情報読取装置
【課題】 小型の表示器を備えるものにあって、表示器を目的の画面に切替える際のユーザの操作性の向上を図る。
【解決手段】 本体ケースの上面部に、カラー表示可能な小型の液晶表示器、上下左右及び斜め方向に傾動操作可能で且つ中心部の押圧操作可能な移動キー等を設ける。液晶表示器の1単位の表示内容を1つの単位表示画面イメージとし、複数の単位表示画面イメージを二次元平面状の広がりを有して縦横に配列した表示画面イメージを表示メモリに記憶する。液晶表示器の表示を制御するプロセッサは、電源オン時に液晶表示器の画面に基本画面イメージを表示させ、画面選択モードに切替えられると、選択されている単位表示画面イメージを中央に配した9個の縮小画面を表示させ、移動キーの傾動操作で、その指示方向に応じて表示を隣合うものに順に切替えていくように制御する。移動キーの押圧操作で中央に配された単位表示画面イメージの選択を確定する。
【解決手段】 本体ケースの上面部に、カラー表示可能な小型の液晶表示器、上下左右及び斜め方向に傾動操作可能で且つ中心部の押圧操作可能な移動キー等を設ける。液晶表示器の1単位の表示内容を1つの単位表示画面イメージとし、複数の単位表示画面イメージを二次元平面状の広がりを有して縦横に配列した表示画面イメージを表示メモリに記憶する。液晶表示器の表示を制御するプロセッサは、電源オン時に液晶表示器の画面に基本画面イメージを表示させ、画面選択モードに切替えられると、選択されている単位表示画面イメージを中央に配した9個の縮小画面を表示させ、移動キーの傾動操作で、その指示方向に応じて表示を隣合うものに順に切替えていくように制御する。移動キーの押圧操作で中央に配された単位表示画面イメージの選択を確定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコード、二次元コード、文字認識、RFIDタグ、非接触ICカードなどの情報を、光学的や電気的な手法により読取る情報読取装置に係り、特に例えば対角長が1.5インチ以下の比較的小型の表示器を備える情報読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば携帯電話機やPDA等のユーザが手に持って操作するような携帯型の情報機器においては、比較的小型の液晶表示器を備え、設定やデータの入力、動作状態やデータの表示等の機能が割当てられた各種の画面を表示するようになっている。また、ユーザが画面切替や、機能,モードの選択などを行なうために操作する操作キーとして、方向指示ボタン(四方向選択キー)を本体の表裏両面に設けることにより、操作性を高めることが考えられている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この場合、各機能が割当てられた各種画面を表示器に表示させるための画面構成として、図12に示すような、いわゆるツリー構造を採用することが一般的であった。このツリー構造においては、例えば初期画面A0において、A1〜A4のいずれかを選択し、例えばA2を選択した後、画面A2においてA21、A22のいずれかを選択するといった、選択操作を繰返すことにより、目的とする画面B221〜B312等にたどり着くといったものである。このようなツリー構造の画面構成とすれば、ユーザが全体の画面構成を把握することは難しいが、特に全体の画面構成を知らなくとも、目的とする画面にたどり着くことができるメリットがあった。
【特許文献1】特開2004−32548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような画面構成をツリー構造としてものでは、ユーザが目的とする画面や機能の選択に要する操作回数が比較的多くなり、操作に時間がかかる欠点があった。例えば図12の例では、画面B222にたどり着くために3回の選択操作が必要となり、その画面B222から隣りの画面B311に移りたい場合には、一旦初期画面A0まで戻ってからB311に進む必要があるため、6回の選択操作を行なうことになる。
【0005】
尚、上記の欠点を解消するためには、十分に大型の表示器を設けて一画面に多量の情報を表示できるようにすれば良いが、それでは、装置全体の大型化や、高重量化、コストアップ等を招いてしまう不具合があり、特に携帯型の情報読取装置においては、表示器の大型化には限度がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、小型の表示器を備えるものにあって、表示器を目的の画面に切替える際のユーザの操作性の向上を図ることができる情報読取装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報読取装置は、表示画素をマトリクス配列して構成され、設定やデータの入力、動作状態やデータの表示等の機能が割当てられた画面を表示する小型の表示器と、この表示器の画面に表示させる1単位の表示内容を1つの単位表示画面イメージとし、複数の単位表示画面イメージを、二次元平面状の広がりを有して縦横に配列した平面状表示画面イメージを記憶する表示メモリと、前記複数の単位表示画面イメージの中からいずれかを選択するために前記平面状表示画面イメージ内における移動方向を指示するための移動操作手段と、前記単位表示画面イメージの選択を確定させるための選択操作手段と、その時点で選択されている単位表示画面イメージを、その中心が前記表示器の画面中心部に一致するように該表示器の表示を制御する表示制御手段とを備えると共に、前記表示制御手段は、前記移動操作手段の操作に応じて、前記表示器の画面に表示させる単位表示画面イメージを前記平面状表示画面イメージにおいて隣合うものに順に切替えるように制御を行うところに特徴を有する(請求項1の発明)。
【0008】
これによれば、表示メモリには、各種機能が割当てられた複数の単位表示画面イメージを、二次元平面状の広がりを有して縦横に配列した平面状表示画面イメージが記憶され、表示制御手段により、その時点で選択されている単位表示画面イメージが小型の表示器の画面中心部に表示される。そして、ユーザが移動操作手段を操作して移動方向を指示することにより、表示器の画面に表示される単位表示画面イメージが平面状表示画面イメージ内において隣合うものに順に切替えられ、所望の単位表示画面イメージが表示された状態で選択操作手段を操作することによって、その単位表示画面イメージの選択が確定されるようになる。
【0009】
情報読取装置においては、ユーザが頻繁に使用する画面の数はさほど多くはなく、移動操作手段の操作回数も平均的にみてさほど多くなることはない。また、ユーザは、使用を繰返すことによって平面状表示画面イメージにおける画面の全体構成をおぼろげながらでも覚えられるようになる。従って、ユーザがある程度慣れることによって、表示器を目的の画面に切替える際の操作を簡単且つスピーディに行うことができるようになる。
【0010】
このとき、表示器に1つの単位表示画面イメージを表示する単位画面表示モードと、表示すべき単位画面表示イメージを選択するための画面選択モードとを切替えるための画面モード切替操作手段を設け、表示制御手段を、その画面モード切替操作手段の操作に基づいて、表示器の表示を該当するモードに対応したものに切替制御するように構成することができる(請求項2の発明)。これによれば、いずれのモードにあるかに応じて表示器の表示が切替えられるので、ユーザにとって判りやすく、操作しやすいものとなる。
【0011】
より具体的には、単位画面表示モードにおいては、単位表示画面イメージを表示器の画面一杯に表示し、画面選択モードにおいては、表示器の画面に、その時点で選択されている単位表示画面イメージを中心としてその周囲に配置されている単位表示画面イメージの少なくとも一部分を含むように縮小表示を行う構成とすることができる(請求項3の発明)。これによれば、ユーザは、いずれのモードにあるかが一目で判るようになり、また、画面選択モードにおいては、その時点で選択されている単位表示画面イメージの周囲にどのような単位表示画面イメージがあるかが判るので、操作性をより一層向上させることができる。
【0012】
このとき、画面選択モードにおいて、単位表示画面イメージを、その一辺を3分の1に縮小して表示器に表示することにより、その時点で選択されている単位表示画面イメージを中心にして全体で9個の単位表示画面イメージを表示するようにしても良い(請求項4の発明)。これによれば、ユーザが、周囲全ての単位表示画面イメージを明確に知ることができ、より一層効果的となる。但しこの場合、縮小表示によって1個の単位表示画面イメージの表示の大きさが小さくなるので、該当する単位表示画面イメージに割当てられた機能を図形化して表示したアイコンで表示するようにすれば(請求項5の発明)、視認性の悪化を防止することができる。
【0013】
上記のように、単位表示画面イメージの縮小表示を行っている画面選択モードにおいて、選択操作手段が操作されたときに、表示器の中心に表示されていた単位表示画面イメージの選択を確定させると共に、その単位表示画面イメージを画面一杯に表示させる単位画面表示モードに切替える構成とすることができる(請求項6の発明)。これにより、選択が確定された旨をユーザに判りやすく表示することができる。
【0014】
上記移動操作手段を、少なくとも縦横の4方向に傾動操作可能な1個の操作部材を備え、その操作部材が傾動操作されることによって移動方向が指示されるように構成することができる(請求項7の発明)。これにより、構成が簡単となると共に、操作もしやすいものとすることができる。このとき、その操作部材を、縦横及び斜めの8方向に傾動操作可能に構成し、移動方向を8方向に指示することを可能とすることもでき(請求項8の発明)、より操作性を向上させることができる。
【0015】
さらに、操作部材を、傾動操作に加えて押圧操作可能に設け、前記選択操作手段を、その操作部材が押圧操作されることによって単位表示画面イメージの選択を確定させるように構成することもできる(請求項9の発明)。これにより、構成のより一層の簡単化を図ることができる。
【0016】
また、複数の単位表示画面イメージのうち1つを基本画面イメージとして設定し、電源オン時あるいは所定の操作がなされたときに、表示器の画面にその基本画面イメージを表示させるように構成することができる(請求項10の発明)。これによれば、電源オン時に常に基本画面イメージの表示から始まるようになり、ユーザにとって判りやすいものとなり、あるいは、ユーザの簡単な操作で、表示器の画面を一気に基本画面イメージの表示に戻すことができて利便性を向上させることができる。
【0017】
本発明においては、単位表示画面イメージの中に、1つの単位表示画面イメージに複数の機能が割当てられた多機能単位表示画面イメージを含ませるようにし、表示メモリに、その多機能単位表示画面イメージに割当てられている機能を複数の小機能に分割した複数の単位表示画面イメージが二次元平面状に配列された第2の平面状表示画面イメージを記憶させると共に、その第2の平面状表示画面イメージ内に配置された1つの単位表示画面イメージを、多機能単位表示画面イメージとリンクするリンク画面イメージとして設定し、それら多機能単位表示画面イメージとリンク画面イメージとの間で2つの平面状表示画面イメージ間を行き来することができるように構成することができる(請求項11の発明)。
【0018】
これによれば、一つのまとまりとすることができるような複数の機能(小機能)がある場合に、それらを多機能単位表示画面イメージに割当て、それら各小機能に対応した単位表示画面イメージを第2の平面状表示画面イメージとし、基本となる平面状表示画面イメージとは別の二次元平面として設けることにより、基本となる平面状表示画面イメージにおける単位表示画面イメージの数つまり二次元平面状の広がりを徒に大きくすることなく済ませることができ、ユーザにとっては画面構成を覚えやすいものとすることができる。また、2つの平面状表示画面イメージ間の行き来は、多機能単位表示画面イメージとリンク画面イメージとの間で行えば良いので、操作も判りやすいものとなる。
【0019】
