説明

投入抵抗接点付きガス遮断器及びその投入、遮断方法

【課題】接点部の幅を小さくして容器サイズを縮小化し、また、投入、遮断動作時に異常な振動や大きな衝撃力の発生を防いで、動作の信頼性を高めた投入抵抗接点付きガス遮断器を提供する。
【解決手段】第1アーク電極2a及び同心状に第1主電極2bを有する第1可動電極2と、第2アーク電極3a及び同心状に第2主電極3bを有する2可動電極3と、第2アーク電極3aの端部を摺動自在に支持する投入抵抗体12と、第2アーク電極3aの周囲で通電支持部材8に固定された固定投入抵抗接点11a及び第2アーク電極3aに支持された可動投入抵抗接点11bを有する投入抵抗接点11とを備える。投入時に、可動投入抵抗接点11bは、2つのアーク電極2a,3aが接触した後に固定投入抵抗接点11aに接触し、遮断時に、投入抵抗接点11は、2つのアーク電極2a,3aが開離した後に開離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば550kV系統のような大容量のガス遮断器、特に、投入抵抗により投入時の過電圧を抑制した投入抵抗接点付きガス遮断器及びその投入、遮断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
送電系統の大容量化に伴い、変電所や開閉所に用いられる遮断器の遮断容量が増大し、且つ高い信頼性が要求されている。遮断器の信頼性を高めるためには部品点数を少なくし、構造を単純化することが重要である。ところで、550kV級のような大容量系統における線路用の遮断器においては、投入時の投入過電圧を抑制するために投入抵抗方式が採用されている。これは、遮断器の主接点と並列に投入抵抗を有する投入抵抗接点を有し、投入時に投入抵抗接点が投入され、投入抵抗により投入過電圧が抑制された状態で主接点が投入されるものである。この方式において、開極時には、まず投入抵抗接点が開離し、次いで主接点が開極することが必要である。
【0003】
このような投入抵抗接点を有するガス遮断器は、第1の従来例として、特許文献1に開示されている。この遮断器において、遮断器の主接点と投入抵抗接点を並置した構造であり、投入抵抗接点可動部は、主接点可動部と連結レバーによって接続され、主接点可動部は絶縁ロッドを介して操作機構により駆動される。このガス遮断器と同様な構造を有する例は、特許文献2,3にも開示されている。
【0004】
一方、第2の従来例として、開極速度を早くするため主接点の対向する電極を同時に移動させて開極するダブルモーション方式と呼ばれる遮断器が、特許文献4に開示されている。この遮断器において、遮断器の主接点を取り囲むように投入抵抗接点を配置し、投入抵抗接点の各可動部は主接点の各可動部に連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−274626号公報
【特許文献2】特開平11−144576号公報
【特許文献3】特許第2989653号公報
【特許文献4】特開平2−297826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した投入抵抗接点を有するガス遮断器の第1の従来例においては、投入、遮断動作時、進退する絶縁ロッドの軸線を動作軸とし、動作軸方向に配置された主接点を含む可動部材は、操作機構の操作力が直線的に作用し動作軸以外の方向に変位することは少ない。しかし、投入抵抗接点は動作軸から離れて配置されているため、主接点に対し慣性力による偏心荷重が生じ、連結レバーには曲げモーメントが作用する。この曲げモーメントの影響により動作軸以外の方向に異常な振動が発生し、各種部材の強度を低下させる原因となっている。
【0007】
また、投入抵抗接点を主接点の外側に並置しているため、接点部の幅が大きくなりそれを収納する容器のサイズも大きくなっている。このため、アークに絶縁性ガスを吹き付けるパッファ形で投入抵抗接点が無いガス遮断器を構成する場合、可動部重量が軽くなり、同一の操作機構を使用すると速度や動作時間の開・閉極特性に違いが生じてしまう。特に操作力が小さく可動部重量の影響を受けやすいばね操作機構では開・閉極特性に差異が生じるため、駆動エネルギーの異なる操作機構を用意する必要がある。
【0008】
更に、投入抵抗接点は、バットコンタクト式であり、投入動作時、相対する2つの接点の一方が速い速度で他方に近づきながら接触するため大きな衝撃力が発生する。このため、投入抵抗接点は強固に構成する必要があり、重量を増加させる一因となっている。
【0009】
