説明

投写型映像表示装置およびカラーホイール装置

【課題】不適合なカラーホイールの使用が要因となる投写型映像表示装置の不具合の発生を抑制する。
【解決手段】プロジェクタは、ランプ10からの光を時分割で複数の色の光に分離するカラーホイールユニット30と、カラーホイールユニット30により分離された各色の光を変調するDMD70と、CPU108と、映像信号処理回路104とを備えている。CPU108は、カラーホイールユニット30が本プロジェクタに適合するか否かを判定する。CPU108によって本プロジェクタに適合しないと判定されると、異常運転が行われる。映像信号処理回路104は、DMD70およびカラーホイールユニット30を駆動して、映像をスクリーン上に白黒表示するとともに、それに重ねてカラーホイールユニット30が適合しない旨の異常表示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源からの光を表示素子により変調して被投写面上に拡大投写する投写型映像表示装置に関し、特に、光源からの光をカラーホイールによって色分離し、分離した光を表示素子によって変調する投写型映像表示装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被投写面(スクリーン等)上に画像を拡大投写する投写型表示装置(以下、「プロジェクタ」という)の1つのタイプとして、液晶表示器、DMD(Digital Micro-mirror Device)等の表示素子を1つだけ用いる、いわゆる単板式のプロジェクタが知られている。
【0003】
この種のプロジェクタでは、光源と表示素子との間にカラーホイールが配されている。カラーホイールは、たとえば、三原色(赤色、緑色、青色)の各光のみを透過する透過領域が回転方向に配された構成を有し、モータによって回転駆動される。光源からの光は、カラーホイールにより赤色、緑色、青色の各光に分離され、各光が時分割で表示素子に照射される。表示素子では、各光に応じた変調が行われ、変調された光が順次、被投写面に映し出される。このとき、各光の切り替えは高速で行われるため、ユーザの目には、被投写面上の各光による映像が合成されて1つの映像として映る。
【0004】
なお、カラーホイールとモータは、一体化されてカラーホイールユニットとして構成され得る。
【0005】
また、カラーホイールは、上記三原色の各透過領域の他に、白色(透明)、即ち光源からの白色光をそのまま透過する透過領域を加えた構成とすることもでき、あるいは、他の色(例えば、黄色等)の光を透過する透過領域を加えた構成とすることができる。
【0006】
このように、透過領域の種類数を変えることにより、明るさやコントラスト、色再現性等、映像の映り具合を異ならせることができる。また、各透過領域の比率を変えることによっても、映像の映り具合を異ならせることができる。
【0007】
そこで、ユーザが用途や嗜好に応じて透過領域の構成(種類数、比率)が異なるカラーホイールユニットに交換ができるよう、プロジェクタが構成され得る(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−113276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように、カラーホイールユニットが交換可能な構成とされた場合には、プロジェクタの機種等に応じて、その機種に適合する、いわゆる純正品のカラーホイールユニットが用意される。純正品のカラーホイールユニットは、適正な性能がメーカによって保証されている。カラーホイールユニットを交換する場合、通常、ユーザは純正品のカラーホイールユニットを用いる。
【0010】
しかし、ユーザによって、構成はほぼ同じであるが、純正品でないカラーホイールユニット(他機種のものや海賊品。以下、「非純正品」という)が用いられる場合も考えられ得る。このような非純正品のカラーホイールユニットに交換されてしまった場合には、プロジェクタが正常に動作せず、投写される映像が大きく劣化してしまったり、機器の異常過熱や構成部品の破損を招いてしまったりする惧れがある。
【0011】
たとえば、非純正品の透過領域の比率が純正品と異なっている場合には、純正品の同期タイミングで表示素子の変調動作が行われると、色が正常に表現されず映像が大きく劣化する惧れがある。
【0012】
また、非純正品のモータの性能が純正品に比べて劣るような場合には、純正品と同様に高速回転させると、モータが異常発熱する惧れがある。
【0013】
さらに、非純正品のカラーホイールの光学特性が純正品と異なり、その温度特性が劣るような場合には、純正品と同様な強さの光を入射させると、カラーホイールが異常発熱する惧れがある。
【0014】
そして、このようにモータやカラーホイールが異常発熱すると、カラーホイールユニット自身が破損したり寿命が低下したりする惧れがある。また、カラーホイールユニットの発熱によって周囲の光学部品が過熱され、破損したり寿命が低下したりする惧れがある。
【0015】
本発明は、これらの課題を解消するためになされたものであり、不適合なカラーホイールの使用が要因となる投写型映像表示装置の不具合の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の第1の態様に係る投写型映像表示装置は、光源からの光を時分割で複数の色の光に分離するカラーホイールユニットと、前記カラーホイールユニットにより分離された各色の光を変調する表示素子と、前記カラーホイールユニットが当該投写型映像表示装置に適合するか否かを判定する判定部と、前記光源、カラーホイールユニットおよび表示素子を制御する投写制御部とを備えている。ここで、前記投写制御部は、前記カラーホイールユニットが当該投写型映像表示装置に適合する場合に行われる正常運転用の第1の制御ルーチンと、前記カラーホイールユニットが当該投写型映像表示装置に適合しない場合に行われる異常運転用の第2の制御ルーチンとを備える。
