情報記録装置
【課題】長期保存に有効なデータ記録が可能な情報記録方法を提供すること。
【解決手段】記録メディアに対するファイナライズにおいて、第1エラーレート以上の第1低品位記録データを空きエリアへ記録する情報記録方法は、前記記録メディアの記録エリアから記録データを読み出し、所定データ単位で前記記録データのエラーレートを測定し、前記測定手段によるエラーレートの測定結果に基づき前記第1低品位記録データを検出し、前記第1低品位記録データのエラーを訂正し、前記第1低品位記録データに対応するエラー訂正済み記録データを前記記録メディアの空きエリアの予備記録位置へ記録し、前記第1低品位記録データの記録位置のアドレスと前記エラー訂正済み記録データが記録された前記予備記録位置のアドレスとを対応付けて管理した記録管理情報を前記空きエリアの管理データ記録位置へ記録する。
【解決手段】記録メディアに対するファイナライズにおいて、第1エラーレート以上の第1低品位記録データを空きエリアへ記録する情報記録方法は、前記記録メディアの記録エリアから記録データを読み出し、所定データ単位で前記記録データのエラーレートを測定し、前記測定手段によるエラーレートの測定結果に基づき前記第1低品位記録データを検出し、前記第1低品位記録データのエラーを訂正し、前記第1低品位記録データに対応するエラー訂正済み記録データを前記記録メディアの空きエリアの予備記録位置へ記録し、前記第1低品位記録データの記録位置のアドレスと前記エラー訂正済み記録データが記録された前記予備記録位置のアドレスとを対応付けて管理した記録管理情報を前記空きエリアの管理データ記録位置へ記録する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイナライズにより記録データを固定化する情報記録装置及び情報記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ダビングにより一度記録された情報信号が正しく記録されているか否かを確認し、情報信号にエラーがある場合には、それを正して、情報信号を確実に正しく記録するデータ記録装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
例えば、データ記録装置が、CDのデータを読み取り、読み取ったCDのデータをHDへ書き込んだ後、HDから書き込んだデータを読み出して、読み出したデータとCDのデータとを比較し、エラーの有無を判別し、エラーデータをCDのデータで書き換える。このデータ記録装置により、ダビング時の記録信頼性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−117618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したダビング時に限らず、各社メーカは、デジタルデータの信頼性をより高めようとしている。例えば、CD、DVD、HDDVD、BDなどの記録メディアは経年劣化することが知られており、これにより、これら記録メディアに記録されたデータが正しく読み出せなくなることがある。
【0006】
上記特許文献1に開示された技術は、ダビング時の記録信頼性の向上に貢献するものの、上記したような経年劣化には有効とは言えない。
【0007】
本発明の目的は、長期保存に有効なデータ記録が可能な情報記録装置及び情報記録方法を提供することにある。また、本発明の目的は、長期保存に有効形式で記録されたデータの読み取りに優れた情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る情報記録装置は、記録メディアに対するファイナライズにおいて、第1エラーレート以上の第1低品位記録データを空きエリアへ記録する情報記録装置であって、
前記記録メディアの記録エリアから記録データを読み出す読出手段と、所定データ単位で前記記録データのエラーレートを測定する測定手段と、前記測定手段によるエラーレートの測定結果に基づき前記第1低品位記録データを検出する検出手段と、前記第1低品位記録データのエラーを訂正し、前記第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データを前記記録メディアの空きエリアの予備記録位置へ記録し、前記第1低品位記録データの記録位置のアドレスと前記エラー訂正済み記録データが記録された前記予備記録位置のアドレスとを対応付けて管理した記録管理情報を前記空きエリアの管理データ記録位置へ記録する記録手段と、を備えている。
【0009】
本発明の一実施形態に係る情報読取装置は、記録メディアから記録データを読み取る装置であって、
前記記録メディアの第1記録エリアは、第1エラーレート以上の第1低品位記録データを含み、前記記録メディアの第2記録エリア(空きエリア)は、前記第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データを含み、さらに前記第2記録エリアは、前記第1低品位記録データが記録された第1記録エリアの第1アドレスと前記エラー訂正済み記録データが記録された第2記録エリアの第2アドレスとを対応付けて管理した記録管理情報を含み、
前記情報読取装置は、前記記録メディアから前記記録管理情報を読み取り、前記記録管理情報に基づき前記第1低品位記録データを読み取り、前記第1低品位記録データの読取結果が所定条件を満たさない場合に、前記第1アドレスを前記第2アドレスへ置き換えて管理するアドレス管理手段と、前記記録メディアから記録データを読み取る際に、前記アドレス管理手段により置き換え管理された前記第2アドレスを利用し、前記記録メディアから記録データを読み取る読取手段と、を備えている。
【0010】
本発明の一実施形態に係る情報記録方法は、記録メディアに対するファイナライズにおいて、第1エラーレート以上の第1低品位記録データを空きエリアへ記録する情報記録方法であって、
前記記録メディアの記録エリアから記録データを読み出し、所定データ単位で前記記録データのエラーレートを測定し、前記測定手段によるエラーレートの測定結果に基づき前記第1低品位記録データを検出し、前記第1低品位記録データのエラーを訂正し、前記第1低品位記録データに対応するエラー訂正済み記録データを前記記録メディアの空きエリアの予備記録位置へ記録し、前記第1低品位記録データの記録位置のアドレスと前記エラー訂正済み記録データが記録された前記予備記録位置のアドレスとを対応付けて管理した記録管理情報を前記空きエリアの管理データ記録位置へ記録する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、長期保存に有効なデータ記録が可能な情報記録装置及び情報記録方法を提供できる。また、本発明によれば、長期保存に有効形式で記録されたデータの読み取りに優れた情報読取装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る映像記録再生装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】2重化記録処理制御モジュールの概略構成を示す図である。
【図3】第1の2重化記録処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】上級ユーザ向けエラーレート指定画面の一例を示す図である。
【図5】一般ユーザ向けエラーレート指定画面の一例を示す図である。
【図6】2重化記録処理が適用されていない記録メディアのダビング処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】2重化記録処理が適用された記録メディアのダビング処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】2重化記録処理が適用されていない記録メディアの再生処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】2重化記録処理が適用された記録メディアの再生処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】2重化登録情報の一例を示す図である。
【図11】再生不能場所置換え管理情報の使用例を示す図である。
【図12】2重化記録データ及び2重化登録情報の管理の一例を示す図である。
【図13】記録品位チェックの一例を示すフローチャートである。
【図14】低品位管理情報の一例を示す図である。
【図15】第1の劣化チェックの一例を示すフローチャートである。
【図16】第2の劣化チェックの一例を示すフローチャートであ
【図17】第1の2重化記録処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る映像記録再生装置の概略構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、映像記録再生装置100は、本体キー入力部1、本体表示部3、サブ制御モジュール4、メイン制御モジュール5、電源部6、データ蓄積部7、チューナー部8、光ディスクドライブ9、HDD(ハードディスクドライブ)10を備えている。
【0016】
サブ制御モジュール4は、本体キー入力検出モジュール41、リモートコントローラキー入力検出モジュール42、電源制御モジュール43、表示制御モジュール44を備えている。また、メイン制御モジュール5は、記録再生処理モジュール51、映像、音声処理モジュール52、映像音声入出力制御モジュール53を備えている。メイン制御モジュール5は、本体表示部3により表示すべき表示データを表示制御モジュール44へ送信する。表示制御モジュール44は、表示データに基づき本体表示部3を制御する。これにより、本体表示部3は表示データに対応するキャラクター(文字列)等を表示することができる。
【0017】
例えば、本体キー入力部1は、電源キー、予約キー、設定キー、取出しキーなどが設けられている。ユーザは、本体キー入力部1に対する入力操作により、映像記録再生装置100の動作を制御することができる。
【0018】
電源キーは、映像記録再生装置100の電源オン/オフを指示するためのキーである。電源キーが押下されると、電源キーの押下がサブ制御モジュール4の本体キー入力検出モジュール41により検出され、サブ制御モジュール4の電源制御モジュール43が電源部6に対して電源オン/オフの切り替えを通知する。電源部6は、電源オフ状態であれば電源をオンし、電源オン状態であれば電源をオフする。
【0019】
予約キーは、映像記録再生装置100の電源オン状態では録画予約モードの実行を指示し、映像記録再生装置100の電源オフ状態では電源オンと録画予約モードの実行を指示する。予約キーは、録画予約モードの実行状態では録画予約モードの終了と電源オフとを指示する。
【0020】
設定キーは、上下方向キー、左右方向キー、決定キー等により構成されており、録画予約情報の設定、後述する2重化記録処理の各種設定等に利用される。設定キー(上下方向キー、左右方向キー、決定キー)が押下されると、設定キーの押下がサブ制御モジュール4の本体キー入力検出モジュール41により検出され、サブ制御モジュール4は設定キーの押下に対応した指示をメイン制御モジュール5へ通知する。
【0021】
取出しキーは、光ディスクドライブ9の光ディスクトレイの出し入れを指示するためのキーである。取出しキーの押下に対応して、光ディスクトレイが排出されたり、取り込まれたりする。取出しキーの押下に対応した信号処理の詳細については上記と同様であり、ここではその詳細説明は省略する。
【0022】
光ディスクドライブ9は、例えば、CD、DVD、HDDVD、BDなどの記録メディアに対してデータを記録したり、これら記録メディアに記録されたデータを読み出したりすることができる。
【0023】
上記した本体キー入力部1の他に、ユーザは、リモートコントローラ2に対する入力操作により、映像記録再生装置100の動作を制御することもできる。
