説明

成形グリースカバー保持機構

等速ジョイントのグリースカバーのための接続システムの実施形態は、等速ジョイントのほぼ環状部分に形成された溝部分を含む。ほぼ環状部分は、内側表面によって少なくとも部分的に定められる。本システムはまた、溝部分内に少なくとも部分的に選択可能に位置付けられたグリースカバーを含む。グリースカバーは外側縁部を含む

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に等速ジョイントに関し、具体的にはそのグリースカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
等速ジョイント(CVジョイント)は車両において一般的な構成部品である。等速ジョイントは、等速回転運動が望ましい又は必要とされる場所で利用されることが多い。CVジョイントは通常、その構成部品の寿命のためグリースが塗布され、或いは他の方法で潤滑される。ジョイントは、水及び汚れなどの汚染及び異物をジョイントの外に維持しながら、グリース又は潤滑剤をジョイント内部に保持するためにシールされる。更に、ゴム、熱可塑性材料、シリコーン材料又は同様のものなどで作ることができるシールブーツは通常、シャフトが貫通して挿入された状態でCVジョイントの軸方向端部にて環状部分を封止する。反対側の軸方向端部もまた、CVジョイントを汚染からシールするためのグリースカバーで封止することができる。
【0003】
運転中、CVジョイントは、ジョイントの内側チャンバ内に過剰な内部圧力を生成する場合がある。このような場合には、ジョイントのチャンバから外側大気に加圧空気を通気させ、ジョイントの内部温度を低減することが望ましいことが多い。この機能は、シールブーツなどの構成要素を損傷し又は傷つける可能性がある望ましくない圧力がジョイントの運転中に増大するのを防ぐことができる。結果として、多くのCVジョイントは通気技術を含んでいる。既知の通気技術の実施例には、グリースキャップの中央の小孔が含まれる。しかしながら、この通気技術は、グリース又は潤滑剤の望ましくない放出を許容する可能性がある。
【0004】
図1は、中心軸A−Aを有するCVジョイント20を示している。CVジョイント20は、従動端部22と駆動端部24とを含む。CVジョイント20は更に、シャフト28に結合されたジョイント組立体26を含み、これらの間にブーツカバー組立体30が接続されている。CVジョイント20は更に、駆動端部24をシールするグリースカバー32を含む。ブーツカバー組立体30は、金属カバー34と可撓性ブーツ36とを含む。金属カバー34の一部は、ブーツ36上に圧着されてそこに取り付けられる。ブーツカバー組立体30及びグリースカバー32は、水及び汚れなどの汚染及び異物をジョイント組立体26の外に維持しながら、グリース又は潤滑剤をジョイント内部に保持することによって、運転中にCVジョイント20の可動部品を保護する。
【0005】
グリースカバー32は、通気弁(図示せず)を収容する通気弁アパーチャを含むことができる。ジョイント組立体26は、ケージ40と、第1の回転部材又はアウターレース42と、第2の回転部材又はインナーレース44と、複数のボール(図示せず)とを含む。ケージ40は、第1の回転部材42と第2の回転部材44との間にほぼ等間隔で円周方向にボールを保持する。シャフト28は、第2の回転部材44にスプライン結合されてトルクを伝達する。
【0006】
集合的に、少なくともシャフト28、ブーツカバー組立体30、第1の回転部材42、及びグリースカバー32がジョイントチャンバ48を形成する。ジョイントチャンバ48は、ケージ40、第1の回転部材42、第2の回転部材44、及びボールの間を潤滑するためにグリース又は他の潤滑剤(図示せず)を収納する。
【0007】
グリースカバー32は、少なくとも部分的に周辺縁部52により定められるほぼ円形の本体50と、図1A及び2で最もよく見えるほぼ環状のシール表面58とを有する。第1の回転部材42は、ほぼ円筒形内側表面62とほぼ環状の嵌合表面64とを有するグリースカバー端部60を有する。ガスケット70は、グリースカバー32のシール表面58と、第1の回転部材42の嵌合表面64との間に配置される。
【0008】
車両の運転中、CVジョイント20は通常、回転に起因して加熱され、結果として可動部品間の機械的摩擦を生じる。車両運転後、ジョイントチャンバ48内の圧力は通常、熱に起因して増大し、潤滑剤は通常、熱に起因して軟化し粘性が低くなる。従って、グリースカバー32は、様々な動作温度及び圧力でジョイントチャンバ48をシールすることが必要とされる。
【0009】
通常、グリースカバー32は、内側表面62と周辺縁部52との間に締まり嵌めを設けることによって第1の回転部材42に圧入される。従って、グリースカバー32を内側表面62に圧入するのに必要とされる力は、ガスケット70に対する圧縮力を定める。しかしながら、ガスケット70により発生する膨張力は、第1の回転部材42とのグリースカバー32の保持に対し反対に作用する。従って、必要とされるのは、CVジョイントに対してグリースカバーをシールするための方法及び装置である。好ましい方法により、ガスケット70のようなガスケットに対するシール力の予想可能な量がもたらされることになる。
