説明

感震器及び地震計システム

【課題】 加速度センサの故障を確実に検出できる高信頼性の感震器及び地震計システムを提供する。
【解決手段】 感震器2は、加速度センサ21〜24を備える。加速度センサ21〜24の測定軸方向ベクトル21a〜24aは、互いに略等角となるように設定されている。この感震器2に加速度が与えられると、各加速度センサ21〜24は測定軸方向21a〜24aに応じた加速度成分を検出する。加速度センサ21〜24をこのように配置することによって、あらゆる方向の加速度に対して各加速度成分のベクトル和が常に一定値以下となる。そして、いずれかの加速度センサが故障した場合には、この法則が成立せず、各加速度成分のベクトル和が一定値を超えることとなる。従って、加速度センサ21〜24の故障を確実に検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三次元の加速度を測定するための加速度センサを備える感震器、及びこの感震器を備える地震計システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、三次元の加速度を測定するための感震器には、例えば三次元直交座標系の座標軸に合わせて3つの加速度センサが配置されている。そして、この3つの加速度センサからの加速度信号に基づいて、地震による加速度ベクトルを演算し、震度、最大加速度、各種応答値、及びSI値などを算出している。
【0003】
なお、本発明に関連する先行技術としては、以下に示す特許文献がある。
【特許文献1】特許第3376476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、観測された地震の強さによって、公共交通機関やプラント設備などを緊急停止するようなシステムが開発されつつある。このようなシステムにおいては、感震器の故障による誤った地震情報が大きな経済的損害をもたらすため、感震器には極めて高い信頼性が要求される。
【0005】
上述したような従来の感震器では、3つの加速度センサのうち1つが故障しても、その故障が認識されずに動作し続けてしまう。このため、加速度センサの故障に起因する誤ったデータを用いて震度等を算出するおそれがある。これに対し、例えば各加速度センサにテスト信号を送り、その応答をチェックすることによって故障を検出する方法や、3つの加速度センサとは別の加速度センサを設け、この加速度センサからの出力と他の加速度センサからの出力とを比較することにより故障を検出する方法などが考えられる。しかしながら、故障を検出するための装置を加速度センサとは別に設けるこれらの方法では、故障検出用の装置自体が故障することも考えられるため、公共交通機関を緊急停止させるための極めて高度な信頼性を満足することは難しい。
【0006】
本発明は、上記した問題点を鑑みてなされたものであり、加速度センサの故障を確実に検出できる高信頼性の感震器及び地震計システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するために、本発明による第1の感震器は、地震による加速度を測定するための感震器であって、互いに異なる測定軸方向の加速度成分を測定する4つの加速度センサと、4つの加速度センサを支持する支持体とを備え、4つの加速度センサそれぞれの測定軸方向における加速度成分のベクトルが互いに相殺されるように、支持体が4つの加速度センサの測定軸方向を保持していることを特徴とする。また、本発明による第2の感震器は、地震による加速度を測定するための感震器であって、互いに異なる測定軸方向の加速度成分を測定する4つの加速度センサと、4つの加速度センサを支持する支持体とを備え、4つの加速度センサにおける測定軸が互いに略等角をなすように、支持体が4つの加速度センサを支持していることを特徴とする。
【0008】
第1または第2の感震器に加速度が与えられると、各加速度センサはそれぞれの測定軸方向に沿った加速度成分を検出する。本発明による第1及び第2の感震器においては、各加速度センサが、加速度成分のベクトルが互いに相殺されるように、或いは測定軸方向が略等角をなすように支持されている。従って、あらゆる方向の加速度に対し、各加速度センサにおいて測定された加速度成分ベクトルのベクトル和が理論上は零ベクトルとなる。また、加速度成分ベクトルが加速度センサの取り付け誤差や測定誤差等を含んでいても、加速度成分ベクトルのベクトル和の絶対値が所定の閾値以下となる。そして、いずれかの加速度センサが故障した場合には、この法則が成立せず、各加速度成分のベクトル和が所定の閾値を超えることとなる。従って、上記第1または第2の感震器によれば、加速度成分ベクトルの総和を求めることによって加速度センサの故障を確実に検出することができる。また、1つの加速度センサが故障しても、残りの3つの加速度センサによって三次元の加速度を測定し続けることが可能である。以上のことから、上記第1または第2の感震器によれば、加速度センサとは別の故障検出装置を設けなくとも加速度センサの故障を確実に検出可能な、信頼性が極めて高い感震器を提供できる。
【0009】
また、本発明による地震計システムは、上記したいずれかの感震器と、4つの加速度センサのそれぞれによって測定された加速度成分のベクトル和に基づいて、加速度センサの故障を検出する演算部とを備えることを特徴とする。これにより、加速度センサの故障を確実に且つ自動的に検出できる高信頼性の地震計システムを実現できる。
【0010】
なお、本発明において「ベクトル和」とは、各加速度センサにおける加速度成分ベクトルの単純和に限られるものではなく、例えば少なくとも1つの各速度センサにおける加速度成分ベクトルを反転したうえで各加速度成分のベクトル和を求めるような場合をも含む概念である。
【0011】
また、地震計システムは、演算部が、加速度成分のベクトル和と所定の閾値との大小関係に基づいて加速度センサの故障を検出することを特徴としてもよい。前述したように、この地震計システムが備える感震器によれば、あらゆる方向の加速度に対して各加速度成分のベクトル和の絶対値が常に一定値以下となる。従って、この地震計システムによれば、加速度成分のベクトル和に基づいて、加速度センサの故障を確実に検出することができる。
【0012】
また、地震計システムは、演算部が、故障した加速度センサにおける加速度成分を、他の正常な加速度センサにおける加速度成分に基づいて算出することを特徴としてもよい。これによって、加速度センサが故障した場合においても震度等の地震関連情報を得ることができるので、信頼性をさらに高めることができる。
【0013】
また、地震計システムは、演算部が、4つの加速度センサのそれぞれによって測定される重力加速度成分を監視することにより加速度センサの故障を検出することを特徴としてもよい。各加速度センサには一定の重力加速度が常に加わっているため、この重力加速度の各加速度センサにおける成分を常時監視することによって、各加速度センサそれぞれの故障を地震時以外においても検出可能となる。従って、地震計システムの信頼性をより高めることができる。また、この構成によって、感震器の水平設置状態の良否を容易に知ることができる。
【0014】
また、地震計システムは、演算部が、加速度成分の大きさを示す加速度信号を加速度センサが出力するための配線の接続状態/非接続状態を、加速度センサの故障を検出した結果に基づいて切り替えることを特徴としてもよい。これによって、故障した加速度センサを、地震計システムを動作させた状態で修理・交換することができる。
