説明

感光体ユニットおよび現像カートリッジ

【課題】現像剤担持体の感光体に対する押圧力を安定させることができ、安定した現像を確保することのできる、感光体ユニット、および、その感光体ユニットに装着される現像カートリッジを提供すること。
【解決手段】本体ケーシング2にスライド自在に着脱されるドラムユニット26において、各色に対応して設けられるドラムサブユニット28に嵌合穴140を設けるとともに、各ドラムサブユニット28に着脱自在に装着される各現像カートリッジ27の上壁84に、ばね102と、そのばね102を押圧可能であり回動可能に支持される取っ手103と、その取っ手103に形成される嵌合突起104とを設ける。現像カートリッジ27のドラムサブユニット28に対する装着時には、取っ手103を回動させて嵌合突起104を嵌合穴140に係止させることにより、現像ローラ39を感光ドラム29に対して押圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に装備される感光体ユニット、および、その感光体ユニットに装着される現像カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色に対応した感光体が水平方向に並列に配置される、いわゆるタンデム型の画像形成装置が知られている。
【0003】
このタンデム型の画像形成装置では、各感光体に各色のトナー像がほぼ同時に形成され、各感光体を順次通過する用紙に、各感光体から各色のトナー像が順次転写されるので、モノクロの画像形成装置と、ほぼ同じ速度でカラー画像を形成することができる。
【0004】
このようなタンデム型の画像形成装置として、たとえば、4個の感光体とその周囲に配置されたコロナ帯電器と、クリーニング装置とを一体の感光体カートリッジとして、装置本体から引き出して取り外し、また、装置本体に装着して取り付け可能にするとともに、感光体に付属する現像装置を、感光体カートリッジに対して着脱可能にするものが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0005】
この画像形成装置では、黒の現像装置と、シアン、マゼンタ、イエローの現像装置とが感光体カートリッジに着脱交換可能に装着されている。各現像装置は、感光体カートリッジに装着されると、感光体カートリッジに設けられる固定レバーの旋回により、感光体カートリッジに固定される。
【0006】
また、画像形成装置において、現像装置には、感光体にトナーを供給するための現像ローラが設けられており、現像装置が感光体カートリッジに装着されると、感光体カートリッジに設けられているばねなどの弾性部材によって現像装置が押圧され、それによって、感光体に対して現像ローラが所定の押圧力で押圧されるものが、知られている。
【特許文献1】特開2003−15378号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、弾性部材が現像装置を押圧する押圧力は、弾性部材の経時的な劣化によって、次第に減少する。そうすると、感光体に対する現像ローラの押圧力が減少し、感光体に対する現像ローラからのトナーの供給不足が生じ、それに起因して、現像不良を生じるおそれがある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、現像剤担持体の感光体に対する押圧力を安定させることができ、安定した現像を確保することのできる、感光体ユニット、および、その感光体ユニットに装着される現像カートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、感光体ユニットであって、現像剤を担持する現像剤担持体、および、前記現像剤担持体を支持し、現像剤が収容される筐体を備える現像カートリッジと、前記現像剤担持体が押圧により接触されるように配置され、前記現像剤担持体から供給される現像剤により静電潜像が現像される感光体と、前記現像カートリッジが着脱自在に装着されるカートリッジ装着部とを備え、前記筐体には、弾性部材と、前記現像剤担持体が前記感光体に向けて押圧されるように前記弾性部材を前記現像剤担持体に向けて押圧するための押圧部材と、前記押圧部材に設けられる係止部材とを備え、前記カートリッジ装着部には、前記押圧部材が前記弾性部材を前記現像剤担持体に向けて押圧するように、前記係止部材が係止され、その係止により、前記押圧部材の前記弾性部材に対する押圧状態を保持するための被係止部を備えていることを特徴としている。
【0010】
このような構成によると、現像カートリッジをカートリッジ装着部に装着して、被係止部に係止部材を係止させると、その係止により、押圧部材により弾性部材が現像剤担持体に向けて押圧され、かつ、その押圧部材の弾性部材に対する押圧状態が保持される。これによって、現像剤担持体は、常時一定の押圧力で感光体に対して押圧される。
【0011】
また、弾性部材は、現像カートリッジに設けられているため、現像剤の消費により現像カートリッジが交換される毎に、新品となる。そのため、弾性部材が経時的に劣化したまま放置されることがなく、常に有効な押圧力が確保される。
【0012】
そのため、現像剤担持体の感光体に対する押圧力を安定させることができ、安定した現像を達成することができる。
【0013】
また、弾性部材が、現像カートリッジに設けられているので、現像剤の仕様や現像剤担持体の仕様などが変更された場合に、最適な弾性部材を配置することができる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記押圧部材は、前記弾性部材を前記現像剤担持体に向けて押圧する押圧方向と、前記弾性部材の前記現像剤担持体に対する押圧を解除する押圧解除方向とに沿って移動可能であり、前記係止部材は、前記押圧部材の前記押圧方向への移動により前記被係止部に対して係止され、前記押圧部材の前記押圧解除方向への移動により前記被係止部に対する係止が解除され、前記弾性部材は、前記押圧部材に対して前記押圧方向下流側に配置され、前記係止部材の前記被係止部に対する係止により、前記押圧部材によって押圧され、前記係止部材の前記被係止部に対する係止の解除により、前記押圧部材による押圧が解除されることを特徴としている。
【0015】
このような構成によると、押圧部材が押圧方向に移動されると、係止部材が被係止部に対して係止されるとともに、弾性部材が押圧部材によって押圧される。また、押圧部材が押圧解除方向に移動されると、係止部材の被係止部に対する係止が解除されるとともに、押圧部材による弾性部材の押圧が解除される。そのため、簡易な構成によって、弾性部材に対する押圧部材の押圧またはその解除を実現することができる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記係止部材には、前記押圧部材の前記移動方向における少なくともいずれか一端部に、前記移動方向を含む平面と前記平面に直交する平面とに対して傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴としている。
【0017】
このような構成によると、係止部材において、押圧部材の移動方向における少なくともいずれか一端部に傾斜面が形成されているので、係止部材が被係止部に対して係止または解除されるときに、カートリッジ装着部に対する円滑な移動を確保することができる。そのため、操作性の向上を図ることができる。
【0018】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の発明において、前記現像カートリッジは、前記カートリッジ装着部に対して、前記押圧部材の前記移動方向と交差する方向に着脱され、前記カートリッジ装着部に対して前記現像カートリッジを離脱する離脱方向において、前記係止部材および前記被係止部の互いに対向する対向面は、その対向方向に対して直交していることを特徴としている。
【0019】
このような構成によると、現像カートリッジのカートリッジ装着部に対する装着状態から、現像カートリッジを、カートリッジ装着部から、押圧部材の移動方向と交差する方向に離脱させようとしても、係止部材および被係止部の各対向面が、それらの対向方向に対して直交する方向において当接する。そのため、各対向面の当接により、係止部材が被係止部に係止されたまま、現像カートリッジがカートリッジ装着部から離脱されることを、防止することができる。そのため、誤操作を防止して、装置の耐久性の向上を図ることができる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記係止部材の前記対向面と、前記被係止部の前記対向面とは、互いに角度の異なる複数の平面を、それぞれ備えていることを特徴としている。
【0021】
このような構成によると、係止部材および被係止部の各対向面が、互いに角度の異なる複数の平面をそれぞれ備えている。そのため、被係止部に対して、係止部材を確実に位置決めすることができる。その結果、現像剤担持体の感光体に対する押圧力を、より安定させることができる。
【0022】
また、請求項6に記載の発明は、請求項2ないし5のいずれかに記載の発明において、前記カートリッジ装着部は、前記押圧部材の移動によって、前記係止部材が前記被係止部に対して係止され、または、その係止が解除されるときに、前記係止部材が横切る通過部分を備え、前記通過部分には、前記係止部材の通過を案内する案内溝が、前記押圧部材の移動方向に沿って形成されていることを特徴としている。
【0023】
このような構成によると、係止部材が被係止部に対して係止または解除するときに、係止部材が横切るカートリッジ装着部の通過部分には、案内溝が形成されている。そのため、係止部材の円滑かつ確実な移動を確保することができ、操作の向上を図ることができる。
【0024】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記案内溝には、前記移動方向における少なくともいずれか一端部に、前記移動方向を含む平面と前記平面に直交する平面とに対して傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴としている。
【0025】
このような構成によると、案内溝において、押圧部材の移動方向における少なくともいずれか一端部に傾斜面が形成されているので、係止部材が案内溝に進入または離間するときに、案内溝に対する円滑な移動を確保することができる。そのため、操作性の向上を図ることができる。
【0026】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の発明において、前記押圧部材は、前記現像カートリッジを着脱するときに把持される取っ手を兼ねていることを特徴としている。
【0027】
このような構成によると、押圧部材が取っ手を兼ねるので、その取っ手を把持して、現像カートリッジを着脱させることができる。また、押圧部材と取っ手とを別々に設ける場合とに比べて部品点数を少なくすることができる。そのため、操作性の向上および部品点数の低減を図ることができる。
【0028】
また、請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の発明において、前記現像剤担持体が、前記筐体における一方側端部に設けられ、前記弾性部材が、前記筐体における前記一方側端部と反対側の他方側端部に設けられ、前記押圧部材が、前記他方側端部において、前記現像剤担持体の軸方向と同一方向に延びる回動軸線を中心として回動自在に設けられ、前記回動軸線を中心とする回動により、前記弾性部材に対して接触することを特徴としている。
【0029】
このような構成によると、押圧部材を回動させることにより、押圧部材を弾性部材に対して接触させることができるとともに、係止部材を被係止部に対して係止することができる。そのため、押圧部材の確実な移動を確保しつつ、操作性の向上を図ることができる。
【0030】
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記押圧部材は、前記筐体に対して前記軸方向内方に設けられ、前記弾性部材に当接して、外部からの押圧力を前記弾性部材に伝達する伝達部を備えていることを特徴としている。
【0031】
このような構成によると、伝達部が、筐体に対して内方に配置されているので、外部からの押圧力を確実に受けることができ、その押圧力を、弾性部材に安定して伝達することができる。
