説明

抗アミロイド特性を有する化合物のスクリーニング方法

本発明は、抗アミロイド特性を有する化合物のスクリーニング方法に関する。βアミロイドペプチドとヒト皮質組織のニコチン性アセチルコリン受容体との間の高親和性複合体を解離または防止する能力を有する化合物のスクリーニング方法は、神経変性疾患および特にアルツハイマー病の治癒的および/または予防的処置における使用のための化合物を迅速に同定することを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬分野に関し、そして特に薬理学研究ユニットを目的とする。事実、本発明は、抗アミロイド特性を有する化合物のスクリーニング方法に関する。
【0002】
この目的のために、本発明は、神経変性疾患、特にアルツハイマー病の治癒的および/または予防的処置に意図される化合物の迅速な同定を可能にする生物試料のエクスビボ分析のための生化学的技術を用いる。従って、本発明は、βアミロイドペプチドとヒト皮質組織のニコチン性アセチルコリン受容体との間の高親和性複合体を解離できる化合物のスクリーニング方法に関する。
【0003】
アルツハイマー病は、高齢集団の高い割合を冒す進行性の神経変性疾患である。臨床的には、この疾患は記憶喪失および認知機能の低下によって特徴付けられる。神経病理学的には、アルツハイマー病は以下の2つの型の組織病理学的大脳病変の存在で示される:アミロイド斑および神経原線維変性(NFD)。アルツハイマー病の第3の特徴は皮質萎縮であり、これは顕著なニューロン損失に対応する。
【0004】
ニューロン内沈着物およびニューロン周囲のアミロイド斑(または老人斑)の形態のβアミロイド(Aβ)ペプチドの蓄積は、アルツハイマー病の病因の起源にあると考えられている。関連する認知障害および神経原線維変性と協同して、アミロイド沈着物の蓄積は、家族性形態を含む全ての形態のアルツハイマー病の初期の変動しない特徴を表す。
【0005】
神経原線維変性は、ペアードヘリカルフィラメント(またはPHF)から形成される原線維のニューロン内蓄積に対応する。PHFはτ微小管関連タンパク質の集合から構成される。これらのタンパク質の生化学的特徴付けは、異常にリン酸化されそして凝集したτタンパク質の主要な三つ組(τ60、64および69)の存在を明らかにしている。正常なτタンパク質は、アルツハイマー病における5〜9回に対して、2〜3回リン酸化されており、そしてニューロン細胞骨格の微小管の重合/脱重合において、そしてまた軸索輸送において役割を担っている。
【0006】
皮質萎縮は、10年毎に8〜10%の脳重量の損失で、アルツハイマー病患者において示されるが、健常対象においてはこの損失は2%のみである。皮質萎縮は脳室および皮質溝の拡張、海馬体積の低下、および特にコリン作動系を冒すニューロン損失を伴う。
【0007】
アミロイド斑はアミロイド物質の球状沈着物から生じる。アミロイド物質は、Aβ(βアミロイド)として知られる39〜43アミノ酸のポリペプチドの線維から構成される。βアミロイドペプチドは、その不溶性の特徴およびその毒性を与えるβシート構造を有する。βアミロイドペプチドはAPP(アミロイド前駆体タンパク質)として知られる大きなサイズの膜糖タンパク質の正常な異化産物である。アミロイド斑は神経突起およびグリア細胞によって取り囲まれている。アミロイド斑は、神経実質に浸潤し、そして脳の全ての領域の皮質灰白質中に拡散する。後頭皮質はこれらのアミロイド沈着物によってより頻繁に冒されるようである。βアミロイドペプチドの神経毒性はアルツハイマー病における主要な問題を構成する。
【0008】
最近の研究は、細胞外空間に位置するアミロイド斑がリソソーム区画中のアミロイド沈着物の非常に実質的な蓄積を有するニューロンの細胞溶解の結果であることを示している。このニューロン内蓄積は、ニューロン細胞の変性、次いで細胞死およびこれらの沈着物の細胞外空間への放出を引き起こし、徐々にアミロイド斑を形成する(Nagele et al. 2002)。アミロイド斑は神経突起およびグリア細胞によって取り囲まれており、そして核の断片を含有する(斑が死滅したニューロンから生じることの証拠)。α7型ニコチン性受容体は、Aβペプチドのニューロンへの進入において基本的な役割を担っている(D'Andrea and Nagele 2006)。
【0009】
Wang et al.は、ニューロンの細胞外表面上に存在するα7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7nAChR)にAβペプチドが特異的に高親和性で結合することを示している(Wang et al. 2000)。Aβペプチド、特にAβ42ペプチドのα7nAChR受容体との相互作用は、Aβ42−α7nAChR複合体のニューロン内蓄積前の必須の段階であるようであり、ニューロンの表面上の前記複合体はエンドサイトーシスを経、その結果リソソーム区画中のその蓄積が生じる(Nagele et al. 2002)。
【0010】
