説明

抗体結合性ペプチド

【課題】野生型SpA蛋白質以外の蛋白質から誘導され、かつヒトIgG抗体と結合する性質を有する新規なポリペプチド、該ポリペプチドを吸着材として用いたヒトIgG抗体およびIgG抗体誘導体を高純度に分離精製する産業上利用可能な新規手法を提供することを目的とする。
【解決手段】ヒトIgG抗体およびIgG抗体誘導体に結合活性を有しうるポリペプチドを設計考案し、該ポリペプチドを取得した。また、該ポリペプチドを水不溶性担体に固定化したことを特徴とするヒトIgG抗体またはIgG抗体誘導体の吸着材料、およびヒトIgG抗体およびIgG抗体誘導体を分離精製する方法を考案した。また、遺伝子組換え細胞を用いて、該ポリペプチドを製造する方法を考案した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトIgG抗体と結合する新規なポリペプチドに関する。また、本発明は、該ポリペプチドを担持させた吸着材料に関する。また、本発明は、該吸着材料を用いたヒトIgG抗体およびIgG抗体誘導体を分離精製する方法に関する。また、本発明は、該ポリペプチドをコードするDNA、このDNAを有するベクター、このベクターで形質転換された形質転換細胞、該ポリペプチドの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロテインAは、細菌スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)より見出されたプロテインA蛋白質(以下、SpA蛋白質と称する)であり、ヒトIgG抗体と結合する性質を持つ。プロテインA様物質(以下、SpA様物質と称する)は、SpA蛋白質を断片化したポリペプチド、SpA蛋白質の変異体、該ポリペプチドの変異体、およびそれらを化学修飾した物質を含むものである。
【0003】
ヒトIgG抗体およびIgG抗体誘導体を分離精製する方法として、SpA様物質を担持させた吸着剤を用いたアフィニティ・カラム・クロマトグラフィ精製法が知られている(特許文献1(プロテインA様物質の遺伝子及び該遺伝子含有微生物)、特許文献2(アフィニティ分離の方法及びそれに用いるリガンド))。該方法により分離精製されたヒトIgG抗体およびIgG抗体誘導体は、医薬品、分析試薬あるいは研究用試薬として、産業利用されている。
【0004】
SpA様物質がヒトIgG抗体と結合した複合体分子の立体構造は明らかにされており、SpA様物質分子の一部分である2つのα−ヘリックス構造部分とヒトIgG抗体分子のFc鎖構造部分とが特異的に結合することが知られている(非特許文献1)。ヒトIgG抗体分子のFc鎖構造部分は、種々知られているIgG抗体サブクラスの間でアミノ酸配列の差が少ない部分である。そのため、Fc鎖構造部分を特異的に認識するSpA様物質は、さまざまなサブクラスを持つIgG抗体を吸着、分離精製するためのリガンド分子として、優れた汎用性を持つ。
【0005】
産業上の利用性をさらに高めるべく、野生型SpA蛋白質のアミノ酸配列にさまざまな変異を加えた、IgG抗体のFc鎖構造部分を特異的に認識する種々のSpA様物質が知られている(特許文献2、非特許文献2〜4)。しかしながら、公知のSpA様物質は野生型SpA蛋白質のアミノ酸配列を変異させることによって誘導されたポリペプチドのみである。野生型SpA蛋白質以外の蛋白質から誘導され、かつヒトIgG抗体のFc鎖構造部分と特異的に結合する性質を有するポリペプチドは知られていない。
【特許文献1】特開昭59−113890号公報
【特許文献2】特表2002−527107号公報
【非特許文献1】Deisenhofer、J.、Biochemistry、1981年、20巻、2361−2370頁
【非特許文献2】Braisted、A.C.& Wells、J.A.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1996年、93巻、5688−5692頁
【非特許文献3】Li、R.et.al.、Nature Biotech.、1997年、16巻、190−195頁
【非特許文献4】Linhult、M.et.al.、Proteins、2004年、55巻、407−416頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、野生型SpA蛋白質以外の蛋白質から誘導され、かつヒトIgG抗体と特異的に結合する性質を有する、プロテインA様の新規なポリペプチドを提供する。さらに本発明は、該ポリペプチドを吸着リガンドとして用いることを特徴とするIgG抗体吸着剤、ならびに該吸着剤を用いてIgG抗体を分離除去または分離精製する方法を提供する。さらに本発明は該ポリペプチドを形質転換細胞を用いて生産する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、蛋白質工学的手法および遺伝子工学的手法を用いて、数多くのポリペプチドを分子設計し、形質転換細胞から取得し、該ポリペプチドの物性を比較検討することにより、本発明を完成させるに至った。