【0015】
また、本発明による地震計システムは、上記したいずれかの感震器と、4つの加速度センサからの加速度信号を記憶する記憶部とを備えることを特徴とする。この地震計システムによれば、記憶部に記憶された加速度信号を事後的に検証することができるので、上記した演算部を備えなくとも加速度センサの故障による誤った加速度信号を確実に見分けることができる。また、この地震計システムによれば、故障した加速度センサの加速度信号を除外して地震関連情報を算出することができる。結果的に、極めて信頼性の高い地震計システムを提供できる。なお、地震関連情報としては、例えば震度、最大加速度、速度、及び変位や、固有周期をもつ物体の加速度応答、速度応答、変位応答、及びSI値などを挙げることができる。
【0016】
また、本発明による地震計システムは、上記したいずれかの感震器と、4つの加速度センサからの加速度信号を上位システムへ提供するための出力端とを備えることを特徴とする。この地震計システムによれば、加速度センサの確かな故障情報を上位システムにおいて認識できるので、加速度センサの故障による誤った加速度信号を上位システムにおいて確実に排除することができる。結果的に、極めて信頼性の高い地震計システムを提供できる。なお、上位システムとしては、例えば地方気象台や地方自治体の役所に設置される地震観測システムを挙げることができる。
【0017】
また、地震計システムは、4つの加速度センサのうち、少なくとも3つの加速度センサからの加速度信号に基づいて、地震関連情報を算出する関連情報算出部をさらに備えることを特徴としてもよい。これによって、信頼性の高い地震関連情報を容易に得ることができる。
【0018】
また、地震計システムは、地震関連情報を特定するための三次元直交座標系において、4つの加速度センサのうち2つの加速度センサの測定軸方向が三次元直交座標系の2つの軸からなる平面に沿うとともに、2つの加速度センサのうちいずれか一方の加速度センサの測定軸方向が三次元直交座標系の2つの軸のうちいずれか一方の軸に沿うように、感震器が配置されることを特徴としてもよい。感震器をこのように配置することによって、感震器の設置条件を地震計システム全体において統一することができ、この地震計システムから提供される地震関連情報の算出条件を統一することができる。また、感震器をこのように配置することによって、各加速度成分を用いて三次元直交座標系に基づく地震関連情報を算出する場合に、該地震関連情報を比較的簡単な演算式によって求めることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、加速度センサの故障を確実に検出できる高信頼性の感震器及び地震計システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら本発明による感震器及び地震計システムの実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
図1は、本発明の第1実施形態に係る地震計システム1の構成を示すブロック図である。図1を参照すると、地震計システム1は、感震器2、演算部3、関連情報算出部5、記憶部7、及びセンサテスト部8を備えている。演算部3は、故障検出部30、監視部35、切替部40、及び加算反転部(後述)を有している。なお、演算部3、関連情報算出部5、及びセンサテスト部8は、電子回路によって実現されてもよく、或いは予め記憶されたプログラムに従って動作するコンピュータによって実現されてもよい。
【0022】
感震器2は、4つの加速度センサ21〜24を有する。加速度センサ21〜24としては、例えばサーボ型加速度センサを用いるとよい。具体的には、加速度センサ21〜24では、まず加速度による質量−ばね系の錘の変位を検出し、サーボ系を通じて磁石とコイルからなる駆動系を錘に対して作用させ、錘の変位を元の位置に戻すのに要する電流値に基づいて加速度を求めることができる。
【0023】
ここで、図2(a)は、本実施形態の感震器2の平面図である。また、図2(b)は、感震器2の側面図であり、図2(c)は、図2(a)に示した感震器2のI−I断面を示す断面図である。図2(a)〜図2(c)を参照すると、感震器2は、4つの加速度センサ21〜24と、加速度センサ21〜24を支持する支持体25とを有する。
【0024】
支持体25は、底板25a、側板25b〜25d、及び天板25eを有する。底板25aは略正三角形状を呈しており、底板25a上の中央部分には加速度センサ21が載置されている。そして、加速度センサ21の測定軸方向ベクトル21aは、底板25aの面に垂直となっている。感震器2が測定場所に設置される際には、底板25aは鉛直方向に対して垂直に交わるように水平に配置される。従って、加速度センサ21は、加速度センサ21の測定軸21aが鉛直方向に沿うように配置される。このような配置により、加速度センサ21は、感震器2に加えられる加速度ベクトルのうち鉛直方向に沿った加速度成分を測定することとなる。
【0025】
側板25b〜25dは、それぞれ底板25aの対応する一辺に下辺が沿うように底板25aに固定される。また、側板25b〜25dは、底板25aに対して傾斜して固定されており、底板25aを底面として想定される正四面体の側面の一部をそれぞれ構成している。また、側板25b〜25d上にはそれぞれ加速度センサ22〜24が載置されている。従って、加速度センサ21〜24それぞれの測定軸方向ベクトル21a〜24aは、互いに略等角(109.28°)をなす。なお、天板25eは、側板25b〜25dの機械的強度を保つために側板25b〜25dの上辺を互いに固定している。また、各加速度センサ21〜24からは、測定された加速度成分の大きさを示す加速度信号を演算部3及び記憶部7に提供するための配線26a〜26dが感震器2外部へ延びている。
【0026】
図3(a)及び図3(b)は、各加速度センサ21〜24の測定軸方向ベクトル21a〜24aの方向を詳細に説明するための図である。図3(a)は、測定軸方向ベクトル21a〜24aの相対関係を示す斜視図である。図3(b)は、測定軸方向ベクトル21a〜24aの相対関係を鉛直上方から見た平面図である。なお、図3(a)及び図3(b)において、各測定軸方向ベクトル21a〜24aの向きは加速度成分の正方向を示している。また、図3(a)及び図3(b)において、ud軸は鉛直方向を示し、ew軸は東西方向を示し、ns軸は南北方向を示している。一般的に、地震関連情報を特定するための三次元直交座標系の軸は、ud軸、ew軸、及びns軸と一致するように設定される。
【0027】
各測定軸方向ベクトル21a〜24aは、各測定軸方向における加速度成分のベクトルが互いに相殺されるように設定される。具体的には、各測定軸方向ベクトル21a〜24aは、正四面体における重心から各頂点へ向かうベクトルと略一致するように、空間での対称方向に設定される。本実施形態では、測定軸方向ベクトル21aと測定軸方向ベクトル22aとのなす角θ12、測定軸方向ベクトル21aと測定軸方向ベクトル23aとのなす角θ13、測定軸方向ベクトル21aと測定軸方向ベクトル24aとのなす角θ14、測定軸方向ベクトル22aと測定軸方向ベクトル23aとのなす角θ23、測定軸方向ベクトル23aと測定軸方向ベクトル24aとのなす角θ34、測定軸方向ベクトル24aと測定軸方向ベクトル22aとのなす角θ24は、互いにほぼ等しい角度に設定されている。このように加速度センサ21〜24の測定軸方向ベクトル21a〜24aが設定されることによって、加速度センサ21〜24の各測定軸それぞれにおける加速度成分ベクトルのベクトル和が、地震動の発生の有無に拘わらず、理論上では常に零ベクトルとなる。感震器における加速度センサ異常は、平静時、地震発生初期、或いは地震動が或る強さを超えた時など、様々なタイミングで発生する。本発明に係る感震器2では、いかなるタイミングにおいても、加速度成分ベクトルのベクトル和が零ベクトルから逸脱すれば、少なくとも感震器2に異常が発生したことがわかる。実際には加速度センサ21〜24の取り付け誤差や支持部25の精度誤差が存在するため、厳密には該ベクトル和は零ベクトルとはならないが、該ベクトル和の絶対値を或る一定値以下とすることができる。