【0024】
映像、音声処理モジュール52は、例えば早戻しの指示に基づき再生中の番組の早戻しを制御し、再生指示に基づき選択した番組の再生を制御し、早送りの指示に基づき再生中の番組の早送りを制御し、停止指示に基づき番組の再生の停止を制御し、一時停止指示に基づき番組の再生の一時停止を制御する。記録再生処理モジュール51は、録画の指示に基づき選局中の番組の録画を制御したり、録画された番組の再生を制御したりする。録画先は、光ディスクドライブ9のDVD、又はHDDドライブ10のHDなどである。また、記録再生処理モジュール51は、後述する2重化記録処理、ダビング、及び2重化記録処理が適用された記録メディアの再生処理を制御する。映像、音声入出力制御モジュール53は、チューナー部8、光ディスクドライブ9、HDDドライブから入力される映像、音声信号の入出力を制御する。
【0025】
次に、映像記録再生装置100による2重化記録処理について説明する。CD、DVD、HDDVD、BDなどの記録メディアは経年劣化することが知られている。これら記録メディアに記録されるデータはエラー訂正コード等を含み、これら記録メディアから読み出されたデータに含まれた多少のエラーは、エラー訂正コードにより訂正することができる。しかしながら、経年劣化により、これら記録メディアに記録されたデータのエラーレートが増大し、エラー数がエラー訂正コードによるエラー訂正能力の許容範囲を超えると、これら記録メディアに記録されたデータが正しく読み出せなくなる。例えば、ダビング直後の記録メディアからデータが正しく読み出せたとしても、経年劣化により全体的にエラーレートが増大すると、数年後には記録メディアからデータが正しく読み出せなくなることもある。経年劣化により正しく読み出せなくなるデータは、データ記録時点で既に記録品位が低い傾向にある。なお、上記した正しく読み出せないデータとはデータに含まれているエラーを全て訂正することができないデータである。これに対して正しく読み出せるデータとは仮にデータにエラーが含まれていたとしても、含まれているエラーを全て訂正することができるデータである。
【0026】
そこで、映像記録再生装置100は、記録メディアに対するデータ記録時(ファイナライズ時)に、記録メディアの記録エリアに記録されたデータの中から低品位記録データを検出し、記録メディアの空きエリアにこの低品位記録データを記録する。低品位記録データとは、エラーレートの高いデータである。つまり、映像記録再生装置100は、本来の記録エリアに低品位記録データを記録したまま、空きエリアには低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データを記録する。これにより、将来、本来の記録エリアから低品位記録データが読み出せなくなっても、この低品位記録データを空きエリアに記録されたエラー訂正済み記録データで補償することができる。このようなデータ補償の仕組みがない場合、低品位記録データは、ブロックノイズを含む再生データとして出力されてしまうこともある。上記したようなデータ補償の仕組みにより、ブロックノイズを低減することができる。
【0027】
なお、本実施形態では、データ補償の一例として2重化記録について説明するが、2重に限らず、3重記録、4重記録などの多重記録でデータを補償するようにしてもよい。
【0028】
図2は、2重化記録処理制御モジュールの概略構成を示す図である。例えば、図2に示す2重記録処理制御モジュール510は、記録再生処理モジュール51に含まれる。
【0029】
空きエリアサイズ算出モジュール511は、記録メディアの残量である空きエリアのサイズを算出する。記録品位確認モジュール512は、記録メディアに記録された全てのデータ又は指定範囲のデータの記録品位を検出する。エラーレート指定モジュール513は、本体キー入力部1又リモートコントローラ2により選択又は設定されたエラーレートを指定する。この指定された指定エラーレート(以下、第1エラーレートと称する)以上の第1低品位記録データが、2重化記録の対象となる。
【0030】
低品位データ管理モジュール514は、上記した第1エラーレート以下の第2エラーレートを記憶し、この第2エラーレート以上の第2低品位記録データに関する情報を管理する。例えば、低品位データ管理モジュール514は、第2エラーレート以上の第2低品位記録データの記録位置を示すアドレスと第2低品位記録データのエラーレートとを対応付けた低品位管理情報を管理する。或いは、低品位データ管理モジュール514は、第2エラーレート以上の第2低品位記録データの記録位置を示す先頭アドレス及びレングスと第2低品位記録データのエラーレートとを対応付けた低品位管理情報を管理する。後者の低品位管理情報は、例えば、第2低品位記録データのサイズを検出する必要がある場合に利用される
2重化記録モジュール516は、空きエリアに対して第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データを記録する。2重化記録管理モジュール515は、空きエリアに対して2重化登録情報(記録管理情報)を記録する。2重化登録情報は、第1低品位記録データの記録位置のアドレスと空きエリアに記録されたエラー訂正済み記録データのアドレスとを対応付けたデータである。ファイナライズモジュール517は、記録メディアに対してファイナライズを実行する。
【0031】
再生/ダビング制御モジュール519は、例えば、再生前に、2重化登録情報に登録された本来の記録エリアから記録データが読み出せるかチェックし、本来の記録エリアから記録データが正しく読み出せなければ、本来の記録エリアのアドレスを、対応する空きエリアのアドレスに置き換えておく。再生/ダビング制御モジュール519は、アドレス置換されていないエリアについては本来の記録エリアから記録データを読み出し、アドレス置換されているエリアについては空きエリアから記録データを読み出し、これら読み出した記録データを再生する。
【0032】
また、再生/ダビング制御モジュール519は、例えば、ファイナライズ又はダビング実行時に、空きエリアに対する第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データの記録、及び空きエリアに対する2重化登録情報の記録を制御する。
【0033】
また、劣化チェックモジュール518は、劣化チェックモード実行時に、2重化登録情報に登録された本来の記録エリアから第1低品位記録データが正しく読み出せるかチェックし、第1低品位記録データが正しく読み出せる場合には、読み出した第1低品位記録データの読み取り結果から劣化状況を判定する。つまり、劣化チェックモジュール518は、読み出した第1低品位記録データのエラーレートをチェックし、第1低品位記録データのエラーレートが、バックアップを必要とする所定エラーレートを超えている場合、つまり第1低品位記録データの品位が悪化している場合、バックアップ要求を出力する。これに対応して、モニター200には、バックアップを促す警告画面が表示される。
【0034】
次に、図3を参照して、第1の2重化記録処理を説明する。本実施形態では、ファイナライズにおいて2重化記録処理を実行するケースについて説明する。
【0035】
2重化記録が指定されていなければ(ST11、NO)、つまり、映像記録再生装置100が、2重化記録を実行しないように設定されていれば、通常のファイナライズ処理が実行される(ST18)。この場合、2重化記録処理は実行されない。2重化記録が指定されていれば(ST11、YES)、つまり、映像記録再生装置100が、2重化記録を実行するように設定されていれば、ファイナライズにおいて2重化記録処理が実行される。
【0036】
上記したように、2重化記録が指定されていれば(ST11、YES)、空きエリアサイズ算出モジュール511は、記録メディアの残量である空きエリアのサイズを算出する。追記型メディアの場合、現在の記録場所からディスクの終端までの未記録エリアのサイズが空きエリアサイズとして算出される。オーバライト型メディアの場合、空きエリアを管理するBITMAPテーブルにより空きエリアサイズが算出される。
【0037】
空きエリアが全く無い場合又は空きエリアのサイズが所定サイズより小さい場合は(ST12、NO)、空きエリアサイズ算出モジュール511は、空きエリア不足を通知する。これに対応して、モニタ200には、空きエリア不足により2重化記録処理が実行できない旨の案内が表示される。この場合、2重化記録処理は実行されず、通常のファイナライズ処理が実行される(ST18)。
【0038】
2重化記録処理のための空きエリアを確保することができる場合には(ST12、YES)、記録品位確認モジュール512が、記録メディアに記録された全てのデータ又は指定範囲のデータの記録品位を検出し、低品位データ管理モジュール514が、低品位記録データに関する情報を取得する(ST13)。
【0039】
図13は、上記したST13の記録品位チェックの一例を示すフローチャートである。図13に示すように、記録品位確認モジュール512は、所定記録単位で記録データのエラーレートを測定する(ST61、YES)(ST62)。例えば、記録品位確認モジュール512は、ECC(エラー訂正コード)ブロック等の記録単位でエラーレートを測定する。低品位データ管理モジュール514は、閾値(以下、第2エラーレートと称する)を記憶し、第2エラーレート以上の第2低品位記録データに関する情報を低品位管理情報(図14参照)に登録する(ST63、YES)(ST64)。低品位管理情報は、第2エラーレート以上の第2低品位記録データの記録位置を示すアドレスと第2低品位記録データのエラーレートとを対応付けた情報である。
【0040】
なお、上記した第2エラーレートの値に応じて、低品位管理情報の登録数が大きく変わる可能性がある。このため、第2エラーレートの値を小さく設定する場合は、低品位管理情報を管理するためのワークメモリのサイズを大きく設定する必要がある。
【0041】
上記した第2エラーレートを用いて、第2低品位記録データを抽出する理由は、後続の第1低品位記録データの抽出処理を高速化するためのである。第1低品位記録データは第1エラーレート以上のデータであり、第2低品位記録データは第2エラーレート以上のデータである。また、第2エラーレートは第1エラーレート以下のエラーレートである。例えば、複数の第2低品位記録データが抽出された場合、これら複数の第2低品位記録データのエラーレートを参照すれば、これら複数の第2低品位記録データの中から、第1低品位記録データに該当する記録データを検出することができる。
【0042】
しかしながら、十分なサイズのワークメモリを確保できない場合には、低品位管理情報を使用せずに2重化記録処理を実行することもできる。低品位管理情報を使用しない第2の2重化記録処理は、図17に示す通りである。
【0043】
再び、図3のフローチャートに戻り、第1の2重化記録処理の説明を続ける。
【0044】
上記したように、低品位管理情報が取得されると(ST13)、続いて、エラーレートの指定処理へ移行する(ST14)。上記した第2エラーレート以上の第2低品位記録データをそのまま2重化記録処理の対象とすることもできるが、さらに絞り込み、第1エラーレート以上の第1低品位記録データを2重化記録処理の対象とするケースについて説明する。
【0045】
例えば、エラーレート指定モジュール513は、エラーレート指定画面の表示を指示する。これに対応して、モニター200には、図4に示すような上級ユーザ向けエラーレート指定画面が表示される。或いは、図5に示すような一般ユーザ向けエラーレート指定画面が表示される。上級ユーザ向けエラーレート指定画面を介して、ユーザは、2重化記録対象の下限エラーレート(第1エラーレート)を指定したり、2重化記録対象の下限エラーレート(第1エラーレート)の自動設定を指定したりすることができる。また、一般ユーザ向けエラーレート指定画面を介して、ユーザは、2重化記録条件を指定したり、2重化記録対象の下限エラーレート(第1エラーレート)の自動設定を指定したりすることができる。
