説明

情報端末装置

【課題】情報端末装置の表示画面に表示されたコンテンを簡単かつ短時間に記録用紙に印刷する。
【解決手段】原稿を搬送しつつ読取り定位置で読取るシートスルー方式の画像読取り装置51の利用を前提としており、画像読取り装置51における読取り定位置に情報端末装置1の表示画面3aを配置し、情報端末装置1により表示画面3aのコンテンツをスクロール表示させ、画像読取り装置51により表示画面3aのコンテンツを読取らせ、画像形成装置Aによりコンテンツを記録用紙に記録することを可能にしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツを表示画面にスクロール表示する機能を持つ情報端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、電子手帳、電子辞書等の情報端末装置においては、文字や図形等を入力して、テキスト等のコンテンツを作成したり、コンテンツをメモリから読み出して、これらのコンテンツを表示画面に表示することができる。
【0003】
また、特許文献1では、そのような情報端末装置の表示画面が小さいことから、コンテンツを一定速度でスクロール表示して、コンテンツ全体を表示するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−282414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、情報端末装置の表示画面にコンテンツを表示するだけではなく、コンテンツを記録用紙に印刷したいことがある。この場合は、情報端末装置を有線又は無線でコンピュータに接続して、コンテンツを情報端末装置からコンピュータへと送受し、コンテンツをコンピュータからプリンタもしくは複合機等の画像形成装置へと転送して、コンテンツを画像形成装置で印刷していた。
【0006】
しかしながら、そのような情報端末装置からコンピュータを介して画像形成装置へのコンテンツの転送には手間と時間を要した。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、情報端末装置の表示画面に表示されたコンテンを簡単かつ短時間に記録用紙に印刷することを可能にする情報端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の情報端末装置は、コンテンツを表示画面にスクロール表示する機能を持つ情報端末装置であって、前記表示画面のスクロール速度を、原稿を搬送しつつ読取り定位置で読取るシートスルー方式の画像読取り装置の原稿搬送速度と一致するように調節設定して、前記表示画面にコンテンツをスクロール表示する制御部と、前記制御部によるコンテンツのスクロール表示の開始を指示するスクロール開始指示部とを備えている。
【0009】
このように表示画面のスクロール速度を、シートスルー方式の画像読取り装置の原稿搬送速度と一致するように調節設定した場合は、情報端末装置の表示画面を画像読取り装置による読取り定位置に配置して、情報端末装置の表示画面のスクロール方向を画像読取り装置による原稿搬送方向に一致させ、画像読取り装置による読取り動作の開始と同時に表示画面のスクロール表示を開始すると、表示画面上のコンテンツが原稿と同様に搬送されている状態となって、画像読取り装置により表示画面上のコンテンツが原稿と同様に読取られる。また、表示画面よりも大きなサイズのコンテンツを読取ることができる。この読取ったコンテンツは、プリンタや複合機等の画像形成装置で直ちに記録用紙に記録することができる。
【0010】
また、本発明の情報端末装置においては、複数種の画像読取り装置の識別情報又は前記各画像読取り装置を搭載したそれぞれの画像形成装置の識別情報と前記各画像読取り装置の原稿搬送速度とを対応付けて記憶した搬送速度記憶部を備え、前記制御部は、前記搬送速度記憶部に記憶されている前記各画像読取り装置の識別情報又は前記各画像形成装置の識別情報を前記表示画面に表示し、前記情報端末装置の入力操作により前記表示画面上で識別情報が選択指示されると、前記搬送速度記憶部に記憶されている前記選択指示された識別情報に対応する原稿搬送速度をスクロール速度として設定している。
【0011】
これにより、画像形成装置の種類別に原稿搬送速度が異なっていても、スクロール速度を原稿搬送速度に容易に一致させることができる。
【0012】
更に、本発明の情報端末装置においては、前記制御部は、前記情報端末装置の入力操作により指示された前記原稿搬送速度をスクロール速度として設定している。
【0013】
これにより、任意のスクロール速度を設定することができる。
【0014】
更に、本発明の情報端末装置においては、前記制御部は、前記情報端末装置の入力操作により画像読取り装置の識別情報又は前記画像読取り装置を搭載した画像形成装置の識別情報と前記画像読取り装置の原稿搬送速度を指示され、前記画像読取り装置の識別情報又は前記画像形成装置の識別情報と前記原稿搬送速度とを対応付けて前記搬送速度記憶部に記憶している。
【0015】
これにより、任意のスクロール速度を設定した後の再設定が容易になる。
【0016】
また、本発明の情報端末装置においては、前記スクロール開始指示部は、前記表示画面と同一方向に向けられた受光素子を有し、前記受光素子の受光出力に応答してスクロール表示の開始を指示している。
【0017】
このような受光素子により画像読取り装置の原稿の照明光を検出し、受光素子の受光出力に応答してスクロール表示を開始すれば、スクロール表示を適確なタイミングで自動的に開始することができる。
【0018】
更に、本発明の情報端末装置においては、前記スクロール開始指示部は、前記情報端末装置の入力操作に応答してスクロール表示の開始を指示している。
【0019】
このように入力操作によりスクロール表示を開始させても構わない。
【0020】
また、本発明の情報端末装置においては、前記表示画面が上方及び下方のいずれに向けられたかを検出する上下検出部を備え、前記制御部は、前記上下検出部により検出された前記表示画面の向きが上方であるときにスクロール表示に係る情報を該表示画面に表示し、前記上下検出部により検出された前記表示画面の向きが下方であるときにコンテンツを該表示画面に表示している。
【0021】
このような表示画面の切替え表示により、情報端末装置の使勝手が向上する。
【0022】
更に、本発明の情報端末装置においては、前記制御部は、コンテンツのサイズと記録用紙の定型サイズに基づき前記記録用紙に記録されるときの前記コンテンツの拡大倍率を求めて表示している。
【0023】
このように表示されたコンテンツの拡大倍率を画像形成装置に設定すれば、拡大倍率の設定を誤ることがない。
【発明の効果】
【0024】
本発明のように表示画面のスクロール速度を、シートスルー方式の画像読取り装置の原稿搬送速度と一致するように調節設定した場合は、情報端末装置の表示画面を画像読取り装置による読取り定位置に配置して、情報端末装置の表示画面のスクロール方向を画像読取り装置による原稿搬送方向に一致させ、画像読取り装置による読取り動作の開始と同時に表示画面のスクロール表示を開始すると、表示画面上のコンテンツが原稿と同様に搬送されている状態となって、画像読取り装置により表示画面上のコンテンツが原稿と同様に読取られる。また、表示画面よりも大きなサイズのコンテンツを読取ることができる。この読取ったコンテンツは、プリンタや複合機等の画像形成装置で直ちに記録用紙に記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の情報端末装置の第1実施形態を概略的に示す平面図である。
