説明

情報読取システム、情報読取方法及び情報読取プログラム

【課題】複数のICタグから記憶情報を一括して読み取る際の読み取り率を向上させることのできる情報読取システム、情報読取方法及び情報読取プログラムを得る。
【解決手段】各々異なる識別情報が記憶され、かつ当該識別情報が無線にて読み取り可能に構成されたICタグ36が設けられた複数の試薬瓶34が収容されたコンテナ32を、指向性を有し、かつICタグ36から前記識別情報を読み取るためのアンテナによる当該コンテナ32に収容された前記複数の試薬瓶34に設けられているICタグ36との間の通信可能領域内において当該ICタグ36の表面が前記アンテナの指向方向に交差するように移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報読取システム、情報読取方法及び情報読取プログラムに係り、より詳しくは、複数のICタグに記憶されている情報を一括して読み取る情報読取システム、情報読取方法及び情報読取プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配送センターにおいて各種製品を出荷する場合、出荷指示に従って配送先別の箱(コンテナ)に集められた各種製品を出荷する際には、コンテナ内の製品の種類と個数を出荷指示の内容と照合する出荷検品作業が必要である。そこで、当該出荷検品作業の効率化を実現するために適用することのできる技術として、RFID(Radio Frequency IDentification)システムが注目されている。
【0003】
RFIDシステムは、ICタグと呼ばれる小型の記憶媒体に記憶された人や物品に関する個別情報を無線通信によって読み書きする自動認識システムであり、特に流通分野における商品管理、商品トレーサビリティ、物流管理等の目的で急速に発展・普及してきている技術であり、これらの分野以外でも様々な分野で応用が考案され、普及が期待されている技術である。なお、上記ICタグは、RFIDタグ、無線タグ、IDタグ、電磁誘導タグ等と呼ばれることもあるが、本明細書では、これらを総称してICタグという。
【0004】
ところで、以上のような流通分野等の各種分野においてコンテナ等の収容体に、各々自身を識別するためのICタグが取り付けられた複数の物品を収容し、当該収容体に収容された物品を確認するRFIDシステムにおいては、上記収容体に収容された物品に取り付けられている全てのICタグを一括して読み取ることが確認作業の効率化を図るために非常に有効である。
【0005】
そこで、このために適用することのできる技術として、特許文献1には、物品に付されたRFIDを読み取るRFIDの読取方法において、無線電波を放射するアンテナの角度を変え、その角度を変える前後の読み取りデータに基づいてRFIDを読み取る技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、収容箱内のICタグから識別情報を最適に読み取るために、電波を放射するアンテナを配置したアンテナ配置台の位置の調整を行う調整時に、アンテナ配置台を予め定められた位置ごとに移動させ、その位置ごとに収容箱内のICタグの識別情報を読み取り、その読み取った読取時間を記憶し、記憶した読取時間から最も短い読取時間を選択し、選択した読取時間を読み取ったときの位置へアンテナ配置台を移動する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−167408号公報
【特許文献2】特開2005−269437号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、ICタグは、一般に、一例として図14(A)に模式的に示されるように、情報読み取り用のアンテナの指向方向に対してICタグを正対させた状態でICタグに記憶されている情報を読み取ることが最大感度で読み取ることができる一方、一例として図14(B)に模式的に示されるように、アンテナの指向方向に対してICタグの表面(幅広面)が平行な状態ではICタグに記憶されている情報を読み取ることができないものが多い。なお、一般的なICタグでは、アンテナの指向方向とICタグの表面とのなす角度が−45度から+45度の角度範囲内にあるときにICタグに記憶されている情報が読み取り可能とされている場合が多い。
【0008】
しかしながら、前述した特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、アンテナの指向方向に対するICタグ表面の角度については考慮されていないため、収容体に収容された各物品の収容状態(より具体的にはICタグの姿勢)によっては記憶情報を読み取ることのできないICタグが存在する場合がある、という問題点があった。
【0009】
なお、以上の問題点は、流通分野のシステムに限らず、RFIDシステムを用いて複数のICタグから記憶情報を一括して読み取るシステムでは生じ得る問題点である。
【0010】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、複数のICタグから記憶情報を一括して読み取る際の読み取り率を向上させることのできる情報読取システム、情報読取方法及び情報読取プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1記載の情報読取システムは、各々異なる識別情報が記憶され、かつ当該識別情報が無線にて読み取り可能に構成されたICタグが設けられた複数の物品を収容する収容体と、指向性を有し、かつ前記ICタグから前記識別情報を読み取るためのアンテナと、前記複数の物品が収容された収容体を、前記アンテナによる当該収容体に収容された前記複数の物品に設けられている前記ICタグとの間の通信可能領域内において当該ICタグの表面が前記アンテナの指向方向に交差するように移動させる移動手段と、前記複数の物品が収容された収容体が前記移動手段により移動された状態で当該収容体に収容された前記複数の物品に設けられている前記ICタグから前記識別情報を前記アンテナを介して読み取る読取手段と、を備えている。
【0012】
請求項1記載の情報読取システムによれば、各々異なる識別情報が記憶され、かつ当該識別情報が無線にて読み取り可能に構成されたICタグが設けられた複数の物品が収容された収容体が、移動手段により、指向性を有し、かつ前記ICタグから前記識別情報を読み取るためのアンテナによる当該収容体に収容された前記複数の物品に設けられている前記ICタグとの間の通信可能領域内において、当該ICタグの表面が前記アンテナの指向方向に交差するように移動される。
【0013】
そして、本発明では、読取手段により、前記複数の物品が収容された収容体が前記移動手段により移動された状態で当該収容体に収容された前記複数の物品に設けられている前記ICタグから前記識別情報が前記アンテナを介して読み取られる。
【0014】
このように、請求項1記載の情報読取システムによれば、各々異なる識別情報が記憶され、かつ当該識別情報が無線にて読み取り可能に構成されたICタグが設けられた複数の物品が収容された収容体を、指向性を有し、かつ前記ICタグから前記識別情報を読み取るためのアンテナによる当該収容体に収容された前記複数の物品に設けられている前記ICタグとの間の通信可能領域内において当該ICタグの表面が前記アンテナの指向方向に交差するように移動させた状態で、当該ICタグから前記識別情報を前記アンテナを介して読み取っているので、複数のICタグから記憶情報を一括して読み取る際の読み取り率を向上させることができる。
【0015】
