説明

感光性化合物のための視認窓を備える遮光性容器

本発明の幾つかの実施形態は、その中に感光性APA化合物を収納するための容器(10)を提供するが、前記容器は、アウターケーシング(12)、前記アウターケーシング(12)の内部に配置されたインナーケーシング(18)であって、その中に感光性APA化合物を収納するように構成されているインナーケーシング(18)、および前記アウターケーシング(12)の外側から前記インナーケーシング(18)の視認を許容するために前記アウターケーシング(12)を通して形成された視認窓(14)であって、光線保護材料を含む視認窓(14)を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光性材料、例えば活性医薬品(APA)などを収納するための容器に関する。
【背景技術】
【0002】
活性医薬品(APA)を含有する所定の組成物は、特別には感光性であることが公知である。詳細には、所定のAPA組成物は、光線からの紫外線への曝露後には、有効性の低下、または有効性の完全な消失にさえ直面する可能性がある。一部の場合には、そのような紫外線への極めて短時間の曝露さえAPAの有効性の減少を生じさせる可能性がある。そこで、一部のAPAについては、APAを光線への曝露から遮蔽する容器内に収納することが重要である。
【0003】
しかし同時に、APAのユーザーは、どの位のAPAが残っているのか;および1用量のAPAを投与するために十分なAPAが存在するかどうかをユーザーが知ることができるように、容器の内容物を見たいと考えることが多い。一般に、感光性のAPAは、着色ガラス瓶、UV保護剤で処理されているガラス瓶、または不透明なプラスチック製ボトルのいずれかに収納される。APAが着色またはUV処理ガラス瓶に含有されている場合は、ユーザーはその内容物を視認できるが、ある程度の困難を伴う。しかし不透明なボトルは、その中に保持された内容物を見る能力を提供しない。さらに、例えばカーボンブラックやUV保護剤などの、ガラス瓶に典型的に使用される着色剤を含む光線保護材料はプラスチック製ボトルには使用できないが、それはこれらの添加物はプラスチック材料から浸出してその中に含有されたAPAと接触する傾向を有するからである。多くのAPAは、これらの添加物に曝露させられると汚染されることになり、APAをユーザーにとって無益に、そして潜在的に有害にさせることがある。
【0004】
そこでその中に含有された感光性APAの内容物をユーザーが視認できるようにし、同時に光線への曝露から感光性APAを保護しながらAPA汚染の問題を回避する容器を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
幾つかの実施形態では、本発明は、その中に感光性化合物を収納するための容器であって、該容器は、アウターケーシングと、該アウターケーシングの内部に配置されたインナーケーシングであって、その中に該感光性化合物を収納するように構成されたインナーケーシングと、該アウターケーシングの外側から該インナーケーシングの視認を許容するために該アウターケーシングを通して形成された視認窓であって、該視認窓は該インナーケーシングの該外側で終了し、該視認窓は該感光性化合物から間隔をあけていて接触しておらず、該視認窓は光線保護材料を含む視認窓とを含む容器を提供する。
【0006】
他の実施形態は、その中の少なくとも1つの感光性活性医薬品を収納するための容器であって、該容器は、アウターケーシングと、該アウターケーシングの内部に配置されたインナーケーシングであって、その中に該少なくとも1つの感光性活性医薬品を収納するように構成されたインナーケーシングと、該アウターケーシングの外側から該インナーケーシングの視認を許容するために該アウターケーシングを通して形成された視認窓であって、該視認窓は該インナーケーシングの該外側で終了し、該視認窓は該少なくとも1つの感光性活性医薬品から間隔をあけていて接触しておらず、該視認窓は光線保護材料を含む視認窓とを含む容器を提供する。アウターまたはインナーケーシングは、ガラスまたはプラスチック材料であってよく、不透明であってよい。アウターケーシングは、チタンを含むことができる。アウターまたはインナーケーシングは、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、環状オレフィンコポリマーおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料から構成されてよい。インナーケーシングは、プラスチック材料を含んでいる。所定の実施形態では、インナーケーシングは、実質的に透明である。
【0007】