さらに、これらのAβ−α7化合物のニューロン内蓄積は、τの異常なリン酸化(Wang et al. 2003)およびコリン作動性神経伝達の不全を含むシナプス機能不全(Roselli et al. 2005;Almeida et al. 2005;Shemer et al. 2006)を引き起こす。
【0011】
このデータは、全体として、高齢者およびアルツハイマー病に罹患した者におけるAβペプチド、特にAβ42ペプチドによるα7nAChR受容体の慢性的破壊が、それによって、原線維神経変性の起源にある、ニューロン機能不全、アミロイド斑の形成およびτタンパク質のリン酸化をAβペプチドがもたらす中心的な機構であることを示す傾向にある。
【0012】
その結果、Aβ42−α7nAChR相互作用を阻害できる化合物は、アミロイド斑の形成およびニューロン機能不全を低下させるために特に有効な薬剤であると判明しうる。
【0013】
従って、神経変性性および加齢性病理におけるその重要性を考慮すれば、アミロイド斑の形成の起源にあるAβ42−α7nAChR複合体に作用できる化合物を同定することは価値があるようである。
【0014】
これらの化合物の同定は種々の方法によって実施することができ、それらは、状況によって、多少適切でありそして効率的であることが見出される。それらは時折単独では不十分であり、それで組み合わされた場合にのみ有用であり、いずれにせよそれらはいくらかの利点および欠点を有する。それらは本明細書中以下でまとめられ、そして以下の2つの動物モデル妥当性基準に基づいて考察される:病理の原因条件の類似性および基礎をなす神経生物学的機構に基づく、構成概念妥当性(validite de construction);およびもたらされる行動状況の類似性に基づく、記述的妥当性(validite descriptive)。
【0015】
第1の方法は、脳室内(i.c.v.)位置においてカニューレを使用して実施される、マウスの脳中へのβアミロイドタンパク質の注入からなる。この方法(Yamada et al. 2005;Mazzola et al. 2003)は、βアミロイドペプチドの7日間の外因性導入の後に記憶欠損を有するマウスを得ることを可能にする。このマウスモデルは迅速に得られ、そしてこのモデルを神経変性病理、特にアルツハイマー病の処置について新たな見込みのある物質を試験するために使用することができる。この方法は、アルツハイマー病の病態生理を正確に表さないモデルに基づいている。事実、Aβ42−α7nAChR複合体に作用する化合物を同定するこの方法は、見かけ上の妥当性を有しない。なぜなら、大脳加齢のτ病理はこのマウスモデルにおいて発達しないからである。さらに、本マウスモデルは、一方でβアミロイドペプチドが外因起源でありそして動物によって天然に産生されておらず、そして他方でモデルが動物でありそしてヒトでないという事実の点から、構成概念妥当性を満足させない。最後に、マウスの脳中への外因性βアミロイドペプチドの注入は、インビボでの作業を必要とさせる。このことは、この方法が抗アルツハイマー化合物のスクリーニングおよび同定のために日常的に使用されることの妨げとなる。
【0016】
いくつかの他の化合物の同定方法は、アルツハイマー病のモデルとして、APPおよび/またはPS1(プレセニリン1)遺伝子上に、家族性形態のアルツハイマー病に存在する変異を保有するトランスジェニックマウスを使用する。従って、これらのモデルの構成概念妥当性は、家族性形態のためには申し分ないが、症例の97%より多くを表す散発形態のためには非常に議論の余地がある。
【0017】
トランスジェニックマウスの第1の型は、APP中の1つの変異だけ(Hsiao et al. 1996)またはAPPおよびPS1中の二重変異(Holcomb et al. 1998)を有する。上記のトランスジェニックモデルの記述的妥当性は完全ではない。なぜなら、それらはアルツハイマー病に関連する生理病理学的特徴を信頼性を有して再現しないからである。一方で神経原線維変性の非存在が見出され、そして他方で単一または二重トランスジェニックマウスの皮質におけるニューロン損失および老人斑の遅発性出現がほとんどまたは全く見出されない。その結果、アルツハイマー病との生理学的差異およびこの病理に関連する病変が出現するのにかかる時間の点から、単一または二重トランスジェニックマウスモデルの使用は推奨されない。
【0018】
3つの変異遺伝子(APP、PS1およびτ)を保有するマウスのトランスジェニックモデル(LaFerla et al. 2003)の使用もまた不利益を有する。このモデルの構成概念妥当性は議論の余地がある。なぜなら、先行するモデルと比較して、アルツハイマー病に罹患したヒトに存在しないさらなる変異がτ遺伝子中に追加されるからである。しかし、このモデルの記述的妥当性は、アミロイド斑、神経原線維変性およびニューロン損失からなるアルツハイマー病の生理学的病変をよく模倣しているので、良好である。しかし、この方法は、アルツハイマー病に典型的な病変を有するマウスが得られるまで6ヶ月〜12ヶ月の期間を必要とする。その結果、このトランスジェニックマウスモデルを、試験される化合物の抗アミロイド特性を確認するための方法において妥当に使用することができるが、前記モデルにかかる時間およびその実施の困難性の点から、化合物をスクリーニングするために第一に合理的に使用することはできない。
