成形食品物品を製造するための装置および方法
本発明は、粘弾性を有する食品、特にモッツァレラまたはマスカルポーネのような、パン生地のような粘弾性を有する新鮮なチーズから、成形された食料品を製造するための装置および方法に関する。本発明によれば、成形された中空領域が使用され、その中に粘弾性を有する食料品の塊がプレスされ、ついで切断又は押出される。成形された塊が型から取りだされた後に変形することを防止するために、本発明の装置は中空の成形領域または小穴(5)を使用し、そのような変形を補償する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブルおよび請求項15のプレアンブルにしたがって、特には、たとえばモッツァレラまたはマスカルポーネのような、パン生地のような粘弾性を有する新鮮なチーズから、成形された粘弾性を有する食品を製造する方法および装置に関する。
【0002】
そのような装置および方法において、加圧された粘弾性を有する食品(例えば新鮮なチーズ)の塊は、動いている壁のくぼみ(小穴)に押され、これらのくぼみ内で流れに乗って移動され、加圧された粘弾性を有する食品の塊の他の部分から分離される。その結果、粘弾性を有する食品の塊は同時に成形され分配される。
【0003】
そのような粘弾性を有する塊を与え、塊を膨張および圧縮すると、分離され成形された食品部分内の張力を上げ、このように形成された食品物品は成形後において変形または、いわゆる反りを生じさせる。この反りはそれほど明白でなく、ボール(モッツァレラ「ボール」)のような簡単な形においては多くの場合には受容される。
【0004】
例えばチョコレート産業のような、他の食品成形領域においては、パラメータ、たとえば温度を調節することにより主として影響が与えられる物質が使用され、十分に強力な冷却の結果、十分な寸法安定性をほとんど直ちに達成するような方法が採られ、たとえば約30から40℃から、約0℃から10℃へ冷却される。
【0005】
本発明の目的は、事実上避けられない反りにもかかわらず、粘弾性を有する食品を賦形して分配する場合でさえ、正確に成形された食品物品を得る方法に関する。成形後の反りまたは変形が非常に明白になるので、対称的に賦形された食料品において特に望ましい。
【0006】
この目的は、請求項1の装置、および請求項15の方法によって達成される。
分配と成形は、本発明によって以下のように行われる:
最初の塊の1部分はそれぞれのくぼみ内に押され、それを満たし、その後流れに乗せて運ばれる。最初の塊の部分で満たされたくぼみが、取り除き端またははぎ取り端として作用するシーリング表面または接触端のそばを通過する時に、プレス室内の残りの最初の塊から、くぼみ内で流れに乗って運ばれる部分の取り除きおよびはぎ取り作用が起こる。その後、くぼみ内で流れに乗せて運ばれた最初の塊の、取り除かれ、またははぎ取られた部分は、プレス室から運び出される。
その後、プレス室から取り出された部分は、くぼみから取り除かれおよび/または押し出され、温度制御された水浴中へ入いり、製品により決定される所定の時間保持することにより成形される。
【0007】
本発明によれば、取り除き端またははぎ取り端は、プレス室内へ向けられた取り除き表面またははぎ取り表面の端であり、それは、三角形領域で第1の内壁の小穴表面に接する。この場合、はぎ取り表面の接平面E2は、三角形領域で小穴表面の接平面E1と、90度未満の取り除きまたははぎ取り角度αを形成する。さらに、くぼみ(小穴)によって画定された第1の内側壁領域の内側寸法および型キャビティーは、製造される新鮮なチーズ物品の形に相補的なキャビティーの内側の寸法に対して、第1の内側壁領域の進行方向と平行な方向に、ストレッチング係数Sだけ拡大される。
はぎ取り角度は、好ましくは50度から80度、より好ましくは60度から70度の範囲である。それに対応するストレッチング係数は、好ましくは1.05から1.5、より好ましくは1.1から1.3の範囲である。
【0008】
プレス室は好ましくは温度制御することができる、プレス室の移動可能な第1の内壁領域は、最も好ましくは熱媒によって温度制御することができ、熱媒は好ましくは水である。
プレス室の移動可能な内壁領域の温度をその進行方向に沿って異なる温度で制御することにより、食品物質の温度を、その賦形の間にわたり明確に制御することができる。
さらに、プレスによって発生することができるプレス圧または充填力は調整可能であることが好ましく、および/または駆動手段により発生されるはぎ取り端に沿って小穴表面が移動する速度は調整可能であることが好ましい。
【0009】
本発明による装置の特に好ましい実施態様では、プレス室の移動可能な第1の内壁領域は、円筒状のブロー成形型のシリンダジャケット外側表面の部分的な領域であり、該型は円筒の軸を回転軸として回転し、型として作用するくぼみ(小穴)は、シリンダジャケット外側表面に配置される。
この場合、プレス室または充填室は、好ましくは型の下に置かれ、プレスおよび出口開口部と流体的に連絡された入口開口部を有する。出口開口の開口端は、このブロー成形型出口開口に対して押されているシリンダジャケットの外側表面の一部分の領域が、ブロー成形型出口開口をシールするように設計される。
この実施態様は、特に連続的方法によく適している。
【0010】
くぼみ(小穴)が各々、放射状にシリンダ壁を通過する流体チャンネルにより円筒状のブロー成形型の内側領域と流体的に連絡を有する場合、それは特に有利である。
この設計は連続方法において賦形を容易にする。
さらにこの実施態様においては、シリンダジャケットの外側表面のくぼみ中にある成形された新鮮なチーズを、重力および/または遠心力に暴露することにより、成形された新鮮なチーズ部分を賦形することも有益である。
成形はウォータジェットおよび/または圧縮空気により支援されることができる。例えば、それは放射状の流体チャンネルによってくぼみ内に向けられ、くぼみ内にある成形された新鮮なチーズに作用する。
ウォータジェットおよび/または圧縮空気は温度制御されることができる。
この手段は、賦形および寸法安定化プロセスを、同時に支援することを可能にする。
【0011】
本発明方法は、特に新鮮なチーズを賦形することによく適しており、少なくとも部分的に寸法安定化された粘弾性を有する新鮮なチーズ物品(たとえば、モッツァレラ、マスカルポーネ)が得られる。
この場合、温度制御された新鮮なチーズは、それがくぼみ内に進入するときおよびプレス室から出るときに60℃から70℃の温度を有し、温度制御された水浴の温度は5℃から20℃である。
温度制御された水浴は、好ましくは10℃から20℃の温度範囲の第1の水浴、並びに5℃から10℃の温度範囲の第2の水浴を有し、新鮮なチーズの賦形された部分が順次その中に保持される。
温度制御された新鮮なチーズは、それがくぼみに入り込み時、およびプレス室を出る時に64℃から66℃の範囲の温度を好ましくは有している。