より具体的には、画面選択モードを有するものの場合、その画面選択モードにおいて多機能単位表示画面イメージが選択確定されたときに、表示器の画面に、リンク画面イメージを中心とした第2の平面状表示画面イメージの縮小表示を行ない、且つ、画面選択モードを継続させるように構成することができる(請求項12の発明)。これにより、ユーザが第2の平面状表示画面イメージの中の単位表示画面イメージを選択する場合の操作が、判りやすく簡単となる。このとき、画面選択モードにおいて多機能単位表示画面イメージが選択確定された際に、第2の平面状表示画面イメージの縮小表示に移行する前に表示器の画面に所定時間だけ多機能単位表示画面イメージの全画面表示を行なうようにしても良く(請求項13の発明)、ユーザにとって、より判りやすい表示とすることができる。
【0020】
或いは、画面選択モードを有するものの場合、その画面選択モードにおいて第2の平面状表示画面イメージのリンク画面イメージが選択確定されたときに、表示器の画面に、多機能単位表示画面イメージを中心とした平面状表示画面イメージの縮小表示を行ない、且つ、画面選択モードを継続させるように構成することができる(請求項14の発明)。これにより、ユーザが第2の平面状表示画面イメージから基本となる平面状表示画面イメージ側へ戻る場合の操作が、判りやすく簡単となる。このとき、画面選択モードにおいて第2の平面状表示画面イメージのリンク画面イメージが選択確定された際に、平面状表示画面イメージの縮小表示に移行する前に表示器の画面に所定時間だけリンク画面イメージの全画面表示を行なうようにしても良く(請求項15の発明)、やはりユーザにとって、より判りやすい表示とすることができる。
【0021】
また、上記第2の平面状表示画面イメージのいずれかの単位表示画面イメージが表示されている状態で所定の操作がなされたときに、表示器の画面に多機能単位表示画面イメージを表示させる構成とすることができる(請求項16の発明)。これによれば、ユーザの簡単な操作で、表示器の画面を一気に多機能単位表示画面イメージの表示に戻すことができて利便性を向上させることができる。
【0022】
そして、本発明においては、上記平面状表示画面イメージを、複数の単位表示画面イメージを全体が矩形となるように配列して構成すると共に、そのうち機能が割当てられない画面が生じた場合には、その画面を、空白又は機能割当てがないことを示すアイコン表示とするように構成することができる(請求項17の発明)。これによれば、ユーザにとって平面状表示画面イメージの二次元平面がどのように広がっているかが判り易くなり、画面選択時の移動の操作もしやすいものとなる。
【0023】
このとき、機能割当てがないことを示すアイコン表示を、二次元平面におけるその画面の位置を図形化して示すものとすることができる(請求項18の発明)。これにより、機能割当てがない単位表示画面イメージを表示器に表示した際の全体における位置が、ユーザにとって良く判るようになり、操作性の向上を図ることができる。
【0024】
表示制御手段を、矩形状に構成された平面状表示画面イメージを、縦方向には上端と下端とが連続し、横方向には左端と右端とが連続するように表示制御を行なうように構成することもできる(請求項19の発明)。これにより、平面状表示画面イメージの二次元平面の縁部又は角部の単位表示画面イメージからの反対側に移動する際に、戻ることなく済むようになり、操作をより容易とすることができる。
【0025】
さらには、矩形状に構成された平面状表示画面イメージの、縦方向又は横方向の中心画面に複数の主要項目の単位表示画面イメージが並んで配置され、各主要項目に関連する項目の単位表示画面イメージが、該当する主要項目に対し前記主要項目の並び方向に対して直交方向に並んで配置されるように構成することもできる(請求項20の発明)。これによれば、ユーザが、主要項目やそれに関連する項目の単位表示画面イメージがどこにあるかが判りやすくなり、より一層操作が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
<1>第1の実施例
以下、本発明を具体化した第1の実施例について、図1ないし図8を参照しながら説明する。尚、この実施例は、情報読取装置として、バーコード、各種二次元コードの読取り、及び文字読取り(OCR)、並びにRFIDタグ及び非接触ICカードの読取りが可能な手持ち式(ガンタイプ)の情報読取装置に本発明を適用したものである。
【0027】
図1及び図2は、本実施例に係る情報読取装置の外観構成を示している。情報読取装置の本体ケース1は、角部が丸みを帯び先端側に向けてやや広がる形態のほぼ矩形箱状をなす主部1aの下面側後部寄りに、ユーザが片手で把持して操作することが可能なグリップ部1bを一体的に有して構成されている。前記本体ケース1(主部1a)の先端面部には、やや横長な矩形状をなし透光性を有する読取口1cが設けられている。また、前記グリップ部1bの上端部には、読取指示用のトリガスイッチ2が設けられている。
【0028】
前記本体ケース1(主部1a)内の先端側部分には、例えば商品に付されたラベルやカタログ等の読取対象R(図3参照)に記録された光学情報(図1ではバーコードBを例示)を読取るための読取機構が設けられる。図3に概略的に示すように、この読取機構は、例えばCCDエリアセンサからなる受光センサ3、例えば鏡筒内に複数枚のレンズを備えて構成される結像レンズ4、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部5などを備えて構成されている。これにて、照明部5によって読取口1cを通して読取対象Rに照明光が照射され、光学情報(バーコードBや各種二次元コード、文字情報)からの反射光が読取口1cを通して入射され、前記結像レンズ4を介して受光センサ3上に結像され、以て、光学情報の画像が取込まれる(撮像される)ようになっているのである。
【0029】
また、本実施例では、図3にのみ示すように、読取口1cの近傍に位置してRFIDタグ(あるいは非接触ICカード)との間での送受信を行なうためのアンテナコイル21が設けられている。これにて、本体ケース1の近傍に配置された図示しないRFIDタグ(あるいは非接触ICカード)との間での通信によってデータの読取りが可能とされているのである。詳しく図示はしないが、本体ケース1(主部1a)内には、図3に示す各種回路などが実装されている回路基板が設けられている。さらに、図3にのみ図示するように、電源となる二次電池6や、外部との通信を行うための無線LANモジュール7等が設けられている。
【0030】
そして、図1及び図2に示すように、本体ケース1の外面部(主部1aの上面部)には、カラー表示可能な小型の液晶表示器8や、ユーザが各種入力指示等を行うためのキー操作部9が設けられている。前記液晶表示器8は、画面の対角長が例えば1.5インチ以下の小型のもので、設定やデータの入力、動作状態やデータの表示などの機能が割当てられた画面を表示するようになっている。この液晶表示器8に対する表示の制御は、プロセッサ(マイコン)10(図3参照)により後述するようにして行われる。
【0031】
また、前記キー操作部9は、前記液晶表示器8のすぐ手前側に設けられた操作部材としての移動キー(カーソルキー)11を備えると共に、その移動キー11の手前側の左右に位置して設けられた「戻る」キー12及び「進む」キー13等を備えている。前記移動キー11は、この場合、上下左右(縦横)の4方向及び斜め4方向の合計8方向に傾動操作(周縁部の押圧操作)が可能に設けられており、ユーザによって8方向のうちいずれかの方向が指示操作されることにより、裏面側に設けられた図示しないスイッチ部が動作して該当する方向についての移動操作信号をプロセッサ10に出力するようになっている。
【0032】
本実施例では、この移動キー11は選択確定キーを兼用している。即ち、移動キー11は、傾動操作に加えて中心部(全体)を押圧操作可能に設けられ、ユーザによって押圧操作されることにより、図示しないスイッチ部から押圧操作信号をプロセッサ10に出力するようになっている。これにて、移動キー11(及びそれにより動作するスイッチ部)が、移動操作手段及び選択操作手段として機能するようになっている。尚、前記「戻る」キー12及び「進む」キー13についても、それらが押圧操作されると、それに応じたスイッチ信号が出力されるようになっている。このとき、後述するように、例えば「進む」キー13及び「戻る」キー12が、画面モード切替操作手段として機能するようになっている。
【0033】
図3は、本実施例の情報読取装置の電気的構成を概略的に示している。前記回路基板には、装置全体の制御などを行うプロセッサ10が設けられている。このプロセッサ10には、前記トリガスイッチ2及びキー操作部9からの操作信号が入力されるようになっている。また、プロセッサ10は、前記液晶表示器8の表示を制御し、無線LANモジュール7を介して外部とのデータ通信を実行するようになっている。従って、プロセッサ10が表示制御手段として機能する。このとき、詳しくは後述するように、プロセッサ10には、液晶表示器8の表示を行うための表示画面イメージのデータを記憶した表示メモリ14が接続されている。
【0034】
また、プロセッサ10は、前記受光センサ3、照明部5を制御するようになっており、以て、読取対象Rに記された光学情報の画像の取込み動作を実行するようになっている。このとき、前記回路基板には、増幅回路15、A/D変換回路16、クロック発生回路17、特徴検出回路18、変化点検出回路19、画像メモリ20などが実装され、これらもプロセッサ10により制御されるようになっている。これにて、受光センサ3による撮像信号に基づいて、光学情報の種類の判別やデコード処理などが実行されるようになっているのである。さらに、プロセッサ10は、回路基板に実装された復調回路22及び変調回路23を介して前記アンテナコイル21を制御し、RFIDタグやICカードとの間での通信を実行するようになっている。
【0035】
さて、上述のように、液晶表示器8には、設定やデータの入力、動作状態やデータの表示などの各種の機能が割当てられた画面が表示されるのであるが、このとき、図4等に示すように、表示メモリ14には、液晶表示器8の画面に表示させる1単位の表示内容を1つの単位表示画面イメージIとし、複数の単位表示画面イメージIを、二次元平面状の広がりを有して縦横に配列した平面状表示画面イメージPが記憶されている。各単位表示画面イメージIは、該当する画面に割当てられた機能をアイコンで表示するものとなっている。また、本実施例では、平面状表示画面イメージPは、複数の単位表示画面イメージIを全体が矩形となるように配列して構成されている。
【0036】
具体的には、図4に示すように、本実施例の平面状表示画面イメージPは、25個(実質は22個)の単位表示画面イメージIを、縦方向に5段、横方向に5列に配列して構成されている。図で上から縦方向2段は、読取る光学情報の種類を示す画面であり、最上段左から順に、ベリコード、マキシコード、QRコード、データマトリクス、PDF417、を表し、2段目左から順に、多段バーコード、バーコード、読取機能の設定、文字読取、画像取込み、を表している。
【0037】
3段目の3列目つまり全体の中心部には、基本画面イメージIsが配置されている。この基本画面イメージIsは、電源オン時の初期画面となるものであり、無線通信の状態、電池の残量、バーコードニ次元コードの読取りが可能である表示、日付、曜日が表示される。基本画面イメージIsの左側には、RFIDタグ(ICカード)との無線通信機能設定、無線通信状態表示の画面が配置され、右側には、読取データの送信、電源管理の設定の画面が配置される。
【0038】
4段目の左端は、機能割当てのない画面であり、この場合、5段5列の平面状表示画面イメージPのうち、その画面の位置を図形化して示すものとされている。その右側には順に、表示/操作設定、機器構成/機能設定、無線LAN接続のログオン操作及びLAN状態の表示、ホストとの通信操作の画面が配置されている。5段目には、左右両端を除いて、左から順に、スケジュール機能設定、日時設定、ターマー機能設定の画面が配置されている。5段目の両端にも、夫々機能割当てのない画面が配置され、やはりその画面の位置を図形化して示すものとされている。尚、機能割当てのない画面については、自らの位置に併せて基本画面イメージIsの位置も示される。
