説明

抗菌剤で処理した繊維

水分率が≦5%である非セルロース繊維上での微生物の増殖を阻止するための組成物であって;i)1〜50重量%の少なくとも一種類の自己架橋性樹脂;ii)0.25〜20重量%の少なくとも一種類の触媒;iii)0.1〜4重量%の、前記樹脂と反応する、少なくとも一種類の抗菌活性剤;iv)98.65〜26重量%の水;〔ここで、i)+ii)+iii)+iv)=100%とする〕を含む組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己架橋性樹脂、触媒、前記自己架橋性樹脂と反応する抗菌活性剤を含む、非セルロース繊維上での微生物の増殖を阻止するための組成物、その組成物で非セルロース繊維を処理する方法、及び前記組成物で処理した非セルロース繊維に関する。
【背景技術】
【0002】
セルロース繊維を処理するために抗菌活性剤を使用することはよく知られている。木綿及びビスコースのようなセルロース繊維を処理する間に、セルロースが酸化してカルボン酸基を形成することが行われる。ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)のような陽イオン性抗菌活性剤を、その陽イオン性抗菌活性剤と陰イオン性カルボン酸基との間のイオン結合によりセルロース繊維に付着させることができる。
【0003】
JP5−226185は、ポリヘキサメチレンビグアニド型化合物を、その抗菌活性剤をヒドロキシ官能性を有する織物に架橋剤で架橋することにより織物材料に固定する方法を開示している。
【0004】
しかし、抗菌活性剤で非セルロース繊維を処理する必要がある。非セルロース繊維は、羊毛、絹、毛皮、皮革、及び毛髪のような動物起源のタンパク質系繊維;ポリエステル、脂肪族ポリアミド(例えば、ナイロン)、芳香族ポリアミド(例えば、アラミド)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ(塩化ビニル)、フルオロカーボン〔例えば、ポリ(テトラフルオロエチレン)PTFE〕、及びポリウレタン〔例えば、リクラ(Lycra)(商標名)、スパンデックス(Spandex)(商標名)〕に基づく繊維のような合成繊維;ガラス、炭素、セラミックス、及び金属のような鉱物起源の繊維;カルボン酸基が化学的に反応して酢酸セルロースのように非反応性になっている植物起源の繊維が含まれるが、それらに限定されるものではない。
【0005】
抗菌活性剤は、パジング(padding)により非セルロース繊維に適用することができるが、非セルロース繊維と抗菌活性剤との間には相互作用がなく、そのため洗濯又は濯ぎに対する耐久性がない。更に、皮膚に悪影響を与えることがある抗菌活性剤を用いた場合、そのような系は、皮膚との接触を必要とする用途には使用できないであろう。
【0006】
自己架橋性樹脂により、非セルロース繊維と抗菌架橋剤との間のイオン結合又は共有架橋を必要とすることなく、非セルロース繊維に抗菌架橋剤を固定することができることを我々は見出した。
【0007】
特に、非常に僅かな活性水素を用いるか、又は全く用いずに、抗菌活性剤を非セルロース繊維に固定することが可能であることを我々は見出した。繊維上の活性水素の濃度を測定することは困難であるが、密接に関係のある性質は、繊維の親水性度である。繊維の親水性度は、繊維の酸価、及び繊維の公定水分率(moisture regain)を含めた数多くのパラメーターを用いて定義することができる。
【0008】
酸価の測定は、D.ケルム(Klemm)、B.フィリップ(Philipp)、T.ハインツェ(Heinze)、U.ハインツェ、及びW.ワーゲンネヒト(Wagenknecht)による「総合セルロース化学」(Comprehensive Cellulose Chemistvy)、第1巻、「基礎及び分析法」(Fundamentals and Analytical Method)(Wiley-VCH,1998,ISBN 3-527-29413-9)に記載されている。繊維の酸価を測定するのに用いられる技術を下に記載する。
【0009】
水分率(moisture regain)は、完全に乾燥した繊維によって取り込まれる水の量であり、ASTM D2495及びD1909に記載されている。水分率の測定のために用いられる技術を下に記載する。
【0010】
