説明

投影用スクリーン

【課題】構成が簡易で、かつ、両面での映像呈示が可能なスクリーンを提供する。
【解決手段】複数の偏光分離部3と複数の反射部4とが交互に配置されている。偏光分離部3は、この偏光分離部3への入射光における偏光成分のうち、P波を透過させる。また、偏光分離部3は、この偏光分離部3への入射光における偏光成分のうち、S波を、反射部4に向けて反射させる。反射部4は、偏光分離部3で反射されたS波を、入射方向側に向けて反射させる。このようにして、P波によって生成した画像を、スクリーン1の背面側(出射側)に表示し、S波によって生成した画像を、スクリーンの正面側(入射側)に表示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクタから投写された光学像を表示するためのスクリーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、プロジェクタは、光源から送られた光束を光変調素子で変調して光学像を形成し、この光学像を、投写光学系によりスクリーンに投写する構成となっている。スクリーンは、プロジェクタから投写された光束を反射することにより、光学像を観察者に呈示することができる。一般のスクリーンにおいては、その表面を拡散反射面とすることにより、広い視野角を実現しようとしている。しかしながら、このようなスクリーンでは、スクリーンの一方の面には光学像を呈示できるものの、それとは反対側の面に光学像を呈示することはできない。
【0003】
一方、下記特許文献1には、光の偏光(右回り円偏光と左回り円偏光)に応じた透過と反射を用いることにより、スクリーンの両面において光学像を呈示できるスクリーンが記載されている(特許文献1の0047段落など参照)。
【0004】
この従来のスクリーンは、スクリーンに投射された一方の偏光成分の光のみを反射する反射型スクリーンと、他方の偏光成分の光を透過する透過型スクリーンとを備えている。反射型スクリーンで反射した光により、一方の面において像を呈示することができる。また、反射型スクリーンを透過し、さらに透過型スクリーンを透過した光により、反対側の面において別の像を呈示することができる。
【0005】
このスクリーンでは、例えば、ショウウインドーや展示会場において、スクリーンの一面側と他面側とで異なる画像を呈示することができる。
【0006】
ところで、特許文献1のスクリーンは、反射型スクリーンを構成するために、特定の偏光成分の光を選択的に反射するコレステリック液晶を用いている。また、このスクリーンは、透過型スクリーンを構成するために、「反射型スクリーンを透過した光を回折する背面側回折層」を用いている。このため、このスクリーンでは、次のような不都合がある。
・反射型スクリーンに液晶を用いているために、反射型スクリーンに入射する光の方向による指向性が液晶による光の旋光性によって制約される。
・また、透過型スクリーンにおいて光の出射方向を制御するための回折層が必要になるため、部品点数が増加する。
・さらに、回折層を用いたために、スクリーン上の輝度ムラを生じやすくなる。
・また、従来の技術では、液晶液体を挟み込むための厚板ガラスの組み付けが必要になる。このため、スクリーンの大型化を招きやすい。
【特許文献1】特開2006−227581号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記した状況に鑑みてなされたものである。本発明は、構成が簡易で、かつ、両面での映像呈示が可能なスクリーンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る投影用スクリーンは、以下のいずれかの項目に記載の発明として表現することができる。
【0009】
(項目1)
本発明に係る投影用スクリーンは、複数の偏光分離部と複数の反射部とを備えている。前記偏光分離部と反射部とは、交互に配置されている。すなわち、これらは、偏光分離部、反射部、偏光分離部、反射部という順序で配置されている。もちろん、反射部から先に配置されていても良いことは当然である。
【0010】
前記偏光分離部は、この偏光分離部への入射光における偏光成分のうち、一の偏光成分を透過させ、かつ、他の偏光成分を前記反射部に向けて反射させる構成となっている。
【0011】
前記反射部は、前記偏光分離部で反射された前記他の偏光成分を、入射方向側に向けて反射させる構成となっている。
【0012】
この発明によれば、一の偏光成分によって生成した画像を、スクリーンの背面側(出射側)に表示し、他の偏光成分によって生成した画像を、スクリーンの正面側(入射側)に表示することができる。
【0013】
(項目2)
項目2に係る投影用スクリーンは、項目1に記載のものにおいて、前記反射部が、この反射部への入射光を、前記偏光分離部へ向けて反射させる構成となっている。さらに、前記偏光分離部は、前記反射部から前記偏光分離部に反射された反射光に含まれる偏光成分のうち、一の偏光成分を透過させ、かつ、他の偏光成分を入射方向側に向けて反射させる構成となっている。
【0014】
この発明によれば、画像を構成する光束が反射部に入射した場合であっても、他の偏光成分によって生成した画像を、スクリーンの正面側に表示することができる。さらに、偏光分離部への入射光における一の偏光成分は、スクリーンの背面側に透過するので、これによる画像を、スクリーンの背面側に表示することができる。
【0015】
(項目3)
