説明

把持装置

【課題】一対の開閉レバー部の開閉方向に沿った横幅を小さくすることができ、小スペースで設置することが可能であること。
【解決手段】ロッド軸Oに沿って上下動可能とされ、下端部に連結ブロック41が取り付けられたロッド部2と、左右軸L1方向に沿って向かい合うように配設されると共に、中間部3cが前後軸L1に平行な支点軸部50に軸支された一対の開閉レバー部3と、連結ブロックと開閉レバー部の上端部3aとをそれぞれ連結すると共にロッド部の上下動に伴って開閉レバー部を左右軸方向に揺動させるリンク機構4と、を備え、開閉レバー部には、中間部から上端部に至る部分の少なくとも一部に切欠部55が形成され、一対の開閉レバー部が、切欠部内にロッド部及び連結ブロックを入り込ませた状態で左右軸方向に向かい合うように配設され、それぞれの上端部が前後軸方向に沿ってロッド部及び連結ブロックの両側に位置している把持装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを把持する把持装置に関し、特にトグル式の把持装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より各種製品の検査や組立等を行う際、ワークを搬送したり、取り扱ったりするためにワークを把持する把持装置が利用されている。この把持装置は、ワークの形状やサイズ等に応じて仕様が異なるが、一般的には一対の開閉レバー部を有しており、この開閉レバー部を利用してワークを摘むように把持する構成とされている場合が多い。
ところで、この種の把持装置において、一対の開閉レバー部を作動させるインプットの力よりも、大きな力(把持力)でワークを把持することができるトグル機構を備えたものが知られている。このトグル機構は倍力機構であって、インプットの力よりもアウトプットの力を大きくすることが可能となるものである。
【0003】
このようなトグル式の把持装置の1つとして、ロボットハンドが知られている(特許文献1及び2参照)。
このロボットハンドは、上下動可能なロッド部と、ロッド部の下端部に取り付けられた操作片と、この操作片にピンや軸を介して一端側が回転自在に連結された一対の連結レバー部と、この一対の連結レバー部の他端側にピンや軸を介して上端部が回転自在に連結された一対の開閉レバー部と、で主に構成されている。
【0004】
一対の開閉レバー部は、中間部がピンや軸を介して筐体に連結されており、この連結部分を支点として回転するようになっている。また、一対の開閉レバー部の下端部は、ワークを両側から把持する爪部として機能する役割を担っている。
なお、これら一対の開閉レバー部は、ロッド部及び操作片を間に挟んで互いに向き合うように、ロッド部及び操作片の両外側に配設されている。そして、一対の開閉レバー部は、ロッド部が下方移動したときに、上端部側が接近且つ下端部側が離間するように回転して開状態にセットされるようになっている。
【0005】
このように構成されたロボットハンドを利用してワークを把持する場合には、ロッド部を上方移動させる。すると、これに伴って操作片が上方移動するので、一対の連結レバーが回転しながら上方移動して一対の開閉レバー部の上端部を外側に押し広げる。これにより、一対の開閉レバー部は、中間部を支点として回転し、下端部が互いに接近するように閉まり始める。その結果、ワークを両側から挟むように把持することができる。
特に、トグル機構を利用して一対の開閉レバー部を開閉させる構成であるので、大きな把持力でワークを確実に把持できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開昭59−160184号公報
【特許文献2】特開2008−264981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のトグル式の把持装置には、まだ以下の課題が残されている。
即ち、一対の開閉レバー部は、ロッド部及び操作片を間にして互いに向き合うように、これらロッド部及び操作片の両外側に配設されている。そのため、一対の開閉レバー部間の間隔が大きくなり易く、開閉方向に沿った把持装置全体の横幅を小さく設計することが難しかった。そのため、把持装置のさらなる小型化を図ることが困難であった。
特に、一対の開閉レバー部は、開状態において、互いの上端部が接近し且つ下端部が離間するようにロッド部に対して傾いている。従って、一対の開閉レバー部が開状態となっている待機状態においては、特に開閉方向に沿った横幅が大きくなり易いものであった。
【0008】
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、一対の開閉レバー部の開閉方向に沿った横幅を小さくすることができ、小スペースで設置することが可能な小型のトグル式の把持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
