情報記憶装置、及び走行環境情報認識装置
【課題】 交通安全のために必要な情報を、全国の道路に対して最新な状態にする。
【解決手段】 地表画像により表される道路に存在する道路標示を認識し(S180)、この認識した道路標示を位置情報と関連付けてHDD28に記憶する(S190)。このため、交通安全のために必要な情報である道路標示情報を認識してHDD28に記憶するので、交通安全のために必要な情報を、全国の道路に対して最新な状態にすることができる。
【解決手段】 地表画像により表される道路に存在する道路標示を認識し(S180)、この認識した道路標示を位置情報と関連付けてHDD28に記憶する(S190)。このため、交通安全のために必要な情報である道路標示情報を認識してHDD28に記憶するので、交通安全のために必要な情報を、全国の道路に対して最新な状態にすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路交通の規制又は指示を表す道路標示情報を記憶可能な情報記憶装置、及び情報記憶装置を備えた走行環境情報認識装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人工衛星や飛行機等により上空から撮影された地表画像から、高架式の道路標識(標示板)を認識し、その認識された道路標識の配置位置を記憶する情報記憶装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−178694号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、道路地図を表す地図情報には、一般的に、全国の道路環境を表す情報が含まれており、この地図情報は膨大な情報量を有しているが、実際の道路環境は刻々と変化しているので、全国の全ての道路に対して、交通安全のために必要な情報を収集して、その情報を最新な状態にすることは、ほぼ不可能である。
【0004】
しかし、地図情報を利用する使用者からは最新の状態であることを求められるため、道路地図を作成する業者が、実際に現地に赴いて測量及び確認の作業を無数に実施することになり、これら作業が行われることはコストアップにも繋がってしまう。このため、経路案内を主目的とする道路接続情報を保守するだけでも容易なことでない上に、実状では、交通安全のために必要な情報が、全国の道路に対して最新な状態とはなっていない。
【0005】
ところで、特許文献1に記載の発明では、高架式の道路標識(標示板)を認識して記憶するようにしているが、高架式の道路標識は経路案内の要素が強い情報である場合が多く、かつ、特許文献1に記載の発明では高架式の道路標識が実際にどんな情報があるのかまで認識していない。
【0006】
このため、結局は、業者が現地に赴いてどのような意味を持つ道路標識なのかを確認する必要がある。そして、このことは上述したように理由から、交通安全のために必要な情報を、全国の道路に対して最新な状態にすることができていない。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、交通安全のために必要な情報を、全国の道路に対して最新な状態にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、道路画像が記憶された道路画像記憶手段と、道路画像記憶手段に記憶された道路画像に基づいて、路面に標示される道路標示を表す道路標示情報を認識する道路標示認識手段と、道路標示認識手段により認識された道路標示情報を、その道路標示情報が存在する位置情報と関連付けて記憶する道路標示情報記憶手段とを備え、道路標示認識手段は、道路画像により表される道路に存在する道路標示情報を認識する。
【0009】
つまり、道路標示は、一時停止線や横断歩道等というように、交通安全のために必要な情報である。このため、請求項1に記載の発明によれば、交通安全のために必要な情報である道路標示情報を道路画像に基づき認識し、その認識結果を道路標示情報記憶手段に記憶するので、交通安全のために必要な情報を、全国の道路に対して最新な状態にすることができる。
【0010】
また、請求項1に記載の発明を車両に搭載すれば、この車両の運転者は、道路標示情報(道路標示)を利用した走行制御や警告制御等を使用することができるので、車両による走行の安全性を向上させることができる。
【0011】
また、道路画像は、車両に搭載されたカメラにより撮影されたものでもよいが、天候が悪い場合(雨天)、夜間の場合及び先行車が存在する場合等、そのときの走行状況によっては、その撮影画像に道路標示情報が正確に写らないことがある。
【0012】
このため、道路画像が、請求項2に記載のように、道路の上空から撮影された道路の画像であれば、好ましい状況下で道路を撮影することができるので、車両が走行している時々刻々の天候や時間等の条件に左右されることなく、道路標示情報を安定して認識(取得)できる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明では、道路画像記憶手段、道路標示認識手段、及び道路標示情報記憶手段が車両に搭載されている場合において、道路標示認識手段は、道路画像記憶手段に記憶された道路画像に基づいて、車両が走行した道路に存在する道路標示情報を認識することを特徴とする。
【0014】
これによれば、車両の運転者が走行した道路の道路標示情報を記憶するので、より効率良く道路標示情報を記憶することができる。
また、請求項4に記載の発明では、道路標示情報記憶手段に記憶された道路標示情報及び位置情報を外部へ送信する送信手段と、他の情報記憶装置の送信手段から送信されてきた道路標示情報及び位置情報を受信する受信手段とを備え、道路標示情報記憶手段は、受信手段により受信された道路標示情報を、受信手段により受信された位置情報と関連付けて記憶することを特徴とする。
【0015】
これによれば、道路標示情報及び位置情報を、他の情報記憶装置と共有することや、全ての情報記憶装置により記憶される道路標示情報を、一つの情報記憶装置にて一括管理することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の情報記憶装置と、情報記憶装置の道路標示情報記憶手段に記憶された道路標示情報に基づいて、車両が走行している周辺環境の状態及び状況を認識する周辺環境認識手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
これにより、交通安全のために必要な情報である道路標示情報を道路地図に基づき認識し、その認識結果を道路標示情報記憶手段に記憶するので、請求項1で述べた効果と同様に、交通安全のために必要な情報を、全国の道路に対して最新な状態にすることができる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明を車両に搭載すれば、この車両の運転者は、道路標示情報を利用した走行制御や警告制御等を使用することができるので、請求項1で述べた効果と同様に、車両による走行の安全性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る情報記憶装置を、車両に搭載されるカーナビゲーション装置に適用したものであり、以下に実施形態を図面と共に説明する。なお、カーナビゲーション装置は、車両に搭載され、車両の走行に伴って移動していく現在位置を表示画面上に道路地図と共に表示したり、現在位置から車両乗員の設定した目的地までの経路を案内したりするためのものである。
【0020】
1.カーナビゲーション装置1の構成
図1は、本実施形態に係るカーナビゲーション装置1の構成を表すブロック図である。
カーナビゲーション装置1は、図1に示すように、主に、GPS(Global Positioning System)受信機12、車速センサ14、ヨーレートセンサ16、Gセンサ18、ミリ波レーダ20、前方カメラ22、無線通信部24、表示部26、ハードディスクドライブ(HDD)28、及び制御部30等を有して構成されている。
【0021】
GPS受信機12は、GPS用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナを介して受信し車両の現在位置や速度を検出するものであり、車速センサ14は、車両の走行速度(車速)を検出するものである。
【0022】
ヨーレートセンサ16は、車両の旋回状態を表すヨーレートを検出するものであり、Gセンサ18は、車両の前後左右方向の加速度を検出するものであり、ミリ波レーダ20は、車両周辺の所定領域にある物体までの距離及び方位を測定するものである。前方カメラ22は、車両前方の範囲を撮影するものであり、この前方カメラ22は、車両の前方に取り付けられている。
