説明

意匠タイルの塗膜形成方法、意匠タイル、ポリ塩化ビニルシート又はアルミシート

【課題】 補修する外壁の他のタイルの模様や色彩と調和のとれたタイルを製造すること等。
【解決手段】 本発明に係る意匠タイルの塗膜形成方法は、エアスプレーガン又は低圧温風スプレーガンを使用し、アクリルシリコン樹脂塗料又はフッ素樹脂塗料により、前記スプレーガンの塗付量及び希釈率を調整して、既存の建築物に使用されている既存のタイルに最も近似する塗膜を、張替タイルとなる基材に形成する方法であって、第1工程から第5工程等の、複数の塗装工程から構成される意匠タイルの塗膜形成方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスビルやマンション等の建物のタイル外壁を補修するために使用する張替タイルに意匠塗膜形成する方法や、当該張替タイルの生産方法に関するものである。特に、経年劣化によりタイルの欠落等によって張替が必要となった建物のタイル外壁を補修するために、タイル外壁に残っている既存のタイルの代わりに張り替えても、張替補修後の建物のタイル外壁の外観が違和感のないように、既存のタイルと最も近似する塗膜を張替タイルとなる基材に形成する方法等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、オフィスビルやマンション等の建築物の外壁には、対候性やメンテナンス、意匠性やコスト等の観点から、外装材料として磁器製のタイルが広く使用されている。しかし、磁器製のタイルは焼き物であるため、同じ外観や模様のタイルにするためには、一時に大量に製造する必要があり、建築物の建築の際にまとめて発注し、何千枚という単位でタイルを製造することが多い。また、磁器製以外にも、ごくまれに、陶器製のタイルを建築物の外壁に使用することもある。
【0003】
オフィスビルやマンション等の建築後、外装材料として使用されたタイルは、経年変化による劣化や、変色、割れ、欠け、剥落が生じ、その都度補修が必要となる。この場合、建築の際に大量に製造して、外装材料として使用せず、予備として保管しておいた建築当初の予備タイルを張替タイルとして活用する方法もあるが、外装材料として使用されていた既存のタイルは経年変化による劣化等をおこしているため、色や風合いが異なっており、建築当初の予備タイルを張替タイルとして補修すると、まだら模様のように見栄えが非常に悪くなる。また、補修が必要な既存のタイルと同様の色合いのタイルを新たに製造しようとしても、磁器性の焼き物であるタイルを、意図する一定の色合いに必ずしも近似して製造できるとは限らない。また、上記のようにタイルは大量に製造するのが普通であり、補修のための小ロットでの張替タイル製造は、コスト面で難がある。
【0004】
従来技術としては、特許文献1に記載されているように、意匠性・外観・高級感をそのまま維持し、耐候性、防水性、耐久性に優れたタイル壁面とするために、タイル化粧面上に複数のクリアーコーティング材を塗装する、タイル壁面の改修方法が既に公開されている。
【特許文献1】特開平6−33565号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、タイル等のセラミック系外装材は、製造の際に高温での焼成工程が必要なため、張替補修が必要な既存のタイル同様の、意図する色合いの張替タイルを製造するのが困難であるという問題がある。よって、オフィスビルやマンション等の建物物の外壁として使用されているタイルの張替補修を行う際、建築物の外壁に使用されている張替えの対象とならない他の既存のタイルと自然に調和する色合いの張替タイルを確保することが困難であり、施行後に自然な外観に仕上げるためのタイル張替補修が非常に困難である。
【0006】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、張替補修が必要な建築物の既存のタイルに近接している、他の既存タイルの模様や色彩と調和のとれた張替タイルを製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、上記課題を解決するため、本発明に係る意匠タイルの塗膜形成方法は、エアスプレーガン又は低圧温風スプレーガンを使用し、アクリルシリコン樹脂塗料又はフッ素樹脂塗料により、前記スプレーガンの塗付量及び希釈率を調整して、既存の建築物に使用されている既存のタイルに最も近似する塗膜を、張替タイルとなる基材に形成する方法である。