(1)本発明に係る把持装置は、ワークを両側から挟んで把持する把持装置であって、ロッド軸に沿って上下動可能とされ、下端部に連結ブロックが取り付けられたロッド部と、前記ロッド軸に直交する左右軸方向に沿って互いに向かい合うように配設されると共に、中間部がロッド軸及び左右軸に対してそれぞれ直交する前後軸に平行な支点軸部に軸支されて、該支点軸部回りに上端部及び下端部が左右軸方向に揺動する一対の開閉レバー部と、前記連結ブロックと前記開閉レバー部の上端部とをそれぞれ連結すると共に、前記ロッド部の上下動に伴って開閉レバー部の下端部が互いに接近又は離間するように、開閉レバー部を前記左右軸方向に揺動させるリンク機構と、を備え、前記開閉レバー部には、前記中間部から前記上端部に至る部分の少なくとも一部に切欠部が形成され、前記一対の開閉レバー部が、前記切欠部内に前記ロッド部及び前記連結ブロックを入り込ませた状態で前記左右軸方向に向かい合うように配設され、それぞれの前記上端部が前記前後軸方向に沿ってロッド部及び連結ブロックの両側に位置していることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る把持装置においては、ロッド軸に沿ってロッド部を上下動させると、これに伴って連結ブロックが上下動する。すると、リンク機構がこの連結ブロックの上下動に伴って、一対の開閉レバー部の上端部を左右軸方向に押し広げる又は引き寄せるように移動させて、これら開閉レバー部を左右軸方向に揺動させる。この際、一対の開閉レバー部は、中間部が支点軸部に軸支(回転可能に支持)されているので、上端部と下端部とがそれぞれ支点軸部を中心として逆方向に回動するようになっている。従って、一対の開閉レバー部の上端部を押し広げる又は引き寄せるように移動させることで、下端部を互いに接近又は離間させることができる。
これにより、一対の開閉レバー部の下端部を利用して、ワークを両側から挟むように把持することができると共に、把持したワークを解放させることができる。
【0011】
ところで、一対の開閉レバー部は、左右軸方向に沿って互いに向かい合うように配設されているが、連結ブロックの両外側に間隔を開けて配設されているのではなく、切欠部内にロッド部及び連結ブロックを入り込ませた状態で向かい合うように配設されている。従って、これらロッド部及び連結ブロックに影響されることなく、一対の開閉レバー部をできるだけ接近させながら向かい合わせることができる。
この際、一対の開閉レバー部の上端部は、前後軸方向に沿ってロッド部及び連結ブロックの両側に位置している。そのため、開閉レバー部の上端部が何ら干渉されることがないので、開閉レバー部の揺動動作を確実に行わせることができる。
【0012】
特に、一対の開閉レバー部をできるだけ接近させながら左右軸方向に沿って向かい合わせることができるので、開閉方向(左右軸方向)に沿った装置全体の横幅を小さくすることができ、小型化を図ることができる。従って、小スペースで設置することができ、使い易く利便性に優れた把持装置とすることができる。
しかも、トグル機構を利用して一対の開閉レバー部を開閉する構造であるので、左右軸方向にできるだけ接近した状態で一対の開閉レバー部が配設されていたとしても、ワークを強い力で確実に把持することができ、把持装置としての機能を十分に発揮させることができる。
【0013】
(2)本発明に係る把持装置は、上記本発明の把持装置において、前記リンク機構が、前記一対の開閉レバーの上端部にそれぞれ対向する前記連結ブロックの対向面から、前記前後軸方向に沿って突出した第1連結ピンと、前記一対の開閉レバー部の上端部から前記前後軸方向に沿って突出した第2連結ピンと、前記第1連結ピンに一端側が回動自在に連結されると共に、前記第2連結ピンに他端側が回動自在に連結され、前記連結ブロックと前記一対の開閉レバー部とをリンクさせるリンク片と、を備えていることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る把持装置においては、ロッド部に伴って連結ブロックが上下動すると、第1連結ピンがこれに連られて上下動する。すると、リンク片は、一端側が第1連結ピンに伴ってロッド軸に沿って上下動しながら、他端側が第1連結ピンを中心に上下方向に回動する。そのため、第2連結ピンを介してリンク片に連結されている一対の開閉レバー部の上端部が、リンク片の回動に伴って左右軸方向に向けて押し広がる又は引き寄せられるように移動する。これにより、支点軸部を中心として一対の開閉レバー部を左右軸方向に揺動させることができ、下端部を互いに接近又は離間させることができる。
その結果、下端部を利用して、ワークを把持することができると共に把持したワークを解放させることができる。
【0015】
特に、第1連結ピン、第2連結ピン及びリンク片を利用した簡略な構成でリンク機構を構成できるので、部品点数を抑えることができると共に、構成の簡略化を図って高コスト化を抑制することができる。
【0016】
(3)本発明に係る把持装置は、上記本発明の把持装置において、前記第1連結ピンが、前記対向面において、前記左右軸方向に沿って前記ロッド軸から反対方向に同距離離れ、左右軸方向に間隔が開いて互いの中心軸が非同軸となるようにそれぞれ形成されていることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る把持装置においては、連結ブロックの対向面にそれぞれ形成されている第1連結ピンが、左右軸方向に間隔が開くようにシフト配置されているので、リンク片を介して開閉レバー部の上端部を連結ブロックにリンクさせたときに、それぞれの上端部を交差させることが可能であり、一対の開閉レバー部をさらに接近させた状態で向かい合わせることができる。
