説明

抗菌ペプチド、組成物及びその使用方法

本発明は、菌類、カビ及びウイルスと同様に、グラム陽性菌及びグラム陰性菌に対しても、広い範囲の抗菌作用を示す抗菌ペプチドを提供する。本発明の抗菌ペプチドは、カチオン性ペプチドであり、HIV−TAT若しくは逆HIV−TAT配列、又はそれらの誘導体を含んでもよい。本発明はさらに、カチオン性ペプチドを含む抗菌組成物を提供する。かかる組成物は皮膚、毛髪、爪、膣、尿道、耳、口腔、鼻腔、呼吸器系、眼科領域及び種々の粘膜領域に対する局所適用に特に有用である。本発明の組成物は、症状及び/又は治療領域の外観の改善をし、例えば細菌感染症の予防又は再発予防のための長期間及び/又は日常の使用に適している。本発明はさらに、皮膚、爪又は治療部位の症状又は外観の改善に使用するキットを提供する。これらキットは、組成物の使用容易性、長期保存及び/又は有効性を促進することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年7月26日付で出願された米国仮出願第60/952,059号により優先権を主張し、その内容全体は参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、細菌感染症の治療若しくは予防、並びに/又は治療後の細菌感染症の再発を予防するための薬学的及び美容上の用途に用いる抗菌ペプチドに関する。
【背景技術】
【0003】
小さなカチオン性抗菌ペプチド(AMP)は、先天性免疫系の天然の抗生物質である。AMPは、動物及び植物に広く分布し、最古の宿主防衛因子の1つである。AMPの活性スペクトラムは、真菌類(fungi)及び一部のウイルス類の他にグラム陽性菌及びグラム陰性菌を含んでもよい。従来の抗生物質に対する病原菌の耐性が増加するにつれ、これら内因性抗生物質は、慢性の細菌感染症を含む様々な感染性疾患に対する新しい治療の考案にあたり、並びに日常的及び/又は予防のための使用にあたり重要な供給源となる。しかしながら、多くの用途において、かかるペプチドは、有効であるのに加えて、患部を悪化させることなく、長期間及び/又は日常的に使用できるように十分に安全で安定していなければならない。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、真菌類、カビ及び一部のウイルス類に対するのと同様に、グラム陽性菌及びグラム陰性菌に対しても広い範囲の抗菌作用を示す抗菌ペプチドを提供する。本発明のペプチドはカチオン性で、グリシン又はグルタミン等の他の非荷電アミノ酸に加えて、リシン、アルギニン及びヒスチジン等の正荷電アミノ酸を含む。本発明のペプチドは、長期間又は日常に使用できるように安全で、有効かつ十分に安定している。
【0005】
本発明はさらに、抗菌ペプチドを含む抗菌組成物を提供する。これら組成物は、安定しているため、日常の使用を含む多様な形態で処方することができる。かかる組成物は皮膚、毛髪、爪、膣、尿道、耳、口腔、鼻腔、呼吸器系、眼科領域、種々の粘膜領域及び他の罹患した部位への局所適用が、細菌感染症の治療、予防又は再発予防に特に有用である。本発明の組成物は、細菌感染症を軽減、抑制、又は予防することによって、長期間又は日常の使用であっても、治療領域の症状及び/又は外観を改善する。
【0006】
本発明はさらに、皮膚、爪又は他の治療部位の症状又は外観を改善するために使用するキットを提供する。これらキットは、本発明の組成物の調剤及び適用を容易にする成分を含んでもよく、組成物の便利な適用及び長期間の保存のためにデザインされてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0007】
HIV−TATのペプチド断片は、治療、審美及び/又は美容目的に、より安定し、より有効で、より安全なボツリヌス毒素組成物を製造するために、ボツリヌス毒素と併せて使用された。組成物を含むこれらボツリヌス毒素は、「HIV−TAT由来ポリペプチド断片で安定化したボツリヌス毒素の局所適用及び経皮送達のための組成物及び方法(Compositions and Methods of Topical Application And Transdermal Delivery of Botulinum Toxins Stabilized With Polypeptide Fragments Derived From HIV-TAT)」という題名で2006年12月29日に出願された米国仮出願において開示されており、その内容全体は参照することにより本明細書に組み込まれる。本発明者は、HIV−TATのペプチド断片及び関係するペプチドが抗菌作用を有し、医薬組成物及び美容組成物の有効成分として有用であることを発見した。かかるペプチドは、(例えば、ボツリヌス毒素不在下で)長期間又は日常の使用に安全で有効である。
【0008】
したがって、本発明の1つの態様は、N末端若しくはC末端、又はN末端及びC末端の両方にHIV−TAT配列又は逆HIV−TAT配列を含むカチオン性ペプチドである。例えば、抗菌ペプチドは、Arg-Lys-Lys-Arg-Arg-Gln-Arg-Arg-Arg(配列番号1)等のHIV−TAT配列、又はArg-Arg-Arg-Gln-Arg-Arg-Lys-Lys-Arg(配列番号2)等の逆HIV−TAT配列をN末端若しくはC末端、又はN末端及びC末端の両方に有していてもよい。
