情報表示処理装置、方法、およびプログラム
【課題】時間軸に沿って画面表示したデータの詳細を効率よく確認できるようにする。
【解決手段】選択時区間取得部15Dにより、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得し、表示位置情報算出部15Bにより、基準表示比率Aより大きい選択時区間用表示比率Asに基づいて、選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、基準表示比率Aより小さい非選択時区間用表示比率Anに基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出し、表示制御部15Cにより、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、マップエリア13Aで時間軸に沿って再表示する。
【解決手段】選択時区間取得部15Dにより、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得し、表示位置情報算出部15Bにより、基準表示比率Aより大きい選択時区間用表示比率Asに基づいて、選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、基準表示比率Aより小さい非選択時区間用表示比率Anに基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出し、表示制御部15Cにより、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、マップエリア13Aで時間軸に沿って再表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示技術に関し、特に時間軸に沿って情報を表示する情報表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクの大容量化などに伴って、多くの情報が履歴として持続的かつ大量に保存されるようになってきている。例えば、様々な場所に設置された監視カメラは、設置された場所の映像を長期間ハードディスクに貯蔵する。Webブラウザは、ブラウザが表示したWebページのURLやタイトルの履歴を一定期間保持し続ける。携帯電話は、着信や発信の履歴を一定回数分保持している。また、PC内に編集中の文書を定期的にバックアップしている人も多い。このようなバックアップファイルも、いわば、その文書の更新履歴であるといえる。
【0003】
このようにして蓄積された履歴データは、後で確認して思い出したり、昔の状態を復元したり、また、もう一度見ることであらたな発見をしたりというように様々な利用が可能である。しかしながら、自動的に蓄積されるこれらの履歴データは容易に膨大に膨れ上がる。すなわち、役立つ情報がその中に埋もれてしまい、うまく探せないという情報洪水の問題を常に抱えている。そこで、持続的に蓄積された大量の履歴データから、必要な情報を必要な時に取得する手法の研究が盛んに行われている。
【0004】
例えば、Google社のGoogle Desktop Search(登録商標) は、デスクトップPC内のファイルやWeb閲覧履歴から必要な情報を、キーワードを入力することで検索できる。HCB tool は、Web閲覧履歴データベースに保存されている、現在閲覧中のWebページに似たページやURLが同じページを参照したり、Web閲覧履歴データベースに保存されているWebページを時系列に辿ったり、過去に入力した検索キーワードを参考に探索したりすることができる(例えば、非特許文献1など参照)。
【0005】
このような時間的な広がりを持った情報を閲覧する際の代表的な可視化手法として、ユーザが時間的な記憶を手がかりに情報を探せるように、時間軸に沿って情報をマップする手法がある(例えば、非特許文献2など参照)。
また、情報を検索すると、検索に合致した情報に対応する時間すべてが収まる時間軸(時区間)を画面の左側に表示し、検索に合致した情報すべてをその時間軸上にプロットする手法もある(例えば、非特許文献3など参照)。
【0006】
これら手法では、時間軸上には、矩形が表示されており、その矩形に対応する時区間を右側に拡大表示する。そして、拡大表示した時区間内の情報を時間に沿って詳細に提示する。ユーザは、矩形をスクロールバーのように時間軸に沿って移動したり、拡大縮小することで、拡大表示する時区間を変更しながら情報を探索していくことができる。
【0007】
履歴データに代表される時間的な広がりを持った情報のこのような可視化方法は、Overview and Detail と呼ばれる可視化手法を時間軸に適用したものといえる。Overview and Detail は、情報の概観と詳細を同時に提示することで、情報の探索を支援しようという可視化手法である。情報を探索していると、自分が情報源のどのあたりを見ているかがわからなくなり、結果として情報源の同じような場所を繰り返し探索してしまったり、有用な情報があるにもかかわらず探索に洩れてしまった部分ができてしまったりすることがある。Overview and Detail 手法では、ユーザは情報を詳細に閲覧している際にも、それが情報源のどのあたりにあるのかを常に概観表示で確認できるために、同じ場所を繰り返し探索したり、探索洩れが起きたりといったことを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Yoshinari Shirai, Yasuhiro Yamamoto, Kumiyo Nakakoji: A history-centric approach for enhancing web browsing experiences, CHI '06: CHI '06 extended abstracts on Human factors in computing systems, pp. 1319-1324, 2006.
【非特許文献2】Jun Rekimoto: Time-machine computing: a time-centric approach for the information environment, UIST99, pp. 45-54, 1999.
【非特許文献3】Merrie Ringel, Edward Cutrell, Susan Dumais, Eric Horvitz: Milestones in Time: The Value of Landmarks in Retrieving Information from Personal Stores, INTERACT2003, 2003.
【非特許文献4】増井俊之: インターフェイスの街角(26) -LensBar, UNIX MAGAZINE,2000年2月号.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
全体の時間軸を表示し、その中の一部の時区間を詳細に表示し、かつその時区間をユーザに操作してもらうという、情報の可視化手法において、例えば、表示画面のY軸に時間軸を可視化する場合、時刻Tと、画面上に表示した時間軸上の位置座標Yとの関係は、Y=A・T+B(A、Bは定数)という式で表現可能である。
したがって、この関係式に基づき、履歴データの時間情報と対応する位置座標を算出して、履歴データのシンボルを画面表示し、当該シンボルへの選択操作や矩形の移動操作で選択した履歴データの詳細を、詳細画面で表示することが可能となる。
【0010】
しかしながら、このような式で表現可能な可視化方法は、ユーザが探索したい情報を考えると、必ずしも効率的な探索を支援していない。
例えば、他者と一緒に論文の共著をした論文を、デスクトップPCに記録されている論文の編集履歴をもとに再確認する際、共著者とやり取りしたメールの内容を参考にする場合が考えられる。この場合、共著者とメールをやり取りした前後数日(例えば1日とする)の時区間におけるメール送受信の履歴を順に確認する作業が必要となる。
【0011】
ここで、短い時区間に多くのメールを送受信した場合、画面上に表示される履歴データの間隔が近接して密集するため、個々の履歴データを区別して選択することができない。例えば、Fittsの法則によれば、マウスを使ってポインティングする際に、対象をポインティングするまでにかかる時間は、目標が小さく遠いほど大きくなる。このため、履歴データを個別に選択する操作に時間がかかり、所望の履歴データの詳細を効率よく確認することができない。
【0012】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、時間軸に沿って画面表示したデータの詳細を効率よく確認することができる情報表示処理技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的を達成するために、本発明にかかる情報表示処理装置は、時間情報を含む複数のデータのうちから、当該時間情報が指定の表示対象時区間に含まれる対象データを取得するデータ取得部と、表示画面上で表示する単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す基準表示比率に基づき、対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する表示位置情報算出部と、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、表示画面上に設けた第1の表示エリアで時間軸に沿って表示する表示制御部と、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得する選択時区間取得部とを備え、表示位置情報算出部は、基準表示比率より大きい選択時区間用表示比率に基づいて、選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、基準表示比率より小さい非選択時区間用表示比率に基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出し、表示制御部は、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、第1の表示エリアで時間軸に沿って再表示する。
【0014】
この際、表示位置情報算出部で、選択時区間の合計時間長と選択時区間用表示比率との積と、非選択時区間の合計時間長と非選択時区間用表示比率との積の和が、表示画面上における表示対象時区間の表示区間長と等しくなるように、選択時区間用表示比率と非選択時区間用表示比率とを算出し、これら選択時区間用表示比率と非選択時区間用表示比率に基づいて、対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するようにしてもよい。
【0015】
また、表示制御部で、選択時区間における対象データの表示位置間隔が大きくなるに連れて、表示画面上で表示する当該対象データのデータ量をより大きくするようにしてもよい。
【0016】
また、表示制御部で、非選択時区間における対象データの表示位置間隔が下限値より小さくなった場合、これら対象データを当該対象データの件数のみで省略表示するようにしてもよい。
【0017】
また、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上の全体表示エリアとは別個に設けた第2の表示エリアに詳細表示する詳細時区間として取得する詳細時区間取得部をさらに備え、表示位置情報算出部で、選択時区間用表示比率より大きい詳細時区間用表示比率に基づいて、詳細時区間に含まれる対象データごとに、当該時間情報と対応する第2の表示エリアにおける表示位置情報を算出し、表示制御部で、算出した第2の表示エリアにおける表示位置情報に基づいて、詳細時区間に含まれる各対象データを、第2の表示エリアで時間軸に沿って表示するようにしてもよい。
【0018】
この際、表示制御部で、第2の表示エリアで表示する対象データの表示位置間隔が大きくなるに連れて、表示画面上で表示する当該対象データのデータ量をより大きくするようにしてもよい。
【0019】
また、本発明にかかる情報表示処理方法は、時間情報を含む複数のデータのうちから、当該時間情報が指定の表示対象時区間に含まれる対象データを取得して、表示画面上で時間軸に沿って表示する情報表示処理装置で用いられる情報表示処理方法であって、表示位置情報算出部が、表示画面上で表示する単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す基準表示比率に基づき、対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する表示位置情報算出ステップと、表示制御部が、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、表示画面上に設けた第1の表示エリアで時間軸に沿って表示する表示制御ステップと、選択時区間取得部が、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得する選択時区間取得ステップとを備え、表示位置情報算出ステップは、基準表示比率より大きい選択時区間用表示比率に基づいて、選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、基準表示比率より小さい非選択時区間用表示比率に基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するステップを含み、表示制御ステップは、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、第1の表示エリアで時間軸に沿って再表示するステップを含む。
【0020】
