説明

抑制された光および警告用の光で照らされる画面を有する指示器

画面(3)がライトボックス(6)内にある。照明手段(5、11)が、周辺光または警報光で画面(3)を照射するために装着されている。周辺用の照明手段(5)はライトボックス(6)に配置されており、警報用の点灯手段(11)は、それらが光ダクト(8)によって画面(3)を照射するように、前記ライトボックス(6)の外側に装着されている。本発明は、自動車のパネルボードに利用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抑制された光および警告用の光で照らされる表示画面を備えた指示器に関する。
【背景技術】
【0002】
ダッシュボード、特に自動車のダッシュボードは、運転者への通知文または像が現れるLCD(液晶ディスプレイ)形式の画面などの表示画面を備えることがますます多くなっている。この画面は、行列にして配置された発光ダイオード(LED)などの光源によってバックライトが当てられる。
【0003】
通常の動作モードにおいて、この画面は、白、青または緑など、抑制された光をもたらすLEDによって照らされる。しかしながら、警告の通知など、ある情報に対しては、点灯の色が変化し、たとえば警告の程度に応じてオレンジまたは赤になることが望ましい。
【0004】
そのように点灯の色が変化することを可能にするために、様々な装置が現在提案されている。TFT(薄膜トランジスタ)形式の画面を使用することが可能である。これらの画面は、しかしながら非常に高価である。また、たびたび使用されるのは、例えば白、オレンジおよび赤の3色の多色LEDであり、その多色LEDの色は、画面に表示されるメッセージの性質に応じて変化するようになされている。しかし、これらのLEDは高価であり、たとえば3色LEDの場合は単色LEDの価格の10倍である。
【0005】
LCD画面の背後に、異なる色の3つの単色LEDからなる行列を配置することが提案されてきた。白のLEDは抑制された光を得るために点灯され、それらは、警告の場合には、オレンジのLEDまたは赤のLEDを点灯させるために消灯される。しかしながら、LEDは、画面の背後に位置するプリント回路基板に直接取り付けられ、これが厚さを倍増させる原因となっている。第1に、3つのLEDは単一のLEDよりもはるかに広い面積を占有し、同色のLEDの数を大いに減らさなければならず、これによって、その色に関しては点灯を十分なものにすることができなくなる。次いで、各LEDの周りには、プリント回路基板に冷却用の表面を設けることが必要となり、この必要性により上記の厚さの問題が深刻となり、その影響は、3つのLEDが存在するものの、ある瞬間には1つしか使用されないことから、一層重大なものとなる。特定の色のLEDの数は、大いに減らさなければならず、点灯は不十分なものとなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、これらの欠点を軽減すること、ならびに、表示色を変化させることを可能にし、より薄い厚さでかつ低コストで、表示画面の背後から均一に照らされる指示器の点灯装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明は、抑制された光および警告用の光で画面を照らすように構成された点灯手段を有するライトボックス内に表示画面を備えており、抑制型の点灯手段がライトボックス内に配置され、警告用の点灯手段が、光ダクトを介して画面を照らすように、ライトボックスの外側に離隔して配置されていることを特徴とする指示器に関する。
【0008】
本発明によって、ライトボックスに配置された抑制型の点灯手段は、プリント回路基板のうちのその画面に面する領域に取り付けられた個別の光源を多数備えることができ、警告用の点灯は少数の光源によって提供することが可能である。したがって、最適な画面の点灯を非常に薄い厚さで得ることができる。
【0009】
光ダクトは透明であり、抑制型の点灯手段と画面との間でライトボックス内へと部分的に延びていることが好ましい。
【0010】
この場合、離隔して配置された警告用の点灯手段から表示画面へと発せられる光を分割するように形成された手段を備えていると有利である。
【0011】
ここでも、表示画面はLCD(液晶ディスプレイ)形式の画面であることが好ましい。
【0012】
さらに、点灯手段は発光ダイオード(LED)を備えていることが好ましい。
【0013】
本発明は、特に自動車または他の移動機械のダッシュボード用の指示器に適用される。しかしながら、本出願人は、その権利の範囲をこの用途に限定することは意図していない。
【0014】
本発明は、唯一の図で本発明の指示器の断面図を示している添付の図面を参照して、本発明の指示器の好ましい実施形態の以下の説明によってより理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
ここで説明する指示器1は、自動車のダッシュボード用指示器であり、この指示器は、車両の速度、タンクに残存する燃料の量、従うべき経路に関する情報など、通知文または像を運転者に対して表示するように構成されている。
【0016】
ダッシュボード2の正面部は、指示器の表示画面3を、すなわちこの場合はLCD形式の平坦で方形の形状の画面を見るための穴部2’を備えている。穴部2’はここでは保護平面部で覆われている。LCD画面3は、ダッシュボード2の正面部のすぐ後方で取り付けられており、その正面の主要部分は保護平面部の下方で延びており、したがって運転者から視認可能である。LCD画面3は、文または像を表示するように構成されており、詳細には説明しないが当業者には周知の方式でプリント回路4によって制御される。