従って、開閉方向(左右軸方向)に沿った装置全体の横幅を小さくすることができ、さらなる小型化を図ることができる。
【0018】
(4)本発明に係る把持装置は、上記本発明の把持装置において、前記一対の開閉レバー部の下端部が互いに接近する方向に前記ロッド部が移動するように、該ロッド部を前記ロッド軸に沿って付勢する付勢部材を備えていることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る把持装置においては、ワークを把持している最中に、仮にロッド部を上下動させる手段が作動不良になってしまった場合であっても、付勢部材が、一対の開閉レバー部の下端部が互いに接近する方向に向けてロッド部を付勢している。そのため、ワークの把持が誤って解かれ、ワークが落下等してしまうことを未然に防止することができる。従って、把持装置として信頼性を高めることができる。
【0020】
(5)本発明に係る把持装置は、上記本発明の把持装置において、前記連結ブロック及び前記リンク機構を少なくとも周囲から囲む筐体を備え、前記開閉レバー部が、前記支点軸部を介して前記筐体に取り付けられていると共に、前記上端部が筐体の内部に収容され、前記下端部が筐体の外部に露出していることを特徴とする。
【0021】
本発明に係る把持装置においては、一対の開閉レバー部の上端部や、開閉レバー部を開閉させるための構成要素である連結ブロックやリンク機構等が、筐体によって囲まれているので、外部から直接接触を受け難いうえ、塵埃等が付着し難い。よって、長期に亘って作動の信頼性を維持し易く、ワークの把持を確実に行い易い。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る把持装置によれば、一対の開閉レバー部の開閉方向に沿った横幅を小さくすることができ、小スペースで設置することができる。しかも、トグル機構を利用して一対の開閉レバー部を開閉する構造(トグル式)であるので、小型であってもワークを強い力で確実に把持することができ、把持装置としての機能を十分に発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る把持装置全体の外観斜視図である。
【図2】図1に示す把持装置の縦断面図である。
【図3】図2に示す矢印A方向から見た把持装置の側面図である(但し、ケース蓋を外した状態)。
【図4】図1に示す把持装置の開閉レバー部周辺を拡大した斜視図である。
【図5】図4に示す状態から、ケース体及びシリンダケースを取り外した状態の斜視図である。
【図6】図2に示す状態からロッド部を上方移動させ、開閉レバー部を閉状態にした図である。
【図7】図3に示す状態からロッド部を上方移動させ、開閉レバー部を閉状態にした図である。
【図8】図5に示す状態からロッド部を上方移動させ、開閉レバー部を閉状態にした図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る把持装置の実施形態を、図1から図8を参照して説明する。
本実施形態の把持装置1は、図1に示すようにワークWを両側から挟んで把持するトグル式の把持装置であって、図示しない駆動手段によって上昇移動及び下降移動可能とされた可動フレームFに吊下げられるように固定されている。そして、この可動フレームFの移動により、把持装置1はワークWに対して接近離間することが可能とされている。
なお、図1は、把持装置1全体の外観斜視図である。
【0025】
なお、可動フレームFを上昇及び下降させるだけでなく、水平面内に沿って水平移動可能に構成しても構わない。こうすることで、把持装置1でワークWを把持したまま、該ワークWの搬送を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、ワークの一例として平板状のワークWを例に挙げて説明するが、ワークの形状はこれに限定されるものではない。なお、平板状のワークWの一例としては、プリント基板、半導体基板、液晶パネル、ガラス基板や各種電池部品等が挙げられる。
【0026】
把持装置1は、図1から図4に示すように、ロッド軸Oに沿って上下動可能なロッド部2と、ワークWを両側から挟むように把持する一対の開閉レバー部3と、ロッド部2と一対の開閉レバー部3とをリンクさせるリンク機構4と、リンク機構4を内部に収容するケース体(筐体)5と、このケース体5の上部に連結されたシリンダケース6と、このシリンダケース6の上部に連結され、可動フレームFに固定される連結筒7と、で主に構成されている。
【0027】
なお、図2は、図1に示す把持装置1の縦断面図である。図3は、図2に示す矢印A方向から見た把持装置1の側面図である(但し、ケース蓋11を取り外した状態)。図4は、図1に示す開閉レバー部3周辺の拡大斜視図である。
また、本実施形態では、ロッド軸Oに直交し、一対の開閉レバー部3が向かい合う方向を左右軸L1方向とすると共に、ロッド軸O及び左右軸L1に対してそれぞれ直交する方向を前後軸L2方向とする。
【0028】
はじめに、ケース体5について説明する。
このケース体5は、直方体状の箱型に形成され、内部に収容空間が確保されたケース本体10と、このケース本体10に着脱自在に取り付けられるL字型のケース蓋11と、で構成されている。