【0019】
第3の方法(Wang et al. 2000)は、外因性に導入されたAβペプチドとラット組織(ラット海馬および皮質シナプトソーム)中に存在するα7との間の複合体の形成を防止する化合物の能力を試験することからなる。このインビトロ方法は、上記の方法より迅速に行われるが、ラット脳抽出物が使用され、そしてAβペプチドは外因性に導入されるので、ヒトに存在する複合体を表さないという決定を有する。その結果、このモデルは、アミロイド斑の形成の起源にあるAβ42−α7nAChR複合体に作用することができる化合物のスクリーニング方法においてこのモデルを使用するために必要とされる構成概念妥当性のための条件も記述的妥当性のための条件も満足させない。
【0020】
従って、本発明は、βアミロイド−α7nAChR複合体に作用できる化合物の同定方法の別のストラテジーを、少なくとも部分的に、前記化合物の選択方法の既知の欠点を克服するという観点で提唱するという目的を有する。従ってこの目的で、本発明は、アルツハイマー病患者に存在する生理学的条件を再現するエクスビボスクリーニングの方法を提唱する。この最適条件は、ヒト脳、特にアルツハイマー病患者から得られた前頭皮質を使用することによって得られる。定義上、このモデルは、疾患ヒト組織の直接的使用を含むので、構成概念妥当性および記述的妥当性の基準を満たす。
【0021】
本発明によるスクリーニング方法のエクスビボ条件は、動物モデルの実行および取り扱いに関連する制約を回避することを可能にする。
【0022】
さらに、ヒトの生物材料の使用は、動物種とヒトとの間に存在する生理学的差異に関連する全てのアーティファクトおよびエラーを回避することを可能にする。本発明によるスクリーニング方法の関連でのヒト生物材料の使用は、アルツハイマー病および神経変性病理が一般にヒト以外の種に天然に存在しないという事実の点から、特に重要である。
【0023】
従って、本発明は、ヒト脳由来のニコチン性アセチルコリン受容体とのβアミロイドペプチドの複合体を解離または防止できる化合物のスクリーニング方法に関する。
【0024】
好ましくは、本発明は、ヒト脳由来のα7ニコチン性アセチルコリン受容体とのβアミロイドペプチドの複合体を解離または防止できる化合物のスクリーニング方法に関する。
【0025】
従って、本発明によるスクリーニング方法は、化合物がAβ42−α7nAChR複合体をそれぞれ解離できるかまたは防止できるかによって、治癒的または予防的特性を有する化合物を同定することを可能にする。
【0026】
「抗アミロイド」または「抗βアミロイド」特性は、ニコチン性アセチルコリン受容体とともにAβペプチドによって形成される複合体の解離によるのであろうと、その形成の阻害によるであろうと、βアミロイドペプチドの細胞内または細胞外沈着物を解離するかまたはその形成に対抗する化合物の能力であると理解される。
【0027】
本発明の関連で、α7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7nAChR)は、主に皮質および海馬において発現され、そして学習および記憶において重要な役割を有する、五量体表面を有する細胞受容体を示す。
【0028】
本発明の関連で、表現「βアミロイド」、「Aβ」および「βアミロイドペプチド」は、ペプチドAβ1−39またはAβ39、Aβ1−40またはAβ40、Aβ1−41またはAβ41、Aβ1−42またはAβ42、Aβ1−43またはAβ43、およびそのフラグメントを含むβアミロイドペプチドの全体に関する(Glenner et al. 1984)。上記のβアミロイドペプチドフラグメントは、生物活性を有しており、そして本発明によるスクリーニング方法において使用されることができる。前記フラグメントは、例えば、フラグメントAβ1−28およびAβ25−35である。
【0029】
本発明の関連で使用されるβアミロイドペプチドは、特にペプチドAβ39、Aβ40、Aβ41、Aβ42および/またはAβ43である。ペプチドAβ42は、α7ニコチン性アセチルコリン受容体に対する最大の親和性、およびアルツハイマー病の病因における最も重要な役割を有している。
【0030】
本発明のスクリーニング方法は、ヒト脳、好ましくはヒトの皮質および海馬由来の試料を使用して実施される。これらの試料は、アルツハイマー病患者から死後に取られる。
【0031】
本発明は、好ましくは、βアミロイドペプチドおよびα7ニコチン性アセチルコリン受容体の複合体の解離が免疫組織化学によって実証されることを特徴とするスクリーニング方法に関する。
【0032】
本発明の関連で、用語「免疫組織化学」は、規定された分子の検出または単離のために抗体を使用する、抗原を明らかにする技術の全体に関する。
【0033】