【0023】
無線通信部24は、情報センタ3と無線にて通信を行うものであり、本実施形態のカーナビゲーション装置1は、無線通信部24と情報センタ3との間で行われる通信に基づいて、各種情報を取得する。
【0024】
なお、本実施形態では、人工衛星によって地表よりも上空から撮影された道路(地表)の写真(以下、地表画像という。)が情報センタ3に登録及び管理されており、この地表画像は、全国の地域を複数に分割した領域毎に撮影されている。
【0025】
表示部26は、各種情報を表示するものであり、本実施形態では、LCD(液晶ディスプレイ)にて構成されている。
HDD28は、データの書き換えが可能な不揮発性の記憶媒体であり、このHDD28には、道路地図を表す地図情報、地表画像、テンプレート情報、道路標示情報等が記憶(登録)されている。
【0026】
なお、HDD28に登録されている地表画像は、上記情報センタ3に登録されている全ての地表画像のうち、数枚の地表画像(本実施形態では、情報記憶装置が搭載されている車両がよく走行する地域、例えば車両の使用者の住所近傍等が写った地表画像)である。
【0027】
テンプレート情報は、地表画像により表される道路の道路標示を制御部30が認識する際に用いられる情報であり、このテンプレート情報は、図2に示すように、道路標示の種別毎に、その意味を表すコード、路面に記される文字や記号のパターン、及び路面上のサイズ(寸法)等が関連付けて登録されている。なお、図2は、テンプレート情報を説明する説明図である。
【0028】
道路標示情報は、路面に標示された道路標示を表す情報のことであり、本実施形態では、地表画像により表される道路の道路標示のうち、車両が過去に走行した道路の道路標示が、道路標示情報としてHDD28に登録される。
【0029】
制御部30は、ナビゲーション装置1全体を統括制御するものであり、GPS受信機12等により特定される車両の現在位置を、車両周辺の地図画面上に重ねて表示部26に表示すると共に、目的地が設定されている場合には、更に目的地までの経路案内を行う、といった一般的な案内処理を行う。
【0030】
また、制御部30は、HDD28に登録された地表画像及びテンプレート情報に基づいて、車両が走行した道路の道路標示(道路標示情報)を認識し、その認識した道路標示情報を、その情報が存在する位置情報と関連付けてHDD28に登録する。
【0031】
また、制御部30は、HDD28に登録された道路標示情報に基づいて、車両のエンジンや制動装置等を制御する電子制御装置(車載ECU)5に対して、車両の減速や加速等の走行制御を実行させるための指令値を算出する。
【0032】
2.カーナビゲーション装置1の特徴的作動
以下、カーナビゲーション装置1の制御部30にて実行される処理について、図3〜図5を用いて説明する。なお、図3は、制御部30が実行する道路標示情報登録処理を表すフローチャートであり、図4は、制御部30が実行する走行制御処理を表すフローチャートであり、図5は、走行制御処理にて実行される作動を説明する説明図である。
【0033】
2.1.道路標示情報登録処理(図3参照)
図3に示す道路標示情報登録処理は、車両のエンジンが始動されたときに実行される処理であり、この道路標示情報登録処理が開始されると、まずGPS受信機12、車速センサ14、ヨーレートセンサ16による検出結果に基づいて、車両の挙動(現在位置、現在速度、車両の向き等)が検出される(S110)。
【0034】
そして、車両の挙動が検出されると、その検出結果に基づいて、車両が走行した軌跡を表す走行軌跡情報が生成される(S120)。そして、S120の処理にて生成される軌跡の長さが所定値に達すると、この走行軌跡情報に基づいて、車両が走行した道路(軌跡)を含む地表画像が、HDD28に登録されているか否かが判定される(S130)。
【0035】
そして、車両が走行した道路を含む地表画像が登録されていないと判定された場合には(S130:NO)、車両が走行した道路を含む地表画像を、情報センタ3から取得するか否かを使用者に選択させるための選択画像が、表示部26に表示される。
【0036】
その後、地表画像を取得することが使用者により選択されなかった場合には(S140:NO)、S110の処理に戻る。
一方、地表画像を取得することが使用者により選択された場合には(S140:YES)、無線通信部24と情報センタ3との間で通信が行われることにより、車両が走行した道路を含む地表画像が、情報センタ3を介して取得され、この地表画像がHDD28に登録(記憶)される(S150)。
【0037】
そして、情報センタ3から取得された地表画像が登録されると(S150)、この地表画像、S120の処理にて生成された走行軌跡情報、及びテンプレート情報に基づき、走行軌跡情報により特定される車両の走行軌跡について、車両が走行した道路の道路標示を検出する道路標示検出処理が実行される(S180)。
【0038】
具体的に説明すると、S180では、まず、走行軌跡情報とテンプレート情報とに基づいて、車両の向き(車両が走行している向き)と、テンプレート情報の文字パターン及び記号パターンの向き(図2における上側の向き)とが一致するように、文字パターン及び記号パターンが回転される。そして、回転された文字パターン及び記号パターンと、地表画像とが照合されることにより、車両が走行した道路の道路標示が検出される。
【0039】
S180の処理(道路標示検出処理)にて道路標示が検出されると、この検出結果(道路標示情報)が、それに対応するテンプレート情報の意味コードとともに、道路標示情報が検出された位置(緯度及び経度)を表す位置情報と関連付けて登録され(S190)、S110の処理に戻る。
【0040】
また、S130の処理にて、車両が走行した道路を含む地表画像が登録されていると判定された場合には(S130:YES)、無線通信部24と情報センタ3との間で通信が行われ、この通信結果に基づいて、S120の処理にて生成された走行軌跡情報を含む地表画像が、情報センタ3にて更新されたか否かが判定される(S130)。
【0041】
そして、地表情報の更新が行われたと判定された場合には(S160:YES)、処理がS150に移行される。一方、地表画像の更新が行われていないと判定された場合には(S160:NO)、S120の処理にて生成された走行軌跡情報により特定される車両の現在位置について、道路標示検出処理が以前実行されたか否かが判定される(S170)。
【0042】
そして、道路標示検出処理が以前実行されていないと判定された場合には(S170:NO)、処理がS180(道路標示検出処理)に移行され、逆に道路標示検出処理が以前実行されたと判定された場合には(S170:YES)、S110の処理に戻る。
【0043】
2.2.走行制御処理(図4参照)
図4に示す走行制御処理は、車両のエンジンが始動されたときに実行される処理であり、この走行制御処理が開始されると、まず車両の現在位置周辺の地図情報及び道路標示情報が、HDD28から抽出される(S210)。
【0044】
次に、S220では、S210により抽出された地図情報及び道路標示情報と、前方カメラ22による撮像結果と、ミリ波レーダ20により検出結果とに基づいて、車両が前方の道路を走行する際において、車両のエンジン及び制動装置等を車載ECU5に制御させるための制御指令値が算出される。
【0045】
具体的に説明すると、S220では、S210により抽出された地図情報に基づいて、車両前方の道路の形状が検出されるとともに、前方カメラ22による撮像結果、ミリ波レーダ20による検出結果、及びS210にて抽出された道路標示情報に基づいて、車両前方の道路標示情報及び障害物等が検出される。
【0046】
そして、これらの検出結果に基づいて、車両前方の道路標示又は障害物に該当する位置までの相対距離や相対速度等が算出され、この算出結果に基づき車両の運動量(制御量)が求められる。そして、車両の運動量が求められると、この運動量に基づいて上記制御指令値が算出される。
【0047】
そして、S220の処理にて制御指令値が算出されると、その制御指令値が車載ECU5へ出力され、処理がS110へ戻る。これにより、車載ECU5が制御指令値に応じた車両の走行制御を実行することとなる。
【0048】
例えば、図5(a)に示すように、S220にて検出された路面標示情報が「カーブ警告」の場合、車載ECU5は、エンジン及び制動装置を制御することにより、車両前方の接地荷重が増えるように、車両の前後方向における駆動力の配分を変える。これにより、車両は減速しやすく、かつ、曲がりやすくするよう車両走行制御モードを変えるのである。
【0049】
