説明

投写表示装置、それに用いられる制御装置および制御方法

【課題】面光源およびディスプレイの両方の機能を備えた投写表示装置において、ディスプレイとしての性能と面光源としての性能とをともに確保することができる。
【解決手段】投写表示装置100は、2つのランプ105、106と、照明光学系104と、表示パネル103と、投写レンズ102と、スクリーン101と、制御装置110と、フィルム保持機構107とから構成されている。表示パネル103は、電子画像が表示され、照明光学系104により集光された光束が電子画像が表示された領域を透過する。この投写表示装置100では、電子画像が全域で特定の階調のみを表示する画像である場合と全域で複数の階調を表示可能な画像である場合とで、点灯するランプ105、106の数量が異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投写型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の医療現場では、患者の各種診断を行うために、レントゲン写真が利用されている。レントゲン写真は、X線の透過光を撮影した透過写真であり、大判のレントゲンフィルムに焼き付けられている。レントゲン写真を読影する際、シャーカステンと呼ばれる面光源の前にレントゲンフィルムが配置される。医師は、レントゲンフィルムを透過する面光源からの光を観察し、レントゲン写真の読影を行う。
しかし、レントゲン写真の媒体としてレントゲンフィルムを使用すると、保管や整理に手間がかかり、またフィルムに焼き付けるためコストが高くなる。
そこで近年、レントゲン写真の画像を電子データ化し、レントゲン写真を電子画像として観察できる電子ディスプレイが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開平7−299056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種の電子ディスプレイとしては、例えばCRTディスプレイが採用されており、CRTディスプレイにレントゲン写真の電子画像(以下、レントゲン画像)が表示される。医師はCRTディスプレイの画面上でレントゲン画像の読影を行うことができる。また、CRTディスプレイに白色の画像を表示させることで、CRTディスプレイをレントゲンフィルム用の面光源として使用することができる。
しかし、CRTディスプレイの階調特性をレントゲンフィルムを読影するために必要な明るさに設定した場合、レントゲン画像をCRTディスプレイに表示するには明るすぎるため、例えばレントゲン画像の微妙な陰影に医師が気づかず、的確な診断の妨げとなる。またレントゲン画像を表示する場合に電気回路を用いて画面を暗くすると、CRTディスプレイの階調特性が低下し、この場合も同様に的確な診断の妨げとなる。
【0004】
以上に述べたように、レントゲンフィルム用の面光源としての性能とレントゲン画像のディスプレイとしての性能とを1台の電子ディスプレイで両立させるのは困難である。
また、レントゲン写真を読影する場合、的確な診断を行うためには複数のレントゲン画像を同時に比較することが必要とされる。CRTディスプレイなどの電子ディスプレイを用いる場合、コストの関係上、1枚のレントゲンフィルムの大きさに対応した20インチ程度の複数の電子ディスプレイから構成されるマルチディスプレイが採用される。
しかし、複数のレントゲン画像により医師が的確な診断を行うためには、個々の電子ディスプレイの階調特性などを同一にする必要があるが、個々の電子ディスプレイには個体差があり、階調特性が同一の電子ディスプレイを用意することは困難である。また、階調特性のばらつきを補正する手段として画面の明るさを測定しながら調整を行うキャリブレーションが挙げられるが、すべての階調で調整を行うことは困難である。さらに、電子ディスプレイの階調特性は時間とともに変化するが、個々の電子ディスプレイで階調特性の経時変化にばらつきがある。そのため、たとえキャリブレーションで特性を補正したとしても、時間が経過するとともに個々の電子ディスプレイの階調特性がばらつき、定期的なキャリブレーションが必要となり好ましくない。
【0005】
以上に述べたように、電子ディスプレイを用いると、各レントゲン画像の明るさに差異が生じるおそれがあり、的確な診断の妨げとなる。
本発明の課題は、面光源およびディスプレイの両方の機能を備えた投写表示装置において、ディスプレイとしての性能と面光源としての性能とをともに確保することにある。
本発明の別の課題は、複数の電子画像を表示可能な投写表示装置において、複数の電子画像を表示した場合の階調特性のばらつきを低減させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る投写表示装置は、複数の光源と、照明光学系と、表示パネルと、投写レンズと、スクリーンとを備えている。照明光学系は光源から出射した光束を集光する。表示パネルは、電子画像が表示され、照明光学系により集光された光束が電子画像が表示された領域を透過またはその領域で反射する。投写レンズは表示パネルから出射した光束を取り込む。スクリーンは投写レンズからの投写光を受光する。電子画像が全域で特定の階調のみを表示する画像である場合と全域で複数の階調を表示可能な画像である場合とで、点灯する光源の数量が異なる。
この投写表示装置では、電子画像の色彩の構成に応じて点灯する光源の数量が異なる。そのため、全域で複数の階調を表示可能な通常の電子画像を見る場合は、点灯する光源の数量を減らして、電子画像の投写像をスクリーン上で確認するのに適した光束の量のみを表示パネルに入射させることができる。また、画像が焼き付けられたフィルムなどに光を透過したい場合は、例えば白色の全域で特定の階調のみを表示する電子画像を表示パネルに表示し、点灯する光源の数量を増やして電子画像を見る場合よりも表示パネルに入射する光束の量を増加させて、スクリーンを単一色の面光源として使用することができる。このように、電子画像のディスプレイとして使用する場合とフィルム用の面光源として使用する場合とで点灯する光源の数量を変化させて光束の量を変化させることで、ディスプレイとしての性能と面光源としての性能とをともに確保することができる。
【0007】
ここで、電子画像が全域で特定の階調のみを表示する画像である場合とは、電子画像が1つの色彩から構成されていることを意味しており、また電子画像が全域で複数の階調を表示可能な画像である場合とは、電子画像が2つ以上の色彩から構成されていることを意味している。
第2の発明に係る投写表示装置は、第1の発明において、電子画像が全域で複数の階調を表示可能な画像である場合に比べて、電子画像が全域で特定の階調のみを表示する画像である場合の方が点灯する光源の数量が多い。
第3の発明に係る投写表示装置は、光源と、照明光学系と、減光光学系と、表示パネルと、投写レンズと、スクリーンとを備えている。照明光学系は光源から出射した光束を集光する。減光光学系は、複数の光源と表示パネルとの間の光路上に配置され、光源から出射した光束の量を調整する。表示パネルは、電子画像が表示され、照明光学系により集光された光束が電子画像が表示された領域を透過またはその領域で反射する。投写レンズは表示パネルから出射した光束を取り込む。スクリーンは投写レンズからの投写光を受光する。電子画像が全域で特定の階調のみを表示する画像である場合と全域で複数の階調を表示可能な画像である場合とで、減光光学系から出射する光束の量が異なる。