なお、請求項1に記載の発明は、請求項2に記載の発明のように、前記アンテナが、ループアンテナであり、前記移動手段が、前記複数の物品が収容された収容体を載置した状態で、前記ループアンテナのループ内において当該ループの径方向中心線を中心軸として当該収容体を回転させるものであるものとしてもよい。これにより、一例として図13に示されるように、全てのICタグがアンテナの指向方向に正対する方向を向くように収容体を移動させることができる結果、上記読み取り率を、より向上させることができる。
【0016】
また、請求項1に記載の発明は、請求項3に記載の発明のように、前記アンテナが、各々の指向方向が互いに異なる状態となり、かつ各々の径方向中心点が同一直線上に位置するように配設された複数のループアンテナであり、前記移動手段が、前記複数の物品が収容された収容体を載置した状態で、前記複数のループアンテナのループ内を通過するように当該収容体を移動させるものであるものとしてもよい。これにより、全てのICタグの表面がアンテナの指向方向に交差するように収容体を移動させることができる結果、上記読み取り率を、より向上させることができる。
【0017】
特に、請求項3に記載の発明の前記複数のループアンテナは、請求項4に記載の発明のように、各々の径方向中心点が同一直線上で、かつ異なる位置に位置するように配設されたものであるものとしてもよい。これにより、各ループアンテナ間の相互干渉による悪影響を回避することができる結果、上記読み取り率を、より向上させることができる。
【0018】
また、請求項3又は請求項4に記載の発明の前記複数のループアンテナは、請求項5に記載の発明のように、各々の指向方向が互いに直交する状態となり、かつ各々の径方向中心点が同一直線上に位置するように配設された2つのループアンテナであるものとしてもよい。これにより、一例として図13に示されるように、全てのICタグの表面が何れかのループアンテナの指向方向に対して−45度から+45度の角度範囲内となるように収容体を移動させることができる結果、上記読み取り率を、より向上させることができる。
【0019】
ところで、ICタグは、一般に、複数枚が重なっている状態では、記憶されている情報を読み取ることができない。
【0020】
そこで、本発明の前記収容体は、請求項6に記載の発明のように、前記物品の収容領域を、各々前記物品及び当該物品に設けられた前記ICタグの組を一体的に収容する複数の区画領域に仕切る仕切り部材を有するものとしてもよい。これにより、収容体に収容された各ICタグを確実に離間させることができる結果、上記読み取り率を、より向上させることができる。
【0021】
また、本発明の前記物品は、請求項7に記載の発明のように、前記ICタグを収容した袋体が取り付けられることにより当該ICタグが設けられるものとしてもよい。これによっても、収容体に収容された各ICタグを確実に離間させることができる結果、上記読み取り率を、より向上させることができる。
【0022】
また、本発明は、請求項8に記載の発明のように、前記収容体に収容されている前記物品の数を示す数情報が予め記憶された記憶手段と、前記アンテナを介して読み出された前記識別情報の数と前記数情報によって示される数とが一致するか否かを判定し、一致すると判定した時点で前記識別情報の読み取り動作を終了するように制御する制御手段と、を更に備えたものとしてもよい。これにより、全てのICタグからの識別情報の読み取り動作を最短時間で終了することができる。なお、上記記憶手段には、RAM、EEPROM、フラッシュEEPROM等の半導体記憶素子、スマート・メディア(SmartMedia(登録商標))、フレキシブルディスク等の可搬記録媒体やハードディスク等の固定記録媒体、或いはネットワークに接続されたサーバ・コンピュータ等に設けられた外部記憶装置が含まれる。
【0023】
特に、請求項8に記載の発明は、請求項9に記載の発明のように、前記記憶手段が、前記収容体に収容されている前記物品に設けられたICタグにより記憶されている前記識別情報が更に予め記憶されたものであり、前記制御手段が、前記アンテナを介して読み出された前記識別情報と前記記憶手段によって記憶されている前記識別情報とを照合し、一致しない場合に警告を発するように制御するものとしてもよい。これにより、何らかの理由により全ての識別情報を読み取ることができない場合に、その旨を容易に把握させることができる。なお、上記警告には、ディスプレイ装置による表示による警告、ブザーの鳴動による警告、スピーカによる音声による警告、LED(発光ダイオード)等の発光手段の点灯、点滅等による警告等が含まれる。
【0024】
更に、請求項8又は請求項9に記載の発明の前記記憶手段は、請求項10に記載の発明のように、ICタグであるものとしてもよい。これにより、前記記憶手段に記憶されている情報を本発明のアンテナにより読み取ることによって得ることができ、本発明を低コストかつ簡易な構成で実現することができる。
【0025】
一方、上記目的を達成するために、請求項11記載の情報読取方法は、各々異なる識別情報が記憶され、かつ当該識別情報が無線にて読み取り可能に構成されたICタグが設けられた複数の物品が収容された収容体を、指向性を有し、かつ前記ICタグから前記識別情報を読み取るためのアンテナによる当該収容体に収容された前記複数の物品に設けられている前記ICタグとの間の通信可能領域内において当該ICタグの表面が前記アンテナの指向方向に交差するように移動させた状態で、当該ICタグから前記識別情報を前記アンテナを介して読み取るものである。
【0026】
従って、請求項11記載の情報読取方法によれば、請求項1記載の発明と同様に作用するので、請求項1記載の発明と同様に、複数のICタグから記憶情報を一括して読み取る際の読み取り率を向上させることができる。
【0027】
一方、上記目的を達成するために、請求項12記載の情報読取プログラムは、各々異なる識別情報が記憶され、かつ当該識別情報が無線にて読み取り可能に構成されたICタグが設けられた複数の物品を収容する収容体と、指向性を有し、かつ前記ICタグから前記識別情報を読み取るためのアンテナと、を備えた情報読取システムにおいて実行される情報読取プログラムであって、前記複数の物品が収容された収容体を、前記アンテナによる当該収容体に収容された前記複数の物品に設けられている前記ICタグとの間の通信可能領域内において当該ICタグの表面が前記アンテナの指向方向に交差するように移動させる移動ステップと、前記複数の物品が収容された収容体が前記移動ステップにより移動された状態で当該収容体に収容された前記複数の物品に設けられている前記ICタグから前記識別情報を前記アンテナを介して読み取る読取ステップと、をコンピュータに実行させるものである。
【0028】
従って、請求項12記載の情報読取プログラムによれば、コンピュータに対して請求項1記載の発明と同様に作用させることができるので、請求項1記載の発明と同様に、複数のICタグから記憶情報を一括して読み取る際の読み取り率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、各々異なる識別情報が記憶され、かつ当該識別情報が無線にて読み取り可能に構成されたICタグが設けられた複数の物品が収容された収容体を、指向性を有し、かつ前記ICタグから前記識別情報を読み取るためのアンテナによる当該収容体に収容された前記複数の物品に設けられている前記ICタグとの間の通信可能領域内において当該ICタグの表面が前記アンテナの指向方向に交差するように移動させた状態で、当該ICタグから前記識別情報を前記アンテナを介して読み取っているので、複数のICタグから記憶情報を一括して読み取る際の読み取り率を向上させることができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、試薬が封入された試薬瓶が収容された収容体(ここでは、コンテナ)の出荷時における出荷検品作業を行う際に用いられる情報読取システムに適用した場合について説明する。