【0028】
また、地震関連情報を特定するための三次元直交座標系(本実施形態ではud軸、ns軸、及びew軸)において、4つの加速度センサ21〜24のうち2つの加速度センサの測定軸が三次元直交座標系の2つの軸からなる平面に沿うとともに、該2つの加速度センサのうちいずれか一方の加速度センサの測定軸が三次元直交座標系の該2つの軸のうちいずれか一方の軸に沿うように、感震器2が配置されることが好ましい。本実施形態では、加速度センサ21〜24のうち加速度センサ21及び22の測定軸方向ベクトル21a及び22aが、三次元直交座標系のud軸及びns軸からなる平面に沿うとともに、加速度センサ21の測定軸方向ベクトル21aが三次元直交座標系のud軸に沿うように感震器2が配置されている。なお、加速度センサ23及び24は、測定軸方向ベクトル23aと測定軸方向ベクトル24aとの差ベクトルがew軸に沿うように配置されている。
【0029】
図4は、演算部3が有する故障検出部30の構成を示すブロック図である。図4を参照すると、故障検出部30は、異常検出部31、ローパスフィルタ(LPF)異常検出部32、ハイパスフィルタ(HPF)異常検出部33、及び帯域異常検出部34を含んで構成されている。前述したように、加速度センサの異常は、平静時、地震発生初期、或いは地震動が或る強さを超えた時など様々なタイミングで発生する。故障検出部30においては、少なくとも各加速度センサ21〜24における加速度成分ベクトルのベクトル和が零ベクトルから逸脱することをもって、いかなるタイミングにおいても加速度センサの異常を検出できる。以下に説明する故障検出部30の各構成要素においては、各加速度センサ21〜24における異常発生やその発生形態を詳細に検出するとともに、加速度センサの異常に対処するための各種信号を生成する。
【0030】
異常検出部31は、主にシステム異常や大きな障害を伴う加速度センサの故障を検出するための手段である。異常検出部31は、各加速度センサ21〜24からの加速度信号S〜Sが示す加速度成分のベクトル和を求め、該ベクトル和と所定の閾値との大小を判定することにより加速度センサの故障を検出する。具体的には、異常検出部31は、センサ異常判定部31aを含んでいる。センサ異常判定部31aは、各加速度センサ21〜24からの加速度信号S〜Sを入力し、これら加速度信号S〜Sに基づいて各加速度成分のベクトル和を演算する。そして、ベクトル和の絶対値が所定の閾値より大きい場合には、センサ異常判定部31aは、加速度センサ21〜24のうち少なくとも1つの加速度センサが故障したと判断し、システム異常と判定する。或いは、平静時において、加速度センサ21〜24のうち1つの加速度センサからの加速度信号が届かないような場合を想定したベクトル和と実際に求めたベクトル和とを比較することにより、故障した加速度センサを特定することもできる。センサ異常判定部31aは、加速度センサの故障が発生したことを示すとともに故障した加速度センサを特定する故障信号S11を、地震計システム1の出力端1b(図1参照)を介して上位システムへ出力する。また、センサ異常判定部31aは、故障した加速度センサに対応する故障信号S15を切替部40へ出力する。
【0031】
LPF異常検出部32は、主にオフセット異常の検出や故障した加速度センサの特定を行うための手段である。ここで、オフセットとは、加速度センサ21〜24からの加速度信号S〜Sが示す加速度成分値に定常的に含まれる値をいい、例えば実際の加速度成分値がゼロのときに加速度信号S〜Sとして或る一定のオフセット値が出力される。そして、オフセット異常とは、地震計システム1の初期設定時に調整した各加速度センサ21〜24のオフセットが、何らかの異常によって既定値を超えてしまう現象をいう。LPF異常検出部32は、加速度信号S〜Sが示す加速度成分に含まれる高周波数成分を除去し、低周波数成分に基づいて加速度センサ21〜24のオフセット異常を主に検出する。また、LPF異常検出部32は、該低周波数成分に基づいて、故障した加速度センサを特定する。
【0032】
具体的には、LPF異常検出部32は、ローパスフィルタ(LPF)32a及びオフセット異常判定部32bを含んでいる。LPF32aは、各加速度センサ21〜24からの加速度信号S〜Sが示す加速度成分にフィルタリングを行い、所定の周波数よりも低い帯域の低周波数成分を抽出するための手段である。LPF32aは、各加速度センサ21〜24における加速度成分から抽出した低周波数成分を、オフセット異常判定部32bへ提供する。
【0033】
オフセット異常判定部32bは、LPF32aから受けた低周波数成分に基づいて、各加速度センサ21〜24のオフセット異常を判定するための手段である。すなわち、オフセット異常判定部32bは、各加速度センサ21〜24における加速度成分から抽出した低周波数成分それぞれのベクトル和を演算し、該ベクトル和の絶対値と所定の閾値との大小を比較する。オフセット異常判定部32bは、低周波数成分のベクトル和が所定の閾値よりも大きい場合に、加速度センサ21〜24のうち少なくとも1つの加速度センサをオフセット異常と判定し、異常センサを特定する。オフセット異常判定部32bは、加速度センサにオフセット異常が発生したことを示すとともに故障センサを特定する故障信号S12を、地震計システム1の出力端1b(図1参照)を介して上位システムへ出力する。また、オフセット異常判定部32bは、故障した加速度センサに対応する故障信号S16を切替部40へ出力する。
【0034】
HPF異常検出部33は、主に過渡動作異常の検出や故障した加速度センサの特定を行うための手段である。ここで、本来、加速度センサ21〜24からの加速度信号S〜Sは、加速度センサ21〜24に加わる加速度に応じてなめらか(過渡的)に動作する。過渡動作異常とは、加速度センサ21〜24からの加速度信号S〜Sが加速度に応じてなめらかに動作せず、段階的な動作をする現象をいう。HPF異常検出部33は、加速度信号S〜Sが示す加速度成分に含まれる低周波数成分を除去し、高周波数成分に基づいて加速度センサ21〜24の過渡動作異常を主に検出する。また、HPF異常検出部33は、該高周波数成分に基づいて、故障した加速度センサを特定する。
【0035】
具体的には、HPF異常検出部33は、ハイパスフィルタ(HPF)33a及び過渡動作異常判定部33bを含んでいる。HPF33aは、各加速度センサ21〜24からの加速度信号S〜Sが示す加速度成分にフィルタリングを行い、所定の周波数よりも高い帯域の高周波数成分を抽出するための手段である。HPF33aは、各加速度センサ21〜24における加速度成分から抽出した高周波数成分を、過渡動作異常判定部33bへ提供する。
【0036】