スクリーニング方法は、好ましくは、以下の工程:試験中の化合物の存在下または非存在下でニコチン性アセチルコリン受容体とのβアミロイドペプチドの複合体をインキュベートする工程、次いで試験中の化合物の存在下または非存在下での非解離複合体の量を決定し、そして非解離複合体の量の差異を評価する工程を含み、この差異は、試験中の化合物がニコチン性アセチルコリン受容体とのβアミロイドペプチドの複合体の解離を媒介することを示す。
【0034】
本発明によるスクリーニング方法は、好ましくは、抗βアミロイドペプチド抗体を使用してニコチン性アセチルコリン受容体とのβアミロイドペプチドの非解離複合体を単離する工程も含む。
【0035】
スクリーニング方法において使用される抗βアミロイドペプチド抗体は、好ましくはβアミロイドペプチドAβ39、Aβ40、Aβ41、Aβ42および/またはAβ43に対するものである。これらの抗体は、マウスまたはヤギモノクローナル抗体であることができる。
【0036】
より好ましくは、本発明のスクリーニング方法は、抗ニコチン性アセチルコリン受容体抗体、特に抗α7ニコチン性アセチルコリン受容体抗体を使用して、非解離複合体を、特にウエスタンブロット方法によって、明らかにすることによって特徴付けられる。
【0037】
有利には、本発明によるスクリーニング方法は、化合物S24795、すなわち1−(4−ブロモフェニル)−2−(1−メチル−2−ピリジニウミル)−1−エタノンクロリドまたはヨーダイドが、一方でβアミロイド−α7nAChR複合体の形成を阻害し、そして他方でニューロン周囲のアミロイド斑中に蓄積しそしてニューロンの内部に沈着した前記βアミロイド−α7nAChR複合体を解離することができる化合物であることを示した。本発明のスクリーニング方法によって同定された化合物S24795は、従って、アルツハイマー病患者の脳中に存在するニコチン性アセチルコリン受容体とのβアミロイドペプチドの複合体を解離し、そしてまた前記複合体の形成を阻害することができる化合物である。
【0038】
本発明はまた、本発明によるスクリーニング方法を使用して同定される各々の化合物に関する。
【0039】
本発明はまた、1つ以上の薬学的に許容しうる賦形剤と組み合わせて、本発明によるスクリーニング方法を使用して得られる化合物を、有効成分として、含む医薬組成物に関する。
【0040】
「有効成分」は、医薬組成物の薬力学的または治療的特性を担う任意の物質であると理解される。本発明の関連で、「賦形剤」は、その調製および投与を促進し、そしてその密度、形態および体積を改変するために、それとともに医薬の有効成分が組み込まれる任意の物質であると理解される。
【0041】
無毒性の薬学的に許容しうる賦形剤の中で、例として、限定するものではないが、希釈剤、溶媒、保存剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、結合剤、膨潤剤、崩壊剤、遅延剤、潤滑剤、吸収剤、懸濁剤、着色剤および香料に言及しうる。
【0042】
さらに、神経変性病理、特にアルツハイマー病の予防および/または処置に意図される医薬組成物は、経口、非経口、経鼻、経皮、直腸、経舌、眼球または呼吸投与に適切な形態であり、特に錠剤または糖衣錠、舌下錠、サシェ(sachet)、パケット(paquet)、カプセル、グロセット(glossette)、ロゼンジ、坐薬、クリーム、軟膏、皮膚ゲルおよび注射用または飲用アンプルである。
【0043】
本発明はさらに、神経変性疾患の予防および/または処置に意図される医薬組成物の取得における、本発明によるスクリーニング方法を使用して同定される化合物の使用に関する。
【0044】
本発明によるスクリーニング方法によって同定される化合物は、「神経変性病理」、例えばアルツハイマー病、ピック病、レビー小体型認知症、スティール−リチャードソン症候群、ダウン症候群、シャイ−ドレーガー症候群、筋萎縮性側策硬化症、神経変性性失調、ハンチントン病、パーキンソン病、原発性進行性失語、マチャド−ジョセフ病、ツレット症候群、麻痺性構語障害、ケネディ病、家族性痙攣性麻痺、ヴェルドニッヒ−ホフマン病、クーゲルベルグ−ヴェランデル病、テイ−サックス病、ザントホフ病、ヴォールファルト−クーゲルベルグ−ヴェランデル病、痙性対麻痺、進行性多巣性白質脳炎、およびプリオン関連疾患(クロイツフェルト−ヤコブ病およびゲルストマン−ストロイスラー−シャインカー病を含む)の処置において使用される。
【0045】
本発明による用語「予防的」は、βアミロイドペプチドのα7ニコチン性アセチルコリン受容体への結合を阻害することによってアルツハイマー病を発達させる危険性を低下させる目的を有する予防指向の処置に対応する。この阻害は、アルツハイマー病に存在する病変である、アミロイド斑の起源にある、βアミロイド−α7nAChR複合体の形成を制限する。さらに、用語「予防的」は、疾患の進行および持続を低下させることによって有病率を低下させることが意図される、二次的予防として理解されうる。
【0046】
「処置」は、ヒト脳中に存在し、そして老人斑を構成するβアミロイド−α7nAChR複合体を解離することによって、アルツハイマー病患者を処置する目的のために処方される治癒指向の処置であると理解される。