【0032】
また、請求項11に記載の発明は、請求項9または10に記載の発明において、前記弾性部材は、前記現像剤担持体の軸方向において、間隔を隔てて2つ設けられていることを特徴としている。
【0033】
このような構成によると、現像剤担持体の軸方向に間隔を隔てて2つの弾性部材が設けられているので、現像剤担持体の軸方向一方端部が感光体に対して相対的に強く押圧され、他方端部が感光体に対して相対的に弱く押圧される、いわゆる現像剤担持体の感光体に対する片当たりを防止することができる。そのため、現像剤担持体を、その軸方向において感光体に対してバランスよく押圧させることができる。その結果、現像剤担持体の感光体に対する押圧力を、より安定させることができる。
【0034】
また、請求項12に記載の発明は、感光体を備える感光体ユニットに着脱自在に装着可能な現像カートリッジであって、前記感光体に供給する現像剤を担持する現像剤担持体と、前記現像剤担持体を支持し、現像剤が収容される筐体と、前記筐体に設けられる弾性部材と、前記筐体に設けられ、前記現像剤担持体が前記感光体に向けて押圧されるように前記弾性部材を前記現像剤担持体に向けて押圧するための押圧部材と、前記押圧部材に設けられ、前記押圧部材が前記弾性部材を前記現像剤担持体に向けて押圧するように前記感光体ユニットに係止され、その係止により、前記押圧部材の前記弾性部材に対する押圧状態を保持するための係止部材とを備えていることを特徴としている。
【0035】
このような構成によると、現像カートリッジを感光体ユニットに装着して、感光体ユニットに係止部材を係止させると、その係止により、押圧部材により弾性部材が現像剤担持体に向けて押圧され、かつ、その押圧部材の弾性部材に対する押圧状態が保持される。これによって、現像剤担持体は、常時一定の押圧力で感光体に対して押圧される。
【0036】
また、弾性部材は、現像カートリッジに設けられているため、現像剤の消費により現像カートリッジが交換される毎に、新品となる。そのため、弾性部材が経時的に劣化したまま放置されることがなく、常に有効な押圧力が確保される。
【0037】
そのため、現像剤担持体の感光体に対する押圧力を安定させることができ、安定した現像を達成することができる。
【0038】
また、弾性部材が、現像カートリッジに設けられているので、現像剤の仕様や現像剤担持体の仕様などが変更された場合に、最適な弾性部材を配置することができる。
【0039】
また、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の発明において、前記押圧部材は、前記弾性部材を前記現像剤担持体に向けて押圧する押圧方向と、前記弾性部材の前記現像剤担持体に対する押圧を解除する押圧解除方向とに沿って移動可能であり、前記係止部材は、前記押圧部材の前記押圧方向への移動により前記感光体ユニットに対して係止する方向に移動され、前記押圧部材の前記押圧解除方向への移動により前記感光体ユニットに対する係止が解除される方向に移動され、前記弾性部材は、前記押圧部材に対して前記押圧方向下流側に配置され、前記係止部材の前記感光体ユニットに対する係止方向への移動により、前記押圧部材によって押圧され、前記係止部材の前記感光体ユニットに対する係止の解除方向への移動により、前記押圧部材による押圧が解除されることを特徴としている。
【0040】
このような構成によると、押圧部材が押圧方向に移動されると、係止部材が感光体ユニットに対して係止されるとともに、弾性部材が押圧部材によって押圧される。また、押圧部材が押圧解除方向に移動されると、係止部材の感光体ユニットに対する係止が解除されるとともに、押圧部材による弾性部材の押圧が解除される。そのため、簡易な構成によって、弾性部材に対する押圧部材の押圧またはその解除を実現することができる。
【0041】
また、請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の発明において、前記係止部材には、前記押圧部材の前記移動方向における少なくともいずれか一端部に、前記移動方向を含む平面と前記平面に直交する平面とに対して傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴としている。
【0042】
このような構成によると、係止部材において、押圧部材の移動方向における少なくともいずれか一端部に傾斜面が形成されているので、係止部材が感光体ユニットに対して係止または解除されるときに、感光体ユニットに対する円滑な移動を確保することができる。そのため、操作性の向上を図ることができる。
【0043】
また、請求項15に記載の発明は、請求項12ないし14のいずれかに記載の発明において、前記係止部材では、前記現像カートリッジの前記感光体ユニットに対する離脱方向の端面が、前記現像剤担持体の軸方向と平行する方向に沿って平坦に形成されていることを特徴としている。
【0044】
このような構成によると、現像カートリッジの感光体ユニットに対する装着状態から、現像カートリッジを、感光体ユニットから離脱させようとしても、現像カートリッジの感光体ユニットに対する離脱方向の端面が、現像剤担持体の軸方向と平行する方向に沿って平坦に形成されているので、その端面が感光体ユニットに当接して、現像カートリッジがカートリッジ装着部から離脱されることを、防止することができる。そのため、誤操作を防止して、装置の耐久性の向上を図ることができる。
【0045】
また、請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の発明において、前記端面は、互いに角度の異なる複数の平面を備えていることを特徴としている。
【0046】
このような構成によると、端面が、互いに角度の異なる複数の平面をそれぞれ備えている。そのため、感光体ユニットに対して、係止部材を確実に位置決めすることができる。その結果、現像剤担持体の感光体に対する押圧力を、より安定させることができる。
【0047】
また、請求項17に記載の発明は、請求項12ないし16のいずれかに記載の発明において、前記押圧部材は、前記現像カートリッジを着脱するときに把持される取っ手を兼ねていることを特徴としている。
【0048】
このような構成によると、押圧部材が取っ手を兼ねるので、その取っ手を把持して、現像カートリッジを着脱させることができる。また、押圧部材と取っ手とを別々に設ける場合とに比べて部品点数を少なくすることができる。そのため、操作性の向上および部品点数の低減を図ることができる。
【0049】
また、請求項18に記載の発明は、請求項12ないし17のいずれかに記載の発明において、前記現像剤担持体が、前記筐体における一方側端部に設けられ、前記弾性部材が、前記筐体における前記一方側端部と反対側の他方側端部に設けられ、前記押圧部材が、前記他方側端部において、前記現像剤担持体の軸方向と同一方向に延びる回動軸線を中心として回動自在に設けられ、前記回動軸線を中心とする回動により、前記弾性部材に対して接触することを特徴としている。
【0050】
このような構成によると、押圧部材を回動させることにより、押圧部材を弾性部材に対して接触させることができるとともに、係止部材を係止部に対して係止することができる。そのため、押圧部材の確実な移動を確保しつつ、操作性の向上を図ることができる。
【0051】
また、請求項19に記載の発明は、請求項18に記載の発明において、前記押圧部材は、前記筐体に対して前記軸方向内方に設けられ、前記弾性部材に当接して、外部からの押圧力を前記弾性部材に伝達する伝達部を備えていることを特徴としている。
【0052】
このような構成によると、伝達部が、筐体に対して内方に配置されているので、外部からの押圧力を確実に受けることができ、その押圧力を、弾性部材に安定して伝達することができる。
【0053】
また、請求項20に記載の発明は、請求項18または19に記載の発明において、前記弾性部材は、前記現像剤担持体の軸方向において、間隔を隔てて2つ設けられていることを特徴としている。
【0054】
このような構成によると、現像剤担持体の軸方向に間隔を隔てて2つの弾性部材が設けられているので、現像剤担持体の軸方向一方端部が感光体に対して相対的に強く押圧され、他方端部が感光体に対して相対的に弱く押圧される、いわゆる現像剤担持体の感光体に対する片当たりを防止することができる。そのため、現像剤担持体を、その軸方向において感光体に対してバランスよく押圧させることができる。その結果、現像剤担持体の感光体に対する押圧力を、より安定させることができる。
【0055】
また、請求項21に記載の発明は、現像カートリッジであって、現像剤を収容する筐体と、前記筐体における一方側端部に設けられ、現像剤を担持する現像剤担持体と、前記筐体における前記一側端部と反対側の他方側端部に設けられる弾性部材と、前記筐体における前記他方側端部に設けられ、前記弾性部材を前記現像剤担持体に向けて押圧するための押圧部材と、前記押圧部材に前記現像剤担持体の軸方向外側に向かって突出するように設けられ、前記押圧部材による前記弾性部材の押圧状態を保持するために、他の部材に係止される係止部材とを備えていることを特徴としている。
【0056】
このような構成によると、他の部材に係止部材を係止させると、その係止により、押圧部材により弾性部材が現像剤担持体に向けて押圧され、かつ、その押圧部材の弾性部材に対する押圧状態が保持される。これによって、現像剤担持体が、常時一定の押圧力で押圧される。
【0057】
また、弾性部材は、現像カートリッジに設けられているため、現像剤の消費により現像カートリッジが寿命になると、現像カートリッジとともに廃棄される。そのため、弾性部材が経時的に劣化したまま放置されることがなく、常に有効な押圧力が確保される。
【0058】
そのため、現像剤担持体の押圧力を安定させることができ、安定した現像を達成することができる。
【0059】
また、弾性部材が、現像カートリッジに設けられているので、現像剤の仕様や現像剤担持体の仕様などが変更された場合に、最適な弾性部材を配置することができる。
【0060】
また、請求項22に記載の発明は、請求項21に記載の発明において、前記押圧部材は、前記弾性部材を前記現像剤担持体に向けて押圧する押圧方向と、前記弾性部材の前記現像剤担持体に対する押圧を解除する押圧解除方向とに沿って移動可能であり、前記弾性部材は、前記押圧部材に対して前記押圧方向下流側に配置され、前記押圧部材の押圧方向への移動により、前記押圧部材によって押圧され、前記押圧部材の押圧解除方向への移動により、前記押圧部材による押圧が解除されることを特徴としている。
【0061】
このような構成によると、押圧部材が押圧方向に移動されると、弾性部材が押圧部材によって押圧される。また、押圧部材が押圧解除方向に移動されると、押圧部材による弾性部材の押圧が解除される。そのため、簡易な構成によって、弾性部材に対する押圧部材の押圧またはその解除を実現することができる。
【0062】
また、請求項23に記載の発明は、請求項22に記載の発明において、前記係止部材には、前記押圧部材の前記移動方向における少なくともいずれか一端部に、前記移動方向を含む平面と前記平面に直交する平面とに対して傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴としている。
【0063】
このような構成によると、係止部材において、押圧部材の移動方向における少なくともいずれか一端部に傾斜面が形成されているので、係止部材が他の部材に対して係止または解除されるときに、円滑な移動を確保することができる。そのため、操作性の向上を図ることができる。
【0064】
また、請求項24に記載の発明は、請求項22または23に記載の発明において、前記係止部材では、前記移動方向と交差する方向の端面の少なくとも一部分が、前記現像剤担持体の軸方向と平行する方向に沿って平坦に形成されていることを特徴としている。
【0065】
このような構成によると、現像カートリッジを係止部材の移動方向と交差する方向に移動させるときに、現像カートリッジの端面が、現像剤担持体の軸方向と平行する方向に沿って平坦に形成されているので、その端面が他の部材に当接して、現像カートリッジの移動を防止することができる。そのため、誤操作を防止して、装置の耐久性の向上を図ることができる。
【0066】
また、請求項25に記載の発明は、請求項24に記載の発明において、前記端面は、互いに角度の異なる複数の平面を備えていることを特徴としている。
【0067】
