説明

抗アレルギー用組成物

【課題】相乗的に抗アレルギー効果(花粉症などのアレルギー症状を抑える効果)を有する乳酸菌由来の組成物、該組成物を含有する食品やペットフードなどを提供すること。
【解決手段】ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株、KT−23株又はKT−25株の菌体と、ラクトバチルス属、ビフィドバクテリウム属、ロイコノストック属、エンテロコッカス属及びペディオコッカス属等に属する他の乳酸菌の生菌、死菌又はその菌体処理物とを、菌体量換算で、99:1〜50:50、好ましくは99:1〜75:25の割合で含有する、抗アレルギー作用を有する組成物を調製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2種以上の特定の乳酸菌を利用した、相乗的に抗アレルギー作用を有する組成物やその製造方法、前記組成物を含有する医薬品、食品、サプリメント、飼料等に関する。
【背景技術】
【0002】
B細胞やT細胞などの増殖や働きを調節するサイトカインを産生し、免疫システムを制御するT細胞はヘルパーT細胞(Th)とされ、そのサイトカインの産生パターンから、1型ヘルパーT細胞(Th1細胞)と2型ヘルパーT細胞(Th2細胞)との二種類に分類され、Th1細胞はIFN−γ、IL−2などを産生して細胞性免疫を活性化し、Th2細胞は、IL−4、IL−5などを産生し、液性免疫を活性化することが知られている。いわゆる免疫バランスとは一般に、このTh1細胞とTh2細胞との間のバランスを指し、例えば患者のアレルギー状態を示す指標などとして広く利用されている。
【0003】
アレルギーとは、Th1/Th2バランスが崩れてTh2側に異常に偏ると、本来は無害である外来抗原に対して免疫系が過剰に反応することにより、花粉症や鼻炎、皮膚炎などのアレルギー諸症状が発症する疾患であり、反応機序の違いによりI型からIV型の4つの型に分類される。日本では、ダニ、埃などのハウスダストによる通年性アレルギー性鼻炎やスギ花粉などによる季節性アレルギー性鼻炎に代表されるI型アレルギー患者数の増加が顕著であり、今後も更なる患者の増加が懸念されている。
【0004】
I型アレルギーは、主に抗原と結合したIgEにより肥満細胞が刺激され、ヒスタミンなどのケミカルメディエーターを放出することにより発症するアレルギーである。体内に侵入した花粉やハウスダストは抗原と認識され、それらに対する特異的IgE抗体が産生される。特異的IgE抗体は、マスト細胞や血中の好塩基球表面のFcレセプターに結合して感作された状態となる。その後、抗原が再び体内に侵入すると、抗原はIgE抗体と結合し、抗原−抗体複合体が形成されて脱顆粒を引き起こし、顆粒中のヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質が放出され、これらの作用がアレルギー症状となって現れる。
【0005】
こうしたアレルギー症状に対して用いられる薬物としては、抗ヒスタミン剤、ロイコトリエン拮抗薬、トロンボキサン拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬、メディエーター遊離抑制剤、ステロイド薬などがある。しかしながら、例えば抗ヒスタミン剤は副作用として眠気や口渇が出ることがあり、ロイコトリエン拮抗薬の副作用としては血球減少や胃腸障害、メディエーター遊離抑制剤の副作用としては胃腸障害や膀胱炎様症状等が知られるなど、これらの薬物は必ずしも安全であるとはいえない。
【0006】
こうした背景のもと、近年では、免疫バランスを調節し、抗アレルギー作用を有する乳酸菌が安全性が高い抗アレルギー素材として注目されている。例えば、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ブレビス(L. brevis)、ラクトバチルス・ブフネリ(L. buchneri)、ラクトバチルス・カゼイ(L. casei)、ラクトバチルス・デルブリュッキイ(L. delbrueckii)、ラクトバチルス・ファーメンタム(L. fermentum)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(L. helveticus)、ラクトバチルス・ケフィア(L. kefir)、ラクトバチルス・パラカゼイ(L. paracasei)、ラクトバチルス・プランタラム(L. plantarum)、ラクトバチルス・ラムノーサス(L. rhamnosus)、ラクトバチルス・サリバリウス(L. salivarius)、ストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophillus)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス・プランタラム(L. plantarum)、ラクトコッカス・ラフィノラクティス(L. raffinolactis)、ロイコノストック・ラクティス(Leuconostoc lactis)、ロイコノストック・メセンテロイデス(L. mesenteroides)、エンテロコッカス・フェーカリス(Enterococcus