また、図5(b)に示すように、車両が加速車線を走行している場合、車載ECU5は、車両後方の接地荷重が増えるように、車両の前後方向における駆動力の配分を変える。これにより、車両は加速しやすくなる。なお、このとき、車載ECU5は、スロットルバルブの開閉角度を制御することにより、S220にて検出された路面標示情報(制限速度(図2参照))を越えないように車両の速度を制限する、といった対応も可能である。
【0050】
3.本実施形態に係るカーナビゲーション装置1の特徴
本実施形態のカーナビゲーション装置1では、交通安全のために必要な情報である道路標示情報を地表画像に基づき認識し、その認識結果をHDD28に記憶するので、交通安全のために必要な情報を、全国の道路に対して最新な状態にすることができる。
【0051】
また、取得する道路標示情報は、一時停止線や横断歩道等のように、交通安全のために必要な情報であり、そのような道路標示情報を利用することで、車両の走行の安全性を向上させることができるとともに地域の交通安全に貢献することができる。
【0052】
また、本実施形態では、本発明を車両に搭載されたカーナビゲーション装置1に適用しているので、この車両では、道路標示情報(道路標示)を利用した走行制御を使用することができ、車両による走行の安全性を向上させることができる。
【0053】
また、本実施形態のカーナビゲーション装置では、地表画像により表される道路のうち、特定の道路に存在する道路標示情報がHDD28に記憶されるので、全ての道路標示情報をHDD28に記憶する場合に比べて、HDD28に記憶される道路標示情報のデータ量を少なくできる。したがって、道路標示情報を効率良く容易に取得し、実際の道路環境の変化にも追従しやすくすることができる。
【0054】
また、本実施形態では、安定した好ましい条件下で道路の上空から撮影された地表画像を用いているので、車両が走行している時々刻々の天候や時間等の条件に左右されることなく、道路標示情報を取得することができる。
【0055】
また、本実施形態では、車両の運転者が走行した道路の道路標示情報を登録(記憶)することにより、より効率良くかつ使用者にとって有用性のある道路標示情報を登録することができる。
【0056】
また、本実施形態では、車両の前方の道路に標示される道路標示に従い、車両のエンジンや制動装置の制御(運転者による運転の補助)等を行うので、車両の安全性を向上させることができる。
【0057】
4.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、HDD28が特許請求の範囲に記載された道路地図記憶手段に相当し、S180の処理が特許請求の範囲に記載された道路標示認識手段に相当し、S190の処理が特許請求の範囲に記載に記載された道路地図記憶手段に相当し、図4の走行制御処理が走行制御手段に相当している。
【0058】
(第2実施形態)
第1実施形態では、本発明に係る情報記憶装置を、カーナビゲーション装置1(車載器)に適用していたが、本実施形態は、本発明に係る情報記憶装置を、情報センタ3に設けられた端末装置、及びカーナビゲーション装置1に適用したものである。
【0059】
1.情報センタ3の構成
図6は、本実施形態に係るカーナビゲーション装置1及び情報センタ3の構成を表すブロック図である。なお、図6において、図1と同じ構成については同一の符号を付しているため、詳細な説明は省略する。なお、このことは、後述の図7においても同様である。
【0060】
情報センタ3には、全国の道路標示情報及び地表画像を登録及び管理する端末装置50が設けられており、この端末装置50は、カーナビゲーション装置1(車両)と無線にて通信を行う無線通信部52と、データの書き換えが可能な不揮発性の記憶媒体としてのHDD54と、装置全体を統括制御する制御部56とを有して構成されている。
【0061】
そして、HDD54には、地表画像が登録されているとともに、全国の道路標示情報が位置情報と関連付けて登録(記憶)されている。
制御部56は、無線通信部52とカーナビゲーション装置1との通信に基づいて、無線通信部52がカーナビゲーション装置1から取得(受信)した道路標示情報をHDD54に登録(記憶)する。
【0062】
また、制御部56は、無線通信部52とカーナビゲーション装置1との通信に基づいて、カーナビゲーション装置1から要求された地域の道路標示情報を、そのカーナビゲーション装置1へ提供する。
【0063】
2.カーナビゲーション装置1及び情報センタ3の特徴的作動
2.1.カーナビゲーション装置1の特徴的作動
以下、カーナビゲーション装置1の制御部30にて実行される処理について、図7及び図8を用いて説明する。なお、図7は、制御部30が実行する道路標示情報登録処理を表すフローチャートであり、図8は、制御部30が実行する道路標示情報要求処理を表すフローチャートである。
【0064】
2.1.1.道路標示情報登録処理(図7参照)
図7に示す道路標示情報登録処理は、車両のエンジンが始動されたときに実行される処理であり、この道路標示情報登録処理が開始された後、S190の処理にて、道路標示情報が、その位置(緯度及び経度)と関連付けて登録されると、この登録された内容が無線通信部24を介して情報センタ3の端末装置50へ送信され(S195)、S110の処理に戻る。
【0065】
2.1.2.道路標示情報要求処理(図8参照)
図8に示す道路標示情報要求処理は、カーナビゲーション装置1にて目的地が設定された場合に実行される処理であり、この道路標示情報要求処理が開始されると、まず、無線通信部24と情報センタ3との間で通信が行われることにより、現在地から目的地までの案内経路に存在する道路標示情報を情報センタ3から取得するための要求指令が、無線通信部24を介して情報センタ3の端末装置50へ送信される(S310)。
【0066】
そして、S310にて要求指令が情報センタ3へ送信されると、要求指令に対応する応答(道路標示情報)が無線通信部24にて受信されたか否かが判定される(S320)。
S320では、要求指令に対応する応答が受信されたと判定されるまでの間繰り返し実行され、要求指令に対応する応答が受信されたと判定されると(S330)、この受信結果(すなわち、道路標示情報及びその位置を表す位置情報)がHDD28に登録され(S330)、道路標示情報要求処理が終了する。
【0067】
なお、本実施形態の道路標示情報要求処理では、「要求指令に対する応答」として、道路標示情報及びその位置を表す位置情報として説明したが、案内経路上に道路標示情報が存在しない場合、情報センタ3(端末装置50)では、道路標示情報が存在しない旨を表す情報を送信するようにされている。
【0068】
そして、この情報がカーナビゲーション装置1にて受信された場合には、道路標示情報要求処理のS320にて要求指令に対する応答が受信されたと判定される(S320:YES)。
【0069】
また、本実施形態の道路標示情報要求処理では、要求指令を送信してから所定時間経過しても要求指令に対する応答が受信されなかった場合(S320:NO)、要求指令が再送信される。そして、この要求指令の再送信の回数が設定回数に達しても、要求指令に対する応答が受信されなかった場合には(S320:NO)、道路標示情報要求処理が終了する。
【0070】
2.2.情報センタ3の特徴的作動
以下、情報センタ3(端末装置50)の制御部56にて実行される処理について、図9及び図10を用いて説明する。なお、図9は、制御部56が実行する道路標示情報登録処理を表すフローチャートであり、図8は、制御部56が実行する道路標示情報提供処理を表すフローチャートである。
【0071】
2.2.1.道路標示情報登録処理(図9参照)
図9に示す道路標示情報登録処理は、端末装置50の制御部56にて常時実行される処理であり、この道路標示情報登録処理が開始されると、まず、無線通信部52が道路標示情報及び位置情報をカーナビゲーション装置1から受信したか否かが判定される(S410)。
【0072】
そして、道路標示情報及び位置情報を受信していないと判定された場合には(S410:NO)、このS410の処理が繰り返し実行され、逆に道路標示情報及び位置情報を受信したと判定された場合には(S410:YES)、無線通信部52により受信された道路標示情報が、同じく無線通信部52により受信された位置情報と関連付けられて、HDD54に登録され(S420)、処理がS410に戻る。
【0073】
2.2.2.道路標示情報提供処理(図10参照)
図10に示す道路標示情報提供処理は、無線通信部52がカーナビゲーション装置1からの要求指令を受信したときに実行される処理であり、この道路標示情報提供処理が開始されると、まず、要求指令に対応する道路標示情報及び位置情報が、HDD54から読み込まれる(S510)。
【0074】