【発明の概要】
【0010】
等速ジョイントのグリースカバーのための接続システムの実施形態は、等速ジョイントのほぼ環状部分に形成された溝部分を含む。ほぼ環状部分は、内側表面によって少なくとも部分的に定められる。本システムはまた、溝部分内に少なくとも部分的に選択可能に位置付けられたグリースカバーを含む。グリースカバーは外側縁部を含む。
【0011】
等速ジョイントの別の実施形態は、ほぼ円筒形表面を有する回転部材を含む。ほぼ円筒形表面は、溝部分によって少なくとも部分的に定められる。等速ジョイントは更に、回転部材に隣接して選択的に位置付けられたグリースカバーを含む。グリースカバーの縁部は、グリースカバーを所望の位置で少なくとも部分的に保持するように溝内に位置付けられる。
【0012】
等速ジョイントを組み立てる方法の実施形態は、ほぼ円筒形の内側表面内に溝を形成する段階と、溝内にカバー部材の一部を位置付ける段階とを含む。内側表面は、等速ジョイントの一部を定める。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】グリースカバーを示す等速ジョイントの断面図である。
【図1A】図1の領域1Aの拡大図である。
【図2】図1のグリースカバーの斜視図である。
【図3】1つの実施形態による等速ジョイントの断面図である。
【図3A】図3の領域3Aの拡大図である。
【図4】1つの実施形態によるグリースカバーの斜視図である。
【図5】グリースカバー挿入ツールを用いた等速ジョイントの1つの実施形態の部分断面図である。
【図6】図5の挿入ツールの1つの実施形態の斜視図である。
【図7】明確にするために幾つかの切断線が省略されている、組立体の種々の段階で示した図3のCVジョイントの一部分の断面図である。
【図8】明確にするために幾つかの切断線が省略されている、組立体の種々の段階で示した図3のCVジョイントの一部分の断面図である。
【図9】明確にするために幾つかの切断線が省略されている、組立体の種々の段階で示した図3のCVジョイントの一部分の断面図である。
【図10】明確にするために幾つかの切断線が省略されている、組立体の種々の段階で示した図3のCVジョイントの一部分の断面図である。
【図11】等速ジョイントの1つの実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで例証として、添付図面を参照しながら本発明を説明する。図面中の構成要素は必ずしも縮尺通りではなく、本発明の原理を明確に説明する際には強調されている。各図面は幾つかの実施形態を提示しているが、本発明をより良好に例示し説明するために、特定の特徴は誇張され、除去され、或いは部分的に区分化される場合がある。更に、本明細書に記載の実施形態は、網羅的なものではなく、本発明の請求項を図面中に示され且つ以下の詳細な説明において開示される厳密な形態及び構成に制限又は減縮するものではない。更に、図面において、同じ参照符号は複数の図全体を通じて対応する要素を示している。
【0015】
図面を参照すると、例示的な等速ジョイントが図示されている。図示の等速ジョイント及びジョイントチャンバは、車両のプロペラシャフト(プロップシャフト)で使用することができる一体鋳造型の固定等速ジョイントとすることができる。しかしながら、限定ではないが、トライポッド、固定トライポッド、又は同様のものを含む、あらゆるタイプの等速ジョイント及び等速ジョイントチャンバを本発明に従って用いることができる点は理解されたい。すなわち、当業者であれば、実質的に全てのタイプの等速ジョイントにおいて本発明により実現される利点を認識することになり、従って、本発明は、例示の実施形態に限定されるものではない。
【0016】
図3は、軸線D−Dに沿ってほぼ整列した従動端部122及び駆動端部124を有するCVジョイント120を示している。CVジョイント120は更に、シャフト128に結合されたジョイント組立体126を含む。ブーツカバー組立体130は、ジョイント組立体126とシャフト128との間に接続される。ブーツカバー組立体130は、金属カバー134及び可撓性ブーツ136を含む。カバー組立体又はグリースカバー132は、CVジョイント120の駆動端部124をシールする。
【0017】
ジョイント組立体126は、ケージ140,第1の回転部材すなわちアウターレース142,第2の回転部材すなわちインナーレース144,および,複数の(図示しない)ボールを踏む。図示のように、シャフト128は、第2の回転部材144にスプライン結合されている。
【0018】
全体として、少なくともシャフト128、ブーツカバー組立体130、及び第1の回転部材142がジョイントチャンバ148を形成する。ジョイントチャンバ48は、グリース又は他の潤滑剤(図示せず)を収納する。
【0019】
図3及び4の少なくとも一方で最もよく見られるように、グリースカバー132は、端部表面154、及び、フィンガー部すなわち縁部分156により、少なくとも部分的に定められる周辺縁部分152によって少なくとも部分的に定められたほぼ円形の本体150と、ほぼ環状のシール部分158とを有する。
