説明

成形体

【課題】
難燃剤を添加しなくても難燃性に優れ、誘電率及び誘電正接が低く、かつ柔軟性に優れた被覆材と基材とを有する成形体及び基材に通電したときに伝送損失の少ない成形体、特に電線やケーブルの提供。
【解決手段】
(1)(A)液晶ポリエステルを連続相とし、(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物を基材に被覆してなる成形体、(2)当該液晶ポリエステル樹脂組成物からなる被覆層を有する成形体及び(3)当該樹脂組成物を被覆してなる電線またはケーブル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ポリエステル樹脂組成物を基材に被覆してなる成形体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、情報化社会の中で様々な通信網を構築するための電線やケーブルの需要が増大している。特にケーブルテレビ、携帯電話の普及により高周波域でより低損失な伝送特性を示す電気特性の優れた電線やケーブルが広く市場から要望されるところである。広く上市されている被覆材料としてはポリエチレンやポリ塩化ビニル等が挙げられる。しかし、例えばポリエチレンは電気特性に優れるものの、耐火性が劣っており、またポリ塩化ビニルは耐火性に優れるもののハロゲン元素を含むことから、廃棄後の燃焼時に有害なガスを発生するなど、市場の要望を十分満足するものにはなっていない。
【0003】
一方、液晶ポリエステル等の溶融型液晶(サーモトロピック液晶)ポリマーは、耐熱性、高強度、耐衝撃性を示す反面、分子鎖方向の配向性が高く分子鎖に垂直な方向には柔軟性を示さないので、被覆材料として用いた場合に亀裂を生じるなどの問題があった。
【0004】
このような状況の中で、特許文献1にはオレフィン樹脂に液晶ポリマーを加えることで耐磨耗性に優れた被覆材が得られることが開示されているが、難燃性に劣るため、さらに難燃化剤として金属水酸物を添加することが必要となり、リサイクル性に問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開2002−146120号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、難燃剤を添加しなくても難燃性に優れ、誘電率及び誘電正接が低く、かつ柔軟性に優れた被覆材と基材とを有する成形体及び基材に通電したときに伝送損失の少ない成形体、特に電線やケーブルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は(1)(A)液晶ポリエステルを連続相とし、(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物を基材に被覆してなる成形体、(2)当該液晶ポリエステル樹脂組成物からなる被覆層を有する成形体及び(3)当該樹脂組成物を被覆してなる電線またはケーブルにかかるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤を含むことを必須とせず、難燃性に優れ、また誘電率、誘電損失が低く、柔軟性に優れた被覆材を有する成形体が提供され、基材に通電したときに伝送損失の少ない成形体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明を更に詳細に説明する。
本発明における液晶ポリエステル樹脂組成物の成分(A)の液晶ポリエステルは、サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルである。
【0010】
具体的には、
(1)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン酸との組み合わせからなるもの。
(2)異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸の組み合わせからなるもの。
(3)芳香族ジカルボン酸と核置換芳香族ジオールとの組み合わせからなるもの。
(4)ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応させて得られるもの。
などが挙げられ、400℃以下の温度で異方性溶融体を形成するものである。なお、これらの芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシカルボン酸の代わりに、それらのエステル形成性誘導体が使用されることもある。
【0011】
該液晶ポリエステルの繰返し構造単位としては、下記の(d)芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し構造単位、(e)芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位、(f)芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単位を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
(d)芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位:

【0013】


【0014】
(e)芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位:

【0015】

【0016】
(f)芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単位:

【0017】
耐熱性、機械的特性、加工性のバランスから特に好ましい液晶ポリエステルは


なる繰り返し構造単位を含むものであり、さらに好ましくはかかる繰り返し構造単位を少なくとも全体の30モル%以上含むものである。具体的には繰り返し構造単位の組み合わせが下記(I)〜(VI)のいずれかのものが好ましい。
【0018】