【0047】
医薬組成物の取得における本発明によるスクリーニング方法から得られる化合物の使用は、アルツハイマー病患者の予防および/または処置に特に意図される。
【0048】
「アルツハイマー病」は、特に言語の衰退、複雑な運動の障害、および時間および空間の見当識の障害を伴う、記憶および精神機能を冒す致死的神経変性疾患であると理解される。これらの認知障害は、死後にその確定診断を可能にする、2つの特徴的な神経病理学的病変−老人斑および神経原線維変性−に関連する。
【0049】
本発明を以下の図面によって説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】アルツハイマー病患者またはコントロール対象の前頭皮質シナプトソームから死後に得られたAβ42−α7nAChR複合体の、S24795による阻害を示すウエスタンブロット。Aβ42−α7nAChR複合体を媒質(クレブス−リンゲル)中単独でかまたはS24795(30μM)の存在下で10分間インキュベートし、続いてAβ42ペプチドの存在下で30分間インキュベートする。
【図2】アルツハイマー病患者およびコントロール対象から死後に得られ、そしてS24795(30μM)とともに、またはそれなしで、次いでAβ42ペプチド(100nM)とともにインキュベートされたヒト前頭皮質シナプトソームにおけるAβ42−α7nAChR複合体の形成の阻害の定量。*:コントロールおよびアルツハイマー病患者についてp<0.01、多重比較のためのニューマン−クールス検定。
【図3】アルツハイマー病患者またはコントロール対象の前頭皮質シナプトソームから死後に得られたAβ42−α7nAChR複合体の、S24795によって引き起こされる解離を示すウエスタンブロット。Aβ42−α7nAChR複合体を媒質(クレブス−リンゲル)中単独でかまたはS24795(1、10、30または100μM)の存在下で10分間、次いでAβ42(100nM)の存在下または非存在下でインキュベートする。
【図4】アルツハイマー病患者およびコントロール対象から死後に得られ、そしてS24795(1〜100μM)とともに、次いでAβ42(100nM)の存在下または非存在下でインキュベートされたヒト前頭皮質シナプトソームにおけるAβ42と結合したα7nAChR受容体の相互作用の解離の定量。*:コントロールおよびアルツハイマー病患者についてp<0.01、多重比較のためのニューマン−クールス検定。
【図5】アルツハイマー病患者およびコントロール対象から死後に得られ、そしてS24795で処理されたヒト前頭皮質シナプトソーム中への45Ca2+の流入の定量。コントロール脳切片をAβ42(1μM)の存在下で、またはそれなしで、S24795(10μM)での処理の前にインキュベートする。カルシウム流入がα7アゴニスト(PNU282987)またはグリシンに添加したNMDAのいずれかによってもたらされる。
【0051】
I.材料および方法
I.1)患者
アルツハイマー病患者および健常コントロール対象から得られた死後のヒト前頭皮質を、脳バンク(Harvard Brain Tissue Resource CenterおよびAnalytical Biological Services)から得る。
【0052】
研究に含まれた患者およびコントロールは50〜90歳であった。
【0053】
コントロールは、その生涯の間、認知障害を示さず、記憶喪失の徴候を現さなかった人であった。
【0054】
さらに、アルツハイマー病患者を、関連する血管病理を有するかまたは有しない2つのサブグループに分割した。関連する病理を有しない患者の脳のみを本試験において使用した。
【0055】
アルツハイマー病の診断が、臨床症状を示した患者におけるアルツハイマー病の神経学的評価のための診断基準に関するレーガン研究所ワーキンググループおよび国立老化研究所の免疫組織化学的方法によって確認されたことに留意すべきである。
【0056】
I.2)皮質の調製
いかなる死後のアーティファクトも回避するために、研究に関して取り出された皮質は、その死亡が取り出す前15時間以内に起こった人からのものである。取り出した皮質を、本発明によるスクリーニング方法において使用するまで−80℃で貯蔵する。
【0057】
I.3)皮質の貯蔵
取り出した後、皮質を、20%(w/v)スクロースを含有する0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液(NaHPO.2HO/NaHPO.12HO、pH7.4)中で2週間凍結保護する。次いで、これらを、固体二酸化炭素中−30℃の温度に維持したイソペンタン中で1分間凍結する。最後に、−30℃に定温制御したクリオスタット(Super Frost Plus Fisher)中で作製した5μm厚の切片を0.02M PBS緩衝液に入れ、次いで4℃で貯蔵する。
【0058】
I.4)シナプトソームの調製