【0009】
一実施形態において、カチオン性ペプチドは、HIV−TAT配列又は逆HIV−TAT配列であるN末端部分、HIV−TAT配列又は逆HIV−TAT配列であるC末端部分、及びN末端部分とC末端部分との間の1又は2以上のカチオン性残基(例えば、リシン又はアルギニン)を含む。例えば、かかるペプチドは、N末端部分とC末端部分との間にリシン等のカチオン性残基を5〜20個、例えば、約12、約15又は約17個有していてもよい。
【0010】
典型的な実施形態において、本発明は以下の配列を有するカチオン性ペプチドである:Arg-Lys-Lys-Arg-Arg-Gln-Arg-Arg-Arg-Gly-(Lys)n-Gly-Arg-Lys-Lys-Arg-Arg-Gln-Arg-Arg-Arg(配列番号3)、又はArg-Arg-Arg-Gln-Arg-Arg-Lys-Lys-Arg-Gly-(Lys)n-Gly-Arg-Arg-Arg-Gln-Arg-Arg-Lys-Lys-Arg(配列番号4)。nは約5〜約20、例えば約10〜約20の整数を示す。
【0011】
本発明の一実施形態において、ペプチドのN末端部分はHIV−TAT配列であり、ペプチドのC末端部分はHIV−TAT配列である。別の実施形態において、N末端部分は逆HIV−TAT配列であり、C末端部分は逆HIV−TAT配列である。例えば、抗菌ペプチドは以下のアミノ酸配列を有してもよい:Arg-Lys-Lys-Arg-Arg-Gln-Arg-Arg-Arg-Gly-(Lys)15-Gly-Arg-Lys-Lys-Arg-Arg-Gln-Arg-Arg-Arg(配列番号5)。
【0012】
いくつかの実施形態において、かかるペプチドは、HIV−TAT配列等のアミノ酸の天然配列を含むが、他にもその効能を向上させるために天然配列を改良してもよい。効能が向上した抗菌ペプチドは、本明細書に記載又は例示されたアッセイを使用して同定できる。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドは易生分解性である。
【0013】
一般的に、本発明で意図するHIV−TAT及び逆HIV−TAT配列の抗菌誘導体は、アルギニン及びリシン残基を特に多く含むことを特徴とする。例えば、本発明のペプチドは、アルギニン及びリシンのアミノ酸残基を合計で少なくとも約50%含むが、アルギニン及びリシン残基を少なくとも約75%、又は少なくとも約80%含んでいてもよい。これらの又は他の実施形態において、かかる誘導体は、配列番号3又は4において1、2、3又は4個のアミノ酸の置換、挿入又は欠失を含む、(合計で)1〜5個のアミノ酸の置換、挿入又は欠失を伴う配列番号3又は4のアミノ酸配列を有していてもよい。いくつかの実施形態において、かかる置換、挿入又は欠失は、HIV−TAT又は逆HIV−TAT配列内に位置する。
【0014】
本発明の抗菌ペプチドは、約15〜約100アミノ酸長である。いくつかの実施形態において、カチオン性ペプチドは、長さ約25〜約50又は約25〜約40アミノ酸である。本発明の典型的な実施形態において、抗菌ペプチドは長さ約35アミノ酸である。
【0015】
本発明は、様々な微生物を抑制し、殺し、及び/又は溶解するのに有効であり、広い抗菌スペクトラムを有することができる。本発明が、静菌性又は殺菌性を示す典型的な細菌は、以下のグラム陰性菌及びグラム陽性菌の両方を含む:黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)(グループA)、連鎖球菌(Streptococcus spp.)(ビリダンス群)、ストレプトコッカス・アガラクチアエ(Streptococcus agalactiae)(グループB)、ストレプトコッカス・ボビス(Streptococcus bovis)、ストレプトコッカス(Streptococcus)(嫌気性種)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、ミュータンス連鎖球菌(Streptococcus mutans)、腸球菌(Enterococcus spp.)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitides)、ブランハメラ・カタラリス(Branhamella catarrhalis)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、枯草菌(Bacillus subtilis)、プロピオン酸菌属アクネ菌(Propionibacterium acnes)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、破傷風菌(Clostridium tetani)、クロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium difficile)、大腸菌(Escherichia coli)、エンテロバクター属(Enterobacter spp.)