説明

情報記録装置

【課題】記録中のトラック外れによって、隣接領域に記録済みのデータが上書きされて再生不能になること。
【解決手段】記憶回路11と、記録回路12とを備え、記憶回路11に隣接領域の記録済みデータを予め保持してから記録回路12によりデータをディスク14に記録することにより、トラック外れが発生して隣接領域の記録済みデータが上書き破壊された場合にでも、記憶回路11に隣接領域のデータが保持されているので修復することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は螺旋状もしくは同心円状に記録領域が配置された記録媒体に情報を記録する情報記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスク等の記録媒体に記録を行なう際、トラック外れが発生すると隣接するトラックに記録されたデータを上書きして破壊してしまうという課題がある。これに対し、トラッキング誤差信号や再生されるアドレスの連続性確認によりトラック外れを検出する方法が提案されている。
【0003】
アドレスの連続性確認を用いてトラック外れを検出する方法では、確実にトラック外れを検出できるが、アドレスが記録されている間隔でしか確認が行なえないため検出遅れが生じる。つまり、トラック外れが検出された時点で隣接トラックに記録されたデータが上書きにより破壊されている場合がある。一方、トラッキング誤差信号からトラック外れを検出する方法では、トラック外れの見逃し(未検出)や誤検出が生じる可能性がある。これに対しては、未検出や誤検出を少なくする工夫がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−295211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、トラッキング誤差信号の振幅はディスクの反射率変動、ディスク表面の傷などの様々な要因により変動する。これらの変動全てに対応し未検出も誤検出も発生させず、さらに検出遅れもなくすことは困難である。
【0006】
また、トラッキング誤差信号によるトラック外れ検出に、再生されるアドレスの連続性確認によるトラック外れ検出を組み合わせてもよいが、隣接するトラックに記録されたデータを上書きして破壊してしまうという課題が残る。破壊されるデータ量が少量であれば誤り訂正符号を用いた訂正により復元することもできるが、アドレスは一定の間隔でしか記録されていないため、全ての場合において復元することは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の情報記録装置は、記憶回路と、記録回路と、トラック外れ検出回路とを備え、データが記録される領域に隣接する領域のデータを予め記憶回路に保持した状態でデータを記録する。
【0008】
本構成によって、記録中にトラック外れが発生して隣接領域の記録済みデータを上書き破壊したとしても、記憶回路に保持したデータを用いて隣接領域の記録済みデータを復旧することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の情報記録装置によれば、トラック外れにより隣接領域の記録データが破壊されても復元可能な情報記録装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における光ディスク装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における記憶回路11が保持する記録データを示す図
【図3】本発明の実施の形態1におけるディスク14の領域配置図
【図4】本発明の実施の形態1におけるトラック外れ時の光ビームの軌跡を示す図
【図5】本発明の実施の形態1におけるトラック外れ時の光ビームの軌跡を示す図
【図6】本発明の実施の形態1におけるトラック外れ時の光ビームの軌跡を示す図
【図7】本発明の実施の形態1における記憶回路11が保持する記録データを示す図
【図8】本発明の実施の形態1における記憶回路11が保持する記録データを示す図
【図9】本発明の実施の形態1における光ディスク装置のブロック図
【図10】本発明の実施の形態1における境界データ記憶回路20が保持する記録データを示す図
【図11】本発明の実施の形態2における光ディスク装置のブロック図
【図12】本発明の実施の形態2におけるトラック外れ検出の説明図
【図13】本発明の実施の形態2における記憶回路11が保持する記録データを示す図
【図14】本発明の実施の形態2における記憶回路11が保持する記録データを示す図
【図15】本発明の実施の形態2における記憶回路11が保持する記録データを示す図
【図16】本発明の実施の形態2におけるトラック外れ検出の説明図
【図17】本発明の実施の形態1および2における記録回路12の詳細なブロック図
【図18】本発明の実施の形態1および2における記憶回路11が保持するデータを示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における光ディスク装置の構成を示すブロック図であり、11は記憶回路、12は記録回路、13は光ピックアップ、14はディスク、15は再生回路、16はトラック外れ検出回路である。図2は、記憶回路11が保持する記録データを示す図であり、斜線があるデータはディスク14に記録されている記録データ、斜線がないものはディスク14には記録されていない記録データを示す。図3は、ディスク14の領域配置図で、100〜123はそれぞれ領域である。各領域には記録データ1ブロックが記録される。ここでブロックとは、ディスク14に対する記録データの記録または再生の最小単位である。例えば、近年よく用いられる光ディスクであるDVDおよびBDにおいては、DVDでは記録データ32kBが1ブロックであり、BDでは記録データ64kBが1ブロックである。
【0013】
記憶回路11は、外部装置から送られてくる記録データを保持する。また、再生回路15より入力される記録データを保持する。また、コントローラ(図示せず)の記録指示により、保持している記録データを記録回路12へ出力する。記録回路12は、記憶回路11より入力される記録データに対し、誤り訂正符号化や変調等の変換処理を実施して2値データを生成し、光ピックアップ13へ出力する。光ピックアップ13は、コントローラの記録指示により、記録回路12より入力される2値データに従い、光ディスク14の指定された領域に光ビームを照射し、マーク及びスペースを生成する。また、コントローラの再生指示により、光ディスク14の指定された領域に光ビームを照射し、その反射光の強弱を電気信号に変換した再生信号を再生回路15へ出力する。また、現在走査しているトラックに対して光ビームがどの程度ずれているかを示すトラッキング誤差信号を生成し、トラック外れ検出回路16へ出力する。再生回路15は、光ピックアップ13より入力される再生信号に対して2値化、復調、誤り訂正処理等を行ない、記録データを復元して記憶回路11へ出力する。トラック外れ検出回路16は、光ピックアップ13より入力されるトラッキング誤差信号よりトラック外れを検出する。トラック外れの検出は、例えばトラッキング誤差信号の絶対値が所定の値より大きくなった場合にトラック外れが発生したことを検出する。このとき、トラッキング誤差信号の極性によりトラック外れが発生した方向も検出することができる。
【0014】
まず、外部装置より、ディスク14の領域103から領域108へ記録する記録データが送られてきた場合の記録動作について詳しく説明する。
【0015】
はじめに、領域103へ記録する記録データ(UD_103)を外部装置より受け取り、記憶回路11に保持する。この時の記憶回路11に保持している記録データは図2(a)のようになる。領域103への2値データ記録中にトラック外れが発生した場合に記録済みデータを破壊する可能性が高い領域は、領域103の始端の内側に隣接する領域100から領域103の終端の内側に隣接する領域101までと、領域103の始端の外側に隣接する領域105から領域103の終端の外側に隣接する領域106までである。トラック外れ発生後にトラッキング制御ができなくなっていれば、光ビームは複数のトラックを横断するように移動する。ディスク14に記録されている記録データには、傷等の欠陥に対する保護として誤り訂正符号化が施されているため、光ビームの横断により破壊される程度のデータ量であれば、誤り訂正符号により復元することができる。しかし、トラック外れ発生後に別のトラックに対してトラッキング制御が継続されている状態(トラックジャンプ)ではそのトラックの多くのデータを破壊し、誤り訂正符号により復元することができなくなる。トラックジャンプによりデータが破壊される可能性が最も高いのは、隣接しているトラックである。