faecalis)またはエンテロコッカス・フェシウム(E. faecium)から選ばれる乳酸菌の菌体を有効成分とするIgE抗体産生抑制剤(特許文献1参照)や、ヒト由来のビフィズス菌、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(B. breve)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(B. longum)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(B. bifidum)を有効成分とする抗アレルギー剤(特許文献2参照)や、ヒトの腸内細菌群より分離された乳酸菌、エンテロコッカス・フェカリス(E. faecalis)(AD101株)、ラクトバシルス・ロイテリー(L. reuteri)(AD0002株)の菌体を有効成分とする、ヒスタミン遊離抑制効果を有するI型アレルギー抑制剤(特許文献3参照)や、ラクトバチルス・パラカゼイを有効成分として含有する抗アレルギー機能を有する飲食品(特許文献4参照)が報告されている。
【0007】
また、ラクトバチルス・デルブルエキイ(L. delbrueckii)、ラクトバチルス・アシドフィラス(L. acidophilus)、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトコッカス・ラクティス及びストレプトコッカス・サーモフィラス(S. thermophilus)からなる群から選ばれる3〜8種の乳酸菌とサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)との混合培養物又は該混合培養物に由来する混合菌体若しくは培養上清を含有する免疫促進用組成物(特許文献5参照)や、腸管免疫または1型ヘルパーT細胞を賦活させる乳酸菌エンテロコッカス・フェシウムを含んでなる、抗食物アレルギー剤(特許文献6,特許文献7参照)や、有胞子乳酸菌であるバチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)を有効成分とする抗アレルギー剤(特許文献8参照)や、植物由来のラクトバチルス属に属する乳酸菌、植物由来のロイコノストック属に属する乳酸菌、及び植物由来のペディオコッカス属に属する乳酸菌のうち少なくとも1以上の乳酸菌の生菌、死菌又はその菌体処理物を有効成分とする抗アレルギー剤(特許文献9参照)や、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス(L. lactis subsp. lactis)、及びラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス(L. lactis subsp. cremoris)からなる複数種の乳酸菌の菌体又は菌体成分を含有してなるインターフェロンガンマ発現誘導作用を有する発酵乳(特許文献10参照)や、ラクトバチルス・プランタラムの培養物を有効成分とする抗アレルギー剤(特許文献11参照)が報告されている。
【0008】
そしてまた、免疫賦活作用及び/又はアレルギー抑制作用を有し、且つ胃液耐性を有するペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)(特許文献12参照)や、免疫調節作用を有することを特徴とするストレプトコッカス・サーモフィルス乳酸菌(特許文献13参照)や、免疫賦活作用・抗アレルギー作用を有するラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ガセリ(L. gasseri)およびラクトバチルス・サリバリウスから選択される乳酸菌(特許文献14参照)や、免疫細胞を刺激して抗アレルギーのサイトカイン濃度を分泌するラクトバチルス・アシドフィラスPM−A0002、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・サリバリウス、ラクトバシルス・ジョンソニイ(L. johnsonii)、ラクトバチルスアシドフィラスPM−A0013(特許文献15参照)や、高いIgE抗体産生抑制作用を有し、抗アレルギー作用をもつロイコノストック・メセンテロイデスに属する乳酸菌を有効成分として含有する抗アレルギー剤(特許文献16参照)や、ラクトバチルス・ブルガリクス(L. bulgaricus)、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・アシドフィルス又はその細胞表層若しくは粗ペプチドグリカンからなる花粉アレルギー症状の改善剤(特許文献17参照)や、ラクトバチルス・パラカゼイの菌体とビフィドバクテリウム・ビフィダムの菌体とを含有する免疫バランス調節用組成物(特許文献18参照)や、免疫賦活作用及び/又はアレルギー抑制作用を有し、且つ胃液耐性を有するラクトバチルス・ブレビス(特許文献19参照)や、ラクトバチルス・デルブリッキー、エンテロコッカス・デュランス(E. durans) 、ロイコノストック・メセントロイデス(L. mesenteroides)を含有する抗アレルギー用組成物(特許文献20参照)や、ラクトバチルス・クリスパタス(L. crispatus)を含有する抗アレルギー用組成物(特許文献21参照)が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平9−2959号公報
【特許文献2】特開平10−309178号公報
