扉装置
【課題】戸袋の薄型化が可能で意匠性が向上され、耐久性や据付性なども向上された扉装置を提供する。
【解決手段】戸袋1の内部に立設固定されたフレーム部材2と、このフレーム部材に対して複数のローラー31を介して開閉方向に移動可能に係合されたガイドレール32を用いて構成された扉開閉機構3と、この扉開閉機構を介して上記フレーム部材に保持され、かつ、下面及び上記戸袋内部側端面の下部を開放することで形成され上記フレーム部材の上部及び上記扉開閉機構を受け容れる収容部40を有する扉体4を備えるようにした。
【解決手段】戸袋1の内部に立設固定されたフレーム部材2と、このフレーム部材に対して複数のローラー31を介して開閉方向に移動可能に係合されたガイドレール32を用いて構成された扉開閉機構3と、この扉開閉機構を介して上記フレーム部材に保持され、かつ、下面及び上記戸袋内部側端面の下部を開放することで形成され上記フレーム部材の上部及び上記扉開閉機構を受け容れる収容部40を有する扉体4を備えるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば鉄道駅のプラットホーム側縁に沿って設置される開閉扉を有した可動式プラットホーム柵などとして好ましく用いることができる扉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、プラットホーム上に設けられ内部に扉収納空間を形成する戸袋体と、前記戸袋体にスライド可能に支持されるスライド体と、前記扉収納空間において前記スライド体よりもホーム側に設置され、前記スライド体にスライド可能に支持される扉体と、前記扉体の速度が前記スライド体の速度の2倍となるように両者を同時に駆動する駆動機構と、を有し、前記スライド体の上下方向の長さは前記扉体の上下方向の長さより短く形成し、前記戸袋体は、その下部に大厚部を、その上部に小厚部をそれぞれ有する形状として、前記大厚部における前記扉収納空間に前記スライド体を配置し、前記大厚部は、前記戸袋体の上端部の高さにおける車両限界よりも軌道側に張り出すように設けられているものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−8067号公報(第1頁、図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の技術においては、戸袋の一部が軌道側に部分的にせり出す構造となり、意匠性が低下するという問題があった。また、扉を閉じた状態で扉先端上部に荷重が印加されると、スライド軸受けユニットに応力が集中するため耐久性に課題があった。また、複数のリニアガイドレールを用いることによって扉等の構成部品の要求加工精度が高くなり、加工性が悪化するほか、要求組立精度も高くなることで組立て性や据付性が悪いという問題があった。
【0005】
この発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、戸袋の薄型化が可能で意匠性が向上され、耐久性や据付性なども向上された扉装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る扉装置は、戸袋の内部に立設固定されたフレーム部材と、戸袋の内部に立設固定されたフレーム部材と、このフレーム部材に対して複数のローラーを介して開閉方向に移動可能に係合されたガイドレールを用いて構成された扉開閉機構と、この扉開閉機構を介して上記フレーム部材に保持され、かつ、下面及び上記戸袋内部側端面の下部を開放することで形成され上記フレーム部材の上部及び上記扉開閉機構を受け容れる収容部を有する扉体を備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、扉体を開くときに扉開閉機構とフレーム部材の上部を扉体下部の収容部に収納するようにしたので、戸袋の下部を戸袋の厚み方向にせり出させる必要はなく、意匠性が向上する。また、扉開閉機構はフレーム部材に対して複数のローラーを介して開閉方向に移動可能に係合されているので、扉を閉じた状態で扉先端上部に荷重が印加された際に複数のローラーに負荷を分散出来ることから耐久性が向上する。また、ローラーを用いるため、リニアガイドに比べて組立て性が向上し、構成部品製造時の要求加工精度を下げることができ加工性、及び据付性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1による扉装置の要部を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示された扉開閉機構とフレーム部材の拡大斜視図である。
【図3】図1に示された扉装置の据付状態での扉体下部の収容部とその近傍を示す要部断面図である。
【図4】図1に示された扉装置の動作を説明する図であり、(a)は閉成状態、(b)は半開状態、(c)は全開状態を示す。
【図5】図1に示された扉装置の出荷時の分解例を示す斜視図である。
【図6】図1に示された扉装置の扉体と扉開閉機構の組立斜視図である。
【図7】図1に示された扉装置の据付手順を説明する図であり、(a)から(d)は各段階における組立物を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態2による扉装置の要部を示す分解斜視図である。
【図9】図8に示された扉装置の据付状態での扉体下部の収容部とその近傍を示す要部断面図である。
【図10】本発明の実施の形態3による扉装置の要部を示す分解斜視図である。
【図11】図10に示された扉装置の動作を説明する図であり、(a)は扉体を完全に閉じる寸前の係止手段の近傍、(b)は閉成状態におけるストッパ近傍をそれぞれ拡大して示す要部断面図である。
【図12】図10に示された扉装置の据付手順を説明する図であり、(a)から(d)は各段階における組立物を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る扉装置を可動式プラットホーム柵(以下、可動式ホーム柵という)として用いた場合について、図1〜図7を参照して説明する。可動式ホーム柵は図1の分解斜視図に示すように、駅のプラットホームの側縁部等の基部上に立設される戸袋1と、この戸袋1の内部に図3に示すように立設固定されるフレーム部材2と、このフレーム部材2に対して複数のローラー31を介して開閉方向に移動可能に係合されたガイドレール32、及びこのガイドレール32に対して複数のガイドローラー33を介して開閉方向に移動可能に係合された移動子34を用いて構成されている扉開閉機構3と、この扉開閉機構3の移動子34に固定され、下面及び戸袋1の内部側端面の下部を開放することで形成された収容部40を有する扉体4と、扉体4を開閉させる駆動源のモータ5と、モータ5の回転を直線運動に変えるベルト51を備えている。
【0010】
なお、この実施の形態1では、ガイドレール32はフレーム部材2の上端部に跨るように設けられたU字形状の小型のストッパからなる係合保持手段6aを該ガイドレール32の図2の左端部の取付部32aに固定することでフレーム部材2に対する係合関係を保持するように構成されている。また、移動子34は、同様にフレーム部材2の上端部に跨るように設けられ、上記係合保持手段6aよりも大型のU字形状のストッパからなる脱落防止手段6bを該移動子34の図2の左端部の取付部34aに固定することでフレーム部材2に対する係合関係を保持するように構成されている。
【0011】
なお、脱落防止手段6bは常に係合保持手段6aよりも図の右側部分を移動するので、扉体4の開閉動作によって両者が干渉することはない。また、図2に示すようにガイドレール32の所定部には移動子34の開閉方向の移動範囲を規制するリブ状の係止部32b、32cが設けられ、移動子34の戸袋1の奥側(図の左側)端部には、係止部32b、32cに係合する係合体34bが設けられている。戸袋1は台座部11と戸袋フレーム12から構成され、戸袋フレーム12には扉体4が出し入れされる扉出入り口12aが形成されている。