【0020】
図3Aで最もよく見られるように、第1の回転部材142は、ほぼ円筒形内側表面162とほぼ環状の嵌合表面164とを有するグリースカバー端部160を有する。内側表面162は、そこに形成される溝表面168により定められる環状溝166を有する。シールリング又はシール部材170は、グリースカバー132のシール部分158と、嵌合表面164との間に配置される。シール部材170は、シール部分158とシール部材170の遠位表面172との間にほぼ延びる。
【0021】
シール部材170の遠位表面172は、以下でより詳細に検討するように、第1の回転部材142の嵌合表面164に接してシールする。図3Aは、一般にシール部分158と嵌合表面164との間で測定して距離MCの厚みを有する取付られた圧縮形態のシール部材170を示している。図7は、一般にシール部分158と遠位表面172との間で測定して距離MNの厚みを有する、取付られていない非圧縮形態のシール部材170を示している。
【0022】
内側表面162及び嵌合表面164は、第1の回転部材142内に凹部174を形成する。内側表面162、嵌合表面164、及び凹部174は、ジョイントチャンバ148の一部である。従って、グリースカバー132は、ジョイントチャンバ148の少なくとも一部をシールする。
【0023】
周辺縁部152の縁部分156は、以下で検討するように、形及び機能が異なる整列部材180と保持部材182とを含むが、他の実施形態では、一般に、1つのタイプのみの縁部分156を含むことができ、又は2つよりも多いタイプの縁部分156を含むことができる。図示の実施形態において、整列部材180及び保持部材182は、グリースカバー132から延び、凹部分184により分離される。周辺縁部152は、弾性材料で構成され、グリースカバー132を第1の回転部材142に対して軸方向に保持し、及び/又はシール部材170に対する所望の圧縮値を提供することができる。
【0024】
図3Aで分かるように、整列部材180は、保持部材182よりも大きな外径を定める。すなわち、整列部材180は、本体150のシール部分158から保持部材182よりも更に先に延びている。少なくとも保持部材182は溝166内に延びているが、他の実施形態では、溝166内に延びる整列部材180を含むことができる。シール部分158は、ツール嵌合表面186及びシール表面188により少なくとも部分的に定められる。
【0025】
図5、6及び8〜10で分かるように、挿入ツール190を用いて、グリースカバーを取り付けることができる。挿入ツール190は、ほぼ環状の嵌合部分192と拡張部分194とを有する。環状嵌合部分192は、ほぼ円筒形の外側表面196、内側支持表面198、及びグリースカバー付勢表面200を含む。図示の実施形態において、環状嵌合部分192は、部分セクションの軸線D−Dをほぼ中心とする回転の本体であるが、他の実施形態では、挿入ツール190は、回転の半径方向にセグメント化された本体から形成することができる。
【0026】
図5で最もよく見えるように、拡張部分194は、ほぼ円筒形の内側表面206、外側表面208、及びこれらから延びる複数の延長部210によって少なくとも部分的に定められた、ほぼ環状の本体204を含む。延長部210は、拡張表面214と誘導表面216(図6)とを有する。図示のように、嵌合部分192は、拡張部分内に配置され、これに対してほぼ軸線D−Dに沿って直線的に移動することが許容される。すなわち、嵌合部分192の外側表面196は、拡張部分194の内側表面206に隣接して位置付けられ、これらの間の移動を許容する。
【0027】
以下でより詳細に検討するように、延長部210は、保持部材182を溝166内に付勢し、CVジョイント120の残りの部分に対して軸方向にグリースカバー132を保持することができる。好ましくは、拡張部分194は、保持部分182の数に等しい数の延長部を有し、各延長部210は、本明細書で説明するように、グリースカバー132の1つの保持部分182と位置合わせされることになる。全体として、挿入ツール190及びCVジョイント120はグリースカバー保持システムを形成する。
【0028】
図7〜10を特に参照しながら、グリースカバー132をCVジョイント120に結合する実施形態を以下にように説明する。グリースカバー132は、挿入ツール190に隣接して位置付けられ、グリースカバー付勢表面200が、グリースカバー132のツール嵌合表面186と接触し、保持部材182が延長部210(図8)と整列するようにされる。
【0029】
グリースカバー132及び挿入ツール190は、ユーザ又は操作者(図示せず)により第1の回転部材142のグリースカバー端部160と同軸で軸方向に整列して位置付けられる。或いは、グリースカバー132は、最初にグリースカバー端部160と、次いで、挿入ツール190と整列させることができる。
【0030】
次いで、挿入ツール190の嵌合部分192がグリースカバー端部1602対して第1の方向Fで付勢されると、グリースカバー132及び第1の回転部材142は共に付勢され、グリースカバー132の周辺縁部152は内側表面162に接触することができる。
【0031】