【0016】
コントローラは、記録開始部分より内側の少なくとも1周分を再生して記録データを保持する。領域103が記録開始部となる場合には、領域103の始端の内側に隣接する領域100から、領域103の直前の領域102までを再生回路15にて再生する。得られる記録データUD_100から記録データUD_102を記憶回路11に保持する。
【0017】
上記再生動作と平行して、記憶回路11に未使用領域があれば外部装置からの記録データ受け取りを継続してもよい。
【0018】
コントローラは、記録領域に続く少なくとも1周分の記録データが記憶回路11に保持されていれば記録を開始する。領域103が記録開始部となる場合には、領域103から、領域103の終端の外側に隣接する領域106までの記録データが記憶回路11に保持されていれば(例えば、図2(b)の状態)記録回路12を介して領域103へ記録データUD_103を記録する。
【0019】
上記再生動作と記録動作は連続して実施してもよい。領域102までを再生完了した時点で、領域103から、領域103の終端の外側に隣接する領域106までの記録データが記憶回路11に保持されていれば、再生動作に引き続き記録回路12を介して領域103へ記録データUD_103を記録すればよい。
【0020】
領域103へ記録データUD_103を記録完了した時点で、次の記録領域に続く少なくとも1周分の記録データが記憶回路11に保持されていれば記録を継続できる。例えば、領域103に続く領域104の終端の外側に隣接する領域107へ記録する記録データUD_107が記憶回路11に保持されていれば、領域103への記録に引き続き、記録回路12を介して領域104へ記録データUD_104を記録する。領域105への記録も同様に継続できる。
【0021】
領域105へ記録データUD_105を記録完了した時点では、続く領域106の終端の外側に隣接する領域109へ記録する記録データUD_109は記憶回路11に保持されていない(図2(c)の状態)。すなわち、記録領域に続く少なくとも1周分の記録データが記憶回路11に保持されていない。そこでコントローラは記録動作を一旦中断する。次に、記憶回路11に保持している最後の記録データUD_108を記録する領域108に続く少なくとも1周分の領域(領域109から領域111まで)を再生回路15にて再生する。得られる記録データUD_109から記録データUD_111を記憶回路11に保持する。この後に、記録回路12を介して、記憶回路11に保持している残りの記録データUD_106から記録データUD_108を領域106から領域108に記録し、全ての記録データの記録を完了する。
【0022】
次に、図1、図3に図7を追加して、外部装置より、ディスク14の領域103から領域118へ記録する記録データが送られてきた場合の記録動作について詳しく説明する。図7は、記憶回路11が保持する記録データを示す図であり、斜線があるデータはディスク14に記録されている記録データ、斜線がないものはディスク14には記録されていない記録データを示す。ここで、記憶回路11が保持できる記録データ数は12であり、記録する記録データ数の16よりも小さい場合となる。
【0023】
はじめに、領域103へ記録する記録データ(UD_103)を外部装置より受け取り、記憶回路11に保持する。この時の記憶回路11に保持している記録データは図7(a)のようになる。領域103への2値データ記録中にトラック外れが発生した場合に記録済みデータを破壊する可能性のある領域は、領域103の始端の内側に隣接する領域100から領域103の終端の内側に隣接する領域101までと、領域103の始端の外側に隣接する領域105から領域103の終端の外側に隣接する領域106までとなる。
【0024】
コントローラは、記録開始部分より内側の少なくとも1周分を再生して記録データを保持する。領域103が記録開始部となる場合には、領域103の始端の内側に隣接する領域100から、領域103の直前の領域102までを再生回路15にて再生する。得られる記録データUD_100から領域UD_102を記憶回路11に保持する。
【0025】
上記再生動作と平行して、記憶回路11に未使用領域があれば外部装置からの記録データ受け取りを継続してもよい。記録データUD_111までが記憶回路11に保持されると未使用領域がなくなる。未使用領域がなくなれば、外部装置からの記録データ受け取りを一旦停止する。
【0026】
コントローラは、記録領域に続く少なくとも1周分の記録データが記憶回路11に保持されていれば記録を開始する。領域103が記録開始部となる場合には、領域103から、領域103の終端の外側に隣接する領域106までの記録データが記憶回路11に保持されていれば(図7(b)の状態)記録回路12を介して領域103へ記録データUD_103を記録する。
【0027】
上記再生動作と記録動作は連続して実施してもよい。領域102までを再生完了した時点で、領域103から、領域103の終端の外側に隣接する領域106までの記録データが記憶回路11に保持されていれば、再生動作に引き続き記録回路12を介して領域103へ記録データUD_103を記録すればよい。
【0028】
領域103へ記録データUD_103を記録完了した時点で、次の記録領域は領域104となる。このとき記憶回路11に保持されている記録データは図7(c)のようになる。内側への予期せぬトラック外れが発生した場合に復旧に必要となるのは、領域104始端より内側の少なくとも1周分となる領域101から領域103であるので、記録データUD_100は記憶回路11に保持しなくてもよい。そこで、記録データUD_100を保持していた領域を開放して未使用領域とする(図7(d))。記憶回路11に記録データを受け取ることのできる未使用領域ができれば、外部装置からの記録データ受け取りを再開する(図7(e))。
【0029】
領域103へ記録データUD_103を記録完了した時点で、次の記録領域に続く少なくとも1周分の記録データが記憶回路11に保持されていれば記録を継続できる。例えば、領域103に続く領域104の終端の外側に隣接する領域107へ記録する記録データUD_107が記憶回路11に保持されていれば、領域103への記録に引き続き、記録回路12を介して領域104へ記録データUD_104を記録する。領域105以降への記録も同様に継続できる。
【0030】
領域110へ記録データUD_110を記録完了した時点で、図7(f)のように記録データUD_107を保持していた領域は開放されて未使用となる。しかし、記録データUD_118までの全ての記録データを既に受け取っているので、未記録領域がそのまま残される。
【0031】
領域115へ記録データUD_115を記録完了した時点では、続く領域116の終端の外側に隣接する領域119へ記録する記録データUD_119は記憶回路11に保持されていない(図2(g)の状態)。すなわち、記録領域に続く少なくとも1周分の記録データが記憶回路11に保持されていない。そこでコントローラは記録動作を一旦中断する。次に、記憶回路11に保持している最後の記録データUD_118を記録する領域118に続く少なくとも1周分の領域(領域119から領域121まで)を再生回路15にて再生する。得られる記録データUD_119から記録データUD_121を記憶回路11に保持する(図7(h))。この後に、記録回路12を介して、記憶回路11に保持している残りの記録データUD_116から記録データUD_118を領域116から領域118に記録し、全ての記録データの記録を完了する(図7(i))。全データの記録完了後は、記録データUD_116から記録データUD_121を記憶回路11から消去してもよい。
【0032】