【0012】
なお、上記の他、ベルト51を巻き掛けるためのプーリ、ベルト51と扉体4との結合具、電源部、モータ5を駆動制御する電子回路が実装された回路基板、配線、戸袋1の内部の構成部品を隠蔽する意匠カバー等を備えているが、これらは本発明の特徴部分とは直接関係がなく、従来技術を適宜選択して用いることができる部分でもあるので何れも図示を省略している。なお、本可動式ホーム柵を両開き式にする場合は、プラットホーム際に同一の構成体を対向配置し、双方の扉体4が同時に開閉する様に制御される。また、長いプラットホームに可動式ホーム柵を多数設置する場合は、例えば各可動式ホーム柵の扉体を一斉に動作させ、あるいは切替スイッチ等により個別に動作させるモードを選択できるようにするなど、必要と要求に応じて適宜に構成できる。
【0013】
上記フレーム部材2は横長の板状で、下端部及び上端部が同一方向にL字状に折曲形成され、図3に示すように、下端部の折曲片2aが戸袋1を構成する台座部11に複数のボルト71で強固に固定されている。折曲片2aにはボルト71を挿通する穴2bが図2に示すように複数設けられている。上記ローラー31は、フレーム部材2の上記折曲された側における開閉方向に離間された2か所に、ガイドレール32を上下から挟む如く2個ずつ計4個配設され、それぞれフレーム部材2に固定されたシャフト31aに回転自在に軸支されている。4個のローラー31に係合されたガイドレール32は横長の板状で、断面が略コ字形に形成され、コ字形の上面及び下面がローラー31に対する係合面となっている。そして、ガイドレール32の厚み方向の寸法は、フレーム部材2の上端部のL字状の折曲辺の高さと同等以下に形成されている。
【0014】
移動子34に係合されるガイドローラー33は、コ字形のガイドレール32の内側の面における開閉方向に離間された2か所に、移動子34を上下から挟む如く2個ずつ計4個配設され、それぞれガイドレール32に固定されたシャフト33aに回転自在に軸支されている。扉体4は、主面を構成する表裏2枚の化粧板からなる板状体41、42を用いて構成され、一方の板状体41の下端部は曲げ剛性を確保するため図3に示すように対向された板状体42の側に折曲されている。
【0015】
また、板状体41、42は図3における収容部40の上部における図示されていない平面部分で図示していないスペーサを介して相互に連結され、さらに板状体41、42の周囲の端面における戸袋1の内部側端面の下部に形成された開口部40aと下端面を除く端面部分で相互に連結され、一体的な扉体4を構成している。フレーム部材2の上部及び扉開閉機構3の厚みは、上記2枚の板状体41、42相互の間隔Aの中に収められている。そして、扉体4は一方の板状体41を移動子34に対して複数のボルト72で固定することで扉開閉機構3に接続され、この扉開閉機構3を介してフレーム部材2に係合させることで開閉動作される。
【0016】
次に、上記のように構成された実施の形態1の動作について図4を参照して説明する。なお、扉体4を完全に閉じた閉成状態とは戸袋1から扉体4を外側に略完全に出した状態を指し、全開状態とは扉体4の略全てを戸袋1内に収納した状態を指す。図4(a)は扉体4を完全に閉じた閉成状態、(b)は半開状態、(c)は全開状態を示している。なお、図4においては動作説明のため、扉体4の図の手前側の板状体41、戸袋1の意匠パネル、モータ5、ベルト51、及び脱落防止手段6b等は図示を省略している。まず、閉成状態では図4(a)のように、ガイドレール32がフレーム部材2に対して移動可能範囲Y(図4(b)に図示)の最大限図の右方向に移動し、移動子34もそのガイドレール32に対して移動可能範囲Xの最大限図の右方向に移動して、係合体34bが係止部32cに当接した状態となっている。
【0017】
扉体4を開ける場合は、モータ5の駆動力をベルト51を介して扉体4に伝達すると、扉体4と移動子34を戸袋1側に引き寄せる力が加わり、扉体4が図の左方向に移動する。このとき、扉体4に固定された移動子34がガイドローラー33を回転させつつ図の左方向に滑らかに移動し、図4(b)に示すように係合体34bが係止部32bに当接した状態に至り、半開状態となる。さらに、ベルト51が同方向に駆動されると、移動子34の係合体34bが係止部32bを図の左方向に押すことで、ガイドレール32が図の左方向に移動する。ガイドレール32は対向された2組のローラー31に係合されていることで左端部の移動可能範囲に至るまで滑らかに移動し、図4(c)に示す全開状態となる。
【0018】
上記実施の形態1の扉開閉機構3は、フレーム部材2に開閉方向に離間して1対ずつ設けられた計4個のローラー31と、このローラー31を介して開閉方向に移動可能に係合されたガイドレール32と、このガイドレール32に対して開閉方向に離間して1対ずつ設けられた計4個のガイドローラー33を介して開閉方向に移動可能に係合された移動子34を用いて構成されている。これにより、扉開閉機構3に加わる扉重量や扉体4に印加される荷重はガイドローラー33に分散されるため、耐久性が向上する。なお、扉体4の重量や扉体4に荷重を印加した際のモーメントを考慮すると、ガイドローラー33とローラー31はそれぞれ少なくとも4個以上設けたほうが良い。
【0019】
また、フレーム部材2に対して複数のローラー31を介して開閉方向に移動可能に係合されたガイドレール32を用いて扉開閉機構3を構成し、扉体4をその扉開閉機構3を介してフレーム部材2に保持するようにしたので、扉開閉機構3の長さを短くできると同時に、扉開閉機構3自身が戸袋1の内部に収納可能となり、従来の可動式ホーム柵と同様に戸袋1の長さを短くすることが出来る。
【0020】
次に、実施の形態1による扉装置の輸送性の向上について説明する。
図5は図1に示された扉装置の出荷時の分解例を示す斜視図である。本可動式ホーム柵は、扉体4と扉開閉機構3のガイドローラー31を除く部分、戸袋1の下部を構成する台座部11とガイドローラー31を設けたフレーム部材2、戸袋1の上部を構成する戸袋フレーム12の計3部材に分割した状態で輸送される。一般に、可動式ホーム柵の重量は150kgから250kg程度であり、製造・組立工場から据付先であるプラットホーム間の輸送には専用の治具と工具を要し、特に地下鉄等階段が多い輸送経路は搬入が困難であった。本可動式ホーム柵は上記実状を鑑みて作業者が持ち運びの出来る3部品に分割することで、輸送性が向上されている。
【0021】
次に、上記扉体4と扉開閉機構3、戸袋1の台座部11とフレーム部材2、戸袋フレーム12の製造方法について図6を参照して説明する。なお、図6は図1に示された扉装置の扉体と扉開閉機構の組立斜視図である。最初に、扉体4と扉開閉機構3を製造する。扉体4を構成する板状体41と板状体42は、例えば予め表面に塗装を施した鉄製の塗装鋼板を使用し、所望の形状に曲げ加工することで製造される。次に移動子34とガイドレール32は、例えば材料として鋼鉄材などの鉄系材料を使用し、例えば所望の形状に切削加工する。このとき、ガイドローラー33を取付けるシャフト33aも同時形成する。このシャフト33aはガイドレール32と一体に形成しても良いし、ガイドレール32に穴を開け、別途製造したシャフトを挿入・固定しても良い。
【0022】
