説明

抗炎症剤、免疫調節剤及び増殖抑制剤としてシクロアルケンジカルボン酸化合物

本発明は薬剤として使用するための下記化学式Iの化合物及びその塩及び、生理学的官能性誘導体に関するものである。
【化1】


上式で、
Aは炭素数4ないし8の非芳香族環系で、環系が少なくとも一つの二重結合を含み、環中の炭素原子の中で少なくとも一つが基Xにより置換でき、この時XはS、O、N、NR、SO、CO及びSOからなるグループの中から選択され、
DはO、S、SO、NRまたはCHで、
及びZは互いに独立的にO、SまたはNRで、
はH、ORまたはNHRで、
Eはアルキルまたはシクロアルキル基または一つ以上の基Xを含有でき、少なくとも一つの芳香族環を含有する置換または非置換された単環式または多環式環系で、
Yは水素、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アルキル、シクロアルキル、置換または非置換された単環式または多環式環系である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抗炎症剤、免疫調節剤及び増殖抑制剤として使える新規の化合物に関するものである。特に、本発明はジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ(DHODH)を抑制する新規の化合物、その製造方法、その化合物を含有する薬学組成物及び疾病の治療及び予防のためのその用途、特にジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ(DHODH)の抑制が有益な疾病におけるその用途に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リューマチ関節炎(RA)は、特に老人に大変ありふれた疾病である。例えば、非ステロイド性抗炎症剤のような通常的な薬物による疾病の治療は満足のいくものではない。増加する人口の老齢化に照らして、特に先進西洋諸国や日本では、RAの治療のための新しい薬物の開発が緊急に要求されている。
【0003】
特許文献1(WO99/38846)及び特許文献2(EP0646578)にはRAの治療に有用なものと報告された化合物が開示されている。
【0004】
リューマチ関節炎に対して新しい作用機序を有する薬物であるレフルノミドが最近ARAVAという商標名でアヴェンティス社(Aventis)により市販された(特許文献3(EP780128)、特許文献4(WO97/34600))。レフルノミドは炎症抑制性質だけでなく、免疫調節性を有する(特許文献5(EP217206)、特許文献6(DE2524929))。その作用機序はピリミジン生合成の酵素であるジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ(DHODH)の抑制を基本とする。
【0005】
DHODHは体内で、細胞成長に必要なピリミジンの合成を促進させる。DHODHの抑制は(病的に)速く増殖する細胞の成長を抑制する反面、正常速度で成長する細胞は正常な代謝サイクルからその必要なピリミジン基剤を得ることができる。免疫反応に最も重要な類型の細胞であるリンパ球は、その成長のためにピリミジンの合成を独占的に利用し、DHODH抑制に特に敏感に反応する。リンパ球の成長を抑制する物質は自家免疫疾患の治療のために重要な薬剤である。
【0006】
DHODH抑制レフルノミド(ARAVA)はリューマチ関節炎の治療のための化合物部類(レフルノミド)における最初の薬剤である。特許文献7(WO99/45926)はDHODHの抑制剤として作用する化合物を開示する追加の参考文献である。
【0007】
特許文献8(WO01/85685)にはアルツハイマー病または非インシュリン依存性糖尿病、または癌、動脈硬化や再狭窄症のような高増殖性疾患を含むGSK−3が関与する疾病の治療のためのチアジアゾリジンジオノン(thiadiazolidindione)などの複素環誘導体が開示されている。
【0008】
N−フェニルテトラヒドロイソインドールジオン及びN−フェニルテトラヒドロピリダジンジオン(特許文献9(US5719104))、6−アゾリルクマリン(特許文献10(DE3810706))、アリールヘテロシクロ(特許文献11(EP796845))及びN−(ヘテロシクリルフェニル)ピロロイミダゾールスルホンアミド(特許文献12(WO97/15576))が除草剤として開示されている。
【0009】
非特許文献1[J.Org.Chem.1985、50(14)、2450−2456]には、蛍光性質を有するピロロ[3、4−d]イミダゾール環系が開示されている。
【0010】
特許文献13(EP463444)、特許文献14(WO98/57937)、特許文献15(EP150034)、非特許文献2[Nucleosides&Nucleotides 1997、16(10&11)、2025−2033]、非特許文献3[Egyptian Journal of Pharmaceutical Sciences 1991、32(1−2)、331−339]、非特許文献4[Journal Fur Praktische Chemie 1991、333(4)、619−624]、非特許文献5[Archives of Pharmacal Research 1990、13(4)、338−341]、非特許文献6[Sulfur Letters 1988、7(4)、127−136]、非特許文献7[Synthesis1988、6449−452]、非特許文献8[Sulfur Letters 1987、7(19)、19−24]、非特許文献9[Archiv der Pharmazie 1987、320(12)、1281−1283]、非特許文献10[Natl.Def.Med.Cent. 1983、35(1)、57−64]及び非特許文献11[Sch.Pharm.Sci.1977、97(4)、410−415]には置換されたマレイミドに縮合された多数の5員芳香族環系が開示されている。
【特許文献1】WO99/38846
【特許文献2】EP0646578
【特許文献3】EP780128
【特許文献4】WO97/34600
【特許文献5】EP217206
【特許文献6】DE2524929
【特許文献7】WO99/45926
【特許文献8】WO01/85685
【特許文献9】US5719104
【特許文献10】DE3810706
【特許文献11】EP796845
【特許文献12】WO97/15576
【特許文献13】EP463444
【特許文献14】WO98/57937
【特許文献15】EP150034
【非特許文献1】J.Org.Chem.1985、50(14)、2450−2456
【非特許文献2】Nucleosides&Nucleotides 1997、16(10&11)、2025−2033
【非特許文献3】Egyptian Journal of Pharmaceutical Sciences 1991、32(1−2)、331−339
【非特許文献4】Journal Fur Praktische Chemie 1991、333(4)、619−624
【非特許文献5】Archives of Pharmacal Research 1990、13(4)、338−341
【非特許文献6】Sulfur Letters 1988、7(4)、127−136
【非特許文献7】Synthesis1988、6449−452
【非特許文献8】Sulfur Letters 1987、7(19)、19−24
【非特許文献9】Archiv der Pharmazie 1987、320(12)、1281−1283
【非特許文献10】Natl.Def.Med.Cent. 1983、35(1)、57−64
【非特許文献11】Sch.Pharm.Sci.1977、97(4)、410−415
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的はDHODHの抑制が必要な疾病の治療に使えるもう一つの有効作用剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
したがって、DHODH、特に人間のDHODHに対して抑制効果を有する新しい部類の化合物を発見した。
【0013】
本発明は下記化学式Iの化合物に関するものである。
【化1】

上式で、
Aは炭素数4ないし8の非芳香族環系で、環系が少なくとも一つの二重結合を含み、環中の炭素原子の中で一つ以上は基Xにより置換でき、この時XはS、O、N、NR、SO、CO及びSOからなるグループの中から選択され、
DはO、S、SO、NRまたはCHで、
及びZは互いに独立的にO、SまたはNRで、
は独立的に−COR"、−SOH、−CONR*R"、−CR"O、−SO−NR*R"、−NO、−SO−R"、−SO−R*、−CN、アルコキシ、−OH、−SH、アルキルチオ、−NR"−CO−R′、−NR"−CO−R*、−NR"−SO−R′、−O−CO−R*、−O−CO−R*、−O−CO−NR*R"、シクロアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、アリールまたはヘテロアリールで、
は独立的に、H、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシまたはアルキルで、
*は独立的に、H、アルキル、シクロアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、−OH、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールで、
R"は独立的に水素、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアミノアルキルで、
はH、ORまたはNHRで、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、O−アリール、O−シクロアルキル、ハロゲン、アミノアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシルアミノ、ヒドロキシルアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、ヘテロアリール、アルキルチオ、S−アリールまたはS−シクロアルキルで、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールで、
はH、OH、アルコキシ、O−アリール、アルキルまたはアリールで、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシアルキル、アシルメチル、(アシルオキシ)アルキル、非対称(アシルオキシ)アルキルジエステルまたはジアルキルホスフェートで、
はH、アルキル、アリール、アルコキシ、O−アリール、シクロアルキルまたはO−シクロアルキルで、
は水素またはアルキルで、
Eはアルキルまたはシクロアルキル基または一つ以上の基Xを含有でき、少なくとも一つの芳香族環を含有する置換または非置換された単環式または多環式環系で、
Yは水素、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アルキル、シクロアルキル、一つ以上の基Xを含有でき、少なくとも一つの芳香族環を含有する置換または非置換された単環式または多環式環系、または
【化2】

で、
mは0または1で、
nは0または1で、
pは0または1で、
rは0または1で、
qは0または1で、
tは1ないし3で、
vは0ないし3である。
【0014】
また、本発明は下記化学式Iaの化合物に関するものである。
【化3】

上式で、
Aは4、5、6、7または8個の炭素原子を含有する非芳香族環系で、環系が少なくとも一つの二重結合を含み、環中の炭素原子の中で一つ以上は基Xにより置換でき、この時XはS、O、N、NR、SO、CO及びSOからなるグループの中から選択され、
DはO、S、SO、NRまたはCHで、
及びZは互いに独立的にO、SまたはNRで、
は独立的に、H、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、−COR"、−SOH、−OH、−CONR*R"、−CR"O、−SO−NR*R"、−NO、−SO−R"、−SO−R*、−CN、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、−NR"−CO−R′、−NR"−CO−R*、−NR"−SO−R′、−O−CO−R*、−O−CO−R*、−O−CO−NR*R"、シクロアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、−SH、ヘテロアリールまたはアルキルで、
*は独立的に、H、アルキル、シクロアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、−OH、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールで、
R"は独立的に水素、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアミノアルキルで、
はNHOHであるか、またはRはRに結合された窒素原子と共に5または6員複素環を形成するが、Rは−[CH]で、Rは存在せず、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、O−アリール、O−シクロアルキル、ハロゲン、アミノアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシルアミノ、ヒドロキシルアルキル、ハロアルキルオキシ、ヘテロアリール、アルキルチオ、S−アリール、S−シクロアルキル、アリールアルキルまたはハロアルキルで、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールで、
はH、OH、アルコキシ、O−アリール、アルキルまたはアリールで、
は水素またはアルキルで、
Eはアルキルまたはシクロアルキル基または一つ以上の基Xを含有でき、少なくとも一つの芳香族環を含有する置換または非置換された単環式または多環式環系で、
Yは水素、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アルキル、シクロアルキル、一つ以上の基Xを含有でき、少なくとも一つの芳香族環を含有する置換または非置換された単環式または多環式環系、または
【化4】