挿入ツール190は、シャフト128に向けて軸線D−Dにほぼ沿って誘導される。次いで、グリースカバー付勢表面200がツール嵌合表面186に力を作用させると、シール部材170が嵌合表面164に接触するまで、グリースカバー132は第1の方向Fに更に付勢される。
【0032】
図9に示すように、シール部材170が圧縮され、保持部材182の端部表面154が溝表面168を越えて付勢されるまで、グリースカバー132が更に付勢される。端部表面154が溝表面168を越えて付勢された後、次いで、嵌合部分192がCVジョイント120に対してほぼ一定の位置に保持されるので、挿入ツール190の拡張部分194はCVジョイント120に対して第1の方向Fで移動される。拡張部分194が第1の方向Fで移動されるので、延長部210の拡張表面214は、各保持部材182の一部分が溝166内に延びるにつれて、保持部材182を半径方向外向きに付勢する。
【0033】
次に、挿入ツール190を次のようにCVジョイント120から取り外すことができる。嵌合部分192は、シール部材170がシール部分158と嵌合表面164との間を弾性的に延びると、第2の方向Sで付勢される。挿入ツール190は、保持部材182の端部表面154の少なくとも一部が溝表面168の少なくとも一部と接触するまで、第2の方向Sで更に付勢される。好ましくは、端部表面154は、溝表面168に拘束的に接触する。次いで、挿入ツール190は、挿入ツール190とグリースカバー132との間で接触しなくなるまで、方向Sに更に付勢される。
【0034】
グリースカバー132の材料は、金属材料であるのが好ましく、バネ用金属又は亜鉛めっき低炭素鋼であってもよい。グリースカバー132はまた、金属性外周152で囲まれたプラスチック、ナイロン、又は何らかの非金属材料であってもよい。
【0035】
図7に示す実施形態では、シール部材170は、グリースカバー132のシール部分158に一体的に成形され、或いは他の方法で取り付けられる。シール部材170は、シール部分158と遠位表面172との間をほぼ延びている。図11の実施形態では、シール部材170は、シールリングがグリースカバー132に成形されていない代替の実施形態に示されている。また、図11の実施形態に示されるように、溝166は、内側表面162内に形成された別個の溝部分266として形成される。理解されるように、各保持部材182は、望ましくは、溝部分266内に位置付けられ、第1の回転部材142に対してグリースカバー132を軸方向に保持することができる。
【0036】
代替の実施形態において、保持部材182は、グリースカバー132がCVジョイント120内に取り付けられたときに第1の回転部材142の内側表面162と付勢接触するように、グリースカバー132から延びることができる。次いで、グリースカバー132が偏位を許容するほど十分に第1の方向Fに移動すると、保持部材182は、溝166(又は溝部分266)内に弾性的に偏位することができ、これにより、拡張部分194及び/又は挿入ツール190が無くともグリースカバー132の取り付けができるようになる。
【0037】
上記の説明は、本発明の方法及びシステムの例示的な実施形態を図示し説明するためだけに提示されている。この説明は、網羅的なものではなく、本発明を開示された何らかの厳密な形態に限定するものではない。本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができ、本発明の要素を均等物で置き換え得ることは当業者であれば理解されるであろう。加えて、本質的な範囲から逸脱することなく、本発明の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるために多くの修正を行うことができる。従って、本発明は、本発明を実施するために企図された最良のモードとして開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、請求項の範囲内にある全ての実施形態を含むことになる。或いは、本発明は、その精神又は範囲から逸脱することなく具体的に説明され図示されたもの以外を実施することができる。本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ限定される。
【符号の説明】
【0038】
132 カバー組立体又はグリースカバー
150 ほぼ円形の本体
154 端部表面
156 フィンガー部すなわち縁部分
180 整列部材
182 保持部材
184 凹部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
等速ジョイントのグリースカバーのための接続システムであって、
内側表面によって少なくとも部分的に定められる、前記等速ジョイントのほぼ環状部分に形成された溝部分と、
前記溝部分内に少なくとも部分的に選択可能に位置付けられ、外側縁部を含むグリースカバーと、
を備える、ことを特徴とする接続システム。
【請求項2】
