説明

抗細菌剤

哺乳動物(特に、ヒト)における細菌感染症の治療に有用なナフタレン、キノリン、キノキサリンおよびナフチリジン誘導体が本明細書に記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、それらを含有する組成物、抗細菌剤としてのそれらの使用、およびそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の抗生物質治療に耐性を持つ病原体の出現は、世界的に深刻な医療問題となっている(非特許文献1)。かくして、多剤耐性生物と闘うのに有用な新しい広域抗生物質の発見が必要となっている。重要なことに、この度、ある種の化合物が抗細菌活性を有しており、したがって、哺乳動物、特にヒトにおける細菌感染症の治療に有用であり得ることが見出された。
【非特許文献1】Chu, et al., (1996) J. Med. Chem., 39: 3853-3874
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(発明の概要)
本発明は、細菌感染症の治療に有用な、以下に記載する式(I)で示される化合物を含む。本発明はまた、式(I)で示される化合物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物である。本発明はまた、式(I)で示される化合物の製造方法、および式(I)で示される化合物の合成において有用な中間体の製造方法である。本発明また、哺乳動物、特にヒトにおける細菌感染症の治療方法である。
【0004】
(発明の詳細な説明)
本発明は、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくは誘導体を提供する:
【化1】

[式中、
1、Z3およびZ4は、独立して、NまたはCR1aであり;
2、Z5およびZ6は、各々、CR1aであり;
1およびR1aは、各場合において独立して、水素;シアノ;ハロゲン;ヒドロキシ;非置換であるか、または(C1-6)アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ピペリジル、グアニジノまたはアミジノ(いずれも、非置換であるか、または1または2個の(C1-6)アルキル、アシル、(C1-6)アルキルスルホニル、CONH2、ヒドロキシ、(C1-6)アルキルチオ、ヘテロサイクリルチオ、ヘテロサイクリルオキシ、アリールチオ、アリールオキシ、アシルチオ、アシルオキシまたは(C1-6)アルキルスルホニルオキシによってN置換されている)によって置換されている(C1-6)アルコキシ;(C1-6)アルキル;(C1-6)アルキルチオ;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;ニトロ;アジド;アシル;アシルオキシ;アシルチオ;(C1-6)アルキルスルホニル;(C1-6)アルキルスルホキシド;アリールスルホニル;アリールスルホキシド;または非置換であるか、または1または2個の(C1-6)アルキル、アシルまたは(C1-6)アルキルスルホニル基によってN置換されているアミノ、ピペリジル、グアニジノまたはアミジノ基であるか;またはR1およびZ2のR1aは一緒になってエチレンジオキシを形成し;
Aは、NR1b(C=O)またはCR23であり;
1、W2およびW3は、各々、CR45であり;
1bおよびR1dは、各場合において独立して、水素、トリフルオロメチル;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アリール;アラルキル;(C3-8)シクロアルキル;ヘテロサイクリル;またはヘテロサイクリルアルキルであり;
2、R3、R4、R5およびR6は、独立して、水素;チオール;(C1-6)アルキルチオ;ハロゲン;トリフルオロメチル;アジド;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アラルキル;アリール;ヘテロサイクリル;ヘテロサイクリルアルキル;ヒドロキシ;アミノ;NR1c1c';(C1-6)アルキルスルホニル;(C2-6)アルケニルスルホニル;または(C1-6)アミノスルホニルであり(ここで、アミノ基は、独立して、水素、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニルまたはアラルキルによって置換されていていもよい);
1cおよびR1c'は、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アラルキル;アリール;ヘテロサイクリル;ヘテロサイクリルアルキルであるか;またはそれらが結合している窒素と一緒になってアジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはヘキサメチレンイミン環を形成し(ここで、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはヘキサメチレンイミン環は、ハロゲン、ヒドロキシ;シアノ;ニトロ;(C1-6)アルキル;およびアリールから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
n'は、0または1であり;
nおよびn”は、各場合において独立して、0、1または2であり;
Uは、CH2;C(=O);またはSO2であり;
7は、環(a)および(b)の少なくとも1つが芳香族である、各環が4個までのヘテロ原子を含有する置換または非置換二環式炭素環系または複素環系(A):
【化2】

であり;
1は、芳香環の一部である場合には、CまたはNであり、非芳香環の一部である場合には、CR8であり;
2は、芳香環または非芳香環の一部である場合には、N、NR9、O、S(O)n”、COまたはCR8であり、非芳香環の一部である場合には、加えて、CR1011であってもよく;
3およびX5は、独立して、NまたはCであり;
1は、0〜4原子リンカー基であり、その各原子は、芳香環または非芳香環の一部である場合には、独立して、N、NR9、O、S(O)n”、COおよびCR8から選択され、非芳香環の一部である場合には、加えて、CR1011であってもよく;
2は、2〜6原子リンカー基であり、Y2の各原子は、芳香環または非芳香環の一部である場合には、独立して、N、NR9、O、S(O)n”、COおよびCR8から選択され、非芳香環の一部である場合には、加えて、CR1011であってもよく;
8、R10およびR11は、各場合において独立して、H;(C1-4)アルキルチオ;ハロ;(C1-4)アルキル;(C2-4)アルケニル;ヒドロキシ;ヒドロキシ(C1-4)アルキル;メルカプト(C1-4)アルキル;(C1-4)アルコキシ;トリフルオロメトキシ;ニトロ;シアノ;カルボキシ;非置換であるかまたは(C1-4)アルキルによって置換されているアミノまたはアミノカルボニルから選択され;
9は、各場合において独立して、水素;トリフルオロメチル;非置換であるかまたはヒドロキシ、カルボキシ、(C1-4)アルコキシ、(C1-6)アルキルチオ、ハロまたはトリフルオロメチルによって置換されている(C1-4)アルキル;(C2-4)アルケニル;またはアミノカルボニル(ここで、アミノ基は、(C1-4)アルキルで置換されていてもよい)である]
またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【0005】
いくつかの実施態様では、本発明は、Z1およびZ4がNであり;Z3がCR1aである、式(I)で示される化合物を記載する。
【0006】
ある種の実施態様では、本発明は、Z1およびZ3がCR1aであり;Z4がNである、式(I)で示される化合物を記載する。
【0007】
いくつかの実施態様では、本発明は、R1がOCH3である、式(I)で示される化合物を記載する。
【0008】
ある種の実施態様では、本発明は、R1aが各場合において独立して、水素;ハロゲン;またはシアノである、式(I)で示される化合物を記載する。
【0009】
いくつかの実施態様では、本発明は、Z1およびZ4がNであり;Z3がCR1aであり;Z2、Z3およびZ5のR1aが各々水素であり;Z6のR1aがフッ素またはシアノであり;R1がOCH3である、式(I)で示される化合物を記載する。
【0010】
ある種の態様では、本発明は、AがCH2であり;(CH2)nのnが1である、式(I)で示される化合物を記載する。
【0011】
いくつかの実施態様では、本発明は、n'が0である、式(I)で示される化合物を記載する。
【0012】
ある種の実施態様では、本発明は、n'が1である、式(I)で示される化合物を記載する。
【0013】
いくつかの実施態様では、本発明は、R1dが水素であり、UがCH2である、式(I)で示される化合物を記載する。
【0014】
ある種の態様では、本発明は、R1dが水素であり、UがC(=O)である、式(I)で示される化合物を記載する。
【0015】
いくつかの実施態様では、本発明は、R7が4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オキソ−6−イル;4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル;7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]−ピリジン−6−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−カルボニトリル−5−イル;7−メチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−5−イル;5−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン−7−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル;7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;または8−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルである、式(I)で示される化合物を記載する。
【0016】
ある種の実施態様では、本発明は、R7が4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オキソ−6−イル;または7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イルである、式(I)で示される化合物を記載する。
【0017】
いくつかの実施態様では、本発明は、Z1およびZ3がCR1aであり;Z4がNであり;Z2、Z3およびZ5のR1aが各々水素であり;Z6のR1aがフッ素またはシアノであり;R1がOCH3であり;AがCH2であり;(CH2)nのnが1であり;n'が0である、式(I)で示される化合物を記載する。
【0018】
ある種の実施態様では、本発明は、Z1およびZ3がCR1aであり;Z4がNであり;Z2、Z3およびZ5のR1aが各々水素であり;Z6のR1aがフッ素またはシアノであり;R1がOCH3であり;AがCH2であり;(CH2)nのnが1であり;n'が0であり;R4、R5およびR6が独立して水素;ハロゲン;(C1-6)アルキル;またはヒドロキシであり;R1dが水素であり;UがCH2または(C=O)である、式(I)で示される化合物を記載する。
【0019】
ある種の実施態様では、本発明は、Z1およびZ3がCR1aであり;Z4がNであり;Z2、Z3およびZ5のR1aが各々水素であり;Z6のR1aがフッ素またはシアノであり;R1がOCH3であり;AがCH2であり;(CH2)nのnが1であり;n'が0であり;R4、R5およびR6が独立して水素;ハロゲン;(C1-6)アルキル;またはヒドロキシであり;R1dが水素であり;UがCH2または(C=O)であり;R7が4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オキソ−6−イル;4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル;7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]−ピリジン−6−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−カルボニトリル−5−イル;7−メチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−5−イル;5−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン−7−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル;7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;または8−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルである、式(I)で示される化合物を記載する。
【0020】
ある種の実施態様では、本発明は、Z1およびZ3がCR1aであり;Z4がNであり;Z2、Z3およびZ5のR1aが各々水素であり;Z6のR1aがフッ素またはシアノであり;R1がOCH3であり;AがCH2であり;(CH2)nのnが1であり;n'が0であり;R4、R5およびR6が独立して水素;ハロゲン;(C1-6)アルキル;またはヒドロキシであり;R1dが水素であり;UがCH2または(C=O)であり;R7が4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オキソ−6−イル;または7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イルである、式(I)で示される化合物を記載する。。
【0021】
いくつかの実施態様では、本発明は、Z1およびZ3がCR1aであり;Z4がNであり;Z2、Z3およびZ5のR1aが各々水素であり;Z6のR1aがフッ素またはシアノであり;R1がOCH3であり;AがCH2であり;(CH2)nのnが1であり;n'が1である、式(I)で示される化合物を記載する。
【0022】
ある種の実施態様では、本発明は、Z1およびZ3がCR1aであり;Z4がNであり;Z2、Z3およびZ5のR1aが各々水素であり;Z6のR1aがフッ素またはシアノであり;R1がOCH3であり;AがCH2であり;(CH2)nのnが1であり;n'が1であり;R4、R5およびR6が独立して水素;ハロゲン;(C1-6)アルキル;またはヒドロキシであり;R1dが水素であり;UがCH2または(C=O)である、式(I)で示される化合物を記載する。。
【0023】
いくつかの実施態様では、本発明は、Z1およびZ3がCR1aであり;Z4がNであり;Z2、Z3およびZ5のR1aが各々水素であり;Z6のR1aがフッ素またはシアノであり;R1がOCH3であり;AがCH2であり;(CH2)nのnが1であり;n'が1であり;R4、R5およびR6が独立して水素;ハロゲン;(C1-6)アルキル;またはヒドロキシであり;R1dが水素であり;UがCH2または(C=O)であり;R7が4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オキソ−6−イル;4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル;7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]−ピリジン−6−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−カルボニトリル−5−イル;7−メチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−5−イル;5−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン−7−イル;2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル;7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;または8−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルである、式(I)で示される化合物を記載する。
【0024】
いくつかの実施態様では、本発明は、Z1およびZ3がCR1aであり;Z4がNであり;Z2、Z3およびZ5のR1aが各々水素であり;Z6のR1aがフッ素またはシアノであり;R1がOCH3であり;AがCH2であり;(CH2)nのnが1であり;n'が1であり;R4、R5およびR6が独立して水素;ハロゲン;(C1-6)アルキル;またはヒドロキシであり;R1dが水素であり;UがCH2または(C=O)であり;R7が4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オキソ−6−イル;または7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イルである、式(I)で示される化合物を記載する。
【0025】
ある種の実施態様では、本発明は、化合物が6−{[(3−{2−[6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;6−{[((3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;6−{[(3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン;7−クロロ−6−{[(3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン;N−(3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボキサミド;6−{[(3−{2−[6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;または6−{[(3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物である、式(I)で示される化合物を記載する。
【0026】
ある種の態様では、本発明は、式(I)で示される化合物の製造において有用な式(IV)で示される中間体の製造方法であって、
(a)式(II)で示される化合物を式(III)で示される化合物と反応させて、式(IV)で示される有用な中間体を得ることを含む方法を記載する:
【化3】