【特許文献3】特開2000−95697号公報
【特許文献4】特開2005−137357号公報
【特許文献5】特開2005−68092号公報
【特許文献6】特開2006−67881号公報
【特許文献7】特開2006−104107号公報
【特許文献8】特開2007−55986号公報
【特許文献9】特開2007−70249号公報
【特許文献10】特開2007−117031号公報
【特許文献11】特開2007−126365号公報
【特許文献12】特開2008−54556号公報
【特許文献13】特開2008−61512号公報
【特許文献14】特開2008−99632号公報
【特許文献15】特開2008−169198号公報
【特許文献16】特開2008−231094号公報
【特許文献17】特開2008−255084号公報
【特許文献18】特開2009−57346号公報
【特許文献19】特開2009−112232号公報
【特許文献20】特開2009−142266号公報
【特許文献21】特開2009−209132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、相乗的に抗アレルギー効果(花粉症などのアレルギー症状を抑える効果)を有する乳酸菌由来の組成物、該組成物を含有する食品やペットフードなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
アレルギー症状を抑えるには、免疫バランスを「Th1型」優位に誘導することが有効であり、一般的に、乳酸菌は「Th1型」優位に誘導する活性をもつといわれている。本発明者らが見いだした「Th1型」優位に誘導する活性を有する乳酸菌ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)KT−11株(FERM P−21457)における前記活性をより優れたものとするために鋭意研究した結果、ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株の菌体と、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacteriumu)属、ロイコノストック(Leuconostoc)属、 エンテロコッカス(Enterococcus)属及びペディオコッカス(Pediococcus)属等に属する他の乳酸菌の生菌、死菌又はその菌体処理物とを、特定の割合で用いることにより、Th1型細胞あるいはTh1型細胞から分泌されるサイトカインの量が相乗的に増加することを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち本発明は、(1)ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)KT−11株(FERM P−21457)、ラクトバチルス・クリスパタスKT−23株(FERM P−21458)及びラクトバチルス・クリスパタスKT−25株(FERM P−21459)から選ばれる1又は2以上の菌株の生菌、死菌又はその菌体処理物と、他の乳酸菌の生菌、死菌又はその菌体処理物とを、菌体量換算で、99:1〜50:50の割合で含有することを特徴とする抗アレルギー作用を有する組成物や、(2)菌体量換算で、99:1〜75:25の割合で含有することを特徴とする前記(1)記載の組成物や、(3)他の乳酸菌が、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、ロイコノストック(Leuconostoc)属、 エンテロコッカス(Enterococcus)属及びペディオコッカス(Pediococcus)属の乳酸菌からなる群から選ばれる1又は2以上の乳酸菌であることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の組成物や、(4)ラクトバチルス属の乳酸菌が、ラクトバチルス・パラカゼイ(L.paracasei)、ラクトバチルス・クリスパタス、ラクトバチルス・ブレビス(L. brevis)、ラクトバチルス・ブルガリカス(L.bulgaricus)、ラクトバチルス・ラムノーサス(L.rhamnosus)、ラクトバチルス・プランタラム(L.plantrum)からなる群から選ばれる1又は2以上の乳酸菌であることを特徴とする前記(3)記載の組成物や、(5)死菌が、緩衝液中で加熱処理した菌体であることを特徴とする前記(1)〜(4)記載の組成物や、(6)菌体処理物が、乳酸菌由来のペプチドグリカンであることを特徴とする前記(1)〜(4)記載の組成物や、(7)抗アレルギー作用が、インターフェロン−ガンマ(IFN−γ)産生能を促進する作用であることを特徴とする前記(1)〜(6)記載の組成物や、(8)抗アレルギー作用が、IL−12p70産生能を促進する作用であることを特徴とする前記(1)〜(7)記載の組成物に関する。
【0013】