【0046】
なお、エラーレート指定モジュール513は、低品位管理情報に登録された第2低品位記録データの先頭アドレス、レングス、エラーレート、及び既に検出されている空きエリアのサイズから、指定可能な下限エラーレート又は指定可能な2重化記録条件を検出することができる。これにより、上級ユーザ向けエラーレート指定画面では、指定可能な下限エラーレートは選択できるが、指定不能な下限エラーレートは選択できなくなる。同様に、一般ユーザ向けエラーレート指定画面では、指定可能な2重化記録条件は選択できるが、指定不能な2重化記録条件は選択できなくなる。
【0047】
また、上級ユーザ向けエラーレート指定画面又は一般ユーザ向けエラーレート指定画面を介して自動設定が指定されると、低品位管理情報に登録された第2低品位記録データの先頭アドレス、レングス、エラーレート、及び既に検出されている空きエリアのサイズから、最適な下限のエラーレートが自動設定される。例えば、空きエリアを最大限使用するような、下限のエラーレートが自動設定される。換言すれば、第1エラーレート以下の第1低品位記録データのサイズが空きエリアのサイズ以下になるように、第1エラーレートが自動設定される。
【0048】
エラーレートの指定が完了すると(ST14)、2重化記録管理モジュール516は、低品位管理情報を参照し、第1エラーレート以上のエラーレートの指定低品位記録データの総サイズを検出する(ST15)。2重化記録管理モジュール516は、空きエリアの総サイズと指定低品位記録データの総サイズとを比較する。
【0049】
第1低品位記録データの合計サイズが空きエリアの合計サイズより大きい場合には、2重化記録管理モジュール516は、2重化記録不可を通知する(ST16、NO)。これに対応して、エラーレート指定モジュール513は、エラーレート指定画面の再表示を指示し、モニター200には、上級ユーザ向けエラーレート指定画面又は一般ユーザ向けエラーレート指定画面が表示される。ユーザは、これら画面(エラーレート変更要求画面)を介して、より高いエラーレートを指定するか、或いは自動設定を指定する。
【0050】
第1低品位記録データの合計サイズが空きエリアの合計サイズ以下になれば、2重化記録管理モジュール516は、2重化記録を許可する(ST16、YES)。2重化記録モジュール515は、第1低品位記録データに含まれたエラーをエラー訂正コードで訂正し、第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データ(つまり高品位記録データ)を空きエリアに記録する(ST17)。
【0051】
さらに、2重化記録管理モジュール516は、2重化登録情報(図10参照)を生成し、2重化登録情報を空きエリアに記録する。2重化登録情報(記録管理情報)は、第1低品位記録データの記録位置のアドレス(置換え元アドレス)と、第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データの記録位置のアドレス(置換え先アドレス)との対応付け情報を含む。
【0052】
なお、上記したように、空きエリアに対して、エラー訂正済み記録データ(以下、2重化記録データとも称する)と2重化登録情報とを別々に記録してもよいし、2重化記録データと2重化登録情報とを含む1ファイルを記録してもよい。1ファイルで記録する場合、例えば、2重化登録情報をこの1ファイルのヘッダ情報とし、2重化記録データをこの1ファイルの本体情報として記録するようにしてもよい。
【0053】
また、記録メディアに記録される規格ファイルを管理するファイルシステムで、2重化記録のファイルを管理することができる。或いは、図12に示すように、別の方法で、2重化記録のファイルを管理するようにしてもよい。2重化登録情報の領域と2重化記録データの領域は、2つのエクステント管理テーブルで管理される。エクステント管理テーブルは、LASTアドレスから所定長(L)のエリアに確保される。このエクステント管理テーブルを参照し、2重化登録情報及び2重化記録データにアクセスすることが可能となる。これにより、リードエラー等でファイルシステムから2重化登録情報及び2重化記録データにアクセスできなくなるような状況でも、エクステント管理テーブルから2重化登録情報及び2重化記録データにアクセスすることが可能となる。
【0054】
上記したように、2重化記録データと2重化登録情報とが記録されると(ST17)、ファイナライズモジュール517は、通常のファイナライズを実行する(ST18)。一般的に、ファイナライズは、DVD−RW及びDVD−Rに対する記録処理において実行される。ファイナライズは、DVD−RAM等のランダムアクセスメディアでは不要であるが、例えば、ランダムアクセスメディアの記録内容を固定化する際に、上記した2重化記録処理を実行することができる。
【0055】
また、2重化記録データと2重化登録情報とを記録した後、劣化チェックモジュール518が、本来の記録エリアから第1低品位記録データを読み出し、第1低品位記録データのエラーレートをチェックし、第1低品位記録データのエラーレートが特に高い場合には、警告を指示する。これに対応して、モニター200が、警告を表示する。
【0056】
次に、図8を参照し、2重化記録処理が適用されていない記録メディアの再生処理を説明する。再生/ダビング制御モジュール519は、記録メディアに再生データがあるか否かをチェックし(ST41)、再生データがある場合は(ST41、YES)、記録メディアから再生データをリードし(ST42)、正しく再生データをリードすることができれば(ST43、YES)、リードデータはデコーダへ転送され再生される(ST44)。再生/ダビング制御モジュール519は、正しく再生データをリードすることができなければ(ST43、NO)、再生不能と判断し、再生処理は終了する。或いは、再生/ダビング制御モジュール519は、正しく再生データをリードすることができなくても、再生データがなくなるまで又は再生停止が指示されるまで、さらに再生を継続する。但しこの場合ブロックノイズなどの画面の乱れ又は音声の乱れが発生する可能性がある。
【0057】
次に図9を参照し、2重化記録処理が適用された記録メディアの再生処理を説明する。再生/ダビング制御モジュール519は、記録メディアから2重化登録情報(図10参照)を読み込む(ST51)。再生/ダビング制御モジュール519は、2重化登録情報に登録された置換え元アドレスから(ST52、YES)、第1低品位記録データを読み込み(ST53)、リードエラーが発生した場合には(ST54、YES)、図11に示すように、再生/ダビング制御モジュール519は、再生不能場所置換え管理情報に、置換え元アドレスと置換え先アドレスとを対応付けて登録する(ST55)。このようにして、2重化登録情報に登録された全ての置換え元アドレスの第1低品位記録データの読み出し状況をチェックする。なお、第1低品位記録データの読み出しにおいてリードエラーが発生しなければ(ST54、NO)、再生不能場所置換え管理情報に、置換え元アドレスは登録されない。以上により、再生不能場所置換え管理情報に、読み込み不能な第1低品位記録データの置換え元アドレスが登録される。
【0058】
再生/ダビング制御モジュール519は、再生データがなくなるまで、再生不能場所置換え管理情報を参照して、データをリードし(ST56、ST57、ST58、ST59)、リードエラーがなければ(ST60、YES)、リードデータをデコーダへ転送する(ST61)。つまり、再生不能場所置換え管理情報に登録された置換え元アドレスの第1低品位記録データはリードされず、再生不能場所置換え管理情報に登録された置換え先アドレスの2重化記録データがリードされる。リードエラーが発生した場合は(ST60、NO)、再生を終了してもよいし、ブロックノイズ等の発生を覚悟の上で再生を継続するようにしてもよい。
【0059】
次に、図6を参照し、2重化記録処理が適用されていない記録メディアのダビング処理を説明する。再生/ダビング制御モジュール519は、記録メディアにコピーデータがあるか否かをチェックし(ST21)、コピーデータがある場合は(ST21、YES)、記録メディアからコピーデータをリードし(ST22)、正しくコピーデータをリードすることができれば(ST23、YES)、リードデータが別の記録メディアへ書き込まれる(ST24)。再生/ダビング制御モジュール519は、正しく再生データをリードすることができなければ(ST23、NO)、コピー不能と判断し、ダビング処理は終了する。或いは、再生/ダビング制御モジュール519は、正しくコピーデータをリードすることができなくても、そのままリードデータを別の記録メディアへ書き込む。但しこの場合、別の記録メディアを再生した場合に、ブロックノイズなどの画面の乱れ又は音声の乱れが発生する可能性がある。
【0060】
次に図7を参照し、2重化記録処理が適用された記録メディアのダビング処理を説明する。図9と同様に、事前に、再生不能場所置換え管理情報に、置換え元アドレスと置換え先アドレスとを対応付けて登録してから、ダビング処理を実行することもできるが、ここでは、この事前登録を省略するダビング処理について説明する。
【0061】
再生/ダビング制御モジュール519は、コピーデータがなくなるまで、データをリードし(ST31、ST32)、リードエラーがなければ(ST33、NO)、リードデータを別の記録メディアへ書き込む(ST37)。再生/ダビング制御モジュール519は、リードエラーがあれば(ST33、YES)、2重化登録情報(図10)を参照し(ST34)、リードエラーのデータに対応した2重化記録データをリードし(ST35)、2重化記録データのリードエラーがなければ(ST36、YES)、リードした2重化記録データを別の記録メディアへ書き込む(ST37)。なお、2重化記録データのリードエラーが発生しても、再生/ダビング制御モジュール519は、ブロックノイズ等の発生を覚悟の上で、そのまま2重化記録データを別の記録メディアへ書き込んでもよい。
【0062】
次に、図15及び図16を参照し、劣化チェックについて説明する。図15は、第1の劣化チェックの一例を示すフローチャートであり、図16は、第2の劣化チェックの一例を示すフローチャートである。
【0063】
図13に示す記録品位チェックを利用して、2重化記録処理が適用されていない記録メディアの劣化をチェックすることができる。これに対して、2重化記録処理が適用された記録メディアは、図15に示す第1の劣化チェック又は図16に示す第2の劣化チェックにより劣化をチェックすることができる。
【0064】
図15に示すように、劣化チェックモジュール518は、2重化登録情報を読み込み(ST71)、2重化登録情報に含まれた置換え元アドレスを参照し(ST72)、第1低品位記録データを読み込み(ST73)、リードエラーが無ければ(ST74、NO)、2重化登録情報に含まれた次の置換え元アドレスを参照し(ST72)、次の第1低品位記録データを読み込み(ST73)、リードエラーの有無をチェックする(ST74)。リードエラーが見つかれば(ST74、YES)、例えばバックアップを促す警告メッセージ表示を指示する。これに対応して、モニタ200には、バックアップを促す警告メッセージが表示される。
【0065】
或いは、図16に示すように、劣化チェックモジュール518は、2重化登録情報を読み込み(ST81)、2重化登録情報に含まれた置換え元アドレスを参照し(ST82)、第1低品位記録データを読み込み、第1低品位記録データのエラーレートを測定する(ST83)。エラーレートが閾値以下であれば(ST84、NO)、2重化登録情報に含まれた次の置換え元アドレスを参照し(ST82)、次の第1低品位記録データを読み込み、次の第1低品位記録データのエラーレートを測定する(ST83)。エラーレートが閾値より大きければ(ST84、YES)、例えばバックアップを促す警告メッセージ表示を指示する。これに対応して、モニタ200には、バックアップを促す警告メッセージが表示される。