、プロテウス変形菌(Proteus mirablis)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、サルモネラ属(Salmonella spp.)、赤痢菌属(Shigella spp.)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、アクチノバシラス・アクチノミセタムコミタンス(Actinobacillus actinomycetumcomitans)、歯周病細菌(Porphyromonas gingivalis)、バクテロイデス・フォルシサス(Bacteriodes forcythus)、トレポネマ・デンチコラ(Treponema denticola)、プレボテラ・インターメディア菌(Prevotella intermedia)及びユウバクテリウム・ノダタム(Eubacterium nodatum)。
【0016】
したがって、本発明の抗菌ペプチドは、かかる細菌を抑制するのに有用であり、菌血症、肺炎、髄膜炎、骨髄炎、心内膜炎、虫歯、歯周病、副鼻腔炎、鼻炎、伝染性結膜炎、尿路感染症、破傷風、壊疽、大腸炎、急性胃腸炎、膿痂疹、ニキビ、酒さ(acne posacue)、創傷感染、熱傷後感染、筋膜炎、気管支炎、様々な膿瘍、院内感染及び日和見感染症を含む、細菌感染症を改善又は細菌感染症の可能性を低減する。
【0017】
本発明の抗菌ペプチドはまた、皮膚糸状菌(例えば、イヌ小胞子菌(Microsporum canis)、オードアン小胞子菌(Microsporum audouinii)及び石膏状小胞子菌(Microsporum gypseum)等の小胞子菌属(Microsporium spp.);紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)、毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)、トリコフィトン・トリコフィトン(Trichophyton Trichophyton)、トリコフィトン・シェーンライニイ(Trichophyton schoenleinii)及び頭部白癬菌(Trichophyton tonsurans)等の白癬菌属(Trichophyton spp.))、アクレモニウム属(Acremonium spp.)、フサリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、スコプラリオプシス・ブレビカウリス(Scopulariopsis brevicaulis)、オニココラ・カナデンシス(Onychocola canadensis)、スキタリジウム・ディミディアツム(Scytalidium dimidiatum);酵母菌(例えば、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)又は他のカンジダ属及びサッカロマイセス・セレヴィシエ)、トルロプシス・グラブラタ(Torulopsis glabrata)、エピデルモフィトン・フロッコーズム(Epidermophyton floccosum)、癜風菌(Malassezia furfur)、ピチロスポルム・オービキュラレ(Pityropsporonorbiculare)又はピチロスポルム・オバレ(Pityropsporon ovale)、クリプトコックス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)及び他のアスペルギルス属(Aspergillus spp.)、接合菌綱(Zygomycetes)(例えば、クモノスカビ及びケカビ)、パラコクシジオイデス・ブラジリエンシス(Paracoccidioides brasiliensis)、ブラストミセス・デルマティティディス(Blastomyces dermatitides)、ヒストプラスマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、コクシジオイデス・イミティス(Coccidioides immitis)及びスポロスリックス・シェンキイ(Sporothrix schenckii)等の真菌生物の成長及び生存を抑制するのにも有効である。
【0018】
したがって、抗菌ペプチドは、アスペルギルス症、ブラストミセス症、カンジダ症、コクシジオイデス症、クリプトコッカス症、ヒストプラスマ症、パラコクシジオイデス症、スポロトリクム症、接合菌症等の感染症を治療又は予防のための、真菌生物の抑制に有用である。本発明のいくつかの実施形態において、抗菌ペプチドは、足白癬、癜風及び爪甲真菌症の治療又は予防に有効である。本発明の抗菌ペプチドが有効な真菌感染症には、他に白癬性毛瘡、ロボミコーシス(Lobomycosis)、菌腫、砂毛症、癜風、頭部白癬、体部白癬、頑癬、黄癬、黒癬、耳真菌症、フェオフィホ真菌症及びリノスポリジウム症がある。
【0019】
本発明は、HIV、単純ヘルペスウイルス、サイトメガロ・ウイルス及びヒト・パピローマウイルス等のいくつかのウイルスに対してもまた有効である。したがって、本発明の抗菌ペプチドは、ヘルペス、陰部ヘルペス、イボ等の感染の予防及び治療にも有効であり、HIV感染の予防にも有効である。
【0020】