また本発明は、(9)前記(1)〜(8)記載の抗アレルギー作用を有する組成物を含有する医薬品や、(10)前記(1)〜(8)記載の抗アレルギー作用を有する組成物を含有する飲食品又はサプリメントや、(11)前記(1)〜(8)記載の抗アレルギー作用を有する組成物を含有するペットフード又はペット用サプリメントや、(12)前記(1)〜(8)記載の抗アレルギー作用を有する組成物を含有する飼料や、(13)工程(a)〜(c):(a)ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株(FERM P−21457)、ラクトバチルス・クリスパタスKT−23株(FERM P−21458)及びラクトバチルス・クリスパタスKT−25株(FERM P−21459)から選ばれる1又は2以上の菌株の生菌、死菌又はその菌体処理物を調製する工程;(b)他の乳酸菌の生菌、死菌又はその菌体処理物を調製する工程;(c)工程(a)で調製された生菌、死菌又はその菌体処理物と、工程(b)で調製された生菌、死菌又はその菌体処理物とを、菌体量換算で、99:1〜50:50の割合で配合する工程;を備えた抗アレルギー作用を有する組成物の製造方法や、(14)ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株(FERM P−21457)、ラクトバチルス・クリスパタスKT−23株(FERM P−21458)及びラクトバチルス・クリスパタスKT−25株(FERM P−21459)から選ばれる1又は2以上の菌株の生菌、死菌又はその菌体処理物と、他の乳酸菌の生菌、死菌又はその菌体処理物とを、菌体量換算で、99:1〜50:50の割合で含有する組成物を、抗アレルギー剤の調製に使用する方法に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、相乗的に抗アレルギー効果を有する乳酸菌由来の組成物、該組成物を含有する医薬品、食品やサプリメントや、ペットフードやペット用サプリメントや飼料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株の添加量を検証した実験結果を示す図である。KT−11株1%+ラクトバチルス・プランタラム99%の割合でも抗アレルギーの相乗効果が認められ、KT−11株を75〜99%添加したときに相乗効果が顕著に認められた。
【図2】ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株と種々の乳酸菌による相乗効果を検証した実験結果を示す図である。数種の乳酸菌をそれぞれ単体で添加した場合とKT−11株と併用した場合とを比較し、KT−11株が他の乳酸菌の抗アレルギー効果を相乗的に高める(Th1型細胞数が相乗的に増加する)ことを検証した。
【図3】ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株と乳酸菌菌体処理物(ペプチドグリカン)との併用効果を検証した実験結果を示す図である。KT−11株の死菌体と、ラクトバチルス・アシドフィルス由来のペプチドグリカンとを併用した場合も抗アレルギー効果が相乗的に高まることを検証した。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の抗アレルギー作用を有する組成物(抗アレルギー用組成物)としては、ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株(FERM P−21457:平成19年12月4日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託)、ラクトバチルス・クリスパタスKT−23株(FERM P−21458:平成19年12月4日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託)及びラクトバチルス・クリスパタスKT−25株(FERM P−21459:平成19年12月4日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託)から選ばれる1又は2以上の菌株の生菌、死菌又はその菌体処理物と、他の乳酸菌の生菌、死菌又はその菌体処理物とを、菌体量換算で、99:1〜50:50の割合で含有する組成物であれば特に制限されず、また本発明の抗アレルギー作用を有する組成物の製造方法としては、(a)ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株(FERM P−21457)、ラクトバチルス・クリスパタスKT−23株(FERM P−21458)及びラクトバチルス・クリスパタスKT−25株(FERM P−21459)から選ばれる1又は2以上の菌株の生菌、死菌又はその菌体処理物を調製する工程;(b)他の乳酸菌の生菌、死菌又はその菌体処理物を調製する工程;(c)工程(a)で調製された生菌、死菌又はその菌体処理物と、工程(b)で調製された生菌、死菌又はその菌体処理物とを、菌体量換算で、99:1〜50:50の割合で配合する工程; を備えた方法であれば特に制限されず、また本発明の使用方法としては、ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株(FERM P−21457)、ラクトバチルス・クリスパタスKT−23株(FERM P−21458)及びラクトバチルス・クリスパタスKT−25株(FERM P−21459)から選ばれる1又は2以上の菌株の生菌、死菌又はその菌体処理物と、他の乳酸菌の生菌、死菌又はその菌体処理物とを、菌体量換算で、99:1〜50:50の割合で含有する組成物を、抗アレルギー剤の調製に使用する方法であれば特に制限されないが、菌体量換算で、99:1〜75:25の割合、中でも75:25の割合で含有する組成物が、特に優れた抗アレルギー作用における相乗効果を奏する点で好ましい。ここで、菌体量換算とは、乳酸菌の培養液の遠心分離後の湿菌体質量や、その湿菌体を乾燥させた乾燥菌体質量当たりに換算することを意味する。