で、
mは0または1で、
nは0または1で、
pは0または1で、
rは0または1で、
qは0または1で、
sは0ないし2で、
tは0ないし3であるが、下記の化合物は除外する。
環Aが6個の炭素原子、及びCZとCZ置換体間に一つの二重結合を含有する非置換された炭素環で、Z=Z=Oで、sが0の化合物、1、3、5−トリベンジル−2、4、6−トリオキソピロロ[3、4−d]イミダゾール、1、3−ジベンジル−5−(4−メトキシ−ベンジル)−2、4、6−トリオキソピロロ[3、4−d]イミダゾール、1、3−ビス−(4−メトキシベンジル)−5−ベンジル−2、4、6−トリオキソピロロ[3、4−d]イミダゾール、及び1、3−トリス−(4−メトキシベンジル)−2、4、6−トリオキソピロロ[3、4−d]イミダゾール。
また、本発明は下記化学式IIIの化合物に関するものである。
【化5】

上式で、
GとMと間の結合は単一または二重結合であり、
Aは4、5、6、7または8個の炭素原子を含有する非芳香族環系で、環系が少なくとも一つの二重結合を含み、環中の炭素原子の中で一つ以上は基Xにより置換でき、この時XはS、O、N、NR、SO、CO及びSOからなるグループの中から選択され、
DはO、S、SO、NRまたはCHで、
GはO、S、SO、CO、N、NR、CRまたはCHRで、
LはNまたはCRで、
MはNまたはCRで、
はO、SまたはNR、NRCONR、CONRまたはCOで、
は独立的に、H、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、−COR"、−SOH、−OH、−CONR*R"、−CR"O、−SO−NR*R"、−NO、−SO−R"、−SO−R*、−CN、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、−NR"−CO−R′、−NR"−CO−R*、−NR"−SO−R′、−O−CO−R*、−O−CO−R*、−O−CO−NR*R"、シクロアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、−SH、ヘテロアリールまたはアルキルで、
*は独立的に、H、アルキル、シクロアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、−OH、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールで、
R"は独立的に水素、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアミノアルキルで、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、O−アリール、O−シクロアルキル、ハロゲン、アミノアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシルアミノ、ヒドロキシルアルキル、ハロアルキルオキシ、ヘテロアリール、アルキルチオ、S−アリール、S−シクロアルキル、アリールアルキルまたはハロアルキルで、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールで、
はH、OH、アルコキシ、O−アリール、アルキルまたはアリールで、
はH、OH、アルキル、アリール、アルコキシ、O−アリール、シクロアルキルまたはO−シクロアルキルで、
は水素またはアルキルで、
Eはアルキルまたはシクロアルキル基または一つ以上の基Xを含有でき、少なくとも一つの芳香族環を含有する置換または非置換された単環式または多環式環系で、
Yは水素、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アルキル、シクロアルキル、一つ以上の基Xを含有でき、少なくとも一つの芳香族環を含有する置換または非置換された単環式または多環式環系、または
【化6】

で、
mは0または1で、
nは0または1で、
pは0または1で、
rは0または1で、
qは0または1で、
tは0ないし3である。
【0015】
更に、本発明は下記化学式IVの化合物に関するものである。
【化7】

上式で、
Aは4、5、6、7または8個の炭素原子を含有する非芳香族環系で、環系が少なくとも一つの二重結合を含み、環中の炭素原子の中で一つ以上は基Xにより置換でき、この時XはS、O、N、NR、SO、CO及びSOからなるグループの中から選択され、
DはO、S、SO、NRまたはCHで、
及びZは互いに独立的にO、SまたはNRで、
は独立的に、H、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、−COR"、−SOH、−OH、−CONR*R"、−CR"O、−SO−NR*R"、−NO、−SO−R"、−SO−R*、−CN、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、−NR"−CO−R′、−NR"−CO−R*、−NR"−SO−R′、−O−CO−R*、−O−CO−R*、−O−CO−NR*R"、シクロアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヘテロアリール、−SHまたはアルキルで、
はHまたはOR、NHR、NRORであるか、またはRはRに結合された窒素原子と共に6員複素式環を形成するが、Rは−[CH]で、Rは存在せず、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、O−アリール、O−シクロアルキル、ハロゲン、アミノアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシルアミノ、ヒドロキシルアルキル、ハロアルキルオキシ、ヘテロアリール、アルキルチオ、S−アリール、S−シクロアルキル、アリールアルキルまたはハロアルキルで、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールで、
はH、OH、アルコキシ、O−アリール、アルキルまたはアリールで、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルコキシアルキル、アシルメチル、(アシルオキシ)アルキル、非対称(アシルオキシ)アルキルジエステルまたはジアルキルホスフェートで、
はH、OH、アルキル、アリール、アルコキシ、O−アリール、シクロアルキルまたはO−シクロアルキルで、
は水素またはアルキルで、
Eはアルキルまたはシクロアルキル基または一つ以上の基Xを含有でき、少なくとも一つの芳香族環を含有する置換または非置換された単環式または多環式環系で、
Yは水素、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アルキル、シクロアルキル、一つ以上の基Xを含有でき、少なくとも一つの芳香族環を含有する置換または非置換された単環式または多環式環システム、または
【化8】