【0019】

【0020】


【0021】

【0022】

【0023】

【0024】
該液晶ポリエステル(I)〜(VI)の製法については、例えば特公昭47−47870号公報、特公昭63−3888号公報、特公昭63−3891号公報、特公昭56−18016号公報、特開平2−51523号公報などに記載されている。これらの中で好ましくは(I)、(II)、(IV)の組み合せであり、さらに好ましくは(I)、(II)の組み合せが挙げられる。
【0025】
本発明において、高い耐熱性が要求される分野には成分(A)の液晶ポリエステルが、下記の繰り返し単位(a’)が30〜80モル%、繰り返し単位(b’)が0〜10モル%、繰り返し単位(c’)が10〜25モル%、繰り返し単位(d’)が10〜35モル%からなる液晶ポリエステルが好ましく使用される。
【0026】

(式中、Arは2価の芳香族基である。)
【0027】
本発明の成形体において、環境問題の見地から使用後の焼却などの廃棄の容易さが求められる分野には、ここまで挙げたそれぞれに要求される分野の好ましい組み合わせの中で特に炭素、水素、酸素のみの元素からなる組み合わせによる液晶ポリエステルが特に好ましく使用される。
【0028】
本発明における液晶ポリエステル樹脂組成物からなる層に用いられる成分(B)は、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体である。このような液晶ポリエステルと反応性を有する官能基としては、液晶ポリエステルと反応性を有すれば何でもよく、具体的には、オキサゾリル基やエポキシ基、アミノ基等が挙げられる。好ましくは、エポキシ基である。
エポキシ基等は他の官能基の一部として存在していてもよく、そのような例としては例えばグリシジル基が挙げられる。
【0029】
共重合体(B)において、このような官能基を共重合体中に導入する方法としては特に限定されるものではなく、周知の方法で行うことができる。例えば共重合体の合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合により導入することも可能であるし、共重合体に該官能基を有する単量体をグラフト共重合することも可能である。
【0030】
液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する単量体、中でもグリシジル基を含有する単量体としては、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテルが好ましく用いられる。
【0031】
不飽和カルボン酸グリシジルエステルは、好ましくは一般式

(Rは、エチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜13の炭化水素基である。)
で表される化合物であり、また不飽和グリシジルエーテルは、好ましくは一般式

(Rは、エチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜18の炭化水素基であり、Xは、−CH2−O−または