項目3に係る投影用スクリーンは、項目1又は2に記載のものにおいて、前記複数の反射部が、少なくとも第1反射部と第2反射部とを有している。ここで、複数の反射部とは、1番目〜n番目(n:2以上の自然数)の反射部の集合という意味である。第1反射部とは、n個の反射部のうちi番目(i:自然数)の反射部という意味である。また、第2反射部とは、j番目(j:iとは異なる自然数)の反射部という意味である。
【0016】
前記第1反射部は、この第1反射部への入射光を、前記偏光分離部へ反射させる構成となっている。
【0017】
前記偏光分離部は、前記第1反射部から前記偏光分離部に反射された反射光に含まれる偏光成分のうち、一の偏光成分を透過させ、かつ、他の偏光成分を入射方向に向けて反射させる構成となっている。
【0018】
前記第2反射部は、前記第1反射部で反射され、かつ、前記偏光分離部を透過した、前記一の偏光成分を、出射方向側にさらに反射させる構成となっている。
【0019】
この発明によれば、画像を構成する光束が反射部のみに入射した場合であっても、スクリーンの両面側において、画像をそれぞれ呈示することが可能になる。
【0020】
(項目4)
項目4に係る投影用スクリーンは、項目1〜3のいずれかに記載のものにおいて、前記複数の偏光分離部及び前記複数の反射部が、いずれも一方向に延長された長尺状とされており、かつ、前記一方向に交差する他方向において交互に配置されている。ここで、前記一方向とは、入射光の入射方向に交差する方向とされている。
【0021】
(項目5)
項目5に係る投影用スクリーンは、項目1〜4のいずれか1項に記載のものにおいて、前記複数の偏光分離部が、入射光の偏光成分のうち、一の偏光成分を透過させ、他の偏光成分を反射させる傾斜面をいずれも有している。前記複数の反射部は、入射光又は前記偏光分離部からの光を反射させる反射面をいずれも有している。前記傾斜面どうしは実質的に平行とされている。前記反射面どうしは実質的に平行とされている。さらに、前記反射面と前記傾斜面とは、その横断面における延長方向が交差するように配置されている。
【0022】
(項目6)
項目6に係る投影用スクリーンは、項目1〜5のいずれか1項に記載のものにおいて、さらに複数の集光用レンズを備えている。各集光用レンズは、前記偏光分離部の前方に配置されている。さらに、各集光用レンズは、入射光を前記偏光分離部に集光する構成となっている。
【0023】
(項目7)
項目7に係る投影用スクリーンは、項目1〜5のいずれか1項に記載のものにおいて、さらに複数の集光用レンズを備えている。各集光用レンズは、前記反射部の前方に配置されている。さらに、集光用レンズは、入射光を前記反射部に集光する構成となっている。
【0024】
(項目8)
項目8に係る投影用スクリーンは、項目1〜7のいずれか1項に記載のものにおいて、前記偏光分離部を偏光ビームスプリッタとしている。
【0025】
(項目9)
項目9に係る投影用スクリーンは、項目1〜8のいずれか1項に記載のものにおいて、前記反射部を全反射ミラーとしている。
【0026】
(項目10)
項目10に係る投影用スクリーンは、項目1〜8のいずれか1項に記載のものにおいて、前記反射部を偏光ビームスプリッタとしている。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、構成が簡易で、かつ、両面での映像呈示が可能なスクリーンを提供することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
(第1実施形態)
(第1実施形態のスクリーンの概要)
まず、図1〜図4を用いて、本実施形態に係る投影用スクリーン(以下単に「スクリーン」と略称することがある)1の概要を説明する。このスクリーン1は、プロジェクタ2から投影された光束により画像を呈示するものである。
【0029】
プロジェクタ2から投影される光束には、P偏光成分(以下「P波」)とS偏光成分(以下「S波」)とが含まれている。また、このプロジェクタ2では、S波によって正面側の画像11が形成され、P波によって背面側の画像12が形成されるようになっている。プロジェクタ2からの光束をスクリーン1に投写することにより(図2参照)、正面側の観察者Aには正面側画像11を呈示し(図3参照)、背面側の観察者Bには背面側画像12を呈示する(図4参照)。このスクリーンの詳しい動作及びプロジェクタの構成例は後述する。
【0030】
(第1実施形態のスクリーンの構成)
本発明の第1実施形態に係る投影用スクリーン1の構成を、図5及び図6に基づいて説明する。このスクリーン1は、複数の偏光分離部3と複数の反射部4とを備えている。この明細書においては、複数の(つまりm個の)偏光分離部を総称するときに符号3を用いる。個別の偏光分離部については、第i偏光分離部に対して符号3iを付す。ここでm、iは自然数である。同様に、複数の(つまりn個の)反射部を総称するときに符号4を用い、第j反射部に対して符号4jを付す(n,j:自然数)。例えば第1偏光分離部には符号31を付す。
【0031】
偏光分離部3と反射部4とは、一つずつ交互に配置されている。すなわち、これらは、第1反射部41、第1偏光分離部31、第2反射部42、第2偏光分離部32、第3反射部43(以降同様)という順序で配置されている。
【0032】
各偏光分離部3は、この偏光分離部3への入射光における偏光成分のうち、一の偏光成分(本実施形態ではP波)を背面側(図5中において左側)に透過させる(図5における第3偏光分離部33参照)。さらに、各偏光分離部3は、他の偏光成分(本実施形態ではS波)を、隣接する反射部に向けて反射させる構成となっている(図5における第3偏光分離部33及び第3反射部43参照)。
【0033】
