説明

情報記録再生装置

【課題】ディスク状記録媒体等の音源に収録されている楽曲をハードディスクに記録してから再生するまでの時間を大幅に短縮し、ユーザーの利便性を高めることができる情報記録再生装置を提供する。
【解決手段】音源10からハードディスク8へ記録すべき楽曲の情報が入力したとき、当該楽曲が前記ハードディスクに記録されているか否かを判別し、記録されていないときに、この楽曲を前記ハードディスクに記録させるとともに、予め選択設定した所要の項目を抽出して楽曲再生用の再生検索リストを作成し、その再生検索リストをメモリ14に記憶し、かつ、この再生検索リストにより管理ファイルを作成して前記ハードディスクの所定エリヤに記録させる。前記楽曲が記録されているときは、前記再生検索リストを作成して前記メモリに記憶し、さらに、前記管理ファイルを作成して前記ハードディスクの当該管理ファイルに上書き保存させる制御手段15と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像・音声情報を記録/再生するHDレコーダー等の情報記録再生装置に係り、特に、MPEG3やWMA形式等で記録された楽曲をHDに多数収録して、任意に再生するプロセスを簡略化し得る情報記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
楽曲を含むオーディオデータの高圧縮技術として、MPEG(Moving Picture Experts Group)3形式やWMA(Windows Media Audio)形式が用いられている。
これらの圧縮形式によると、CD−R(compact discrecordable)やCD−RW(compact disc−rewritable)のような光ディスク、小型で大容量の各種リムーバブルメモリ等に楽曲を多数収録することが可能である。
このような収録楽曲を簡便に再生するために、各種の情報記録再生装置が提案されており、例えば、同じアーティストの曲や同じジャンルの曲のみを選択して聞けるようにすることを目的にしたMPEG3対応のオーディオプレーヤが知られている。
このオーディオプレーヤは、収録曲情報検索部、検索情報リストメモリ、並び替えリスト作成部、再生グループ指定部および再生手段を備えて構成されている。
収録曲情報検索部は、MPEG3形式で記録されたディスク状のオーディオ記録媒体から、この記録媒体に収録されている曲の情報を記録したデータ部分を検索(解析)する。
検索情報リストメモリは、検索した収録曲情報をリスト化して記憶するが、オーディオプレーヤで再生するオーディオ記録媒体が交換されるまで記憶し、このオーディオ記録媒体の2回目以降の再生時には、前記検索情報リストを用いるようになっている。
また、並び替えリスト作成部は、前記検索情報リストを指定された任意の項目別に並び替えを行ってからメモリする。なお、この項目としては、アーティスト、ジャンル、アルバムまたは年代の何れか1つとしている。
再生手段は、前記再生グループ指定部で指定されたグループの曲を選択して再生する。
これにより、オーディオ記録媒体の再生時において、例えば、同じアーティストの曲のみを選択したり、同じジャンルの曲のみを選択して聞くことができるようになる。
また、一つのオーディオプレーヤで同じオーディオ記録媒体を再生するときには、一度検索情報リストを作成した後、このリストを使用できるから、2回目以降の再生時には素早く任意の並び替え、および再生ジャンルの指定と再生を行えるというものである。
【特許文献1】特開2002−23771号公報 また、ハードディスク装置内に取り込んだ各曲毎に曲情報管理データを作成し、HDD内から曲データを削除するときに、不用意な情報の削除を防止するとともに、曲データの削除後に削除前の復旧作業を容易に行うことを目的とした記録再生装置および記録再生処理用プログラムが知られている。この記録再生装置は、HDDデータ管理情報ファイル、ソングID情報、曲情報管理データおよび表示部等を有している。HDDデータ管理情報ファイルは、ハードディスク装置内に取り込んだ各曲毎の曲情報管理データから作成されるものである。この内容は、ソングID情報、その曲が記録されていた音楽記録媒体を識別するID情報、その曲の当該音楽記録媒体におけるトラック番号情報およびその曲が含まれているプレイリストに関する情報等である。