である。)
で表される化合物である。
【0032】
具体的には、不飽和カルボン酸グリシジルエステルとしては、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、イタコン酸ジグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、p−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどを挙げることができる。
不飽和グリシジルエーテルとしては、例えばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル等が例示される。
【0033】
上記の液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)は、好ましくは、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位を0.1〜30重量%含有する共重合体であり、更に好ましくは1.0〜25重量%含有する共重合体である。
【0034】
また、上記の液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)は、熱可塑性樹脂であってもゴムであってもよいし、熱可塑性樹脂とゴムの混合物であってもよい。ゴムがより成形体の熱安定性や柔軟性に優れ好ましい。
【0035】
さらに好ましくは、上記の液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)としては、結晶の融解熱量が3J/g未満の共重合体が好ましい。
また、共重合体(B)としては、ムーニー粘度が3〜70のものが好ましく、3〜30のものがさらに好ましく、4〜25のものが特に好ましい。
ここでいうムーニー粘度は、JIS K6300に準じて100℃ラージローターを用いて測定した値をいう。
【0036】
ここでいうゴムとは、新版高分子辞典(高分子学会編、1988年出版、朝倉書店)による室温にてゴム弾性を有する高分子物質に該当するものであり、その具体例としては、天然ゴム、ブタジエン重合体、ブタジエン−スチレン共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合体(SEBSゴムまたはSBSゴム等を含む)、グラフト共重合体などすべて含まれる)又はその水素添加物、イソプレン重合体、クロロブタジエン重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチレン重合体、イソブチレン−ブタジエン共重合体ゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリル酸エステル−エチレン系共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−スチレン共重合体ゴム、スチレン−イソプレン共重合体ゴム、スチレン−ブチレン共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン共重合体ゴム、パーフルオロゴム、ふっ素ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム、チオールゴム、多硫化ゴム、ポリウレタンゴム、ポリエーテルゴム(例えばポリプロピレンオキシド等)、エピクロルヒドリンゴム、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等が挙げられる。中でも、アクリル酸エステル−エチレン系共重合体が好ましく用いられ、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン系共重合体ゴムがさらに好ましい。
【0037】
これらのゴム様物質は、いかなる製造法(例えば乳化重合法、溶液重合法等)、いかなる触媒(例えば過酸化物、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化リチウム、ニッケル系触媒等)でつくられたものでもよい。
【0038】
そして本発明においては、共重合体(B)としてのゴムは上記のようなゴムにおいて、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するゴムである。
このようなゴムにおいて、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基をゴム中に導入する方法としては、特に限定されるものではなく、周知の方法で行うことができる。例えばゴムの合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合により導入することも可能であるし、ゴムに該官能基を有する単量体をグラフト共重合することも可能である。
【0039】
液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)の具体例として、エポキシ基を有するゴムとしては、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムを挙げることができる。
【0040】
ここで(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸またはメタクリル酸とアルコールから得られるエステルである。アルコールとしては、炭素原子数1〜8のアルコールが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチルアクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどを挙げることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルとしては、その一種を単独で使用してもよく、または二種以上を併用してもよい。
【0041】
好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル単位が40〜96.9重量%、さらに好ましくは45〜70重量%、エチレン単位が3〜50重量%、さらに好ましくは10〜49重量%、不飽和カルボン酸グリシジルエーテル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%である。
【0042】
このような共重合体ゴムの(メタ)アクリル酸エステル単位が40重量%以上であるとゴム弾性が上がり、組成物の耐衝撃性改良の効果が大きくなる。また(メタ)アクリル酸エステル単位が96.9重量%以下であると、該共重合体ゴムの脆化点が低くなり、組成物の低温での機械的性質が向上するので好ましい。
また、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1重量%以上であると、組成物の耐衝撃性が向上し、30重量%以下であると組成物の剛性が上がるため好ましい。
【0043】
該共重合体ゴムは、通常の方法、例えばフリーラジカル開始剤による塊状重合、乳化重合、溶液重合などによって製造することができる。なお、代表的な重合方法は、特公昭46−45085号公報、特公昭61−127709号公報などに記載された方法、フリーラジカルを生成する重合開始剤の存在下、圧力500kg/cm2以上、温度40〜300℃の条件により製造することができる。
【0044】
本発明の共重合体(B)に使用できるゴムとして他には、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するアクリルゴムや、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体ゴムも例示することができる。
【0045】
ここでいうアクリルゴムとして好ましくは、一般式(1)

(式中、R1は、炭素原子数1〜18のアルキル基またはシアノアルキル基を示す。)、
一般式(2)

(式中、R2は、炭素原子数1〜12のアルキレン基、R3は炭素原子数1〜12のアルキル基を示す。)および
一般式(3)

