説明

愛玩動物再現システムおよび愛玩動物再現プログラム

【課題】携帯電話のような携帯情報端末装置上に、飼育動物のリアルタイムの様子を、動物主体として構成された画像ないし動画として出力可能にすること。
【解決手段】愛玩動物再現システム1は、愛犬Dに装着したセンサ装置100と、センサ装置100から愛犬Dの活動情報および位置情報を取得するセンサ情報取得部401およびGPS情報取得部403と、携帯電話300の表示画面に、前記活動情報に基づいて愛犬Dのリアルタイムの様子をアニメーションとして再構築して表示させるキャラクタ再構築部410と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、愛玩動物再現システムおよび愛玩動物再現プログラムに関し、特に、自分の飼っているペットそのものでありながら、これを、携帯電話上でもう一匹(一頭、一羽)の愛着のもてる電子ペットとして再現し、リアルタイムでその様子を確認できる愛玩動物再現システムおよび愛玩動物再現プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飼育動物の様子や、肥育牛・繁殖牛などの家畜の様子を遠隔地から確認するシステムがあった。たとえば、特開2003−85「ペット監視システム」、特開2005−73589「ペット管理システム、ペット管理装置、ペット管理方法」、特開2004−138「生体信号の獲得及び解析を利用した動物の状態把握方法及び装置」、特開2005−168443「ペット情報通信システム、ペット情報収集装置、ペット情報出力装置」では、ペットの状態を把握する技術が開示されている。
【0003】
さらに、特開2002−92763「様子確認・安全確保システム及び様子確認・安全確保プログラムを記憶した記憶媒体」、特開2002−305600「ペット監視システム及びペット監視装置」、特開2004−330965「車室内ペット監視システム」、特開2002−306014「ペット観察システム」では、カメラ画像によりペットの状態を把握する技術が開示されている。
【0004】
また、特開平10−69214「生物画像表示装置及び生物画像表示方法」では、ペット飼育ゲームに関する技術が開示されている。
【0005】
従来はこのような技術により、ペットや家畜の状態を随時確認し、また、ゲームとして動物と仮想現実上で飼育することができるようになっていた。
【0006】
【特許文献1】特開2003−85
【特許文献2】特開2005−73589
【特許文献3】特開2004−138
【特許文献4】特開2005−168443
【特許文献5】特開2002−92763
【特許文献6】特開2002−305600
【特許文献7】特開2004−330965
【特許文献8】特開2002−306014
【特許文献9】特開平10−69214
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術では以下の問題点があった。
まず、ペット等の様子を固定カメラにより撮影しようとすると、室内犬などのように家の中を自由に往来するペット等である場合には、死角が生じたり、多数の固定カメラの設置が必要となり、システムが大がかりになるという問題点があった。
【0008】
また、ペット等がカメラから遠くにいる場合には、ペット等がいることが確認できる程度であり、どのように過ごしているか把握しづらいという問題点があった。また、別の見方をすると、このような場合には、情報のほとんどが無駄であるという問題点があった。
【0009】
また、カメラ撮影の場合には動画はもとより静止画であっても、実写データの情報量が多いため、遠隔地から見ようとすると、携帯電話のような通信回線の太さに制約がある場合には、せいぜい所定間隔ごとのスナップ写真しか見ることができないという問題点があった。また、動画を表示させる場合には、画像が粗く、遠くにいる場合にはその存在自体も確認できないという問題点があった。
【0010】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、携帯電話のような携帯情報端末装置上に、飼育動物のリアルタイムの様子を、動物主体として構成された画像ないし動画として出力可能にすることを目的とする。
【0011】
また、現実のペット等を仮想ペットとして再現し、いわば、生身のペットの携帯ペット化を実現し、仮想ペットそのものにも愛着を感じることのできるサービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の愛玩動物再現システムは、愛玩動物に装着したセンサと、当該センサから当該愛玩動物の活動情報を取得する活動情報取得手段と、携帯情報端末装置の表示画面に、前記活動情報に基づいて当該愛玩動物のリアルタイムの様子をアニメーションとして再構築して表示させる再構築手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
即ち、請求項1にかかる発明は、ライブカメラ技術に比して著しく情報量を低減可能なアニメーションとして現実のペットを再構築し、通信回線の太くない携帯情報端末装置上でも円滑にペットの「今」の様子を刻々と再現する。
【0014】
なお、本願でいう愛玩動物とは、ペットの他、家畜も含まれ、広く、様子を把握したい飼育動物全般を含むものをいう。活動情報とは、愛玩動物の様子ないし活動状況を再現可能にする情報をいい、大まかの動きでよい場合には、たとえば、歩く、走る、飛ぶ、止まる、寝る(寝そべる)、という事象を再現できる情報をいい、細かな動きまで含める場合には、たとえば、頭を上げた歩き、頭を下げた歩き、頭を振った歩き、四肢の動作順序を含めた走り、姿態を含めた寝そべり、あくび、餌食べ、排尿排便、という事象を再現できる情報をいう。すなわち、活動情報とは、要は姿態ないし動きが再現できる情報であって情報量の少ないまたは情報量が低減されたものであればよい。
【0015】
センサは、特に限定されず、適宜そのペット等の上述の動き等を再現できる情報を取得できるものであればよい。具体的には、加速度、振動、各部の傾き、重力方向などの情報を取得できるものであればよい。
【0016】
アニメーションとは、画像(撮像や実写でない)の組合せにより動きを持たせる態様をいう。これは、静止画を組み合わせて動画を構築する態様でもよく、また、適宜、小さな容量で構成された動画そのものであってもよい。具体的には、漫画様のキャラクタが画面上で動くようなものをいう。これにより、実写データをそのまま表示させる場合に比して著しく情報量を低減できるため、リアルタイムの様子を再現可能となる。なお、たとえばパケット通信など、ある程度の時間差が技術的に生じる場合もあるが、本願ではこれもリアルタイムに含めるものとする。
【0017】