【0008】
この投写表示装置では、電子画像の色彩の構成に応じて減光光学系から出射する光束の量を調整する。そのため、全域で複数の階調を表示可能な通常の電子画像を見る場合は、減光光学系において光束の量を減少させ、電子画像の投写像をスクリーン上で確認するのに適した光束の量のみを表示パネルに入射させることができる。また、画像が焼き付けられたフィルムなどに光を透過したい場合は、例えば白色の全域で特定の階調のみを表示する電子画像を表示パネルに表示し、減光光学系において光束の量を変化させず電子画像を見る場合よりも表示パネルに入射する光束の量を増加させて、スクリーンを単一色の面光源として使用することができる。このように、電子画像のディスプレイとして使用する場合とフィルム用の面光源として使用する場合とで減光光学系から出射する光束の量を変化させることで、ディスプレイとしての性能と面光源としての性能とをともに確保することができる。
【0009】
ここで、減光光学系としては、例えば可動絞りやNDフィルタ(Neutral density filter)などが挙げられる。
第4の発明に係る投写表示装置は、第3の発明において、電子画像が全域で複数の階調を表示可能な画像である場合に比べて、電子画像が全域で特定の階調のみを表示する画像である場合の方が減光光学系から出射する光束の量が多い。
第5の発明に係る投写表示装置は、第1から第4の発明のいずれかにおいて、表示パネルが複数の電子画像を表示可能である。
第6の発明に係る投写表示装置は、光源と、照明光学系と、1枚の表示パネルと、投写レンズと、スクリーンとを備えている。照明光学系は光源から出射した光束を集光する。表示パネルは複数の電子画像を表示可能であり、照明光学系により集光された光束が電子画像が表示された領域を透過またはその領域で反射する。投写レンズは表示パネルから出射した光束を取り込む。スクリーンは投写レンズからの投写光を受光する。
【0010】
この投写表示装置では、表示パネルに複数の電子画像を表示して、それらの投写像をスクリーン上で見ることができる。このとき、光源や表示パネルが各画像で共通であるため、各電子画像ごとに階調特性のばらつきがなく、同一の条件において各電子画像を比較することができる。これにより、この投写表示装置では、複数の電子画像を表示した場合の各電子画像における階調特性のばらつきを低減させることができる。
第7の発明に係る投写表示装置は、第1または第2の発明において、複数の光源および表示パネルの動作を制御する制御装置をさらに備えている。制御装置は、複数の光源駆動部と、パネル駆動部と、駆動制御部とを有している。光源駆動部は光源を駆動する。表示パネル駆動部は表示パネルを駆動する。駆動制御部は光源駆動部および表示パネル駆動部を介して光源および表示パネルの動作を制御する。駆動制御部は、表示パネル駆動部へ全域で特定の階調のみを表示する画像である電子画像の信号を出力した場合には、すべての光源駆動部へ複数の光源を点灯させる点灯信号を出力し、表示パネル駆動部へ全域で複数の階調を表示可能な画像である電子画像の信号を出力した場合には、複数の光源駆動部のうち少なくとも1つに光源を消灯させる消灯信号を出力するとともに、消灯信号が入力された光源駆動部以外の光源駆動部へ光源を点灯させる点灯信号を出力する。
【0011】
第8の発明に係る投写表示装置は、第3または第4の発明において、複数の光源および表示パネルの動作を制御する制御装置をさらに備えている。制御装置は、減光調整部と、表示パネル駆動部と、駆動制御部とを有している。減光調整部は表示パネルに入射する光束の量を調整する。表示パネル駆動部は表示パネルを駆動する。駆動制御部は減光調整部および表示パネル駆動部を介して減光光学系および表示パネルの動作を制御する。駆動制御部は、表示パネル駆動部へ全域で複数の階調を表示可能な電子画像の信号を出力した場合には、減光光学系において光束の量が減少するように減光調整部へ信号を出力し、表示パネル駆動部へ全域で特定の階調のみを表示する電子画像の信号を出力した場合には、減光光学系において光束の量が変化しないように減光調整部への信号を出力する。
第9の発明に係る投写表示装置は、第7または第8の発明において、フィルム保持具と、フィルムセンサとをさらに備えている。フィルム保持具はスクリーンの外周部に配置されている。フィルムセンサはフィルム保持具にフィルムが挿入されたことを検知する。駆動制御部はセンサからの信号で表示パネル駆動部へ出力する電子画像の信号を切り換える。
【0012】
第10の発明に係る投写表示装置は、第1から第9の発明のいずれかにおいて、表示パネルが1枚の透過型液晶パネルであり、以下の条件式を満たしている。
条件式(1) : 0.0<Bf/LCD<1.0
ただし、各記号は以下の寸法を示している。
Bf : 投写レンズのうち共役距離の最も短いレンズ面から共役距離の短い方の結像面までの空気換算の距離〔m〕
LCD: 表示パネルの表示領域の対角寸法〔m〕
第11の発明に係る投写表示装置は、第1から第9の発明のいずれかにおいて、表示パネルは1枚の透過型液晶パネルであり、以下の条件式を満たしている。
条件式(2) : 0.0<(Bf×TD)/(Sh×f)<1.0
【0013】
ただし、各記号は以下の寸法を示している。
Bf : 前記投写レンズのうち共役距離の最も短いレンズ面から共役距離の短い方の結像面までの空気換算の距離〔m〕
TD:前記投写レンズの光軸上における前記投写レンズから前記スクリーンまでの距離〔m〕
Sh:前記投写レンズの光軸を含み前記反射ミラーに垂直な平面の垂直方向の前記スクリーンの長さ〔m〕
f :前記投写レンズの焦点距離〔m〕
第12の発明に係る投写表示装置は、第1から第9の発明のいずれかにおいて、表示パネルが1枚の反射型液晶パネルであり、以下の条件式を満たしている。
条件式(3) : 1.0<Bf/LCOS<1.5
【0014】
ただし、各記号は以下の寸法を示している。
Bf : 投写レンズのうち共役距離が最も短いレンズ面から共役距離の短い方の結像面までの空気換算の距離〔m〕
LCOS: 表示パネルの表示領域の対角寸法〔m〕
第13の発明に係る投写表示装置は、第1から第9の発明のいずれかにおいて、表示パネルは1枚の反射型液晶パネルであり、以下の条件式を満たしている。
条件式(4) : 1.0<(Bf×TD)/(Sh×f)<1.5
ただし、各記号は以下の寸法を示している。
Bf : 前記投写レンズのうち共役距離の最も短いレンズ面から共役距離の短い方の結像面までの空気換算の距離〔m〕
TD:前記投写レンズの光軸上における前記投写レンズから前記スクリーンまでの距離〔m〕
Sh:前記投写レンズの光軸を含み前記反射ミラーに垂直な平面の垂直方向の前記スクリーンの長さ〔m〕
f :前記投写レンズの焦点距離〔m〕
【0015】
第14の発明に係る投写表示装置は、第13の発明において、表示パネルが反射型ミラーデバイスである。
第15の発明に係る投写表示装置は、第1から第14の発明のいずれかにおいて、表示パネルが複数の素子からなる液晶パネルであり、同一の電子画像を表示する場合において、すべての素子が表示する色は変化しない。