【0017】
第1の態様に係る投写型映像表示装置によれば、カラーホイールユニットが当該装置に適合しない場合には、異常運転用の第2の制御ルーチンによる投写制御が行われるので、不適合なカラーホイールユニットの使用が要因となる投写型映像表示装置の不具合の発生を抑制することが可能となる。
【0018】
本態様に係る投写型映像表示装置において、前記投写制御部は、前記第2の制御ルーチンにおいて、白黒映像が投写されるよう前記表示素子を駆動する構成とされ得る。
【0019】
このようにすれば、白黒映像が投写されることによって、カラーホイールユニットが当該投写型映像表示装置に適合していないことをユーザに知らせることができる。
【0020】
本態様に係る投写型映像表示装置において、前記投写制御部は、前記第2の制御ルーチンにおいて、カラーホイールユニットが適合しないことを報知するための表示がなされるように前記表示素子を駆動する構成とされ得る。
【0021】
このようにすれば、カラーホイールユニットが適合していない旨を、円滑かつ適切に、ユーザに知らせることができる。
【0022】
本態様に係る投写型映像表示装置において、前記投写制御部は、前記第2の制御ルーチンにおいて、前記第1の制御ルーチンよりも前記光源の出力を小さくするよう構成され得る。
【0023】
このようにすれば、カラーホイールユニットに入射される光が弱まることにより、カラーホイールユニットの発熱が抑制されるので、カラーホイールユニットやその周囲の構成部品の熱による破損や寿命低下が防止される。
【0024】
本態様に係る投写型映像表示装置において、前記カラーホイールユニットは、カラーホイールと、当該カラーホイールを回転駆動するモータとを備えるよう構成され得る。このとき、前記投写制御部は、前記第2の制御ルーチンにおいて、前記第1の制御ルーチンよりも前記モータの回転速度を低くするよう構成され得る。
【0025】
このようにすれば、モータの発熱が抑制されるので、カラーホイールユニットやその周囲の構成部品の熱による破損や寿命低下が防止される。
【0026】
本態様に係る投写型映像表示装置は、前記カラーホイールユニットを冷却するための冷却部と、前記冷却部を駆動する冷却制御部とを備える構成とされ得る。ここで、前記冷却制御部は、前記第2の制御ルーチンにおいて、前記第1の制御ルーチンよりも前記冷却部による冷却能力を高くする。
【0027】
このようにすれば、カラーホイールユニットの冷却効果が高まることにより、カラーホイールユニットの発熱が抑制されるので、カラーホイールユニットやその周囲の構成部品の熱による破損や寿命低下が防止される。
【0028】
本態様に係る投写型映像表示装置において、前記投写制御部は、前記第2の制御ルーチンにおいて、投写動作を停止するよう構成され得る。
【0029】
このようにすれば、カラーホイールユニットが不適合であることによるカラーホイールユニットおよびその周囲の構成部品の破損や寿命低下が防止される。
【0030】
本態様に係る投写型映像表示装置において、前記カラーホイールユニットは、当該投写型映像表示装置に適合するか否かの判定に用いられる認証部を備えるよう構成され得る。この場合、前記判定部は、前記認証部に基づいてカラーホイールユニットが当該投写型映像表示装置に適合するか否かの判定を行う。
【0031】
このようにすれば、前記判定部は、認証部を用いて容易に判定を行うことができる。なお、認証部は、たとえば、固有のID情報を保持するメモリにより構成され得る。この場合、判定部は、メモリから取得したID情報が、予め保持したID情報に適合するか否かによって、カラーホイールユニットの適否を判定することができる。
【0032】
本発明の第2の態様に係る投写型映像表示装置は、光源からの光を時分割で複数の色の光に分離するカラーホイールユニットと、前記カラーホイールユニットにより分離された各色の光を変調する表示素子と、前記カラーホイールユニットが当該投写型映像表示装置に適合するか否かを判定する判定部と、前記カラーホイールユニットが当該投写型映像表示装置に適合しないと判定された場合に異常を報知する報知制御部とを備えている。
【0033】
第2の態様に係る投写型映像表示装置によれば、カラーホイールユニットが適合していない旨をユーザに知らせることができるので、不適合なカラーホイールユニットの使用が要因となる投写型映像表示装置の不具合の発生を抑制することができる。
【0034】
本発明の第3の態様に係るカラーホイール装置は、カラーホイールと、前記カラーホイールを回転駆動するモータと、当該カラーホイール装置の適合の可否を投写型映像表示装置において判定するために用いられる認証部とを備える。
【0035】
第3の態様に係るカラーホイール装置によれば、認証部を用いることにより、カラーホイール装置の適否に応じた運転制御を投写型映像表示装置において行うことができるため、不適合なカラーホイールユニットの使用が要因となる投写型映像表示装置の不具合の発生を抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0036】
以上のとおり本発明によれば、不適合なカラーホイールの使用が要因となる投写型映像表示装置の不具合の発生を抑制することができる。