で、
mは0または1で、
nは0または1で、
pは0または1で、
qは0または1で、
sは0ないし2で、
tは0ないし3であるが、下記の化合物は除外する。
5、5−ジメチル−4−フェニル−2−(3−フェニル−ウレイド)−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、2[3−(4−クロロフェニル−ウレイド)]−5、5−ジメチル−4−フェニル−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、2[3−(4−メトキシフェニル−ウレイド)]−5、5−ジメチル−4−フェニル−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、2[3−(4−メチルフェニル−ウレイド)]−5、5−ジメチル−4−フェニル−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、2[3−(4−ニトロフェニル−ウレイド)]−5、5−ジメチル−4−フェニル−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、4−(4−クロロフェニル)−5、5−ジメチル−2−(3−フェニル−ウレイド)−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、4−(4−クロロフェニル)−2[3−(4−クロロフェニル−ウレイド)]−5、5−ジメチル−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、4−(4−クロロフェニル)−2[3−(4−メトキシフェニル−ウレイド)]−5、5−ジメチル−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、4−(4−クロロフェニル)−2[3−(4−メチルフェニル−ウレイド)]−5、5−ジメチル−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、または4−(4−クロロフェニル)−2[3−(4−ニトロフェニル−ウレイド)]−5、5−ジメチル−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
アルキル基は、別に表示しない限り線形または分枝したC−C−アルキル、好ましくは炭素数1ないし5の線形または分枝した鎖、線形または分枝したC−C−アルケニルまたは線形または分枝したC−C−アルキニル基を表わし、これらは一つ以上の置換体R′、好ましくはハロゲンにより任意に置換でき、
−C−アルキル、C−C−アルケニル及びC−C−アルキニル残基は、−CH、−C、−CH=CH、−C≡CH、−C、−CH(CH、−CH−CH=CH、-C(CH)=CH、−CH=CH−CH、−C≡C−CH、−CH−C≡CH、−C、−CH−CH(CH、−CH(CH)−C、-C(CH、−C11、−C13、−C(R′)、−C(R′)、−CH−C(R′)、−C(R′)、−C−C(R′)、−C-CH=CH、−CH=CH-C、−CH=C(CH、−CH-CH=CH-CH、−CH=CH−CH=CH、−C−C≡CH、−C≡C−C、−CH−C≡C−CH、−C≡C−CH=CH、-CH=CH−C≡CH、−C≡C−C=CH、−C−CH(CH、−CH(CH)−C、−CH−CH(CH)−C、−CH(CH)−CH(CH、−C(CH−C、−CH−C(CH、−C−CH=CH、−CH=CH−C、−C−CH=CH−CH、−CH−CH=CH−C、−CH−CH=CH−CH=CH,−CH=CH−CH=CH−CH,−CH=CH−CH−CH=CH,−C(CH)=CH―CH=CH,−CH=C(CH)−CH=CH,−CH=CH−C(CH)=CH,−CH―CH=C(CH,−C(CH)=C(CH,−C−C≡CH,−C≡C−C,−C−C≡C−CH,−CH−C≡C−C,−CH−C≡C−CH=CH,−CH−CH=CH−C≡CH,−CH−C≡C−C≡CH,−C≡C−CH=CH−CH,−CH=CH−C≡C−CH、−C≡C−C≡C−CH、−C≡C−CH−CH=CH,−CH=CH−CH−C≡CH、−C≡C−CH−C≡CH、−C(CH)=CH−CH=CH,−CH=C(CH)−CH=CH,−CH=CH−C(CH)=CH,−C(CH)=CH−C≡CH、−CH=C(CH)−C≡CH、−C≡C−C(CH)=CH、−C−CH(CH)、−C−CH(CH)−C,−CH(CH)−C、−CH−CH(CH)−C、−CH(CH)−CH−CH(CH,−CH(CH)−CH(CH)−C、−CH−CH(CH)−CH(CH、−CH−C(CH−C、−C(CH−C、-C(CH)−CH(CH、−C−C(CH、−CH(CH)−C(CH,−C−CH=CH、−CH=CH−C、−C−CH=CH−CH、−CH−CH=CH−C、−C−CH=CH−C、−CH−C(CH)=C(CH、−C−CH=C(CH,−C−C≡CH、−C≡C−C、−C−C≡C−CH、−CH−C≡C−C、−C−C≡C−C、を含むグループの中から選択することができ、
R′は独立的に、H、−COR"、−CONHR"、−CR"O、−SONR"、−NR"−CO−ハロアルキル、−NO、−NR"−SO−ハロアルキル、−NR"−SO−アルキル、−SO−アルキル、−NR"−CO−アルキル、−CN、アルキル、シクロアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、−OH、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールを表わし、
R"は独立的に水素、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアミノアルキルを表わし、
シクロアルキル基は炭素数3ないし8、好ましくは炭素数4ないし8を有する非芳香族環系を表わし、この時環中の炭素原子の中で一つ以上は基Xにより置換でき、この時Xは上で定義した通りであり、C−C−シクロアルキル残基は−シクロ−C、−シクロ−C、−シクロ−C、−シクロ−C11、−シクロ−C13、−シクロ−C15を含むグループの中から選択することができ、
アルコキシ基はO−アルキル基を表わし、この時アルキル基は上で定義した通りであり、アルコキシ基は、好ましくはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシまたはペントキシ基で、
アルキルチオ基はS−アルキル基を表わし、この時アルキル基は上で定義した通りである。
【0017】
ハロアルキル基は一つないし五つのハロゲン原子により置換されたアルキル基を表わし、この時アルキル基は上で定義した通りであり、ハロアルキル基は、好ましくは−C(R10、−CR10(R10′、−CR10(R10′)R10"、−C(R10、−CH−C(R10、−CH−CR10(R10′、−CH−CR10(R10′)R10"、−C(R10または−C−C(R10で、この時R10、R10′、R10"はF、Cl、BrまたはI、好ましくはFを表わし、
ヒドロキシアルキル基はHO−アルキル基を表わし、アルキル基は上で定義した通りであり、
ハロアルキルオキシ基は一つないし五つのハロゲン原子により置換されたアルコキシ基を表わし、この時アルキル基は上で定義した通りであり、ハロアルキルオキシ基は、好ましくは−OC(R10、−OCR10(R10′、−OCR10(R10′)R10"、−OC(R10、−OCH−C(R10、−OCH−CR10(R10′、−OCH−CR10(R10′)R10"、−OC(R10または−OC−C(R10で、この時R10、R10′、R10"はF、Cl、BrまたはI、好ましくはFを表わし、
ヒドロキシアルキルアミノ基は(HO−アルキル)−N−基またはHO−アルキル−NH−基を表わし、アルキル基は上で定義した通りであり、
アルキルアミノ基はHN−アルキルまたはN−ジアルキル基を表わし、アルキル基は上で定義した通りであり、
ハロゲン基は塩素、ブロム、ふっ素またはヨードであり、ここではふっ素が望ましく、
アリール基は、好ましくは炭素数5ないし15を有する芳香族基を表わし、これらは一つ以上の置換体R′により任意に置換でき、この時R′は上で定義した通りであり、アリール基は、好ましくはフェニル基、−CHPh、−CPh、−CH=CH−Ph、−C≡C−Ph、−o−C−R′、−m−C−R′、−p−C−R′、−o−CH−C−R′、−m−CH−C−R′、−p−CH−C−R′であり、
ヘテロアリール基はO、N、Sのような少なくとも一つのヘテロ原子を含有する5−または6員複素環基を表す。複素環基を他の環に縮合させることができる。例えば、この基をチアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル、1、2、4−オキサジアゾール−3−イル、1、2、4−オキサジアゾール−5−イル、1、2、4−チアジアゾリル−3−イル、1、2、4−チアジアゾリル−5−イル、1、2、5−オキサジアゾール−3−イル、1、2、5−オキサジアゾール−4−イル、1、2、5−チアジアゾリル−3−イル、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、1、2、5−チアジアゾリル−4−イル、4−イミダゾリル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−フラニル、3−フラニル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピラジニル、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、1H−テトラゾル−2−イル、1H−テトラゾル−3−イル、テトラゾリル、インドリル、インドリニル、ベンゾ−[b]−フラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンツイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサゾリニルまたは、好ましくはキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル基の中から選択できる。この複素環基は一つ以上の置換体R′により任意に置換でき、この時R′は上で定義した通りである。
【0018】
Eの意味は、一つ以上の置換体R′により任意に置換されたアルキル基(この時アルキルは上で定義した通りである)または一つ以上の置換体R′により任意に置換されたシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルまたは炭素環式芳香族基、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントラセニル、特に1−アントラセニル及び2−アントラセニル、及び複素環芳香族基、例えば、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、2−チエニル、3−チエニル、2−フラニル、3−フラニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、2−ピラニル、3−ピラニル、4−ピラニル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、2−ピラジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル及び5−オキサゾリルを含む。更に、Eは縮合された多環式芳香族環系、例えば、9H−チオキサンテン−10、10−ダイオキサイドを含む。この時炭素環式芳香族環またはヘテロアリール環が一つ以上の他のヘテロアリール環に縮合される。
【0019】
また、本発明は遊離形態または薬学的に許容可能な塩及び生理学的官能性誘導体形態であり、薬学的に許容可能な希釈剤または担体と共に、放棄により除外された化合物を含有する化学式I、化学式III、化学式Ia、または化学式IVの化合物を含む薬学組成物を提供する。
【0020】
本発明に使われた「生理学的官能性誘導体」という用語は、それ自体が薬学的に活性ではないが、生体内で、すなわち、前述の化合物が投与される対象者において薬学的に活性の形態に転換される化合物を指す。生理学的官能性誘導体の例としては、前駆薬剤、例えば、本願の以下に開示するものなどがある。
【0021】
もう一つの態様において、本発明はまた、ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼ(DHODH)の抑制が有益な症状の治療または予防方法を提供し、その方法は有効量の化学式I、Ia、III、または化学式IVの化合物及び、その生理学的に許容可能な塩または生理学的官能性誘導体を投与することを含む。
【0022】
本発明は、またピリミジン生合成の抑制が有益な疾病の予防及び治療のための薬剤の製造のための化学式I、Ia、IIIまたはIVの化合物及びその薬学的に許容可能な塩または生理学的官能性誘導体の用途に関するものである。
更に、本発明は化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物のような本発明化合物の製造方法を提供する。
【0023】
化学式I、化学式Ia、または化学式IIIの化合物を多様な方法を通じて得ることができる。本発明の方法の好ましい実施態様においては、下記の合成方法を使用する。
環系内のまたはこの系上で置換されたジカルボン酸の合成のために二つの方法を使用した。
【0024】
方法1:ジカルボン酸ジメチルエステルの合成は、WO02/07655に開示されている。
このジカルボン酸ジメチルエステルは、文献[T.Harrison et al.、Tetrahedron Vol.45、No.16、1989、5247−5262]に開示されたように環系上で置換させることができる。続いて、ジカルボン酸ジメチルエステルを相応する酸無水物に転換させることができる。
【0025】
方法2:
環系内またはこの系上で置換されたジカルボン酸もシアンヒドリン合成を通じて一般的に合成できる(Shwu−jiuan et al.、Bull.Inst.Chem.Academia Sinica Number 40、(1993)、1−10またはB.R.Baker et al.、J.Org.Chem.13、1948、123−133;及びB.R.Baker et al.、J.Org.Chem.12、1947、328−332;L.A.Paquette et al.、J.Am.Chem.Soc.97(1975)、6124−6134)。続いて、ジカルボン酸を相応する酸無水物に転換させることができる。
次に、無水物を相応するアミンと反応させて目的とする化学式I、化学式Iaまたは化学式IVのアミドを得ることができる。これらの反応段階はWO02/07655に開示された反応段階と同様である。
【0026】
それぞれの場合に[r=0]、化学式Iまたは化学式Iaの化合物をWO02/07655に開示された四つの方法と同様に合成できる。
【0027】
更に、本発明はRがRに結合された窒素原子と共に6員複素環系を形成する化学式Ia化合物の製造方法を提供する。
【0028】
WO02/07655と同様に製造した化学式Iaのそれぞれの置換されたアニリンを、テトラヒドロフラン中の水素化ナトリウムで脱量子化し、2−ブルモメチル−[1、3]ジオキソランでルキル化させた。2−(カルボエトキシ)シクロペンタノンから出発して、相応するN−アルキルアニリン及び4−ジメチルアミノピリジンを使用してアミド化させた後、銅(II)アセテイトの触媒量の存在下で鉛テトラアセテイトで酸化させることによって、2−(アミノカーボニル)−2−シクロペンテン−1−オンを合成した(A.G.Schulz et al.、Tetrahedron Lett.34、1993、3021−3024)。アニリン側鎖における脱アセタル化でアルデヒド基が放出され、これをチアゾリウム塩による極性の逆転及び後続的な1、4−付加によりステッター反応に使用した(H.Stetter、Angew.Chem.88、1976、695−704)。
【0029】
また、本発明は化学式Iaまたは化学式IVの目的とするヒドロキサム酸の製造方法を提供する。
【0030】
化学式Iaまたは化学式IV化合物の合成方法の中で一つは、酸を相応する酸塩化物に転換させ、この酸塩化物をヒドロキシルアミンと反応させることを含む(Watanabe et al.、1989、J.Org.Chem.、54、17、4088−4097;Shishido et al.、1992、J.Org.Chem.、57、10、2876−2883)。
【0031】
化学式Iaまたは化学式IV化合物の他の製造方法は、文献[Woo et al.、2002、J.Med.Chem.45、2877−2885;Knorr et al.、1989、Tetrahedron Lett、30、1927−1930、Carpino、1993、J.Am.Chem.Soc.、115、4397−4398 and Albericio et al.、1998、J.Org.Chem.、63、9678−9683]に開示されている。
【0032】
化学式Iaまたは化学式IV化合物の他の製造方法は、文献[Stowell et al.、1995、J.Med.Chem.、38、8、1411−1413]に開示されたように、相応するエステルとヒドロキシルアミンとの反応である。
【0033】
化学式Iaまたは化学式IVのアミドの合成は、文献[J.Zabicky in 「The Chemistry of Amides」、 in the Serial of S.Patai(ed)、「The Chemistry of Functional Groups」、John Wiley&Sons、1975、p.74−131]に開示されている。チオアミドの製造方法は、文献[Houben−Weyl、J.Falbe(ed.)、G.Thieme Verlag、vol.E5、p.1219−59]に開示されている。スルファアミドの製造方法は、文献[Caldwell et al.、J.Am.Chem.Soc.1944、66、1479−82;またはFlynn et al.、Med.Chem.Res.、1998、8、219−43及びDziadulewicz et al.、Bioorg.Med.Chem.Lett.2001、11、5、705−10]に開示されている。
【0034】
本発明の化学式III化合物の可能な一つの製造方法は、WO99/38846と同様である。ここには、G、Lが炭素原子で、Mが窒素であるか(14ページ)、またはMが炭素原子で、G及びLが窒素原子であるか(16ページ)、またはL及びMが炭素原子で、Gが窒素であるか、またはG、M及びLが炭素原子である(19ページ)化学式IIIの化合物に対する合成が開示されている。
【0035】
化学式IVの相異なった尿素の製造方法は、WO99/38846、文献[Organic Synthesis on Solid Phase、Ed.F.Z.Dorwald、p.331ff、Wiley−VCH、Weinheim、1999またはHouben−Wely、vol.E4、Kohlensaure−Derivate[Carboxylic acid derivatives]Publisher Hagemann、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、1983]に開示されており、非対称尿素は、文献[R.A.Batey、Tetrahedron Letters 1998、39、6267−70]に開示されている。チオ尿素の例は、文献[Bulll.Soc.Chim.、Belg.Synth.1978、87、229−38、Org.Synth. 1984、62、158−64またはChem.Rev.1961、61、45−86 J.Comb.Chem.、2000、2、75−79 and Houben−Wely、Vol.E4、Kohlensaure−Derivate[Carbonic acid derivatives]、Editor Hagemann、Georg Thieme Verlag、Stuttgart、1983、484−505]に開示されている。
【0036】
化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、非芳香族環系Aは4、5、6、7または8、好ましくは5個の炭素原子を含有する。環系Aは置換体−CZ−及び−CZを有する炭素原子の間にある少なくとも一つの二重結合を含む。好ましい実施態様において、本発明の化合物は、二重結合だけを含有する。二つ以上の二重結合の場合に、これらの二重結合は共役しない。環系A中の炭素原子中の一つ以上は基Xにより置換でき、この時XはS、O、N、NR、SO、CO及びSOからなるグループの中から選択される。一つの好ましい実施態様において、一つの炭素原子は基X=S、X=COまたはX=Oにより置換される。より好ましい実施態様において、炭素原子の中でいずれも基Xにより置換されない。
【0037】
もう一つの好ましい実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、Aは1−シクロペンテン−1、2−ジイル、2、5−ジヒドロ−チオフェン−3、4−ジイル、2、5−ジヒドロ−フラン−3、4−ジイル、2、5−ジヒドロ−1H−ピロロ−3、4−ジイル、2、5−ジヒドロ−1−メチル−ピロロ−3、4−ジイル、2、5−ジヒドロ−1−エチル−ピロロ−3、4−ジイル、2、5−ジヒドロ−1−アセチル−ピロロ−3、4−ジイル、2、5−ジヒドロ−1−メチル−スルファニル−ピロロ−3、4−ジイルである。
【0038】
もう一つの好ましい実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、Aは1−シクロブテン−1、2−ジイル、1−シクロヘキセン−1、2−ジイル、1−シクロヘプテン−1、2−ジイルまたは1−シクロオクテン−1、2−ジイルである。
【0039】
もう一つの好ましい実施態様において、化学式Iまたは化学式Iaの化合物で、1−シクロブテン−1、2−ジイル環系上の3番位置。
【0040】
もう一つの好ましい実施態様において、化学式Iまたは化学式Iaの化合物で、1−シクロブテン−1、2−ジイル環系上の5番位置。
【0041】
化学式I、化学式Iaまたは化学式IIIの化合物で、Rは、好ましくはOH、OCH、SH、COHまたはSOHまたはテトラゾルである。
化学式Iの化合物で、Rは好ましくはHである。
【0042】
化学式Iの化合物で、RはH、OR、好ましくはOHまたはORである。
化学式Iaの化合物で、Rは好ましくはNHOHである。
化学式IVの化合物で、Rは好ましくはOH、NH、NHOH、NHR、NRORまたはORである。
【0043】
好ましい実施態様において、化学式I、または化学式IVの化合物で、Rはベンゾイルオキシメチル、イソブチリルオキシメチル、4−アミノ−ブチリルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、1−(ブチリルオキシ)エチル、1−(ブチリルオキシ)−2、2−ジメチルプロピル、1−ジエチル−ホスホノオキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)−アセチルオキシメチル、p−アミノベンゾイル−メチル、ニコチニロキシメチル、ピバリルオキシメチル、グルタリルオキシメチル、[2−(2−メトキシ−エトキシ)エトキシ]−アセチルオキシメチル、2−(モルホリン−4−イル)−エチル、1−ジエチル−ホスホノーオキシメチルである。
【0044】
化学式I、化学式Ia、化学式II、化学式III、化学式IV、または化学式Vの化合物で、RはH、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、O−アリール、O−シクロアルキル、ハロゲン、アミノアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシルアミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキルオキシ、ヘテロアリール、アルキルチオ、S−アリール、S−シクロアルキル、アリールアルキル、好ましくはHである。
【0045】
化学式I、化学式Ia、化学式III、または化学式IVの化合物で、RはH、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール、好ましくはHである。
【0046】
化学式I、化学式Ia、または化学式IVの化合物で、RはHまたはアルキル、好ましくはHまたはメチルである。
化学式I、化学式Ia、または化学式IVで、Z及びZはそれぞれ独立的にO、SまたはNRであり、好ましくは、両方がOである。
化学式IIIでZはO、SまたはNRであり、好ましくはOである。
【0047】
化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVで、Yは水素、ハロゲン、アルキル、置換または非置換されたシクロアルキル、置換または非置換されたE、置換または非置換されたO−E、置換または非置換されたO−アルキルアリール、置換または非置換されたO−アリールアルキルで、置換の場合は、アルキル−、シクロアルキル−、またはアリール−基の一つ以上の水素原子のハロゲンによる置換が好ましい。また、Yは下記の化学式でもよい。
【化9】

