の時刻推定後データを見つけた場合には(S67でYes)、S61に戻り、上記他の時刻推定後データのデータ番号d1、d2、d3のカウント数を取得する。
【0143】
また、時刻推定後データ照合部22が時刻推定後データ記憶部24に記憶された他の時刻推定後データを見つけられなかった場合には(S67でNo)、時刻推定後データ照合部22は、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データは新規の測定時刻推定データであると判断し、図11のS51の処理を行う。
【0144】
なお、本実施形態における上記数式1および上記数式2は一例であり、これに限られない。すなわち、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データと、時刻推定後データ記憶部24に記憶された時刻推定後データとの比較は、上記数式2を用いて行うことに限られず、上記各データの時系列分布を比較することによって行われるものであればよい。また、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データと、時刻推定後データ記憶部24に記憶された時刻推定後データとのカウント数差の比較を複数回行うことにより判定の確率を高めてもよいし、上記数式2のように上記各データのカウント数差の比をとらずに、上記各データのカウント数差を直接比較してもよい。
【0145】
また、例えば、カウンタ5が発振子の周波数信号をカウントする構成である場合、カウンタ5によってカウントされるカウント数は、体温計1の周囲温度の影響を受け、周囲温度の変化に伴い変化してしまう。そのため、上記数式1および上記数式2において、カウンタ5によってカウントされるカウント数を、体温計1の周囲温度または筐体温度に基づいて補正してもよい。
【0146】
また、例えば、カウンタ5が電池等を電源として周波数信号をカウントする構成である場合は、電池電圧で発振周波数が変化するので、上記数式1および上記数式2において、カウンタ5によってカウントされるカウント数を、電池の電圧データに基づいて補正してもよい。
【0147】
また、本実施形態では、時刻推定後データ記憶部24に記憶されている各体温計1に対応する時刻推定後データから、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データに対応する時刻推定後データがあるか否かを、時刻推定後データ照合部22によって算出されたeを用いて、体温管理サーバ2が自動的に照合しているが、本発明はこれに限られない。
【0148】
すなわち、本発明の体温管理システムでは、上記照合を、ユーザに行わせる構成であってもかまわない。上記照合をユーザに行わせるための体温管理システムの構成について、図13を参照して説明する。図13は、所定値以上の関係度を有する時刻推定後データが、体温計1の体温表示部4に表示されていることを示す図である。ここで、関係度とは、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データと、時刻推定後データ記憶部24に記憶された時刻推定後データとの間の類似度を示すものであり、1−ABS(e)によって算出される。なお、ABS(e)は、eの値の絶対値を求める関数である。
【0149】
まず、時刻推定後データ照合部22によってeの値が算出されてから、ユーザが体温計1の体温表示部4に表示された所定値以上の関係度を有する時刻推定後データからユーザ自身のデータを選択するまでの処理手順について説明する。
【0150】
時刻推定後データ照合部22は、時刻推定後データ記憶部24に記憶された各体温計1に対応する時刻推定後データから、上記数式2によってeの値を計算した後、関係度1−ABS(e)を計算する。このとき、時刻推定後データ照合部22は、各時刻推定後データと、算出された関係度とを対応付けて体温管理サーバ記憶部15に記憶させておく。
【0151】
そして、体温管理サーバ2の体温管理サーバ主制御部16は、体温管理サーバ記憶部15に記憶された時刻推定後データから、所定値以上の関係度を有した時刻推定後データを選択し、ネットワーク13を介して体温計1に送信する。そして、体温計1の体温計主制御部7は、体温管理サーバ2から受信した時刻推定後データを体温表示部4に表示させる。ここで、体温表示部4に表示される時刻推定後データとしては、最新の体温測定時刻を有するデータ、例えば、図5および図7のデータ番号d2が挙げられる。
【0152】
そして、体温表示部4に表示された関係度および時刻推定後データから、ユーザが自身の時刻測定後データを選択する。ユーザは、体温表示部4に表示された関係度の値から自身の時刻測定後データを選択してもよいし、体温管理データ記憶部11に記憶された体温管理データの体温データの値と比較することによって自身の時刻測定後データを選択してもよい。
【0153】
ただし、関係度の値が大きいほど、測定時刻推定データ記憶部19に記憶された測定時刻推定データが、時刻推定後データ記憶部24に記憶された時刻推定後データとの類似度が高いことを示すために、一般に、ユーザは表示された時刻推定後データのうち関係度が最も高い時刻測定後データを選択する。
【0154】
なお、本実施形態では、本発明の情報測定装置として、生体の生体情報の一つである体温を測定する体温計を挙げて説明したが、体重計、体脂肪計、血圧計、歩数計等に適用することも可能である。この際、温度センサ3の代わりに、重量センサ、体脂肪測定手段、血圧測定手段、歩数カウント手段等が用いられる。
【0155】
最後に、体温計1および体温管理サーバ2の各ブロック、特に体温管理データ生成部10、測定時刻推定データ生成部18、時刻推定部20、新規データ判定部21および時刻推定後データ照合部22は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0156】