なお、携帯情報端末装置としては、携帯電話、PHS、PDAなど、無線通信機能と、所定の解像度と表示面積からなる表示画面と、を有するものであれば特にその種別に限定はない。
【0018】
また、請求項2に記載の愛玩動物再現システムは、請求項1に記載の愛玩動物再現システムにおいて、センサが、加速度センサおよび/またはジャイロセンサであることを特徴とする。
【0019】
すなわち、請求項2にかかる発明は、小型化可能なセンサにより負担をかけずに装着可能な動物種類を増やすことができる。また、小型化可能なセンサにより負担をかけずにセンサの装着数を増やすことができる。また、この簡便なセンサにより、活動情報を簡素な内容にすることができる。
【0020】
また、請求項3に記載の愛玩動物再現システムは、愛玩動物側には、愛玩動物に装着したセンサと、センサが検知した情報に基づいて当該愛玩動物の活動情報を生成する活動情報生成手段と、活動情報生成手段により生成された活動情報をサーバ装置へ送信する情報送信手段と、が備わり、愛玩動物の飼育者側の携帯情報端末装置には、愛玩動物の表示要求を入力する表示要求入力手段と、表示要求入力手段により入力された表示要求に基づいてサーバ装置から活動情報を受信する情報受信手段と、愛玩動物を模したキャラクタであって、種々の姿態ないし動きを再現可能なキャラクタ情報を記憶したキャラクタ情報記憶手段と、情報受信手段により受信された活動情報に基づいて、前記キャラクタ情報記憶手段に記憶されたキャラクタ情報から、当該愛玩動物のリアルタイムの姿態ないし動きをキャラクタの姿態ないし動きとして再構築するキャラクタ再構築手段と、キャラクタ再構築手段により再構築されたキャラクタの姿態ないし動きを表示する表示手段と、が備わったことを特徴とする。
【0021】
すなわち、請求項3にかかる発明は、ライブカメラ技術に比して著しく情報量を低減できるキャラクタ画像の動きとして、生身のペット等を通信回線の太くない携帯情報端末装置上で円滑に再現可能とする。
【0022】
ここで、活動情報生成手段や情報送信手段は、センサの筐体と一体化してもよく、別途、愛玩動物側すなわち愛玩動物がいる屋内・敷地内に配置されたPCにその機能を持たせるようにしてもよい。このときは、適宜、無線手段によりセンサとPCとを通信するものとする。また、サーバ装置は特に限定されず、愛玩動物側と携帯情報端末装置側でデータの送受信を制御するものであればよい。送受信の態様は、特に限定されず、携帯情報端末装置側の要求に応じてオンデマンドで愛玩動物側から情報をその都度取得する態様であってもよいし、愛玩動物側からの情報を常に受信しておき、必要に応じて適宜送信するまたは常時送信する態様であってもよい。
【0023】
また、キャラクタ情報とは、愛玩動物によく似た画像情報(たとえば漫画画像)である他、愛玩動物からかけ離れた容姿の画像情報等であってもよい。たとえば、愛玩動物は犬で、キャラクタは猫にしたりする態様であってもよい。キャラクタ情報とは、生身のペットの分身という点で、ペット版アバターということができる。また、このキャラクタ情報は、画像集(画像群)でも動画であってもよく、画像集に基づいて構築された動画でもよい。
【0024】
また、請求項4に記載の愛玩動物再現システムは、請求項3に記載の愛玩動物再現システムにおいて、センサが、加速度センサおよび/またはジャイロセンサであることを特徴とする。
【0025】
すなわち、請求項4にかかる発明は、小型化可能なセンサにより負担をかけずに装着可能な動物種類を増やすことができる。また、小型化可能なセンサにより負担をかけずにセンサの装着数を増やすことができる。また、この簡便なセンサにより、活動情報を簡素な内容にすることができる。
【0026】
また、請求項5に記載の愛玩動物再現システムは、請求項3または4に記載の愛玩動物再現システムにおいて、飼育場所の間取情報を記憶した間取情報記憶手段が備わり、センサがGPS受信機を備え、情報送信手段が活動情報とともにGPS受信機が受信した位置情報をサーバ装置へ送信し、情報受信手段がサーバ装置から活動情報とともに位置情報を受信し、表示手段が、情報受信手段により受信された位置情報に基づいて、間取情報記憶手段より記憶された間取情報から、当該愛玩動物の居場所と、当該居場所におけるキャラクタの姿態ないし動きを表示することを特徴とする。
【0027】
すなわち、請求項5にかかる発明は、愛玩動物が何処で何をしているかを把握可能となる。ここで、居場所を表示するとは、たとえば、部屋割りを表示する態様が含まれる。間取りや部屋の見取り図を表示すると、縮尺の関係で愛玩動物の姿態や動きが確認しづらくなるので、たとえば、はじめの1秒間だけ、間取図や見取り図を表示するとともに愛玩動物を赤や黒で点表示することにより居場所を表示し、つづいて、愛玩動物の姿態や動きを大きく表示させるようにしてもよい。敷地外にいるときは、GPSにより普通に地図と所在位置とを重ね合わせて表示し、つづいて、愛玩動物の姿態や動きを大きく表示させるようにしてもよい。なお、間取情報には適宜、禁止域・禁止区を盛り込んでおき、位置補正をするようにする。
【0028】
また、請求項6に記載の愛玩動物再現システムは、請求項3,4または5に記載の愛玩動物再現システムにおいて、活動情報生成手段が、前記センサが検知した情報から活動種別と活動度を判定することにより活動情報を生成することを特徴とする。
【0029】
すなわち、請求項6にかかる発明は、活動をパタン化、規格化するため、情報量を著しく低減させることができ、通信回線の太さを含めて非力なシステムでもサービス提供が可能となる。
【0030】
また、請求項7に記載の愛玩動物再現システムは、請求項3〜6のいずれか一つに記載の愛玩動物再現システムにおいて、活動情報生成手段により生成された活動情報を時刻情報とともに記憶する活動履歴記憶手段を備え、キャラクタ再構築手段が、当該愛玩動物の過去の姿態ないし動きをキャラクタの姿態ないし動きとしても再構築することを特徴とする。
【0031】
即ち、請求項7にかかる発明は、ペット等の過去の様子も確認できる。なお適宜、時刻を指定した表示要求を入力できるものとする。
【0032】
また、請求項8に記載の愛玩動物再現プログラムは、携帯情報端末装置を、愛玩動物の表示要求を入力する表示要求入力手段、表示要求入力手段により入力された表示要求に基づいて、サーバ装置から、愛玩動物に装着されたセンサに基づいて当該愛玩動物に関する活動情報を受信する情報受信手段、愛玩動物を模したキャラクタであって、種々の姿態ないし動きを再現可能なキャラクタ情報を記憶したキャラクタ情報記憶手段、情報受信手段により受信された活動情報に基づいて、前記キャラクタ情報記憶手段に記憶されたキャラクタ情報から、当該愛玩動物の姿態ないし動きをキャラクタの姿態ないし動きとして再構築するキャラクタ再構築手段、キャラクタ再構築手段により再構築されたキャラクタの姿態ないし動きを表示する表示手段、として機能させることを特徴とする。