【図2】第1実施形態の情報端末装置の構成を示すブロック図である。
【図3】シートスルー方式の画像読取り装置を搭載した画像形成装置を示す断面図である。
【図4】第1実施形態において、情報端末装置の表示画面に表示されているコンテンツを画像読取り装置で読取らせて画像形成装置で記録用紙に印刷させる手順を示すフローチャートである。
【図5】(a)は定型サイズと縦横比率が略同一であるコンテンツを定型サイズに収まるように拡大して示す図であり、(b)は横幅に対する縦幅の比が定型サイズよりも小さいコンテンツを拡大して示す図である。
【図6】(a)は情報端末装置の表示画面を上方に向けた状態を示す斜視図であり、(b)は表示画面の表示情報を示す図である。
【図7】(a)は情報端末装置の表示画面を下方に向けた状態を示す斜視図であり、(b)は表示画面のコンテンツを示す図である。
【図8】(a)は複数頁のコンテンツを示し、(b)は複数頁に対するコンテンツの割り振りを修正した状態を示し、(c)は各頁のコンテンツを拡大して示す図である。
【図9】本発明の情報端末装置の第2実施形態で用いられるデータテーブルを概念的に示す図である。
【図10】第2実施形態において、情報端末装置の表示画面に表示されているコンテンツを画像読取り装置で読取らせて画像形成装置で記録用紙に印刷させる手順を示すフローチャートである。
【図11】第3実施形態において、情報端末装置の表示画面に表示されているコンテンツを画像読取り装置で読取らせて画像形成装置で記録用紙に印刷させる手順を示すフローチャートである。
【図12】第3実施形態の情報端末装置の表示画面に表示される任意設定ウィンドウを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の情報端末装置の第1実施形態を概略的に示す平面図である。第1実施形態の情報端末装置1は、電子手帳、電子辞書等の携帯型の情報端末装置であり、本体筐体2の表側に液晶表示装置3の表示画面3aと、複数の操作キー4と、受光素子5とが配置されている。受光素子5は、液晶表示装置3の表示画面3aの側辺近傍に配置されており、その受光面が液晶表示装置3の表示画面3aと同一方向に向き、本体筐体2の表側に対する入射光を受光して、受光信号を出力する。
【0028】
また、液晶表示装置3の表示画面3aには透明なタッチパネル(図示せず)が重ねられており、表示画面3aに表示された操作ボタン等が指示されると、この指示された操作ボタン等がタッチパネルで検出される。
【0029】
図2は、第1実施形態の情報端末装置1の構成を示すブロック図である。図2において、入力操作部11は、複数の操作キー4及び液晶表示装置3の表示画面3aに重ねられたタッチパネル等を備え、各操作キー4に対する入力指示を検出したり、液晶表示装置3の表示画面3a上の操作ボタンに対する入力指示をタッチパネルを介して検出し、その入力指示された操作キーや操作ボタンを示す操作信号を出力する。
【0030】
記憶部12は、RAM、ROM、HDD等からなり、各種のプログラムやデータ等を記憶する。姿勢センサ13は、液晶表示装置3の表示画面3aが下方及び上方のいずれに向いているかを検出するものであって、下方及び上方のいずれかを示す検出信号を出力する。
【0031】
制御部14は、CPU、各種のインターフェース等を備え、情報端末装置1を統括的に制御する。例えば、制御部14は、プログラムを記憶部12から読み出して実行し、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンに対する入力指示を示す操作信号を入力操作部11から入力して、この操作信号に応答してプログラムの処理を進めつつ、この処理の進行状況や結果等を表示画面3aに表示する。より具体的には、情報端末装置1が電子手帳である場合は、テキストを作成するためのプログラムを記憶部12から読出して実行し、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンの操作により入力された文字等を表示画面3aに表示して、表示画面3a上にテキスト等のコンテンツを作成し、このコンテンツを記憶部12に記憶したり、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンに対する入力指示に応答して記憶部12からテキスト等のコンテンツを読み出して表示画面3aに表示する。また、情報端末装置1が電子辞書である場合は、辞書を検索するためのプログラムを記憶部12から読出して実行し、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンの操作により入力された単語を表示画面3aに表示し、この単語に対応するコンテンツを記憶部12内の単語データベースで検索し、このコンテンツを表示画面3aに表示する。
【0032】
また、制御部14は、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンに対する入力指示に応答して表示画面3aのコンテンツをスクロール表示する。情報端末装置1が携帯型のものであって、表示画面3aのサイズが小さく、コンテンツ全体を表示画面3aに一度で表示することができない。このため、表示画面3aのコンテンツをスクロール表示する必要がある。
【0033】
ところで、このような情報端末装置1を利用する上で、液晶表示装置3の表示画面3aに表示されたコンテンツを記録用紙に印刷して記録したいことがある。従来は、情報端末装置1を有線又は無線でコンピュータ(図示せず)に接続して、コンテンツを情報端末装置1からコンピュータへと送受し、コンテンツをコンピュータからプリンタもしくは複合機等の画像形成装置(図示せず)へと転送して、コンテンツを画像形成装置で印刷していたので、手間と時間を要した。
【0034】
そこで、第1実施形態においては、原稿を搬送しつつ読取り定位置で読取るシートスルー方式の画像読取り装置の利用を前提として、画像読取り装置における読取り定位置に情報端末装置1の表示画面3aを配置し、原稿搬送方向(副走査方向)と情報端末装置1の表示画面3aの縦方向を一致させ、情報端末装置1により表示画面3aのコンテンツを該表示画面3aの縦方向にスクロール表示させ、画像読取り装置により表示画面3aのコンテンツを読取らせ、画像形成装置によりコンテンツを記録用紙に記録することを可能にしている。
【0035】
また、第1実施形態の情報端末装置1では、表示画面3aのコンテンツのスクロール速度を画像読取り装置の原稿搬送速度と一致するように調節設定している。これにより、画像読取り装置により読取られたコンテンツが原稿搬送方向で長くなったり短くなったりせず、表示画面3aよりも大きなサイズのコンテンツを読取って記録用紙に記録することができる。
【0036】
次に、シートスルー方式の画像読取り装置について説明する。図3は、シートスルー方式の画像読取り装置を搭載した画像形成装置(複合機)を示す断面図である。この画像形成装置Aは、スキャナ機能、複写機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能等を有する所謂複合機であり、画像読取り装置51により読取られた原稿の画像を外部に送信したり、この読取られた原稿の画像又は外部から受信した画像をカラーもしくは単色で記録用紙に記録形成したりする。
【0037】