過渡動作異常判定部33bは、HPF33aから受けた高周波数成分に基づいて、各加速度センサ21〜24の過渡動作異常を判定するための手段である。すなわち、過渡動作異常判定部33bは、各加速度センサ21〜24における加速度成分から抽出した高周波数成分それぞれのベクトル和を演算し、該ベクトル和の絶対値と所定の閾値との大小を比較する。過渡動作異常判定部33bは、高周波数成分のベクトル和が所定の閾値よりも大きい場合に、加速度センサ21〜24のうち少なくとも1つの加速度センサを過渡動作異常と判定する。また、加速度センサ21〜24の故障の状態によっては、フィルタリング処理を行うと加速度信号値が過大となる場合があり、これによって異常センサを特定することができる。過渡動作異常判定部33bは、加速度センサに過渡動作異常が発生したことを示すとともに故障センサを特定する故障信号S13を、地震計システム1の出力端1b(図1参照)を介して上位システムへ出力する。また、過渡動作異常判定部33bは、故障した加速度センサに対応する故障信号S17を切替部40へ出力する。
【0037】
帯域異常検出部34は、加速度信号S〜Sが示す加速度成分の異常を周波数成分毎に検出するための手段である。帯域異常検出部34は、加速度信号S〜Sを周波数領域の信号に変換した上で、各加速度成分の異常を所定の周波数成分毎に検出する。また、帯域異常検出部34は、検出した異常な周波数成分に基づいて、故障した加速度センサを特定する。
【0038】
具体的には、帯域異常検出部34は、高速フーリエ変換部(Fast Fourier Transformer:FFT)34a、帯域異常判定部34b、及び逆フーリエ変換部(Reverse Fourier Transformer:RFT)34cを含んでいる。FFT34aは、各加速度センサ21〜24からの加速度信号S〜Sを周波数領域の信号に変換するための手段である。FFT34aは、各加速度センサ21〜24における加速度成分から変換した周波数領域信号を、帯域異常判定部34bへ提供する。
【0039】
帯域異常判定部34bは、FFT34aから受けた周波数領域データに基づいて、周波数帯域毎に加速度信号S〜Sの異常を判定するための手段である。すなわち、帯域異常判定部34bは、各加速度センサ21〜24の加速度信号S〜Sから変換された周波数領域信号のベクトル和を所定の周波数成分毎に演算し、該ベクトル和の絶対値と所定の閾値との大小を比較する。なお、このとき、所定の閾値は周波数成分毎に定められてもよい。帯域異常判定部34bは、或る周波数成分におけるベクトル和が当該周波数成分における所定の閾値よりも大きい場合に、加速度センサ21〜24のうち少なくとも1つの加速度センサの当該周波数帯域における加速度信号を異常と判定し、異常センサを特定する。帯域異常判定部34bは、加速度信号における或る周波数成分に異常が発生したことを示すとともに故障センサを特定する故障信号S14を地震計システム1の出力端1b(図1参照)を介して上位システムへ出力する。また、帯域異常判定部34bは、故障した加速度センサに対応する故障信号S18を切替部40へ出力する。また、帯域異常判定部34bは、周波数領域信号において異常のあった周波数成分を含む帯域をマスク処理し、該周波数領域信号をRFT34cへ出力する。
【0040】
RFT34cは、帯域異常判定部34bからの周波数領域信号に逆フーリエ変換を施すための手段である。RFT34cが入力する周波数領域信号には、上述した帯域異常判定部34bによって異常な周波数帯域にマスク処理が施されている。従って、この周波数領域信号が逆フーリエ変換されると、異常な周波数成分が除去された時系列の加速度信号S21〜S24が生成される。RFT34cは、生成した加速度信号S21〜S24を切替部40へ出力する。
【0041】
図5は、演算部3が有する加算反転部11〜14及び切替部40の構成を示すブロック図である。加算反転部11〜14は、加速度センサ21〜24のうち故障した加速度センサにおける加速度信号を除く3つの加速度信号が示す加速度成分に基づいて、故障した加速度センサにおける加速度成分を算出して補完するための手段である。本実施形態においては、各加速度センサ21〜24の測定軸が図3(a)及び図3(b)に示した方向に設定されているため、故障した加速度センサを除く3つの加速度センサからの加速度信号を加算且つ反転することによって、故障した加速度センサにおける加速度成分を算出することが可能である。
【0042】
具体的には、加算反転部11は、加速度センサ22〜24から加速度信号S〜Sを入力する。そして、加速度信号S〜Sが示す加速度成分ベクトルをそれぞれa〜aとすると、加算反転部11は−(a+a+a)を演算する。加算反転部11は、演算結果を補完信号S31として切替部40へ出力する。同様に、加算反転部12は、加速度センサ21、23、及び24から加速度信号S、S、及びSを入力する。そして、加速度信号Sが示す加速度成分ベクトルをaとすると、加算反転部12は、−(a+a+a)を演算し、演算結果を補完信号S32として切替部40へ出力する。また、加算反転部13は、加速度センサ21、22、及び24から加速度信号S、S、及びSを入力する。そして、加算反転部13は、−(a+a+a)を演算し、演算結果を補完信号S33として切替部40へ出力する。また、加算反転部14は、加速度センサ21〜23から加速度信号S〜Sを入力する。そして、加算反転部14は、−(a+a+a)を演算し、演算結果を補完信号S34として切替部40へ出力する。
【0043】
切替部40は、加速度センサ21〜24が加速度信号S〜Sを出力するための配線の接続状態/非接続状態を、故障検出部30における故障検出結果に基づいて切り替えるための手段である。切替部40は、スイッチ手段SW1〜SW12を含んで構成されている。スイッチ手段SW1〜SW12は、例えば機械式スイッチといった電気的に絶縁可能なスイッチであることが好ましいが、トランジスタなどの電気的スイッチを用いてもよい。
【0044】
スイッチ手段SW1〜SW3の一端は、互いに電気的に接続され、関連情報算出部5に接続されている。スイッチ手段SW1の他端は、加速度センサ21に電気的に接続されており、加速度信号Sを受ける。なお、図5に示すように、スイッチ手段SW1と加速度センサ21との間には、A/D変換部15が設けられてもよい。このA/D変換部15によって、加速度信号Sをアナログ信号からデジタル信号へ変換した上で、加速度信号Sをスイッチ手段SW1を介して関連情報算出部5へ提供できる。また、スイッチ手段SW2の他端は、加算反転部11に電気的に接続されている。スイッチ手段SW2の他端には、加速度センサ21からの加速度信号Sを除く3つの加速度信号をベクトル的に加算・反転した補完信号S31が加算反転部11から入力される。また、スイッチ手段SW3の他端は、故障検出部30の帯域異常検出部34に電気的に接続されている。スイッチ手段SW3の他端には、異常な周波数帯域をマスク処理された加速度信号S21が帯域異常検出部34から入力される。
【0045】
切替部40は、故障検出部30から入力した故障信号S15〜S18、及び後述するセンサテスト部8から入力した故障信号S53に基づいて、スイッチ手段SW1〜SW3のうちいずれか1つのスイッチ手段を接続状態とし、他のスイッチ手段を非接続状態とする。すなわち、故障信号S15〜S18及びS53のいずれも入力されない場合には、スイッチ手段SW1を接続状態とし、スイッチ手段SW2及びSW3を非接続状態とする。そして、故障信号S15〜S17及びS53のいずれかを入力し、この故障信号が加速度センサ21の故障を示している場合には、スイッチ手段SW1及びSW3を非接続状態とし、スイッチ手段SW2を接続状態とする。また、故障信号S18を入力し、故障信号S18が加速度センサ21からの加速度信号Sの異常を示す場合には、スイッチ手段SW1及びSW2を非接続状態とし、スイッチ手段SW3を接続状態とする。