ケース本体10は、例えば金属や樹脂のブロックを削り出し加工等により箱型に形成されたものであって、後述する連結ブロック41やリンク機構4、開閉レバー部3の上端部3a等を周囲から囲むように内部に収容して、保護する役割を担っている。
【0029】
ケース本体10の天壁部10aの中央部には、ロッド部2が挿通される図示しない挿通孔が形成されている。また、前後軸L2方向に直交するケース本体10の前後壁部10bには、ケース本体10の内部での組み立てを行うためのアクセス開口12が形成されている。
同様に、左右軸L1方向に直交するケース本体10の左右壁部10cにも、組み立てを行うためのアクセス開口12が形成されている。また、この左右壁部10cには、一対の開閉レバー部3の下端部3bを外部に露出させたまま、上端部3aを内部に収容させるためのレバー部用開口13が形成されている。
【0030】
ケース蓋11は、L字型に形成されており、固定ネジ15を利用してケース本体10の前後壁部10b及び底壁部10dに重なるように取り付けられている。このケース蓋11を取り付けることで、前後壁部10bに形成されたアクセス開口12は塞がれるようになっている。
なお、ケース本体10の前後壁部10bには、外方に突出する2本のガイドリブ16が上下方向に沿って延在するように形成されている。そして、ケース蓋11は、この2本のガイドリブ16の間に挟まれるように前後壁部10bに重ね合わされるようになっている。従って、1つの固定ネジ15だけであっても、回転したり位置ずれしたりすることなく、確実にケース本体10に組み合わされるようになっている。
【0031】
次に、シリンダケース6について説明する。
このシリンダケース6は、ケース体5よりも一回り小さい断面長方形状に形成された筒体であって、図2に示すように、内部にロッド部2が貫くように挿通されている。そして、このシリンダケース6は、ケース本体10の天壁部10a上に重なった状態で、2本の固定ネジ17によって天壁部10aと連結されている。これにより、シリンダケース6とケース体5とは、一体的に固定されている。
【0032】
ところで、シリンダケース6の内部には、ロッド部2を上下動可能に支持しながら内部を密封する下部カバー20及びカバー21がそれぞれ取り付けられている。これら両カバー20、21で囲まれたシリンダケース6の内部空間は、密閉されたシリンダ室として機能する。また、シリンダケース6には、図2及び図3に示すようにシリンダ室として機能する内部空間と外部とを連通するための2つの連通路22、23が形成されている。この2つの連通路22、23には、内部空間に所定の圧力に調整されたエアーを供給すると共に、内部空間からエアーを排出させるエアー駆動源24が接続されている。
【0033】
シリンダケース6の上部には、図1及び図2に示すように、ロッド部2を上下動可能に支持しながらシリンダケース6の上部全体を覆う台座ブロック25が重ねられている。
この台座ブロック25上には、有頂筒状の円筒部7aと、円筒部7aの下端部に連設され、台座ブロック25の全体を覆うフランジ部7bと、で構成された連結筒7が重ねられている。フランジ部7b及び台座ブロック25は、共通の2本の固定ネジ26によってシリンダケース6に連結されている。これにより、シリンダケース6と、台座ブロック25と、連結筒7とは、一体的に固定されている。
【0034】
一方、円筒部7aには、コイルバネ30が外嵌されている。そして、円筒部7aは、可動フレームFに形成された取付孔内に下方側から挿入されている。この際、円筒部7aは、可動フレームFとフランジ部7bとの間でコイルバネ30を圧縮させながら、環状溝部7cが形成された上端部が可動フレームFよりも上方に突出する程度挿入されている。そして、可動フレームFの上方に突出した円筒部7aにワッシャ31が嵌め込まれた後、環状溝部7cにリテーニングリング32が取り付けられている。
これにより、把持装置1は、連結筒7を介して可動フレームFに吊下げられるように固定されている。
【0035】
次に、ロッド部2について説明する。
このロッド部2は、上述したようにロッド軸Oに沿ってシリンダケース6を上下方向に貫くように配設されており、下端部がケース体5の内部に収容され、上端部が連結筒7の円筒部7a内に収容されている。シリンダケース6の内部空間内におけるロッド部2の中間部には、ロッド部2の径方向外方に延在する環状のピストン壁部40が連結されている。そして、シリンダケース6の内部空間は、このピストン壁部40によって一方の連通路22に繋がる部屋R1と、他方の連通路23に繋がる部屋R2とに区分けされるようになっている。
【0036】
これにより、エアー駆動源24よりこれら2つの部屋R1、R2にエアーを供給或いはエアーが排出されると、2つの部屋R1、R2の内圧差によってピストン壁部40が上下動するようになっている。そのため、ピストン壁部40に伴ってロッド部2を上下動させることが可能とされている。
【0037】
ところで、ケース体5の内部に収容されているロッド部2の下端部には、図2及び図3に示すように、連結ブロック41が固定されている。この連結ブロック41は、直方体状のブロックであって、4つの側面がそれぞれ前後軸L2方向及び左右軸L1方向に直交するようになっている。