この窓のために適切な材料には、ポリプロピレン、環状オレフィンコポリマーおよびそれらの組み合わせが含まれる。光線保護材料は、着色剤、UV保護剤およびそれらの組み合わせを含むことができる。容器は、スプレー機構を含むことができる。インナーおよびアウターケーシングは、相違する材料から形成されてよい。容器は、アウターおよびインナーケーシングの間に少なくとも1つの追加の層を含むことができる。容器は、コントラスト増強剤を含む中間層を含むことができ、この物質は暗色着色剤であってよい。
【0008】
また別の実施形態は、少なくとも1つの感光性活性医薬品の用量をユーザーの鼻腔内へ分配するための装置であって、該装置は容器および該容器の内部と連絡しているディスペンサーを含み、該ディスペンサーは該内部から該ユーザーの鼻腔内へ該少なくとも1つの感光性活性医薬品の用量を推進するように構成されている装置を提供する。
【0009】
さらにまた別の実施形態は、容器およびその中の感光性活性医薬品を含む薬物製品であって、該容器は、アウターケーシングと、該アウターケーシングの内部に配置されたインナーケーシングであって、その中に該少なくとも1つの感光性活性医薬品を収納するように構成されたインナーケーシングと;該アウターケーシングの外側から該インナーケーシングの視認を許容するために該アウターケーシングを通して形成された視認窓であって、該視認窓は該インナーケーシングの該外側で終了し、該少なくとも1つの感光性活性医薬品から間隔をあけていて接触しておらず、該視認窓は光線保護材料を含む視認窓とを含む薬物製品を提供する。本薬物製品は、モメタゾンフロエート一水和物、アゼラスチン、オキシメタゾリン、フルチカゾンフロエート、フルチカゾンプロピオネートおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの感光性活性医薬品を含有することができる。本組成物は、少なくとも1つ活性医薬品、例えばモメタゾンフロエート、例えばモメタゾンフロエート一水和物もしくはモメタゾンフロエート無水物、モンテルカスト、オキシメタゾリン、アゼラスチン、フルチカゾンフロエート、フルチカゾンプロピオネートおよびそれらの組み合わせまたはそれらの医薬的に許容される塩を含むことができる。
【0010】
さらに他の実施形態は、容器およびその中の少なくとも1つの活性医薬品を含む薬物製品であって、該容器はアウターケーシングと、該アウターケーシングの内部に配置されたインナーケーシングであって、その中に該少なくとも1つの感光性活性医薬品を収納するように構成されたインナーケーシングと;該アウターケーシングの外側から該インナーケーシングの視認を許容するために該アウターケーシングを通して形成された視認窓であって、該視認窓は該インナーケーシングの該外側で終了し、該少なくとも1つの感光性活性医薬品から間隔をあけていて接触しておらず、該視認窓は光線保護材料を含む視認窓とを含む薬物製品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】視認窓を組み込んでいる、本発明の第1実施形態の斜視図である。
【図2】視認窓を組み込んでいる、本発明の第1実施形態の略図である。
【図3A】視認窓を組み込んでいる本発明の1つの実施形態を示す図である。
【図3B】その中に視認窓を含む容器壁の断面図である。
【図4A】本発明によって形成された多層容器壁の断面図である。
【図4B】その中に視認窓を含む、本発明によって形成された多層容器壁の断面図である。
【図5】本発明のまた別の実施形態によって形成された容器の側面図である。
【図6】図5の容器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照すると、本発明の幾つかの実施形態は容器に向けられており、この容器は、化学的化合物、および詳細にはAPA含有化合物(例えば、医薬的に活性な化合物)を含む液体を収納するために使用できる。任意のAPA含有化合物もしくは組成物は、該容器中に収納でき、詳細には、APA含有化合物は感光性APAを含むことができる。用語「感光性」は、光線の存在下で反応または分解する任意の組成物を含むことができ、詳細には、紫外線の存在下で反応する化合物を含むことができる。用語「感光性」は、光線の存在下で完全に無効になる化合物に限定されず、光線への曝露後に望ましくない分解生成物に分解する、ほんのわずかにのみ反応する、および/または有効性を消失する化合物を含むことができる。
【0013】
感光性化合物の非限定的例には、感光性APA、例えば商標NASONEX(登録商標)を付けて販売されている、およびSchering Corporation社(ニュージャージー州ケニルワース)によって販売されているモメタゾンフロエート一水和物などが含まれる。また別の鼻腔スプレー感光性化合物の例えば、は、商標AFRIN(登録商標)を付けてSchering Corporation社(ニュージャージー州ケニルワース)によって販売されているオキシメタゾリンである。また別の鼻腔スプレー感光性化合物の例は、商標VERAMYST(登録商標)を付けてGlaxoSmithKline社によって販売されているフルチカゾンフロエートである。適切な少なくとも1つの感光性活性医薬品には、モメタゾンフロエート、例えばモメタゾンフロエート一水和物もしくはモメタゾンフロエート無水物、モンテルカスト、オキシメタゾリン、アゼラスチン、フルチカゾンフロエート、フルチカゾンプロピオネートおよびそれらの組み合わせまたはそれらの医薬的に許容される塩を含むことができる。