本発明は、本発明の抗菌ペプチドを含む医薬組成物又は美容用組成物、及び薬学的に又は美容用に許容される担体及び/又は希釈剤を提供する。通常、本発明の組成物には、「HIV−TAT由来ポリペプチド断片で安定化したボツリヌス毒素の局所適用及び経皮送達のための組成物及び方法」という題名で2006年12月29日に出願された米国仮出願の開示にあるボツリヌス毒素は含まれず、この米国仮出願は参照することにより本明細書に組み込まれている。
【0021】
本発明の組成物は、担体及び/又は希釈剤と組み合せて、抗菌作用に有効な量の本発明の抗菌ペプチドを含んでも、抗菌ペプチドのみからなっても、実質的に抗菌ペプチドからなってもよい。この場合、「実質的に〜からなる」という表現は、前記組成物が、薬学的に又は美容用に許容される担体及び/又は希釈剤とともに抗菌ペプチドのみを含み、また、追加の抗生物質等の抗菌剤又は抗炎症薬(例えば、非ステロイド抗炎症薬(NSAID))を任意で含んでもよいという意味である。例えば、局所投与用に処方する際に、本発明の組成物は、過酸化ベンゾイル、クリンダマイシン、エリスロマイシン、テトラサイクリン、バシトラシン、ネオマイシン、ムピロシン、ポリミキシンB、ミコナゾール及び/又はクロトリマゾールを任意で含んでもよい。いくつかの実施形態において、担体及び/又は希釈剤は、緩衝食塩水等の水性担体又は希釈剤である。
【0022】
本発明の医薬組成物又は美容用組成物は、局部投与用に処方されてもよく、多くの細菌感染症の治療又は予防のための全身療法に対して歓迎される代替案となりうる。いくつかの実施形態において、本発明の組成物を使用する局所療法は、全身療法又は他の局所療法と平行して実施され、付加的又は相乗作用的効果をもたらす。例えば、本発明の抗菌ペプチドは、過酸化ベンゾイル、クリンダマイシン、エリストロマイシン、テトラサイクリン、バシトラシン、ネオマイシン、ムピロシン、ポリミキシンB、ミコナゾール、クロトリマゾール、及び/又は同等の抗菌剤のうちの1つ以上と組み合わせて、相乗的に作用することができる。
【0023】
本発明の組成物を使用しての治療は、多様な細菌感染症を治療するだけではなく、第一に感染症の発症を予防し、かかる感染症の再発予防にも有効である。後者については、本組成物は、局所又は全身療法の治療後に、罹患部位に投与される。効果的に治療された感染症の再発を予防し、又は感染しやすい部位での感染症の発症を第一に予防するために、上記組成物を数日、数週間、又は数年間という長期間であっても、日常的に(例えば、毎日)投与してもよい。
【0024】
局所投与用の組成物を処方する際には、本発明の組成物は、担体、媒介又は媒体等の局所用医薬組成物又は美容組成物に標準的な成分を含むことができる。具体的には、担体、媒介又は媒体は、皮膚、毛髪、爪、膣、尿道、耳、口腔、鼻腔、呼吸器系、眼科領域及び/又は粘膜等の適用される組織に適合している。本発明の組成物及び成分は、感染した組織への接触又は過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応等なしに一般的な患者への使用に適している。必要に応じて、本発明の組成物は、対象となる分野で従来から使用されている成分を含むことができる。
【0025】
形状に関し、本発明の組成物は、溶液、エマルジョン(マイクロエマルジョンを含む)、懸濁液、クリーム、ローション、ゲル、粉末や、組成物を使用することができる皮膚及び他の組織に適用される標準的な固体又は液体組成物を含んでもよい。組成物は、追加の抗菌剤、モイスチャライザー及び水和剤、浸透剤、保存料、乳化剤、天然又は合成油、溶剤、界面活性剤、洗浄剤、ゲル化剤、皮膚軟化剤、酸化防止剤、香料、充填剤、増粘剤、ワックス、臭気吸収剤、染料、着色剤、粉末、粘度調整剤及び水、並びに、任意で麻酔薬、痒み止め、植物抽出物、調整剤、暗色化剤(darkening agents)又は淡色化剤(lightening agents)、ラメ、保湿剤、マイカ、ミネラル、ポリフェノール、シリコン又はその誘導体、日焼け止め、ビタミン及び薬用植物(phytomedicinal)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、長期間安定させるために、本発明の組成物は上記成分を使用して処方され、継続的又は長期間の治療が予定されている場合に有益である。
【0026】
本発明の組成物は、皮膚又は罹患部位に時間をかけて制御放出されるように、抗菌ペプチドを追加の活性剤とともに、封入するか、さもなければ、物質内に含有させて、徐放性又は持続放出性組成物の形態をとってもよい。本発明の組成物は、マトリックス、リポソーム、小胞、マイクロカプセル、マイクロスフェア等の内部若しくは上部に、又は固形粒状物質の内部若しくは上部に含有してもよい。
【0027】
本発明の組成物は、罹患又は感染しやすい部位、例えば、脚、肩、背中(腰背部を含む)、腋窩、掌、足、首、鼠径部、手背若しくは足背、肘、上腕、膝、太股、臀部、胴、骨盤又は感染症の治療若しくは予防が必要な身体の他の部分等、に投与することができる。かかる治療はまた、負傷部位の感染症を治療又は予防するための、皮膚への切り傷、擦り傷及び熱傷等の傷の治療及び/又は処置にも考えられている。
【0028】
