説明

抗菌ピロカテコール類及び関連する方法

本発明は、構造:


〔式中、Rは水素原子と:


により表される構造とから選択され、ここでmは0〜100の整数であり、Rは1〜50個の炭素原子をもつ第一の炭化水素構造から独立して選択され、R及びRは水素原子と1〜10個の炭素原子をもつ第二の炭化水素構造とから独立して選択される〕
により表される化合物;またはこの化合物を含む組成物を包含する。関連する方法も開示する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] 効果的且つ安全な抗菌剤は、パーソナルケア業界、特に口腔ケア業界では重要である。多くの病状は、口腔内の細菌の作用と関連している。歯垢、歯肉炎、歯周炎及び歯石は、口腔内の細菌に関連した幾つかの公知症状である。
【0002】
[0002] これらの症状を予防または処置するために、口腔ケア組成物には抗菌剤が配合されることが多い。これらの抗菌剤は、細菌または揮発性硫黄化合物(volatile sulfur compound:VSC)などの細菌副生成物を大きく減少させないなどの活性不足であると報告されることが多い。場合によっては、僅かな溶解性及びそのために低い生物利用性、カチオン電荷(口腔ケア製品での使用を制限する)並びに低い安全性プロフィールなどの因子により、そうでなければ活性な剤を配合することができない。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 本発明は、構造(I):
【0004】
【化1】

【0005】
〔式中、Rは水素原子であるか若しくは構造(II):
【0006】
【化2】

【0007】
により表され、ここでmは0〜100の整数であり、Rは1〜50個の炭素原子をもつ第一の炭化水素構造から独立して選択され、R及びRは水素原子と1〜10個の炭素原子をもつ第二の炭化水素構造とから独立して選択される〕
により表される化合物または、該化合物を含む口腔ケア組成物を包含する。
【0008】
[0004] また基質と前記構造(I)により表される化合物とを接触させることを含む、基質上の細菌集団を減少させる方法を含む、式(I)の化合物の使用法も包含する。
[0005] あるいは、本発明は、哺乳類の口腔表面と前記構造(I)によって表される化合物を含む組成物とを接触させることを含む、哺乳類の全身健康状態を維持及び/または促進(facilitate)する方法を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明の詳細な説明
[0006] 本明細書全体で使用するように、範囲はその範囲内のそれぞれ一つ一つの値を記載するための省略表現として使用する。当該範囲内のどの値も、当該範囲の終端として選択することができる。
【0010】
[0007] 本発明は、構造:
【0011】
【化3】

【0012】
〔式中、Rは構造(II):
【0013】
【化4】

【0014】
により表される〕
によって表される化合物(I)を包含する。
[0008] 構造(I)中の記号「m」は0〜100の整数、1〜20の整数、1〜15の整数または1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10の整数を表す。Rは独立して公知または当業界で開発されるべきどんな炭化水素構造も示してもよい。Rの炭化水素構造が1〜50個の炭素原子、1〜20個の炭素原子、または1〜10個の炭素原子を有するのが好ましいだろう。さらに所望により、Rはアルキル基、アルコキシ基、アルケン基、アルキン基及び/またはアルカン基であってもよい。
【0015】
[0009] 化合物(I)は、独立して水素原子または1〜10個の炭素原子をもつ第二の炭化水素構造を表すR及びRを包含する。R及びRは化合物(I)のそれぞれのモノマーで同一であっても、またはこれらは異なっていてもよい。R及びRは独立して、アルキル基、アルコキシ基、アルケン基、アルキン基及び/またはアルカン基から選択してもよい。
【0016】
[0010] R、R、R及びRのいずれかの炭化水素構造は、独立して環構造、鎖構造、直線構造、分岐構造またはこれらの組み合わせであってもよい。R、R、R、及びR及び/または化合物(I)全体の炭化水素構造内の炭素原子のいずれかは、独立して当業界で公知の(単数または複数の)任意の官能基で置換されているか、または置換されていなくてもよい。メチル、エチル、ブチル、ヒドロキシ、アルキル及びハロゲン基は好ましい官能基であり得る。
【0017】
[0011] 本発明は、構造(III):
【0018】
【化5】

【0019】
[0012] 〔式中、R及びRは独立して水素原子、アルケニル基及びアルキル基から選択することができる〕
または構造(IV):
【0020】
【化6】