【0014】
図1は、容器10の第1実施形態を示している。容器10は、感光性化合物を単純に保管するために使用できる、または送達システムと結び付けて使用できる。そのような送達システムには、ドロッパー、スプレイヤー、インジェクターなどが含まれる。本明細書に記載した容器10は、鼻腔分配装置と結び付けて使用するために特別に適合するが、容器10は、鼻腔分配装置を含むがそれには限定されない任意のタイプもしくは形状の容器であってよいことは理解される。このタイプの鼻腔ディスペンサーは、当分野において周知である。そのようなディスペンサーの例は、例えば、米国特許第4,274,560号明細書;第4,944,429号明細書;および第5,433,343号明細書に示されており、それらの全開示は参照して本明細書に組み入れられる。
【0015】
容器10は、アウターケーシング12およびインナーケーシング18を有する二重容器装置である。アウターケーシング12は、所望の任意の材料、例えば光線保護材料から製造されてよい。本明細書で使用する用語「光線保護材料」は、光線への曝露から遮蔽するために使用できる任意の材料を意味する。例えば、光線保護材料は、それを通して光線が進入できない不透明材料を含むことができる。光線保護材料は、ユーザーがその材料を通して見ることを可能にする、しかし光線および/または紫外線がその材料を通過することを遮断する着色剤またはUV保護剤を含むことができる。例えば、アウターケーシング12は不透明であり、それを通る光線の透過は阻害される。1つの実施形態では、アウターケーシング12は、アウターケーシング12の1つ以上の表面に取り付けられた、またはアウターケーシング12の一部として一体成形されたいずれかである少なくとも1つの光線保護材料を含んでいる。アウターケーシング12は、プラスチックから製造されてよいが、ガラスまたはその他のポリマー材料を含む任意の所望の材料から製造されてよい。アウターケーシング12のために適切な材料には、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリエステル(例えば、PET、PETg)、COC、およびその他の類似材料が含まれる。一般に、許容可能な透明性レベルを維持しながら脆性ではない、良好な防湿層を提供する材料を使用するのが望ましい。以下でより詳細に記載するように、アウターケーシング12は、容器10内に含有された任意の感光性組成物16と物理的に接触することはない。したがって、アウターケーシング12上の光線保護材料の使用を通して感光性組成物16が汚染する可能性はない。
【0016】
アウターケーシング12は、所望であれば、その中に含有された材料を識別する指標またはその他のマーキングを含むことができる。幾つかの実施形態では、アウターケーシング12は、不透明材料から作られてよい。視認窓14は、アウターケーシング12を通して形成されてよい。視認窓14は、アウターケーシング12と一緒に形成されてよく、または別個のピースで、アウターケーシング12内にはめ込まれてよい。視認窓14は、視認のために適切な任意の材料から製造されてよく、1つの実施形態では、視認窓14はプラスチックから製造される。例えば、視認窓14はアウターケーシング12と類似の材料から製造されてよいが、同一または相違する材料から製造されてよい。例えば、視認窓14は、単層もしくは多層環状オレフィンコポリマー(COC)、HDPE、COC、ポリプロピレン、またはそれらの組み合わせから製造されてよい。1つの実施形態では、視認窓14は、多層構造であり、1つより多い材料層を含んでいる。他の実施形態では、視認窓は、外側を成形するPET層を備えるCOCから製造されてよい。視認窓14は、それを通しての視認を許容するために十分に透明であり、望ましくは、アウターケーシング12の内容物を光線および/または紫外線への曝露から保護するための光線保護材料を含んでいる。視認窓14は実質的に透明であってよく、光線保護材料は着色剤またはUV保護剤であってよい。
【0017】
1つの特定の実施形態では、容器10は、3層のHDPEから製造されたアウターケーシングおよびCOCから製造された視認窓14を含むことができる。この実施形態では、使用される材料は、自然に相互に接着させることができる。また別の実施形態では、容器10は、不透明ラベルで被覆された透明なアウターケーシング12を含むことができ、該ラベルは視認窓14を形成する開放部分を有する。他の実施形態では、容器10は、視認窓14を形成する透明ポリプロピレンストライプを備える複数層のHDPEを有するアウターケーシング12を含むことができる。
【0018】