このような構成によると、端面が、互いに角度の異なる複数の平面をそれぞれ備えている。そのため、他の部材に対して、係止部材を確実に位置決めすることができる。その結果、現像剤担持体の押圧力を、より安定させることができる。
【発明の効果】
【0068】
請求項1に記載の発明によれば、現像剤担持体の感光体に対する押圧力を安定させることができ、安定した現像を達成することができる。また、現像剤の仕様や現像剤担持体の仕様などが変更された場合に、最適な弾性部材を配置することができる。
【0069】
請求項2に記載の発明によれば、簡易な構成によって、弾性部材に対する押圧部材の押圧またはその解除を実現することができる。
【0070】
また、請求項3に記載の発明によれば、操作性の向上を図ることができる。
【0071】
また、請求項4に記載の発明によれば、誤操作を防止して、装置の耐久性の向上を図ることができる。
【0072】
また、請求項5に記載の発明によれば、現像剤担持体の感光体に対する押圧力を、より安定させることができる。
【0073】
また、請求項6に記載の発明によれば、係止部材の円滑かつ確実な移動を確保することができ、操作の向上を図ることができる。
【0074】
また、請求項7に記載の発明によれば、操作性の向上を図ることができる。
【0075】
また、請求項8に記載の発明によれば、操作性の向上および部品点数の低減を図ることができる。
【0076】
また、請求項9に記載の発明によれば、押圧部材の確実な移動を確保しつつ、操作性の向上を図ることができる。
【0077】
また、請求項10に記載の発明によれば、外部からの押圧力を確実に受けることができ、その押圧力を、弾性部材に安定して伝達することができる。
【0078】
また、請求項11に記載の発明によれば、現像剤担持体の感光体に対する押圧力を、より安定させることができる。
【0079】
また、請求項12に記載の発明によれば、現像剤担持体の感光体に対する押圧力を安定させることができ、安定した現像を達成することができる。また、現像剤の仕様や現像剤担持体の仕様などが変更された場合に、最適な弾性部材を配置することができる。
【0080】
また、請求項13に記載の発明によれば、簡易な構成によって、弾性部材に対する押圧部材の押圧またはその解除を実現することができる。
【0081】
また、請求項14に記載の発明によれば、操作性の向上を図ることができる。
【0082】
また、請求項15に記載の発明によれば、誤操作を防止して、装置の耐久性の向上を図ることができる。
【0083】
また、請求項16に記載の発明によれば、現像剤担持体の感光体に対する押圧力を、より安定させることができる。
【0084】
また、請求項17に記載の発明によれば、操作性の向上および部品点数の低減を図ることができる。
【0085】
また、請求項18に記載の発明によれば、押圧部材の確実な移動を確保しつつ、操作性の向上を図ることができる。
【0086】
また、請求項19に記載の発明によれば、外部からの押圧力を確実に受けることができ、その押圧力を、弾性部材に安定して伝達することができる。
【0087】
また、請求項20に記載の発明によれば、現像剤担持体の感光体に対する押圧力を、より安定させることができる。
【0088】
また、請求項21に記載の発明によれば、現像剤担持体の押圧力を安定させることができ、安定した現像を達成することができる。また、現像剤の仕様や現像剤担持体の仕様などが変更された場合に、最適な弾性部材を配置することができる。
【0089】
また、請求項22に記載の発明によれば、簡易な構成によって、弾性部材に対する押圧部材の押圧またはその解除を実現することができる。
【0090】
また、請求項23に記載の発明によれば、操作性の向上を図ることができる。
【0091】
また、請求項24に記載の発明によれば、誤操作を防止して、装置の耐久性の向上を図ることができる。
【0092】
また、請求項25に記載の発明によれば、現像剤担持体の押圧力を、より安定させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0093】
1.カラーレーザプリンタの全体構成
図1は、画像形成装置であるカラーレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図、図2は、図1に示すカラーレーザプリンタにおいて、現像カートリッジが装着されたドラムサブユニットの要部側断面図である。なお、図1および図2において、後述する取っ手103の図示は省略されている。
【0094】
このカラーレーザプリンタ1は、後述する複数のドラムサブユニット28が水平方向において並列的に配置される、横置きタイプのタンデム型カラーレーザプリンタであって、本体ケーシング2内に、用紙3を給紙するための給紙部4と、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5と、画像が形成された用紙3を排紙するための排紙部6とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、側面視略矩形状のボックス形状をなし、その内部に、後述するドラムユニット26を収容するドラム収容空間7が形成されている。
【0095】
本体ケーシング2の一方側の側面(前面)には、フロントカバー8が設けられている。このフロントカバー8は、本体ケーシング2の前方に傾倒して、ドラム収容空間7を開放し、本体ケーシング2の前面に沿って起立して、ドラム収容空間7を閉鎖する。ドラム収容空間7を開放すると、そのドラム収容空間7に対して、ドラムユニット26を着脱させることができる。
【0096】
なお、以下の説明において、フロントカバー8が設けられる一方側(図1における右側)を前側とし、その反対側(図1における左側)を後側とする。また、このカラーレーザプリンタ1を前側から見たときを基準として左右を規定する。さらに、ドラムユニット26および現像カートリッジ27に関しても、特に言及がない限り、本体ケーシング2に装着されている状態を基準として前後左右上下を規定する。
(2)給紙部
給紙部4は、本体ケーシング2内の底部において、用紙3が積層状に収容される給紙トレイ9と、その給紙トレイ9の前端部上方に設けられ、互いに対向配置される分離ローラ10および分離パッド11と、分離ローラ10の後側に設けられる給紙ローラ12と、用紙3が通過する給紙側搬送経路13とを備えている。
【0097】
給紙トレイ9は、本体ケーシング2に対して、前側から前後方向にスライド自在に着脱されており、その内部には、用紙3が積層状に載置される用紙押圧板14が設けられている。用紙押圧板14上の最上位の用紙3は、給紙ローラ12に押圧され、給紙ローラ12の回転によって、分離ローラ10と分離パッド11との間に向けて給紙される。
【0098】
給紙された用紙3は、分離ローラ10の回転によって、分離ローラ10と分離パッド11との間に挟まれ、1枚ごとに捌かれて、給紙側搬送経路13に向けて搬送される。
【0099】
給紙側搬送経路13は、その上流側端部が、下方において分離ローラ10に隣接し、その下流側端部が、上方において後述する搬送ベルト58に隣接しており、用紙3が前側に向かって給紙され、反転後、後側に向かって排紙されるように、側面視略U字形状に形成されている。
【0100】
給紙側搬送経路13の途中には、分離ローラ10の前側上方に設けられ、互いに対向配置される紙粉取りローラ15およびピンチローラ16と、それらの上方に設けられる1対のレジストローラ17とが設けられている。
【0101】
給紙側搬送経路13に向けて搬送された用紙3は、給紙側搬送経路13に沿って搬送され、紙粉取りローラ15とピンチローラ16との間を通過し、紙粉が除去された後、レジストローラ17に向けて搬送される。
【0102】
レジストローラ17は、用紙3を、レジスト後に、搬送ベルト58に向けて搬送する。
(3)画像形成部
画像形成部5は、スキャナ部20、プロセス部21、転写部22および定着部23を備えている。
(3−1)スキャナ部
スキャナ部20は、本体ケーシング2の上部に配置されている。このスキャナ部20は、スキャナユニット25と、本体ケーシング2の上部に固定され、スキャナユニット25を収容するスキャナケーシング24とを備えている。
スキャナユニット25内には、たとえば、4つの光源、ポリゴンミラー、fθレンズ、反射鏡、面倒れ補正レンズなどの光学部材が設けられており、各光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、ポリゴンミラーで偏向および走査されて、fθレンズおよび面倒れ補正レンズを通過し、また、反射鏡で反射された後、後述する各色の感光ドラム29の表面上に高速走査にて照射される。
(3−2)プロセス部
プロセス部21は、スキャナ部20の下方であって、給紙部4の上方に配置されており、1つの感光体ユニットとしてのドラムユニット26と、各色に対応する4つの現像カートリッジ27とを備えている。
(3−2−1)ドラムユニット
ドラムユニット26は、各色に対応して、4つのカートリッジ装着部としてのドラムサブユニット28を備えている。すなわち、ドラムサブユニット28は、ブラックドラムサブユニット28K、イエロードラムサブユニット28Y、マゼンタドラムサブユニット28Mおよびシアンドラムサブユニット28Cの4つからなる。
【0103】
各ドラムサブユニット28は、互いに前後方向に間隔を隔てて並列的に配置されており、より具体的には、前側から後側に向かって、ブラックドラムサブユニット28K、イエロードラムサブユニット28Y、マゼンタドラムサブユニット28Mおよびシアンドラムサブユニット28Cが、順次配置されている。
【0104】
各ドラムサブユニット28は、後述するように、1対のサイドフレーム134と、これらの間に架設されるセンタフレーム135とを備えている(図12参照)。
【0105】
各ドラムサブユニット28は、図2に示すように、感光体としての感光ドラム29と、スコロトロン型帯電器30と、クリーニングブラシ31とを保持している。
【0106】
感光ドラム29は、ドラム本体32と、そのドラム本体32を回転自在に支持するドラム軸33とを備えている。
【0107】
ドラム本体32は、円筒形状をなし、左右方向に沿って配置されており、最表層にポリカーボネートからなる正帯電性の感光層を備えている。
【0108】
ドラム軸33は、ドラム本体32の軸線方向に沿って配置され、その軸方向両端部が、1対のサイドフレーム134(図12参照)に挿通され、後述する側板133(図13参照)において、相対回転不能に固定されている。
【0109】
感光ドラム29は、画像形成時において、本体ケーシング2内に設けられるモータ(図示せず)からの駆動力により回転される。
【0110】
スコロトロン型帯電器30は、感光ドラム29の斜め上側後方に、感光ドラム29と間隔を隔てて対向配置され、センタフレーム135に保持されている。
【0111】
このスコロトロン型帯電器30は、放電ワイヤ34と、放電ワイヤ34と感光ドラム29との間に設けられるグリッド35とを備えている。
【0112】
画像形成時には、放電ワイヤ34に高電圧が印加され、放電ワイヤ34がコロナ放電するとともに、グリッド35にグリッド電圧が印加され、感光ドラム29に供給される電荷量が制御される。これにより、感光ドラム29の表面が一様に正極性に帯電される。
【0113】
クリーニングブラシ31は、感光ドラム29の後方において、感光ドラム29と対向して接触するように配置され、センタフレーム135に保持されている。画像形成時には、クリーニングブラシ31にクリーニングバイアスが印加される。
(3−2−2)現像カートリッジ
現像カートリッジ27は、図1に示すように、各色に対応するドラムサブユニット28に対応して、それぞれ着脱自在に設けられている。
【0114】
すなわち、現像カートリッジ27は、ブラックドラムサブユニット28Kに着脱自在に装着されるブラック現像カートリッジ27K、イエロードラムサブユニット28Yに着脱自在に装着されるイエロー現像カートリッジ27Y、マゼンタドラムサブユニット28Mに着脱自在に装着されるマゼンタ現像カートリッジ27M、および、シアンドラムサブユニット28Cに着脱自在に装着されるシアン現像カートリッジ27Cの4つからなる。
【0115】
各現像カートリッジ27は、図2に示すように、筐体としての現像フレーム36と、その現像フレーム36内に設けられる、アジテータ37、供給ローラ38、現像剤担持体としての現像ローラ39および層厚規制ブレード40とを備えている。