(上式でA、X、R、R、R、Z、Z及びpは上で定義した意味を有する)。好ましくは、YはEであり、より好ましくは、Yは任意に置換されたフェニルである。
【0048】
化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVで、Eは一つ以上の置換体R′により任意に置換されたアルキルまたはシクロアルキル基であるか、またはEは少なくとも一つの芳香族環を含有し、またS、O、N、NR、SO及びSOの中から選択された一つ以上の基Xを含有することができる置換または非置換された単環式または多環式環系である。好ましい実施態様において、Eは単環式芳香族環または芳香族二環式または三環式環系、またはシクロアルキルである。環系中の炭素原子の置換の場合は、好ましくは1、2または3個の炭素原子が上で定義した通り基Xで置換される。
【0049】
化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVで、Eは、好ましくは一つ以上の置換体R′により任意に置換されたフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラシル及び2−アントラシルである。
【0050】
本発明の好ましい実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVで、Eは一つ以上の置換体R′により任意に置換されたフェニル、または一つ以上の置換体R′により任意に置換されたシクロアルキルである。
【0051】
化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVで、好ましい置換体R′はニトロ、ハロゲン、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、ヘテロアリール、アルキルまたはアリールであり、より好ましくは、R′はBr、F、Cl、CF、OCF、エトキシまたはメトキシである。
【0052】
化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVで、好ましいヘテロアリール基は、イミダゾリル、チエニル、フラニル、ピリジル、ピリミジル、ピラニル、ピラゾリル、ピラジニル、チアゾリル、1H−テトラゾル−2−イル、1H−テトラゾル−3−イルまたはオキサゾリルである。
【0053】
化学式Iで、tは好ましくは1または2である。
化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVで、tは好ましくは0、1または2である。
化学式Iで、vは好ましくは0または1である。
化学式Iaまたは化学式IVで、sは好ましくは0または1である。
【0054】
化学式IIIで、rは好ましくは0である。
化学式IIIで、Lは好ましくは炭素または窒素原子である。
化学式IIIで、Mは好ましくは窒素原子または炭素原子である。
化学式IIIで、Gは好ましくは炭素、COまたは窒素原子である。
【0055】
本発明の特に好ましい実施態様において、化学式IIIの化合物で、L、M及びGは炭素原子で、rは0で、qは0で、tは1で、EはF、Cl及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、YはF、Cl及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、Aは5員環である。
【0056】
本発明の特に好ましい実施態様において、化学式IIIの化合物で、L、M及びGは炭素原子で、rは0で、tは1で、EはF、Cl及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、YはHまたはFで、Aは5員環である。
【0057】
本発明の特に好ましいもう一つの実施態様において、化学式IIIの化合物で、Lは炭素原子で、Mは窒素原子で、GはCOで、rは0で、qは0で、tは1で、EはF、Cl及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、YはF、Cl及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、Aは5員環であり、点線は存在しない。
【0058】
本発明の特に好ましいもう一つの実施態様において、化学式IIIの化合物で、Lは炭素原子で、Mは窒素原子で、GはCOで、rは0で、tは1で、Eは F、Cl及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、YはHまたはFで、Aは5員環であり、点線は存在しない。
【0059】
本発明の特に好ましい他の実施態様において、化学式IIIの化合物で、L及びMは窒素原子で、GはCOで、rは0で、qは0で、tは1で、EはF、Cl及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、YはF、Cl及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、Aは5員環であり、点線は存在しない。
【0060】
本発明の特に好ましい他の実施態様において、化学式IIIの化合物で、L及びMは窒素原子で、GはCOで、rは0で、tは1で、EはF、Cl及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、YはHまたはFで、Aは5員環であり、点線は存在しない。
【0061】
また、特に好ましい実施態様において、化学式IIIの化合物で、L及びMは炭素原子で、Gは窒素原子で、ZはOで(したがってr=1)、qは0で、tは1で、EはF、Cl及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、YはF、Cl及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、Aは5員環であり、点線は結合である。
【0062】
更に、特に好ましい実施態様において、化学式IIIの化合物で、L及びMは炭素原子で、Gは窒素原子で、ZはOで(したがってr=1)、tは1で、EはF、Cl及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、YはHまたはFで、Aは5員環で、点線は結合である。
【0063】
更に、特に好ましい実施態様において、化学式IIIの化合物で、Mは炭素原子で、L及びGは窒素原子で、EはF、Cl及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、YはF、Cl及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、Aは5員環で、点線は結合である。
【0064】
更に、特に好ましい実施態様において、化学式IIIの化合物で、Mは炭素原子で、L及びGは窒素原子で、EはF、Cl及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、YはHまたはFで、Aは5員環であり、点線は結合である。
【0065】
化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、DはO、S、SO、NRまたはCHである。Dは好ましくはSまたはより好ましくはO(m=1の場合)である。
【0066】
他の好ましい実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、m及びqは0で、Yは水素、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アルキル、シクロアルキルまたはE、好ましくはF、CF、OCF、一つ以上の置換体R′により任意に置換されたフェニル、またはより好ましくは一つ以上のF、Cl、メトキシ、エトキシ、CFまたはOCFにより任意に置換されたフェニルである。
【0067】
本発明の特に好ましい実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、qは0で、tは1で、Aは炭素環式非芳香族環系で、YはHまたはFであるか、またはEはCl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニルである。
【0068】
本発明の特に好ましいもう一つの実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、qは0で、tは1で、Aは炭素環式非芳香族環系で、E及びYはそれぞれ置換または非置換されたフェニレン及びフェニルである。
【0069】
また、特に好ましい実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、DはO(したがってm=1)で、RはH(したがってn=1)で、qは1で、tは1で、EはCl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、Yはまた、Cl、F及び/またはCF、メトキシ、エトキシまたはOCFで非置換または置換されたフェニルで、Aは炭素環式非芳香族環系である。
【0070】
更に、特に好ましい実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、DはO(したがってm=1)で、nは0で、qは1で、tは1で、EはCl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、Yはまた、Cl、F及び/またはCF、メトキシ、エトキシまたはOCFで非置換または置換されたフェニルで、Aは炭素環式非芳香族環系である。
【0071】
更に、特に好ましい実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、DはS(したがってm=1)で、nは0で、qは1で、tは1で、EはCl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、Yはまた、メトキシ、エトキシ、Cl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニルで、Aは炭素環式非芳香族環系である。
【0072】
本発明の特に好ましい実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、qは0で、tは1で、Aは一つの炭素原子がOにより置換された非芳香族環系であるか、またはYはHまたはFで、EはCl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニルである。
【0073】
本発明の特に好ましいもう一つの実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、qは0で、tは1で、Aは一つの炭素原子がOにより置換された非芳香族環系であるか、またはE及びYはそれぞれ置換または非置換されたフェニレン及びフェニルである。
【0074】
また、特に好ましい実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、DはO(したがってm=1)で、RはH(したがってn=1)で、qは1で、tは1で、EはCl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、Yはまた、メトキシ、エトキシ、Cl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニルで、Aは一つの炭素原子がOにより置換された非芳香族環系である。
【0075】
更に、特に好ましい実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、DはO(したがってm=1)で、nは0で、qは1で、tは1で、EはCl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、Yはまた、Cl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニルで、Aは一つの炭素原子がOにより置換された非芳香族環系である。
【0076】
更に、特に好ましい実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物でDはS(したがってm=1)で、nは0で、qは1で、tは1で、EはCl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、Yはまた、メトキシ、エトキシ、Cl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニルで、Aは一つの炭素原子がOにより置換された非芳香族環系である。
【0077】
本発明の特に好ましい実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、qは0で、tは1で、Aは一つの炭素原子がSにより置換された非芳香族環系であるか、またはYはHまたはFで、EはCl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニルである。
【0078】
本発明の特に好ましいもう一つの実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物でqは0で、tは1で、Aは一つの炭素原子がSにより置換された非芳香族環系であるか、またはE及びYはそれぞれ置換または非置換されたフェニレン及びフェニルである。
【0079】
また、特に好ましい実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、DはO(したがってm=1)で、RはH(したがってn=1)で、qは1で、tは1で、EはCl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、Yはまた、メトキシ、エトキシ、Cl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニルで、Aは一つの炭素原子がSにより置換された非芳香族環系である。
【0080】
更に、特に好ましい実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、DはO(したがってm=1)で、nは0で、qは1で、tは1で、EはCl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、Yはまた、メトキシ、エトキシ、Cl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニルで、Aは一つの炭素原子がSにより置換された非芳香族環系である。
【0081】
更に、特に好ましい実施態様において、化学式I、化学式Ia、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、DはS(したがってm=1)で、nは0で、qは1で、tは1で、EはCl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、Yはまた、メトキシ、エトキシ、Cl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニルで、Aは一つの炭素原子がSにより置換された非芳香族環系である。
【0082】
化学式I、化学式Ia、化学式II、化学式IIIまたは化学式IVの化合物で、qは0または1である。qが1でnが0または1の場合、Dは好ましくはO(m=1の場合)である。
【0083】
本発明の特に好ましい実施態様において、化学式Iの化合物で、tは1で、ZはOで、ZはOで(したがってr=1)、XはCOで、EはCl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、Yはまた、メトキシ、エトキシ、Cl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニルで、Aは5員芳香族環系で、RはRに結合された窒素原子と共に6員複素環を形成するが、Rは−[CH]で、Rは存在せず、Aは5員炭素環系である。
【0084】
本発明の特に好ましい実施態様において、化学式Iの化合物で、tは1で、ZはOで、ZはOで(したがってr=1)、XはCOで、EはCl、F及び/またはCFまたはOCFで非置換または置換されたフェニレンで、YはHまたはFで、RはRに結合された窒素原子と共に6員複素環を形成するが、Rは−[CH]で、Rは存在せず、Aは5員炭素環系である。
【0085】
本発明で使う化学式I、化学式Ia、化学式III、または化学式IVの化合物は、無機または有機酸または塩基と塩を形成できる。このような塩の例としては、アルカリ金属塩、特にナトリウム及びカリウム塩、またはアンモニウム塩がある。
【0086】
本発明の化合物を、ピリミジン代謝の抑制が有益な人間及び動物の多様な疾病、好ましくは人間の疾病に使用することができる。そのような疾病には下記のものがある。
−繊維症、葡萄膜炎、鼻炎、喘息または関節病症、特に関節症
−全ての形態のリウマチ
−急性免疫学的事件及び疾患、例えば敗血症、敗血性ショック、内毒素性ショック、グラム陰性菌敗血症、毒性ショック症候群、急性呼吸困難症候群、発作、再潅流傷害、CNS損傷、深刻な形態のアレルギー、移植片対宿主及び対宿主性移植片反応、アルツハイマー病または発熱、再狭窄症、慢性肺炎症性疾病、珪肺症、肺サルコイドー症、骨再吸収疾病。これらの免疫学的事件は、また、免疫システムの好ましい調節及び抑制を含む、
−全ての類型の自家免疫疾病、特にリウマチ関節炎、リウマチ脊椎炎、骨関節炎、通風性関節炎、多発性硬化症、インシュリン依存性糖尿病及び非インシュリン依存性糖尿病、及び紅班性狼瘡、潰瘍性大膓炎、慢性炎症、炎症性腸疾患だけでなく、他の慢性炎症、慢性下痢、
−乾癬のような皮膚疾患
−進行性網膜萎縮
−日和見感染を含む全ての種類の感染。
【0087】
本発明に係る化合物及びこれを使用して製造した薬剤は、細胞増殖疾患の治療、免疫学的疾病及び症状(例えば、炎症疾患、神経免疫学的疾患、自家免疫疾患等)の治療、または予防に一般的に有用である。
【0088】
本発明の化合物は、また、免疫調節及び消炎薬剤の開発、またより一般的には、ピリミジン生合成の抑制が有益な疾病の治療に有用である。
【0089】
本発明の化合物は、更に、悪性細胞増殖により引き起こされる疾病、例えば、全ての形態の血液癌及び固形癌の治療に有用である。従って、本発明に係る化合物及びこれを使用して製造した薬剤は、細胞活性化、細胞増殖、細胞生存、細胞分化、細胞周期、細胞成熟及び細胞死の調節、または代謝の体系的変化、例えば、糖、脂質、または蛋白質代謝変化を誘導するのに一般的に有用である。これらは、例えば、毒性剤、照射、免疫療法、成長欠陥、栄養失調、吸収不良、免疫調節障害、貧血等により引き起こされる細胞の減少、または破壊後血球成長及び発生(前造血効果)を含む細胞発生形成を支援するか、または組織発生及び退化の治療学的調節、及び細胞及び組織維持及び血球恒常性の治療学的変更を提供するために使用することもできる。
【0090】
これらの疾病及び症状には、非制限的に血液癌(例えば、白血病、リンパ腫、骨髄腫)または固形腫瘍(例えば、乳癌、前立腺癌、肝癌、膀胱癌、肺癌、食道癌、胃癌、結腸直膓癌、非尿生殖器癌、胃腸癌、皮膚癌、膵贓癌、脳癌、子宮癌、結腸癌、頭頸部癌、及び卵巣癌、黒色腫、星状細胞腫、小細胞肺癌、神経膠腫、基底及び扁平細胞癌腫、カポジ肉腫及び骨肉腫などの肉腫)、再生不良性貧血及びディジョージ症候群、グレーブス病等、T−細胞関連疾患がある。
【0091】
レフルノミドは、細胞培養液の中でHCMV複製を抑制することが既に明らかになっている。眼部帯状疱疹は、先進国で感染性失明の最も一般的な原因である。米国だけで年間略50、000件が発生する。このうち、90%は、初期感染の再発である。再発は抗ウイルス剤及びコルチコステロイドで治療する。もう一つのヘルペスウイルスである巨大細胞ウイルスは、エイズ患者においては、網膜損傷及び失明の一般的な原因になる。本発明の化合物を単独で、または他の抗ウイルス化合物、例えば、ガンシクロビル及びフォスカネットと共に使用することによって、そのような疾病を治療することができる。
【0092】