第16の発明に係る制御装置は、複数の光源と、光源から出射した光束を集光する照明光学系と、電子画像が表示され照明光学系により集光された光束が電子画像が表示された領域を透過またはその領域で反射する表示パネルと、表示パネルから出射した光束を取り込む投写レンズと、投写レンズからの投写光を受光するスクリーンとを備えた投写表示装置の制御装置である。この制御装置は、複数の光源駆動部と、パネル駆動部と、駆動制御部とを備えている。光源駆動部は光源を駆動する。表示パネル駆動部は表示パネルを駆動する。駆動制御部は光源駆動部および表示パネル駆動部を介して光源および表示パネルの動作を制御する。駆動制御部は、表示パネル駆動部へ全域で特定の階調のみを表示する電子画像の信号を出力した場合には、すべての光源駆動部へ複数の光源を点灯させる点灯信号を出力し、表示パネル駆動部へ全域で複数の階調を表示可能な電子画像の信号を出力した場合には、複数の光源駆動部のうち少なくとも1つに光源を消灯させる消灯信号を出力するとともに、消灯信号が入力された光源駆動部以外の光源駆動部へ光源を点灯させる点灯信号を出力する。
【0016】
第17の発明に係る制御装置は、光源と、光源から出射した光束を集光する照明光学系と、光源から出射した光束の量を調整する減光光学系と、電子画像が表示され照明光学系および減光光学系を通過した光束が電子画像が表示された領域を透過またはその領域で反射する表示パネルと、表示パネルから出射した光束を取り込む投写レンズと、投写レンズからの投写光を受光するスクリーンとを備えた投写表示装置の制御装置である。この制御装置は、減光調整部と、表示パネル駆動部と、駆動制御部とを備えている。減光調整部は減光光学系において光束の量を調整する。表示パネル駆動部は表示パネルを駆動する。駆動制御部は減光調整部および表示パネル駆動部を介して減光光学系および表示パネルの動作を制御する。駆動制御部は、表示パネル駆動部へ全域で複数の階調を表示可能な電子画像の信号を出力した場合には、減光光学系において光束の量が減少するように減光調整部へ信号を出力し、表示パネル駆動部へ全域で特定の階調のみを表示する電子画像の信号を出力した場合には、減光光学系において光束の量が変化しないように減光調整部への信号を出力する。
【0017】
第18の発明に係る制御方法は、複数の光源と、光源から出射した光束を取り込む照明光学系と、電子画像が表示され、照明光学系からの照明光束が電子画像が表示された領域を透過またはその領域で反射する表示パネルと、表示パネルから出射した光束を取り込む投写レンズと、投写レンズからの投写光を受光するスクリーンと、光源および表示パネルの動作を制御する制御装置とを備えた投写表示装置の制御方法である。この制御方法では、制御装置が表示パネルに全域で特定の階調のみを表示する電子画像を表示する場合、すべての光源を点灯させ、制御装置が表示パネルに全域で複数の階調を表示可能な電子画像を表示する場合、複数の光源のうち少なくとも1つを消灯させるとともに、消灯する光源以外の光源を点灯させる。
第19の発明に係る制御方法は、光源と、光源から出射した光束を集光する照明光学系と、光源から出射した光束の量を調整する減光光学系と、電子画像が表示され照明光学系および減光光学系を通過した光束が電子画像が表示された領域を透過またはその領域で反射する表示パネルと、表示パネルから出射した光束を取り込む投写レンズと、投写レンズからの投写光を受光するスクリーンと、減光光学系および表示パネルの動作を制御する制御装置とを備えた投写表示装置の制御方法である。この制御方法では、制御装置が表示パネルに全域で複数の階調を表示可能な電子画像を表示する場合、光源から出射した光束の量を減少させ、制御装置が表示パネルに全域で特定の階調のみを表示する電子画像を表示する場合、光源から出射した光束の量を減少させない。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る投写表示装置では、面光源およびディスプレイの両方の機能を備えた投写表示装置において、ディスプレイとしての性能と面光源としての性能とをともに確保することができる。
また本発明に係る投写表示装置では、複数の電子画像を表示可能な投写表示装置において、複数の電子画像を表示した場合の各電子画像の階調特性のばらつきを低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
<1>第1実施形態
(1)投写表示装置の全体構成
図1に本発明の第1実施形態に係る投写表示装置100の全体構成図を示す。なお、図1に示す全体構成図は、投写表示装置100の各構成部品の実際の配置を限定するものではない。
図1に示すように、この投写表示装置100は、レントゲンフィルムの面光源としての機能とレントゲン画像のディスプレイとしての機能とを備えており、主に、光源としての2つのランプ105、106と、照明光学系104と、表示パネル103と、投写レンズ102と、スクリーン101と、制御装置110と、フィルム保持機構107とから構成されている。本実施形態に係る投写表示装置100はリアプロジェクタである。
【0020】
ランプ105、106は、投写表示装置100の光源であり、照明光学系104へ光束を出射する。ランプ105、106としては、例えば超高圧水銀ランプなどが挙げられる。ランプ105、106は、後述するランプ駆動部111、112によりそれぞれ単独で点灯、消灯が可能となっており、ランプ105から出射する光束の量は、電子画像をスクリーン101上で見るのに適した大きさとなっている。また、ランプ105、106から出射する光束の量は、レントゲンフィルム108の面光源として適した大きさとなっている。なお、図1に示すランプ105、106の配置は、ランプ105、106の実際の位置関係を限定するものではない。
照明光学系104は、例えば複数のレンズから構成されており、ランプ105、106から出射した光束を集光する。照明光学系104から出射する光束は、点灯するランプの数量に関係なく、表示パネル103の電子画像が表示される領域内を均一に透過するように集光される。
【0021】
表示パネル103は、複数の電子画像を表示するためのもので、例えば透過型液晶パネルから構成されている。表示パネル103の電子画像が表示された領域を照明光学系104により集光された光束が透過する。表示パネル103は、1枚のパネルから構成されており、後述する制御装置110により複数の電子画像を表示することができる。1つの電子画像は、例えば1枚のレントゲン写真と対応している。表示パネル103は、例えば2枚の縦長のレントゲン画像が水平方向に並んで表示可能なように、水平方向に長い長方形を有している。
投写レンズ102は、例えば複数のレンズから構成されており、表示パネル103を透過した光束を取り込み、表示パネル103に表示された電子画像をスクリーン101へ投写する。
【0022】
スクリーン101には、投写レンズ102から投写光を投写される。本実施形態においては、スクリーン101は透過型スクリーンであり、レントゲン画像を水平方向に並べて表示できるように、例えば水平方向に長い長方形を有している。そのため、スクリーン101のアスペクト比(縦横比)は、従来の3:4よりも横方向成分が大きくなる。
制御装置110は、2つのランプ105、106および表示パネル103の動作を制御するための装置であり、主に、光源駆動部としての2つのランプ駆動部111、112と、表示パネル駆動部113と、駆動制御部114とから構成されている。
ランプ駆動部111、112はランプ105、106を点灯、消灯させるための回路であり、ランプ105、106および駆動制御部114に接続されている。
表示パネル駆動部113は、表示パネル103に電子画像を表示するための回路であり、表示パネル103および駆動制御部114に接続されている。表示パネル駆動部113により、表示パネル103は複数の電子画像を表示することができる。