すなわち本発明は、配列番号1で示されるポリペプチドのアミノ酸残基部位、Ala−3、Met−7、His−8、Ser−9、Arg−11、Leu−12、Glu−15、Ala−25、Val−28、Ser−32において単数または複数のアミノ酸を置換、挿入もしくは欠失またはそれらを組み合わせることにより得られたポリペプチドであって、ヒトIgG抗体に結合することを特徴とするポリペプチドに関する。さらに本発明は、配列番号2、3または4で示される、ヒトIgG抗体に結合することを特徴とするポリペプチドに関する。さらに本発明は、配列番号1〜4のいずれかで示されるポリペプチドに対して70%以上の配列相同性を有するポリペプチドであって、ヒトIgG抗体に結合することを特徴とするポリペプチドに関する。さらに本発明は、前記いずれかのポリペプチドのN末端、C末端もしくはアミノ酸側鎖に1〜10個のアミノ酸残基が共有結合したポリペプチドであって、ヒトIgG抗体に結合することを特徴とするポリペプチドに関する。さらに本発明は、配列番号1〜4のいずれかで示されるポリペプチド配列単位(1ドメイン単位)を1個以上10個以下だけ含むポリペプチド(好適には、前記ドメイン単位2〜10個を共有結合にて融合させたポリペプチド)であって、ヒトIgG抗体に結合することを特徴とする融合ポリペプチドに関する。さらに本発明は、該ポリペプチドを水不溶性担体に固定化したことを特徴とするヒトIgG抗体吸着材料、および該吸着材料を用いることを特徴とするヒトIgG抗体を分離精製する方法に関する。さらに本発明は該ポリペプチドをコードするDNA、該DNAを有するベクター、該ベクターにより形質転換された形質転換細胞、および該形質転換細胞を用いた前記ポリペプチドの製造方法に関する。
【0008】
本発明のその他の特徴およびそれらの利点は、以下の実施形態および図面によって明らかにされる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、野生型SpA蛋白質あるいはその断片ペプチドとはアミノ酸配列上の相同性が異なり、それが故に野生型SpA蛋白質あるいはその断片ペプチドとは種々の物理的ないし化学的物性が異なる、ヒトIgG抗体と特異的に結合する性質を有する新規なポリペプチドを提供する。本発明のポリペプチドを水不溶性担体に固定化した吸着材料を用いることにより、ヒトIgG抗体または種々のIgG抗体誘導体を分離精製することが可能となる。また本発明の形質転換細胞を用いることにより、本発明のポリペプチドを製造することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、実施形態を用いて本発明を詳細に説明する。
【0011】
本明細書において、アミノ酸、ペプチド、タンパク質は下記に示すIUPAC−IUB生化学命名委員会(CBN)で採用された略号を用いて表される。また、特に明示しない限りペプチド及びタンパク質のアミノ酸残基の配列は、左端から右端にかけてN末端からC末端となるように、またN末端が1番になるように表される。
A=Ala=アラニン、C=Cys=システイン、
D=Asp=アスパラギン酸、E=Glu=グルタミン酸、
F=Phe=フェニルアラニン、G=Gly=グリシン、
H=His=ヒスチジン、I=Ile=イソロイシン、
K=Lys=リシン、L=Leu=ロイシン、
M=Met=メチオニン、N=Asn=アスパラギン、
P=Pro=プロリン、Q=Gln=グルタミン、
R=Arg=アルギニン、S=Ser=セリン、
T=Thr=スレオニン、V=Val=バリン、
W=Trp=トリプトファン、Y=Tyr=チロシン、
B=Asx=AspまたはAsn、Z=Glx=GluまたはGln、
X=Xaa=任意のアミノ酸。
【0012】
本明細書において、「変異体」とは、ポリペプチドのアミノ酸配列に含まれるアミノ酸が少なくとも1つ以上置換、付加、もしくは欠失、または修飾されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをいう。
【0013】
本明細書において、「ドメイン」とは、蛋白質およびポリペプチドの高次構造上の単位であり、数十から数百のアミノ酸残基配列から構成され、なんらかの物理化学的または生物化学的な機能を発現するに十分なアミノ酸高分子の単位をいう。
【0014】
本明細書において、「IgG抗体誘導体」とは、ヒトIgG抗体、ヒトIgG抗体のFc鎖部分と他生物種IgG抗体のFab鎖部分とを融合させたキメラIgG抗体、ヒトIgG抗体のいくつかのCドメイン部分と他生物種IgG抗体のいくつかのVドメイン部分とを融合させたキメラIgG抗体、ヒトIgG抗体のCDR部分を除いた残余の部分と他生物種IgG抗体のCDR部分とを融合させたヒト型化IgG抗体、およびそれらに化学的修飾を加えた蛋白質であって、Fcドメイン部分を保持する蛋白質をいう。
【0015】