[式中、
1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、n、n'、W1、W2、W3、R1、R2、R3、R6およびR1dは、請求項1における定義と同じであり;
X'は、CH=CH2またはA−(CH2)n−Lであり;
Aは、CR23であり;
Lは、脱離基であり;
Pは、水素またはアミン保護基である]。
【0027】
いくつかの実施態様では、本発明は、請求項1記載の化合物の製造方法であって、
(a)式(II)で示される化合物を式(III)で示される化合物と反応させて、式(IV)で示される化合物を得ること;
(b)式(IV)で示される化合物を式(V)で示される化合物と反応させること;
(c)P(ここで、Pは水素ではない)を除去して、式(I)で示される化合物を得ること;
(d)その医薬上許容される塩または溶媒和物に変換してもよいこと;
または
(a)式(II)で示される化合物を式(III)で示される化合物と反応させて、式(IV)で示される化合物を得ること;
(b)P(ここで、Pは水素ではない)を除去すること;および
(c)工程(b)の生成物を式(V)で示される化合物と反応させて、式(I)で示される化合物を得ること;
(d)その医薬上許容される塩または溶媒和物に変換してもよいこと
を含む方法を記載する:
【化4】

[式中、
1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、n、n'、W1、W2、W3、R1、R2、R3、R6、R7、UおよびR1dは、請求項1における定義と同じであり;
X'は、CH=CH2またはA−(CH2)n−Lであり;
Aは、CR23であり;
LおよびL'は、脱離基であり;
Pは、水素またはアミン保護基である]。
【0028】
ある種の実施態様では、本発明は、式Iで示される化合物または本明細書に記載されているその実施態様のいずれか1つおよび医薬上許容される担体を含む医薬組成物を記載する。
【0029】
いくつかの実施態様では、本発明は、細菌感染症の治療方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物に式Iで示される化合物または本明細書に記載されているその実施態様のいずれかの有効量を投与することを含む方法を記載する。
【0030】
いくつかの実施態様では、本発明は、R11の(a)環および(b)環が共に以下の非限定的な例で示される芳香族である式Iで示される化合物を記載する:1H−ピロロ[2,3−b]−ピリジン−2−イル、1H−ピロロ[3,2−b]−ピリジン−2−イル、3H−イミダゾ[4,5−b]−ピリジン−2−イル、3H−キナゾリン−4−オン−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、ベンゾ[1,2,3]−チアジアゾール−5−イル、ベンゾ[1,2,5]−オキサジアゾール−5−イル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾ[b]チオフェン−2−イル、ベンゾオキサゾール−2−イル、クロメン−4−オン−3−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル、イミダゾ−[1,2−a]−ピリミジン−2−イル、インドール−2−イル、インドール−6−イル、イソキノリン−3−イル、[1,8]−ナフチリジン−3−イル、オキサゾロ[4,5−b]−ピリジン−2−イル、キノリン−2−イル、キノリン−3−イル、キノキサリン−2−イル、インダン−2−イル、ナフタレン−2−イル、1,3−ジオキソ−イソインドール−2−イル、ベンゾイミダゾール−2−イル、ベンゾチオフェン−2−イル、1H−ベンゾトリアゾール−5−イル、1H−インドール−5−イル、3H−ベンゾオキサゾール−2−オン−6−イル、3H−ベンゾオキサゾール−2−チオン−6−イル、3H−ベンゾチアゾール−2−オン−5−イル、3H−キナゾリン−4−オン−2−イル、3H−キナゾリン−4−オン−6−イル、4−オキソ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−3−イル、ベンゾ[1,2,3]チアジアゾール−6−イル、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−イル、ベンゾ[1,4]オキサジン−2−オン−3−イル、ベンゾチアゾール−5−イル、ベンゾチアゾール−6−イル、シンノリン−3−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリダジン−2−イル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−2−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル、ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアジン−3−イル、ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン−2−イル、ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン−3−イル、キナゾリン−2−イル、キノキサリン−6−イル、チアゾロ[3,2−a]ピリミジン−5−オン−7−イル、チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル、チエノ[3,2−b]ピリジン−6−イル、チアゾロ[5,4−b]ピリジン−6−イル、4−オキソ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−2−イル、1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−3−イル、チアゾロ[4,5−b]ピリジン−5−イル、[1,2,3]チアジアゾロ[5,4−b]ピリジン−6−イル、2H−イソキノリン−1−オン−3−イル。
【0031】
さらに他の実施態様では、R11は、以下の非限定的な例によって例示される非芳香族(a)環および芳香族(b)環によって定義される:(2S)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イル、(2S)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル、3−(R,S)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル、3−(R)−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−b]ピリジン−3−イル、3−(S)−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−b]ピリジン−3−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキサン−2−イル、3−置換−3H−キナゾリン−4−オン−2−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキサン−2−イル、1−オキソ−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[c]アゼピン−2−イル。
【0032】
さらに他の実施態様では、R11は、以下の非限定的な例によって例示される芳香族(a)環および非芳香族(b)環によって定義される:1,1,3−トリオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1l6−ベンゾ[1,4]チアジン−6−イル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−6−イル、4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン−6−イル(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル)、4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オン−6−イル(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン−6−イル)、4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン−7−イル、4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]チアゼピン−7−イル、5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−チアゾロ[3,2−a]ピリミジン−6−イル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]チアジン−7−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]チアジン−7−イル、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル、2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−b]ピリジン−6−イル、2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イル、2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−b]ピリジン−7−イル、6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−7−イル、6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−8−チア−1,2,5−トリアザ−ナフタレン−3−イル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル、3−置換−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン−6−イル、3−置換−3H−ベンゾオキサゾール−2−チオン−6−イル、3−置換−3H−ベンゾチアゾール−2−オン−6−イル、2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]チアジン−7−イル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン−6−イル、3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン−7−イル、3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン−7−イル、6,7−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−オン−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル、2−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−[1,8]ナフチリジン−6−イル、3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル。
【0033】
他に特に定義がない限り、単独で使用する場合または他の基(例えば、「アルコキシ」基)の一部を形成する場合の「アルキル」なる用語としては、置換または非置換の、所定の範囲の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖アルキル基が挙げられる。例えば、「(C1-6)アルキル」なる用語としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、sec−ブチル、tert−ブチルおよびイソペンチルなどが挙げられる。
【0034】
「アルケニル」なる用語は、1つの炭素−炭素単結合が炭素−炭素二重結合に置き換えられている、置換または非置換の、所定の範囲の炭素原子のアルキル基を意味する。例えば、「(C2-6)アルケニル」なる用語としては、エチレン、1−プロペン、2−プロペン、1−ブテン、2−ブテンおよびイソブテンなどが挙げられる。シス異性体およびトランス異性体のどちらも包含される。
【0035】
「シクロアルキル」なる用語は、不飽和炭素−炭素結合を2つまで含むことができる、置換または非置換の、所定の範囲の炭素原子の炭素環系をいう。例えば、「(C3-7)シクロアルキル」なる用語としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニルおよびシクロヘプチルが挙げられる。
【0036】
「アルコキシ」なる用語は、O−アルキル基をいい、ここで、アルキル基は所定の範囲の炭素原子を含有しており、本明細書で定義するとおりである。
【0037】
「アシル」なる用語は、C(=O)アルキルまたはC(=O)アリール基をいう。いくつかの実施態様では、該アルキル基は、13個またはそれ以下の炭素原子;いくつかの実施態様では、10個またはそれ以下の炭素原子;いくつかの実施態様では、6個またはそれ以下の炭素原子を含有しており;他に定義するとおりである。アリールは、本明細書で定義するとおりである。
【0038】
「アルキルカルボニル」なる用語は、(C1-6)アルキル(C=O)(C1-6)アルキル基をいい、ここで、該アルキルは、本明細書で他に定義するとおりである。
【0039】
「アルキルスルホニル」なる用語は、SO2アルキル基をいい、ここで、該アルキル基は、所定の範囲の炭素原子を含有しており、本明細書で定義するとおりである。
【0040】
「アルキルチオ」なる用語は、Sアルキルをいい、ここで、該アルキル基は、所定の範囲の炭素原子を含有しており、本明細書で定義するとおりである。
【0041】
「アミノスルホニル」なる用語は、SO2N基をいい、ここで、窒素は明示したように置換されている。
【0042】
「アミノカルボニル」なる用語は、カルボキサミド基をいい、ここで、アミドの窒素は、定義したように置換されている。
【0043】
「ヘテロサイクリルチオ」なる用語は、S−ヘテロサイクリル基をいい、ここで、ヘテロサイクリル部分は本明細書で定義するとおりである。
【0044】
「ヘテロサイクリルオキシ」なる用語は、O−ヘテロサイクリル基をいい、ヘテロサイクリルは、本明細書で定義するとおりである。
【0045】
「アリールチオ」なる用語は、S−アリール基をいい、ここで、アリールは、本明細書で定義するとおりである。
【0046】
「アリールオキシ」なる用語は、O−アリール基をいい、ここで、アリールは、本明細書で定義するとおりである。
【0047】
「アシルチオ」なる用語は、S−アシル基をいい、ここで、アシルは、本明細書で定義するとおりである。
【0048】
「アシルオキシ」なる用語は、O−アシル基をいい、ここで、アシルは、本明細書で定義するとおりである。
【0049】
「アルコキシカルボニル」なる用語は、CO2アルキル基をいい、ここで、アルキル基は、所定の範囲の炭素原子を含有しており、本明細書で定義するとおりである。
【0050】
「アルケニルオキシカルボニル」なる用語は、CO2アルキル基をいい、ここで、アルケニル基は、所定の範囲の炭素原子を含有しており、本明細書で定義するとおりである。
【0051】
「アルキルスルホニルオキシ」なる用語は、O−SO2アルキル基をいい、ここで、アルキル基は、所定の範囲の炭素原子を含有しており、本明細書で定義するとおりである。
【0052】
「アリールスルホニル」なる用語は、SO2アリール基をいい、ここで、アリールは、本明細書で定義するとおりである。
【0053】
「アリールスルホキシド」なる用語は、SOアリール基をいい、ここで、アリールは、本明細書で定義するとおりである。
【0054】
他に特に定義がない限り、いずれものアルキル、アルコキシ、アルケニルおよびシクロアルキル基の適当な置換基としては、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アミノ、アミジノ、スルホンアミド、非置換(C1-3)アルコキシ、トリフルオロメチルおよびアシルオキシからなる群から選択される3個までの置換基が挙げられる。
【0055】
ハロまたはハロゲンとしては、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードが挙げられる。
【0056】
「ハロアルキル」なる用語は、さらに1〜3個のハロゲン原子で置換されている、所定の範囲の炭素原子を含有しており、本明細書で他に定義するとおりであるアルキル基をいう。
【0057】
「ハロアルコキシ」なる用語は、さらに1〜3個のハロゲン原子で置換されている、所定の範囲の、本明細書で定義するとおりのアルコキシ基をいう。
【0058】
「ヒドロキシアルキル」なる用語は、さらにヒドロキシ基で置換されている、本明細書で定義するとおりのアルキル基をいう。
【0059】
他に特に定義がない限り、本明細書では、「複素環」または「ヘテロサイクリル」なる用語としては、各環が酸素、窒素および硫黄から選択される4個までのヘテロ原子を含有するのが適当である、置換されていてもよい芳香族および非芳香族の単一のおよび縮合した、単環式または二環式環が挙げられ、該環は、非置換であっても、例えば、(C1-4)アルキルチオ;ハロ;(C1-4)ハロアルコキシ;(C1-4)ハロアルキル;(C1-4)アルキル;(C2-4)アルケニル;ヒドロキシ;ヒドロキシ、(C1-4)アルキル;(C1-4)チオアルキル;(C1-4)アルコキシ;ニトロ;シアノ、カルボキシ;(C1-4)アルキルスルホニル;(C2-4)アルケニルスルホニル;またはアミノスルホニル(ここで、アミノ基は、(C1-4)アルキルまたは(C2-4)アルケニルによって置換されていてもよい)から選択される3個までの基によってC置換されていてもよい。
【0060】
各複素環は、適当には、環原子3〜7個、好ましくは5または6個を有する。縮合複素環系は、炭素環を含むことができ、複素環を1個だけは含む必要がある。
【0061】
ヘテロサイクリル基を含有する本発明の範囲内の化合物は、ヘテロサイクリル基の性質に依存して2種類またはそれ以上の互変異性体で生じることがあり;かかる互変異性体は全て本発明の範囲内に含まれる。
【0062】
アミノ基が上記にて定義した単一のまたは縮合した非芳香族複素環の一部を形成する場合、かかる置換アミノ基における適当な任意の置換基としては、水素;トリフルオロメチル;ヒドロキシ、(C1-4)アルコキシ、(C1-4)アルキルチオ、ハロまたはトリフルオロメチルによって置換されていてもよい(C1-4)アルキル;および(C2-4)アルケニルが挙げられる。
【0063】
「ヘテロサイクリルアルキル」なる用語は、置換基としてヘテロサイクリル基を有する(C1-6)アルキル基をいい、ここで、ヘテロサイクリルおよびアルキルは、本明細書で定義するとおりである。ヘテロサイクリル基は、(C1-6)アルキル鎖の第1炭素、第2炭素または第3炭素と結合していてよい。
【0064】
本明細書で使用する場合、「アリール」なる用語としては、置換されていてもよいフェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0065】
アリール基は、(C1-4)アルキルチオ;ハロ;(C1-4)ハロアルコキシ;(C1-4)ハロアルキル;(C1-4)アルキル;(C2-4)アルケニル;ヒドロキシ;(C1-4)ヒドロキシアルキル;(C1-4)アルキルチオ;(C1-4)アルコキシ;ニトロ;シアノ;カルボキシ;(C1-4)アルキルによって置換されていてもよいアミノまたはアミノカルボニル;(C1-4)アルキルスルホニル;(C2-4)アルケニルスルホニルから選択される5個まで、好ましくは3個までの基で置換されていてもよい。
【0066】
「アラルキル」なる用語は、置換基としてアリール基を有する(C1-6)アルキル基をいい、ここで、アリールおよびアルキルは、本明細書で定義したとおりである。アリール基は、(C1-6)アルキル鎖の第1炭素、第2炭素または第3炭素と結合していてよい。
【0067】
本発明はまた、その構造的実施態様のいくつかが溶媒和物として存在していてもよいことを意図するものである。溶媒和物は、無機または有機の所定の溶媒または溶媒混合物から結晶化することにより生成され得る。溶媒和物はまた、水のような溶媒蒸気と接触またはそれに曝露することによっても生成され得る。本発明は、その範囲内に化学量論的および非化学量論的溶媒和物(水和物を含む)を包含する。
【0068】
さらにまた、「式Iで示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくは誘導体」のようなフレーズは、式Iで示される化合物、式(I)の誘導体、式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩、式(I)の溶媒和物、またはこれらのいずれもの医薬上許容される組み合わせを包含することを意図すると理解されるであろう。かくして、例示目的で本明細書で使用される非限定的な一例として、「式Iで示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物」として、さらに溶媒和物として存在する式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩を挙げることができる。
【0069】
式(I)で示される化合物は医薬組成物における使用が意図されるものであるので、実質的に純粋な形態で、例えば、少なくとも純度60%、より適当には、少なくとも純度75%、好ましくは、少なくとも純度85%、特に、少なくとも純度98%(%は、重量対重量に基づく)で提供されることは容易に理解されるであろう。当該化合物の不純物を含む調製物は、医薬組成物において使用するためのより純粋な形態を製造するために使用することができる;当該化合物のこれらのあまり純粋ではない調製物は、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を少なくとも1%、より適当には、少なくとも5%、好ましくは、10〜59%含有すべきである。
【0070】
式(I)で示される上記化合物の医薬上許容される塩としては、遊離塩基形態またはそれらの酸付加塩もしくは第四アンモニウム塩、例えば、鉱酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸、または有機酸、例えば、酢酸、フマル酸、コハク酸、マレイン酸、クエン酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸または酒石酸とのそれらの塩が挙げられる。式(I)で示される化合物はまた、N−オキシドとして製造することもできる。遊離カルボキシ基を有する式(I)で示される化合物はまた、インビボ加水分解性エステルとして製造することもできる。本発明は、かかる誘導体の全てに及ぶ。本発明の化合物が複数の塩基性部位を含んでいる場合、本発明の化合物が1当量を超える対応する酸または酸の混合物と複合体化した塩として存在し得ることは当業者に認識されるであろう。
【0071】
医薬上許容される誘導体とは、式(I)で示される化合物となる少なくとも何らかのインビボ切断を受ける基で共有結合的に修飾された式(I)で示される化合物をいう。
【0072】
適当な医薬上許容されるインビボ加水分解性エステル形成性基の例としては、人体中で容易に分解して親酸またはその塩を遊離するエステルを形成する基が挙げられる。
【0073】
この種の適当な基としては、部分式(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)で示されるものが挙げられる:
【化5】