前記ソングID情報は、ハードディスク装置に記憶されている曲データをその曲の属するカテゴリーに関する情報を階層的に含んで管理するもので、アーティスト名テーブル、アーティスト毎のアルバム名テーブルおよびアルバム毎のソング名テーブルにおけるその曲が属する項目を示す情報となっている。また、曲情報管理データは、その曲がハードディスク装置に取り込まれたときに作成され、その曲がハードディスク装置から削除されたときは削除されるものである。表示部は、ハードディスク装置に記録されている曲データを削除する処理が指示されたときに、HDDデータ管理情報ファイルを参照して、削除の対象となっている曲に関する情報を表示するようになっている。この記録再生装置は、リッピング指示があると、HDD内にリッピングされた曲を管理する曲情報管理データをそれぞれの曲ごとに作成し、HDD内に記録された全ての曲の曲情報管理データを一つのファイルにまとめたHDDデータ管理ファイルを作成する。このため、該HDDデータ管理ファイルを各時点で保存しておくだけで、それぞれの時点における状態の保存を容易に行うことが可能となる。
【0003】
よって、ユーザーの指定があったとき、任意の時点の状態に修復するための情報をユーザーに提供することができるというものである。
【特許文献2】特開2004−145701号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1の発明は、検索した収録曲情報をリスト化し、オーディオ記録媒体が交換されるまで検索情報リストメモリに記憶するが、このリスト化はオーディオ記録媒体がセットされる毎に行うようになっている。
このため、1枚のCDを記録するような場合、収録されている各曲のデータ部分を毎回解析してから前述のリストを作成するために相当な時間がかかり、記録やダビングから再生までを高速化できないという難点があった。
また、上記特許文献2の発明も、曲がハードディスク装置に取り込まれる毎に曲情報管理データを作成し、かつ、HDDデータ管理情報ファイルを作成することから、上記特許文献1の発明と同様に相当な時間を要していた。
すなわち、楽曲を記録して再生するまでの所要時間は、前記HDDデータ管理情報ファイルの作成時間に関わっているので、高速化には一定の限界があった。
よって、1枚のディスク状記録媒体等に収録されている楽曲をハードディスクにダビングしてから再生するまでの時間短縮には制約があり、ユーザーの利便性を高めることはできなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、ディスク状記録媒体等の音源に収録されている楽曲をハードディスクに記録してから再生するまでの時間を大幅に短縮し、ユーザーの利便性を高めることができる情報記録再生装置を提供することを目的としている
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明による情報記録再生装置は、楽曲の記録、再生およびダビング等に関した指令を発する入力手段と、楽曲およびこの楽曲に関した情報を記録するハードディスクと、このハードディスクに前記楽曲や楽曲に関した情報を記録し、また、この記録情報を再生させるハードディスクドライブと、前記楽曲の管理情報より抽出された複数項目からなる再生検索リストを記憶するメモリと、前記入力手段の記録指令に伴って音源から前記ハードディスクへ記録すべき楽曲の情報が入力したとき、前記ハードディスクドライブの動作を制御して当該楽曲が前記ハードディスクに記録されているか否かを判別し、記録されていないときに、この楽曲を前記ハードディスクに記録させるとともに、この楽曲の管理情報に含まれる楽曲情報のうち、予め選択設定した所要の項目を抽出して楽曲再生用の再生検索リストを作成した後、その再生検索リストを前記メモリに記憶し、かつ、この再生検索リストにより管理ファイルを作成して前記ハードディスクの所定エリヤに記録させる一方、前記楽曲が前記ハードディスクに記録されているときは、前記再生検索リストを作成して前記メモリに記憶し、さらに、前記管理ファイルを作成して前記ハードディスクの当該管理ファイルに上書き保存させる制御手段と、を備えたことを特徴としている。
また、前記再生検索リストが、楽曲名、アーティスト名、アルバム名および楽曲記録開始位置のアドレスデータを含むことを特徴としている。
また、画面に各種情報を表示させる表示手段を備え、前記制御手段が、前記入力手段から再生指令を受けたとき、前記表示手段を制御して前記管理ファイルのリストを前記画面に表示させ、次いで、選択指令を受けたとき、選択された管理ファイルの楽曲を再生させることを特徴としている。