また、本発明にかかるプログラムは、時間情報を含む複数のデータのうちから、当該時間情報が指定の表示対象時区間に含まれる対象データを取得して、表示画面上で時間軸に沿って表示する情報表示処理装置のコンピュータに、表示位置情報算出部が、表示画面上で表示する単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す基準表示比率に基づき、対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する表示位置情報算出ステップと、表示制御部が、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、表示画面上に設けた第1の表示エリアで時間軸に沿って表示する表示制御ステップと、選択時区間取得部が、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得する選択時区間取得ステップとを実行させ、表示位置情報算出ステップは、基準表示比率より大きい選択時区間用表示比率に基づいて、選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、基準表示比率より小さい非選択時区間用表示比率に基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するステップを含み、表示制御ステップは、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、第1の表示エリアで時間軸に沿って再表示するステップを含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザ操作で表示対象時区間上に選択時区間が設定されることにより、表示画面上における当該選択時区間に対応する表示区間が拡大されて表示される。これにより、ユーザが見たい選択時区間における履歴データの表示間隔が拡大されて、表示画面上でこれら履歴データのシンボルを区別して選択操作しやすくなるため、所望の履歴データの詳細を効率よく確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施の形態にかかる情報表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる画面表示例である。
【図3】履歴データの構成例である。
【図4】第1の実施の形態にかかる情報表示処理装置の情報表示処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態にかかる情報表示処理装置の選択表示処理を示すフローチャートである。
【図6】選択時区間が設定されていない場合の時間と表示位置との関係を示すグラフである。
【図7】選択時区間が設定されている場合の時間と表示位置との関係を示すグラフである。
【図8】履歴データの表示間隔の変化を示す説明図である。
【図9】第2の実施の形態にかかる情報表示処理装置の構成を示すブロック図である。
【図10】第2の実施の形態にかかる情報表示処理装置の詳細表示処理を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態にかかる画面表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる情報表示システムについて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる情報表示システムの構成を示すブロック図である。
この情報表示システム1は、情報表示処理装置10とデータベース(DB)20とを含んでいる。
【0024】
データベース20は、全体としてハードディスクなどの記憶装置からなり、各種処理の履歴を示す履歴データなど、時間情報を含む複数のデータを蓄積する機能を有している。履歴データとしては、Webブラウザで閲覧したWebページ、メールソフトで送受信したメール、ワープロソフトで編集した文書ファイル、監視カメラで撮像した映像ファイル、携帯電話での発着信など、各種の履歴データがある。これら履歴データには、当該処理を実行した日時を示す時刻情報が添付されている。
以下では、データベース20に蓄積されているデータが履歴データである場合を例として説明する。
【0025】
情報表示処理装置10は、全体としてパーソナルコンピュータやサーバなどの情報処理装置からなり、データベース20に蓄積されている履歴データを取得し、時間軸に沿って画面表示する機能を有している。
情報表示処理装置10には、主な機能部として、入出力I/F部11、操作入力部12、画面表示部13、記憶部14、および演算処理部15が設けられている。また、演算処理部15では、主な処理部として、データ取得部15A、表示位置情報算出部15B、表示制御部15C、および選択時区間取得部15Dが実現される。
【0026】
[基本原理]
本発明にかかる情報表示方法の基本原理について説明する。
図2は、第1の実施の形態にかかる画面表示例である。ここでは、表示画面13Gに、日時T1から日時T2までの表示対象時区間に含まれる全履歴データを表示するための領域であるマップエリア(第1の表示エリア)13Aと、マップエリア13Aで選択した履歴データを詳細表示するための領域である詳細表示エリア(第2の表示エリア)13Bとが設けられている。
【0027】
この例では、マップエリア13Aに、第1の実施の形態にかかる選択表示処理を用いて、時間軸Jに沿って、メール、Web閲覧、文書更新の履歴の存在が表示されている。また、詳細表示エリア13Bには、マップエリア13Aでユーザ操作により選択された履歴の詳細が表示される。
例えば、メールについては、マップエリア13Aにおいて、メールを送信、もしくは受信したという存在のみを、「メール」というデータ種別で表現している。これに対して、詳細表示エリア13Bにおいては、当該メールに関する送り主や送り先、タイトルなどの詳細情報を表示している。
【0028】
したがって、マップエリア13Aにマップされた履歴データは、ある程度の長期に渡る履歴データの概観表現である。ユーザは、このマップエリア13Aにおいて任意の履歴データを操作選択することにより、当該履歴データの詳細情報を詳細表示エリア13Bで確認することができる。
ここで、短い時区間に多くのメールを送受信した場合など、複数の履歴データの時間情報が近接している場合、表示画面上でこれら履歴データのシンボルを区別して選択することができない。
【0029】
本実施の形態では、ユーザ操作に応じて、当該ユーザが確認したい1つ以上の時区間を選択時区間として取得し、これら選択時区間と選択時区間以外の非選択時区間とで、表示画面における、単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す表示比率を変更して、それぞれの時区間における履歴データを画面表示するようにしている。
これにより、ユーザが見たい選択時区間における履歴データの表示間隔が拡大され、非選択時区間における履歴データの表示間隔が縮小される。
【0030】
[情報表示処理装置]
次に、図1を参照して、情報表示処理装置10の構成について詳細に説明する。
情報表示処理装置10には、主な機能部として、入出力I/F部11、操作入力部12、画面表示部13、記憶部14、および演算処理部15が設けられている。
【0031】
入出力I/F部11は、専用のデータ入出力回路からなり、演算処理部15の制御に応じてデータベース20とデータ通信を行うことにより、データベース20から任意の履歴データを受信する機能を有している。
操作入力部12は、キーボードやマウスなどの操作入力装置からなり、ユーザの操作を検出して演算処理部15へ出力する機能を有している。
【0032】
画面表示部13は、LCDやPDPなどの画面表示装置からなり、演算処理部15からの制御により、操作メニューやデータベース20から取得した履歴データの画面表示を行う機能を有している。
記憶部14は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、演算処理部15での各種表示処理で用いる処理情報やプログラムを記憶する機能を有している。
【0033】
演算処理部15は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部14のプログラムを読み込んで実行して、上記ハードウェアとプログラムとを協働させることにより、各種処理部を実現する機能を有している。
演算処理部15で実現される主な処理部として、データ取得部15A、表示位置情報算出部15B、表示制御部15C、および選択時区間取得部15Dがある。
【0034】
データ取得部15Aは、操作入力部12で検出されたユーザ操作に応じて、指定された表示対象時区間の時間情報を取得する機能と、データベース20に蓄積されている履歴データのうち、当該履歴データの時間情報が表示対象時区間に含まれる履歴データを検索し、これらを対象データとして取得する機能とを有している。
【0035】
図3は、履歴データの構成例である。ここでは、履歴データごとに、当該履歴データがアクセスされた日時を示す時間情報、当該履歴データのデータ種別、当該履歴データの要約、および当該履歴データの詳細が組として登録されている。
【0036】
このうち、データ種別としては、Web閲覧、メール、文書更新などがある。
要約としては、Web閲覧の場合には当該WebページのタイトルやURLが用いられ、メールの場合には当該メールの相手メールアドレスや題名が用いられ、文書更新の場合には文書ファイル名や文書タイトルが用いられる。
【0037】
また、詳細としては、Web閲覧の場合には当該Webページの一部内容が用いられ、メールの場合には当該メール本文の一部内容が用いられ、文書更新の場合には当該文書の一部内容が用いられる。
これらデータ種別、要約、詳細については、データベース20に対して履歴データを保存する外部装置(図示せず)が生成して登録してもよく、データ取得部15Aが、履歴データに関連付けられている電子ファイルから抽出するようにしてもよい。
【0038】
表示位置情報算出部15Bは、画面表示部13の表示画面上に表示する単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す基準表示比率に基づいて、データ取得部15Aでデータベース20から取得した対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する機能と、基準表示比率より大きい選択時区間用表示比率に基づいて、選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する機能と、基準表示比率より小さい非選択時区間用表示比率に基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する機能とを有している。
【0039】
表示制御部15Cは、各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、表示画面上に設けたマップエリア13Aで時間軸に沿って表示する機能と、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、マップエリア13Aで時間軸に沿って再表示する機能とを有している。
【0040】
選択時区間取得部15Dは、操作入力部12で検出されたユーザ操作に応じて、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得する機能を有している。
【0041】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図4および図5を参照して、第1の実施の形態にかかる情報表示処理装置の動作について説明する。図4は、第1の実施の形態にかかる情報表示処理装置の情報表示処理を示すフローチャートである。図5は、第1の実施の形態にかかる情報表示処理装置の選択表示処理を示すフローチャートである。
【0042】
情報表示処理装置10の演算処理部15は、操作入力部12で検出されたユーザ操作による表示開始指示に応じて、図4の情報表示処理を実行する。
まず、演算処理部15は、データ取得部15Aにより、操作入力部12から指定された表示対象時区間の時間情報を取得し、データベース20に蓄積されている履歴データのうち、当該履歴データの時間情報が表示対象時区間に含まれる履歴データを検索し、これらを対象データとして取得する(ステップ100)。
【0043】
次に、演算処理部15は、表示位置情報算出部15Bにより、画面表示部13の表示画面上に表示する単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す基準表示比率に基づいて、データ取得部15Aでデータベース20から取得した対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する(ステップ101)。
この後、演算処理部15は、表示位置情報算出部15Bで算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、表示制御部15Cにより、当該対象データの一部または全部を、表示画面上に設けたマップエリア13Aで時間軸に沿って表示し(ステップ102)、一連の情報表示処理を終了する。
【0044】
一方、情報表示処理装置10の演算処理部15は、操作入力部12で検出されたユーザ操作による選択時区間の設定指示に応じて、図5の選択表示処理を実行する。
まず、演算処理部15は、選択時区間取得部15Dにより、操作入力部12から指定されたマップエリア13Aの時間軸上の位置に、選択時区間用シンボルを画面表示し(ステップ110)、この選択時区間用シンボルの表示位置から、選択時区間の時間情報を取得する(ステップ111)。選択時区間用シンボルとしては、例えば前述した図2で選択時区間S1,S2を設定した矩形シンボルを用いればよい。