次に、ガイドローラー33を製作する。ガイドローラー33の周囲部は、例えば熱可塑性樹脂であるポリウレタンにより形成され、中心部にはベアリングが挿入されている。その製造方法として、ガイドローラー33の形状に掘り込まれた金型の中にベアリングをインサートし、所定の温度に昇温・溶融したポリウレタンを金型内に充填するインサート成形が挙げられる。これにより製造されたガイドローラー33を、シャフト33aに嵌め込む。次に、板状体41に移動子34をボルト72(図3に図示)で固定する。そして、上下のガイドローラー33の間に移動子34を通す。最後に、扉開閉機構3が扉体4の内部に収納される様、板状体42を板状体41に取り付ける。なお、上下に対向されたガイドローラー33の間に移動子34を通す際にはガイドローラー33が回転することや、ガイドローラーが円形形状であることから、容易に挿入することが出来る。
【0023】
次に、戸袋1の台座部11とフレーム部材2を一体化した部品を製造する。
まず、フレーム部材2の材料として例えば鋼鉄材を使用し、所望の形状に例えば切削加工する。このとき、戸袋の台座部11と連結する際にボルト71(図3に示す)を通す穴2bの直径は、ボルト71の外径よりも所定寸法大きくする。これは詳細を後述するように据付時における扉体4の向きを調整するためであり、ボルト71と穴2bの直径の差は調整代である。なお、ローラー31を取り付けるフレーム部材2と一体に形成したシャフト31aや、ローラー31の製造方法は、上記ガイドレール32及びガイドローラー33と同じため省略する。
【0024】
次に、戸袋1の台座部11を製造する。材料は例えば鋼鉄材を使用し、構成する部品を切削等により製造し、ボルト71を用いて組み立てる。そして最後に、戸袋1の台座部11とフレーム部材2をボルト71により仮固定する。
次に、戸袋フレーム12を製造する。戸袋フレーム12の構成部品は、材料として例えば鋼鉄材を使用し、プレスや切削などによる加工後、ボルトにより組み立てる。また、モータ20や、図示されていない電子基板や配線等はこの戸袋フレーム12の内部に収容、固定する。
【0025】
次に、本実施の形態1の可動式ホーム柵の据付方法について図7を用いて説明する。なお、図7は本可動式ホーム柵の据付手順を説明する図であり、(a)はプラットホームに戸袋の台座部11とフレーム部材2を設置、(b)は戸袋台座部11に戸袋フレーム12を接続、(c)は扉体4と扉開閉機構3を組み付け、(d)は係合保持手段6aと脱落防止手段6bの組み付けを示している。まず、図示省略しているプラットホーム上に、図7(a)のように戸袋1の台座部11とフレーム部材2を設置する。その際、プラットホームと戸袋1の台座部11間にスペーサ(図示省略)を挟み込み、台座部11の水平出しをする。
【0026】
そして、図7(b)に示すように、台座部11に戸袋フレーム12をボルトにより連結する。その後、図7(c)に示すように、扉開閉機構3を組み込んだ扉体4を戸袋1の扉出入り口12aから挿入しつつ、ガイドレール32を上下に対向されたローラー31相互の間に挿入する。次に、図7(d)に示すように、係合保持手段6aと脱落防止手段6bを取り付ける。係合保持手段6aはガイドレール32とフレーム部材2の外れを防止し、脱落防止手段6bは移動子34とガイドレール32の外れを防止する。なお、対向されたローラー31の間にガイドレール32を通す際には上記扉開閉機構3の製造時と同様に、ローラー31が回転することやローラー31が円形形状であることから、容易に挿入することが出来る。
【0027】
次に、扉体4の高さと向きを調整する。本可動式ホーム柵を対向配置した場合、プラットホームの据付面が湾曲していると、扉体4間に隙間が生じる。しかし、本可動式ホーム柵は扉体4をフレーム部材2により支持しているため、フレーム部材2の高さ及び向きを調整すれば、容易に扉体4のズレを修正出来る。具体的には、上記戸袋1の台座部11とフレーム部材2を仮固定しているボルト71を取り外し、台座部11とフレーム部材2間にスペーサを挟む事で扉体4の高さを調整し、フレーム部材2の折曲片2aに空けた穴2bと固定ボルト71の寸法差によってフレーム部材2の向きを調整し、扉体4の向きを容易に調整することが出来る。このように、高い加工精度が要求されるために組立工場で一体化・輸送し、プラットホームと可動式ホーム柵間にスペーサを挿入することで傾きを調整していた従来の可動式ホーム柵に比べて、本可動式ホーム柵は据付性に優れている。
【0028】
なお、実施の形態1ではフレーム部材2などの構成材料として鋼鉄材を用いたがこれに限定されるものではなく、例えば耐錆性を有するステンレス等の金属材等を用い、あるいは扉体4や戸袋1の化粧板として軽量なアルミニウムやその合金材あるいは樹脂材などを用いても良い。また、ガイドローラー33及びローラー31の材質として熱可塑性樹脂であるポリウレタンを用いたがこれに限らず、異種樹脂や金属等を用いても良い。また、フレーム部材2やガイドレール32にそれぞれ4個のローラーやガイドローラーを取り付けたがこれに限らず、数量を増すことで個々のローラーへの負荷を更に低減することが出来る。また、輸送時に本可動式ホーム柵を3部品に分割輸送したがこれに限らず、重量や制約寸法等に応じて適宜変更することが出来る。
【0029】
上記のように実施の形態1によれば、扉体4を開いた際に扉開閉機構3とフレーム部材2の上部が扉体4の下部の収容部40に収納されるようにしたため、戸袋1の下部を戸袋の厚み方向にせり出させる必要はなく、意匠性が向上し、戸袋1や扉体4を薄型化でき、軽量化することもできる。また、扉開閉機構3はフレーム部材2に対して開閉方向に離間された2か所に上下に対向するように1対ずつ設置された計4個のローラー31を介して係合されているので、扉体1を閉じた状態で扉先端上部に荷重が印加した際に複数のローラーに負荷を分散出来ることから耐久性が向上する。また、ローラー31を用いたため、リニアガイドに比べて組立て性が向上し、構成部品製造時の要求加工精度を下げることができ加工性、及び据付性が向上する。また、輸送性を改善することもできる。
【0030】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る扉装置について図8、図9を用いて説明する。なお、図8は扉装置としての可動式ホーム柵の要部を示す分解斜視図、図9は図8に示された扉装置の据付状態での扉体下部の収容部とその近傍を示す要部断面図である。。なお、各図を通じて、同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。図において、フレーム部材2に突出されたシャフト31aに対して回転自在に支承された4個のローラー31A、及びガイドレール32Aに突出されたシャフト33aに対して回転自在に支承された4個のガイドローラー33Aの外周面は、何れも断面が三角形の山形状に形成されている。
【0031】
これに対応して、ガイドレール32Aのローラー31Aとの係合面、及び移動子34Aのガイドローラー33Aとの係合面は、何れもV字形の溝状に形成されている。これにより、ガイドレール32Aとローラー31A、及び移動子34Aとガイドローラー33Aは、回転軸方向(図の左右方向)の位置がそれぞれ互いに拘束されるように係合されるので、移動子34Aのフレーム部材2に対する図の左右方向の位置も拘束されることで、実施の形態2では、上記実施の形態1の係合保持手段6a、脱落防止手段6bが不要となっている。その他の構成、材料、製造方法や組立方法は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0032】
上記のように構成された実施の形態2においては、実施の形態1の係合保持手段6a、脱落防止手段6bを省くことができるので、部品数や加工、組立工数を削減することが可能となり、軽量化や、原価低減も可能となる。