これらの手段は、成形された新鮮なチーズ物品の寸法安定化を容易にする。
【0012】
本発明の溶液は、従って変形の問題に適用される。成形装置(キャビティー、くぼみまたは小穴の形状)の開発および設計において、反りを計算の要素に入れなければならない。また、型は、粘弾性を有する塊の後の反りの挙動を改善するような方法で作り上げられなければならない。
成形プロセスの間の寸法安定化の目的のために、個々の型のすべてについて大きな温度差が制御されるように向上されることができる。たとえば、加熱および冷却要素が装置内の個々の型のすべてについて一体化されることができる。
パスタ−スパンチーズの塊は、個々の型(くぼみ、小穴)内へプレスされる。
シンボル形状物(成形された食品)は、ドラムの回転運動、およびドラムの内側(個々の型の穴)から放射される水またはエアジェットによって個々の型から取り出される。寸法安定性は、適当な型を開発することにより、および暖かいチーズ塊を冷水中で賦形することにより、またはさらに大きな温度差により達成される。
【0013】
本発明は、公知の球状の型の代わりに反りの起こりやすいプラスチックの形を賦形するための装置を使用する。
プロセス中で行われる手段は、それぞれの形状のための反りを考慮に入れた個々の形状の開発を含み、および多数の個々の成形を可能にする、これらの形状の型の配置を含んでいる。
本発明の他の利点、特徴および可能な用途は、以下の記載中の様々な部分的な態様および例の記述から収集することができるが、それらは制限として解釈されない。
【0014】
新鮮なチーズ用の供給タンク1は、プレス2の入口2aと接続される。駆動装置Mによって動力がプレス2に供給され、そのプレスは新鮮なチーズに圧力を加えるために使用される。プレス2の出口2bはプレス室3と接続される。第1の内壁領域3aおよび第2の内壁領域3bはそれに接する。第1の内壁領域3aおよび第2の内壁領域3bは、シール表面4で互いに接する(図2を参照)。
【0015】
第1の内壁領域3aは、円筒状のブロー成形型11のシリンダジャケット外側表面11aの一部分である。型は駆動手段(図示されない)によってそのシリンダ軸12の周囲を回転駆動される。シリンダボディ11は、そのシリンダジャケット外側表面11aが、矢印Fによって示される周縁方向に移動するように駆動される。シリンダジャケット外側表面11aは、くぼみ5、いわゆる小穴を有し(さらに図2を参照)、それは型キャビティとして作用する。
【0016】
中空のシリンダ11の内側領域15は熱媒(例えば水)を保持することができる。または、シリンダジャケット内部表面11bにこの熱媒を吹きかけることができる。食品衛生上の理由で、水は熱媒として好ましい。中空のシリンダは、好ましくは高いグレードの鋼またはアルミニウム合金から成る。流体を有する内側領域15またはスプレイされたシリンダジャケット内部表面11bの代わりに、円筒状のブロー成形11の壁に熱媒チャンネル(図示されない)が散在することができる。これは、小穴5の非常に正確な温度制御を可能にする。
【0017】
プレス室3の第1の内壁領域3aの、直後に、中空のシリンダ11の運動または周縁方向Fに沿って、追加のプレス要素16が続く。これはシリンダジャケットの外側表面11aを補完するように曲げられた接触表面16aを有する。運動方向Fにプレス要素16のそばを小穴が動くことにより、完全に独立したキャビティ5*が画定される。
プレス要素16も温度制御されることができる。このように、動いているキャビティ5*(図2を参照)は、プレス要素16に滞在している間に、一体的に温度制御される事ができる。プレス要素16は、完全にプラスチックであるか、または曲がっている接触面16a上がプラスチックでコーティングされたものからなり、シリンダジャケット外側表面11aおよび接触面16a間の金属摩滅を防ぐ。例えば、テフロンがコーティング材として使用されことができる。
温度制御された水を含む水容器9が、回転駆動される中空シリンダ11の下に配置される。
【0018】
操作中に、粘弾性を有する新鮮なチーズの塊は供給タンク1を出て、プレス2に入る。粘弾性を有する塊はそこで圧縮され、プレス室または充填室3内に押し込まれる。プレス室3の中を、シリンダジャケット外側表面11aの小穴5はプレス室3を通り過ぎる際、それは移動される第1の内壁領域3aを形成し、粘弾性を有する塊によって充填される。このようにして満たされた小穴5が、それらの方向Fへの移動の間に、静止する第2の内壁領域3bと動いている第1の内壁領域3aの間に形成された取り除き端またははぎ取り端7の近傍に移動した場合、小穴5の中の流れに乗せて運ばれた塊はプレス室3を満たす残りの粘弾性を有する塊から取り除かれ、はぎ取られ、「分配」される。
【0019】
プレス要素16のそばを通る際、粘弾性を有する「分配」された食品の塊は、完全に密封されたキャビティ5*内に位置する(さらに図2を参照)。囲まれた粘弾性を有する部分はそこで緩和される場合がある。キャビティ5*内の粘弾性を有する塊の緩和挙動は、プレス室3内のモールド圧、中空のシリンダ11の回転速度および制御温度、並びにプレス要素16の制御温度を調整することにより影響を受ける場合がある。接触面16aの表面粗さの調節により、キャビティ5*内の緩和挙動に影響を及ぼすことができる。
【0020】
図2は、接平面E1および接平面E2の間の角度である取り除き角度またははぎ取り角度αを選択することにより、特に強い程度に寸法を記憶して賦形されることをより明白に示す。この角度αは好ましくは90度未満である。三角領域Z中のこの角度が小さいほど、より滑らかに(つまり、物質中にほとんど張力を起こさずに)、物質の部分は小穴5*中に分けられ、取り除き端またははぎ取り端の下に消える。それでも、粘弾性を有する物質を賦形し分離する際に常に張力は生じるので、成形が完了した後、反りが常に成形食品物品に生じる。
本発明によれば、この反りは、特に小穴5を特別に賦形することにより大きく補償される。
【0021】
図2は、さらに中空のシリンダ11の内側領域15をくぼみ5に接続するくぼみ用の流体チャンネル8を示す。単純性のために、1つの流体チャンネル8だけがここに示される。現実には、しかしながら、中空のシリンダ11の小穴5はすべてそのようなチャンネル8を有する。流体は、流体のジェット開口14(図5、8を参照)を介して、これらの流体チャンネル8を通り、くぼみ5内に入り、それにより、成形プロセスを始めるかまたは支援する。
【0022】
図3Aおよび図3Bは、賦形の後に発生する反りの本発明による補償のための1つの例を示す。図3Aは粘弾性を有する食品物品の平面図である。また、図3Bは、本発明に記載されているような図3Aに示された食品物品を製造するための本発明によるくぼみの平面図である。
矢印Fはシリンダジャケット外側表面11aの運動方向を示す(図1または図2を参照)。
【0023】