光線保護材料は視認窓14内にあってよく、または視認窓14の1つ以上の外面13、15に適用することができる。例えば、光線保護材料は形成中に視認窓14と一体成形されてよく、または光線保護材料は、視認窓14の1つ以上の表面13、15に適用されるステッカー、コーティングなどの形態にあってよい。視認窓14は、アウターケーシング12の任意の所望の表面に配置することができる。一部の実施形態では、1つより多い視認窓14をアウターケーシング12に通して形成することができる。
【0019】
当然のことながら、視認窓14の外面13は容器10の外側に露出させられるが、他方視認窓14の内面15はアウターケーシング12の内部17に露出される。十分に透明である視認窓14を使用すると、ユーザーはアウターケーシング12の少なくとも一部分を通してその内部17内を見ることができる。視認窓14は、直線形、円形、箱形、湾曲形、不規則形を含む任意の形状もしくは設計、または視認窓14を通しての視認を許容する任意の他の所望の形状であってよい。望ましくは、視認窓14は、容器10の底部19に近い位置に配置されるので、ユーザーは容器10内に含有される低レベルの任意の内容物を視認することができる。
【0020】
図2を参照すると、インナーケーシング18は、アウターケーシング12の内部17内に完全に含有されてよいが、インナーケーシング18の部分は、所望であれば、アウターケーシング12の内部17を越えて伸びることができる。様々な実施形態では、インナーケーシング18は、アウターケーシング12によって光線および/または紫外線への曝露から全体として遮蔽される。
【0021】
上記で説明したように、アウターケーシング12は、不透明および/または(着色剤およびUV保護剤を含むがそれらに限定されない)光線保護材料から製造される。さらに、視認窓14は、光線保護材料を含んでいる。したがって、アウターケーシング12の内部17内に含有される材料は、一般に光線曝露から保護される。したがってインナーケーシング18は、任意の所望の材料から製造されてよく、必ずしも光線保護される必要がない。一部の実施形態では、インナーケーシング18は、プラスチックまたはガラスから製造されてよい。インナーケーシング18は、アウターケーシング12と同一材料または相違する材料から製造されてよい。
【0022】
幾つかの実施形態では、インナーケーシング18は、非光線保護材料から製造されて少なくとも実質的に透明であり、完全に透明であってよい。インナーケーシング18は、感光性組成物16を収納する内部21を有する。したがって、インナーケーシング18は感光性組成物16と適合性であることが好ましく、着色剤およびUV保護剤材料を含むがそれらに限定されない感光性組成物16を汚染させる可能性がある任意の材料を含んでいない。アウターケーシング12およびインナーケーシング18は、相違する材料から形成されてよい。相違する材料から作られたインナーケーシング12およびアウターケーシング18を用いると、ケーシング12、18は、相違する目的に適合するように形成することができる。アウターケーシング12には、例えば、光線保護材料が備えられてよいが、インナーケーシング18は、感光性組成物16と適合性であるように形成することができる。幾つかの実施形態では、視認窓14は、インナーケーシング18の外側の場所で終了するので、視認窓14は、インナーケーシング18内に含有される感光性組成物16から間隔をあけていて、接触しない。そこで典型的な光線保護材料に結び付いている浸出問題は、本発明を用いると回避できる。
【0023】
インナーケーシング18は、インナーケーシング18の内部17内へのアクセスを提供するアクセス開口部25を含むことができる。アクセス開口部25は通常は被覆されているので、感光性組成物16は、ユーザーが感光性組成物16を取り出すために容器10を物理的に操作しない限り取り出すことができない。1つの実施形態では、上記で説明した分配(例えば、鼻腔ディスペンサー)または滴下機構は、アクセス開口部25を通して内部21にアクセスできるように容器10に固定することができる。この構成では、鼻腔ディスペンサー28はインナーケーシング18の内部21と連絡することができる。鼻腔ディスペンサー28は、感光性化合物16の用量を内部21からユーザーの鼻腔内へ推進するように構成できる。鼻腔ディスペンサー28および容器10は、用量の液体をユーザーの鼻腔内へ分配するための装置を集合的に規定する。他の実施形態では、インナーケーシング18および/またはアウターケーシング12は、ユーザーがインナーケーシング18の内部21をシールする(例えば、アクセス開口部25をシールする)ことを許容するためのリッド(蓋)または他の機構を含むことができる。
【0024】
本発明を用いると、感光性組成物16はインナーケーシング18の内部21内に含有されるので、そこでアウターケーシング12および/または視認窓14内に含有された着色剤またはUV保護剤による汚染から保護される。インナーケーシング18は、光線保護性アウターケーシング12の内部17内に含有される。したがって、感光性組成物16は、光線への曝露から保護される。