なお、上記実施の形態2の効果を期待しなくても良い場合は、上記図8、図9に示す構成に実施の形態1で用いた係合保持手段6a、脱落防止手段6bを併用しても差し支えない。係合保持手段6a、脱落防止手段6bを併用することで、扉体4に対する垂直方向の荷重への耐性が向上する。また、上記とは逆に、ローラー31A、及びガイドローラー33Aの周面をV字状の溝とし、ガイドレール32A及び移動子34Aの係合面を断面が三角形の山形状に形成しても良い。さらに、このような係合を保持するための形態は上記に限定されるものではなく、例えばV字形をU字形や円弧状にするなど、適宜変更することも差し支えない。
【0033】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3に係る扉装置について図10〜図12を参照して説明する。なお、図10は実施の形態3による扉装置の要部を示す分解斜視図である。図11は図10に示された扉装置の動作を説明する図であり、(a)は扉体を完全に閉じる寸前の係止手段の近傍、(b)は閉成状態におけるストッパ近傍をそれぞれ拡大して示す要部断面図である。図12は図10に示された扉装置の据付手順を説明する図であり、(a)から(d)は各段階における組立物を示す斜視図である。図において、戸袋1を構成する戸袋フレーム12の扉出入り口12a部には、扉体4を両面から挟む如く対向された一対の部品からなる係止座81が上下に離間された2か所に固定されている。
【0034】
一方、扉体4の戸袋内部側端部には、扉体4を閉じる最終過程で係止座81に当接するように表裏主面の両面から突出された係止体82が、同じく上下に離間された2か所に固定されている。上記係止座81と上記係止体82によって、扉体4が閉じられたときに、該扉体4の戸袋1に対する位置を規制する係止手段8が構成されている。図11に示すように係止座81は、テーパー状の傾斜面を有する対向された一対の部品が、扉体4が閉じる方向に窄まるように対称的に配設されている。係止体82は、設置状態において係止座81の傾斜面と同一方向の傾斜面を有する駒状の部材として形成されている。
【0035】
上記係止座81と上記係止体82は、例えば熱可塑性樹脂であるポリアセタール樹脂を用いて製造される。製造方法としては、例えば射出成形や押出成形等の一般的な成型方法によることができ、所望の形状に彫り込んだ金型内に所定の温度に昇温・溶融したポリアセタール樹脂を充填し、冷却固化することによって容易に得ることができる。
【0036】
据付手順としては、図12(a)に示すように図示省略しているプラットホームに戸袋の台座部11とフレーム部材2を設置し、(b)に示すように台座部11に戸袋フレーム12を接続し、(d)に示すように扉体4と扉開閉機構3を組み付け、その後(e)に示すように、係止座81を戸袋フレーム12の扉出入り口12a部に固定し、さらに、係止体82を扉体4の戸袋内部側端部に固定すればよい。なお、係止体82の扉体4への取り付けは、例えば両面テープ、接着剤、ボルト等、何れの固定方法を用いても良い。ただし、メンテナンス時等扉体4を取り外す場合を考慮すると、係止座81の戸袋1への取り付けはボルト等比較的取り外し易い固定方法が好ましい。その他については、上記実施の形態1または実施の形態2と同様に構成できるので説明を省略する。
【0037】
上記のように構成された実施の形態3においては、扉体4を完全に閉じたときに係止手段8によって扉体4の戸袋1に対する位置が規制されることによって、扉体4に対して垂直方向の荷重が印加された際の耐性が向上すると同時に、構成部品の加工誤差によるがたつきを抑制することができる。これにより、耐久性と加工性が向上するという効果が得られる。なお、係止手段8の材料として熱可塑性樹脂であるポリアセタール樹脂を用いたがこれに限定されるものではなく、例えば他の樹脂材料、金属系材料、複合材料等を用いても良い。また、係止座81と係止体82の当接部をテーパー形状としたがこれに限定されず、互いの位置を拘束できる形状・構造であれば差し支えない。
【0038】
なお、上記実施の形態1〜3では、ローラー31(31A)をフレーム部材2に設け、ガイドローラー33(33A)をガイドレール32(32A)に設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えばローラー31(31A)をガイドレール32(32A)に設けるようにしても良い。また、上記実施の形態1に示した係合保持手段6a、脱落防止手段6bの構成は図示されたものに限定されないことは勿論であり、係合箇所、形状等はもとより、係合手法を適宜変更することができる。さらに、扉体4の駆動方式など、適宜変更できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0039】
1 戸袋、 11 台座部、 12 戸袋フレーム、 12a 扉出入り口、 2 フレーム部材、 2a 折曲片、 2b 穴、 3 扉開閉機構、 31、31A ローラー、 31a シャフト、 32、32A ガイドレール、 32a 取付部、 32b、32c 係止部、 33、33A ガイドローラー、 33a シャフト、 34、34A 移動子、 34a 取付部、 34b 係合体、 扉体4 、 40 収容部、 40a 開口部、 41、42 板状体、 5 モータ、 51 ベルト、 6a 係合保持手段、 6b 脱落防止手段、 71、72 ボルト、 8 係止手段、 81 係止座、 82 係止体。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば鉄道駅のプラットホーム側縁に沿って設置される開閉扉を有した可動式プラットホーム柵などとして好ましく用いることができる扉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、プラットホーム上に設けられ内部に扉収納空間を形成する戸袋体と、前記戸袋体にスライド可能に支持されるスライド体と、前記扉収納空間において前記スライド体よりもホーム側に設置され、前記スライド体にスライド可能に支持される扉体と、前記扉体の速度が前記スライド体の速度の2倍となるように両者を同時に駆動する駆動機構と、を有し、前記スライド体の上下方向の長さは前記扉体の上下方向の長さより短く形成し、前記戸袋体は、その下部に大厚部を、その上部に小厚部をそれぞれ有する形状として、前記大厚部における前記扉収納空間に前記スライド体を配置し、前記大厚部は、前記戸袋体の上端部の高さにおける車両限界よりも軌道側に張り出すように設けられているものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−8067号公報(第1頁、図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の技術においては、戸袋の一部が軌道側に部分的にせり出す構造となり、意匠性が低下するという問題があった。また、扉を閉じた状態で扉先端上部に荷重が印加されると、スライド軸受けユニットに応力が集中するため耐久性に課題があった。また、複数のリニアガイドレールを用いることによって扉等の構成部品の要求加工精度が高くなり、加工性が悪化するほか、要求組立精度も高くなることで組立て性や据付性が悪いという問題があった。
【0005】