【0037】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施の形態に係るプロジェクタの構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係るプロジェクタの回路系の構成を示す図である。
【図3】実施の形態に係るカラーホイールユニットの認証に基づく運転制御の処理フローである。
【図4】実施の形態に係るカラーホイールユニットとDMDの駆動タイミングを示す図である。
【図5】変更例に係るカラーホイールユニットとDMDの駆動タイミングを示す図である。
【図6】他の変更例に係るカラーホイールユニットとDMDの駆動タイミングを示す図である。
【図7】さらに他の変更例に係るカラーホイールユニットとDMDの駆動タイミングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
【0040】
図1は、本実施の形態に係るプロジェクタの構成を示す図である。図1(a)は光学系の構成を示し、図1(b)はカラーホイールユニット30の構成を示す。
【0041】
図示のように、プロジェクタは、2つのランプ10と、各ランプ10に対応して配されたUVフィルタ20、カラーホイールユニット30およびロッドインテグレータ41、42と、ライトトンネル43と、リレー光学系50と、TIR(Total Internal Reflection)プリズム60と、DMD70と、投写光学系80と、冷却装置90とを備えている。
【0042】
2つのランプ10には超高圧水銀ランプ等が用いられている。各ランプ10は、楕円面状あるいは放物面状の反射鏡10aを有しており、各ランプ10から出射された白色光は、収束しつつ各ロッドインテグレータ41、42へ向かう。各ランプ10からの白色光は、各UVフィルタ20および各カラーホイールユニット30を透過して、各ロッドインテグレータ41、42の入射面に集光される。UVフィルタ20では紫外線が除去される。
【0043】
2つのカラーホイールユニット30は、各カラーホイール31がランプ10から出射された白色光の集光点付近に位置するように配されている。各カラーホイールユニット30は、たとえば、図示しない保持部にはめ込み固定される等、ユーザ自身が交換できるように着脱容易に配されている。
【0044】
カラーホイールユニット30は、カラーホイール31と、モータ32と、位置センサ33とを備えている。カラーホイール31は、図1(b)に示すように、リング形状を有し、赤色、緑色、青色および白色の各透過領域31R、31G、31B、31Wに区画されている。
【0045】
赤色透過領域31Rは、赤色波長帯の光(以下、「R光」という)のみを透過する光学特性を有する。緑色透過領域31Gは、緑色波長帯の光(以下、「G光」という)のみを透過する光学特性を有する。青色透過領域31Bは、青色波長帯の光(以下、「B光」という)のみを透過する光学特性を有する。白色透過領域31Wは、可視光をそのまま透過する光学特性を有する。即ち、白色透過領域31Wは、透明な領域であり、白色光(以下「W光」という)がそのまま透過する。
【0046】
カラーホイール31中央の開口部には、モータ32により回転される回転板32aが固定されている。これにより、モータ32が駆動されると、カラーホイール31が回転する。
【0047】
位置センサ33は、カラーホイール31の回転状態の検出を行うためのものである。カラーホイール31には、マーカー31aが配されており、マーカー31aの回転軌道上の予め決められた位置に位置センサ33が配されている。カラーホイール31が1回転する度に、位置センサ33によってマーカー31aが検出され、検出信号(位置検出信号)が出力される。たとえば、位置センサ33は、発光素子および受光素子で構成され、マーカー31aは反射部材で構成される。この場合、発光素子から出てマーカー31aにより反射された光を受光素子で受光することにより、マーカー31aを検出することができる。
【0048】
こうして、カラーホイール31が回転すると、各透過領域に光が順次入射され、各透過領域を透過したR光、G光、B光およびW光が、カラーホイール31から時分割で出射される。
【0049】
2つのカラーホイール31を透過した光は、それぞれ、ロットインテグレータ41、42に入射される。
【0050】
2つのロットインテグレータ41、42は、略直角に屈曲した形状を有し、上下(図1の紙面に垂直な方向)に2段に重なるように配されている。各ロットインテグレータ41、42に入射された光は、反射面41a、42aで反射されて略垂直に向きを変え、ロッド内で照度が均一化されながら、ライトトンネル43側へと向かう。
【0051】
各ロッドインテグレータ41、42から出射された光は、ライトトンネル43に入射される。入射された2つの光は、ライトトンネル43内を通過する際に反射を繰り返えすことによって一つの光に統合されるとともに、さらに照度が均一化される。
【0052】
ライトトンネル43から出射された光は、リレー光学系50を構成する3つのリレーレンズ51、52、53とミラー54により導光されて、TIRプリズム60に入射される。そして、TIRプリズム60で反射されてDMD70に照射される。
【0053】
DMD70には、時分割でR光、G光、B光およびW光が順次照射される。DMD70は、入射されたR光、G光、B光およびW光に応じた駆動信号に基づいて駆動され、これら光を変調する。DMD70で変調された光は、TIRプリズム60を透過して投写光学系80に入射され、投写光学系80によってスクリーン上に投写される。
【0054】
カラーホイールユニット30による光の切り替えは非常に高速で行われるため、スクリーン上に順次投写された光による映像が、ユーザの目には1つの映像として映る。
【0055】