本発明の組成物は、pH値が約4.5〜6.3の生理環境における使用に適している。したがって、かかる組成物は近似又は同等のpH値で処方してもよい。本発明による組成物は、室温又は冷蔵条件下で保存できる。
【0029】
本発明の組成物は、抗菌作用有効量の抗菌ペプチドを含む。通常、かかる組成物は、約0.01〜約20%(重量/容積)の抗菌ペプチドを含む。いくつかの実施形態において、かかる組成物は、約0.5〜約10%、例えば約0.5%、約1%、約5%又は約10%の抗菌ペプチドを含む。
【0030】
一実施形態において、本発明の医薬組成物は、洗顔料又は保湿剤である。本発明の洗顔料及び保湿剤は、ニキビ桿菌を含むニキビ等の細菌感染症の治療及び/予防に加え、皮膚のコンディションを調整するのに特に有用である。本発明のこの態様はまた、ニキビが効果的に消失した後のニキビの再発予防にも有効である。この態様において、洗顔料又は保湿剤は、例えばほぼ毎日、継続的又は日常的に、患部にルーチンで適用してもよい。例えば、数日間、数週間、数ヶ月間又は数年間でさえ治療を継続することができる。
【0031】
別の実施形態において、本発明の組成物は、水虫(足白癬)及び/又は爪甲真菌症に対して有効な局所用溶液である。この態様において、組成物は、患部に浸透又は塗布するための水溶液でもよい。この実施形態において、本発明は、継続的な毎日の治療により、症状の再発を予防するのにも有効である。さらに、爪甲真菌症の治療に使用する際には、より有効な結果をもたらし、爪の症状及び/又は外観を改善するために、例えば、ラミシール(Lamisil)(登録商標)等の全身療法と平行して、本発明の組成物を使用してもよい。
【0032】
他の実施形態において、本発明の組成物は、マウスウォッシュ、口腔用スプレー又は口腔用ゲルとして処方される。この態様において、本発明のマウスウォッシュ又は口腔用スプレーは、虫歯予防、歯周病の治療及び/又は予防、咽喉炎の治療、又は細菌の存在若しくは活性により引き起こされる可能性のある口臭の治療若しくは予防に有効である。口腔用ゲルとして処方される際は、本発明の組成物は、ヘルペス及び口内炎等の口周辺の痛みの治療及び予防に有効である。マウスウォッシュ、口腔用スプレー又は口腔用ゲルとして処方される際は、かかる組成物は通常、約0.01〜約10%、例えば約1%、約2%、約3%又は約5%の抗菌ペプチドを含む。
【0033】
さらに別の実施形態において、本発明はクリーム又はローションとして処方される。この処方は、単純ヘルペスウイルス感染又は発生の治療及び/又は予防に特に適している。したがって、いくつかの実施形態において、本発明は、陰部ヘルペス、ヘルペス又は水疱瘡の治療に適している。
【0034】
本発明の組成物はまた、鼻炎に有効な鼻腔用スプレー又は伝染性結膜炎に有効な点眼薬として処方されてもよい。
【0035】
別の態様において、本発明は、細菌感染に関連する症状の治療法又は予防法を提供する。本発明の方法は、細菌感染症に罹患又はその疑いのある患者に対して、抗菌ペプチドを含む、本発明の医薬組成物又は美容組成物を投与するステップを含む。いくつかの実施形態において、かかる組成物は、さらなる再発を予防するために、本発明の組成物又は他の治療法を用いた感染症治療の後の患者に投与される。ここでいう患者は、動物又はヒトである。
【0036】
本発明の組成物は、局所経由又は静脈内若しくは皮下等の多様な経由での全身感染の場合の、皮膚、毛髪、爪、膣、尿道、耳、口腔、呼吸器系、眼科領域、鼻腔及び種々の粘膜領域における局所及び全身性の細菌、真菌類及びウイルス感染症に対する治療及び/又は予防に有用である。例えば、かかる疾患には、ニキビ桿菌を含むニキビ、爪甲真菌症、水虫、陰部ヘルペス、虫歯、歯周病、鼻炎及び伝染性結膜炎がある。典型的な実施形態において、かかる感染症としては、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、大腸菌、カンジダ・アルビカンス、アスペルギルス・ニガー及び/又は単純ヘルペスウイルスへの感染がある。
【0037】
細菌感染症の治療、予防又は再発予防のために、抗菌ペプチドを少なくとも約1週間、少なくとも日に1度投与することができる。他には、かかる組成物を少なくとも2日間、少なくとも日に2度投与してもよい。いくつかの実施形態において、かかる組成物はほぼ毎日、少なくとも毎日、1週間に2度、1週間に1度、又は約1ヶ月間投与される。いくつかの実施形態において、本発明の組成物は数ヶ月間、例えば少なくとも2ヶ月、6ヶ月又は約1年間以上、投与される。本発明はさらに、感染の再発予防、又は免疫不全患者を含む、リスクがある又は感染しやすい患者の感染又は症状の予防のために特に有益な長期使用に適している。この長期使用は、少なくとも2年間、3年間、4年間又はさらに5年以上の治療を含むことができる。
【0038】
他の態様において、本発明の組成物は、罹患した又は感染しやすい部位への組成物の投薬及び/又は適用を容易にするために、パッケージ化した本発明のペプチド又は組成物を含むキットである。パッケージ又はディスペンサーは、ボトル、チューブ、スプレーボトル又は他の種類のディスペンサーを含んでもよい。本発明のいくつかの実施形態において、かかる組成物は濃縮状態でパッケージングされ、使用の際にエンドユーザーにより所望の濃度に希釈される。この態様又は他の態様において、長期間の保存に適した方法で組成物は処方及びパッケージングされ、組成物の効果が維持される。