【0066】
次に、図17を参照して、第2の2重化記録処理を説明する。上記したように、第2の2重化記録処理は、低品位管理情報をしようしない記録処理である。図17に示すように、2重化記録が指定されていなければ(ST91、NO)、つまり、映像記録再生装置100が、2重化記録を実行しないように設定されていれば、通常のファイナライズ処理が実行される(ST100)。この場合、2重化記録処理は実行されない。2重化記録が指定されていれば(ST91、YES)、つまり、映像記録再生装置100が、2重化記録を実行するように設定されていれば、ファイナライズにおいて2重化記録処理が実行される。
【0067】
上記したように、2重化記録が指定されていれば(ST91、YES)、空きエリアサイズ算出モジュール511は、記録メディアの残量である空きエリアのサイズを算出する。空きエリアが全く無い場合又は空きエリアのサイズが所定サイズより小さい場合は(ST92、NO)、空きエリアサイズ算出モジュール511は、空きエリア不足を通知する。これに対応して、モニタ200には、空きエリア不足により2重化記録処理が実行できない旨の案内が表示される。この場合、2重化記録処理は実行されず、通常のファイナライズ処理が実行される(ST100)。
【0068】
2重化記録処理のための空きエリアを確保することができる場合には(ST92、YES)、エラーレート指定モジュール513は、エラーレートの指定を受け取り(ST93)、記録品位確認モジュール512は、所定記録単位で、記録エリアの記録データのエラーレートを測定し(ST94、YES)(ST95)、指定エラーレート(つまり第1エラーレート)以上の第1低品位記録データが検出されれば(ST96、YES)、検出された第1低品位記録データのサイズを積算する(ST97)。
【0069】
積算された合計サイズ(第1低品位記録データの合計サイズ)が、空きエリアの合計サイズより大きい場合には、2重化記録管理モジュール516は、2重化記録不可を通知する(ST98、NO)。これに対応して、エラーレート指定モジュール513は、エラーレート指定画面の再表示を指示し、モニター200には、上級ユーザ向けエラーレート指定画面又は一般ユーザ向けエラーレート指定画面が表示される。ユーザは、これら画面(エラーレート変更要求画面)を介して、より高いエラーレートを指定するか、或いは自動設定を指定する。
【0070】
積算された合計サイズ(第1低品位記録データの合計サイズ)が、空きエリアの合計サイズ以下になれば、2重化記録管理モジュール516は、2重化記録を許可する(ST98、YES)。2重化記録モジュール515は、第1低品位記録データに含まれたエラーをエラー訂正コードで訂正し、第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データ(つまり高品位記録データ)を空きエリアに記録する(ST99)。
【0071】
さらに、2重化記録管理モジュール516は、2重化登録情報(図10参照)を生成し、2重化登録情報を空きエリアに記録する(ST99)。2重化登録情報(記録管理情報)は、第1低品位記録データの記録位置のアドレス(置換え元アドレス)と、第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データの記録位置のアドレス(置換え先アドレス)との対応付け情報を含む。
【0072】
上記したように、2重化記録データと2重化登録情報とが記録されると(ST17)、ファイナライズモジュール517は、通常のファイナライズを実行する(ST18)。
【0073】
以下に、本実施形態をまとめる。
【0074】
(1)映像記録再生装置100は、ファイナライズ時に、記録済みエリアに記録された記録データのエラーレートを測定し、第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データを空きエリアに記録する。例えば再生時に、第1低品位記録データのリードエラーが発生すると、映像記録再生装置100は、第1低品位記録データに替えて、空きエリアに記録されたエラー訂正済み記録データを再生する。これにより、ブロックノイズ等を抑制することができる。また、ダビング時に第1低品位記録データのリードエラーが発生すると、映像記録再生装置100は、第1低品位記録データに替えて、空きエリアに記録されたエラー訂正済み記録データをダビング先へ記録する。
【0075】
(2)例えば、ディスクの劣化を調べるためには、ディスク全体のデータをリードし、リードデータのエラーレートを測定する。ところが、この方法では、ディスク全体のデータをリードするため、ディスクの劣化調査に比較的長い時間が必要となる。これに対して、映像記録再生装置100は、2重化登録情報に含まれた置換え元アドレスを参照し、第1低品位記録データの劣化状況をチェックするだけで、ディスク全体のおおよその劣化状況を検出することができる。つまり、高速に劣化状況を検出することができる。
【0076】
なお、上記した2重記録処理は、記録メディアのフォーマットの際に実行される一次交替処理、又は記録メディアの使用に応じて実行される二次交替処理と併用することができる。一次交替処理とは、記録メディアの記録エリアの中の欠陥セクタに対して論理アドレスを付与せずに、次の正常なセクタへ論理アドレスを付与することにより、欠陥セクタを使用しないようにする処理である。また、二次交替処理とは、記録メディアの記録エリアの中の複数セクタにより構成されるECCブロックから正しくデータが読み出せない場合に、このECCブロックを欠陥ブロックと定義し、記録メディアの交替エリアの中の複数セクタにより構成される交替ブロックに対して前記欠陥ブロックのデータを書き移す処理である。この二次交替処理では、欠陥ブロックのアドレスと交替ブロックのアドレスとを対応付けて管理し、欠陥ブロックへのアクセスを交替ブロックへのアクセスへ置き換える。
【0077】
なお、上記したモジュールとは、ハードウェアで実現するものであっても良いし、CPU等を使ってソフトウェアで実現するものであってもよい。
【0078】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0079】
51…記録再生処理モジュール、511…空きエリアサイズ算出モジュール、512…記録品位確認モジュール、513…エラーレート指定モジュール、514…低品位データ管理モジュール、515…2重化記録管理モジュール、516…2重化記録モジュール、517…ファイナライズモジュール、518…劣化チェックモジュール、519…再生/ダビング制御モジュール
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイナライズにより記録データを固定化する情報記録装置及び情報記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ダビングにより一度記録された情報信号が正しく記録されているか否かを確認し、情報信号にエラーがある場合には、それを正して、情報信号を確実に正しく記録するデータ記録装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
例えば、データ記録装置が、CDのデータを読み取り、読み取ったCDのデータをHDへ書き込んだ後、HDから書き込んだデータを読み出して、読み出したデータとCDのデータとを比較し、エラーの有無を判別し、エラーデータをCDのデータで書き換える。このデータ記録装置により、ダビング時の記録信頼性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−117618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記したダビング時に限らず、各社メーカは、デジタルデータの信頼性をより高めようとしている。例えば、CD、DVD、HDDVD、BDなどの記録メディアは経年劣化することが知られており、これにより、これら記録メディアに記録されたデータが正しく読み出せなくなることがある。
【0006】
上記特許文献1に開示された技術は、ダビング時の記録信頼性の向上に貢献するものの、上記したような経年劣化には有効とは言えない。
【0007】
本発明の目的は、長期保存に有効なデータ記録が可能な情報記録装置及び情報記録方法を提供することにある。また、本発明の目的は、長期保存に有効形式で記録されたデータの読み取りに優れた情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る情報記録装置は、記録メディアに対するファイナライズにおいて、第1エラーレート以上の第1低品位記録データを空きエリアへ記録する情報記録装置であって、
前記記録メディアの記録エリアから記録データを読み出す読出手段と、所定データ単位で前記記録データのエラーレートを測定する測定手段と、前記測定手段によるエラーレートの測定結果に基づき前記第1低品位記録データを検出する検出手段と、前記第1低品位記録データのエラーを訂正し、前記第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データを前記記録メディアの空きエリアの予備記録位置へ記録し、前記第1低品位記録データの記録位置のアドレスと前記エラー訂正済み記録データが記録された前記予備記録位置のアドレスとを対応付けて管理した記録管理情報を前記空きエリアの管理データ記録位置へ記録する記録手段と、を備えている。
【0009】
本発明の一実施形態に係る情報読取装置は、記録メディアから記録データを読み取る装置であって、
前記記録メディアの第1記録エリアは、第1エラーレート以上の第1低品位記録データを含み、前記記録メディアの第2記録エリア(空きエリア)は、前記第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データを含み、さらに前記第2記録エリアは、前記第1低品位記録データが記録された第1記録エリアの第1アドレスと前記エラー訂正済み記録データが記録された第2記録エリアの第2アドレスとを対応付けて管理した記録管理情報を含み、
前記情報読取装置は、前記記録メディアから前記記録管理情報を読み取り、前記記録管理情報に基づき前記第1低品位記録データを読み取り、前記第1低品位記録データの読取結果が所定条件を満たさない場合に、前記第1アドレスを前記第2アドレスへ置き換えて管理するアドレス管理手段と、前記記録メディアから記録データを読み取る際に、前記アドレス管理手段により置き換え管理された前記第2アドレスを利用し、前記記録メディアから記録データを読み取る読取手段と、を備えている。
【0010】
本発明の一実施形態に係る情報記録方法は、記録メディアに対するファイナライズにおいて、第1エラーレート以上の第1低品位記録データを空きエリアへ記録する情報記録方法であって、
前記記録メディアの記録エリアから記録データを読み出し、所定データ単位で前記記録データのエラーレートを測定し、前記測定手段によるエラーレートの測定結果に基づき前記第1低品位記録データを検出し、前記第1低品位記録データのエラーを訂正し、前記第1低品位記録データに対応するエラー訂正済み記録データを前記記録メディアの空きエリアの予備記録位置へ記録し、前記第1低品位記録データの記録位置のアドレスと前記エラー訂正済み記録データが記録された前記予備記録位置のアドレスとを対応付けて管理した記録管理情報を前記空きエリアの管理データ記録位置へ記録する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、長期保存に有効なデータ記録が可能な情報記録装置及び情報記録方法を提供できる。また、本発明によれば、長期保存に有効形式で記録されたデータの読み取りに優れた情報読取装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る映像記録再生装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】2重化記録処理制御モジュールの概略構成を示す図である。