【0033】
すなわち、請求項8にかかる発明は、ライブカメラ技術に比して著しく情報量を低減できるキャラクタ画像の動きとして、生身のペット等を通信回線の太くない携帯情報端末装置上で円滑に再現可能とする。
【0034】
また、請求項9に記載の愛玩動物再現プログラムは、請求項8に記載の愛玩動物再現プログラムにおいて、携帯情報端末装置を、さらに、飼育場所の間取情報を記憶した間取情報記憶手段として機能させ、情報受信手段を、サーバ装置から、愛玩動物に装着されたセンサに基づいて当該愛玩動物に関する活動情報と位置情報とを受信するように機能させるとともに、表示手段を、情報受信手段により受信された位置情報に基づいて、間取情報記憶手段より記憶された間取情報から、当該愛玩動物の居場所と、当該居場所におけるキャラクタの姿態ないし動きを表示するように機能させることを特徴とする。
【0035】
すなわち、請求項9にかかる発明は、愛玩動物が何処で何をしているかを把握可能となる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、回線の太くない携帯電話のような携帯情報端末装置上に、飼育動物のリアルタイムの様子を、動物を主体として構成された画像ないし動画として出力可能にする技術を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。本実施の形態では、室内犬を飼っているA氏が携帯電話により自宅の愛犬Dの様子を確認する態様を説明する。ここでは、まず、本発明の愛玩動物再現プログラムがダウンロードおよびインストールされたA氏の携帯電話機と、自宅にいる室内犬Dに取り付けたセンサ等と、から構成される愛玩動物再現システムの概要を説明し、次いで、自宅側のシステムと携帯電話のハードウェア構成、システム全体の機能的構成、画面遷移例などについて説明していく。
【0038】
(愛玩動物再現システムの概要)
愛玩動物再現システムの概要を説明する。図1は、愛玩動物再現システムの概要を示した模式図である。愛玩動物再現システム1は、愛犬Dに装着したセンサ装置100と、そのセンサ装置100が検知した情報を処理する自宅PC200と、A氏の所有する携帯電話300と、自宅PC200と携帯電話300との間の情報の送受信を制御するサーバ装置Sと、ネットワークNと、により構成される。なお、センサ装置100は首輪の一部として構成されており、犬に装着負担がかからないようにしている。
【0039】
A氏は、携帯電話300を操作して愛犬Dの様子を表示させようとすると、サーバ装置Sを介して携帯電話300と自宅PC200とがデータを送受信し、そのときの愛犬Dの動きに関するデータが順次授受される。このデータに基づき携帯電話300の画面上には、リアルタイムの愛犬Dの動きが刻々と再現されていく。ただし、画面には実写映像が表示されるのではなく、犬のキャラクタがアニメーションとしてその動きを再現する。すなわち、A氏は、キャラクタを介して生身の愛犬Dの様子を確認できるようにしている。
【0040】
(愛玩動物再現システムのハードウェア構成:センサ装置100)
次に、愛玩動物再現システムのハードウェア構成について説明する。図2は、センサ装置100の構成の一例を示したブロック図である。センサ装置100は、加速度センサ101と、方位センサ102と、GPS受信機103と、無線通信部104と、を有する。
【0041】
加速度センサ101は、3軸センサであり、地面(重力方向)に対してどのように加速度変位があったかを出力する。具体的には、上下左右前後の三次元の動きを検知できるので、これにより、歩き、走り、首振り等を検知可能となる。
【0042】
方位センサ102は、方位と回転を検知できる。これにより、愛犬Dが家の中でどの方向を向いているのかを確認することが出来、またくるくる回っている動作なども確認することが出来る。
【0043】
加速度センサ101および方位センサ102を併用することにより、愛犬Dの姿態ないし動きを把握可能となる。なお単位時間あたりの検出の回数は、愛犬Dの姿態ないし動きを把握できる回数であれば特に限定はないが、消費電力量との関係で適宜設定される。たとえば、一秒間に4回検出する態様を挙げることができる。
【0044】
GPS受信機103は、愛犬Dの所在場所を検知する。これにより、後述の間取情報と併せて、室内のどの場所にいるのかを把握可能となる。
【0045】
無線通信部104は、加速度センサ101、方位センサ102、GPS受信機103から出力されたデータを、自宅PC200に無線手段により送信する。無線手段は特に限定されないが、愛犬Dは屋内を移動するので死角が生じないようにする。よって、赤外線を用いる場合は、受信部を複数屋内設置することが好ましい。
【0046】
なお、センサ装置100は適宜電力源を有しているものとする。内蔵電池であってもよく、適宜センサ装置100部分または電池部分をソケット式としておき、飼い主であるA氏が外出のときだけ首輪に装着するようにしてもよい。
【0047】
(愛玩動物再現システムのハードウェア構成:自宅PC200)
次に、自宅PC200のハードウェア構成について説明する。図3は、自宅PC200のハードウェア構成の一例について説明した図である。自宅PC200は、そのハードウェア構成として、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク(HD)204と、グラフィックスカード205と、モニタ206と、キーボード(K/B)207と、マウス(MOUSE)208と、ネットワークインターフェースカード(NIC)209と、無線通信部210と、を有する。
【0048】
CPU201は、OSとともに自宅PC200全体を制御し、センサ装置100から順次送信される各種数値を解析し、サーバ装置Sからの送信要求に応答して、これを活動情報および位置情報として、サーバ装置Sへ送信する。具体的には、たとえば、CPU201は、ハードディスク204に格納されているプログラムに従って、加速度センサ101からは3つのデータを受信し、方位センサ102からは方位並びに回転運動を受信し、これらを解析してどのような姿勢ないし動きをしているかを判定し、場合によっては歩きながら首を振るといった動きの組合せをそれぞれ分離する。
【0049】
また、CPU201は、GPS受信機103からの情報を受信し、必要十分な精度への丸めや補完をおこなう。一方、CPU201は、サーバ装置Sとの間で送信要求を処理し、適宜必要なデータ、場合によっては過去のデータを抽出してサーバ装置Sへの送信制御をおこなう。この他CPU201は、ハードディスク204に格納されている作業データをRAM203に一時保存する制御等もおこなう。