【0021】
の化合物を包含することができる。
[0013] 上記の化合物は任意の好適な経路若しくは合成プロセスによって合成してもよく、または天然源から単離若しくは精製してもよい。たとえば、本発明の化合物は親ピロカテコールの簡単なフリーデルクラフツ型アシル化、その後還元して所望の最終生成物を得ることによって製造することができる。
【0022】
[0014] 本発明は、上記式により表される化合物の少なくとも一つと好適なキャリヤとを含有する口腔ケア組成物を包含する。そのようなキャリヤは、活性成分を別として、たとえば不活性成分、ビヒクルなどの口腔組成物の成分の全てを含み得る。キャリヤは、水、グリセリン、塩、ポリエチレングリコール、ヒュームドシリカ、ポリマー、海水コロイド(marine colloid)、ガムアクリレートポリマー、セルロースポリマー、スターチ、ゼラチン、油類、界面活性剤、口腔環境に暴露したときに溶解する材料、テキスタイル基質(textile substrate)、及び繊維並びに他の賦形剤であり得るか、またはこれらを含み得る。キャリヤはゲル、液体、ペースト、ビーズ、ロゼンジ、チューインガム、チュアブルタイプの菓子(チューイー(chewie))、発泡体(foam)、及びスプレー(エーロゾル化若しくは非エーロゾル化)並びに固体の形状であってもよい。
【0023】
[0015] 本発明の化合物(I)は、口腔ケア組成物中に任意の量で配合し得る。口腔ケア組成物の全重量をベースとして約0.001重量%〜約10重量%の量で含むのが望ましく、たとえば0.01重量%〜約5重量%または約0.1重量%〜約2重量%である。有効量は、口腔組成物の形状に依存して変動し得る。たとえば練り歯磨き(toothpaste)、トゥースジェル(tooth gel)、口内洗浄液(mouth rinse)、ロゼンジ及び歯磨き粉(tooth powder)では、有効量は少なくとも約0.01重量%及びまたは少なくとも約0.05重量%であり得る。
【0024】
[0016] 所望により本発明の化合物または口腔組成物は、たとえば繊維またはフロス、ブリストル(bristle)、トング(tongue)及び/または軟式組織清浄部材、マウスガード(mouthguard)、及び/または歯列矯正若しくは補綴インプラント若しくは部材などの口腔ケア用具(implement)上にコーティング及び/またはその中に含浸させることができる。
【0025】
[0017] 抗菌化合物に加えて、多くの活性成分及び機能材料を口腔ケア組成物に配合することができる。そのような材料としては、研磨剤、湿潤剤、界面活性剤、抗歯石剤(anticalculus agent)、増粘剤、粘度調整剤、齲歯予防薬、香料、着色料、追加の抗菌剤、酸化防止剤、消炎成分などが挙げられるが、これらに限定されない。そのような材料は、公知方法に従って、ペースト、リンス、ガム、ロゼンジ、ストリップ及び口腔ケア組成物の他の形状に添加することができる。
【0026】
[0018] 口腔ケア組成物のキャリヤが固体またはペーストである幾つかの態様に従って、口腔組成物は、歯のエナメル質を磨くか、ホワイトニング効果を提供するように機能する、歯科的に許容可能な研磨材料を包含する。非限定的な例としては、シリカゲル及び沈降シリカなどのシリカ研磨剤が挙げられる。市販されている態様としては、ZEODENT(登録商標)115(J.M.Huber,Edison,N.J.,アメリカ合衆国により販売)及びSYLODENT(登録商標)XWA、SYLODENT(登録商標)783またはSYLODENT(登録商標)650XWA(the Davison Chemical Division of W.R.Grace&Co.,ニューヨーク、アメリカ合衆国)が挙げられる。他の好適な練り歯磨き研磨剤としては、メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム二水和物、ケイ酸アルミニウム、か焼アルミナ、ベントナイト若しくは他のシリカ質材料、またはその組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
[0019] 幾つかの態様に従って、口腔ケア組成物は、たとえば空気に暴露した際に練り歯磨きが硬化しないようにするのに有用な、少なくとも一種の湿潤剤を包含する。これらに限定されないが、グリセリン、ソルビトール、キシリトール及び低分子量PEGなどの多価アルコール類などの任意の口腔的に許容可能な湿潤剤を使用することができる。幾つかの態様では、一種以上の湿潤剤は全量で約1重量%〜約70重量%、たとえば約1重量%〜約50重量%、約2重量%〜約25重量%、または約5重量%〜約15重量%で配合する。
【0028】