反射部4は、偏光分離部3で反射された他の偏光成分(S波)を、入射方向側(図5において右側)に向けて反射させる構成となっている(図5の第3反射部43を参照)。
【0034】
すなわち、このスクリーンでは、一の偏光成分によって生成した画像を、スクリーンの背面側(出射側)に表示し、他の偏光成分によって生成した画像を、スクリーンの正面側(入射側)に表示する構成となっている。
【0035】
さらに、このスクリーンでは、反射部4が、この反射部4への直接の入射光を、偏光分離部3へ向けて反射させる構成となっている(図5における第1反射部41参照)。この反射は、P波についてもS波についても同様に行われる。
【0036】
さらに、偏光分離部3は、反射部4から偏光分離部3に向けて反射された反射光に含まれる偏光成分のうち、一の偏光成分(P波)を透過させ、かつ、他の偏光成分(S波)を入射方向側(図5において右側)に向けて反射させる構成となっている(図5における第1偏光分離部31参照)。
【0037】
すなわち、この実施形態では、画像を構成する光束が反射部4に直接入射した場合であっても、他の偏光成分(S波)によって生成した画像を、スクリーン1の正面側に表示することができる。一方、光束の一部が偏光分離部3に入射すれば、前記したとおり、一の偏光成分(P波)により生成した画像を、スクリーンの背面側に表示することができる。
【0038】
さらに、本実施形態の第2反射部42(図5参照)は、第1反射部41で反射され、かつ、第1偏光分離部31を透過した、一の偏光成分(P波)を、出射方向側(図5において左側)にさらに反射させる構成となっている。つまり、第2反射部42は、その裏面側においてP波を反射させて、裏面側に光束を出射することができる。
【0039】
つまり、この実施形態のスクリーンは、画像を構成する光束が反射部4のみに入射した場合であっても、偏光分離部3を介して、隣接する別の反射部4により、P波を裏面側に送り出すことができる。これにより、本実施形態のスクリーン1によれば、その両面側において、画像をそれぞれ呈示できる構成になっている。
【0040】
本実施形態における複数の偏光分離部3及び複数の反射部4は、いずれも一方向(図6において左右方向)に延長された長尺状とされている(図6参照)。さらに、これらは、一方向に交差する他方向(図6において上下方向)において交互に配置されている。ここで、一方向とは、入射光の入射方向に交差する方向(例えばほぼ直交する方向)とされている。
【0041】
本実施形態における複数の偏光分離部3は、偏光ビームスプリッタ(PBS)により構成されている。この偏光分離部3は、傾斜面3aをいずれも有している。この傾斜面3aは、入射光の偏光成分のうち、一の偏光成分(P波)を透過させ、他の偏光成分(S波)を反射させるものである。
【0042】
複数の反射部4としては、全反射ミラーが用いられている。この反射部4は、反射面4aをいずれも有している。反射面4aは、入射光、又は、偏光分離部3からの光を反射させるものである。また、反射面4aは、その裏面側においても反射作用を有している。
【0043】
偏光分離部3の傾斜面3aどうしは実質的に平行とされている(図5参照)。同様に、反射面4aどうしは実質的に平行とされている(図5参照)。さらに、反射面4aと傾斜面3aとは、その横断面における延長方向が交差するように配置されている。本実施形態では、この延長方向における仮想的な交差角αがほぼ90°とされている(図5参照)。
【0044】
(第1実施形態のスクリーンの作用)
次に、本実施形態に係るスクリーンの作用を説明する。前提として、図1〜図4に示されているようなプロジェクタ2により、画像がスクリーン1に投影されているとする。ここで、このプロジェクタ2から出射される光束は、偏光成分としてS波とP波とを有している。また、このプロジェクタ2では、S波によって一の画像(正面用画像)が形成され、P波によって他の画像(背面用画像)が形成されている。このようなプロジェクタの構成例は後述する。
【0045】
この場合における各偏光成分の振る舞いを図7に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、いずれかの偏光分離部3あるいは反射部4に光束が入射したと仮定して説明しているが、どの偏光分離部3あるいは反射部4に光束が入射した場合も基本的には同様の作用を発揮することが可能である。したがって、以下の説明において第i偏光分離部(i:自然数)や第j反射部(j:自然数)と称したときの、i,jの数字は、あくまで一例である。また、それぞれの光束は、偏光成分としてP波とS波とを備えているものとする。
【0046】
(P波の振る舞い)
第1反射部41に入射した光束中のP波(図7において符号P1)は、反射部41により、第1偏光分離部31に反射される。さらに、このP波P1は、第1偏光分離部31を透過し、隣接する第2反射部42の反射面4aの裏面により、裏面側(図7において左側)に出射させられる。
【0047】
また、第1偏光分離部31に入射した光束中のP波(図7において符号P2)は、この第1偏光分離部31を透過する。
【0048】
このように、この実施形態では、入射の際に上側にあった光束(符号P1参照)が、出射側では下側になる(符号P1と符号P2との位置関係を参照)。すなわち、上下方向においては、光束の位置関係が逆転する。ここで、逆転する範囲は、一つの反射部4と、これに隣接する偏光分離部3との繰り返し単位(すなわちピッチ)に限られる(図7における符号L1)。したがって、このピッチL1を、プロジェクタ2からの光学像における一画素の範囲程度か、あるいはそれ以下とすることにより、画質の低下を防ぐことができる。もちろん、ある程度のボケが許容されるのであれば、一画素の範囲よりもピッチL1を広げることができる。この場合、ピッチL1をどこまで広げるかは、許容されるボケ量によって決まる。