【0017】
上記抗アレルギー作用としては、インターフェロン−ガンマ(IFN−γ)産生能を促進する作用や、IL−12p70産生能を促進する作用や、インターロイキン4(IL−4)産生能を抑制する作用や、免疫グロブリンE(IgE)産生能を抑制する作用などを挙げることができ、アレルギーとしては、花粉症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性気管支喘息、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、アレルギー性結膜炎、アレルギー性蕁麻疹等のアレルギー疾患を挙げることができる。
【0018】
上記の他の乳酸菌としては、ラクトバチルス属、ビフィドバクテリウム属、ロイコノストック属、 エンテロコッカス属、ペディオコッカス属、ラクトコッカス属、ストレプトコッカス属等に属する乳酸菌を好適に例示することができ、これら乳酸菌は1種又は2種以上用いることができる。上記ラクトバチルス属に属する乳酸菌としては、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・クリスパタス(但し、KT−11株、KT−23株、KT−25株は除く)、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・デルブリュッキイ、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・サリバリウス、ラクトバチルス・ジョンソニイ、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ケフィア等を例示することができる。上記ビフィドバクテリウム属に属する乳酸菌としては、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ビフィダム等を例示することができる。上記ロイコノストック属に属する乳酸菌としては、ロイコノストック・ラクティス、ロイコノストック・メセンテロイデス等を例示することができる。上記エンテロコッカス属に属する乳酸菌としては、エンテロコッカス・フェーカリス、エンテロコッカス・デュランス、エンテロコッカス・フェシウム等を例示することができる。上記ペディオコッカス属に属する乳酸菌としては、ペディオコッカス・ペントサセウス等を例示することができる。上記ラクトコッカス属に属する乳酸菌としては、ラクトコッカス・ラクティス、ラクトコッカス・プランタラム、ラクトコッカス・ラフィノラクティス等を例示することができる。上記ストレプトコッカス属に属する乳酸菌としては、ストレプトコッカス・サーモフィルス等を例示することができる。
【0019】
本発明における乳酸菌は、生菌、死菌又はその菌体処理物の形態で使用することができる。上記生菌、死菌又はその菌体処理物としては、乳酸菌の培養液や、乳酸菌の培養液の遠心分離後の湿菌体やその洗浄物やその凍結乾燥粉末、加熱死菌体、乾燥死菌体、菌体壁等の菌体破砕物や菌体溶解物などを例示することができ、緩衝液中で加熱処理した死菌体や、菌体を凍結乾燥処理した後に緩衝液中で加熱処理した死菌体や、乳酸菌由来のペプチドグリカンをより好適に例示することができる。
【0020】
上記本発明の抗アレルギー作用を有する組成物は、医薬品、飲食品又はサプリメント、ペットフード又はペット用サプリメント、飼料等に有利に用いることができる。本発明の抗アレルギー用組成物をアレルギー疾患の予防・治療用の医薬品やサプリメントとして用いる場合は、薬学的に許容される通常の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、崩壊剤、可溶化剤、溶解補助剤、等張剤などの各種調剤用配合成分を添加することができる。また、これらに加えて、公知の抗アレルギー剤と併用することができる。これら予防・治療薬等の医薬品は、経口的又は非経口的に投与することができる。すなわち通常用いられる投与形態、例えば粉末、顆粒、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液等の剤型で経口的に投与することができ、あるいは、例えば溶液、乳剤、懸濁液等の剤型にしたものを注射の型で非経口投与することができる他、スプレー剤の型で鼻孔内投与することもできるが、経口的に投与することが好ましい。投与量は、予防か治療かの投与目的、骨疾患の種類や重篤度、患者の年齢等に応じて適宜選定することができる。
【0021】
また、本発明の抗アレルギー用組成物を添加した、アレルギーの予防・治療に用いられる食品や食品素材の種類としては特に制限されず、例えば、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、ジュース、牛乳、豆乳、酒類、コーヒー、紅茶、煎茶、ウーロン茶、スポーツ飲料等の各種飲料や、プリン、クッキー、パン、ケーキ、ゼリー、煎餅などの焼き菓子、羊羹などの和菓子、冷菓、チューインガム等のパン・菓子類や、うどん、そば等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、みそ、しょう油、ドレッシング、マヨネーズ、甘味料等の調味類や、チーズ、バター等の乳製品や、豆腐、こんにゃく、その他佃煮、餃子、コロッケ、サラダ等の各種総菜を挙げることができる。これら食品や食品素材には、公知の抗アレルギー剤を併用してもよい。