【0039】
キットはさらに、患部への組成物の適用を容易にするために、例えばブラシ、スポンジ、綿棒等の補足的な部品を含んでもよい。
[実施例]
【実施例1】
【0040】
細菌感染に特徴的な症状に対するペプチドの効果
下記の実験は、希釈剤の効果を試験するために計画された。しかしながら、驚くべきことに、カチオン性ペプチドそのものが、強力な抗菌剤であることを見い出した。本発明のペプチドは、長期間の使用に安全なだけではなく、細菌感染に伴う多様な症状の治療、及び再発予防を含む予防に有効であることを発見した。これらの結果を考慮して、実施例2では細菌の成長に対するペプチドの効果を試験した。
【0041】
実施例1.1
ニキビ歴2年の15歳の男性が、5%ペプチド(配列番号5)の局所製剤を日に2回、4週間使用した。このクリーム製剤は、賦形剤のセチル・アルコール、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリルアルコール、ブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydrosyxtoluen)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、エデト酸二ナトリウム及び精製水から構成された。ニキビは局所製剤の使用により、2週間で消えた。2年間この製剤の使用を継続したところ、新たなニキビの発生、又は不都合な結果は観察されなかった。
【0042】
実施例1.2
足指の間に、不愉快なかゆみを伴う発疹及び滲出により示される足白癬(水虫)がある36歳の女性が、就寝前に10分間5%ペプチド(配列番号5)製剤に足を浸し、患部及び足の残りの部分に、日に2回、1%ペプチドの局所製剤を塗布した。このクリーム製剤は、賦形剤のセチルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリルアルコール、ブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydrosyxtoluen)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、エデト酸二ナトリウム及び精製水から調製された。第1週目にかゆみが弱まり、滲出が止まった。第4週目までには、硬化した皮膚断片が消えて、足の皮膚異常の形跡はなくなった。5年間、その女性は0.05%ペプチド製剤を使い続け、新たな発生又は不都合な結果は見られなかった。
【0043】
実施例1.3
78歳の男性が、顕微鏡検査及び爪垢又は切り落とした爪の培養に基づき、真菌侵入が研究室で確認された後、爪甲真菌症であると診断された。この男性は、指爪及びそれを囲む爪床部に5%ペプチド(配列番号5)製剤を日に2回塗布し始めた。このクリーム製剤は、賦形剤のセチル・アルコール、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリルアルコール、ブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydrosyxtoluen)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、エデト酸二ナトリウム及び精製水から構成された。12週間後、伸びた指爪は、全体的に正常な質感及び色を呈した。2年間ペプチド製剤を使い続け、男性の全ての爪に真菌感染は認められなくなった。
【0044】
実施例1.4
65歳の男性が、顕微鏡検査及び爪垢又は切り落とした爪の培養に基づき、真菌侵入が研究室で確認された後、爪甲真菌症であると診断された。この男性は、1ヶ月間の経口療法を始めた。その後、10%ペプチド(配列番号5)製剤を毎日、指爪及びそれを囲む爪床部に塗布し始めた。このクリーム製剤は、賦形剤のセチル・アルコール、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリルアルコール、ブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydrosyxtoluen)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、エデト酸二ナトリウム及び精製水から構成された。12週間後、伸びた指爪は、全体的に正常な質感及び色を呈した。2年間ペプチド製剤を使い続け、男性の全ての爪に真菌感染が認められなくなり、足爪に新たな真菌感染の再発はなかった。
【0045】
実施例1.5
虫歯歴2年の10歳の男児が、ペプチド(配列番号5)のマウスウォッシュを2週間使用した。製剤は、生理食塩水及び1〜5%のペプチドから構成された。症状が顕著に緩和された。この男児は、2年間ペプチドのマウスウォッシュを使用し続け、新たな虫歯は観察されなかった。
【0046】
実施例1.6
口内ヘルペスを発症した36歳女性が、日に3回、1%ペプチド(配列番号5)製剤を適用した。このヒドロゲル製剤は、30%のポロキサマー(poloxamer)から構成された。2日間でヘルペスは全て消えた。
【0047】
実施例1.7