本発明によれば、水分率が≦5%である非セルロース繊維上での微生物の増殖を阻止するための組成物であって;
i)1〜50重量%の少なくとも一種類の自己架橋性樹脂;
ii)0.25〜20重量%の少なくとも一種類の触媒;
iii)0.1〜4.0重量%の、前記樹脂と反応する、少なくとも一種類の抗菌活性剤;
iv)98.65〜26重量%の水;
〔ここで、i)+ii)+iii)+iv)=100%〕
を含む組成物が与えられる。
【0011】
非セルロース繊維は、好ましくは水分率≦4.5%、一層好ましくは≦4.0%、最も好ましくは≦3.0%、特に≦2.0%、最も特別には≦1.5%の水分率を有する。
【0012】
本発明の別の態様に従い、酸価が≦5mmol/kgでアル非セルロース繊維上での微生物の増殖を阻止するための組成物であって;
i)1〜50重量%の少なくとも一種類の自己架橋性樹脂;
ii)0.25〜20重量%の少なくとも一種類の触媒;
iii)0.1〜4.0重量%の、前記樹脂と反応する、少なくとも一種類の抗菌活性剤;
iv)98.65〜26重量%の水;
を含む組成物も与えられる。
【0013】
非セルロース繊維は、好ましくは酸価≦4mmol/kg、一層好ましくは≦3mmol/kg、最も好ましくは≦2mmol/kgの酸価を有する。
【0014】
好ましい非セルロース繊維は、合成繊維である。最も好ましい非セルロース繊維には、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン)、ポリプロピレン、ポリウレタン(リクラ、スパンデックス)、及び酢酸セルロースが含まれる。
【0015】
組成物は、好ましくは1〜40重量%、一層好ましくは2〜20重量%、最も好ましくは3〜12重量%の少なくとも一種類の自己架橋性樹脂を含む。
【0016】
組成物は、好ましくは0.25〜10重量%、一層好ましくは0.5〜5重量%、最も好ましくは0.75〜3重量%の少なくとも一種類の触媒を含む。
【0017】
組成物は、好ましくは0.2〜4.0重量%、一層好ましくは0.2〜3.0重量%、最も好ましくは0.4〜1.6重量%の少なくとも一種類の、樹脂と反応する、抗菌活性剤を含む。
【0018】
組成物は、好ましくは60〜98重量%の水、一層好ましくは75〜97重量%、最も好ましくは80〜95重量%の水を含む。
【0019】
自己架橋性樹脂対自己架橋性樹脂と反応する抗菌活性剤の重量比は、好ましくは1:1〜20:1の範囲、一層好ましくは1:1〜15:1の範囲、最も好ましくは2:1〜10:1の範囲内にある。
【0020】
本発明の自己架橋性樹脂は、尿素又はメラミンとホルムアルデヒドとの縮合物に基づくものでもよく、それは、望ましくない遊離ホルムアルデヒド量を減少させるために更に変性されていてもよい。(遊離ホルムアルデヒドは、不快な匂いを与えることになり、皮膚反応を起こすことがある)。更に別のホルムアルデヒド縮合物は、エチレン尿素、ベンゾグアナミンチオ尿素、及びアセトグワナミンを含む。
【0021】
適当な自己架橋性樹脂は、アミノ樹脂として記述することができ、一層好ましくはエーテル化アミノ樹脂、最も好ましくは尿素ホルムアルデヒド及びメラミンホルムアルデヒド樹脂を含み、特にメチル化及びブチル化尿素ホルムアルデヒド及びメラミン・ホルムアルデヒド樹脂を含むものとして記述することができる。
【0022】
エチレンが配合され、放出されるホルムアルデヒドのレベルが一層低い自己架橋性樹脂が好ましく、それには、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素(DMDHEU)、及びジヒドロキシジメチレン尿素(DHDMEU)が含まれる。そのような自己架橋性樹脂の残留ヒドロキシル基は、ブチル又はメチル基で更にエーテル化し、遊離ホルムアルデヒドのレベルを更に一層低くしてもよく、そのような自己架橋性樹脂は、屡々ホルムアルデヒドを含まない樹脂として知られている。
【0023】
好ましくは尿素ホルムアルデヒド樹脂を、一層低い架橋性密度を有するために用い、改良された取扱い性を与える結果になる。
【0024】
好ましくはホルムアルデヒドが非常に少なく、最も好ましくはホルムアルデヒドを含まない樹脂を用いる。
【0025】
本発明に従って用いられる自己架橋性樹脂は、下の表1に示すように、次の商品名で商業的供給業者から入手することができる(しかし、それらに限定されるものではない)。
【0026】
【表1】