また、本発明の化合物は人間及び動物において、原生動物感染により引き起こされる疾病に使用することができる。そのような獣医及び人間病原性原生動物は、好ましくは、アピコンプレクサ門または肉質鞭毛虫門の細胞内活動寄生虫、特にトリパノソーマ、プラースモーディア、リーシュマニア、バベシア及びタイレリア、クリプトスポリジア(Cryptosporidia)、サクロシスチダ(Sacrocystida)、アメーバ症、コクシジウム類及びトリチョモナジア(Trichomonadia)である。これらの有効物質または相応する薬物は、熱帯熱マラリア原虫により引き起こされる熱帯型マラリア、三日熱マラリア原虫または卵形マラリア原虫により引き起こされる三日熱マラリアの治療、及び四日熱マラリア原虫により引き起こされる四日熱マラリアの治療に特に適している。これらの物質は、更にトキソプラズマゴンジ(Toxoplasma gondii)により引き起こされるトキソプラズマ症、例えば、イソスポラベリー(Isospora belli)により引き起こされるコクシジウム症、ブタ肉胞子虫により引き起こされるインテスチナルサーコスポリジオシス(Intestinal Sarcosporidiosis)、赤痢アメーバにより引き起こされる赤痢、クリプトスポリジウムパルヴムにより引き起こされるクリプトスポリジウム症、クルーズトリパノソーマにより引き起こされるシャーガス病、トリパノソーマブルーセイローデシエンス(Trypanosoma brucei rhodesiens)またはガンビエンス(gambiense)により引き起こされる睡眠病、皮膚と内臓のみならず、他の形態のリーシュマニオシス(Leishmaniosis)の治療に適している。これらの物質は、更に牛の東海岸熱を引き起こす病源体であるタイレリアパルブア(Theileria parva)、アフリカで家畜のナガナ病を引き起こす病源体であるトリパノソーマコンゴレンゼコンゴレンゼ(Trypanosoma congolense congolense)またはトリパノソーマビバクスビバクス(Trypanosoma vivax vivax)、トリパノソーマブルーセイブルーセイ(Trypanosoma brucei brucei)、スーラ病を引き起こすトリパノソーマブルーセイエバンシ(Trypanosoma brucei evansi)、牛及びバッファローのテキサス熱を引き起こす病源体であるバベシアビゲミナ、ヨーロッパ牛のバベシア症のみならず、犬や猫、及び羊のバベシア症を引き起こす病源体であるバベシアボビス、羊や牛、及び豚のサーコシスチオシス(Sarcocystiotis)を引き起こす病源体であるサーコシスチスオビカニス(Sarcocystis ovicanis)とサーコシスチスオビフェリス(Sarcocystis ovifelis)、牛及び鳥類のクリプトスポリジウム症を引き起こすクリプトスポリジア(Cryptosporidia)、うさぎ、牛、羊、ヤギ、豚及び鳥類、特に、ニワトリと七面鳥のコクシジウム症を引き起こす病源体であるアイメリア属及びイソスポラ属種のような、獣医病原性原生動物により感染された動物の治療に適している。本発明の化合物の用途は、コクシジウム症あるいはマラリア感染の治療、または疾病治療用の薬物、または飼料の製造に特に好ましい。そのような治療は予防的または治癒的に使用できる。マラリアの治療の際、本発明の化合物を他の抗マラリア剤と併用できる。
【0093】
本発明の化合物は、更に、ウイルス感染、また例えばニューモシスティスカリニにより引き起こされた他の感染に使用することができる。
【0094】
化学式I、Ia、IIIまたは化学式IVの化合物及びその薬理学的に許容可能な塩を、動物、好ましくは哺乳動物、及び特に人間、犬及びニワトリに治療剤自体として、相互混合物として、または腸内や非経口使用を許容し、薬理学的に無毒性の通常の賦形剤と添加剤以外の有効成分として、化学式I、Ia、IIIまたは化学式IVの一つ以上の化合物の有効容量、またはその塩を含む医薬品の形態で投与できる。化学式I、Ia、IIIまたは化学式IVの化合物をまた、それぞれの化合物を生理学的に許容可能な酸、及び塩基と反応させることによって得られる化合物の塩の形態で投与できる。
【0095】
治療剤を、例えば丸薬、錠剤、コート錠剤、糖衣錠、硬質軟質ゼラチンカプセル、溶液、シロップ、エマルジョンまたは懸濁液の形態、またはエアロゾル混合物として経口で投与できる。一方、投与は例えば、坐剤の形態で直腸を通じ、または、例えば注射あるいは注入の形態の非経口で、または、例えば軟膏、クリームあるいはチンキ剤の形態で皮膚を通して行うこともできる。
【0096】
薬剤組成物は、化学式I、Ia、IIIまたは化学式IVの有効化合物に加え、通常不活性のキャリア材料または賦形剤を含むことができる。従って、医薬品はまた添加剤、例えば充填剤、増量剤、錠剤分解物質、結合剤、流動促進剤、湿潤剤、安定剤、乳化剤、保存剤、甘味剤、着色剤、香味料、または芳香剤、緩衝物質、更に、溶媒や可溶化剤、またはデポ効果(depot effect)を得るのための作用剤だけでなく、浸透圧を変化させるための塩、コート錠剤、または酸化防止剤も含むことができる。薬剤組成物は、また、二つ以上の化学式I、Ia、IIIまたは化学式IVの化合物、あるいはその薬理学的に許容可能な塩及び他の治療有効物質を含むことができる。
【0097】
従って、本発明の化合物を、一つの物質形態で単独または他の有効化合物等と共に、例えば、疾病の治療に対して、既に公知されている薬剤と共に使用することができ、併用の場合、有利で付加的な増大効果が注目される。人間に対する適合した投与量は5ないし500mgの範囲である。
【0098】
医薬品を製造するため、薬理学的に不活性の無機、または有機賦形剤を使用することができる。丸剤、錠剤、コート錠剤及び硬質ゼラチンカプセルを製造するため、例えば乳糖、とうもろこし澱粉、あるいはその誘導体、滑石、ステアル酸、またはその塩などを使用することができる。軟質ゼラチンカプセル及び坐剤に対する賦形剤としては、例えば脂肪、ワックス、半固体及び液体ポリオール、天然または硬化油などがある。溶液及びシロップを製造するのに適した賦形剤は、例えば、水、スクロース、転化糖、グルコース、ポリオールなどである。注射液の製造に適した賦形剤は、例えば、水、アルコール、グリセロール、ポリオールまたは植物性油脂である。
【0099】
容量は広範に変化させることができ、各個人の対しては、個人の状況に適したものでなければならない。前述の用途に対して適した投与量は、投与方式、治療する特定の症状及び目的とする効果により変わる。しかし、一般的には動物の体重1kg当たり約1ないし100mg、好ましくは1ないし50mgの容量で満足できる結果が得られる。大型哺乳類、例えば人間に適した容量は、便宜上一日一回投与、2ないし4回分割投与、または持続放出式の方法で、約10mgないし3g/日程度である。
【0100】
一般に、本発明に係る好ましい投与形態である経口投与の場合、一日の容量は、人間の場合、一人当たり10mgないし5000mg、好ましくは50ないし500mgが適している。他の投与形態の場合もまた、一日の容量はほぼ同じ範囲である。
【0101】
化学式I、Ia、IIIまたは化学式IVの化合物を、また、生体内で有効化合物を放出するプロドラッグ(プロドラッグ)の形で、もしくは適切に変形した形態で使用することができる。RまたはRの好ましい実施態様のようなプロドラッグは、例えば遊離酸基をエステル基で遮断して得ることができ、順に生体内で遊離酸基に転換される[F.W.Sum et al.Bioorg.& Med.Chem.Lett.9(1999),1921−1926;Ada Rephaeli et al.Drug Development Research 50(2000)379−391;H.Ishikawa,Current Med.Chem.6(1999),575−597]。RまたはRの好ましい実施態様に対する追加のプロドラッグは、文献[J.Herr,Bioorg.& Med.Chem.Lett.10(2002),3379−3393]の開示の通り、カルボキシル酸基に対するもう一つの代謝−耐性等比体積の置換の場合のテトラゾールである。Rの好ましい実施態様に対する他のプロドラッグは、例えばアミジンをヒドロキシ基で遮断して得ることができ、順に生体内で遊離アミジンに転換される[R.M.Scarborough,J.Med.Chem.43,19,(2000),3454−3473]。
【0102】
1.シクロペンタ−1−エン−1、2、3−トリカルボキシル酸モノアミド及びシクロペンタ−1−エン−1、2、5−トリカルボキシル酸モノアミド及び誘導体の合成
クロロホルム(3ml)中に溶解されたシクロペンタ−1−エン−1、2−ジカルボン酸メチルエステル(1当量、1ミリモル)の溶液を、還流下に70℃で加熱して300Wの太陽灯を照射した。N−ブロムスクシンイミド(1.05当量)を加熱し、3時間の期間にわたって照射しながら、少しずつ添加した。加熱及び照射は、2時間続けた。反応が終了した後、(TLCで観察)、混合物を室温まで冷却し、溶媒を真空下で除去して残留物をヘキサン/エチルアセテート勾配を使用してフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3−ブルモ−シクロペンタ−1−エン−1、2−ジカルボン酸ジメチルエステルを60ないし80%収率で得た。
【0103】
3−ブルモ−シクロペンタ−1−エン−1、2−ジカルボン酸ジメチルエステルを不活性条件下アセトニトリルに溶解させた。テトラエチルアンモニウムシアン化物(1.1当量)を一度に添加した。混合物を反応の終了時まで(TLCで2時間観察)不活性気体下で撹拌した。溶媒を真空下で除去して残留物をヘキサン/エチルアセテート勾配を使用してフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3−シアノ−シクロペンタ−1−エン−1、2−ジカルボン酸ジメチルエステルを25%収率で得た。
【0104】
3−シアノ−シクロペンタ−1−エン−1、2−ジカルボン酸ジメチルエステルを濃塩酸に溶解させて4時間還流させた。溶媒を真空下で除去した。HPLCにより生成残留物を精製して50%収率で生成物を得た。シクロペンタ−1−エン−1、2、3−トリカルボキシル酸を酢酸無水物に懸濁させて8時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、生成された粗生成物を追加の精製せずに使用した。
【0105】
生成された無水物(1当量、1ミリモル)をジクロロメタン(3ml)に溶解させて、4−アミノビフェニル誘導体(1当量、1ミリモル)を溶液に添加した。室温で18時間撹拌した後、溶媒を真空下で除去し、HPLCにより残留物を精製して、シクロペンタ−1−エン−1、2、3−トリカルボキシル酸モノアミド及びシクロペンタ−1−エン−1、2、5−トリカルボキシル酸モノアミド誘導体を得た。
【0106】
2.シクロペンタ−1−エン−1、2−ジカルボン酸2−ヒドロキシアミド1−モノアミド誘導体の合成
ジメチルフォルムアミド(3ml)中のシクロ−1−エン−1、2−ジカルボン酸モノアミド(1当量、1ミリモル)及びTBTU(1当量、1ミリモル)の溶液を室温で10分間撹拌した。その後、O−t−ブチルヒドロキシルアミンヒドロクロライド(1当量、1ミリモル)及びN、N−ジイソプロピルエチルアミン(1当量、1ミリモル)を加えて溶液を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、HPLCにより残留物を精製して純粋な生成物を得た。
【0107】
3.3−ヒドロキシ−シクロペンテン−ジカルボン酸−モノアミド及び5−ヒドロキシ−シクロペンテン−ジカルボン酸−モノアミドの合成
クロロホルム(3ml)中の5、6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[c]フラン−1、3−ジオン(1当量、1ミリモル)の溶液を還流下に70℃で加熱した。溶液を300Wの太陽灯で照射する間、N−ブロムスクシンイミド(1.2当量、1.2ミリモル)を少しずつ添加した。1時間後に、この溶液を室温まで冷却して、溶媒を真空下で除去した。残留物をジクロロメタン(3ml)に溶解させて、4−アミノ−ビフェニル−誘導体(1当量、1ミリモル)を添加した。溶液を室温で18時間撹拌した。溶媒を真空下で除去して残留物をアセトニトリル/水に溶解させ、HPLCにより精製して、3−ヒドロキシ−シクロペンテン−ジカルボン酸−モノアミド及び5−ヒドロキシ−シクロペンテン−ジカルボン酸−モノアミドを得た。
【0108】
4.シクロペンテンジカルボン酸2−モノアミド1−アルキルエステルの合成
5、6−ジヒドロ−4H−シクロペンタ[c]フラン−1、3−ジオン(1当量、1ミリモル)をそれぞれのアルコール(3ml)に溶解させ、室温で18時間撹拌して目的とするモノアルキルエステルを得た。その後、溶媒を真空下で除去し、追加の精製せずに残留物を次の段階で使用した。
【0109】
シクロペンタ−1−エン−1、2−ジカルボン酸モノアルキルエステル(1当量、1ミリモル)をジクロロメチレンに溶解させて、塩化チオニル(1.2当量、1.2ミリモル)を氷冷下混合した。混合物を室温で1時間撹拌して溶媒を真空下で除去した。また、追加の精製せずに生成物を次の段階で使用した。
【0110】
2−クロロカーボニル−シクロペンタ−1−エンカルボキシル酸アルキルエステルをジクロロメチレン(3ml)に溶解させてそれぞれの4−アミノ−ビフェニルを一度に添加した。混合物を室温で18時間撹拌した後、溶媒を真空下で除去した。生成物を再結晶により精製した。
【実施例1】
【0111】
3−(3−フルオロ−3′−メトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−シクロペンタ−2−エン−1、2−ジカルボン酸LC/(+)−ESI−MS:m/z=400[M+H]
【実施例2】
【0112】
2−(3−フルオロ−3′−メトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−シクロペンタ−1−エン−1、3−ジカルボン酸LC/(+)−ESI−MS:m/z=400[M+H]
【実施例3】
【0113】
2−(3−フルオロ−3′−メトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−シクロペンタ−1−エンカルボキシル酸メチルエステルLC/(+)−ESI−MS:m/z=370[M+H]
【実施例4】
【0114】
シクロペンタ−1−エン−1、2−ジカルボン酸1−[(3−フルオロ−3′−メトキシ−ビフェニル−4−イル)−アミド]2−ヒドロキシアミドLC/(+)−ESI−MS:m/z=371[M+H]
【実施例5】
【0115】
3−ヒドロキシ−2−(2、3、5、6−テトラフルオロ−3′−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−シクロペンタ−1−エンカルボキシル酸LC/(+)−ESI−MS:m/z=480[M+H]
【実施例6】
【0116】
5−ヒドロキシ−2−(2、3、5、6−テトラフルオロ−3′−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−シクロペンタ−1−エンカルボキシル酸LC/(+)−ESI−MS:m/z=480[M+H]
【実施例7】
【0117】
2−(3′−エトキシ−3、5−ジフルオル−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−3−ヒドロキシ−シクロペンタ−1−エンカルボキシル酸LC/(+)−ESI−MS:m/z=404[M+H]
【実施例8】
【0118】
2−(3′−エトキシ−3、5−ジフルオル−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−5−ヒドロキシ−シクロペンタ−1−エンカルボキシル酸LC/(+)−ESI−MS:m/z=404[M+H]
【実施例9】
【0119】
2−(1′、3′−ジメトキシ−3、5−ジフルオル−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−3−ヒドロキシ−シクロペンタ−1−エンカルボキシル酸LC/(+)−ESI−MS:m/z=420[M+H]
【実施例10】
【0120】
2−(1′、3′−ジメトキシ−3、5−ジフルオル−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−5−ヒドロキシ−シクロペンタ−1−エンカルボキシル酸LC/(+)−ESI−MS:m/z=420[M+H]
【実施例11】
【0121】
3−ヒドロキシ−2−(3、5、2′−トリフルオロ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−シクロペンタ−1−エンカルボキシル酸LC/(+)−ESI−MS:m/z=378[M+H]
【実施例12】
【0122】
5−ヒドロキシ−2−(3、5、2′−トリフルオロ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−シクロペンタ−1−エンカルボキシル酸LC/(+)−ESI−MS:m/z=378[M+H]
【実施例13】
【0123】
2−(2−クロロ−2′−メトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−3−ヒドロキシ−シクロペンタ−1−エンカルボキシル酸LC/(+)−ESI−MS:m/z=388[M+H]
【実施例14】
【0124】
2−(2−クロロ−2′−メトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−5−ヒドロキシ−シクロペンタ−1−エンカルボキシル酸LC/(+)−ESI−MS:m/z=388[M+H]
【実施例15】
【0125】
2−(2′−クロロ−3、5−ジフルオル−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−3−ヒドロキシ−シクロペンタ−1−エンカルボキシル酸LC/(+)−ESI−MS:m/z=394[M+H]
【実施例16】
【0126】
2−(2′−クロロ−3、5−ジフルオル−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−5−ヒドロキシ−シクロペンタ−1−エンカルボキシル酸LC/(+)−ESI−MS:m/z=394[M+H]
【実施例17】
【0127】
2−(3−フルオロ−3′−メトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−3−ヒドロキシ−シクロペンタ−1−エンカルボキシル酸LC/(+)−ESI−MS:m/z=372[M+H]
【実施例18】
【0128】
2−(3−フルオロ−3′−メトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−5−ヒドロキシ−シクロペンタ−1−エンカルボキシル酸LC/(+)−ESI−MS:m/z=372[M+H]
【0129】
3.DHODH活性の抑制分析
標準分析混合物は50μMデシクロユビキノン(decyclo ubichinone)、100μMジヒドロオロテート、60μM2、6−ジクロロインドフェノール、及び20mU DHOOHを含有した。使用した組換え酵素の体積活性は30U/mlであった。測定を50mMトリスHCl(150mM KCl、0.1%トリトンX−100、Ph8.0)の中で、30℃で最終体積1mlで行った。成分を混合し、反応はジヒドロオロテートの添加により出発した。反応過程の追跡は、600nmで2分間吸光度の減少を分光光度測定により測定することによって行った。
【0130】
抑制研究を追加の可変的な量の抑制剤を使用して標準分析で行った。IC50値(50%抑制に必要な抑制剤の濃度)を測定するために、五つ以上の相異なった抑制剤濃度を適用した。
【0131】
研究は人間の組換えDHODHだけでなく、M.Loffler教授(Marburg、ドイツ)[M.Loffler、Chem.Biol.Interact.124、(2000)、61−76]により提供されていたネズミの組換えDHODHを使用して行った。
【0132】
実施例5、6、7、8、11、12、13、14、15、16、17及び18は<1μMのIC50−値(人間のDHODH)を示した。実施例9及び10は<5μMのIC50−値(人間のDHODH)を示した。実施例1、2、3及び4は>5μMのIC50−値(人間のDHODH)を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式Iの化合物及びその塩及び、生理学的官能性誘導体において、
【化1】