また、連結筒7の円筒部7a内に収容されているロッド部2の上端部には、ロッド部2の径方向外方に延在した円板状のエンド部材42が固定されている。そして、このエンド部材42と台座ブロック25との間に収まるように、コイルバネ43がロッド部2に外嵌されている。
【0038】
そして、コイルバネ43は、自身の弾性力によりロッド部2を上方に向けて付勢している。これにより、ロッド部2は、常時上方移動するように設計されている。
なお、本実施形態では、ロッド部2が下方移動した際に一対の開閉レバー部3の下端部3bが互いに離間して開状態となり、ロッド部2が上方移動した際に一対の開閉レバー部3の下端部3bが互いに接近して閉状態となるように構成されている。この点は、後に詳細に説明する。従って、本実施形態では、コイルバネ43による付勢によって、常時閉状態となるように一体の開閉レバー部3が作動するように設計されている。
【0039】
つまり、コイルバネ43は、一対の開閉レバー部3の下端部3bが互いに接近する方向(上方)に向けてロッド部2が移動するように、該ロッド部2をロッド軸Oに沿って付勢する付勢部材として機能する。
【0040】
次に、一対の開閉レバー部3について説明する。
一対の開閉レバー部3は、図2から図5に示すように、略平板状に形成されており、左右軸L1方向に沿って互いに向かい合うように配設されている。なお、図5は、図4に示す状態から、ケース体5及びシリンダケース6を取り外した状態の斜視図である。
この際、開閉レバー部3は、ケース体5のレバー部用開口13から上端部3aがケース体5の内部に挿入されて内部に収容されると共に、下端部3bがケース体5の外部に露出した状態となるように配設されている。そして、開閉レバー部3の中間部3cは、前後軸L2に平行な支点軸部50によって軸支されており、この支点軸部50回りに上端部3a及び下端部3bが左右軸L1方向に揺動可能とされている。
【0041】
支点軸部50は、開閉レバー部3の中間部3cに形成された図示しない貫通孔内に挿入されて、該中間部3cを前後軸L2方向に貫いている。そして、支点軸部50の両端部は、ケース本体10の底壁部10dに形成された支持孔51内に挿入されている。つまり、開閉レバー部3はこの支点軸部50を介してケース体5に取り付けられている。
【0042】
なお、上記支持孔51は、前後軸L2に沿ってケース本体10を貫通しており、レバー部用開口13側及び前後壁部10b側にそれぞれ開口している。そのため、ケース蓋11を取り外した後、支点軸部50をケース本体10の外側から差し込むことができ、ケース本体10と開閉レバー部3とを容易に連結できるようになっている。また、ケース蓋11を取り付けることでケース本体10の前後壁部10bを塞ぐことができるので、支点軸部50が抜けてしまう恐れはない。
【0043】
また、この支点軸部50には、開閉レバー部3の中間部3cとケース本体10との間に介在されるように、円筒状のスペーサ53が外嵌されている。これにより、開閉レバー部3は、支点軸部50に沿って前後軸L2方向に移動することが規制されている。
【0044】
ところで、開閉レバー部3の下端部3bは、図1に示すように、ワークWを把持する爪部として機能する部分であり、相手側の開閉レバー部3に対向する面が把持面とされている。そして、本実施形態では、この把持面にゴム等の弾性材料からなる弾性シート54が接着等により取り付けられている。これにより、ワークWに傷等が付いてしまうことを抑制しながら、ワークWの把持を行えるようになっている。
【0045】
また、本実施形態の開閉レバー部3は、図5に示すように、中間部3cから上端部3aに至って大きく切欠部55が形成されている。これにより、前後軸L2方向に沿った横幅は、下端部3b側の横幅H1よりも上端部3a側の横幅H2が略1/4程度のサイズとなるように形成されている。
そして、一対の開閉レバー部3は、この切欠部55内にロッド部2及び連結ブロック41を入り込ませた状態で左右軸L1方向に向かい合うように配設されており、それぞれの上端部3aが前後軸L2方向に沿ってロッド部2及び連結ブロック41の両側に位置するようになっている。
【0046】
次に、リンク機構4について説明する。
このリンク機構4は、図5に示すように、連結ブロック41と開閉レバー部3の上端部3aとをそれぞれ連結すると共に、ロッド部2の上下動に伴って開閉レバー部3の下端部3bが互いに接近又は離間するように、開閉レバー部3を左右軸L1方向に揺動させる役割を果している。
なお、本実施形態のリンク機構4は、図2から図5に示すように、ロッド部2が下方移動したときに下端部3bが離間して開状態となるように開閉レバー部3を揺動させ、図6から図8に示すように、ロッド部2が上方移動したときに下端部3bが接近して閉状態となるように開閉レバー部3を揺動させるようになっている。
【0047】
なお、図6は、図2に示す状態からロッド部2を上方移動させた状態を示す図である。図7は、図3に示す状態からロッド部2を上方移動させた状態を示す図である。図8は、図5に示す状態からロッド部2を上方移動させた状態を示す図である。
【0048】
以下、詳細に説明する。
リンク機構4は、図2、図3及び図5に示すように、連結ブロック41に設けられた第1連結ピン60と、開閉レバー部3の上端部3aに設けられた第2連結ピン61と、これら第1連結ピン60及び第2連結ピン61を介して開閉レバー部3の上端部3aと連結ブロック41とをリンクさせるリンク片62と、で構成されている。