[0020] 口腔ケア組成物は少なくとも一種の界面活性剤も含み得る。幾つかの態様では、界面活性剤は、改善された安定性を提供し、洗浄力によって歯の表面を清浄し易くし、及びたとえば本発明の練り歯磨き組成物でブラッシングしている間など、攪拌している間に泡を提供することができる。その殆どがアニオン、非イオンまたは両性である任意の口腔的に許容可能な界面活性剤を使用することができる。好適なアニオン界面活性剤としては、C8−20アルキル硫酸塩の水溶性塩、C8−20脂肪酸のスルホン化モノグリセリド、サルコシネート(sarcosinate)、タウレート(taurate)などが挙げられるが、これらに限定されない。これら及び他の種類の具体例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ヤシ油モノグリセリドスルホン酸ナトリウム(sodium coconut monoglyceride sulfonate)、ナトリウムラウリルサルコシネート(sodium lauryl sarcosinate)、ラウリルイセチオン酸ナトリウム(sodium lauryl isethionate)、ラウレスカルボン酸ナトリウム(sodium laureth carboxylate)及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。好適な非イオン界面活性剤としては、ポロキサマー(poloxamer)、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、脂肪アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、三級アミンオキシド、三級ホスフィンオキシド、ジアルキルスルホキシドなどが挙げられるが、これらに限定されない。好適な両性界面活性剤としては、カルボキシレート、サルフェート、スルホネート、ホスフェートまたはホスホネートなどのアニオン基をもつC8−20脂肪族二級及び三級アミン類の誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。好適な例としては、ココアミドプロピルベタインがある。幾つかの態様では、一種以上の界面活性剤は全量で約0.01重量%〜約10重量%;たとえば約0.05重量%〜約5重量%;または約0.1重量%〜約2重量%で存在する。
【0029】
[0021] 別の態様では、本組成物は、口腔的に許容可能な抗歯石剤を包含する。そのような一種以上の薬剤は、種々の態様で存在し得る。好適な抗歯石剤としては、リン酸塩及びポリリン酸塩(たとえばピロリン酸塩)、ポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)、クエン酸亜鉛三水和物、ポリペプチド、たとえばポリアスパラギン酸及びポリグルタミン酸、ポリオレフィンスルホネート、ポリオレフィンホスフェート、ジホスホネート、たとえばアザシクロアルカン−2,2−ジホスホネート(たとえばアザシクロヘプタン−2,2−ジホスホン酸)、N−メチルアザシクロペンタン−2,3−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸(EHDP)及びエタン−1−アミノ−1,1−ジホスホネート、ホスホノアルカンカルボン酸並びにこれらの剤の任意の塩、たとえばアルカリ金属塩及びアンモニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。好適な無機リン酸塩及びポリリン酸塩としては、たとえばリン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム及びリン酸三ナトリウム(monobasic、dibasic and tribasic sodium phosphate)、トリポリリン酸ナトリウム(STPP)、テトラポリホスフェート、ピロリン酸一、二、三及び四ナトリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、トリメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどを含み得、ここでナトリウムは場合により幾つかの態様ではカリウムまたはアンモニウムによって置き換えることができる。
【0030】
[0022] 本発明の口腔ケア組成物は、ポリカルボキシレートポリマーを含み得る。ポリカルボキシレートポリマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸または無水マレイン酸などのカルボン酸基を含むモノマーのポリマーまたはコポリマーを含み得る。非限定的な例としては、ポリビニルメチルエーテル/無水マレイン酸(PVME/MA)コポリマー、たとえばGANTREZ(登録商標)(ISP、Wayne、N.J.,アメリカ合衆国)のもと市販されているものが挙げられる。他の有用な抗歯石剤としては、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、グルタル酸及びシュウ酸並びにそれらの塩などのヒドロキシカルボン酸、並びにエチレンジアミン四酢酸(EDTA)などのアミノポリカルボン酸を含む金属イオン封鎖剤を含み得る。
【0031】