【0027】
【表2】

【0028】
【表3】

【0029】
樹脂の自己架橋反応を開始させるため、触媒が必要である。適当な触媒には、塩化マグネシウム及び塩化アンモニウムのような金属塩化物触媒;硫酸アンモニウム;蟻酸、硼酸、燐酸、蓚酸のような強酸のアンモニウム塩;及び塩化物イオンが触媒として働く、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)塩酸塩のようなアミン塩酸塩触媒;が含まれる。しかし、添加触媒(PHMBではないもの)を用いることも好ましい。もしPHMBを触媒として用いるならば、成分ii)及びiii)のために用いられる量は、依然として上に記載した通りである。好ましくは、触媒は、MgCl;塩化アンモニウム;硫酸アンモニウム;蟻酸、硼酸、燐酸、蓚酸のアンモニウム塩;及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0030】
触媒は、クエン酸のような添加剤を含んでいてもよい。付加的添加剤の機能は、硬化速度の増大、黄ばみの減少、及び/又は放出されたホルムアルデヒドを全て吸収することでもよい。
【0031】
抗菌活性剤は、細菌、真菌、ウィルス、藻、酵母、及び原生動物のような微生物の増殖を阻止するために用いる。本発明で用いられる適当な抗菌活性剤は、自己架橋性樹脂との共有結合反応性を有する反応性ヒドロキシル又はアミン基を有する薬剤である。その例には、第四級アンモニウム塩、ビグアニド及びモノグアニド型抗菌活性剤、フェノール、アルコール、及び2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオールが含まれるが、それらに限定されるものではない。抗菌活性剤は、第四級アンモニウム塩、ビグアニド、モノグアニド、及びそれらの混合物からなる群から選択されるのが好ましい。
【0032】
従って、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩は、二つの能力、即ち、触媒として働く塩化物イオン及び抗菌活性剤としてのポリヘキサメチレンビグアニド部分の両方で用いることができる。
【0033】
抗菌活性剤は、ビグアニド及びモノグアニドから選択されるのが好ましい。
【0034】
好ましくは、ビグアニドは、少なくとも一つのメチレン基を含む架橋基により結合された、少なくとも二つの式(1)のビグアニド単位を含む:
【0035】
【化1】