具体的に説明すると、S510では、HDD54に登録された道路標示情報及び位置情報のうち、要求指令に対応する案内経路に存在する道路標示情報及び位置情報がHDD54から読み込まれる。
【0075】
そして、S510にて読み込まれた道路標示情報及び位置情報が、要求指令を送信したカーナビゲーション装置1へ無線通信部52を介して送信され(S520)、道路標示情報提供処理が終了する。
【0076】
3.カーナビゲーション装置1及び情報センタ3の特徴
本実施形態では、情報センタ3の端末装置50にて、道路標示情報及び位置情報を一括管理することができ、この道路標示情報を、複数の車両(カーナビゲーション装置1)にて共有することができる。
【0077】
なお、本実施形態の端末装置50は、地表画像に基づいて道路標示情報を認識する処理(例えば、図3のS180)を実行するようにするとよい。この場合、上述したテンプレート情報が端末装置50のHDD54に登録されているとよい。
【0078】
4.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、無線通信部24及び無線通信部52が特許請求の範囲に記載された送信手段及び受信手段に相当し、HDD28及びHDD54が特許請求の範囲に記載された道路地図記憶手段に相当し、S190、S330及びS420の処理が特許請求の範囲に記載に記載された道路地図記憶手段に相当している。
【0079】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、路面に標示される道路標示を認識してHDD28に登録するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両による走行安全性を確保するために認識処理の優先度を付ける等の条件を考慮した上で、高架式の道路標識情報を認識してHDD28に登録するようにしてもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、テンプレート情報は予めHDD28に登録されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、インターネット等の車両の外部からテンプレート情報を取得するようにしてもよい。このようにすれば、新たなテンプレート情報(路面標示)を追加することができる。
【0081】
また、本実施形態では、車両が過去に走行した道路の道路標示をHDD28に登録するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両の使用者により所望された領域、すなわち車両が走行する可能性のある道路の道路標示が得られる手段を準備し、をHDD28に登録するようにしてもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、人工衛星によって撮影された地表画像を利用していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、飛行機によって撮影された地表画像を利用してもよい。
【0083】
また、上記第1実施形態では、本発明をカーナビゲーション装置1に適用したものを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。また、上記第1実施形態では、本発明の情報記憶装置(カーナビゲーション装置1)が車両に搭載されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記第2実施形態の端末装置50のように、車両に搭載されていなくてもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、地表画像を無線通信にて取得するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、使用者の家庭に設置されたパーソナルコンピュータ(パソコン)からインターネットを介して地表画像を取得し、その取得した地表画像を、USBメモリ等の記憶デバイスを介してカーナビゲーション装置1に登録するようにしてもよい。この場合、カーナビゲーション装置1には、USBメモリ等の記憶デバイスを接続するための接続端子が設けられていればよい。
【0085】
上記実施形態では、GPS受信機12、車速センサ14、ヨーレートセンサ16、Gセンサ18、ミリ波レーダ20及び前方カメラ22等が、カーナビゲーション装置1に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら12〜22は、カーナビゲーション装置1に設けられていなくてもよい。
【0086】
この場合、GPS受信機12、車速センサ14、ヨーレートセンサ16、Gセンサ18、ミリ波レーダ20及び前方カメラ22等は、車載ネットワークを介してカーナビゲーション装置1に接続されていればよい。
【0087】
また、上記実施形態では、道路標示情報を利用して車両の走行制御を実行するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、道路標示情報を利用して、運転者に対して注意を促す警告制御を実行するようにしてもよい。
【0088】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】第1実施形態に係るカーナビゲーション装置の構成を表すブロック図である。
【図2】テンプレート情報を説明する説明図である。
【図3】カーナビゲーション装置の制御部が実行する道路標示情報登録処理を表すフローチャートである。
【図4】カーナビゲーション装置の制御部が実行する走行制御処理を表すフローチャートである。
【図5】走行制御処理にて実行される作動を説明する説明図である。
【図6】第2実施形態に係るカーナビゲーション装置及び情報センタの構成を表すブロック図である。
【図7】第2実施形態において、カーナビゲーション装置の制御部が実行する道路標示情報登録処理を表すフローチャートである。
【図8】第2実施形態において、カーナビゲーション装置の制御部が実行する道路標示情報要求処理を表すフローチャートである。
【図9】第2実施形態において、情報センタの制御部が実行する道路標示登録処理を表すフローチャートである。
【図10】第2実施形態において、情報センタの制御部が実行する道路標示提供処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
1…カーナビゲーション装置、3…情報センタ、5…車載ECU、12…GPS受信機、12…受信機、14…車速センサ、16…ヨーレートセンサ、18…Gセンサ、20…ミリ波レーダ、22…前方カメラ、24…無線通信部、26…表示部、28…HDD、30…制御部、50…端末装置、52…無線通信部、54…HDD、56…制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路交通の規制又は指示を表す道路標示情報を記憶可能な情報記憶装置、及び情報記憶装置を備えた走行環境情報認識装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人工衛星や飛行機等により上空から撮影された地表画像から、高架式の道路標識(標示板)を認識し、その認識された道路標識の配置位置を記憶する情報記憶装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−178694号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、道路地図を表す地図情報には、一般的に、全国の道路環境を表す情報が含まれており、この地図情報は膨大な情報量を有しているが、実際の道路環境は刻々と変化しているので、全国の全ての道路に対して、交通安全のために必要な情報を収集して、その情報を最新な状態にすることは、ほぼ不可能である。
【0004】
しかし、地図情報を利用する使用者からは最新の状態であることを求められるため、道路地図を作成する業者が、実際に現地に赴いて測量及び確認の作業を無数に実施することになり、これら作業が行われることはコストアップにも繋がってしまう。このため、経路案内を主目的とする道路接続情報を保守するだけでも容易なことでない上に、実状では、交通安全のために必要な情報が、全国の道路に対して最新な状態とはなっていない。
【0005】
ところで、特許文献1に記載の発明では、高架式の道路標識(標示板)を認識して記憶するようにしているが、高架式の道路標識は経路案内の要素が強い情報である場合が多く、かつ、特許文献1に記載の発明では高架式の道路標識が実際にどんな情報があるのかまで認識していない。