[0023] 幾つかの態様では、本発明の組成物は少なくとも一種の増粘剤を含む。幾つかの態様では、増粘剤は口腔ケア組成物に対して所望のコンシステンシー及び/または口当たりを与えることができる。任意の口腔的に許容可能な増粘剤としては、カルボキシビニルポリマーとしても公知のカルボマー、カラギーナン、セルロースポリマー、たとえばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びその塩、たとえばCMCナトリウム、天然ガム、たとえばカラヤ、キサンタン、アラビアゴム及びトラガカント、コロイドマグネシウムケイ酸アルミニウム、コロイドシリカなどを使用することができるが、これらに限定されない。幾つかの態様では、一種以上の増粘剤は全量で約0.01重量%〜約15重量%;たとえば約0.1重量%〜約10重量%;または約0.2重量%〜約5重量%で存在する。
【0032】
[0024] 幾つかの態様に従って、口腔ケア組成物は少なくとも一種の粘度調整剤(viscosity modifier)を包含する。幾つかの態様では、粘度調整剤は成分の沈降または分離を阻害するか、または液体組成物の攪拌時に再分散性を促進する。鉱油、ペトロラタム、クレー及び有機修飾クレー、シリカなどの任意の口腔的に許容可能な粘度調整剤を使用することができるが、これらに限定されない。幾つかの態様では、一種以上の粘度調整剤は全量で約0.01重量%〜約10重量%;たとえば約0.1重量%〜約5重量%で存在する。
【0033】
[0025] 別の態様では、本組成物は口腔的に許容可能なフッ化物イオン源を包含する。幾つかの態様では、一種以上のそのような源が存在する。好適なフッ化物イオン源としては、フッ化物、モノフルオロホスフェート及びケイフッ化物塩(fluorosilicate salt)及びアミンフッ化物、たとえばオラフルル(N’−オクタデシルトリメチレンジアミン−N,N,N’−トリス(2−エタノール)−ジヒドロフルオリド)などが挙げられる。口腔的に許容可能なそのような任意の塩が好適であり得、たとえばアルカリ金属(たとえばカリウム、ナトリウム)、アンモニウム、スズ及びインジウム塩などが挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの態様では、水溶性フッ化物放出性塩(water−soluble fluoride−releasing salt)を使用する。幾つかの態様に従って、一種以上のフッ化物放出塩は、フッ化物イオンを計約100ppm〜約20,000ppm;約200ppm〜約5,000ppm;または約500ppm〜約2,500ppmを提供するような量で存在する。フッ化ナトリウムが唯一の存在するフッ化物放出塩である幾つかの態様では、口腔ケア組成物は、フッ化ナトリウム約0.01重量%〜約5重量%;約0.05重量%〜約1重量%;または約0.1重量%〜約0.5重量%を包含する。
【0034】
[0026] 他の成分としては、香料、着色料並びに、酸化防止剤及び消炎剤などの他の活性成分を含むことができるが、これらに限定されない。幾つかの態様では、そのような追加の成分は既知の手順に従って口腔組成物に配合される。
【0035】
[0027] 本発明は、グラム陰性菌、グラム陽性菌及び/またはこれら両方の混合物などの、基質上の細菌集団の成長の減少、除去または予防法を包含する。本方法は、本発明の化合物及び/または組成物のいずれかと選択された基質とを接触させることを含む。接触期間は短くてもよい(数秒〜数時間)か、基質は、本発明の化合物または組成物でコーティング、含浸若しくは添加されることができる。基質は、プラスチック、ポリマー樹脂、フィルム、金属、繊維、テキスタイル、木材、紙、磁器またはセラミックなどの当業界のいずれであってもよい。基質は、細菌集団を制御しようとする任意の装置、道具、備品(furnishing)または器具(instrument)の全体または一部であってもよく、たとえば衣料品、たとえばおむつ、下着、靴、医療機器、外科手術用具、移植インプラント、事務用品、おむつ用バッグ、女性用製品、トイレットペーパー、食器類、食品サービス用具、ゴミ箱、パイプ、ドア、受話器、コンピューターキーボード、手すり、床、手術室表面、硬い表面、ペット備品、たとえばキャリヤ、おもちゃ及び猫用トイレ;浴室及び台所表面、壁、通貨、研究室備品、及び/または眼科及び歯科の装置、用具、インプラント、及びツール、たとえばコンタクトレンズ、義歯、及びメガネ;並びに表皮表面及び上皮表面など。口腔環境では、基質はペリクル、エナメル及び/または上皮であってもよい。
【0036】
[0028] 本発明は哺乳類の全身健康状態を維持及び/または促進する方法も包含する。そのような方法としては、口腔表面(たとえば象牙質(dentinal)、エナメル、歯肉、上皮、ペリクル表面)と本発明の組成物または化合物(I)とを接触させることを包含する。
【実施例】
【0037】
実施例1
[0029] 選択した化合物(I)〔式中、m=0、Rはアリル基であり、R及びRは水素原子である〕をエタノールに溶解し、以下の表1に示すように配合した、単純なリンスを製造した。
【0038】
実施例2
[0030] 実施例1の処方に対する照合偽薬(matching placebo)を以下の表1に示される処方に従って製造した。
【0039】
【表1】