【図3】第1の2重化記録処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】上級ユーザ向けエラーレート指定画面の一例を示す図である。
【図5】一般ユーザ向けエラーレート指定画面の一例を示す図である。
【図6】2重化記録処理が適用されていない記録メディアのダビング処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】2重化記録処理が適用された記録メディアのダビング処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】2重化記録処理が適用されていない記録メディアの再生処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】2重化記録処理が適用された記録メディアの再生処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】2重化登録情報の一例を示す図である。
【図11】再生不能場所置換え管理情報の使用例を示す図である。
【図12】2重化記録データ及び2重化登録情報の管理の一例を示す図である。
【図13】記録品位チェックの一例を示すフローチャートである。
【図14】低品位管理情報の一例を示す図である。
【図15】第1の劣化チェックの一例を示すフローチャートである。
【図16】第2の劣化チェックの一例を示すフローチャートであ
【図17】第1の2重化記録処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る映像記録再生装置の概略構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、映像記録再生装置100は、本体キー入力部1、本体表示部3、サブ制御モジュール4、メイン制御モジュール5、電源部6、データ蓄積部7、チューナー部8、光ディスクドライブ9、HDD(ハードディスクドライブ)10を備えている。
【0016】
サブ制御モジュール4は、本体キー入力検出モジュール41、リモートコントローラキー入力検出モジュール42、電源制御モジュール43、表示制御モジュール44を備えている。また、メイン制御モジュール5は、記録再生処理モジュール51、映像、音声処理モジュール52、映像音声入出力制御モジュール53を備えている。メイン制御モジュール5は、本体表示部3により表示すべき表示データを表示制御モジュール44へ送信する。表示制御モジュール44は、表示データに基づき本体表示部3を制御する。これにより、本体表示部3は表示データに対応するキャラクター(文字列)等を表示することができる。
【0017】
例えば、本体キー入力部1は、電源キー、予約キー、設定キー、取出しキーなどが設けられている。ユーザは、本体キー入力部1に対する入力操作により、映像記録再生装置100の動作を制御することができる。
【0018】
電源キーは、映像記録再生装置100の電源オン/オフを指示するためのキーである。電源キーが押下されると、電源キーの押下がサブ制御モジュール4の本体キー入力検出モジュール41により検出され、サブ制御モジュール4の電源制御モジュール43が電源部6に対して電源オン/オフの切り替えを通知する。電源部6は、電源オフ状態であれば電源をオンし、電源オン状態であれば電源をオフする。
【0019】
予約キーは、映像記録再生装置100の電源オン状態では録画予約モードの実行を指示し、映像記録再生装置100の電源オフ状態では電源オンと録画予約モードの実行を指示する。予約キーは、録画予約モードの実行状態では録画予約モードの終了と電源オフとを指示する。
【0020】
設定キーは、上下方向キー、左右方向キー、決定キー等により構成されており、録画予約情報の設定、後述する2重化記録処理の各種設定等に利用される。設定キー(上下方向キー、左右方向キー、決定キー)が押下されると、設定キーの押下がサブ制御モジュール4の本体キー入力検出モジュール41により検出され、サブ制御モジュール4は設定キーの押下に対応した指示をメイン制御モジュール5へ通知する。
【0021】
取出しキーは、光ディスクドライブ9の光ディスクトレイの出し入れを指示するためのキーである。取出しキーの押下に対応して、光ディスクトレイが排出されたり、取り込まれたりする。取出しキーの押下に対応した信号処理の詳細については上記と同様であり、ここではその詳細説明は省略する。
【0022】
光ディスクドライブ9は、例えば、CD、DVD、HDDVD、BDなどの記録メディアに対してデータを記録したり、これら記録メディアに記録されたデータを読み出したりすることができる。
【0023】
上記した本体キー入力部1の他に、ユーザは、リモートコントローラ2に対する入力操作により、映像記録再生装置100の動作を制御することもできる。
【0024】
映像、音声処理モジュール52は、例えば早戻しの指示に基づき再生中の番組の早戻しを制御し、再生指示に基づき選択した番組の再生を制御し、早送りの指示に基づき再生中の番組の早送りを制御し、停止指示に基づき番組の再生の停止を制御し、一時停止指示に基づき番組の再生の一時停止を制御する。記録再生処理モジュール51は、録画の指示に基づき選局中の番組の録画を制御したり、録画された番組の再生を制御したりする。録画先は、光ディスクドライブ9のDVD、又はHDDドライブ10のHDなどである。また、記録再生処理モジュール51は、後述する2重化記録処理、ダビング、及び2重化記録処理が適用された記録メディアの再生処理を制御する。映像、音声入出力制御モジュール53は、チューナー部8、光ディスクドライブ9、HDDドライブから入力される映像、音声信号の入出力を制御する。
【0025】
次に、映像記録再生装置100による2重化記録処理について説明する。CD、DVD、HDDVD、BDなどの記録メディアは経年劣化することが知られている。これら記録メディアに記録されるデータはエラー訂正コード等を含み、これら記録メディアから読み出されたデータに含まれた多少のエラーは、エラー訂正コードにより訂正することができる。しかしながら、経年劣化により、これら記録メディアに記録されたデータのエラーレートが増大し、エラー数がエラー訂正コードによるエラー訂正能力の許容範囲を超えると、これら記録メディアに記録されたデータが正しく読み出せなくなる。例えば、ダビング直後の記録メディアからデータが正しく読み出せたとしても、経年劣化により全体的にエラーレートが増大すると、数年後には記録メディアからデータが正しく読み出せなくなることもある。経年劣化により正しく読み出せなくなるデータは、データ記録時点で既に記録品位が低い傾向にある。なお、上記した正しく読み出せないデータとはデータに含まれているエラーを全て訂正することができないデータである。これに対して正しく読み出せるデータとは仮にデータにエラーが含まれていたとしても、含まれているエラーを全て訂正することができるデータである。
【0026】
そこで、映像記録再生装置100は、記録メディアに対するデータ記録時(ファイナライズ時)に、記録メディアの記録エリアに記録されたデータの中から低品位記録データを検出し、記録メディアの空きエリアにこの低品位記録データを記録する。低品位記録データとは、エラーレートの高いデータである。つまり、映像記録再生装置100は、本来の記録エリアに低品位記録データを記録したまま、空きエリアには低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データを記録する。これにより、将来、本来の記録エリアから低品位記録データが読み出せなくなっても、この低品位記録データを空きエリアに記録されたエラー訂正済み記録データで補償することができる。このようなデータ補償の仕組みがない場合、低品位記録データは、ブロックノイズを含む再生データとして出力されてしまうこともある。上記したようなデータ補償の仕組みにより、ブロックノイズを低減することができる。
【0027】
なお、本実施形態では、データ補償の一例として2重化記録について説明するが、2重に限らず、3重記録、4重記録などの多重記録でデータを補償するようにしてもよい。
【0028】
図2は、2重化記録処理制御モジュールの概略構成を示す図である。例えば、図2に示す2重記録処理制御モジュール510は、記録再生処理モジュール51に含まれる。
【0029】
空きエリアサイズ算出モジュール511は、記録メディアの残量である空きエリアのサイズを算出する。記録品位確認モジュール512は、記録メディアに記録された全てのデータ又は指定範囲のデータの記録品位を検出する。エラーレート指定モジュール513は、本体キー入力部1又リモートコントローラ2により選択又は設定されたエラーレートを指定する。この指定された指定エラーレート(以下、第1エラーレートと称する)以上の第1低品位記録データが、2重化記録の対象となる。
【0030】
低品位データ管理モジュール514は、上記した第1エラーレート以下の第2エラーレートを記憶し、この第2エラーレート以上の第2低品位記録データに関する情報を管理する。例えば、低品位データ管理モジュール514は、第2エラーレート以上の第2低品位記録データの記録位置を示すアドレスと第2低品位記録データのエラーレートとを対応付けた低品位管理情報を管理する。或いは、低品位データ管理モジュール514は、第2エラーレート以上の第2低品位記録データの記録位置を示す先頭アドレス及びレングスと第2低品位記録データのエラーレートとを対応付けた低品位管理情報を管理する。後者の低品位管理情報は、例えば、第2低品位記録データのサイズを検出する必要がある場合に利用される
2重化記録モジュール516は、空きエリアに対して第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データを記録する。2重化記録管理モジュール515は、空きエリアに対して2重化登録情報(記録管理情報)を記録する。2重化登録情報は、第1低品位記録データの記録位置のアドレスと空きエリアに記録されたエラー訂正済み記録データのアドレスとを対応付けたデータである。ファイナライズモジュール517は、記録メディアに対してファイナライズを実行する。
【0031】
再生/ダビング制御モジュール519は、例えば、再生前に、2重化登録情報に登録された本来の記録エリアから記録データが読み出せるかチェックし、本来の記録エリアから記録データが正しく読み出せなければ、本来の記録エリアのアドレスを、対応する空きエリアのアドレスに置き換えておく。再生/ダビング制御モジュール519は、アドレス置換されていないエリアについては本来の記録エリアから記録データを読み出し、アドレス置換されているエリアについては空きエリアから記録データを読み出し、これら読み出した記録データを再生する。
【0032】
また、再生/ダビング制御モジュール519は、例えば、ファイナライズ又はダビング実行時に、空きエリアに対する第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データの記録、及び空きエリアに対する2重化登録情報の記録を制御する。
【0033】
また、劣化チェックモジュール518は、劣化チェックモード実行時に、2重化登録情報に登録された本来の記録エリアから第1低品位記録データが正しく読み出せるかチェックし、第1低品位記録データが正しく読み出せる場合には、読み出した第1低品位記録データの読み取り結果から劣化状況を判定する。つまり、劣化チェックモジュール518は、読み出した第1低品位記録データのエラーレートをチェックし、第1低品位記録データのエラーレートが、バックアップを必要とする所定エラーレートを超えている場合、つまり第1低品位記録データの品位が悪化している場合、バックアップ要求を出力する。これに対応して、モニター200には、バックアップを促す警告画面が表示される。