【0046】
スイッチ手段SW4〜SW12の構成及び動作も、スイッチ手段SW1〜SW3と同様である。すなわち、スイッチ手段SW4〜SW6の一端同士、スイッチ手段SW7〜SW9の一端同士、及びスイッチ手段SW10〜SW12の一端同士はそれぞれ互いに電気的に接続され、関連情報算出部5に接続されている。スイッチ手段SW4,SW7,及びSW10の他端は、加速度センサ22〜24にそれぞれ電気的に接続されており、加速度信号S〜Sを受ける。なお、図5に示すように、スイッチ手段SW4,SW7,及びSW10と加速度センサ22〜24との間には、A/D変換部15が設けられてもよい。また、スイッチ手段SW5,SW8,及びSW11の他端は、それぞれ加算反転部12〜14に電気的に接続されている。スイッチ手段SW5,SW8,及びSW11それぞれの他端には、補完信号S32〜S34が加算反転部12〜14から入力される。また、スイッチ手段SW6,SW9,及びSW12の他端は、故障検出部30の帯域異常検出部34に電気的に接続されている。スイッチ手段SW6,SW9,及びSW12の他端には、加速度信号S22〜S24が帯域異常検出部34から入力される。
【0047】
切替部40は、故障検出部30から入力した故障信号S15〜S18、及び後述するセンサテスト部8から入力した故障信号S53に基づいて、スイッチ手段SW4〜SW6の組み合わせ、スイッチ手段SW7〜SW9の組み合わせ、及びスイッチ手段SW10〜SW12の組み合わせのそれぞれにおいて、いずれか1つのスイッチ手段を接続状態とし、他のスイッチ手段を非接続状態とする。すなわち、故障信号S15〜S18及びS53のいずれも入力されない場合には、スイッチ手段SW4,SW7,及びSW10を接続状態とし、スイッチ手段SW5,SW6,SW8,SW9,SW11,及びSW12を非接続状態とする。そして、故障信号S15〜S17及びS53のいずれかを入力し、この故障信号が加速度センサ22〜24のうちいずれかの加速度センサの故障を示している場合には、スイッチ手段SW5,SW8,SW11のうち故障した加速度センサに対応するスイッチ手段を接続状態とし、スイッチ手段SW4,SW7,SW10のうち故障した加速度センサに対応するスイッチ手段を非接続状態とする。また、故障信号S18を入力し、故障信号S18が加速度センサ22〜24のうちいずれかの加速度信号の異常を示す場合には、スイッチ手段SW6,SW9,SW12のうち異常な加速度信号に対応するスイッチ手段を接続状態とし、スイッチ手段SW4,SW7,SW10のうち異常な加速度信号に対応するスイッチ手段を非接続状態とする。
【0048】
切替部40の上記機能により、加速度センサ21〜24のそれぞれに対応して、加速度センサ21〜24からの加速度信号S〜S、帯域異常検出部34からの加速度信号S21〜S24、及び加算反転部11〜14からの補完信号S31〜S34のうちいずれかの信号が選択され、加速度信号S〜Sとして関連情報算出部5へ出力される。なお、切替部40におけるスイッチ手段SW1〜SW12の切り替えは、上述したように切替部4が自動的に行う以外にも、例えば操作者が故障信号S15〜S18及びS53に基づいて手動で行ってもよい。
【0049】
再び図1を参照する。監視部35は、加速度センサ21〜24の故障を、加速度センサ21〜24によって測定される重力加速度成分に基づいて検出するための手段である。加速度センサ21〜24には、地震時以外にも重力加速度が常に加わっており、加速度信号S〜Sとして重力加速度成分が常に検出されている。監視部35は、加速度センサ21〜24から加速度信号S〜Sを地震時を除いて入力し、各加速度信号S〜Sにおける重力加速度成分に大幅な変化がないかチェックする。各加速度信号S〜Sにおける重力加速度成分に大幅な変化がみられた場合、監視部35は、加速度センサに重力値異常が発生したことを示すとともに故障センサを特定する故障信号S19を、出力端1cを介して上位システムへ出力する。
【0050】
なお、監視部35において各加速度信号S〜Sにおける重力加速度成分をチェックする際には、各加速度信号S〜Sの高周波数成分が除去されていることが好ましい。このため、監視部35は、高周波数成分が除去された加速度信号S〜Sを故障検出部30のLPF32aから入力し、LPF32aからの加速度信号S〜Sに基づいて重力加速度成分の変化をチェックするとよい。また、監視部35が各加速度信号S〜Sにおける重力加速度成分を監視することによって、感震器2の水平設置状態の良否を知ることもできる。
【0051】
図6は、関連情報算出部5の内部構成を示すブロック図である。図6を参照すると、関連情報算出部5は、波形記録部51、震度演算部52、及び応答値・SI値処理部53を有している。
【0052】
波形記録部51は、各加速度センサ21〜24から演算部3を介して入力された加速度信号S〜Sに対して所定のフィルタ処理や演算処理等を行うことにより地震関連情報を生成し、該地震関連情報を紙などの記録媒体を所定の書式で記録・印字するための手段である。具体的には、波形記録部51は、加速度信号S〜Sに基づいて所定のフィルタ処理や演算処理等を行い地震関連情報を生成する前処理部51aと、前処理部51aにおいて生成された地震関連情報を記録する記録部51bとを含んで構成されている。波形記録部51において記録される地震関連情報としては、例えば波形情報(トリガ時刻、設置情報、地震波の加速度波形等)、一地震情報(60秒を一地震としたトリガ時刻、震度、計測震度、最大加速度等)、区間情報(10秒を一区間とした区間毎の震度、計測震度、最大加速度等)などがある。
【0053】
震度演算部52は、各加速度センサ21〜24から演算部3を介して入力された加速度信号S〜Sに基づいて計測震度を演算するための手段である。震度演算部52は、HPF52a、FFT52b、震度演算フィルタ52c、RFT52d、及び処理部52eを含んで構成されている。HPF52aは、加速度信号S〜Sのオフセットといった低周波数成分をカットし、地震波の周波数帯域を含む高周波数成分を通過させるフィルタである。なお、震度演算部52は、HPF52aに換えて、故障検出部30のHPF異常検出部33におけるHPF33aを兼用してもよい。
【0054】
FFT52b、震度演算フィルタ52c、及びRFT52dは、加速度信号S〜Sから地震波の周波数帯域における加速度信号を抽出するための手段である。FFT52bは、HPF52aによって低周波数成分がカットされた加速度信号S〜Sを、時間領域の信号から周波数領域の信号へ変換する。震度演算フィルタ52cは、周波数領域の信号へ変換された加速度信号S〜Sにおける地震波の周波数帯域以外の成分をカットする。RFT52dは、地震波の周波数帯域以外の成分がカットされた加速度信号S〜Sを、周波数領域の信号から時間領域の信号へ戻す。処理部52eは、地震波の周波数帯域以外の成分がカットされた時間領域の加速度信号S〜Sに基づいて、ベクトル合成により計測震度を算出するための手段である。処理部52eは、算出した計測震度を、地震関連情報Sの一部である震度情報S91として、地震計システム1の出力端1a(図1参照)から上位システムへ出力する。
【0055】