画像形成装置Aは、画像を記録用紙に印刷するべく、光走査装置21、現像装置22、感光体ドラム23、ドラムクリーニング装置24、帯電器25、中間転写ベルト装置26、定着装置27、用紙搬送経路S、給紙トレイ28、及び用紙排出トレイ29等を備えている。
【0038】
画像形成装置Aにおいて扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたもの、又は単色(例えばブラック)を用いたモノクロ画像に応じたものである。このため、現像装置22、感光体ドラム23、ドラムクリーニング装置24、及び帯電器25は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するようにそれぞれ4個ずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローに対応付けられて、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdが構成されている。
【0039】
各感光体ドラム23は、それらの表面に光感光層を有している。各帯電器25は、それぞれの感光体ドラム23の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段であり、接触型であるローラ型やブラシ型の帯電器のほか、チャージャー型の帯電器が用いられる。
【0040】
光走査装置21は、レーザダイオード及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)であり、帯電された各感光体ドラム23表面を画像データに応じて露光して、それらの表面に画像データに対応する静電潜像を形成する。
【0041】
各現像装置22は、それぞれの感光体ドラム23表面に形成された静電潜像を各色のトナーにより現像し、これらの感光体ドラム23表面にトナー像を形成する。各ドラムクリーニング装置24は、現像及び画像転写後にそれぞれの感光体ドラム23表面に残留したトナーを除去及び回収する。
【0042】
中間転写ベルト装置26は、各感光体ドラム23の上方に配置されており、中間転写ベルト31、中間転写ベルト駆動ローラ32、従動ローラ33、4つの中間転写ローラ34、及びベルトクリーニング装置35を備えている。
【0043】
中間転写ベルト31は、フィルムを無端ベルト状に形成したものである。中間転写ベルト駆動ローラ32、従動ローラ33、各中間転写ローラ34等は、中間転写ベルト31を張架して支持し、中間転写ベルト31を矢印C方向に周回移動させる。
【0044】
各中間転写ローラ34は、中間転写ベルト31近傍に回転可能に支持され、中間転写ベルト31を介してそれぞれの感光体ドラム23に押圧されている。各感光体ドラム23表面のトナー像が中間転写ベルト31に順次重ねて転写されて、中間転写ベルト31上にカラーのトナー像(各色のトナー像)が形成される。各感光体ドラム23から中間転写ベルト31へのトナー像の転写は、中間転写ベルト31裏面に圧接されている各中間転写ローラ34によって行われる。各中間転写ローラ34には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されており、その導電性の弾性材により高電圧が記録用紙に対して均一に印加される。
【0045】
こうして各感光体ドラム23表面のトナー像は、中間転写ベルト31で転写積層され、画像データによって示されるカラーのトナー像となる。このカラーのトナー像は、中間転写ベルト31と共に搬送され、中間転写ベルト31と二次転写装置36の転写ローラ36a間のニップ域で記録用紙上に転写される。
【0046】
二次転写装置36の転写ローラ36aには、中間転写ベルト31上のカラーのトナー像を記録用紙に転写させるための電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。
【0047】
また、二次転写装置36によって中間転写ベルト31上のトナー像が記録用紙上に完全に転写されず、中間転写ベルト31表面にトナーが残留することがあり、この残留トナーが次工程でトナーの混色を発生させる原因となる。このため、ベルトクリーニング装置35によって中間転写ベルト31表面の残留トナーを除去及び回収する。
【0048】
記録用紙は、中間転写ベルト31と二次転写装置36の転写ローラ36a間のニップ域でカラーのトナー像を転写された後、定着装置27へと搬送される。定着装置27は、加熱ローラ41及び加圧ローラ42等を備えており、加熱ローラ41と加圧ローラ42間に記録用紙を挟み込んで搬送する。
【0049】
加熱ローラ41は、図示しない温度検出器の検出出力に基づき、所定の定着温度となるように制御されており、加圧ローラ42と共に記録用紙を熱圧着することにより、記録用紙に転写されたカラーのトナー像を溶融、混合、圧接し、記録用紙に対して熱定着させる。
【0050】
また、画像形成装置Aの下部には、記録用紙を供給する給紙トレイ28が設けられている。画像形成装置Aには、給紙トレイ28から供給された記録用紙を二次転写装置36や定着装置27を経由させて用紙排出トレイ29に送るための、用紙搬送経路Sが設けられている。
【0051】
給紙トレイ28の端部には用紙ピックアップローラ43が設けられており、この用紙ピックアップローラ43により給紙トレイ28から記録用紙が1枚ずつ引き出されて用紙搬送経路Sへと搬送される。
【0052】
用紙搬送経路Sに沿って、用紙レジストローラ44、定着装置27、搬送ローラ45、及び排紙ローラ46等が配置されている。搬送ローラ45は、記録用紙の搬送を促進補助するための小型のローラであり、複数組設けられている。
【0053】
用紙レジストローラ44は、搬送されて来た記録用紙を一旦停止させて、記録用紙の先端を揃え、中間転写ベルト31と二次転写装置36の転写ローラ36a間のニップ域で中間転写ベルト31上のカラーのトナー像が記録用紙に転写されるように、各感光体ドラム23及び中間転写ベルト31の回転にあわせて、記録用紙をタイミングよく搬送する。
【0054】
更に、記録用紙は、定着装置27でカラーのトナー像を定着され、定着装置27を通過した後、排紙ローラ46によって用紙排出トレイ29上にフェイスダウンで排出される。
【0055】
また、記録用紙の表面だけではなく、裏面の印字を行う場合は、記録用紙を排紙ローラ46により搬送する途中で、排紙ローラ46を停止させてから逆回転させ、記録用紙を反転経路Srに通して、記録用紙の表裏を反転させ、記録用紙を用紙レジストローラ44へと導き、記録用紙の表面と同様に、記録用紙の裏面に画像を記録して定着し、記録用紙を用紙排紙トレイ29に排出する。
【0056】
次に、画像形成装置Aの本体上部に搭載されているシートスルー方式の画像読取り装置51について説明する。
【0057】
画像読取り装置51は、読取り本体部51aと、原稿搬送部51bとを備えている。原稿搬送部51bは、その奥一辺をヒンジ(図示せず)により読取り本体部51aの奥一辺に枢支され、その手前部分を上下させることにより開閉される。原稿搬送部51bを開いて、読取り本体部51aのプラテンガラス54を開放させ、プラテンガラス54上に原稿を載置し、この後に原稿搬送部51bを閉じる。
【0058】