【0034】
次に、図3を参照して、第1の2重化記録処理を説明する。本実施形態では、ファイナライズにおいて2重化記録処理を実行するケースについて説明する。
【0035】
2重化記録が指定されていなければ(ST11、NO)、つまり、映像記録再生装置100が、2重化記録を実行しないように設定されていれば、通常のファイナライズ処理が実行される(ST18)。この場合、2重化記録処理は実行されない。2重化記録が指定されていれば(ST11、YES)、つまり、映像記録再生装置100が、2重化記録を実行するように設定されていれば、ファイナライズにおいて2重化記録処理が実行される。
【0036】
上記したように、2重化記録が指定されていれば(ST11、YES)、空きエリアサイズ算出モジュール511は、記録メディアの残量である空きエリアのサイズを算出する。追記型メディアの場合、現在の記録場所からディスクの終端までの未記録エリアのサイズが空きエリアサイズとして算出される。オーバライト型メディアの場合、空きエリアを管理するBITMAPテーブルにより空きエリアサイズが算出される。
【0037】
空きエリアが全く無い場合又は空きエリアのサイズが所定サイズより小さい場合は(ST12、NO)、空きエリアサイズ算出モジュール511は、空きエリア不足を通知する。これに対応して、モニタ200には、空きエリア不足により2重化記録処理が実行できない旨の案内が表示される。この場合、2重化記録処理は実行されず、通常のファイナライズ処理が実行される(ST18)。
【0038】
2重化記録処理のための空きエリアを確保することができる場合には(ST12、YES)、記録品位確認モジュール512が、記録メディアに記録された全てのデータ又は指定範囲のデータの記録品位を検出し、低品位データ管理モジュール514が、低品位記録データに関する情報を取得する(ST13)。
【0039】
図13は、上記したST13の記録品位チェックの一例を示すフローチャートである。図13に示すように、記録品位確認モジュール512は、所定記録単位で記録データのエラーレートを測定する(ST61、YES)(ST62)。例えば、記録品位確認モジュール512は、ECC(エラー訂正コード)ブロック等の記録単位でエラーレートを測定する。低品位データ管理モジュール514は、閾値(以下、第2エラーレートと称する)を記憶し、第2エラーレート以上の第2低品位記録データに関する情報を低品位管理情報(図14参照)に登録する(ST63、YES)(ST64)。低品位管理情報は、第2エラーレート以上の第2低品位記録データの記録位置を示すアドレスと第2低品位記録データのエラーレートとを対応付けた情報である。
【0040】
なお、上記した第2エラーレートの値に応じて、低品位管理情報の登録数が大きく変わる可能性がある。このため、第2エラーレートの値を小さく設定する場合は、低品位管理情報を管理するためのワークメモリのサイズを大きく設定する必要がある。
【0041】
上記した第2エラーレートを用いて、第2低品位記録データを抽出する理由は、後続の第1低品位記録データの抽出処理を高速化するためのである。第1低品位記録データは第1エラーレート以上のデータであり、第2低品位記録データは第2エラーレート以上のデータである。また、第2エラーレートは第1エラーレート以下のエラーレートである。例えば、複数の第2低品位記録データが抽出された場合、これら複数の第2低品位記録データのエラーレートを参照すれば、これら複数の第2低品位記録データの中から、第1低品位記録データに該当する記録データを検出することができる。
【0042】
しかしながら、十分なサイズのワークメモリを確保できない場合には、低品位管理情報を使用せずに2重化記録処理を実行することもできる。低品位管理情報を使用しない第2の2重化記録処理は、図17に示す通りである。
【0043】
再び、図3のフローチャートに戻り、第1の2重化記録処理の説明を続ける。
【0044】
上記したように、低品位管理情報が取得されると(ST13)、続いて、エラーレートの指定処理へ移行する(ST14)。上記した第2エラーレート以上の第2低品位記録データをそのまま2重化記録処理の対象とすることもできるが、さらに絞り込み、第1エラーレート以上の第1低品位記録データを2重化記録処理の対象とするケースについて説明する。
【0045】
例えば、エラーレート指定モジュール513は、エラーレート指定画面の表示を指示する。これに対応して、モニター200には、図4に示すような上級ユーザ向けエラーレート指定画面が表示される。或いは、図5に示すような一般ユーザ向けエラーレート指定画面が表示される。上級ユーザ向けエラーレート指定画面を介して、ユーザは、2重化記録対象の下限エラーレート(第1エラーレート)を指定したり、2重化記録対象の下限エラーレート(第1エラーレート)の自動設定を指定したりすることができる。また、一般ユーザ向けエラーレート指定画面を介して、ユーザは、2重化記録条件を指定したり、2重化記録対象の下限エラーレート(第1エラーレート)の自動設定を指定したりすることができる。
【0046】
なお、エラーレート指定モジュール513は、低品位管理情報に登録された第2低品位記録データの先頭アドレス、レングス、エラーレート、及び既に検出されている空きエリアのサイズから、指定可能な下限エラーレート又は指定可能な2重化記録条件を検出することができる。これにより、上級ユーザ向けエラーレート指定画面では、指定可能な下限エラーレートは選択できるが、指定不能な下限エラーレートは選択できなくなる。同様に、一般ユーザ向けエラーレート指定画面では、指定可能な2重化記録条件は選択できるが、指定不能な2重化記録条件は選択できなくなる。
【0047】
また、上級ユーザ向けエラーレート指定画面又は一般ユーザ向けエラーレート指定画面を介して自動設定が指定されると、低品位管理情報に登録された第2低品位記録データの先頭アドレス、レングス、エラーレート、及び既に検出されている空きエリアのサイズから、最適な下限のエラーレートが自動設定される。例えば、空きエリアを最大限使用するような、下限のエラーレートが自動設定される。換言すれば、第1エラーレート以下の第1低品位記録データのサイズが空きエリアのサイズ以下になるように、第1エラーレートが自動設定される。
【0048】
エラーレートの指定が完了すると(ST14)、2重化記録管理モジュール516は、低品位管理情報を参照し、第1エラーレート以上のエラーレートの指定低品位記録データの総サイズを検出する(ST15)。2重化記録管理モジュール516は、空きエリアの総サイズと指定低品位記録データの総サイズとを比較する。
【0049】
第1低品位記録データの合計サイズが空きエリアの合計サイズより大きい場合には、2重化記録管理モジュール516は、2重化記録不可を通知する(ST16、NO)。これに対応して、エラーレート指定モジュール513は、エラーレート指定画面の再表示を指示し、モニター200には、上級ユーザ向けエラーレート指定画面又は一般ユーザ向けエラーレート指定画面が表示される。ユーザは、これら画面(エラーレート変更要求画面)を介して、より高いエラーレートを指定するか、或いは自動設定を指定する。
【0050】
第1低品位記録データの合計サイズが空きエリアの合計サイズ以下になれば、2重化記録管理モジュール516は、2重化記録を許可する(ST16、YES)。2重化記録モジュール515は、第1低品位記録データに含まれたエラーをエラー訂正コードで訂正し、第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データ(つまり高品位記録データ)を空きエリアに記録する(ST17)。
【0051】
さらに、2重化記録管理モジュール516は、2重化登録情報(図10参照)を生成し、2重化登録情報を空きエリアに記録する。2重化登録情報(記録管理情報)は、第1低品位記録データの記録位置のアドレス(置換え元アドレス)と、第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データの記録位置のアドレス(置換え先アドレス)との対応付け情報を含む。
【0052】
なお、上記したように、空きエリアに対して、エラー訂正済み記録データ(以下、2重化記録データとも称する)と2重化登録情報とを別々に記録してもよいし、2重化記録データと2重化登録情報とを含む1ファイルを記録してもよい。1ファイルで記録する場合、例えば、2重化登録情報をこの1ファイルのヘッダ情報とし、2重化記録データをこの1ファイルの本体情報として記録するようにしてもよい。
【0053】
また、記録メディアに記録される規格ファイルを管理するファイルシステムで、2重化記録のファイルを管理することができる。或いは、図12に示すように、別の方法で、2重化記録のファイルを管理するようにしてもよい。2重化登録情報の領域と2重化記録データの領域は、2つのエクステント管理テーブルで管理される。エクステント管理テーブルは、LASTアドレスから所定長(L)のエリアに確保される。このエクステント管理テーブルを参照し、2重化登録情報及び2重化記録データにアクセスすることが可能となる。これにより、リードエラー等でファイルシステムから2重化登録情報及び2重化記録データにアクセスできなくなるような状況でも、エクステント管理テーブルから2重化登録情報及び2重化記録データにアクセスすることが可能となる。
【0054】
上記したように、2重化記録データと2重化登録情報とが記録されると(ST17)、ファイナライズモジュール517は、通常のファイナライズを実行する(ST18)。一般的に、ファイナライズは、DVD−RW及びDVD−Rに対する記録処理において実行される。ファイナライズは、DVD−RAM等のランダムアクセスメディアでは不要であるが、例えば、ランダムアクセスメディアの記録内容を固定化する際に、上記した2重化記録処理を実行することができる。
【0055】
また、2重化記録データと2重化登録情報とを記録した後、劣化チェックモジュール518が、本来の記録エリアから第1低品位記録データを読み出し、第1低品位記録データのエラーレートをチェックし、第1低品位記録データのエラーレートが特に高い場合には、警告を指示する。これに対応して、モニター200が、警告を表示する。
【0056】
次に、図8を参照し、2重化記録処理が適用されていない記録メディアの再生処理を説明する。再生/ダビング制御モジュール519は、記録メディアに再生データがあるか否かをチェックし(ST41)、再生データがある場合は(ST41、YES)、記録メディアから再生データをリードし(ST42)、正しく再生データをリードすることができれば(ST43、YES)、リードデータはデコーダへ転送され再生される(ST44)。再生/ダビング制御モジュール519は、正しく再生データをリードすることができなければ(ST43、NO)、再生不能と判断し、再生処理は終了する。或いは、再生/ダビング制御モジュール519は、正しく再生データをリードすることができなくても、再生データがなくなるまで又は再生停止が指示されるまで、さらに再生を継続する。但しこの場合ブロックノイズなどの画面の乱れ又は音声の乱れが発生する可能性がある。
【0057】
次に図9を参照し、2重化記録処理が適用された記録メディアの再生処理を説明する。再生/ダビング制御モジュール519は、記録メディアから2重化登録情報(図10参照)を読み込む(ST51)。再生/ダビング制御モジュール519は、2重化登録情報に登録された置換え元アドレスから(ST52、YES)、第1低品位記録データを読み込み(ST53)、リードエラーが発生した場合には(ST54、YES)、図11に示すように、再生/ダビング制御モジュール519は、再生不能場所置換え管理情報に、置換え元アドレスと置換え先アドレスとを対応付けて登録する(ST55)。このようにして、2重化登録情報に登録された全ての置換え元アドレスの第1低品位記録データの読み出し状況をチェックする。なお、第1低品位記録データの読み出しにおいてリードエラーが発生しなければ(ST54、NO)、再生不能場所置換え管理情報に、置換え元アドレスは登録されない。以上により、再生不能場所置換え管理情報に、読み込み不能な第1低品位記録データの置換え元アドレスが登録される。