すなわち、体温計1および体温管理サーバ2は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである体温計1および体温管理サーバ2の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記体温計1および体温管理サーバ2に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0157】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0158】
また、体温計1および体温管理サーバ2を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0159】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、測定対象の情報を時系列に測定し、該情報を時刻情報とともに蓄積する機器において、測定方法、データ転送方法、測定自国の推定方法、過去データの選択方法において、種々の変更が可能である。すなわち、適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0160】
本発明は、健康管理をサポートするための、体重計、体脂肪計、血圧計、歩数計等、あるいは河川の水位計等の時系列に情報を収集・蓄積するものに好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】本発明の一実施形態に係る体温管理システムに用いられる体温計および体温管理サーバの概略構成を示すブロック図である。
【図2】体温管理データを示す表である。
【図3】送信時刻データを示す表である。
【図4】新規の測定時刻推定データを示す表である。
【図5】新規の測定時刻推定データに基づいて生成された時刻推定後データを示す表である。
【図6】2回目以降の測定時刻推定データを示す表である。
【図7】2回目以降の測定時刻推定データに基づいて生成された時刻推定後データを示す表である。
【図8】体温計における処理手順を示すフローチャートである。
【図9】体温管理サーバにおける処理手順を示すフローチャートである。
【図10】測定時刻推定データが新規の測定時刻推定データか、あるいは2回目以降の測定時刻推定データかを判定するためのフローチャートである。
【図11】測定時刻推定データが新規の測定時刻推定データである場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】測定時刻推定データが2回目以降の測定時刻推定データである場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】所定値以上の関係度を有する時刻推定後データが、体温計の体温表示部に表示されていることを示す図である。
【符号の説明】
【0162】
1 体温計(情報測定装置)
2 体温管理サーバ(情報管理サーバ)
3 温度センサ(情報測定手段)
4 体温表示部
5 カウンタ
6 体温計記憶部
7 体温計主制御部
8 電圧・体温データ変換部
10 体温管理データ生成部(情報管理データ生成手段)
11 体温管理データ記憶部(情報管理データ記憶部)
12 送信部(送信手段)
13 ネットワーク
14 時刻測定部(時刻測定手段)
15 体温管理サーバ記憶部
16 体温管理サーバ主制御部
17 受信部(受信手段)
18 測定時刻推定データ生成部(送信時刻データ生成手段)
19 測定時刻推定データ記憶部
20 時刻推定部(時刻推定手段)
21 新規データ判定部(新規データ判定手段)
22 時刻推定後データ照合部(時刻推定後データ照合手段)
23 時刻推定後データ取得部
24 時刻推定後データ記憶部(時刻推定後データ記憶部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の所定の情報を時系列に測定し、該情報の管理を行う情報管理サーバに該情報を送信する情報測定装置であって、
前記情報を測定する情報測定手段と、
所定の時間間隔で時間をカウントするカウンタと、
前記情報と、該情報が測定される時点で前記カウンタによってカウントされる測定時カウント数とを対応付けた情報管理データを生成する情報管理データ生成手段と、
前記情報管理データ生成手段によって生成される前記情報管理データを前記情報管理サーバに送信する送信手段とを備え、
前記送信手段は、前記情報管理データを送信する送信開始時から送信終了時までの間の少なくとも2つの時点で、前記カウンタによってカウントされる第1送信時カウント数および第2送信時カウント数を取得し、前記情報管理サーバに送信することを特徴とする情報測定装置。
【請求項2】
前記情報管理データ生成手段が生成した前記情報管理データを時系列に記憶する情報管理データ記憶部を備え、
前記送信手段が前記第1送信時カウント数および前記第2送信時カウント数のうち少なくとも1つを前記情報管理データとして前記情報管理データ記憶部に記憶させるとともに、前記情報管理データ生成手段が次回送信する前記情報管理データを該情報管理データ記憶部に時系列に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の情報測定装置。
【請求項3】
前記測定対象の所定の情報は、生体の生体情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の情報測定装置。
【請求項4】
測定対象の所定の情報を時系列に測定するとともに、所定の時間間隔でカウントを刻む情報測定装置から送信される情報を管理する情報管理サーバであって、