1.アミノ酸の変異
以下、所望の変異体もしくはポリペプチドを取得するための、タンパク質のアミノ酸の変異について説明する。アミノ酸の置換などを実施する方法は、化学合成、または遺伝子工学を利用する技術においてアミノ酸をコードするDNA配列のコドンを変化させることを含むが、これらに限定されない。
【0016】
本発明者らは、野生型SpA蛋白質以外の蛋白質から誘導され、かつヒトIgG抗体のFc鎖構造部分と特異的に結合する性質を有する新規なポリペプチドの設計を、立体構造のデータを利用した種々の検討およびモデリングによる分析により実施した。これらの設計作業の結果として、ヒトIgG抗体またはIgG抗体誘導体に結合し得る種々のポリペプチドを考案した。考案したポリペプチドを遺伝子工学的手法により数多く取得し、それらポリペプチドの特徴を種々の科学的手法を用いて解析したところ、いくつかのポリペプチドにヒトIgG抗体と結合する性質を見出した。
【0017】
2.ヒトIgG抗体結合能を有するポリペプチドの取得
前記設計による考案および実施形態を具体的に以下に示す。配列番号1で示されるポリペプチドは、ウイルス被覆蛋白質の一種であり、その立体構造情報は公開データベースであるプロテイン・データ・バンク(Protein Data Bank)に、コード番号1R4Gとして登録公開されている。SpA蛋白質ZドメインとIgG抗体Fcドメインとの複合体立体構造情報は、同データベースにコード番号1FC2として登録公開されている。
【0018】
配列番号1で示されるポリペプチドは58残基であり、α−ヘリックス3個からなる高次構造を持つ。一方、上記SpA蛋白質Zドメインは40残基からなるポリペプチドであり、配列番号1で示されるポリペプチドとアミノ酸残基数が異なるものの、α−ヘリックス3個からなる高次構造を持つ。それら2種のポリペプチド間の配列相同性を、後述するプログラムBLASTにより計算したところ、該ポリペプチド間には相同性は見られない(相同性1%未満)という結果となった。すなわち、SpA蛋白質Zドメインと配列番号1で示されるポリペプチドは全く異なる配列を持つと考えられた。前記した立体構造情報を種々比較検討することにより、配列番号1で示されるポリペプチドに上記IgG抗体Fc部分との結合能を付与すべく、ポリペプチド変異体の分子設計を行った。分子設計により考案された種々のポリペプチドを遺伝子工学的手法により取得し、いくつかのポリペプチドにヒトIgG抗体と結合する性質を見出した。すなわち、配列番号1で示されるポリペプチドのアミノ酸残基部位、Ala−3、Met−7、His−8、Ser−9、Arg−11、Leu−12、Glu−15、Ala−25、Val−28、Ser−32において単数または複数のアミノ酸を置換することにより、ヒトIgG抗体またはIgG抗体誘導体のFc部分に結合しうるポリペプチドを得ることができる。上記「複数のアミノ酸」の数は特に限定されないが、2個、3個、4個、5個、好ましくは6個以上である。その他の実施形態として、上記したアミノ酸の置換に限らず、配列番号1で示されるポリペプチドのアミノ酸残基部位、Ala−3、Met−7、His−8、Ser−9、Arg−11、Leu−12、Glu−15、Ala−25、Val−28、Ser−32のいずれかの部位について、単数または複数のアミノ酸を、挿入もしくは欠失、または、それらいずれかの部位において、アミノ酸の置換、挿入、欠失を組合わせてもよい。
【0019】
さらに、より好ましい実施形態としては、配列番号2、3、4で示されるポリペプチドが挙げられる。別の実施形態としては、配列番号1〜4のいずれかで示されるポリペプチドに対して70%以上(好ましくは、80%以上、より好ましくは90%以上)の配列相同性を有するポリペプチドが挙げられる。配列番号1〜4で示されるポリペプチドに対して十分な配列相同性を有するポリペプチドに関しても、本発明によるヒトIgG抗体およびIgG抗体誘導体への結合能を示すことが期待できるためである。配列相同性は、プログラムFASTA(Perason W.R.et al.、Genomics、46、24−36(1997))やBLAST(Altschul、Stephen F. et al.、Nucleic Acids Res. 25、3389−3402(1997))を用いたアミノ酸配列相同性解析により、決定することができる。
【0020】
3.リンカー
本発明の別の実施形態としては、それらのポリペプチドのN末端、C末端もしくはアミノ酸側鎖に1〜10個のアミノ酸残基が共有結合したポリペプチドであって、それら付与したアミノ酸残基が該ポリペプチド間のリンカーとして、あるいは担持材料(担体)とのリンカーとして利用できるポリペプチドが挙げられる。好ましくは、ポリペプチド間のリンカーとしてはIgG抗体との相互作用が少ないGly、Ala等が挙げられ、担体とのリンカーとしてはチオール基を持つCys、アミノ基を持つLys、カルボキシル基を持つGlu、Asp等が挙げられ、さらにそれらのアミノ酸残基を複数個利用することもできる。