【0006】
このため、結局は、業者が現地に赴いてどのような意味を持つ道路標識なのかを確認する必要がある。そして、このことは上述したように理由から、交通安全のために必要な情報を、全国の道路に対して最新な状態にすることができていない。
【0007】
本発明は、上記点に鑑み、交通安全のために必要な情報を、全国の道路に対して最新な状態にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、道路画像が記憶された道路画像記憶手段と、道路画像記憶手段に記憶された道路画像に基づいて、路面に標示される道路標示を表す道路標示情報を認識する道路標示認識手段と、道路標示認識手段により認識された道路標示情報を、その道路標示情報が存在する位置情報と関連付けて記憶する道路標示情報記憶手段とを備え、道路標示認識手段は、道路画像により表される道路に存在する道路標示情報を認識する。
【0009】
つまり、道路標示は、一時停止線や横断歩道等というように、交通安全のために必要な情報である。このため、請求項1に記載の発明によれば、交通安全のために必要な情報である道路標示情報を道路画像に基づき認識し、その認識結果を道路標示情報記憶手段に記憶するので、交通安全のために必要な情報を、全国の道路に対して最新な状態にすることができる。
【0010】
また、請求項1に記載の発明を車両に搭載すれば、この車両の運転者は、道路標示情報(道路標示)を利用した走行制御や警告制御等を使用することができるので、車両による走行の安全性を向上させることができる。
【0011】
また、道路画像は、車両に搭載されたカメラにより撮影されたものでもよいが、天候が悪い場合(雨天)、夜間の場合及び先行車が存在する場合等、そのときの走行状況によっては、その撮影画像に道路標示情報が正確に写らないことがある。
【0012】
このため、道路画像が、請求項2に記載のように、道路の上空から撮影された道路の画像であれば、好ましい状況下で道路を撮影することができるので、車両が走行している時々刻々の天候や時間等の条件に左右されることなく、道路標示情報を安定して認識(取得)できる。
【0013】
また、請求項3に記載の発明では、道路画像記憶手段、道路標示認識手段、及び道路標示情報記憶手段が車両に搭載されている場合において、道路標示認識手段は、道路画像記憶手段に記憶された道路画像に基づいて、車両が走行した道路に存在する道路標示情報を認識することを特徴とする。
【0014】
これによれば、車両の運転者が走行した道路の道路標示情報を記憶するので、より効率良く道路標示情報を記憶することができる。
また、請求項4に記載の発明では、道路標示情報記憶手段に記憶された道路標示情報及び位置情報を外部へ送信する送信手段と、他の情報記憶装置の送信手段から送信されてきた道路標示情報及び位置情報を受信する受信手段とを備え、道路標示情報記憶手段は、受信手段により受信された道路標示情報を、受信手段により受信された位置情報と関連付けて記憶することを特徴とする。
【0015】
これによれば、道路標示情報及び位置情報を、他の情報記憶装置と共有することや、全ての情報記憶装置により記憶される道路標示情報を、一つの情報記憶装置にて一括管理することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明では、請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の情報記憶装置と、情報記憶装置の道路標示情報記憶手段に記憶された道路標示情報に基づいて、車両が走行している周辺環境の状態及び状況を認識する周辺環境認識手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
これにより、交通安全のために必要な情報である道路標示情報を道路地図に基づき認識し、その認識結果を道路標示情報記憶手段に記憶するので、請求項1で述べた効果と同様に、交通安全のために必要な情報を、全国の道路に対して最新な状態にすることができる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明を車両に搭載すれば、この車両の運転者は、道路標示情報を利用した走行制御や警告制御等を使用することができるので、請求項1で述べた効果と同様に、車両による走行の安全性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明に係る情報記憶装置を、車両に搭載されるカーナビゲーション装置に適用したものであり、以下に実施形態を図面と共に説明する。なお、カーナビゲーション装置は、車両に搭載され、車両の走行に伴って移動していく現在位置を表示画面上に道路地図と共に表示したり、現在位置から車両乗員の設定した目的地までの経路を案内したりするためのものである。
【0020】
1.カーナビゲーション装置1の構成
図1は、本実施形態に係るカーナビゲーション装置1の構成を表すブロック図である。
カーナビゲーション装置1は、図1に示すように、主に、GPS(Global Positioning System)受信機12、車速センサ14、ヨーレートセンサ16、Gセンサ18、ミリ波レーダ20、前方カメラ22、無線通信部24、表示部26、ハードディスクドライブ(HDD)28、及び制御部30等を有して構成されている。
【0021】
GPS受信機12は、GPS用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナを介して受信し車両の現在位置や速度を検出するものであり、車速センサ14は、車両の走行速度(車速)を検出するものである。
【0022】
ヨーレートセンサ16は、車両の旋回状態を表すヨーレートを検出するものであり、Gセンサ18は、車両の前後左右方向の加速度を検出するものであり、ミリ波レーダ20は、車両周辺の所定領域にある物体までの距離及び方位を測定するものである。前方カメラ22は、車両前方の範囲を撮影するものであり、この前方カメラ22は、車両の前方に取り付けられている。
【0023】
無線通信部24は、情報センタ3と無線にて通信を行うものであり、本実施形態のカーナビゲーション装置1は、無線通信部24と情報センタ3との間で行われる通信に基づいて、各種情報を取得する。
【0024】
なお、本実施形態では、人工衛星によって地表よりも上空から撮影された道路(地表)の写真(以下、地表画像という。)が情報センタ3に登録及び管理されており、この地表画像は、全国の地域を複数に分割した領域毎に撮影されている。
【0025】
表示部26は、各種情報を表示するものであり、本実施形態では、LCD(液晶ディスプレイ)にて構成されている。
HDD28は、データの書き換えが可能な不揮発性の記憶媒体であり、このHDD28には、道路地図を表す地図情報、地表画像、テンプレート情報、道路標示情報等が記憶(登録)されている。
【0026】
なお、HDD28に登録されている地表画像は、上記情報センタ3に登録されている全ての地表画像のうち、数枚の地表画像(本実施形態では、情報記憶装置が搭載されている車両がよく走行する地域、例えば車両の使用者の住所近傍等が写った地表画像)である。
【0027】
テンプレート情報は、地表画像により表される道路の道路標示を制御部30が認識する際に用いられる情報であり、このテンプレート情報は、図2に示すように、道路標示の種別毎に、その意味を表すコード、路面に記される文字や記号のパターン、及び路面上のサイズ(寸法)等が関連付けて登録されている。なお、図2は、テンプレート情報を説明する説明図である。
【0028】
道路標示情報は、路面に標示された道路標示を表す情報のことであり、本実施形態では、地表画像により表される道路の道路標示のうち、車両が過去に走行した道路の道路標示が、道路標示情報としてHDD28に登録される。
【0029】
制御部30は、ナビゲーション装置1全体を統括制御するものであり、GPS受信機12等により特定される車両の現在位置を、車両周辺の地図画面上に重ねて表示部26に表示すると共に、目的地が設定されている場合には、更に目的地までの経路案内を行う、といった一般的な案内処理を行う。
【0030】
また、制御部30は、HDD28に登録された地表画像及びテンプレート情報に基づいて、車両が走行した道路の道路標示(道路標示情報)を認識し、その認識した道路標示情報を、その情報が存在する位置情報と関連付けてHDD28に登録する。
【0031】
また、制御部30は、HDD28に登録された道路標示情報に基づいて、車両のエンジンや制動装置等を制御する電子制御装置(車載ECU)5に対して、車両の減速や加速等の走行制御を実行させるための指令値を算出する。
【0032】
2.カーナビゲーション装置1の特徴的作動