【0049】
第1連結ピン60は、一対の開閉レバー部3の上端部3aにそれぞれ対向する連結ブロック41の対向面(前後軸L2方向に直交する面)41aから、前後軸L2方向に沿って突出するように形成されている。
この際、2つの第1連結ピン60は、図5に示すように連結ブロック41の対向面41aにおいて、左右軸L1方向に沿ってロッド軸Oから反対方向に同距離離れ、左右軸L1方向に間隔が開いて互いの中心線Cが非同軸となるようにシフトした状態でそれぞれ形成されている。
【0050】
この第1連結ピン60は、根元側が大径部60a、先端側が小径部60bとなるように途中で直径サイズが異なる段付きピンとなるように形成されており、小径部60bの部分にリンク片62の一端側が回動自在に連結されている。なお、リンク片62より外方に突出した小径部60bの先端部には、図示しない環状溝部が形成されており、この環状溝部を利用してリテーニングリング63が取り付けられている。リンク片62は、このリテーニングリング63によって第1連結ピン60から離脱しないようになっている。
【0051】
ところで、第1連結ピン60の大径部60aにはボールベアリング等の転がり軸受部64が外嵌されている。この転がり軸受部64は、図3に示すようにケース本体10の内壁面に外輪が接触するようになっており、ロッド部2の上下動に伴って連結ブロック41及び第1連結ピン60が上下動すると、外輪が内壁面に接触しながら摺動するようになっている。そのため、第1連結ピン60をがたつかせることなく、安定して上下動するようにガイドすることが可能とされている。
なお、摺動時に、仮に転がり軸受部64が回転してしまったとしても、内輪側で支持している第1連結ピン60に何ら影響を与えることがない。
【0052】
第2連結ピン61は、図5に示すように、開閉レバー部3の上端部3aから前後軸L2方向に沿って外方に突出するように形成されている。この第2連結ピン61の先端部は、ケース蓋11の内面に近接或いは接触した状態で開閉レバー部3の揺動に伴って移動するようになっている。
リンク片62は、両端部が半円状となった平面視楕円状に形成されており、上述したように一端側が第1連結ピン60に回動自在に連結されると共に、他端側が第2連結ピン61に回動自在に連結されている。これにより、リンク片62は、連結ブロック41と、一対の開閉レバー部3とをそれぞれリンクさせている。
なお、リンク片62の一端側は、上述したリテーニングリング63によって抜け止めされているので、第1連結ピン60から離脱する恐れがない。また、リンク片62の他端側は、第2連結ピン61に連結されているが、この第2連結ピン61の先端部はケース蓋11の内面に近接或いは接触するようになっている。よって、リンク片62の他端側も第2連結ピン61から離脱する恐れがない。
【0053】
次に、このように構成された把持装置1を作動させてワークWを把持する場合について説明する。
なお、初期状態として、一対の開閉レバー部3は、図2から図5に示すように互いの下端部3bが離間して、開状態になっているものとして説明する。
【0054】
はじめに、図1に示すように、ワークWを把持装置1の真下に位置させた後、可動フレームFを下降させて一対の開閉レバー部3の下端部3bの間にワークWを位置させる。次いで、エアー駆動部24を作動させてシリンダケース6の内部空間の一方の部屋R1からエアーを排出すると共に、他方の部屋R2にエアーを供給して、一方の部屋R1の内圧を他方の部屋R2の内圧より低くする。すると、この2つの部屋R1、R2の内圧差によって、シリンダ壁部40がコイルバネ43の付勢力を受けながら上方移動する。従って、ロッド部2及び連結ブロック41がこのシリンダ壁部40の移動に伴って上方移動する。
【0055】
連結ブロック41が上方移動すると、この移動に伴ってリンク機構4が一対の開閉レバー部3の上端部3aを左右軸L1方向に押し広げるように移動させて、これら開閉レバー部3を左右軸L1方向に揺動させる。
この点、詳細に説明する。
図6から図8に示すように、連結ブロック41が上方移動すると、これに伴って第1連結ピン60が上方移動する。すると、リンク片62は、一端側がロッド軸Oに沿って上方移動しながら、他端側が第1連結ピン60を中心に下方に回動する。そのため、第2連結ピン61を介してリンク片62の他端側に連結されている一対の開閉レバー部3の上端部3aが、リンク片62の回動に伴って左右軸L1方向に押し広がるように移動する。
【0056】
ところで、一対の開閉レバー部3は、中間部3cが支点軸部50に軸支されているので、上端部3aと下端部3bとがそれぞれ支点軸部50を中心として逆方向に回動するようになっている。従って、一対の開閉レバー部3の上端部3aを押し広げるように移動させることで、下端部3bを互いに接近させることができる。
これにより、一対の開閉レバー部3を閉状態にすることができ、図1に示すように、下端部3bを利用してワークWを両側から挟むように把持することができる。なお、一対の開閉レバー部3の把持面には、弾性シート54が取り付けられているので、傷等を付けることなくワークWを把持することができる。
【0057】
次に、把持したワークWを解放する場合について説明する。