氷上で粉砕した死後の前頭皮質100mgを、氷上に維持した10倍容量の10mM HEPES(pH7.4)中でホモジナイズし、そして0.32mMスクロースおよび0.1mM EDTAの存在下で酸素負荷し、次いでテフロン/ガラス組織グラインダー中、4℃で、25mM HEPES(pH7.5)、1mM EDTA、50μg/mlのロイペプチン、10μg/mlのアプロチニン、2μg/mlのダイズトリプシンインヒビター、0.04mM PMSF、ホスファターゼインヒビタータンパク質の混合物、および0.2%2−メルカプトエタノールを含有するホモジナイゼーション溶液中で混合する。
【0059】
まずホモジネートを1000g、4℃で10分間遠心分離する。最初の遠心分離において得られた上清を2回目に15000gで30分間遠心分離して、シナプトソームの沈降物を得る。
【0060】
シナプトソームの沈降物を、25mM HEPES(pH7.4)、118mM NaCl、4.8mM KCl、25mM NaHCO、1.3mM CaCl、1.2mM MgSO、1.2mM KHPO、10mMグルコース、100μMアスコルビン酸、50μg/mlのロイペプチン、10μg/mlのアプロチニン、2μg/mlのダイズトリプシンインヒビター、0.04mM PMSFおよびホスファターゼインヒビタータンパク質の混合物を含む、氷上で維持したクレブス−リンゲル液10ml中での懸濁によって2回洗浄し、95%O/5%COを使用して10分間曝気し、次いで15000gで10分間4℃で再度遠心分離する。次いで、洗浄したシナプトソームを酸素負荷したクレブス−リンゲル液1ml中に懸濁し、そして前記シナプトソーム懸濁物のタンパク質濃度をブラッドフォード法によって決定する。
【0061】
I.5)免疫沈降
ヒト皮質シナプトソームを、酸素負荷したクレブス−リンゲル液中、化合物S24795の存在下、37℃で30分間、総インキュベーション容量500μlでインキュベートする。化合物S24795は反応混合物中に1μM、10μM、30μMまたは100μMの濃度で存在する。実施する実験によって、シナプトソームを100nM Aβ42の存在下またはビヒクルの存在下でもインキュベートする。反応を、氷上で維持した1mM EDTAの溶液1.5ml−カルシウムイオンCa2+−クレブス−リンゲル液なしで希釈し、次いで10分間15000g、4℃で遠心分離することによって停止する。上清の除去後、得られたシナプトソームの沈降物を、0.5%ジギトニン、0.2%キレート化ナトリウムおよび0.5%NP−40を含有する免疫沈降緩衝液(25mM HEPES(pH7.5)、200mM NaCl、1mM EDTA、50μg/mlのロイペプチン、10μg/mlのアプロチニン、2μg/mlのダイズトリプシンインヒビター、0.04mM PMSFおよびプロテインホスファターゼインヒビターの混合物)250μl中に取り出す。氷上で維持した免疫沈降緩衝液750μlでシナプトソームを希釈し、そして4℃で遠心分離して不溶性残渣を除去した後、Aβ42−α7nAChR複合体を抗Aβ42抗体を使用する免疫沈降によって単離し、その存在下で16時間4℃でインキュベートし、そしてA/Gコンジュゲートアガロースビーズ25μlの存在下での2時間のインキュベーションによって濃縮する(Cai et al. 1999, Wang et al. 2000, Jin et al. 2001)。
【0062】
I.6)電気泳動およびウエスタンブロット
リン酸緩衝生理食塩水(pH7.2)1mlおよび続く遠心分離での3回の洗浄の後、単離したAβ42−α7nAChR複合体を5分間熱状態でSDS−PAGE緩衝液(62.5mM Tris−HCl(pH6.8)、10%グリセロール、2%SDS、5%2−メルカプトエタノール、0.1%ブロモフェノールブルー)100μl中に溶解する。次いで、複合体を8〜16%SDS−ポリアクリルアミド電気泳動ゲルに入れる。
【0063】
抗α7nAChRモノクローナル抗体をウエスタンブロット分析において使用し、次いで化学発光によって可視化する。存在するAβ42−α7nAChR複合体の量に対する、その用量に応じての、化合物の効果を定量化するために、得られるバンドの強度をデンシトメトリーによって分析する。
【0064】
I.7)抗アミロイド化合物
化合物S24795を抗アミロイド剤として本発明によるエクスビボスクリーニング方法プロトコルにおいて使用する。
【0065】
化合物S24795は、認知プロセスの改善および/または加齢に関連する認知障害の対抗をすることができる記憶認知促進剤(facilitateur mnemocognitif)として使用されるピリジン化合物である。中枢コリン作動系に対して直接的に作用する記憶認知促進剤とは対照的に、化合物S24795は、体温降下活性を欠いている。この活性は、神経変性疾患に罹患した患者の処置において厄介になりうる。
【0066】
I.8機能回復方法
機能回復実験を、I.1に従う患者から得られるI.2に従う脳を使用して実施する。
【0067】