運転時、2つのカラーホイールユニット30は冷却装置90によって冷却される。冷却装置90は、冷却ファン91を備えており、冷却ファン91の駆動によって生起された冷却風が、各カラーホイールユニット30の近傍に配された吹出口92から各カラーホイールユニット30に当てられる。
【0056】
図2は、本実施の形態に係るプロジェクタの回路系の構成を示す図である。
【0057】
入力切替回路101は、複数の入力端子部の中から接続する入力端子部を切り替える回路である。入力切替回路101によって接続された入力端子部から映像信号が入力される。入力された映像信号は、A/Dコンバータ102によってデジタル信号に変換され、走査変換回路103に入力される。
【0058】
走査変換回路103は、予め設定された画面サイズ(たとえば、16:9の画面サイズ)と異なる画面サイズ(たとえば、4:3の画面サイズ)の映像信号が入力された場合に、入力された映像信号を、設定された画面サイズの映像信号となるように変換する。走査変換回路103から出力された映像信号は、映像信号処理回路104に入力される。
【0059】
映像信号処理回路104は、走査変換回路103から供給される映像信号に基づいて、各カラーホイールユニット30とDMD70を制御する。
【0060】
2つのカラーホイールモータ駆動回路(以下、「モータ駆動回路」という)105は、映像信号処理回路104からの制御信号に基づいて、それぞれ対応するカラーホイールユニット30を駆動する。各モータ駆動回路105は、対応するカラーホイールユニット30中のモータ32が、360度(1回転)を等分した所定の角度だけ回転する毎に、パルス信号(回転速度検出信号)を映像信号処理回路104に出力する。たとえば、モータ駆動回路105には、モータ32が一定の回転角度だけ回転したことを検出する回転センサが配されており、当該回転センサからの検出信号が回転速度信号として映像信号処理回路104に供給される。
【0061】
映像信号処理回路104は、各モータ駆動回路105から供給される回転速度信号と各カラーホイール30から供給される位置検出信号とに基づいて、各モータ32に対するモータ制御信号(モータ32の印加電圧を制御するための信号)を生成し、生成したモータ制御信号を各モータ駆動回路105へ出力する。各モータ駆動回路105は、モータ制御信号に従って各モータ32を駆動する。ここで、回転制御の方法として、たとえばPWM制御が行われる。すなわち、運転時に設定されたモータ32の回転速度に応じてモータ32への印加電流量が調整され、これにより、モータ32の回転速度が所望の回転速度に保たれる。
【0062】
後述する正常運転時において、映像信号処理回路104は、各カラーホイール31の回転が、走査変換回路103から供給される映像信号中の垂直同期信号に同期するよう、各位置センサ33からの位置検出信号と各モータ駆動回路105からの回転速度信号とに基づいて各モータ32を所定の回転速度にて駆動する。
【0063】
また、後述する異常運転時において、映像信号処理回路104は、各カラーホイール31の回転と垂直同期信号との同期をとることなく、各モータ駆動回路105からの回転速度信号のみに基づいて、各モータ32を所定の回転速度にて駆動する。
【0064】
なお、正常運転時および異常運転時における各カラーホイール31の制御の詳細については、追って、図4を参照して説明する。
【0065】
また、映像信号処理回路104は、入力された映像信号に基づいて、DMD70に入射されるR光、G光、B光およびW光に応じた変調を行うためのDMD制御信号を生成し、DMD駆動回路106へ出力する。DMD駆動回路106は、DMD駆動信号に従ってDMD70を駆動する。
【0066】
映像信号処理回路104は、走査変換回路103から供給される映像信号中の垂直同期信号に同期するよう、DMD70を駆動する。上記の如く、正常運転時には、各カラーホイール31と垂直同期信号とが同期しているため、DMD70は、垂直同期信号とともに各カラーホイール31の回転にも同期するよう駆動される。他方、異常運転時には、各カラーホイール31と垂直同期信号とが同期していないため、DMD70は、垂直同期信号に同期するが、各カラーホイール31の回転とは同期がずれた状態で駆動される。
【0067】
なお、正常運転時および異常運転時におけるDMD70の制御の詳細については、追って、図4を参照して説明する。
【0068】
操作入力回路107は、各種操作ボタンからの入力を受け付けて、それに応じた入力信号をCPU108に出力する。
【0069】
CPU108は、各種の入力に基づいて、冷却ファン駆動回路109、2つのランプ駆動回路110、LED駆動回路111に制御信号を出力する。冷却ファン駆動回路109は、CPU108からの制御信号に従って冷却装置90内の冷却ファン91を駆動する。各ランプ駆動回路110は、CPU108からの制御信号に従って各ランプ10を駆動する。LED駆動回路111は、CPU108からの制御信号に従って電源LED112を駆動する。
【0070】
また、CPU108は、電源回路113の起動・停止を制御する。電源回路113が起動することにより、カラーホイールユニット30、DMD70、冷却ファン91、ランプ10、電源LED112等への電力供給が可能となる。
【0071】
カラーホイールユニット30には、メモリ114が内蔵されており、その中には、カラーホイールユニット30が本プロジェクタに適合するか否かの判定に用いられる認証データ(本発明の認証部に相当)が記憶されている。メモリ114は、たとえば、EEPROM(Electrically Erasable And Programmable Read Only Memory)である。
【0072】