【0045】
次に、演算処理部15は、表示位置情報算出部15Bにより、基準表示比率Aより大きい選択時区間用表示比率Asに基づいて、選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、基準表示比率Aより小さい非選択時区間用表示比率Anに基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する(ステップ112)。
【0046】
この後、演算処理部15は、表示位置情報算出部15Bで算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、表示制御部15Cにより、当該対象データの一部または全部を、表示画面上に設けたマップエリア13Aで時間軸に沿って表示し(ステップ113)、一連の選択表示処理を終了する。
【0047】
本実施の形態では、対象データを表示する際、ユーザが確認したい選択時区間が設定されていない場合、基準表示比率Aを用いて、各対象データの時間情報に比例した表示位置を算出している。
また、ユーザが確認したい選択時区間が設定された場合、基準表示比率Aより大きい選択時区間用表示比率Asと、基準表示比率Aより小さい非選択時区間用表示比率Anとを用いて、各対象データの時間情報に比例した表示位置を算出している。
【0048】
図6は、選択時区間が設定されていない場合の時間と表示位置との関係を示すグラフである。
対象データの表示位置を算出する際、選択時区間が設定されていない場合には、図6に示すように、基準表示比率Aを用いて、Y=A・T+B(Bは定数)により、表示位置Y、すなわち表示画面上における時間軸方向の座標を算出する。この場合、TとYが比例していることから、時刻T1から時刻T2までの表示対象時間を分割して設けた各時区間t1〜t5の割合と、これら時区間に対する時間軸上の表示区間y1〜y5の割合とは等しくなる。
【0049】
図7は、選択時区間が設定されている場合の時間と表示位置との関係を示すグラフである。
対象データの表示位置を算出する際、選択時区間が設定されている場合には、図4に示すように、選択時区間では選択時区間用表示比率Asが用いられるとともに、非選択時区間では非選択時区間用表示比率Anが用いられる。
【0050】
例えば、時区間t2,t4が選択時区間として設定された場合、それぞれY=As・T+B2、およびY=As・T+B4により、選択時区間t2,t4における対象データの表示位置を算出する(B2,B4は定数)。また、時区間t1,t3,t5は非選択時区間となることから、それぞれY=An・T+B1、Y=An・T+B3、およびY=An・T+B5により、選択時区間t1,t3,t5における対象データの表示位置を算出する(B1,B3,B5は定数)。
【0051】
この場合、基準表示比率A<選択時区間用表示比率Asの関係から、表示区間y2’,y4’は、図6の表示区間y2,y4と比較して拡大されることになる。
また、非選択時区間用表示比率An<基準表示比率Aの関係から、表示区間y1’,y3’,y5’は、図6の表示区間y1,y3,y5と比較して縮小されることになる。これにより、ユーザが見たい選択時区間以外の非選択時区間における履歴データの表示間隔が縮小される。
【0052】
図8は、履歴データの表示間隔の変化を示す説明図であり、図8(a)は選択時区間設定前、図8(b)は選択時区間設定後を示している。ここでは、選択時区間S1,S2がユーザに設定されることにより、その表示区間が拡大されていることがわかる。これにより、ユーザが見たい選択時区間における履歴データの表示間隔が拡大される。したがって、表示画面上でこれら履歴データのシンボルを区別して選択しやすくなる。
【0053】
この際、基準表示比率Aは、表示画面上に設けたマップエリア13Aの大きさ(座標値)と表示対象時区間の時間長とにより算出される。このため、マップエリア13Aの大きさおよび表示対象時区間が固定値の場合、基準表示比率Aも固定値となる。
【0054】
また、選択時区間用表示比率Asと非選択時区間用表示比率Anについては、時刻T1,T2に対応する表示位置をY1,Y2とした場合、選択時区間の合計時間長と非選択時区間の合計時間長の和が表示対象時区間の時間長|T2−T1|に等しいことから、選択時区間の合計時間長×As+非選択時区間の合計時間長×An=|Y2−Y1|が成立するようAs,Anを算出すればよい。
【0055】
また、図5のステップ113において、表示制御部15Cにより、当該対象データをマップエリア13Aで時間軸に沿って表示する際、選択時区間における対象データの表示位置間隔が大きくなるに連れて、表示画面上で表示する当該対象データのデータ量をより大きくしてもよい。
【0056】
例えば、前述の図3に示したように、各履歴データのデータ量は、データ種別<要約<詳細の関係を有している。したがって、選択時区間が設定されていない場合には、データ種別からなるシンボルで各対象データを表示しておき、選択時区間が設定された場合には、表示画面上における対象データの表示間隔が拡がるため、要約あるいは詳細からなるシンボルで各対象データを表示すればよい。
【0057】
なお、データ種別、要約、詳細の切替判定については、要約や詳細について、表示画面上における対象データの表示間隔に対するしきい値を設け、しきい値を満足する表示間隔となった時点で要約や詳細を選択すればよい。
【0058】
一方、非選択時区間については、選択時区間が設定されていない場合と同様に、データ種別からなるシンボルで各対象データが表示されるが、選択時区間が設定された時点で対象データの表示間隔が縮小されるため、隣接する対象データのシンボルに重なりが発生する場合がある。
【0059】
このような場合には、これら対象データをデータ種別により個別に表示するのをやめて、これら対象データを1つに省略し、これら対象データの件数のみを、これら対象データの中央位置に表示するようにしてもよい。これにより、シンボルが重なり合った煩雑な画面に比較して、より見やすい画面をユーザに提供でき、ユーザの操作性の改善が期待される。
なお、重なりの発生有無判定については、対象データの表示位置間隔に対する下限値を設けて、再計算した表示位置間隔と比較すればよい。
【0060】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、選択時区間取得部15Dにより、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得し、表示位置情報算出部15Bにより、基準表示比率Aより大きい選択時区間用表示比率Asに基づいて、選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、基準表示比率Aより小さい非選択時区間用表示比率Anに基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出し、表示制御部15Cにより、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、マップエリア13Aで時間軸に沿って再表示している。
【0061】
したがって、ユーザ操作で表示対象時区間上に選択時区間が設定されることにより、表示画面上における当該選択時区間に対応する表示区間が拡大されて表示される。これにより、ユーザが見たい選択時区間における履歴データの表示間隔が拡大されて、表示画面上でこれら履歴データのシンボルを区別して選択操作しやすくなるため、所望の履歴データの詳細を効率よく確認することができる。
【0062】
また、本実施の形態では、表示位置情報算出部15Bにより、選択時区間の合計時間長と選択時区間用表示比率との積と、非選択時区間の合計時間長と非選択時区間用表示比率との積の和が、表示画面上における表示対象時区間の表示区間長と等しくなるように、選択時区間用表示比率と非選択時区間用表示比率とを算出し、これら選択時区間用表示比率と非選択時区間用表示比率に基づいて、対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するようにしたので、選択時区間の設定状況に応じた表示間隔で対象データを表示することができる。
【0063】
また、本実施の形態では、表示制御部15Cにより、選択時区間における対象データの表示位置間隔が大きくなるに連れて、表示画面上で表示する当該対象データのデータ量をより大きくするようにしたので、選択時区間の対象データに対して良好な視認性を得ることができる。
【0064】
また、本実施の形態では、表示制御部15Cにより、非選択時区間における対象データの表示位置間隔が下限値より小さくなった場合、これら対象データを当該対象データの件数のみで省略表示するようにしたので、より見やすい画面をユーザに提供でき、ユーザの操作性の改善が期待される。
【0065】
[第2の実施の形態]
次に、図9を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる情報表示処理装置の構成について説明する。図9は、本発明の第2の実施の形態にかかる情報表示処理装置の構成を示すブロック図である。
【0066】
第1の実施の形態と比較して、本実施の形態にかかる情報表示処理装置10には、演算処理部15に、詳細時区間取得部15Eが追加されている。
詳細時区間取得部15Eは、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上の全体表示エリアとは別個に設けた詳細表示エリア(第2の表示エリア)13Bに詳細表示する詳細時区間として取得する機能を有している。
【0067】
また、表示位置情報算出部15Bには、前述した機能に加え、選択時区間用表示比率より大きい詳細時区間用表示比率に基づいて、詳細時区間に含まれる各対象データごとに、当該時間情報と対応する詳細表示エリア13Bにおける表示位置情報を算出する機能が追加されている。
【0068】
同じく、表示制御部15Cには、前述した機能に加え、算出した詳細表示エリア13Bにおける表示位置情報に基づいて、詳細時区間に含まれる各対象データを、詳細表示エリア13Bで時間軸に沿って表示する機能が追加されている。
なお、本実施の形態にかかる情報表示処理装置10のうち、これら以外の構成については第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0069】
[第2の実施の形態の動作]
次に、図10を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる情報表示処理装置の動作について説明する。図10は、本発明の第2の実施の形態にかかる情報表示処理装置の詳細表示処理を示すフローチャートである。
【0070】
情報表示処理装置10の演算処理部15は、操作入力部12で検出されたユーザ操作による詳細時区間の設定指示に応じて、図10の詳細表示処理を実行する。
まず、演算処理部15は、詳細時区間取得部15Eにより、操作入力部12から指定されたマップエリア13Aの時間軸上の位置に、詳細時区間用シンボルを画面表示し(ステップ200)、この詳細時区間用シンボルの表示位置から、詳細時区間の時間情報を取得する(ステップ201)。詳細時区間用シンボルとしては、選択時区間用シンボルと同様に矩形からなるシンボルを用いればよい。
【0071】
次に、演算処理部15は、表示位置情報算出部15Bにより、選択時区間用表示比率Asより大きい詳細時区間用表示比率Adに基づいて、詳細時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する(ステップ202)。
この後、演算処理部15は、表示位置情報算出部15Bで算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、表示制御部15Cにより、当該対象データの一部または全部を、表示画面上に設けた詳細表示エリア13Bで時間軸に沿って表示し(ステップ203)、一連の詳細表示処理を終了する。
【0072】
図11は、第2の実施の形態にかかる画面表示例である。ここでは、表示画面13Gに、日時T1から日時T2までの表示対象時区間に含まれる全履歴データを表示するための領域であるマップエリア(第1の表示エリア)13Aと、マップエリア13Aで詳細時区間として選択した履歴データを詳細表示するための領域である詳細表示エリア(第2の表示エリア)13Bとが設けられている。
【0073】
この例では、マップエリア13Aに、第1の実施の形態にかかる選択表示処理を用いて、時間軸Jに沿って、メール、Web閲覧、文書更新の履歴の存在が表示されている。また、詳細表示エリア13Bには、本実施の形態にかかる詳細表示処理を用いて、マップエリア13Aでユーザ操作により詳細時区間用シンボルDで設定された詳細時区間に含まれる複数の履歴の詳細が表示されている。
【0074】
例えば、メールについては、マップエリア13Aにおいて、メールを送信、もしくは受信したという存在のみを、「メール」というデータ種別で表現している。これに対して、詳細表示エリア13Bにおいては、当該メールに関する送り主や送り先、タイトルなどの詳細情報を表示している。
【0075】
本実施の形態は、第1の実施の形態と比較して、複数の対象データを詳細時区間により選択し、その詳細を一括して詳細表示エリア13Bで表示することができる。
前述したように、第1の実施の形態では、例えば選択時区間に存在する履歴データは、画面表示された時間軸上に隣接履歴データとの間隔が拡大されてプロットされる。しかしながら、当該選択時区間に存在する履歴データの詳細を確認するには、個々の履歴データを選択操作する必要がある。本実施の形態によれば、詳細時区間で選択された複数の履歴データについて、その詳細を一括して確認することができ、高い作業効率が得られる。
【0076】