【0116】
現像フレーム36は、下端部に開口部41が形成されるボックス形状に形成されており(図4参照)、隔壁42によって、トナー収容室43と現像室44とに区画されている。また、隔壁42には、トナー収容室43と現像室44とを連通する連通口45が形成されている。
【0117】
トナー収容室43には、各色に対応するトナーが収容されている。より具体的には、ブラック現像カートリッジ27Kにはブラックのトナー、イエロー現像カートリッジ27Yにはイエローのトナー、マゼンタ現像カートリッジ27Mにはマゼンタのトナー、シアン現像カートリッジ27Cにはシアンのトナーが、それぞれ収容されている。
【0118】
各色に対応するトナーは、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各着色剤が各色に対応して配合される、正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが用いられる。
【0119】
また、トナー収容室43には、トナー収容室43内に収容されているトナーの残量を検出するための検知窓46が設けられている。検知窓46は、現像フレーム31の両側壁83(図8および図9参照)に埋設され、トナー収容室37を挟んで対向配置されている。
【0120】
アジテータ37は、トナー収容室43内に設けられている。アジテータ37は、現像フレーム36の両側壁83に回転自在に支持されるアジテータ回転軸47と、そのアジテータ回転軸47の軸方向にわたって設けられ、回転軸から径方向外方に延びる攪拌部材48とを備えている。
【0121】
画像形成時において、アジテータ回転軸47には、本体ケーシング2内に設けられるモータ(図示せず)からの駆動力が伝達され、攪拌部材48がトナー収容室43内を周回移動する。
【0122】
供給ローラ38は、現像室44内において、連通口45の下方に設けられている。この供給ローラ38は、現像フレーム36の両側壁83に回転自在に支持される金属製の供給ローラ軸49と、その供給ローラ軸49の周りを被覆する導電性のスポンジからなるスポンジローラ50とを備えている。
【0123】
画像形成時において、供給ローラ軸49には、本体ケーシング2内に設けられるモータ(図示せず)からの駆動力が伝達され、供給ローラ38が回転される。
【0124】
現像ローラ39は、現像室44内において、供給ローラ38に対して斜め後側下方に設けられている。この現像ローラ39は、現像フレーム36に回転自在に支持される金属製の現像ローラ軸51と、その現像ローラ軸51の周りを被覆する導電性のゴムからなるゴムローラ52とを備えている。
【0125】
現像ローラ39は、供給ローラ38に対して、ゴムローラ52とスポンジローラ50とが互いに圧接するように配置されている。また、現像ローラ39は、現像室44の開口部41から下方に向けて露出するように配置されている。
【0126】
画像形成時において、現像ローラ軸51には、本体ケーシング2内に設けられるモータ(図示せず)からの駆動力が伝達され、現像ローラ39が回転される。また、現像ローラ39には、現像バイアスが印加される。
【0127】
層厚規制ブレード40は、現像室44内において、現像ローラ39に上方から圧接するように設けられている。層厚規制ブレード40は、金属製の板ばね部材からなるブレード53と、ブレード53の遊端部に設けられる絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部54とを備えている。
【0128】
ブレード53の基端部が、固定部材55によって隔壁42に固定されており、ブレード53の弾性力により、ブレード53の遊端部に設けられる押圧部54が、現像ローラ39のゴムローラ52に対して上方から圧接される。
(3−2−3)プロセス部での現像動作
そして、各現像カートリッジ27では、トナー収容室43に収容されている各色に対応するトナーが、自重によって連通口45に移動し、アジテータ37によって攪拌されながら、連通口45から現像室44へ放出される。
【0129】
連通口45から現像室44へ放出されたトナーは、供給ローラ38に供給される。供給ローラ38に供給されたトナーは、供給ローラ38の回転により、現像ローラ39に供給され、このとき、供給ローラ38と、現像バイアスが印加されている現像ローラ39との間で正極性に摩擦帯電される。
【0130】
現像ローラ39に供給されたトナーは、現像ローラ39の回転に伴って、層厚規制ブレード40の押圧部54と、現像ローラ39のゴムローラ52との間に進入して、一定厚さの薄層としてゴムローラ52の表面に担持される。
【0131】
一方、各現像カートリッジ27に対応するドラムサブユニット28では、スコロトロン型帯電器30が、コロナ放電を発生させて、感光ドラム29の表面を一様に正帯電させる。
【0132】
感光ドラム29の表面は、感光ドラム29の回転に伴って、スコロトロン型帯電器30により一様に正帯電された後、スキャナ部20からのレーザビームの高速走査により露光され、用紙3に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
【0133】
感光ドラム29がさらに回転すると、現像ローラ39の表面に担持されかつ正帯電されているトナーが、現像ローラ39の回転により、感光ドラム29に対向して接触するときに、感光ドラム29の表面に形成されている静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム29の表面のうち、レーザビームによって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光ドラム29の静電潜像は、現像により可視像化され、感光ドラム29の表面には、各色に対応して、反転現像によるトナー像が担持される。
【0134】
なお、転写後に感光ドラム29の表面に残存する転写残トナーは、現像ローラ39に回収される。また、転写後に感光ドラム29の表面に付着する用紙3からの紙粉は、クリーニングブラシ31によって回収される。
(3−3)転写部
転写部22は、図1に示すように、本体ケーシング2内において、給紙部4の上方であって、プロセス部21の下方において、前後方向に沿って配置されている。この転写部22は、駆動ローラ56、従動ローラ57、搬送ベルト58、転写ローラ59およびクリーニング部60を備えている。
【0135】
駆動ローラ56および従動ローラ57は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されており、駆動ローラ56は、シアンドラムサブユニット28Cよりも後方に配置され、従動ローラ57は、ブラックドラムサブユニット28Kよりも前方に配置されている。
【0136】
搬送ベルト58は、エンドレスベルトからなり、カーボンなどの導電性粒子を分散した導電性のポリカーボネートやポリイミドなどの樹脂フィルムから形成されている。この搬送ベルト58は、駆動ローラ56と従動ローラ57との間に巻回されている。
【0137】
画像形成時において、駆動ローラ56には、本体ケーシング2内に設けられる図示しないモータからの駆動力が伝達され、駆動ローラ56が回転される。すると、搬送ベルト58が、駆動ローラ56および従動ローラ57の間を、各ドラムサブユニット28の感光ドラム29と対向して接触する転写位置において、感光ドラム29と逆方向に回転するように周回移動されるとともに、従動ローラ57が従動される。
【0138】
転写ローラ59は、駆動ローラ56および従動ローラ57の間に巻回されている搬送ベルト58内において、各感光ドラム29と、搬送ベルト58を挟んで対向するように、それぞれ設けられている。
【0139】
各転写ローラ59は、金属製のローラ軸と、そのローラ軸を被覆する導電性のゴムからなるゴムローラとを備えている。また、各転写ローラ59は、搬送ベルト58と対向して接触する転写位置において、搬送ベルト58の周回移動方向と同方向に回転するように設けられており、画像形成時には、転写バイアスが印加される。
【0140】
クリーニング部60は、駆動ローラ56および従動ローラ57の間に巻回されている搬送ベルト58の下方に配置され、1次クリーニングローラ61、2次クリーニングローラ62、掻取ブレード63およびトナー貯留部64を備えている。
【0141】
1次クリーニングローラ61は、感光ドラム29および転写ローラ59が接触する上側の搬送ベルト58と反対側の、下側の搬送ベルト58と接触するように配置され、その接触位置において、搬送ベルト58の周回移動方向と同方向に駆動回転するように設けられている。1次クリーニングローラ61には、画像形成時において、1次クリーニングバイアスが印加される。
【0142】
2次クリーニングローラ62は、1次クリーニングローラ61に対して下方から接触するように配置され、その接触位置において、1次クリーニングローラ61の回転方向と逆方向に回転するように設けられている。2次クリーニングローラ62には、画像形成時において、2次クリーニングバイアスが印加される。
【0143】
掻取ブレード63は、2次クリーニングローラ62に対して下方から接触するように設けられている。
【0144】
トナー貯留部64は、1次クリーニングローラ61および2次クリーニングローラ62の下方において、2次クリーニングローラ62から落下するトナーを貯留できるように設けられている。
【0145】
そして、給紙部4から給紙された用紙3は、駆動ローラ56の駆動および従動ローラ57の従動により周回移動される搬送ベルト58によって、前側から後側に向かって、各ドラムサブユニット28に対応する転写位置を、順次通過するように搬送される。そして、、その搬送途中において、各ドラムサブユニット28の感光ドラム29に担持されている各色のトナー像が、順次転写され、これにより、用紙3にカラー像が形成される。
【0146】
すなわち、たとえば、ブラックドラムサブユニット28Kの感光ドラム29の表面に担持されたブラックのトナー像が、用紙3に転写されると、次いで、イエロードラムサブユニット28Yの感光ドラム29の表面に担持されたイエローのトナー像が、既にブラックのトナー像が転写されている用紙3に重ねて転写される。以下同様の動作によって、マゼンタドラムサブユニット28Mの感光ドラム29の表面に担持されたマゼンタのトナー像、シアンドラムサブユニット28Cの感光ドラム29の表面に担持されたシアンのトナー像が重ねて転写され、これによって、用紙3にカラー像が形成される。
【0147】
一方、上記の転写動作において、搬送ベルト58の表面に付着したトナーは、クリーニング部60において、まず、搬送ベルト58の表面から、1次クリーニングバイアスにより1次クリーニングローラ61に転写され、さらに、2次クリーニングバイアスにより2次クリーニングローラ62に転写される。その後、2次クリーニングローラ62に転写されたトナーは、掻取ブレード63によって、掻き取られ、2次クリーニングローラ62から落下して、トナー貯留部64に貯留される。
(3−4)定着部
定着部23は、本体ケーシング2におけるシアンドラムサブユニット28Cよりも後側であって、感光ドラム29と搬送ベルト58とが接触する転写位置と、前後方向において対向するように配置されている。この定着部23は、加熱ローラ65および加圧ローラ66を備えている。
【0148】
加熱ローラ65は、その表面に離型層が形成される金属素管からなり、その軸方向に沿ってハロゲンランプが内装されている。加熱ローラ65は、ハロゲンランプにより、その表面が定着温度に加熱される。
【0149】
加圧ローラ66は、加熱ローラ65の下方において、加熱ローラ65と対向配置されている。この加圧ローラ66は、加熱ローラ65を下方から押圧する。
【0150】
用紙3上に転写されたカラー像は、この定着部23に搬送され、用紙3が加熱ローラ65と加圧ローラ66との間を通過する間に、その用紙3に熱定着される。これにより、用紙3への画像の形成が達成される。
(4)排紙部
排紙部6において、用紙3の排紙側搬送経路67は、その上流側端部が、下方において定着部23に隣接し、その下流側端部が、上方において排紙トレイ71に隣接しており、用紙3が後側に向かって給紙され、反転後、前側に向かって排紙されるように、側面視略U字形状に形成されている。
【0151】
排紙側搬送経路67の途中には、互いに対向する搬送ローラ68およびピンチローラ69が設けられている。また、排紙側搬送経路67の下流側端部には、1対の排紙ローラ70が設けられている。