【0049】
(S波の振る舞い)
第2反射部42に入射した光束中のS波(図7において符号S1)は、第2反射部42により反射されて、隣接する第2偏光分離部32に入射する。このS波S1は、さらに、第2偏光分離部32により反射されて、入射方向側(図7において右側)に出射させられる。
【0050】
第2偏光分離部32に入射した光束中のS波(図7において符号S2)は、第2偏光分離部32により反射されて、隣接する第2反射部42に入射する。このS波S2は、さらに、第2反射部42により反射されて、入射方向側(図7において右側)に出射させられる。
【0051】
このようにして、本実施形態のスクリーン1によれば、構成が簡易で、かつ、両面での映像呈示が可能なスクリーンを提供することができる。
【0052】
また、特許文献1記載の技術では、反射型スクリーンに液晶を用いているために回折層が必要になっていた。しかしながら、本実施形態のスクリーン1によれば、このような回折層を不要にできる。よって、部品点数の増加を抑え、スクリーンの小型化に寄与することができる。
【0053】
さらに、特許文献1の技術では、回折層を用いたために、スクリーン上の輝度ムラを生じやすくなっていた。これに対して、本実施形態のスクリーン1では、回折層が不要になるので、このような問題を回避し、画像の視認性を向上させることができる。
【0054】
また、特許文献1の技術では、液晶液体を挟み込むための厚板ガラスの組み付けが実際上は必要になる。このため、スクリーンの大型化を招きやすかった。これに対して、本実施形態のスクリーン1では、液晶を用いる必要がないので、このような厚板ガラスの組み付けも不要となる。この点からも、本実施形態のスクリーン1では、スクリーンの小型化あるいは軽量化が容易になるという利点がある。
【0055】
また、特許文献1記載の技術では、視野角を広げるために、拡散板を使用する必要がある。これに対して、本実施形態のスクリーン1によれば、回折層を使用していないために、拡散板の設置を省略することができる。このことからも、部品点数の増加を抑え、スクリーンの小型化に寄与することができる。
【0056】
なお、本実施形態において視野角を拡大するためには、反射部4における反射面4aの表面及び/又は裏面を拡散反射面とすることで対応できる。したがって、本実施形態のスクリーンでは、視野角の拡大が容易であるという利点がある。
【0057】
(第2実施形態の構成)
つぎに、本発明の第2実施形態に係るスクリーン1の構成を、図8及び図9を参照しながら説明する。この第2実施形態の説明においては、前記した第1実施形態と基本的に共通する構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明の重複を避ける。
【0058】
第2実施形態のスクリーンでは、各偏光分離部3の前方に、集光用レンズ5が付されている。集光用レンズについても、個別の集光用レンズに符号5k(k:自然数)を付し、その全体を集合的に現す場合に符号5を付す。したがって、第1集光用レンズには符号51を付す。
【0059】
具体的には、図8に示されるように、第1偏光分離部31の前方に第1集光用レンズ51、第2偏光分離部32の前方の第2集光用レンズ52、第3偏光分離部33の前方の第3集光用レンズ53(以下同様)のように配置されている。もちろん、すべての偏光分離部3の前方に集光用レンズ5を配置することが必要ということではない。
【0060】
各集光用レンズ5は、偏光分離部3や反射部4と同様に、一方向に延長された形状となっている(図9参照)。各集光用レンズ5は、偏光分離部3や反射部4と平行とされている。
【0061】
本実施形態の集光用レンズ5は、プロジェクタ2からの入射光を偏光分離部3に集光する構成となっている。
【0062】
(第2実施形態におけるスクリーンの作用)
以下、第2実施形態に係るスクリーンの作用を、図10〜図17を主に参照しながら説明する。
【0063】
プロジェクタ2から集光用レンズ5に照射された光束は、集光用レンズ5によって、偏光分離部3に集光される(図10参照)。なお、図10は、任意の一組の偏光分離部3、反射部4及び集光用レンズ5を示している。光束における一の偏光成分(P波)は、偏光分離部3を透過して背面側に向けて射出される。一方、光束における他の偏光成分(S波)は、偏光分離部3により、隣接する反射部4に向けて反射され、さらに反射部4で反射されて、入射方向側(正面側)に戻される。
【0064】
(S波の振る舞い)
ここで、集光用レンズ5に入射した光束のうちのS波について、さらに詳しく説明する。この光束は、前記したように、レンズ5によって集光されて、偏光分離部3に照射される。光束中のS波は、偏光分離部3によって反射され、隣接する反射部4に送られる(図11)。
【0065】
ついで、S波は、反射部4で反射され、入射方向側(図12において右側)に戻される。これにより、S波で構成した画像を、正面側(入射方向側)に向けて呈示することができる。
【0066】
また、このとき、反射したS波は、反射部4の反射面4aによって拡散して反射されるので、ある程度の視野角を確保することが容易である。
【0067】