【0031】
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明が適用された情報読取システム10の全体構成を説明する。
【0032】
同図に示すように、本形態に係る情報読取システム10は、当該システム10の中心的な役割を担う情報読取装置20と、指向性を有し、かつ後述するICタグに記憶されている情報を読み取るためのアンテナ30と、アンテナ30を介した情報の読み取り動作を制御するタグリーダ40と、試薬瓶が収容された出荷用のコンテナ32が載置されるターンテーブル50と、を備えている。なお、本実施の形態に係る情報読取システム10では、上記ICタグ32C及びICタグ36として、ISO15693に準拠した、記憶情報を書き換え可能であり、情報送受信用のループアンテナを有するICタグを適用しているが、これに限らず、ISO14443に準拠したものや、記憶情報の読み出し専用のもの等、他の非接触型のICタグを適用する形態としてもよい。また、本実施の形態に係る情報読取システム10では、上記アンテナ30としてループアンテナを適用している。なお、アンテナ30、コンテナ32及びターンテーブル50の位置関係等については後述する。
【0033】
本実施の形態に係るコンテナ32は、図2に示されるように、本体部32A及び蓋部32Bを含んで構成されている。
【0034】
本体部32Aは、その上面が収容物(ここでは、試薬瓶)を収納可能に開放状態とされた略直方体状とされており、当該上面が蓋部32Bによって閉止されるものとされている。また、本体部32Aの一側面には、所定情報(以下、「コンテナタグ情報」という。)が予め記憶されたICタグ32Cが貼り付けられている。ここで、本実施の形態に係る情報読取システム10では、上記コンテナタグ情報として、図3に模式的に示すように、貼り付けられているコンテナ32を特定するためのID(IDentification)情報であるコンテナIDと、当該コンテナ32に収容されている試薬瓶に設けられた後述するICタグ36(図4(A)も参照。)に予め記憶されているID情報であるタグIDの各情報が適用されている。なお、本実施の形態では、コンテナタグ情報のICタグ32Cに対する記憶を、情報読取システム10とは異なるシステムにより行う場合について説明するが、これに限らず、例えば、情報読取システム10のタグリーダ40をICタグ32Cに対する情報の書き込みも行うことができるものとし、情報読取システム10により記憶させる形態とすることもできる。
【0035】
一方、本実施の形態に係る情報読取システム10では、一例として図4(A)に示されるように、コンテナ32に収容される各試薬瓶34に対してICタグ36が個別に設けられている。ここで、ICタグ36には、一例として図5に模式的に示されるように、上記タグID(以下、「物品タグ情報」という。)が予め記憶されており、当該物品タグ情報によって当該ICタグ36が設けられている試薬瓶34を特定することができる。なお、本実施の形態では、上記物品タグ情報として、対応するICタグ36の製造番号が適用されている。一般に、ICタグには、その製造番号が予め記憶されているため、当該製造番号を物品タグ情報として利用することにより、物品タグ情報を記憶するための作業を省略することができる。
【0036】
同図に示されるように、各試薬瓶34には、ICタグ36が、袋体38に収容された状態で、当該袋体38と試薬瓶34が紐39によって結ばれることにより取り付けられている。なお、本実施の形態では、同図に示されるように、袋体38として透明又は半透明のものを適用しているが、これに限らず、他のものを適用してもよいことは言うまでもない。
【0037】
一方、コンテナ32には、一例として図4(B)に示されるように、試薬瓶34の収容領域を、各々試薬瓶34及び当該試薬瓶34に設けられたICタグ36の組を一体的に収容する複数の区画領域に仕切る仕切り部材32Dが設けられている。従って、試薬瓶34がコンテナ32に収納される際には、同図に示されるように、ICタグ36が一体的に同一区画領域内に収まるように収納される。
【0038】
一般にICタグは、複数枚が重なっている状態では、記憶されている情報を読み取ることができないが、以上のような袋体38を介在させる形態、及びコンテナ32に仕切り部材32Dを設ける形態を採用することにより、一例として図4(C)に示されるように、ICタグ36が複数枚重なってしまう状態の発生を回避することができる結果、ICタグ36に対する記憶情報の読み取り精度を向上させることができる。
【0039】
次に、図6を参照して、本実施の形態に係る情報読取システム10におけるアンテナ30、コンテナ32、ターンテーブル50及びその周辺の構成について詳細に説明する。
【0040】
同図に示されるように、本実施の形態に係る情報読取システム10では、アンテナ30が略矩形形状とされたループアンテナとされており、当該アンテナ30は、側面視略L字状とされたアンテナ支持体52に対し、ループの径方向(上記略矩形形状の一辺の方向)が鉛直方向となるように2辺が固定されている。また、ターンテーブル50は、試薬瓶34が収容されたコンテナ32を載置した状態で、アンテナ30のループ内において当該ループの径方向中心線を中心軸として同図矢印A方向にコンテナ32を回転させるものとされている。ここで、アンテナ30とコンテナ32との位置関係が、アンテナ30によるコンテナ32に収容されているICタグ36との間の通信可能領域内となる関係にあることは言うまでもない。
【0041】
なお、本実施の形態に係る情報読取システム10では、ターンテーブル50がモータ42(図6では図示省略。図7参照。)によって電気的に回転駆動されるものとされている。また、ターンテーブル50には、載置対象とされているコンテナ32の底面部の一方の対角の位置に対応して立設された、コンテナ32の載置位置を所定の位置(ここでは、コンテナの水平方向中心位置がターンテーブル50の回転軸の軸線方向に一致する位置)に位置決めするための一対の位置決め部材54が設けられている。
【0042】
本実施の形態に係る情報読取システム10では、アンテナ支持体52、コンテナ32、仕切り部材32D、及びターンテーブル50が何れも非金属(ここでは、プラスチック樹脂)で構成されている。これにより、これらの部材による、ICタグ36及びICタグ32Cに対する記憶情報の読み取り時における相互干渉の発生を防止することができる。
【0043】
なお、図6では、コンテナ32における蓋部32Bの図示が省略されているが、実際にコンテナ32に収容されているICタグ36の記憶情報を読み取る際には、コンテナ32は蓋部32Bにより蓋をされた状態とされている。
【0044】
次に、図7を参照して、本実施の形態に係る情報読取装置20の電気系の要部構成を説明する。
【0045】
同図に示すように、本実施の形態に係る情報読取装置20は、情報読取装置20全体の動作を司るCPU(中央処理装置)20Aと、CPU20Aによる各種処理プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM20Bと、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM20Cと、各種情報を記憶するために用いられる二次記憶部(ここでは、ハードディスク装置)20Dと、各種情報を入力するために用いられるキーボード20Eと、各種情報を表示するために用いられるディスプレイ20Fと、外部装置等との間の各種信号の授受を司る入出力I/F(インタフェース)20Gと、が備えられており、これら各部はシステムバスBUSにより電気的に相互に接続されている。
【0046】