この場合には、エアー駆動部24を作動させてシリンダの内部空間の一方の部屋R1にエアーを供給すると共に、他方の部屋R2からエアーを排出して、一方の部屋R1の内圧を他方の部屋R2の内圧より高くする。すると、この2つの部屋R1、R2の内圧差によって、シリンダ壁部40がコイルバネ43に抗する力で下方移動する。従って、ロッド部2及び連結ブロック41が下方移動する。
すると、第1連結ピン60が共に下方移動するので、リンク片62は、一端側が下方移動しながら他端側が第1連結ピン60を中心として上方に回動する。そのため、一対の開閉レバー部3の上端部3aが、リンク片62の回動に伴って左右軸L1方向に引き寄せられるように移動する。
【0058】
従って、下端部3bを互いに離間させて、一対の開閉レバー部3を開状態にすることができる。これにより、把持したワークWを解放させることができる。なお、ワークWの解放後、可動フレームFを上昇させることで、把持装置1を解放したワークWから離間させることができ、作業が終了する。
【0059】
このように、本実施形態の把持装置1では、ロッド部2を上方移動させることで一対の開閉レバー部3を閉状態にしてワークWを把持することができると共に、下方移動させることで開状態にして把持したワークWを解放することができる。
特に、ワークWを把持している最中に、仮にロッド部2を上下動させるエアー駆動部24が作動不良になってしまった場合であっても、一対の開閉レバー部3の下端部3bが互いに接近するようにコイルバネ43がロッド部2を上方に付勢している。そのため、ワークWの把持が誤って解かれ、ワークWが落下等してしまうことを未然に防止することができる。従って、把持装置1としての信頼性を高めることができる。
【0060】
ところで、本実施形態の把持装置1は、一対の開閉レバー部3が左右軸L1方向に沿って互いに向かい合うように配設されているが、連結ブロック41の両外側に間隔を開けて配設されているのではなく、切欠部55内にロッド部2及び連結ブロック41を入り込ませた状態で向かい合うように配設されている。従って、これらロッド部2及び連結ブロック41に影響されることなく、一対の開閉レバー部3をできるだけ接近させながら向かい合わせることができる。
この際、一対の開閉レバー部3の上端部3aは、前後軸L2方向に沿ってロッド部2及び連結ブロック41の両側に位置している。そのため、開閉レバー部3の上端部3aが何ら干渉されるがことないので、開閉レバー部3の揺動動作を確実に行わせることができる。
【0061】
このように、一対の開閉レバー部3をできるだけ接近させながら左右軸L1方向に沿って向かい合わせることができるので、開閉方向(左右軸L1方向)に沿った装置全体の横幅を小さくすることができ、小型化を図ることができる。従って、小スペースで設置することができ、使い易く利便性に優れた把持装置1とすることができる。
【0062】
しかも、本実施形態では、リンク機構4を構成する第1連結ピン60が左右軸L1方向に沿ってロッド軸Oから反対方向に同距離離れ、左右軸L1方向に間隔が開いて互いの中心軸Cが非同軸となるようにシフト配置されている。従って、リンク片62を介して開閉レバー部3の上端部3aを連結ブロック41にリンクさせたときに、それぞれの上端部3aを交差させることが可能であり、一対の開閉レバー部3を非常に接近させた状態で向かい合わせることができる。そのため、上述した小型化をより顕著なものにすることができる。
【0063】
また、本実施形態の把持装置1は、トグル機構を利用して一対の開閉レバー部3を開閉する構造(トグル式)であるので、左右軸L1方向にできるだけ接近した状態で一対の開閉レバー部3が配設されていたとしても、ワークWを強い力で確実に把持することができ、把持装置1としての機能を十分に発揮させることができる。
【0064】
上述したように、本実施形態の把持装置1によれば、一対の開閉レバー部3の開閉方向に沿った横幅を小さくすることができ、小スペースで設置することができる。しかも、トグル機構を利用して一対の開閉レバー部3を開閉する構造であるので、小型であってもワークWを強い力で確実に把持することができ、把持装置1としての機能を十分に発揮させることができる。
【0065】
また、本実施形態では、第1連結ピン60、第2連結ピン61及びリンク片62を利用した簡略な構成でリンク機構4を構成しているので、部品点数を抑えることができると共に、構成の簡略化を図ることができ、高コスト化を抑制することができる。
また、一対の開閉レバー部3の上端部3aや、開閉レバー部3を開閉させるための構成要素である連結ブロック41やリンク機構4等が、ケース体5によって囲まれているので、外部から直接接触を受け難いうえ塵埃等が付着し難い。よって、長期に亘って作動の信頼性を維持し易く、ワークWの把持を確実に行い易い。
【0066】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0067】
例えば、上記実施形態では、ロッド部2を下方移動させたときに一対の開閉レバー部3が開状態となり、上方移動させたときに閉状態となるようにリンク機構4を構成したが、これとは逆になるように構成しても構わない。即ち、ロッド部2を下方移動させたときに一対の開閉レバー部3が閉状態となり、上方移動させたときに開状態となるように構成しても構わない。
いずれにしても、ロッド部2の上下動に応じて一対の開閉レバー部3を左右軸L1方向に揺動させて、下端部3bを開閉できればリンク機構4をどのように構成しても構わない。