【0036】
架橋基は、酸素、硫黄、又は窒素のような一つ以上のヘテロ原子により置換された、又は場合によりそれを組込んだ、ポリメチレン鎖を含むのが好ましい。架橋基は、一つ以上の環式部分を含んでいてもよく、それは飽和していてもいなくてもよい。架橋基は、二つの隣接する式(1)のビグアニド単位の間に、少なくとも三つ、特に少なくとも四つの炭素原子が直接挿入されるような架橋基であるのが好ましい。二つの隣接する式(1)のビグアニド単位の間に介在する炭素原子は、10個以下であり、特に8個以下であるのが好ましい。
【0037】
ビグアニドは、ヒドロカルビル基、置換ヒドロカルビル基、アミン基、又は式(2)のシアノグアニジン基のような、どのような適当な基によって末端封鎖されていてもよい:
【0038】
【化2】

【0039】
末端基がヒドロカルビルである場合、それは、アルキル、シクロアルキル、アリール、又はアラルキルであるのが好ましい。ヒドロカルビル基がアルキルである場合、それは、直鎖又は分岐鎖でもよいが、直鎖であるのが好ましい。好ましいアルキル基には、C1−8−アルキルが含まれる。好ましいアルキル基の例には、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ペンチル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、及びn−オクチルが含まれる。
【0040】
ヒドロカルビル基がシクロアルキルである場合、それは、シクロプロピル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルであるのが好ましい。ヒドロカルビル基がアラルキルである場合、それは、アリール基をビグアニドへ結合しているアルキレン基中に好ましくは1〜6個、一層好ましくは1又は2個の炭素原子を含む。好ましいアラルキル基には、ベンジル及び2−フェニルエチル基が含まれる。
【0041】
好ましいアリール基にはフェニル基が含まれる。末端基が置換ヒドロカルビルである場合、置換基は、重合体ビグアニドの微生物学的性質に望ましくない悪影響を示さないどのような置換基でもよい。そのような置換基の例は、アリールオキシ、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、ハロゲン、及びニトリルである。
【0042】
ビグアニドが、二つの式(1)のビグアニド基を含む場合、そのビグアニドはビスビグアニドである。二つのビグアニド基は、ポリメチレン基、特にヘキサメチレン基によって結合されているのが好ましい。
【0043】
そのようなビスビグアニド中の末端基は、好ましくはC1−10−アルキルであり、それは、直鎖か又は分岐鎖でもよく、場合により置換されたアリール、特に場合により置換されたフェニルである。そのような末端基の例は、2−エチルヘキシル及び4−クロロフェニルである。そのようなビスビグアニドの特別な例は、遊離塩基型の式(3)及び(4)によって表される化合物である:
【0044】

【化3】

【0045】
ビグアニドは、二つより多くの式(1)のビグアニド単位を含むのが好ましく、式(5)によって表される反復重合体鎖を有する線状重合体ビグアニド、又はその塩であるのが好ましい:
【0046】
【化4】

【0047】
式中、X及びYは、架橋基を表し、それらは同じでも異なっていてもよく、それらを一緒にして、Xにより結合された窒素原子対の間に直接介在する炭素原子数と、Yにより結合された窒素原子対の間に直接介在する炭素原子数との合計は、9より大きく、17より小さい。
【0048】
架橋基X及びYは、ポリメチレン鎖からなるのが好ましく、場合によりヘテロ原子、例えば、酸素、硫黄、又は窒素によって中断されている。X及びYは、飽和又は不飽和でもよい部分が組込まれていてもよく、その場合、X及びYにより結合された窒素原子対の間に直接介在する炭素原子数は、環式基(単数又は複数)の最も短いセグメントを含むものとして数える。例えば、基:
【0049】
【化5】

【0050】
の中の窒素原子の間に直接介在する炭素原子数は、4であり、8ではない。
【0051】
式(5)の反復重合体単位を有する線状重合体ビグアニドは、重合体鎖が異なる長さを有する場合の重合体混合物として得られるのが典型的である。好ましくは、式(5a)及び(5b):
【0052】
【化6】

【0053】
の個々のビグアニド単位の数は、一緒にして3〜約80である。
【0054】
好ましい線状重合体ビグアニドは、X及びYが同じである重合体鎖の混合物であり、末端基を除いた個々の重合体鎖は、式(6)を有するか、又はその塩である:
【0055】
【化7】

【0056】
式中、nは、4〜20であり、特に4〜18である。nの平均値が約16であるのが特に好ましい。遊離塩基型の重合体の平均分子量は、1100〜4000であるのが好ましい。
【0057】
線状重合体ビグアニドは、式(7):
【0058】
【化8】

【0059】
を有するビスジシアンジアミドと、ジアミン、HN−Y−NHとの反応によって製造することができ、この場合、X及びYは、上に定義した意味を有し、或は式(8):
【0060】
【化9】