【0023】
駆動制御部114は、ランプ駆動部111、112および表示パネル駆動部113を介してランプ105、106および表示パネル103の動作を制御する。駆動制御部114は、信号切替部115と、画像信号入力部116と、信号発生部117とから構成されている。信号切替部115は、ランプ駆動部111、112および表示パネル駆動部113に出力する信号を切り替えるための回路であり、各駆動部111、112、113に接続されている。画像信号入力部116は、レントゲン画像を出力するための回路であり、信号切替部115に接続されている。画像信号入力部116には投写表示装置100の外部からレントゲン画像の電子データが入力可能となっている。信号発生部117は、単一色の電子画像の信号を信号切替部115に出力するための回路であり、信号切替部115に接続されている。
【0024】
フィルム保持機構107は、レントゲンフィルム108をスクリーン101上に保持するための機構であり、フィルム保持具としてのクリップ107aと、フィルムセンサ107bとから構成されている。クリップ107aは、スクリーン101の外周部に取り付けられており、レントゲンフィルム108をスクリーン101との間で狭持可能となっている。フィルムセンサ107bは、クリップ107aに取り付けられており、クリップ107aにレントゲンフィルム108が挿入されたことを検知する。フィルムセンサ107bは、信号切替部115に接続されており、レントゲンフィルム108が挿入された場合に信号切替部115へ信号を出力する。なお、本実施形態に係る投写表示装置100は、リアプロジェクタであるため、レントゲンフィルム108は、スクリーン101の投写レンズ102と反対側(図1ではスクリーン101の左側)に配置される。
【0025】
以上の構成により、この投写表示装置100では、表示パネル103に表示された電子画像をスクリーン101上に投写することができる。
また前述のように、投写表示装置100では、レントゲン画像を表示するため、表示パネル103に表示される電子画像はモノクロである。そのため、ランプ105、106からの光束をRGBの各要素に分離したり、それらの光束を合成したりする必要がなく、カラープロジェクタのようにダイクロイックプリズムやカラーホイールなどの光学系が不要となる。カラーホイールが不要であるため、同一の電子画像を表示する場合、表示パネル103のすべての素子の表示する色は変化しない。以上より、この投写表示装置100はカラープロジェクタに比べて小型化が可能となり、以下の条件式(1)としての条件式(A)を満たすことが可能となる。
0.0<Bf/LCD<1.0 ・・・(A)
【0026】
ここで、図1に示すようにBf、LCDは以下の寸法を示す。
Bf : 投写レンズ102のうち共役距離の最も短いレンズ面から共役距離の短い方の結像面までの空気換算の距離〔m〕
LCD: 表示パネルの表示領域の対角寸法〔m〕
共役距離とは、レンズを中心とした物体とその像との間の距離を意味している。カラープロジェクタであれば、表示パネルと投写レンズとの間にプリズムなどの光学系を配置する必要があり、条件式(A)を満たすことはない。
また、この投写表示装置100は、各構成部品の実施の配置にも特徴を有している。ここで各構成部品の実際の配置について説明する。図2(a)に投写表示装置100の正面図、図2(b)の縦断面概略図、図3(a)に投写表示装置100の水平方向から見た構成図、図3(b)に垂直方向から見た構成図、を示す。なお、図2(a)の上下方向を「垂直方向」、左右方向を「水平方向」と記載するが、これは投写表示装置100の実際の使用状態などを限定するものではない。「水平方向」を「投写レンズ102の光軸を含み平面ミラー141に垂直な平面の垂直方向」と言うこともできる。また、図3では、ランプ105、106、照明光学系104および平面ミラー141は省略している。
【0027】
図2に示すように、前述の各構成部品はハウジング140に収容されており、スクリーン101はハウジング140に取り付けられている。表示パネル103および投写レンズ102は、ハウジング140の内部であってスクリーン101の下部周辺に配置されている。この投写表示装置100はリアプロジェクタであるため、反射ミラーとしての平面ミラー141を備えている。平面ミラー141は、投写レンズ102の上側に、スクリーン101に対向するように配置されている。平面ミラー141は、スクリーン101に対して傾斜しており、投写レンズ102から出射する光束を反射してスクリーン101の背面に投写する。このように、平面ミラー141を配置することで、表示パネル103および投写レンズ102を下側に配置することができ、投写表示装置100の奥行きを短くすることができる。
【0028】
また、投写レンズ102により投写される電子画像の領域は水平方向に長い。そのため、例えば、投写レンズ102が少なくとも1枚の非球面レンズを含む場合、その非球面レンズの垂直方向(より詳細には、投写レンズ102の光軸を含み平面ミラー141に垂直な平面と表示パネル103との交線の方向)の外周部は光学有効領域ではない。したがって、非球面レンズの垂直方向の外周部はカットすることができ、投写レンズの垂直方向の省スペース化が可能となる。
また、この投写表示装置100では、各部の寸法が以下の条件式(2)としての条件式(B)および条件式(C)〜(D)を満たしている。
0.0<(Bf×TD)/(Sh×f)<1.0 ・・・(B)
0.45<Pv/f<0.52 ・・・(C)
0.28<TD/Sh<0.51 ・・・(D)
【0029】
ここで、図2および図3に示すように、各記号は以下の寸法を示している。
Pv:投写レンズの光軸を含み平面ミラーに垂直な平面と表示パネルとの交線の半分の長さ〔m〕
f :投写レンズの焦点距離〔m〕
TD:投写レンズの光軸上における投写レンズからスクリーンまでの距離〔m〕
Sh:投写レンズの光軸を含み平面ミラーに垂直な平面とスクリーンとの交線に垂直な方向のスクリーンの長さ〔m〕
条件式(C)は、表示パネル103の大きさに比べて投写レンズ102の焦点距離が小さいことを意味している。条件式(D)は、投写レンズ102からスクリーン101までの距離に比べて、スクリーン101の水平方向の寸法Shが長いことを意味している。条件式(C)、(D)は投写レンズ102の垂直方向の画角を規定しているとも言える。なお、従来の投写表示装置において、条件式(D)の範囲は0.6〜0.8程度である。
【0030】
以上の条件式(C)、(D)を満たしているため、平面ミラー141で反射した光束が投写レンズ102と干渉するのを防止しつつ、スクリーン101の水平方向の寸法Shを大きくとることができる。これにより、この投写表示装置100では、奥行き寸法を抑えつつ、スクリーン101の水平方向の大型化を図ることができる。したがって、この投写表示装置100では、複数のレントゲン画像を並べて表示することができるとともに、面光源として使用する場合には複数のレントゲンフィルム108を並べて読影することができる。なお、この投写表示装置100はカラープロジェクタではないため、条件式(A)と同様に条件式(B)を満たすことが可能となる。
(2)投写表示装置の動作
図6を用いて、投写表示装置100の動作について説明する。図6に、本発明に係る投写表示装置100の動作フロー図を示す。
【0031】