また、表示位置情報算出部15Bで、詳細時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報Ydを、詳細時区間用表示比率Adに基づいて算出する際、前述と同様に、Yd=Ad・T+Bd(Bdは定数)により算出してもよいが、詳細時区間に含まれる選択時区間および非選択時区間を考慮して表示位置情報Ydを算出してもよい。
【0077】
この場合、選択時区間については、Yd=Ad・As・T+Bdsで算出し、非選択時区間については、Yd=Ad・An・T+Bdnで算出すればよい(Bds,Bdnは定数)。これにより、マップエリア13Aでの表示間隔を、詳細時区間用表示比率Adに基づきそのままの比率で拡大した表示間隔により履歴データを詳細表示エリア13Bで表示できる。
【0078】
なお、詳細時区間用表示比率Adについては、表示画面上に設けた詳細表示エリア13Bの大きさ(座標値)と詳細時区間の時間長とにより算出される。このため、詳細表示エリア13Bの大きさと詳細時区間とが固定値の場合、詳細時区間用表示比率Adも固定値となる。
【0079】
また、図10のステップ203において、表示制御部15Cにより、当該対象データを詳細表示エリア13Bで時間軸に沿って表示する際、これら対象データの表示位置間隔が大きくなるに連れて、表示画面上で表示する当該対象データのデータ量をより大きくしてもよい。
【0080】
例えば、前述の図3に示したように、各履歴データのデータ量は、データ種別<要約<詳細の関係を有している。したがって、詳細表示エリア13Bにおいて、非選択時区間の対象データについては、要約からなるシンボルで表示しておき、選択時区間の対象データについては、詳細からなるシンボルで表示すればよい。
【0081】
なお、データ種別、要約、詳細の切替判定については、要約や詳細について、表示画面上における対象データの表示間隔に対するしきい値を設け、しきい値を満足する表示間隔となった時点で要約や詳細を選択すればよい。
【0082】
前述した従来の情報可視化手法では、拡大表示画面において表示する情報の詳細度を、長方形の矩形で指定した時区間に応じて可変にする場合がある。これは、一般にズーミングと呼ばれる手法である。時区間を短くしていくと、拡大表示画面に表示される情報の詳細度が高くなり、時区間を長くしていくと、拡大表示画面に表示される情報の詳細度が低くなっていく。ユーザは、ズーミングを用いることで、自身の興味の度合いに応じた適切な詳細度で情報を閲覧することができるようになる。
【0083】
情報の詳細度をどのように変更するのかについては、本発明の対象外であるため詳細な説明は割愛するが、詳細度を低くしていくと、何らかの方法で表示する情報の間引きや、要約が必要となる。一例として、ズーミングを実現した可視化システムLensBarでは、情報の各項目にその項目の重要度(DOI: Degree Of Interests)を付与しておき、その値が閾値よりも大きいもののみを表示するといったやり方を用いている(例えば、非特許文献4など参照)。
【0084】
しかしながら、拡大表示画面における詳細度が固定にも可変の場合にも従来の手法では、拡大表示画面における詳細度は、拡大表示画面内では同じであり、閲覧したい時区間とそうでない時区間による詳細度の違いはない。そのため、長方形の矩形を移動していく過程で、それほど詳細に見る必要のない、時区間の履歴データまで、閲覧してしまうことになってしまう。
【0085】
例えば、第1の実施の形態と同様に、共著者とメールをやり取りした前後一日を詳細に調べたいといった状況を想定する。また、図11において、詳細表示エリア13Bに表示されている「文書更新:論文Ver.2.3.doc」や「Web閲覧:山田○郎のホームページ」は、その前後一日に入っているが、「Web閲覧:Call for papers」は入っていなかったとする。
【0086】
このような状況の場合、従来の情報可視化手法では、ユーザが見たい時区間に入っていない「Web閲覧: Call for papers」を、たとえ詳細に見たくなかったとしても、時区間に入っている履歴データ(ex。「Web:閲覧:山田○郎のホームページ」) と同じ詳細度で表示されてしまう。本実施の形態によれば、このような問題も解決される。
【0087】
第1の実施の形態では、ユーザが詳細に見たい時区間に対応する可視化領域を拡大し、一方、そうでない時区間に対応する可視化領域を縮小していく。これは、前述のように、図6,図7において、それぞれの時区間における線分の傾き、すなわち選択時区間用表示比率Asや非選択時区間用表示比率Anを変更することに他ならない。
【0088】
各可視化領域に提示する情報の詳細度を、これら選択時区間用表示比率Asや非選択時区間用表示比率Anに比例して決定すれば、ユーザが見たい時区間に対応する可視化領域に表示する情報は詳細に提示でき、そうでない時区間に対応する可視化領域に表示する情報は粗く提示できる。
【0089】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、詳細時区間取得部15Eにより、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上の全体表示エリアとは別個に設けた詳細表示エリア13Bに詳細表示する詳細時区間として取得し、表示位置情報算出部15Bにより、選択時区間用表示比率より大きい詳細時区間用表示比率に基づいて、詳細時区間に含まれる各対象データごとに、当該時間情報と対応する第2の表示エリアにおける表示位置情報を算出し、表示制御部15Cにより、算出した詳細表示エリア13Bにおける表示位置情報に基づいて、詳細時区間に含まれる各対象データを、詳細表示エリア13Bで時間軸に沿って表示している。
【0090】
したがって、ユーザ操作により、表示対象時区間上に詳細時区間が設定されることにより、当該詳細時区間に含まれる各対象データの詳細を、詳細表示エリア13Bに一括して表示することができるとともに、マップエリア13Aより多くのデータ量を用いて対象データを詳細に表示することができる。これにより、ユーザが対象データを検査する際、高い作業効率が得られる。
【0091】
また、本実施の形態では、表示制御部15Cにより、第2の表示エリアで表示する対象データの表示位置間隔が大きくなるに連れて、表示画面上で表示する当該対象データのデータ量をより大きくするようにしたので、選択時区間の対象データに対して良好な視認性を得ることができる。
【0092】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0093】
また、各実施の形態では、データベース20が情報表示処理装置10から独立した装置で実現されている場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、情報表示処理装置10の記憶部14でデータベース20を実現してもよい。
【0094】
また、各実施の形態では、情報表示処理装置10で表示するデータとして履歴データを例として説明したが、これに限定されるものではなく、時間情報を含むデータであれば、履歴データ以外のデータであっても、前述と同様にして実施の形態を適用できるとともに、同様の作用効果を得ることができる。
【0095】
また、各実施の形態では、選択時区間用表示比率As、非選択時区間用表示比率An、さらには詳細時区間用表示比率Adについて、表示位置情報算出部15Bにより、自動計算する場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。これら表示倍率のうちの一部またはすべてについて、予め固定的に設定された表示倍率を用いてもよく、操作入力部12でユーザから設定されたものを用いてもよい。
【0096】
なお、前述した条件からわかるように、選択時区間用表示比率Asと非選択時区間用表示比率Anは、いずれか一方が決定されれば他方も決定されるため、いずれか一方だけをユーザが設定するようにしてもよい。また、ユーザによる表示比率の設定方法については、直接、数値を入力するようにしてもよく、スライダインタフェースやマウスジェスチャなどを用いて直感的に入力するようにしてもよい
【0097】
また、各実施の形態では、図により画面表示例を示したが、画面表示についてこれら例に限定されるものではなく、本発明のスコープ内であれば、各種アプリケーションに応じて変更をすることができる。
【符号の説明】
【0098】
1…情報表示システム、10…情報表示処理装置、11…入出力I/F部、12…操作入力部、13…画面表示部、13A…マップエリア(第1の表示エリア)、13B…詳細表示エリア(第2の表示エリア)、14…記憶部、15…演算処理部、15A…データ取得部、15B…表示位置情報算出部、15C…表示制御部、15D…選択時区間取得部、15E…詳細時区間取得部、20…データベース、A…基準表示比率、As…選択時区間用表示比率、An…非選択時区間用表示比率、Ad…詳細時区間用表示比率。
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報表示技術に関し、特に時間軸に沿って情報を表示する情報表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクの大容量化などに伴って、多くの情報が履歴として持続的かつ大量に保存されるようになってきている。例えば、様々な場所に設置された監視カメラは、設置された場所の映像を長期間ハードディスクに貯蔵する。Webブラウザは、ブラウザが表示したWebページのURLやタイトルの履歴を一定期間保持し続ける。携帯電話は、着信や発信の履歴を一定回数分保持している。また、PC内に編集中の文書を定期的にバックアップしている人も多い。このようなバックアップファイルも、いわば、その文書の更新履歴であるといえる。
【0003】
このようにして蓄積された履歴データは、後で確認して思い出したり、昔の状態を復元したり、また、もう一度見ることであらたな発見をしたりというように様々な利用が可能である。しかしながら、自動的に蓄積されるこれらの履歴データは容易に膨大に膨れ上がる。すなわち、役立つ情報がその中に埋もれてしまい、うまく探せないという情報洪水の問題を常に抱えている。そこで、持続的に蓄積された大量の履歴データから、必要な情報を必要な時に取得する手法の研究が盛んに行われている。
【0004】
例えば、Google社のGoogle Desktop Search(登録商標) は、デスクトップPC内のファイルやWeb閲覧履歴から必要な情報を、キーワードを入力することで検索できる。HCB tool は、Web閲覧履歴データベースに保存されている、現在閲覧中のWebページに似たページやURLが同じページを参照したり、Web閲覧履歴データベースに保存されているWebページを時系列に辿ったり、過去に入力した検索キーワードを参考に探索したりすることができる(例えば、非特許文献1など参照)。
【0005】
このような時間的な広がりを持った情報を閲覧する際の代表的な可視化手法として、ユーザが時間的な記憶を手がかりに情報を探せるように、時間軸に沿って情報をマップする手法がある(例えば、非特許文献2など参照)。
また、情報を検索すると、検索に合致した情報に対応する時間すべてが収まる時間軸(時区間)を画面の左側に表示し、検索に合致した情報すべてをその時間軸上にプロットする手法もある(例えば、非特許文献3など参照)。
【0006】
これら手法では、時間軸上には、矩形が表示されており、その矩形に対応する時区間を右側に拡大表示する。そして、拡大表示した時区間内の情報を時間に沿って詳細に提示する。ユーザは、矩形をスクロールバーのように時間軸に沿って移動したり、拡大縮小することで、拡大表示する時区間を変更しながら情報を探索していくことができる。
【0007】
履歴データに代表される時間的な広がりを持った情報のこのような可視化方法は、Overview and Detail と呼ばれる可視化手法を時間軸に適用したものといえる。Overview and Detail は、情報の概観と詳細を同時に提示することで、情報の探索を支援しようという可視化手法である。情報を探索していると、自分が情報源のどのあたりを見ているかがわからなくなり、結果として情報源の同じような場所を繰り返し探索してしまったり、有用な情報があるにもかかわらず探索に洩れてしまった部分ができてしまったりすることがある。Overview and Detail 手法では、ユーザは情報を詳細に閲覧している際にも、それが情報源のどのあたりにあるのかを常に概観表示で確認できるために、同じ場所を繰り返し探索したり、探索洩れが起きたりといったことを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Yoshinari Shirai, Yasuhiro Yamamoto, Kumiyo Nakakoji: A history-centric approach for enhancing web browsing experiences, CHI '06: CHI '06 extended abstracts on Human factors in computing systems, pp. 1319-1324, 2006.
【非特許文献2】Jun Rekimoto: Time-machine computing: a time-centric approach for the information environment, UIST99, pp. 45-54, 1999.
【非特許文献3】Merrie Ringel, Edward Cutrell, Susan Dumais, Eric Horvitz: Milestones in Time: The Value of Landmarks in Retrieving Information from Personal Stores, INTERACT2003, 2003.