【0061】
を有するジシアンアミドのジアミン塩と、ジアミンHN−Y−NHとの反応により製造してもよく、この場合X及びYは、上に定義した意味を有する。これらの製造方法は、英国特許第702,268号及び第1,152,243号明細書に夫々記載されており、そこに記載された重合体ビグアニドは、いずれも本発明で用いることができる。前に述べたように、線状重合体ビグアニドの重合体鎖は、アミノ基、又は式(9)のシアノグアニジン基により末端封鎖されていてもよい:
【0062】
【化10】

【0063】
このシアノグアニジン基は、線状重合体ビグアニドの製造中、加水分解し、グアニジン末端基を生ずることがある。末端基は、夫々の重合体鎖で、同じでも異なっていてもよい。Rが、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基を表す場合、第一級アミンR−NHを僅かな割合で、上に記載したような重合体ビグアニドの製造中にジアミンHN−Y−NHと共に含ませてもよい。第一級アミンは鎖末端封鎖剤として働き、従って、重合体ビグアニド重合体鎖の一方又は両方の末端が−NHR基によって封鎖されていてもよい。これらの−NHR鎖末端封鎖重合体ビグアニドも用いることができる。重合体ビグアニドは、無機酸及び有機酸の両方と容易に塩を形成する。重合体ビグアニドの好ましい塩は水溶性である。重合体ビグアニドが、遊離塩基の形の式(3)の化合物によりで表される場合、好ましい水溶性塩はジグルコネートである。これは、アベシア社(Avecia Limited)から、商標名バントシル(Vantocil)CHGとして市販されている。重合体ビグアニドが、遊離塩基の形の式(6)により表される線状重合体の混合物である場合、好ましい塩は塩酸塩である。
【0064】
本発明に従って用いられる重合体ビグアニドは、線状重合体の混合物であるのが特に好ましく、それらの個々の重合体鎖は、末端基を除いて、塩酸塩の形の式(6)により表される。このポリ(ヘキサメチレンビグアニド)化合物は、アベシア社から、商標名レピューテックス(Reputex)20として市販されている。
【0065】
ポリ(C2−18−ヒドロカルビルモノグアニジン)(PMG)は、それらがモノグアニジン基を含んでいるのに対し、PHMBはモノグアニジン基を含まず、その代わり式、−NHC=(NH)NHC(=NH)NH−のビグアニド基を含む点でPHMBとは区別される。
【0066】
PMGは、複数の式(10)の基及び/又は式(11)の基、又はそれらの塩を含むのが好ましい:
【0067】
【化11】

【0068】
式中、
各mは、独立に、0又は1であり;
各Zは、独立に、C2−18−ヒドロカルビル基であり;
A及びBは、一緒になって合計3〜18の炭素原子を含むヒドロカルビル基であり;
各Rは、独立に、水素、場合により置換されたアルキル、又は場合により置換されたアルコキシである。
各mは0であるのが好ましい。
【0069】
PMGの中にあって、Zによって表されているヒドロカルビル基、A及びBは、場合により一つ以上のヘテロ原子又は基によって中断されており、場合により水素以外の置換基を一つ以上有する。好ましい中断原子及び基は、−O−、−S−、−NH−、−C(=O)−及びフェニレンである。場合による好ましい置換基は、ヒドロキシ;C1−4−アルコキシ;ハロ、特にクロロ又はブロモ;ニトロ;アミノ;置換されたアミノ;及び酸基であり、特にカルボキシ、スルホ、及びホスファトである。
【0070】
PMG中の、Zで表されているヒドロカルビル基は、好ましくは、C2−18−アルキレン(一層好ましくはC4−16アルキレン、特にC6−12−アルキレン、一層特別には、C−アルキレン);C3−12−アリーレン、一層好ましくはC6−10−アリーレン、特にフェニレン又はナフチレン;C7−12−アラキレン(一層好ましくはC7−11−アリーレン、特にベンジレン又はキシリエン);又はそれらの組合せ、場合により−O−、−S−、−NH−、又は−C(=O)−基の一つ以上によって中断されたものである。
【0071】
A及びBによって表されるヒドロカルビル基は、好ましくは夫々独立に、C2−6−アルキレンであり、場合により−O−、−S−、−NH−、又は−C(=O)−基の一つ以上によって中断されたものであるが、但しA及びBは合計3〜12個の炭素原子、好ましくは3〜6個の炭素原子、一層好ましくは3又は4個の炭素原子を含むものとする。特に好ましい態様として、A又はBの一方が、−CH−、又は−(CH−であり、他方が−(CH−であり、一層特別には、A及びBの両方が−(CH−である。
【0072】
Zにより表される好ましい−ヒドロカルビル基の例には、−CHCH−、−CHOCOCH−、−CHOC10OCH−、−(CHO(CH−、及び−(CHS(CH−が含まれる。
【0073】
Zにより表される特に好ましい−ヒドロカルビル基の例には、−(CH、−(CH−、−(CH12−、−CHCH(−CH)(CHCH、1,4−、2,3−、及び1,3−ブチレン、2,5−ヘキシレン、2,7−ヘプチレン、及び3−メチル−1,6−ヘキシレンが含まれる。
【0074】
Zにより表される全ての基が同じであり、C4−16−アルキレン、一層好ましくはC4−12−アルキレン、特にC4−8−アルキレン、一層特別には1,6−ヘキシレンであるのが好ましい。
【0075】
各Rは、独立に、H、C1−4−アルキル、C1−4−アルコキシ、又はC1−4−アルコキシ−OHであり、一層好ましくはH、又はメチルであり、特にHである。
【0076】
PMGは、式(10)の基から本質的になるのが好ましい。
【0077】
Rにより表される全ての基は、同じであるのが好ましい。
Rにより表される全ての基は、Hであるのが一層好ましい。
【0078】
PMGの末端基の性質は、重要であるとは思われない。PMGの好ましい末端基は、アミノ及びグアニジノである。
【0079】
上の好ましい場合を考慮して、PMGは、式(12)の基又はその塩を一つ以上含むのが好ましい:
【0080】