【0039】
前記プロセッサ10は、その時点で選択されている単位表示画面イメージIを、その中心が液晶表示器8の画面中心部に一致するように該液晶表示器8の表示を制御するのであるが、このとき、液晶表示器8の表示には、単位画面表示モードと、画面選択モードとの2つのモードが存在する。そのうち単位画面表示モードは、図6(a),(b)などに示すように、選択されている(現在機能している)1つの単位表示画面イメージIを、液晶表示器8の画面一杯に表示させるものである。
【0040】
これに対し、画面選択モードは、表示すべき単位表示画面イメージIをユーザが選択するためのモードであり、この場合、図5,図6(c),図7(a)に示すように、その時点で選択されている単位表示画面イメージIを中心とし、平面状表示画面イメージP内においてその周囲に配置されている8個の単位表示画面イメージIを含むような縮小表示がなされる。本実施例では、単位表示画面イメージIの一辺を3分の1に縮小し、全体で9個の単位表示画面イメージIが表示されるようになっている。またこのとき、そのうち中央にある単位表示画面イメージIを、カラー強調したり太枠で囲んだりすることにより、強調するような表示がなされる。
【0041】
本実施例では、プロセッサ10は、上述のように、装置の電源オン時に、液晶表示器8の画面一杯に基本画面イメージIsを表示させる(図6(a)参照)。この時点では、単位画面表示モードとされている。そして、この状態で、ユーザにより、「進む」キー13がオン操作されると、プロセッサ10は、液晶表示器8の画面表示のモードを画面選択モードに切替え、基本画面イメージIsを中央に配した9個の縮小画面を表示させる(図6(c)参照)。
【0042】
この画面選択モードにおいては、プロセッサ10は、前記移動キー11が傾動操作されると、図5に示すように、その指示方向(縦、横、斜めの8方向)に応じて、表示されている単位表示画面イメージIを平面状表示画面イメージPにおいて隣合うものに順に切替えていくように液晶表示器8の表示制御を行なう。つまり、いわば9個の単位表示画面イメージIを含んだ画面のフレームが、平面状表示画面イメージPの二次元平面上を、ユーザが移動指示した方向に1駒ずつ隣に移動するが如く表示が切替えられるのである。
【0043】
そして、プロセッサ10は、この画面選択モードにおいて、移動キー11が押圧操作されると、その画面の中央に位置されていた単位表示画面イメージIの選択を確定させると共に、その単位表示画面イメージIを液晶表示器8の画面一杯に表示させる単位画面表示モードに切替えるようになっている。また、プロセッサ10は、画面選択モードにおいて、「戻る」キー12が操作されると、単位画面表示モードに戻り、基本画面イメージIsを液晶表示器8の画面一杯に表示させるように制御を行なう。
【0044】
次に、上記構成の作用について、図6〜図8を具体例としてあげながら説明する。
上述のように、情報読取装置の電源オン時には、図6(a)に示すように、液晶表示器8に基本画面イメージIsが表示される。この基本画面イメージIsは、無線通信の状態、電池の残量、バーコードニ次元コードの読取りが可能である表示、日付、曜日が表示されるものであり、ユーザは、例えばそのままで、図1に示すように、バーコードBが記された読取対象Rに読取口1cを向けてトリガスイッチ2をオン操作することにより、バーコードBの読取り動作が実行される。
【0045】
バーコードBの読取りが行なわれると、図6(b)に示すように、液晶表示器8には、バーコードBを読取った旨の表示及び読取データ(多数桁の数字)が表示されるようになる。続けて、バーコードBの読取り動作を行うと、新たな表示に切替わり、一定時間操作がない場合には、図6(a)の基本画面イメージIsに戻るようになっている。
【0046】
今、ユーザが、例えば機能の設定等のために液晶表示器8を別の機能画面に切替えたい場合には、「進む」キー13をオン操作する。すると、図6(c)に示すように、液晶表示器8の画面が、画面選択モードの画面に切替えられる。この画面では、平面状表示画面イメージPにおいて前記基本画面イメージIsを中央として周囲8個を含んだ、合計9個の単位表示画面イメージIが縮小表示される。そこで、ユーザは、所望の単位表示画面イメージIが中心に来るように、移動キー11を操作する。
【0047】
ユーザが、例えば平面状表示画面イメージPにおいて最上段左から3番目のQRコードの設定画面を選択したい場合には、移動キー11の上方への移動を2回操作指示する。すると、液晶表示器8の画面は、図7(a)に示すように、「QRコード」の単位表示画面イメージIを中心とした表示に切替るようになる。尚、本実施例では、単位表示画面イメージIが存在しない部分(図7(a)では、平面状表示画面イメージPの最上段よりも上の部分)は、表示が行なわれないもの(空白表示)となる。
【0048】
そして、この状態で、ユーザが移動キー11の中心を押圧操作すると、「QRコード」の単位表示画面イメージIの選択が確定され、液晶表示器8の画面は、図7(b)に示すように、QRコードの設定画面(単位画面表示モード)に切替る。この設定画面では、読取るQRコードの種類(マイクロQR,モデル1,モデル2のいずれか)及び誤り訂正(データ復元)レベル(S,L,Mのいずれか)をユーザが設定することができる。この設定も、移動キー11を傾動操作して反転表示(カーソル)を移動させ、移動キー11を押圧操作して確定させるといった操作により行なうことができる。尚、選択を取消す場合には、移動キー11を連続して押圧操作すれば良い。
【0049】
また、図8は、例えば「スケジュール機能設定」の単位表示画面イメージIが選択確定された場合の、文字や数値の入力方法を示している。ここでは、液晶表示器8の画面は、上部が入力用の領域とされ、その下部に、数字、ローマ字、かなが3段に表示されている。ユーザは、移動キー11を傾動操作して反転表示(カーソル)を所望の文字に移動させ、移動キー11を押圧操作して確定させるといった操作を繰返すことにより、文字及び数値を入力することができる。
【0050】
このように本実施例によれば、複数の単位表示画面イメージIを、二次元平面状の広がりを有して縦横に配列した平面状表示画面イメージPを設定し、ユーザがその平面上における移動指示の操作を行なうことにより、所望の単位表示画面イメージIを選択する構成とした。この場合、情報読取装置においては、ユーザが使用する画面の数はさほど多くはなく、移動キー11の操作回数も平均的にみてさほど多くなることはない。また、ユーザは、使用を繰返すことによって平面状表示画面イメージPにおける画面の全体構成をおぼろげながらでも覚えられるようになる。
【0051】
従って、小型の表示器8を備えるものにあって、従来のような画面構成がツリー構造となっているものと異なり、ユーザがある程度慣れることによって、液晶表示器8を目的の画面に切替える際の操作を簡単且つスピーディに行うことができるようになる。
【0052】
特に本実施例では、単位画面表示モードと、画面選択モードとの間で表示形態を異ならせると共に、画面選択モードにおいては、その時点で選択されている単位表示画面イメージIを中心として9個の単位表示画面イメージIを表示するように構成したので、ユーザは、いずれのモードにあるかが一目で判るようになり、また、画面選択モードにおいては、その時点で選択されている単位表示画面イメージの周囲にどのような単位表示画面イメージがあるかが判るので、操作性をより一層向上させることができる。
【0053】
そして、本実施例では、1個の移動キー11の傾動操作により移動方向を8方向に指示するように構成し、さらに移動キー11の押圧操作によって選択を確定するように構成したので、複数の機能を1個の移動キー11に兼用させて操作部の構成の簡単化を図ることができ、しかも操作性を良好なものとすることができる。さらに、本実施例では、複数の単位表示画面イメージIのうち1つを基本画面イメージIsとして設定し、液晶表示器8の表示が常に基本画面イメージIsから始まるように構成したので、ユーザにとって判りやすいものとなり、利便性を向上させることができる。
【0054】
<2>第2〜第4の実施例、その他の実施例
図9は、本発明の第2の実施例を示すものであり、表示メモリ14に記憶される表示画面イメージの構成を模式的に示したものである。尚、以下に述べる実施例は、上記第1の実施例の一部を変更したいわば変形例とでも言うべきものであり、従って、上記第1の実施例と同一部分については、同一符号を使用すると共に新たな図示や詳しい説明を省略し、異なる点についてのみ説明することとする。
【0055】
この第2の実施例においては、複数の単位表示画面イメージIを二次元平面状に配列した第1の平面状表示画面イメージP1の中に、複数の機能が割当てられた多機能単位表示画面イメージM1,M2を含ませるようにし、そのうち多機能単位表示画面イメージM1に割当てられている機能を複数の小機能に分割した複数の単位表示画面イメージIが二次元平面状に配列された第2の平面状表示画面イメージP2を設定すると共に、多機能単位表示画面イメージM2に割当てられている機能を複数の小機能に分割した複数の単位表示画面イメージIが二次元平面状に配列された第2の平面状表示画面イメージP3を設定するようにしている。さらに、第2の平面状表示画面イメージP3の中には、複数の機能が割当てられた多機能単位表示画面イメージM3が含まれ、その多機能単位表示画面イメージM3に割当てられている機能を複数の小機能に分割した複数の単位表示画面イメージIが二次元平面状に配列された第2の平面状表示画面イメージP4が設定されている。
【0056】
そして、第2の平面状表示画面イメージP2内に配置された1つの単位表示画面イメージが、多機能単位表示画面イメージM1とリンクするリンク画面イメージL1として設定され、第2の平面状表示画面イメージP3内に配置された1つの単位表示画面イメージが、多機能単位表示画面イメージM2とリンクするリンク画面イメージL2として設定され、第2の平面状表示画面イメージP4内に配置された1つの単位表示画面イメージが、多機能単位表示画面イメージM3とリンクするリンク画面イメージL3として設定されている。
【0057】
これにて、多機能単位表示画面イメージM1とリンク画面イメージL1との間で2つの平面状表示画面イメージP1,P2間を行き来することができ、多機能単位表示画面イメージM2とリンク画面イメージL2との間で2つの平面状表示画面イメージP1,P3間を行き来することができ、多機能単位表示画面イメージM3とリンク画面イメージL3との間で2つの平面状表示画面イメージP3,P4間を行き来することができるように構成されている。
【0058】
このとき、画面選択モードにおいて、多機能単位表示画面イメージM1,M2,M3が選択確定されたときに、液晶表示器8の画面に、リンク画面イメージL1,L2,L3を中心とした第2の平面状表示画面イメージP2,P3、P4の縮小表示を行ない、且つ、画面選択モードを継続させるようになっている。また、画面選択モードにおいて、リンク画面イメージL1,L2及びL3が選択確定されたときに、液晶表示器8の画面に、多機能単位表示画面イメージM1,M2及びM3を中心とした平面状表示画面イメージP1及び平面状表示画面イメージP3の縮小表示を行ない、且つ、画面選択モードを継続させるようになっている。
【0059】
さらにこの場合、画面選択モードにおいて多機能単位表示画面イメージM1,M2,M3が選択確定された際に、第2の平面状表示画面イメージP2,P3、P4の縮小表示に移行する前に液晶表示器8の画面に所定時間だけ多機能単位表示画面イメージM1,M2,M3の全画面表示が行なわれる。また、画面選択モードにおいてリンク画面イメージL1,L2及びL3が選択確定された際に、平面状表示画面イメージP1及びP3の縮小表示に移行する前に液晶表示器8の画面に所定時間だけリンク画面イメージL1,L2及びL3の全画面表示が行なわれる。