前記内側表面がほぼ円筒形である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ほぼ環状部分が、前記等速ジョイントのアウターレースである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記グリースカバーの縁部が複数のフィンガー部を含み、各フィンガー部が端部表面により少なくとも部分的に定められ、前記端部表面の少なくとも一部が、溝部分の一部を定める表面の少なくとも一部に拘束的に係合して、グリースカバーを前記ほぼ環状部分に対して所望の軸方向位置で保持するようにする、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記グリースカバーの一部に成形されたシールリングを更に備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記グリースカバーが、前記溝部分の表面部分に選択的に接触する周辺端部表面によって少なくとも部分的に定められる、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記溝部分の一部内に前記グリースカバーの縁部の少なくとも一部を半径方向に延びる挿入ツールを更に備え、前記挿入ツールが、前記グリースカバーの縁部に選択的に接触するための拡張表面を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記挿入ツールがと嵌合部分とを含み、前記拡張部分が前記嵌合部分に対して軸方向に選択的に移動可能であり、前記嵌合部分が、前記グリースカバーに選択的に接触して、前記ほぼ環状部分に対して前記グリースカバーを位置付けるようにする、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記グリースカバーと前記溝部分との間の締まり嵌めが、前記ほぼ環状部分に対して前記グリースカバーを選択的に位置付ける、
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
溝部分によって少なくとも部分的に定められたほぼ円筒形表面を有する回転部材と、
前記回転部材に隣接して選択的に位置付けられたグリースカバーと、
を備え、
前記グリースカバーの縁部の少なくとも一部が、前記回転部材に対して所望の軸方向位置で前記グリースカバーを少なくとも部分的に保持するように前記溝内に位置付けられる、
ことを特徴とする等速ジョイント。
【請求項11】
前記溝部分が前記円筒形表面からほぼ半径方向外向きに延びており、前記円筒形表面が、前記回転部材内の凹部を形成する内部表面である、
ことを特徴とする、請求項10に記載の等速ジョイント。
【請求項12】
前記グリースカバーの縁部が複数のフィンガー部を含み、各フィンガー部が端部表面によって少なくとも部分的に定められ、前記端部表面の少なくとも一部が、前記溝部分の一部を定める表面の少なくとも一部を拘束的に係合して、前記グリースカバーを前記回転部材に対して所望の軸方向位置で保持するようにする、
ことを特徴とする、請求項10に記載の等速ジョイント。
【請求項13】
前記端部表面の少なくとも一部が、前記溝部分の一部を定める表面に接触しない、
ことを特徴とする、請求項12に記載の等速ジョイント。
【請求項14】
前記溝部分がほぼ連続した溝である、
ことを特徴とする、請求項10に記載の等速ジョイント。
【請求項15】
前記縁部が、複数の端部表面部分によって定められ、前記端部表面部分の少なくとも一部が、前記溝部分の一部を定める表面に拘束的に係合して、前記グリースカバーを前記回転部材に対して所望の軸方向位置で保持する、
ことを特徴とする、請求項10に記載の等速ジョイント。
【請求項16】
前記縁部の一部が前記溝内に位置付けられない、
ことを特徴とする、請求項10に記載の等速ジョイント。
【請求項17】
前記グリースカバーの複数の表面部分が前記溝の表面部分に拘束的に係合して、シール部材に対して所望の圧縮量を維持するようにする、
ことを特徴とする、請求項10に記載の等速ジョイント。
【請求項18】
前記回転部材が、前記等速ジョイントのアウターレースである、
請求項10に記載の等速ジョイント。
【請求項19】
等速ジョイントを組み立てる方法であって、
前記等速ジョイントの一部を定めるほぼ円筒形の内側表面内に溝を形成する段階と、
前記溝内にカバー部材の一部を位置付ける段階と、
を含む方法。
【請求項20】
前記位置付ける段階が、挿入ツールを用いて前記溝内に前記縁部の少なくとも一部を拡張させる段階を含む、
請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−513824(P2010−513824A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543135(P2009−543135)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/087898
【国際公開番号】WO2008/077021
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(393002852)ジーケーエヌ・ドライブライン・ノースアメリカ・インコーポレーテッド (20)
【Fターム(参考)】