読取り本体部51aは、プラテンガラス54、第1走査ユニット55、第2走査ユニット56、結像レンズ57、及びCCD(Charge Coupled Device)58等を備えている。第1走査ユニット55は、光源61及び第1反射ミラー62を備えており、副走査方向Yに原稿サイズに応じた距離だけ一定速度Vで移動しながら、プラテンガラス54上の原稿を光源61によって露光し、その反射光を第1反射ミラー62により反射して第2走査ユニット56へと導き、これにより原稿表面の画像を副走査方向Yに走査する。第2走査ユニット56は、第2及び第3反射ミラー63、64を備えており、第1走査ユニット55に追従して速度V/2で移動しつつ、原稿からの反射光を第2及び第3反射ミラー63、64により反射して結像レンズ57へと導く。結像レンズ57は、原稿からの反射光をCCD58に集光して、原稿表面の画像をCCD58上に結像させる。CCD58は、原稿の画像を繰り返し主走査方向(副走査方向Yと直交する方向)に走査し、その度に、1主走査ラインのアナログ画像信号を出力する。
【0059】
また、画像読取り装置51では、シートスルー方式により原稿画像を読取ることができる。このシートスルー方式では、原稿搬送部51bにより原稿を副走査方向Yに搬送しつつ、読取り本体部51aにより原稿表面の画像を読取る。この場合は、原稿搬送部51bを閉じた状態で、第1走査ユニット55を原稿読取りガラス65下方の読取り定位置に移動させ、第1走査ユニット55の位置に応じて第2走査ユニット56を位置決めし、この状態で、原稿搬送部51bによる原稿の搬送を開始する。
【0060】
原稿搬送部51bでは、ピックアップローラ66を原稿トレイ67上の原稿に押し当て回転させて、原稿を引き出し、原稿を原稿搬送路68を通じて搬送し、原稿を原稿読取りガラス65と読取りガイド板69間に通過させ、更に原稿を排紙ローラ71から排紙トレイ72へと搬送する。原稿搬送路68に沿って、原稿をその先端を揃えてから搬送するレジストローラ73や、原稿を搬送する搬送ローラ74が配置されている。
【0061】
この原稿の搬送に際し、第1走査ユニット55の光源61により原稿表面を原稿読取りガラス65を介して照明し、原稿表面からの反射光を第1及び第2走査ユニット55、56の各反射ミラーにより結像レンズ57へと導き、原稿表面からの反射光を結像レンズ57によりCCD58に集光させ、原稿表面の画像をCCD58上に結像させ、これにより原稿表面の画像を読取る。
【0062】
また、原稿の裏面を読取る場合は、中間トレイ77をその軸周りで点線で示すように回転させておき、原稿を排紙ローラ71から排紙トレイ72へと排出する途中で、排紙ローラ71を停止させて、原稿を中間トレイ77上に受け、排紙ローラ71を逆回転させて、原稿を反転搬送路78を介してレジストローラ73へと導いて、原稿の表裏を反転させ、原稿表面の画像と同様に、原稿裏面の画像を読取り、中間トレイ77を実線で示す元の位置に戻して、原稿を排紙ローラ71から排紙トレイ72へと排出する。
【0063】
こうしてCCD58により読取られた原稿の画像は、CCD58からアナログ画像信号として出力され、このアナログ画像信号がデジタル画像信号(画像データ)にA/D変換される。そして、この画像データは、種々の画像処理を施されて画像形成装置Aの光走査装置21へと送受され、画像形成装置Aにおいて画像が記録用紙に記録され、この記録用紙が複写原稿として出力される。
【0064】
次に、図1及び図2の情報端末装置1を、図3の画像形成装置Aの画像読取り装置51にセットして、画像読取り装置51により情報端末装置1の表示画面3aに表示されているコンテンツを読取り、画像形成装置Aによりそのコンテンツを記録用紙に印刷して記録する手順を説明する。
【0065】
図4は、情報端末装置1の表示画面3aに表示されているコンテンツを画像読取り装置51で読取らせて画像形成装置Aで記録用紙に印刷させる手順を示すフローチャートである。
【0066】
まず、情報端末装置1の操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンの操作により、液晶表示装置3の表示画面3a上でコンテンツを作成して表示したり、記憶部12からコンテンツを読み出して表示画面3aに表示する。
【0067】
コンテンツは、その全体が表示画面3aに一括的に表示可能であっても表示不可能であってもよい。コンテンツ全体が一括的に表示されていなくても、表示画面3a上でコンテンツがスクロール表示されるためである。
【0068】
この状態で、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンを操作して、コンテンツの複写モードを指示する。これに応答して制御部14は、表示画面3a上のコンテンツを一旦消去し、画像読取り装置51の原稿搬送部51bによる原稿の搬送速度を記憶部12から読出して、この原稿の搬送速度を、表示画面3a上でコンテンツをスクロール表示するときのスクロール速度として設定する(ステップS101)。記憶部12には、画像読取り装置51の原稿搬送部51bによる原稿の搬送速度が予め記憶されており、情報端末装置1で複写モードが指示されたときに、この原稿の搬送速度が記録部12から読出されてスクロール速度として設定される。
【0069】
また、制御部14は、拡大されたコンテンツのサイズが記録用紙の定型サイズに収まるような該コンテンツの拡大倍率を算出して求める。例えば、記録用紙の定型サイズをA4(JIS)に規定しておき、コンテンツの縦横比率と定型サイズA4の縦横比率が略同一である場合は、図5(a)に示すように拡大されたコンテンツ85のサイズが定型サイズA4に収まるような拡大倍率を算出して求める。また、コンテンツの縦横比率と定型サイズA4の縦横比率が異なり、コンテンツの横幅に対する縦幅の比が定型サイズA4の横幅に対する縦幅の比よりも小さい場合は、図5(b)に示すように拡大されたコンテンツ86の横幅が定型サイズA4の横幅に収まるような拡大倍率を算出して求め、この拡大倍率で拡大されたコンテンツ86が記録用紙に印刷されたときに生じる余白87に対応するスペースを元のコンテンツに付加する。更に、コンテンツの横幅に対する縦幅の比が定型サイズA4の横幅に対する縦幅の比よりも大きい場合は、コンテンツの縦幅が定型サイズA4の縦幅に収まるような拡大倍率を算出して求める。
【0070】
このとき、利用者が情報端末装置1の表示画面3aを見ており、表示画面3aが上方に向けられている。制御部14は、姿勢センサ13の検出信号に基づき表示画面3aが上方に向いていると判定し、この判定をなすと、算出して求めた拡大倍率等を表示画面3aに表示する(ステップS102)。例えば、図6(a)に示すように情報端末装置1の表示画面3aが上方に向けられた状態で、図6(b)に示すように画像形成装置(又は画像読取り装置)の型番、原稿搬送速度、拡大倍率を表示画面3aに表示する。
【0071】
利用者は、表示画面3aに表示された拡大倍率を確認し、画像形成装置Aの入力操作部(図示せず)を操作して、記録用紙の定型サイズA4と拡大倍率を指定して設定する(ステップS103)。
【0072】
尚、拡大倍率だけではなく、記録用紙の定型サイズも表示して指定するようにしても構わない。例えば、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンを操作して、複数種の定型サイズのいずれかを指定し、拡大されたコンテンツのサイズがその指定された記録用紙の定型サイズに収まるような該コンテンツの拡大倍率を算出して求め、表示画面3aに拡大倍率と記録用紙の定型サイズとを表示する。利用者は、画像形成装置Aの入力操作部(図示せず)を操作して、拡大倍率と記録用紙の定型サイズとを指定して設定する。
【0073】