【0060】
この第2の実施例によれば、基本となる平面状表示画面イメージP1における単位表示画面イメージIの数つまり二次元平面状の広がりを徒に大きくすることなく済ませることができ、ユーザにとっては画面構成を覚えやすいものとすることができる。また、2つの平面状表示画面イメージ間の行き来は、多機能単位表示画面イメージM1,M2,M3とリンク画面イメージL1,L2,L3との間で行えば良いので、操作も判りやすいものとなる。尚、この場合も、所定の操作(例えば「戻る」キー12のオン操作)がなされたときに、多機能単位表示画面イメージM1,M2,M3(あるいは基本画面イメージIs)の表示に戻るように構成すれば、操作性、利便性の向上を図ることができる。
【0061】
図10は、本発明の第3の実施例を示すもので、平面状表示画面イメージPのイメージを示している。ここでは、矩形状に構成された平面状表示画面イメージPを、縦方向には上端と下端とが連続し、横方向には左端と右端とが連続するように表示制御を行なう、つまり上下及び左右にエンドレスにスクロール表示する構成となっている。これによれば、平面状表示画面イメージPの二次元平面の縁部又は角部の単位表示画面イメージIからの反対側に移動する際に、戻ることなく済むようになり、操作をより容易とすることができる。
【0062】
図11は、本発明の第4の実施例を示すものである。この第4の実施例では、矩形状に構成された平面状表示画面イメージPの、中央部に基本画面イメージIsを配置し、例えば縦方向(X方向)に連なる中心画面(図に太線で囲んで示す)に複数の主要項目の単位表示画面イメージIを並んで配置し、さらに、それら各主要項目に関連する項目の単位表示画面イメージIを、該当する主要項目に対し横方向(Y方向)に並んで配置する構成としたものである。これによれば、ユーザが、主要項目やそれに関連する項目の単位表示画面イメージIがどこにあるかが判りやすくなり、より一層操作が容易となる。縦横を逆に構成しても良い。
【0063】
尚、上記各実施例では、光学的情報及び電気的な情報の双方の読取りが可能な情報読取装置に本発明を適用するようにしたが、光学的情報のみを読取る光学情報読取装置や、RFIDタグの情報のみを読取る装置などにも適用することができる。また、上記実施例では、移動キー11を、8方向に傾動操作可能に構成したが、少なくとも縦横の4方向の移動指示操作が可能なものであれば、同様に実施することができる。その他、例えばキー操作部の構成としては様々な変形が可能である等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、情報読取装置によりバーコードを読取っている様子を示す斜視図
【図2】情報読取装置の平面図
【図3】情報読取装置の電気的構成を概略的に示すブロック図
【図4】平面状表示画面イメージを模式的に示す図
【図5】画面選択モードにおける表示の移動の様子を示す図
【図6】液晶表示機の表示画面の切替の様子を示す図(その1)
【図7】液晶表示機の表示画面の切替の様子を示す図(その2)
【図8】文字や数値の入力方法を説明するための液晶表示器の画面の例を示す図
【図9】本発明の第2の実施例を示すもので、表示画面の構成を模式的に示す図
【図10】本発明の第3の実施例を示すもので、平面状表示画面イメージの構成を模式的に示す図
【図11】本発明の第4の実施例を示すもので、平面状表示画面イメージを模式的に示す図
【図12】従来例を示すもので、表示画面の構成(ツリー構造)を模式的に示す図
【符号の説明】
【0065】
図面中、1は本体ケース、8は液晶表示器,9はキー操作部、10はプロセッサ(表示制御手段)、11は移動キー(操作部材)、12は「戻る」キー、13は「進む」キー、14は表示メモリ、Iは単位表示画面イメージ、Isは基本画面イメージ、P,P1,P2,P3,P4は平面状表示画面イメージ、M1,M2,M3は多機能単位表示画面イメージ、L1,L2,L3はリンク画面イメージを示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコード、二次元コード、文字認識、RFIDタグ、非接触ICカードなどの情報を、光学的や電気的な手法により読取る情報読取装置に係り、特に例えば対角長が1.5インチ以下の比較的小型の表示器を備える情報読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば携帯電話機やPDA等のユーザが手に持って操作するような携帯型の情報機器においては、比較的小型の液晶表示器を備え、設定やデータの入力、動作状態やデータの表示等の機能が割当てられた各種の画面を表示するようになっている。また、ユーザが画面切替や、機能,モードの選択などを行なうために操作する操作キーとして、方向指示ボタン(四方向選択キー)を本体の表裏両面に設けることにより、操作性を高めることが考えられている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この場合、各機能が割当てられた各種画面を表示器に表示させるための画面構成として、図12に示すような、いわゆるツリー構造を採用することが一般的であった。このツリー構造においては、例えば初期画面A0において、A1〜A4のいずれかを選択し、例えばA2を選択した後、画面A2においてA21、A22のいずれかを選択するといった、選択操作を繰返すことにより、目的とする画面B221〜B312等にたどり着くといったものである。このようなツリー構造の画面構成とすれば、ユーザが全体の画面構成を把握することは難しいが、特に全体の画面構成を知らなくとも、目的とする画面にたどり着くことができるメリットがあった。
【特許文献1】特開2004−32548号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような画面構成をツリー構造としてものでは、ユーザが目的とする画面や機能の選択に要する操作回数が比較的多くなり、操作に時間がかかる欠点があった。例えば図12の例では、画面B222にたどり着くために3回の選択操作が必要となり、その画面B222から隣りの画面B311に移りたい場合には、一旦初期画面A0まで戻ってからB311に進む必要があるため、6回の選択操作を行なうことになる。
【0005】
尚、上記の欠点を解消するためには、十分に大型の表示器を設けて一画面に多量の情報を表示できるようにすれば良いが、それでは、装置全体の大型化や、高重量化、コストアップ等を招いてしまう不具合があり、特に携帯型の情報読取装置においては、表示器の大型化には限度がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、小型の表示器を備えるものにあって、表示器を目的の画面に切替える際のユーザの操作性の向上を図ることができる情報読取装置を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報読取装置は、表示画素をマトリクス配列して構成され、設定やデータの入力、動作状態やデータの表示等の機能が割当てられた画面を表示する小型の表示器と、この表示器の画面に表示させる1単位の表示内容を1つの単位表示画面イメージとし、複数の単位表示画面イメージを、二次元平面状の広がりを有して縦横に配列した平面状表示画面イメージを記憶する表示メモリと、前記複数の単位表示画面イメージの中からいずれかを選択するために前記平面状表示画面イメージ内における移動方向を指示するための移動操作手段と、前記単位表示画面イメージの選択を確定させるための選択操作手段と、その時点で選択されている単位表示画面イメージを、その中心が前記表示器の画面中心部に一致するように該表示器の表示を制御する表示制御手段とを備えると共に、前記表示制御手段は、前記移動操作手段の操作に応じて、前記表示器の画面に表示させる単位表示画面イメージを前記平面状表示画面イメージにおいて隣合うものに順に切替えるように制御を行うところに特徴を有する(請求項1の発明)。
【0008】
これによれば、表示メモリには、各種機能が割当てられた複数の単位表示画面イメージを、二次元平面状の広がりを有して縦横に配列した平面状表示画面イメージが記憶され、表示制御手段により、その時点で選択されている単位表示画面イメージが小型の表示器の画面中心部に表示される。そして、ユーザが移動操作手段を操作して移動方向を指示することにより、表示器の画面に表示される単位表示画面イメージが平面状表示画面イメージ内において隣合うものに順に切替えられ、所望の単位表示画面イメージが表示された状態で選択操作手段を操作することによって、その単位表示画面イメージの選択が確定されるようになる。
【0009】
情報読取装置においては、ユーザが頻繁に使用する画面の数はさほど多くはなく、移動操作手段の操作回数も平均的にみてさほど多くなることはない。また、ユーザは、使用を繰返すことによって平面状表示画面イメージにおける画面の全体構成をおぼろげながらでも覚えられるようになる。従って、ユーザがある程度慣れることによって、表示器を目的の画面に切替える際の操作を簡単且つスピーディに行うことができるようになる。
【0010】
このとき、表示器に1つの単位表示画面イメージを表示する単位画面表示モードと、表示すべき単位画面表示イメージを選択するための画面選択モードとを切替えるための画面モード切替操作手段を設け、表示制御手段を、その画面モード切替操作手段の操作に基づいて、表示器の表示を該当するモードに対応したものに切替制御するように構成することができる(請求項2の発明)。これによれば、いずれのモードにあるかに応じて表示器の表示が切替えられるので、ユーザにとって判りやすく、操作しやすいものとなる。
【0011】
より具体的には、単位画面表示モードにおいては、単位表示画面イメージを表示器の画面一杯に表示し、画面選択モードにおいては、表示器の画面に、その時点で選択されている単位表示画面イメージを中心としてその周囲に配置されている単位表示画面イメージの少なくとも一部分を含むように縮小表示を行う構成とすることができる(請求項3の発明)。これによれば、ユーザは、いずれのモードにあるかが一目で判るようになり、また、画面選択モードにおいては、その時点で選択されている単位表示画面イメージの周囲にどのような単位表示画面イメージがあるかが判るので、操作性をより一層向上させることができる。
【0012】
このとき、画面選択モードにおいて、単位表示画面イメージを、その一辺を3分の1に縮小して表示器に表示することにより、その時点で選択されている単位表示画面イメージを中心にして全体で9個の単位表示画面イメージを表示するようにしても良い(請求項4の発明)。これによれば、ユーザが、周囲全ての単位表示画面イメージを明確に知ることができ、より一層効果的となる。但しこの場合、縮小表示によって1個の単位表示画面イメージの表示の大きさが小さくなるので、該当する単位表示画面イメージに割当てられた機能を図形化して表示したアイコンで表示するようにすれば(請求項5の発明)、視認性の悪化を防止することができる。
【0013】
上記のように、単位表示画面イメージの縮小表示を行っている画面選択モードにおいて、選択操作手段が操作されたときに、表示器の中心に表示されていた単位表示画面イメージの選択を確定させると共に、その単位表示画面イメージを画面一杯に表示させる単位画面表示モードに切替える構成とすることができる(請求項6の発明)。これにより、選択が確定された旨をユーザに判りやすく表示することができる。
【0014】
上記移動操作手段を、少なくとも縦横の4方向に傾動操作可能な1個の操作部材を備え、その操作部材が傾動操作されることによって移動方向が指示されるように構成することができる(請求項7の発明)。これにより、構成が簡単となると共に、操作もしやすいものとすることができる。このとき、その操作部材を、縦横及び斜めの8方向に傾動操作可能に構成し、移動方向を8方向に指示することを可能とすることもでき(請求項8の発明)、より操作性を向上させることができる。