上式で、
Aは炭素数4ないし8の非芳香族環系で、環系が少なくとも一つの二重結合を含み、環中の炭素原子の中で一つ以上は基Xにより置換でき、この時XはS、O、N、NR、SO、CO及びSOからなるグループの中から選択され、
DはO、S、SO、NRまたはCHで、
及びZは互いに独立的にO、SまたはNRで、
は独立的に−COR"、−SOH、−CONR*R"、−CR"O、−SO−NR*R"、−NO、−SO−R"、−SO−R*、−CN、アルコキシ、−OH、−SH、アルキルチオ、−NR"−CO−R′、−NR"−CO−R*、−NR"−SO−R′、−O−CO−R*、−O−CO−R*、−O−CO−NR*R"、シクロアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、アリールまたはヘテロアリールで、
は独立的に、H、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシまたはアルキルで、
*は独立的に、H、アルキル、シクロアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、−OH、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールで、
R"は独立的に水素、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアミノアルキルで、
はH、ORまたはNHRで、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、O−アリール、O−シクロアルキル、ハロゲン、アミノアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシルアミノ、ヒドロキシルアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、ヘテロアリール、アルキルチオ、S−アリールまたはS−シクロアルキルで、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールで、
はH、OH、アルコキシ、O−アリール、アルキルまたはアリールで、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシアルキル、アシルメチル、(アシルオキシ)アルキル、非対称(アシルオキシ)アルキルジエステルまたはジアルキルホスフェートで、
はH、アルキル、アリール、アルコキシ、O−アリール、シクロアルキルまたはO−シクロアルキルで、
は水素またはアルキルで、
Eはアルキルまたはシクロアルキル基または一つ以上の基Xを含有でき、少なくとも一つの芳香族環を含有する置換または非置換された単環式または多環式環系で、
Yは水素、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アルキル、シクロアルキル、一つ以上の基Xを含有でき、少なくとも一つの芳香族環を含有する置換または非置換された単環式または多環式環系、または
【化2】