CPU108は、メモリ114へ認証データの送信要求を行う。CPU108は、メモリ114から認証データが取得できたか否かにより、あるいは、取得できればその認証データがCPU108内部に予め保持された認証データと一致するか否かにより、カラーホイールユニット30の適否を判定する。そして、投写運転時、CPU108は、判定結果に基づいて冷却ファン91やランプ10を制御する。また、CPU108は、判定結果に基づく制御信号を映像信号処理回路104に出力し、投写運転時、映像信号処理回路104は、判定結果に応じたカラーホイールユニット30のモータ32の制御やDMD70の制御を行う。
【0073】
図3は、カラーホイールユニット30の適否判定に基づく運転制御の処理フローである。また、図4は、カラーホイールユニット30とDMD70の駆動タイミングを示す図である。図4(a)は正常運転時における駆動タイミングを示し、図4(b)は異常運転時における駆動タイミングを示す。
【0074】
なお、図4では、2つのカラーホイール31を「CH1」、「CH2」と記載している。また、図4(a)では、位置検出信号に重ねて、カラーホイール31からのR光、G光、B光およびW光の出射タイミングを示している。図4(b)では、各色光の出射タイミングが不明となるため、それを×印にて示している。
【0075】
以下、これらの図を参照して、その制御動作を説明する。
【0076】
ユーザによって、電源プラグが電源コンセントに差し込まれると、プロジェクタに電源の供給がなされる。これにより、CPU108は、プロジェクタをスタンバイするための電源供給がなされたと判定すると(S1:YES)、カラーホイールユニット30のメモリ114から認証データを取得して(S2)、カラーホイールユニット30の適否を判定する(S3)。
【0077】
CPU108は、取得した認証データがCPU108保有の認証データの何れかと一致すれば、そのカラーホイールユニット30が本プロジェクタに適合すると判定する。たとえば、カラーホイールユニット30が、販売当初のままである場合、あるいは、他のカラーホイールユニット30に交換されても、それが本プロジェクタ用の純正品である場合には、適合すると判定される。
【0078】
一方、CPU108は、取得した認証データがCPU108保有の認証データの何れにも一致しない、あるいは、認証データそのものが取得できなければ、そのカラーホイールユニット30は本プロジェクタに適合しないと判定する。たとえば、純正品でないカラーホイールユニット30に交換された場合には、適合しないと判定される。
【0079】
なお、2つのカラーホイールユニット30の双方ともに、このような適否の判定が行われる。
【0080】
CPU108は、2つカラーホイールユニット20の何れもが本プロジェクタに適合すると判定すると(S3:YES)、プロジェクタをスタンバイ状態とするためのセットアップを実行する(S4)。これにより電源回路113の起動等が行われて、プロジェクタがスタンバイ状態となる。このセットアップが完了すると、CPU108は電源LED112を点灯させ、ユーザにスタンバイ状態であることを知らせる。
【0081】
一方、CPU108は、2つのカラーホイールユニット30の何れか1つ、あるいは双方ともが本プロジェクタに適合しないと判定すると(S3:NO)、スタンバイ状態とするためのセットアップを実行せずに、電源LED112を点滅させたり正常時と異なる色で点灯させたりする等して、異常報知を行う(S5)。
【0082】
その後、CPU108は、一定時間が経過するごとに(S6:YES)、カラーホイールユニット30の認証を行って適否の判定を行う(S2、S3)。
【0083】
この間、ユーザが異常報知に気づき、交換したカラーホイールユニット30を純正品である元のカラーホイールユニット30に戻す等すれば、ステップS3において、本プロジェクタに適合すると判定され(S3:YES)、異常報知が停止されて、スタンバイ状態とするセットアップが実行される(S4)。
【0084】
こうして、スタンバイ状態になると、CPU108は、電源スイッチが操作されたか(セット電源オンされたか)否かを判定する(S7)。そして、電源スイッチが操作されたと判定すると(S7:YES)、再び、カラーホイールユニット30から認証データを取得して(S8)、カラーホイールユニット30の適否を、ステップS3と同様の方法で判定する(S9)。
【0085】
CPU108は、カラーホイールユニット30が本プロジェクタに適合すると判定すると(S9:YES)、正常時の投写運転(正常運転)を行うためのセットアップを実行する(S10)。このセットアップにおいて、カラーホイールユニット30の種類に応じたDMD70やランプ10等の駆動を行うため諸設定が行われる。
【0086】
そして、このセットアップが完了すると、CPU108および映像信号処理回路104による制御の下、正常運転が開始される(S11)。
【0087】
正常運転では、CPU108によってランプ10が駆動され、ランプから白色光が出射される。また、映像信号処理回路104により、映像信号に基づいて2つのカラーホイールユニット30とDMD70とが駆動される。
【0088】
このとき、図4(a)に示すように、カラーホイール31は、映像信号に基づく垂直同期信号に同期して回転する。たとえば、カラーホイール31は、垂直同期信号の1周期の間に2回転する。2つのカラーホイール31がともに図1(b)に示すものである場合、各カラーホイール31からは、図4(a)に示す如く、一定間隔で、R光、G光、B光、W光が出射される。このとき、DMD70には、図4(a)に示す如く、垂直同期信号およびカラーホイール31の回転に同期して、各色光に対応するDMD駆動信号が送出される。これによって、所定の光(たとえば、R光)がDMD70に照射されているタイミングにおいて、その光(たとえば、R光)に対応するDMD70の変調動作が行われる。