(式中、R4は、水素原子またはメチル基、R5は、炭素原子数3〜30のアルキレン基、R6は、炭素原子数1〜20のアルキル基またはその誘導体、nは1〜20の整数を示す。)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の単量体を主成分とするものである。
【0046】
上記一般式(1)で表されるアクリル酸アルキルエステルの具体例としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、アクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、シアノエチルアクリレートなどを挙げることができる。
【0047】
また、上記一般式(2)で表されるアクリル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えばメトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルアクリレートなどを挙げることができる。これらの1種あるいは2種以上を該アクリルゴムの主成分として用いることができる。
【0048】
かかるアクリルゴムの構成成分として、必要に応じて上記の一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体と共重合可能な不飽和単量体を用いることができる。
このような不飽和単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、ハロゲン化スチレン、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルナフタレン、N−メチロールアクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ベンジルアクリレート、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。
【0049】
液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するアクリルゴムの好ましい構成成分比は、上記の一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体40.0〜99.9重量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル0.1〜30.0重量%、上記の一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体と共重合可能な不飽和単量体0〜30.0重量%である。
該不飽和単量体は任意成分であり、含まれなくとも良い。
該アクリルゴムの構成成分比が上記の範囲内であると、組成物の耐熱性や耐衝撃性、成形加工性が良好であり好ましい。
【0050】
該アクリルゴムの製法は特に限定するものではなく、例えば特開昭59−113010号公報、特開昭62−64809号公報、特開平3−160008号公報、あるいはWO95/04764などに記載されているような周知の重合法を用いることができ、ラジカル開始剤の存在下で乳化重合、懸濁重合、溶液重合あるいはバルク重合で製造することができる。
【0051】
前記液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体ゴムとして、好ましくは、(i)ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とするシーケンスと(ii)共役ジエン化合物を主体とするシーケンスからなるブロック共重合体をエポキシ化して得られるゴム、または該ブロック共重合体の水添物をエポキシ化して得られるゴムが挙げられる。
【0052】
ビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体あるいはその水添物は、周知の方法で製造することができ、例えば、該方法は特公昭40−23798号公報、特開昭59−133203号公報等に記載されている。
【0053】
ビニル芳香族炭化水素化合物としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレンなどを挙げることができ、中でもスチレンが好ましい。
共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、ピレリレン、1,3−ペンタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができ、ブタジエンまたはイソプレンが好ましい。
【0054】
共重合体(B)として用いるゴムとして、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムが挙げられる。
【0055】
共重合体(B)として用いるゴムは、必要に応じて加硫を行い、加硫ゴムとして用いることができる。
上記の(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムの加硫は、多官能性有機酸、多官能性アミン化合物、イミダゾール化合物などを用いることで達成されるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
また、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)の具体例として、エポキシ基を有する熱可塑性樹脂としては(a)エチレン単位が50〜99重量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が0〜50重量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合体を挙げることができる。
(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位は、任意成分であり含まれなくてもよい。