以下、カーナビゲーション装置1の制御部30にて実行される処理について、図3〜図5を用いて説明する。なお、図3は、制御部30が実行する道路標示情報登録処理を表すフローチャートであり、図4は、制御部30が実行する走行制御処理を表すフローチャートであり、図5は、走行制御処理にて実行される作動を説明する説明図である。
【0033】
2.1.道路標示情報登録処理(図3参照)
図3に示す道路標示情報登録処理は、車両のエンジンが始動されたときに実行される処理であり、この道路標示情報登録処理が開始されると、まずGPS受信機12、車速センサ14、ヨーレートセンサ16による検出結果に基づいて、車両の挙動(現在位置、現在速度、車両の向き等)が検出される(S110)。
【0034】
そして、車両の挙動が検出されると、その検出結果に基づいて、車両が走行した軌跡を表す走行軌跡情報が生成される(S120)。そして、S120の処理にて生成される軌跡の長さが所定値に達すると、この走行軌跡情報に基づいて、車両が走行した道路(軌跡)を含む地表画像が、HDD28に登録されているか否かが判定される(S130)。
【0035】
そして、車両が走行した道路を含む地表画像が登録されていないと判定された場合には(S130:NO)、車両が走行した道路を含む地表画像を、情報センタ3から取得するか否かを使用者に選択させるための選択画像が、表示部26に表示される。
【0036】
その後、地表画像を取得することが使用者により選択されなかった場合には(S140:NO)、S110の処理に戻る。
一方、地表画像を取得することが使用者により選択された場合には(S140:YES)、無線通信部24と情報センタ3との間で通信が行われることにより、車両が走行した道路を含む地表画像が、情報センタ3を介して取得され、この地表画像がHDD28に登録(記憶)される(S150)。
【0037】
そして、情報センタ3から取得された地表画像が登録されると(S150)、この地表画像、S120の処理にて生成された走行軌跡情報、及びテンプレート情報に基づき、走行軌跡情報により特定される車両の走行軌跡について、車両が走行した道路の道路標示を検出する道路標示検出処理が実行される(S180)。
【0038】
具体的に説明すると、S180では、まず、走行軌跡情報とテンプレート情報とに基づいて、車両の向き(車両が走行している向き)と、テンプレート情報の文字パターン及び記号パターンの向き(図2における上側の向き)とが一致するように、文字パターン及び記号パターンが回転される。そして、回転された文字パターン及び記号パターンと、地表画像とが照合されることにより、車両が走行した道路の道路標示が検出される。
【0039】
S180の処理(道路標示検出処理)にて道路標示が検出されると、この検出結果(道路標示情報)が、それに対応するテンプレート情報の意味コードとともに、道路標示情報が検出された位置(緯度及び経度)を表す位置情報と関連付けて登録され(S190)、S110の処理に戻る。
【0040】
また、S130の処理にて、車両が走行した道路を含む地表画像が登録されていると判定された場合には(S130:YES)、無線通信部24と情報センタ3との間で通信が行われ、この通信結果に基づいて、S120の処理にて生成された走行軌跡情報を含む地表画像が、情報センタ3にて更新されたか否かが判定される(S130)。
【0041】
そして、地表情報の更新が行われたと判定された場合には(S160:YES)、処理がS150に移行される。一方、地表画像の更新が行われていないと判定された場合には(S160:NO)、S120の処理にて生成された走行軌跡情報により特定される車両の現在位置について、道路標示検出処理が以前実行されたか否かが判定される(S170)。
【0042】
そして、道路標示検出処理が以前実行されていないと判定された場合には(S170:NO)、処理がS180(道路標示検出処理)に移行され、逆に道路標示検出処理が以前実行されたと判定された場合には(S170:YES)、S110の処理に戻る。
【0043】
2.2.走行制御処理(図4参照)
図4に示す走行制御処理は、車両のエンジンが始動されたときに実行される処理であり、この走行制御処理が開始されると、まず車両の現在位置周辺の地図情報及び道路標示情報が、HDD28から抽出される(S210)。
【0044】
次に、S220では、S210により抽出された地図情報及び道路標示情報と、前方カメラ22による撮像結果と、ミリ波レーダ20により検出結果とに基づいて、車両が前方の道路を走行する際において、車両のエンジン及び制動装置等を車載ECU5に制御させるための制御指令値が算出される。
【0045】
具体的に説明すると、S220では、S210により抽出された地図情報に基づいて、車両前方の道路の形状が検出されるとともに、前方カメラ22による撮像結果、ミリ波レーダ20による検出結果、及びS210にて抽出された道路標示情報に基づいて、車両前方の道路標示情報及び障害物等が検出される。
【0046】
そして、これらの検出結果に基づいて、車両前方の道路標示又は障害物に該当する位置までの相対距離や相対速度等が算出され、この算出結果に基づき車両の運動量(制御量)が求められる。そして、車両の運動量が求められると、この運動量に基づいて上記制御指令値が算出される。
【0047】
そして、S220の処理にて制御指令値が算出されると、その制御指令値が車載ECU5へ出力され、処理がS110へ戻る。これにより、車載ECU5が制御指令値に応じた車両の走行制御を実行することとなる。
【0048】
例えば、図5(a)に示すように、S220にて検出された路面標示情報が「カーブ警告」の場合、車載ECU5は、エンジン及び制動装置を制御することにより、車両前方の接地荷重が増えるように、車両の前後方向における駆動力の配分を変える。これにより、車両は減速しやすく、かつ、曲がりやすくするよう車両走行制御モードを変えるのである。
【0049】
また、図5(b)に示すように、車両が加速車線を走行している場合、車載ECU5は、車両後方の接地荷重が増えるように、車両の前後方向における駆動力の配分を変える。これにより、車両は加速しやすくなる。なお、このとき、車載ECU5は、スロットルバルブの開閉角度を制御することにより、S220にて検出された路面標示情報(制限速度(図2参照))を越えないように車両の速度を制限する、といった対応も可能である。
【0050】
3.本実施形態に係るカーナビゲーション装置1の特徴
本実施形態のカーナビゲーション装置1では、交通安全のために必要な情報である道路標示情報を地表画像に基づき認識し、その認識結果をHDD28に記憶するので、交通安全のために必要な情報を、全国の道路に対して最新な状態にすることができる。
【0051】
また、取得する道路標示情報は、一時停止線や横断歩道等のように、交通安全のために必要な情報であり、そのような道路標示情報を利用することで、車両の走行の安全性を向上させることができるとともに地域の交通安全に貢献することができる。
【0052】
また、本実施形態では、本発明を車両に搭載されたカーナビゲーション装置1に適用しているので、この車両では、道路標示情報(道路標示)を利用した走行制御を使用することができ、車両による走行の安全性を向上させることができる。
【0053】
また、本実施形態のカーナビゲーション装置では、地表画像により表される道路のうち、特定の道路に存在する道路標示情報がHDD28に記憶されるので、全ての道路標示情報をHDD28に記憶する場合に比べて、HDD28に記憶される道路標示情報のデータ量を少なくできる。したがって、道路標示情報を効率良く容易に取得し、実際の道路環境の変化にも追従しやすくすることができる。
【0054】
また、本実施形態では、安定した好ましい条件下で道路の上空から撮影された地表画像を用いているので、車両が走行している時々刻々の天候や時間等の条件に左右されることなく、道路標示情報を取得することができる。
【0055】
また、本実施形態では、車両の運転者が走行した道路の道路標示情報を登録(記憶)することにより、より効率良くかつ使用者にとって有用性のある道路標示情報を登録することができる。
【0056】
また、本実施形態では、車両の前方の道路に標示される道路標示に従い、車両のエンジンや制動装置の制御(運転者による運転の補助)等を行うので、車両の安全性を向上させることができる。
【0057】
4.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、HDD28が特許請求の範囲に記載された道路地図記憶手段に相当し、S180の処理が特許請求の範囲に記載された道路標示認識手段に相当し、S190の処理が特許請求の範囲に記載に記載された道路地図記憶手段に相当し、図4の走行制御処理が走行制御手段に相当している。