【0015】
さらに、操作部材を、傾動操作に加えて押圧操作可能に設け、前記選択操作手段を、その操作部材が押圧操作されることによって単位表示画面イメージの選択を確定させるように構成することもできる(請求項9の発明)。これにより、構成のより一層の簡単化を図ることができる。
【0016】
また、複数の単位表示画面イメージのうち1つを基本画面イメージとして設定し、電源オン時あるいは所定の操作がなされたときに、表示器の画面にその基本画面イメージを表示させるように構成することができる(請求項10の発明)。これによれば、電源オン時に常に基本画面イメージの表示から始まるようになり、ユーザにとって判りやすいものとなり、あるいは、ユーザの簡単な操作で、表示器の画面を一気に基本画面イメージの表示に戻すことができて利便性を向上させることができる。
【0017】
本発明においては、単位表示画面イメージの中に、1つの単位表示画面イメージに複数の機能が割当てられた多機能単位表示画面イメージを含ませるようにし、表示メモリに、その多機能単位表示画面イメージに割当てられている機能を複数の小機能に分割した複数の単位表示画面イメージが二次元平面状に配列された第2の平面状表示画面イメージを記憶させると共に、その第2の平面状表示画面イメージ内に配置された1つの単位表示画面イメージを、多機能単位表示画面イメージとリンクするリンク画面イメージとして設定し、それら多機能単位表示画面イメージとリンク画面イメージとの間で2つの平面状表示画面イメージ間を行き来することができるように構成することができる(請求項11の発明)。
【0018】
これによれば、一つのまとまりとすることができるような複数の機能(小機能)がある場合に、それらを多機能単位表示画面イメージに割当て、それら各小機能に対応した単位表示画面イメージを第2の平面状表示画面イメージとし、基本となる平面状表示画面イメージとは別の二次元平面として設けることにより、基本となる平面状表示画面イメージにおける単位表示画面イメージの数つまり二次元平面状の広がりを徒に大きくすることなく済ませることができ、ユーザにとっては画面構成を覚えやすいものとすることができる。また、2つの平面状表示画面イメージ間の行き来は、多機能単位表示画面イメージとリンク画面イメージとの間で行えば良いので、操作も判りやすいものとなる。
【0019】
より具体的には、画面選択モードを有するものの場合、その画面選択モードにおいて多機能単位表示画面イメージが選択確定されたときに、表示器の画面に、リンク画面イメージを中心とした第2の平面状表示画面イメージの縮小表示を行ない、且つ、画面選択モードを継続させるように構成することができる(請求項12の発明)。これにより、ユーザが第2の平面状表示画面イメージの中の単位表示画面イメージを選択する場合の操作が、判りやすく簡単となる。このとき、画面選択モードにおいて多機能単位表示画面イメージが選択確定された際に、第2の平面状表示画面イメージの縮小表示に移行する前に表示器の画面に所定時間だけ多機能単位表示画面イメージの全画面表示を行なうようにしても良く(請求項13の発明)、ユーザにとって、より判りやすい表示とすることができる。
【0020】
或いは、画面選択モードを有するものの場合、その画面選択モードにおいて第2の平面状表示画面イメージのリンク画面イメージが選択確定されたときに、表示器の画面に、多機能単位表示画面イメージを中心とした平面状表示画面イメージの縮小表示を行ない、且つ、画面選択モードを継続させるように構成することができる(請求項14の発明)。これにより、ユーザが第2の平面状表示画面イメージから基本となる平面状表示画面イメージ側へ戻る場合の操作が、判りやすく簡単となる。このとき、画面選択モードにおいて第2の平面状表示画面イメージのリンク画面イメージが選択確定された際に、平面状表示画面イメージの縮小表示に移行する前に表示器の画面に所定時間だけリンク画面イメージの全画面表示を行なうようにしても良く(請求項15の発明)、やはりユーザにとって、より判りやすい表示とすることができる。
【0021】
また、上記第2の平面状表示画面イメージのいずれかの単位表示画面イメージが表示されている状態で所定の操作がなされたときに、表示器の画面に多機能単位表示画面イメージを表示させる構成とすることができる(請求項16の発明)。これによれば、ユーザの簡単な操作で、表示器の画面を一気に多機能単位表示画面イメージの表示に戻すことができて利便性を向上させることができる。
【0022】
そして、本発明においては、上記平面状表示画面イメージを、複数の単位表示画面イメージを全体が矩形となるように配列して構成すると共に、そのうち機能が割当てられない画面が生じた場合には、その画面を、空白又は機能割当てがないことを示すアイコン表示とするように構成することができる(請求項17の発明)。これによれば、ユーザにとって平面状表示画面イメージの二次元平面がどのように広がっているかが判り易くなり、画面選択時の移動の操作もしやすいものとなる。
【0023】
このとき、機能割当てがないことを示すアイコン表示を、二次元平面におけるその画面の位置を図形化して示すものとすることができる(請求項18の発明)。これにより、機能割当てがない単位表示画面イメージを表示器に表示した際の全体における位置が、ユーザにとって良く判るようになり、操作性の向上を図ることができる。
【0024】
表示制御手段を、矩形状に構成された平面状表示画面イメージを、縦方向には上端と下端とが連続し、横方向には左端と右端とが連続するように表示制御を行なうように構成することもできる(請求項19の発明)。これにより、平面状表示画面イメージの二次元平面の縁部又は角部の単位表示画面イメージからの反対側に移動する際に、戻ることなく済むようになり、操作をより容易とすることができる。
【0025】
さらには、矩形状に構成された平面状表示画面イメージの、縦方向又は横方向の中心画面に複数の主要項目の単位表示画面イメージが並んで配置され、各主要項目に関連する項目の単位表示画面イメージが、該当する主要項目に対し前記主要項目の並び方向に対して直交方向に並んで配置されるように構成することもできる(請求項20の発明)。これによれば、ユーザが、主要項目やそれに関連する項目の単位表示画面イメージがどこにあるかが判りやすくなり、より一層操作が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
<1>第1の実施例
以下、本発明を具体化した第1の実施例について、図1ないし図8を参照しながら説明する。尚、この実施例は、情報読取装置として、バーコード、各種二次元コードの読取り、及び文字読取り(OCR)、並びにRFIDタグ及び非接触ICカードの読取りが可能な手持ち式(ガンタイプ)の情報読取装置に本発明を適用したものである。
【0027】
図1及び図2は、本実施例に係る情報読取装置の外観構成を示している。情報読取装置の本体ケース1は、角部が丸みを帯び先端側に向けてやや広がる形態のほぼ矩形箱状をなす主部1aの下面側後部寄りに、ユーザが片手で把持して操作することが可能なグリップ部1bを一体的に有して構成されている。前記本体ケース1(主部1a)の先端面部には、やや横長な矩形状をなし透光性を有する読取口1cが設けられている。また、前記グリップ部1bの上端部には、読取指示用のトリガスイッチ2が設けられている。
【0028】
前記本体ケース1(主部1a)内の先端側部分には、例えば商品に付されたラベルやカタログ等の読取対象R(図3参照)に記録された光学情報(図1ではバーコードBを例示)を読取るための読取機構が設けられる。図3に概略的に示すように、この読取機構は、例えばCCDエリアセンサからなる受光センサ3、例えば鏡筒内に複数枚のレンズを備えて構成される結像レンズ4、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部5などを備えて構成されている。これにて、照明部5によって読取口1cを通して読取対象Rに照明光が照射され、光学情報(バーコードBや各種二次元コード、文字情報)からの反射光が読取口1cを通して入射され、前記結像レンズ4を介して受光センサ3上に結像され、以て、光学情報の画像が取込まれる(撮像される)ようになっているのである。
【0029】
また、本実施例では、図3にのみ示すように、読取口1cの近傍に位置してRFIDタグ(あるいは非接触ICカード)との間での送受信を行なうためのアンテナコイル21が設けられている。これにて、本体ケース1の近傍に配置された図示しないRFIDタグ(あるいは非接触ICカード)との間での通信によってデータの読取りが可能とされているのである。詳しく図示はしないが、本体ケース1(主部1a)内には、図3に示す各種回路などが実装されている回路基板が設けられている。さらに、図3にのみ図示するように、電源となる二次電池6や、外部との通信を行うための無線LANモジュール7等が設けられている。
【0030】
そして、図1及び図2に示すように、本体ケース1の外面部(主部1aの上面部)には、カラー表示可能な小型の液晶表示器8や、ユーザが各種入力指示等を行うためのキー操作部9が設けられている。前記液晶表示器8は、画面の対角長が例えば1.5インチ以下の小型のもので、設定やデータの入力、動作状態やデータの表示などの機能が割当てられた画面を表示するようになっている。この液晶表示器8に対する表示の制御は、プロセッサ(マイコン)10(図3参照)により後述するようにして行われる。
【0031】
また、前記キー操作部9は、前記液晶表示器8のすぐ手前側に設けられた操作部材としての移動キー(カーソルキー)11を備えると共に、その移動キー11の手前側の左右に位置して設けられた「戻る」キー12及び「進む」キー13等を備えている。前記移動キー11は、この場合、上下左右(縦横)の4方向及び斜め4方向の合計8方向に傾動操作(周縁部の押圧操作)が可能に設けられており、ユーザによって8方向のうちいずれかの方向が指示操作されることにより、裏面側に設けられた図示しないスイッチ部が動作して該当する方向についての移動操作信号をプロセッサ10に出力するようになっている。
【0032】
本実施例では、この移動キー11は選択確定キーを兼用している。即ち、移動キー11は、傾動操作に加えて中心部(全体)を押圧操作可能に設けられ、ユーザによって押圧操作されることにより、図示しないスイッチ部から押圧操作信号をプロセッサ10に出力するようになっている。これにて、移動キー11(及びそれにより動作するスイッチ部)が、移動操作手段及び選択操作手段として機能するようになっている。尚、前記「戻る」キー12及び「進む」キー13についても、それらが押圧操作されると、それに応じたスイッチ信号が出力されるようになっている。このとき、後述するように、例えば「進む」キー13及び「戻る」キー12が、画面モード切替操作手段として機能するようになっている。
【0033】
図3は、本実施例の情報読取装置の電気的構成を概略的に示している。前記回路基板には、装置全体の制御などを行うプロセッサ10が設けられている。このプロセッサ10には、前記トリガスイッチ2及びキー操作部9からの操作信号が入力されるようになっている。また、プロセッサ10は、前記液晶表示器8の表示を制御し、無線LANモジュール7を介して外部とのデータ通信を実行するようになっている。従って、プロセッサ10が表示制御手段として機能する。このとき、詳しくは後述するように、プロセッサ10には、液晶表示器8の表示を行うための表示画面イメージのデータを記憶した表示メモリ14が接続されている。
【0034】
また、プロセッサ10は、前記受光センサ3、照明部5を制御するようになっており、以て、読取対象Rに記された光学情報の画像の取込み動作を実行するようになっている。このとき、前記回路基板には、増幅回路15、A/D変換回路16、クロック発生回路17、特徴検出回路18、変化点検出回路19、画像メモリ20などが実装され、これらもプロセッサ10により制御されるようになっている。これにて、受光センサ3による撮像信号に基づいて、光学情報の種類の判別やデコード処理などが実行されるようになっているのである。さらに、プロセッサ10は、回路基板に実装された復調回路22及び変調回路23を介して前記アンテナコイル21を制御し、RFIDタグやICカードとの間での通信を実行するようになっている。