【0050】
ROM202は、ブートプログラム等を記憶する。使用の態様によっては、ROM202は、自宅PC200の制御プログラムを格納しておいてもよい。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用する。具体的には、ハードディスク204から読み出されたデータベースの内容やプログラム内容などを一時的に格納する。また、愛犬Dの活動履歴を一時的に格納する処理をおこなってもよい。
【0051】
ハードディスク204は、オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションプログラム、各種のデータを記憶する。ハードディスクの構成については後述する。
【0052】
グラフィックスカード205は、モニタ206へ出力すべき画像信号を送出する。グラフィックスカード205は、出力すべき画像信号を格納するVRAMと、処理された画像信号をモニタ206へ出力する画像出力インターフェース(画像出力I/F)も備える。画像出力I/Fは、VRAMに展開されたRGB画像データをモニタ206へ出力する。モニタ表示させることにより、携帯電話では再現できなかった細かな活動状況を帰宅後参照可能となる。これにより、体調管理や給餌管理をおこなうことも可能となる。また、各種設定を容易に変更可能となる。
【0053】
NIC209は、自宅PC200をネットワークNに接続する。ネットワークに接続することにより、サーバ装置Sからの送信要求に応じてデータの送信が可能となる。無線通信部210は、センサ装置100から送信された各種データを受信する。
【0054】
ハードディスク204について詳述する。ハードディスク204は、アプリケーション部220とデータ格納部230とにより構成される。アプリケーション部220は、自宅PC200全体を制御するOS221と、活動情報を生成し位置情報とともに伝送する情報制御プログラム群222とにより構成される。
【0055】
情報制御プログラム群222は、センサ情報入力プログラム223と、活動判定プログラム224と、活動情報生成プログラム225と、GPS情報入力プログラム226と、丸め補完プログラム227と、情報出力プログラム228と、を含む。
【0056】
センサ情報入力プログラム223は、無線通信の制御をおこない、センサ装置100から、加速度センサ101と方位センサ102の検出データをそれぞれ入力する。
【0057】
活動判定プログラム224は、センサ情報入力プログラム223により取得された検出データに基づいて、愛犬Dがどのような活動を行っているかを判定する。判定の方法は、特に限定されないが、ノイズを除去するために、たとえば直前の3データと最新のデータとの平均をとって、データを平滑化するようにしてもよい。また、1秒前のデータと順次比較して、それまでと同様のデータパタンとなるか、すなわち、駆け足や首振りなどの周期的な行動をとっているかを判定するようにしてもよい。
【0058】
また、方位センサ102の検出結果に基づき、体の軸が鉛直方向近辺にあるか、斜めに傾いているかを判定し、斜めであれば寝そべっている、鉛直方向に近ければ、立っていると一次判断する。次いで、寝そべっていてかつ加速度センサ101の検出データがほとんど変動しない場合は、眠っている状態であると二次判断する。同様に立っていてかつ加速度センサ101の検出データ、特に鉛直方向の動きが大きくかつ周期的である場合には、走っていると二次判断する。
【0059】
活動判定プログラム224は、このようにして愛犬Dの姿勢ないし動きを判定するが、単一の動きでなく、これを応用して、首を振りながら歩く、など、複合化した動きを分離して判定することも可能となる。
【0060】
活動情報生成プログラム225は、活動判定プログラム224により判定された愛犬Dの姿勢ないし動きに基づいて、ノイズを除去し、携帯電話300で再現可能な活動情報を生成する。携帯電話300は、回線太さや処理能力、表示面積が予め決まっており、これを考慮して予め設定された再現精度に沿うように情報生成をおこなう。よって、活動情報は、生データに近いデータ、すなわち、詳細な再現をおこなわしむる情報である場合もあれば、パタン化または規格化されたデータ、すなわち、情報量を粗く丸めた情報である場合もある。最も粗いデータの例としては、愛犬Dの行動をすべて活動種別と活動度とにしてしまうことが挙げられる。また、活動情報は、複合的な動きを携帯電話300で再現できるように、たとえば、歩く(歩幅:大)+首を振る、といった、複数の動きが組み合わさった情報として生成するようにしてもよい。
【0061】
GPS情報入力プログラム226は、センサ装置100から、GPS受信機103の受信データを入力する。
【0062】
丸め補完プログラム227は、GPS情報入力プログラム226により取得されたGPSデータに基づき、所定の精度での四捨五入や誤差を低減する補完や補正をおこない位置情報を生成する。補完や補正は、たとえば、自宅PC200側に、自宅の間取りに関する情報を格納しておき、壁や押し入れなど、存在しないまたは浸入できない場所に愛犬Dが存在することとなるときは、適宜直近の位置などに基づいて所在場所を補正するようにする。
【0063】
情報出力プログラム228は、活動情報生成プログラム225により生成された活動情報と、丸め補完プログラム227により補正された位置情報とを、携帯電話300へ向けて送信する。このとき、OS221と協働し、サーバ装置Sとの間でネットワークの構築、通信の確立などをおこなう。
【0064】
なお、上記プログラムは、自宅PC200が果たす情報生成および情報送受信の観点から集約されたプログラム群を説明したに過ぎず、実際のプログラムは多数のコンポーネントやDLLなどにより構成される。後述する機能的構成は、これらのプログラムが単体でもしくは複数で、場合によってはデータ格納部230と協働して各種実現されるものである。
【0065】
次に、データ格納部230について説明する。データ格納部230は、履歴格納部231と、判定補助データ格納部232と、間取情報格納部233と、を有する。
【0066】
履歴格納部231は、時刻と活動情報と位置情報とを組みにして順次格納する。これにより、携帯電話300から過去の様子の表示要求があった場合にデータ送信することができる。また、A氏が自宅に戻ったときにモニタ206を介して不在時の様子を詳細に確認することもできる。また、ダイジェストとして様子を把握することも可能となる。
【0067】