【0089】
こうして、DMD70によって変調されたR光、G光、B光およびW光による映像が、順次、投写光学系80によって投写され、スクリーン上には、カラー映像が映し出される。なお、スクリーンには、垂直同期信号の1周期の間に、1コマ分の映像が2度繰り返して投写されることとなる。即ち、各色の光による映像の切り替わりがより短時間で行われることとなるので、合成された映像のちらつきが防止される。
【0090】
なお、投写運転時には、CPU108によって冷却装置90が駆動され、2つのカラーホイールユニット30が冷却される。
【0091】
さて、図3のステップS7におけるスタンバイ状態において、ユーザによってカラーホイールユニット30が交換されることがあり、このときに、純正品でないカラーホイールユニット30が用いられることもある。
【0092】
この場合、ステップS9において、CPU108は、カラーホイールユニット30が本プロジェクタに適合しないと判定し(S9:NO)、異常時の投写運転(異常運転)を行うためのセットアップを実行する(S12)。そして、このセットアップが完了すると、CPU108および映像信号処理回路104による制御の下、異常運転が開始される(S13)。
【0093】
異常運転において、映像信号処理回路104は、入力された映像信号に基づいて映像を白黒表示するためのDMD制御信号を生成する。この際、その映像画面の一部に、カラーホイールユニット30が適合していない旨の異常表示(たとえば、「カラーホイールが適合していません」、「適正なカラーホイールに交換ください」の文字表示等)が合成されたDMD制御信号を生成する。
【0094】
図4(b)は、異常運転時における制御動作を示すタイミングチャートである。なお、かかる制御動作は、2つのカラーホイールユニット30の双方が不適合である場合のみならず、何れか一方が不適合である場合にも行われる。同図(b)には、双方のカラーホイールユニット30が不適合である場合が例示されている。
【0095】
異常運転時、映像信号処理回路104は、図4(b)に示すように、2つのカラーホイールユニット30(カラーホイール31)を垂直同期信号と非同期に駆動する。この場合、映像信号処理回路104は、垂直同期信号を参照することなくモータ駆動回路105から入力される回転速度信号のみに基づいて、カラーホイール31の回転速度が正常運転時と同じになるように各カラーホイールユニット30を駆動する。このため、2つのカラーホイールユニット30(カラーホイール31)は、DMD70とは非同期に駆動されることとなる。
【0096】
さらに、映像信号処理回路104は、同図(b)に示す如く、垂直同期信号に同期して、白黒映像を表示するためのDMD駆動信号をDMD70に出力する。このとき出力されるDMD駆動信号は、上記のように、映像信号に基づく映像にカラーホイールユニット30の異常報知を重ねた映像に対応するものとされる。
【0097】
こうして、スクリーンには、入力された映像が白黒表示にて投写され、それに重ねて、その投写画面の一部にカラーホイールユニット30が適合していない旨の異常表示が白黒表示にて投写される。
【0098】
ユーザは、映像が白黒状態で投写されたこと、および異常表示がなされたことにより、スタンバイ時に交換したカラーホイールユニット30が本プロジェクタに適合しないことを知ることができる。
【0099】
白黒表示とされる場合には、カラーホイールユニット30から出射されるどの色の光に対してもDMD70により同じ変調が行われる。したがって、上記のように、カラーホイールユニット30が垂直同期信号に同期して回転されなくても、適正な映像が映し出されることとなる。
【0100】
なお、ステップS9では、カラーホイールユニット30から認証データを取得できない場合にも不適合としてステップS12へと移行する。ここで、CPU108により認証データが取得できない場合としては、カラーホイールユニット30は配され電気的な接続も行われているが純正品でないため認証データがなく取得できない場合と、カラーホイールユニット30が配されていない、あるいは配されてはいても電気的な接続がなされていないため認証データが取得できない場合とがある。
【0101】
後者の場合、ステップS12からS13へと移行して異常運転が開始されるが、これにより映像信号処理回路104からモータ制御信号が出力されても、モータ32の回転速度信号やマーカー31aの位置検出信号が映像信号処理回路104に入力されない。したがって、このような場合には、ステップS13における異常運転が中止され、CPU108により電源LED112が点滅等の異常態様で駆動されて、カラーホイールユニット30が適正に設置されていない旨がユーザに報知される。
【0102】
このように、本実施の形態によれば、ユーザ等によって交換されたカラーホイールユニット30が本プロジェクタに適合しない場合には、電源LED112による異常報知が行われ、あるいは、スクリーン上において、映像が白黒状態で投写されるとともに、合わせて異常表示が行われる。これにより、ユーザにカラーホイールユニット30が適正でない旨を知らせることができる。
【0103】
不適合なカラーホイールユニット30が使用された場合、上述のように、適正なカラー映像が表示できない場合があり、また、カラーホイールユニット30やその周囲の構成部品の破損、寿命低下を招く惧れがある。
【0104】