この発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、戸袋の薄型化が可能で意匠性が向上され、耐久性や据付性なども向上された扉装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る扉装置は、戸袋の内部に立設固定されたフレーム部材と、戸袋の内部に立設固定されたフレーム部材と、このフレーム部材に対して複数のローラーを介して開閉方向に移動可能に係合されたガイドレールを用いて構成された扉開閉機構と、この扉開閉機構を介して上記フレーム部材に保持され、かつ、下面及び上記戸袋内部側端面の下部を開放することで形成され上記フレーム部材の上部及び上記扉開閉機構を受け容れる収容部を有する扉体を備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、扉体を開くときに扉開閉機構とフレーム部材の上部を扉体下部の収容部に収納するようにしたので、戸袋の下部を戸袋の厚み方向にせり出させる必要はなく、意匠性が向上する。また、扉開閉機構はフレーム部材に対して複数のローラーを介して開閉方向に移動可能に係合されているので、扉を閉じた状態で扉先端上部に荷重が印加された際に複数のローラーに負荷を分散出来ることから耐久性が向上する。また、ローラーを用いるため、リニアガイドに比べて組立て性が向上し、構成部品製造時の要求加工精度を下げることができ加工性、及び据付性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1による扉装置の要部を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示された扉開閉機構とフレーム部材の拡大斜視図である。
【図3】図1に示された扉装置の据付状態での扉体下部の収容部とその近傍を示す要部断面図である。
【図4】図1に示された扉装置の動作を説明する図であり、(a)は閉成状態、(b)は半開状態、(c)は全開状態を示す。
【図5】図1に示された扉装置の出荷時の分解例を示す斜視図である。
【図6】図1に示された扉装置の扉体と扉開閉機構の組立斜視図である。
【図7】図1に示された扉装置の据付手順を説明する図であり、(a)から(d)は各段階における組立物を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態2による扉装置の要部を示す分解斜視図である。
【図9】図8に示された扉装置の据付状態での扉体下部の収容部とその近傍を示す要部断面図である。
【図10】本発明の実施の形態3による扉装置の要部を示す分解斜視図である。
【図11】図10に示された扉装置の動作を説明する図であり、(a)は扉体を完全に閉じる寸前の係止手段の近傍、(b)は閉成状態におけるストッパ近傍をそれぞれ拡大して示す要部断面図である。
【図12】図10に示された扉装置の据付手順を説明する図であり、(a)から(d)は各段階における組立物を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る扉装置を可動式プラットホーム柵(以下、可動式ホーム柵という)として用いた場合について、図1〜図7を参照して説明する。可動式ホーム柵は図1の分解斜視図に示すように、駅のプラットホームの側縁部等の基部上に立設される戸袋1と、この戸袋1の内部に図3に示すように立設固定されるフレーム部材2と、このフレーム部材2に対して複数のローラー31を介して開閉方向に移動可能に係合されたガイドレール32、及びこのガイドレール32に対して複数のガイドローラー33を介して開閉方向に移動可能に係合された移動子34を用いて構成されている扉開閉機構3と、この扉開閉機構3の移動子34に固定され、下面及び戸袋1の内部側端面の下部を開放することで形成された収容部40を有する扉体4と、扉体4を開閉させる駆動源のモータ5と、モータ5の回転を直線運動に変えるベルト51を備えている。
【0010】
なお、この実施の形態1では、ガイドレール32はフレーム部材2の上端部に跨るように設けられたU字形状の小型のストッパからなる係合保持手段6aを該ガイドレール32の図2の左端部の取付部32aに固定することでフレーム部材2に対する係合関係を保持するように構成されている。また、移動子34は、同様にフレーム部材2の上端部に跨るように設けられ、上記係合保持手段6aよりも大型のU字形状のストッパからなる脱落防止手段6bを該移動子34の図2の左端部の取付部34aに固定することでフレーム部材2に対する係合関係を保持するように構成されている。
【0011】
なお、脱落防止手段6bは常に係合保持手段6aよりも図の右側部分を移動するので、扉体4の開閉動作によって両者が干渉することはない。また、図2に示すようにガイドレール32の所定部には移動子34の開閉方向の移動範囲を規制するリブ状の係止部32b、32cが設けられ、移動子34の戸袋1の奥側(図の左側)端部には、係止部32b、32cに係合する係合体34bが設けられている。戸袋1は台座部11と戸袋フレーム12から構成され、戸袋フレーム12には扉体4が出し入れされる扉出入り口12aが形成されている。
【0012】
なお、上記の他、ベルト51を巻き掛けるためのプーリ、ベルト51と扉体4との結合具、電源部、モータ5を駆動制御する電子回路が実装された回路基板、配線、戸袋1の内部の構成部品を隠蔽する意匠カバー等を備えているが、これらは本発明の特徴部分とは直接関係がなく、従来技術を適宜選択して用いることができる部分でもあるので何れも図示を省略している。なお、本可動式ホーム柵を両開き式にする場合は、プラットホーム際に同一の構成体を対向配置し、双方の扉体4が同時に開閉する様に制御される。また、長いプラットホームに可動式ホーム柵を多数設置する場合は、例えば各可動式ホーム柵の扉体を一斉に動作させ、あるいは切替スイッチ等により個別に動作させるモードを選択できるようにするなど、必要と要求に応じて適宜に構成できる。
【0013】
上記フレーム部材2は横長の板状で、下端部及び上端部が同一方向にL字状に折曲形成され、図3に示すように、下端部の折曲片2aが戸袋1を構成する台座部11に複数のボルト71で強固に固定されている。折曲片2aにはボルト71を挿通する穴2bが図2に示すように複数設けられている。上記ローラー31は、フレーム部材2の上記折曲された側における開閉方向に離間された2か所に、ガイドレール32を上下から挟む如く2個ずつ計4個配設され、それぞれフレーム部材2に固定されたシャフト31aに回転自在に軸支されている。4個のローラー31に係合されたガイドレール32は横長の板状で、断面が略コ字形に形成され、コ字形の上面及び下面がローラー31に対する係合面となっている。そして、ガイドレール32の厚み方向の寸法は、フレーム部材2の上端部のL字状の折曲辺の高さと同等以下に形成されている。
【0014】
移動子34に係合されるガイドローラー33は、コ字形のガイドレール32の内側の面における開閉方向に離間された2か所に、移動子34を上下から挟む如く2個ずつ計4個配設され、それぞれガイドレール32に固定されたシャフト33aに回転自在に軸支されている。扉体4は、主面を構成する表裏2枚の化粧板からなる板状体41、42を用いて構成され、一方の板状体41の下端部は曲げ剛性を確保するため図3に示すように対向された板状体42の側に折曲されている。
【0015】
また、板状体41、42は図3における収容部40の上部における図示されていない平面部分で図示していないスペーサを介して相互に連結され、さらに板状体41、42の周囲の端面における戸袋1の内部側端面の下部に形成された開口部40aと下端面を除く端面部分で相互に連結され、一体的な扉体4を構成している。フレーム部材2の上部及び扉開閉機構3の厚みは、上記2枚の板状体41、42相互の間隔Aの中に収められている。そして、扉体4は一方の板状体41を移動子34に対して複数のボルト72で固定することで扉開閉機構3に接続され、この扉開閉機構3を介してフレーム部材2に係合させることで開閉動作される。
【0016】