第2の従来例においては、投入抵抗接点が主接点を取り囲むように配置されており、やはり投入抵抗接点は進退する操作ロッドの軸線である動作軸から離れて配置されているため、第1の従来例と同様に、接点部が大きくなり、それを収納する容器のサイズも大きくなってしまう点、及び投入抵抗接点がバットコンタクト式である点も、第1の従来例と同様である。
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、ダブルモーション方式における投入抵抗接点付きガス遮断器において、接点部の幅を小さくして容器サイズを縮小化し、また、投入、遮断動作時に異常な振動や大きな衝撃力の発生を防いで、動作の信頼性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明に係る投入抵抗接点付きガス遮断器は、第1アーク電極及び同心状に第1主電極を配置した第1可動電極と、第2アーク電極及び同心状に第2主電極を配置し、前記第1可動電極に対し長手方向に対向配置された第2可動電極と、前記2つの可動電極を接離するように駆動する駆動装置と、前記第2主電極を摺動自在に支持する通電支持部材と、前記第2アーク電極の端部を摺動自在に支持する投入抵抗体と、前記第2アーク電極の周囲で前記通電支持部材に固定された固定投入抵抗接点及び前記第2アーク電極に支持された可動投入抵抗接点を有する投入抵抗接点と、を備え、投入時に、前記可動投入抵抗接点は、前記第1アーク電極と第2アーク電極が接触した後に前記固定投入抵抗接点に接触し、遮断時に、前記投入抵抗接点は、前記第1アーク電極と第2アーク電極が開離した後に開離することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る投入抵抗接点付きガス遮断器の投入、遮断方法は、第1アーク電極及び同心状に第1主電極を配置した第1可動電極と、第2アーク電極及び同心状に第2主電極を配置し、前記第1可動電極に対し長手方向に対向配置された第2可動電極と、前記2つの可動電極を接離するように駆動する駆動装置と、通電支持部材に固定された固定投入抵抗接点及び前記第2アーク電極に支持された可動投入抵抗接点からなる投入抵抗接点と、を備えた投入抵抗接点付きガス遮断器の投入、遮断方法であって、投入時に、前記駆動装置の駆動により、前記第1アーク電極と第2アーク電極が接触すると、前記第2アーク電極から投入抵抗体に電流が流れ、次いで、前記可動投入抵抗接点が前記固定投入抵抗接点に接触すると、前記第2アーク電極から前記投入抵抗接点を介して前記通電支持部材に電流が流れ、遮断時に、前記駆動装置の駆動により、前記第1アーク電極と第2アーク電極が開離すると、その際に発生するアーク電流を、前記投入抵抗接点を介して前記通電支持部材に流し、次いで、前記可動投入抵抗接点が前記固定投入抵抗接点から開離することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、投入抵抗接点を、2つの可動電極に対して動作軸上に、且つ第2可動電極の第1可動電極と反対側に配置したため、接点部の幅が小さくなり、容器のサイズも小さくすることできる。動作軸に対して偏った質量を持つ接点部材が無いため、動作時の異常振動が起こりにくく、投入、遮断動作の信頼性が向上する。また、投入抵抗接点の可動部は軽量であり移動速度が低く、投入抵抗の投入は可動電極のアーク電極同士の接触により行うので、大きな衝撃力は発生しない。投入抵抗接点を持たないガス遮断器の場合においても可動部重量がほぼ同じとなり開極特性が変化しない。これにより、駆動エネルギーが等しい同一の操作機構が適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る投入抵抗接点付きガス遮断器の遮断状態を示す断面図。
【図2】同ガス遮断器の投入動作途中を示す断面図。
【図3】同ガス遮断器の投入状態を示す断面図。
【図4】同ガス遮断器の遮断動作途中を示す断面図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る投入抵抗接点付きガス遮断器の遮断状態を示す断面図。
【図6】同ガス遮断器の投入動作途中を示す断面図。
【図7】同ガス遮断器の投入状態を示す断面図。
【図8】同ガス遮断器の遮断動作途中を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る投入抵抗接点付きガス遮断器の実施形態について、図面を参照して説明する。
各実施形態は、上記第2の従来例と同じダブルモーション方式のパッファ形ガス遮断器に適用されている。
【0016】
[第1の実施形態]