【0008】
そして、前記塗膜を形成する前記基材の表面に対して、前工程として、研磨機により、目荒らし作業を行う。次に、(1)第1工程として、前記前工程の目荒らしを行った後に、前記樹脂塗料を前記基材に固定させるための接着塗料であるプライマーを塗装する。さらに、(2)第2工程として、前記第1工程の塗膜の上に、前記スプレーガンのノズル口径を1.0乃至1.3mm、ベースとなる色彩を含む前記樹脂塗料の希釈率を10乃至20%にして、ベースとなる色彩を前記スプレーガンにより噴きつけ塗装する。そして、(3)第3工程として、前記第2工程の塗膜の上に、前記スプレーガンのノズル口径を1.3乃至1.8mm、色彩を含む前記樹脂塗料の希釈率を5乃至40%にして、前記スプレーガンにより噴きつけ塗装して、前記ベースの色彩の上に前記既存のタイルの模様色及びパターンを形成する。また、(4)第4工程として、前記第3工程の塗膜の上に、前記スプレーガンのノズル口径を1.0乃至1.8mm、色彩を含む前記樹脂塗料の希釈率を5乃至40%にして、前記スプレーガンにより噴きつけ塗装し、噴霧することによって前記既存のタイルの表面に存在する小粒模様を再現し、更に、トナーの調整樹脂に対し、トナーを適量調整し、前記既存のタイルに近い仕上げ調整を行う。そして、(5)第5工程として、前記第4工程の塗膜の上に、前記スプレーガンのノズル口径を1.0乃至1.8mm、色彩を含まない前記樹脂塗料の希釈率を5乃至40%にして、前記スプレーガンにより噴きつけ塗装し、色彩を含まないトップコートの塗膜を形成し、色調の保護と艶の調整を行い、前記既存のタイルに最も近似する塗膜を前記基材の表面に形成する、意匠タイルの塗膜形成方法である。
【0009】
前記基材の表面に対し、前工程として、研磨機により、目荒らし作業を行う際の研磨機は、各種のサンダーが適しているが、例えば、ディスクサンダーの活用が考えられる。そして、当該ディスクサンダーには、オフセット砥石、ダイヤモンドカッター等の砥石を装着して目荒らしを行うことが考えられる。前記第1工程のプライマーは、タイル用のプライマーが特に適しており、例えば、タイル用エポキシ樹脂プライマー等の強接着プライマーを活用することが考えられる。また、当該タイル用プライマーは、シランカップ剤を含有しているものを活用することも考えられる。さらに、前記樹脂塗料として、アクリルシリコン樹脂塗料又はフッ素樹脂塗料が考えられるが、建築物の外装に使用するタイルの塗装という点から、光沢保持率等の対候性能の観点で優れているフッ素樹脂塗料の活用が考えられる。また、張替タイルとなる前記基材としては、磁器製タイルや陶器製タイルを活用する方法があり、当該磁器製タイルや陶器製タイルは、着色されていても、されていなくても構わない。一般的に、建築物の外壁には、磁器製のタイルが広く使用されているため、張替えの対象となる既存のタイルが磁器製タイルであれば、前記基材も磁器製タイルとすればよい。前記基材の表面とは、建築物の外壁の表面となり、建物の外観となる面のことである。
【0010】
本発明を利用すると、前工程で行った目荒らし作業後の基材の表面に、前記第1工程でプライマーを塗装した上で、色彩を含む樹脂塗料による第2工程、第3工程、第4工程の塗装を行い、最後に色彩を含まない樹脂塗料によるトップコートとしての第5工程を行うため、塗装の定着がよく、光沢保持率等の対候性能の観点で優れている、意匠タイルの塗膜形成方法が実現できる。
【0011】