本実施の形態によれば、ユーザにカラーホイールユニット30が適正でない旨を知らせることにより、適正なカラーホイールユニット30への交換を促すことができるので、このような不具合の発生を抑制することができる。特に、スクリーン上で異常が知らされる構成とされているので、ユーザにカラーホイールの不適合が認識されやすい。
【0105】
また、本実施の形態によれば、スクリーン上での異常表示が白黒表示により行われる構成であるため、カラーホイールユニット30とDMD70が同期駆動されなくても適正に異常表示が行われ得る。これにより、異常がある旨をユーザに確実に知らせることができる。
【0106】
さらに、本実施の形態では、白黒表示を行う際には、カラーホイールユニット30が垂直同期信号と非同期駆動されるので、異常運転時のカラーホイールユニット30の回転制御が簡易になる。
【0107】
さらに、本実施の形態によれば、カラーホイールユニット30に適否判定に用いる認証データを記憶させ、この認証データにより適否の判定を行うようにしているので、容易に適否の判定を行うことができる。
【0108】
<異常運転時の他の投写制御>
上記実施の形態では、異常運転において、映像を白黒状態としたり、異常表示をしたりする投写制御を行うにより、ユーザにカラーホイールユニット30が適正でないことを知らせることで、不適合なカラーホイールユニット30が使用されることによる不具合の発生を抑制するようにしている。しかしながら、さらに積極的に、カラーホイールユニット30やその周囲の構成部品の破損、寿命低下を防止すべく、以下のような正常運転時とは異なる投写制御を行うこともできる。
【0109】
即ち、CPU108は、異常運転時に、ランプ10の出力が正常運転時に比べて低くなるように、ランプ10を制御しても良い。このようにすれば、カラーホイールユニット30に入射される光が弱まることにより、カラーホイールユニット30の発熱が抑制されるので、カラーホイールユニット30やその周囲の構成部品の破損、寿命低下を防止することができる。
【0110】
また、映像信号処理回路104は、異常運転時に、カラーホイールユニット30のモータ32の回転速度が正常運転時に比べて低くなるように、モータ32を制御しても良い。たとえば、図5に示すように、異常運転時において、モータ32の回転速度を、垂直同期信号の1周期の間にカラーホイール31が1回転するような回転速度に低減させるようにしても良い。このようにすれば、モータ32の発熱が抑制されることにより、カラーホイールユニット30の発熱が抑制されるので、カラーホイールユニット30やその周囲の構成部品の破損、寿命低下を防止することができる。
【0111】
さらに、入力映像の白黒表示、カラーホイールユニット30が適合しない旨の異常表示が一定の時間だけ行われた後に、投写運転を停止して、電源回路113の作動を停止させるようにしても良い。このようにすれば、適正でない状態での投写運転が長く継続されることがないので、カラーホイールユニット30やその周囲の構成部品の破損、寿命低下を防止することもできる。
【0112】
<異常運転時の冷却制御>
さらに、異常運運転時、上記のように投写制御を異ならせるとともに、冷却装置90に対する冷却制御を異ならせるようにしても良い。即ち、CPU108は、冷却装置90の冷却能力が正常運転時より高まるように、即ち、冷却ファン91の回転数が正常運転時より高まるように、冷却ファン91を制御するようにしても良い。このようにすれば、カラーホイールユニット30の冷却効果が高まることにより、カラーホイールユニット30の発熱が抑制されるので、カラーホイールユニット30やその周囲の構成部品の破損、寿命低下を防止することができる。
【0113】
<その他>
上記実施の形態では、どちらか一方のカラーホイールユニット30が適合していなければ、双方のカラーホイールユニット30が垂直同期信号に同期せずに駆動される構成とされている。しかしながら、カラーホイールユニット30の回転制御の簡易化を考えなければ、図6(b)に示すように、適合しているカラーホイールユニット30は、正常運転時と同様、垂直同期信号に同期して駆動されるようにしても良い。
【0114】
さらには、図7(b)に示すように、カラーホイールユニット30の一方あるいは双方が適合していない場合に、双方のカラーホイールユニット30ともが垂直同期信号に同期して駆動されるようにしても良い。なお、図7(b)には、一例として、双方のカラーホイールユニット30が適合していない場合のタイミングチャートが示されている。
【0115】
勿論、図6、図7のように、異常運転時にカラーホイールユニット30が垂直同期信号に同期して駆動される構成とした上で、さらに、図5のように、異常運転時にモータ32の回転速度が低減される構成とされても良い。
【0116】
また、異常運転において、上述した映像の白黒表示、カラーホイールユニット30が適合しない旨の異常表示、ランプ10の出力低下、モータ32の回転速度低下の4つの投写制御が全て行われることが最も望ましいが、その分だけ投写制御が複雑となる。したがって、必要に応じて、4つの投写制御の中から、いくつかの投写制御が組み合わされて行われても良いし、1つの投写制御だけが行われても良い。
【0117】
さらに、上記実施の形態では、カラーホイールユニットの30の適否を、認証データを用いて判定するようにしているが、他の手段を用いてカラーホイールユニットの30の適否を判定するようにしても良い。たとえば、適合するカラーホイールユニット30の所定位置に磁石を配しておき、カラーホイールユニット30がプロジェクタの組み込まれたときに、その磁石の磁力が検出されれば、適合するカラーホイールユニット30であると判定される構成とされても良い。また、磁石に変えて突起を形成しておき、突起が検出スイッチに当たってスイッチがオンすれば、適合するカラーホイールユニット30であると判定される構成とされても良い。これらの場合、磁石や突起が、本発明の認証部に相当するものとなる。