【0021】
4.融合ポリペプチド
さらに別の実施形態としては、それらのポリペプチド単位2〜10個を共有結合にて融合させ、ヒトIgG抗体およびIgG抗体誘導体への結合能を高めた融合ポリペプチドが挙げられる。好ましくは、本発明のポリペプチド単位2〜5個および前記した各種のリンカー部分を含む融合ポリペプチドが挙げられる。
【0022】
5.ヒトIgG抗体等の吸着材料
また本発明の一つの実施態様としては、上記方法で得られたポリペプチドを水不溶性担体に固定化したことを特徴とする、ヒトIgG抗体の吸着材料、またはIgG抗体誘導体の吸着材料を提供しうる。さらに、その吸着材料を用いることを特徴とする、ヒトIgG抗体を分離生成する方法、またはIgG抗体誘導体を分離精製する方法を提供しうる。
【0023】
本発明に用いる水不溶性担体としては、ガラスビーズ、シリカゲルなどの無機担体、架橋ポリビニルアルコール、架橋ポリアクリレート、架橋ポリアクリルアミド、架橋ポリスチレンなどの合成高分子や、結晶性セルロース、架橋セルロース、架橋アガロース、架橋デキストランなどの多糖類からなる有機担体、さらにはこれらの組み合わせによって得られる有機−有機、有機−無機などの複合担体などが挙げられる。市販品としては、多孔質セルロースゲルであるGCL2000、アリルデキストランとメチレンビスアクリルアミドを共有結合で架橋したSephacryl S−1000、アクリレート系の担体であるToyopearl、アガロース系の架橋担体であるSepharose CL4B、エポキシ基で活性化されたポリメタクリルアミドであるオイパーギット C250L等を例示することができる。ただし、本発明における水不溶性担体は、例示したこれらの担体、活性化担体のみに限定されるものではない。また、本発明に用いる水不溶性担体は、本吸着材料の使用目的および方法からみて、表面積が大きいことが望ましく、適当な大きさの細孔を多数有する多孔質であることが好ましい。担体の形態としては、ビーズ状、繊維状、膜状(中空糸を含む)など何れも可能であり、任意の形態を選ぶことができる。
【0024】
本発明のポリペプチドを前記担体への固定化する方法は特に限定されるものではないが、一般に蛋白質やペプチドを担体に固定化する場合に採用される方法を例示する。担体を臭化シアン、エピクロロヒドリン、ジグリシジルエーテル、トシルクロライド、トレシルクロライド、ヒドラジンなどと反応させて担体を活性化あるいは担体表面に反応性官能基を導入し、リガンドとして固定化する化合物と反応、固定化する方法、また、担体とリガンドとして固定化する化合物が存在する系にカルボジイミドのような縮合試薬、または、グルタルアルデヒドのように分子中に複数の官能基を持つ試薬を加えて縮合、架橋することによる固定化方法が挙げられる。
【0025】
6.ヒトIgG抗体等の精製法
本発明のポリペプチド結合担体を吸着材料として、ヒトIgG抗体またはIgG抗体誘導体をアフィニティ・カラム・クロマトグラフィ精製法により分離精製することが可能となる。本発明の一実施形態としての精製法は、SpA様物質を担持させた吸着材料を用いたアフィニティ・カラム・クロマトグラフィ精製法に準じる手順(特許文献2に記載の手法に基づいて当業者が実施可能な手順)により達成することができる。すなわち、ヒトIgG抗体またはIgG抗体誘導体を含有する緩衝液を中性となるように調整した後、該溶液を本発明の吸着材料を充填したアフィニティ・カラムに通過させ、ヒトIgG抗体またはIgG抗体誘導体を吸着させる。次いで、アフィニティ・カラムに純粋な緩衝液を適量通過させ、カラム内部を洗浄する。この時点では所望のヒトIgG抗体またはIgG抗体誘導体はカラム内の本発明の吸着材料に吸着されている。次いで、適切なpHに調整した酸性もしくはアルカリ性の純粋な緩衝液をカラムに通過させ、所望のヒトIgG抗体またはIgG抗体誘導体を溶出することにより、高純度な精製が達成される。本発明の吸着材料を充填したアフィニティ・カラムは、強酸性もしくは強アルカリ性の純粋な緩衝液を通過させて洗浄することにより、再利用が可能である。
【0026】
7.ヌクレオチド配列、融合蛋白質等
さらに本発明の一つの実施態様としては、前記方法により得られたポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、そのヌクレオチド配列を一つ又はそれ以上有する組み換えDNA、またはその組み換えDNAがプラスミド又はファージである組み換えDNA、またはその組み換えDNAを少なくとも一つ含有する微生物または細胞を得ることができる。
【0027】
また、本発明のポリペプチドは、該ポリペプチドと細胞での蛋白質発現を補助する作用のある公知の蛋白質との融合蛋白質として取得することができる。すなわち、本発明のポリペプチドと該蛋白質との融合蛋白質をコードする組換えDNAを少なくとも一つ含有する微生物または細胞を得ることができる。該蛋白質の例としては、マルトース結合蛋白質(MBP)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)等が挙げられるが、それらの蛋白質に限定されるものではない。