具体的には、色彩を含む樹脂塗料による第2工程、第3工程、第4工程の塗装は、前記スプレーガンのノズル口径を1.0乃至1.3mmの範囲の比較的仕上げの粗い塗装から、1.0乃至1.8mmの範囲の細やかな色彩の塗装へと、段階的に行い、また、前記樹脂塗料の希釈率も10乃至20%の範囲の基礎となる色彩から、5乃至40%の範囲の細やかな色彩まで、段階的に行っているため、既存のタイルにより近似したタイルの塗装が実現できる。また、前記第1工程で塗装したプライマーの上に、第2工程、第3工程、第4工程の塗装を行うため、塗装の定着がよくなり、容易に塗装が剥げ落ちなくなる。さらに、第2工程、第3工程、第4工程の塗装の上に、第5工程として、色彩を含まない前記樹脂塗料のトップコートの塗膜を形成しるため、光沢保持率等の対候性能の観点で優れたタイルを製造できる。また、前工程で基材表面に目荒らし作業を行った上で、第1工程のプライマー塗装を行うため、目荒らしせずにプライマー塗装を行うのに比べ、格段にプライマーの定着がよくなり、結果として第2工程以降の塗装の定着も向上し、全体として対候性能に優れた張替タイルを製造できる。
【0012】
また、第2工程、第3工程、第4工程の塗装工程において、第2工程ではベースとなる色彩を基材に定着させ、第3工程ではベースの色彩の上に、既存のタイルの模様色及びパターンを形成し、第4工程ではタイル表面の小粒模様を再現する。この連続的な工程により、建物の外装に使用されるタイルに近似した外観の塗装を実現することができる。なお、トナーの調整樹脂とは、トナーを前記樹脂塗料に適宜配合したものである。また、第2工程、第3工程、第4工程の塗装のうち、前記既存のタイルによっては第4工程を省略することもできる。更に、第3工程において、前記既存のタイルのパターンの種類によっては、前記スプレーガンではなく、筆やスポンジ等を使用して、色彩を含む樹脂塗料を前記基材に定着させることも有効である。
【0013】
よって、焼成して大量に製造する一般的なタイルとは異なり、建物の外装として残っている、既存の経年劣化したタイルと同等の色彩のタイルを、個別に小ロットでも製造することができるという顕著な効果を奏する。
【0014】
また、タイルのパターンの形成を目的とし、前記第2工程及び前記第4工程において、前記スプレーガンのノズル口径を1.3乃至1.8mm、色彩を含む前記樹脂塗料の希釈率を5乃至40%にして、トナーの微調整を更に行い、質感を含め前記既存のタイルに更に近似させることも考えられる。
【0015】
この場合、前記第2工程のベースとなる色彩と、前記第4工程仕上げ調整の段階で、タイルの外装のパターン、例えば、タイル吹きつけ、リシン、リシン掻き落とし、スタッコ、等のタイル模様のパターンを形成する。これにより、より、既存のタイルと近似化することができる。
【0016】
また、上記意匠タイルの塗膜形成方法において、前記基材をポリ塩化ビニルシート又はアルミシートとすれば、外観を周囲に調和させつつ対候性能を高めた、タイルに貼り付けるシートを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を更に具体的に図を使用して説明する。
【0018】
図1は、アクリルシリコン樹脂塗料、フッ素樹脂塗料等の樹脂塗料に、色彩の元となる色彩の原料を混ぜたものを、色彩ごとにバケツ等の容器に入れている見本図である。色彩の元となる原料として、例えばトナーがあり、各種の色のついたトナーを樹脂塗料に混ぜれば、様々な色の樹脂塗料を作ることができる。夫々、樹脂塗料は同じものでもよいが、色彩の原料を変えることにより、タイルの色となる色彩を変えている。
【0019】
図2は、本発明に係る塗膜形成を行う前の、基材となる陶器製又は磁器製のタイルと、本発明に係る塗膜形成を行った後のタイルの見本図である。図2における上のタイルが、本発明に係る塗膜形成を行った後のタイルであり、図2における下のタイルが、本発明に係る塗膜形成を行う前のタイルである。
【0020】
まず、張替タイルとなる基材である磁器製や陶器性のタイルの表面に、前工程として、ディスクサンダー等の研磨機により、目荒らし作業を行う。そして、当該目荒らし作業後の表面に、ベースとなる色彩を噴きつけ塗装する前の段階の工程として、前記樹脂塗料を前記基材に固定させるための接着塗料であるプライマーを塗装する第1工程を行う。図3は、図1に図示した色彩を含む樹脂塗料を、エアスプレーガンや低圧温風スプレーガン等のスプレーガンにより、ベースの色彩の上に前記既存のタイルの模様色及びパターンを形成し、噴きつけ塗装している第2工程の見本図である。