【非特許文献4】増井俊之: インターフェイスの街角(26) -LensBar, UNIX MAGAZINE,2000年2月号.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
全体の時間軸を表示し、その中の一部の時区間を詳細に表示し、かつその時区間をユーザに操作してもらうという、情報の可視化手法において、例えば、表示画面のY軸に時間軸を可視化する場合、時刻Tと、画面上に表示した時間軸上の位置座標Yとの関係は、Y=A・T+B(A、Bは定数)という式で表現可能である。
したがって、この関係式に基づき、履歴データの時間情報と対応する位置座標を算出して、履歴データのシンボルを画面表示し、当該シンボルへの選択操作や矩形の移動操作で選択した履歴データの詳細を、詳細画面で表示することが可能となる。
【0010】
しかしながら、このような式で表現可能な可視化方法は、ユーザが探索したい情報を考えると、必ずしも効率的な探索を支援していない。
例えば、他者と一緒に論文の共著をした論文を、デスクトップPCに記録されている論文の編集履歴をもとに再確認する際、共著者とやり取りしたメールの内容を参考にする場合が考えられる。この場合、共著者とメールをやり取りした前後数日(例えば1日とする)の時区間におけるメール送受信の履歴を順に確認する作業が必要となる。
【0011】
ここで、短い時区間に多くのメールを送受信した場合、画面上に表示される履歴データの間隔が近接して密集するため、個々の履歴データを区別して選択することができない。例えば、Fittsの法則によれば、マウスを使ってポインティングする際に、対象をポインティングするまでにかかる時間は、目標が小さく遠いほど大きくなる。このため、履歴データを個別に選択する操作に時間がかかり、所望の履歴データの詳細を効率よく確認することができない。
【0012】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、時間軸に沿って画面表示したデータの詳細を効率よく確認することができる情報表示処理技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このような目的を達成するために、本発明にかかる情報表示処理装置は、時間情報を含む複数のデータのうちから、当該時間情報が指定の表示対象時区間に含まれる対象データを取得するデータ取得部と、表示画面上で表示する単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す基準表示比率に基づき、対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する表示位置情報算出部と、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、表示画面上に設けた第1の表示エリアで時間軸に沿って表示する表示制御部と、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得する選択時区間取得部とを備え、表示位置情報算出部は、基準表示比率より大きい選択時区間用表示比率に基づいて、選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、基準表示比率より小さい非選択時区間用表示比率に基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出し、表示制御部は、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、第1の表示エリアで時間軸に沿って再表示する。
【0014】
この際、表示位置情報算出部で、選択時区間の合計時間長と選択時区間用表示比率との積と、非選択時区間の合計時間長と非選択時区間用表示比率との積の和が、表示画面上における表示対象時区間の表示区間長と等しくなるように、選択時区間用表示比率と非選択時区間用表示比率とを算出し、これら選択時区間用表示比率と非選択時区間用表示比率に基づいて、対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するようにしてもよい。
【0015】
また、表示制御部で、選択時区間における対象データの表示位置間隔が大きくなるに連れて、表示画面上で表示する当該対象データのデータ量をより大きくするようにしてもよい。
【0016】
また、表示制御部で、非選択時区間における対象データの表示位置間隔が下限値より小さくなった場合、これら対象データを当該対象データの件数のみで省略表示するようにしてもよい。
【0017】
また、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上の全体表示エリアとは別個に設けた第2の表示エリアに詳細表示する詳細時区間として取得する詳細時区間取得部をさらに備え、表示位置情報算出部で、選択時区間用表示比率より大きい詳細時区間用表示比率に基づいて、詳細時区間に含まれる対象データごとに、当該時間情報と対応する第2の表示エリアにおける表示位置情報を算出し、表示制御部で、算出した第2の表示エリアにおける表示位置情報に基づいて、詳細時区間に含まれる各対象データを、第2の表示エリアで時間軸に沿って表示するようにしてもよい。
【0018】
この際、表示制御部で、第2の表示エリアで表示する対象データの表示位置間隔が大きくなるに連れて、表示画面上で表示する当該対象データのデータ量をより大きくするようにしてもよい。
【0019】
また、本発明にかかる情報表示処理方法は、時間情報を含む複数のデータのうちから、当該時間情報が指定の表示対象時区間に含まれる対象データを取得して、表示画面上で時間軸に沿って表示する情報表示処理装置で用いられる情報表示処理方法であって、表示位置情報算出部が、表示画面上で表示する単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す基準表示比率に基づき、対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する表示位置情報算出ステップと、表示制御部が、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、表示画面上に設けた第1の表示エリアで時間軸に沿って表示する表示制御ステップと、選択時区間取得部が、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得する選択時区間取得ステップとを備え、表示位置情報算出ステップは、基準表示比率より大きい選択時区間用表示比率に基づいて、選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、基準表示比率より小さい非選択時区間用表示比率に基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するステップを含み、表示制御ステップは、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、第1の表示エリアで時間軸に沿って再表示するステップを含む。
【0020】
また、本発明にかかるプログラムは、時間情報を含む複数のデータのうちから、当該時間情報が指定の表示対象時区間に含まれる対象データを取得して、表示画面上で時間軸に沿って表示する情報表示処理装置のコンピュータに、表示位置情報算出部が、表示画面上で表示する単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す基準表示比率に基づき、対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する表示位置情報算出ステップと、表示制御部が、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、表示画面上に設けた第1の表示エリアで時間軸に沿って表示する表示制御ステップと、選択時区間取得部が、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得する選択時区間取得ステップとを実行させ、表示位置情報算出ステップは、基準表示比率より大きい選択時区間用表示比率に基づいて、選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、基準表示比率より小さい非選択時区間用表示比率に基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するステップを含み、表示制御ステップは、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、第1の表示エリアで時間軸に沿って再表示するステップを含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザ操作で表示対象時区間上に選択時区間が設定されることにより、表示画面上における当該選択時区間に対応する表示区間が拡大されて表示される。これにより、ユーザが見たい選択時区間における履歴データの表示間隔が拡大されて、表示画面上でこれら履歴データのシンボルを区別して選択操作しやすくなるため、所望の履歴データの詳細を効率よく確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施の形態にかかる情報表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる画面表示例である。
【図3】履歴データの構成例である。
【図4】第1の実施の形態にかかる情報表示処理装置の情報表示処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態にかかる情報表示処理装置の選択表示処理を示すフローチャートである。
【図6】選択時区間が設定されていない場合の時間と表示位置との関係を示すグラフである。
【図7】選択時区間が設定されている場合の時間と表示位置との関係を示すグラフである。
【図8】履歴データの表示間隔の変化を示す説明図である。
【図9】第2の実施の形態にかかる情報表示処理装置の構成を示すブロック図である。
【図10】第2の実施の形態にかかる情報表示処理装置の詳細表示処理を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施の形態にかかる画面表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる情報表示システムについて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる情報表示システムの構成を示すブロック図である。
この情報表示システム1は、情報表示処理装置10とデータベース(DB)20とを含んでいる。
【0024】
データベース20は、全体としてハードディスクなどの記憶装置からなり、各種処理の履歴を示す履歴データなど、時間情報を含む複数のデータを蓄積する機能を有している。履歴データとしては、Webブラウザで閲覧したWebページ、メールソフトで送受信したメール、ワープロソフトで編集した文書ファイル、監視カメラで撮像した映像ファイル、携帯電話での発着信など、各種の履歴データがある。これら履歴データには、当該処理を実行した日時を示す時刻情報が添付されている。
以下では、データベース20に蓄積されているデータが履歴データである場合を例として説明する。
【0025】
情報表示処理装置10は、全体としてパーソナルコンピュータやサーバなどの情報処理装置からなり、データベース20に蓄積されている履歴データを取得し、時間軸に沿って画面表示する機能を有している。
情報表示処理装置10には、主な機能部として、入出力I/F部11、操作入力部12、画面表示部13、記憶部14、および演算処理部15が設けられている。また、演算処理部15では、主な処理部として、データ取得部15A、表示位置情報算出部15B、表示制御部15C、および選択時区間取得部15Dが実現される。
【0026】
[基本原理]
本発明にかかる情報表示方法の基本原理について説明する。
図2は、第1の実施の形態にかかる画面表示例である。ここでは、表示画面13Gに、日時T1から日時T2までの表示対象時区間に含まれる全履歴データを表示するための領域であるマップエリア(第1の表示エリア)13Aと、マップエリア13Aで選択した履歴データを詳細表示するための領域である詳細表示エリア(第2の表示エリア)13Bとが設けられている。
【0027】
この例では、マップエリア13Aに、第1の実施の形態にかかる選択表示処理を用いて、時間軸Jに沿って、メール、Web閲覧、文書更新の履歴の存在が表示されている。また、詳細表示エリア13Bには、マップエリア13Aでユーザ操作により選択された履歴の詳細が表示される。
例えば、メールについては、マップエリア13Aにおいて、メールを送信、もしくは受信したという存在のみを、「メール」というデータ種別で表現している。これに対して、詳細表示エリア13Bにおいては、当該メールに関する送り主や送り先、タイトルなどの詳細情報を表示している。
【0028】
したがって、マップエリア13Aにマップされた履歴データは、ある程度の長期に渡る履歴データの概観表現である。ユーザは、このマップエリア13Aにおいて任意の履歴データを操作選択することにより、当該履歴データの詳細情報を詳細表示エリア13Bで確認することができる。
ここで、短い時区間に多くのメールを送受信した場合など、複数の履歴データの時間情報が近接している場合、表示画面上でこれら履歴データのシンボルを区別して選択することができない。
【0029】
本実施の形態では、ユーザ操作に応じて、当該ユーザが確認したい1つ以上の時区間を選択時区間として取得し、これら選択時区間と選択時区間以外の非選択時区間とで、表示画面における、単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す表示比率を変更して、それぞれの時区間における履歴データを画面表示するようにしている。
これにより、ユーザが見たい選択時区間における履歴データの表示間隔が拡大され、非選択時区間における履歴データの表示間隔が縮小される。
【0030】
[情報表示処理装置]
次に、図1を参照して、情報表示処理装置10の構成について詳細に説明する。
情報表示処理装置10には、主な機能部として、入出力I/F部11、操作入力部12、画面表示部13、記憶部14、および演算処理部15が設けられている。
【0031】
入出力I/F部11は、専用のデータ入出力回路からなり、演算処理部15の制御に応じてデータベース20とデータ通信を行うことにより、データベース20から任意の履歴データを受信する機能を有している。
操作入力部12は、キーボードやマウスなどの操作入力装置からなり、ユーザの操作を検出して演算処理部15へ出力する機能を有している。
【0032】
画面表示部13は、LCDやPDPなどの画面表示装置からなり、演算処理部15からの制御により、操作メニューやデータベース20から取得した履歴データの画面表示を行う機能を有している。