ここで、Raは、水素、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、メチルまたはフェニルであり、Rbは、(C1-6)アルキル、(C1-6)アルコキシ、フェニル、ベンジル、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルキルオキシ、(C1-6)アルキル(C3-7)シクロアルキル、1−アミノ(C1-6)アルキルまたは1−(C1-6アルキル)アミノ(C1-6)アルキルであるか;またはRaおよびRbは、一緒になって、1または2個のメトキシ基によって置換されていてもよい1,2−フェニレン基を形成し;Rcは、メチルまたはエチル基で置換されていてもよい(C1-6)アルキレンを表し、RdおよびReは、独立して、(C1-6)アルキルを表し;Rfは、(C1-6)アルキルを表し;Rgは、水素、またはハロゲン、(C1-6)アルキルもしくは(C1-6)アルコキシから選択される3個までの基で置換されていてもよいフェニルを表し;Qは、酸素またはNHを表し;Rhは、水素または(C1-6)アルキルであり;Riは、水素、またはハロゲン、(C2-6)アルケニル、(C1-6)アルコキシカルボニル、アリールもしくはヘテロアリールによって置換されていてもよい(C1-6)アルキルであるか;またはRhおよびRiは一緒になって(C1-6)アルキレンを形成し;Rjは、水素、(C1-6)アルキルまたは(C1-6)アルコキシカルボニルを表し;Rkは、(C1-8)アルキル、(C1-8)アルコキシ、(C1-6)アルコキシ(C1-6)アルコキシまたはアリールを表す。
【0074】
適当なインビボ加水分解性エステル基の例としては、例えば、アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチル、アセトキシエチル、ピバロイルオキシエチル、1−(シクロヘキシルカルボニルオキシ)プロパ−1−イルおよび(1−アミノエチル)カルボニルオキシメチルのようなアシルオキシ(C1-6)アルキル基;エトキシカルボニルオキシメチル、エトキシカルボニルオキシエチルおよびプロポキシカルボニルオキシエチルのような(C1-6)アルコキシカルボニルオキシ(C1-6)アルキル基;ジ(C1-6)アルキルアミノ(C1-6)アルキル、特に、ジ(C1-4)アルキルアミノ(C1-4)アルキル基、例えば、ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノメチルまたはジエチルアミノエチル;2−(イソブトキシカルボニル)ペンタ−2−エニルおよび2−(エトキシカルボニル)ブタ−2−エニルのような2−(C1-6)アルコキシカルボニル)−2−(C2-6)アルケニル基;フタリジルおよびジメトキシフタリジルのようなラクトン基が挙げられる。
【0075】
さらなる適当な医薬上許容されるインビボ加水分解性エステル形成性基は、式:
【化6】