S24795(10μM)での処理によってもたらされる機能回復を、α7およびNMDA受容体を介するカルシウム流入を参照して評価する。これを、Aβ42に曝露(30分間)したコントロール脳およびアルツハイマー病患者の脳に対して、S24795での処理の1時間後に試験した。Aβ42(1μM)およびS24795(10μM)を使用する処理を、脳から得た皮質の切片に対して実施する。次いで、シナプトソームをI.4に記載のように調製する。α7およびNMDA受容体を介するCa2+流入を評価するために、シナプトソームを45Ca2+(5μM)の存在下5分間37℃でクレブス−リンゲル媒質中でインキュベートする。Ca2+流を、α7選択的α7nAChR受容体アゴニスト、PNU282987(0.1、1および10μM)の添加によって、およびNMDAR受容体についてNMDA(0.1、1および10μM)およびグリシン(1μM)の添加によってもたらす。反応を、EGTAを含有するがカルシウムを含有しないクレブス−リンゲル(4℃)の添加によって停止する。2回の洗浄の後、シナプトソームをエタノール(95%)中の超音波処理によって溶解し、そして放射能を液体シンチレーション分光法によって計数する。カルシウム流入の特異性をα7受容体の選択的阻害剤(αブンガロトキシン)およびNMDA受容体の選択的阻害剤(AP−5)の添加によってチェックする。
【0068】
II.結果
結果は化合物S24795の2つの型の効果を実証する。
【0069】
第1に、スクリーニング方法は、脳抽出物にAβペプチドを添加した場合、Aβ42−α7nAChR複合体の形成に関するS24795(Aβペプチドの前に添加)の予防的特性を同定することを可能にする。実際、図1からわかるように、非疾患ヒト皮質シナプトソームへのAβペプチドの添加は、Aβ42−α7nAChR複合体の量の顕著な増加をもたらす。
【0070】
S24795をAβペプチドの前にシナプトソームに添加する場合、形成されるAβ42−α7nAChR複合体の量は92%低下し、これはS24795(30μM)がAβペプチドによって引き起こされるこれらの複合体の形成を防止することを示す。
【0071】
アルツハイマー病患者の皮質から得たシナプトソームにおいて、存在する複合体の量は、非疾患コントロールにおけるより20倍高い。Aβペプチドの添加は、疾患組織中に存在する複合体の量の増加を引き起こさず、ニコチン性受容体の全体は内因性Aβペプチドによって既に飽和されている。この場合、スクリーニング方法は、S24795の治癒的特性を同定することを可能にする。なぜなら、それは患者の死亡前に形成された複合体を解離するからである。S24795は、疾患脳中に存在するAβ42−α7nAChR複合体の量の実質的な低下をもたらす。
【0072】
図3に示す結果は、治癒的特性を有する化合物を同定するスクリーニング方法の能力を確認する。なぜなら、Aβペプチドの添加なしで、この化合物は疾患ヒト組織中に既に存在する複合体の解離をもたらすことができるからである。実際、内因性Aβペプチドの非存在下で、化合物S24795は、1μMの濃度でさえ、疾患脳抽出物中に以前に存在するAβ42−α7nAChR複合体の約22%の低下を引き起こす。この低下は10、30および100μMの濃度のS24795で実質的になり、非解離複合体は用量依存的に最高濃度で63%のオーダーで低下する(p<0.01 2要因ANOVA、続く多重比較のためのニューマン−クールス検定)。
【0073】
従って、このスクリーニング方法は、一方で複合体の形成を防止でき(これは、化合物の作用が予防的である初期疾患ステージに適用可能である)、そして他方で既に存在する複合体を解離できる(これは化合物の作用が治癒的である進行したかまたはまことに重篤な疾患ステージに適用可能である)化合物を特異的に選択することを可能にする。
【0074】
Aβ42−α7nAChR複合体の解離は、Aβ42−α7nAChR複合体の過剰なニューロン内蓄積を防止し、結果としてこれらの沈着物に起因するニューロン死に対抗する。
【0075】
ヒト脳シナプトソームを使用する本発明によるスクリーニング方法の実施は、動物種とヒトとの間の差異に関連するアーティファクトおよび偽陽性を回避する。さらに、このスクリーニング方法のエクスビボ手順は、ニコチン性アセチルコリン受容体とのβアミロイドペプチドの複合体を解離できる化合物の同定において迅速性および反復可能性を達成することを可能にする。最後に、このスクリーニング方法は重篤な固定された固定されたステージのアルツハイマー病を表す生物材料を用いるので、従って、疾患の最終ステージで作用する化合物を選択しそして同定することを可能にする。本発明によるスクリーニング方法は、神経変性疾患、特にアルツハイマー病の治癒的処置において使用することができる化合物を同定することを可能にする。
【0076】