図に示される十字形の小穴5を有するシリンダジャケット外側表面11aが下方向に動く場合、それは図の中の取り除き端またははぎ取り端7(図1または図2を参照)が上方へ移動することを意味する。これは図3Bのはぎ取り端7が、プロセス中で粘弾性を有する塊で満たされたくぼみ5の端に沿って動き、点P1から点P2に動くことを意味する。製造される食品物品10の相補的な形のくぼみ5のキャビティーを伸ばすことにより、変形した後の反りは大きく補償できることが示された。この目的のために、食品物品10の形と相補的なくぼみキャビティーの形は、運動の方向Fと平行にストレッチング係数Sだけ伸ばされる。言いかえれば、食品物品10(図示されない)の形に相補的な型の内側の寸法aおよびbは、多少大きな寸法のa’およびb’とされる。ここでS=a’/a=b’/b。
したがって、ストレッチング係数Sおよび角度アルファの調節により、反り補償は第一に最適化されることができる。
【0024】
一層の最適化は、プレス室3におけるモールド圧の設定により、および中空シリンダ11の温度制御、および必要であればプレス要素16の温度制御により達成することができる。
したがって、本発明の装置はストレッチング係数Sおよび剥ぎ取り角度αの最適な選択および調節による「固定」された最適化を許容し、一方中空シリンダ11の回転速度、プレス室3中のモールド圧、および必要であれば小穴5*のための温度調節器の調節により、本発明のプロセスの「可変」の最適化を許容する。
【0025】
所望の形または目標の形からの成形食品物品10の瞬間的な逸脱も左右することができ、たとえば中空のシリンダ11の速度、はぎ取り角度アルファ、「空間の温度プロフィール」(賦形前の中空シリンダ11の温度制御)または「時間経過に伴う温度プロフィール」(連続的に成形食品物品を運ぶ水コンテナー中の水温)のような操作上可変なパラメーターに関して対応する手段を採る。
【0026】
図4および5は、シリンダジャケットの外側表面11a上にハート形の小穴5を備えた本発明にかかる中空のシリンダ11の、第1の実施例の三次元の図である。さらに、それぞれのくぼみ5の真ん中に流体のジェット開口14が視認できる。回転駆動される中空シリンダ11の内側領域15からの水および/または空気は、流体チャンネル8(図2を参照)を介してこれらの流体ジェット開口14を通り、賦形された食料品で満たされた小穴5内へ導入することができる。これは、一方では成形プロセスを支援し、さらに温度制御(寸法安定性を増加させるための温度ショック)を実行することを可能にする。
【0027】
図6、7および8は、シリンダジャケットの外側表面11a上に十字形の小穴5を備えた本発明にかかる中空のシリンダ11の、第2の実施例の三次元の図である。さらに、それぞれのくぼみ5の真ん中の流体のジェット開口14が視認できる。同様に、水および/または空気は回転駆動される中空シリンダ11の内側領域15から導入されることができ、流体チャンネル8(図2を参照)を介してこれらの流体ジェット開口14を通り、賦形された食料品で満たされた小穴5内へ導入することができる。
図3Bに示される図と同様に、図8は、ストレッチング係数Sだけ伸ばされた運動方向Fと平行な寸法を示す。
【0028】
図9は、シリンダの軸12に沿った中空のシリンダ11の長さ方向の図並びに、図4に示したハート形の小穴5を有するそのシリンダジャケット外側表面11aに巻いたものを示す図である。
図10は、シリンダの軸12に沿った中空のシリンダ11の長さ方向の図並びに、図6に示した十字形の小穴5を有するそのシリンダジャケット外側表面11aに巻いたものを示す図である。
【0029】
符号一覧
1 供給タンク
2 プレス
2a プレス入口
2b プレス出口
3 プレス室または充填室
3a 第1の内壁領域
3b 第2の内壁領域
4 シール表面
5 くぼみまたは小穴
5* 密閉型キャビティー
6 くぼみ表面
7 取り除き端またははぎ取り端
8 賦形手段または流体チャンネル
9 水容器
10 新鮮なチーズ物品
11 回転駆動される円筒状のブロー成形型
11a シリンダジャケット外側表面
11b シリンダジャケット内側表面
12 シリンダ軸または回転軸
13 ブロー成形型レスト
14 流体のジェット開口部
15 内側領域
16 プレス要素
16a 接触面
E1 くぼみ表面の接平面(第1の内壁領域3a)
E2 はぎ取り表面の接平面(第2の内壁領域3b)
F 運動方向
M 駆動装置
S 運動方向に沿ったくぼみのストレッチング係数
Z 三角表面
α 取り除き角度またははぎ取り角度
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明による装置についての全体の図である;
【図2】図2は図1に示されたものの部分的な断面図である;
【図3】図3Aは、粘弾性を有する食品物品の平面図であり、図3Bは、本発明に記載されているような図3Aに示された食品物品を製造するための本発明による小穴の平面図である;
【図4】図4はハート形の成形ドラムを示す;
【図5】図5はそれぞれのハート形の型の配置、流体ジェット開口部の配置、および長さ方向の反りを補償するハート形の型を示す;
【図6】図6は十字形の成形ドラムを示す;
【図7】図7は個々の十字形の配置を示す;
【図8】図8は、個々の十字形の型の配置、流体ジェット開口部の配置、および長さ方向の反り(賦形および貯蔵プロセスにおいて生じる反りを含む)を補償する十字形の型を示す;
【図9】図9は、図4による小穴を備えたシリンダ表面の開発についての図である;
【図10】図10は、図6による小穴を備えたシリンダ表面の開発についての図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプレアンブルおよび請求項15のプレアンブルにしたがって、特には、たとえばモッツァレラまたはマスカルポーネのような、パン生地のような粘弾性を有する新鮮なチーズから、成形された粘弾性を有する食品を製造する方法および装置に関する。
【0002】
そのような装置および方法において、加圧された粘弾性を有する食品(例えば新鮮なチーズ)の塊は、動いている壁のくぼみ(小穴)に押され、これらのくぼみ内で流れに乗って移動され、加圧された粘弾性を有する食品の塊の他の部分から分離される。その結果、粘弾性を有する食品の塊は同時に成形され分配される。
【0003】
そのような粘弾性を有する塊を与え、塊を膨張および圧縮すると、分離され成形された食品部分内の張力を上げ、このように形成された食品物品は成形後において変形または、いわゆる反りを生じさせる。この反りはそれほど明白でなく、ボール(モッツァレラ「ボール」)のような簡単な形においては多くの場合には受容される。
【0004】
例えばチョコレート産業のような、他の食品成形領域においては、パラメータ、たとえば温度を調節することにより主として影響が与えられる物質が使用され、十分に強力な冷却の結果、十分な寸法安定性をほとんど直ちに達成するような方法が採られ、たとえば約30から40℃から、約0℃から10℃へ冷却される。
【0005】