【0025】
視認窓14は、容器10の底部19から上方向に伸びることができる。視認窓14は、感光性組成物16の上面23を通常の使用中に視認することを可能にするために十分な長さを有していてよい。感光性組成物16の上面23を視認する能力を用いると、感光性組成物16の量を評価できる。アウターケーシング12は光線保護視認窓14を含んでいるので、ユーザーは、容器10を開放して感光性組成物16を光線に曝露させることなくインナーケーシング18の内容物を視認することができる。感光性組成物16は、さらにまた保管中および使用中に光線から保護される。したがって、感光性組成物16は、光線への有害な曝露からだけではなく、光線保護材料、例えば着色剤およびUV保護剤からの潜在的汚染からも保護される。
【0026】
内部21は、視認窓14の下方に伸びるように形成できる。この方法では、感光性組成物16は、視認窓14を通して視認できないような低レベルで内部17内に含有される可能性がある。この配列は、適正かつ完全な十分な投与を保証するためにわずかに過剰な量の感光性組成物16を提供することを可能にする。ユーザーが感光性組成物16が完全に枯渇していると考えた場合は、過剰な量は投与における変動を許容する、および/または任意のディスペンサーの性能を維持することに役立つ、および/または全用量が任意のディスペンサー取入れ口(例えば、落下管)を通して送達するのを許容することに役立つ。
【0027】
図3Aを参照すると、容器10の最底部領域50から容器10の上方領域40へ伸びる視認窓14を有するアウターケーシング12を備える容器10が図示されている。図3Bは、その中に視認窓14を含むアウターケーシング12の断面図を示している。図から明らかなように、アウターケーシング12は、内面25および外面26を含んでいる。同様に、視認窓14は、内面15および外面13を含んでいる。本明細書で記載した二重ケーシングの実施形態では、インナーケーシング18は、アウターケーシング12の内部60内に配置される。この方法では、視認窓14の内面15および/またはアウターケーシング12の内面25は、容器10内に収納される組成物16への有害の可能性を伴わずに1つ以上の着色剤またはUV保護剤材料を含むことができる。
【0028】
インナーケーシング12および/またはアウターケーシング18は、多層設計で作られてよい。図4Aおよび4Bから明らかなように、ケーシング110(インナーケーシング12および/またはアウターケーシング18であってよい)は多層を含むことができる。ケーシング110は、例えば第1層112、第2層114、および任意で第3層116を含むことができる。3より多い層を、所望であれば組み込むことができる。内面112は、内層111および外層113を含んでいる。同様に、第2層114は、内面115および外面117を含んでいる。第2層114の内面115は、第1層112の外面113と接触している。図4Bから明らかなように、多層壁設計は、その中に配置された視認窓120を含むことができる。
【0029】
多層壁設計では、第2層114(またはその外面117上に配置された任意の他の層)は、その中に着色剤、UV保護剤、または他の光線保護材料を含んでいる。この方法では、着色剤、UV保護剤または他の光線保護材料は、容器110の内部領域118からさらに取り除かれる。これはさらに、その中に収納された薬物含有組成物が容器110内に組み入れられた潜在的に有害な光線保護材料に曝露させられる可能性を減少させるために役立つ。
【0030】
他の実施形態では、薬物過剰の量を減少させるためにテーパ付き底部部分を有する内部容器を提供することができる。図5および6に示したように、少なくとも1つのAPA240を含有する組成物を収納するために設計された内部215を有する容器200が提供される。幾つかの実施形態では、組成物240は液体形であるが、例えば粉末などの他の形態が企図されている。容器200は、主本体部分210およびベース部分230を含んでいる。主本体部分210およびベース部分230は、同一材料から製造されてよく、またはその中に収納された組成物240と適合する任意の材料を含むことができる相違する材料から製造されてよい。幾つかの実施形態では、主本体部分210およびベース部分230は、ポリマー材料、例えばHDPE、COC、PET、ポリプロピレンおよびそれらの組み合わせから製造される。主本体部分210およびベース部分230は、着色されてよく、または透明であってよい。1つの実施形態では、主本体部分210およびベース部分230は、その中に収納された組成物の色とは対比色であり、不透明であってよい。上記に記載した容器を用いた場合と同様に、容器200は、その本体上にその中に収納された内容物を指示する指標を含むことができる。
【0031】