次に、上記のように構成された実施の形態1の動作について図4を参照して説明する。なお、扉体4を完全に閉じた閉成状態とは戸袋1から扉体4を外側に略完全に出した状態を指し、全開状態とは扉体4の略全てを戸袋1内に収納した状態を指す。図4(a)は扉体4を完全に閉じた閉成状態、(b)は半開状態、(c)は全開状態を示している。なお、図4においては動作説明のため、扉体4の図の手前側の板状体41、戸袋1の意匠パネル、モータ5、ベルト51、及び脱落防止手段6b等は図示を省略している。まず、閉成状態では図4(a)のように、ガイドレール32がフレーム部材2に対して移動可能範囲Y(図4(b)に図示)の最大限図の右方向に移動し、移動子34もそのガイドレール32に対して移動可能範囲Xの最大限図の右方向に移動して、係合体34bが係止部32cに当接した状態となっている。
【0017】
扉体4を開ける場合は、モータ5の駆動力をベルト51を介して扉体4に伝達すると、扉体4と移動子34を戸袋1側に引き寄せる力が加わり、扉体4が図の左方向に移動する。このとき、扉体4に固定された移動子34がガイドローラー33を回転させつつ図の左方向に滑らかに移動し、図4(b)に示すように係合体34bが係止部32bに当接した状態に至り、半開状態となる。さらに、ベルト51が同方向に駆動されると、移動子34の係合体34bが係止部32bを図の左方向に押すことで、ガイドレール32が図の左方向に移動する。ガイドレール32は対向された2組のローラー31に係合されていることで左端部の移動可能範囲に至るまで滑らかに移動し、図4(c)に示す全開状態となる。
【0018】
上記実施の形態1の扉開閉機構3は、フレーム部材2に開閉方向に離間して1対ずつ設けられた計4個のローラー31と、このローラー31を介して開閉方向に移動可能に係合されたガイドレール32と、このガイドレール32に対して開閉方向に離間して1対ずつ設けられた計4個のガイドローラー33を介して開閉方向に移動可能に係合された移動子34を用いて構成されている。これにより、扉開閉機構3に加わる扉重量や扉体4に印加される荷重はガイドローラー33に分散されるため、耐久性が向上する。なお、扉体4の重量や扉体4に荷重を印加した際のモーメントを考慮すると、ガイドローラー33とローラー31はそれぞれ少なくとも4個以上設けたほうが良い。
【0019】
また、フレーム部材2に対して複数のローラー31を介して開閉方向に移動可能に係合されたガイドレール32を用いて扉開閉機構3を構成し、扉体4をその扉開閉機構3を介してフレーム部材2に保持するようにしたので、扉開閉機構3の長さを短くできると同時に、扉開閉機構3自身が戸袋1の内部に収納可能となり、従来の可動式ホーム柵と同様に戸袋1の長さを短くすることが出来る。
【0020】
次に、実施の形態1による扉装置の輸送性の向上について説明する。
図5は図1に示された扉装置の出荷時の分解例を示す斜視図である。本可動式ホーム柵は、扉体4と扉開閉機構3のガイドローラー31を除く部分、戸袋1の下部を構成する台座部11とガイドローラー31を設けたフレーム部材2、戸袋1の上部を構成する戸袋フレーム12の計3部材に分割した状態で輸送される。一般に、可動式ホーム柵の重量は150kgから250kg程度であり、製造・組立工場から据付先であるプラットホーム間の輸送には専用の治具と工具を要し、特に地下鉄等階段が多い輸送経路は搬入が困難であった。本可動式ホーム柵は上記実状を鑑みて作業者が持ち運びの出来る3部品に分割することで、輸送性が向上されている。
【0021】
次に、上記扉体4と扉開閉機構3、戸袋1の台座部11とフレーム部材2、戸袋フレーム12の製造方法について図6を参照して説明する。なお、図6は図1に示された扉装置の扉体と扉開閉機構の組立斜視図である。最初に、扉体4と扉開閉機構3を製造する。扉体4を構成する板状体41と板状体42は、例えば予め表面に塗装を施した鉄製の塗装鋼板を使用し、所望の形状に曲げ加工することで製造される。次に移動子34とガイドレール32は、例えば材料として鋼鉄材などの鉄系材料を使用し、例えば所望の形状に切削加工する。このとき、ガイドローラー33を取付けるシャフト33aも同時形成する。このシャフト33aはガイドレール32と一体に形成しても良いし、ガイドレール32に穴を開け、別途製造したシャフトを挿入・固定しても良い。
【0022】
次に、ガイドローラー33を製作する。ガイドローラー33の周囲部は、例えば熱可塑性樹脂であるポリウレタンにより形成され、中心部にはベアリングが挿入されている。その製造方法として、ガイドローラー33の形状に掘り込まれた金型の中にベアリングをインサートし、所定の温度に昇温・溶融したポリウレタンを金型内に充填するインサート成形が挙げられる。これにより製造されたガイドローラー33を、シャフト33aに嵌め込む。次に、板状体41に移動子34をボルト72(図3に図示)で固定する。そして、上下のガイドローラー33の間に移動子34を通す。最後に、扉開閉機構3が扉体4の内部に収納される様、板状体42を板状体41に取り付ける。なお、上下に対向されたガイドローラー33の間に移動子34を通す際にはガイドローラー33が回転することや、ガイドローラーが円形形状であることから、容易に挿入することが出来る。
【0023】
次に、戸袋1の台座部11とフレーム部材2を一体化した部品を製造する。
まず、フレーム部材2の材料として例えば鋼鉄材を使用し、所望の形状に例えば切削加工する。このとき、戸袋の台座部11と連結する際にボルト71(図3に示す)を通す穴2bの直径は、ボルト71の外径よりも所定寸法大きくする。これは詳細を後述するように据付時における扉体4の向きを調整するためであり、ボルト71と穴2bの直径の差は調整代である。なお、ローラー31を取り付けるフレーム部材2と一体に形成したシャフト31aや、ローラー31の製造方法は、上記ガイドレール32及びガイドローラー33と同じため省略する。
【0024】
次に、戸袋1の台座部11を製造する。材料は例えば鋼鉄材を使用し、構成する部品を切削等により製造し、ボルト71を用いて組み立てる。そして最後に、戸袋1の台座部11とフレーム部材2をボルト71により仮固定する。
次に、戸袋フレーム12を製造する。戸袋フレーム12の構成部品は、材料として例えば鋼鉄材を使用し、プレスや切削などによる加工後、ボルトにより組み立てる。また、モータ20や、図示されていない電子基板や配線等はこの戸袋フレーム12の内部に収容、固定する。
【0025】
次に、本実施の形態1の可動式ホーム柵の据付方法について図7を用いて説明する。なお、図7は本可動式ホーム柵の据付手順を説明する図であり、(a)はプラットホームに戸袋の台座部11とフレーム部材2を設置、(b)は戸袋台座部11に戸袋フレーム12を接続、(c)は扉体4と扉開閉機構3を組み付け、(d)は係合保持手段6aと脱落防止手段6bの組み付けを示している。まず、図示省略しているプラットホーム上に、図7(a)のように戸袋1の台座部11とフレーム部材2を設置する。その際、プラットホームと戸袋1の台座部11間にスペーサ(図示省略)を挟み込み、台座部11の水平出しをする。
【0026】
そして、図7(b)に示すように、台座部11に戸袋フレーム12をボルトにより連結する。その後、図7(c)に示すように、扉開閉機構3を組み込んだ扉体4を戸袋1の扉出入り口12aから挿入しつつ、ガイドレール32を上下に対向されたローラー31相互の間に挿入する。次に、図7(d)に示すように、係合保持手段6aと脱落防止手段6bを取り付ける。係合保持手段6aはガイドレール32とフレーム部材2の外れを防止し、脱落防止手段6bは移動子34とガイドレール32の外れを防止する。なお、対向されたローラー31の間にガイドレール32を通す際には上記扉開閉機構3の製造時と同様に、ローラー31が回転することやローラー31が円形形状であることから、容易に挿入することが出来る。
【0027】