[式中、Rkは、水素、C1-6アルキルまたはフェニルである]
で示されるものである。
【0076】
Rは、好ましくは、水素である。
【0077】
式(I)で示される化合物はまた、対応するN−オキシドとして製造されてもよい。
【0078】
式(I)で示される化合物には、光学異性体、例えば、ジアステレオ異性体およびあらゆる比率の異性体混合物、例えば、ラセミ混合物の形態で存在することができるものがある。本発明は、純粋な異性体を包含するかかる形態の全てを包含する。異なる異性体は、慣用的な方法によりお互いに分離または分割することができるか、または、所定のいずれもの異性体は、慣用的な合成法によって、または立体特異的合成法もしくは不斉合成法によって得ることができる。
【0079】
所定の反応の最適化には反応時間、温度、エネルギー源、圧力、光、圧力、使用する溶媒、補助試薬および触媒などのような反応パラメーターの何らかの日常的なバリエーションを必要とするかもしれないことは当業者であれば容易に理解できる。
【0080】
本明細書に見られる全ての保護基は、それらの特定の式によって示すことができるか、または、別法として、PまたはPn(ここで、nは整数である)によって総称的に記載することができる。当然のことながら、総称的記述子を用いる場合、このような記述子は各場合においてお互いに独立している。かくして、同じ総称的記述子(例えば、P)を2つ以上もつ化合物は、各Pは同一の保護基であることを示しておらず、用いる化学反応に基が適している限りは、それらは、同一であっても異なっていてもよい。保護または脱保護が総称的に記載される場合、他に特に定義しない限り、これが、除去されるべき保護基の除去を可能にするが該分子の他の位置での反応を最小にする適当な条件が用いられることを意味することは当業者に理解されるであろう。Greene, et al. “Protective Groups in Organic Synthesis” (Published by Wiley-Interscience)(出典明示によりその全体として本明細書の記載とする)を含む数多くの参考文献に見ることができる多くの保護基および保護基ストラテジーは、当業者に知られている。
【0081】
本明細書に見られる全ての脱離基は、特定の化学式によって示すことができるか、または、別法として、LまたはLn(ここで、nは整数である)として記載することができる。当然のことながら、総称的な記述子を使用する場合、このような記述子は、各場合においてお互いに独立している。脱離基は、Cl、BrまたはIのような単一原子であり得るか、または、OSO2CH3、OC(=O)CH3、O(C=O)CF3およびOSO2CF3などのような基であってもよい。脱離基は、反応の過程で形成され得、かくして、脱離基を含む化合物は、常に単離物質であるというわけではなく、むしろ反応中間体として存在する。非限定的な一例として、カルボン酸は、DCC、CDI、EDCI、クロロギ酸イソブチルなどのようなカップリング試薬と反応することができ、このようにして形成された対応する反応中間体は、さらに、求核カップリングパートナーと反応する。このような場合、求核カップリングパートナーの導入の前に、または、場合によっては求核カップリングパートナーの存在下であっても活性化工程が行われ得る(特定の活性化剤の主体性、使用するカルボン酸および求核カップリングパートナーに依存する)ことは当業者に認識される。脱離基が、総称的に、反応の過程で除去もしくは置換され得るかまたは解離し得る原子または基をいうことは当業者によって容易に確認される。
【0082】
本発明の抗細菌性化合物は、他の抗細菌剤から類推して、ヒトまたは獣医学において使用するためのいずれもの好都合な方法での投与のために処方することができる。
【0083】
本発明の医薬組成物としては、経口、局所または非経口使用に適している剤形のものが挙げられ、ヒトを含む哺乳動物における細菌感染症の治療に使用することができる。
【0084】
該組成物は、どのような経路による投与のためにも処方することができる。該組成物は、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、ロゼンジ剤、クリーム剤、または経口または滅菌非経口液剤または懸濁剤のような液体製剤の剤形であり得る。
【0085】
本発明の局所製剤は、例えば、軟膏剤、クリーム剤またはローション剤、眼軟膏剤および点眼剤または点耳剤、含浸包帯剤およびエアゾール剤として提供され得、軟膏剤およびクリーム剤においては保存剤、薬物浸透補助溶媒およびエモリエントのような適当な慣用の添加剤を含有することができる。
【0086】
該製剤はまた、クリーム基剤または軟膏基剤およびローション剤用のエタノールまたはオレイルアルコールのような適合する慣用の担体を含有することもできる。かかる担体は、該製剤の約1%から約98%まで存在することができる。より通常には、それらは製剤の約80%までをなすであろう。
【0087】
経口投与用錠剤およびカプセル剤は、単位投与剤形であり得、結合剤、例えば、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントまたはポリビニルピロリドン;充填剤、例えば、ラクトース、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリシン;錠剤用滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカ;崩壊剤、例えば、ジャガイモデンプン;またはラウリル硫酸ナトリウムのような許容される湿潤剤のような慣用の賦形剤を含有することができる。錠剤は、通常の薬務で周知の方法に従ってコーティングすることができる。経口液体製剤は、例えば、水性または油性懸濁剤、液剤、乳剤、シロップ剤またはエリキシル剤の剤形であり得るか、または使用前に水または他の適当なビヒクルで戻すための乾燥製剤として提供することができる。かかる液体製剤は、懸濁化剤、例えば、ソルビトール、メチルセルロース、グルコースシロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルまたは硬化食用脂、乳化剤、例えば、レシチン、ソルビタンモノオレエートまたはアカシア;非水性ビヒクル(食用油を含むことができる)、例えば、扁桃油、油性エステル、例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはエチルアルコール;保存剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはプロピルまたはソルビン酸、および、必要に応じて、慣用の香味剤または着色剤のような慣用の添加剤を含有することができる。
【0088】
坐剤は、慣用の坐剤基剤、例えば、カカオ脂または他のグリセリドを含有するであろう。
【0089】
非経口投与については、流体単位投与剤形は、当該化合物および滅菌ビヒクル(好ましくは、水)を用いて調製される。当該化合物は、ビヒクルおよび使用濃度に依存して、ビヒクルに懸濁または溶解することができる。液剤の調製では、当該化合物を注射用蒸留水に溶解し、濾過滅菌した後、適当なバイアルまたはアンプルに充填し、密封することができる。
【0090】
有利には、局部麻酔薬、保存剤および緩衝剤のような薬剤をビヒクルに溶解することができる。安定性を増強するために、組成物をバイアルに充填した後、冷凍し、水分を真空除去することができる。次いで、凍結乾燥粉末をバイアル中に密閉し、添付バイアルの注射用蒸留水を使用前に供給して液体に戻すことができる。非経口懸濁剤は、化合物をビヒクルに溶解する代わりに懸濁すること、および滅菌を濾過によって成し遂げることができないことを除いて、実質的に同一の方法で調製される。化合物は、滅菌ビヒクルに懸濁する前にエチレンオキシドに曝露させることによって滅菌することができる。有利には、化合物の均一分布を容易にするために組成物中に界面活性剤または湿潤剤を含有する。
【0091】
組成物は、投与方法に依存して、活性物質を0.1重量%以上、好ましくは、10〜60重量%含有することができる。組成物が投与単位を含む場合、各単位は、好ましくは、活性成分50〜500mgを含有するであろう。成人の治療に使用される用量は、投与の経路および回数に依存して、好ましくは、1日あたり100〜3000mgの範囲、例えば、1日あたり1500mgであろう。かかる用量は、1日あたり1.5〜50mg/kgに相当する。適当には、用量は、1日あたり5〜20mg/kgである。
【0092】
式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される誘導体を上記用量範囲で投与する場合には、毒物学的影響は全く示されない。
【0093】
式(I)で示される化合物は、本発明の組成物中の唯一の治療剤であっても、他の抗細菌剤との組み合わせであってもよい。他の抗細菌剤がβ−ラクタムである場合、β−ラクタマーゼ阻害剤を使用することもできる。
【0094】
式(I)で示される化合物は、グラム陰性生物およびグラム陽性生物の両方を含む広範囲に及ぶ生物に対して活性である。
【0095】
本発明の化合物はまた、ヒトまたは他の哺乳動物における細菌感染症を治療するのに有用な医薬の製造において使用することもできる。
【0096】
本明細書にて引用する全ての刊行物(特許および特許出願を含むがこれらに限定されるものではない)は、個々の刊行物が十分に開示されているかの如く具体的かつ個別的に出典明示により本明細書の一部とすることが明示されているかのように出典明示により本明細書の一部とする(そうであることが具体的に明示されているか否かに関係ない)。
【0097】
式(I)で示されるある化合物の製造および式(I)で示されるある化合物の種々の細菌性生物に対する活性を以下に例示する。
【0098】
具体的な例について示される立体化学は単に相対的なものである。
【0099】
本発明の化合物は、スキームI、IIおよびIIIに例示する方法によって製造された。以下のスキームは具体的な例を記載しているが、それらが本発明のさらなる実施態様を生成するためにより一般的に適用され得ることは当業者に容易に認識される。さらにまた、以下に記載する例は、本発明を例示するものであり、如何なる場合も本発明の範囲を制限するものではない。
【0100】
スキームI
【化7】

【0101】
試薬および条件:(a)TFA、CH2Cl2、室温;(b)8−エテニル−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン、DMF、100℃;(c)Pd(OH)2、H2(1気圧)、EtOH、室温;(d)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,4]チアジン−6−カルボキシアルデヒド、CH2Cl2、EtOH;次いで、NaBH4、EtOH。
【0102】
塩化メチレン中にてTFAを用いてI−1[Chem. Eur. J. 2002, 8, No. 16]からのBoc基の除去を行ってアミンI−2を得た。次いで、アミンI−2をDMF中にて8−エテニル−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジンと一緒に加熱して生成物I−3を得た。水素化分解条件下にてベンジル官能基の脱保護を行ってアミンI−4を得た。次いで、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,4]チアジン−6−カルボキシアルデヒドとの反応およびそれに続く還元により第1アミン誘導体I−4を第2アミンI−5に変換した。酸中和を必要とするかどうかに依存して、トリエチルアミン(Et3N)、ジイソプロピルエチルアミン((i−Pr)2NEt)またはK2CO3のような付加塩基を使用してもよい。多くのさらなる還元アミノ化法が知られており、“Compendium of Organic Synthetic Methods”, Vol. I - VI (published by Wiley-Interscience)(出典明示によりその全体として本明細書の記載とする)のような標準的な参考書に見ることができる。
【0103】
スキームII
【化8】

【0104】
試薬および条件:(a)BnCl、Et2O、NaBH4、EtOH;(b)CH2ICl、Zn/Cu、Et2O;(c)Pd/C、H2、EtOH;(d)8−エテニル−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン、DMF、100℃;(e)TFA、DCM、室温;(f)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,4]チアジン−6−カルボキシアルデヒド、CH2Cl2、EtOH;次いで、NaBH4、EtOH。
【0105】
NaBH4を使用してピリジン種II−1の4級化および還元を一浴で行った。この方法のさらなる記載については、“Borane Reagents” in the Best Synthetic Methods series by Pelter, Smith and Brown(出典明示によりその全体として本明細書の記載とする)を参照。CH2IClおよびZn/Cuを用いてアルケン部分のシクロプロパン化を行ってシクロプロピル誘導体II−3を得た。シクロプロパン化反応は、有機合成分野における当業者に周知であり、いくつかの古典的有機金属試薬を使用して行うことができる。例えば、テキスト“Principles and Applications of Organotransition Metal Chemistry” by Collman, Hegedus, Norton and Finke; University Science Books(出典明示によりその全体として本明細書の記載とする)を参照。ベンジル基の水素化分解によりアミンII−4を得、次に、DMF中にて8−エテニル−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジンと一緒に加熱してII−5を得た。塩化メチレン中にてTFAを用いてBoc基の除去を行って遊離アミンを得、次いで、これを3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,4]チアジン−6−カルボキシアルデヒドと反応させ、次に、これを還元してイミンを形成し、次に、これを還元してII−6を得た。
【0106】
スキームIII
【化9】

【0107】
試薬および条件:(a)EDC−HCl、HOBt、(i−Pr)2NEt、DMF、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボン酸。
【0108】
EDC−HClおよびHOBTを使用して、アミンIII−1(以下の概要のセクションに記載するように調製した)を3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボン酸とカップリングした。当業者にはカルボン酸をアミドに変換するための多くのさらなる方法が知られており、例えば、“Compendium of Organic Synthetic Methods”, Vol. I - VI (published by Wiley-Interscience)またはBodansky, “The Practice of Peptide Synthesis” (published by Springer-Verlag)(出典明示によりそれらの全体として本明細書の記載とする)のような標準的な参考書に見ることができる。
【0109】
概要
プロトン核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルを300MHzで記録し、内部標準テトラメチルシラン(TMS)から低磁場側への化学シフトを百万分率(δ)で記録する。NMRデータについての略語は以下のとおりである:s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、dd=二重の二重線、dt=二重の三重線、app=みかけ、br=幅広。Jは、ヘルツで測定したNMR結合定数を示す。CDCl3は、ジュウテリオクロロホルムであり、DMSO−d6は、ヘキサジュウテリオジメチルスルホキシドであり、CD3ODは、テトラジュウテリオメタノールである。質量スペクトルは、エレクトロスプレー(ES)イオン化法を用いて得た。元素分析は、ニュージャージー州ホワイトハウスのQuantitative Technologies Inc.によって行われた。融点は、Thomas−Hoover融点装置にて得られ、補正していない。全ての温度は、摂氏温度で記録する。薄層クロマトグラフィーには、E.Merck Silica Gel 60 F−254薄層プレートを使用した。フラッシュクロマトグラフィーは、E.Merck Kieselgel 60(230〜400メッシュ)シリカゲルにて行った。分析HPLCは、Beckmanクロマトグラフィーシステムにて行った。分取HPLCは、Gilsonクロマトグラフィーシステムを使用して行った。ODSとは、オクタデシルシリル誘導体化シリカゲルクロマトグラフィー担体をいう。YMC ODS−AQ(登録商標)は、ODSクロマトグラフィー担体であり、日本国京都の株式会社ワイエムシィの登録商標である。PRP−1(登録商標)は、高分子(スチレン−ジビニルベンゼン)クロマトグラフィー担体であり、ネバダ州レノのHamilton Co.の登録商標である。Celite(登録商標)は、酸洗浄した珪藻土シリカからなる濾過助剤であり、コロラド州デンバーのManville Corp.の登録商標である。
【0110】
製造例1
【化10】