また、前記音源が、着脱自在のディスク状情報記録媒体に記録された楽曲、放送信号からの楽曲およびインターネットを介して配信される楽曲等を含むことを特徴としている。
また、前記楽曲が、MPEG形式およびWMA形式であることを特徴としている。
さらに、本発明の情報記録再生装置は、楽曲の記録、再生およびダビング等に関した指令を発する入力手段と、MPEG形式やWMA形式の楽曲およびこの楽曲に関した情報を記録するハードディスクと、このハードディスクに前記楽曲や楽曲に関した情報を記録し、また、この記録情報を再生させるハードディスクドライブと、前記楽曲の管理情報より抽出された楽曲名、アーティスト名、アルバム名および楽曲記録開始位置のアドレスデータからなる再生検索リストを記憶するメモリと、前記入力手段の記録指令に伴って、着脱自在のディスク状情報記録媒体に記録された楽曲、放送信号からの楽曲およびインターネットを介して配信される楽曲等の音源から前記ハードディスクへ記録すべき楽曲の情報が入力したとき、前記ハードディスクドライブの動作を制御して当該楽曲が前記ハードディスクに記録されているか否かを判別し、記録されていないときに、この楽曲を前記ハードディスクに記録させるとともに、この楽曲の管理情報に含まれる楽曲情報のうち、予め選択設定した所要の項目を抽出して楽曲再生用の再生検索リストを作成した後、その再生検索リストを前記メモリに記憶し、かつ、この再生検索リストにより管理ファイルを作成して前記ハードディスクの所定エリヤに記録させる一方、前記楽曲が前記ハードディスクに記録されているときは、前記再生検索リストを作成して前記メモリに記憶し、さらに、前記管理ファイルを作成して前記ハードディスクの当該管理ファイルに上書き保存させる制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
以上説明したように、本発明の情報記録再生装置は、音源からハードディスクへ楽曲を記録するとき、当該楽曲がハードディスクに記録されていないと、楽曲再生用の再生検索リストを作成してメモリに記憶し、かつ、管理ファイルを作成する一方、楽曲がハードディスクに記録されているときは、前記管理ファイルを作成してハードディスクに上書き保存させるため、楽曲を新たに記録したりダビングする毎に必要であった再生検索リストや管理ファイルの作成プロセスが省略されて、情報処理時間が高速になり、聴視したい楽曲の選択および再生が迅速になる。
また、メモリに記憶する再生検索リストにより管理ファイルを作成するので、情報記録再生装置への供給電圧が突然に停止した場合でも、必要な情報が消失されることなく保持されて、再利用できるといった効果がある。
また、前記再生検索リストが楽曲名、アーティスト名、アルバム名および楽曲記録開始位置のアドレスデータを含むので、最小限の情報により所望の楽曲の選択、再生が可能になる。
そして、楽曲が選択されると、迅速な頭出しがなされるので、高速再生を実現できる利点がある。
また、入力手段から再生指令を受けると管理ファイルのリストを画面に表示させ、次いで、選択指令を受けると選択された管理ファイルの楽曲を再生させることから、ユーザーの選択操作が容易になり、利便性が高められる利点がある。
また、前記音源が着脱自在のディスク状情報記録媒体に記録された楽曲、放送信号からの楽曲およびインターネットを介して配信される楽曲等を含むので、利用範囲が格段に高められる利点がある。
また、前記楽曲がMPEG形式およびWMA形式であることから、多種多様な楽曲を用いることができる利点がある。
さらに、本発明の情報記録再生装置は、着脱自在のディスク状情報記録媒体に記録された楽曲、放送信号からの楽曲およびインターネットを介して配信される楽曲等の音源からハードディスクへ楽曲を記録するとき、その楽曲がハードディスクに記録されているときは、管理ファイルを作成してハードディスクに上書き保存させるため、楽曲を新たに記録したりダビングする毎に必要であった再生検索リストや管理ファイルの作成プロセスが省略されて、情報処理時間が高速になり、聴視したい楽曲の選択および再生が迅速になる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明に係る情報記録再生装置の実施形態について、図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明の一実施形態である情報記録再生装置の電気的構成を示すブロック線図である。