【0022】
また、本発明の抗アレルギー用組成物を配合した飼料としては、ブタ、ウシ、ニワトリ等の家畜・家禽や、イヌ、ネコ等のペット、養殖魚介類の飼育等に有利に用いることができ、かかる飼料には、公知の抗アレルギー剤を併用してもよい。
【0023】
以下に、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明の技術的範囲は実施例の記載内容に制限されるものではない。
【実施例1】
【0024】
(添加比率の違いによる抗アレルギー効果の相乗作用)
添加比率の違いによるラクトバチルス・クリスパタスKT−11株(FERM P−21457)の抗アレルギー効果の相乗作用について以下に示す。
【0025】
[菌体試料液の調製]
ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株またはラクトバチルス・プランタラムJCM1149をMRS液体培地にそれぞれ接種し、37℃、24時間培養した。培養後、遠心分離(2,000rpm、10分間)で菌体を回収し、蒸留水で3回洗浄した。洗浄した菌体は凍結乾燥処理後、滅菌0.15M塩化ナトリウム−0.01Mリン酸緩衝液(PBS、pH7.2)に懸濁して熱処理(65℃、30分間)したものを菌体試料液とした。
【0026】
[パイエル板細胞懸濁液の調製と培養]
6週齢オスのC3H/HeN系マウスから腸管パイエル板を摘出し、5%ウシ胎児血清(FBS)、100U/mLペニシリンGナトリウムおよび100μg/mLストレプトマイシン硫酸塩を含むRPMI−1640培地中で細胞を懸濁した。同上の培地で2回遠心洗浄(4℃、1,300rpm、15分間)した後、生細胞数が1.0×10個/mLになるようにパイエル板細胞懸濁液を調製した。
【0027】
上記で調製したパイエル板細胞懸濁液1mLを各穴に分注した48穴平底マイクロプレートに、ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株とラクトバチルス・プランタラムJCM1149の最終添加濃度が合計10μg/mLになるように配合比率を変えて調製した菌体試料液100μLを各穴に添加し、37℃、5%CO存在下で48時間培養した。
【0028】
[IFN−γ産生ヘルパーT細胞数の変化]
培養したパイエル板細胞懸濁液を、1mMEDTA、5%FBSを含むHank’s Balanced Salt Solution(HBSS)で遠心洗浄(4℃、12,000rpm、3秒間)した。洗浄したパイエル板細胞1.0×10個を活性化培地(10%FBSを含むRPMI−1640培地にブレフェルジンA20μg/mL、イオノマイシン2μg/mLおよびフォルボール12−ミリステート13−アセテート20ng/mLを含む)1mLに懸濁し、37℃、5%CO存在下で4時間培養し、細胞内にサイトカインを産生および蓄積させた。
【0029】
培養したパイエル板細胞をHBSSで遠心洗浄(4℃、12,000rpm、3秒間)した後、ビオチン標識抗マウスCD4抗体を1μL添加し、4℃で15分間反応させた。さらに、ストレプトアビジン−PE/Cy5を1μL添加して4℃、遮光下で15分間放置した。反応液をHBSSで洗浄(4℃、1,2000rpm、3秒間)後、IntraPrep Reagent1を100μL加え、室温遮光下で15分間放置して細胞を固定化した。HBSSで洗浄(4℃、12,000rpm、3秒間)後、IntraPrep Reagent2を100μL加え、室温遮光下で15分間反応させて膜透過処理を行った。次いで、Th1サイトカインの1つであるIFN−γを測定するため、フィコエリスリン(PE)標識抗マウスIFN−γ抗体を1μL加え、室温遮光下で15分間放置した後、再度HBSSで遠心洗浄(4℃、12,000rpm、3秒間)した。洗浄後、Guava Personal Cell Function Analyzer(Guava PCA)を用いて、パイエル板細胞中のIFN−γ産生ヘルパーT細胞数(IFN−γCD4細胞数)の測定を行った。
【0030】
図1は、ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株とラクトバチルス・プランタラムJCM1149を各割合で添加した時のパイエル板細胞中におけるIFN−γ産生ヘルパーT細胞数の相対値を示したものである。ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株:ラクトバチルス・プランタラムJCM1149の比が0:100のときのIFN−γ産生ヘルパーT細胞数を100%とした。ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株:ラクトバチルス・プランタラムJCM1149の比が0:100または100:0の時のIFN−γ産生ヘルパーT細胞数相対値と比べて、その比が99:1、90:10、75:25の時にIFN−γ産生ヘルパーT細胞数相対値は顕著に高まった。このことから、ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株とラクトバチルス・プランタラムJCM1149を、99:1〜50:50、特に99:1〜75:25の割合で添加すると、ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株の抗アレルギー作用の相乗効果が得られるものと考えられる。