【化12】

【0081】
式中、
nは2〜50であり、好ましくは3〜25である。
【0082】
PMGは、塩の形になっているのが好ましい。好ましい塩は、有機又は無機酸の塩であり、特に水溶性塩、例えば、グルコン酸塩、酢酸塩、又は燐酸塩である。
【0083】
PMGは、グアニジン塩酸塩と、例えば、式、HN−Y−NH、HN(−A−)(−B−)NH(ここでZ、A及びBは、上で定義した通りである)のジアミン、又はそのようなジアミンの混合物との反応により製造することができる。
【0084】
PMGは、式(10)及び(11)の反復単位以外の反復単位を少量含んでいてもよいことは理解されるべきである。しかし、PMGは、式(10)及び/又は(11)の反復単位及び末端基から本質的になるか、又はそれらからなるのが好ましい。
【0085】
それらの例には、韓国のSK社(SK Corp.)から入手できるスカン(SKAN)B(商標名)のようなポリヘキサメチレンモノグアニド、及びオーストリアのPOCから入手できるアカシド(Akacid)(商標名)のようなポリ(オキシエチレン)グアニド塩酸塩が含まれる。
【0086】
非重合体モノグアニドの適当な例には、n−ドシルグアニド塩酸塩が含まれる。
【0087】
組成物は、非セルロース繊維に適用する前に、水、水性溶媒、有機溶媒、及び/又はそれらの混合物で希釈してもよい。組成物は、水及び/又はアルコール、特に水混和性で、揮発性が低いグリコールで希釈するのが好ましく、一層好ましくは、組成物は水で希釈してもよい。
【0088】
場合により、本発明の組成物は、染料;脱臭剤;UV吸収剤;非架橋性樹脂;軟化剤;ウィッキング(wicking)剤;撥水剤;静電防止剤;汚れ防止剤;ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような潤滑剤;織物工業で当業者によく知られている他の添加剤;を含んでいてもよい。
【0089】
本発明の第二の態様により、水分率が≦5%であり且つ/又は酸価が≦5mmol/kgである非セルロース繊維上での微生物の増殖を阻止するための方法であって;
A)繊維と:
i)1〜50重量%の少なくとも一種類の自己架橋性樹脂;
ii)0.25〜20重量%の少なくとも一種類の触媒;
iii)0.1〜4重量%の、前記樹脂と反応する、少なくとも一種類の抗菌活性剤;
iv)98.65〜26重量%の水;
〔ここで、i)+ii)+iii)+iv)=100%〕
を含む組成物と接触させる段階;
B)場合により、前記組成物と接触させた前記繊維を乾燥する段階;及び
C)前記組成物と接触させた前記繊維を、前記樹脂の架橋を行わせるように硬化する段階;
を含む増殖防止方法が与えられる。
【0090】
本発明の第一の態様に従う組成物は、当分野で知られている湿式仕上げ技術、例えば、噴霧、浸漬、又はパジング法のいずれかにより、非セルロース繊維(又はヤーン、又はそれから作られた織物)に適用することができる。パジングは、組成物を材料に、その材料を浴に通した後、絞りローラーに通すことにより、或は下側のローラーが組成物中に部分的又は完全に浸漬された搾りローラーに単に通過させることにより適用することを含む。そのような技術は、1回浸漬、1回絞り操作で用いるか、又は一層複雑にして(例えば、2回浸漬、2回ニップパジング、又は多数回浸漬、1回ニップ等にして)用いることができる。寝具及びタオル地のような織った材料の場合、組成物は、その織った材料のローラーに組成物をパジングすることにより適用するのが好ましい。更に別の湿式適用技術は、噴霧又はしたたり棒(dribble bar)を使用して、ばらの繊維又は複合体不織材料の移動床に組成物を適用することを含む。
【0091】
繊維を組成物と接触させた後、過剰の液体を、例えば、絞ることにより除去し、次に硬化段階により自己架橋性樹脂を架橋させ、抗菌活性剤と自己架橋樹脂との間に反応を行わせる。抗菌活性剤は、樹脂との共有結合反応性を持つのが好ましい。硬化段階は、好ましくは100〜180℃の範囲の温度、一層好ましくは140〜180℃の範囲、最も好ましくは140〜160℃の範囲の温度で行われる。
【0092】
正確な硬化時間及び温度は、用いられる正確な装置に依存することは明らかであるが、硬化時間は30秒〜5分の範囲にあるのが好ましい。
【0093】
本発明の第三の態様により、水分率が≦5%であるか、且つ/又は酸価が≦5mmol/kgである非セルロース繊維で、
(a)非セルロース繊維の1〜10重量%の、少なくとも一種類の自己架橋性樹脂;及び
(b)非セルロース繊維の0.1〜1重量%の、前記樹脂と反応させた少なくとも一種類の抗菌活性剤;
を含む組成を有する非セルロース繊維が与えられる。
【0094】
本発明の第四の態様により、水分率が≦5%であるか、且つ/又は酸価が≦5mmol/kgである、本発明の第一の態様に従う組成物で処理された非セルロース繊維が与えられる。
【0095】
本発明の第五の態様により、水分率が≦5%であるか、且つ/又は酸価が≦5mmol/kgである非セルロース繊維の処理で、本発明の第一の態様に従う組成物を使用することが与えられる。
【0096】
本発明を、更に次の実施例により例示するが、別に述べない限り、全ての部は重量部によるものである。
【0097】
試験方法
水分率
木綿及び木綿混合物の場合の水分率についての標準的試験方法は、ASTM D2495に記載されており、ここに記載する非セルロース繊維に対して用いられる。水分率は、規定された条件下で決定された材料試料中の水の量を、水を含まない材料試料の質量の%として表したものとして定義される。基本として、繊維試料片を秤量し、炉中で重量が一定になるまで乾燥し、次に最初の重量と炉乾燥した重量との差を百分率として計算する。
【0098】
典型的な商業的水分率の値は、ASTM D1909に与えられており、次の通りである:羊毛(13.6%)、絹(11%)、レーヨン(11%)、木綿(8.5%)、ナイロン(ポリアミド)(4.5%)、ポリエステル(0.4%)、アクリル(1.5%)、ポリウレタン(スパンデックス)(1.3%)、ポリプロピレン(オレフィン)(0.0%)、ポリ塩化ビニル〔ビニオン(Vinyon)〕(0.0%)、及びフルオロカーボン(テフロン(登録商標))(0.0%)。
【0099】
下の実施例では、0.4%の水分率を有するポリエステル繊維を用いた。
【0100】
酸価
繊維の酸価は、PHMBの取り込みにより決定された。
試験すべき繊維の8gを、80ppmのPHMB溶液(蒸留水中に入れたもの)120g中に浸漬し、40℃で1時間撹拌した。これは、吸尽(exhaustion)として知られている。
【0101】
溶液対繊維の比は液比(liqor ratio)として知られており、この方法では液比は120/8=15である。
PHMB溶液のUV/可視光線スペクトルを、繊維の吸尽前及び後で235nmで測定した。較正グラフから、PHMBの濃度を、吸尽前及び後で計算した。
繊維の酸価は、式1により与えられる:
【0102】
【数1】