従って、CPU20Aは、RAM20B、ROM20C、及び二次記憶部20Dに対するアクセス、キーボード20Eを介した各種入力情報の取得、ディスプレイ20Fに対する各種情報の表示、及び入出力I/F20Gを介した外部装置等との間の各種信号の授受を各々行うことができる。なお、前述したタグリーダ40及びモータ42は、入出力I/F20Gを介して情報読取装置20に電気的に接続されている。
【0047】
次に、図8を参照して、本実施の形態に係る情報読取システム10の作用を説明する。なお、図8は、情報読取システム10に対して情報読取処理の実行指示がキーボード20Eを介して入力された際に情報読取装置20のCPU20Aによって実行される情報読取処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは二次記憶部20Dの所定領域に予め記憶されている。
【0048】
情報読取システム10のユーザは、当該情報読取処理の実行指示の入力に先立ち、ICタグ36が設けられた状態の所定の試薬瓶34が収容され、かつICタグ32Cにコンテナタグ情報が記憶されているコンテナ32(以下、「処理対象コンテナ」という。)をターンテーブル50の所定位置に載置する。なお、このとき、ユーザは、処理対象コンテナに設けられているICタグ32Cの表面がアンテナ30の指向方向に交差するようにターンテーブル50を手動にて位置決めする。そして、ユーザは当該位置決めが完了すると、上記情報読取処理の実行指示を入力する。これに応じて、図8に示される情報読取処理プログラムが実行される。
【0049】
同図のステップ100では、ICタグの記憶情報の読み取り動作を開始するようにタグリーダ40を制御する。これに応じて、処理対象コンテナに設けられているICタグ32Cのコンテナタグ情報がタグリーダ40により読み取られてCPU20Aに入力される。
【0050】
そこで、次のステップ102では、タグリーダ40から入力されたコンテナタグ情報をRAM20Bの所定領域に記憶し、次のステップ104にて、ターンテーブル50の所定回転速度での回転駆動が開始されるようにモータ42を制御する。これに応じて、ターンテーブル50の回転駆動が開始され、処理対象コンテナに収容された各ICタグ36に記憶されている物品タグ情報がタグリーダ40によりアンテナ30を介して読み取られてCPU20Aに入力される。このとき、表面がアンテナ30の指向方向に交差していないICタグ36については物品タグ情報を読み取ることはできないが、ターンテーブル50が90度回転する間に、当該ICタグ36の表面がアンテナ30の指向方向に直交する瞬間が必ず訪れるため、処理対象コンテナに収容されている全てのICタグ36から物品タグ情報を確実に読み取ることができる。
【0051】
そこで、次のステップ106では、タグリーダ40から物品タグ情報が入力されたか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ114に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ108に移行する。
【0052】
ステップ108では、タグリーダ40から入力された物品タグ情報に、このとき実行されている本情報読取処理プログラムにより、その時点までに読み取られていないもの(新規に読み取られたもの)が含まれているか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ114に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ110に移行する。
【0053】
ステップ110では、タグリーダ40から入力された物品タグ情報で、かつ新規に読み取られたものをRAM20Bの所定領域に記憶する。このように、本実施の形態に係る情報読取処理プログラムでは、タグリーダ40によって読み取られた物品タグ情報を順次RAM20Bの所定領域に記憶するものとされているため、上記ステップ108における判定では、タグリーダ40から入力された物品タグ情報に、このとき実行されている本情報読取処理プログラムにより、その時点までにRAM20Bの所定領域に記憶されている物品タグ情報に含まれていないものが存在するか否かの判定が行われる。
【0054】
次のステップ112では、上記ステップ102の処理によって記憶されたコンテナタグ情報と、このとき実行されている本情報読取処理プログラムにより記憶された物品タグ情報とをRAM20Bから読み出し、当該コンテナタグ情報に含まれるタグIDの数と、読み出した物品タグ情報の数が一致するか否かを判定して、肯定判定となった場合はステップ118に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ114に移行する。
【0055】
ステップ114では、ターンテーブル50の回転角度が90度に達したか否かを判定し、否定判定となった場合は上記ステップ106に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ116に移行し、予め定められた警告処理を実行した後に本情報読取処理プログラムを終了する。
【0056】
なお、本情報読取処理プログラムでは、上記ステップ116において実行される警告処理として、一例として図9に示される、予め定められた警告画面をディスプレイ20Fにより表示させる処理を適用している。同図に示すような警告画面を表示することにより、ユーザに対し、処理対象コンテナに収容されている物品の数が登録されているものと異なることを容易に把握させることができる。また、本情報読取処理プログラムでは、上記ステップ114において実行されるターンテーブル50の回転角度が90度に達したか否かの判定を、ターンテーブル50の回転開始時からの経過時間を計時し、当該経過時間が、ターンテーブル50が90度回転するまでに要する時間として計測等により予め得られている時間以上となったか否かを判定することにより行っているが、これに限らず、ターンテーブル50の回転角度を検知するセンサを設けておき、当該センサによって検知された回転角度が90度に達したか否かを判定することにより行う形態等を適用することができることは言うまでもない。
【0057】
上記ステップ106〜ステップ114の繰り返し処理により、ターンテーブル50の回転角度が90度に達するタイミングを限度とし、ICタグ32Cから読み出したコンテナタグ情報に含まれるタグIDの数と、各ICタグ36から読み出した物品タグ情報の数が一致するまで、ICタグ36からの物品タグ情報の読み取り及び記憶を繰り返し行うことになる。なお、ここで、ターンテーブル50の回転角度の限度値を90度としたのは、通常、ターンテーブル50が90度回転するまでの間に、処理対象コンテナに収容されている全てのICタグ36について、その表面がアンテナ30の指向方向に直交する状態が必ず生じるためである。但し、ターンテーブル50の回転時に発生する振動等、何らかの原因により処理対象コンテナ内のICタグ36の姿勢が変化することが予想される場合等には、ターンテーブル50の回転角度の限度値を180度、360度、720度等の90度より大きな角度としてもよいことは言うまでもない。
【0058】
一方、ステップ118では、コンテナタグ情報に含まれるタグIDと、このとき実行されている本情報読取処理プログラムにより記憶された物品タグ情報とを照合し、次のステップ120にて、当該照合の結果、全て一致したか否かを判定して、肯定判定となった場合はステップ122に移行し、ターンテーブル50の回転駆動が停止されるようにモータ42を制御すると共に、ICタグの記憶情報の読み取り動作を終了するようにタグリーダ40を制御し、その後に本情報読取処理プログラムを終了する。
【0059】