【0021】
図4は、図3の第2工程を行い、第2工程の塗膜を行った後のタイルの見本図である。
【0022】
図5は、図4に図示した第2工程の塗膜を行った後のタイルに、色彩を含む樹脂塗料を、エアスプレーガンや低圧温風スプレーガン等のスプレーガンにより、前記既存のタイルの表面に存在する小粒模様を再現し、更に、トナーの調整樹脂に対し、トナーを適量調整し、前記既存のタイルに近い仕上げ調整を行うため、噴きつけ塗装している第3工程の見本図である。また、エアスプレーガンや低圧温風スプレーガン等のスプレーガンにより、色彩を含まない樹脂塗料をトップコートとして塗膜させ、色調の保護と艶の調整を行うため、噴きつけ塗装する第5工程も、図5のように行う。
【0023】
図6は、第5工程の塗膜を行った後のタイルの見本図であり、図7は、第5工程の塗膜を行った後のタイルを2枚並べ、乾燥させている見本図である。
【0024】
なお、より、既存のタイルに近似する塗装を行うため、第3工程と第5工程の間に、第4工程を行うこともできる。図8は、色彩を含む樹脂塗料を、エアスプレーガンや低圧温風スプレーガン等のスプレーガンにより、前記既存のタイルの表面に存在する小粒模様を再現し、更に、トナーの調整樹脂に対し、トナーを適量調整し、前記既存のタイルに近い仕上げ調整を行うため、噴きつけ塗装している第4工程の見本図である。ここでは、網目状の「網ふるい」を使用すると、噴きつけ塗装の粒子がより細かくなり、細やかな塗装が可能となる。この「網ふるい」を通してスプレーガンにより噴きつけ塗装する方法は、他の塗装工程でも行うことができる。
【0025】
図9は、本発明に係る塗膜形成を行った後のタイルの、野外暴露試験による光沢値の劣化度合いを表に示したものである。ここでは、エアスプレーガンや低圧温風スプレーガン等のスプレーガンで、タイルの塗膜形成をするにあたり、「フッ素樹脂塗料」、「ウレタン樹脂塗装」、「塩化ゴム系塗料」、「フタル酸樹脂塗装」、の4種類の樹脂塗料を試験したが、「フッ素樹脂塗料」を使用した塗装が最も劣化が少なく、屋外に使用するタイルの塗装に優れているという結果が出た。よって、これら4種類の樹脂塗料のうち、本発明に係る塗膜形成を行うための樹脂塗料としては、「フッ素樹脂塗料」が適している。図10は、図9のデータを、折れ線グラフで表現したものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】樹脂塗料に色彩の原料を混ぜ、色彩ごとにバケツ等の容器に入れた見本図。
【図2】本発明に係る塗膜形成を行う前の基材となるタイルと、本発明に係る塗膜形成を行った後のタイルの、夫々の見本図。
【図3】色彩を含む樹脂塗料を、スプレーガンにより、噴きつけ塗装している第2工程の見本図。
【図4】図3の第2工程の塗装を行った後のタイルの見本図。
【図5】色彩を含む樹脂塗料を、スプレーガンにより、噴きつけ塗装している第3工程の見本図。
【図6】第5工程の塗装を行った後のタイルの見本図。
【図7】第5工程の塗装を行った後のタイルを2枚並べ、乾燥させている見本図。
【図8】色彩を含む樹脂塗料を、スプレーガンにより、噴きつけ塗装している第4工程の見本図。
【図9】本発明に係る塗膜形成を行った後のタイルの、野外暴露試験による光沢値の劣化度合いの表を表した図。
【図10】図9のデータを、折れ線グラフで表現した図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアスプレーガン又は低圧温風スプレーガンを使用し、アクリルシリコン樹脂塗料又はフッ素樹脂塗料により、前記スプレーガンの塗付量及び希釈率を調整して、既存の建築物に使用されている既存のタイルに最も近似する塗膜を、張替タイルとなる基材に形成する方法であって、
塗膜を形成する前記基材の表面に対して、
前工程として、研磨機により、目荒らし作業を行い、
(1)第1工程として、前記前工程の目荒らしを行った後に、前記樹脂塗料を前記基材に固定させるための接着塗料であるプライマーを塗装し、