【0058】
(第2実施形態)
第1実施形態では、本発明に係る情報記憶装置を、カーナビゲーション装置1(車載器)に適用していたが、本実施形態は、本発明に係る情報記憶装置を、情報センタ3に設けられた端末装置、及びカーナビゲーション装置1に適用したものである。
【0059】
1.情報センタ3の構成
図6は、本実施形態に係るカーナビゲーション装置1及び情報センタ3の構成を表すブロック図である。なお、図6において、図1と同じ構成については同一の符号を付しているため、詳細な説明は省略する。なお、このことは、後述の図7においても同様である。
【0060】
情報センタ3には、全国の道路標示情報及び地表画像を登録及び管理する端末装置50が設けられており、この端末装置50は、カーナビゲーション装置1(車両)と無線にて通信を行う無線通信部52と、データの書き換えが可能な不揮発性の記憶媒体としてのHDD54と、装置全体を統括制御する制御部56とを有して構成されている。
【0061】
そして、HDD54には、地表画像が登録されているとともに、全国の道路標示情報が位置情報と関連付けて登録(記憶)されている。
制御部56は、無線通信部52とカーナビゲーション装置1との通信に基づいて、無線通信部52がカーナビゲーション装置1から取得(受信)した道路標示情報をHDD54に登録(記憶)する。
【0062】
また、制御部56は、無線通信部52とカーナビゲーション装置1との通信に基づいて、カーナビゲーション装置1から要求された地域の道路標示情報を、そのカーナビゲーション装置1へ提供する。
【0063】
2.カーナビゲーション装置1及び情報センタ3の特徴的作動
2.1.カーナビゲーション装置1の特徴的作動
以下、カーナビゲーション装置1の制御部30にて実行される処理について、図7及び図8を用いて説明する。なお、図7は、制御部30が実行する道路標示情報登録処理を表すフローチャートであり、図8は、制御部30が実行する道路標示情報要求処理を表すフローチャートである。
【0064】
2.1.1.道路標示情報登録処理(図7参照)
図7に示す道路標示情報登録処理は、車両のエンジンが始動されたときに実行される処理であり、この道路標示情報登録処理が開始された後、S190の処理にて、道路標示情報が、その位置(緯度及び経度)と関連付けて登録されると、この登録された内容が無線通信部24を介して情報センタ3の端末装置50へ送信され(S195)、S110の処理に戻る。
【0065】
2.1.2.道路標示情報要求処理(図8参照)
図8に示す道路標示情報要求処理は、カーナビゲーション装置1にて目的地が設定された場合に実行される処理であり、この道路標示情報要求処理が開始されると、まず、無線通信部24と情報センタ3との間で通信が行われることにより、現在地から目的地までの案内経路に存在する道路標示情報を情報センタ3から取得するための要求指令が、無線通信部24を介して情報センタ3の端末装置50へ送信される(S310)。
【0066】
そして、S310にて要求指令が情報センタ3へ送信されると、要求指令に対応する応答(道路標示情報)が無線通信部24にて受信されたか否かが判定される(S320)。
S320では、要求指令に対応する応答が受信されたと判定されるまでの間繰り返し実行され、要求指令に対応する応答が受信されたと判定されると(S330)、この受信結果(すなわち、道路標示情報及びその位置を表す位置情報)がHDD28に登録され(S330)、道路標示情報要求処理が終了する。
【0067】
なお、本実施形態の道路標示情報要求処理では、「要求指令に対する応答」として、道路標示情報及びその位置を表す位置情報として説明したが、案内経路上に道路標示情報が存在しない場合、情報センタ3(端末装置50)では、道路標示情報が存在しない旨を表す情報を送信するようにされている。
【0068】
そして、この情報がカーナビゲーション装置1にて受信された場合には、道路標示情報要求処理のS320にて要求指令に対する応答が受信されたと判定される(S320:YES)。
【0069】
また、本実施形態の道路標示情報要求処理では、要求指令を送信してから所定時間経過しても要求指令に対する応答が受信されなかった場合(S320:NO)、要求指令が再送信される。そして、この要求指令の再送信の回数が設定回数に達しても、要求指令に対する応答が受信されなかった場合には(S320:NO)、道路標示情報要求処理が終了する。
【0070】
2.2.情報センタ3の特徴的作動
以下、情報センタ3(端末装置50)の制御部56にて実行される処理について、図9及び図10を用いて説明する。なお、図9は、制御部56が実行する道路標示情報登録処理を表すフローチャートであり、図8は、制御部56が実行する道路標示情報提供処理を表すフローチャートである。
【0071】
2.2.1.道路標示情報登録処理(図9参照)
図9に示す道路標示情報登録処理は、端末装置50の制御部56にて常時実行される処理であり、この道路標示情報登録処理が開始されると、まず、無線通信部52が道路標示情報及び位置情報をカーナビゲーション装置1から受信したか否かが判定される(S410)。
【0072】
そして、道路標示情報及び位置情報を受信していないと判定された場合には(S410:NO)、このS410の処理が繰り返し実行され、逆に道路標示情報及び位置情報を受信したと判定された場合には(S410:YES)、無線通信部52により受信された道路標示情報が、同じく無線通信部52により受信された位置情報と関連付けられて、HDD54に登録され(S420)、処理がS410に戻る。
【0073】
2.2.2.道路標示情報提供処理(図10参照)
図10に示す道路標示情報提供処理は、無線通信部52がカーナビゲーション装置1からの要求指令を受信したときに実行される処理であり、この道路標示情報提供処理が開始されると、まず、要求指令に対応する道路標示情報及び位置情報が、HDD54から読み込まれる(S510)。
【0074】
具体的に説明すると、S510では、HDD54に登録された道路標示情報及び位置情報のうち、要求指令に対応する案内経路に存在する道路標示情報及び位置情報がHDD54から読み込まれる。
【0075】
そして、S510にて読み込まれた道路標示情報及び位置情報が、要求指令を送信したカーナビゲーション装置1へ無線通信部52を介して送信され(S520)、道路標示情報提供処理が終了する。
【0076】
3.カーナビゲーション装置1及び情報センタ3の特徴
本実施形態では、情報センタ3の端末装置50にて、道路標示情報及び位置情報を一括管理することができ、この道路標示情報を、複数の車両(カーナビゲーション装置1)にて共有することができる。
【0077】
なお、本実施形態の端末装置50は、地表画像に基づいて道路標示情報を認識する処理(例えば、図3のS180)を実行するようにするとよい。この場合、上述したテンプレート情報が端末装置50のHDD54に登録されているとよい。
【0078】
4.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、無線通信部24及び無線通信部52が特許請求の範囲に記載された送信手段及び受信手段に相当し、HDD28及びHDD54が特許請求の範囲に記載された道路地図記憶手段に相当し、S190、S330及びS420の処理が特許請求の範囲に記載に記載された道路地図記憶手段に相当している。
【0079】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、路面に標示される道路標示を認識してHDD28に登録するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両による走行安全性を確保するために認識処理の優先度を付ける等の条件を考慮した上で、高架式の道路標識情報を認識してHDD28に登録するようにしてもよい。
【0080】
また、上記実施形態では、テンプレート情報は予めHDD28に登録されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、インターネット等の車両の外部からテンプレート情報を取得するようにしてもよい。このようにすれば、新たなテンプレート情報(路面標示)を追加することができる。
【0081】
また、本実施形態では、車両が過去に走行した道路の道路標示をHDD28に登録するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両の使用者により所望された領域、すなわち車両が走行する可能性のある道路の道路標示が得られる手段を準備し、をHDD28に登録するようにしてもよい。
【0082】