8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジンの製造
【0111】
a)(2−[(6−メトキシピリジン−3−イルアミノ)メチレン]マロン酸ジエチルエステル
5−アミノ−2−メトキシピリジン(Aldrich、100g、0.806モル)およびエトキシメチレンマロン酸ジエチル(Aldrich、163mL、0.806モル)のEtOH(1L)中溶液を還流させながら4時間加熱し、次いで、室温に冷却した。濃縮乾固して標記化合物(238g、定量的)を得た。
【0112】
b)6−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,5]ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエステル
蒸留ヘッドおよび還流冷却器を装着した2Lの三つ口フラスコ中でDowtherm A(Fluka、500mL)を沸騰させた(250℃)。2−[(6−メトキシピリジン−3−イルアミノ)メチレン]マロン酸ジエチルエステル(100g、0.34モル)を5分間にわたって滴下した。該溶液を還流させながらさらに15分間加熱し、いくらかの溶媒を留去した。得られた溶液を室温に冷却し、ヘキサン(750mL)で希釈した。該混合物を氷中にて1時間冷却し、次いで、茶色の固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、真空乾燥させて、標記化合物(61.72g、73%)を得た。
【0113】
c)4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエステル
アルゴン下での6−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,5]ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエステル(74.57g、300ミリモル)の乾燥DMF(260mL)中懸濁液を水浴中にて効率的に*撹拌した(ほぼ室温に維持する − 大規模では軽い氷冷を必要としてもよい)。三臭化リン(30.0mL、316ミリモル)を15分間にわたって滴下し、撹拌をさらに30分間続けた。水(1L)を添加し、次いで、炭酸ナトリウム飽和溶液を添加してpH7にした。固体を吸引濾過により回収し、水で洗浄し、五酸化リンで真空乾燥させて、標記化合物(83.56g、90%)を得た。
【0114】
d)4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−カルボン酸
4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−カルボン酸エチルエステル(83.56g、268ミリモル)のTHF(835mL)中撹拌溶液に2N NaOH(300mL、600ミリモル)を30分間にわたって滴下した。撹拌を一夜続け、その時点で、LC/MSは、鹸化が完了したことを示した。2N HClを添加してpH6にし、THFを真空除去した。2N HClを添加してpH2にし、次いで、水(250mL)を添加し、該混合物を氷中にて十分に冷却した。固体を吸引濾過により回収し、水で洗浄し、乾燥させて(最初に、ロータリーエバポレーターを50℃で使用し、次いで、高真空下にて50℃で一夜使用した)、標記化合物(76.7g、定量的をわずかに超えた)を得た。この物質をそれ以上精製せずに使用した。
【0115】
e)4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−イルアミン
4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−カルボン酸(50g、177ミリモル)の乾燥DMF(600mL)中懸濁液をトリエチルアミン(222.5mL、1.60モル)、tert−ブタノール(265mL、2.77モル)およびジフェニルホスホリルアジド(41.75mL、194ミリモル)で処理した。該反応物をアルゴン下にて100℃で1時間撹拌し、次いで、室温に冷却し、低容量に濃縮した。酢酸エチルおよび過剰量の炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、該混合物を振盪し、いくらかの不溶性固体を濾過した。層を分取し、有機相を水(2×)で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。濃縮乾固して、不純物を含む4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−イルアミン(少量の生成物)および(4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−イルアミン)カルバミン酸tert−ブチルエステル(多量の生成物)の粗混合物を得た。
【0116】
それ以上精製せずに、この混合物をCH2Cl2(150mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(100mL)で処理した。該反応物を3時間撹拌し、次いで、濃縮乾固した。残留物をCHCl3と炭酸水素ナトリウム飽和溶液との間で分配させ、層を分取した。水性相をCHCl3で抽出し、合わせた有機物を乾燥させ(MgSO4)、低容量に濃縮した。固体を吸引濾過により回収し、少量のCHCl3で洗浄し、真空乾燥させて、標記化合物の一回目の生成物(31.14g)を得た。濾液をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー処理(30%EtOAc/CHCl3)により精製してさらなる物質を得た(2.93g、合計=34.07g、76%)。別法として、濾液を室温で一夜放置し、次いで、濾過して標記化合物の二回目の生成物(2.5g)を得た。
【0117】
f)テトラフルオロホウ酸4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−ジアゾニウム
4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−イルアミン(25.2g、99.2ミリモル)の乾燥THF(400mL)中溶液を−5℃に維持しながら、テトラフルオロホウ酸ニトロソニウム(12.9g、110ミリモル)を30分間にわたって滴下した(約2gずつ)。該反応を−5℃でさらに1時間続け、その時点で、TLCおよびLC/MSは、反応が完了したことを示した。橙色の固体を吸引濾過により回収し、氷冷THFで洗浄し、真空乾燥させて標記化合物(31.42g、90%)を得た。
【0118】
g)4−ブロモ−3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン
2Lのフラスコ*中のテトラフルオロホウ酸4−ブロモ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−3−ジアゾニウム(31.42g、89.0ミリモル)のデカリン(異性体混合物、500mL)中懸濁液を180℃に加熱し、この温度で5分間保持した。該混合物を冷却し、CHCl3(500mL、生成物を溶液中に保持するように)で希釈し、得られた混合物を30分間強く撹拌して、黒色固体の副生成物を分解した。次いで、該混合物をシリカゲルカラムに注ぎ、該カラムをCHCl3で溶離してデカリンを除去し、次いで、3%EtOAc/CHCl3で溶離して標記化合物(9.16g、40%)を得た。
【0119】
h)8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン
8−ブロモ−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(2.0g、7.81ミリモル)、炭酸カリウム(1.08g、7.81ミリモル)、テトラキス−トリフェニルホスフィン(90mg、0.08ミリモル)のDME(60mL)およびH2O(20mL)中溶液に2,4,6−トリビニルシクロボラン−ピリジン錯体(0.94g、3.91ミリモル)を添加した。85℃で10時間撹拌した後、反応内容物を濃縮し、生成物をシリカゲルクロマトグラフィー処理(ヘキサン/EtOAc、4:1)により精製して、低融点固体(1.43g、90%)を得た。
【0120】
製造例2
【化11】

8−エテニル−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジンの製造
8−ブロモ−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジンの代わりにトリフルオロメタンスルホン酸6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル(5.0g、16.23ミリモル)を使用した以外は製造例1に従って、標記化合物を製造して(2.11g、70%)、黄色油状物を得た:LC−MS(m/z)(ES)187 (M+H)+
【0121】
製造例3
【化12】

3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−カルボキシアルデヒドの製造
【0122】
a)2−ブロモ−5−ヒドロキシ−6−ニトロピリジン
3−ヒドロキシ−2−ニトロピリジン(20g、0.143モル)をメタノール(400mL)に溶解し、メタノール中25%ナトリウムメトキシド溶液(33mL、0.13モル)を室温で添加した。該混合物を30分間撹拌し、次いで、0℃に冷却し、臭素(7.2mL、0.14モル)をゆっくりと添加した。反応物を0℃で30分間撹拌し、次いで、氷酢酸(2.5mL)でクエンチした。溶媒を真空除去して物質(30g、96%)を得、これをそれ以上精製せずに使用した。
MS(ES)m/z 219.0 (M+H)+
【0123】
b)(6−ブロモ−2−ニトロ−ピリジン−3−イルオキシ)酢酸エチル
2−ブロモ−5−ヒドロキシ−6−ニトロピリジン(30g、0.14モル)をアセトン(200ml)に懸濁し、炭酸カリウム(39g、0.28モル)を添加し、次いで、ブロモ酢酸エチル(15.7ml、0.14ミリモル)を添加した。反応物を還流させながら10時間加熱し、次いで、室温に冷却し、Et2Oで希釈した。沈殿物を吸引濾過により除去し、濾液を真空濃縮して物質(38g、89%)を得、これをそれ以上精製せずに使用した;MS(ES)m/z 305.0 (M+H)+
【0124】
c)6−ブロモ−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン
(6−ブロモ−2−ニトロ−ピリジン−3−イルオキシ)酢酸エチル(38g、0.125モル)を氷酢酸(150mL)に溶解し、鉄粉(20g、0.36モル)を添加した。該混合物を機械撹拌し、90℃で5時間撹拌し、次いで、室温に冷却し、EtOAc(300mL)で希釈した。該混合物をシリカゲルパッドで濾過し、濾液を真空濃縮し、残留物をMeOHから再結晶した(15g、52%);MS(ES)m/z 229.0 (M+H)+
【0125】
d)6−((E)−スチリル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン
6−ブロモ−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン(6.0g、26.3ミリモル)およびトランス−2−フェニルビニルボロン酸(3.9g、26.3ミリモル)を1,4−ジオキサン(150mL)に溶解し、該溶液をアルゴンで脱気した。(Ph3P)4Pd(230mg、0.2ミリモル)を添加し、次いで、炭酸カリウム(6.9g、50ミリモル)のH2O(20mL)中溶液を添加した。反応物をアルゴン下にて還流させながら一夜加熱し、次いで、室温に冷却し、EtOAc(200mL)で希釈した。該溶液をH2Oおよびブラインで連続的に洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空濃縮した。固体残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー処理(5〜10%EtOAc/CHCl3)により精製して固体(2.5g、38%)を得た。
MS(ES)m/z 253.0 (M+H)+
【0126】
e)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−カルボキシアルデヒド
6−((E)−スチリル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン(1.2g、4.8ミリモル)をCH2Cl2(200mL)に溶解し、該溶液を−78℃に冷却した。薄青色になるまで、撹拌しながら該溶液にオゾンを通気し、次いで、該溶液に酸素を15分間通気することによって過剰量のオゾンを除去した。該溶液にジメチルスルフィド(1.76mL、24ミリモル)を添加し、該反応物を−78℃で3時間撹拌し、次いで、室温で一夜撹拌した。溶媒を真空除去し、残留物をEt2O(50mL)でトリチュレートした。回収した固体をさらなるEt2Oで洗浄し、乾燥させて固体(700mg、82%)を得た。
MS(ES)m/z 179.0 (M+H)+
【0127】
製造例4
【化13】