【0103】
典型的な酸価は、木綿(30mmol/kg)、ビスコース(60mmol/kg)、ナイロン(1.6mmol/kg)、ポリエステル(赤色、ニット、0.91mmol/kg)、ポリエステル(青色、織物、0.57mmol/kg)。
【0104】
下の例では、1.07mmol/kgの酸価を有するポリエステル繊維を用いた。
【0105】
抗菌活性剤のレベル
処理した繊維上のPHMBのような陽イオン性基を有する抗菌活性剤のレベルの決定を、エオシンYで染色することにより行なった。
【0106】
エオシンY試験溶液
エオシンYの保存溶液を、エオシンY〔アルドリッヒ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.)から入手できる指示薬級の80%の2′,4′,5′,7′−テトラブロモフルオレセインナトリウム塩15g〕を蒸留水(1500cm)中に溶解し、次に蒸留水で2500cmへ希釈することにより調製した。
【0107】
上のようにして調製したエオシンYの保存溶液200cmを、蒸留水(1500cm)と混合し、クエン酸ナトリウム(100g)を添加した。クエン酸ナトリウムを完全に溶解した後、溶液を更に蒸留水で2000cmへ希釈し、エオシンY試験溶液を与えた。
【0108】
染色手順
試験すべき繊維の試料(約0.2g)を正確に秤量し、30cmガラス瓶中に入れ、繊維の100倍の重量のエオシンY試験溶液を添加し、然る後、ガラス瓶を密封し、そのガラス瓶をローラーの上に周囲温度で20分間乗せた。
【0109】
繊維試料を取り出し、冷水中で濯ぎ、次に約800cmの温水中に入れ、5分間撹拌した。この濯ぎ工程を、更に3回繰り返し、然る後、繊維試料を50℃で乾燥した。
【0110】
処理レベルの概算
染色した繊維試料の反射スペクトルの測定を、X−ライト(Rite)SP62分光計を用いて行なった。別法として、処理レベルの許容可能な概算を与えるのに、染色した染料試料と、或る範囲の染色基準試料とを直接目で見て比較するのを用いてもよい。
【0111】
抗菌活性度の査定
AATCC 100試験方法(1998)は、例えば、非セルロース繊維から構成された織物材料試料上のバクテリア個体数を測定し、従って、抗菌効能を決定するための定量的試験法である。手段は次のように要約することができる。普通ブロス中に入れて一晩振盪したKlebsiella pneumoniaeの培養液を、5%の無菌生理学的食塩水溶液中に約1×10細胞/cmまで希釈した。処理した布の各片から二つの試料(夫々0.5g)を取り、Klebsiella pneumoniaeの懸濁物1cmを接種した。接種後、布の一つの試料を直ちに中和剤溶液(CEN標準中和剤)の100cmで直ちに中和し、60秒間激しく振盪した。希釈剤として塩水溶液を用い、普通寒天プレート上で系列混合希釈プレート法により生存細胞を計算した。別の接種試料を、37℃で24時間培養した。次に上に記載したように、中和及び計数法を行なった。この方法の更に詳細な点は、アメリカ合衆国ノースカロリン27709、リサーチ・トライアングル・パーク、私書箱12215、American Association of Textile Chemists and Coloristsにより刊行されたAATCC技術マニュアルに見出すことができる。
【0112】
全ての数値は、コロニー形成単位/cm(cfu/cm)として計算された。
【0113】
繊維の洗浄
非セルロース繊維から構成された織物試料を、織物物品の洗浄についてのガイドラインを設定する責任を持つ英国の団体であるホーム・ランドリー・コンサルテイティブ・カウンシル(Home Laundry Consultative Council)(HLCC)の標準的方法を用いて洗浄した。規則的な間隔で試料を取り、25回まで洗浄を行なった。
【0114】
用いた方法は、40℃で6Aであった。洗浄の詳細は次の通りである:
1.40℃で6分の洗浄。
2.15℃で3分の2回の濯ぎ。
3.2分の1回濯ぎ+1分の回転。
4.2分の1回濯ぎ+2分の回転。
【0115】
洗浄機械はウォスケイター(Wascator)FOM71であった。各洗浄は、2kgの試料、及び48gのECE基準洗浄剤+12gの過硼酸塩漂白剤を用いた。
【0116】
例1(E1)
テクスケム(Texchem)(商標名)2700は、英国のロッシデールのテクスケム・ダイスタッフス社(Texchem Dyestuffs Ltd.)により、66%の個体含有量を有する水溶液として供給されている変性DMDHEU樹脂であり、供給されたまま用いた。
【0117】
コンデンゾル(Condensol)(商標名)FCは、MgCl及び他の成分の50%水溶液であり、ドイツ、ルドウィッヒシャーフェンのBASFplcにより供給されたまま用いた。
【0118】
レピュテックス(Reputex)(商標名)20は、英国ブラッリーのアベシア社(Avecia Ltd.)により供給されているPHMBの20%水溶液である。
【0119】
100gのテクスケム2700、30gのコンデンゾルFC、及び40gのレピュテックス20、及び1000cmにするための水から混合物を調製し、実験室パッド/圧搾ローラーの水槽へ入れた。25cm×25cmの大きさの1枚の100%ポリエステル布を、パッドに通して送り、搾って50%の吸収を与えた。次にその布を空気乾燥し、3分間160℃で熱硬化し、温水で濯ぎ、空気乾燥した。
【0120】
例2(E2)
ベイプレット(Baypret)(商標名)Rは、ドイツ、レーベルクーセンのバイエル(Bayer)AGにより供給されている60%の個体含有量を有する水溶液として供給されている変性DMDHEU樹脂であり、供給されたまま用いた。
【0121】
100gのベイプレットR、30gのコンデンゾルFC、及び40gのレピュテックス20、及び1000cmにするための水から混合物を調製し、実験室パッド/圧搾ローラーの水槽へ入れた。25cm×25cmの大きさの1枚の100%ポリエステル布を、パッドに通して送り、搾って50%の吸収を与えた。次にその布を空気乾燥し、3分間160℃で熱硬化し、温水で濯ぎ、空気乾燥した。
【0122】
比較例1(CE1)
未処理の100%ポリエステル布。この試料は付加的処理を与えない対照試料である。
【0123】
比較例2(CE2)
40gのレピュテックス20を水で1000cmにしたものを、実験室パッド/圧搾ローラーの水槽へ入れた。25cm×25cmの大きさの1枚の100%ポリエステル布を、パッドに通して送り、搾って50%の吸収を与えた。次にその布を空気乾燥し、3分間160℃で硬化し、温水で濯ぎ、空気乾燥した。この試料は、抗菌活性剤を含むが、自己架橋性樹脂又は触媒を含まない対照試料である。
【0124】
織物を40℃で25回まで洗浄した。
【0125】
比較例3(CE3)
100gのテクスケム2700、30gのコンデンゾルFC、及び1000cmにするための水から混合物を調製し、実験室パッド/圧搾ローラーの水槽へ入れた。25cm×25cmの大きさの1枚の100%ポリエステル布を、パッドに通して送り、搾って50%の吸収を与えた。次にその布を空気乾燥し、3分間160℃で熱硬化し、温水で濯ぎ、空気乾燥した。この試料は、自己架橋性樹脂及び触媒を含むが、抗菌活性剤は含まない対照試料である。
【0126】
比較例4(CE4)
100gのベイプレットR、及び30gのコンデンゾルFC、及び1000cmにするための水から混合物を調製し、実験室パッド/圧搾ローラーの水槽へ入れた。25cm×25cmの大きさの1枚の100%ポリエステル布を、パッドに通して送り、搾って50%の吸収を与えた。次にその布を空気乾燥し、3分間160℃で硬化し、温水で濯ぎ、空気乾燥した。この試料は、自己架橋性樹脂及び触媒を含むが、抗菌活性剤は含まない対照試料である。
【0127】
全ての布を40℃で25回まで洗浄し、洗浄に対する耐久性を、エオシンY染色法を用いて測定し、結果を下の表2に与える。
【0128】
【表4】