【0035】
さて、上述のように、液晶表示器8には、設定やデータの入力、動作状態やデータの表示などの各種の機能が割当てられた画面が表示されるのであるが、このとき、図4等に示すように、表示メモリ14には、液晶表示器8の画面に表示させる1単位の表示内容を1つの単位表示画面イメージIとし、複数の単位表示画面イメージIを、二次元平面状の広がりを有して縦横に配列した平面状表示画面イメージPが記憶されている。各単位表示画面イメージIは、該当する画面に割当てられた機能をアイコンで表示するものとなっている。また、本実施例では、平面状表示画面イメージPは、複数の単位表示画面イメージIを全体が矩形となるように配列して構成されている。
【0036】
具体的には、図4に示すように、本実施例の平面状表示画面イメージPは、25個(実質は22個)の単位表示画面イメージIを、縦方向に5段、横方向に5列に配列して構成されている。図で上から縦方向2段は、読取る光学情報の種類を示す画面であり、最上段左から順に、ベリコード、マキシコード、QRコード、データマトリクス、PDF417、を表し、2段目左から順に、多段バーコード、バーコード、読取機能の設定、文字読取、画像取込み、を表している。
【0037】
3段目の3列目つまり全体の中心部には、基本画面イメージIsが配置されている。この基本画面イメージIsは、電源オン時の初期画面となるものであり、無線通信の状態、電池の残量、バーコードニ次元コードの読取りが可能である表示、日付、曜日が表示される。基本画面イメージIsの左側には、RFIDタグ(ICカード)との無線通信機能設定、無線通信状態表示の画面が配置され、右側には、読取データの送信、電源管理の設定の画面が配置される。
【0038】
4段目の左端は、機能割当てのない画面であり、この場合、5段5列の平面状表示画面イメージPのうち、その画面の位置を図形化して示すものとされている。その右側には順に、表示/操作設定、機器構成/機能設定、無線LAN接続のログオン操作及びLAN状態の表示、ホストとの通信操作の画面が配置されている。5段目には、左右両端を除いて、左から順に、スケジュール機能設定、日時設定、ターマー機能設定の画面が配置されている。5段目の両端にも、夫々機能割当てのない画面が配置され、やはりその画面の位置を図形化して示すものとされている。尚、機能割当てのない画面については、自らの位置に併せて基本画面イメージIsの位置も示される。
【0039】
前記プロセッサ10は、その時点で選択されている単位表示画面イメージIを、その中心が液晶表示器8の画面中心部に一致するように該液晶表示器8の表示を制御するのであるが、このとき、液晶表示器8の表示には、単位画面表示モードと、画面選択モードとの2つのモードが存在する。そのうち単位画面表示モードは、図6(a),(b)などに示すように、選択されている(現在機能している)1つの単位表示画面イメージIを、液晶表示器8の画面一杯に表示させるものである。
【0040】
これに対し、画面選択モードは、表示すべき単位表示画面イメージIをユーザが選択するためのモードであり、この場合、図5,図6(c),図7(a)に示すように、その時点で選択されている単位表示画面イメージIを中心とし、平面状表示画面イメージP内においてその周囲に配置されている8個の単位表示画面イメージIを含むような縮小表示がなされる。本実施例では、単位表示画面イメージIの一辺を3分の1に縮小し、全体で9個の単位表示画面イメージIが表示されるようになっている。またこのとき、そのうち中央にある単位表示画面イメージIを、カラー強調したり太枠で囲んだりすることにより、強調するような表示がなされる。
【0041】
本実施例では、プロセッサ10は、上述のように、装置の電源オン時に、液晶表示器8の画面一杯に基本画面イメージIsを表示させる(図6(a)参照)。この時点では、単位画面表示モードとされている。そして、この状態で、ユーザにより、「進む」キー13がオン操作されると、プロセッサ10は、液晶表示器8の画面表示のモードを画面選択モードに切替え、基本画面イメージIsを中央に配した9個の縮小画面を表示させる(図6(c)参照)。
【0042】
この画面選択モードにおいては、プロセッサ10は、前記移動キー11が傾動操作されると、図5に示すように、その指示方向(縦、横、斜めの8方向)に応じて、表示されている単位表示画面イメージIを平面状表示画面イメージPにおいて隣合うものに順に切替えていくように液晶表示器8の表示制御を行なう。つまり、いわば9個の単位表示画面イメージIを含んだ画面のフレームが、平面状表示画面イメージPの二次元平面上を、ユーザが移動指示した方向に1駒ずつ隣に移動するが如く表示が切替えられるのである。
【0043】
そして、プロセッサ10は、この画面選択モードにおいて、移動キー11が押圧操作されると、その画面の中央に位置されていた単位表示画面イメージIの選択を確定させると共に、その単位表示画面イメージIを液晶表示器8の画面一杯に表示させる単位画面表示モードに切替えるようになっている。また、プロセッサ10は、画面選択モードにおいて、「戻る」キー12が操作されると、単位画面表示モードに戻り、基本画面イメージIsを液晶表示器8の画面一杯に表示させるように制御を行なう。
【0044】
次に、上記構成の作用について、図6〜図8を具体例としてあげながら説明する。
上述のように、情報読取装置の電源オン時には、図6(a)に示すように、液晶表示器8に基本画面イメージIsが表示される。この基本画面イメージIsは、無線通信の状態、電池の残量、バーコードニ次元コードの読取りが可能である表示、日付、曜日が表示されるものであり、ユーザは、例えばそのままで、図1に示すように、バーコードBが記された読取対象Rに読取口1cを向けてトリガスイッチ2をオン操作することにより、バーコードBの読取り動作が実行される。
【0045】
バーコードBの読取りが行なわれると、図6(b)に示すように、液晶表示器8には、バーコードBを読取った旨の表示及び読取データ(多数桁の数字)が表示されるようになる。続けて、バーコードBの読取り動作を行うと、新たな表示に切替わり、一定時間操作がない場合には、図6(a)の基本画面イメージIsに戻るようになっている。
【0046】
今、ユーザが、例えば機能の設定等のために液晶表示器8を別の機能画面に切替えたい場合には、「進む」キー13をオン操作する。すると、図6(c)に示すように、液晶表示器8の画面が、画面選択モードの画面に切替えられる。この画面では、平面状表示画面イメージPにおいて前記基本画面イメージIsを中央として周囲8個を含んだ、合計9個の単位表示画面イメージIが縮小表示される。そこで、ユーザは、所望の単位表示画面イメージIが中心に来るように、移動キー11を操作する。
【0047】
ユーザが、例えば平面状表示画面イメージPにおいて最上段左から3番目のQRコードの設定画面を選択したい場合には、移動キー11の上方への移動を2回操作指示する。すると、液晶表示器8の画面は、図7(a)に示すように、「QRコード」の単位表示画面イメージIを中心とした表示に切替るようになる。尚、本実施例では、単位表示画面イメージIが存在しない部分(図7(a)では、平面状表示画面イメージPの最上段よりも上の部分)は、表示が行なわれないもの(空白表示)となる。
【0048】
そして、この状態で、ユーザが移動キー11の中心を押圧操作すると、「QRコード」の単位表示画面イメージIの選択が確定され、液晶表示器8の画面は、図7(b)に示すように、QRコードの設定画面(単位画面表示モード)に切替る。この設定画面では、読取るQRコードの種類(マイクロQR,モデル1,モデル2のいずれか)及び誤り訂正(データ復元)レベル(S,L,Mのいずれか)をユーザが設定することができる。この設定も、移動キー11を傾動操作して反転表示(カーソル)を移動させ、移動キー11を押圧操作して確定させるといった操作により行なうことができる。尚、選択を取消す場合には、移動キー11を連続して押圧操作すれば良い。
【0049】
また、図8は、例えば「スケジュール機能設定」の単位表示画面イメージIが選択確定された場合の、文字や数値の入力方法を示している。ここでは、液晶表示器8の画面は、上部が入力用の領域とされ、その下部に、数字、ローマ字、かなが3段に表示されている。ユーザは、移動キー11を傾動操作して反転表示(カーソル)を所望の文字に移動させ、移動キー11を押圧操作して確定させるといった操作を繰返すことにより、文字及び数値を入力することができる。
【0050】
このように本実施例によれば、複数の単位表示画面イメージIを、二次元平面状の広がりを有して縦横に配列した平面状表示画面イメージPを設定し、ユーザがその平面上における移動指示の操作を行なうことにより、所望の単位表示画面イメージIを選択する構成とした。この場合、情報読取装置においては、ユーザが使用する画面の数はさほど多くはなく、移動キー11の操作回数も平均的にみてさほど多くなることはない。また、ユーザは、使用を繰返すことによって平面状表示画面イメージPにおける画面の全体構成をおぼろげながらでも覚えられるようになる。
【0051】
従って、小型の表示器8を備えるものにあって、従来のような画面構成がツリー構造となっているものと異なり、ユーザがある程度慣れることによって、液晶表示器8を目的の画面に切替える際の操作を簡単且つスピーディに行うことができるようになる。
【0052】
特に本実施例では、単位画面表示モードと、画面選択モードとの間で表示形態を異ならせると共に、画面選択モードにおいては、その時点で選択されている単位表示画面イメージIを中心として9個の単位表示画面イメージIを表示するように構成したので、ユーザは、いずれのモードにあるかが一目で判るようになり、また、画面選択モードにおいては、その時点で選択されている単位表示画面イメージの周囲にどのような単位表示画面イメージがあるかが判るので、操作性をより一層向上させることができる。
【0053】
そして、本実施例では、1個の移動キー11の傾動操作により移動方向を8方向に指示するように構成し、さらに移動キー11の押圧操作によって選択を確定するように構成したので、複数の機能を1個の移動キー11に兼用させて操作部の構成の簡単化を図ることができ、しかも操作性を良好なものとすることができる。さらに、本実施例では、複数の単位表示画面イメージIのうち1つを基本画面イメージIsとして設定し、液晶表示器8の表示が常に基本画面イメージIsから始まるように構成したので、ユーザにとって判りやすいものとなり、利便性を向上させることができる。
【0054】
<2>第2〜第4の実施例、その他の実施例
図9は、本発明の第2の実施例を示すものであり、表示メモリ14に記憶される表示画面イメージの構成を模式的に示したものである。尚、以下に述べる実施例は、上記第1の実施例の一部を変更したいわば変形例とでも言うべきものであり、従って、上記第1の実施例と同一部分については、同一符号を使用すると共に新たな図示や詳しい説明を省略し、異なる点についてのみ説明することとする。
【0055】
この第2の実施例においては、複数の単位表示画面イメージIを二次元平面状に配列した第1の平面状表示画面イメージP1の中に、複数の機能が割当てられた多機能単位表示画面イメージM1,M2を含ませるようにし、そのうち多機能単位表示画面イメージM1に割当てられている機能を複数の小機能に分割した複数の単位表示画面イメージIが二次元平面状に配列された第2の平面状表示画面イメージP2を設定すると共に、多機能単位表示画面イメージM2に割当てられている機能を複数の小機能に分割した複数の単位表示画面イメージIが二次元平面状に配列された第2の平面状表示画面イメージP3を設定するようにしている。さらに、第2の平面状表示画面イメージP3の中には、複数の機能が割当てられた多機能単位表示画面イメージM3が含まれ、その多機能単位表示画面イメージM3に割当てられている機能を複数の小機能に分割した複数の単位表示画面イメージIが二次元平面状に配列された第2の平面状表示画面イメージP4が設定されている。