3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボキシアルデヒドの製造
【0128】
a)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボン酸メチル
2−メルカプト酢酸エチル(1.473mL)のDMF(48mL)中溶液を氷冷し、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散体540mg)で処理した。1時間後、6−アミノ−5−ブロモピリジン−2−カルボン酸メチル(3g)(T.R.Kelly and F.Lang, J. Org. Chem. 61, 1996, 4623-4633)を添加し、該混合物を室温で16時間撹拌した。該溶液をEtOAc(1L)で希釈し、水(3×300mL)で洗浄し、乾燥させ、蒸発させて約10mLにした。白色固体を濾過し、少量のEtOAcで洗浄して当該エステル(0.95g)を得た;MS(APCI-)m/z 223([M−H]-,100%)。
【0129】
b)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボン酸
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボン酸メチル(788mg)のジオキサン(120ml)/水(30mL)中溶液を0.5M NaOH溶液(8mL)で2時間にわたって滴下処理し、一夜撹拌した。約3mlに蒸発させた後、水(5mL)を添加し、2M HClでpH4にした。沈殿した固体を濾過し、少量の水で洗浄し、真空乾燥させて固体(636mg)を得た;MS(APCI-)m/z 209([M−H]-,5%)、165([M−COOH]-,100%)。
【0130】
c)6−ヒドロキシメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボン酸(500mg)のトリエチルアミン(0.396mL)を含むTHF(24mL)中溶液を−10℃に冷却し、クロロギ酸イソブチル(0.339ml)を添加した。20分後、懸濁液をキーゼルグール(kieselguhr)で濾過して水素化ホウ素ナトリウム(272mg)の水(8mL)中氷冷溶液中に加え、該混合物を30分間撹拌し、希HClでpHを7にした。溶媒を蒸発させ、残留物を水でトリチュレートした。生成物を濾過し、真空乾燥させて白色固体(346mg)を得た;MS(APCI-)m/z 195([M−H]-、50%)、165(100%)。
【0131】
d)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボキシアルデヒド
6−ヒドロキシメチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン(330mg)のジクロロメタン(30mL)/THF(30mL)中溶液を二酸化マンガン(730mg)で処理し、室温で撹拌した。さらなる二酸化マンガンを1時間後(730mg)および16時間後(300mg)に添加した。合計20時間後、該混合物をキーゼルグールで濾過し、濾液を蒸発させた。生成物をEtOAc/ヘキサン(1:1)でトリチュレートし、回収して、固体(180mg)を得た;MS(APCI-)m/z 195([M−H]-,95%)、165(100%)。
【0132】
製造例5
【化14】

3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボン酸の製造
DMF溶液(50mL)中にてオキソン(ペルオキソ一硫酸カリウム)(3.1g)で酸化することにより、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボキシアルデヒド(890mg)からこの酸を製造した。室温で1.5時間後、水(50mL)で希釈し、濾過し、真空乾燥させて、白色固体として当該酸(750mg、77%)を得た。
【0133】
製造例6
【化15】

【0134】
a)2−ブロモ−5−ヒドロキシ−6−ニトロピリジン
3−ヒドロキシ−2−ニトロピリジン(20g、0.143モル)をメタノール(400mL)に溶解し、メタノール中25%ナトリウムメトキシド溶液(33mL、0.13モル)を室温で添加した。該混合物を30分間撹拌し、次いで、0℃に冷却し、臭素(7.2mL、0.14モル)をゆっくりと添加した。反応物を0℃で30分間撹拌し、次いで、氷酢酸(2.5mL)でクエンチした。溶媒を真空除去して物質(30g、96%)を得、これをそれ以上精製せずに使用した。
MS(ES)m/z 219.0 (M+H)+
【0135】
b)(6−ブロモ−2−ニトロ−ピリジン−3−イルオキシ)酢酸エチル
該ヒドロキシピリジン(30g、0.14モル)をアセトン(200ml)に懸濁し、炭酸カリウム(39g、0.28モル)を添加し、次いで、ブロモ酢酸エチル(15.7ml、0.14ミリモル)を添加した。反応物を還流させながら10時間加熱し、次いで、室温に冷却し、Et2Oで希釈した。沈殿物を吸引濾過により除去し、濾液を真空濃縮して物質(38g、89%)を得、これをそれ以上精製せずに使用した。
MS(ES)m/z 305.0 (M+H)+
【0136】
c)6−ブロモ−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン
該ニトロピリジン(38g、0.125モル)を氷酢酸(150mL)に溶解し、鉄粉(20g、0.36モル)を添加した。該混合物を機械撹拌し、90で5時間加熱し、次いで、室温に冷却し、EtOAc(300mL)で希釈した。該混合物をシリカゲルパッドで濾過し、濾液を真空濃縮し、残留物をMeOHから再結晶した(15g、52%)。
MS(ES)m/z 229.0 (M+H)+
【0137】
d)6−((E)−スチリル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン
該ブロモピリジン(10c)(6.0g、26.3ミリモル)およびトランス−2−フェニルビニルボロン酸(3.9g、26.3ミリモル)を1,4−ジオキサン(150mL)に溶解し、該溶液をアルゴンで脱気した。(Ph3P)4Pd(230mg、0.2ミリモル)を添加し、次いで、炭酸カリウム(6.9g、50ミリモル)のH2O(20mL)中溶液を添加した。該溶液をアルゴン下にて還流させながら一夜加熱し、次いで、室温に冷却し、EtOAc(200mL)で希釈した。該溶液をH2Oおよびブラインで連続的に洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空濃縮した。固体残留物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー処理(5〜10%EtOAc/CHCl3)により精製して固体(2.5g、38%)を得た。
MS(ES)m/z 253.0 (M+H)+
【0138】
e)3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−カルボキシアルデヒド
該ピリジン(10d)(1.2g、4.8ミリモル)をCH2Cl2(200mL)に溶解し、該溶液を−78℃に冷却した。薄青色になるまで、撹拌しながら該溶液にオゾンを通気し、次いで、酸素をさらに15分間通気することにより過剰量のオゾンを除去した。該溶液にジメチルスルフィド(1.76mL、24ミリモル)を添加し、該反応物を−78℃で3時間撹拌し、次いで、室温で一夜撹拌した。溶媒を真空除去し、残留物をEt2O(50mL)でトリチュレートした。回収した固体をさらなるEt2Oで洗浄し、乾燥させて固体(700mg、82%)を得た;MS(ES)m/z 179.0 (M+H)+
【0139】
f)6−ブロモ−7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン
6−ブロモ−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン(20g、87.7ミリモル)をDMF(175mL)に溶解し、氷浴中にて冷却した。次いで、塩素ガスをゆっくりと45分間通気し、次いで、該飽和溶液を氷浴中にて2時間撹拌した。該混合物を窒素でパージし、温度を確実に<15℃に維持しながら、撹拌しながら、Na2SO3 100gを含有する氷水1Lにゆっくりと添加した。30分間撹拌した後、生成物を濾過し、水で十分に洗浄し、乾燥させて白色固体(22.5g、98%)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6):4.76(2H,s)、7.78(1H,s)、11.71(1H,s)。
【0140】
g)7−クロロ−6−((E)−スチリル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン
6−ブロモ−7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン(22g、83.7ミリモル)およびトランス−2−フェニルビニルボロン酸(17.33g、117ミリモル)を1,4−ジオキサン(300mL)に溶解し、該溶液をアルゴンで脱気した。(Ph3P)4Pd(1.9g、2モル%)を添加し、次いで、炭酸水素カリウム(21g、210ミリモル)のH2O(100mL)中溶液を添加した。該反応物をアルゴン下にて還流させながら一夜加熱し、次いで、室温に冷却し、酢酸エチル(1L)で希釈した。該溶液を連続的にH2Oおよびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、真空濃縮した。残留物をクロロホルム(120mL)でスラリー化し、次いで、ジエチルエーテル(100mL)で希釈した。沈殿した生成物を濾過により回収し、エーテルで洗浄して、オフホワイト色の固体として生成物(16.4g、68%)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6):4.71(2H,s)、7.32−7.46(3H,m)、7.54−7.74(4H,m)、11.6(1H,s)。
【0141】
h)7−クロロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−カルボキシアルデヒド
7−クロロ−6−((E)−スチリル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン(8.0g、27.9ミリモル)をDMF(400mL)およびメタノール(40mL)の混合液に溶解し、該溶液を−78℃に冷却した。撹拌しながら該溶液にオゾンを45分間通気し、次いで、該溶液に酸素を30分間通気することにより過剰量のオゾンを除去した。該溶液にジメチルスルフィド(21mL、279ミリモル)を添加し、該反応物を−78℃で3時間撹拌し、次いで、室温で一夜撹拌した。溶媒を真空除去し、残留物をEt2O(150mL)でトリチュレートした。回収した固体をさらなるEt2Oで洗浄し、乾燥させて白色固体(4g、68%)を得た。
1H NMR(400MHz、DMSO−d6):4.86(2H,m)、7.73(1H、s);10.05(1H,s)、11.84(1H,s)。
【0142】
実施例1
【化16】

6−{[(3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オンの製造
【0143】
a)N,N−ビス(フェニルメチル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−アミン
室温での6−[ビス(フェニルメチル)アミノ]−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸1,1−ジメチルエチル[Chem. Eur. J. 2002, 8, No. 16](7.0g、18.5ミリモル)の乾燥CH2Cl2(200mL)中撹拌溶液にトリフルオロ酢酸(75mL)を添加した。室温で2時間後、反応内容物を真空濃縮した。残留物をCHCl3に溶解し、NaHCO3飽和水溶液で洗浄した。有機相を分取し、Na2SO4で乾燥させ、真空濃縮して、無色油状物として標記化合物(5.1g、99%)を得た:LC−MS(ES)m/e 279 (M+H)+
【0144】
b)3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−N,N−ビス(フェニルメチル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−アミン
N,N−ビス(フェニルメチル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−アミン(1.02g、3.67ミリモル)のDMF(5mL)中撹拌溶液に8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(0.75g、3.67ミリモル)を添加した。100℃で24時間後、反応内容物を真空濃縮し、シリカで精製して(5%NH4OHを含有するCHCl3/MeOH(9:1))、淡黄色油状物として標記化合物(1.38g、78%)を得た:LC−MS(ES)m/e 483 (M+H)+
【0145】
c)3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−アミン
3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−N,N−ビス(フェニルメチル)−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−アミン(1.38g、2.86ミリモル)のMeOH(100mL)中撹拌溶液にPearlman触媒(200mg)を添加した。1気圧のH2下で室温にて撹拌しながら48時間後、反応内容物をceliteで濾過し(MeOH)、真空濃縮して、淡黄色油状物として標記化合物(0.86g、93%)を得た:LC−MS(ES)m/e 303 (M+H)+
【0146】
(d)6−{[(3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン
室温での3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−アミン(0.14g、0.46ミリモル)の乾燥CH2Cl2(25mL)および乾燥EtOH(20mL)中撹拌溶液に3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,4]チアジン−6−カルボキシアルデヒド(0.15g、0.77ミリモル)を添加した。室温で24時間後、NaBH4(19mg、0.51ミリモル)を添加した。さらに6時間後、該反応溶液にシリカゲル(5g)を添加し、懸濁液を真空濃縮して乾燥固体を得た。シリカにて精製して(5%NH4OHを含有するCHCl3/MeOH(9:1))、白色泡沫体として標記化合物(0.25g、70%)を得た:1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 8.78(br s,1H)、8.58(s,1H)、8.17(d,J=9.0Hz,1H)、7.56(d,J=7.2Hz,1H)、7.07(d,J=9.0Hz,1H)、6.90(d,J=7.8Hz,1H)、4.09(s,3H)、3.80(s,2H)、3.48(m,2H)、3.32(m,2H)、3.18(d,J=8.7Hz,2H)、2.80(m,2H)、2.55(d,J=8.7Hz,2H)、2.37(s,1H)、1.50(br s,2H)。LC−MS(ES)m/e 481 (M+H)+
【0147】
実施例2
【化17】