この後、利用者は、原稿搬送部51bを開き、情報端末装置1の表裏を反転させて、表示画面3aを下方に向け、表示画面3aを原稿読取りガラス65に重ね合わせ、情報端末装置1を載置して、原稿搬送方向(副走査方向Y)と情報端末装置1の表示画面3aの縦方向を一致させる。この状態では、表示画面3aの側辺近傍に配置された受光素子5の受光面も下方に向き、受光素子5が原稿読取りガラス65に重ね合わされる。
【0074】
このとき、制御部14は、姿勢センサ13の検出信号に基づき表示画面3aが下方に向いていると判定し、この判定をなすと、先に表示した拡大倍率等を表示画面3aから消去して、コンテンツを表示画面3aに再表示する(ステップS104)。例えば、図7(a)に示すように情報端末装置1の表示画面3aが下方に向けられた状態で、図7(b)に示すように表示画面3aにコンテンツを再表示する。
【0075】
引き続いて、利用者は、画像形成装置Aの入力操作部(図示せず)を操作して、シートスルー方式での読取りと複写の開始を指示する。画像読取り装置51では、シートスルー方式での読取り指示に応答して第1走査ユニット55を原稿読取りガラス65下方の読取り定位置に移動させ、第1走査ユニット55の位置に応じて第2走査ユニット56を位置決めし、第1走査ユニット55の光源61により情報端末装置1の表示画面3aを原稿読取りガラス65を介して照明し、表示画面3aからの反射光を第1及び第2走査ユニット55、56の各反射ミラーにより結像レンズ57へと導き、表示画面3aからの反射光を結像レンズ57によりCCD58に集光させ、表示画面3aに表示されているコンテンツをCCD58上に結像させ、これによりコンテンツを読取る(ステップS105)。
【0076】
このとき、情報端末装置1では、受光素子5により光源61の光を受光し、受光素子5の受光信号が制御部14に加えられる。制御部14は、受光信号を入力すると、この受光信号の入力タイミングに基づき画像読取り装置51による読取り開始タイミングを求め、この読取り開始タイミングから、表示画面3aのコンテンツを画像読取り装置51の原稿搬送部51bによる原稿の搬送速度と同一のスクロール速度で該表示画面3aの縦方向にスクロール表示する(ステップS106)。図5(a)に示すようにコンテンツ85だけの場合は、コンテンツだけをスクロール表示する。また、図5(b)に示すような余白87が生じる場合は、コンテンツだけではなく、余白87に対応するスペースもスクロール表示する。
【0077】
例えば、画像読取り装置51において光源61の点灯開始と同時に読取り動作が開始されるならば、情報端末装置1において受光素子5からの受光信号の出力時点が画像読取り装置51による読取り開始タイミングとして求められて、この読取り開始タイミングから表示画面3a上のコンテンツのスクロール表示が開始される。また、画像読取り装置51において光源61の点灯開始から一定時間後に読取り動作が開始されるならば、情報端末装置1において受光素子5からの受光信号の出力時点から一定時間後のタイミングが画像読取り装置51による読取り開始タイミングとして求められて、この読取り開始タイミングから表示画面3a上のコンテンツのスクロール表示が開始される。
【0078】
そして、情報処理装置1では、表示画面3a上でコンテンツをその終端までスクロール表示すると、コンテンツの表示を終了する。
【0079】
画像読取り装置51では、光源61の点灯を一定期間継続させてから、光源61を消灯させ、読取り動作を終了する。例えば、一定期間がデフォルト設定されていてもよい。また、コンテンツの記録に用いられる記録用紙の定型サイズとコンテンツの拡大倍率からコンテンツの副走査方向長さを求め、コンテンツの副走査方向長さと原稿の搬送速度から光源61の点灯を継続すべき一定期間を求めることができる。
【0080】
このように表示画面3a上でコンテンツが、原稿の搬送速度と同一のスクロール速度で該表示画面3aの縦方向にスクロール表示されると、表示画面3a上のコンテンツが原稿搬送方向(副走査方向Y)に搬送されているような状態となって、画像読取り装置51により表示画面3a上のコンテンツが原稿と同様に読取られ、画像読取り装置51により読取られたコンテンツが副走査方向で長くなったり短くなったりしない。また、表示画面3aよりも大きなサイズのコンテンツを読取ることができる。
【0081】
画像形成装置Aでは、コンテンツを示すアナログ画像信号がCCD58から出力され、このアナログ画像信号が画像データに変換され、画像データに対する画像処理により、画像データによって示されるコンテンツが先に入力指示された拡大倍率で拡大され、拡大されたコンテンツを示す画像データが光走査装置21に入力され、拡大されたコンテンツの静電潜像が各感光体ドラム23に書き込まれ、各感光体ドラム23の潜像が現像されてそれぞれのトナー像となり、各トナー像が中間転写ベルト31に重ねて転写されてカラー画像となり、また記録用紙として先に指定された定型サイズA4の記録用紙が選択され、中間転写ベルト31上のカラー画像が定型サイズA4の記録用紙に転写され、定着装置27により定型サイズA4の記録用紙上にカラー画像が定着される。これにより、拡大されたコンテンツが定型サイズA4の記録用紙に記録される(ステップS107)。例えば、図5(a)に示すように拡大されたコンテンツ85が定型サイズA4の記録用紙に記録される。あるいは、図5(b)に示すように拡大されたコンテンツ86と余白87が定型サイズA4の記録用紙に記録される。
【0082】
以降、情報端末装置1の表示画面3aに次のコンテンツを表示させて記録用紙に複写する場合は、ステップS101〜ステップS107の処理を繰り返せばよい。
【0083】
また、画像形成装置Aにおいて、シートスルー方式での読取りと複写を設定した状態で、画像形成装置Aの入力操作部(図示せず)のスタートキーが操作される度に、画像読取り装置51の光源61が一定期間だけ点灯して、画像読取り装置51の読取り動作が繰り返される場合は、情報端末装置1において、画像読取り装置51の光源61が点灯される度に、光源61の光を受光素子5で受光し、受光素子5の受光信号に応答して情報端末装置1の表示画面3aのコンテンツを切替え表示し、ステップS105〜S107を繰り返してもよい。これにより、それぞれのコンテンツを複数の記録用紙に順次記録することができる。この場合は、例えば、図8(a)に示すような複数頁P1〜P3へのコンテンツの割り振りを図8(b)に示すような複数頁p1〜p4へのコンテンツの割り振りに修正した後、図8(c)に示すように頁毎に、拡大されたコンテンツが定型サイズに収まるようなコンテンツの拡大倍率を求め、この拡大倍率で拡大されたコンテンツが記録用紙に印刷されたときに生じる該記録用紙の余白に対応するスペースをコンテンツに付加する。
【0084】
また、情報処理装置1において、表示画面3a上でコンテンツをその終端までスクロール表示すると、コンテンツの表示を終了すると同時に、コンテンツを消去して、表示画面3a全体に空白領域を表示しても構わない。この場合は、図5(c)、図8(c)に示すような記録用紙の余白に対応するスペースをコンテンツに付加する必要がない。
【0085】
更に、画像読取り装置51の光源61の光を情報端末装置1の受光素子5で受光し、受光素子5の受光信号の出力時点に基づき表示画面3a上のスクロール表示の開始タイミングを決定しているが、情報端末装置1の操作キーの操作によりスクロール表示の開始タイミングを指示しても構わない。
【0086】