本実施形態の情報記録再生装置は、ハードディスクレコーダ(HDレコーダ)1に適用されたもので、テレビジョン受像機が接続されており、CD10等の光ディスクに記録された楽曲をハードディスク(HD)8にダビングし、再生して聴視可能な構成となっている。
図1において、2はチューナ部であり、地上波アンテナで受信された地上波ディジタル放送が入力する。
このチューナ部2は、制御部15の選局指令によるチャンネルの放送波を受信してデコーダ3に送出する。
このデコーダ3は、チューナ部2からの放送波信号を復調してディジタルオーディオ信号をD/A変換部(D/A)4に出力する。また、ディジタルビデオ信号をD/A変換部(D/A)5に出力する。
D/A4は、ディジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換し、出力端子を介してテレビジョン受像機のスピーカに送出する。
また、D/A5は、ディジタルビデオ信号をアナログビデオ信号に変換し、出力端子を介してテレビジョン受像機のモニタに送出する。
なお、D/A4およびD/A5は、制御部15と接続されており、この制御部15を介してディジタルオーディオ信号とディジタルビデオ信号とがそれぞれ導入されるようになっている。
6はOSD(On Screen Display)回路であり、制御部15の表示制御によって、テレビモニタ側に表示情報を送出し、画面にメニューや各種のサインを表示させる。
メニューは、図2に示す如く設定、調整等といった基本項目の他に、操作に関した記録、再生およびダビングを含んでいる。このダビングは、CDからHD(CD→HD)、HDからCD(HD→CD)の2態様を有している。
なお、このダビングには、図示説明を省略しているがDVDとHDとの2態様もある。
7はHDD(ハードディスクドライバ)であり、図示省略したHDD記録/再生系によって制御される。
このHDD記録/再生系は、制御部15の記録指令に応じてハードディスク(HD)8に受信番組の音声・映像情報を更新記録する。
このHD8は、記録エリヤがメインとサブとに分かれており、メイン側の情報記録エリヤに前記再生情報等が記録され、サブ側の管理情報エリヤに前記記録内容に関する管理情報や管理ファイルが記録される。
管理情報は、CD10の場合、シリアル番号、記録日時、記録時間、情報量等に加え、楽曲名、アーティスト名、アルバム名および楽曲記録位置のアドレスデータが含まれる。
また、管理ファイルは、例えば、CD10を1枚ダビングする場合、予め楽曲毎に作成される再生用検索リストに基づいて、ファイル形式により作成されるものである。
このように構成されたHDD7は、制御部15の再生指令に従って各記録媒体の記録情報を再生し、D/A4およびD/A5側に送出する。
これにより、CD10やHD8の音声情報が再生されると、D/A4を介してスピーカ側に供給されるので、再生音声が放音される。
また、DVDやHD8の映像・音声情報が再生されると、D/A4とD/A5とにそれぞれ送出される。よって、スピーカから再生音声が放音されるとともに、モニタに再生映像が表示される。
9はディスクドライバ(ドライバ)であり、ディスク記録/再生系によって制御される。
このディスク記録/再生系は、制御部15の記録指令に応じて、CD10に前記音声情報を記録させたり、再生指令に従ってCD10から音声情報を読み取らせ、その再生情報を出力する。
このCD10は、CD−RやCD−RW等の光ディスクであり、情報を格納するための領域として、リードインエリア、データエリアおよびリードアウトエリアを有している。
データエリアに楽曲等が記録され、リードインエリアには、各楽曲に関した前述の管理情報が記録されている。
このように構成されたドライバ9は、制御部15からCD10に記録されている楽曲の取り込みが指示されたとき、楽曲情報を読み出して制御部15に送出する。
また、楽曲毎に特定項目の抽出指令があったときは、各楽曲の管理情報から4項目のみを抽出する(図4参照)。
この4項目は、再生用の検索リストを自動作成するためであり、楽曲名、アーティスト名、アルバム名および開始セクタに限定している。
なお、この開始セクタは、CD10のデータエリアに記録されている各楽曲の記録開始位置に対応したアドレスであり、再生を迅速化するために加えている。
11はネットワークインターフェース(I/F)回路であり、インターネット等のネットワークに接続するようになっている。