まず、図1〜図4を用いて本発明の第1の実施形態に係る投入抵抗接点付きガス遮断器を説明する。図1は、同ガス遮断器の遮断状態を示す断面図、図2は、同ガス遮断器の投入動作途中を示す図、図3は、同ガス遮断器の投入状態を示す図、図4は、同ガス遮断器の遮断動作途中を示す図である。
【0017】
図1において、本実施形態に係る投入抵抗接点付きガス遮断器は、容器1内に、従来の技術と同様に絶縁性ガスが密封されており、主接点である接離自在な第1可動電極2と第2可動電極3を長手方向に対向配置させて収容する構成になっている。第1可動電極2は、第1アーク電極2aと同心状の第1主電極2bとからなり、絶縁ノズル4、操作ロッド5が夫々嵌着されている。操作ロッド5には操作機構6が連結され、容器1内の中心部で進退する操作ロッド5の軸線を動作軸13とする。第1可動電極2には絶縁性ガスを加圧するための圧力室7が配置されており、この圧力室7内の絶縁性ガスは、第1アーク電極2aと絶縁ノズル4間から噴出する。
【0018】
第2可動電極3は、第2アーク電極3aと同心状の第2主電極3bとからなる。第2アーク電極3aは、絶縁支持部材3cにより第2主電極3bに固着され電気的に絶縁されている。第2主電極3bは、摺動接触子8aを介して通電支持部材8に摺動自在に支持されている。第2アーク電極3aは棒状で第1アーク電極2aは筒状でありスライドコンタクト式の接点を構成する。
【0019】
操作ロッド5の操作機構6側に駆動力の方向を逆転させ且つ支持点9aを有するリンク機構9を連結し、リンク機構9に絶縁ロッド10の一端を固着させ、他端に第2可動電極3を固着させる。第1可動電極2と第2可動電極3は接離するように、操作機構6、操作ロッド5、リンク機構9、及び絶縁ロッド10を含む駆動装置により逆方向に駆動される。
【0020】
投入抵抗接点11は、通電支持部材8の内部に配置され、固定投入抵抗接点11aと可動投入抵抗接点11bから構成される。固定投入抵抗接点11aは第2アーク電極3aの周囲に配置されて通電支持部材8に固着され、可動投入抵抗接点11bは第2アーク電極3aと同軸上に摺動接触子11cを介して通電可能で摺動自在に支持される。第2アーク電極3aに固定された突起部3dは、可動投入抵抗接点11bと接離自在となっている。また、固定投入抵抗接点11aと可動投入抵抗接点11bの間には絶縁板11dを介して復帰ばね11eが配置されている。可動投入抵抗接点11bは、復帰ばね11eにより固定投入抵抗接点11aから開離する方向に付勢されており、突起部3dに押圧される構造となっている。
【0021】
投入抵抗体12は、通電支持部材8にその一端が固着されており、他端は投入抵抗体支持部材12aとなっている。第2アーク電極3aの端部は、摺動接触子12bを介して投入抵抗体支持部材12aに通電可能で摺動自在に支持されている。第2アーク電極3aは、通電支持部材8に対しては、開口部を貫通しており絶縁されている。
【0022】
(投入動作)
このように構成された本実施の形態において、図1に示す遮断状態から図2に示す投入動作途中の状態を経て、図3に示す投入状態に至る投入動作について説明する。
【0023】
まず、図1に示す遮断状態において、外部指令が操作機構6に入力されると操作力により矢印Aの方向に動作軸13に沿って操作ロッド5と可動電極2が移動を開始する。操作力は、リンク機構9に伝達され支持点9aを回転中心として絶縁ロッド10を矢印Aとは逆方向に駆動する。その結果、第2可動電極3と可動投入抵抗接点11bは矢印Aと逆方向に移動する。可動投入抵抗接点11bは、復帰ばね11eに抗して第2アーク電極3aと伴に移動する。
【0024】
図2に示す投入動作途中の状態おいて、第1アーク電極2aと第2アーク電極3aが接触している状態を示している。この状態では、第1主電極2bと第2主電極3b、及び可動投入抵抗接点11bと固定投入抵抗接点11aは接触していないため、電流は、第1アーク電極2aから第2アーク電極3aを通じて、摺動接触子12bから投入抵抗体支持部材12aに繋がる投入抵抗体12に流れる。この状態から更に投入動作が進むと、図3に示す投入状態となる。
【0025】
この状態では、可動投入抵抗接点11bは、固定投入抵抗接点11aに接触し、且つ第1主電極2bと第2主電極3bも接触する。これにより、電流は、第1アーク電極2a、第2アーク電極3aから摺動接触子11c、可動投入抵抗接点11b及び固定投入抵抗接点11aを介して通電支持部材8に、また、第1主電極2b、第2主電極3bから摺動接触子8aを介して通電支持部材8に流れ、投入抵抗体12には流れない。
【0026】
(遮断動作)