次に、本発明の情報端末装置の第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、1種類の画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aが前提となっており、画像読取り装置51による原稿搬送速度が一定速度であって、情報端末装置1の表示画面3aでのスクロール速度がその一定速度に一致させられる。これに対して第2実施形態では、複数種の画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの利用が前提となっており、画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの種類により原稿搬送速度が変わることから、情報端末装置1の表示画面3aでのスクロール速度がそれぞれの原稿搬送速度に一致するように変更される。
【0087】
第2実施形態の情報端末装置1は、図1に示す外観と図2に示す構成を有するが、各種の画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの識別情報とそれぞれの原稿搬送速度を対応付けたデータテーブルを記憶部12に予め記憶しており、各種の画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの識別情報を表示画面3aに表示し、利用者が表示画面3a上で識別情報を選択すると、この選択した識別情報に対応する原稿搬送速度をデータテーブルから選択して読取り、この選択した原稿搬送速度と同一となるように情報端末装置1の表示画面3aでのスクロール速度を設定する。
【0088】
例えば、上記データテーブルは、図9に示すように構成されている。図9のデータテーブル81では、各種の画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの識別情報として装置の型番を記録し、各型番に対応付けてそれぞれの原稿搬送速度を記録している。
【0089】
図10は、第2実施形態の情報端末装置1の表示画面3aに表示されているコンテンツを画像読取り装置51で読取らせて画像形成装置Aで記録用紙に印刷させる手順を示すフローチャートである。尚、図10において、図4と同様の作用を果たす部位には同じ符号を付して説明を簡略化する。
【0090】
まず、情報端末装置1の操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンの操作により、液晶表示装置3の表示画面3a上でコンテンツを作成して表示したり、記憶部12からコンテンツを読み出して表示画面3aに表示する。
【0091】
この状態で、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンを操作して、コンテンツの複写モードを指示する。これに応答して制御部14は、表示画面3a上のコンテンツを一旦消去し、図9のデータテーブル81を参照して、各種の画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの型番を表示画面3aに表示する(ステップS111)。このとき、利用者は、自分が利用する画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの型番を調べ、画像形成装置Aの入力操作部(図示せず)を操作して、表示画面3a上の各型番のうちのその調べた型番に一致する型番を指示する。これに応答して制御部14は、図9のデータテーブル81を参照して、指示された型番に対応する原稿搬送速度を選択して読取り(ステップS112)、この選択した原稿搬送速度を、表示画面3aでコンテンツをスクロール表示するときのスクロール速度として設定する(ステップS113)。
【0092】
また、制御部14は、拡大されたコンテンツのサイズが記録用紙の定型サイズに収まるような該コンテンツの拡大倍率を算出して求める。
【0093】
このとき、利用者が情報端末装置1の表示画面3aを見ており、表示画面3aが上方に向けられている。制御部14は、姿勢センサ13の検出信号に基づき表示画面3aが上方に向いていると判定し、この判定をなすと、算出して求めた拡大倍率を表示画面3aに表示する(ステップS102)。
【0094】
利用者は、表示画面3aに表示された拡大倍率を確認し、画像形成装置Aの入力操作部(図示せず)を操作して、記録用紙の定型サイズ(例えばA4)と拡大倍率を指定して設定する(ステップS103)。
【0095】
この後、利用者は、原稿搬送部51bを開き、情報端末装置1の表裏を反転させて、表示画面3aを下方に向け、表示画面3aを原稿読取りガラス65に重ね合わせ、情報端末装置1を載置して、原稿搬送方向(副走査方向Y)と情報端末装置1の表示画面3aの縦方向を一致させる。
【0096】
このとき、制御部14は、姿勢センサ13の検出信号に基づき表示画面3aが下方に向いていると判定し、この判定をなすと、先に表示した拡大倍率を表示画面3aから消去して、コンテンツを表示画面3aに再表示する(ステップS104)。
【0097】
引き続いて、利用者は、画像形成装置Aの入力操作部(図示せず)を操作して、シートスルー方式での読取りと複写の開始を指示する。画像読取り装置51では、シートスルー方式での読取り指示に応答して第1走査ユニット55を原稿読取りガラス65下方の読取り定位置に移動させ、第2走査ユニット56を位置決めし、第1走査ユニット55の光源61により情報端末装置1の表示画面3aを原稿読取りガラス65を介して照明し、表示画面3aからの反射光を第1及び第2走査ユニット55、56の各反射ミラーにより結像レンズ57を介してCCD58へと導き、CCD58により表示画面3a上のコンテンツを読取る(ステップS105)。
【0098】
情報端末装置1では、受光素子5により光源61の光を受光し、受光素子5の受光信号が制御部14に加えられる。制御部14は、受光信号を入力すると、この受光信号の入力タイミングに基づき画像読取り装置51による読取り開始タイミングを求め、この読取り開始タイミングから表示画面3a上でコンテンツを、画像読取り装置51の原稿搬送部51bによる原稿の搬送速度と同一のスクロール速度で該表示画面3aの縦方向にスクロール表示する(ステップS106)。
【0099】
そして、情報処理装置1では、表示画面3a上でコンテンツをその終端までスクロール表示すると、コンテンツの表示を終了する。
【0100】
画像読取り装置51では、光源61の点灯を一定期間継続させてから、光源61を消灯させ、読取り動作を終了する。
【0101】
画像形成装置Aでは、コンテンツを先に入力指示された拡大倍率で拡大し、拡大したコンテンツを先に指定された定型サイズの記録用紙に記録する(ステップS107)。
【0102】
このように第2実施形態の情報端末装置1では、各種の画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの型番を表示画面3aに表示し、利用者が画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの型番を調べて、この調べた型番を表示画面3a上で選択し、この選択した型番に対応する原稿搬送速度をデータテーブルから選択して読取り、この選択した原稿搬送速度と同一となるように情報端末装置1の表示画面3aでのスクロール速度を設定しているので、表示画面3a上のコンテンツを複写するために多様な画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aを利用することが可能になる。