本発明の目的は、事実上避けられない反りにもかかわらず、粘弾性を有する食品を賦形して分配する場合でさえ、正確に成形された食品物品を得る方法に関する。成形後の反りまたは変形が非常に明白になるので、対称的に賦形された食料品において特に望ましい。
【0006】
この目的は、請求項1の装置、および請求項15の方法によって達成される。
分配と成形は、本発明によって以下のように行われる:
最初の塊の1部分はそれぞれのくぼみ内に押され、それを満たし、その後流れに乗せて運ばれる。最初の塊の部分で満たされたくぼみが、取り除き端またははぎ取り端として作用するシーリング表面または接触端のそばを通過する時に、プレス室内の残りの最初の塊から、くぼみ内で流れに乗って運ばれる部分の取り除きおよびはぎ取り作用が起こる。その後、くぼみ内で流れに乗せて運ばれた最初の塊の、取り除かれ、またははぎ取られた部分は、プレス室から運び出される。
その後、プレス室から取り出された部分は、くぼみから取り除かれおよび/または押し出され、温度制御された水浴中へ入いり、製品により決定される所定の時間保持することにより成形される。
【0007】
本発明によれば、取り除き端またははぎ取り端は、プレス室内へ向けられた取り除き表面またははぎ取り表面の端であり、それは、三角形領域で第1の内壁の小穴表面に接する。この場合、はぎ取り表面の接平面E2は、三角形領域で小穴表面の接平面E1と、90度未満の取り除きまたははぎ取り角度αを形成する。さらに、くぼみ(小穴)によって画定された第1の内側壁領域の内側寸法および型キャビティーは、製造される新鮮なチーズ物品の形に相補的なキャビティーの内側の寸法に対して、第1の内側壁領域の進行方向と平行な方向に、ストレッチング係数Sだけ拡大される。
はぎ取り角度は、好ましくは50度から80度、より好ましくは60度から70度の範囲である。それに対応するストレッチング係数は、好ましくは1.05から1.5、より好ましくは1.1から1.3の範囲である。
【0008】
プレス室は好ましくは温度制御することができる、プレス室の移動可能な第1の内壁領域は、最も好ましくは熱媒によって温度制御することができ、熱媒は好ましくは水である。
プレス室の移動可能な内壁領域の温度をその進行方向に沿って異なる温度で制御することにより、食品物質の温度を、その賦形の間にわたり明確に制御することができる。
さらに、プレスによって発生することができるプレス圧または充填力は調整可能であることが好ましく、および/または駆動手段により発生されるはぎ取り端に沿って小穴表面が移動する速度は調整可能であることが好ましい。
【0009】
本発明による装置の特に好ましい実施態様では、プレス室の移動可能な第1の内壁領域は、円筒状のブロー成形型のシリンダジャケット外側表面の部分的な領域であり、該型は円筒の軸を回転軸として回転し、型として作用するくぼみ(小穴)は、シリンダジャケット外側表面に配置される。
この場合、プレス室または充填室は、好ましくは型の下に置かれ、プレスおよび出口開口部と流体的に連絡された入口開口部を有する。出口開口の開口端は、このブロー成形型出口開口に対して押されているシリンダジャケットの外側表面の一部分の領域が、ブロー成形型出口開口をシールするように設計される。
この実施態様は、特に連続的方法によく適している。
【0010】
くぼみ(小穴)が各々、放射状にシリンダ壁を通過する流体チャンネルにより円筒状のブロー成形型の内側領域と流体的に連絡を有する場合、それは特に有利である。
この設計は連続方法において賦形を容易にする。
さらにこの実施態様においては、シリンダジャケットの外側表面のくぼみ中にある成形された新鮮なチーズを、重力および/または遠心力に暴露することにより、成形された新鮮なチーズ部分を賦形することも有益である。
成形はウォータジェットおよび/または圧縮空気により支援されることができる。例えば、それは放射状の流体チャンネルによってくぼみ内に向けられ、くぼみ内にある成形された新鮮なチーズに作用する。
ウォータジェットおよび/または圧縮空気は温度制御されることができる。
この手段は、賦形および寸法安定化プロセスを、同時に支援することを可能にする。
【0011】
本発明方法は、特に新鮮なチーズを賦形することによく適しており、少なくとも部分的に寸法安定化された粘弾性を有する新鮮なチーズ物品(たとえば、モッツァレラ、マスカルポーネ)が得られる。
この場合、温度制御された新鮮なチーズは、それがくぼみ内に進入するときおよびプレス室から出るときに60℃から70℃の温度を有し、温度制御された水浴の温度は5℃から20℃である。
温度制御された水浴は、好ましくは10℃から20℃の温度範囲の第1の水浴、並びに5℃から10℃の温度範囲の第2の水浴を有し、新鮮なチーズの賦形された部分が順次その中に保持される。
温度制御された新鮮なチーズは、それがくぼみに入り込み時、およびプレス室を出る時に64℃から66℃の範囲の温度を好ましくは有している。
これらの手段は、成形された新鮮なチーズ物品の寸法安定化を容易にする。
【0012】
本発明の溶液は、従って変形の問題に適用される。成形装置(キャビティー、くぼみまたは小穴の形状)の開発および設計において、反りを計算の要素に入れなければならない。また、型は、粘弾性を有する塊の後の反りの挙動を改善するような方法で作り上げられなければならない。
成形プロセスの間の寸法安定化の目的のために、個々の型のすべてについて大きな温度差が制御されるように向上されることができる。たとえば、加熱および冷却要素が装置内の個々の型のすべてについて一体化されることができる。
パスタ−スパンチーズの塊は、個々の型(くぼみ、小穴)内へプレスされる。
シンボル形状物(成形された食品)は、ドラムの回転運動、およびドラムの内側(個々の型の穴)から放射される水またはエアジェットによって個々の型から取り出される。寸法安定性は、適当な型を開発することにより、および暖かいチーズ塊を冷水中で賦形することにより、またはさらに大きな温度差により達成される。
【0013】
本発明は、公知の球状の型の代わりに反りの起こりやすいプラスチックの形を賦形するための装置を使用する。
プロセス中で行われる手段は、それぞれの形状のための反りを考慮に入れた個々の形状の開発を含み、および多数の個々の成形を可能にする、これらの形状の型の配置を含んでいる。
本発明の他の利点、特徴および可能な用途は、以下の記載中の様々な部分的な態様および例の記述から収集することができるが、それらは制限として解釈されない。
【0014】
新鮮なチーズ用の供給タンク1は、プレス2の入口2aと接続される。駆動装置Mによって動力がプレス2に供給され、そのプレスは新鮮なチーズに圧力を加えるために使用される。プレス2の出口2bはプレス室3と接続される。第1の内壁領域3aおよび第2の内壁領域3bはそれに接する。第1の内壁領域3aおよび第2の内壁領域3bは、シール表面4で互いに接する(図2を参照)。
【0015】