次に、図3に示す投入状態から、図4に示す遮断動作途中の状態を経て図1に示す遮断状態に至る遮断動作について説明する。
【0027】
まず、図3に示す投入状態において、外部指令が操作機構6に入力されると操作力により矢印Bの方向に動作軸13に沿って操作ロッド5と第1可動電極2が移動を開始する。操作力は、リンク機構9に伝達され支持点9aを回転中心として絶縁ロッド10を矢印Bとは逆方向に駆動する。その結果、第2可動電極3は矢印Bと逆方向に移動する。
【0028】
図4に示す遮断動作途中において、第1可動電極2と第2可動電極3が開離した状態を示している。第2アーク電極3aの移動により可動投入抵抗接点11bは、復帰ばね11eにより投入抵抗体12側へ駆動され、固定投入抵抗接点11aから開離する。その際、投入抵抗接点11の開離が、第1アーク電極2aと第2アーク電極3aの開離の後となるように、可動投入抵抗接点11bを第2アーク電極3aの移動に遅れて追随する。そのために、復帰ばね11eのばね力(ばね定数)が設定されている。これにより、遮断動作途中では、可動投入抵抗接点11bは固定投入抵抗接点11aから開離せず、遮断動作完了後に開離する。その結果、遮断時に、第1アーク電極2aと第2アーク電極3a間に発生するアーク電流は投入抵抗体12に流れず、第2アーク電極3aから通電支持部材8へ摺動接触子11c、可動投入抵抗接点11b及び固定投入抵抗接点11aを介して流れる。
【0029】
本実施形態によれば、第1可動電極2、第2可動電極3及び投入抵抗接点11を動作軸13上に一直線に配置し、投入抵抗接点11を第2可動電極3側に配置したため、接点部の幅である直径を小さくすることができ、容器のサイズも小さくできる。また、動作軸13に対して偏った質量を持つ接点部材が無いため、投入、遮断動作時の、動作軸13方向以外の異常振動が起こりにくく、部品強度への影響が少なくなるため信頼性が向上する。
【0030】
投入抵抗接点11は、第1可動電極2及び第2可動電極3と一体ではなく、また、それらの周囲に配置されておらず、他の電極と比べ質量を小さくできるため、投入動作特性にも大きな変化を与えることは無い。軽量にした可動投入抵抗接点11bは、固定投入抵抗接点11aに例えば投入速度の約半分の遅い速度で衝突するため、大きな衝撃力は発生しない構造となっている。投入動作時、投入抵抗の投入は、可動電極のアーク電極同士の接触により行い、また、その接触はスライドコンタクト式の接点による接触とすることができ、大きな衝撃力は発生しない。
【0031】
更に、投入抵抗接点11を持たないガス遮断器の場合においても可動部重量がほぼ同じとなり開極特性に差異が生じない。これにより、駆動エネルギーが等しい同一の操作機構が適用できる。
【0032】
[第2の実施形態]
次に、図5〜図8を用いて本発明の第2の実施形態に係る投入抵抗接点付きパッファ形ガス遮断器について説明する。なお、第1の実施形態の形態と同一または類似の部分には共通の符号を付し、重複する説明は省略する。図5は、本実施形態に係る投入抵抗接点付きパッファ形ガス遮断器の遮断状態を示す断面図、図6は、同ガス遮断器の投入動作途中を示す断面図、図7は、同ガス遮断器の投入状態を示す断面図、図8は、同ガス遮断器の遮断動作途中を示す断面図である。
【0033】
図5において、第1可動電極2に対向する第2可動電極3を相対的に開離方向に駆動する溝カム14を第2可動電極3側に配置する。絶縁ノズル4より伸びた連結ロッド15に溝カム14を連結し、第2可動電極3に設けられたカムローラ16が、溝カム14の溝16aに係合し滑動することにより、第2可動電極3を第1可動電極2とは反対方向に移動させるように構成されている。
【0034】
第1の実施形態では、リンク機構9と絶縁ロッド10により第2可動電極3を第1可動電極2とは逆方向に駆動しているが、本実施形態では、連結ロッド15と溝カム14により第2可動電極3を第1可動電極2とは逆方向に駆動している。
【0035】
投入動作と遮断動作は、第1の実施形態とほぼ同様の動作を行い、図5〜図8より容易に類推できるため、説明を省略する。
以上のように構成した場合でも、上記第1の実施形態の形態と同様な作用効果を得ることができる。
【0036】
[他の実施形態]
以上説明した実施形態は単なる例示であって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、復帰ばね11eに圧縮コイルばねを用いているが、他の弾性体要素、例えば、皿ばね等を用いることもできる。復帰ばね11eの両端に絶縁板11dを用いて電気的絶縁機能を持たせているが、絶縁板11dは片側だけ配置しても良い。
【0037】