【0017】
以下において、正面とは、運転者またはより一般的には指示器の観測者が指示器を見るであろう側面であると考えられたい。
【0018】
プリント回路基板4は、LCD画面3に平行にかつLCD画面の背後で延びている。プリント回路基板4上で、LCD画面3に添って、ライトボックス6内に、抑制型の光源5が、この場合は発光ダイオード(LED)5が機械的にかつ電気的に取り付けられている。これらの抑制型のLED5はここでは白色である。それらの役割は、「正常」とみなされる状態において、すなわち通常のまたは基本的な情報を表示するために、LCD画面3にバックライトを当てることである。抑制型のLED5は、LCD画面3に沿って位置する行列5’で分布しており、ここではLED5からなる平行な3列を含んでいる。
【0019】
ライトボックス6を形成する仕切り壁は、行列5’の周りでLCD画面3とプリント回路基板4との間で延びている。その断面は、ここでは、LCD画面3からプリント回路基板4に向かって、背後に向かって狭くなっている。等化フィルター7がLCD画面3の背面に取り付けられているが、その役割は、光源が別個の光源であっても、画面3にバックライトを当てる光が画面を均等に照らすように、その光を均等にすることである。等化フィルター7は、背後から見ると、画面3の形状、したがって、ここでは方形と同一の形状であり、ライトボックス6の内部にある。
【0020】
透明な光ダクト8がフィルター7の背面に取り付けられており、その光ダクト8は、その幅またはその長さのいずれか、ここではその幅に沿った断面で見るとL字型である。L字のうちの大きな直線部を形成する部分9の正面部は、フィルター7の背面に沿っている。唯一の図の断面は、この部分9の幅に沿って取られている。その厚さは、L字のうちの小さな直線部を形成する部分10に最も遠い端部から、この部分10に最も近い端部へと向かって増している。
【0021】
L字のうちの大きな直線部を形成する部分9およびL字のうちの小さな直線部を形成する部分10は、以下では、それぞれ大きい部分9および小さい部分10と呼ぶことにする。大きい部分9は全体的に、等化フィルター7の形状に沿いかつライトボックス6の中に延びる方形の板を形成しており、小さい部分10は全体的に、長さが大きい部分9の長さでありかつライトボックス6の外に延びる方形の板を形成している。
【0022】
小さい部分10は、大きい部分9に対して垂直に、したがってプリント回路基板4に対して垂直に延びている。この小さい部分10に沿って、その背後には、すなわちその解放された側には、警告用の光源11が、この場合は警告用のLED11が、プリント回路基板4に機械的にかつ電気的に取り付けられている。これらの警告用のLED11は、LCD画面3に沿って位置する領域に対して離隔する方式で、ライトボックス6の外側に配置されており、また、光ダクト8は、その小さい部分10がこれらの警告用のLED11に沿って位置するように配置されている。
【0023】
その小さい部分10とその大きい部分9との間に、光ダクト8は、2つの部分9、10を接合する傾斜面を有する部分12を備えている。この傾斜部分12の面は、ここではL字の直線部を形成する部分9、10の垂直面に対して45度で傾斜している。この傾斜面12の役割は、警告用のLED11から発せられた光を小さい部分10から大きい部分9へ向けることである。
【0024】
警告用のLED11はここでは赤色またはオレンジ色であり、抑制型のLED5の3列と平行に単一の列で配置されている。この列に沿って、警告用の赤いLED11と警告用のオレンジ色のLED11とが互い違いに並んでいる。
【0025】
光ダクト8の大きい部分9の背面は構成体13を備えており、その構成体13の役割は、光を、具体的にはダクト8の内側から発せられた光、特に警告用のLED11から発せられた光を、小さい部分10を介し、傾斜部分12を介して分離することである。この構成体13はここでは抑制型の構成体13である。
【0026】
指示器1の動作について、これからより詳細に説明することにする。
【0027】
「正常」の動作状態において、すなわちLCD画面3に現れる情報が、特に強調するに値しない通常の情報であるとき、LCD画面3は白い抑制型のLED5によって照らされる。それらが放つ光は、ライトボックス6内で光ダクト8の大きい部分9の背面に向けて導かれるが、このダクト8は透明であり、そのため、光はそれを通過し、等化フィルター7によって均等化され、LCD画面3にバックライトを当てる。
【0028】
「警告」の動作状態において、すなわちLCD画面3に現れる情報が、強調するに値する特に重要なものであるとき、LCD画面3は警告用のLED11によって照らされる。「警告」とみなされる情報は、たとえば、速度が過剰であること、タンク内の燃料が不十分であること、車両の一部に故障があることを運転者に警告する形のものである。
【0029】
警告用のLED11によって放たれた光は、光ダクト8に、警告用のLED11に近接して配置されたその小さい部分10の自由端を介して入り、その光は、この部分10内を通り、傾斜部分12において大きい部分9に向かって反射され、その大きい部分9において伝播され、そして、そこで反射され、スタッド13で分離して等化フィルター7へと向かい、この等化フィルター7において、LCD画面3に均質な方式でバックライトを当てるために均等化される。