【0057】
エチレン系不飽和エステル化合物(c)としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のカルボン酸ビニルエステル、α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル等が挙げられる。特に酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
【0058】
該エポキシ基含有エチレン共重合体の具体例としては、たとえばエチレン単位とグリシジルメタクリレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およびアクリル酸メチル単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およびアクリル酸エチル単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位および酢酸ビニル単位からなる共重合体等が挙げられる。
【0059】
該エポキシ基含有エチレン共重合体のメルトインデックス(以下、MFRということがある。JIS K6760、190℃、2.16kg荷重)は、好ましくは0.5〜100g/10分、更に好ましくは2〜50g/10分である。メルトインデックスはこの範囲外であってもよいが、メルトインデックスが100g/10分を越えると組成物にしたときの機械的物性の点で好ましくなく、0.5g/10分未満では成分(A)の液晶ポリエステルとの相溶性が劣り好ましくない。
【0060】
また、該エポキシ基含有エチレン共重合体は、曲げ剛性率が10〜1300kg/cm2の範囲のものが好ましく、20〜1100kg/cm2のものがさらに好ましい。
曲げ剛性率がこの範囲外であると組成物の成形加工性や機械的性質が不十分となる場合があり好ましくない。
【0061】
該エポキシ基含有エチレン共重合体は、通常不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発生剤の存在下、500〜4000気圧、100〜300℃で適当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に共重合させる高圧ラジカル重合法により製造される。また、ポリエチレンに不飽和エポキシ化合物およびラジカル発生剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方法によっても作られる。
【0062】
本発明における液晶ポリエステル樹脂組成物は、上記の液晶ポリエステルを含有する樹脂組成物であり、(A)液晶ポリエステルを連続相とし(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体を分散相とする樹脂組成物である。
液晶ポリエステルが連続相でない場合には、液晶ポリエステル樹脂組成物を被覆してなる成形体の電気特性、耐熱性などが著しく低下して好ましくない。
【0063】
このような官能基を有する共重合体と液晶ポリエステルとの樹脂組成物においては、機構の詳細は不明ではあるが、該組成物の成分(A)と成分(B)との間で反応が生起し、成分(A)が連続相を形成するとともに成分(B)が微細分散し、そのために該組成物の成形性が向上するものと考えられる。
【0064】
本発明における液晶ポリエステル樹脂組成物の一実施態様は、(A)液晶ポリエステル56.0〜99.9重量%、好ましくは65.0〜99.9重量%、さらに好ましくは70〜98重量%、および(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体44.0〜0.1重量%、好ましくは35.0〜0.1重量%、さらに好ましくは30〜2重量%を含有する樹脂組成物である。
成分(A)が56.0重量%以上であると該組成物を被覆してなる成形体の難燃性がより向上し、誘電率、誘電損失が低くなるため好ましい。また成分(A)が99.9重量%以下であると被覆材の配向性がより小さくなり、被服体を折り曲げた時に破断を起こし難く、柔軟性が保たれるので、好ましい。
【0065】
本発明における液晶ポリエステル樹脂組成物を製造する方法としては、周知の方法を用いることができる。たとえば、溶液状態で各成分を混合し、溶剤を蒸発させるか、溶剤中に沈殿させる方法が挙げられる。工業的見地からみると溶融状態で各成分を混練する方法が好ましい。溶融混練には、一般に使用されている一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混練装置を用いることができる。特に二軸の高混練機が好ましい。
溶融混練に際しては、混練装置のシリンダー設定温度は200〜360℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは230〜350℃である。
【0066】
混練に際しては、各成分は予めタンブラーもしくはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均一に混合してもよいし、必要な場合には混合を省き、混練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いることができる。
【0067】
本発明に使用する液晶ポリエステル樹脂組成物においては、所望により無機充填剤が用いられる。このような無機充填剤としては、炭酸カルシウム、タルク、クレー、シリカ、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナ、石膏、ガラスフレーク、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸カリウム繊維等が例示される。
【0068】