予期せぬトラック外れが発生した場合の処理について、図4〜図6を追加して説明する。図4は、領域103への記録中に内側へトラック外れが発生した場合の光ビームの軌跡の一例を示す図である。図5は、領域103への記録中に外側へトラック外れが発生した場合の光ビームの軌跡の一例を示す図である。図6は、領域107への記録中に外側へトラック外れが発生した場合の光ビームの軌跡の一例を示す図である。
【0033】
まず、内側への予期せぬトラック外れが発生した場合の処理について説明する。図4のように、領域103への記録中に内側へトラック外れが発生すると、トラック外れ検出回路16は内側へのトラック外れが発生したことを検出する。トラック外れ検出回路16でトラック外れが発生したことを検出すると、コントローラは直ちに記録動作を停止する。ただし、トラック外れの検出には多少の検出遅れが伴うため、領域101の一部に対して記録を行なってしまい、領域101に記録されているデータを破壊してしまう場合がある。
【0034】
領域103への記録中に記憶回路11が保持するデータは図2(b)の状態であり、領域101に記録されていた記録データUD_101は記憶回路11に保持されている。コントローラは、記録データUD_101を領域101に記録する。これにより、上書きにより破壊された領域101を復元することができる。領域101の復元が完了すれば、コントローラは領域103への記録を再度実施する。
【0035】
次に、外側への予期せぬトラック外れが発生した場合の処理について説明する。図5のように、領域103への記録中に外側へトラック外れが発生すると、トラック外れ検出回路16は外側へのトラック外れが発生したことを検出する。トラック外れ検出回路16でトラック外れが発生したことを検出すると、コントローラは直ちに記録動作を停止する。ただし、トラック外れの検出には多少の検出遅れが伴うため、領域105の一部に対して記録を行なってしまい、領域105に記録されているデータを破壊してしまう場合がある。
【0036】
領域103への記録中に記憶回路11が保持するデータは図2(b)の状態であり、記録領域に続く少なくとも1周分の記録データが記憶回路11に保持されている。領域105はこれから記録を行なう領域であるから、領域105の復旧を行なう必要はなく、コントローラは領域103への記録を再度実施すればよい。
【0037】
さらに、外側への予期せぬトラック外れが発生した別の場合の処理について説明する。図6のように、領域106への記録中に外側へトラック外れが発生すると、トラック外れ検出回路16は外側へのトラック外れが発生したことを検出する。トラック外れ検出回路16でトラック外れが発生したことを検出すると、コントローラは直ちに記録動作を停止する。ただし、トラック外れの検出には多少の検出遅れが伴うため、領域109の一部に対して記録を行なってしまい、領域109に記録されているデータを破壊してしまう。
【0038】
領域106への記録中に記憶回路11が保持するデータは図2(d)の状態であり、記録領域に続く少なくとも1周分の未記録データが記憶回路11に保持されていない。領域109はこれから記録を行なう領域でないが、領域109に記録されていた記録データUD_109は記憶回路11に保持されている。コントローラは、記録データUD_109を領域109に記録する。これにより、上書きにより破壊された領域109を復元することができる。領域109の復元が完了すれば、コントローラは領域106への記録を再度実施する。
【0039】
このように、本実施の形態の光ディスク装置によれば、記録転送レートの低下を抑えつつ記録中の領域に隣接する内側及び外側の記録データを記憶回路に保持した状態で記録が実行できるため、記録中にトラック外れが発生して隣接トラックのデータ(隣接情報)を破壊してしまった場合にも、破壊されたデータを復旧可能な光ディスク装置が提供できる。
【0040】
なお、外部装置より送られてくる記録データは分割して送られてきても同様の効果が得られる。図8を用いてこれを説明する。図8は、記憶回路11が保持する記録データを示す図であり、斜線があるデータはディスク14に記録されている記録データ、斜線がないものはディスク14には記録されていない記録データを示す。
【0041】
ディスク14の領域103から領域118へ記録する記録データが、ディスク14の領域103から領域109、ディスク14の領域110から領域114、ディスク14の領域115から領域118の3つに分割して送られてくるとする。まず、ディスク14の領域103から領域109までの記録データを受け取った時、記憶回路11が保持する記録データは図8(a)のようになる。記憶回路11には、領域103に続く1周以上の記録データが保持されているので、領域110以降を再生せずとも領域103に記録を開始できる。次に、図8(b)に示すように、領域106への記録が完了する時点で、ディスク14の領域110から領域114への記録データが外部装置より送られてきて記憶回路11に保持されていれば、領域107以降も引き続き記録することができる。同様に、図8(c)に示すように、領域111への記録が完了する時点で、ディスク14の領域115から領域118への記録データが外部装置より送られてきて記憶回路11に保持されていれば、領域112以降も引き続き記録することができる。このように、外部装置より送られてくる記録データが分割して送られてきた場合でも、不要な再生動作をすることなく、記録中にトラック外れが発生して隣接トラックのデータを破壊してしまった場合にも、破壊されたデータが復旧可能となる。
【0042】
なお、記録開始前に再生して記録データを記憶回路11に保持すべき領域は、各領域の詳細な配置関係がわからなくても、演算により決定することができる。例えば、ディスク14が、各領域の長さが一定長LであるCLVフォーマットであるとする。これから記録する領域の半径位置をRとすると、1周に含まれる領域数Nは、N=2πR/Lである。N以上の最小の整数をMとすれば、記録開始領域に対してM領域手前までの領域の記録データを記憶回路11に保持すればよい。例えば、領域103が位置する半径での1周に含まれる領域数が約2.3であるとする。2.3以上の最小の整数は3である。従って、3領域手前まで、すなわち領域100から領域102までの記録データを記憶回路11に保持すればよい。
【0043】
なお、記録を一旦中断して記憶回路11に保持している最後の未記録データに続く領域を再生するかどうかの判断は、各領域の詳細な配置関係がわからなくても、記憶回路11に保持している連続した記録データ数より決定することができる。例えば、ディスク14が、各領域の長さが一定長LであるCLVフォーマットであるとする。これから記録する領域の半径位置をRとすると、1周に含まれる領域数Nは、N=2πR/Lである。N以上の最小の整数をMとすれば、記録開始領域に続くM領域先までの領域の記録データが記憶回路11に保持されていなければ、記憶回路11に保持している最後の未記録データ続く領域を再生すればよい。例えば、領域106が位置する半径での1周に含まれる領域数が約2.5であるとする。2.5以上の最小の整数は3である。従って、記録領域に続く3領域先まで、すなわち領域106から領域109までの記録データが記憶回路11に保持されていなければ、記憶回路11に保持している最後の未記録データ続く領域を再生すればよい。このとき、再生すべき領域数はMである。
【0044】
また、演算により1周に含まれる領域数Nを求める場合、ディスク14の個体差を考慮するとよい。ディスク14の物理的形状(例えば、領域の長さL等)はある程度の誤差が認められている。そこで、標準的な値を用いて求めた領域数Nに対して、実際の領域数よりも小さくならないよう、多少大きな値を用いるのがよい。例えば、領域の長さLを数%小さな値として計算してもよいし、標準的な値を用いて求めた領域数Nに所定の値を加えてもよい。
【0045】
なお、予期せぬトラック外れが発生した場合の修復処理は、記憶回路11に保持している全ての記録データをディスク14に記録した後に行なってもよい。この場合、修復すべきデータは修復処理が終わるまで記憶回路11に保持し続ければよい。
【0046】
なお、ディスク14が書き換え不可能な追記型ディスクにおいても適応可能である。追記型ディスクの場合、予期せぬトラック外れが発生した場合の修復処理において、上書きによるデータ修復の代わりに、スペア領域等の未使用の領域に記録位置を変更する、いわゆる交替処理を用いればよい。