【0028】
8.変異の導入方法
本発明のポリペプチドをコードするDNAを改変するための部位特異的な変異の導入は、以下のように、当業者に周知の組換えDNA技術、PCR法等を用いて行うことができる。すなわち、組換えDNA技術による変異の導入は、例えば、本発明のポリペプチドをコードする遺伝子中において、変異導入を希望する目的の部位の両側に適当な制限酵素認識配列が存在する場合に、それら制限酵素認識配列部分を前記制限酵素で切断し、変異導入を希望する部位を含む領域を除去した後、化学合成等によって目的の部位のみに変異導入したDNA断片を挿入するカセット変異法によって行うことができる。また、PCRによる部位特異的変異の導入は、例えば、ポリペプチドをコードする二本鎖プラスミドを鋳型として、+および−鎖に相補的な変異を含む2種の合成オリゴプライマーを用いてPCRを行うダブルプライマー法により、行うことができる。
【0029】
9.ベクター・形質展開細胞・ポリペプチドの製造方法
本発明のベクターは、前述したポリペプチドをコードする遺伝子を適当なベクターに連結もしくは挿入することにより得ることができ、遺伝子を挿入するためのベクターは、宿主中で自律複製可能なものであれば特に限定されず、プラスミドDNAやファージDNAをベクターとして用いることができる。例えば、大腸菌を宿主として用いる場合には、pBR322(株式会社ニッポンジーン)、pUC18(タカラバイオ株式会社)、pBluescript II(株式会社ニッポンジーン)等のプラスミドDNA、EMBL3(ストラタジーン・ジャパン株式会社)、M13(タカラバイオ株式会社)、λgt11(株式会社ニッポンジーン)等のファージDNA等を、酵母を宿主として用いる場合は、YEp13(American Type Culture Collection(ATCC))、YCp50(American Type Culture Collection(ATCC))等を、植物細胞を宿主として用いる場合には、pBI121(Clontech Laboratories Inc.)、pBI101(Clontech Laboratories Inc.)等を、動物細胞を宿主として用いる場合は、pcDNAI(インビトロジェン株式会社)、pcDNAI/Amp(インビトロジェン株式会社)等をベクターとして用いることができる。
【0030】
本発明の形質転換細胞は、宿主となる細胞へ本発明の組み換えベクターを導入することにより得ることができる。細菌への組換え体DNAの導入方法としては、例えばカルシウムイオンを用いる方法やエレクトロポレーション法等が挙げられる。酵母への組換え体DNAの導入方法としては、例えばエレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法等が挙げられる。植物細胞への組換え体DNAの導入方法としては、アグロバクテリウム感染法、パーティクルガン法、ポリエチレングリコール法等が挙げられる。動物細胞への組換え体DNAの導入方法としては、例えば、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法等が挙げられる。
【0031】
本発明のポリペプチドは、前記した形質転換細胞を培地で培養し、培養物(培養菌体または培養上清)中に本発明のポリペプチドを生成蓄積させ、該培養物から所望のポリペプチドを採取することにより製造することができる。また、本発明のポリペプチドは、前記した形質転換細胞を培地で培養し、培養物(培養菌体または培養上清)中に本発明のポリペプチドを含む融合蛋白質を生成蓄積させ、該培養物から該融合蛋白質を採取し、該融合蛋白質を適切なプロテアーゼによって切断し、所望のポリペプチドを採取することにより製造することができる。
【0032】
本発明の形質転換細胞を培地で培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。大腸菌等の細菌を宿主として得られた形質転換細胞を培養する培地としては、完全培地又は合成培地、例えばLB培地、M9培地等が挙げられる。また、培養温度は20〜40℃で好気的に6〜24時間培養することにより本発明のポリペプチドを菌体内に蓄積させ、回収する。
【0033】
本発明のポリペプチドの精製は、前述した培養法により得られる培養物を遠心して回収し(細胞についてはソニケーター等にて破砕する)、アフィニティークロマトグラフィー、陽イオンまたは陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等を単独でまたは適宜組み合わせることによって行うことができる。得られた精製物質が目的のポリペプチドであることの確認は、通常の方法、例えばSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動、N末端アミノ酸配列分析、ウエスタンブロッティング等により行うことができる。