判定補助データ格納部232は、活動判定プログラム224が姿態ないし動きを判定をする際の補助データを格納する。室内犬Dに限らないことであるが、動物の動きには、一定の法則やパタン、周期性、組合せが存在する。たとえば、餌を食べるときには頭の上下はあるものの後ろ足を蹴り上げるようなことは決してない。すなわち、餌を食べるときの体の振動や姿勢はある程度類型化される。たとえば、ドッグフードなど比較的小さいものの場合は頭を下げて連続して餌を食べる、骨などの比較的大きなものの場合は頭を下げずに、周期的に大きく咥え直してかむ、水を飲む場合は、頭を下げて舌で連続して水を飲む、のようにそれぞれの姿勢ないし行動に特徴的な振動等が存在する。判定補助データ格納部232では、このような特徴的な動きに基づくデータを多数格納しておき、活動判定プログラム224では、パタンマッチングの手法により、現在の行動を判断するようにする。
【0068】
間取情報格納部233は、A氏の自宅の間取情報を格納する。これは、GPS情報の誤差を修正する際に用い、また、後述する携帯電話300に格納されるべき間取情報の基礎情報として用いる。たとえば、室内犬が二階に上がれる場合には、二階の間取りも格納しておく。
【0069】
(愛玩動物再現システムのハードウェア構成:携帯電話300)
次に、携帯電話300のハードウェア構成について説明する。図4は、携帯電話300のハードウェア構成の一例について説明した図である。携帯電話300は、そのハードウェア構成として、CPU301と、ROM302と、RAM303と、フラッシュメモリ304と、グラフィックスチップ305と、液晶画面306と、テンキーその他のボタン群307と、通信制御部308と、を有する。
【0070】
CPU301は、OSとともに携帯電話300全体を制御し、サーバ装置Sを介して自宅PC200から送信される活動情報と位置情報に基づいて、愛犬Dの様子を予め設定されたキャラクタによりアニメーション表示する。具体的には、CPU301は、フラッシュメモリ304に格納されているプログラムとキャラクタ情報に従って、順次受信するデータ(活動情報および位置情報)に基づいて、愛犬Dを、線画等により表されたキャラクタとして画面上に再現する。なお、CPU301は、通常の通話制御もおこなう。
この他CPU301は、フラッシュメモリ304に格納されている作業データをRAM303に一時保存する制御等もおこなう。
【0071】
ROM302は、ブートプログラム等を記憶する。使用の態様によっては、ROM302は、携帯電話の制御プログラムや、愛犬Dをキャラクタとして再構築しアニメーション化するためのプログラムを格納しておいてもよい。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用する。具体的には、フラッシュメモリ304から読み出されたデータベースの内容やプログラム内容、また、活動情報や位置情報も一時的に格納する。
【0072】
フラッシュメモリ304は、オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションプログラム、各種のデータを記憶する。フラッシュメモリ304の構成については後述する。
【0073】
グラフィックスチップ305は、液晶画面306へ出力すべき画像信号を送出する。液晶画面306は、キャラクタ化された愛犬Dをアニメーション表示する。また、液晶画面306は、A氏の操作内容を表示したりする。これには、いうまでもなく、電話操作や、デジタルカメラ操作、各種設定操作が含まれる。液晶画面306を介して、A氏は、愛犬Dの今の様子を確認可能となり、これは、携帯電話上でもう一匹の愛着のもてる電子ペットを持つことを可能にしたともいえる。
【0074】
ボタン群307は、テンキー、決定キー、その他の操作ボタンからなり、愛犬Dの表示プログラムの操作、電話機能操作、デジタルカメラ機能の操作をおこなう。
【0075】
通信制御部308は、サーバ装置Sとの間で、自宅にいる愛犬Dの表示要求の送信や、受信した活動情報および位置情報の取り込みをおこなう。この他、通常の電話としての音声送受信をおこなう。
【0076】
なお、携帯電話300は、マイク、スピーカ、バッテリー、デジタルカメラ等も装備する。
【0077】
フラッシュメモリ304について詳述する。フラッシュメモリ304は、アプリケーション部320とデータ格納部330とにより構成される。アプリケーション部320は、携帯電話全体を制御するOS321と、液晶画面306上でキャラクタ画像によるアニメーションを表示する再現プログラム群322とにより構成される。
【0078】
再現プログラム群322は、情報入力プログラム323と、キャラクタ合成プログラム324と、間取合成プログラム325と、アングル設定プログラム326と、表示プログラム327と、を含む。
【0079】
情報入力プログラム323は、サーバ装置Sを介して自宅PC200から送信された活動情報と位置情報とを携帯電話300に取り込む制御をおこなう。実写でなくキャラクタにより愛犬Dを液晶画面306上で表示するため、いわば、キャラクタを着せ替えできるといえるが、キャラクタの画像群、アニメーション群も、適宜情報入力プログラム323によりサーバ装置S等からダウンロードする。
【0080】
キャラクタ合成プログラム324は、情報入力プログラム323により順次入力される活動情報に基づき、後述のキャラクタ情報格納部から該当するアニメーションを抽出し、必要に応じて、複数の動きを組み合わせる処理をおこなう。即ち、キャラクタ合成プログラム324は、愛犬Dの動きを液晶画面306上で表示させるべく、キャラクタの動きを生成する。
【0081】
間取合成プログラム325は、情報入力プログラム323により入力される位置情報に基づき、後述の間取情報格納部から愛犬Dの所在する位置を割り出し、どの場所にいるかが分かるように適宜間取りの画面を作成する。
【0082】
アングル設定プログラム326は、愛犬D(を模したキャラクタ)をどのような視点から見たアニメーションとするかを決定する。通常は前方斜め上または正面からのアングルとする。
【0083】
表示プログラム327は、液晶画面306上で、間取りとキャラクタの姿態ないし動きを表示し、愛犬が何処で何をしているかをキャラクタ画像のアニメーションとして表示する。このとき、何処にいるかの情報は、常に必要ではないので、最初の一秒間だけ家の間取図面を表示し、愛犬Dはその中で黒点表示し、次に、愛犬Dの姿態や動きをキャラクタ画像として表示するように遷移させる。餌を食べているときは、適宜足下に餌皿を描画するようにしてもよい。
【0084】
次に、データ格納部330について説明する。データ格納部330は、キャラクタ情報格納部331と、間取情報格納部332と、を有する。
【0085】
キャラクタ情報格納部331は、愛犬Dの動きを再現できる画像群ないしアニメーション群を格納する。キャラクタ情報格納部331は、いわば、姿態ないし動きを再現できる要素群を格納するところであり、これらを組み合わせることにより複合的な動きも再現可能となる。