【0058】
再生/ダビング制御モジュール519は、再生データがなくなるまで、再生不能場所置換え管理情報を参照して、データをリードし(ST56、ST57、ST58、ST59)、リードエラーがなければ(ST60、YES)、リードデータをデコーダへ転送する(ST61)。つまり、再生不能場所置換え管理情報に登録された置換え元アドレスの第1低品位記録データはリードされず、再生不能場所置換え管理情報に登録された置換え先アドレスの2重化記録データがリードされる。リードエラーが発生した場合は(ST60、NO)、再生を終了してもよいし、ブロックノイズ等の発生を覚悟の上で再生を継続するようにしてもよい。
【0059】
次に、図6を参照し、2重化記録処理が適用されていない記録メディアのダビング処理を説明する。再生/ダビング制御モジュール519は、記録メディアにコピーデータがあるか否かをチェックし(ST21)、コピーデータがある場合は(ST21、YES)、記録メディアからコピーデータをリードし(ST22)、正しくコピーデータをリードすることができれば(ST23、YES)、リードデータが別の記録メディアへ書き込まれる(ST24)。再生/ダビング制御モジュール519は、正しく再生データをリードすることができなければ(ST23、NO)、コピー不能と判断し、ダビング処理は終了する。或いは、再生/ダビング制御モジュール519は、正しくコピーデータをリードすることができなくても、そのままリードデータを別の記録メディアへ書き込む。但しこの場合、別の記録メディアを再生した場合に、ブロックノイズなどの画面の乱れ又は音声の乱れが発生する可能性がある。
【0060】
次に図7を参照し、2重化記録処理が適用された記録メディアのダビング処理を説明する。図9と同様に、事前に、再生不能場所置換え管理情報に、置換え元アドレスと置換え先アドレスとを対応付けて登録してから、ダビング処理を実行することもできるが、ここでは、この事前登録を省略するダビング処理について説明する。
【0061】
再生/ダビング制御モジュール519は、コピーデータがなくなるまで、データをリードし(ST31、ST32)、リードエラーがなければ(ST33、NO)、リードデータを別の記録メディアへ書き込む(ST37)。再生/ダビング制御モジュール519は、リードエラーがあれば(ST33、YES)、2重化登録情報(図10)を参照し(ST34)、リードエラーのデータに対応した2重化記録データをリードし(ST35)、2重化記録データのリードエラーがなければ(ST36、YES)、リードした2重化記録データを別の記録メディアへ書き込む(ST37)。なお、2重化記録データのリードエラーが発生しても、再生/ダビング制御モジュール519は、ブロックノイズ等の発生を覚悟の上で、そのまま2重化記録データを別の記録メディアへ書き込んでもよい。
【0062】
次に、図15及び図16を参照し、劣化チェックについて説明する。図15は、第1の劣化チェックの一例を示すフローチャートであり、図16は、第2の劣化チェックの一例を示すフローチャートである。
【0063】
図13に示す記録品位チェックを利用して、2重化記録処理が適用されていない記録メディアの劣化をチェックすることができる。これに対して、2重化記録処理が適用された記録メディアは、図15に示す第1の劣化チェック又は図16に示す第2の劣化チェックにより劣化をチェックすることができる。
【0064】
図15に示すように、劣化チェックモジュール518は、2重化登録情報を読み込み(ST71)、2重化登録情報に含まれた置換え元アドレスを参照し(ST72)、第1低品位記録データを読み込み(ST73)、リードエラーが無ければ(ST74、NO)、2重化登録情報に含まれた次の置換え元アドレスを参照し(ST72)、次の第1低品位記録データを読み込み(ST73)、リードエラーの有無をチェックする(ST74)。リードエラーが見つかれば(ST74、YES)、例えばバックアップを促す警告メッセージ表示を指示する。これに対応して、モニタ200には、バックアップを促す警告メッセージが表示される。
【0065】
或いは、図16に示すように、劣化チェックモジュール518は、2重化登録情報を読み込み(ST81)、2重化登録情報に含まれた置換え元アドレスを参照し(ST82)、第1低品位記録データを読み込み、第1低品位記録データのエラーレートを測定する(ST83)。エラーレートが閾値以下であれば(ST84、NO)、2重化登録情報に含まれた次の置換え元アドレスを参照し(ST82)、次の第1低品位記録データを読み込み、次の第1低品位記録データのエラーレートを測定する(ST83)。エラーレートが閾値より大きければ(ST84、YES)、例えばバックアップを促す警告メッセージ表示を指示する。これに対応して、モニタ200には、バックアップを促す警告メッセージが表示される。
【0066】
次に、図17を参照して、第2の2重化記録処理を説明する。上記したように、第2の2重化記録処理は、低品位管理情報をしようしない記録処理である。図17に示すように、2重化記録が指定されていなければ(ST91、NO)、つまり、映像記録再生装置100が、2重化記録を実行しないように設定されていれば、通常のファイナライズ処理が実行される(ST100)。この場合、2重化記録処理は実行されない。2重化記録が指定されていれば(ST91、YES)、つまり、映像記録再生装置100が、2重化記録を実行するように設定されていれば、ファイナライズにおいて2重化記録処理が実行される。
【0067】
上記したように、2重化記録が指定されていれば(ST91、YES)、空きエリアサイズ算出モジュール511は、記録メディアの残量である空きエリアのサイズを算出する。空きエリアが全く無い場合又は空きエリアのサイズが所定サイズより小さい場合は(ST92、NO)、空きエリアサイズ算出モジュール511は、空きエリア不足を通知する。これに対応して、モニタ200には、空きエリア不足により2重化記録処理が実行できない旨の案内が表示される。この場合、2重化記録処理は実行されず、通常のファイナライズ処理が実行される(ST100)。
【0068】
2重化記録処理のための空きエリアを確保することができる場合には(ST92、YES)、エラーレート指定モジュール513は、エラーレートの指定を受け取り(ST93)、記録品位確認モジュール512は、所定記録単位で、記録エリアの記録データのエラーレートを測定し(ST94、YES)(ST95)、指定エラーレート(つまり第1エラーレート)以上の第1低品位記録データが検出されれば(ST96、YES)、検出された第1低品位記録データのサイズを積算する(ST97)。
【0069】
積算された合計サイズ(第1低品位記録データの合計サイズ)が、空きエリアの合計サイズより大きい場合には、2重化記録管理モジュール516は、2重化記録不可を通知する(ST98、NO)。これに対応して、エラーレート指定モジュール513は、エラーレート指定画面の再表示を指示し、モニター200には、上級ユーザ向けエラーレート指定画面又は一般ユーザ向けエラーレート指定画面が表示される。ユーザは、これら画面(エラーレート変更要求画面)を介して、より高いエラーレートを指定するか、或いは自動設定を指定する。
【0070】
積算された合計サイズ(第1低品位記録データの合計サイズ)が、空きエリアの合計サイズ以下になれば、2重化記録管理モジュール516は、2重化記録を許可する(ST98、YES)。2重化記録モジュール515は、第1低品位記録データに含まれたエラーをエラー訂正コードで訂正し、第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データ(つまり高品位記録データ)を空きエリアに記録する(ST99)。
【0071】
さらに、2重化記録管理モジュール516は、2重化登録情報(図10参照)を生成し、2重化登録情報を空きエリアに記録する(ST99)。2重化登録情報(記録管理情報)は、第1低品位記録データの記録位置のアドレス(置換え元アドレス)と、第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データの記録位置のアドレス(置換え先アドレス)との対応付け情報を含む。
【0072】
上記したように、2重化記録データと2重化登録情報とが記録されると(ST17)、ファイナライズモジュール517は、通常のファイナライズを実行する(ST18)。
【0073】
以下に、本実施形態をまとめる。
【0074】
(1)映像記録再生装置100は、ファイナライズ時に、記録済みエリアに記録された記録データのエラーレートを測定し、第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データを空きエリアに記録する。例えば再生時に、第1低品位記録データのリードエラーが発生すると、映像記録再生装置100は、第1低品位記録データに替えて、空きエリアに記録されたエラー訂正済み記録データを再生する。これにより、ブロックノイズ等を抑制することができる。また、ダビング時に第1低品位記録データのリードエラーが発生すると、映像記録再生装置100は、第1低品位記録データに替えて、空きエリアに記録されたエラー訂正済み記録データをダビング先へ記録する。
【0075】
(2)例えば、ディスクの劣化を調べるためには、ディスク全体のデータをリードし、リードデータのエラーレートを測定する。ところが、この方法では、ディスク全体のデータをリードするため、ディスクの劣化調査に比較的長い時間が必要となる。これに対して、映像記録再生装置100は、2重化登録情報に含まれた置換え元アドレスを参照し、第1低品位記録データの劣化状況をチェックするだけで、ディスク全体のおおよその劣化状況を検出することができる。つまり、高速に劣化状況を検出することができる。
【0076】
なお、上記した2重記録処理は、記録メディアのフォーマットの際に実行される一次交替処理、又は記録メディアの使用に応じて実行される二次交替処理と併用することができる。一次交替処理とは、記録メディアの記録エリアの中の欠陥セクタに対して論理アドレスを付与せずに、次の正常なセクタへ論理アドレスを付与することにより、欠陥セクタを使用しないようにする処理である。また、二次交替処理とは、記録メディアの記録エリアの中の複数セクタにより構成されるECCブロックから正しくデータが読み出せない場合に、このECCブロックを欠陥ブロックと定義し、記録メディアの交替エリアの中の複数セクタにより構成される交替ブロックに対して前記欠陥ブロックのデータを書き移す処理である。この二次交替処理では、欠陥ブロックのアドレスと交替ブロックのアドレスとを対応付けて管理し、欠陥ブロックへのアクセスを交替ブロックへのアクセスへ置き換える。
【0077】
なお、上記したモジュールとは、ハードウェアで実現するものであっても良いし、CPU等を使ってソフトウェアで実現するものであってもよい。
【0078】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0079】
51…記録再生処理モジュール、511…空きエリアサイズ算出モジュール、512…記録品位確認モジュール、513…エラーレート指定モジュール、514…低品位データ管理モジュール、515…2重化記録管理モジュール、516…2重化記録モジュール、517…ファイナライズモジュール、518…劣化チェックモジュール、519…再生/ダビング制御モジュール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録メディアに対するファイナライズにおいて、第1エラーレート以上の第1低品位記録データを空きエリアへ記録する情報記録装置であって、