なお、処理部52eにおいて、三次元直交座標系の各軸(図3のud軸、ns軸、及びew軸)方向の加速度成分が必要な場合は、次の各数式(1)〜(3)によって容易に求めることができる。すなわち、加速度センサ21〜24が測定する加速度成分ベクトルをそれぞれa〜aとし、ud軸方向、ns軸方向、及びew軸方向の加速度成分ベクトルをそれぞれaud、ans、及びaewとすると、
【数1】

【数2】

【数3】

と表すことができる。なお、数式中のk及びmは、幾何的に求まる定数である。また、加速度の大きさaは、次式(4)
【数4】

によって容易に求めることができる。なお、加速度ベクトルaud、ans、及びaew、並びに加速度の大きさaは、加速度センサ21〜24のうち1つの加速度センサが故障しても、残りの正常な加速度センサからの加速度信号に基づいて求めることができる。
【0056】
応答値・SI値処理部53は、各加速度センサ21〜24から演算部3を介して入力された加速度信号S〜Sに基づいて、応答値(或る固有周期を有する構造物への加速度応答・速度応答・変位応答などの総称)及びSI値を算出するための手段である。応答値・SI値処理部53は、前処理部53a、速度化演算部53b、変位化演算部53c、及び処理部53dを含んで構成されている。前処理部53aは、所定のフィルタ処理や演算処理等を行う。速度化演算部53bは、加速度信号S〜Sに基づいて地震動の速度を求める。変位化演算部53cは、速度化演算部53bによって求められた地震動の速度に基づいて地面の変位を求める。処理部53dは、加速度信号S〜S、速度化演算部53bによって求められた地震動の速度、及び変位化演算部53cによって求められた地面の変位に基づいて、応答値及びSI値を算出する。処理部53dは、算出した応答値及びSI値のそれぞれを、地震関連情報Sの一部である応答値情報S92及びSI値情報S93として、地震計システム1の出力端1a(図1参照)から上位システムへ出力する。
【0057】
また、関連情報算出部5は、妥当性チェック部54a〜54iをさらに有している。妥当性チェック部54a〜54iは、関連情報算出部5内部の各処理において、加速度信号S〜Sに新たな異常が発生していないか(すなわち、関連情報算出部5を構成する各要素が故障していないか)をチェックするための手段である。妥当性チェック部54a〜54iは、加速度信号S〜Sが示す加速度成分ベクトルのベクトル和を演算し、このベクトル和と所定の閾値との大小比較、或いはベクトル和が零ベクトルであるか否かのチェックにより、妥当性チェック部54a〜54iそれぞれの直前に設けられている要素の故障を発見することができる。本実施形態において、妥当性チェック部54aは演算部3と波形記録部51、震度演算部52、及び応答値・SI値処理部53との間に設けられている。妥当性チェック部54bは、波形記録部51の前処理部51aと記録部51bとの間に設けられている。妥当性チェック部54cは、震度演算部52のHPF52aとFFT52bとの間に設けられている。妥当性チェック部54dは、震度演算部52のFFT52bと震度演算フィルタ52cとの間に設けられている。妥当性チェック部54eは、震度演算部52の震度演算フィルタ52cとRFT52dとの間に設けられている。妥当性チェック部54fは、震度演算部52のRFT52dと処理部52eとの間に設けられている。妥当性チェック部54gは、応答値・SI値処理部53の前処理部53aと速度化演算部53bとの間に設けられている。妥当性チェック部54hは、応答値・SI値処理部53の速度化演算部53bと変位化演算部53cとの間に設けられている。妥当性チェック部54iは、応答値・SI値処理部53の変位化演算部53cと処理部53dとの間に設けられている。
【0058】
なお、関連情報算出部5は、アナログまたはデジタルの電子回路によって実現されてもよく、或いは予め記憶されたプログラムに従って動作するコンピュータによって実現されてもよい。デジタル回路やコンピュータによって関連情報算出部5を実現する場合には、関連情報算出部5と各加速度センサ21〜24との間にA/D変換部15(図5参照)を設けるとよい。
【0059】
再び図1を参照する。記憶部7は、加速度センサ21〜24からの加速度信号S〜Sを記憶するための手段である。記憶部7は、例えばメモリなどの記憶素子、ハードディスクなどの記憶装置、或いは光ディスクなどの記憶媒体によって実現される。記憶部7は各加速度センサ21〜24と電気的に接続されており、加速度信号S〜Sを入力する。記憶部7は、加速度信号S〜Sをそのままの状態で記憶してもよいし、加速度信号S〜Sに所定の処理を施したものを記憶してもよい。記憶部7では、4つの加速度センサ21〜24それぞれの加速度信号S〜Sに対して同じ処理を施したものを記憶することが好ましい。また、加速度センサ21〜24のいずれかが故障検出部30において故障と判定されていても、加速度信号S〜Sをそのまま記憶しておくことが好ましい。そうすることにより、信頼性が低い加速度信号の中から良好な加速度信号或いはその周波数成分を抽出して震度演算等に用いることができる。また、加速度信号S〜Sを記憶部7に記憶させることにより、加速度信号S〜Sを事後的に検証することができる。各加速度信号S〜Sは、各加速度センサ21〜24から出力されたそのままの信号であり、加速度信号S〜Sが示す加速度成分ベクトルのベクトル和の絶対値は、加速度センサ故障がなければ常に一定値以下となる。言い換えると、加速度成分ベクトルのベクトル和の絶対値が一定値以下から逸脱した時点が感震器2における異常発生時点であり、強い地震動によって地震計システム1が正常動作できない場合であっても、記憶部7に記憶されているデータが残っていれば事後的に感震器2の異常の有無を見分けることができる。例えば、取得した加速度信号S〜Sとその取得時刻とを記憶部7に記憶しておけば、感震器2における異常発生時刻が分かる。従って、少なくとも異常発生時刻までに得られた加速度信号S〜Sは、高度な信頼性に基づくものと言える。なお、記憶部7は、演算部3や関連情報算出部5の一部として設けられていてもよいし、感震器2に付属していてもよい。
【0060】
センサテスト部8は、加速度センサ21〜24を個別に検査するための手段である。センサテスト部8は、加速度センサ21〜24のそれぞれが有するテスト端子(例えばコイルの一端)に定電流パルス信号S51を印加し、各加速度センサ21〜24から応答信号S52を入力する。センサテスト部8は、いずれかの加速度センサ21〜24の応答信号S52が異常である場合に、加速度センサの故障を示す故障信号S53を演算部3の切替部40へ出力する。
【0061】
また、地震計システム1は、各加速度センサ21〜24からの加速度信号S〜Sを上位システムへ出力するための出力端1dを備えている。地震計システム1は、出力端1dを介して加速度信号S〜Sを上位システムへ出力する。なお、このとき、アナログ信号である加速度信号S〜Sをデジタル信号へ変換するためのA/D変換部を、地震計システム1がさらに備えることが好ましい。
【0062】
また、地震計システム1は、上記各部の他に、各加速度センサ21〜24から出力された加速度信号S〜S、関連情報算出部5から出力された地震関連情報S、故障検出部30から出力された故障信号S11〜S14、及び監視部から出力された故障信号S19を、上位システムへ出力するための図示しないインターフェース部をさらに備えていることが好ましい。このインターフェース部は、例えば通信用インターフェース回路等によって実現される。このようなインターフェース部を備えることにより、地震計システム1は、複数の地震計からの地震関連情報を総合的に処理する上位システムへ各信号を確実に提供できる。