本発明に使用する液晶ポリエステル樹脂組成物に、必要に応じて、さらに、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、無機または有機系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良剤などの各種の添加剤を製造工程中あるいはその後の加工工程において添加することができる。
【0069】
本発明の成形体は(A)液晶ポリエステルを連続相とし、(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物を基材に被覆してなるものである。また、本発明の成形体は基材の周囲に、(A)液晶ポリエステルを連続相とし、(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物からなる被覆層を有するものである。
本発明の多層成形体の製造方法は、特に制限するものではなく、周知の方法で行うことができる。例えば、チュービング方式の押出機から樹脂を溶融状態で、円状の流路を有する環状ダイスに押出し、環状ダイスの中心部から基材を同時に被覆する押出成型方法、樹脂が溶解しうる溶剤に溶かし、その溶液に基材を浸漬した後に溶剤を除去する方法、樹脂を粉体としたのち、基材に吹き付け、加熱溶融させることで被覆する方法などが挙げられるが、押出成型が好適に用いられる。
【0070】
本発明における樹脂組成物は、特に難燃材を加えなくても延焼しない、いわゆる自己消化性の樹脂であるが、一般的に用いられる難燃化剤であるハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤を用いることができる。
本発明における基材として、例えば光または電気の導体が挙げられる。基材が電気の導体である場合には該導体は通電する材質であれば特に限定はないが、通電性能との観点から鉄、アルミニウム、金、銀、銅などの金属単体か、あるいはこれら金属を50重量%以上含む合金が好適に用いられる。
【0071】
基材が光の導体である場合には、該導体は屈折率の異なる2種の透明材料の多層構造からなることが好ましい。該導体の材質としては二酸化シリコン、シリカなどからなるガラス、またはアクリル樹脂、フッ素系樹脂などからなるプラスチックが挙げられ、2種のガラスの組合せ、2種のプラスチックの組合せ、またはガラスとプラスチックの組合せが好適である。これらは光ファイバーとして好適に用いられる。
【0072】
本発明における成形体に関し、基材と被覆材との接着性を向上させる目的で導体に表面処理を施すことができる。具体的にはプライマー処理、表面研削、紫外線照射処理、コロナ放電処理、プラズマ処理などの手法が好適に用いられる。
【0073】
被覆樹脂の厚みは、被覆材料の特性を維持できれば、0.01〜10mmの範囲で任意に調整することができる。好ましくは0.03〜5mm、さらに好ましくは0.1〜2mmの範囲で被覆される。厚みが0.01mm未満であると絶縁性が不十分となり好ましくない。また10mmを超えると被覆材の柔軟性が損なわれて好ましくない。
本発明の成形体は電線やケーブルとして好ましく用いられる。
【0074】
本発明で得られる電線またはケーブルは、耐薬品性、引張伸び、難燃性に優れ、高周波域における誘電特性に優れることから高周波同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、計装ケーブル等の各種電線またはケーブルに好適に用いられる。
【0075】
上記において、本発明の実施の形態について説明を行なったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。
【実施例】
【0076】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これらは単なる例示であり、本発明はこれらに限定されることはない。
【0077】
(1)誘電率測定
シリンダー温度290℃に設定した射出成型機にて、樹脂ペレットから厚さ2mmの試験板を作成し、Hewlett Packard社製 HP4291A RFインピーダンス/マテリアル・アナライザーを用い23℃、50%RH条件下で1GHzにおける誘電率、誘電正接を測定した。
(2)燃焼試験
UL−94VTM規格に従い燃焼性を測定した。試験片は原料をプレス成型し、厚み0.1mmのシートを得た後、縦200mm、横50mmの短冊片を切出し、用いた。
(3)柔軟性(屈曲試験)
被覆銅線の被覆部を200mm長さに切出し、さらに引き取り方向に切り目を入れて切り開き、被覆材のみからなる短冊状の試験片を得た。得られた試験片を東洋精機(株)製MIT屈曲試験機Folding Endurance Tester MIT−D型を使用し、JIS P−8115に準拠して、荷重1kgf、折り曲げ面曲率半径2mm、折り曲げ速度135回/分で屈曲試験を行い、試験片が破断に至る回数を測定した。
参考例1(1)成分(A)の液晶ポリエステル
p−ヒドロキシ安息香酸16.6kg(120モル)と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸8.4kg(45モル)および無水酢酸18.6kg(182モル)を櫛型撹拌翼付きの重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら昇温し、320℃で1時間、そしてさらに2.0torrの減圧下に320℃で1時間重合させた。この間に、副生する酢酸を系外へ留出し続けた。その後、系を除々に冷却し、180℃で得られたポリマーを系外へ取出した。
この得られたポリマーを細川ミクロン(株)製のハンマーミルで粉砕し、2.5mm以下の粒子とした。これを更にロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気下に240℃で5時間処理することによって、流動開始温度が270℃の粒子状の下記繰り返し単位からなる全芳香族ポリエステルを得た。
以下該液晶ポリエステルをA−1と略記する。このポリマーは加圧下で280℃以上で光学異方性を示した。
液晶ポリエステルA−1の繰り返し構造単位の比率は次の通りである。
【0078】