次に、扉体4の高さと向きを調整する。本可動式ホーム柵を対向配置した場合、プラットホームの据付面が湾曲していると、扉体4間に隙間が生じる。しかし、本可動式ホーム柵は扉体4をフレーム部材2により支持しているため、フレーム部材2の高さ及び向きを調整すれば、容易に扉体4のズレを修正出来る。具体的には、上記戸袋1の台座部11とフレーム部材2を仮固定しているボルト71を取り外し、台座部11とフレーム部材2間にスペーサを挟む事で扉体4の高さを調整し、フレーム部材2の折曲片2aに空けた穴2bと固定ボルト71の寸法差によってフレーム部材2の向きを調整し、扉体4の向きを容易に調整することが出来る。このように、高い加工精度が要求されるために組立工場で一体化・輸送し、プラットホームと可動式ホーム柵間にスペーサを挿入することで傾きを調整していた従来の可動式ホーム柵に比べて、本可動式ホーム柵は据付性に優れている。
【0028】
なお、実施の形態1ではフレーム部材2などの構成材料として鋼鉄材を用いたがこれに限定されるものではなく、例えば耐錆性を有するステンレス等の金属材等を用い、あるいは扉体4や戸袋1の化粧板として軽量なアルミニウムやその合金材あるいは樹脂材などを用いても良い。また、ガイドローラー33及びローラー31の材質として熱可塑性樹脂であるポリウレタンを用いたがこれに限らず、異種樹脂や金属等を用いても良い。また、フレーム部材2やガイドレール32にそれぞれ4個のローラーやガイドローラーを取り付けたがこれに限らず、数量を増すことで個々のローラーへの負荷を更に低減することが出来る。また、輸送時に本可動式ホーム柵を3部品に分割輸送したがこれに限らず、重量や制約寸法等に応じて適宜変更することが出来る。
【0029】
上記のように実施の形態1によれば、扉体4を開いた際に扉開閉機構3とフレーム部材2の上部が扉体4の下部の収容部40に収納されるようにしたため、戸袋1の下部を戸袋の厚み方向にせり出させる必要はなく、意匠性が向上し、戸袋1や扉体4を薄型化でき、軽量化することもできる。また、扉開閉機構3はフレーム部材2に対して開閉方向に離間された2か所に上下に対向するように1対ずつ設置された計4個のローラー31を介して係合されているので、扉体1を閉じた状態で扉先端上部に荷重が印加した際に複数のローラーに負荷を分散出来ることから耐久性が向上する。また、ローラー31を用いたため、リニアガイドに比べて組立て性が向上し、構成部品製造時の要求加工精度を下げることができ加工性、及び据付性が向上する。また、輸送性を改善することもできる。
【0030】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係る扉装置について図8、図9を用いて説明する。なお、図8は扉装置としての可動式ホーム柵の要部を示す分解斜視図、図9は図8に示された扉装置の据付状態での扉体下部の収容部とその近傍を示す要部断面図である。。なお、各図を通じて、同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。図において、フレーム部材2に突出されたシャフト31aに対して回転自在に支承された4個のローラー31A、及びガイドレール32Aに突出されたシャフト33aに対して回転自在に支承された4個のガイドローラー33Aの外周面は、何れも断面が三角形の山形状に形成されている。
【0031】
これに対応して、ガイドレール32Aのローラー31Aとの係合面、及び移動子34Aのガイドローラー33Aとの係合面は、何れもV字形の溝状に形成されている。これにより、ガイドレール32Aとローラー31A、及び移動子34Aとガイドローラー33Aは、回転軸方向(図の左右方向)の位置がそれぞれ互いに拘束されるように係合されるので、移動子34Aのフレーム部材2に対する図の左右方向の位置も拘束されることで、実施の形態2では、上記実施の形態1の係合保持手段6a、脱落防止手段6bが不要となっている。その他の構成、材料、製造方法や組立方法は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0032】
上記のように構成された実施の形態2においては、実施の形態1の係合保持手段6a、脱落防止手段6bを省くことができるので、部品数や加工、組立工数を削減することが可能となり、軽量化や、原価低減も可能となる。
なお、上記実施の形態2の効果を期待しなくても良い場合は、上記図8、図9に示す構成に実施の形態1で用いた係合保持手段6a、脱落防止手段6bを併用しても差し支えない。係合保持手段6a、脱落防止手段6bを併用することで、扉体4に対する垂直方向の荷重への耐性が向上する。また、上記とは逆に、ローラー31A、及びガイドローラー33Aの周面をV字状の溝とし、ガイドレール32A及び移動子34Aの係合面を断面が三角形の山形状に形成しても良い。さらに、このような係合を保持するための形態は上記に限定されるものではなく、例えばV字形をU字形や円弧状にするなど、適宜変更することも差し支えない。
【0033】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3に係る扉装置について図10〜図12を参照して説明する。なお、図10は実施の形態3による扉装置の要部を示す分解斜視図である。図11は図10に示された扉装置の動作を説明する図であり、(a)は扉体を完全に閉じる寸前の係止手段の近傍、(b)は閉成状態におけるストッパ近傍をそれぞれ拡大して示す要部断面図である。図12は図10に示された扉装置の据付手順を説明する図であり、(a)から(d)は各段階における組立物を示す斜視図である。図において、戸袋1を構成する戸袋フレーム12の扉出入り口12a部には、扉体4を両面から挟む如く対向された一対の部品からなる係止座81が上下に離間された2か所に固定されている。
【0034】
一方、扉体4の戸袋内部側端部には、扉体4を閉じる最終過程で係止座81に当接するように表裏主面の両面から突出された係止体82が、同じく上下に離間された2か所に固定されている。上記係止座81と上記係止体82によって、扉体4が閉じられたときに、該扉体4の戸袋1に対する位置を規制する係止手段8が構成されている。図11に示すように係止座81は、テーパー状の傾斜面を有する対向された一対の部品が、扉体4が閉じる方向に窄まるように対称的に配設されている。係止体82は、設置状態において係止座81の傾斜面と同一方向の傾斜面を有する駒状の部材として形成されている。
【0035】
上記係止座81と上記係止体82は、例えば熱可塑性樹脂であるポリアセタール樹脂を用いて製造される。製造方法としては、例えば射出成形や押出成形等の一般的な成型方法によることができ、所望の形状に彫り込んだ金型内に所定の温度に昇温・溶融したポリアセタール樹脂を充填し、冷却固化することによって容易に得ることができる。
【0036】
据付手順としては、図12(a)に示すように図示省略しているプラットホームに戸袋の台座部11とフレーム部材2を設置し、(b)に示すように台座部11に戸袋フレーム12を接続し、(d)に示すように扉体4と扉開閉機構3を組み付け、その後(e)に示すように、係止座81を戸袋フレーム12の扉出入り口12a部に固定し、さらに、係止体82を扉体4の戸袋内部側端部に固定すればよい。なお、係止体82の扉体4への取り付けは、例えば両面テープ、接着剤、ボルト等、何れの固定方法を用いても良い。ただし、メンテナンス時等扉体4を取り外す場合を考慮すると、係止座81の戸袋1への取り付けはボルト等比較的取り外し易い固定方法が好ましい。その他については、上記実施の形態1または実施の形態2と同様に構成できるので説明を省略する。
【0037】
上記のように構成された実施の形態3においては、扉体4を完全に閉じたときに係止手段8によって扉体4の戸袋1に対する位置が規制されることによって、扉体4に対して垂直方向の荷重が印加された際の耐性が向上すると同時に、構成部品の加工誤差によるがたつきを抑制することができる。これにより、耐久性と加工性が向上するという効果が得られる。なお、係止手段8の材料として熱可塑性樹脂であるポリアセタール樹脂を用いたがこれに限定されるものではなく、例えば他の樹脂材料、金属系材料、複合材料等を用いても良い。また、係止座81と係止体82の当接部をテーパー形状としたがこれに限定されず、互いの位置を拘束できる形状・構造であれば差し支えない。