これにより、インターネット上で公開されている楽曲情報のデータベースにアクセスし、前記再生検索リストと同様に音楽CDの楽曲名、アーティスト名、アルバム名および各楽曲の記録開始位置を示すアドレス等を取得してHD8やCD10に記録することができる。
12はリモコンであり、普及型の機種と同じくテンキー、メニューキー、決定キーおよびクリヤキーを備えている。また、再生開始、一時停止、早送り、早戻し、停止およびスキップキーといった各種機能キー、十字キーやカーソルキー(選択キーと兼用)も具備している。
このリモコン12は、何れかのキーが押圧操作されると、この操作内容に応じた指令信号が赤外線信号で送信され、受信部13を介してHDレコーダ1の制御部15側に送られる。
【0008】
14はワークメモリ(メモリ)であり、前述の4項目からなる楽曲の再生検索リスト等を記憶する。
【0009】
このメモリ14は、図4に示す項目をデータ化したデータテーブルを有しており、各アドレスに割り当てた番号毎に1つの楽曲の関連情報が階層的に記憶されるようになっている。
【0010】
例えば、番号“001”には、楽曲Aが格納され、この楽曲Aに関した楽曲名、アーティスト名、アルバム名および開始セクタの4項目が記憶される。また、楽曲B以降もそれぞれの楽曲に関した4項目が記憶される。
15は制御部であり、HDレコーダ1全体の動作を制御するマイクロコンピュータであって、前記回路各部とはその機能に応じて一方向性あるいは双方向性に接続されている。
【0011】
また、この制御部15は、リモコン12からの指令従って再生、記録、ダビングその他の動作制御を実行する。
また、放送番組の受信信号やインターネットを介し専用サイトから配信される各種音源等をダウンロードし、HD8やCD10に記録するといった制御を行う。
また、この制御部15は、HD8に記録された楽曲を高速で再生するためのプログラムを有しており、楽曲情報が入力する毎に前記メモリ14へ展開記憶させて、楽曲再生検索リストを作成する。さらに、この再生検索リストを図5に示すようにファイル化し、それを管理ファイルとしてHD8の所定サブエリヤに記録させる構成となっている。
次に、上記HDレコーダによるダビング動作について、図9のフローチャートを参照しつつ説明する。
ユーザーが、MPEG3形式およびWMA形式で記録されたCD10の楽曲をダビングしたい場合、HDレコーダ1のドライバ9にセットしておく。
まず、ユーザーがリモコン12を操作し、パワーオンに続いてメニューキーを押下すると、制御部15はこれに応じてOSD回路6を動作させることにより、モニタの画面にメニューを表示させる(ステップS11)。
ユーザーが、図2に示すメニュー一覧の中から、「ダビング」の項目を選択すると、制御部15にダビング指令が与えられる(ステップS12)。
すると、制御部15は、図3に示如く画面に「ダビング」の項目とともに、“CD→HD”,“HD→CD”を表示させ、次の指令を待機する(ステップS13)。
このステップS13において、“CD→HD”は、CDからHDへのダビングプログラムであり、“HD→CD”は、HDからCDへのダビングプログラムとなっている。
ここで、ユーザーが“CD→HD”を選択すると、制御部15はそのダビングモードに移行する(ステップS14)。
このダビングモードでは、制御部15がドライバ9を動作させ、読取部によりCD10のリードインエリヤの情報を読み取らせる。そして、読み取った管理情報をHD8の所定エリヤに記録させる(ステップS15)。
次いで、制御部15は、この管理情報の楽曲名とHD8の記録情報とを照合することにより、再生すべき楽曲がHD8に記録されているか否かを検索する(ステップS16)。
このとき、楽曲がHD8に記録されていなければ、CD10のデータエリヤから楽曲データを再生させつつ、HDD7を動作させることにより、HD8のメインエリヤへの記録を開始させる(ステップS17)。
そして、ステップS18に進み、この楽曲の管理情報から予め選択設定された楽曲名、アーティスト名、アルバム名および楽曲記録開始位置のアドレスデータを含む4項目を抽出し、メモリ14に展開記憶して再生検索リストを作成する。
一方、当該楽曲がHD8に記録されているときも、制御部15はこの楽曲の管理情報から再生検索リストを作成する。
このため、従来例のように、管理情報に含まれた各種項目を全て抽出する必要はなく、最小限の情報によって所望の楽曲の選択、再生が可能になる。