主本体部分210およびベース部分230は、単一ピース成形ユニットとして一緒に形成されてよく、または別個に成形されたピースとして形成して組み合わせられてよい。当業者には理解されるように、容器200の各部分の構成成分を考慮すると、主本体部分210およびベース部分230を別個のピースとして形成することは、製造上の有意な利点を提供することができる。主本体部分210およびベース部分230は、超音波溶接、機械的連結、接着剤、または他の所望の手段を含む任意の公知の手段によって一緒に結合することができる。組み合わせると、主本体部分210およびベース部分230は、その中に収納された組成物240を安全および効果的に収納するために流体シール性である完全に結合された容器200を形成する。
【0032】
主本体部分210は、容器200の内部215内の内容物をユーザーが視認できるようにする、可視視認窓220を含んでいる。幾つかの実施形態では、視認窓220は縦縞の形態にあるが、楕円形、ブロック形、および他の所望の図形を含む他の幾何学的構成が企図されている。視認窓220は、主本体部分210の前方、後方、または側方を含むいずれかの側に配置することができる。主本体部分210上に配置された1つより多い視認窓220が、所望であれば存在してよい。視認窓220は、主本体部分210が容器200本体の大半を形成することを許容しながら容器200内の内容物の視認を許容するために、相当に薄いサイズであることが望ましい。1つの実施形態では、視認窓220の厚さは、容器200本体の周囲のおよそ5%未満である。視認窓220は任意の所望の長さを有していてよく、1つの実施形態では、視認窓は、ベース部分230が主本体部分210と結合される場所もしくはその近くで始まる。視認窓220は、主本体部分210の上部もしくはその近くに伸びる十分な長さであってよい。1つの実施形態では、容器200本体は外面に適用されたラベルもしくはステッカーを含んでおり、ラベルは十分に不透明もしくは対比色であり、さらにラベルの一部として視認窓220を含んでいる。
【0033】
1つの特定の実施形態では、図6から明らかなように、ベース部分230はテーパ付き底部235を含んでいる。テーパ付き底部235は、必要に応じてできる限り内部215に向かって伸びてよい。テーパ付き底部235は、ベース部分230および主本体部分210が結合される領域に近付いて伸びるように配置することができる。組成物240は容器200の内部215に収納され、さらにベース部分230のテーパ付き底部235によって形成される領域内に含有される。
【0034】
ベース部分230のテーパ付き底部235は、ユーザーが容器200が空であると考えた後に容器200内に残る可能性がある組成物240の過剰量を減少させる際に有用である。この構成は、送達システム(図示していない)が容器200に取り付けられた場合には特に有用であり、送達システムがスプレーアタッチメントを含む場合に特別に有用である。典型的なスプレーボトル構成では、送達システムは、容器内に伸びるホースを含んでいる。ホースは、典型的には容器の最底部に置かれた組成物を効果的に取り出すことはできない。典型的な構成を用いると、底部は平面であり、過剰の組成物が残留するための大きな領域を残す。一部の場合には、底部は、そのような典型的な容器では8〜10用量という多量を投与するのに十分な組成物が未使用で残される場合があることが見いだされている。
【0035】
これとは対照的に、本発明のテーパ付き底部235を用いると、底部領域230は容器200の内部215内にはるかに少ない領域を提供するので、そこで使用後の容器200内に残留する組成物240の量を大きく減少させる。実際に、容器200内で未使用の約2〜4用量を提供するために十分な組成物240が典型的には残留していることが決定されている。したがって本明細書に提供した本発明は、組成物240の利用されない量を先行技術装置の約25%へ減少させる。さらに、視認窓220は、テーパ付き底部235の上部にのみ伸びるように構成される可能性があるので、ユーザーは少量の組成物240が残留していることに気付かず、したがって組成物240のレベルが送達形に達するほど十分に高くない場合に用量を提供しようとはしない。
【0036】
本発明の実施形態の説明は、例示および説明の目的で提示してきた。それらは、完全であること、または本発明を本明細書に開示した正確な形態に限定することは意図しておらず、上記の教示に照らせば明白に多数の変形および変動が可能である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
その中に少なくとも1つの感光性活性医薬品を収納するための容器であって、該容器は:
a.アウターケーシングと;
b.前記アウターケーシングの内部に配置されたインナーケーシングであって、その中に前記少なくとも1つの感光性活性医薬品を収納するように構成されたインナーケーシングと;