第1の内壁領域3aは、円筒状のブロー成形型11のシリンダジャケット外側表面11aの一部分である。型は駆動手段(図示されない)によってそのシリンダ軸12の周囲を回転駆動される。シリンダボディ11は、そのシリンダジャケット外側表面11aが、矢印Fによって示される周縁方向に移動するように駆動される。シリンダジャケット外側表面11aは、くぼみ5、いわゆる小穴を有し(さらに図2を参照)、それは型キャビティとして作用する。
【0016】
中空のシリンダ11の内側領域15は熱媒(例えば水)を保持することができる。または、シリンダジャケット内部表面11bにこの熱媒を吹きかけることができる。食品衛生上の理由で、水は熱媒として好ましい。中空のシリンダは、好ましくは高いグレードの鋼またはアルミニウム合金から成る。流体を有する内側領域15またはスプレイされたシリンダジャケット内部表面11bの代わりに、円筒状のブロー成形11の壁に熱媒チャンネル(図示されない)が散在することができる。これは、小穴5の非常に正確な温度制御を可能にする。
【0017】
プレス室3の第1の内壁領域3aの、直後に、中空のシリンダ11の運動または周縁方向Fに沿って、追加のプレス要素16が続く。これはシリンダジャケットの外側表面11aを補完するように曲げられた接触表面16aを有する。運動方向Fにプレス要素16のそばを小穴が動くことにより、完全に独立したキャビティ5*が画定される。
プレス要素16も温度制御されることができる。このように、動いているキャビティ5*(図2を参照)は、プレス要素16に滞在している間に、一体的に温度制御される事ができる。プレス要素16は、完全にプラスチックであるか、または曲がっている接触面16a上がプラスチックでコーティングされたものからなり、シリンダジャケット外側表面11aおよび接触面16a間の金属摩滅を防ぐ。例えば、テフロンがコーティング材として使用されことができる。
温度制御された水を含む水容器9が、回転駆動される中空シリンダ11の下に配置される。
【0018】
操作中に、粘弾性を有する新鮮なチーズの塊は供給タンク1を出て、プレス2に入る。粘弾性を有する塊はそこで圧縮され、プレス室または充填室3内に押し込まれる。プレス室3の中を、シリンダジャケット外側表面11aの小穴5はプレス室3を通り過ぎる際、それは移動される第1の内壁領域3aを形成し、粘弾性を有する塊によって充填される。このようにして満たされた小穴5が、それらの方向Fへの移動の間に、静止する第2の内壁領域3bと動いている第1の内壁領域3aの間に形成された取り除き端またははぎ取り端7の近傍に移動した場合、小穴5の中の流れに乗せて運ばれた塊はプレス室3を満たす残りの粘弾性を有する塊から取り除かれ、はぎ取られ、「分配」される。
【0019】
プレス要素16のそばを通る際、粘弾性を有する「分配」された食品の塊は、完全に密封されたキャビティ5*内に位置する(さらに図2を参照)。囲まれた粘弾性を有する部分はそこで緩和される場合がある。キャビティ5*内の粘弾性を有する塊の緩和挙動は、プレス室3内のモールド圧、中空のシリンダ11の回転速度および制御温度、並びにプレス要素16の制御温度を調整することにより影響を受ける場合がある。接触面16aの表面粗さの調節により、キャビティ5*内の緩和挙動に影響を及ぼすことができる。
【0020】
図2は、接平面E1および接平面E2の間の角度である取り除き角度またははぎ取り角度αを選択することにより、特に強い程度に寸法を記憶して賦形されることをより明白に示す。この角度αは好ましくは90度未満である。三角領域Z中のこの角度が小さいほど、より滑らかに(つまり、物質中にほとんど張力を起こさずに)、物質の部分は小穴5*中に分けられ、取り除き端またははぎ取り端の下に消える。それでも、粘弾性を有する物質を賦形し分離する際に常に張力は生じるので、成形が完了した後、反りが常に成形食品物品に生じる。
本発明によれば、この反りは、特に小穴5を特別に賦形することにより大きく補償される。
【0021】
図2は、さらに中空のシリンダ11の内側領域15をくぼみ5に接続するくぼみ用の流体チャンネル8を示す。単純性のために、1つの流体チャンネル8だけがここに示される。現実には、しかしながら、中空のシリンダ11の小穴5はすべてそのようなチャンネル8を有する。流体は、流体のジェット開口14(図5、8を参照)を介して、これらの流体チャンネル8を通り、くぼみ5内に入り、それにより、成形プロセスを始めるかまたは支援する。
【0022】
図3Aおよび図3Bは、賦形の後に発生する反りの本発明による補償のための1つの例を示す。図3Aは粘弾性を有する食品物品の平面図である。また、図3Bは、本発明に記載されているような図3Aに示された食品物品を製造するための本発明によるくぼみの平面図である。
矢印Fはシリンダジャケット外側表面11aの運動方向を示す(図1または図2を参照)。
【0023】
図に示される十字形の小穴5を有するシリンダジャケット外側表面11aが下方向に動く場合、それは図の中の取り除き端またははぎ取り端7(図1または図2を参照)が上方へ移動することを意味する。これは図3Bのはぎ取り端7が、プロセス中で粘弾性を有する塊で満たされたくぼみ5の端に沿って動き、点P1から点P2に動くことを意味する。製造される食品物品10の相補的な形のくぼみ5のキャビティーを伸ばすことにより、変形した後の反りは大きく補償できることが示された。この目的のために、食品物品10の形と相補的なくぼみキャビティーの形は、運動の方向Fと平行にストレッチング係数Sだけ伸ばされる。言いかえれば、食品物品10(図示されない)の形に相補的な型の内側の寸法aおよびbは、多少大きな寸法のa’およびb’とされる。ここでS=a’/a=b’/b。
したがって、ストレッチング係数Sおよび角度アルファの調節により、反り補償は第一に最適化されることができる。
【0024】
一層の最適化は、プレス室3におけるモールド圧の設定により、および中空シリンダ11の温度制御、および必要であればプレス要素16の温度制御により達成することができる。
したがって、本発明の装置はストレッチング係数Sおよび剥ぎ取り角度αの最適な選択および調節による「固定」された最適化を許容し、一方中空シリンダ11の回転速度、プレス室3中のモールド圧、および必要であれば小穴5*のための温度調節器の調節により、本発明のプロセスの「可変」の最適化を許容する。
【0025】
所望の形または目標の形からの成形食品物品10の瞬間的な逸脱も左右することができ、たとえば中空のシリンダ11の速度、はぎ取り角度アルファ、「空間の温度プロフィール」(賦形前の中空シリンダ11の温度制御)または「時間経過に伴う温度プロフィール」(連続的に成形食品物品を運ぶ水コンテナー中の水温)のような操作上可変なパラメーターに関して対応する手段を採る。
【0026】