(2)第2工程として、前記第1工程の塗膜の上に、前記スプレーガンのノズル口径を1.0乃至1.3mm、ベースとなる色彩を含む前記樹脂塗料の希釈率を10乃至20%にして、ベースとなる色彩を前記スプレーガンにより噴きつけ塗装し、
(3)第3工程として、前記第2工程の塗膜の上に、前記スプレーガンのノズル口径を1.3乃至1.8mm、色彩を含む前記樹脂塗料の希釈率を5乃至40%にして、前記スプレーガンにより噴きつけ塗装して、前記ベースの色彩の上に前記既存のタイルの模様色及びパターンを形成し、
(4)第4工程として、前記第3工程の塗膜の上に、前記スプレーガンのノズル口径を1.0乃至1.8mm、色彩を含む前記樹脂塗料の希釈率を5乃至40%にして、前記スプレーガンにより噴きつけ塗装し、噴霧することによって前記既存のタイルの表面に存在する小粒模様を再現し、更に、トナーの調整樹脂に対し、トナーを適量調整し、前記既存のタイルに近い仕上げ調整を行い、
(5)第5工程として、前記第4工程の塗膜の上に、前記スプレーガンのノズル口径を1.0乃至1.8mm、色彩を含まない前記樹脂塗料の希釈率を5乃至40%にして、前記スプレーガンにより噴きつけ塗装し、色彩を含まないトップコートの塗膜を形成し、色調の保護と艶の調整を行い、
前記既存のタイルに最も近似する塗膜を前記基材の表面に形成する、意匠タイルの塗膜形成方法。

【請求項2】
タイルのパターンの形成を目的とし、前記第2工程及び前記第4工程において、前記スプレーガンのノズル口径を1.3乃至1.8mm、色彩を含む前記樹脂塗料の希釈率を5乃至40%にして、トナーの微調整を更に行い、質感を含め前記既存のタイルに更に近似させる、請求項1記載の意匠タイルの塗膜形成方法。

【請求項3】
エアスプレーガン又は低圧温風スプレーガンを使用し、アクリルシリコン樹脂塗料又はフッ素樹脂塗料により、前記スプレーガンの塗付量及び希釈率を調整して、既存の建築物に使用されている既存のタイルに最も近似する塗膜を、張替タイルとなる基材に形成する方法であって、
塗膜を形成する前記基材の表面に対して、
前工程として、研磨機により、目荒らし作業を行い、
(1)第1工程として、前記前工程の目荒らしを行った後に、前記樹脂塗料を前記基材に固定させるための接着塗料であるプライマーを塗装し、
(2)第2工程として、前記第1工程の塗膜の上に、前記スプレーガンのノズル口径を1.0乃至1.3mm、ベースとなる色彩を含む前記樹脂塗料の希釈率を10乃至20%にして、ベースとなる色彩を前記スプレーガンにより噴きつけ塗装し、
(3)第3工程として、前記第2工程の塗膜の上に、前記スプレーガンのノズル口径を1.3乃至1.8mm、色彩を含む前記樹脂塗料の希釈率を5乃至40%にして、前記スプレーガンにより噴きつけ塗装して、前記ベースの色彩の上に前記既存のタイルの模様色及びパターンを形成し、
(4)第4工程として、前記第3工程の塗膜の上に、前記スプレーガンのノズル口径を1.0乃至1.8mm、色彩を含まない前記樹脂塗料の希釈率を5乃至40%にして、前記スプレーガンにより噴きつけ塗装し、色彩を含まないトップコートの塗膜を形成し、色調の保護と艶の調整を行い、
前記既存のタイルに最も近似する塗膜を前記基材の表面に形成する、意匠タイルの塗膜形成方法。

【請求項4】
請求項1、2又は3のいずれかに記載の意匠タイルの塗膜形成方法により、意匠塗膜が形成されていること、を特徴とする意匠タイル。

【請求項5】
請求項1、2又は3のいずれかに記載の意匠タイルの塗膜形成方法において、前記基材をポリ塩化ビニルシート又はアルミシートとしたことを特徴とする、ポリ塩化ビニルシート又はアルミシート。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−249866(P2009−249866A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−96999(P2008−96999)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(500472187)パル・ユニット株式会社 (2)
【Fターム(参考)】