【0152】
また、排紙部6には、排紙トレイ71が設けられている。排紙トレイ71は、本体ケーシング2の上壁を、前側から後側に向かって次第に窪むように形成して、排紙される用紙3を積層状に載置できるように、形成されている。
【0153】
定着部23から搬送される用紙は、排紙側搬送経路67に沿って、搬送ローラ68およびピンチローラ69により搬送され、排紙ローラ70によって、排紙トレイ71上に排紙される。
2.現像カートリッジ
図3は、現像カートリッジの斜視図、図4は、現像カートリッジの背面図、図5は、現像カートリッジの正面図、図6は、現像カートリッジの平面図、図7は、現像カートリッジの底面図、図8は、現像カートリッジの左側面図、図9は、現像カートリッジの右側面図、図10は、現像カートリッジの断面図(無押圧状態)、図11は、現像カートリッジの断面図(押圧状態)を示す。
【0154】
次に、図3ないし図11を参照して、現像カートリッジについて詳述する。
(1)
現像フレーム
現像フレーム36は、図4に示し、上記したように、下端部に開口部41が形成されるボックス形状に形成されており、幅方向に間隔を隔てて対向する1対の側壁83と、両側壁83の上端縁間に架設される上壁84と、両側壁83の前端縁間に架設される前壁81と(図5参照)、両側壁83の後端縁間に架設される後壁82とを一体的に備えている。
【0155】
そして、両側壁83、前壁81および後壁82の下端縁によって、現像ローラ39を露出させる開口部41が形成されている。
現像フレーム36の両側壁83には、現像ローラ軸51が回転自在に支持されており、両側壁83から、現像ローラ軸51の軸方向両端部が、幅方向両側へ突出するように設けられている。また、現像ローラ軸51の軸方向両端部には、導電性のカラー部材85が被覆されている。
また、現像フレーム36には、図8に示すように、左側の側壁83に、図示しないギヤ機構部と、そのギヤ機構部を被覆するように設けられるギヤカバー86とを備えている。
【0156】
ギヤ機構部(図示せず)は、カップリングギヤ87と、ギヤトレイン(図示せず)とを備えており、ギヤトレインは、アジテータ37のアジテータ回転軸47と噛合するアジテータ駆動ギヤ、供給ローラ38の供給ローラ軸49と噛合する供給ローラ駆動ギヤ、現像ローラ39の現像ローラ軸51と噛合する現像ローラ駆動ギヤ、検知ギヤ88などを備えており、これらが中間ギヤなどを介してカップリングギヤ87に噛合している。
【0157】
このカップリングギヤ87には、本体ケーシング2内に設けられるカップリング軸(図示せず)が進退自在かつ相対回転不能に結合され、そのカップリング軸を介して、本体ケーシング2内に設けられる図示しないモータからの駆動力が伝達される。そして、カップリングギヤ87から、アジテータ駆動ギヤ、供給ローラ駆動ギヤ、現像ローラ駆動ギヤおよび検知ギヤ88に駆動力が伝達され、アジテータ回転軸47、供給ローラ軸49および現像ローラ軸51が回転される。また、検知ギヤ88は欠歯ギヤとして形成されており、その回転または非回転により、現像カートリッジ22の新旧が判断される。
【0158】
ギヤカバー86は、カップリングギヤ87および検知ギヤ88を露出させるための開口部を備え、その開口部からカップリングギヤ87および検知ギヤ88を露出させ、ギヤトレインを被覆するように、左側の側壁83に設けられている。
【0159】
また、現像フレーム36には、図9に示すように、右側の側壁83に、導電性の給電部材89を備えている。この給電部材89は、右側の側壁83とカラー部材85との間において、現像ローラ39の現像ローラ軸51を摺動自在に軸受けしており、また、幅方向外方に突出する接点板90を一体的に備えている。
【0160】
接点板90には、本体ケーシング2内に設けられる図示しない電源から現像バイアスが印加され、その現像バイアスは、給電部材88を介して、現像ローラ軸51に印加される。
【0161】
また、右側の側壁83には、検知窓46の上方に、トナー収容室43にトナーを充填するためのトナー充填口(図示せず)を閉鎖するキャップ91が設けられている。
【0162】
また、現像フレーム36には、図5に示すように、前壁83の左右方向両端部に、位置決め突部92が設けられている。この位置決め突部92は、側面視略台形状をなし(図8および図9参照)、前壁83から前方に向かって突出するように形成されている。
(2)着脱操作部
現像フレーム36には、図3に示すように、現像カートリッジ27を着脱させるための着脱操作部101が設けられている。
【0163】
この着脱操作部101は、現像フレーム36の上壁84に設けられており、弾性部材としてのばね102および当接部材107と(図10参照)、ばね102および当接部材107を現像ローラ39に向けて押圧するための押圧部材としての取っ手103と、その取っ手103に設けられる係止部材としての嵌合突起104とを備えている。
【0164】
上壁84の前端部には、図5および図10に示すように、その幅方向(現像ローラ39の軸方向と同一方向)の両端部に、現像ローラ39のゴムローラ50の幅方向の長さ(軸方向の長さ)とほぼ等しい間隔を隔てて、2つのばね収容筒部105が形成されている。
【0165】
各ばね収容筒部105は、円筒形状をなし、上壁84から上方に向かって突出するように形成されている。また、各ばね収容筒部105には、ばね収容筒部105の下端部から上下方向途中まで延びる係止溝106が、周方向に間隔を隔てて複数形成されている。
【0166】
また、各ばね収容筒部105内には、ばね収容筒部105よりも小径に形成され、ばね収容筒部105の内周面と間隔を隔てて設けられる取付ボス111が設けられている。この取付ボス111は、円筒形状をなし、上壁84から上方に向かって突出するように形成されている。
【0167】
また、各ばね収容筒部105内には、ばね102と、そのばね102に嵌合し、上下方向に進退可能な当接部材107とが設けられている。
【0168】
ばね102は、コイルばね(圧縮ばね)からなり、ばね収容筒部105の内周面と取付ボス111との間に挿入され、ばね収容筒部105内の下部に配置されている。
【0169】
当接部材107は、ボス部108と、そのボス部108の上端部から径方向に膨出する頭部109とを一体的に備えている。また、頭部109の周端部には、係止溝106に対応して、下方に延びる鉤状の爪部110が一体的に複数形成されている。
【0170】
当接部材107では、ボス部108が、ばね収容筒部105内の上部において、ばね102の上に配置され、頭部109が、ばね収容筒部105の上に配置され、爪部110が、ばね収容筒部105の係止溝106に上下方向にスライド自在に係止されている。
【0171】
当接部材107は、常には、ばね102によって上方に付勢される一方で、爪部110が係止溝106の上端部に係止されており、これによって、当接部材107のばね収容筒部105からの離脱が防止されている。
【0172】
取っ手103は、図3に示すように、幅方向に延びる薄板状に形成されており、その後端部には、幅方向両端部に互いに間隔を隔てて、2つの取っ手取付部112が一体的に形成されている。
【0173】
各取っ手取付部112は、取っ手103の後端縁から、前方に向かって平面視略矩形状に切り欠かれる切欠部113が形成されている。切欠部113の各内側壁には、図6に示すように、互いに近接する方向(幅方向内側方向)に向かって突出する、弾性変形可能な回動軸114が、それぞれ突出されている。
【0174】
また、取っ手103には、図3に示すように、幅方向中央部に、幅方向に延びる平面視略細長矩形状の把持孔115が形成されている。この把持孔115には、現像カートリッジ27の着脱操作時にオペレータの指が挿入され、取っ手103が把持される。
【0175】
また、取っ手130には、その下面(上壁84との対向面)には、図5および図10に示すように、上壁84の幅方向内方であって、各当接部材107との対向位置に、各当接部材107を受け入れ可能な伝達部としての凹部121が、それぞれ形成されている。各凹部121は、当接部材107を受け入れることができる背面視略円形状に形成されている。
【0176】
また、取っ手103には、その幅方向両端縁から下方に向かって屈曲するように形成される突起支持板116が設けられている。
【0177】
各突起支持板116は、側面視扇状をなし、その下端部に、嵌合突起104が設けられている。
【0178】
各嵌合突起104は、図8および図9に示すように、下方に向かって幅狭となる側面視略三角形状(より具体的には、上端縁が逆V字形状に形成される側面視略三角台形状)をなし、各突起支持板116の下端部から、幅方向外側に向かって突出するように設けられている。
【0179】
各嵌合突起104には、図3に示すように、その前端部の端面が、嵌合突起104の前後方向中央部から前方に向かって幅方向内側へ傾斜する(換言すると、取っ手103の回動方向を含む回動平面と、その回動平面に直交する軸方向(幅方向)を含む軸方向平面とに対して傾斜する)前側傾斜面117として形成されている。
【0180】
また、嵌合突起104の後端部の端面が、嵌合突起104の前後方向中央部から後方に向かって幅方向内側へ傾斜する(換言すると、取っ手103の回動方向を含む回動平面と、その回動平面に直交する軸方向(幅方向)を含む軸方向平面とに対して傾斜する)後側傾斜面118として形成されている。
【0181】
さらに、嵌合突起104の上端部の端面は、図8および図9に示すように、互いに角度の異なる前端面119および後端面120から形成されている。これら前端面119および後端面120は、より具体的には、側面視において、前後方向中央部から、前後方向両外側に向かって次第に離間し、下方に傾斜するように形成されている。これら前端面119および後端面120は、嵌合突起104の前後方向中央部の側面から略直角に屈曲する直角面として、幅方向に沿って平坦に形成されている。
【0182】
上壁84の後端部には、図3および図10に示すように、その幅方向の両端部に、取っ手取付部112に対応して、2つの取っ手支持部122が設けられている。
【0183】
各取っ手支持部122は、幅方向に沿う貫通孔123が形成される側面視略U字状をなし、幅方向に延びるように形成されている。
【0184】
そして、取っ手103は、各取っ手取付部112の回動軸114を、各取っ手支持部122に当接させ、弾性変形させつつ各貫通孔123に嵌合させることにより、現像フレーム36の上壁84に対して、幅方向を回動軸線として回転自在に支持される。
【0185】
これによって、取っ手103を下方後側方向(後述する押圧方向)に回動させると、取っ手103は、その下方後側方向の下流側に配置される各当接部材107に向かうように回動され、取っ手103の各凹部121が各当接部材107に接触する接触位置に位置される。また、取っ手103を前側上方方向(後述する押圧解除方向)に回動させると、取っ手103は、取っ手103の各凹部121が各当接部材107から離間する離間位置に位置される。
3.ドラムユニット
図12は、ドラムユニットの平面図、図13は、ドラムユニットの左側面図、図14は、左側のサイドフレームの、案内溝よりも前側の部分を右前上方から見た斜視図、図15は、左側のサイドフレームの、案内溝よりも前側の部分を右前下方から見た斜視図、図16は、左側のサイドフレームの、案内溝よりも前側の部分の右側面図、図17は、図16のA−A矢視図、図18は、図16のB−B矢視図、図19は、ドラムユニット(現像カートリッジの着脱途中状態)を左前上方から見た斜視図、図20は、現像カートリッジ(取っ手が離間位置にある状態)が装着状態にあるドラムユニットの左側面図、図21は、現像カートリッジ(取っ手が接触位置にある状態)が装着状態にあるドラムユニットの左側面図である。
【0186】
次に、図12ないし図21を参照して、ドラムユニットについて詳述する。
【0187】
このドラムユニット26は、図12に示すように、前後方向に沿って並列配置され、各色に対応する4つのドラムサブユニット28と、それら4つのドラムサブユニット28の前後方向両側に配置されるフロントビーム131およびリヤビーム132と、フロントビーム131、4つのドラムサブユニット28およびリヤビーム132を、幅方向(左右方向)の両側から挟む1対の側板133とを備えている。
【0188】