一方、上記ステップ120において否定判定となった場合にはステップ124に移行し、予め定められた警告処理を実行した後に本情報読取処理プログラムを終了する。
【0060】
なお、本情報読取処理プログラムでは、上記ステップ124において実行される警告処理として、一例として図10に示される、予め定められた警告画面をディスプレイ20Fにより表示させる処理を適用している。同図に示すような警告画面を表示することにより、ユーザに対し、処理対象コンテナに収容されている物品が登録されているものと異なることを容易に把握させることができる。
【0061】
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、各々異なる識別情報(ここでは、物品タグ情報(タグID))が記憶され、かつ当該識別情報が無線にて読み取り可能に構成されたICタグ(ここでは、ICタグ36)が設けられた複数の物品(ここでは、試薬瓶34)が収容された収容体(ここでは、コンテナ32)を、指向性を有し、かつ前記ICタグから前記識別情報を読み取るためのアンテナ(ここでは、アンテナ30)による当該収容体に収容された前記複数の物品に設けられている前記ICタグとの間の通信可能領域内において当該ICタグの表面が前記アンテナの指向方向に交差するように移動させた状態で、当該ICタグから前記識別情報を前記アンテナを介して読み取っているので、複数のICタグから記憶情報を一括して読み取る際の読み取り率を向上させることができる。
【0062】
また、本実施の形態では、前記アンテナをループアンテナとし、移動手段(ここでは、ターンテーブル50)により、前記複数の物品が収容された収容体を載置した状態で、前記ループアンテナのループ内において当該ループの径方向中心線を中心軸として当該収容体を回転させているので、一例として図13に示されるように、全てのICタグがアンテナの指向方向に正対する方向を向くように収容体を移動させることができる結果、上記読み取り率を、より向上させることができる。
【0063】
また、本実施の形態では、前記収容体として、前記物品の収容領域を、各々前記物品及び当該物品に設けられた前記ICタグの組を一体的に収容する複数の区画領域に仕切る仕切り部材(ここでは、仕切り部材32D)を有するものとしているので、収容体に収容された各ICタグを確実に離間させることができる結果、上記読み取り率を、より向上させることができる。
【0064】
また、本実施の形態では、前記物品を、前記ICタグを収容した袋体(ここでは、袋体38)が取り付けられることにより当該ICタグが設けられるものとしているので、これによっても、収容体に収容された各ICタグを確実に離間させることができる結果、上記読み取り率を、より向上させることができる。
【0065】
また、本実施の形態では、前記収容体に収容されている前記物品の数を示す数情報(ここでは、収容されているICタグ36の全てのタグID)を記憶手段(ここでは、ICタグ32C)により予め記憶しておき、前記アンテナを介して読み出された前記識別情報の数と前記数情報によって示される数とが一致するか否かを判定し、一致すると判定した時点で前記識別情報の読み取り動作を終了するように制御しているので、全てのICタグからの識別情報の読み取り動作を最短時間で終了することができる。
【0066】
また、本実施の形態では、前記記憶手段を、前記収容体に収容されている前記物品に設けられたICタグにより記憶されている前記識別情報(ここでは、物品タグ情報)が更に予め記憶されたものとし、前記アンテナを介して読み出された前記識別情報と前記記憶手段によって記憶されている前記識別情報とを照合し、一致しない場合に警告を発するように制御しているので、何らかの理由により全ての識別情報を読み取ることができない場合に、その旨を容易に把握させることができる。
【0067】
更に、本実施の形態では、前記記憶手段をICタグであるものとしているので、前記記憶手段に記憶されている情報を本発明のアンテナにより読み取ることによって得ることができ、本発明を低コストかつ簡易な構成で実現することができる。
【0068】
[第2の実施の形態]
まず、本第2の実施の形態に係る情報読取システム10’の構成を説明する。なお、当該情報読取システム10’の構成は、コンテナ32の移動機構(図6参照。)を除いて上記第1の実施の形態に係る情報読取システム10と同様であるので、ここでは、当該移動機構に関する部分の構成のみについて説明する。
【0069】
図11に示されるように、本実施の形態に係る情報読取システム10’は、不図示のモータによる回転駆動に応動して、載置されているコンテナ32を同図矢印B方向に搬送するベルトコンベア60を備えている。
【0070】
また、情報読取システム10’は、各々ループアンテナとして構成され、各々のループ内にベルトコンベア60による物品搬送経路が位置されるように配置された2つのアンテナ30A及びアンテナ30Bを備えている。
【0071】
ここで、アンテナ30A及びアンテナ30Bは、各々の指向方向が互いに異なる状態(ここでは、各々の指向方向が互いに直交する状態)となり、かつ各々の径方向中心点が同一直線上の異なる位置に位置するように配設されている。
【0072】
なお、本実施の形態に係る情報読取システム10’の全体構成は、図1に示される上記第1の実施の形態に係るものに対して、アンテナ30がアンテナ30A及びアンテナ30Bに置き換えられ、ターンテーブル50がベルトコンベア60に置き換えられたものとなる点以外は上記第1の実施の形態に係るものと同一であり、情報読取装置20の電気系の要部構成も、図7に示される上記第1の実施の形態に係るものに対して、モータ42がベルトコンベア60を駆動するモータ(以下、「コンベア駆動モータ」という。)に置き換えられたものとなる点以外は上記第1の実施の形態に係るものと同一であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0073】
次に、図12を参照して、本実施の形態に係る情報読取システム10’の作用を説明する。なお、図12は、情報読取システム10’に対して情報読取処理の実行指示がキーボード20Eを介して入力された際に本実施の形態に係る情報読取装置20のCPU20Aによって実行される情報読取処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムは二次記憶部20Dの所定領域に予め記憶されている。
【0074】
情報読取システム10’のユーザは、当該情報読取処理の実行指示の入力に先立ち、ICタグ36が設けられた状態の所定の試薬瓶34が収容され、かつICタグ32Cにコンテナタグ情報が記憶されているコンテナ32(以下、「処理対象コンテナ」という。)をベルトコンベア60の各アンテナ30A,30Bより物品搬送上流側の所定位置に載置する。なお、このとき、ユーザは、処理対象コンテナをICタグ32Cが物品搬送方向の下流側(図11左側)に位置するようにベルトコンベア60に載置する。そして、ユーザは当該載置が完了すると、上記情報読取処理の実行指示を入力する。これに応じて、図12に示される情報読取処理プログラムが実行される。
【0075】
同図のステップ200では、ICタグの記憶情報の読み取り動作を開始するようにタグリーダ40を制御し、次のステップ202にて、ベルトコンベア60の所定搬送速度での搬送駆動が開始されるようにコンベア駆動モータを制御する。これに応じて、処理対象コンテナの図11矢印B方向への搬送が開始され、処理対象コンテナに設けられたICタグ32Cがアンテナ30Bとの間の通信可能領域内に入った時点で、当該ICタグ32Cに記憶されているコンテナタグ情報がタグリーダ40により読み取られてCPU20Aに入力される。
【0076】
そこで、次のステップ204では、タグリーダ40からのコンテナタグ情報の入力待ちを行い、次のステップ206にて、タグリーダ40から入力されたコンテナタグ情報をRAM20Bの所定領域に記憶する。