【0047】
なお、予期せぬトラック外れが発生した場合の修復処理において、データを修復するための記録は、データを破壊した可能性のある領域を再生回路15により再生し、復旧が必要であると判断した場合のみ行なってもよい。復旧必要性の判断(例えば、破壊量が所定値以上であるか否か)は、再生データと記憶回路11に保持しているデータを比較して不一致データ量により行なってもよいし、再生時に誤り訂正が可能か否かにより行なってもよい。再生時に誤り訂正が可能であった場合においても、誤りデータ量が所定数以上の場合にはデータを復旧するのがよい。再生時に誤り訂正が可能であった場合には、記憶回路11に保持している記録データではなく、誤り訂正を行なった結果得られる記録データを記録することによっても修復が可能である。また、再生時に再生回路15へ入力される再生信号の振幅低下部分の長さ等を用いてもよい。
【0048】
このようにすることで、修復の必要がある領域に対してのみ記録を行なうことができ、同一領域に対する記録回数を不用意に増加させることがない。またディスク14が追記型である場合には、不要な交代記録を実施せずにすむため、スペア領域の減少を最小限にすることができる。
【0049】
なお、トラック外れ検出回路16がトラック外れは検出するがその方向までは検出しない場合、トラック外れが発生した領域の内周および外周に隣接する領域を再生回路15により再生し、復旧が必要である(例えば、破壊量が所定値以上である)と判断した領域に対して修復処理を行なえばよい。このとき、記憶回路11にトラック外れが発生した領域の外周に隣接する領域の記録データがまだ記録されずに保持されている場合、外周側の確認は省略してもよい。
【0050】
なお、全データの記録完了後は最後に記録した記録データの少なくとも1周分を、記憶回路11に保持したままにしてもよい。光ディスクの場合、既に記録完了した領域に対してデータが追記されることが多いため、記録開始前の再生動作を省略できる場合がある。特に追記型の光ディスクに対してより有用である。例えば図7において、全データの記録が完了した図7(i)の状態において、記録データUD_119から記録データUD_121は破棄し、記録データUD_116から記録データUD_118を記憶回路11に保持したままにしておく。すると、外部装置より領域121への記録データが送られてきた場合、記録データUD_116から記録データUD_118を再生回路15により再生する手順を省略することができる。
【0051】
また、図9に示すように、記憶回路11とは別に境界データ記憶回路20を別途設けてもよい。図9本実施の形態1の光ディスク装置の構成を示すブロック図であり、20は境界データ記憶回路。図9において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0052】
この場合、全データの記録が完了したら、記録終了点の直前1周分の記録データを、記憶回路11から境界データ記憶回路20へ出力する。予期せぬトラック外れが発生した場合には、境界データ記憶回路20より復旧すべき記録データを記憶回路11へ出力し、復旧すればよい。また、記録開始点の直後1周分の記録データを記憶回路11もしくは境界データ記憶回路20に保持し続けてもよい。例えば図7(b)において、記録データUD_103から記録データUD_105を保持し続けていれば、例えば外部装置から、領域100から領域102への記録データが送られてきた場合、領域102に続く少なくとも1周分の再生処理を省略することができる。
【0053】
また、記録終了点の直後1周分の記録データおよび記録開始点の直後1周分の記録データを記憶回路11もしくは境界データ記憶回路20に保持し続ける場合、記録終端と記録始端が同じとなる記録データが保持されている場合、そのデータを削除することができる。図10を用いてこれを説明する。図10は、境界データ記憶回路20が保持する記録データを示す図である。例えば、領域103から領域110までの記録領域Aに対して記録が行なわれ、記録領域Aの始端の記録データUD_103から記録データUD_105と、記録領域Aの終端の記録データUD_108から記録データUD_110が境界データ記憶回路20に保持されている状態で、領域111から領域118までの記録領域Bに対して記録が行なわれたとする。この場合、記録領域Bの始端の記録データUD_111から記録データUD_113と、記録領域Bの終端の記録データUD_116から記録データUD_118が境界データ記憶回路20に保持されると、境界データ記憶回路20に保持される記録データは図10のようになる。しかし、記録領域Aの記録終端と記録領域Bの記録始端は同一であり、記録領域Aの記録終端と記録領域Bの記録始端として保持されている記録データは1つの連続領域のデータとなる。この部分の記録データは、新たな記録動作時に記録領域に隣接する領域とはなりえないので、境界データ記憶回路20から削除することができる。また、境界データ記憶回路20に不揮発メモリを用いれば、電源が遮断されても、境界データを保持し続けることができる。
【0054】
なお、外部装置より送られてくる記録データ数よりも記憶回路11が保持できる記録データ数が多く、外部装置より送られてくる記録データと記録開始部分より内側の少なくとも1周分と記録終了部分より外側の少なくとも1周分の記録データを記憶できる場合には、記録開始部分より内側の少なくとも1周分と記録終了部分より外側の少なくとも1周分を再生回路15により再生し、記録開始部分より内側の少なくとも1周分と記録終了部分より外側の少なくとも1周分の記録データを記憶回路11に保持してから、外部装置より送られてきた記録データをディスク14に記録してもよい。
【0055】
なお、再生回路15により再生する記録開始部分より内側の少なくとも1周分および記録領域に続く少なくとも1周分の領域については、その領域がデータ領域として有効か無効かに関わらず再生すればよい。このうち、無効であることがわかる領域については、復元対象の領域となった場合であっても復元を行なわなくてよい。例えば、再生回路15へ入力される再生信号に十分な振幅がない領域、再生した結果正しく記録データが取得できなかった領域、交替記録の交替元である領域、等は無効領域であると判定すればよく、他の方法により無効領域を判断してもよい。また、交替記録の交替元や他の方法により無効と判断できる領域については、再生によるデータ取得を行なわなくてもよい。
【0056】
以上のように、実施の形態1における情報記録装置は、主に下記の構成を有している。
【0057】
すなわち、実施の形態1における情報記録装置は、記憶手段と、記録手段と、トラック外れ検出手段とを備えている。情報記録装置は、記憶手段に保持した記録情報を記録手段を介して、螺旋状もしくは同心円状に領域が配置された記録媒体に記録する。そして、情報記録装置は、記録情報を記録している際にトラック外れ検出手段がトラック外れを検出したとき、記憶手段に保持した修復情報を用いて、記録情報を記録していた領域に隣接する領域に記録されている隣接情報を修復する。このとき、情報記録装置は、修復情報を記憶手段に保持した状態で記録情報を記録媒体に記録する。
【0058】
この構成によれば、記録中にトラック外れが発生して隣接領域(例えば、隣接トラック)の記録済みデータを上書きなどで破壊したとしても、記憶回路に保持したデータを用いて隣接領域の記録済みデータを復旧することができる。
【0059】
また、実施の形態1における情報記録装置は、記録媒体に記録済みの記録情報を、記録済みの記録情報に続く1周分の記録情報が記録完了するまで、修復情報として記憶手段に保持しても良い。
【0060】
さらに、当該記録済みの記録情報を保持する記憶手段は、不揮発メモリで構成されても良い。
【0061】
また、実施の形態1における情報記録装置においては、記録手段は、次に記録する1ブロックの記録情報に続く1周分の記録情報を、修復情報として記憶手段に保持した状態で、当該1ブロックの記録情報を記録媒体に記録しても良い。
【0062】