ドラムユニット26は、4つのドラムサブユニット28、フロントビーム131、リヤビーム132および1対の側板133が一体となって、本体ケーシング2内のドラム収容空間7(図1参照)に対してスライド自在に着脱される。
(1)ドラムサブユニット
各ドラムサブユニット28は、図12および図19に示すように、幅方向に間隔を隔てて対向配置される1対のサイドフレーム134と、両サイドフレーム134の間において幅方向に沿って架設されるセンタフレーム135とを備えている。
(1−1)サイドフレーム
各サイドフレーム134は、図19に示すように、樹脂材料から平板状に形成されている。各サイドフレーム134には、感光ドラム29のドラム軸33が挿通されている。
【0189】
各サイドフレーム134には、現像カートリッジ27のドラムサブユニット28に対する着脱を案内するためのカートリッジガイド溝136が形成されている。
【0190】
このカートリッジガイド溝136は、サイドフレーム134の後側上端縁から、サイドフレーム134の前側下端近傍まで、略上下方向に沿って形成されており、その下端部(最深部)は、現像ローラ39が感光ドラム29に接触する位置における現像ローラ軸51の位置に対応して配置されている。カートリッジガイド溝136には、カラー部材85がスライド自在に受け入れられる。
【0191】
また、左側のサイドフレーム134には、現像カートリッジ27のカップリング受動ギヤ87が幅方向において対向するカップリング内側挿通孔137が形成されている。このカップリング内側挿通孔137は、左側のサイドフレーム134の厚さ方向を貫通する丸穴として形成されている。
【0192】
また、各サイドフレーム134の、カートリッジガイド溝136よりも前側の部分(前側部分138とする。)は、下方に向かって幅狭となる側面視略三角形状に形成されている。
【0193】
この前側部分138において、前端部には、上方に向かって突出する突出部151が形成されており、その突出部151に連続する前側の上端縁は、平坦に形成されている。
【0194】
また、突出部151の下方には、被係止部としての嵌合穴140が形成されている。
【0195】
この嵌合穴140は、図16に示すように、前側部分138の厚さ方向(幅方向)を貫通するように設けられ、下方に向かって幅狭となる側面視略三角形状(より具体的には、上端縁が逆V字形状に形成される側面視略三角台形状)に形成されている。この嵌合穴140は、現像カートリッジ27の嵌合突起104に対して、側面視において、やや大きい相似形状に形成されている(図21参照)。
【0196】
嵌合穴140の内周面において、図15に示すように、その上端部の端面は、互いに角度の異なる上側前端面141および上側後端面142から形成されている。これら上側前端面141および上側後端面142は、より具体的には、図16に示すように、側面視において、前後方向中央部から、前後方向両外側に向かって次第に離間し、その上側後端面142が水平方向(前後方向)に延び、その上側前端面141が下方に傾斜するように形成されている。
【0197】
これら上側前端面141および上側後端面142は、後述するように、嵌合突起104の嵌合穴140に対する嵌合状態において(図21参照)、嵌合突起104の上端部の前端面119および後端面120がそれぞれ対向し、その対向方向に対する直交方向において、図17に示すように、平坦に形成されている(ただし、次に述べるように、上側前端面141の前端部分を除く。)。すなわち、上側前端面141および上側後端面142は、嵌合穴140の周辺の前側部分138の内側面から略直角に屈曲する直角面として、幅方向に沿って平坦に形成されている(ただし、次に述べるように、上側前端面141の前端部分を除く。)。
【0198】
また、この前側部分138には、突出部151の前端部分とそれに連続する上端縁の後側部分とで形成される略V字部分144(以下、上側V字部分144とする。)と、嵌合穴140の内周面において、上側前端面141の前端部分とそれに連続する前端縁の前側部分とで形成される略V字部分145(以下、下側V字部分145とする。)との間が、後述するように、取っ手103の回動によって、嵌合突起104が嵌合穴140に対して嵌合され、または、その嵌合が解除されるときに、嵌合突起104が横切る通過部分143とされている。
【0199】
この通過部分143には、嵌合突起104の通過を案内する案内溝としての突起ガイド溝139が形成されている。
【0200】
この突起ガイド溝139は、側面視において、嵌合突起104の回動軌跡に沿う円弧形状に形成されており、図14および図15に示すように、前側部分138の内側面から幅方向外側に向かって凹状に窪む、樋状の通路として形成されている。
【0201】
また、突起ガイド溝139では、図14および図18に示すように、上側V字部分144から連続する上端部の端面が、突起ガイド溝139の上下方向途中部分から上方に向かって幅方向外側へ傾斜する(換言すると、取っ手103の回動方向を含む回動平面と、その回動平面に直交する軸方向(幅方向)を含む軸方向平面とに対して傾斜する)上側傾斜面146として形成されている。
【0202】
また、突起ガイド溝139では、図15および図18に示すように、下側V字部分145から連続する下端部の端面が、突起ガイド溝139の上下方向途中部分から下方に向かって幅方向外側へ傾斜する(換言すると、取っ手103の回動方向を含む回動平面と、その回動平面に直交する軸方向(幅方向)を含む軸方向平面とに対して傾斜する)下側傾斜面147として形成されている。
【0203】
また、この前側部分138には、図16に示すように、突起ガイド溝139の下方に、検知ギヤ88と連動する検知レバー148(図13参照)が回動自在に支持されるレバー支持部149が設けられている。
【0204】
また、この前側部分138には、レバー支持部149の前方に、幅方向外側に向かって突出する円筒形状の光透過ボス150が形成されている。この光透過ボス150は、現像カートリッジ27のドラムユニット26に対する装着状態において、幅方向において検知窓46が対向する。
(1−2)センターフレーム
センタフレーム135は、図12および図19に示すように、樹脂材料から幅方向に延びる平板状に形成されている。センタフレーム135には、上記したように、スコロトロン型帯電器30やクリーニングブラシ31が支持されている(図2参照)。また、センタフレーム135の上端部において、幅方向両端部には、現像カートリッジ27の着脱を案内する支持ローラ156が設けられている。
(2)フロントビーム
フロントビーム131は、樹脂材料から一体的に成形され、図12および図19に示すように、前後方向に沿って並列配置される4つのドラムサブユニット28の前側に配置され、1対の側板133間に架設されている。
【0205】
このフロントビーム131は、幅方向中央部に取り付けられる手前側把持部157と、手前側把持部157を回転自在に支持する支持軸158とを備えている。
【0206】
支持軸158は、フロントビーム131を幅方向に沿って貫通するように配置され、フロントビーム131に支持されている。
【0207】
手前側把持部157は、略U字状をなし、幅方向中央において、各遊端部が支持軸158に回動可能に支持されて、フロントビーム131に沿って起立する収納位置(図13参照)と、フロントビーム131の前側に傾倒する操作位置(図20参照)とに回動自在に設けられている。
(3)リヤビーム
リヤビーム132は、樹脂材料から一体的に成形され、前後方向に沿って並列配置される4つのドラムサブユニット28の後側に配置され、1対の側板133間に架設されている。
【0208】
このリヤビーム132は、後方が開放される平面視略コ字状に形成されており、その幅方向中央において、奥側把持部159が一体的に設けられている。
【0209】
奥側把持部159は、背面視略U字状をなし、その各遊端部がリヤビーム132に連結され、後側下方から前側上方に傾斜して、リヤビーム132から斜め上方に突出するように設けられている。
(4)側板
各側板133は、各ドラムサブユニット28、フロントビーム131およびリヤビーム132を形成する樹脂材料よりも剛性の高い材料、たとえば、金属または繊維強化樹脂から形成されており、好ましくは、鋼板から形成されている。
【0210】
各側板133は、図13に示すように、前後方向に延びる側面視略細長矩形板状をなし、前後方向に沿って並列配置されるフロントビーム131、4つのドラムサブユニット28およびリヤビーム132に対して、前端部がフロントビーム131に対向し、後端部がリヤビーム132に対向するように形成され、これらに固定されている。
【0211】
各側板133の後端部には、その後端縁から側面視略U字状に切り欠かれた切欠部160が形成されている。この切欠部160には、ドラムユニット26が本体ケーシング2に装着された状態で、本体ケーシング2に設けられる位置決め軸(図示せず)が嵌合し、これによって、ドラムユニット26が本体ケーシング2に対して位置決めされる。
【0212】
また、各側板133には、上端部において、各ドラムサブユニット28の光透過ボス150を受け入れる4つの光透過孔161が、各光透過ボス150に対応して形成されている。各光透過孔115には、各光透過ボス150が幅方向外方へ露出するように嵌合されている。これによって、各ドラムサブユニット28の各側板133に対するドラム軸33を中心とする回動が規制されている。
【0213】
また、各側板133には、下端部において、各ドラム軸33の軸方向端部を挿通する軸孔162が形成されている。
【0214】
左側の側板133には、各現像カートリッジ27のカップリングギヤ87が幅方向において対向するカップリング外側挿通孔163が、各カップリングギヤ87に対応して、それぞれ形成されている。
【0215】
また、左側の側板133において、各光透過孔161の後側には、左側のサイドフレーム134のレバー支持部149と幅方向に対向し、検知レバー148の一端部を幅方向外側に露出させるレバー通過孔164が形成されている。
【0216】
レバー通過孔164から露出する検知レバー148は、検知ギヤ88の回転に連動して回動し、本体ケーシング2に設けられた検知センサ(図示せず)に、検知または非検知されることにより、現像カートリッジ27の新旧が判断される。
4.ドラムユニットに対する現像カートリッジの着脱
(1)ドラムユニットに対する現像カートリッジの装着
各現像カートリッジ27をドラムユニット26に装着するには、たとえば、各色に対応する現像カートリッジ27の取っ手103の把持孔115に、指を入れて、取っ手103を把持する。このとき、取っ手103は、前側上方方向に回動され、離間位置に位置される。
【0217】
続いて、図19に示すように、ドラムユニット26の上方から、その現像カートリッジ27に対応するドラムサブユニット28へ、把持した現像カートリッジ27を装着する。
【0218】
より具体的には、現像カートリッジ27の現像ローラ軸51の軸方向両端部を被覆する各カラー部材85を、対応するドラムサブユニット28の各サイドフレーム134のカートリッジガイド溝136に挿入して、そのカートリッジガイド溝136に沿って、現像カートリッジ27をドラムサブユニット28に対して斜め後側下方へ押し込む。
【0219】
現像ローラ39が感光ドラム29に接触すると、それ以上の現像カートリッジ27の押し込みが規制される。そして、現像カートリッジ27は、自重によって、現像ローラ軸51を中心として、その上端部が前側のセンタフレーム135にもたれる方向に倒れ、現像フレーム36の各位置決め突起92が、センタフレーム135の各支持ローラ156に当接して支持される。これによって、現像カートリッジ27がドラムサブユニット28に対して位置決めされ、現像カートリッジ27のドラムサブユニット28に対する装着が達成される。
【0220】
次いで、取っ手103を、把持したまま、または、手を放して自重により、現像カートリッジ27のドラムサブユニット28に対する着脱方向と交差する下方前側方向(以下、押圧方向とする。)へ回動させると、図20に示すように、取っ手103の各嵌合突起104が、対応するサイドフレーム134の前側部分138の上側V字部分144に当接する。これによって、取っ手103の下方前側方向への回動が一旦規制される。
【0221】
その後、取っ手103を把持して、さらに、取っ手103を押圧方向へ回動させると、取っ手103の各嵌合突起104が、各後側傾斜面118が各上側傾斜面146に摺動しながら、各突起ガイド溝139内へ導かれる(図16の点線参照)。このとき、各嵌合突起104は、各上側傾斜面146の傾斜方向に沿って幅方向内側へ移動するので、各嵌合突起104が設けられている各突起支持板116は、各嵌合突起104の移動に従って幅方向内側へ撓む。