【0063】
以上の構成を備える地震計システム1の動作について説明する。まず、各加速度センサ21〜24が地面の加速度に応じて加速度信号S〜Sを生成する。加速度信号S〜Sは、故障検出部30、監視部35、切替部40、及び記憶部7に与えられる。記憶部7では、加速度信号S〜Sが記憶される。また、故障検出部30及び監視部35において故障が検出されないときは、切替部40において加速度信号S〜Sが加速度信号S〜Sとして関連情報算出部5に提供され、関連情報算出部5において震度等の地震関連情報Sが算出される。地震関連情報Sは、上位システムへ出力される。
【0064】
加速度信号S〜Sは、故障検出部30において異常検出部31、LPF異常検出部32、HPF異常検出部33、及び帯域異常検出部34に提供される。これらのうち少なくとも1つの異常検出部が加速度信号S〜Sの異常を検出すると、故障検出部30は故障信号S11〜S14を上位システムへ出力するとともに、故障信号S15〜S18を切替部40へ提供する。切替部40は、故障が検出された加速度センサについて、帯域異常以外の故障のときは他の正常な加速度センサから補完信号を生成し、正常な加速度信号及び補完信号を関連情報算出部5に提供する。また、センサテスト部8において故障が検出された場合にも、切替部40は、正常な加速度信号及び補完信号を関連情報算出部5に提供する。また、少なくとも1つの加速度信号が帯域異常である場合には、切替部40は、異常な周波数帯域をマスク処理された加速度信号を関連情報算出部5に提供する。こうして、地震計システム1は、加速度センサの故障後も地震関連情報Sを算出することができる。
【0065】
以上に説明した感震器2及び地震計システム1が有する効果について説明する。本実施形態の感震器2は、上述したように4つの加速度センサ21〜24を備え、測定軸方向21a〜24aにおける加速度成分のベクトルが互いに相殺されるように、或いは測定軸方向21a〜24aが略等角をなすように、加速度センサ21〜24が支持されている。従って、あらゆる方向の加速度に対し、各加速度センサ21〜24において測定された加速度成分ベクトルのベクトル和が理論上は零ベクトルとなる。実際には、加速度センサの取り付け誤差や測定誤差、加速度信号S〜Sに含まれる電気的ノイズ等が加速度成分に含まれているが、加速度成分のベクトル和の絶対値は常に一定値以下となる。そして、いずれかの加速度センサが故障した場合には、この法則が成立せず、各加速度成分のベクトル和が所定の閾値を超えることとなる。従って、本実施形態の感震器2によれば、加速度成分のベクトル和を求めることによって加速度センサ21〜24の故障を確実に検出することができる。また、1つの加速度センサが故障しても、残りの3つの加速度センサによって三次元の加速度を測定し続けることが可能である。以上のことから、本実施形態の感震器2によれば、加速度センサ21〜24とは別の故障検出装置を設けなくとも加速度センサ21〜24の故障を確実に検出可能な、信頼性が極めて高い感震器を提供できる。
【0066】
また、このように、感震器2ではあらゆる方向の加速度に対して各加速度成分のベクトル和の絶対値が常に一定値以下となる。従って、演算部3は、本実施形態のように故障検出部30において加速度成分のベクトル和と所定の閾値との大小関係に基づいて加速度センサ21〜24の故障を検出することが好ましい。これにより、加速度センサ21〜24の故障を確実に且つ自動的に検出できる高信頼性の地震計システム1を実現できる。
【0067】
また、本実施形態のように、演算部3は、加算反転部11〜14において、加速度センサ21〜24のうち故障した加速度センサにおける加速度成分を、他の正常な加速度センサにおける加速度成分に基づいて算出して補完することが好ましい。これによって、加速度センサ21〜24のうちいずれかの加速度センサが故障した場合においても震度等の地震関連情報を得ることができるので、信頼性をさらに高めることができる。
【0068】
また、本実施形態のように、演算部3は、監視部35において、加速度センサ21〜24のそれぞれによって測定される重力加速度成分を監視することによって加速度センサ21〜24の故障を検出することが好ましい。各加速度センサ21〜24には一定の重力加速度が常に加わっているため、この重力加速度の各加速度センサ21〜24における成分を常時監視することによって、各加速度センサ21〜24それぞれの故障を地震時以外においても検出可能となる。従って、地震計システム1の信頼性をより高めることができる。また、感震器2は、図3(a)に示したように、加速度センサ21の測定軸方向21aがud軸に沿うように(すなわち図2に示した底板25aが水平になるように)設置されることが好ましいので、加速度センサ21〜24によって測定される重力加速度成分を監視することによって、感震器2の水平設置状態の良否を容易に知ることができる。なお、このように加速度センサ21〜24において重力加速度成分を監視する場合には、各加速度センサ21〜24の測定軸方向21a〜24aが水平方向に沿っていると重力加速度成分がゼロとなるため、測定軸方向21a〜24aが水平方向に対して0°より大きな角度を成すことが好ましい。
【0069】
また、本実施形態のように、演算部3は、切替部40において、加速度センサ21〜24が加速度信号S〜Sを関連情報算出部5へ出力するための配線の接続状態/非接続状態を、故障信号S15〜S18及びS53に基づいて切り替えることが好ましい。これによって、故障した加速度センサを、地震計システム1を動作させた状態で修理・交換することができるので、地震計システム1の稼働率向上につながる。
【0070】
また、本実施形態の地震計システム1は、加速度センサ21〜24からの加速度信号S〜Sを記憶する記憶部7を備えている。これによって、記憶部7に記憶された加速度信号S〜Sを事後的に検証することができるので、地震計システム1が演算部3を備えない場合であっても、加速度センサの故障による誤った加速度信号を確実に見分けることができる。また、故障した加速度センサの加速度信号を除外して地震関連情報を算出することができる。結果的に、極めて信頼性の高い地震計システム1を提供できる。
【0071】
また、本実施形態の地震計システム1は、4つの加速度センサ21〜24からの加速度信号S〜Sを上位システムへ提供するための出力端1dを備えている。これにより、上位システムにおいて加速度成分のベクトル和をチェックすることによって、加速度センサ21〜24の確かな故障情報を上位システムにおいて認識できる。従って、加速度センサの故障による誤った加速度信号を上位システムにおいて確実に排除することができる。結果的に、極めて信頼性の高い地震計システム1を提供できる。
【0072】
また、本実施形態のように、地震計システム1は、加速度センサ21〜24のうち少なくとも3つの加速度センサからの加速度信号に基づいて、地震関連情報Sを算出する関連情報算出部5をさらに備えることが好ましい。これによって、信頼性の高い地震関連情報Sを容易に得ることができる。
【0073】
また、本実施形態のように、地震計システム1では、加速度センサ21〜24のうち2つの加速度センサ21及び22の測定軸21a及び22aの方向が三次元直交座標系の2つの軸(ud軸及びns軸)からなる平面に沿うとともに、加速度センサ21及び22のうち一方の加速度センサ21の測定軸21aの方向が2つの軸(ud軸及びns軸)のうち一方の軸(ud軸)に沿うように、感震器2が配置されていることが好ましい。感震器2がこのように配置されることによって、上述した数式(1)〜(3)に示したように、加速度ベクトルaud、ans、及びaewを求める際の演算量を低減することができる。また、上述した数式(4)に示したように、加速度の大きさaも簡易な計算によって求めることができる。