また、実施の形態1における情報記録装置は、記録媒体に記録された情報を読み出す再生手段を備えていても良い。このとき、情報記録装置は、記憶手段に保持した修復情報が1周分に満たない場合、再生手段を介して記録媒体から1周分に不足する部分の隣接情報を読み出し修復情報に加え、記憶手段に修復情報を1周分保持させても良い。
【0063】
また、実施の形態1における情報記録装置は、記録媒体に記録された情報を読み出す再生手段を備え、トラック外れ検出手段がトラック外れを検出したとき、記録情報を記録していた領域に隣接する領域の隣接情報を再生手段により読み出し、隣接情報の破壊量を計測し、破壊量が所定値以上である場合、隣接情報を修復しても良い。
【0064】
さらに、当該隣接情報の修復は、隣接する領域が有効領域の場合にのみ行っても良い。なお、この「有効領域」とは、例えば、前述した「無効領域」ではない領域である。
【0065】
さらに、当該隣接する領域の破壊量の計測は、隣接する領域が有効領域の場合にのみ行なっても良い。
【0066】
また、実施の形態1における情報記録装置は、トラック外れ検出手段がトラック外れを検出したとき、記録情報に続く1周分の修復情報のうち、記憶手段に記録が完了していない記録情報を保持している領域以外に対して、隣接情報を修復しても良い。
【0067】
(実施の形態2)
図11および図12を用いて、本発明の実施の形態2における光ディスク装置について説明する。図11において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0068】
図11は本実施の形態2の光ディスク装置の構成を示すブロック図であり、21はアドレス検出回路である。図12は、トラック外れ検出回路16でのトラック外れ検出の説明図であり、91はトラッキング誤差信号、92は第1の閾値、93は第2の閾値である。
【0069】
光ピックアップ13は、光ディスク14のトラックの蛇行形状に対応したウォブル信号をアドレス検出回路21へ出力する。アドレス検出回路21は、光ピックアップ13より入力されるウォブル信号より、ディスク14へトラックの蛇行形状により記録されているアドレス情報を検出する。
【0070】
トラック外れ検出回路16では、トラッキング誤差信号91が所定の閾値以上となった時にトラック外れを検出する。すなわち、トラック外れ検出回路16は、トラッキング誤差信号に基づくトラック外れ指標値と事前に設定された閾値とを比較監視する機能を備える。この閾値は、低く設定する程トラック外れを早く検出することができ、検出遅れが短くなる。検出遅れが短くなれば、破壊されるデータ量も少なくなる。トラック外れ時に破壊されたデータがあるとその修復に時間がかかり、記録転送レート低下の一要因となる。従って第1の閾値92は、トラック外れ時にデータが破壊されないように、もしくは破壊されたとしても誤り訂正により復元可能な範囲に収まるよう設定するのがよい。また、トラッキング誤差信号91に振幅変動がありピーク値が下がった場合にでも漏れなくトラック外れを検出することが出来る。
【0071】
例えば図12において、区間Bの部分でトラック外れが発生しているとする。区間Bではトラッキング誤差信号91が大きく変化している。区間B通過後は隣接トラックを光ビームが走査している。閾値を第1の閾値92とした場合、区間Bでのトラッキング誤差信号91の振幅が少し小さくなった場合にでもトラッキング外れを検出することができる。しかし、閾値を第2の閾値93とした場合には、区間Bでのトラッキング誤差信号91の振幅が少し小さくなった場合にはトラッキング外れを検出できない恐れがある。
【0072】
次に図12の区間Aでのトラック外れ検出回路16の動作について説明する。区間Aでトラッキング誤差信号91に変動が発生している。しかし、トラック外れが発生する程ではないとする。閾値を第1の閾値92とした場合には、区間Aでのトラッキング誤差信号91の振幅が閾値ラック外れ検出回路16はトラック外れを検出する。しかし、区間Aでは実際にはトラック外れは発生していないため、この検出は誤検出となる。記録動作時にトラック外れが検出されるとコントローラはすぐに記録動作を停止する。記録動作を停止した領域に対しては記録が完了していないため、コントローラは再度記録動作を実行する。ここで、区間Aで発生したトラッキング誤差信号91の変動は、ディスク14の表面に傷が付いたことによるものであるとする。すると、再度区間Aを記録する時にもトラッキング誤差信号91に変動が発生する。このため、トラック外れ検出回路16がトラック外れを誤検出し、区間Aを含む記録領域への記録が完了できなくなってしまう。
【0073】
そこで、同じ場所でトラック外れが何度も検出される場合には、トラック外れ検出回路16の閾値を例えば第2の閾値93のように第1の閾値92よりも緩い値に変更する。閾値を第2の閾値93とした場合、区間Aでのトラッキング誤差信号91の振幅は閾値よりも小さいため、トラック外れ検出回路16はトラック外れを検出しない。しかし、もし外部からの衝撃など他の要因によるトラック外れが発生した場合にトラック外れが検出されない恐れがある。そこで、記録トラックに隣接する記録領域の記録データを記憶回路11に保持してから記録を行なえばよい。記録トラックに隣接する記録領域の記録データの保持は、例えば実施の形態1で示した方法を用いてもよいし、既知の他の方法を用いてもよい。
【0074】
トラック外れ検出回路16の閾値を緩い値に変更しトラック外れが発生した場合、トラック外れ検出回路16でトラック外れを検出することができなくても、アドレス検出回路21によりトラック外れを検出することができる。ディスク14に記録されているアドレス情報は、各領域に対して所定の法則で割り当てられている。多くの場合、領域が進むにつれ単調増加する番号がアドレス情報として割り当てられている。従って、アドレス検出回路21により検出されたアドレス情報が所定の法則にあてはまらならない場合や、所定の時間を経過してもアドレス情報が検出されない場合には、トラック外れが発生したとしてコントローラが記録動作を停止することができる。特にアドレス検出回路21により検出されたアドレス情報が所定の法則にあてはまらならない場合、それが期待されるアドレス情報よりも小さければ内側へのトラックジャンプ、期待されるアドレス情報よりも大きければ外側へのトラックジャンプと判断することもできる。
【0075】
ただし、アドレス情報を用いたトラック外れ判定には大きな検出遅れが発生するので、隣接する領域の記録データは少なからず破壊されることとなる。しかし記憶回路11に隣接する領域の記録データが保持されているので、実施の形態1で説明した方法を用いることで破壊された記録データを復元することができる。
【0076】
ここで、図13、図14および図15を用いて、ディスク14の領域103から領域118へ記録データを記録する際に、領域104、領域108、領域117それぞれにおいて傷によるトラッキング誤差信号91の変動が発生し、トラック外れが検出された場合の具体的な動作について説明する。ただし各領域におけるトラッキング誤差信号91の変動は、トラック外れが発生するほどではないものとする。図13から図15は、記憶回路11が保持する記録データを示す図である。
【0077】
いずれの場合においても、領域103へ記録する記録データ(UD_103)を外部装置より受け取り、記憶回路11に保持する。コントローラは、トラック外れ検出回路16の閾値を第1の閾値92に設定し記録を開始する。記録が完了した記録データについては、実施の形態1と同様に引き続き記録する領域の始端より内側の少なくとも1周分を記憶回路11に保持しておけばよい。また、外部装置より受け取る記録データは、引き続き記録する領域の始端より内側の少なくとも1周分の未使用領域が記憶回路11に残るように受け取ればよい。
【0078】