【0056】
そして、第2の平面状表示画面イメージP2内に配置された1つの単位表示画面イメージが、多機能単位表示画面イメージM1とリンクするリンク画面イメージL1として設定され、第2の平面状表示画面イメージP3内に配置された1つの単位表示画面イメージが、多機能単位表示画面イメージM2とリンクするリンク画面イメージL2として設定され、第2の平面状表示画面イメージP4内に配置された1つの単位表示画面イメージが、多機能単位表示画面イメージM3とリンクするリンク画面イメージL3として設定されている。
【0057】
これにて、多機能単位表示画面イメージM1とリンク画面イメージL1との間で2つの平面状表示画面イメージP1,P2間を行き来することができ、多機能単位表示画面イメージM2とリンク画面イメージL2との間で2つの平面状表示画面イメージP1,P3間を行き来することができ、多機能単位表示画面イメージM3とリンク画面イメージL3との間で2つの平面状表示画面イメージP3,P4間を行き来することができるように構成されている。
【0058】
このとき、画面選択モードにおいて、多機能単位表示画面イメージM1,M2,M3が選択確定されたときに、液晶表示器8の画面に、リンク画面イメージL1,L2,L3を中心とした第2の平面状表示画面イメージP2,P3、P4の縮小表示を行ない、且つ、画面選択モードを継続させるようになっている。また、画面選択モードにおいて、リンク画面イメージL1,L2及びL3が選択確定されたときに、液晶表示器8の画面に、多機能単位表示画面イメージM1,M2及びM3を中心とした平面状表示画面イメージP1及び平面状表示画面イメージP3の縮小表示を行ない、且つ、画面選択モードを継続させるようになっている。
【0059】
さらにこの場合、画面選択モードにおいて多機能単位表示画面イメージM1,M2,M3が選択確定された際に、第2の平面状表示画面イメージP2,P3、P4の縮小表示に移行する前に液晶表示器8の画面に所定時間だけ多機能単位表示画面イメージM1,M2,M3の全画面表示が行なわれる。また、画面選択モードにおいてリンク画面イメージL1,L2及びL3が選択確定された際に、平面状表示画面イメージP1及びP3の縮小表示に移行する前に液晶表示器8の画面に所定時間だけリンク画面イメージL1,L2及びL3の全画面表示が行なわれる。
【0060】
この第2の実施例によれば、基本となる平面状表示画面イメージP1における単位表示画面イメージIの数つまり二次元平面状の広がりを徒に大きくすることなく済ませることができ、ユーザにとっては画面構成を覚えやすいものとすることができる。また、2つの平面状表示画面イメージ間の行き来は、多機能単位表示画面イメージM1,M2,M3とリンク画面イメージL1,L2,L3との間で行えば良いので、操作も判りやすいものとなる。尚、この場合も、所定の操作(例えば「戻る」キー12のオン操作)がなされたときに、多機能単位表示画面イメージM1,M2,M3(あるいは基本画面イメージIs)の表示に戻るように構成すれば、操作性、利便性の向上を図ることができる。
【0061】
図10は、本発明の第3の実施例を示すもので、平面状表示画面イメージPのイメージを示している。ここでは、矩形状に構成された平面状表示画面イメージPを、縦方向には上端と下端とが連続し、横方向には左端と右端とが連続するように表示制御を行なう、つまり上下及び左右にエンドレスにスクロール表示する構成となっている。これによれば、平面状表示画面イメージPの二次元平面の縁部又は角部の単位表示画面イメージIからの反対側に移動する際に、戻ることなく済むようになり、操作をより容易とすることができる。
【0062】
図11は、本発明の第4の実施例を示すものである。この第4の実施例では、矩形状に構成された平面状表示画面イメージPの、中央部に基本画面イメージIsを配置し、例えば縦方向(X方向)に連なる中心画面(図に太線で囲んで示す)に複数の主要項目の単位表示画面イメージIを並んで配置し、さらに、それら各主要項目に関連する項目の単位表示画面イメージIを、該当する主要項目に対し横方向(Y方向)に並んで配置する構成としたものである。これによれば、ユーザが、主要項目やそれに関連する項目の単位表示画面イメージIがどこにあるかが判りやすくなり、より一層操作が容易となる。縦横を逆に構成しても良い。
【0063】
尚、上記各実施例では、光学的情報及び電気的な情報の双方の読取りが可能な情報読取装置に本発明を適用するようにしたが、光学的情報のみを読取る光学情報読取装置や、RFIDタグの情報のみを読取る装置などにも適用することができる。また、上記実施例では、移動キー11を、8方向に傾動操作可能に構成したが、少なくとも縦横の4方向の移動指示操作が可能なものであれば、同様に実施することができる。その他、例えばキー操作部の構成としては様々な変形が可能である等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、情報読取装置によりバーコードを読取っている様子を示す斜視図
【図2】情報読取装置の平面図
【図3】情報読取装置の電気的構成を概略的に示すブロック図
【図4】平面状表示画面イメージを模式的に示す図
【図5】画面選択モードにおける表示の移動の様子を示す図
【図6】液晶表示機の表示画面の切替の様子を示す図(その1)
【図7】液晶表示機の表示画面の切替の様子を示す図(その2)
【図8】文字や数値の入力方法を説明するための液晶表示器の画面の例を示す図
【図9】本発明の第2の実施例を示すもので、表示画面の構成を模式的に示す図
【図10】本発明の第3の実施例を示すもので、平面状表示画面イメージの構成を模式的に示す図
【図11】本発明の第4の実施例を示すもので、平面状表示画面イメージを模式的に示す図
【図12】従来例を示すもので、表示画面の構成(ツリー構造)を模式的に示す図
【符号の説明】
【0065】
図面中、1は本体ケース、8は液晶表示器,9はキー操作部、10はプロセッサ(表示制御手段)、11は移動キー(操作部材)、12は「戻る」キー、13は「進む」キー、14は表示メモリ、Iは単位表示画面イメージ、Isは基本画面イメージ、P,P1,P2,P3,P4は平面状表示画面イメージ、M1,M2,M3は多機能単位表示画面イメージ、L1,L2,L3はリンク画面イメージを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学的や電気的な手法により情報を読取る情報読取装置において、
表示画素をマトリクス配列して構成され、設定やデータの入力、動作状態やデータの表示等の機能が割当てられた画面を表示する小型の表示器と、
この表示器の画面に表示させる1単位の表示内容を1つの単位表示画面イメージとし、複数の単位表示画面イメージを、二次元平面状の広がりを有して縦横に配列した平面状表示画面イメージを記憶する表示メモリと、
前記複数の単位表示画面イメージの中からいずれかを選択するために前記平面状表示画面イメージ内における移動方向を指示するための移動操作手段と、
前記単位表示画面イメージの選択を確定させるための選択操作手段と、
その時点で選択されている単位表示画面イメージを、その中心が前記表示器の画面中心部に一致するように該表示器の表示を制御する表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記移動操作手段の操作に応じて、前記表示器の画面中心部に表示させる単位表示画面イメージを前記平面状表示画面イメージにおいて隣合うものに順に切替えるように制御を行うことを特徴とする情報読取装置。
【請求項2】
前記表示器に1つの単位表示画面イメージを表示する単位画面表示モードと、表示すべき単位画面表示イメージを選択するための画面選択モードとを切替えるための画面モード切替操作手段を備え、
前記表示制御手段は、前記画面モード切替操作手段の操作に基づいて、前記表示器の表示を該当するモードに対応したものに切替制御することを特徴とする請求項1記載の情報読取装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記単位画面表示モードにおいては、単位表示画面イメージを前記表示器の画面一杯に表示し、前記画面選択モードにおいては、前記表示器の画面に、その時点で選択されている単位表示画面イメージを中心としてその周囲に配置されている単位表示画面イメージの少なくとも一部分を含むように縮小表示を行うことを特徴とする請求項2記載の情報読取装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記画面選択モードにおいて、単位表示画面イメージを、その一辺を3分の1に縮小して前記表示器に表示することにより、その時点で選択されている単位表示画面イメージを中心にして全体で9個の単位表示画面イメージを表示することを特徴とする請求項3記載の情報読取装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記表示器に単位表示画面イメージを縮小して表示する際には、該当する単位表示画面イメージに割当てられた機能を図形化して表示したアイコンで表示することを特徴とする請求項3又は4記載の情報読取装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記画面選択モードにおいて、前記選択操作手段が操作されたときに、前記表示器の中心に表示されていた単位表示画面イメージの選択を確定させると共に、その単位表示画面イメージを画面一杯に表示させる単位画面表示モードに切替えることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項7】
前記移動操作手段は、少なくとも縦横の4方向に傾動操作可能な1個の操作部材を備え、その操作部材が傾動操作されることによって移動方向が指示されるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項8】
前記操作部材は、縦横及び斜めの8方向に傾動操作可能に構成され、移動方向を8方向に指示することが可能に構成されていることを特徴とする請求項7記載の情報読取装置。
【請求項9】
前記操作部材は、傾動操作に加えて押圧操作可能に設けられ、前記選択操作手段は、前記操作部材が押圧操作されることによって前記単位表示画面イメージの選択を確定させるように構成されていることを特徴とする請求項7又は8記載の情報読取装置。
【請求項10】
前記複数の単位表示画面イメージのうち1つが基本画面イメージとして設定されており、前記表示制御手段は、電源オン時あるいは所定の操作がなされたときに、前記表示器の画面に前記基本画面イメージを表示させることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項11】
前記単位表示画面イメージの中には、1つの単位表示画面イメージに複数の機能が割当てられた多機能単位表示画面イメージが含まれ、
前記表示メモリには、前記多機能単位表示画面イメージに割当てられている機能を複数の小機能に分割した複数の単位表示画面イメージが二次元平面状に配列された第2の平面状表示画面イメージが記憶されると共に、その第2の平面状表示画面イメージ内に配置された1つの単位表示画面イメージが、前記多機能単位表示画面イメージとリンクするリンク画面イメージとして設定され、
それら多機能単位表示画面イメージとリンク画面イメージとの間で2つの平面状表示画面イメージ間を行き来することができるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項12】
表示すべき単位画面表示イメージを選択するための画面選択モードを有し、
この画面選択モードにおいて前記多機能単位表示画面イメージが選択確定された場合に、前記表示器の画面に、前記リンク画面イメージを中心とした前記第2の平面状表示画面イメージの縮小表示が行なわれ、且つ、画面選択モードが継続されることを特徴とする請求項11記載の情報読取装置。