ここで、本実施形態では、反射部4で反射したS波が、集光用レンズ5によって再度集光されることになる(図13参照)。すると、レンズ5の近傍では、死角の領域を生じる。しかしながら、集光用レンズ5と偏光分離部3との距離が小さければ、死角の領域は、十分に狭いものとなる。例えば、通常の設計条件を考慮すると、死角が存在するのは、レンズ5からせいぜい数センチメートルの範囲となる。実用上は、レンズ5から数十センチメートル以上離れた位置からスクリーンを見るので、このような死角が生成されることは、問題にはならない。
【0068】
また、この第2実施形態のスクリーンによれば、偏光分離部3を透過したP波により、スクリーンの背面側(図10において左側)に、P波で生成される画像を呈示することができる。
【0069】
(スクリーンへの斜め入射の場合)
つぎに、図14〜図16を参照しながら、スクリーン1に対して斜め下方向から光束が入射された場合の作用を説明する。この場合、入射角度によっては、レンズ5で集光された光束が、反射部4に入射する(図14参照)。反射部4は、偏光にかかわらず光束を反射するので、光束に含まれるP波もS波も、隣接する偏光分離部3に向けて反射される(図15及び図16参照)。
【0070】
P波(図15参照)については、反射部4で反射された後、偏光分離部3を透過し、反対側において隣接する別の反射部4によって背面側に反射される。例えば、第i番目の反射部4iで反射されたP波は、偏光分離部3を透過した後、第i+1番目の反射部4i+1に達する。P波は、さらに、この反射部4i+1の反射面4aの裏面で反射され、背面側(図15において左側)に向けて送り出される。ここで、P波は、反射面4aで反射された後に拡散されるので、ある程度の視野角を容易に確保することができる。
【0071】
S波(図16参照)については、反射部4で反射された後、偏光分離部3によりさらに反射されて、入射方向側(図16において右側)に戻される。その後、S波は、前記と同様に、レンズ5によってさらに集光されて、入射方向側に送り出される(図17参照)。この場合、レンズ5の近傍に死角を生じる。しかしながら、この死角は、前記した理由により、正面側画像の視認性を実質的には損なわない。
【0072】
したがって、第2実施形態のスクリーンにおいて、斜め下から光束が入射した場合であっても、正面側と背面側とに、それぞれ、偏光成分に応じた画像を呈示することができる。
【0073】
第2実施形態のスクリーンにおける他の構成及び利点は、第1実施形態と基本的に同様なので、これ以上詳細な説明は省略する。
【0074】
(第3実施形態)
つぎに、本発明の第3実施形態に係るスクリーン1の構成を、図18及び図19を主に参照しながら説明する。この第3実施形態の説明においては、前記した第2実施形態と基本的に共通する構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明の重複を避ける。
【0075】
この第3実施形態のスクリーン1は、スクリーン1の上側に、プロジェクタ2からの光束が傾斜して入射する場合に対応したものである(図18参照)。このスクリーン1では、入射する光束の角度(想定される角度)に応じて、偏光分離部3や反射部4の構成が変更されている。
【0076】
以下、図19を参照しながら、さらに詳しく説明する。第3実施形態のスクリーン1では、スクリーン1の上側(例えばスクリーン1の中央よりも上側)における各偏光分離部3の傾斜面3aの角度が、前記した各実施形態のものよりも緩くなっている。さらに、スクリーン1の上側(例えばスクリーン1の中央よりも上側)における偏光分離部3の幅W1(図19参照)は、反射部4の幅W2よりも広くなっている。ここで、幅W1:幅W2の比を、スクリーン1における偏光分離部3の位置に応じて変化させることも可能である。例えば、W1/W2の値を、スクリーン1の上側に行くほど徐々に大きくすることも可能である。
【0077】
つぎに、本実施形態のスクリーン1に入射した光束における各偏光成分の振る舞いを、図20〜図22に基づいて説明する。
【0078】
(P波の振る舞い)
レンズ5に入射したP波は、レンズ5で集光されて、偏光分離部3に到達する(図20参照)。さらに、このP波は、偏光分離部3を透過して、スクリーン1の背面側(図20において左側)に進む。これにより、本実施形態のスクリーン1では、その背面側に、P波によって構成される画像を呈示することができる。
【0079】
(S波の振る舞い)
レンズ5に入射したS波は、P波と同様に集光されて、偏光分離部3に到達する。さらに、このS波は、偏光分離部3で反射して、隣接する反射部4に送られる(図21参照)。さらに、S波は、反射部4で反射して、入射方向側(図21において右側)に送られる。前記したとおり、S波は、レンズ5により再び集光されることにより、レンズ近傍に死角を生じる(図22参照)。しかし、この死角は、ごく狭い領域に存在するので、実用上の問題は生じない。
【0080】
よって、この実施形態のスクリーンによれば、その正面側において、S波によって構成される画像を呈示することができる。
【0081】
第3実施形態のスクリーンにおける他の構成及び利点は、第2実施形態と基本的に同様なので、これ以上詳細な説明は省略する。
【0082】
(第4実施形態)
つぎに、本発明の第4実施形態に係るスクリーン1の構成を、図23を主に参照しながら説明する。この第4実施形態の説明においては、前記した第2実施形態と基本的に共通する構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明の重複を避ける。
【0083】
この第4実施形態のスクリーン1は、さらに、フレネルレンズ6を備えている。このフレネルレンズ6は、集光用レンズ5よりも入射方向側(図23において右側)にが配置されている。
【0084】