陰部ヘルペスに罹患した24歳女性が、1%ペプチド(配列番号5)製剤を患部に1週間、日に2回適用した。このクリーム製剤は、賦形剤のセチル・アルコール、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリルアルコール、ブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydrosyxtoluen)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、エデト酸二ナトリウム及び精製水から構成された。治療期間終了時には全ての症状が消えた。
【0048】
実施例1.8
鼻炎歴3年の18歳女性が、本発明のペプチド(配列番号5)を含む鼻腔用スプレーを日に3回、1週間使用した。この製剤は生理食塩水及び1〜5%のペプチドからなった。女性は、かゆみ、くしゃみ及び鼻づまり等の症状が即座に緩和するのを感じた。
【0049】
実施例1.9
伝染性結膜炎に罹患した8歳の男児が、生理食塩水及び1〜5%のペプチドからなるペプチド(配列番号5)製剤を適用し、2日後、症状が消えた。
【実施例2】
【0050】
インビトロでの抗菌活性
グラム陰性菌及びグラム陽性菌、並びに真菌の集団に本発明の典型的なペプチドを使用して、抗菌活性を試験した。典型的なペプチドの配列は、Arg-Lys-Lys-Arg-Arg-Gln-Arg-Arg-Arg-Gly-(Lys)15-Gly-Arg-Lys-Lys-Arg-Arg-Gln-Arg-Arg-Arg(配列番号5)であり、15%のポロキサマーを含む0.9%の生理食塩水で調剤された。ペプチドの濃度は、各々3.3mg/ml、11μg/ml及び11ng/mlであった。抗菌活性を表1〜3に示す。かかるペプチドは、用量依存的に強い抗菌活性を示した。特に、本発明の0.33%ペプチドを使用することで、抗生物質耐性で知られるグラム陰性菌である緑膿菌を抑制することができた(表1)。
【0051】
【表1】

【0052】
【表2】

【0053】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗菌作用有効量のカチオン性ペプチド、並びに薬学的又は美容上許容される担体及び/又は希釈剤から実質的になる組成物であって、前記カチオン性ペプチドがアルギニン残基及びリシン残基を少なくとも50%含む組成物。
【請求項2】
カチオン性ペプチドがHIV−TAT、逆HIV−TAT、又はその誘導体を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
局所投与のために処方された、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
約0.01〜約20%のカチオン性ペプチドを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
約0.5〜約10%のカチオン性ペプチドを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
約0.5%、約1%、約5%、又は約10%のカチオン性ペプチドを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
プロピオニバクテリウムが原因のニキビを含む、ニキビに対して有効な洗浄剤又は保湿剤である、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
水虫に有効な、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
爪甲真菌症に有効な、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
マウスウォッシュ又は口腔用ジェルとして処方される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項11】
虫歯を予防及び/又は歯周病を改善、及び/又はヘルペスを治療するのに有効な、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
約0.01〜約20%のカチオン性ペプチドを含む、請求項10又は11に記載の組成物。
【請求項13】
処方が陰部ヘルペスに有効である、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
鼻腔用スプレーとして処方された、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項14】
鼻炎に有効な、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
約0.01〜約20%のカチオン性ペプチドを含む、請求項13又は14に記載の組成物。
【請求項16】
点眼薬として処方される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項17】
伝染性結膜炎に有効な、請求項15に記載の組成物。
【請求項18】
約0.01〜約20%のカチオン性ペプチドを含む、請求項16又は17に記載の組成物。
【請求項19】