【0086】
間取情報格納部332は、A氏の自宅の間取情報を格納する。同様の情報は自宅PC200にも格納され、適当に修正、補正された位置情報が送信される。これにより、たとえば、キッチンコンロのある場所に愛犬Dがいるというような矛盾が生じなくなる。
【0087】
(愛玩動物再現システムのハードウェア構成:サーバ装置S)
サーバ装置Sは、携帯電話300と自宅PC200との間に介在し、データ送受信を司る。その仕様は特に限定されず汎用技術を用いることができる。
【0088】
(愛玩動物再現システムの機能的構成)
次に愛玩動物再現システムの機能的構成について説明する。図5は、愛玩動物再現システムの機能的構成を説明するブロック図である。愛玩動物再現システム1は、その機能的構成として、センサ情報取得部401と、活動情報生成部402と、GPS情報取得部403と、活動履歴記録部404と、表示要求入力部405と、情報送信部406と、情報受信部407と、キャラクタ情報記憶部408と、間取情報記憶部409と、キャラクタ再構築部410と、表示部411と、を有する。
【0089】
(愛玩動物再現システムの機能的構成:センサ情報取得部および活動情報生成部)
センサ情報取得部401は、愛犬Dの振動や傾きや旋回方向に関する情報を順次取得する。活動情報生成部402は、センサ情報取得部401により取得された情報に基づいて、愛犬Dの様子ないし活動状況を再現可能にする情報、すなわち活動情報を生成する。活動情報は、ほとんど生データであってもよく、また、補助データを参酌しながらパタンマッチングの手法により、姿態ないし動きを判定して、動きを規格化してもよい。規格化は、たとえば、走りに関しては、「走行中」という一つの態様のみに縮約してもよく、「走行中−速度レベル5」、「走行中−速度レベル4」、「走行中−速度レベル3」、「走行中−速度レベル2」、「走行中−速度レベル1」というように5段階に分けて、実際の動きに近いものが再現できるようにしてもよい。
【0090】
また、愛犬Dに装着するセンサの個数は首輪部分のみでもよいが、場合によっては腰ベルト、足首など複数箇所装着できるので、活動情報生成部402は、各箇所の動きに基づいてそれぞれの動きを分離して生成してもよく、また、統合して生成する態様であってもよい。
【0091】
センサ情報取得部401は、たとえば、加速度センサ101、方位センサ102,無線通信部104、無線通信部210、センサ情報入力プログラム223,などによりその機能を実現することができる。また、活動情報生成部402は、たとえば、RAM203,活動判定プログラム224、活動情報生成プログラム225、判定補助データ格納部232などによりその機能を実現することができる。
【0092】
(愛玩動物再現システムの機能的構成:GPS情報取得部)
GPS情報取得部403は、愛犬D位置情報を取得し、間取情報を参照しながら正しい所在場所を出力する。これにより、自宅内のどの場所に愛犬Dがいるかを判断できる。GPS情報取得部403は、たとえば、GPS受信機103と、無線通信部104と、無線通信部210と、GPS情報入力プログラム226と、丸め補完プログラム227と、間取情報格納部233、RAM203などによりその機能を実現することができる。
【0093】
(愛玩動物再現システムの機能的構成:活動履歴記録部)
活動履歴記録部404は、活動情報生成部402およびGPS情報取得部403により生成された活動情報および取得・補正された位置情報を、時刻とともに順次記録する。これにより、飼い主A氏が愛犬Dの過去の様子を把握することができる。また、携帯電話300の回線状況により情報が送れないとき一時的に、「今」の情報として待避させることもできる。活動履歴記録部404は、たとえば、情報出力プログラム228と、履歴格納部231と、RAM203などによりその機能を実現することができる。
【0094】
(愛玩動物再現システムの機能的構成:表示要求入力部)
表示要求入力部405は、愛犬Dの様子を表示させるための要求を入力する。これにより、飼い主A氏は、愛犬の様子をリアルタイムで、また、場合によっては過去の様子を把握できることとなる。表示要求入力部405は、たとえば、表示プログラム327と、CPU301と、ボタン群307、通信制御部308などによりその機能を実現することができる。
【0095】
(愛玩動物再現システムの機能的構成:情報送信部)
情報送信部406は、携帯電話300からサーバ装置Sを介して表示要求が送信されてきた場合に、活動情報と位置情報を順次携帯電話300へ向けて送信する。この活動情報または位置情報は、RAM203に一次記憶されている。なお、このRAM203の情報は、リアルタイムに愛犬Dから送信される情報である場合と、履歴格納部231に格納されている過去の情報である場合の両方が存在する。情報送信部406は、たとえば、RAM203と、情報出力プログラム228と、NIC209などによりその機能を実現することができる。
【0096】
(愛玩動物再現システムの機能的構成:情報受信部)
情報受信部407は、情報送信部406から送信された愛犬Dの活動情報および位置情報を入力する。この他、同期をとるため、時刻情報も合わせて取得する。情報受信部407は、たとえば、通信制御部308と、情報入力プログラム323と、RAM303などによりその機能を実現することができる。
【0097】
(愛玩動物再現システムの機能的構成:キャラクタ情報記憶部)
キャラクタ情報記憶部408は、愛犬Dを模したキャラクタであって、種々の姿態ないし動きを再現可能なキャラクタ情報を記憶する。携帯電話300の処理能力と活動情報の詳細さもしくは粗さに依存するが、キャラクタ情報記憶部408により、従来であれば実写映像としてしか表示されなかった愛犬Dを、キャラクタの動きとして表示が可能となる。このとき、情報量が実写に比して圧倒的に低減可能となるので回線太さの制限されている携帯電話上でも、リアルタイムの表示が可能となる。なお、キャラクタの設定は、適宜サーバ装置Sからダウンロード可能であるものとし、いわゆる着せ替えも実現する。これにより、愛犬Dを似たような容姿のキャラクタとすることもでき、恐竜のように全く異なるキャラクタとして再現もできる。キャラクタ情報記憶部408は、たとえば、CPU301と、RAM303と、キャラクタ合成プログラム324と、アングル設定プログラム326と、キャラクタ情報格納部331などによりその機能を実現できる。
【0098】
(愛玩動物再現システムの機能的構成:間取情報記憶部)
間取情報記憶部409は、飼育場所の間取情報を記憶する。間取情報は、A氏の自宅の間取りであり、家全体の平面図であってもよく、さらに、部屋の細かな見取り図であってもよい。携帯電話300では、修正された適正な位置情報が送信されるので、基本的に、一度位置合わせをしておけば、狂いが生じず、適正な場所表示が可能となる。間取情報記憶部409は、たとえば、CPU301と、RAM303と、間取合成プログラム325と、間取情報格納部332などによりその機能を実現できる。