記憶部14は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、演算処理部15での各種表示処理で用いる処理情報やプログラムを記憶する機能を有している。
【0033】
演算処理部15は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部14のプログラムを読み込んで実行して、上記ハードウェアとプログラムとを協働させることにより、各種処理部を実現する機能を有している。
演算処理部15で実現される主な処理部として、データ取得部15A、表示位置情報算出部15B、表示制御部15C、および選択時区間取得部15Dがある。
【0034】
データ取得部15Aは、操作入力部12で検出されたユーザ操作に応じて、指定された表示対象時区間の時間情報を取得する機能と、データベース20に蓄積されている履歴データのうち、当該履歴データの時間情報が表示対象時区間に含まれる履歴データを検索し、これらを対象データとして取得する機能とを有している。
【0035】
図3は、履歴データの構成例である。ここでは、履歴データごとに、当該履歴データがアクセスされた日時を示す時間情報、当該履歴データのデータ種別、当該履歴データの要約、および当該履歴データの詳細が組として登録されている。
【0036】
このうち、データ種別としては、Web閲覧、メール、文書更新などがある。
要約としては、Web閲覧の場合には当該WebページのタイトルやURLが用いられ、メールの場合には当該メールの相手メールアドレスや題名が用いられ、文書更新の場合には文書ファイル名や文書タイトルが用いられる。
【0037】
また、詳細としては、Web閲覧の場合には当該Webページの一部内容が用いられ、メールの場合には当該メール本文の一部内容が用いられ、文書更新の場合には当該文書の一部内容が用いられる。
これらデータ種別、要約、詳細については、データベース20に対して履歴データを保存する外部装置(図示せず)が生成して登録してもよく、データ取得部15Aが、履歴データに関連付けられている電子ファイルから抽出するようにしてもよい。
【0038】
表示位置情報算出部15Bは、画面表示部13の表示画面上に表示する単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す基準表示比率に基づいて、データ取得部15Aでデータベース20から取得した対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する機能と、基準表示比率より大きい選択時区間用表示比率に基づいて、選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する機能と、基準表示比率より小さい非選択時区間用表示比率に基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する機能とを有している。
【0039】
表示制御部15Cは、各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、表示画面上に設けたマップエリア13Aで時間軸に沿って表示する機能と、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、マップエリア13Aで時間軸に沿って再表示する機能とを有している。
【0040】
選択時区間取得部15Dは、操作入力部12で検出されたユーザ操作に応じて、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得する機能を有している。
【0041】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図4および図5を参照して、第1の実施の形態にかかる情報表示処理装置の動作について説明する。図4は、第1の実施の形態にかかる情報表示処理装置の情報表示処理を示すフローチャートである。図5は、第1の実施の形態にかかる情報表示処理装置の選択表示処理を示すフローチャートである。
【0042】
情報表示処理装置10の演算処理部15は、操作入力部12で検出されたユーザ操作による表示開始指示に応じて、図4の情報表示処理を実行する。
まず、演算処理部15は、データ取得部15Aにより、操作入力部12から指定された表示対象時区間の時間情報を取得し、データベース20に蓄積されている履歴データのうち、当該履歴データの時間情報が表示対象時区間に含まれる履歴データを検索し、これらを対象データとして取得する(ステップ100)。
【0043】
次に、演算処理部15は、表示位置情報算出部15Bにより、画面表示部13の表示画面上に表示する単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す基準表示比率に基づいて、データ取得部15Aでデータベース20から取得した対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する(ステップ101)。
この後、演算処理部15は、表示位置情報算出部15Bで算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、表示制御部15Cにより、当該対象データの一部または全部を、表示画面上に設けたマップエリア13Aで時間軸に沿って表示し(ステップ102)、一連の情報表示処理を終了する。
【0044】
一方、情報表示処理装置10の演算処理部15は、操作入力部12で検出されたユーザ操作による選択時区間の設定指示に応じて、図5の選択表示処理を実行する。
まず、演算処理部15は、選択時区間取得部15Dにより、操作入力部12から指定されたマップエリア13Aの時間軸上の位置に、選択時区間用シンボルを画面表示し(ステップ110)、この選択時区間用シンボルの表示位置から、選択時区間の時間情報を取得する(ステップ111)。選択時区間用シンボルとしては、例えば前述した図2で選択時区間S1,S2を設定した矩形シンボルを用いればよい。
【0045】
次に、演算処理部15は、表示位置情報算出部15Bにより、基準表示比率Aより大きい選択時区間用表示比率Asに基づいて、選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、基準表示比率Aより小さい非選択時区間用表示比率Anに基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する(ステップ112)。
【0046】
この後、演算処理部15は、表示位置情報算出部15Bで算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、表示制御部15Cにより、当該対象データの一部または全部を、表示画面上に設けたマップエリア13Aで時間軸に沿って表示し(ステップ113)、一連の選択表示処理を終了する。
【0047】
本実施の形態では、対象データを表示する際、ユーザが確認したい選択時区間が設定されていない場合、基準表示比率Aを用いて、各対象データの時間情報に比例した表示位置を算出している。
また、ユーザが確認したい選択時区間が設定された場合、基準表示比率Aより大きい選択時区間用表示比率Asと、基準表示比率Aより小さい非選択時区間用表示比率Anとを用いて、各対象データの時間情報に比例した表示位置を算出している。
【0048】
図6は、選択時区間が設定されていない場合の時間と表示位置との関係を示すグラフである。
対象データの表示位置を算出する際、選択時区間が設定されていない場合には、図6に示すように、基準表示比率Aを用いて、Y=A・T+B(Bは定数)により、表示位置Y、すなわち表示画面上における時間軸方向の座標を算出する。この場合、TとYが比例していることから、時刻T1から時刻T2までの表示対象時間を分割して設けた各時区間t1〜t5の割合と、これら時区間に対する時間軸上の表示区間y1〜y5の割合とは等しくなる。
【0049】
図7は、選択時区間が設定されている場合の時間と表示位置との関係を示すグラフである。
対象データの表示位置を算出する際、選択時区間が設定されている場合には、図4に示すように、選択時区間では選択時区間用表示比率Asが用いられるとともに、非選択時区間では非選択時区間用表示比率Anが用いられる。
【0050】
例えば、時区間t2,t4が選択時区間として設定された場合、それぞれY=As・T+B2、およびY=As・T+B4により、選択時区間t2,t4における対象データの表示位置を算出する(B2,B4は定数)。また、時区間t1,t3,t5は非選択時区間となることから、それぞれY=An・T+B1、Y=An・T+B3、およびY=An・T+B5により、選択時区間t1,t3,t5における対象データの表示位置を算出する(B1,B3,B5は定数)。
【0051】
この場合、基準表示比率A<選択時区間用表示比率Asの関係から、表示区間y2’,y4’は、図6の表示区間y2,y4と比較して拡大されることになる。
また、非選択時区間用表示比率An<基準表示比率Aの関係から、表示区間y1’,y3’,y5’は、図6の表示区間y1,y3,y5と比較して縮小されることになる。これにより、ユーザが見たい選択時区間以外の非選択時区間における履歴データの表示間隔が縮小される。
【0052】
図8は、履歴データの表示間隔の変化を示す説明図であり、図8(a)は選択時区間設定前、図8(b)は選択時区間設定後を示している。ここでは、選択時区間S1,S2がユーザに設定されることにより、その表示区間が拡大されていることがわかる。これにより、ユーザが見たい選択時区間における履歴データの表示間隔が拡大される。したがって、表示画面上でこれら履歴データのシンボルを区別して選択しやすくなる。
【0053】
この際、基準表示比率Aは、表示画面上に設けたマップエリア13Aの大きさ(座標値)と表示対象時区間の時間長とにより算出される。このため、マップエリア13Aの大きさおよび表示対象時区間が固定値の場合、基準表示比率Aも固定値となる。
【0054】
また、選択時区間用表示比率Asと非選択時区間用表示比率Anについては、時刻T1,T2に対応する表示位置をY1,Y2とした場合、選択時区間の合計時間長と非選択時区間の合計時間長の和が表示対象時区間の時間長|T2−T1|に等しいことから、選択時区間の合計時間長×As+非選択時区間の合計時間長×An=|Y2−Y1|が成立するようAs,Anを算出すればよい。
【0055】
また、図5のステップ113において、表示制御部15Cにより、当該対象データをマップエリア13Aで時間軸に沿って表示する際、選択時区間における対象データの表示位置間隔が大きくなるに連れて、表示画面上で表示する当該対象データのデータ量をより大きくしてもよい。
【0056】
例えば、前述の図3に示したように、各履歴データのデータ量は、データ種別<要約<詳細の関係を有している。したがって、選択時区間が設定されていない場合には、データ種別からなるシンボルで各対象データを表示しておき、選択時区間が設定された場合には、表示画面上における対象データの表示間隔が拡がるため、要約あるいは詳細からなるシンボルで各対象データを表示すればよい。
【0057】
なお、データ種別、要約、詳細の切替判定については、要約や詳細について、表示画面上における対象データの表示間隔に対するしきい値を設け、しきい値を満足する表示間隔となった時点で要約や詳細を選択すればよい。
【0058】
一方、非選択時区間については、選択時区間が設定されていない場合と同様に、データ種別からなるシンボルで各対象データが表示されるが、選択時区間が設定された時点で対象データの表示間隔が縮小されるため、隣接する対象データのシンボルに重なりが発生する場合がある。
【0059】
このような場合には、これら対象データをデータ種別により個別に表示するのをやめて、これら対象データを1つに省略し、これら対象データの件数のみを、これら対象データの中央位置に表示するようにしてもよい。これにより、シンボルが重なり合った煩雑な画面に比較して、より見やすい画面をユーザに提供でき、ユーザの操作性の改善が期待される。
なお、重なりの発生有無判定については、対象データの表示位置間隔に対する下限値を設けて、再計算した表示位置間隔と比較すればよい。
【0060】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、選択時区間取得部15Dにより、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得し、表示位置情報算出部15Bにより、基準表示比率Aより大きい選択時区間用表示比率Asに基づいて、選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、基準表示比率Aより小さい非選択時区間用表示比率Anに基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出し、表示制御部15Cにより、算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、マップエリア13Aで時間軸に沿って再表示している。
【0061】
したがって、ユーザ操作で表示対象時区間上に選択時区間が設定されることにより、表示画面上における当該選択時区間に対応する表示区間が拡大されて表示される。これにより、ユーザが見たい選択時区間における履歴データの表示間隔が拡大されて、表示画面上でこれら履歴データのシンボルを区別して選択操作しやすくなるため、所望の履歴データの詳細を効率よく確認することができる。
【0062】
また、本実施の形態では、表示位置情報算出部15Bにより、選択時区間の合計時間長と選択時区間用表示比率との積と、非選択時区間の合計時間長と非選択時区間用表示比率との積の和が、表示画面上における表示対象時区間の表示区間長と等しくなるように、選択時区間用表示比率と非選択時区間用表示比率とを算出し、これら選択時区間用表示比率と非選択時区間用表示比率に基づいて、対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するようにしたので、選択時区間の設定状況に応じた表示間隔で対象データを表示することができる。
【0063】
また、本実施の形態では、表示制御部15Cにより、選択時区間における対象データの表示位置間隔が大きくなるに連れて、表示画面上で表示する当該対象データのデータ量をより大きくするようにしたので、選択時区間の対象データに対して良好な視認性を得ることができる。
【0064】
また、本実施の形態では、表示制御部15Cにより、非選択時区間における対象データの表示位置間隔が下限値より小さくなった場合、これら対象データを当該対象データの件数のみで省略表示するようにしたので、より見やすい画面をユーザに提供でき、ユーザの操作性の改善が期待される。
【0065】
[第2の実施の形態]
次に、図9を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる情報表示処理装置の構成について説明する。図9は、本発明の第2の実施の形態にかかる情報表示処理装置の構成を示すブロック図である。
【0066】