まず、投写表示装置100をレントゲン画像を表示するディスプレイとして使用する場合について説明する。図6に示すように、この場合はフィルムセンサ117bから信号切替部115へ信号が出力されない(S1)。そのため、画像信号入力部116に入力されたレントゲン画像の電子データが信号切替部115に出力される(S2)。レントゲン画像はモノクロの画像であり、白色、灰色、黒色などの複数の階調を表示可能である。信号切替部115は信号発生部117から出力された特定の階調のみ(例えば白色のみ)を表示する電子画像の電子データが表示パネル駆動部113に出力され(S3)、表示パネル103にレントゲン画像が表示される(S4)。
このとき、信号切替部115はランプ駆動部111へ点灯信号を出力し、ランプ駆動部112へは消灯信号を出力する(S5)。これにより、ランプ105は点灯状態、ランプ106は消灯状態となり(S6)、ランプ105から出射された光束が照明光学系104を介して表示パネル103に入射する。この光束は表示パネル103の電子画像が表示される領域を透過し、その透過した光束は投写レンズ102を介してスクリーン101に投写される。
【0032】
この場合、前述のようにランプ105の光束の量は、電子画像をスクリーン上で見るのに適した大きさであるため、スクリーン101に投写された電子画像の階調特性が最適な状態となる。これにより、スクリーンに表示されたレントゲン画像の診断を医師が的確に行うことができる。また、複数の電子画像を表示しても、光源が同じであるため階調特性などの条件が個々の電子画像で同一となり、医師の的確な診断を可能とする。
次に、投写表示装置100をレントゲンフィルム用の面光源として使用する場合について説明する。医師がレントゲンフィルム108をクリップ107aに挿入すると、フィルム108がクリップ107aによりスクリーン101の前面(図1の左側)に保持される。この結果、フィルムセンサ107bがフィルム108を検知し、信号切替部115へ信号を出力する(S1)。フィルムセンサ107bからの信号により、信号切替部115は信号発生部117から出力される白色の電子画像の信号を表示パネル駆動部113へ出力し(S7)、表示パネル103には全域で特定の階調のみ(例えば白色のみ)を表示する電子画像が表示される(S8)。
【0033】
また、信号切替部115はランプ駆動部111、112へ点灯信号を出力する(S9)。これにより、ランプ105、106が点灯し(S10)、ランプ105、106から出射された光束が照明光学系104により集光され、表示パネル103へ出射される。この光束は、表示パネル103の電子画像が表示される領域を透過し、その透過した光束は投写レンズ102を介してスクリーン101に投写される。
スクリーン101に投写された光束は、スクリーン101の前面にクリップ107aにより保持されたレントゲンフィルム108を透過し、医師はレントゲンフィルム108の読影が可能となる。
この場合、ランプ105、106が2つとも点灯し、そして表示パネル103に白色の電子画像が投写されるため、投写表示装置100を白色の強い光を放つ面光源として使用することができる。
【0034】
以上に述べたように、この投写表示装置100では、レントゲンフィルム用の面光源として使用する場合とレントゲン画像として使用する場合とで、ランプ105、106の点灯状態を切り替えるため、レントゲン画像を表示するディスプレイとしての性能を低下させることなく、面光源としての性能を確保することができる。
また、表示パネル103に同じランプ105を光源として複数の電子画像を表示できるため、階調特性のばらつきを低減することができる。
なお、本実施形態に係る投写表示装置100はリアプロジェクタであるが、フロント型プロジェクタであってもよい。この場合、スクリーン101としては反射型スクリーンが採用され、レントゲンフィルム108の配置がスクリーン101の投写レンズ102側(図1の右側)となる。電子画像のディスプレイとして使用する場合は、レントゲン画像がスクリーン101上に表示され、レントゲンフィルム108の面光源として使用する場合は、スクリーン101で反射された光束がレントゲンフィルムを透過する。その透過する光束を観察することで、医師はレントゲンフィルムの読影をすることができる。
【0035】
(3)変形例
前述の第1実施形態では、表示パネル103が透過型液晶パネルであるが、反射型液晶パネルであってもよい。図5を用いて、本発明の第1実施形態の変形例について説明する。図5に、本発明の第1実施形態の変形例に係る投写表示装置200の全体構成図を示す。なお、図5に示す全体構成図は、投写表示装置200の各構成部品の実際の配置を限定するものではない。
図5に示すように、この投写表示装置200は、主に、2つのランプ205、206と、照明光学系204と、表示パネル203と、投写レンズ202と、スクリーン201と、制御装置210と、フィルム保持機構207とを備えている。表示パネル203は反射型液晶パネルである。照明光学系204は、ランプ205、206から出射された光束を集光し表示パネル203へ出射するとともに、表示パネル203で反射した光束が投写レンズ202へ透過する構成となっており、照明光学系204は表示パネル203と投写レンズ202との間の光路上に配置されている。その他の構成については前述の第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0036】
この場合、投写表示装置200は以下の条件式(3)としての条件式(E)を満たしている。
1.0<Bf/LCOS<1.5 ・・・(E)
ここで、図5に示すようにBf、LCOSは以下の寸法を示す。
Bf : 投写レンズのうち共役距離が最も短いレンズ面から共役距離の短い方の結像面までの空気換算の距離〔m〕
LCOS: 表示パネルの表示領域の対角寸法〔m〕
また、この投写表示装置100は前述の実施形態と同様に、各構成部品の実施の配置にも特徴を有している。図6(a)に投写表示装置200の正面図、図6(b)の縦断面概略図、図7(a)に投写表示装置100の水平方向から見た構成図、図7(b)に垂直方向から見た構成図、を示す。なお、基本的な構成は前述の実施形態と同様であるため、異なる構成を中心に説明する。なお、図6(a)の上下方向を「垂直方向」、左右方向を「水平方向」と記載するが、これは投写表示装置200の実際の使用状態などを限定するものではない。「水平方向」を「投写レンズ202の光軸を含み平面ミラー241に垂直な平面の垂直方向」と言うこともできる。また、図7では、ランプ205、照明光学系204および平面ミラー241は省略している。
【0037】
表示パネル203、照明光学系204および投写レンズ202は、ハウジング240の内部であってスクリーン201の下部周辺に配置されている。表示パネル203と投写レンズ202との間には照明光学系204が配置されている。そのため、前述の実施形態に比べて寸法Bfが若干大きくなる。
この場合、この投写表示装置100では、各部の寸法が以下の条件式(4)としての条件式(F)および条件式(G)〜(H)を満たしている。
1.0<(Bf×TD)/(Sh×f)<1.5 ・・・(F)
0.45<Pv/f<0.52 ・・・(G)
0.28<TD/Sh<0.51 ・・・(H)
【0038】
ここで、図6および図7に示すように、各記号は以下の寸法を示している。
Pv:投写レンズの光軸を含み平面ミラーに垂直な平面と表示パネルとの交線の半分の長さ〔m〕
f :投写レンズの焦点距離〔m〕
TD:投写レンズの光軸上における投写レンズからスクリーンまでの距離〔m〕