さらに、Aβ42−α7nAChR複合体の解離後の、可能な機能回復を評価するために、特定の実験を実施した。この実験は、S24795によってもたらされるAβ42−α7nAChR複合体の解離が、α7nAChR受容体およびNMDAR型のグルタミン酸受容体の特定の機能性の回復を可能にすることを示す。コントロール対象のシナプトソームと比較して、アルツハイマー病患者のシナプトソーム中へのα7nAChRおよびNMDARを介するカルシウムの流入は、事実、大いに低下する(コントロール値の35%)(図5)。このカルシウムの流入の低下は、明らかにAβ42−α7nAChR複合体の形成に起因する。なぜなら、コントロール対象の脳切片へのAβの添加は、患者のものに匹敵するレベルのカルシウムの流入の低下をもたらすからである。コントロール脳におけるAβの作用に対抗することによる、S24795での処理は、このCa2+流入の実質的な再建を示す。
【0077】
より顕著には、アルツハイマー病患者において既に形成された複合体の、S24795での処理は、非処理アルツハイマー病患者の脳に比較して75%のオーダーのCa2+流入の実質的な増加をもたらす。図5は、アルツハイマー病患者およびAβで前処理したコントロールの脳の、S24795での処理後に、Ca2+流入がAβなしのコントロール値の約65%に対応する匹敵するレベルに到達することを示す。
【0078】
従って、この実験によって、アルツハイマー病患者から得た疾患組織におけるAβ42−α7nAChR複合体の、S24795によってもたらされる解離が、特定の細胞機能性の死後の回復(この特定の場合、カルシウム流入)を可能にすることが実証される。
【0079】
従って、この実験は、このスクリーニング方法の治療的価値を強調する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト脳由来のニコチン性アセチルコリン受容体とのβアミロイドペプチドの複合体を解離または防止できる化合物のスクリーニング方法。
【請求項2】
同定される化合物が治癒的特性または予防的特性を有することを特徴とする、請求項1記載のスクリーニング方法。
【請求項3】
ニコチン性アセチルコリン受容体がα7型のものであることを特徴とする、請求項1記載のスクリーニング方法。
【請求項4】
βアミロイドペプチドがAβ39、Aβ40、Aβ41、Aβ42および/またはAβ43であることを特徴とする、請求項1記載のスクリーニング方法。
【請求項5】
ニコチン性アセチルコリン受容体とのβアミロイドペプチドの複合体がヒト皮質または海馬由来であることを特徴とする、請求項1記載のスクリーニング方法。
【請求項6】
βアミロイドペプチドおよびニコチン性アセチルコリン受容体の複合体の解離が免疫組織化学によって実証されることを特徴とする、請求項1記載のスクリーニング方法。
【請求項7】
以下の工程:
− 試験中の化合物の存在下または非存在下でニコチン性アセチルコリン受容体とのβアミロイドペプチドの複合体をインキュベートする工程;
− 試験中の化合物の存在下または非存在下での非解離複合体の量を決定し、そして非解離複合体の量の差異を評価する工程
を含むことを特徴とする、請求項1記載のスクリーニング方法。
【請求項8】
非解離複合体が抗βアミロイドペプチド抗体を使用して単離されることを特徴とする、請求項7記載のスクリーニング方法。
【請求項9】
抗体がβアミロイドペプチドAβ39、Aβ40、Aβ41、Aβ42および/またはAβ43に対するものであることを特徴とする、請求項8記載のスクリーニング方法。
【請求項10】
非解離複合体がニコチン性アセチルコリン受容体に対する抗体を使用して実証されることを特徴とする、請求項7記載のスクリーニング方法。
【請求項11】
非解離複合体が抗α7ニコチン性アセチルコリン受容体抗体を使用して実証されることを特徴とする、請求項10記載のスクリーニング方法。
【請求項12】
請求項1記載のスクリーニング方法によって同定される化合物。
【請求項13】
前記化合物が1−(4−ブロモフェニル)−2−(1−メチル−2−ピリジニウミル)−1−エタノンであることを特徴とする、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
1つ以上の薬学的に許容しうる賦形剤および1つ以上の請求項12記載の化合物を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項15】
神経変性疾患の予防および/または処置に意図される医薬組成物の取得における、請求項12記載の化合物の使用。
【請求項16】
アルツハイマー病の予防および/または処置に意図される医薬組成物の取得における、請求項12記載の化合物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−505089(P2010−505089A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524215(P2009−524215)
【出願日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際出願番号】PCT/FR2007/001372
【国際公開番号】WO2008/020131
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(500287019)レ ラボラトワール セルヴィエ (166)
【Fターム(参考)】