なお、ここでいう流動開始温度は、毛細管レオメーター((株)島津製作所製フローテスターCFT−500)を用い、4℃/分の昇温速度で加熱溶融された樹脂を100kg/cm2 の加重下で、内径1mm、長さ10mmのノズルから押し出したときに、該溶融粘度が48,000ポイズを示す温度である。
【0079】
(2)成分(B−1)
特開昭61−127709号公報の実施例5に記載の方法に準じて、アクリル酸メチル/エチレン/グリシジルメタクリレート=59.0/38.7/2.3(重量比)、ムーニー粘度=15のゴムを得た。以下該ゴムをB−1と略称することがある。
ここでムーニー粘度は、JIS K6300に準じて100℃、ラージローターを用いて測定した値である。また、融解熱は0.01J/gの感度を有するShimazdu社製DSC−50を用いて、10mgのサンプルにつき、走査温度10℃/min.で測定した。融点は検出できず、融解熱は測定できなかった。
【0080】
(3)成分(B−2)
住友化学(株)製ボンドファースト7Lを使用した。共重合体組成は、アクリル酸メチル/エチレン/グリシジルメタクリレート=30/67/3(重量比)である。以下該共重合体をB−2と略称することがある。
【0081】
参考例2
A−1を93重量%、およびB−1を7重量%の配合比で、日本製鋼(株)製TEX−30型二軸押出機を用いて、シリンダー設定温度290℃、スクリュー回転数220rpmで溶融混練を行ってA−1を連続相とし、B−1を分散相とする組成物ペレットを得た。該ペレットをP−1と略す。
【0082】
参考例3
A−1を97重量%、およびB−2を3重量%の配合比に変えた以外は参考例2と同様にして組成物ペレットを得た。A−1を連続相、B−2を分散相となっていた。該ペレットをP−2と略す。
【0083】
参考例4
A−1を50重量%、およびB−2を50重量%の配合比に変えた以外は参考例2と同様にして組成物ペレットを得た。得られた組成物の一部はB−2が連続層となっていた。該ペレットをP−3と略す。
【0084】
実施例1導体の被覆
樹脂被覆電線の形状にするため、チューブラー式押出成型機を用いて被覆成形体を試作した。ダイス中心部から導体(断面積:1.0mm2。素線径0.50mmの軟銅線5本を撚り合わせて圧縮したもの)にP−1を被覆材として厚みを0.1mmとして、樹脂組成物の被覆を施した。その際使用したダイス・ニップルは1.50mmφおよび1.25mmφのものを使用し、押出温度は、シリンダーを290℃、ダイスを280℃の条件とし線速を30m/分の速度で押出した。
【0085】
実施例2
液晶ポリエステルP−1を液晶ポリエステル樹脂組成物P−2に変えた以外は実施例1と同様にして被覆銅線を得た。
【0086】
比較例1
P−1の代わりにA−1を使用した以外は実施例1と同様にして被覆銅線を得た。
【0087】
比較例2
液晶ポリエステルP−1を液晶ポリエステル樹脂組成物P−3に変えた以外は実施例1と同様にして被覆銅線を得た。
【0088】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明の成形体は難燃性に優れ、また誘電率、誘電損失が低く、柔軟性に優れるので、電気の導体としては電線、電気ケーブル等に、光の導体としては光ファイバー、光ケーブル等に用いられ得る。また、特に誘電率、誘電損失が小さいことから、ギガヘルツ帯以上の高周波ケーブル等に用いた場合、優れた伝送特性を示し、高い信頼性が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)液晶ポリエステルを連続相とし、(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物を基材に被覆してなる成形体。
【請求項2】
基材の周囲に、(A)液晶ポリエステルを連続相とし、(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物からなる被覆層を有する成形体。
【請求項3】
液晶ポリエステル樹脂組成物が、(A)液晶ポリエステル56.0〜99.9重量%、および(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体44.0〜0.1重量%を含有する組成物であることを特徴とする請求項1または2に記載の成形体。
【請求項4】
液晶ポリエステルと反応性を有する官能基が、オキサゾリル基、エポキシ基またはアミノ基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の成形体。
【請求項5】
液晶ポリエステルと反応性を有する官能基が、エポキシ基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の成形体。
【請求項6】
液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)が、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位を0.1〜30重量%含有する共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の成形体。
【請求項7】
液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)が、(メタ)アクリル酸エステル単位が40〜96.9重量%、エチレン単位が3〜50重量%、不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%からなるゴムであることを特徴とする請求項1〜6記載の成形体。
【請求項8】
液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)が、(a)エチレン単位が50〜99重量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が0〜50重量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の成形体。
【請求項9】
液晶ポリエステル(A)が、下記の繰り返し構造単位を少なくとも全体の30モル%含むものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の成形体。


【請求項10】
液晶ポリエステル(A)が、芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを反応させて得られるものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の成形体。
【請求項11】
液晶ポリエステル(A)が、異種の芳香族ヒドロキシカルボン酸の組合せを反応させて得られるものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載の成形体。
【請求項12】
基材が電気の導体であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか記載の成形体。
【請求項13】
基材が光の導体であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか記載の成形体。
【請求項14】
基材が金属であり電気の導体であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか記載の成形体。
【請求項15】
基材が鉄、アルミニウム、金、銀、銅の単体からなるか、これら金属単体のうち1つを50重量%以上含む金属合金からなる金属導線であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか、または14に記載される成形体。
【請求項16】
基材がガラスまたはプラスチックからなる光の導線であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかまたは請求項13に記載される成形体。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一つの請求項に記載される樹脂組成物を被覆してなる電線またはケーブル。



【公開番号】特開2006−224319(P2006−224319A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−37394(P2005−37394)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】