【0030】
小さい部分10から離れるにつれて、すなわち小さい部分10から発せられた光が伝播する方向に向かって、大きい部分9の厚さが減少するために、光は等化フィルター7に向かって十分に反射されかつ分離される。
【0031】
警告用のLED11から発せられた光はスタッド13によって分離されてもよいと言うことができる。またその光は、たとえば、その小さい部分10から発せられた光の伝播方向にわたって光ダクト8の大きい部分9上で延びている溝によって分離されてもよい。
【0032】
オレンジ色または赤色の警告用のLED11が、警告の程度に応じて点灯される。警告用のLED11が点灯されているとき、抑制型のLED5を消灯するか、またはそれらを点灯させたままにすることが可能である。後者の解決策が好ましいが、これは、その際に抑制型のLED5はより良好な光度をもたらし、それらの電力を必要に応じて低減することが可能である一方で、警告用のLED11は、LCD画面3の照明光の色合いを、したがって表示光をもたらし、この状況では、特定の色の警告用のLED11の数を最小にし、より確実に上記の問題を解決することが可能となるからである。
【0033】
LCD画面3に表示すべきメッセージの性質に応じて、様々な光源5、11の点灯を順序付け、また調整するのは、プリント回路基板4である。
【0034】
本発明については、2つの異なる色のLEDを互い違いに並べて、一列で離隔して設置および配置された警告用の光源に関連させて説明した。言うまでもないが多数の他の構成が可能であり、いくつかを例として列挙することにする。
【0035】
一色のみの警告用のLEDをすべて単一の列に並べて有することも可能である。ある色の1列と他の色の1列、または、2色が交互に並び、この交互の並びが互いに食い違う2列など、警告用のLEDの平行な2列が存在してもよい。その色が警告の性質に応じて変化する2色のLEDからなる単一の列を設けてもよい。3色以上を警告用のLEDのために設けてもよい。
【0036】
本発明については方形のLCD画面に関連して説明したが、言うまでもなく、LCD画面は正方形、円形、楕円形などであってもよい。その場合、指示器の他の部材はその画面に適合される。
【0037】
さらに、光ダクトについては、傾斜面を有する部分を備えたL字型断面を有するものとして説明したが、言うまでもなく、傾斜面を有する部分は湾曲した部分で置き換えてもよく、またその断面はL字型等以外であってもよい。重要なのは、ダクトが、離隔して配置された光源から表示画面へ光を導くというその役割を果たすことである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図は、発明に係る指示器の断面図を示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
抑制型の光および警告用の光で画面(3)を照らすように構成された点灯手段(5、11)を有するライトボックス(6)内に表示画面(3)を備える指示器において、抑制型の点灯手段(5)が前記ライトボックス(6)内に配置されており、警告用の点灯手段(11)が、光ダクト(8)を介して前記画面(3)を照らすように、前記ライトボックス(6)の外側に離隔して配置されていることを特徴とする指示器。
【請求項2】
請求項1記載の指示器において、前記光ダクト(8)が透明であり、部分(9)が前記抑制型の点灯手段(5)と前記画面(3)との間で前記ライトボックス(6)内へと部分的に延びている指示器。
【請求項3】
請求項2記載の指示器において、前記光ダクト(8)が、離隔して配置された前記警告用の点灯手段(11)から前記表示画面(3)へと発せられる光を分割するように形成された手段(13)を備えている指示器。
【請求項4】
請求項3記載の指示器において、前記光を分割するように形成された前記手段が、前記ライトボックス(6)内へ延びている前記光ダクト(8)の前記部分(9)の背面に配置された構成体(13)を備えている指示器。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項記載の指示器において、前記表示画面(3)が、LCD(液晶ディスプレイ)形式の画面である指示器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項記載の指示器において、前記光源(5、11)が発光ダイオード(LED)である指示器。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項記載の指示器において、自動車のダッシュボード用である指示器。

【公表番号】特表2008−503743(P2008−503743A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517349(P2007−517349)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【国際出願番号】PCT/FR2005/001506
【国際公開番号】WO2006/008369
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(598147400)ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー (224)
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
【Fターム(参考)】