【0077】
アンテナ30Bを介してICタグ32Cの記憶情報が読み取られた後、処理対象コンテナは引き続きベルトコンベア60によって物品搬送方向下流側に搬送されていき、処理対象コンテナに収容された各ICタグ36に記憶されている物品タグ情報がアンテナ30A又はアンテナ30Bを介してタグリーダ40により読み取られてCPU20Aに入力される。ここで、アンテナ30A及びアンテナ30Bは各々の指向方向が互いに異なる状態で配設されているため、処理対象コンテナに収容された各ICタグ36の表面は、必ず何れか一方のアンテナの指向方向に交差することになり、何れかのアンテナにより高い確率で物品タグ情報を読み取ることができる。特に、本実施の形態に係る情報読取システム10’では、アンテナ30A及びアンテナ30Bの各々の指向方向が互いに直交するように配設されているため、ICタグ36の表面を何れか一方のアンテナの指向方向に対して−45度から+45度の角度範囲内とすることができる結果、更に高い確率で物品タグ情報を読み取ることができる。
【0078】
そこで、次のステップ208では、タグリーダ40から物品タグ情報が入力されたか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ216に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ210に移行する。
【0079】
ステップ210では、タグリーダ40から入力された物品タグ情報に、このとき実行されている本情報読取処理プログラムにより、その時点までに読み取られていないもの(新規に読み取られたもの)が含まれているか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ216に移行する一方、肯定判定となった場合にはステップ212に移行する。
【0080】
ステップ212では、タグリーダ40から入力された物品タグ情報で、かつ新規に読み取られたものをRAM20Bの所定領域に記憶する。このように、本実施の形態に係る情報読取処理プログラムでも、タグリーダ40によって読み取られた物品タグ情報を順次RAM20Bの所定領域に記憶するものとされているため、上記ステップ210における判定では、タグリーダ40から入力された物品タグ情報に、このとき実行されている本情報読取処理プログラムにより、その時点までにRAM20Bの所定領域に記憶されている物品タグ情報に含まれていないものが存在するか否かの判定が行われる。
【0081】
次のステップ214では、上記ステップ206の処理によって記憶されたコンテナタグ情報と、このとき実行されている本情報読取処理プログラムにより記憶された物品タグ情報とをRAM20Bから読み出し、当該コンテナタグ情報に含まれるタグIDの数と、読み出した物品タグ情報の数が一致するか否かを判定して、肯定判定となった場合はステップ220に移行する一方、否定判定となった場合にはステップ216に移行する。
【0082】
ステップ216では、処理対象コンテナがアンテナ30Aによる情報読取可能領域を通過したか否かを判定し、否定判定となった場合は上記ステップ208に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ218に移行し、予め定められた警告処理を実行した後に本情報読取処理プログラムを終了する。
【0083】
なお、本情報読取処理プログラムでは、上記ステップ218において実行される警告処理として、一例として図9に示される、予め定められた警告画面をディスプレイ20Fにより表示させる処理を適用している。同図に示すような警告画面を表示することにより、ユーザに対し、処理対象コンテナに収容されている物品の数が登録されているものと異なることを容易に把握させることができる。また、本情報読取処理プログラムでは、上記ステップ216において実行される処理対象コンテナがアンテナ30Aによる情報読取可能領域を通過したか否かの判定を、処理対象コンテナの搬送開始時からの経過時間を計時し、当該経過時間が、処理対象コンテナがアンテナ30Aによる情報読取可能領域を通過するまでに要する時間として計測等により予め得られている時間以上となったか否かを判定することにより行っているが、これに限らず、ベルトコンベア60の上記情報読取可能領域の物品搬送方向下流側の端部近傍に処理対象コンテナの存在を検知するセンサを設けておき、当該センサによって処理対象コンテナが検知されたか否かを判定することにより行う形態等を適用することができることは言うまでもない。
【0084】
上記ステップ208〜ステップ216の繰り返し処理により、処理対象コンテナの搬送位置がアンテナ30Aによる情報読取可能領域を過ぎた位置となるタイミングを限度とし、ICタグ32Cから読み出したコンテナタグ情報に含まれるタグIDの数と、各ICタグ36から読み出した物品タグ情報の数が一致するまで、ICタグ36からの物品タグ情報の読み取り及び記憶を繰り返し行うことになる。
【0085】
一方、ステップ220では、コンテナタグ情報に含まれるタグIDと、このとき実行されている本情報読取処理プログラムにより記憶された物品タグ情報とを照合し、次のステップ222にて、当該照合の結果、全て一致したか否かを判定して、肯定判定となった場合はステップ224に移行し、ベルトコンベア60の駆動が停止されるようにコンベア駆動モータを制御すると共に、ICタグの記憶情報の読み取り動作を終了するようにタグリーダ40を制御し、その後に本情報読取処理プログラムを終了する。
【0086】
一方、上記ステップ222において否定判定となった場合にはステップ226に移行し、予め定められた警告処理を実行した後に本情報読取処理プログラムを終了する。
【0087】
なお、本情報読取処理プログラムでは、上記ステップ226において実行される警告処理として、一例として図10に示される、予め定められた警告画面をディスプレイ20Fにより表示させる処理を適用している。同図に示すような警告画面を表示することにより、ユーザに対し、処理対象コンテナに収容されている物品が登録されているものと異なることを容易に把握させることができる。
【0088】
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、各々異なる識別情報(ここでは、物品タグ情報(タグID))が記憶され、かつ当該識別情報が無線にて読み取り可能に構成されたICタグ(ここでは、ICタグ36)が設けられた複数の物品(ここでは、試薬瓶34)が収容された収容体(ここでは、コンテナ32)を、指向性を有し、かつ前記ICタグから前記識別情報を読み取るためのアンテナ(ここでは、アンテナ30A,30B)による当該収容体に収容された前記複数の物品に設けられている前記ICタグとの間の通信可能領域内において当該ICタグの表面が前記アンテナの指向方向に交差するように移動させた状態で、当該ICタグから前記識別情報を前記アンテナを介して読み取っているので、複数のICタグから記憶情報を一括して読み取る際の読み取り率を向上させることができる。
【0089】
また、本実施の形態では、前記アンテナを、各々の指向方向が互いに異なる状態となり、かつ各々の径方向中心点が同一直線上に位置するように配設された複数のループアンテナとし、移動手段(ここでは、ベルトコンベア60)により、前記複数の物品が収容された収容体を載置した状態で、前記複数のループアンテナのループ内を通過するように当該収容体を移動させているので、全てのICタグの表面がアンテナの指向方向に交差するように収容体を移動させることができる結果、上記読み取り率を、より向上させることができる。
【0090】