また、楽曲が選択されると、その楽曲の記録開始位置のアドレスデータにピックアップを移動可能となり、直ぐに頭出しがなされて再生が迅速になる。
続いて、制御部15は、前記楽曲再生検索リストに基づいて管理ファイルを作成し、HD8のサブエリヤに記録させる(ステップS19)。
なお、当該楽曲がHD8に記録されているときは、前記管理ファイルを上書き保存する。
これにより、停電が発生したり、コンセントからHDレコーダ1のコードが抜かれる等で電源が遮断され、メモリ14の記憶情報が消失されてもHD8に残っているため、直ぐに再利用することができる。
この後、ダビングが終了したか否かを判別し(ステップS20)、HD8に記録されていなかったCD10の楽曲再生が終われば、一連のダビング動作を停止する。
一方、CD10の楽曲が続いて再生されるときは、ステップS16に進み、この楽曲名とHD8の記録情報とを照合して、この再生すべき楽曲がHD8に記録されているか否かを検索する。そして、ステップS17またはS18に進む。
このような動作を繰り返し、1枚のCD10のダビングが終了すると、HD8には、図5に示すように、複数の管理ファイルが作成される。
よって、CD10をセットし、リモコン12でダビング指令を送信すると、HD8に収録されていない楽曲であれば直ぐにメインエリヤへ記録されるとともに、この楽曲に関した管理ファイルがサブエリヤに記録される。
一方、当該楽曲が予め収録されているときは、その管理ファイルへ直ぐに上書きされる。
これにより、楽曲毎の特徴を示す管理ファイルが作成されて、ユーザーが好みの楽曲を再生し易くなる。
次に、上記HDレコーダによる再生動作について、図10のフローチャートを参照しつつ説明する。
ユーザーが、HD8の記録楽曲を再生して聴視したい場合、まず、リモコン12のニューキーを操作する。
制御部15は、この指令を受けて画面にメニューを表示させる(ステップS21)。このメニュー項目のうち楽曲再生が選択されると、再生指令が入力する(ステップS22)。
制御部15は、この再生指令を受けて、図6に示如く画面に「楽曲再生」の項目とともに、“HD”,“CD”,“DVD”を表示させ、次の指令を待機する(ステップS23)。
このステップS23において、“HD”はHDの楽曲再生プログラム、“CD”はCDの楽曲再生プログラム、“DVD”はDVDの楽曲再生プログラムとなっている。
ここで、ユーザーが“HD”を選択すると、制御部15はその再生モードに移行する(ステップS24)。
制御部15は、この楽曲再生指令を受けてHD8の管理情報を読み出し、図7に示すように、前記管理ファイルに対応した楽曲リストを画面に表示させる(ステップS25)。
これにより、画面には予めHD8に収録された複数の楽曲リストA〜Jが表示される。
この楽曲A〜Jのうち、ユーザーが例えば、楽曲Aを選択すると、その楽曲の選択指令が入力する(ステップS26)。
制御部15は、この選択指令を受けて、図8に示す如く画面に楽曲Aの詳細を表示させる。
また、制御部15は、HDD7を動作させ、データエリヤに記録された楽曲の再生を開始させる(ステップS27)。
この再生情報は、図1に示すD/A4を介してスピーカに供給されるので、直ぐに再生音声が放音される。
この後、制御部15は、楽曲の再生が終了したか否かを判別し、再生が終了した時点で一連の再生動作を停止する。
このように、再生時には管理ファイルに基づく楽曲リストのうち、何れかを選択するだけで良いので、操作が簡易となるうえにダビングから再生までが迅速になる。
なお、上記実施の形態では、CD10の楽曲をHD8にダビングする場合について説明したが、放送番組の受信信号やインターネットを介し専用サイトから配信される各種音源等をダウンロードし、HD8に記録してから、再生するようにしてもよい。
また、本発装置明は上記の各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態である情報記録再生装置の電気的構成を示すブロック線図である。
【図2】メニュー項目を示すモニタの画面図である。
【図3】ダビングの種別を示すモニタの画面図である。
【図4】再生検索リストの内容を示す説明図である。
【図5】楽曲ファイルの記録状態を示すモニタの画面図である。
【図6】楽曲再生の種別を示すモニタの画面図である。
【図7】楽曲ファイルのリストの内容を示すモニタの画面図である。
【図8】選択楽曲の詳細を示すモニタの画面図である。
【図9】ダビング動作を説明するためのフローチャートである。