Sh:投写レンズの光軸を含み平面ミラーに垂直な平面とスクリーンとの交線に垂直な方向のスクリーンの長さ〔m〕
条件式(G)は、表示パネル203の大きさに比べて投写レンズ202の焦点距離が小さいことを意味している。条件式(H)は、投写レンズ202からスクリーン201までの距離に比べて、スクリーン201の水平方向の寸法Shが長いことを意味している。条件式(G)、(H)は投写レンズ202の垂直方向の画角を規定しているとも言える。なお、従来の投写表示装置において、条件式(H)の範囲は0.6〜0.8程度である。
【0039】
以上の条件式(G)、(H)を満たしているため、平面ミラー241で反射した光束が投写レンズ202と干渉するのを防止しつつ、スクリーン201の水平方向の寸法Shを大きくとることができる。これにより、この投写表示装置200では、奥行き寸法を抑えつつ、スクリーン201の水平方向の大型化を図ることができる。したがって、この投写表示装置200では、複数のレントゲン画像を並べて表示することができるとともに、面光源として使用する場合には複数のレントゲンフィルム208を並べて読影することができる。なお、この投写表示装置200はカラープロジェクタではないため、条件式(E)と同様に条件式(F)を満たすことが可能となる。
なお、表示パネル203として反射型ミラーデバイスなどを用いることもできる。
<2>第2実施形態
(1)投写表示装置の全体構成
前述の実施形態に係る投写表示装置100は、光源の数量を変えることで表示パネルに入射される光束の量を変化させているが、以下のような実施形態も考えられる。ここでは図8を用いて、本発明の第2実施形態に係る投写表示装置300について説明する。図8に、本発明の第2実施形態に係る投写表示装置300の全体構成図を示す。
【0040】
図8に示すように、この投写表示装置300は、主に、ランプ305と、照明光学系304と、減光光学系309と、表示パネル303と、投写レンズ302と、スクリーン301と、制御装置310と、フィルム保持機構307とから構成されている。
ランプ305は投写表示装置300の光源であり、前述の第1実施形態と同様に超高圧水銀ランプなどから構成されている。ランプ305の光束の量は、レントゲンフィルム308の面光源として適した大きさとなっている。なお、図8には1つのランプ305を示しているが、これに限定されず、複数のランプ305が配置されていてもよい。
減光光学系309は、ランプ305と照明光学系304との間の光路上に配置されており、ランプ305から出射された光束の量を調整するためのものである。具体的には、減光光学系309は例えば可動絞りやNDフィルタなどから構成されており、減光光学系309により減光された光束の量は、電子画像をスクリーン301上で見るのに適した大きさとなっている。減光光学系309は、後述する減光調整部318に接続されており、減光調整部318を介して駆動制御部314により動作が制御される。なお、減光光学系309は、照明光学系304と表示パネル303との間の光路上に配置されていてもよい。
【0041】
制御装置310は、ランプ駆動部311と、表示パネル駆動部313と、減光調整部318と、駆動制御部314とから構成されている。減光調整部318は、減光光学系309を駆動するための回路であり、駆動制御部314の信号切替部315に接続されている。
減光光学系309が可動絞りの場合、減光調整部318からの減光信号により、可動絞りが駆動し、ランプ305から照明光学系304へ入射する光束の量が減少する。また、減光光学系309がNDフィルタの場合、NDフィルタは光路に対して挿脱可能に配置されており、減光する場合は減光調整部318からの減光信号によりNDフィルタは光路上に挿入される。この結果、ランプ305から照明光学系304へ入射する光束の量が減少する。
【0042】
その他の構成については、前述の第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
なお、この投写表示装置300についても、前述の条件式(A)〜(D)を満たしている。そのため、この投写表示装置300では、奥行き寸法を抑えつつ、スクリーン201の水平方向の大型化を図ることができる。
(2)投写表示装置の動作
図9を用いて、投写表示装置300の動作について説明する。図9に、本発明の第2実施形態に係る投写表示装置300の動作フロー図を示す。
まず、投写表示装置300をレントゲン画像を表示するディスプレイとして使用する場合について説明する。図9に示すように、この場合はフィルムセンサ307bから信号切替部315へ信号が出力されない(S11)。そのため、画像信号入力部316に入力されたレントゲン画像の電子データが信号切替部315に出力される(S12)。信号切替部315は信号切替部315から出力された白色からなる電子画像の電子データが表示パネル駆動部313に出力され(S13)、表示パネル303にレントゲン画像が表示される(S14)。
【0043】
このとき、信号切替部315は減光調整部318へ減光するよう信号を出力する(S15)。これにより、ランプ305から出射された光束が減光光学系309により減光され(S16)、照明光学系304を介して表示パネル303に入射する。例えば、減光光学系309が可動絞りである場合、減光調整部318からの信号により可動絞りが絞られる。また減光光学系309がNDフィルタである場合、減光調整部318からの信号によりNDフィルタが光路上に挿入される。
表示パネル303に入射した光束は表示パネル303の電子画像が表示される領域を透過し、その透過した光束は投写レンズ302を介してスクリーン301に投写される。
この場合、前述のように減光光学系309により減光された光束の量は、電子画像をスクリーン301上で見るのに適した大きさとなっている。そのため、スクリーン上に投写された電子画像の階調特性が最適な状態となる。これにより、レントゲン画像の診断を医師が的確に行うことができる。また、複数の電子画像を表示しても、光源が同じであるため階調特性などの条件が個々の電子画像で同一となり、医師の的確な診断を可能とする。
【0044】
次に、投写表示装置300をレントゲンフィルム用の面光源として使用する場合について説明する。医師がレントゲンフィルム308をクリップ307aに挿入すると、フィルム308がクリップ307aによりスクリーン301の前面(図9の左側)に保持される。この結果、フィルムセンサ307bがフィルム308を検知し、信号切替部315へ信号を出力する(S11)。フィルムセンサ307bからの信号により、信号切替部315は信号発生部317から出力される白色の電子画像の信号を表示パネル駆動部313へ出力し(S17)、表示パネル303には全域で特定の階調のみ(例えば白色のみ)を表示する電子画像が表示される(S18)。
また、信号切替部315から減光調整部318へ減光させないよう信号が出力される(S19)。これにより、ランプ305から出射された光束が減光光学系309により減光されることなく(S20)照明光学系104により集光され、表示パネル103へ出射される。例えば、減光光学系309が可動絞りである場合、減光調整部318からの信号により可動絞りの絞りが解放される。また減光光学系309がNDフィルタである場合、減光調整部318からの信号によりNDフィルタが光路上から引き抜かれる。
【0045】
表示パネル303に入射した光束は、表示パネル103の電子画像が表示される領域を透過し、その透過した光束は投写レンズ102を介してスクリーン101に投写される。