特に、本実施の形態では、前記複数のループアンテナを、各々の径方向中心点が同一直線上で、かつ異なる位置に位置するように配設されたものとしているので、各ループアンテナ間の相互干渉による悪影響を回避することができる結果、上記読み取り率を、より向上させることができる。
【0091】
また、本実施の形態では、前記複数のループアンテナを、各々の指向方向が互いに直交する状態となり、かつ各々の径方向中心点が同一直線上に位置するように配設された2つのループアンテナであるものとしているので、一例として図13に示されるように、全てのICタグの表面が何れかのループアンテナの指向方向に対して−45度から+45度の角度範囲内となるように収容体を移動させることができる結果、上記読み取り率を、より向上させることができる。
【0092】
また、本実施の形態では、前記収容体として、前記物品の収容領域を、各々前記物品及び当該物品に設けられた前記ICタグの組を一体的に収容する複数の区画領域に仕切る仕切り部材(ここでは、仕切り部材32D)を有するものとしているので、収容体に収容された各ICタグを確実に離間させることができる結果、上記読み取り率を、より向上させることができる。
【0093】
また、本実施の形態では、前記物品を、前記ICタグを収容した袋体(ここでは、袋体38)が取り付けられることにより当該ICタグが設けられるものとしているので、これによっても、収容体に収容された各ICタグを確実に離間させることができる結果、上記読み取り率を、より向上させることができる。
【0094】
また、本実施の形態では、前記収容体に収容されている前記物品の数を示す数情報(ここでは、収容されているICタグ36の全てのタグID)を記憶手段(ここでは、ICタグ32C)により予め記憶しておき、前記アンテナを介して読み出された前記識別情報の数と前記数情報によって示される数とが一致するか否かを判定し、一致すると判定した時点で前記識別情報の読み取り動作を終了するように制御しているので、全てのICタグからの識別情報の読み取り動作を最短時間で終了することができる。
【0095】
また、本実施の形態では、前記記憶手段を、前記収容体に収容されている前記物品に設けられたICタグにより記憶されている前記識別情報(ここでは、物品タグ情報)が更に予め記憶されたものとし、前記アンテナを介して読み出された前記識別情報と前記記憶手段によって記憶されている前記識別情報とを照合し、一致しない場合に警告を発するように制御しているので、何らかの理由により全ての識別情報を読み取ることができない場合に、その旨を容易に把握させることができる。
【0096】
更に、本実施の形態では、前記記憶手段をICタグであるものとしているので、前記記憶手段に記憶されている情報を本発明のアンテナにより読み取ることによって得ることができ、本発明を低コストかつ簡易な構成で実現することができる。
【0097】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0098】
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。上記の実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。上記の実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0099】
例えば、上記各実施の形態では、本発明の数情報を示す情報として、処理対象コンテナに収容されている全てのICタグ36に記憶されているタグIDをICタグ32Cに記憶しておき、当該タグ情報の数から上記数情報を導出する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、処理対象コンテナに収容されている全てのICタグ36の数を示す情報を直接ICタグ32Cに記憶しておく形態とすることもできる。この場合も、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0100】
また、上記各実施の形態では、本発明の警告として、ディスプレイ装置による表示による警告(所謂可視表示による警告)を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ブザーの鳴動による警告やスピーカによる音声による警告(所謂可聴表示による警告)、及びプリンタによる印刷による警告(所謂永久可視表示による警告)や、LED(発光ダイオード)等の発光手段の点灯、点滅等による警告等を適用する形態とすることもできる。これらの場合も、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0101】
また、上記各実施の形態では、情報読取処理プログラムを実行するタイミングとして、ユーザにより指示入力が行われたタイミングを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ターンテーブル50又はベルトコンベア60に処理対象コンテナが載置されたことを検知するセンサを設けておき、当該センサによって処理対象コンテナの載置が検知されたタイミング等の他のタイミングを適用することができることも言うまでもない。この場合も、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0102】
また、上記各実施の形態では、コンテナタグ情報を、処理対象コンテナに設けられたICタグ32Cを介して取得する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、情報読取装置20に対して、コンテナタグ情報がハードディスク装置等の記憶手段によって予め記憶されたサーバ装置をネットワークを介して接続し、当該サーバ装置からコンテナタグ情報を読み出す(ダウンロード)ことにより取得する形態とすることもできる。この場合、コンテナ32に対してICタグ32Cを設ける必要がなくなるため、このための労力やコストを削減することができる。
【0103】
また、上記各実施の形態では、本発明の物品として試薬瓶を適用し、本発明を、当該試薬瓶が収容された収容体(ここでは、コンテナ)の出荷時における出荷検品作業を行う際に用いられる情報読取システムに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の物品として試薬瓶以外の物品や複数種類の物品を適用することができることは勿論のこと、入荷検品作業等の他の作業に適用することができることも言うまでもない。
【0104】
また、上記第2の実施の形態では、本発明のアンテナとして2つのアンテナ30A,30Bを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、3つ以上のアンテナを適用する形態とすることもできる。この場合も、上記第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0105】
その他、上記各実施の形態で説明した情報読取システム10,10’の構成(図1〜図2,図4,図6〜図7,図11参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0106】
また、上記各実施の形態で説明したコンテナタグ情報及び物品タグ情報の各データ構造(図3,図5参照。)も一例であり、必要に応じて新たなデータを追加したり、不要なデータを削除したりすることができることも言うまでもない。例えば、コンテナタグ情報におけるコンテナIDは必ずしも必要ではなく、削除することもできる。
【0107】
また、上記各実施の形態で示した情報読取処理プログラムの処理の流れ(図8,図12参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することができることは言うまでもない。