前記情報の測定時にカウントされる測定時カウント数と前記情報とを対応付けた情報管理データと、前記情報測定装置における該情報管理データの送信開始時から送信終了時までの間の少なくとも2つの時点のカウント数である第1送信時カウント数および第2送信時カウント数とを、前記情報測定装置から受信する受信手段と、
時刻を測定する時刻測定手段と、
前記第1送信時カウント数および前記第2送信時カウント数の取得時に、前記時刻測定手段によって測定される第1送信時刻および第2送信時刻を取得し、前記第1送信時カウント数と前記第1送信時刻とを対応付けたデータであって、さらに前記第2送信時カウント数と前記第2送信時刻とを対応付けた送信時刻データを生成する送信時刻データ生成手段と、
前記送信時刻データ生成手段によって生成された前記送信時刻データの前記第1送信時カウント数と前記第2送信時カウント数とのカウント数差と、前記第1送信時刻と前記第2送信時刻との時間差とから、前記情報管理データの前記測定時カウント数に対応する時刻を推定する時刻推定手段とを備えることを特徴とする情報管理サーバ。
【請求項5】
前記時刻推定手段は、前記情報と、該情報に対応する前記測定時カウント数と、該測定時カウント数から推定される時刻とを対応付けた時刻推定後データを生成し、
前記時刻推定後データを記憶する時刻推定後データ記憶部を備えることを特徴とする請求項4に記載の情報管理サーバ。
【請求項6】
前記情報管理データに前記第1送信時カウント数および前記第2送信時カウント数のうち少なくとも1つが含まれているか否かを判定する新規データ判定手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の情報管理サーバ。
【請求項7】
前記情報管理データには、前回受信した情報管理データと、前回受信時の前記第1送信時カウント数および前記第2送信時カウント数のうち少なくとも1つと、前回受信後に生成された情報管理データとが時系列に含まれており、
前記時刻推定後データ記憶部から前記時刻推定後データを取得し、該時刻推定後データの前記測定時カウント数と、前記前回受信した情報管理データの前記第1送信時カウント数および前記第2送信時カウント数とを照合する時刻推定後データ照合手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の情報管理サーバ。
【請求項8】
前記測定対象の所定の情報は、生体の生体情報であることを特徴とする請求項4〜7に記載の情報管理サーバ。
【請求項9】
請求項1に記載の情報測定装置と、
請求項4に記載の情報管理サーバとを含むことを特徴とする情報管理システム。
【請求項10】
測定対象の所定の情報を時系列に測定し、該情報の管理を行う情報管理サーバに該情報を送信する情報測定装置の制御方法であって、
前記情報を測定する情報測定工程と、
所定の時間間隔で時間をカウントするカウンタによって、前記情報の測定時にカウントされる測定時カウント数を測定するカウント数測定工程と、
前記情報と、前記測定時カウント数とを対応付けた情報管理データを生成する情報管理データ生成工程と、
前記情報管理データを前記情報管理サーバに送信する際に、前記情報測定装置における該情報管理データの送信開始時から送信終了時までの間の少なくとも2つの時点のカウント数である第1送信時カウント数および第2送信時カウント数を測定する送信時カウント数測定工程と、
前記第1送信時カウント数および前記第2送信時カウント数を、前記情報管理サーバに送信する送信工程とを含むことを特徴とする情報測定装置の制御方法。
【請求項11】
測定対象の所定の情報を時系列に測定するとともに、所定の時間間隔でカウントを刻む情報測定装置から送信される情報を管理する情報管理サーバの制御方法であって、
前記情報の測定時にカウントされる測定時カウント数と前記情報とを対応付けた情報管理データと、前記情報測定装置における該情報管理データの送信開始時から送信終了時までの間の少なくとも2つの時点のカウント数である第1送信時カウント数および第2送信時カウント数とを、前記情報測定装置から受信する受信工程と、
前記第1送信時カウント数および前記第2送信時カウント数の取得時の時刻である、第1送信時刻および第2送信時刻を測定する送信時刻測定工程と、
前記第1送信時カウント数と前記第1送信時刻とを対応付けたデータであって、さらに前記第2送信時カウント数と前記第2送信時刻とを対応付けた送信時刻データを生成する送信時刻データ生成工程と、
前記送信時刻データの前記第1送信時カウント数と前記第2送信時カウント数とのカウント数差と、前記第1送信時刻と前記第2送信時刻との時間差とから、前記情報管理データの前記測定時カウント数に対応する時刻を推定する時刻推定工程とを含むことを特徴とする情報管理サーバの制御方法
【請求項12】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報測定装置の前記各手段としてコンピュータを機能させるための情報管理プログラム。
【請求項13】
請求項4〜8のいずれか1項に記載の情報管理サーバの前記各手段としてコンピュータを機能させるための情報管理プログラム。
【請求項14】
請求項12に記載の情報測定装置の情報管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項15】
請求項13に記載の情報管理サーバの情報管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−204396(P2008−204396A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−42921(P2007−42921)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】