【0099】
(愛玩動物再現システムの機能的構成:キャラクタ再構築部)
キャラクタ再構築部410は、情報受信部407により受信された活動情報および位置情報に基づいて、間取情報記憶部409に記憶された間取情報に基づいて、キャラクタの所在場所を決定し、キャラクタ情報記憶部408に記憶されたキャラクタ情報に基づいて、愛犬Dのリアルタイムの姿態ないし動きをキャラクタの姿態ないし動きとして再構築する。このとき、予め指定されたもしくは設定されたアングルにて再構築する。なお、活動情報が活動種別と活動度のように極めて簡素化されているような場合には、通信負荷も少なくキャラクタを動かすことが可能となる。また、キャラクタ再構築部410は、携帯電話300で指定した時刻の姿態ないし動き、即ち、過去の時刻の姿態ないし動きも再構築する。キャラクタ再構築部410は、たとえば、キャラクタ合成プログラム324と、アングル設定プログラム326と、表示プログラム327と、キャラクタ情報格納部331と、間取情報格納部332と、CPU301と、RAM303などによりその機能を実現することができる。
【0100】
(愛玩動物再現システムの機能的構成:表示部)
表示部411は、キャラクタ再構築部410により再構築された、愛犬Dの代替キャラクタをアニメーション動画として表示する。これにより、動きは愛犬Dであり、見かけはデフォルメなどされたキャラクタ画像である、半分生身で半分仮想であるペットが表示されることとなる。よって飼い主であるA氏は、キャラクタにも愛着をもてる電子ペットを携帯電話300上で所持可能となる。表示部411は、たとえば、液晶画面306と、グラフィックスチップ305と、表示プログラム327などによりその機能を実現することができる。
【0101】
(愛玩動物再現システムの画面遷移例)
次に、愛犬Dとキャラクタの動きないし表示例を説明する。図6は、アプリケーション選択→間取り表示→キャラクタ表示に移り変わる様子を示した液晶画面306の画面遷移図である。図示したように、アイコン選択(図6(a))および押下によりアプリケーションが立ち上がり、サーバ接続→自宅PC200から情報取得→間取り表示と移っていく(図6(b)参照)。間取り表示は1秒だけ表示するものとする。なお、図6(b)では、浸入できない部分を斜線で示してあり、愛犬Dの居場所は黒い★印で示してある。間取り表示後、愛犬Dの姿態ないし動きが再現される(図6(c))。ここでは、餌を食べている様子が示される。なお、餌皿は、活動判定プログラム224により餌を食べていると判定されたり、餌皿の置き場所付近で頭を下げている場合に、自動的に表示されるようにする。また、ここでは、図6(c)の犬のモチーフは、図1に示したキャラクタのモチーフとは異なるが、これは、キャラクタ設定を変えて、別の犬としたためである。この他、図示は省略するが、たとえば、恐竜をキャラクタとして表示させるようにしてもよい。これにより、新たなおもしろみを演出可能なサービスを提供可能となる。なお、図6(c)では、間取情報も小さく右下に表示するようにしている。なお、図6(c)では表れないが、実施の画面では、実際の愛犬Dに同調して頭の上げ下げや餌をかむ様子が刻々と表示される。
【0102】
以上、本発明によれば、回線の太くない携帯電話のような携帯情報端末装置上に、飼育動物のリアルタイムの様子を、動物を主体として構成された画像ないし動画として出力可能にする技術を提供できる。飼育者からすると、自分の飼っているペットそのものでありながら、携帯電話上でもう一匹(一頭、一羽)の愛着のもてる電子ペットが再現され、リアルタイムでその様子を確認可能となる。サービス提供者からすると、現実のペット等を仮想ペットとして再現し、いわば、生身のペットの携帯ペット化を実現するサービスを提供可能となる。
【0103】
なお、携帯電話300には、適宜サーバ装置Sから、本システムを実現するために必要なソフトウェアをダウンロードし、これをインストールする。具体的には、ソフトウェアは、携帯電話300を、愛犬Dの表示要求を入力する表示要求入力手段、表示要求に基づいて、サーバ装置Sから、愛犬Dに装着されたセンサに基づいて愛犬Dの活動情報を受信する情報受信手段、種々の姿態ないし動きを再現可能なキャラクタ情報を記憶したキャラクタ情報記憶手段、情報受信手段により受信された活動情報に基づいて、キャラクタ情報記憶手段に記憶されたキャラクタ情報から、愛犬Dの姿態ないし動きをキャラクタの姿態ないし動きとして再構築するキャラクタ再構築手段、再構築されたキャラクタの姿態ないし動きを表示する表示手段、として機能させるプログラムを含むものであればよい。
【0104】
間取も表示させるのであれば、さらに、携帯電話300を、飼育場所の間取情報を記憶した間取情報記憶手段として機能させ、情報受信手段を、サーバ装置Sから、愛犬Dに装着されたセンサに基づいて愛犬Dに関する活動情報と位置情報とを受信するように機能させるとともに、表示手段を、情報受信手段により受信された位置情報に基づいて、間取情報記憶手段より記憶された間取情報から、愛犬Dの居場所と、当該居場所におけるキャラクタの姿態ないし動きを表示するように機能させるプログラムを含むソフトウェアとすればよい。
【産業上の利用可能性】
【0105】
なお、センサを含めてモーションキャプチャ技術を用いると、より円滑で全体的な表示が可能となる。ただし、マーカーないし節点の数が多くなるため、小型化および情報圧縮(回線拡大)が必要となる場合があるため、適宜、ベストソリューションをみつけて運営する必要がある。
【0106】
また、愛玩動物は、ペットの他、家畜も含まれ、広く、様子を把握したい飼育動物全般を含むものとしているが、たとえば、繁殖牛を飼育する場合に、センサを首輪、鼻輪、腰などに取り付け、遠隔地から出産状況を把握するシステムとして使用してもよい。このとき、獣医側でも牛の様子を逐次確認できるようにすれば、少し前(たとえば一時間前)の様子も確認しながら、現在がどのような状況であるかをより的確に把握可能となり、出産事故を低減し、効率的な出産処置が可能となる。
【0107】
このような場合を含めて、センサ装置は、バイタルセンサー、すなわち、血圧、心拍数、体温などを測定するようにしてもよい。これにより、体調管理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】愛玩動物再現システムの概要を示した模式図である。
【図2】センサ装置の構成の一例を示したブロック図である。
【図3】自宅PCのハードウェア構成の一例について説明した図である。