6−{[(3−{2−[6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オンの製造
8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジンの代わりに8−エテニル−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(1.0g、5.39ミリモル)を使用した以外は実施例1の方法に従って、標記化合物をオフホワイト色の固体として生成した:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.75(d,J=5.6Hz,1H)、8.19(d,J=9.0Hz,1H)、7.56(d,J=7.2Hz,1H)、7.37(d,J=5.6Hz,1H)、7.10(d,J=9.0Hz,1H)、6.88(d,J=7.8Hz,1H)、4.09(s,3H)、3.80(s,2H)、3.48(m,2H)、3.32(m,2H)、3.18(d,J=8.7Hz,2H)、2.80(m,2H)、2.55(d,J=8.7Hz,2H)、2.37(s,1H)、1.50(br s,2H)。LC−MS(ES)m/e 463 (M+H)+
【0148】
実施例3
【化18】

6−{[(3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オンの製造
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,4]チアジン−6−カルボキシアルデヒドの代わりに3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,4]オキサジン−6−カルボキシアルデヒド(0.23g、1.32ミリモル)を使用した以外は実施例1の方法に従って、標記化合物をオフホワイト色の固体として生成した:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.55(s,1H)、 8.13(d,J=9.0Hz,1H)、7.08(d,J=7.8Hz,1H)、7.02(d,J=9.0Hz,1H)、7.10(d,J=8.0Hz,1H)、6.78(d,J=8.0Hz,1H)、4.55(s,2H)、4.04(s,3H)、3.73(s,2H)、3.28(m,4H)、2.84(m,2H)、2.53(m,2H)、2.27(br s,1H)、1.55(br s,2H)。LC−MS(ES)m/e 465 (M+H)+
【0149】
実施例4
7−クロロ−6−{[(3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オンの製造
【化19】

3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[1,4]チアジン−6−カルボキシアルデヒドの代わりに7−クロロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−カルボアルデヒド(0.28g、1.32ミリモル)を使用した以外は実施例1の方法に従って、標記化合物をオフホワイト色の固体として生成した:1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 8.41(s,1H)、 8.08(d,J=9.0Hz,1H)、7.03(s,1H)、6.99(d,J=9.0Hz,1H)、4.49(s,2H)、4.04(s,3H)、3.80(s,2H)、3.41(d,J=4.8Hz,2H)、3.39(m,2H)、2.95(m,2H)、2.61(m,2H)、2.12(br s,1H)、1.62(br s,2H)。LC−MS(ES)m/e 499 (M+H)+
【0150】
実施例5
【化20】

N−(3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボキサミドの製造
室温での(1R,5S)−3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−アミン(1.5g、4.49ミリモル)の乾燥DMF(25mL)中撹拌溶液にジイソプロピルエチルアミン(0.69mL、3.96ミリモル)、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボン酸(0.30g、1.45ミリモル)、ヒドロキシベンゾトリアゾール・水和物(0.20g、1.45ミリモル)およびEDC(0.28g、1.45ミリモル)を添加した。18時間後、反応内容物を高真空下にて濃縮した。シリカで精製して(5%NH4OHを含有するCHCl3/MeOH(9:1))、淡黄色固体として標記化合物(0.37g、57%)を得た:1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 8.66(s,1H)、8.21(d,J=9.0Hz,1H)、7.90(m,1H)、7.71(d,J=7.8Hz,1H)、7.19(d,J=9.0Hz,1H)、4.15(s,3H)、3.61(m,2H)、3.41(m,2H)、3.13(m,2H)、3.05(m,2H)、2.89(m,2H)、2.62(d,J=8.9Hz,2H)、1.75(br s,1H)。LC−MS(ES)m/e 495 (M+H)+
【0151】
実施例6
【化21】

6−{[(3−{2−[6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オンの製造
【0152】
a)4−ピリジニルカルバミン酸1,1−ジメチルエチル
【化22】

25℃でのMeCN(159mL)中の4−ピリジンアミン(3.0g、31.87ミリモル)にジ炭酸ビス(1,1−ジメチルエチル)(9mL、38.2ミリモル)を添加した。0.5時間撹拌した該溶液を濃縮し、それ以上精製せずに使用した:MS(ES)m/e 195 (M+H)+
【0153】
b)[1−(フェニルメチル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル
【化23】

MeCN(10mL)中の4−ピリジニルカルバミン酸1,1−ジメチルエチル(4.4g、21.2ミリモル)に塩化ベンジル(4.8mL、41.4ミリモル)を添加した。該溶液を還流下にて12時間撹拌し、次いで、冷却し、濃縮した。得られた残留物をEt2Oで洗浄し、それ以上精製せずに使用した:MS(ES)m/e 229 (M+H)+
【0154】
EtOH(15mL)中の上記塩(1g、3.13ミリモル)を0℃でのNaBH4(470mg、12.5ミリモル)のEtOH(15mL)中溶液に滴下した。得られた溶液を2時間わたって25℃に加温し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー処理(シリカ、1%NH4OHを含有するDCM中0〜1%MeOH)により精製して、橙色の油状物として標記化合物(731mg、81%)を得た:MS(ES)m/e 289 (M+H)+
【0155】
c)[3−(フェニルメチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−6−イル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル
【化24】

乾燥Et2O(7.0mL)中のZn/Cu(1.1g、1.1wt%)[Shank and Shechter J. Chem. Soc. 1959, 24, 1825の方法に従って製造した]およびクロロヨードメタン(506μL、6.94ミリモル)を2時間にわたって加熱還流した。該溶液を0℃に冷却した後、乾燥THF(2.0mL)中の[1−(フェニルメチル)−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(1.0g、3.47モル)を滴下した。該溶液を1時間にわたってゆっくりと25℃に加温し、さらに1時間40℃に加熱した。該溶液を冷却し、NH4OHでクエンチし、H2O/CH2Cl2間で分配させた。水性相をDCMで数回抽出した。合わせた有機フラクションを乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、カラムクロマトグラフィー処理(シリカ、CH2Cl2中1%MeOH)により精製して、透明な油状物として標記化合物(780mg、74%)を得た: MS(ES)m/e 303 (M+H)+
【0156】
d)3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−6−イルカルバミン酸1,1−ジメチルエチル
【化25】

EtOH(20mL)中の[3−(フェニルメチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−6−イル]カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(780mg、2.58ミリモル)に5%Pd/C(230mg、30wt%)を添加し、該溶液を50psi下にてParr Shakerを使用して12時間水素添加した。得られた溶液をCeliteで濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィー処理(シリカ、1%NH4OHを含有するDCM中4%MeOH)により精製して、透明な油状物として標記化合物(400mg、73%)を得た:MS(ES)m/e 213 (M+H)+
【0157】
e)(3−{2−[6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−6−イル)カルバミン酸1,1−ジメチルエチル
【化26】

乾燥DMF(1.0mL)中の3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−6−イルカルバミン酸1,1−ジメチルエチル(200mg、0.95ミリモル)および8−エテニル−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(177mg、0.95ミリモル)を90℃で12時間撹拌した。該溶液を濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー処理(シリカ、1%NH4OHを含有するDCM中3%MeOH)により精製して、橙色の油状物として標記化合物(300mg、80%)を得た: MS(ES)m/e 399 (M+H)+
【0158】
f)6−{[(3−{2−[6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン
【化27】

0℃でのDCM(8.0mL)中の(3−{2−[6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−6−イル)カルバミン酸1,1−ジメチルエチル(300mg、0.754ミリモル)に過剰量のジオキサン中4M HCl(1.1mL、4.52ミリモル)を滴下した。該溶液を12時間にわたって25℃に加温し、濃縮し、それ以上精製せずに使用した:MS(ES)m/e 299 (M+H)+
【0159】
25℃でのDCM−EtOH(1:1、4.0mL)およびDIPEA(1.3mL、7.54ミリモル)の溶液中の上記塩にNa2SO4(128mg、0.905ミリモル)および3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボアルデヒド(147mg、0.754ミリモル)を添加した。12時間後、NaBH4(34mg、0.905ミリモル)を添加し、該溶液をさらに2時間撹拌し、次いで、濃縮し、カラムクロマトグラフィー処理(シリカ、1%NH4OHを含有するDCM中1%MeOH)により精製して、黄色固体として標記化合物(94mg、31%)を得た:MS(ES)m/e 477 (M+H)+1H NMR(CD3OD,400MHz)δ 8.48(d,J=4.6Hz,1H)、8.03(d,J=9.1Hz,1H)、7.51(d,J=7.8Hz,1H)、7.42(J+4.8Hz,1H)、7.05(d,J=9.1Hz,1H)、6.86(d,J=7.8Hz,1H)、3.95(s,3H)、3.68(AB四重線,2H)、3.20−3.25(m,4H)、2.83−2.88(m,1H)、2.60−2.62(m,2H)、2.56−2.58(m,1H)、2.30−2.41(m,1H)、2.00−2.19(m,1H)、1.90−1.98(m,2H)、1.02−1.08(m,1H)、0.63−0.67(m,1H)、0.37−0.40(m,1H)。
【0160】
実施例7
6−{[(3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オンの製造
【0161】
a)(3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−6−イル)カルバミン酸1,1−ジメチルエチル
【化28】

8−エテニル−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジンの代わりに8−エテニル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン(194mg、0.948ミリモル)を使用した以外は実施例6の方法に従って、カラムクロマトグラフィー処理(シリカ、1%NH4OHを含有するDCM中0.5%MeOH)により精製した後に標記化合物(129mg、33%)を橙色の油状物として得た: MS(ES)m/e 417 (M+H)+
【0162】
b)6−{[(3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン
【化29】

方法3に従って、カラムクロマトグラフィー処理(シリカ、0.5%NH4OHを含有するDCM中0.5%MeOH)により精製した後に標記化合物(40mg、26%)を淡黄色固体として得た:MS(ES)m/e 495 (M+H)+1H NMR(CD3OD,400MHz)δ 8.51(s,1H)、8.07(d,J=9.1Hz、1H)、7.53(d,J=7.6Hz,1H)、7.05(d,J=9.1Hz,1H)、6.87(d,J=7.8Hz,1H)、3.99(s,3H)、3.69(AB四重線,2H)、3.29−3.30(m,1H)、3.07−3.23(m,3H)、2.83(dd,J=6.3、11.4Hz,1H)、2.56−2.62(m,3H)、2.35−2.40(m,1H)、2.17−2.22(m,1H)、1.88−1.98(m,2H)、1.05−1.10(m,1H)、0.63(dd,J=4.7、9.7Hz,1H)、0.32−0.39(m,1H)。
【0163】
実施例
【表1−1】