【実施例2】
【0031】
(抗アレルギー効果の相乗作用の優位性)
ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株の抗アレルギー効果の相乗作用について以下に示す。
【0032】
[菌体試料液の調製]
表1に示す供試菌を実施例1と同様の方法でそれぞれ調製し、ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株と各供試菌を75:25の割合で混合して菌体試料液とした。
【0033】
【表1】

【0034】
[パイエル板細胞懸濁液の調製と培養およびIFN−γ産生ヘルパーT細胞数の変化]
パイエル板細胞懸濁液の調製と培養は実施例1と同様の方法で調製後、パイエル板細胞懸濁液1mLを各穴に分注した48穴平底マイクロプレートに、各濃度に調製した菌体試料液100μLを各穴に添加し、37℃、5%CO存在下で48時間培養した。IFN−γ産生ヘルパーT細胞数の変化を実施例1と同様の方法で測定した。
【0035】
図2は、ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株と各供試菌を添加したときのパイエル板細胞中におけるIFN−γ産生ヘルパーT細胞数を相対値で示したものである。ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株を7.5μg/mLのみ添加した時のIFN−γ産生ヘルパーT細胞数を100%とした。IFN−γ産生ヘルパーT細胞数相対値は、ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株のみ、あるいは供試菌株のみを添加した場合と比べて、ラクトバチルス・クリスパタスKT−11と供試菌を両方添加した場合において、いずれも顕著に高かった。このことから、ラクトバチルス・クリスパタスKT−11は、従来の乳酸菌より抗アレルギー効果が高いことが示された。
【実施例3】
【0036】
[菌体試料液の調製]
表1に示す供試菌を実施例1と同様の方法でそれぞれ調製し、菌体試料液とした。
【0037】
[マウスマクロファージ様株化細胞の培養]
マウスマクロファージ様株化細胞であるJ774.1細胞は、5%FBS、100U/mLペニシリンGナトリウムおよび100μg/mLストレプトマイシン硫酸塩を含むRPMI−1640培地に懸濁後、滅菌プラスチックシャーレ内で37℃、5%CO存在下でコンフルの状態まで培養したものを用いた。1×10個/mLに調製したJ774.1細胞懸濁液1mLを分注した48穴平底マイクロプレートに、最終濃度が0または1μg/mLに調製したラクトバチルス・クリスパタスKT−11株の菌体試料液とPBSに溶解させた市販のラクトバチルス・アシドフィルス由来のペプチドグリカン溶液(和光純薬工業株式会社製「ペプチドグリカンタイプII」)をそれぞれ100μLずつを各穴に添加し、37℃、5%CO存在下で48時間培養した。培養後、4℃、2000rpmで15分間遠心分離を行い、培養上清液を回収した。
【0038】
[IL−12p70産生量]
培養上清液中のIL−12p70量は酵素免疫測定法(ELISA)を用いて測定した。すなわち、100μg/mLの抗マウスIL−12p70抗体と4%ウシ血清アルブミン(BSA)を含む0.1M炭酸緩衝液(pH9.6)100μLを96穴マイクロプレートの各穴に分注し、4℃で一晩静置した。0.05%Tween20を含むPBS(PBS−T)で洗浄した後、0.4%BSAを含む0.1M炭酸緩衝液300μLを加え、25℃で120分間静置した。再びPBS−Tで洗浄した後、0.4%BSAと2%ポリビニルピロリドン(PVP)を含むPBS−Tで最適な倍率に希釈した培養上清液100μLを各穴に分注し、25℃で120分間反応させた。さらに、PBS−Tで洗浄した後、2%PVPを含むPBS−Tで最適な倍率に希釈したビオチン標識抗マウスIL−12p70抗体溶液100μLを各ウェルに分注し、25℃で60分間反応させた。次いで、PBS−Tで洗浄した後、2%PVPを含むPBS−Tで最適な倍率に希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識ストレプトアビジン溶液100μLを各穴に分注し、25℃で30分間反応させた。TMB溶液100μLを各穴に分注し、完全に遮光して25℃で30分間反応させた後、4N硫酸100μLを各穴に分注して反応を停止させ、直ちにBio−Radモデル550マイクロプレートリーダーを用いて、450nmにおける吸光度を測定した。なお,IL−12p70量は既知濃度のIL−12p70から得たスタンダード曲線より算出した。
【0039】