図4および5は、シリンダジャケットの外側表面11a上にハート形の小穴5を備えた本発明にかかる中空のシリンダ11の、第1の実施例の三次元の図である。さらに、それぞれのくぼみ5の真ん中に流体のジェット開口14が視認できる。回転駆動される中空シリンダ11の内側領域15からの水および/または空気は、流体チャンネル8(図2を参照)を介してこれらの流体ジェット開口14を通り、賦形された食料品で満たされた小穴5内へ導入することができる。これは、一方では成形プロセスを支援し、さらに温度制御(寸法安定性を増加させるための温度ショック)を実行することを可能にする。
【0027】
図6、7および8は、シリンダジャケットの外側表面11a上に十字形の小穴5を備えた本発明にかかる中空のシリンダ11の、第2の実施例の三次元の図である。さらに、それぞれのくぼみ5の真ん中の流体のジェット開口14が視認できる。同様に、水および/または空気は回転駆動される中空シリンダ11の内側領域15から導入されることができ、流体チャンネル8(図2を参照)を介してこれらの流体ジェット開口14を通り、賦形された食料品で満たされた小穴5内へ導入することができる。
図3Bに示される図と同様に、図8は、ストレッチング係数Sだけ伸ばされた運動方向Fと平行な寸法を示す。
【0028】
図9は、シリンダの軸12に沿った中空のシリンダ11の長さ方向の図並びに、図4に示したハート形の小穴5を有するそのシリンダジャケット外側表面11aに巻いたものを示す図である。
図10は、シリンダの軸12に沿った中空のシリンダ11の長さ方向の図並びに、図6に示した十字形の小穴5を有するそのシリンダジャケット外側表面11aに巻いたものを示す図である。
【0029】
符号一覧
1 供給タンク
2 プレス
2a プレス入口
2b プレス出口
3 プレス室または充填室
3a 第1の内壁領域
3b 第2の内壁領域
4 シール表面
5 くぼみまたは小穴
5* 密閉型キャビティー
6 くぼみ表面
7 取り除き端またははぎ取り端
8 賦形手段または流体チャンネル
9 水容器
10 新鮮なチーズ物品
11 回転駆動される円筒状のブロー成形型
11a シリンダジャケット外側表面
11b シリンダジャケット内側表面
12 シリンダ軸または回転軸
13 ブロー成形型レスト
14 流体のジェット開口部
15 内側領域
16 プレス要素
16a 接触面
E1 くぼみ表面の接平面(第1の内壁領域3a)
E2 はぎ取り表面の接平面(第2の内壁領域3b)
F 運動方向
M 駆動装置
S 運動方向に沿ったくぼみのストレッチング係数
Z 三角表面
α 取り除き角度またははぎ取り角度
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明による装置についての全体の図である;
【図2】図2は図1に示されたものの部分的な断面図である;
【図3】図3Aは、粘弾性を有する食品物品の平面図であり、図3Bは、本発明に記載されているような図3Aに示された食品物品を製造するための本発明による小穴の平面図である;
【図4】図4はハート形の成形ドラムを示す;
【図5】図5はそれぞれのハート形の型の配置、流体ジェット開口部の配置、および長さ方向の反りを補償するハート形の型を示す;
【図6】図6は十字形の成形ドラムを示す;
【図7】図7は個々の十字形の配置を示す;
【図8】図8は、個々の十字形の型の配置、流体ジェット開口部の配置、および長さ方向の反り(賦形および貯蔵プロセスにおいて生じる反りを含む)を補償する十字形の型を示す;
【図9】図9は、図4による小穴を備えたシリンダ表面の開発についての図である;
【図10】図10は、図6による小穴を備えたシリンダ表面の開発についての図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
* 最初の塊としての粘弾性を有する食品用の供給タンク(1);
* プレス室または充填室(3)、それの内壁は第1の内壁領域(3a)および第2の内壁領域(3b)を有し、それらは互いに緊密にシール表面(4)で接触し、第1の内壁領域(3a)は第2の内壁領域(3b)に対して動くことができ、2つの内壁領域(3a、3b)は、シール表面または接触端(4)に沿ったそれらの相対運動の間に緊密な接触をする;
* 第1の内壁領域(3a)の小穴表面(6)上のくぼみまたは小穴(5)、これらはプレス室(3)内に面し、キャビティの役割をする;
* プレス(2)、その入口(2a)は供給タンク(1)と接続され、その出口(2b)はプレス室(3)と接続される;
* 取り除き端またははぎ取り端(7)、それはプレス室(3)内に面する第1の内壁領域(3a)の小穴表面(6)に接し、それに沿って、プレス室(3)内に面する第1の内壁領域(3a)の小穴表面(6)のくぼみ(5)は移動することができ、取り除き端またははぎ取り端(7)はくぼみ(5)の開口上にわたり、運動方向(F)に対して横方向に伸びる;
* 取り除き端またははぎ取り端(7)に沿って第1の内壁(3a)を移動させて、プレス室(3)からくぼみ(5)を移動させるための駆動手段;
* くぼみ(5)からの排出および/またはイジェクションによってプレス室(3)から取り出された部分を賦形するための賦形手段(8);および
* 賦形された食料品を集めるための水コンテナー(9);
を有する、モッツァレラまたはマスカルポーネのような、パン生地のような粘弾性を有する新鮮なチーズから、成形された粘弾性を有する食料品を製造するための装置であって:
* 取り除き端またははぎ取り端(7)はプレス室(3)内に面する取り除き表面またははぎ取り表面(3b)の端であり、三角領域(Z)内の第1の内壁領域(3a)の小穴表面(6)に接し、はぎ取り表面(3b)の接平面E2は、三角領域内の小穴表面(6)の接平面E1と90度未満の取り除き角度またははぎ取り角度を形成し;
* 製造されるべき新鮮なチーズ物品(10)の形に相補的なキャビティーの内側寸法(a’、b’)に対応するくぼみにより画定される、第1の内壁領域(3a)のキャビティの内側寸法(a’、b’)は、ストレッチング係数Sだけ、第1の内壁領域の運動方向(F)と平行な方向に拡大される。
【請求項2】
はぎ取り角度αが50度から80度の範囲である、請求項1記載の装置。
【請求項3】
はぎ取り角度αが60度から70度の範囲である、請求項2記載の装置。
【請求項4】
ストレッチング係数Sが1.05から1.5の範囲である、請求項1から3のいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
ストレッチング係数Sが1.1から1.3の範囲である、請求項4記載の装置。
【請求項6】
プレス室(3)が温度制御可能である、請求項1から5のいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
プレス室(3)の移動可能な第1の内壁領域(3a)が、熱媒で温度制御可能である、請求項6記載の装置。
【請求項8】
熱媒が水である、請求項7記載の装置。
【請求項9】
プレス室(3)の移動可能な内壁領域(3a)が温度制御可能であり、その運動方向(F)に沿って温度を変えることのできる、請求項7または8記載の装置。
【請求項10】