【0103】
次に、本発明の情報端末装置の第3実施形態について説明する。上記第2実施形態では、利用者が画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの型番を調べて、この調べた型番に対応する原稿搬送速度を図9のデータテーブル81から選択して読取っている。これに対して第3実施形態では、原稿搬送速度をデータテーブル81から選択して読取るだけではなく、利用者が調べた画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの型番がデータテーブル81に記録されていなかった場合に、表示画面3aでのスクロール速度を任意に調節設定することができるようにしている。
【0104】
第3実施形態の情報端末装置1は、図1に示す外観と図2に示す構成を有し、またデータテーブル81を記憶部12に予め記憶しており、第2実施形態と同様に、利用者が調べた画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの型番に対応する原稿搬送速度をデータテーブル81から選択して読取り、この原稿搬送速度を表示画面3aでのスクロール速度として設定しているが、それだけではなく、更にその調べた型番がデータテーブル81に記録されていなかった場合は、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンの操作によりスクロール速度を任意に調節設定することができる。
【0105】
図11は、第3実施形態の情報端末装置1の表示画面3aに表示されているコンテンツを画像読取り装置51で読取らせて画像形成装置Aで記録用紙に印刷させる手順を示すフローチャートである。尚、図11において、図4もしくは図10と同様の作用を果たす部位には同じ符号を付して説明を簡略化する。
【0106】
まず、情報端末装置1の操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンの操作により、液晶表示装置3の表示画面3a上でコンテンツを作成して表示したり、記憶部12からコンテンツを読み出して表示画面3aに表示する。
【0107】
この状態で、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンを操作して、コンテンツの複写モードを指示する。これに応答して制御部14は、表示画面3a上のコンテンツを一旦消去し、図9のデータテーブル81を参照して、各種の画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの型番を表示画面3aに表示する(ステップS111)。このとき、利用者は、画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの型番を調べ、この調べた型番が表示画面3a上の各型番のいずれかに一致するか否かを判断する。
【0108】
そして、利用者は、その調べた型番が表示画面3a上の各型番のいずれかに一致すると、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンの操作により、表示画面3a上の各型番のうちのその調べた型番に一致する型番を指示する(ステップS121で「Yes」、ステップS112)。これに応答して制御部14は、データテーブル81を参照して、指示された型番に対応する原稿搬送速度を選択して読取り、この選択した原稿搬送速度を、表示画面3a上でコンテンツをスクロール表示するときのスクロール速度として設定する(ステップS113)。また、制御部14は、拡大されたコンテンツのサイズが記録用紙の定型サイズに収まるような該コンテンツの拡大倍率を算出して求める。
【0109】
このとき、制御部14は、姿勢センサ13の検出信号に基づき表示画面3aが上方に向いていると判定し、この判定をなすと、算出して求めた拡大倍率を表示画面3aに表示する(ステップS102)。
【0110】
利用者は、表示画面3aに表示された拡大倍率を確認し、画像形成装置Aの入力操作部(図示せず)を操作して、記録用紙の定型サイズ(例えばA4)と拡大倍率を指定して設定する(ステップS103)。
【0111】
この後、利用者は、原稿搬送部51bを開き、情報端末装置1の表裏を反転させて、表示画面3aを下方に向け、表示画面3aを原稿読取りガラス65に重ね合わせ、情報端末装置1を載置して、原稿搬送方向(副走査方向)と情報端末装置1の表示画面3aの縦方向を一致させる。
【0112】
このとき、制御部14は、姿勢センサ13の検出信号に基づき表示画面3aが下方に向いていると判定し、この判定をなすと、先に表示した拡大倍率を表示画面3aから消去して、コンテンツを表示画面3aに再表示する(ステップS104)。
【0113】
引き続いて、利用者は、画像形成装置Aの入力操作部(図示せず)を操作して、シートスルー方式での読取りと複写の開始を指示する。画像読取り装置51では、シートスルー方式での読取り指示に応答して第1走査ユニット55を原稿読取りガラス65下方の読取り定位置に移動させ、第2走査ユニット56を位置決めし、第1及び第2走査ユニット55、56、結像レンズ57、及びCCD58等により、原稿読取りガラス65上の情報端末装置1の表示画面3aに表示されているコンテンツを読取る。
【0114】
また、情報端末装置1では、受光素子5により光源61の光を受光し、受光素子5の受光信号に応答して表示画面3a上でコンテンツを、画像読取り装置51の原稿搬送部51bによる原稿の搬送速度と同一のスクロール速度で該表示画面3aの縦方向にスクロール表示する。
【0115】
そして、情報処理装置1では、表示画面3a上でコンテンツをその終端までスクロール表示すると、コンテンツの表示を終了する。
【0116】
画像読取り装置51では、光源61の点灯を一定期間継続させてから、光源61を消灯させ、読取り動作を終了する。
【0117】
画像形成装置Aでは、コンテンツを先に入力指示された拡大倍率で拡大し、拡大したコンテンツを先に指定された定型サイズの記録用紙に記録する。
【0118】
一方、利用者は、先に調べた画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの型番が表示画面3a上の各型番のいずれにも一致しなければ(ステップS121で「No」)、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンの操作により、その調べた型番が一致しない旨を入力する。例えば、「NG」のボタンを各型番と共に表示画面3aに表示しておき、表示画面3a上の「NG」のボタンの操作によりその調べた型番が一致しない旨を入力することができるようにする。この場合、制御部14は、図12に示すような画像読取り装置51の原稿搬送速度の任意設定ウィンドウ91を表示画面3aに表示する。この任意設定ウィンドウ91では、3種類の原稿搬送速度を表示したそれぞれの欄92〜94、及び画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの識別情報を記入する欄95が表示されている。各原稿搬送速度は、高速、中速、低速であり、多様な画像読取り装置51の原稿搬送速度を参考にして予め設定されたものである。利用者は、表示画面3a上で各欄92〜94のいずれかを指やペン先で選択してから、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンの操作により、この選択した欄の原稿搬送速度を指示する。あるいは、表示画面3a上で各欄92〜94のいずれかを選択した後に、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンの操作により、その選択した欄の原稿搬送速度を任意の値に書き換え修正してから指示する。また、利用者は、操作キー4や表示画面3a上の操作ボタンの操作により、画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの識別情報を欄95に記入する。これにより、任意の原稿搬送速度を指示することができ、任意の原稿搬送速度と識別情報を対応付けることができる(ステップS122)。識別情報は、例えば画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの型番であってもよいし、利用者が識別できるのであれば、如何なる文字列、符号等であっても構わない。