c.前記アウターケーシングの外側から前記インナーケーシングの視認を許容するために前記アウターケーシングを通して形成された視認窓であって、前記視認窓は前記インナーケーシングの外側で終了し、前記少なくとも1つの感光性活性医薬品から間隔をあけていて接触しておらず、該視認窓は光線保護材料を含む視認窓とを含む容器。
【請求項2】
前記アウターケーシングは、プラスチック材料を含む、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記アウターケーシングは、不透明である、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記アウターケーシングは、チタンを含む、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記アウターケーシングは、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、環状オレフィンコポリマーおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項1に記載の容器。
【請求項6】
前記インナーケーシングは、プラスチック材料を含む、請求項1に記載の容器。
【請求項7】
前記インナーケーシングは、実質的に透明である、請求項1に記載の容器。
【請求項8】
前記インナーケーシングは、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、環状オレフィンコポリマーおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の容器。
【請求項9】
前記窓は、ポリプロピレン、環状オレフィンコポリマーおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の容器。
【請求項10】
前記窓は、環状オレフィンコポリマーである、請求項1に記載の容器。
【請求項11】
前記光線保護材料は、着色剤を含む、請求項1に記載の容器。
【請求項12】
前記光線保護材料は、UV保護剤を含む、請求項1に記載の容器。
【請求項13】
スプレー機構を含む、請求項1に記載の容器。
【請求項14】
前記インナーおよびアウターケーシングは、相違する材料から形成される、請求項1に記載の容器。
【請求項15】
前記アウターおよびインナーケーシングの間に少なくとも1つの追加の層をさらに含む、請求項1に記載の容器。
【請求項16】
コントラスト増強剤を含む中間層をさらに含む、請求項1に記載の容器。
【請求項17】
前記コントラスト増強剤は、暗色着色剤である、請求項16に記載の容器。
【請求項18】
少なくとも1つの感光性医薬品の用量をユーザーの鼻腔内に分配するための装置であって、
a.請求項1に記載の容器と;
b.前記容器の内部と連絡しているディスペンサーであって、前記内部から前記少なくとも1つの感光性活性医薬品の用量を前記ユーザーの前記鼻腔内に推進するように構成されたディスペンサーとを含む装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つの活性医薬品は、モメタゾンフロエート一水和物を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
容器およびその中の少なくとも1つの活性医薬品を含む薬物製品であって、該容器は
a.アウターケーシングと;
b.前記アウターケーシングの内部に配置されたインナーケーシングであって、その中に前記少なくとも1つの感光性活性医薬品を収納するように構成されたインナーケーシングと;
c.前記アウターケーシングの外側から前記インナーケーシングの視認を許容するために前記アウターケーシングを通して形成された視認窓であって、前記視認窓は前記インナーケーシングの前記外側で終了し、前記少なくとも1つの感光性活性医薬品から間隔をあけていて接触しておらず、前記視認窓は光線保護材料を含む視認窓とを含む薬物製品。
【請求項21】
前記少なくとも1つの感光性活性医薬品は、モメタゾンフロエート、モメタゾンフロエート一水和物、オキシメタゾリン、アゼラスチン、モンテルカスト、フルチカゾンフロエート、フルチカゾンプロピオネートならびにそれらの組み合わせおよびそれらの医薬的に許容される塩からなる群から選択される、請求項20に記載の薬物製品。


【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−508039(P2012−508039A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534877(P2011−534877)
【出願日】平成21年11月3日(2009.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/063084
【国際公開番号】WO2010/062744
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】