スクリーン101に投写された光束は、スクリーン101の前面に保持されたレントゲンフィルム108を透過し、医師はレントゲンフィルム108を読影することができる。
この場合、ランプ305からの光束が減光されずにそのまま表示パネル303に入射し、そして表示パネル303に白色の電子画像が表示されるため、投写表示装置300を白色の強い光を放つ面光源として使用することができる。
なお、本実施形態に係る投写表示装置300は、表示パネル303が透過型液晶パネルであるが、反射型液晶パネルであってもよい。この場合、投写表示装置300は、前述の条件式(E)〜(H)を満たすこととなり、奥行き寸法を抑えつつ、スクリーン201の水平方向の大型化を図ることができる。
【0046】
また、投写表示装置300はリアプロジェクタであるが、フロント型プロジェクタであってもよい。この場合、スクリーン301としては反射型スクリーンが採用され、レントゲンフィルム308の配置がスクリーン301の投写レンズ302側(図9の右側)となる。電子画像のディスプレイとして使用する場合は、レントゲン画像がスクリーン301上に表示され、レントゲンフィルム308の面光源として使用する場合は、スクリーン301で反射されレントゲンフィルムを透過した光束を観察する。
<3>その他の実施形態
前述の実施形態は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
(1)
前述の実施形態の説明は、投写表示装置の全体構成を限定するものではない。例えば、光源としてのランプの数量は前述の実施形態に限定されない。
【0047】
(2)
前述の実施形態に示す動作フロー図は一例であり、投写表示装置の動作フローはこれに限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係る投写表示装置は、電子画像を表示するときに階調特性を劣化させること無く、面光源としての性能を確保できるため、医療用ディスプレイ、特にレントゲン画像およびレントゲンフィルムの両方を表示観察できる装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の第1実施形態に係る投写表示装置100の全体構成図
【図2】投写表示装置100の正面図および縦断面概略図
【図3】投写表示装置100の水平方向から見た構成図および垂直方向から見た構成図
【図4】投写表示装置100の動作フロー図
【図5】本発明の第1実施形態の変形例としての投写表示装置200の全体構成図
【図6】投写表示装置200の正面図および縦断面概略図
【図7】投写表示装置200の水平方向から見た構成図および垂直方向から見た構成図
【図8】本発明の第2実施形態に係る投写表示装置300の全体構成図
【図9】投写表示装置300の動作フロー図
【符号の説明】
【0050】
100、200、300 投写表示装置
101、201、301 スクリーン
102、202、302 投写レンズ
103、203、303 表示パネル
104、204、304 照明光学系
105、106、205、305 ランプ(光源)
107、207、307 フィルム保持機構
107a クリップ(フィルム保持具)
107b フィルムセンサ
108、208、308 レントゲンフィルム
309 減光光学系
110、210、310 制御装置
111、112、311 ランプ駆動部(光源駆動部)
113、213、313 表示パネル駆動部
114、214、314 駆動制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源と、
前記光源から出射した光束を集光する照明光学系と、
電子画像が表示され、前記照明光学系により集光された光束が前記電子画像が表示された領域を透過または前記領域で反射する表示パネルと、
前記表示パネルから出射した光束を取り込む投写レンズと、
前記投写レンズからの投写光を受光するスクリーンと、を備え、
前記電子画像が全域で特定の階調のみを表示する画像である場合と全域で複数の階調を表示可能な画像である場合とで、点灯する前記光源の数量が異なる、
投写表示装置。
【請求項2】
前記電子画像が全域で複数の階調を表示可能な画像である場合に比べて、前記電子画像が全域で特定の階調のみを表示する画像である場合の方が点灯する前記光源の数量が多い、
請求項1に記載の投写表示装置。
【請求項3】
光源と、
前記光源から出射した光束を集光する照明光学系と、
電子画像が表示され、前記照明光学系により集光された光束が前記電子画像が表示された領域を透過または前記領域で反射する表示パネルと、
前記光源と前記表示パネルとの間の光路上に配置され、前記光源から出射した光束の量を調整する減光光学系と、
前記表示パネルから出射し光束を取り込む投写レンズと、
前記投写レンズからの投写光を受光するスクリーンと、を備え、
前記電子画像が全域で特定の階調のみを表示する画像である場合と全域で複数の階調を表示可能な画像である場合とで、前記減光光学系から出射する光束の量が異なる、
投写表示装置。
【請求項4】
前記電子画像が前記全域で複数の階調を表示可能な画像である場合に比べて、前記電子画像が前記全域で特定の階調のみを表示する画像である場合の方が前記減光光学系から出射する光束の量が多い、
請求項3に記載の投写表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルは、複数の前記電子画像を表示可能である、
請求項1から4のいずれかに記載の投写表示装置。
【請求項6】
光源と、
前記光源から出射した光束を集光する照明光学系と、
複数の電子画像を表示可能であり、前記照明光学系により集光された光束が前記電子画像が表示された領域を透過または前記領域で反射する1枚の表示パネルと、
前記表示パネルから出射した光束を取り込む投写レンズと、
前記投写レンズからの投写光を受光するスクリーンと、
を備えた投写表示装置。
【請求項7】
前記複数の光源および表示パネルの動作を制御する制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記光源を駆動する複数の光源駆動部と、前記表示パネルを駆動する表示パネル駆動部と、前記光源駆動部および表示パネル駆動部を介して前記光源および表示パネルの動作を制御する駆動制御部とを有し、
前記駆動制御部は、
前記表示パネル駆動部へ前記全域で特定の階調のみを表示する電子画像の信号を出力した場合には、すべての前記光源駆動部へ前記光源を点灯させる点灯信号を出力し、
前記表示パネル駆動部へ前記全域で複数の階調を表示可能な電子画像の信号を出力した場合には、前記複数の光源駆動部のうち少なくとも1つに前記光源を消灯させる消灯信号を出力するとともに、前記消灯信号が入力された光源駆動部以外の前記光源駆動部へ前記光源を点灯させる点灯信号を出力する、
請求項1または2に記載の投写表示装置。
【請求項8】
前記減光光学系および表示パネルの動作を制御する制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記表示パネルに入射する光束の量を調整する減光調整部と、前記表示パネルを駆動する表示パネル駆動部と、前記減光調整部および表示パネル駆動部を介して前記減光光学系および表示パネルの動作を制御する駆動制御部とを有し、
前記駆動制御部は、
前記表示パネル駆動部へ前記全域で複数の階調を表示可能な電子画像の信号を出力した場合には、前記減光光学系において光束の量が減少するように前記減光調整部へ信号を出力し、