で、
mは0または1で、
nは0または1で、
pは0または1で、
rは0または1で、
qは0または1で、
tは1ないし3で、
vは0ないし3である。
【請求項2】
下記化学式Iaの化合物及びその塩及び、生理学的官能性誘導体において、
【化3】

上式で、
Aは4、5、6、7または8個の炭素原子を含有する非芳香族環系で、環系が少なくとも一つの二重結合を含み、環中の炭素原子の中で一つ以上は基Xにより置換でき、この時XはS、O、N、NR、SO、CO及びSOからなるグループの中から選択され、
DはO、S、SO、NRまたはCHで、
及びZは互いに独立的にO、SまたはNRで、
は独立的に、H、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、−COR"、−SOH、−OH、−CONR*R"、−CR"O、−SO−NR*R"、−NO、−SO−R"、−SO−R*、−CN、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、−NR"−CO−R′、−NR"−CO−R*、−NR"−SO−R′、−O−CO−R*、−O−CO−R*、−O−CO−NR*R"、シクロアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、−SH、ヘテロアリールまたはアルキルで、
*は独立的に、H、アルキル、シクロアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、−OH、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールで、
R"は独立的に水素、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアミノアルキルで、
はNHOHであるか、またはRはRに結合された窒素原子と共に5または6員複素環を形成するが、Rは−[CH]で、Rは存在せず、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、O−アリール、O−シクロアルキル、ハロゲン、アミノアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシルアミノ、ヒドロキシルアルキル、ハロアルキルオキシ、ヘテロアリール、アルキルチオ、S−アリール、S−シクロアルキル、アリールアルキルまたはハロアルキルで、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールで、
はH、OH、アルコキシ、O−アリール、アルキルまたはアリールで、
は水素またはアルキルで、
Eはアルキルまたはシクロアルキル基または一つ以上の基Xを含有でき、少なくとも一つの芳香族環を含有する置換または非置換された単環式または多環式環系で、
Yは水素、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アルキル、シクロアルキル、一つ以上の基Xを含有でき、少なくとも一つの芳香族環を含有する置換または非置換された単環式または多環式環系、または
【化4】