図3は、市販乳酸菌ペプチドグリカンを添加して培養したJ774.1細胞の培養液上清中のTh1サイトカインであるIL−12p70量を示したものである。結果の有意性は、ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株無添加の時のIL−12p70量を基準として、ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株を添加した場合をスチューデントのT検定より判定した。市販乳酸菌ペプチドグリカンを10および100μg/mLを添加して培養したJ774.1細胞の培養液上清中のIL−12p70量は、ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株無添加の場合と比べて、ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株を添加した時に有意に増加した。このことから、ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株は、乳酸菌の主要細胞壁成分であるペプチドグリカンの抗アレルギー作用を相乗的に高めることが示された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)KT−11株(FERM P−21457)、ラクトバチルス・クリスパタスKT−23株(FERM P−21458)及びラクトバチルス・クリスパタスKT−25株(FERM P−21459)から選ばれる1又は2以上の菌株の生菌、死菌又はその菌体処理物と、他の乳酸菌の生菌、死菌又はその菌体処理物とを、菌体量換算で、99:1〜50:50の割合で含有することを特徴とする抗アレルギー作用を有する組成物。
【請求項2】
菌体量換算で、99:1〜75:25の割合で含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
他の乳酸菌が、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、ロイコノストック(Leuconostoc)属、 エンテロコッカス(Enterococcus)属及びペディオコッカス(Pediococcus)属の乳酸菌からなる群から選ばれる1又は2以上の乳酸菌であることを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
ラクトバチルス属の乳酸菌が、ラクトバチルス・パラカゼイ(L.paracasei)、ラクトバチルス・クリスパタス、ラクトバチルス・ブレビス(L. brevis)、ラクトバチルス・ブルガリカス(L.bulgaricus)、ラクトバチルス・ラムノーサス(L.rhamnosus)、ラクトバチルス・プランタラム(L.plantrum)からなる群から選ばれる1又は2以上の乳酸菌であることを特徴とする請求項3記載の組成物。
【請求項5】
死菌が、緩衝液中で加熱処理した菌体であることを特徴とする請求項1〜4記載の組成物。
【請求項6】
菌体処理物が、乳酸菌由来のペプチドグリカンであることを特徴とする請求項1〜4記載の組成物。
【請求項7】
抗アレルギー作用が、インターフェロン−ガンマ(IFN−γ)産生能を促進する作用であることを特徴とする請求項1〜6記載の組成物。
【請求項8】
抗アレルギー作用が、IL−12p70産生能を促進する作用であることを特徴とする請求項1〜7記載の組成物。
【請求項9】
請求項1〜8記載の抗アレルギー作用を有する組成物を含有する医薬品。
【請求項10】
請求項1〜8記載の抗アレルギー作用を有する組成物を含有する飲食品又はサプリメント。
【請求項11】
請求項1〜8記載の抗アレルギー作用を有する組成物を含有するペットフード又はペット用サプリメント。
【請求項12】
請求項1〜8記載の抗アレルギー作用を有する組成物を含有する飼料。
【請求項13】
以下の工程(a)〜(c)を備えた抗アレルギー作用を有する組成物の製造方法。
(a)ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株(FERM P−21457)、ラクトバチルス・クリスパタスKT−23株(FERM P−21458)及びラクトバチルス・クリスパタスKT−25株(FERM P−21459)から選ばれる1又は2以上の菌株の生菌、死菌又はその菌体処理物を調製する工程;
(b)他の乳酸菌の生菌、死菌又はその菌体処理物を調製する工程;
(c)工程(a)で調製された生菌、死菌又はその菌体処理物と、工程(b)で調製された生菌、死菌又はその菌体処理物とを、菌体量換算で、99:1〜50:50の割合で配合する工程;
【請求項14】
ラクトバチルス・クリスパタスKT−11株(FERM P−21457)、ラクトバチルス・クリスパタスKT−23株(FERM P−21458)及びラクトバチルス・クリスパタスKT−25株(FERM P−21459)から選ばれる1又は2以上の菌株の生菌、死菌又はその菌体処理物と、他の乳酸菌の生菌、死菌又はその菌体処理物とを、菌体量換算で、99:1〜50:50の割合で含有する組成物を、抗アレルギー剤の調製に使用する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−195513(P2011−195513A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64451(P2010−64451)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(391004126)株式会社キティー (6)
【Fターム(参考)】