第1の実施の形態と比較して、本実施の形態にかかる情報表示処理装置10には、演算処理部15に、詳細時区間取得部15Eが追加されている。
詳細時区間取得部15Eは、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上の全体表示エリアとは別個に設けた詳細表示エリア(第2の表示エリア)13Bに詳細表示する詳細時区間として取得する機能を有している。
【0067】
また、表示位置情報算出部15Bには、前述した機能に加え、選択時区間用表示比率より大きい詳細時区間用表示比率に基づいて、詳細時区間に含まれる各対象データごとに、当該時間情報と対応する詳細表示エリア13Bにおける表示位置情報を算出する機能が追加されている。
【0068】
同じく、表示制御部15Cには、前述した機能に加え、算出した詳細表示エリア13Bにおける表示位置情報に基づいて、詳細時区間に含まれる各対象データを、詳細表示エリア13Bで時間軸に沿って表示する機能が追加されている。
なお、本実施の形態にかかる情報表示処理装置10のうち、これら以外の構成については第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0069】
[第2の実施の形態の動作]
次に、図10を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる情報表示処理装置の動作について説明する。図10は、本発明の第2の実施の形態にかかる情報表示処理装置の詳細表示処理を示すフローチャートである。
【0070】
情報表示処理装置10の演算処理部15は、操作入力部12で検出されたユーザ操作による詳細時区間の設定指示に応じて、図10の詳細表示処理を実行する。
まず、演算処理部15は、詳細時区間取得部15Eにより、操作入力部12から指定されたマップエリア13Aの時間軸上の位置に、詳細時区間用シンボルを画面表示し(ステップ200)、この詳細時区間用シンボルの表示位置から、詳細時区間の時間情報を取得する(ステップ201)。詳細時区間用シンボルとしては、選択時区間用シンボルと同様に矩形からなるシンボルを用いればよい。
【0071】
次に、演算処理部15は、表示位置情報算出部15Bにより、選択時区間用表示比率Asより大きい詳細時区間用表示比率Adに基づいて、詳細時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する(ステップ202)。
この後、演算処理部15は、表示位置情報算出部15Bで算出した各対象データの表示位置情報に基づいて、表示制御部15Cにより、当該対象データの一部または全部を、表示画面上に設けた詳細表示エリア13Bで時間軸に沿って表示し(ステップ203)、一連の詳細表示処理を終了する。
【0072】
図11は、第2の実施の形態にかかる画面表示例である。ここでは、表示画面13Gに、日時T1から日時T2までの表示対象時区間に含まれる全履歴データを表示するための領域であるマップエリア(第1の表示エリア)13Aと、マップエリア13Aで詳細時区間として選択した履歴データを詳細表示するための領域である詳細表示エリア(第2の表示エリア)13Bとが設けられている。
【0073】
この例では、マップエリア13Aに、第1の実施の形態にかかる選択表示処理を用いて、時間軸Jに沿って、メール、Web閲覧、文書更新の履歴の存在が表示されている。また、詳細表示エリア13Bには、本実施の形態にかかる詳細表示処理を用いて、マップエリア13Aでユーザ操作により詳細時区間用シンボルDで設定された詳細時区間に含まれる複数の履歴の詳細が表示されている。
【0074】
例えば、メールについては、マップエリア13Aにおいて、メールを送信、もしくは受信したという存在のみを、「メール」というデータ種別で表現している。これに対して、詳細表示エリア13Bにおいては、当該メールに関する送り主や送り先、タイトルなどの詳細情報を表示している。
【0075】
本実施の形態は、第1の実施の形態と比較して、複数の対象データを詳細時区間により選択し、その詳細を一括して詳細表示エリア13Bで表示することができる。
前述したように、第1の実施の形態では、例えば選択時区間に存在する履歴データは、画面表示された時間軸上に隣接履歴データとの間隔が拡大されてプロットされる。しかしながら、当該選択時区間に存在する履歴データの詳細を確認するには、個々の履歴データを選択操作する必要がある。本実施の形態によれば、詳細時区間で選択された複数の履歴データについて、その詳細を一括して確認することができ、高い作業効率が得られる。
【0076】
また、表示位置情報算出部15Bで、詳細時区間に含まれる対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報Ydを、詳細時区間用表示比率Adに基づいて算出する際、前述と同様に、Yd=Ad・T+Bd(Bdは定数)により算出してもよいが、詳細時区間に含まれる選択時区間および非選択時区間を考慮して表示位置情報Ydを算出してもよい。
【0077】
この場合、選択時区間については、Yd=Ad・As・T+Bdsで算出し、非選択時区間については、Yd=Ad・An・T+Bdnで算出すればよい(Bds,Bdnは定数)。これにより、マップエリア13Aでの表示間隔を、詳細時区間用表示比率Adに基づきそのままの比率で拡大した表示間隔により履歴データを詳細表示エリア13Bで表示できる。
【0078】
なお、詳細時区間用表示比率Adについては、表示画面上に設けた詳細表示エリア13Bの大きさ(座標値)と詳細時区間の時間長とにより算出される。このため、詳細表示エリア13Bの大きさと詳細時区間とが固定値の場合、詳細時区間用表示比率Adも固定値となる。
【0079】
また、図10のステップ203において、表示制御部15Cにより、当該対象データを詳細表示エリア13Bで時間軸に沿って表示する際、これら対象データの表示位置間隔が大きくなるに連れて、表示画面上で表示する当該対象データのデータ量をより大きくしてもよい。
【0080】
例えば、前述の図3に示したように、各履歴データのデータ量は、データ種別<要約<詳細の関係を有している。したがって、詳細表示エリア13Bにおいて、非選択時区間の対象データについては、要約からなるシンボルで表示しておき、選択時区間の対象データについては、詳細からなるシンボルで表示すればよい。
【0081】
なお、データ種別、要約、詳細の切替判定については、要約や詳細について、表示画面上における対象データの表示間隔に対するしきい値を設け、しきい値を満足する表示間隔となった時点で要約や詳細を選択すればよい。
【0082】
前述した従来の情報可視化手法では、拡大表示画面において表示する情報の詳細度を、長方形の矩形で指定した時区間に応じて可変にする場合がある。これは、一般にズーミングと呼ばれる手法である。時区間を短くしていくと、拡大表示画面に表示される情報の詳細度が高くなり、時区間を長くしていくと、拡大表示画面に表示される情報の詳細度が低くなっていく。ユーザは、ズーミングを用いることで、自身の興味の度合いに応じた適切な詳細度で情報を閲覧することができるようになる。
【0083】
情報の詳細度をどのように変更するのかについては、本発明の対象外であるため詳細な説明は割愛するが、詳細度を低くしていくと、何らかの方法で表示する情報の間引きや、要約が必要となる。一例として、ズーミングを実現した可視化システムLensBarでは、情報の各項目にその項目の重要度(DOI: Degree Of Interests)を付与しておき、その値が閾値よりも大きいもののみを表示するといったやり方を用いている(例えば、非特許文献4など参照)。
【0084】
しかしながら、拡大表示画面における詳細度が固定にも可変の場合にも従来の手法では、拡大表示画面における詳細度は、拡大表示画面内では同じであり、閲覧したい時区間とそうでない時区間による詳細度の違いはない。そのため、長方形の矩形を移動していく過程で、それほど詳細に見る必要のない、時区間の履歴データまで、閲覧してしまうことになってしまう。
【0085】
例えば、第1の実施の形態と同様に、共著者とメールをやり取りした前後一日を詳細に調べたいといった状況を想定する。また、図11において、詳細表示エリア13Bに表示されている「文書更新:論文Ver.2.3.doc」や「Web閲覧:山田○郎のホームページ」は、その前後一日に入っているが、「Web閲覧:Call for papers」は入っていなかったとする。
【0086】
このような状況の場合、従来の情報可視化手法では、ユーザが見たい時区間に入っていない「Web閲覧: Call for papers」を、たとえ詳細に見たくなかったとしても、時区間に入っている履歴データ(ex。「Web:閲覧:山田○郎のホームページ」) と同じ詳細度で表示されてしまう。本実施の形態によれば、このような問題も解決される。
【0087】
第1の実施の形態では、ユーザが詳細に見たい時区間に対応する可視化領域を拡大し、一方、そうでない時区間に対応する可視化領域を縮小していく。これは、前述のように、図6,図7において、それぞれの時区間における線分の傾き、すなわち選択時区間用表示比率Asや非選択時区間用表示比率Anを変更することに他ならない。
【0088】
各可視化領域に提示する情報の詳細度を、これら選択時区間用表示比率Asや非選択時区間用表示比率Anに比例して決定すれば、ユーザが見たい時区間に対応する可視化領域に表示する情報は詳細に提示でき、そうでない時区間に対応する可視化領域に表示する情報は粗く提示できる。
【0089】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、詳細時区間取得部15Eにより、表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、表示画面上の全体表示エリアとは別個に設けた詳細表示エリア13Bに詳細表示する詳細時区間として取得し、表示位置情報算出部15Bにより、選択時区間用表示比率より大きい詳細時区間用表示比率に基づいて、詳細時区間に含まれる各対象データごとに、当該時間情報と対応する第2の表示エリアにおける表示位置情報を算出し、表示制御部15Cにより、算出した詳細表示エリア13Bにおける表示位置情報に基づいて、詳細時区間に含まれる各対象データを、詳細表示エリア13Bで時間軸に沿って表示している。
【0090】
したがって、ユーザ操作により、表示対象時区間上に詳細時区間が設定されることにより、当該詳細時区間に含まれる各対象データの詳細を、詳細表示エリア13Bに一括して表示することができるとともに、マップエリア13Aより多くのデータ量を用いて対象データを詳細に表示することができる。これにより、ユーザが対象データを検査する際、高い作業効率が得られる。
【0091】
また、本実施の形態では、表示制御部15Cにより、第2の表示エリアで表示する対象データの表示位置間隔が大きくなるに連れて、表示画面上で表示する当該対象データのデータ量をより大きくするようにしたので、選択時区間の対象データに対して良好な視認性を得ることができる。
【0092】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0093】
また、各実施の形態では、データベース20が情報表示処理装置10から独立した装置で実現されている場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、情報表示処理装置10の記憶部14でデータベース20を実現してもよい。
【0094】
また、各実施の形態では、情報表示処理装置10で表示するデータとして履歴データを例として説明したが、これに限定されるものではなく、時間情報を含むデータであれば、履歴データ以外のデータであっても、前述と同様にして実施の形態を適用できるとともに、同様の作用効果を得ることができる。
【0095】
また、各実施の形態では、選択時区間用表示比率As、非選択時区間用表示比率An、さらには詳細時区間用表示比率Adについて、表示位置情報算出部15Bにより、自動計算する場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。これら表示倍率のうちの一部またはすべてについて、予め固定的に設定された表示倍率を用いてもよく、操作入力部12でユーザから設定されたものを用いてもよい。
【0096】
なお、前述した条件からわかるように、選択時区間用表示比率Asと非選択時区間用表示比率Anは、いずれか一方が決定されれば他方も決定されるため、いずれか一方だけをユーザが設定するようにしてもよい。また、ユーザによる表示比率の設定方法については、直接、数値を入力するようにしてもよく、スライダインタフェースやマウスジェスチャなどを用いて直感的に入力するようにしてもよい
【0097】
また、各実施の形態では、図により画面表示例を示したが、画面表示についてこれら例に限定されるものではなく、本発明のスコープ内であれば、各種アプリケーションに応じて変更をすることができる。
【符号の説明】
【0098】
1…情報表示システム、10…情報表示処理装置、11…入出力I/F部、12…操作入力部、13…画面表示部、13A…マップエリア(第1の表示エリア)、13B…詳細表示エリア(第2の表示エリア)、14…記憶部、15…演算処理部、15A…データ取得部、15B…表示位置情報算出部、15C…表示制御部、15D…選択時区間取得部、15E…詳細時区間取得部、20…データベース、A…基準表示比率、As…選択時区間用表示比率、An…非選択時区間用表示比率、Ad…詳細時区間用表示比率。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間情報を含む複数のデータのうちから、当該時間情報が指定の表示対象時区間に含まれる対象データを取得するデータ取得部と、
表示画面上で表示する単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す基準表示比率に基づき、前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する表示位置情報算出部と、
算出した前記各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、前記表示画面上に設けた第1の表示エリアで時間軸に沿って表示する表示制御部と、
前記表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、前記表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得する選択時区間取得部と
を備え、
前記表示位置情報算出部は、前記基準表示比率より大きい選択時区間用表示比率に基づいて、前記選択時区間に含まれる前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、前記基準表示比率より小さい非選択時区間用表示比率に基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出し、