【0164】
【表1−2】

【0165】
実施例8
抗微生物活性アッセイ
米国臨床研究所規格委員会(National Committee for Clinical Laboratory Standards)(NCCLS)推奨法、Document M7-A6, “Methods for Dilution Susceptibility Tests for Bacteria that Grow Aerobically”を使用して液体微量希釈により全細胞抗微生物活性を測定した。化合物を0.016〜16mcg/mLの範囲の段階倍数希釈にて試験した。
【0166】
化合物をスタヒロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、エンテロコッカス・フェカーリス(Enterococcus faecalis)およびエンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)を含むグラム陽性生物のパネルに対して評価した。
【0167】
加えて、化合物をヘモフィルス・インフルエンゼ(Haemophilus influenzae)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)、シュードモナス・エルジノーザ(Pseudomonas aeruginosa)、クラミドフィラ・ニューモニエ(Chlamydophila pneumoniae)、レジオネラ・ニューモナフィラ(Legionella pneumonaphila)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、エンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)、エンテバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)およびステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)を含むグラム陰性株のパネルに対して評価した。
【0168】
可視増殖を阻害する化合物の最低濃度として最小阻止濃度(MIC)を測定した。MICエンドポイントの測定を補助するためにミラーリーダーを使用した。
【0169】
当業者は、20mg/mL未満のMICを有するいずれの化合物も潜在的なリード化合物であると考えるであろう。例えば、本願において同定された上記実施例(1〜7)は各々、上記生物の少なくとも1つに対してMIC≦20mg/mlを有した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
1、Z3およびZ4は、独立して、NまたはCR1aであり;
2、Z5およびZ6は、各々、CR1aであり;
1およびR1aは、各場合において独立して、水素;シアノ;ハロゲン;ヒドロキシ;非置換であるか、または(C1-6)アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ピペリジル、グアニジノまたはアミジノ(いずれも、非置換であるか、または1または2個の(C1-6)アルキル、アシル、(C1-6)アルキルスルホニル、CONH2、ヒドロキシ、(C1-6)アルキルチオ、ヘテロサイクリルチオ、ヘテロサイクリルオキシ、アリールチオ、アリールオキシ、アシルチオ、アシルオキシまたは(C1-6)アルキルスルホニルオキシによってN置換されている)によって置換されている(C1-6)アルコキシ;(C1-6)アルキル;(C1-6)アルキルチオ;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;ニトロ;アジド;アシル;アシルオキシ;アシルチオ;(C1-6)アルキルスルホニル;(C1-6)アルキルスルホキシド;アリールスルホニル;アリールスルホキシド;または非置換であるか、または1または2個の(C1-6)アルキル、アシルまたは(C1-6)アルキルスルホニル基によってN置換されているアミノ、ピペリジル、グアニジノまたはアミジノ基であるか;またはR1およびZ2のR1aは一緒になってエチレンジオキシを形成し;
Aは、NR1b(C=O)またはCR23であり;
1、W2およびW3は、各々、CR45であり;
1bおよびR1dは、各場合において独立して、水素、トリフルオロメチル;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アリール;アラルキル;(C3-8)シクロアルキル;ヘテロサイクリル;またはヘテロサイクリルアルキルであり;
2、R3、R4、R5およびR6は、独立して、水素;チオール;(C1-6)アルキルチオ;ハロゲン;トリフルオロメチル;アジド;(C1-6)アルキル;(C2-6)アルケニル;(C1-6)アルコキシカルボニル;(C1-6)アルキルカルボニル;(C2-6)アルケニルカルボニル;(C2-6)アルケニルオキシカルボニル;アラルキル;アリール;ヘテロサイクリル;ヘテロサイクリルアルキル;ヒドロキシ;アミノ;NR1c1c';(C1-6)アルキルスルホニル;(C2-6)アルケニルスルホニル;または(C1-6)アミノスルホニルであり(ここで、アミノ基は、独立して、水素、(C1-6)アルキル、(C2-6)アルケニルまたはアラルキルによって置換されていてもよい);
1cおよびR1c'は、各場合において独立して、水素;(C1-6)アルキル;アラルキル;アリール;ヘテロサイクリル;ヘテロサイクリルアルキルであるか;またはそれらが結合している窒素と一緒になって、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはヘキサメチレンイミン環を形成し(ここで、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジンまたはヘキサメチレンイミン環は、ハロゲン、ヒドロキシ;シアノ;ニトロ;(C1-6)アルキル;およびアリールから選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
n'は、0または1であり;
nおよびn”は、各場合において独立して、0、1または2であり;
Uは、CH2;C(=O);またはSO2であり;
7は、環(a)および(b)の少なくとも1つが芳香族である、各環が4個までのヘテロ原子を含有する置換または非置換二環式炭素環系または複素環系(A):
【化2】

であり;
1は、芳香環の一部である場合には、CまたはNであり、非芳香環の一部である場合には、CR8であり;
2は、芳香環または非芳香環の一部である場合には、N、NR9、O、S(O)n”、COまたはCR8であり、非芳香環の一部である場合には、加えて、CR1011であってもよく;
3およびX5は、独立して、NまたはCであり;
1は、0〜4原子リンカー基であり、その各原子は、芳香環または非芳香環の一部である場合には、独立して、N、NR9、O、S(O)n”、COおよびCR8から選択され、非芳香環の一部である場合には、加えて、CR1011であってもよく;
2は、2〜6原子リンカー基であり、Y2の各原子は、芳香環または非芳香環の一部である場合には、独立して、N、NR9、O、S(O)n”、COおよびCR14から選択され、非芳香環の一部である場合には、加えて、CR1011であってもよく;
8、R10およびR11は、各場合において独立して、H;(C1-4)アルキルチオ;ハロ;(C1-4)アルキル;(C2-4)アルケニル;ヒドロキシ;ヒドロキシ(C1-4)アルキル;メルカプト(C1-4)アルキル;(C1-4)アルコキシ;トリフルオロメトキシ;ニトロ;シアノ;カルボキシ;非置換であるかまたは(C1-4)アルキルによって置換されているアミノまたはアミノカルボニルから選択され;
9は、各場合において独立して、水素;トリフルオロメチル;非置換であるかまたはヒドロキシ、カルボキシ、(C1-4)アルコキシ、(C1-6)アルキルチオ、ハロまたはトリフルオロメチルによって置換されている(C1-4)アルキル;(C2-4)アルケニル;またはアミノカルボニル(ここで、アミノ基は、(C1-4)アルキルで置換されていてもよい)である]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
1およびZ4がNであり;
3がCR1aである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
1およびZ3がCR1aであり;
4がNである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
1がOCH3である、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
1aが各場合において独立して水素;ハロゲン;またはシアノである、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
2、Z3およびZ5のR1aが各々水素であり;
6のR1aがフッ素またはシアノであり;
1がOCH3である、請求項2記載の化合物。
【請求項7】
AがCH2であり;
(CH2)nのnが1である、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
n'が0である、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
n'が1である、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
1dが水素であり;
UがCH2である、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
1dが水素であり;
UがC(=O)である、請求項1記載の化合物。
【請求項12】
7
4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;
4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル;
7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]−ピリジン−6−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−カルボニトリル−5−イル;
7−メチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−5−イル;
5−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;
6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン−7−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル;
7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;または
8−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル
である、請求項1記載の化合物。
【請求項13】
7
4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オキソ−6−イル;または
7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル
である、請求項1記載の化合物。
【請求項14】
2、Z3およびZ5のR1aが各々水素であり;
6のR1aがフッ素またはシアノであり;
1がOCH3であり;
AがCH2であり;
(CH2)nのnが1であり;
n'が0である、請求項2記載の化合物。
【請求項15】
4、R5およびR6が独立して水素;ハロゲン;(C1-6)アルキル;またはヒドロキシであり;
1dが水素であり;
UがCH2または(C=O)である、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
7
4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;
4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル;
7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]−ピリジン−6−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−カルボニトリル−5−イル;
7−メチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−5−イル;
5−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;
6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン−7−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル;
7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;または
8−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル
である、請求項15記載の化合物。
【請求項17】
7
4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オキソ−6−イル;または
7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル
である、請求項16記載の化合物。
【請求項18】
2、Z3およびZ5のR1aが各々水素であり;
6のR1aがフッ素またはシアノであり;
1がOCH3であり;
AがCH2であり;
(CH2)nのnが1であり;
n'が1である、請求項2記載の化合物。
【請求項19】
4、R5およびR6が独立して水素;ハロゲン;(C1-6)アルキル;またはヒドロキシであり;
1dが水素であり;
UがCH2または(C=O)である、請求項18記載の化合物。
【請求項20】
7
4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;
4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル;
7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル;
2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]−ピリジン−6−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−7−カルボニトリル−5−イル;
7−メチル−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
3−オキサ−1−チア−5−アザ−インダン−5−イル;
5−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル;
6−フルオロ−2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシン−7−イル;
2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−イル;
7−フルオロ−4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;または
8−メチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル
である、請求項19記載の化合物。
【請求項21】
7
4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オキソ−6−イル;
4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オキソ−6−イル;または
7−クロロ−4H−ピリド[3,2−b]オキサジン−3−オキソ−6−イル
である、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
化合物が
a)6−{[(3−{2−[6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;
b)6−{[(3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;
c)6−{[(3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン;
d)7−クロロ−6−{[(3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン;
e)N−(3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサ−6−イル)−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルボキサミド;
f)6−{[((1R,6R)−3−{2−[6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;または
g)6−{[(3−{2−[3−フルオロ−6−(メチルオキシ)−1,5−ナフチリジン−4−イル]エチル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−6−イル)アミノ]メチル}−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3(4H)−オン;または
その医薬上許容される塩もしくは溶媒和物
である、請求項1記載の化合物。
【請求項23】
式(I)で示される化合物の製造において有用な式(IV)で示される中間体の製造方法であって、
(a)式(II)で示される化合物を式(III)で示される化合物と反応させて式(IV)で示される有用な中間体を得ることを含む方法:
【化3】

[式中、
1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、n、n'、W1、W2、W3、R1、R2、R3、R6およびR1dは、請求項1における定義と同じであり;
X'は、CH=CH2またはA−(CH2)n−Lであり;
Aは、CR23であり;
Lは、脱離基であり;
Pは、水素またはアミン保護基である]。
【請求項24】
請求項1記載の化合物の製造方法であって、
(a)式(II)で示される化合物を式(III)で示される化合物と反応させて、式(IV)で示される化合物を得ること;
(b)式(IV)で示される化合物を式(V)で示される化合物と反応させること;
(c)P(ここで、Pは水素ではない)を除去して、式(I)で示される化合物を得ること;
(d)その医薬上許容される塩または溶媒和物に変換してもよいこと;
または
(a)式(II)で示される化合物を式(III)で示される化合物と反応させて、式(IV)で示される化合物を得ること;
(b)P(ここで、Pは水素ではない)を除去すること;および
(c)工程(b)の生成物を式(V)で示される化合物と反応させて、式(I)で示される化合物を得ること;
(d)その医薬上許容される塩または溶媒和物に変換してもよいこと
を含む方法:
【化4】

[式中、
1、Z2、Z3、Z4、Z5、Z6、n、n'、W1、W2、W3、R1、R2、R3、R6、R7、UおよびR1dは、請求項1における定義と同じであり;
X'は、CH=CH2またはA−(CH2)n−Lであり;
Aは、CR23であり;
LおよびL'は、脱離基であり;
Pは、水素またはアミン保護基である]。
【請求項25】
請求項1記載の化合物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項26】
哺乳動物における細菌感染症の治療方法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物に請求項1記載の化合物の有効量を投与することを含む方法。

【公表番号】特表2008−505926(P2008−505926A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520555(P2007−520555)
【出願日】平成17年7月8日(2005.7.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/024350
【国際公開番号】WO2006/010040
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】