プレス(2)によって発生することができるモールド圧または充填圧力が調整可能である、請求項1から9のいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
駆動手段による与えられる小穴表面(6)のはぎ取り端(7)に沿った移動(F)の速度が調整可能である、請求項1から10のいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
プレス室(3)の移動可能な第1の内壁領域(3a)が、円筒状のブロー成形型(11)のシリンダジャケットの外側表面の部分的な領域であり、これは回転軸としてのシリンダ軸(12)のまわりを回転駆動され、キャビティの役割をするくぼみ(5)は、シリンダジャケット外側表面(11a)に位置している、請求項1から11のいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
プレス室(3)または充填室は静止したブロー成形型(13)であり、これはプレス(2)と流体的に接続される入り口開口部および出口開口部を有し、その開口端(4)は、ブロー成形型出口開口に対して押された、シリンダジャケットの外側表面(11a)の部分的な領域(3a)が、ブロー成形型出口開口を密封するようにされる、請求項12記載の装置。
【請求項14】
シリンダ壁を半径方向に横切る流体チャンネル(14)によって、円筒状のブロー成形型(11)の内側領域(15)とくぼみがそれぞれ流体的に接続される、請求項12または13記載の装置。
【請求項15】
成形され、少なくとも部分的に寸法安定化された粘弾性を有する食料品、特にはモッツァレラまたはマスカルポーネのようなパン生地のような粘弾性を有する新鮮なチーズを、請求項1から14のいずれか1項に記載された装置により製造する方法であって;
* 最初の塊として、温度制御された粘弾性を有する食品を提供する工程;
* プレス室内へ粘弾性を有する最初の塊を押し込む工程であって、ここでその内壁は第1および第2の内壁領域を示し、第1の内壁領域は第2の内壁領域に対して移動し、2つの内壁領域は、シール表面または接触端に沿ったそれらの相対運動の間に緊密な接触をし、第1の内壁領域はプレス室内へ面するその表面にくぼみ(小穴)を有し、これはキャビティとして作用し、最初の塊の部分は成形圧のためにそれぞれのくぼみ内に入り込み、それを満たし、相対運動により流れに乗せて運ばれる;
* 最初の塊の部分で満たされた第1の内壁領域のくぼみが、シール表面または接触端を通過するときに、残りのプレス室中の最初の塊から、くぼみ内の流れに乗せられて運ばれてきた部分を取り除くかまたははぎ取り、くぼみ内の流れに乗せられて運ばれてきた最初の塊の部分をプレス室から取り除くかまたははぎ取る工程;および
* くぼみから温度制御された水浴中に排出および/またはイジェクションすることこよる、プレス室から取り出された部分を賦形する工程;
* 温度制御された水浴中に賦形された新鮮なチーズ部分を保持する工程、を含む方法。
【請求項16】
成形され、少なくとも部分的に寸法安定化された粘弾性を有する食料品を、特にはモッツァレラまたはマスカルポーネから製造する請求項15記載の方法であって;
温度制御された新鮮なチーズが60℃から70℃の温度を、くぼみの中に入り、プレス室から取りだされる際に有し、温度制御された水浴が5℃から20℃の温度を有する、方法。
【請求項17】
温度制御された水浴が10℃から20℃の温度を有する第1の水浴、および5℃から10℃の温度を有する第2の水浴を有し、新鮮なチーズの賦形された部分が引き続き保持される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
温度制御された新鮮なチーズが64から66℃の温度を、くぼみの中に入り、プレス室から取りだされる際に有する、請求項16または17記載の方法。
【請求項19】
請求項12から14のいずれか1項に記載された装置を使用する、請求項16から18のいずれか1項に記載された方法であって、シリンダジャケットの外側表面のくぼみ中にある成形された新鮮なチーズを、重力および/または遠心力に暴露することにより、賦形する方法。
【請求項20】
請求項14に記載された装置を使用する、請求項19に記載された方法であって、成形はウォータジェットおよび/または圧縮空気により支援され、たとえば、それは放射状の流体チャンネルによってくぼみ内に向けられ、くぼみ内にある成形された新鮮なチーズに作用する方法。
【請求項21】
ウォータジェットおよび/または圧縮空気が温度制御される、請求項20記載の方法。
【請求項1】
* 最初の塊としての粘弾性を有する食品用の供給タンク(1);
* プレス室または充填室(3)、それの内壁は第1の内壁領域(3a)および第2の内壁領域(3b)を有し、それらは互いに緊密にシール表面(4)で接触し、第1の内壁領域(3a)は第2の内壁領域(3b)に対して動くことができ、2つの内壁領域(3a、3b)は、シール表面または接触端(4)に沿ったそれらの相対運動の間に緊密な接触をする;
* 第1の内壁領域(3a)の小穴表面(6)上のくぼみまたは小穴(5)、これらはプレス室(3)内に面し、キャビティの役割をする;
* プレス(2)、その入口(2a)は供給タンク(1)と接続され、その出口(2b)はプレス室(3)と接続される;
* 取り除き端またははぎ取り端(7)、それはプレス室(3)内に面する第1の内壁領域(3a)の小穴表面(6)に接し、それに沿って、プレス室(3)内に面する第1の内壁領域(3a)の小穴表面(6)のくぼみ(5)は移動することができ、取り除き端またははぎ取り端(7)はくぼみ(5)の開口上にわたり、運動方向(F)に対して横方向に伸びる;
* 取り除き端またははぎ取り端(7)に沿って第1の内壁(3a)を移動させて、プレス室(3)からくぼみ(5)を移動させるための駆動手段;
* くぼみ(5)からの排出および/またはイジェクションによってプレス室(3)から取り出された部分を賦形するための賦形手段(8);および
* 賦形された食料品を集めるための水コンテナー(9);
を有する、モッツァレラまたはマスカルポーネのような、パン生地のような粘弾性を有する新鮮なチーズから、成形された粘弾性を有する食料品を製造するための装置であって:
* 取り除き端またははぎ取り端(7)はプレス室(3)内に面する取り除き表面またははぎ取り表面(3b)の端であり、三角領域(Z)内の第1の内壁領域(3a)の小穴表面(6)に接し、はぎ取り表面(3b)の接平面E2は、三角領域内の小穴表面(6)の接平面E1と90度未満の取り除き角度またははぎ取り角度を形成し;
* 製造されるべき新鮮なチーズ物品(10)の形に相補的なキャビティーの内側寸法(a’、b’)に対応するくぼみにより画定される、第1の内壁領域(3a)のキャビティの内側寸法(a’、b’)は、ストレッチング係数Sだけ、第1の内壁領域の運動方向(F)と平行な方向に拡大される。