また、復帰ばね11eは、金属製のばねではなく、セラミック等の絶縁物で構成されたものを用いることができ、その時には絶縁板11dを省略することができる。突起部3dと可動投入抵抗接点11bは遮断動作完了時に復帰ばね11eのばね力により衝突するが、その衝撃力を緩和するため突起部3dに衝撃吸収部材3e(図4,8に示す)を配置することができる。
【0038】
第1、第2の実施形態の駆動装置においてリンク機構9、溝カム機構を用いたが、これらの機構とは異なる他の駆動手段を用いたガス遮断器にも、本発明で提案している投入抵抗接点11は、適用できる。
【符号の説明】
【0039】
1…容器、2…第1可動電極、2a…第1アーク電極、2b…第1主電極、3…第2可動電極、3a…第2アーク電極、3b…第2主電極、3c…絶縁支持部材、3d…突起部、3e…衝撃吸収部材、4…絶縁ノズル、5…操作ロッド、6…操作機構、7…圧力室、8…通電支持部材、8a…摺動接触子、9…リンク機構、9a…支持点、10…絶縁ロッド、11…投入抵抗接点、11a…固定投入抵抗接点、11b…可動投入抵抗接点、11c…摺動接触子、11d…絶縁板、11e…復帰ばね、12…投入抵抗体、12a…投入抵抗体支持部材、12b…摺動接触子、13…動作軸、14…溝カム、15…連結ロッド、16…カムローラ、16a…溝。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アーク電極及び同心状に第1主電極を配置した第1可動電極と、第2アーク電極及び同心状に第2主電極を配置し、前記第1可動電極に対し長手方向に対向配置された第2可動電極と、前記2つの可動電極を接離するように駆動する駆動装置と、前記第2主電極を摺動自在に支持する通電支持部材と、前記第2アーク電極の端部を摺動自在に支持する投入抵抗体と、前記第2アーク電極の周囲で前記通電支持部材に固定された固定投入抵抗接点及び前記第2アーク電極に支持された可動投入抵抗接点を有する投入抵抗接点と、を備え、
投入時に、前記可動投入抵抗接点は、前記第1アーク電極と第2アーク電極が接触した後に前記固定投入抵抗接点に接触し、遮断時に、前記投入抵抗接点は、前記第1アーク電極と第2アーク電極が開離した後に開離することを特徴とする投入抵抗接点付きガス遮断器。
【請求項2】
遮断時に、前記可動投入抵抗接点は、復帰ばねにより前記固定投入抵抗接点から開離する方向に付勢されることを特徴とする請求項1に記載の投入抵抗接点付きガス遮断器。
【請求項3】
前記駆動装置は、操作ロッドによる前記第1可動電極の移動に対して前記第2可動電極を逆方向に移動させるリンク機構を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の投入抵抗接点付きガス遮断器。
【請求項4】
前記駆動装置は、操作ロッドによる前記第1可動電極の移動に対して前記第2可動電極を逆方向に移動させる溝カム機構を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の投入抵抗接点付きガス遮断器。
【請求項5】
第1アーク電極及び同心状に第1主電極を配置した第1可動電極と、第2アーク電極及び同心状に第2主電極を配置し、前記第1可動電極に対し長手方向に対向配置された第2可動電極と、前記2つの可動電極を接離するように駆動する駆動装置と、通電支持部材に固定された固定投入抵抗接点及び前記第2アーク電極に支持された可動投入抵抗接点からなる投入抵抗接点と、を備えた投入抵抗接点付きガス遮断器の投入、遮断方法であって、
投入時に、前記駆動装置の駆動により、前記第1アーク電極と第2アーク電極が接触すると、前記第2アーク電極から投入抵抗体に電流が流れ、次いで、前記可動投入抵抗接点が前記固定投入抵抗接点に接触すると、前記第2アーク電極から前記投入抵抗接点を介して前記通電支持部材に電流が流れ、
遮断時に、前記駆動装置の駆動により、前記第1アーク電極と第2アーク電極が開離すると、その際に発生するアーク電流を、前記投入抵抗接点を介して前記通電支持部材に流し、次いで、前記可動投入抵抗接点が前記固定投入抵抗接点から開離することを特徴とする投入抵抗接点付きガス遮断器の投入、遮断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−9156(P2011−9156A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−153786(P2009−153786)
【出願日】平成21年6月29日(2009.6.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】