【図4】携帯電話のハードウェア構成の一例について説明した図である。
【図5】愛玩動物再現システムの機能的構成を説明するブロック図である。
【図6】アプリケーション選択→間取り表示→キャラクタ表示に移り変わる様子を示した液晶画面の画面遷移図である。
【符号の説明】
【0109】
1 愛玩動物再現システム
100 センサ装置
101 加速度センサ
102 方位センサ
103 GPS受信機
104 無線通信部
200 自宅PC
204 ハードディスク
205 グラフィックスカード
210 無線通信部
220 アプリケーション部
222 情報制御プログラム群
223 センサ情報入力プログラム
224 活動判定プログラム
225 活動情報生成プログラム
226 GPS情報入力プログラム
227 丸め補完プログラム
228 情報出力プログラム
230 データ格納部
231 履歴格納部
232 判定補助データ格納部
233 間取情報格納部
300 携帯電話
304 フラッシュメモリ
306 液晶画面
307 ボタン群
308 通信制御部
320 アプリケーション部
322 再現プログラム群
323 情報入力プログラム
324 キャラクタ合成プログラム
325 間取合成プログラム
326 アングル設定プログラム
327 表示プログラム
330 データ格納部
331 キャラクタ情報格納部
332 間取情報格納部
401 センサ情報取得部
402 活動情報生成部
403 GPS情報取得部
404 活動履歴記録部
405 表示要求入力部
406 情報送信部
407 情報受信部
408 キャラクタ情報記憶部
409 間取情報記憶部
410 キャラクタ再構築部
411 表示部
D 愛犬
N ネットワーク
S サーバ装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
愛玩動物に装着したセンサと、
当該センサから当該愛玩動物の活動情報を取得する活動情報取得手段と、
携帯情報端末装置の表示画面に、前記活動情報に基づいて当該愛玩動物のリアルタイムの様子をアニメーションとして再構築して表示させる再構築手段と、
を備えたことを特徴とする愛玩動物再現システム。
【請求項2】
センサは、加速度センサおよび/またはジャイロセンサであることを特徴とする請求項1に記載の愛玩動物再現システム。
【請求項3】
愛玩動物側には、
愛玩動物に装着したセンサと、
センサが検知した情報に基づいて当該愛玩動物の活動情報を生成する活動情報生成手段と、
活動情報生成手段により生成された活動情報をサーバ装置へ送信する情報送信手段と、
が備わり、
愛玩動物の飼育者側の携帯情報端末装置には、
愛玩動物の表示要求を入力する表示要求入力手段と、
表示要求入力手段により入力された表示要求に基づいてサーバ装置から活動情報を受信する情報受信手段と、
愛玩動物を模したキャラクタであって、種々の姿態ないし動きを再現可能なキャラクタ情報を記憶したキャラクタ情報記憶手段と、
情報受信手段により受信された活動情報に基づいて、前記キャラクタ情報記憶手段に記憶されたキャラクタ情報から、当該愛玩動物のリアルタイムの姿態ないし動きをキャラクタの姿態ないし動きとして再構築するキャラクタ再構築手段と、
キャラクタ再構築手段により再構築されたキャラクタの姿態ないし動きを表示する表示手段と、
が備わったことを特徴とする愛玩動物再現システム。
【請求項4】
センサは、加速度センサおよび/またはジャイロセンサであることを特徴とする請求項3に記載の愛玩動物再現システム。
【請求項5】
飼育場所の間取情報を記憶した間取情報記憶手段が備わり、
センサはGPS受信機を備え、
情報送信手段は活動情報とともにGPS受信機が受信した位置情報をサーバ装置へ送信し、
情報受信手段は、サーバ装置から活動情報とともに位置情報を受信し、
表示手段は、情報受信手段により受信された位置情報に基づいて、間取情報記憶手段より記憶された間取情報から、当該愛玩動物の居場所と、当該居場所におけるキャラクタの姿態ないし動きを表示することを特徴とする請求項3または4に記載の愛玩動物再現システム。
【請求項6】
活動情報生成手段は、センサが検知した情報から活動種別と活動度を判定することにより活動情報を生成することを特徴とする請求項3,4または5に記載の愛玩動物再現システム。
【請求項7】
活動情報生成手段により生成された活動情報を時刻情報とともに記憶する活動履歴記憶手段を備え、
キャラクタ再構築手段は、当該愛玩動物の過去の姿態ないし動きをキャラクタの姿態ないし動きとしても再構築することを特徴とする請求項3〜6のいずれか一つに記載の愛玩動物再現システム。
【請求項8】
携帯情報端末装置を、
愛玩動物の表示要求を入力する表示要求入力手段、
表示要求入力手段により入力された表示要求に基づいて、サーバ装置から、愛玩動物に装着されたセンサに基づいて当該愛玩動物に関する活動情報を受信する情報受信手段、
愛玩動物を模したキャラクタであって、種々の姿態ないし動きを再現可能なキャラクタ情報を記憶したキャラクタ情報記憶手段、
情報受信手段により受信された活動情報に基づいて、前記キャラクタ情報記憶手段に記憶されたキャラクタ情報から、当該愛玩動物の姿態ないし動きをキャラクタの姿態ないし動きとして再構築するキャラクタ再構築手段、
キャラクタ再構築手段により再構築されたキャラクタの姿態ないし動きを表示する表示手段、
として機能させることを特徴とする愛玩動物再現プログラム。
【請求項9】
携帯情報端末装置を、さらに、
飼育場所の間取情報を記憶した間取情報記憶手段として機能させ、
情報受信手段を、サーバ装置から、愛玩動物に装着されたセンサに基づいて当該愛玩動物に関する活動情報と位置情報とを受信するように機能させるとともに、
表示手段を、情報受信手段により受信された位置情報に基づいて、間取情報記憶手段より記憶された間取情報から、当該愛玩動物の居場所と、当該居場所におけるキャラクタの姿態ないし動きを表示するように機能させることを特徴とする請求項8に記載の愛玩動物再現プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−68268(P2010−68268A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232907(P2008−232907)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成20年度独立行政法人情報通信研究機構「民間基盤技術研究促進制度/(研究開発課題「牛の発情検知システムによる繁殖農家と畜産技術者との情報通信ネットワーク形成を目的とする研究開発」)」、産業技術力強化法第19条の適用を受けるもの)
【出願人】(500133738)株式会社 ワコムアイティ (7)
【Fターム(参考)】