フレネルレンズ6は、その一側の面(図23において左側の面)に、一方向(集光用レンズ5と平行な方向)に延長された複数の傾斜面6を備えている。したがって、このフレネルレンズ6は、いわゆるリニアフレネルレンズと呼ばれるタイプのものである。各傾斜面6についても、第r番目の傾斜面について符号6r(r:自然数)を付す。rの最大値は、プロジェクタ2の画角や配置場所などに応じて適宜設定される。したがって、第1番目の傾斜面には符号61を付す。この例では、第4傾斜面64までが用いられている。
【0085】
このフレネルレンズ6においては、傾斜面6の傾斜角度が、入射光の角度に応じて設定されている(図23参照)。これにより、プロジェクタ2からスクリーン1に入射した光束を、その入射角度に応じて屈折させて、ほぼ平行光とすることができる。ほぼ平行光となった光束は、レンズ5により集光されて、偏光分離部3に照射される(図24参照)。
【0086】
(P波の振る舞い)
光束のうちのP波は、偏光分離部3を透過して、背面側(図24において左側)に出射する。これにより、このスクリーン1によれば、その背面側において画像を呈示することができる。
【0087】
前記した各実施形態において、レンズ1への入射光が傾斜している場合には、スクリーン1から背面側に出射するP波の方向も傾斜するので、視野角の偏りが出るおそれがある。例えば、下側から見たときの視野角が上側から見たときよりも狭くなるおそれがある。これに対して、本実施形態のスクリーンによれば、フレネルレンズ6を設置したことにより、視野角の偏りを軽減あるいは防止することができる。
【0088】
(S波の振る舞い)
偏光分離部3に照射された光束のうち、S波は、偏光分離部3により反射され、さらに、隣接する反射部4により反射されて、入射方向側(図25において右側)に戻される。さらに、このS波は、集光用レンズ5により再び集光され、さらに、フレネルレンズ6を通過して、入射方向側に進む。
【0089】
この実施形態では、フレネルレンズ6及び集光用レンズ5の近傍において死角領域を生じることになる(図26参照)。しかしながら、フレネルレンズ6と集光用レンズ5とを接近させておけば、死角領域を、実用上無視できる程度に十分狭くすることができる。
【0090】
したがって、本実施形態のスクリーンでは、S波により、正面側の画像を呈示することができる。
【0091】
第4実施形態のスクリーンにおける他の構成及び利点は、第2実施形態と基本的に同様なので、これ以上詳細な説明は省略する。
【0092】
(第5実施形態)
つぎに、本発明の第5実施形態に係るスクリーン1の構成を、図27を主に参照しながら説明する。この第5実施形態の説明においては、前記した第2実施形態と基本的に共通する構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明の重複を避ける。
【0093】
前記した各実施形態では、反射部4としてミラーが用いられていた。これに対して、第5実施形態のスクリーン1では、反射部4として偏光ビームスプリッタが用いられている。したがって、この実施形態では、反射部4も偏光分離部3もいずれも偏光ビームスプリッタにより構成されている(図27参照)。
【0094】
また、第5実施形態のスクリーン1では、各偏光分離部3と各反射部4の入射側(図27において右側)に、それぞれ、集光用レンズ5が配置されている。
【0095】
このスクリーン1においては、スクリーン1に照射された光束は、各集光用レンズ5により集光されて、偏光分離部3及び反射部4にそれぞれ入射される(図28参照)。以下、偏光成分ごとにその振る舞いを説明する。
【0096】
(P波の振る舞い)
P波は、偏光分離部3及び反射部4をいずれも透過する(図29参照)。したがって、透過したP波によって、スクリーン1の背面側において画像を呈示することができる。
【0097】
(S波の振る舞い)
S波は、偏光分離部3及び反射部4で反射される(図30参照)。偏光分離部3で反射されたS波は、反射部4で再び反射されて、入射方向側(図31において右側)に戻される。反射部4で反射されたS波は、偏光分離部3で再び反射されて、入射方向側に戻される。
【0098】
したがって、反射されたS波によって、スクリーン1の正面側において画像を呈示することができる。
【0099】
本実施形態のスクリーン1は、実質的に偏光ビームスプリッタのみで構成することができるので、構成を一層簡易とすることができるという利点がある。
【0100】
第5実施形態のスクリーンにおける他の構成及び利点は、第2実施形態と基本的に同様なので、これ以上詳細な説明は省略する。
【0101】
(第6実施形態)
つぎに、本発明の第6実施形態に係るスクリーン1の構成を、図32を主に参照しながら説明する。この第6実施形態の説明においては、前記した第2実施形態と基本的に共通する構成要素については、同一の符号を付すことにより、説明の重複を避ける。
【0102】
第6実施形態のスクリーン1は、スリット部材7を備えている。このスリット部材7には、第1〜第sのスリット7p(s:任意の自然数;p:1以上s以下の任意の自然数)が設けられている。図32の例では、第1〜第3のスリット71〜73が設けられている。各スリット7pは、偏光分離部3の背面側に形成されている。また、この実施形態における各レンズ5は、各スリット7pに焦点が位置するように、レンズ5の位置や屈折力が調整されている。
【0103】