前記表示パネル駆動部へ前記全域で特定の階調のみを表示する電子画像の信号を出力した場合には、前記減光光学系において光束の量が変化しないように前記減光調整への信号を出力する、
請求項3または4に記載の投写表示装置。
【請求項9】
前記スクリーンの外周部に配置されたフィルム保持具と、
前記フィルム保持具にフィルムが挿入されたことを検知するフィルムセンサとをさらに備え、
前記駆動制御部は、前記センサからの信号で前記表示パネル駆動部へ出力する前記電子画像の信号を切り換える、
請求項7または8に記載の投写表示装置。
【請求項10】
前記表示パネルは、1枚の透過型液晶パネルであり、
以下の条件式を満たしている、
請求項1から9のいずれかに記載の投写表示装置。
条件式(1) : 0.0<Bf/LCD<1.0
ただし、
Bf : 前記投写レンズのうち共役距離の最も短いレンズ面から共役距離の短い方の結像面までの空気換算の距離〔m〕
LCD: 前記表示パネルの表示領域の対角寸法〔m〕
【請求項11】
前記表示パネルは、1枚の透過型液晶パネルであり、
以下の条件式を満たしている、
請求項1から9のいずれかに記載の投写表示装置。
条件式(2) : 0.0<(Bf×TD)/(Sh×f)<1.0
ただし、
Bf : 前記投写レンズのうち共役距離の最も短いレンズ面から共役距離の短い方の結像面までの空気換算の距離〔m〕
TD:前記投写レンズの光軸上における前記投写レンズから前記スクリーンまでの距離〔m〕
Sh:前記投写レンズの光軸を含み前記反射ミラーに垂直な平面の垂直方向の前記スクリーンの長さ〔m〕
f :前記投写レンズの焦点距離〔m〕
【請求項12】
前記表示パネルは、1枚の反射型液晶パネルであり、
以下の条件式を満たしている、
請求項1から9のいずれかに記載の投写表示装置。
条件式(3) : 1.0<Bf/LCOS<1.5
ただし、
Bf : 前記投写レンズのうち共役距離が最も短いレンズ面から共役距離の短い方の結像面までの空気換算の距離〔m〕
LCOS: 前記表示パネルの表示領域の対角寸法〔m〕
【請求項13】
前記表示パネルは、1枚の反射型液晶パネルであり、
以下の条件式を満たしている、
請求項1から9のいずれかに記載のリアプロジェクタ。
条件式(4) : 1.0<(Bf×TD)/(Sh×f)<1.5
ただし、
Bf : 前記投写レンズのうち共役距離の最も短いレンズ面から共役距離の短い方の結像面までの空気換算の距離〔m〕
TD:前記投写レンズの光軸上における前記投写レンズから前記スクリーンまでの距離〔m〕
Sh:前記投写レンズの光軸を含み前記反射ミラーに垂直な平面の垂直方向の前記スクリーンの長さ〔m〕
f :前記投写レンズの焦点距離〔m〕
【請求項14】
表示パネルは、反射型ミラーデバイスである、
請求項13に記載の投写表示装置。
【請求項15】
前記表示パネルは、複数の素子からなる液晶パネルであり、
同一の前記電子画像を表示する場合において、すべての前記素子が表示する色は変化しない、
請求項1から14のいずれかに記載の投写表示装置。
【請求項16】
複数の光源と、前記光源から出射した光束を集光する照明光学系と、電子画像が表示され前記照明光学系により集光された光束が前記電子画像が表示された領域を透過または前記領域で反射する表示パネルと、前記表示パネルから出射した光束を取り込む投写レンズと、前記投写レンズからの投写光を受光するスクリーンとを備えた投写表示装置の制御装置であって、
前記光源を駆動する複数の光源駆動部と、
前記表示パネルを駆動する表示パネル駆動部と、
前記光源駆動部および表示パネル駆動部を介して前記光源および表示パネルの動作を制御する駆動制御部とを備え、
前記駆動制御部は、
前記表示パネル駆動部へ全域で特定の階調のみを表示する前記電子画像の信号を出力した場合には、すべての前記光源駆動部へ前記複数の光源を点灯させる点灯信号を出力し、
前記表示パネル駆動部へ全域で複数の階調を表示可能な前記電子画像の信号を出力した場合には、前記複数の光源駆動部のうち少なくとも1つに前記光源を消灯させる消灯信号を出力するとともに、前記消灯信号が入力された光源駆動部以外の前記光源駆動部へ前記光源を点灯させる点灯信号を出力する、
投写表示装置の制御装置。
【請求項17】
光源と、前記光源から出射した光束を集光する照明光学系と、前記光源から出射した光束の量を調整する減光光学系と、電子画像が表示され前記照明光学系および減光光学系を通過した光束が前記電子画像が表示された領域を透過または前記領域で反射する表示パネルと、前記表示パネルから出射した光束を取り込む投写レンズと、前記投写レンズからの投写光を受光するスクリーンとを備えた投写表示装置の制御装置であって、
前記減光光学系において光束の量を調整する減光調整部と、
前記表示パネルを駆動する表示パネル駆動部と、
前記減光調整部および表示パネル駆動部を介して前記減光光学系および表示パネルの動作を制御する駆動制御部とを備え、
前記駆動制御部は、
前記表示パネル駆動部へ全域で複数の階調を表示可能な前記電子画像の信号を出力した場合には、前記減光光学系において光束の量が減少するように前記減光調整部へ信号を出力し、
前記表示パネル駆動部へ全域で特定の階調のみを表示する前記電子画像の信号を出力した場合には、前記減光光学系において光束の量が変化しないように前記減光調整部への信号を出力する、
投写表示装置の制御装置。
【請求項18】
複数の光源と、前記光源から出射した光束を取り込む照明光学系と、電子画像が表示され、前記照明光学系からの照明光束が前記電子画像が表示された領域を透過または前記領域で反射する表示パネルと、前記表示パネルから出射した光束を取り込む投写レンズと、前記投写レンズからの投写光を受光するスクリーンと、前記光源および表示パネルの動作を制御する制御装置とを備えた投写表示装置の制御方法であって、
前記表示パネルに全域で特定の階調のみを表示する前記電子画像を表示する場合、すべての前記光源を点灯させ、
前記表示パネルに全域で複数の階調を表示可能な前記電子画像を表示する場合、前記複数の光源のうち少なくとも1つを消灯させるとともに、前記消灯する光源以外の前記光源を点灯させる、
投写表示装置の制御方法。
【請求項19】
光源と、前記光源から出射した光束を集光する照明光学系と、前記光源から出射した光束の量を調整する減光光学系と、電子画像が表示され前記照明光学系および減光光学系を通過した光束が前記電子画像が表示された領域を透過または前記領域で反射する表示パネルと、前記表示パネルから出射した光束を取り込む投写レンズと、前記投写レンズからの投写光を受光するスクリーンと、前記減光光学系および表示パネルの動作を制御する制御装置とを備えた投写表示装置の制御方法であって、
前記表示パネルに全域で複数の階調を表示可能な前記電子画像を表示する場合、前記光源から出射した光束の量を減少させ、
前記表示パネルに全域で特定の階調のみを表示する前記電子画像を表示する場合、前記光源から出射した光束の量を減少させない、
投写表示装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−42625(P2009−42625A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−209345(P2007−209345)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】