【請求項13】
前記画面選択モードにおいて前記多機能単位表示画面イメージが選択確定された際に、前記第2の平面状表示画面イメージの縮小表示に移行する前に前記表示器の画面に所定時間だけ多機能単位表示画面イメージの全画面表示が行なわれることを特徴とする請求項12記載の情報読取装置。
【請求項14】
表示すべき単位画面表示イメージを選択するための画面選択モードを有し、
この画面選択モードにおいて前記第2の平面状表示画面イメージのリンク画面イメージが選択確定された場合に、前記表示器の画面に、前記多機能単位表示画面イメージを中心とした前記平面状表示画面イメージの縮小表示が行なわれ、且つ、画面選択モードが継続されることを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項15】
前記画面選択モードにおいて前記第2の平面状表示画面イメージのリンク画面イメージが選択確定された際に、前記平面状表示画面イメージの縮小表示に移行する前に前記表示器の画面に所定時間だけリンク画面イメージの全画面表示が行なわれることを特徴とする請求項14記載の情報読取装置。
【請求項16】
前記表示制御手段は、前記第2の平面状表示画面イメージのいずれかの単位表示画面イメージが表示されている状態で所定の操作がなされたときに、前記表示器の画面に前記多機能単位表示画面イメージを表示させることを特徴とする請求項11ないし15のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項17】
前記平面状表示画面イメージは、複数の単位表示画面イメージを全体が矩形となるように配列して構成されると共に、機能が割当てられない画面が生じた場合には、その画面が、空白又は機能割当てがないことを示すアイコン表示とされること特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項18】
前記機能割当てがないことを示すアイコン表示は、二次元平面におけるその画面の位置を図形化して示すものであることを特徴とする請求項17記載の情報読取装置。
【請求項19】
前記表示制御手段は、矩形状に構成された平面状表示画面イメージを、縦方向には上端と下端とが連続し、横方向には左端と右端とが連続するように表示制御を行なうことを特徴とする請求項17又は18記載の情報読取装置。
【請求項20】
前記矩形状に構成された平面状表示画面イメージの、縦方向又は横方向の中心画面に複数の主要項目の単位表示画面イメージが並んで配置され、各主要項目に関連する項目の単位表示画面イメージが、該当する主要項目に対し前記主要項目の並び方向に対して直交方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項17ないし19のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項1】
光学的や電気的な手法により情報を読取る情報読取装置において、
表示画素をマトリクス配列して構成され、設定やデータの入力、動作状態やデータの表示等の機能が割当てられた画面を表示する小型の表示器と、
この表示器の画面に表示させる1単位の表示内容を1つの単位表示画面イメージとし、複数の単位表示画面イメージを、二次元平面状の広がりを有して縦横に配列した平面状表示画面イメージを記憶する表示メモリと、
前記複数の単位表示画面イメージの中からいずれかを選択するために前記平面状表示画面イメージ内における移動方向を指示するための移動操作手段と、
前記単位表示画面イメージの選択を確定させるための選択操作手段と、
その時点で選択されている単位表示画面イメージを、その中心が前記表示器の画面中心部に一致するように該表示器の表示を制御する表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記移動操作手段の操作に応じて、前記表示器の画面中心部に表示させる単位表示画面イメージを前記平面状表示画面イメージにおいて隣合うものに順に切替えるように制御を行うことを特徴とする情報読取装置。
【請求項2】
前記表示器に1つの単位表示画面イメージを表示する単位画面表示モードと、表示すべき単位画面表示イメージを選択するための画面選択モードとを切替えるための画面モード切替操作手段を備え、
前記表示制御手段は、前記画面モード切替操作手段の操作に基づいて、前記表示器の表示を該当するモードに対応したものに切替制御することを特徴とする請求項1記載の情報読取装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記単位画面表示モードにおいては、単位表示画面イメージを前記表示器の画面一杯に表示し、前記画面選択モードにおいては、前記表示器の画面に、その時点で選択されている単位表示画面イメージを中心としてその周囲に配置されている単位表示画面イメージの少なくとも一部分を含むように縮小表示を行うことを特徴とする請求項2記載の情報読取装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記画面選択モードにおいて、単位表示画面イメージを、その一辺を3分の1に縮小して前記表示器に表示することにより、その時点で選択されている単位表示画面イメージを中心にして全体で9個の単位表示画面イメージを表示することを特徴とする請求項3記載の情報読取装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記表示器に単位表示画面イメージを縮小して表示する際には、該当する単位表示画面イメージに割当てられた機能を図形化して表示したアイコンで表示することを特徴とする請求項3又は4記載の情報読取装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記画面選択モードにおいて、前記選択操作手段が操作されたときに、前記表示器の中心に表示されていた単位表示画面イメージの選択を確定させると共に、その単位表示画面イメージを画面一杯に表示させる単位画面表示モードに切替えることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項7】
前記移動操作手段は、少なくとも縦横の4方向に傾動操作可能な1個の操作部材を備え、その操作部材が傾動操作されることによって移動方向が指示されるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項8】
前記操作部材は、縦横及び斜めの8方向に傾動操作可能に構成され、移動方向を8方向に指示することが可能に構成されていることを特徴とする請求項7記載の情報読取装置。
【請求項9】
前記操作部材は、傾動操作に加えて押圧操作可能に設けられ、前記選択操作手段は、前記操作部材が押圧操作されることによって前記単位表示画面イメージの選択を確定させるように構成されていることを特徴とする請求項7又は8記載の情報読取装置。
【請求項10】
前記複数の単位表示画面イメージのうち1つが基本画面イメージとして設定されており、前記表示制御手段は、電源オン時あるいは所定の操作がなされたときに、前記表示器の画面に前記基本画面イメージを表示させることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項11】
前記単位表示画面イメージの中には、1つの単位表示画面イメージに複数の機能が割当てられた多機能単位表示画面イメージが含まれ、
前記表示メモリには、前記多機能単位表示画面イメージに割当てられている機能を複数の小機能に分割した複数の単位表示画面イメージが二次元平面状に配列された第2の平面状表示画面イメージが記憶されると共に、その第2の平面状表示画面イメージ内に配置された1つの単位表示画面イメージが、前記多機能単位表示画面イメージとリンクするリンク画面イメージとして設定され、
それら多機能単位表示画面イメージとリンク画面イメージとの間で2つの平面状表示画面イメージ間を行き来することができるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項12】
表示すべき単位画面表示イメージを選択するための画面選択モードを有し、
この画面選択モードにおいて前記多機能単位表示画面イメージが選択確定された場合に、前記表示器の画面に、前記リンク画面イメージを中心とした前記第2の平面状表示画面イメージの縮小表示が行なわれ、且つ、画面選択モードが継続されることを特徴とする請求項11記載の情報読取装置。
【請求項13】
前記画面選択モードにおいて前記多機能単位表示画面イメージが選択確定された際に、前記第2の平面状表示画面イメージの縮小表示に移行する前に前記表示器の画面に所定時間だけ多機能単位表示画面イメージの全画面表示が行なわれることを特徴とする請求項12記載の情報読取装置。
【請求項14】
表示すべき単位画面表示イメージを選択するための画面選択モードを有し、
この画面選択モードにおいて前記第2の平面状表示画面イメージのリンク画面イメージが選択確定された場合に、前記表示器の画面に、前記多機能単位表示画面イメージを中心とした前記平面状表示画面イメージの縮小表示が行なわれ、且つ、画面選択モードが継続されることを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項15】
前記画面選択モードにおいて前記第2の平面状表示画面イメージのリンク画面イメージが選択確定された際に、前記平面状表示画面イメージの縮小表示に移行する前に前記表示器の画面に所定時間だけリンク画面イメージの全画面表示が行なわれることを特徴とする請求項14記載の情報読取装置。
【請求項16】
前記表示制御手段は、前記第2の平面状表示画面イメージのいずれかの単位表示画面イメージが表示されている状態で所定の操作がなされたときに、前記表示器の画面に前記多機能単位表示画面イメージを表示させることを特徴とする請求項11ないし15のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項17】
前記平面状表示画面イメージは、複数の単位表示画面イメージを全体が矩形となるように配列して構成されると共に、機能が割当てられない画面が生じた場合には、その画面が、空白又は機能割当てがないことを示すアイコン表示とされること特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載の情報読取装置。
【請求項18】
前記機能割当てがないことを示すアイコン表示は、二次元平面におけるその画面の位置を図形化して示すものであることを特徴とする請求項17記載の情報読取装置。
【請求項19】
前記表示制御手段は、矩形状に構成された平面状表示画面イメージを、縦方向には上端と下端とが連続し、横方向には左端と右端とが連続するように表示制御を行なうことを特徴とする請求項17又は18記載の情報読取装置。
【請求項20】
前記矩形状に構成された平面状表示画面イメージの、縦方向又は横方向の中心画面に複数の主要項目の単位表示画面イメージが並んで配置され、各主要項目に関連する項目の単位表示画面イメージが、該当する主要項目に対し前記主要項目の並び方向に対して直交方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項17ないし19のいずれかに記載の情報読取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−209324(P2006−209324A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−18314(P2005−18314)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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