まず、領域104への記録中にトラッキング誤差信号91の変動によりトラック外れが検出された場合について説明する。領域104への記録中に、ディスク14に付いた傷によりトラック外れ検出回路16がトラック外れを検出し、コントローラは直ちに記録動作を停止する。この時点で記憶回路11に保持されている記録データは図13(a)のようになる。コントローラは、領域104の始端より内側の少なくとも1周分、すなわち記録データUD_101から記録データUD_103を記憶回路11に保持するために、領域101から領域102を再生回路15により再生し記録データUD_101から記録データUD_102を記憶回路11に保持する。この時点で記憶回路11に保持されている記録データは図13(b)のようになる。領域104の終端より外側の少なくとも1周分、すなわち記録データUD_105から記録データUD_107は記憶回路11に保持しているため、ディスク14より取得する必要はない。コントローラは、トラック外れ検出回路16の閾値を第1の閾値92よりも緩い第2の閾値93に設定し、領域104への記録を開始する。領域104への記録が完了すれば、領域105以降への記録を継続する。トラック外れ検出回路16の閾値は、領域104への記録が完了後に第1の閾値92へ戻せばよい。
【0079】
次に、領域108への記録中にトラッキング誤差信号91の変動によりトラック外れが検出された場合について説明する。領域108への記録中に、ディスク14に付いた傷によりトラック外れ検出回路16がトラック外れを検出し、コントローラは直ちに記録動作を停止する。この時点で記憶回路11に保持されている記録データは図14のようになる。領域108の始端より内側の少なくとも1周分および領域108の終端より外側の少なくとも1周分の記録データは記憶回路11に保持されているため、ディスク14より取得する必要はない。コントローラは、トラック外れ検出回路16の閾値を第1の閾値92よりも緩い第2の閾値93に設定し、領域108への記録を開始する。領域108への記録が完了すれば、領域109以降への記録を継続する。トラック外れ検出回路16の閾値は、領域109への記録が完了後に第1の閾値92へ戻せばよい。
【0080】
さらに、領域117への記録中にトラッキング誤差信号91の変動によりトラック外れが検出された場合について説明する。領域117への記録中に、ディスク14に付いた傷によりトラック外れ検出回路16がトラック外れを検出し、コントローラは直ちに記録動作を停止する。この時点で記憶回路11に保持されている記録データは図15(a)のようになる。コントローラは、領域117の終端より外側の少なくとも1周分、すなわち記録データUD_118から記録データUD_121を記憶回路11に保持するために、領域119から領域121を再生回路15により再生し記録データUD_119から記録データUD_121を記憶回路11に保持する。この時点で記憶回路11に保持されている記録データは図15(b)のようになる。領域117の始端より内側の少なくとも1周分の記録データは記憶回路11に保持しているため、ディスク14より取得する必要はない。コントローラは、トラック外れ検出回路16の閾値を第1の閾値92よりも緩い第2の閾値93に設定し、領域117への記録を開始する。領域117への記録が完了すれば、領域118への記録を継続する。トラック外れ検出回路16の閾値は、領域117への記録が完了後に第1の閾値92へ戻せばよい。
【0081】
このように、本実施の形態の光ディスク装置によれば、記録転送レートの低下および記録中のトラック外れによるデータ消失を防ぎつつ、毎回トラッキング誤差信号の変動が発生する場所にも記録が可能な光ディスク装置が提供できる。
【0082】
なお、トラック外れ検出回路16に設定する閾値は、記憶回路11に保持される記録データにより切り替えてもよい。記録する領域の始端より内側の少なくとも1周分および記録する領域の終端より外側の少なくとも1周分の記録データが記憶回路11に保持されている場合には第2の閾値93を、それ以外の場合には第1の閾値92を設定すればよい。特にディスク14が追記型ディスクの場合には、交替記録により使用されるスペアエリアの消費を少なくすることができる。追記型ディスクでは、トラック外れ検出回路16がトラック外れを検出し、コントローラが記録動作を停止した記録領域については記録データを再記録することができない。再記録する記録データはスペアエリアに交替記録される。スペアエリアを使い切った場合、そのディスクは記録禁止とされる場合がある。トラック外れが頻繁に誤検出されると再記録のための交替記録によりスペアエリアの空き領域が減少する。第2の閾値93を設定する区間が多くなる程、トラック外れの誤検出回数を少なくすることができるので、スペアエリアの消費を少なくすることができる。
【0083】
なお、トラック外れ検出回路16がトラック外れを検出した際のコントローラの動作を、記憶回路11に保持される記録データにより切り替えてもよい。ここで、トラック外れ検出回路16に設定する閾値は第1の閾値92とする。トラック外れ検出回路16がトラック外れを検出した際、記録している領域の始端より内側の少なくとも1周分および記録している領域の終端より外側の少なくとも1周分の記録データが記憶回路11に保持されている場合には、コントローラは記録動作を停止させずに継続し、記録している領域とその隣接領域の記録データを記憶回路11に保持し続けるようにし、さらにトラック外れを検出した時に記録していた領域の番号を記憶しておく。全ての記録データを記録完了した後に、記憶しておいたトラック外れを検出した時に記録していた領域とそれに隣接する領域の記録データに破壊がないかを確認する。破壊があった場合には、記憶回路11に保持し続けた記録データを用いて復旧する。トラック外れ検出回路16がトラック外れを検出した際、記録している領域の始端より内側の少なくとも1周分および記録している領域の終端より外側の少なくとも1周分の記録データが記憶回路11に保持されていない場合には、コントローラは記録動作を停止させる。このように、まず記録動作を完了させてから記録データの破壊を確認および復旧をすることで、外部装置より受け取った記録データを逸早くディスク14に記録することができ、停電などにより記録データを消失する可能性を低減することができる。
【0084】
なお、図12においては閾値が基準点に対して上側に設定されている場合を例に説明したが、下側にも同様に閾値を設定すればよい。このとき、閾値の大きさは上側と同じにしてもよいし、図16のように異ならせてもよい。図16は、トラック外れ検出回路16でのトラック外れ検出の説明図であり、91はトラッキング誤差信号、93は第2の閾値、94は第3の閾値である。例えば、トラッキング誤差信号91が第2の閾値93を超えることにより外側へのトラック外れを検出し、第3の閾値94を超えることにより内側へのトラック外れを検出するとする。ここで第3の閾値94は、第1の閾値92のように隣接する領域の記録データを破壊することがないような値とする。このような設定とすれば、連続した領域に記録データを記録する場合に既に記録済みの領域をトラック外れにより破壊することなく、なおかつ外側へのトラック外れの誤検出を減らすことができる。また第2の閾値93を、記憶回路11に記録する領域の終端より外側の少なくとも1周分が保持されていない場合にはトラック外れにより隣接領域のデータが破壊されない厳しい値に、保持されている場合には誤検出が減少する緩い値に設定してもよい。第3の閾値94も同様に、記憶回路11に記録する領域の始端より内側の少なくとも1周分が保持されていない場合にはトラック外れにより隣接領域のデータが破壊されない厳しい値に、保持されている場合には誤検出が減少する緩い値に設定してもよい。
【0085】
以上のように、実施の形態2における情報記録装置は、構成の一例として、主に下記の構成を有している。
【0086】
すなわち、実施の形態2における情報記録装置は、記憶手段と、記録手段と、トラック外れ検出手段とを備えている。情報記録装置は、記憶手段に保持した記録情報を記録手段を介して、螺旋状もしくは同心円状に領域が配置された記録媒体に記録する。そして、情報記録装置は、記録情報を記録している際にトラック外れ検出手段がトラック外れを検出したとき、記憶手段に保持した修復情報を用いて、記録情報を記録していた領域に隣接する領域に記録されている隣接情報を修復する。さらに、トラック外れ検出手段は、トラッキング誤差信号に基づくトラック外れ指標値と事前に設定された閾値とを比較監視する機能を備えている。当該閾値には少なくとも、トラック外れ検出漏れのない厳しい第1の値と、第1の閾値よりも緩い第2の値と、が選択的に設定可能である。このとき、情報記録装置は、当該閾値に第2の値が設定されている場合、修復情報を記憶手段に保持した状態で記録情報を記録媒体に記録する。
【0087】