【0118】
さらに、上記実施の形態では、2つのカラーホイールユニット30が、2つランプ10からの各光路中にそれぞれ配される構成のプロジェクタを例示したが、これに限らず、2つのカラーホイールユニット30が、ランプ10からの光路中に前後に並ぶように配される構成のプロジェクタであっても良い。また、2つのカラーホイールユニット30を備えるようなプロジェクタでなくても良く、1つあるいは3つ以上のカラーホイールユニット30を備えるようなプロジェクタであっても良い。
【0119】
この他、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0120】
10 ランプ(光源)
30 カラーホイールユニット
31 カラーホイール
32 モータ
70 DMD(表示素子)
90 冷却装置(冷却部)
104 信号処理回路(投写制御部)
108 CPU(判定部、投写制御部、冷却制御部、報知制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投写型映像表示装置において、
光源からの光を時分割で複数の色の光に分離するカラーホイールユニットと、
前記カラーホイールユニットにより分離された各色の光を変調する表示素子と、
前記カラーホイールユニットが当該投写型映像表示装置に適合するか否かを判定する判定部と、
前記光源、カラーホイールユニットおよび表示素子を制御する投写制御部と、を備え、
前記投写制御部は、前記カラーホイールユニットが当該投写型映像表示装置に適合する場合に行われる正常運転用の第1の制御ルーチンと、前記カラーホイールユニットが当該投写型映像表示装置に適合しない場合に行われる異常運転用の第2の制御ルーチンとを有する、
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の投写型映像表示装置において、
前記投写制御部は、前記第2の制御ルーチンにおいて、白黒映像が投写されるよう前記表示素子を駆動する、
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の投写型映像表示装置において、
前記投写制御部は、前記第2の制御ルーチンにおいて、前記カラーホイールユニットが適合しないことを報知するための表示がなされるように前記表示素子を駆動する、
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の投写型映像表示装置において、
前記投写制御部は、前記第2の制御ルーチンにおいて、前記第1の制御ルーチンよりも前記光源の出力を小さくする、
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の投写型映像表示装置において、
前記カラーホイールユニットは、カラーホイールと、当該カラーホイールを回転駆動するモータとを備え、
前記投写制御部は、前記第2の制御ルーチンにおいて、前記第1の制御ルーチンよりも前記モータの回転速度を低くする、
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載の投写型映像表示装置において、
前記カラーホイールユニットを冷却するための冷却部と、
前記冷却部を駆動する冷却制御部と、を備え、
前記冷却制御部は、前記第2の制御ルーチンにおいて、前記第1の制御ルーチンよりも前記冷却部による冷却能力を高くする、
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項に記載の投写型映像表示装置において、
前記投写制御部は、前記第2の制御ルーチンにおいて、投写動作を停止する、
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の投写型映像表示装置において、
前記カラーホイールユニットは、当該投写型映像表示装置に適合するか否かの判定に用いられる認証部を備え、
前記判定部は、前記認証部に基づいて前記カラーホイールユニットが当該投写型映像表示装置に適合するか否かの判定を行う、
ことを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項9】
投写型映像表示装置において、
光源からの光を時分割で複数の色の光に分離するカラーホイールユニットと、
前記カラーホイールユニットにより分離された各色の光を変調する表示素子と、
前記カラーホイールユニットが当該投写型映像表示装置に適合するか否かを判定する判定部と、
前記カラーホイールユニットが当該投写型映像表示装置に適合しないと判定された場合に異常を報知する報知制御部と、
を備えることを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項10】
カラーホイール装置において、
カラーホイールと、
前記カラーホイールを回転駆動するモータと、
当該カラーホイール装置の適合の可否を投写型映像表示装置において判定するために用いられる認証部と、
を備えることを特徴とするカラーホイール装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−191195(P2010−191195A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35375(P2009−35375)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】