【0129】
表2は、織物自身、自己架橋性樹脂、及び触媒は、エオシンYではピンクに染色されないことを示している。
【0130】
自己架橋性樹脂を用いずに抗菌活性剤を適用すると、ピンクの染色が得られた。しかし、1回洗浄した後染色は失われ、抗菌活性剤が洗浄に対し耐久性を持たないことを明確に示していた。
【0131】
抗菌活性度のレベルを、上に記載したようにして測定し、結果を下の表3に与える。
【0132】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分率が≦5%である非セルロース繊維上での微生物の増殖を阻止するための組成物であって;
i)1〜50重量%の少なくとも一種類の自己架橋性樹脂;
ii)0.25〜20重量%の少なくとも一種類の触媒;
iii)0.1〜4重量%の、前記樹脂と反応する、少なくとも一種類の抗菌活性剤;
iv)98.65〜26重量%の水;
〔ここで、i)+ii)+iii)+iv)=100%〕
を含む組成物。
【請求項2】
非セルロース繊維が酸価≦5mmol/kgの酸価を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
酸価が≦5mmol/kgである非セルロース繊維上での微生物の増殖を阻止するための組成物であって;
i)1〜50重量%の少なくとも一種類の自己架橋性樹脂;
ii)0.25〜20重量%の少なくとも一種類の触媒;
iii)0.1〜4重量%の、前記樹脂と反応する、少なくとも一種類の抗菌活性剤;
iv)98.65〜26重量%の水;
〔ここで、i)+ii)+iii)+iv)=100%〕
を含む組成物。
【請求項4】
非セルロース繊維が水分率≦5%を有する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
非セルロース繊維が、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリウレタン、及び酢酸セルロースからなる群から選択されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
自己架橋性樹脂がアミノ樹脂である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
自己樹脂性樹脂が尿素又はメラミンとのホルムアルデヒド縮合物である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
自己架橋性樹脂が、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素及びジヒドロキシジメチレン尿素から選択されている請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
触媒が、MgCl;塩化アンモニウム;硫酸アンモニウム;蟻酸、硼酸、燐酸、蓚酸のアンモニウム塩;ポリ(ヘキサメチレンビグアニド)塩酸塩、及び/又はそれらの混合物からなる群から選択されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
触媒が、MgCl;塩化アンモニウム;硫酸アンモニウム;蟻酸、硼酸、燐酸、蓚酸のアンモニウム塩;及び/又はそれらの混合物からなる群から選択されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
触媒がポリ(ヘキサメチレンビグアニド)塩酸塩である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
抗菌活性剤が、第四級アンモニウム塩、ビグアニド、モノグアニド、及びそれらの混合物からなる群から選択されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
水分率が≦5%である非セルロース繊維上での微生物の増殖を阻止するための方法であって;
A)繊維を請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物と接触させる段階;
B)任意に、前記組成物と接触させた前記繊維を乾燥する段階;及び
C)前記組成物と接触させた前記繊維を硬化して樹脂の架橋を行わせる段階;
を含む増殖防止方法。
【請求項14】
非セルロース繊維が酸価≦5mmol/kgの酸価を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
酸価が≦5mmol/kgである非セルロース繊維上での微生物の増殖を阻止するための方法であって;
A)繊維を請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物と接触させる段階;
B)任意に、前記組成物と接触させた前記繊維を乾燥する段階;及び
C)前記組成物と接触させた前記繊維を硬化して樹脂の架橋を行わせる段階;
を含む増殖防止方法。
【請求項16】
非セルロース繊維が水分率≦5%を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
段階C)を100〜180℃の範囲の温度で行う、請求項13〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
段階C)を30秒〜5分の範囲の時間で行う、請求項13〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
水分率が≦5%である非セルロース繊維であって、
(a)前記非セルロース繊維の1〜10重量%の、少なくとも一種類の自己架橋性樹脂;及び
(b)前記非セルロース繊維の0.1〜1重量%の、前記樹脂と反応した少なくとも一種類の抗菌活性剤;
を含む組成を有する、非セルロース繊維。
【請求項20】
酸価が≦5mmol/kgである、請求項19に記載の非セルロース繊維。
【請求項21】
酸価が≦5mmol/kgである非セルロース繊維であって、
(a)前記非セルロース繊維の1〜10重量%の、少なくとも一種類の自己架橋性樹脂;及び
(b)前記非セルロース繊維の0.1〜1重量%の、前記樹脂と反応した少なくとも一種類の抗菌活性剤;
を含む組成を有する非セルロース繊維。
【請求項22】
水分率が≦5%である、請求項21に記載の非セルロース繊維。
【請求項23】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物で処理した、水分率が≦5%の非セルロース繊維。
【請求項24】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物で処理した、酸価が≦5%mmol/kgの非セルロース繊維。
【請求項25】
水分率が≦5%である非セルロース繊維を処理する際の、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項26】
酸価が≦5mmol/kgである非セルロース繊維を処理する際の、請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2007−513262(P2007−513262A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540573(P2006−540573)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【国際出願番号】PCT/GB2004/004738
【国際公開番号】WO2005/054566
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(505421696)アーチ ユーケイ バイオサイドズ リミテッド (5)
【Fターム(参考)】