この構成によれば、記録転送レートの低下および記録中のトラック外れによるデータ消失を防ぎつつ、毎回トラッキング誤差信号の変動が発生する場所でも記録ができる。
【0088】
また、記録媒体の領域には記録方向に対して単調増加するようにアドレス番号が割り当てられている場合、実施の形態2における情報記録装置において、トラック外れ検出手段はアドレス番号が小さくなる側へのトラック外れを検出しても良い。このとき、情報記録装置は、閾値に第2の値が設定されている場合、記録情報が記録される領域に隣接する、記録情報を記録するアドレス番号よりも小さいアドレス番号が割り当てられた領域の隣接情報を修復情報として記憶手段に保持した状態で、記録情報を記録媒体に記録しても良い。
【0089】
また、記録媒体の領域には記録方向に対して単調増加するようにアドレス番号が割り当てられている場合、実施の形態2における情報記録装置において、トラック外れ検出手段はアドレス番号が大きくなる側へのトラック外れを検出しても良い。このとき、情報記録装置は、閾値に第2の値が設定されている場合、次に記録する1ブロックの記録情報が記録される領域に隣接する、1ブロックの記録情報が記録される領域のアドレス番号よりも大きいアドレス番号が割り当てられた領域に記録する記録情報を修復情報として記憶手段に保持した状態で、1ブロックの記録情報を記録媒体に記録しても良い。
【0090】
また、実施の形態2における情報記録装置は、構成の別の一例として、主に下記の構成を有している。
【0091】
すなわち、実施の形態2における情報記録装置は、記憶手段と、記録手段と、トラック外れ検出手段とを備えている。情報記録装置は、記憶手段に保持した記録情報を記録手段を介して、螺旋状もしくは同心円状に領域が配置された記録媒体に記録する。そして、情報記録装置は、記録情報を記録している際にトラック外れ検出手段がトラック外れを検出したとき、記憶手段に保持した修復情報を用いて、記録情報を記録していた領域に隣接する領域に記録されている隣接情報を修復する。このとき、情報記録装置は、修復情報を記憶手段に保持した状態で記録情報を記録媒体に記録する。さらに、トラック外れ検出手段は、トラッキング誤差信号に基づくトラック外れ指標値と事前に設定された閾値とを比較監視する機能を備えている。当該閾値には少なくとも、トラック外れ検出漏れのない厳しい第1の値と、第1の値より緩い第2の値と、が選択的に設定可能である。このとき、情報記録装置は、修復情報を記憶手段に保持した状態で記録情報を記録媒体に記録する場合、閾値に第2の値を設定する。
【0092】
また、記録媒体の領域には記録方向に対して単調増加するようにアドレス番号が割り当てられている場合、実施の形態2における情報記録装置において、トラック外れ検出手段はアドレス番号が小さくなる側へのトラック外れを検出しても良い。このとき、情報記録装置は、記録情報が記録される領域に隣接する、記録情報が記録される領域のアドレス番号よりも小さいアドレス番号が割り当てられた領域の隣接情報を修復情報として記憶手段に保持した状態で記録情報を記録媒体に記録する場合、閾値に第2の値を設定しても良い。
【0093】
また、記録媒体の領域には記録方向に対して単調増加するようにアドレス番号が割り当てられている場合、実施の形態2における情報記録装置において、トラック外れ検出手段はアドレス番号が大きくなる側へのトラック外れを検出しても良い。このとき、情報記録装置は、次に記録する1ブロックの記録情報が記録される領域に隣接する、1ブロックの記録情報が記録される領域のアドレス番号よりも大きいアドレス番号が割り当てられた領域に記録する記録情報を修復情報として記憶手段に保持した状態で、1ブロックの記録情報を記録媒体に記録する場合、閾値に第2の値を設定しても良い。
【0094】
なお、本実施の形態1および2において、トラック外れ検出回路におけるトラック外れ検出方法は、トラッキング誤差信号が閾値を越えた場合にトラック外れを検出するとしたが、これ以外の検出方法を用いてもよい。例えば、トラッキング誤差信号が閾値を越えた時間が所定時間以上かどうかで検出してもよいし、これ以外の既知の他の方法を使ってもよい。
【0095】
なお、本実施の形態1および2において、ディスク14に記録する記録データは外部装置から送られてくるとして説明したが、光ディスク装置内で生成される記録データについても適応可能である。光ディスク装置内で生成される記録データとしては、例えば交替記録の位置等を持っている交替情報などがある。
【0096】
なお、本実施の形態1および2において、記録データが記憶回路11に保持されるとして説明したが、記録データに変換可能な中間的なデータ形態を記憶回路11に保持してもよい。図17および図18を用いて詳しく説明する。図17は、図1に示した光ディスク装置の構成を示すブロック図において、記録回路12の構成をより詳細にしたブロック図である。17は符号化回路、18は変調回路、19はレーザ駆動回路であり、符号化回路17、変調回路18、駆動回路19により記録回路12が構成されている。図18は記憶回路11が保持するデータを示す図である。
【0097】
記録動作について詳しく説明する。記憶回路11は、外部装置から送られてくる記録データを保持する。コントローラの符号化指示により、記憶回路11は保持している記録データを符号化回路17へ出力する。符号化回路17は、記憶回路11より入力される記録データに対して誤り訂正符号化やインターリーブ処理等の符号化処理を行なった符号化データを生成し、記憶回路11へ出力する。記憶回路11は、符号化回路17より入力される符号化データを保持する。また、コントローラの変調指示により、記憶回路11は保持している符号化データを変調回路18へ出力する。変調回路18は、記憶回路11より入力される符号化データより、ランレングス制限をしたデータ変換や同期信号の付加等の変調処理を行なった2値データを生成し、記憶回路11へ出力する。記憶回路11は、変調回路18より入力される2値データを保持する。また、コントローラの発光指示により、記憶回路11は保持している2値データを駆動回路19へ出力する。レーザ駆動回路19は、記憶回路11より入力される2値データに従い、レーザを駆動する駆動信号を光ピックアップ13へ出力する。光ピックアップ13は、レーザ駆動回路19より入力される駆動信号に従い光ディスク14の指定された領域に光ビームを照射し、マーク及びスペースを生成する。
【0098】
このように、記録データは符号化データや2値データなどの中間的なデータ形態を経由するので、これらを記憶回路11で保持してもよい。例えば、外部装置より記録データを受け取った後、直ちに符号化処理と変調処理を実施し記録データを2値データの形態に変換して保持する。その後、コントローラの記録指示により、2値データをレーザ駆動回路19へ出力すればよい。
【0099】
また、複数のデータ形態が混在した状態で記憶回路11に保持してもよい。例えば図18に示すように、記録直前の記録データはUD_103を2値データに変換したBIN_103として保持し、その次に記録するデータはUD_104を符号化データに変換したECC_104として保持し、それ以外のデータは記録データ形式のままで保持してもよい。
【0100】
なお、本実施の形態1および2において、トラック外れの検出はトラック外れ検出回路16で行なう代わりに、記録終了後に記録領域を再生して再生エラーがないことを確認するベリファイ動作や、再生したデータが記録したデータと一致することを確認するコンペア動作により行なうこともできる。ベリファイを行なう場合、ベリファイ結果がエラーと判定された領域でトラック外れが発生したと判定してもよい。コンペアを行なう場合、所定量以上のデータが不一致であった場合、その不一致区間でトラック外れが発生したと判定することができる。また、ベリファイもしくはコンペアを行なう場合、記録データは記録終了後も記憶回路11に保持し続け、ベリファイもしくはコンペアが完了した時点を実施の形態1および2で説明した記録完了として扱えばよい。
【0101】
なお、本実施の形態1および2において、ディスク14の領域は、内側から外側へ向かう螺旋状に配置されているとしたが、領域が外側から内側へ向かう螺旋状に配置されていてもよく、内側と外側を読みかえればよい。また、領域は同心円状に配置されていてもよい。ディスク14に記録されているアドレス情報は、領域が進むにつれ単調減少する番号がアドレス情報として割り当てられていてもよい。