【実施例】
【0034】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0035】
(実施例1)
配列番号2をコードする遺伝子
以下の実施例1〜7では、ウイルス被覆蛋白質の一種である上記配列番号1で示されるポリペプチドに対してヒトIgG抗体のFc部分またはIgG抗体誘導体のFc部分への結合能を付与したポリペプチドの例示として、配列番号2、3、4で示される各ポリペプチドの取得方法について説明する。
【0036】
以下の配列番号5〜8のDNAは、後述するように、上記配列番号2およびそのC末端側にHisが6個連続する配列をコードする遺伝子のクローニングのために設計した。配列番号2のポリペプチドは、配列番号1で示されるポリペプチドのアミノ酸残基部位中、Ala−3がPhe、Arg−11がPhe、Leu−12がTyr、Glu−15がLeu、Ala−25がAsn、Val−28がIle、にそれぞれ置換された変異体である。
【0037】
配列番号5および6に記載の合成遺伝子300ピコモルを混合し、オーバーラップPCR反応を行った。ポリメラーゼにはTakara社製pyrobestを用い、添付のバッファーとdNTPを用いた。反応液量は0.05mlとした。反応条件は96℃5分1回、96℃2分・55℃30秒・72℃30秒のサイクルを10回とした。約100bpのDNAをアガロース電気泳動より切り出し、制限酵素BamHIとHindIIIにより切断した。
【0038】
同様に、配列番号7および8に記載の合成遺伝子300ピコモルを混合し、同様にオーバーラップPCR反応を行った。約120bpのDNAをアガロース電気泳動より切り出し、制限酵素HindIIIとEcoRIにより切断した。
【0039】
アマシャムファルマシア社製プラスミドベクターpGEX−2Tのマルチクーニングサイト中のBamHI/EcoRIサイトに、オーバーラップPCR反応により得た上記2種の遺伝子をサブクローニングした。なお、プラスミドベクターpGEX−2Tに挿入された遺伝子が、オーバーラップPCR反応により得た2種のDNAがHindIII切断サイトで結合したときに、配列番号2およびそのC末端側にHisが6個連続する配列をコードするように、配列番号5、6、7、8の遺伝子を設計した。また全ての制限酵素はTakara社製である。前記操作により作成したプラスミドベクターpGEX−2Tは配列番号2に示されるアミノ酸配列をコードする遺伝子を含んでいる。配列番号15は該遺伝子のDNA配列を示す。前記操作により作成された配列番号2をコードする遺伝子を含むpGEX−2Tを用いて、大腸菌DH5α細胞(Takara社製)の形質転換を行い、定法によってプラスミドDNAを増幅および抽出した。
【0040】
(実施例2)
配列番号3をコードする遺伝子
実施例1で得た、配列番号2をコードする遺伝子を含むpGEX−2Tを鋳型として、配列番号9および10のプライマーを用い、クイックチェンジ法で配列番号2のアミノ酸配列においてHis−8がGlnに変換された変異体をコードする遺伝子を作成した。
【0041】
クイックチェンジ法はStratagene社のプロトコルに従った。前記操作により作成したプラスミドベクターpGEX−2Tは配列番号3に示されるアミノ酸配列をコードする遺伝子を含んでいる。配列番号16は該遺伝子のDNA配列を示す。
【0042】
実施例1と同様に、前記操作により作成された配列番号3をコードする遺伝子を含むpGEX−2Tを用いて大腸菌DH5α細胞の形質転換を行い、定法によってプラスミドDNAを増幅および抽出した。
【0043】
(実施例3)
配列番号4をコードする遺伝子
実施例2で得た、配列番号3をコードする遺伝子を含むpGEX−2Tを鋳型として、配列番号11および12のプライマーを用い、クイックチェンジ法で配列番号3のアミノ酸配列においてMet−7がGln、およびSer−9がAsnに変換された変異体をコードする遺伝子を作成し、さらに該遺伝子を鋳型として、配列番号13および14のプライマーを用い、クイックチェンジ法で前記変異体のアミノ酸配列においてSer−32がLysに変換された変異体、すなわち配列番号4をコードする遺伝子を作成した。
【0044】
前記操作により作成したプラスミドベクターpGEX−2Tは配列番号4に示されるアミノ酸配列をコードする遺伝子を含んでいる。配列番号17は該遺伝子のDNA配列を示す。
【0045】
実施例1と同様に、前記操作により作成された配列番号4をコードする遺伝子を含むpGEX−2Tを用いて大腸菌DH5α細胞の形質転換を行い、定法によってプラスミドDNAを増幅および抽出した。
【0046】
(実施例4)
遺伝子の配列確認
実施例1〜3で作成した変異体遺伝子全てについて、DNA塩基配列確認をPERIKIN ELMER APPLIED BIOSYSTEMS社製のDNAシークエンサー310 Genetic Analyzerを用いて行った。