第6実施形態のスクリーン1においては、レンズ5で集光された光束が各スリット7pを通過するので、背面側に呈示されるべき画像がスリット部材7により遮られることはない。また、このスクリーンでは、外部からのノイズ光の侵入をスリット部材7により遮断することができるので、背面側の画像のコントラストが低下することを防止することができる。すなわち、本実施形態のスクリーン1によれば、高いコントラストの背面側画像を呈示することができる。
【0104】
第6実施形態のスクリーン1における他の構成及び利点は、第2実施形態と基本的に同様なので、これ以上詳細な説明は省略する。
【0105】
(プロジェクタの構成例)
つぎに、本実施形態のスクリーン1のために好適なプロジェクタ2の具体的な構成例を、図33を参照しながら説明する。
【0106】
このプロジェクタ2は、第1変調素子21と、第2変調素子22と、光源23と、分岐部24と、第1ミラー25と、第2ミラー26と、合波部27と、投写光学系28とを主な要素として備えている。
【0107】
第1変調素子21は、分岐部24から送られたP波(後述)を変調して光学像を形成できる変調素子である。第1変調素子21のドライブ回路などの周辺機器は従来と同様でよいので説明を省略する。第1変調素子21としては、例えば液晶やDMDを用いることができる。
【0108】
第2変調素子22は、分岐部24から送られたS波を変調して光学像を形成できる変調素子である。第2変調素子22のドライブ回路などの周辺機器は第1変調素子21と同様でよいので説明を省略する。第2変調素子22としては、例えば液晶やDMDを用いることができる。第2変調素子22は、一般的には、第1変調素子21と異なる光学像を形成することが好ましいが、同じ光学像を形成しても良い。
【0109】
光源23は、いわゆるランプであり、投写される光学像を形成するための光束を発生するものである。
【0110】
分岐部24は、光源23から送られた光束のうち、P波を透過させて第1変調素子21に送り、S波を反射させるものである。このような分岐部24は、偏光ビームスプリッタと呼ばれる部品を用いることで構成することができる。
【0111】
第1ミラー25は、分岐部24で反射されたS波を反射して、第2変調素子22に送るようになっている。また、第2ミラー26は、第2変調素子22で変調されたS波を合波部27に送るようになっている。
【0112】
合波部27は、第1変調素子21から送られたP波を透過させるようになっている。さらに、合波部27は、第2ミラー26から送られたS波を反射させて投写光学系28に送るようになっている。これにより、合波部27は、別々に変調されたP波とS波とを、一つの光束にまとめることができる。
【0113】
投写光学系28は、合波部27により合波された光束をスクリーン1に向けて投写するものである。投写光学系28の構成としては、一般的なものを用いることができる。
【0114】
このプロジェクタ2によれば、それぞれ別個に変調されたP波とS波とを、合成された光束として、まとめて外部に投写することができる。したがって、この光束を照射されたスクリーン1においては、その正面側に、S波で構成される画像を呈示し、背面側に、P波で構成される画像を呈示することができる。
【0115】
なお、本発明は、前記した各実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の第1実施形態に係る投影用スクリーンの概略的な説明図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る投影用スクリーンの概略的な説明図であって、スクリーンを側方から見た状態の図である。
【図3】スクリーンの正面側に、S波で構成された画像が呈示されている状態を示す説明図である。
【図4】スクリーンの背面側に、P波で構成された画像が呈示されている状態を示す説明図である。
【図5】図1のスクリーンの要部における側面図である。
【図6】図1のスクリーンの要部における正面図である。
【図7】図5を拡大した状態において、各偏光成分の振る舞いを説明するための説明図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る投影用スクリーンの要部の側面図である。
【図9】図8の正面図である。
【図10】図8のスクリーンにおける各偏光成分の振る舞いを説明するための説明図である。
【図11】図8のスクリーンにおけるS波の振る舞いを説明するための説明図である。
【図12】図8のスクリーンによって反射したS波の振る舞いを説明するための説明図である。
【図13】図8のスクリーンによって反射したS波の振る舞いを説明するための説明図である。
【図14】図8のスクリーンに対して斜め下方向から入射した光束の振る舞いを説明するための説明図である。
【図15】図8のスクリーンに対して斜め下方向から入射した光束(P波)の振る舞いを説明するための説明図である。
【図16】図8のスクリーンに対して斜め下方向から入射した光束(S波)の振る舞いを説明するための説明図である。
【図17】図8のスクリーンに対して斜め下方向から入射した光束(S波)の振る舞いを説明するための説明図である。
【図18】スクリーンに対して斜め下方向から光束が入射する状態を説明するための説明図である。
【図19】第3実施形態におけるスクリーンの構成を説明するための、要部の側面図であって、図8中のZ部分の拡大図である。
【図20】図19のスクリーンに入射した光束(P波)の振る舞いを説明するための説明図である。
【図21】図19のスクリーンに入射した光束(S波)の振る舞いを説明するための説明図である。
【図22】図19のスクリーンに入射した光束(S波)の振る舞いを説明するための説明図である。
【図23】第4実施形態におけるスクリーンの構成を説明するための、要部の側面図である。