【0102】
なお、本実施の形態1および2において、記憶回路11に保持する記録データは記録する領域の始端より内側の少なくとも1周分、終端より外側の少なくとも1周分として説明したが、記憶回路11に十分な容量があれば2周分、3周分と増やしてもよい。保持する記録データ数を増やせば、より信頼性を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明にかかる情報記録装置は、隣接領域の情報を記憶回路に保持してから記録を実施することで記録中に隣接領域の情報が破壊された場合にでも復旧することが可能となり、データの信頼性を高めることができ、データストレージ等として有用である。
【符号の説明】
【0104】
11 記憶回路
12 記録回路
13 光ピックアップ
14 ディスク
15 再生回路
16 トラック外れ検出回路
17 符号化回路
18 変調回路
19 レーザ駆動回路
20 境界データ記憶回路
21 アドレス検出回路
91 トラッキング誤差信号
92 第1の閾値
93 第2の閾値
94 第3の閾値
100〜123 領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段と、記録手段と、トラック外れ検出手段とを備え、
前記記憶手段に保持した記録情報を前記記録手段を介して、螺旋状もしくは同心円状に領域が配置された記録媒体に記録し、前記記録情報を記録している際に前記トラック外れ検出手段がトラック外れを検出したとき、前記記憶手段に保持した修復情報を用いて前記記録情報を記録していた領域に隣接する領域に記録されている隣接情報を修復する情報記録装置であって、
前記修復情報を前記記憶手段に保持した状態で前記記録情報を前記記録媒体に記録することを特徴とする情報記録装置。
【請求項2】
前記記録媒体に記録済みの記録情報を、前記記録済みの記録情報に続く1周分の記録情報が記録完了するまで、前記修復情報として前記記憶手段に保持することを特徴とする、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項3】
前記記録済みの記録情報を保持する前記記憶手段は、不揮発メモリで構成されることを特徴とする、請求項2に記載の情報記録装置。
【請求項4】
前記記録手段は、次に記録する1ブロックの記録情報に続く1周分の記録情報を前記修復情報として前記記憶手段に保持した状態で、前記1ブロックの記録情報を前記記録媒体に記録することを特徴とする、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項5】
前記記録媒体に記録された情報を読み出す再生手段を備え、
前記記憶手段に保持した前記修復情報が1周分に満たない場合、
前記再生手段を介して前記記録媒体から1周分に不足する部分の隣接情報を読み出し修復情報に加え、前記記憶手段に前記修復情報を1周分保持するとを特徴とする、請求項4に記載の情報記録装置。
【請求項6】
前記記録媒体に記録された情報を読み出す再生手段を備え、
前記トラック外れ検出手段がトラック外れを検出したとき、前記記録情報を記録していた領域に隣接する領域の隣接情報を前記再生手段により読み出し、前記隣接情報の破壊量を計測し、前記破壊量が所定値以上である場合、前記隣接情報を修復することを特徴とする、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項7】
前記隣接情報の修復は、前記隣接する領域が有効領域の場合にのみ行なうことを特徴とする、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項8】
前記隣接する領域の破壊量の計測は、前記隣接する領域が有効領域の場合にのみ行なうことを特徴とする、請求項6に記載の情報記録装置。
【請求項9】
前記トラック外れ検出手段がトラック外れを検出したとき、
前記記録情報に続く1周分の修復情報のうち、前記記憶手段に記録が完了していない記録情報を保持している領域以外に対して、前記隣接情報を修復することを特徴とする、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項10】
前記トラック外れ検出手段は、トラッキング誤差信号に基づくトラック外れ指標値と事前に設定された閾値とを比較監視する機能を備え、
前記閾値には少なくとも、トラック外れ検出漏れのない厳しい第1の値と、前記第1の閾値よりも緩い第2の値と、が選択的に設定可能であって、
前記閾値に前記第2の値が設定されている場合、前記修復情報を前記記憶手段に保持した状態で前記記録情報を前記記録媒体に記録することを特徴とする、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項11】
前記記録媒体の前記領域には記録方向に対して単調増加するようにアドレス番号が割り当てられ、
前記トラック外れ検出手段は前記アドレス番号が小さくなる側へのトラック外れを検出し、
前記閾値に前記第2の値が設定されている場合、
前記記録情報が記録される領域に隣接する、前記記録情報を記録するアドレス番号よりも小さいアドレス番号が割り当てられた領域の隣接情報を前記修復情報として前記記憶手段に保持した状態で前記記録情報を前記記録媒体に記録することを特徴とする、請求項10に記載の情報記録装置。
【請求項12】
前記記録媒体の前記領域には記録方向に対して単調増加するようにアドレス番号が割り当てられ、
前記トラック外れ検出手段は前記アドレス番号が大きくなる側へのトラック外れを検出し、
前記閾値に前記第2の値が設定されている場合、
次に記録する1ブロックの記録情報が記録される領域に隣接する、前記1ブロックの記録情報が記録される領域のアドレス番号よりも大きいアドレス番号が割り当てられた領域に記録する記録情報を前記修復情報として前記記憶手段に保持した状態で前記1ブロックの記録情報を前記記録媒体に記録することを特徴とする、請求項10に記載の情報記録装置。
【請求項13】
前記トラック外れ検出手段は、トラッキング誤差信号に基づくトラック外れ指標値と事前に設定された閾値とを比較監視する機能を備え、
前記閾値には少なくとも、トラック外れ検出漏れのない厳しい第1の値と、前記第1の値より緩い第2の値と、が選択的に設定可能であって、
前記修復情報を前記記憶手段に保持した状態で前記記録情報を前記記録媒体に記録する場合、前記閾値に前記第2の値を設定することを特徴とする、請求項1に記載の情報記録装置。
【請求項14】
前記記録媒体の前記領域には記録方向に対して単調増加するようにアドレス番号が割り当てられ、
前記トラック外れ検出手段は前記アドレス番号が小さくなる側へのトラック外れを検出し、
前記記録情報が記録される領域に隣接する、前記記録情報が記録される領域のアドレス番号よりも小さいアドレス番号が割り当てられた領域の隣接情報を前記修復情報として前記記憶手段に保持した状態で前記記録情報を前記記録媒体に記録する場合、
前記閾値に前記第2の値を設定することを特徴とする、請求項13に記載の情報記録装置。
【請求項15】
前記記録媒体の前記領域には記録方向に対して単調増加するようにアドレス番号が割り当てられ、
前記トラック外れ検出手段は前記アドレス番号が大きくなる側へのトラック外れを検出し
次に記録する1ブロックの記録情報が記録される領域に隣接する、前記1ブロックの記録情報が記録される領域のアドレス番号よりも大きいアドレス番号が割り当てられた領域に記録する記録情報を前記修復情報として前記記憶手段に保持した状態で前記1ブロックの記録情報を前記記録媒体に記録する場合、
前記閾値に前記第2の値を設定することを特徴とする、請求項13に記載の情報記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−93073(P2013−93073A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233490(P2011−233490)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】