【0047】
(実施例5)
遺伝子の発現
得られた上記の配列番号2,3または4のアミノ酸配列をコードする遺伝子のいずれかを含むpGEX−2Tを導入したDH5α細胞をそれぞれ、アンピシリンを含むLB培地にて終夜培養した。本培養液10mLを2×YT培地(1L、アンピシリン含有)に接種し、37℃にて2時間培養した。その後、培養温度を25℃に下げ、下げてからおよそ1時間後に、終濃度0.1mMになるようIPTG(イソプロピル1‐チオ‐β‐D‐ガラクトシド)を添加し、25℃にて8時間培養した。培養終了後、遠心にて集菌し、PMSF(1mM)、EDTA(0.5mM)、DTT(1mM)を含むPBS緩衝液25mLに再懸濁した。超音波破砕にて細胞を破砕し、遠心分離して上清画分と不溶性画分に分画した。pGEX−2Tベクターマルチクローニングサイトに遺伝子を導入すると、GSTがN末端に付与した融合蛋白質として発現される。それぞれの画分をSDS電気泳動にて分析したところ、上清画分すべてに、分子量3万5千の位置にIPTGにより誘導されたと考えられる蛋白質発現を認めた。
【0048】
(実施例6)
GST融合蛋白質でのポリペプチドの精製
実施例5において、IPTGにより誘導されたと考えられる各蛋白質は、N末端側にGSTが付与し、さらにC末端側にHisが6個続いた配列が付与された形で発現される。上記のそれぞれの上清画分をアマシャムファルマシア社製Glutathione Sepharose Fast Flowカラムに添加し、PBS緩衝液にてカラムを洗浄、続いて溶出用緩衝液(50mM Tris−HCl、20mM Glutahione、pH 8.0)にて目的GST融合蛋白質を溶出、分取した。これらの溶出画分を、アマシャムファルマシア社製Ni Sepharose Fast Flowカラムに添加し、洗浄用緩衝液(25mM Tris−HCl、300mM NaCl、20mM Imidazole、pH7.4)にてカラムを洗浄、続いて、溶出用緩衝液(25mM Tris−HCl、300mM NaCl、200mM Imidazole、pH7.4)にて、目的GST融合蛋白質を溶出、分取した。これらの溶出画分のそれぞれを、PBS緩衝液にて透析し、SDS電気泳動にて分析したところ、目的のGST融合蛋白質が高純度(95%以上)で存在することを確認した。
【0049】
(実施例7)
ポリペプチドの精製
pGEX−2Tベクターマルチクローニングサイトに遺伝子を導入すると、ThrombinプロテアーゼでGSTを切断することが可能な部位も導入される。上記の各GST融合蛋白質溶液のそれぞれに、アマシャムファルマシア社製Thrombinを、GST融合蛋白質1mgあたり10Unit添加し、室温にて18時間インキュベートした。これらの溶液をアマシャムファルマシア社製Glutathione Sepharose Fast Flowカラムに添加し、素通り画分を回収した。これらの溶出画分のそれぞれを、アマシャムファルマシア社製Ni Sepharose Fast Flowカラムに添加し、洗浄用緩衝液(25mM Tris−HCl、300mM NaCl、20mM Imidazole、pH7.4)にてカラムを洗浄、続いて、溶出緩衝液(25mM Tris−HCl、300mM NaCl、200mM Imidazole、pH7.4)にて、目的GST融合蛋白質を溶出、分取した。これらの溶出画分を、PBS緩衝液にて透析し、トリシン‐SDS電気泳動にて分析したところ、分子量7千5百の位置に目的のポリペプチドと考えられるバンドを確認した。
【0050】
(実施例8)
BIACOREによるヒトIgG抗体への結合能の検討
表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance)を利用したバイオセンサーBiacore3000(ビアコア社製)を用いて、取得した各ポリペプチドのヒトIgG抗体への結合を検討した。ヒトIgG抗体をビアコア社製CM4チップに固定し、GST融合ポリペプチドをチップ上に流す実験系を試みた。リガンドの固定化は、カップリング剤としてN−ethyl−N−(3−diethylaminpropyl)carbodiimide(EDC)およびN−hydroxysuccinimide(NHS)を用い、およびブロッキング剤としてEthanolamineを用いてアミンカップリング法で行った。シグマ社製ヒトIgG抗体をPBS緩衝液にて10mg/mLになるよう溶解し、さらに10mM酢酸緩衝液(pH 5.0)にて1000倍希釈した溶液を用いて、ビアコア社プロトコルに従ってヒトIgG抗体を固定化した。また、シグマ社製ヒト血清アルブミンをPBS緩衝液にて10mg/mLになるよう溶解し、さらに10mM酢酸緩衝液(pH 5.0)にて1000倍希釈した溶液を用いて、ビアコア社プロトコルに従ってヒト血清アルブミンを別のフローセルに固定化し、リファレンス・セルとした。測定時のランニング緩衝液およびGST融合ポリペプチドの希釈液として、PBS緩衝液に終濃度0.005%となるようP−20(ビアコア社製)を加えた緩衝液を用いた。取得した各種GST融合ポリペプチドを10μMになるよう調製し、流速20μL/分で2分間添加した後、2分間にわたって測定物の解離を観察した。測定は25℃で行った。結合反応曲線を解析するソフトBIA evaluation(ビアコア社製)を用いて、結合反応曲線から結合速度定数Kass、並びに解離速度定数Kdissを算出し、これから各種GST融合ポリペプチドとヒトIgG抗体の結合反応における解離定数KD(M)を算出した。解離定数KDは、KD=Kdiss/Kassで計算される。