で、
mは0または1で、
nは0または1で、
pは0または1で、
rは0または1で、
qは0または1で、
sは0ないし2で、
tは0ないし3であるが、下記の化合物は除外する。
環Aが6個の炭素原子、及びCZとCZ置換体間に一つの二重結合を含有する非置換された炭素環で、Z=Z=Oで、sが0の化合物、1、3、5−トリベンジル−2、4、6−トリオキソピロロ[3、4−d]イミダゾール、1、3−ジベンジル−5−(4−メトキシ−ベンジル)−2、4、6−トリオキソピロロ[3、4−d]イミダゾール、1、3−ビス−(4−メトキシベンジル)−5−ベンジル−2、4、6−トリオキソピロロ[3、4−d]イミダゾール、及び1、3−トリス−(4−メトキシベンジル)−2、4、6−トリオキソ−ピロロ[3、4−d]イミダゾール。
【請求項3】
下記化学式IIIの化合物及びその塩及び、生理学的官能性誘導体において、
【化5】

上式で、
点線は単一または二重結合を意味し、
Aは4、5、6、7または8個の炭素原子を含有する非芳香族環系で、環系が少なくとも一つの二重結合を含み、環中の炭素原子の中で一つ以上は基Xにより置換でき、この時XはS、O、N、NR、SO、CO及びSOからなるグループの中から選択され、
DはO、S、SO、NRまたはCHで、
GはO、S、SO、CO、N、NR、CRまたはCHRで、
LはNまたはCRで、
MはNまたはCRで、
はO、SまたはNR、NRCONR、CONRまたはCOで、
は独立的に、H、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、−COR"、−SOH、−OH、−CONR*R"、−CR"O、−SO−NR*R"、−NO、−SO−R"、−SO−R*、−CN、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、−NR"−CO−R′、−NR"−CO−R*、−NR"−SO−R′、−O−CO−R*、−O−CO−R*、−O−CO−NR*R"、シクロアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、−SH、ヘテロアリールまたはアルキルで、
*は独立的に、H、アルキル、シクロアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、−OH、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールで、
R"は独立的に水素、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアミノアルキルで、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、O−アリール、O−シクロアルキル、ハロゲン、アミノアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシルアミノ、ヒドロキシルアルキル、ハロアルキルオキシ、ヘテロアリール、アルキルチオ、S−アリール、S−シクロアルキル、アリールアルキルまたはハロアルキルで、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールで、
はH、OH、アルコキシ、O−アリール、アルキルまたはアリールで、
はH、OH、アルキル、アリール、アルコキシ、O−アリール、シクロアルキルまたはO−シクロアルキルで、
は水素またはアルキルで、
Eはアルキルまたはシクロアルキル基または一つ以上の基Xを含有でき、少なくとも一つの芳香族環を含有する置換または非置換された単環式または多環式環系で、
Yは水素、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アルキル、シクロアルキル、一つ以上の基Xを含有でき、少なくとも一つの芳香族環を含有する置換または非置換された単環式または多環式環系、または
【化6】

で、
mは0または1で、
nは0または1で、
pは0または1で、
rは0または1で、
qは0または1で、
tは0ないし3である。
【請求項4】
下記化学式IVの化合物及びその塩及び、生理学的官能性誘導体であって、
【化7】

上式で、
Aは4、5、6、7または8個の炭素原子を含有する非芳香族環系で、環系が少なくとも一つの二重結合を含み、環中の炭素原子の中で一つ以上は基Xにより置換でき、この時XはS、O、N、NR、SO、CO及びSOからなるグループの中から選択され、
DはO、S、SO、NRまたはCHで、
及びZは互いに独立的にO、SまたはNRで、
は独立的に、H、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、−COR"、−SOH、−OH、−CONR*R"、−CR"O、−SO−NR*R"、−NO、−SO−R"、−SO−R*、−CN、アルコキシ、アルキルチオ、アリール、−NR"−CO−R′、−NR"−CO−R*、−NR"−SO−R′、−O−CO−R*、−O−CO−R*、−O−CO−NR*R"、シクロアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシアルキルアミノ、ヘテロアリール、−SHまたはアルキルで、
*は独立的に、H、アルキル、シクロアルキル、アミノアルキル、アルコキシ、−OH、−SH、アルキルチオ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アリールまたはヘテロアリールで、
R"は独立的に水素、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはアミノアルキルで、
はHまたはOR、NHR、NRORであるか、またはRはRに結合された窒素原子と共に6員複素式環を形成するが、Rは−[CH]で、Rは存在せず、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、O−アリール、O−シクロアルキル、ハロゲン、アミノアルキル、アルキルアミノ、ヒドロキシルアミノ、ヒドロキシルアルキル、ハロアルキルオキシ、ヘテロアリール、アルキルチオ、S−アリール、S−シクロアルキル、アリールアルキルまたはハロアルキルで、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールで、
はH、OH、アルコキシ、O−アリール、アルキルまたはアリールで、
はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルコキシアルキル、アシルメチル、(アシルオキシ)アルキル、非対称(アシルオキシ)アルキルジエステルまたはジアルキルホスフェートで、
はH、OH、アルキル、アリール、アルコキシ、O−アリール、シクロアルキルまたはO−シクロアルキルで、
は水素またはアルキルで、
Eはアルキルまたはシクロアルキル基または一つ以上の基Xを含有でき、少なくとも一つの芳香族環を含有する置換または非置換された単環式または多環式環系で、
Yは水素、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルキルオキシ、アルキル、シクロアルキル、一つ以上の基Xを含有でき、少なくとも一つの芳香族環を含有する置換または非置換された単環式または多環式環システム、または
【化8】

で、
mは0または1で、
nは0または1で、
pは0または1で、
qは0または1で、
sは0ないし2で、
tは0ないし3であるが、下記の化合物は除外する。
5、5−ジメチル−4−フェニル−2−(3−フェニル−ウレイド)−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、2[3−(4−クロロフェニル−ウレイド)]−5、5−ジメチル−4−フェニル−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、2[3−(4−メトキシフェニル−ウレイド)]−5、5−ジメチル−4−フェニル−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、2[3−(4−メチルフェニル−ウレイド)]−5、5−ジメチル−4−フェニル−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、2[3−(4−ニトロフェニル−ウレイド)]−5、5−ジメチル−4−フェニル−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、4−(4−クロロフェニル)−5、5−ジメチル−2−(3−フェニル−ウレイド)−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、4−(4−クロロフェニル)−2[3−(4−クロロフェニル−ウレイド)]−5、5−ジメチル−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、4−(4−クロロフェニル)−2[3−(4−メトキシフェニル−ウレイド)]−5、5−ジメチル−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、4−(4−クロロフェニル)−2[3−(4−メチルフェニル−ウレイド)]−5、5−ジメチル−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル、または4−(4−クロロフェニル)−2[3−(4−ニトロフェニル−ウレイド)]−5、5−ジメチル−4、5−ジヒドロ−フラン−3−カルボキシル酸メチルエステル。
【請求項5】
遊離形態または薬学的に許容可能な塩または生理学的官能性誘導体形態の請求項1ないし請求項4のいずれかに定義したような化合物及び薬学的に許容可能な剤または担体を含む薬学組成物。
【請求項6】
薬剤として使用するための請求項1による化合物。
【請求項7】
薬剤として使用するための、除外された化合物を含む請求項2による化合物。
【請求項8】
薬剤として使用するための請求項3による化合物。
【請求項9】
薬剤として使用するための、化合物を含む請求項4による化合物。
【請求項10】
ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼの抑制が有益な疾病または治療徴候の治療に使用するための薬剤の製造において、請求項1に定義したような化合物またはその生理学的官能性誘導体または薬学的に許容可能な塩の用途。
【請求項11】
ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼの抑制が有益な疾病または治療徴候の治療に使用するための薬剤の製造において、請求項2で除外した化合物を含み、請求項2に定義したような化合物またはその生理学的官能性誘導体または薬学的に許容可能な塩の用途。
【請求項12】
ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼの抑制が有益な疾病または治療徴候の治療に使用するための薬剤の製造において、請求項3に定義したような化合物またはその生理学的官能性誘導体または薬学的に許容可能な塩の用途。
【請求項13】
ジヒドロオロテートデヒドロゲナーゼの抑制が有益な疾病または治療徴候の治療に使用するための薬剤の製造において、請求項4で除外した化合物を含み、請求項4に定義したような化合物またはその生理学的官能性誘導体または薬学的に許容可能な塩の用途。
【請求項14】
疾病または徴候がリウマチ、急性免疫学的疾患、自家免疫疾病、悪性細胞増殖により引き起こされる疾病、炎症性疾病、人間及び動物の原生動物感染により引き起こされる疾病、ウイルス感染及びニューモシスティスカリニにより引き起こされる疾病、繊維症、葡萄膜塩、鼻炎、喘息及び関節病症からなるグループの中から選択される請求項10ないし請求項13のいずれかに記載の用途。
【請求項15】
DHODHの抑制のための請求項1ないし請求項4のいずれかに定義したような化合物の用途。
【請求項16】
請求項1ないし請求項4のいずれかに定義したような化合物の製造方法。

【公表番号】特表2006−511564(P2006−511564A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−561332(P2004−561332)
【出願日】平成15年12月17日(2003.12.17)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014434
【国際公開番号】WO2004/056746
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(505236399)
【Fターム(参考)】