【0222】
そして、取っ手103が、押圧方向へさらに回動すると、各嵌合突起104は、各突起ガイド溝139に対して摺動しながら、各突起ガイド溝139を通過し、各前側傾斜面117が各下側傾斜面147に対向する。
【0223】
さらに、取っ手103が、押圧方向へ回動すると、取っ手103の各嵌合突起104は、各前側傾斜面117が各下側傾斜面147に摺接しながら、各嵌合穴140内へ導かれる。このとき、各嵌合突起104は、各下側傾斜面147の傾斜方向に沿って幅方向外側へ移動するので、各嵌合突起104が設けられている各突起支持板116は、各嵌合突起104の移動に従って幅方向外側へ復元する。
【0224】
各嵌合穴140内へ導かれた各嵌合突起104は、その後、図21に示すように、各嵌合穴140に嵌合して係止される。
【0225】
また、上記したように、取っ手103を押圧方向へ回動させると、取っ手103の各凹部121が各当接部材107に接触して、その回動による押圧力が各凹部121から各当接部材107に伝達される。各当接部材107が押圧されると、各ばね102が、現像フレーム36を、現像カートリッジ27のドラムサブユニット28に対する装着方向(以下、装着方向と省略する。)下流側に向けて押圧する。すると、現像ローラ39が、装着方向下流側の感光ドラム29に向けて押圧される。
【0226】
そして、各嵌合突起104が各嵌合穴140に係止されると、取っ手103の各当接部材107に対する押圧状態が保持されるので、各ばね102の押圧力による現像ローラ39の感光ドラム29に対する押圧状態が保持される。
【0227】
そして、上記した押圧状態において、現像カートリッジ27を、現像カートリッジ27のドラムサブユニット28に対する離脱方向(以下、離脱方向と省略する。)下流側、つまり、斜め前側上方へ向けて、ドラムサブユニット28から引き抜こうとしても、その離脱方向においては、各嵌合穴140の上側前端面141および上側後端面142と、各嵌合突起104の前端面119および後端面120とが、それぞれ、それらの対向方向と直交する方向において接触する。そのため、それらの干渉により、現像カートリッジ27のドラムサブユニット28に対する離脱が阻止される。
(2)ドラムユニットに対する現像カートリッジの離脱
一方、現像カートリッジ27をドラムサブユニット28から離脱させるには、まず、取っ手103を把持して、前側上方方向(押圧解除方向とする。)に回動させる。すると、各嵌合突起104の各嵌合穴140に対する嵌合が解除され、取っ手103の各嵌合突起104が、各前側傾斜面117が各下側傾斜面147に摺動しながら、各突起ガイド溝139内へ導かれる。このとき、各嵌合突起104は、各下側傾斜面147の傾斜方向に沿って幅方向内側へ移動するので、各嵌合突起104が設けられている各突起支持板116は、各嵌合突起104の移動に従って幅方向内側へ撓む。
【0228】
そして、取っ手103が、押圧解除方向へさらに回動すると、各嵌合突起104は、各突起ガイド溝139に対して摺動しながら、各突起ガイド溝139を通過し、各後側傾斜面118が各上側傾斜面146に対向する。
【0229】
さらに、取っ手103が、押圧解除方向へ回動すると、取っ手103の各嵌合突起104は、各後側傾斜面118が各上側傾斜面146に摺接しながら、上側V字部分144の上方へ導かれる。このとき、各嵌合突起104は、各上側傾斜面146の傾斜方向に沿って幅方向外側へ移動するので、各嵌合突起104が設けられている各突起支持板116は、各嵌合突起104の移動に従って幅方向外側へ復元する。
【0230】
また、上記したように、取っ手103を押圧解除方向へ回動させると、各嵌合突起104の各嵌合穴140に対する嵌合が解除されるので、取っ手103の各凹部121が各当接部材107から離間して、各ばね102の現像ローラ39に対する押圧が解除される。すると、現像ローラ39の感光ドラム29に対する押圧が解除される。
【0231】
その後、取っ手103を把持したまま、現像カートリッジ27を離脱方向下流側に引き抜けば、現像カートリッジ27の現像ローラ軸51の軸方向両端部を被覆する各カラー部材85が、ドラムサブユニット28の各カートリッジガイド溝136に沿って、斜め前側上方へ持ち上げられ、現像カートリッジ27がドラムサブユニット28から離脱される。
5.実施形態の作用効果
(1)このようなドラムユニット26では、現像カートリッジ27をドラムサブユニット28に装着して、取っ手103を押圧方向へ回動させることにより、嵌合突起104を嵌合穴140に係止させると、その係止により、取っ手103が当接部材107を押圧して、ばね102が現像ローラ39に向けて押圧され、かつ、その取っ手103の当接部材107およびばね102に対する押圧状態が保持される。これによって、現像ローラ39は、常時一定の押圧力で感光ドラム29に対して押圧される。
【0232】
また、ばね102は、現像カートリッジ27に設けられているため、トナーの消費により現像カートリッジ27が寿命になると現像カートリッジ27とともに廃棄され、交換される毎に、新品となる。そのため、ばね102が経時的に劣化したまま放置されることがなく、常に有効な押圧力が確保される。そのため、現像ローラ39の感光ドラム29に対する押圧力を安定させることができ、安定した現像を達成することができる。
【0233】
また、ばね102が、現像カートリッジ27に設けられているので、トナーの仕様や現像ローラ39の仕様などが変更された場合に、最適なばね102を配置することができる。
(2)また、この現像カートリッジ27では、着脱操作部101において、取っ手103が押圧方向に回動されると、嵌合突起104が嵌合穴140に対して係止されるとともに、当接部材107およびばね102が取っ手103によって押圧される。また、取っ手103が押圧解除方向に移動されると、嵌合突起104の嵌合穴140に対する係止が解除されるとともに、取っ手103による当接部材107およびばね102の押圧が解除される。そのため、簡易な構成によって、当接部材107およびばね102に対する取っ手103の押圧またはその解除を実現することができる。
(3)また、係合突起104には、その前端部に前側傾斜面117が形成されるとともに、その後端部に後側傾斜面118が形成されている。そのため、嵌合突起104が嵌合穴140に対して係止または解除されるとき、より具体的には、係合突起104が突起ガイド溝139に対して進入または離間するときに、その突起ガイド溝139に対する嵌合突起104の円滑な移動を確保することができる。そのため、操作性の向上を図ることができる。
(4)また、このドラムユニット26において、嵌合突起104が嵌合穴140に係止している状態(上記した押圧状態)では、現像カートリッジ27を離脱方向下流側、つまり、斜め前側上方へ向けて、ドラムサブユニット28から引き抜こうとしても、その離脱方向においては、嵌合穴140の上側前端面141および上側後端面142と、嵌合突起104の前端面119および後端面120とが、それぞれ、それらの対向方向と直交する方向において当接する。そのため、それらの当接により、嵌合突起104が嵌合穴140に係止されたまま、現像カートリッジ27がドラムサブユニット28から離脱されることを、防止することができる。そのため、誤操作を防止して、装置の耐久性の向上を図ることができる。
(5)さらに、嵌合突起104の互いに角度の異なる前端面119および後端面120と、嵌合穴140の互いに角度の異なる上側前端面141および上側後端面142とが、それぞれ当接しているので、嵌合穴140に対して、嵌合突起104を確実に位置決めすることができる。その結果、現像ローラ39の感光ドラム29に対する押圧力を、より安定させることができる。
(6)また、ドラムサブユニット28には、嵌合突起104の通過部分143には、突起ガイド溝139が形成されているので、嵌合突起104の円滑かつ確実な移動を確保することができ、操作の向上を図ることができる。
(7)しかも、突起ガイド溝139には、その上端部に上側傾斜面146が形成されるとともに、その下端部に下側傾斜面147が形成されている。そのため、嵌合突起104が嵌合穴140に対して係止または解除されるとき、より具体的には、係合突起104が突起ガイド溝139に対して進入または離間するときに、その突起ガイド溝139に対する嵌合突起104の円滑な移動を確保することができる。そのため、上記した係合突起104の前側傾斜面117および後側傾斜面118と相俟って、より一層、操作性の向上を図ることができる。
(8)また、この現像カートリッジ27では、取っ手103が、当接部材107およびばね102を押圧するための押圧部材を兼ねるので、その取っ手103を把持して、現像カートリッジ27を着脱させることができる。また、取っ手103と押圧部材とを別々に設ける場合に比べて部品点数を少なくすることができる。そのため、操作性の向上および部品点数の低減を図ることができる。
(9)また、この現像カートリッジ27では、取っ手103の下面に設けられる各凹部121が、上壁84の幅方向内方であって各当接部材107との対向位置に配置されているので、外部からの押圧力を確実に受けることができ、その押圧力を、当接部材107およびばね102に安定して伝達することができる。
(9)また、当接部材107およびばね102は、上壁84の前端部において、幅方向両端部に配置される各ばね収容筒部105に設けられている。そのため、取っ手103からの押圧力を幅方向において均等に受けて、その押圧力により現像ローラ39を軸方向において、均等に押圧することができる。そのため、現像ローラ39の軸方向一方端部が感光ドラム29に対して相対的に強く押圧され、他方端部が感光ドラム29に対して相対的に弱く押圧される、いわゆる現像ローラ39の感光ドラム29に対する片当たりを防止することができる。そのため、現像ローラ39を、その軸方向において感光ドラム29に対してバランスよく押圧させることができる。その結果、現像ローラ39の感光ドラム29に対する押圧力を、より安定させることができる。
6.変形例
【0234】
(1)変形例1
上記の説明では、現像カートリッジ27をドラムサブユニット28に装着するときに、取っ手103を把持して押圧方向に回動させることにより、嵌合突起104を嵌合穴140に係止させたが、現像カートリッジ27をドラムサブユニット28に装着するときには、取っ手103を押圧方向に回動させずに、たとえば、図22に示すように、ドラムユニット26を本体ケーシング2のドラム収容部7へ装着するときに、取っ手103を本体ケーシング2におけるドラム収容部7内のスキャナケーシング24の前壁面に当接させることにより、取っ手103を押圧方向に回動させることもできる。
【0235】
より具体的には、まず、4つの現像カートリッジ27を対応する各ドラムサブユニット28に装着した後、ドラムユニット26の手前側把持部157および奥側把持部159を両手でそれぞれ把持して、ドラムユニット26を、フロントカバー8の前方への傾倒により開放されているドラム収容空間7へ、前側から後側に向けて進入させる。すると、各現像カートリッジ27の取っ手103は、ドラムユニット26のドラム収容空間7への進入に伴って、順次、ドラム収容部7内のスキャナケーシング24の前壁面に当接し、その前壁面に押圧されることにより、押圧方向へ回動され、嵌合突起104が嵌合穴140に係止される。
【0236】
このようにして、嵌合突起104を嵌合穴140へ係止できるようにすれば、現像カートリッジ27をドラムサブユニット28に装着するときに、取っ手103を押圧方向に回動させることを失念した場合でも、ドラムユニット26を本体ケーシング2のドラム収容空間7へ進入させるときには、取っ手103が必ず押圧方向に回動するので、嵌合突起104の嵌合穴140に対する係止を確実に確保することができる。
(2)変形例2
また、上記の説明では、画像形成装置として、
タンデム型のカラーレーザプリンタを例示したが、本発明の感光体ユニットおよび現像カートリッジが装着される画像形成装置には、上記に限定されることなく、たとえば、各色の現像剤像を各感光体から一旦中間転写体に転写し、その後記録媒体に一括転写する中間転写型のカラーレーザプリンタや、モノクロのレーザプリンタなどが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0237】