【請求項2】
はぎ取り角度αが50度から80度の範囲である、請求項1記載の装置。
【請求項3】
はぎ取り角度αが60度から70度の範囲である、請求項2記載の装置。
【請求項4】
ストレッチング係数Sが1.05から1.5の範囲である、請求項1から3のいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
ストレッチング係数Sが1.1から1.3の範囲である、請求項4記載の装置。
【請求項6】
プレス室(3)が温度制御可能である、請求項1から5のいずれか1項記載の装置。
【請求項7】
プレス室(3)の移動可能な第1の内壁領域(3a)が、熱媒で温度制御可能である、請求項6記載の装置。
【請求項8】
熱媒が水である、請求項7記載の装置。
【請求項9】
プレス室(3)の移動可能な内壁領域(3a)が温度制御可能であり、その運動方向(F)に沿って温度を変えることのできる、請求項7または8記載の装置。
【請求項10】
プレス(2)によって発生することができるモールド圧または充填圧力が調整可能である、請求項1から9のいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
駆動手段による与えられる小穴表面(6)のはぎ取り端(7)に沿った移動(F)の速度が調整可能である、請求項1から10のいずれか1項記載の装置。
【請求項12】
プレス室(3)の移動可能な第1の内壁領域(3a)が、円筒状のブロー成形型(11)のシリンダジャケットの外側表面の部分的な領域であり、これは回転軸としてのシリンダ軸(12)のまわりを回転駆動され、キャビティの役割をするくぼみ(5)は、シリンダジャケット外側表面(11a)に位置している、請求項1から11のいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
プレス室(3)または充填室は静止したブロー成形型(13)であり、これはプレス(2)と流体的に接続される入り口開口部および出口開口部を有し、その開口端(4)は、ブロー成形型出口開口に対して押された、シリンダジャケットの外側表面(11a)の部分的な領域(3a)が、ブロー成形型出口開口を密封するようにされる、請求項12記載の装置。
【請求項14】
シリンダ壁を半径方向に横切る流体チャンネル(14)によって、円筒状のブロー成形型(11)の内側領域(15)とくぼみがそれぞれ流体的に接続される、請求項12または13記載の装置。
【請求項15】
成形され、少なくとも部分的に寸法安定化された粘弾性を有する食料品、特にはモッツァレラまたはマスカルポーネのようなパン生地のような粘弾性を有する新鮮なチーズを、請求項1から14のいずれか1項に記載された装置により製造する方法であって;
* 最初の塊として、温度制御された粘弾性を有する食品を提供する工程;
* プレス室内へ粘弾性を有する最初の塊を押し込む工程であって、ここでその内壁は第1および第2の内壁領域を示し、第1の内壁領域は第2の内壁領域に対して移動し、2つの内壁領域は、シール表面または接触端に沿ったそれらの相対運動の間に緊密な接触をし、第1の内壁領域はプレス室内へ面するその表面にくぼみ(小穴)を有し、これはキャビティとして作用し、最初の塊の部分は成形圧のためにそれぞれのくぼみ内に入り込み、それを満たし、相対運動により流れに乗せて運ばれる;
* 最初の塊の部分で満たされた第1の内壁領域のくぼみが、シール表面または接触端を通過するときに、残りのプレス室中の最初の塊から、くぼみ内の流れに乗せられて運ばれてきた部分を取り除くかまたははぎ取り、くぼみ内の流れに乗せられて運ばれてきた最初の塊の部分をプレス室から取り除くかまたははぎ取る工程;および
* くぼみから温度制御された水浴中に排出および/またはイジェクションすることこよる、プレス室から取り出された部分を賦形する工程;
* 温度制御された水浴中に賦形された新鮮なチーズ部分を保持する工程、を含む方法。
【請求項16】
成形され、少なくとも部分的に寸法安定化された粘弾性を有する食料品を、特にはモッツァレラまたはマスカルポーネから製造する請求項15記載の方法であって;
温度制御された新鮮なチーズが60℃から70℃の温度を、くぼみの中に入り、プレス室から取りだされる際に有し、温度制御された水浴が5℃から20℃の温度を有する、方法。
【請求項17】
温度制御された水浴が10℃から20℃の温度を有する第1の水浴、および5℃から10℃の温度を有する第2の水浴を有し、新鮮なチーズの賦形された部分が引き続き保持される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
温度制御された新鮮なチーズが64から66℃の温度を、くぼみの中に入り、プレス室から取りだされる際に有する、請求項16または17記載の方法。
【請求項19】
請求項12から14のいずれか1項に記載された装置を使用する、請求項16から18のいずれか1項に記載された方法であって、シリンダジャケットの外側表面のくぼみ中にある成形された新鮮なチーズを、重力および/または遠心力に暴露することにより、賦形する方法。
【請求項20】
請求項14に記載された装置を使用する、請求項19に記載された方法であって、成形はウォータジェットおよび/または圧縮空気により支援され、たとえば、それは放射状の流体チャンネルによってくぼみ内に向けられ、くぼみ内にある成形された新鮮なチーズに作用する方法。
【請求項21】
ウォータジェットおよび/または圧縮空気が温度制御される、請求項20記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2008−503208(P2008−503208A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515760(P2007−515760)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【国際出願番号】PCT/CH2005/000338
【国際公開番号】WO2005/122802
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(307019354)
【出願人】(506413579)ツーガー フリスクケーゼ アクチェンゲゼルシャフト (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【国際出願番号】PCT/CH2005/000338
【国際公開番号】WO2005/122802
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(307019354)
【出願人】(506413579)ツーガー フリスクケーゼ アクチェンゲゼルシャフト (1)
【Fターム(参考)】
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