前記記録メディアの記録エリアから記録データを読み出す読出手段と、
所定データ単位で前記記録データのエラーレートを測定する測定手段と、
前記測定手段によるエラーレートの測定結果に基づき前記第1低品位記録データを検出する検出手段と、
前記第1低品位記録データのエラーを訂正し、前記第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データを前記記録メディアの空きエリアの予備記録位置へ記録し、前記第1低品位記録データの記録位置のアドレスと前記エラー訂正済み記録データが記録された前記予備記録位置のアドレスとを対応付けて管理した記録管理情報を前記空きエリアの管理データ記録位置へ記録する記録手段と、
を備えたことを特徴とする情報記録装置。
【請求項2】
前記測定手段は、前記第1エラーレート以下の第2エラーレートを記憶し、前記第2エラーレート以上の第2低品位記録データの記録位置のアドレスと前記第2低品位記録データのエラーレートとを対応付けた低品位管理情報を生成し、
前記検出手段は、前記低品位管理情報に含まれた前記第2低品位記録データのエラーレートが前記第1エラーレート以上であれば、前記第2低品位記録データを前記第1低品位記録データとして検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記測定手段は、前記第2低品位記録データの記録位置のアドレスとサイズと、前記第2低品位記録データのエラーレートとを対応付けた低品位管理情報を生成し、
前記低品位管理情報及び前記空きエリアのサイズに基づき、前記第1エラーレート以下の前記第1低品位記録データのサイズが前記空きエリアのサイズ以下になるように、前記第1エラーレートを決定する決定手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記第1エラーレートを指定する指定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項5】
前記第1低品位記録データのサイズ及び前記空きエリアのサイズの比較結果から、前記空きエリアのサイズが不足していることが判明した場合に、前記第1エラーレートの変更を要求する要求手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の情報記録装置。
【請求項6】
前記記録手段は、前記記録メディアに記録された前記第1低品位記録データを別の記録メディアへ記録する場合、前記記録メディアに記録された前記記録管理情報を参照し、前記第1低品位記録データに対応した前記エラー訂正済み記録データを前記別の記録メディアへ記録することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項7】
前記記録手段は、前記記録メディアに記録された前記第1低品位記録データを別の記録メディアへ記録する場合であって、前記第1低品位記録データの読み取り結果が所定条件を満たさない場合に、前記記録メディアに記録された前記記録管理情報を参照し、前記第1低品位記録データに対応した前記エラー訂正済み記録データを前記別の記録メディアへ記録することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項8】
前記記録メディアに記録された前記記録管理情報に含まれた前記第1低品位記録データの記録位置のアドレスを参照し、前記第1低品位記録データを読み取り、前記第1低品位記録データの読み取り結果から劣化状況を判定する劣化判定手段を備えたことを特徴する請求項2に記載の情報記録装置。
【請求項9】
記録メディアの第1記録エリアは、第1エラーレート以上の第1低品位記録データを含み、前記記録メディアの第2記録エリアは、前記第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データを含み、さらに前記第2記録エリアは、前記第1低品位記録データが記録された第1記録エリアの第1アドレスと前記エラー訂正済み記録データが記録された第2記録エリアの第2アドレスとを対応付けて管理した記録管理情報を含み、前記記録メディアから記録データを読み取る情報読取装置であって、
前記記録メディアから前記記録管理情報を読み取り、前記記録管理情報に基づき前記第1低品位記録データを読み取り、前記第1低品位記録データの読取結果が所定条件を満たさない場合に、前記第1アドレスを前記第2アドレスへ置き換えて管理するアドレス管理手段と、
前記記録メディアから記録データを読み取る際に、前記アドレス管理手段により置き換え管理された前記第2アドレスを利用し、前記記録メディアから記録データを読み取る読取手段と、
を備えたことを特徴とする情報読取装置。
【請求項10】
記録メディアに対するファイナライズにおいて、第1エラーレート以上の第1低品位記録データを空きエリアへ記録する情報記録方法であって、
前記記録メディアの記録エリアから記録データを読み出し、
所定データ単位で前記記録データのエラーレートを測定し、
前記測定手段によるエラーレートの測定結果に基づき前記第1低品位記録データを検出し、
前記第1低品位記録データのエラーを訂正し、
前記第1低品位記録データに対応するエラー訂正済み記録データを前記記録メディアの空きエリアの予備記録位置へ記録し、
前記第1低品位記録データの記録位置のアドレスと前記エラー訂正済み記録データが記録された前記予備記録位置のアドレスとを対応付けて管理した記録管理情報を前記空きエリアの管理データ記録位置へ記録する、
ことを特徴とする情報記録方法。
【請求項1】
記録メディアに対するファイナライズにおいて、第1エラーレート以上の第1低品位記録データを空きエリアへ記録する情報記録装置であって、
前記記録メディアの記録エリアから記録データを読み出す読出手段と、
所定データ単位で前記記録データのエラーレートを測定する測定手段と、
前記測定手段によるエラーレートの測定結果に基づき前記第1低品位記録データを検出する検出手段と、
前記第1低品位記録データのエラーを訂正し、前記第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データを前記記録メディアの空きエリアの予備記録位置へ記録し、前記第1低品位記録データの記録位置のアドレスと前記エラー訂正済み記録データが記録された前記予備記録位置のアドレスとを対応付けて管理した記録管理情報を前記空きエリアの管理データ記録位置へ記録する記録手段と、
を備えたことを特徴とする情報記録装置。
【請求項2】
前記測定手段は、前記第1エラーレート以下の第2エラーレートを記憶し、前記第2エラーレート以上の第2低品位記録データの記録位置のアドレスと前記第2低品位記録データのエラーレートとを対応付けた低品位管理情報を生成し、
前記検出手段は、前記低品位管理情報に含まれた前記第2低品位記録データのエラーレートが前記第1エラーレート以上であれば、前記第2低品位記録データを前記第1低品位記録データとして検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記測定手段は、前記第2低品位記録データの記録位置のアドレスとサイズと、前記第2低品位記録データのエラーレートとを対応付けた低品位管理情報を生成し、
前記低品位管理情報及び前記空きエリアのサイズに基づき、前記第1エラーレート以下の前記第1低品位記録データのサイズが前記空きエリアのサイズ以下になるように、前記第1エラーレートを決定する決定手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記第1エラーレートを指定する指定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項5】
前記第1低品位記録データのサイズ及び前記空きエリアのサイズの比較結果から、前記空きエリアのサイズが不足していることが判明した場合に、前記第1エラーレートの変更を要求する要求手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載の情報記録装置。
【請求項6】
前記記録手段は、前記記録メディアに記録された前記第1低品位記録データを別の記録メディアへ記録する場合、前記記録メディアに記録された前記記録管理情報を参照し、前記第1低品位記録データに対応した前記エラー訂正済み記録データを前記別の記録メディアへ記録することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項7】
前記記録手段は、前記記録メディアに記録された前記第1低品位記録データを別の記録メディアへ記録する場合であって、前記第1低品位記録データの読み取り結果が所定条件を満たさない場合に、前記記録メディアに記録された前記記録管理情報を参照し、前記第1低品位記録データに対応した前記エラー訂正済み記録データを前記別の記録メディアへ記録することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項8】
前記記録メディアに記録された前記記録管理情報に含まれた前記第1低品位記録データの記録位置のアドレスを参照し、前記第1低品位記録データを読み取り、前記第1低品位記録データの読み取り結果から劣化状況を判定する劣化判定手段を備えたことを特徴する請求項2に記載の情報記録装置。
【請求項9】
記録メディアの第1記録エリアは、第1エラーレート以上の第1低品位記録データを含み、前記記録メディアの第2記録エリアは、前記第1低品位記録データに対応したエラー訂正済み記録データを含み、さらに前記第2記録エリアは、前記第1低品位記録データが記録された第1記録エリアの第1アドレスと前記エラー訂正済み記録データが記録された第2記録エリアの第2アドレスとを対応付けて管理した記録管理情報を含み、前記記録メディアから記録データを読み取る情報読取装置であって、
前記記録メディアから前記記録管理情報を読み取り、前記記録管理情報に基づき前記第1低品位記録データを読み取り、前記第1低品位記録データの読取結果が所定条件を満たさない場合に、前記第1アドレスを前記第2アドレスへ置き換えて管理するアドレス管理手段と、
前記記録メディアから記録データを読み取る際に、前記アドレス管理手段により置き換え管理された前記第2アドレスを利用し、前記記録メディアから記録データを読み取る読取手段と、
を備えたことを特徴とする情報読取装置。
【請求項10】
記録メディアに対するファイナライズにおいて、第1エラーレート以上の第1低品位記録データを空きエリアへ記録する情報記録方法であって、
前記記録メディアの記録エリアから記録データを読み出し、
所定データ単位で前記記録データのエラーレートを測定し、
前記測定手段によるエラーレートの測定結果に基づき前記第1低品位記録データを検出し、
前記第1低品位記録データのエラーを訂正し、
前記第1低品位記録データに対応するエラー訂正済み記録データを前記記録メディアの空きエリアの予備記録位置へ記録し、
前記第1低品位記録データの記録位置のアドレスと前記エラー訂正済み記録データが記録された前記予備記録位置のアドレスとを対応付けて管理した記録管理情報を前記空きエリアの管理データ記録位置へ記録する、
ことを特徴とする情報記録方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−14189(P2011−14189A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−155998(P2009−155998)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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