【0040】
[0031] 実施例1及び2の処方を使用して、悪臭低下能力のin−vitro評価を実施する。それぞれVSCを含有する口腔環境中に処方を暴露する。0.03%TCNを含有するリンスもVSCを含有する口腔環境に暴露する。
【0041】
[0032] それぞれの処方に関して口腔環境中におけるVSCの低下率を測定する。この場合、特に、硫黄含有アミノ酸の存在下においてVSCを生成するのが公知であるF.nucleatum(フソバクテリウム・ヌクレタム)及びP.melangenica(P.メランゲニカ)などのグラム陰性細菌に対する優れた抗菌活性から、どんな悪臭の低下でも予想されるだろう。実施例1の処方によって、発生した口腔の悪臭レベルに関し非常に強い効果が明示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造(I):
【化1】

〔式中、mは0〜100の整数であり、Rは1〜50個の炭素原子をもつ第一の炭化水素構造から独立して選択され、R及びRは水素原子と1〜10個の炭素原子をもつ第二の炭化水素構造とから独立して選択される〕
により表される化合物。
【請求項2】
構造(I):
【化2】

〔式中、Rは水素原子と以下の:
【化3】

により表される構造とから選択され、ここでmは0〜100の整数であり、Rは1〜50個の炭素原子をもつ第一の炭化水素構造から独立して選択され、R及びRは水素原子と1〜10個の炭素原子をもつ第二の炭化水素構造から独立して選択される〕
により表される化合物と;キャリヤとを含む口腔ケア組成物。
【請求項3】
mは0〜50の整数である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
mは1〜20の整数である、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
mは1〜15の整数である、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
mは1、2、3、4、5及び6から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
前記第一の炭化水素構造と第二の炭化水素構造の一方または両方は独立して環構造である、請求項2に記載の組成物。
【請求項8】
前記第一の炭化水素構造と第二の炭化水素構造の一方または両方は独立して鎖構造である、請求項2に記載の組成物。
【請求項9】
前記炭化水素鎖は独立して分岐している、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記第一の炭化水素構造は、アルキル基、アルコキシ基、アルケン基、及びアルキン基、及びアルカン基から独立して選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項11】
Rは独立して1〜20個の炭素原子をもつ炭化水素構造である、請求項2に記載の組成物。
【請求項12】
Rは独立して1〜10個の炭素原子をもつ炭化水素構造である、請求項2に記載の組成物。
【請求項13】
及びRは、置換若しくは非置換のメチル基、置換若しくは非置換のエチル基及び置換若しくは非置換のブチル基から独立して選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項14】
前記化合物(I)が約0.001重量%〜約10重量%の量で存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項15】
前記化合物(I)が約0.01重量%〜約5重量%の量で存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項16】
前記化合物(I)が約0.1重量%〜約2重量%の量で存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項17】
ゲル、液体、粉末から選択される口腔的に許容可能なキャリヤ、口腔環境と接触する際に溶解する材料、テキスタイル基質(textile substrate)、繊維及びペーストをさらに含む、請求項2に記載の口腔ケア組成物。
【請求項18】
ポリビニルメチルエーテル及び無水マレイン酸のコポリマー、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、キトサン、ポリビニルホスホン酸のポリマー/コポリマーから選択される剤をさらに含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項19】
ペースト、ゲル、ロゼンジ、液体、チューインガム、チューイ(chewie)及びスプレーの形状である、請求項2に記載の口腔ケア組成物。
【請求項20】
構造(I):
【化4】

〔式中、Rは水素原子と以下の:
【化5】

により表される構造とから選択され、ここでmは0〜100の整数であり、Rは1〜50個の炭素原子をもつ第一の炭化水素構造から独立して選択され、R及びRは水素原子と1〜10個の炭素原子をもつ第二の炭化水素構造から独立して選択される〕
により表される化合物と基質とを接触させることを含む、基質上の微生物集団を減少させる方法。
【請求項21】
mが1〜15の整数である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第一の炭化水素構造が、アルキル基、アルコキシ基、アルケン基及びアルキン基、及びアルカン基から独立して選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
及びRが、置換若しくは非置換のメチル基、置換若しくは非置換のエチル基及び置換若しくは非置換のブチル基から独立して選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記基質がペリクル、エナメル及び口腔上皮から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記基質が口腔表面である、請求項19に記載の方法。

【公表番号】特表2010−540646(P2010−540646A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528051(P2010−528051)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2008/078096
【国際公開番号】WO2009/045951
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(590002611)コルゲート・パーモリブ・カンパニー (147)
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
【Fターム(参考)】