【0074】
また、本実施形態のように、演算部3は、帯域異常検出部34において、加速度成分に含まれる所定の周波数成分のベクトル和に基づいて、加速度成分における異常な周波数成分を検出してもよい。この場合、加速度センサ21〜24の故障に対して周波数領域での詳細な不具合解析を行うことができ、異常の種別を特定することが容易になる。
【0075】
また、本実施形態のように、演算部3は、帯域異常検出部34において、異常な周波数帯域成分を加速度成分から除去(マスク処理)してもよい。地震波の周波数帯域とは異なる帯域に異常が検出された場合、地震波の周波数帯域における加速度信号は正常である場合がある。従って、加速度成分における異常な周波数成分を含む帯域を帯域異常検出部34においてマスク処理することにより、加速度センサ21〜24の稼働率を向上することができる。
【0076】
本発明による感震器及び地震計システムは、上記した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態の演算部及び関連情報算出部は感震器の外部に設けられているが、演算部及び関連情報算出部は感震器の内部に設けられても良い。或いは、演算部及び関連情報算出部の内部要素のうちの一部が感震器の内部に設けられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る地震計システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)は、本実施形態の感震器の平面図である。また、図2(b)は、感震器の側面図であり、図2(c)は、図2(a)に示した感震器のI−I断面を示す断面図である。
【図3】図3(a)は、測定軸方向ベクトルの相対関係を示す斜視図である。図3(b)は、測定軸方向ベクトルの相対関係を鉛直上方から見た平面図である。
【図4】図4は、演算部が有する故障検出部の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、演算部が有する加算反転部及び切替部の構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、関連情報算出部の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0078】
1…地震計システム、1a〜1d…出力端、2…感震器、3…演算部、5…関連情報算出部、7…記憶部、8…センサテスト部、11〜14…加算反転部、15…A/D変換部、21〜24…加速度センサ、21a〜24a…測定軸、25…支持体、30…故障検出部、31…異常検出部、32…LPF異常検出部、33…HPF異常検出部、34…帯域異常検出部、35…監視部、40…切替部、51…波形記録部、52…震度演算部、53…応答値・SI値処理部、54a〜54i…妥当性チェック部、S〜S,S〜S…加速度信号、S11〜S14,S15〜S18,S19,S53…故障信号、S21〜S24…加速度信号、S31〜S34…補完信号、S51…定電流パルス信号、S52…応答信号、S…地震関連情報、S91…震度情報、S92…応答値情報、S93…SI値情報。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地震による加速度を測定するための感震器であって、
互いに異なる測定軸方向の加速度成分を測定する4つの加速度センサと、
前記4つの加速度センサを支持する支持体と
を備え、
前記4つの加速度センサそれぞれの前記測定軸方向における前記加速度成分のベクトルが互いに相殺されるように、前記支持体が前記4つの加速度センサの前記測定軸方向を保持していることを特徴とする、感震器。
【請求項2】
地震による加速度を測定するための感震器であって、
互いに異なる測定軸方向の加速度成分を測定する4つの加速度センサと、
前記4つの加速度センサを支持する支持体と
を備え、
前記4つの加速度センサにおける前記測定軸方向が互いに略等角をなすように、前記支持体が前記4つの加速度センサを支持していることを特徴とする、感震器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の感震器と、
前記4つの加速度センサのそれぞれによって測定された加速度成分のベクトル和に基づいて、前記加速度センサの故障を検出する演算部と
を備えることを特徴とする、地震計システム。
【請求項4】
前記演算部が、前記加速度成分のベクトル和と所定の閾値との大小関係に基づいて前記加速度センサの故障を検出することを特徴とする、請求項3に記載の地震計システム。
【請求項5】
前記演算部が、故障した前記加速度センサにおける前記加速度成分を、他の正常な前記加速度センサにおける前記加速度成分に基づいて算出することを特徴とする、請求項3または4に記載の地震計システム。
【請求項6】
前記演算部が、前記4つの加速度センサのそれぞれによって測定される重力加速度成分を監視することにより前記加速度センサの故障を検出することを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載の地震計システム。
【請求項7】
前記演算部が、前記加速度成分の大きさを示す加速度信号を前記加速度センサが出力するための配線の接続状態/非接続状態を、前記加速度センサの故障を検出した結果に基づいて切り替えることを特徴とする、請求項3〜6のいずれか一項に記載の地震計システム。
【請求項8】
請求項1または2に記載の感震器と、
前記4つの加速度センサからの加速度信号を記憶する記憶部と
を備えることを特徴とする、地震計システム。
【請求項9】
請求項1または2に記載の感震器と、
前記4つの加速度センサからの加速度信号を上位システムへ提供するための出力端と
を備えることを特徴とする、地震計システム。
【請求項10】
前記4つの加速度センサのうち、少なくとも3つの前記加速度センサからの加速度信号に基づいて、地震関連情報を算出する関連情報算出部をさらに備えることを特徴とする、請求項3〜9のいずれか一項に記載の地震計システム。
【請求項11】
地震関連情報を特定するための三次元直交座標系において、前記4つの加速度センサのうち2つの前記加速度センサの前記測定軸方向が前記三次元直交座標系の2つの軸からなる平面に沿うとともに、前記2つの加速度センサのうちいずれか一方の前記加速度センサの前記測定軸方向が前記三次元直交座標系の前記2つの軸のうちいずれか一方の軸に沿うように、前記感震器が配置されることを特徴とする、請求項3〜10のいずれか一項に記載の地震計システム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−10520(P2006−10520A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−188462(P2004−188462)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000143396)株式会社高見沢サイバネティックス (55)
【出願人】(592155991)株式会社高見沢メックス (1)
【Fターム(参考)】