【0038】
なお、上記実施の形態1〜3では、ローラー31(31A)をフレーム部材2に設け、ガイドローラー33(33A)をガイドレール32(32A)に設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えばローラー31(31A)をガイドレール32(32A)に設けるようにしても良い。また、上記実施の形態1に示した係合保持手段6a、脱落防止手段6bの構成は図示されたものに限定されないことは勿論であり、係合箇所、形状等はもとより、係合手法を適宜変更することができる。さらに、扉体4の駆動方式など、適宜変更できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0039】
1 戸袋、 11 台座部、 12 戸袋フレーム、 12a 扉出入り口、 2 フレーム部材、 2a 折曲片、 2b 穴、 3 扉開閉機構、 31、31A ローラー、 31a シャフト、 32、32A ガイドレール、 32a 取付部、 32b、32c 係止部、 33、33A ガイドローラー、 33a シャフト、 34、34A 移動子、 34a 取付部、 34b 係合体、 扉体4 、 40 収容部、 40a 開口部、 41、42 板状体、 5 モータ、 51 ベルト、 6a 係合保持手段、 6b 脱落防止手段、 71、72 ボルト、 8 係止手段、 81 係止座、 82 係止体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸袋の内部に立設固定されたフレーム部材と、このフレーム部材に対して複数のローラーを介して開閉方向に移動可能に係合されたガイドレールを用いて構成された扉開閉機構と、この扉開閉機構を介して上記フレーム部材に保持され、かつ、下面及び上記戸袋内部側端面の下部を開放することで形成され上記フレーム部材の上部及び上記扉開閉機構を受け容れる収容部を有する扉体を備えたことを特徴とする扉装置。
【請求項2】
上記ガイドレールと上記ローラーの当接部に、上記ローラーの回転軸方向に形成された凹凸によって相互の係合が保持されていることを特徴とする請求項1記載の扉装置。
【請求項3】
上記扉開閉機構は、上記ガイドレールに対して複数のガイドローラーを介して上記開閉方向に移動可能に係合され、上記扉体に固定された移動子を用いてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の扉装置。
【請求項4】
上記移動子と上記ガイドローラーの当接部に、上記ガイドローラーの回転軸方向に形成された凹凸によって相互の係合が保持されていることを特徴とする請求項3記載の扉装置。
【請求項5】
上記ガイドローラーは、上記ガイドレールにおける上記開閉方向に離間された少なくとも2か所に、上記移動子をそれぞれ上下から挟む如く対向して配設されていることを特徴とする請求項3または請求項4記載の扉装置。
【請求項6】
上記ガイドレールに対する上記移動子の係合関係を保持する脱落防止手段を備えたことを特徴とする請求項3から請求項5の何れかに記載の扉装置。
【請求項7】
上記ローラーは、上記フレーム部材における上記開閉方向に離間された少なくとも2か所に、上記ガイドレールをそれぞれ上下から挟む如く対向して配設されていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の扉装置。
【請求項8】
上記フレーム部材に対する上記ガイドレールの係合関係を保持する係合保持手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の扉装置。
【請求項9】
上記扉体は、主面を構成する表裏2枚の板状体を用いて構成され、上記フレーム部材の上部及び上記扉開閉機構の厚みは、上記2枚の板状体相互の間に収められてなることを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の扉装置。
【請求項10】
上記扉体と上記戸袋との間に、上記扉体が閉じられたときに、該扉体の上記戸袋に対する位置を規制する係止手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載の扉装置。
【請求項1】
戸袋の内部に立設固定されたフレーム部材と、このフレーム部材に対して複数のローラーを介して開閉方向に移動可能に係合されたガイドレールを用いて構成された扉開閉機構と、この扉開閉機構を介して上記フレーム部材に保持され、かつ、下面及び上記戸袋内部側端面の下部を開放することで形成され上記フレーム部材の上部及び上記扉開閉機構を受け容れる収容部を有する扉体を備えたことを特徴とする扉装置。
【請求項2】
上記ガイドレールと上記ローラーの当接部に、上記ローラーの回転軸方向に形成された凹凸によって相互の係合が保持されていることを特徴とする請求項1記載の扉装置。
【請求項3】
上記扉開閉機構は、上記ガイドレールに対して複数のガイドローラーを介して上記開閉方向に移動可能に係合され、上記扉体に固定された移動子を用いてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の扉装置。
【請求項4】
上記移動子と上記ガイドローラーの当接部に、上記ガイドローラーの回転軸方向に形成された凹凸によって相互の係合が保持されていることを特徴とする請求項3記載の扉装置。
【請求項5】
上記ガイドローラーは、上記ガイドレールにおける上記開閉方向に離間された少なくとも2か所に、上記移動子をそれぞれ上下から挟む如く対向して配設されていることを特徴とする請求項3または請求項4記載の扉装置。
【請求項6】
上記ガイドレールに対する上記移動子の係合関係を保持する脱落防止手段を備えたことを特徴とする請求項3から請求項5の何れかに記載の扉装置。
【請求項7】
上記ローラーは、上記フレーム部材における上記開閉方向に離間された少なくとも2か所に、上記ガイドレールをそれぞれ上下から挟む如く対向して配設されていることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の扉装置。
【請求項8】
上記フレーム部材に対する上記ガイドレールの係合関係を保持する係合保持手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の扉装置。
【請求項9】
上記扉体は、主面を構成する表裏2枚の板状体を用いて構成され、上記フレーム部材の上部及び上記扉開閉機構の厚みは、上記2枚の板状体相互の間に収められてなることを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の扉装置。
【請求項10】
上記扉体と上記戸袋との間に、上記扉体が閉じられたときに、該扉体の上記戸袋に対する位置を規制する係止手段を備えたことを特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載の扉装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−218448(P2012−218448A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82348(P2011−82348)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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