【図24】図23のスクリーンに入射した光束(P波)の振る舞いを説明するための説明図である。
【図25】図23のスクリーンに入射した光束(S波)の振る舞いを説明するための説明図である。
【図26】図23のスクリーンに入射した光束(S波)の振る舞いを説明するための説明図である。
【図27】第5実施形態におけるスクリーンの構成を説明するための、要部の側面図である。
【図28】図27のスクリーンに入射した光束の振る舞いを説明するための説明図である。
【図29】図27のスクリーンに入射した光束(P波)の振る舞いを説明するための説明図である。
【図30】図27のスクリーンに入射した光束(S波)の振る舞いを説明するための説明図である。
【図31】図27のスクリーンに入射した光束(S波)の振る舞いを説明するための説明図である。
【図32】第6実施形態におけるスクリーンの構成を説明するための、要部の側面図である。
【図33】プロジェクタの構成例を説明するための概略的な説明図である。
【符号の説明】
【0117】
1 投影用スクリーン
11 正面側画像
12 背面側画像
2 プロジェクタ
3 偏光分離部
31 第1偏光分離部
32 第2偏光分離部
3a 傾斜面
4 反射部
41 第1反射部
42 第2反射部
4a 反射面
5 集光用レンズ
6 フレネルレンズ
7 スリット部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の偏光分離部と複数の反射部とを備えており、
前記偏光分離部と反射部とは、交互に配置されており、
前記偏光分離部は、この偏光分離部への入射光における偏光成分のうち、一の偏光成分を透過させ、かつ、他の偏光成分を前記反射部に向けて反射させる構成となっており、
前記反射部は、前記偏光分離部で反射された前記他の偏光成分を、入射方向側に向けて反射させる構成となっている
ことを特徴とする投影用スクリーン。
【請求項2】
前記反射部は、この反射部への入射光を、前記偏光分離部へ向けて反射させる構成となっており、
前記偏光分離部は、前記反射部から前記偏光分離部に反射された反射光に含まれる偏光成分のうち、一の偏光成分を透過させ、かつ、他の偏光成分を入射方向側に向けて反射させる構成となっている
ことを特徴とする請求項1に記載の投影用スクリーン。
【請求項3】
前記複数の反射部は、第1反射部と第2反射部とを有しており、前記第1反射部は、この第1反射部への入射光を、前記偏光分離部へ反射させる構成となっており、
前記偏光分離部は、前記第1反射部から前記偏光分離部に反射された反射光に含まれる偏光成分のうち、一の偏光成分を透過させ、かつ、他の偏光成分を入射方向に向けて反射させる構成となっており、
前記第2反射部は、前記第1反射部で反射され、かつ、前記偏光分離部を透過した、前記一の偏光成分を、出射方向側にさらに反射させる構成となっている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の投影用スクリーン。
【請求項4】
前記複数の偏光分離部及び前記複数の反射部は、いずれも一方向に延長された長尺状とされており、かつ、前記一方向に交差する他方向において交互に配置されており、
さらに、前記一方向とは、入射光の入射方向に交差する方向とされている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の投影用スクリーン。
【請求項5】
前記複数の偏光分離部は、入射光の偏光成分のうち、一の偏光成分を透過させ、他の偏光成分を反射させる傾斜面をいずれも有しており、
前記複数の反射部は、入射光又は前記偏光分離部からの光を反射させる反射面をいずれも有しており、
前記傾斜面どうしは実質的に平行とされており、
前記反射面どうしは実質的に平行とされており、
さらに、前記反射面と前記傾斜面とは、その横断面における延長方向が交差するように配置されている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の投影用スクリーン。
【請求項6】
さらに複数の集光用レンズを備えており、
前記各集光用レンズは、前記偏光分離部の前方に配置されており、
かつ、前記集光用レンズは、入射光を前記偏光分離部に集光する構成となっている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の投影用スクリーン。
【請求項7】
さらに複数の集光用レンズを備えており、
前記各集光用レンズは、前記反射部の前方に配置されており、
かつ、前記各集光用レンズは、入射光を前記反射部に集光する構成となっている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の投影用スクリーン。
【請求項8】
前記偏光分離部は偏光ビームスプリッタである請求項1〜7のいずれか1項に記載の投影用スクリーン。
【請求項9】
前記反射部は全反射ミラーである請求項1〜8のいずれか1項に記載の投影用スクリーン。
【請求項10】
前記反射部は偏光ビームスプリッタである請求項1〜8のいずれか1項に記載の投影用スクリーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2008−309876(P2008−309876A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155312(P2007−155312)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】