また、上記実施形態では、人工衛星によって撮影された地表画像を利用していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、飛行機によって撮影された地表画像を利用してもよい。
【0083】
また、上記第1実施形態では、本発明をカーナビゲーション装置1に適用したものを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。また、上記第1実施形態では、本発明の情報記憶装置(カーナビゲーション装置1)が車両に搭載されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記第2実施形態の端末装置50のように、車両に搭載されていなくてもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、地表画像を無線通信にて取得するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、使用者の家庭に設置されたパーソナルコンピュータ(パソコン)からインターネットを介して地表画像を取得し、その取得した地表画像を、USBメモリ等の記憶デバイスを介してカーナビゲーション装置1に登録するようにしてもよい。この場合、カーナビゲーション装置1には、USBメモリ等の記憶デバイスを接続するための接続端子が設けられていればよい。
【0085】
上記実施形態では、GPS受信機12、車速センサ14、ヨーレートセンサ16、Gセンサ18、ミリ波レーダ20及び前方カメラ22等が、カーナビゲーション装置1に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら12〜22は、カーナビゲーション装置1に設けられていなくてもよい。
【0086】
この場合、GPS受信機12、車速センサ14、ヨーレートセンサ16、Gセンサ18、ミリ波レーダ20及び前方カメラ22等は、車載ネットワークを介してカーナビゲーション装置1に接続されていればよい。
【0087】
また、上記実施形態では、道路標示情報を利用して車両の走行制御を実行するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、道路標示情報を利用して、運転者に対して注意を促す警告制御を実行するようにしてもよい。
【0088】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】第1実施形態に係るカーナビゲーション装置の構成を表すブロック図である。
【図2】テンプレート情報を説明する説明図である。
【図3】カーナビゲーション装置の制御部が実行する道路標示情報登録処理を表すフローチャートである。
【図4】カーナビゲーション装置の制御部が実行する走行制御処理を表すフローチャートである。
【図5】走行制御処理にて実行される作動を説明する説明図である。
【図6】第2実施形態に係るカーナビゲーション装置及び情報センタの構成を表すブロック図である。
【図7】第2実施形態において、カーナビゲーション装置の制御部が実行する道路標示情報登録処理を表すフローチャートである。
【図8】第2実施形態において、カーナビゲーション装置の制御部が実行する道路標示情報要求処理を表すフローチャートである。
【図9】第2実施形態において、情報センタの制御部が実行する道路標示登録処理を表すフローチャートである。
【図10】第2実施形態において、情報センタの制御部が実行する道路標示提供処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
1…カーナビゲーション装置、3…情報センタ、5…車載ECU、12…GPS受信機、12…受信機、14…車速センサ、16…ヨーレートセンサ、18…Gセンサ、20…ミリ波レーダ、22…前方カメラ、24…無線通信部、26…表示部、28…HDD、30…制御部、50…端末装置、52…無線通信部、54…HDD、56…制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路画像が記憶された道路画像記憶手段と、
前記道路画像記憶手段に記憶された道路画像に基づいて、路面に標示される道路標示を表す道路標示情報を認識する道路標示認識手段と、
前記道路標示認識手段により認識された道路標示情報を、その道路標示情報が存在する位置情報と関連付けて記憶する道路標示情報記憶手段とを備え、
前記道路標示認識手段は、前記道路画像により表される道路に存在する道路標示情報を認識することを特徴とする情報記憶装置。
【請求項2】
前記道路画像は、道路の上空から撮影された道路の画像であることを特徴とする請求項1に記載の情報記憶装置。
【請求項3】
前記道路画像記憶手段、前記道路標示認識手段、及び前記道路標示情報記憶手段が車両に搭載されている場合において、
前記道路標示認識手段は、前記道路画像記憶手段に記憶された道路画像に基づいて、前記車両が走行した道路に存在する道路標示情報を認識することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報記憶装置。
【請求項4】
前記道路標示情報記憶手段に記憶された道路標示情報及び位置情報を外部へ送信する送信手段と、
他の情報記憶装置の送信手段から送信されてきた道路標示情報及び位置情報を受信する受信手段とを備え、
前記道路標示情報記憶手段は、前記受信手段により受信された道路標示情報を、前記受信手段により受信された位置情報と関連付けて記憶することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の情報記憶装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の情報記憶装置と、
前記情報記憶装置の道路標示情報記憶手段に記憶された道路標示情報に基づいて、車両が走行している周辺環境の状態及び状況を認識する周辺環境認識手段と
を備えたことを特徴とする走行環境情報認識装置。
【請求項1】
道路画像が記憶された道路画像記憶手段と、
前記道路画像記憶手段に記憶された道路画像に基づいて、路面に標示される道路標示を表す道路標示情報を認識する道路標示認識手段と、
前記道路標示認識手段により認識された道路標示情報を、その道路標示情報が存在する位置情報と関連付けて記憶する道路標示情報記憶手段とを備え、
前記道路標示認識手段は、前記道路画像により表される道路に存在する道路標示情報を認識することを特徴とする情報記憶装置。
【請求項2】
前記道路画像は、道路の上空から撮影された道路の画像であることを特徴とする請求項1に記載の情報記憶装置。
【請求項3】
前記道路画像記憶手段、前記道路標示認識手段、及び前記道路標示情報記憶手段が車両に搭載されている場合において、
前記道路標示認識手段は、前記道路画像記憶手段に記憶された道路画像に基づいて、前記車両が走行した道路に存在する道路標示情報を認識することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報記憶装置。
【請求項4】
前記道路標示情報記憶手段に記憶された道路標示情報及び位置情報を外部へ送信する送信手段と、
他の情報記憶装置の送信手段から送信されてきた道路標示情報及び位置情報を受信する受信手段とを備え、
前記道路標示情報記憶手段は、前記受信手段により受信された道路標示情報を、前記受信手段により受信された位置情報と関連付けて記憶することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の情報記憶装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の情報記憶装置と、
前記情報記憶装置の道路標示情報記憶手段に記憶された道路標示情報に基づいて、車両が走行している周辺環境の状態及び状況を認識する周辺環境認識手段と
を備えたことを特徴とする走行環境情報認識装置。
【図1】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図5】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図5】
【公開番号】特開2009−43186(P2009−43186A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−210274(P2007−210274)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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