【図10】再生動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0013】
7 ハードディスクドライブ
8 ハードディスク
10 音源
12 入力手段
14 メモリ
15 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲の記録、再生およびダビング等に関した指令を発する入力手段と、
楽曲およびこの楽曲に関した情報を記録するハードディスクと、
このハードディスクに前記楽曲や楽曲に関した情報を記録し、また、この記録情報を再生させるハードディスクドライブと、
前記楽曲の管理情報より抽出された複数項目からなる再生検索リストを記憶するメモリと、
前記入力手段の記録指令に伴って音源から前記ハードディスクへ記録すべき楽曲の情報が入力したとき、前記ハードディスクドライブの動作を制御して当該楽曲が前記ハードディスクに記録されているか否かを判別し、記録されていないときに、この楽曲を前記ハードディスクに記録させるとともに、この楽曲の管理情報に含まれる楽曲情報のうち、予め選択設定した所要の項目を抽出して楽曲再生用の再生検索リストを作成した後、その再生検索リストを前記メモリに記憶し、かつ、この再生検索リストにより管理ファイルを作成して前記ハードディスクの所定エリヤに記録させる一方、
前記楽曲が前記ハードディスクに記録されているときは、前記再生検索リストを作成して前記メモリに記憶し、さらに、前記管理ファイルを作成して前記ハードディスクの当該管理ファイルに上書き保存させる制御手段と、を備えた情報記録再生装置。
【請求項2】
前記再生検索リストが、楽曲名、アーティスト名、アルバム名および楽曲記録開始位置のアドレスデータを含むことを特徴とする請求項1に記載の情報記録再生装置。
【請求項3】
画面に各種情報を表示させる表示手段を備え、前記制御手段が、前記入力手段から再生指令を受けたとき、前記表示手段を制御して前記管理ファイルのリストを前記画面に表示させ、次いで、選択指令を受けたとき、選択された管理ファイルの楽曲を再生させることを特徴とする請求項1に記載の情報記録再生装置。
【請求項4】
前記音源が、着脱自在のディスク状情報記録媒体に記録された楽曲、放送信号からの楽曲およびインターネットを介して配信される楽曲等を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報記録再生装置。
【請求項5】
前記楽曲が、MPEG形式およびWMA形式であることを特徴とする請求項4に記載の情報記録再生装置。
【請求項6】
楽曲の記録、再生およびダビング等に関した指令を発する入力手段と、
MPEG形式やWMA形式の楽曲およびこの楽曲に関した情報を記録するハードディスクと、
このハードディスクに前記楽曲や楽曲に関した情報を記録し、また、この記録情報を再生させるハードディスクドライブと、
前記楽曲の管理情報より抽出された楽曲名、アーティスト名、アルバム名および楽曲記録開始位置のアドレスデータからなる再生検索リストを記憶するメモリと、
前記入力手段の記録指令に伴って、着脱自在のディスク状情報記録媒体に記録された楽曲、放送信号からの楽曲およびインターネットを介して配信される楽曲等の音源から前記ハードディスクへ記録すべき楽曲の情報が入力したとき、前記ハードディスクドライブの動作を制御して当該楽曲が前記ハードディスクに記録されているか否かを判別し、記録されていないときに、この楽曲を前記ハードディスクに記録させるとともに、この楽曲の管理情報に含まれる楽曲情報のうち、予め選択設定した所要の項目を抽出して楽曲再生用の再生検索リストを作成した後、その再生検索リストを前記メモリに記憶し、かつ、この再生検索リストにより管理ファイルを作成して前記ハードディスクの所定エリヤに記録させる一方、
前記楽曲が前記ハードディスクに記録されているときは、前記再生検索リストを作成して前記メモリに記憶し、さらに、前記管理ファイルを作成して前記ハードディスクの当該管理ファイルに上書き保存させる制御手段と、を備えた情報記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−193625(P2009−193625A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32113(P2008−32113)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】