前記表示制御部は、算出した前記各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、前記第1の表示エリアで時間軸に沿って再表示する
ことを特徴とする情報表示処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示処理装置であって、
前記表示位置情報算出部は、前記選択時区間の合計時間長と前記選択時区間用表示比率との積と、前記非選択時区間の合計時間長と前記非選択時区間用表示比率との積の和が、前記表示画面上における前記表示対象時区間の表示区間長と等しくなるように、前記選択時区間用表示比率と前記非選択時区間用表示比率とを算出し、これら選択時区間用表示比率と非選択時区間用表示比率に基づいて、前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出することを特徴とする情報表示処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報表示処理装置であって、
前記表示制御部は、前記選択時区間における前記対象データの表示位置間隔が大きくなるに連れて、前記表示画面上で表示する当該対象データのデータ量をより大きくすることを特徴とする情報表示処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報表示処理装置であって、
前記表示制御部は、前記非選択時区間における前記対象データの表示位置間隔が下限値より小さくなった場合、これら対象データを当該対象データの件数のみで省略表示することを特徴とする情報表示処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報表示処理装置であって、
前記表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、前記表示画面上の前記全体表示エリアとは別個に設けた第2の表示エリアに詳細表示する詳細時区間として取得する詳細時区間取得部をさらに備え、
前記表示位置情報算出部は、前記選択時区間用表示比率より大きい詳細時区間用表示比率に基づいて、前記詳細時区間に含まれる前記対象データごとに、当該時間情報と対応する前記第2の表示エリアにおける表示位置情報を算出し、
前記表示制御部は、算出した前記第2の表示エリアにおける表示位置情報に基づいて、前記詳細時区間に含まれる前記各対象データを、前記第2の表示エリアで時間軸に沿って表示する
ことを特徴とする情報表示処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報表示処理装置であって、
前記表示制御部は、前記第2の表示エリアで表示する前記対象データの表示位置間隔が大きくなるに連れて、前記表示画面上で表示する当該対象データのデータ量をより大きくすることを特徴とする情報表示処理装置。
【請求項7】
時間情報を含む複数のデータのうちから、当該時間情報が指定の表示対象時区間に含まれる対象データを取得して、表示画面上で時間軸に沿って表示する情報表示処理装置で用いられる情報表示処理方法であって、
表示位置情報算出部が、表示画面上で表示する単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す基準表示比率に基づき、前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する表示位置情報算出ステップと、
表示制御部が、算出した前記各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、前記表示画面上に設けた第1の表示エリアで時間軸に沿って表示する表示制御ステップと、
選択時区間取得部が、前記表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、前記表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得する選択時区間取得ステップと
を備え、
前記表示位置情報算出ステップは、前記基準表示比率より大きい選択時区間用表示比率に基づいて、前記選択時区間に含まれる前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、前記基準表示比率より小さい非選択時区間用表示比率に基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するステップを含み、
前記表示制御ステップは、算出した前記各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、前記第1の表示エリアで時間軸に沿って再表示するステップを含む
ことを特徴とする情報表示処理方法。
【請求項8】
時間情報を含む複数のデータのうちから、当該時間情報が指定の表示対象時区間に含まれる対象データを取得して、表示画面上で時間軸に沿って表示する情報表示処理装置のコンピュータに、
表示位置情報算出部が、表示画面上で表示する単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す基準表示比率に基づき、前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する表示位置情報算出ステップと、
表示制御部が、算出した前記各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、前記表示画面上に設けた第1の表示エリアで時間軸に沿って表示する表示制御ステップと、
選択時区間取得部が、前記表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、前記表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得する選択時区間取得ステップと
を実行させ、
前記表示位置情報算出ステップは、前記基準表示比率より大きい選択時区間用表示比率に基づいて、前記選択時区間に含まれる前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、前記基準表示比率より小さい非選択時区間用表示比率に基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するステップを含み、
前記表示制御ステップは、算出した前記各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、前記第1の表示エリアで時間軸に沿って再表示するステップを含む
ことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
時間情報を含む複数のデータのうちから、当該時間情報が指定の表示対象時区間に含まれる対象データを取得するデータ取得部と、
表示画面上で表示する単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す基準表示比率に基づき、前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する表示位置情報算出部と、
算出した前記各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、前記表示画面上に設けた第1の表示エリアで時間軸に沿って表示する表示制御部と、
前記表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、前記表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得する選択時区間取得部と
を備え、
前記表示位置情報算出部は、前記基準表示比率より大きい選択時区間用表示比率に基づいて、前記選択時区間に含まれる前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、前記基準表示比率より小さい非選択時区間用表示比率に基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出し、
前記表示制御部は、算出した前記各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、前記第1の表示エリアで時間軸に沿って再表示する
ことを特徴とする情報表示処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報表示処理装置であって、
前記表示位置情報算出部は、前記選択時区間の合計時間長と前記選択時区間用表示比率との積と、前記非選択時区間の合計時間長と前記非選択時区間用表示比率との積の和が、前記表示画面上における前記表示対象時区間の表示区間長と等しくなるように、前記選択時区間用表示比率と前記非選択時区間用表示比率とを算出し、これら選択時区間用表示比率と非選択時区間用表示比率に基づいて、前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出することを特徴とする情報表示処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報表示処理装置であって、
前記表示制御部は、前記選択時区間における前記対象データの表示位置間隔が大きくなるに連れて、前記表示画面上で表示する当該対象データのデータ量をより大きくすることを特徴とする情報表示処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の情報表示処理装置であって、
前記表示制御部は、前記非選択時区間における前記対象データの表示位置間隔が下限値より小さくなった場合、これら対象データを当該対象データの件数のみで省略表示することを特徴とする情報表示処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報表示処理装置であって、
前記表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、前記表示画面上の前記全体表示エリアとは別個に設けた第2の表示エリアに詳細表示する詳細時区間として取得する詳細時区間取得部をさらに備え、
前記表示位置情報算出部は、前記選択時区間用表示比率より大きい詳細時区間用表示比率に基づいて、前記詳細時区間に含まれる前記対象データごとに、当該時間情報と対応する前記第2の表示エリアにおける表示位置情報を算出し、
前記表示制御部は、算出した前記第2の表示エリアにおける表示位置情報に基づいて、前記詳細時区間に含まれる前記各対象データを、前記第2の表示エリアで時間軸に沿って表示する
ことを特徴とする情報表示処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の情報表示処理装置であって、
前記表示制御部は、前記第2の表示エリアで表示する前記対象データの表示位置間隔が大きくなるに連れて、前記表示画面上で表示する当該対象データのデータ量をより大きくすることを特徴とする情報表示処理装置。
【請求項7】
時間情報を含む複数のデータのうちから、当該時間情報が指定の表示対象時区間に含まれる対象データを取得して、表示画面上で時間軸に沿って表示する情報表示処理装置で用いられる情報表示処理方法であって、
表示位置情報算出部が、表示画面上で表示する単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す基準表示比率に基づき、前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する表示位置情報算出ステップと、
表示制御部が、算出した前記各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、前記表示画面上に設けた第1の表示エリアで時間軸に沿って表示する表示制御ステップと、
選択時区間取得部が、前記表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、前記表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得する選択時区間取得ステップと
を備え、
前記表示位置情報算出ステップは、前記基準表示比率より大きい選択時区間用表示比率に基づいて、前記選択時区間に含まれる前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、前記基準表示比率より小さい非選択時区間用表示比率に基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するステップを含み、
前記表示制御ステップは、算出した前記各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、前記第1の表示エリアで時間軸に沿って再表示するステップを含む
ことを特徴とする情報表示処理方法。
【請求項8】
時間情報を含む複数のデータのうちから、当該時間情報が指定の表示対象時区間に含まれる対象データを取得して、表示画面上で時間軸に沿って表示する情報表示処理装置のコンピュータに、
表示位置情報算出部が、表示画面上で表示する単位時間間隔に対する表示座標間隔の比を示す基準表示比率に基づき、前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出する表示位置情報算出ステップと、
表示制御部が、算出した前記各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、前記表示画面上に設けた第1の表示エリアで時間軸に沿って表示する表示制御ステップと、
選択時区間取得部が、前記表示対象時区間のうちから操作選択された1つ以上の時区間を、前記表示画面上で時間間隔を拡大表示する選択時区間として取得する選択時区間取得ステップと
を実行させ、
前記表示位置情報算出ステップは、前記基準表示比率より大きい選択時区間用表示比率に基づいて、前記選択時区間に含まれる前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するとともに、前記基準表示比率より小さい非選択時区間用表示比率に基づいて、当該選択時区間以外の非選択時区間に含まれる前記対象データごとに当該時間情報と対応する表示位置情報を算出するステップを含み、
前記表示制御ステップは、算出した前記各対象データの表示位置情報に基づいて、当該対象データの一部または全部を、前記第1の表示エリアで時間軸に沿って再表示するステップを含む
ことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−277203(P2010−277203A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−127034(P2009−127034)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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