【0108】
更に、上記各実施の形態で示した警告画面の構成(図9〜図10参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】第1の実施の形態に係る情報読取システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係るコンテナの構成を示す斜視図である。
【図3】実施の形態に係るコンテナタグ情報のデータ構造を示す模式図である。
【図4】(A)は実施の形態に係る試薬瓶に対するICタグの取り付け状態を示す外観図であり、(B)は実施の形態に係るコンテナに設けられている仕切り部材の状態を示す拡大斜視図であり、(C)は実施の形態に係るコンテナへの試薬瓶及びICタグの収容状態を示す斜視図である。
【図5】実施の形態に係る物品タグ情報のデータ構造を示す模式図である。
【図6】第1の実施の形態に係るアンテナ、コンテナ、ターンテーブル及びその周辺の構成を示す斜視図である。
【図7】実施の形態に係る情報読取装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【図8】第1の実施の形態に係る情報読取処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】実施の形態に係る警告画面の表示状態を示す概略図である。
【図10】実施の形態に係る警告画面の表示状態を示す概略図である。
【図11】第2の実施の形態に係る情報読取システムにおけるコンテナの移動機構の構成を示す図であり、(A)は平面図であり、(B)は側面図である。
【図12】第2の実施の形態に係る情報読取処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明の原理の説明に供する、ICタグの姿勢とアンテナの指向方向との関係を示す模式図である。
【図14】従来技術の問題点の説明に供する模式図である。
【符号の説明】
【0110】
10,10’ 情報読取システム
20 情報読取装置
20A CPU(制御手段)
30 アンテナ
30A,30B アンテナ
32 コンテナ(収容体)
32C ICタグ(記憶手段)
32D 仕切り部材
34 試薬瓶(物品)
36 ICタグ
38 袋体
39 紐
40 タグリーダ(読取手段)
42 モータ
50 ターンテーブル(移動手段)
60 ベルトコンベア(移動手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々異なる識別情報が記憶され、かつ当該識別情報が無線にて読み取り可能に構成されたICタグが設けられた複数の物品を収容する収容体と、
指向性を有し、かつ前記ICタグから前記識別情報を読み取るためのアンテナと、
前記複数の物品が収容された収容体を、前記アンテナによる当該収容体に収容された前記複数の物品に設けられている前記ICタグとの間の通信可能領域内において当該ICタグの表面が前記アンテナの指向方向に交差するように移動させる移動手段と、
前記複数の物品が収容された収容体が前記移動手段により移動された状態で当該収容体に収容された前記複数の物品に設けられている前記ICタグから前記識別情報を前記アンテナを介して読み取る読取手段と、
を備えた情報読取システム。
【請求項2】
前記アンテナは、ループアンテナであり、
前記移動手段は、前記複数の物品が収容された収容体を載置した状態で、前記ループアンテナのループ内において当該ループの径方向中心線を中心軸として当該収容体を回転させるものである
請求項1記載の情報読取システム。
【請求項3】
前記アンテナは、各々の指向方向が互いに異なる状態となり、かつ各々の径方向中心点が同一直線上に位置するように配設された複数のループアンテナであり、
前記移動手段は、前記複数の物品が収容された収容体を載置した状態で、前記複数のループアンテナのループ内を通過するように当該収容体を移動させるものである
請求項1記載の情報読取システム。
【請求項4】
前記複数のループアンテナは、各々の径方向中心点が同一直線上で、かつ異なる位置に位置するように配設されたものである
請求項3記載の情報読取システム。
【請求項5】
前記複数のループアンテナは、各々の指向方向が互いに直交する状態となり、かつ各々の径方向中心点が同一直線上に位置するように配設された2つのループアンテナである
請求項3又は請求項4記載の情報読取システム。
【請求項6】
前記収容体は、前記物品の収容領域を、各々前記物品及び当該物品に設けられた前記ICタグの組を一体的に収容する複数の区画領域に仕切る仕切り部材を有するものである
請求項1乃至請求項5の何れか1項記載の情報読取システム。
【請求項7】
前記物品は、前記ICタグを収容した袋体が取り付けられることにより当該ICタグが設けられるものである
請求項1乃至請求項6の何れか1項記載の情報読取システム。
【請求項8】
前記収容体に収容されている前記物品の数を示す数情報が予め記憶された記憶手段と、
前記アンテナを介して読み出された前記識別情報の数と前記数情報によって示される数とが一致するか否かを判定し、一致すると判定した時点で前記識別情報の読み取り動作を終了するように制御する制御手段と、
を更に備えた請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の情報読取システム。
【請求項9】
前記記憶手段は、前記収容体に収容されている前記物品に設けられたICタグにより記憶されている前記識別情報が更に予め記憶されたものであり、
前記制御手段は、前記アンテナを介して読み出された前記識別情報と前記記憶手段によって記憶されている前記識別情報とを照合し、一致しない場合に警告を発するように制御する
請求項8記載の情報読取システム。
【請求項10】
前記記憶手段は、ICタグである
請求項8又は請求項9記載の情報読取システム。
【請求項11】
各々異なる識別情報が記憶され、かつ当該識別情報が無線にて読み取り可能に構成されたICタグが設けられた複数の物品が収容された収容体を、指向性を有し、かつ前記ICタグから前記識別情報を読み取るためのアンテナによる当該収容体に収容された前記複数の物品に設けられている前記ICタグとの間の通信可能領域内において当該ICタグの表面が前記アンテナの指向方向に交差するように移動させた状態で、当該ICタグから前記識別情報を前記アンテナを介して読み取る
情報読取方法。
【請求項12】
各々異なる識別情報が記憶され、かつ当該識別情報が無線にて読み取り可能に構成されたICタグが設けられた複数の物品を収容する収容体と、指向性を有し、かつ前記ICタグから前記識別情報を読み取るためのアンテナと、を備えた情報読取システムにおいて実行される情報読取プログラムであって、
前記複数の物品が収容された収容体を、前記アンテナによる当該収容体に収容された前記複数の物品に設けられている前記ICタグとの間の通信可能領域内において当該ICタグの表面が前記アンテナの指向方向に交差するように移動させる移動ステップと、
前記複数の物品が収容された収容体が前記移動ステップにより移動された状態で当該収容体に収容された前記複数の物品に設けられている前記ICタグから前記識別情報を前記アンテナを介して読み取る読取ステップと、
をコンピュータに実行させる情報読取プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−304866(P2007−304866A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−132683(P2006−132683)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】