【0068】
また、上記実施形態では、平板状のワークWを把持する場合を例に挙げたが、ワークの形状はこれに限定されるものではなく、その他の形状であっても適用することができる。この場合には、開閉レバー部3の下端部3bの形状、具体的には把持面の形状をワークWに応じて適宜設計変更すれば良い。例えば、断面V字状の溝部や、段差や、凹み等を把持面に形成しても構わない。
【0069】
また、上記実施形態では、第1連結ピン60を左右軸L1方向に間隔を開けてシフト配置させたが、互いの中心軸Cが同軸となるように形成しても構わない。この場合であっても、ワークWの把持を同様に行うことができる。
但し、第1連結ピン60を左右軸L1方向にシフト配置させることで、上端部3aが交差する程度、一対の開閉レバー部3を接近させた状態で左右軸L1方向に向かい合わせることができるので、把持装置1の小型化を図り易い。この点で好ましい。
【0070】
また、上記実施形態では、シリンダケース6内に区画された2つの部屋R1、R2にエアーを供給或いは排出させることで内圧差を生じさせ、この内圧差を利用してロッド部2を上下動させたが、この場合に限られるものではなく、ロッド部2を上下動できればどのように構成しても構わない。
【0071】
また、上記実施形態では、把持装置1を1つだけ可動フレームFに吊下げた場合を例に挙げて説明したが、左右軸L1方向に複数並ぶように配置させても構わない。こうすることで、複数のワークWを一度に把持することが可能となる。
特に、本実施形態の把持装置1は、開閉方向(左右軸L1方向)に沿った装置全体の横幅が小さく小型化されているので、複数の把持装置1を並列配置させる場合であっても、大きな設置スペースを必要としない。従って、スペースの有効利用を図ることができる。
【符号の説明】
【0072】
O…ロッド軸
W…ワーク
L1…左右軸
L2…前後軸
1…把持装置
2…ロッド部
3…開閉レバー部
4…リンク機構
5…ケース体(筐体)
41…連結ブロック
41a…連結ブロックの対向面
43…コイルバネ(付勢部材)
50…支点軸部
55…切欠部
60…第1連結ピン
61…第2連結ピン
62…リンク片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを両側から挟んで把持する把持装置であって、
ロッド軸に沿って上下動可能とされ、下端部に連結ブロックが取り付けられたロッド部と、
前記ロッド軸に直交する左右軸方向に沿って互いに向かい合うように配設されると共に、中間部がロッド軸及び左右軸に対してそれぞれ直交する前後軸に平行な支点軸部に軸支されて、該支点軸部回りに上端部及び下端部が左右軸方向に揺動する一対の開閉レバー部と、
前記連結ブロックと前記開閉レバー部の上端部とをそれぞれ連結すると共に、前記ロッド部の上下動に伴って開閉レバー部の下端部が互いに接近又は離間するように、開閉レバー部を前記左右軸方向に揺動させるリンク機構と、を備え、
前記開閉レバー部には、前記中間部から前記上端部に至る部分の少なくとも一部に切欠部が形成され、
前記一対の開閉レバー部は、前記切欠部内に前記ロッド部及び前記連結ブロックを入り込ませた状態で前記左右軸方向に向かい合うように配設され、それぞれの前記上端部が前記前後軸方向に沿ってロッド部及び連結ブロックの両側に位置していることを特徴とする把持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の把持装置において、
前記リンク機構は、
前記一対の開閉レバーの上端部にそれぞれ対向する前記連結ブロックの対向面から、前記前後軸方向に沿って突出した第1連結ピンと、
前記一対の開閉レバー部の上端部から前記前後軸方向に沿って突出した第2連結ピンと、
前記第1連結ピンに一端側が回動自在に連結されると共に、前記第2連結ピンに他端側が回動自在に連結され、前記連結ブロックと前記一対の開閉レバー部とをリンクさせるリンク片と、を備えていることを特徴とする把持装置。
【請求項3】
請求項2に記載の把持装置において、
前記第1連結ピンは、前記対向面において、前記左右軸方向に沿って前記ロッド軸から反対方向に同距離離れ、左右軸方向に間隔が開いて互いの中心軸が非同軸となるようにそれぞれ形成されていることを特徴とする把持装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の把持装置において、
前記一対の開閉レバー部の下端部が互いに接近する方向に前記ロッド部が移動するように、該ロッド部を前記ロッド軸に沿って付勢する付勢部材を備えていることを特徴とする把持装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の把持装置において、
前記連結ブロック及び前記リンク機構を少なくとも周囲から囲む筐体を備え、
前記開閉レバー部は、前記支点軸部を介して前記筐体に取り付けられていると共に、前記上端部が筐体の内部に収容され、前記下端部が筐体の外部に露出していることを特徴とする把持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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