カチオン性ペプチドがアルギニン残基及びリシン残基を少なくとも約75%含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項20】
カチオン性ペプチドがアルギニン残基及びリシン残基を少なくとも約80%含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項21】
カチオン性ペプチドが、長さ約20〜約50アミノ酸である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項22】
カチオン性ペプチドが、長さ約25〜約40アミノ酸である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項23】
カチオン性ペプチドが、長さ約35アミノ酸である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項24】
カチオン性ペプチドが、HIV−TAT又は逆HIV−TAT配列を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項25】
HIV−TAT配列が配列番号1のアミノ酸配列であり、逆HIV−TAT配列が配列番号2のアミノ酸配列を有する、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
カチオン性ペプチドが、HIV−TAT又は逆HIV−TAT配列であるN末端部分、HIV−TAT配列又は逆HIV−TAT配列であるC末端部分、かつ前記N末端部分と前記C末端部分との間に1又は2以上のリシン残基を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項27】
ペプチドが、N末端部分とC末端部分との間に5〜20個のリシン残基を有する、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
N末端部分がHIV−TAT配列であり、C末端部分がHIV−TAT配列である、請求項26又は27に記載の組成物。
【請求項29】
N末端部分が逆HIV−TAT配列であり、C末端部分が逆HIV−TAT配列である、請求項26又は27に記載の組成物。
【請求項30】
ペプチドが、N末端部分とC末端部分との間に約15個のリシン残基を有する、請求項26〜29のいずれかに記載の組成物。
【請求項31】
ペプチドが、配列番号5のアミノ酸配列を有する、請求項26に記載の組成物。
【請求項32】
カチオン性ペプチド並びに薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤からなる、請求項1〜31のいずれかに記載の組成物。
【請求項33】
請求項1〜32のいずれかに記載の組成物を、細菌感染した又は感染の疑いのある患者の罹患した又は感染しやすい部位に投与するステップを含む、細菌感染に伴う症状の治療又は予防方法。
【請求項34】
細菌感染がプロピオニバクテリウム、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、大腸菌、カンジダ・アルビカンス、アスペルギルス・ニガー又は単純ヘルペスウイルスの感染を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
症状がニキビ、水虫、爪甲真菌症、虫歯、歯周病、ヘルペス、陰部ヘルペス、鼻炎及び/又は伝染性結膜炎である、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
組成物が最低でも1週間、最低でも1日1回投与される、請求項33〜35のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
組成物が最低でも2日間、最低でも1日2回投与される、請求項33〜35のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
組成物が約1年間、又は1年以上投与される、請求項33〜35のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
細菌感染の再発を予防する方法で、請求項1〜32のいずれかに記載の組成物を、細菌感染治療を受けた患者の罹患した又は感染しやすい部位に投与するステップを含む方法。
【請求項40】
請求項1〜32のいずれかに記載の組成物、ディスペンサー及び/又はアプリケーターを含むキット。

【公表番号】特表2010−534684(P2010−534684A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518431(P2010−518431)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/071350
【国際公開番号】WO2009/015385
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(509168461)ルバンス セラピュティックス インク. (9)
【氏名又は名称原語表記】REVANCE THERAPEUTICS,INC.
【Fターム(参考)】