【0051】
各種GST融合ポリペプチドとヒトIgG抗体との間の、BIACORE測定における結合反応曲線を図1に示した。図1において、図上方より順に、配列番号4、配列番号3、および配列番号2それぞれのGST融合ポリペプチドが示す結合反応曲線を示した。図1において、縦軸は本発明のポリペプチドを担持したセルの測定値からリファレンス・セルの測定値を差し引いた値としてのレゾナンスユニット、横軸は時間を示した。
【0052】
結合反応曲線の解析により得られたヒトIgG抗体との解離定数はそれぞれ、配列番号2のGST融合ポリペプチドが1.76×10-5M、配列番号3のGST融合ポリペプチドが2.35×10-5M、配列番号4のGST融合ポリペプチドが1.77×10-6Mであった。GST蛋白質にはヒトIgG抗体と結合する活性は見られなかった(図示せず)。これらの結果から、配列番号2〜4で示されるポリペプチドには、ヒトIgG抗体と結合する活性があることが示された。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、各種GST融合ポリペプチドとIgGの結合反応曲線を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1で示されるポリペプチドのアミノ酸残基部位、Ala−3、Met−7、His−8、Ser−9、Arg−11、Leu−12、Glu−15、Ala−25、Val−28、Ser−32において単数または複数のアミノ酸を置換、挿入もしくは欠失またはそれらを組み合わせることにより得られたポリペプチド変異体であって、ヒトIgG抗体に結合することを特徴とするポリペプチド。
【請求項2】
配列番号2で示される、ヒトIgG抗体に結合することを特徴とするポリペプチド。
【請求項3】
配列番号3で示される、ヒトIgG抗体に結合することを特徴とするポリペプチド。
【請求項4】
配列番号4で示される、ヒトIgG抗体に結合することを特徴とするポリペプチド。
【請求項5】
配列番号1〜4のいずれかで示されるポリペプチドに対して70%以上の配列相同性を有するポリペプチドであって、ヒトIgG抗体に結合することを特徴とするポリペプチド。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のポリペプチドのN末端、C末端もしくはアミノ酸側鎖に1〜10個のアミノ酸残基が共有結合したポリペプチドであって、ヒトIgG抗体に結合することを特徴とするポリペプチド。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のポリペプチドを1ドメイン単位として、該ドメイン単位2〜10個を共有結合にて融合させたポリペプチドであって、ヒトIgG抗体に結合することを特徴とする融合ポリペプチド。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のポリペプチドを水不溶性担体に固定化したことを特徴とする、ヒトIgG抗体またはIgG抗体誘導体の吸着材料。
【請求項9】
請求項8に記載の吸着材料を用いることを特徴とする、ヒトIgG抗体またはIgG抗体誘導体を分離精製する方法。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれかに記載のポリペプチドをコードするDNA。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれかに記載のポリペプチドを含む融合蛋白質をコードするDNA。
【請求項12】
請求項11に記載のDNAを有するベクター。
【請求項13】
請求項12に記載のベクターにより形質転換された形質転換細胞。
【請求項14】
請求項13に記載の形質転換細胞を用いた、請求項1〜7のいずれかに記載のポリペプチドの製造方法。


【図1】
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【公開番号】特開2007−244285(P2007−244285A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−72133(P2006−72133)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】