【図1】画像形成装置であるカラーレーザプリンタの一実施形態を示す側断面図である。
【図2】図1に示すカラーレーザプリンタにおいて、現像カートリッジが装着されたドラムサブユニットの要部側断面図である。
【図3】現像カートリッジの斜視図である。
【図4】現像カートリッジの背面図である。
【図5】現像カートリッジの正面図である。
【図6】現像カートリッジの平面図である。
【図7】現像カートリッジの底面図である。
【図8】現像カートリッジの左側面図である。
【図9】現像カートリッジの右側面図である。
【図10】現像カートリッジの断面図(無押圧状態)である。
【図11】現像カートリッジの断面図(押圧状態)である。
【図12】ドラムユニットの平面図である。
【図13】ドラムユニットの左側面図である。
【図14】左側のサイドフレームの、案内溝よりも前側の部分を右前上方から見た斜視図である。
【図15】左側のサイドフレームの、案内溝よりも前側の部分を右前下方から見た斜視図である。
【図16】左側のサイドフレームの、案内溝よりも前側の部分の右側面図である。
【図17】図16のA−A矢視図である。
【図18】図16のB−B矢視図である。
【図19】ドラムユニット(現像カートリッジの着脱途中状態)を左前上方から見た斜視図である。
【図20】現像カートリッジ(取っ手が離間位置にある状態)が装着状態にあるドラムユニットの左側面図である。
【図21】現像カートリッジ(取っ手が接触位置にある状態)が装着状態にあるドラムユニットの左側面図である。
【図22】ドラムユニットの本体ケーシングに対する装着途中状態を左前方から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0238】
1 カラーレーザプリンタ
26 ドラムユニット
28 ドラムサブユニット
27 現像カートリッジ
29 感光ドラム
36 現像フレーム
39 現像ローラ
102 ばね
103 取っ手
104 嵌合突起
107 当接部材
117 前側傾斜面
118 後側傾斜面
119 前端面
120 後端面
121 凹部
139 突起ガイド溝
140 嵌合穴
141 上側前端面
142 下側前端面
143 通過部分
146 上側傾斜面
147 下側傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を担持する現像剤担持体、および、前記現像剤担持体を支持し、現像剤が収容される筐体を備える現像カートリッジと、
前記現像剤担持体が押圧により接触されるように配置され、前記現像剤担持体から供給される現像剤により静電潜像が現像される感光体と、
前記現像カートリッジが着脱自在に装着されるカートリッジ装着部とを備え、
前記筐体には、弾性部材と、前記現像剤担持体が前記感光体に向けて押圧されるように前記弾性部材を前記現像剤担持体に向けて押圧するための押圧部材と、前記押圧部材に設けられる係止部材とを備え、
前記カートリッジ装着部には、前記押圧部材が前記弾性部材を前記現像剤担持体に向けて押圧するように、前記係止部材が係止され、その係止により、前記押圧部材の前記弾性部材に対する押圧状態を保持するための被係止部を備えていることを特徴とする、感光体ユニット。
【請求項2】
前記押圧部材は、前記弾性部材を前記現像剤担持体に向けて押圧する押圧方向と、前記弾性部材の前記現像剤担持体に対する押圧を解除する押圧解除方向とに沿って移動可能であり、
前記係止部材は、前記押圧部材の前記押圧方向への移動により前記被係止部に対して係止され、前記押圧部材の前記押圧解除方向への移動により前記被係止部に対する係止が解除され、
前記弾性部材は、前記押圧部材に対して前記押圧方向下流側に配置され、前記係止部材の前記被係止部に対する係止により、前記押圧部材によって押圧され、前記係止部材の前記被係止部に対する係止の解除により、前記押圧部材による押圧が解除されることを特徴とする、請求項1に記載の感光体ユニット。
【請求項3】
前記係止部材には、前記押圧部材の前記移動方向における少なくともいずれか一端部に、前記移動方向を含む平面と前記平面に直交する平面とに対して傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の感光体ユニット。
【請求項4】
前記現像カートリッジは、前記カートリッジ装着部に対して、前記押圧部材の前記移動方向と交差する方向に着脱され、
前記カートリッジ装着部に対して前記現像カートリッジを離脱する離脱方向において、前記係止部材および前記被係止部の互いに対向する対向面は、その対向方向に対して直交していることを特徴とする、請求項2または3に記載の感光体ユニット。
【請求項5】
前記係止部材の前記対向面と、前記被係止部の前記対向面とは、互いに角度の異なる複数の平面を、それぞれ備えていることを特徴とする、請求項4に記載の感光体ユニット。
【請求項6】
前記カートリッジ装着部は、前記押圧部材の移動によって、前記係止部材が前記被係止部に対して係止され、または、その係止が解除されるときに、前記係止部材が横切る通過部分を備え、
前記通過部分には、前記係止部材の通過を案内する案内溝が、前記押圧部材の移動方向に沿って形成されていることを特徴とする、請求項2ないし5のいずれかに記載の感光体ユニット。
【請求項7】
前記案内溝には、前記移動方向における少なくともいずれか一端部に、前記移動方向を含む平面と前記平面に直交する平面とに対して傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の感光体ユニット。
【請求項8】
前記押圧部材は、前記現像カートリッジを着脱するときに把持される取っ手を兼ねていることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の感光体ユニット。
【請求項9】
前記現像剤担持体が、前記筐体における一方側端部に設けられ、
前記弾性部材が、前記筐体における前記一方側端部と反対側の他方側端部に設けられ、
前記押圧部材が、前記他方側端部において、前記現像剤担持体の軸方向と同一方向に延びる回動軸線を中心として回動自在に設けられ、前記回動軸線を中心とする回動により、前記弾性部材に対して接触することを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の感光体ユニット。
【請求項10】
前記押圧部材は、前記筐体に対して前記軸方向内方に設けられ、前記弾性部材に当接して、外部からの押圧力を前記弾性部材に伝達する伝達部を備えていることを特徴とする、請求項9に記載の感光体ユニット。
【請求項11】
前記弾性部材は、前記現像剤担持体の軸方向において、間隔を隔てて2つ設けられていることを特徴とする、請求項9または10に記載の感光体ユニット。
【請求項12】
感光体を備える感光体ユニットに着脱自在に装着可能な現像カートリッジであって、
前記感光体に供給する現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体を支持し、現像剤が収容される筐体と、
前記筐体に設けられる弾性部材と、
前記筐体に設けられ、前記現像剤担持体が前記感光体に向けて押圧されるように前記弾性部材を前記現像剤担持体に向けて押圧するための押圧部材と、
前記押圧部材に設けられ、前記押圧部材が前記弾性部材を前記現像剤担持体に向けて押圧するように前記感光体ユニットに係止され、その係止により、前記押圧部材の前記弾性部材に対する押圧状態を保持するための係止部材と
を備えていることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項13】
前記押圧部材は、前記弾性部材を前記現像剤担持体に向けて押圧する押圧方向と、前記弾性部材の前記現像剤担持体に対する押圧を解除する押圧解除方向とに沿って移動可能であり、
前記係止部材は、前記押圧部材の前記押圧方向への移動により前記感光体ユニットに対して係止する方向に移動され、前記押圧部材の前記押圧解除方向への移動により前記感光体ユニットに対する係止が解除される方向に移動され、
前記弾性部材は、前記押圧部材に対して前記押圧方向下流側に配置され、前記係止部材の前記感光体ユニットに対する係止方向への移動により、前記押圧部材によって押圧され、前記係止部材の前記感光体ユニットに対する係止の解除方向への移動により、前記押圧部材による押圧が解除されることを特徴とする、請求項12に記載の現像カートリッジ。
【請求項14】
前記係止部材には、前記押圧部材の前記移動方向における少なくともいずれか一端部に、前記移動方向を含む平面と前記平面に直交する平面とに対して傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする、請求項13に記載の現像カートリッジ。
【請求項15】
前記係止部材では、前記現像カートリッジの前記感光体ユニットに対する離脱方向の端面が、前記現像剤担持体の軸方向と平行する方向に沿って平坦に形成されていることを特徴とする、請求項12ないし14のいずれかに記載の現像カートリッジ。
【請求項16】
前記端面は、互いに角度の異なる複数の平面を備えていることを特徴とする、請求項15に記載の現像カートリッジ。
【請求項17】
前記押圧部材は、前記現像カートリッジを着脱するときに把持される取っ手を兼ねていることを特徴とする、請求項12ないし16のいずれかに記載の現像カートリッジ。
【請求項18】
前記現像剤担持体が、前記筐体における一方側端部に設けられ、
前記弾性部材が、前記筐体における前記一方側端部と反対側の他方側端部に設けられ、
前記押圧部材が、前記他方側端部において、前記現像剤担持体の軸方向と同一方向に延びる回動軸線を中心として回動自在に設けられ、前記回動軸線を中心とする回動により、前記弾性部材に対して接触することを特徴とする、請求項12ないし17のいずれかに記載の現像カートリッジ。
【請求項19】
前記押圧部材は、前記筐体に対して前記軸方向内方に設けられ、前記弾性部材に当接して、外部からの押圧力を前記弾性部材に伝達する伝達部を備えていることを特徴とする、請求項18に記載の現像カートリッジ。
【請求項20】
前記弾性部材は、前記現像剤担持体の軸方向において、間隔を隔てて2つ設けられていることを特徴とする、請求項18または19に記載の現像カートリッジ。
【請求項21】
現像剤を収容する筐体と、
前記筐体における一方側端部に設けられ、現像剤を担持する現像剤担持体と、
前記筐体における前記一側端部と反対側の他方側端部に設けられる弾性部材と、
前記筐体における前記他方側端部に設けられ、前記弾性部材を前記現像剤担持体に向けて押圧するための押圧部材と、
前記押圧部材に前記現像剤担持体の軸方向外側に向かって突出するように設けられ、前記押圧部材による前記弾性部材の押圧状態を保持するために、他の部材に係止される係止部材と
を備えていることを特徴とする、現像カートリッジ。
【請求項22】
前記押圧部材は、前記弾性部材を前記現像剤担持体に向けて押圧する押圧方向と、前記弾性部材の前記現像剤担持体に対する押圧を解除する押圧解除方向とに沿って移動可能であり、
前記弾性部材は、前記押圧部材に対して前記押圧方向下流側に配置され、前記押圧部材の押圧方向への移動により、前記押圧部材によって押圧され、前記押圧部材の押圧解除方向への移動により、前記押圧部材による押圧が解除されることを特徴とする、請求項21に記載の現像カートリッジ。
【請求項23】
前記係止部材には、前記押圧部材の前記移動方向における少なくともいずれか一端部に、前記移動方向を含む平面と前記平面に直交する平面とに対して傾斜する傾斜面が形成されていることを特徴とする、請求項22に記載の現像カートリッジ。
【請求項24】
前記係止部材では、前記移動方向と交差する方向の端面の少なくとも一部分が、前記現像剤担持体の軸方向と平行する方向に沿って平坦に形成されていることを特徴とする、請求項22または23に記載の現像カートリッジ。
【請求項25】
前記端面は、互いに角度の異なる複数の平面を備えていることを特徴とする、請求項24に記載の現像カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−322553(P2007−322553A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−150669(P2006−150669)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】