【0119】
こうして任意設定ウィンドウ91上で原稿搬送速度と識別情報が設定されて指示されると、制御部14は、これらの原稿搬送速度と識別情報をデータテーブル81に新たに記録して、データテーブル81を更新する(ステップS123)。これにより、図11のフローチャートの処理を再度実行したときには、ステップS111において、新たに記録された原稿搬送速度と識別情報が表示画面3aに表示されて選択指示の対象となる。
【0120】
尚、任意設定ウィンドウ91において、識別情報を記入する欄を省略しても構わない。この場合は、任意設定ウィンドウ91で設定された原稿搬送速度と識別情報をデータテーブル81に記録せず、図11のフローチャートの処理を実行する度に、任意設定ウィンドウ91で任意の原稿搬送速度を設定する。
【0121】
こうして設定された任意の原稿搬送速度は、表示画面3a上でコンテンツをスクロール表示するときのスクロール速度として設定される。
【0122】
この後、先と同様にステップS102〜S107の処理が行われて、表示画面3a上でコンテンツが読取られ、拡大されたコンテンツが先に指定された定型サイズの記録用紙に記録される。
【0123】
このように第3実施形態の情報端末装置1では、利用者が調べた画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aの型番がデータテーブル81に記録されていなかった場合に、表示画面3aでのスクロール速度を任意に調節設定することができ、不特定の画像読取り装置51もしくは画像形成装置Aを利用して、表示画面3a上のコンテンツを複写することができる。
【0124】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範疇の設計変更等が施されたものであっても、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0125】
1 情報端末装置
2 本体筐体
3 液晶表示装置
3a 表示画面
4 操作キー
5 受光素子(スクロール開始指示部)
11 入力操作部
12 記憶部
13 姿勢センサ(上下検出部)
14 制御部
21 光走査装置
22 現像装置
23 感光体ドラム
24 ドラムクリーニング装置
25 帯電器
26 中間転写ベルト装置
27 定着装置
28 給紙トレイ
29 用紙排出トレイ
51 画像読取り装置
51a 読取り本体部
51b 原稿搬送部
81 データテーブル(搬送速度記憶部)
A 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを表示画面にスクロール表示する機能を持つ情報端末装置であって、
前記表示画面のスクロール速度を、原稿を搬送しつつ読取り定位置で読取るシートスルー方式の画像読取り装置の原稿搬送速度と一致するように調節設定して、前記表示画面にコンテンツをスクロール表示する制御部と、
前記制御部によるコンテンツのスクロール表示の開始を指示するスクロール開始指示部とを備えたことを特徴とする情報端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報端末装置であって、
複数種の画像読取り装置の識別情報又は前記各画像読取り装置を搭載したそれぞれの画像形成装置の識別情報と前記各画像読取り装置の原稿搬送速度とを対応付けて記憶した搬送速度記憶部を備え、
前記制御部は、前記搬送速度記憶部に記憶されている前記各画像読取り装置の識別情報又は前記各画像形成装置の識別情報を前記表示画面に表示し、前記情報端末装置の入力操作により前記表示画面上で識別情報が選択指示されると、前記搬送速度記憶部に記憶されている前記選択指示された識別情報に対応する原稿搬送速度をスクロール速度として設定することを特徴とする情報端末装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報端末装置であって、
前記制御部は、前記情報端末装置の入力操作により指示された前記原稿搬送速度をスクロール速度として設定することを特徴とする情報端末装置。
【請求項4】
請求項2に記載の情報端末装置であって、
前記制御部は、前記情報端末装置の入力操作により画像読取り装置の識別情報又は前記画像読取り装置を搭載した画像形成装置の識別情報と前記画像読取り装置の原稿搬送速度を指示され、前記画像読取り装置の識別情報又は前記画像形成装置の識別情報と前記原稿搬送速度とを対応付けて前記搬送速度記憶部に記憶することを特徴とする情報端末装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の情報端末装置であって、
前記スクロール開始指示部は、前記表示画面と同一方向に向けられた受光素子を有し、前記受光素子の受光出力に応答してスクロール表示の開始を指示することを特徴とする情報端末装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の情報端末装置であって、
前記スクロール開始指示部は、前記情報端末装置の入力操作に応答してスクロール表示の開始を指示することを特徴とする情報端末装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の情報端末装置であって、
前記表示画面が上方及び下方のいずれに向けられたかを検出する上下検出部を備え、
前記制御部は、前記上下検出部により検出された前記表示画面の向きが上方であるときにスクロール表示に係る情報を該表示画面に表示し、前記上下検出部により検出された前記表示画面の向きが下方であるときにコンテンツを該表示画面に表示することを特徴とする情報端末装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の情報端末装置であって、
前記制御部は、コンテンツのサイズと記録用紙の定型サイズに基づき前記記録用紙に記録されるときの前記コンテンツの拡大倍率を求めて表示することを特徴とする情報端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−93903(P2012−93903A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239863(P2010−239863)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】