説明

抗菌性第4級アンモニウム有機シランコーティング

本発明は、水精製および液体食材中の有害な微生物の低減などの多様な用途における使用のための方法および組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許
本出願は2003年5月22日出願の米国特許仮出願第60/472,429号に関連し、それからの合法的に利用可能なあらゆる特典を請求する。仮出願特許第60/472,429号は、それにより役立つことができるすべての目的のために本明細書においてその全体を包含する。
【0002】
本発明は、第4級アンモニウム有機シランコーティングにより被覆される固相担体を用いて、液体中の微生物の数を減少させるための方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の技術の説明
第4級アンモニウム有機シランは、多様な用途において用いられてきた。それらは、金属、ガラス、プラスチック、ゴム、セラミックス、およびセルロース、綿、アセテートおよびナイロンを含む繊維を包含する多様な表面に塗布される場合に、微生物汚染を除去し減少させる上で有効に用いられてきた。
【0004】
市販の第4級アンモニウム有機シランは、ミシガン州、ミッドランドのイージス・エンバイロメンタル・マネジメント(Aegis Environmental Management, Inc.)により商品名ダウ・コーニング(Dow Corning)5700(3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシル・アンモニウム・クロライド)、およびコネチカット州、ニュープレストンのサニタイズド(Sanitized Inc.)によりリクアット(Requat)1977(3−(トリメトキシシリル)−プロピルジデシルメチル・アンモニウム・クロライド)で、メタノール中42%活性材料として利用可能である。メタノール中60%活性溶液としてのオクタデシルジメチル(3−(トリメトキシシリルプロピル)アンモニウム・クロライド(Cat.No.SIO6620.0)、メタノール中50%溶液としてのテトラデシルジメチル(3−トリ−メトキシシリルプロピル)アンモニウム・クロライド(Cat.No.SIT7090.0)、およびメタノール中42%溶液としてのジデシルメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウム・クロライド(Cat.No.SID3392.0)は、ペンシルベニア州、タリータウンのゲレスト(Gelest, Inc.)により提供される。それらは、多くの場合、低級アルコールなどの溶媒溶液から塗布される。
【0005】
有機シランアンモニウム化合物は、最初に、米国特許第3,560,385号においてロス(Roth)により教示された。抗菌目的用のこれら化合物の使用は、イスクイス(Isquith)らへの米国特許第3,730,701号に教示されている。それらは、アルカリpH値に対して中立であることは藻制御上より有効であることを教示するが、しかし、水溶液の安定性に対しては何のクレームもなされなかった。
【0006】
藻阻害は、また、米国特許第3,794,736号および第3,860,709号に教示された。有機シラン第4級アンモニウム材料による処理に続く酢酸セルロースなどの固形表面上の藻増殖の阻害は、米国特許第3,817,739号にアボット(Abbott)らにより記載された。アボットらは、米国特許第3,865,728号に再度ポリエステルならびに酢酸セルロースを含む繊維材料に関する殺藻剤の減少を記載している。米国特許第4,005,025号でのG.キンシュテット(Kinstedt)は、皿洗い液および一般の硬表面洗浄剤などの洗剤用途における硬い表面に対して汚れ剥離特性を付与することにおいて有用であるとして、有機シラン4級物をクレームしているが、しかし、抗菌活性に対しては全くクレームしていない。
【0007】
ヘッカート(Heckert)らへの米国特許第4,005,028号には、両性イオンまたは両性の洗剤および4級化有機シランを含有する洗剤組成物が教示されている。同様に、D.ヘッカートおよびD.ワット(Watt)による米国特許第4,005,030号には、オーブン洗浄剤、窓洗浄剤または便器洗浄剤として有用である洗剤配合物が教示されている。抗菌クレームは、’025、’028および’030号特許には全く存在していない。
【0008】
米国特許第4,282,366号において、有機シリコンアンモニウム化合物が、紙基板を微生物増殖に対して耐性のあるものとするために用いられる。同様に、米国特許第4,394,378号でのクライン(Klein)は、シリカ質表面、木材、金属、革、ゴム、プラスチックおよび繊維上の細菌および菌類に対して有効であるとして、3−(トリメトキシシリル)プロピルジデシルメチル・アンモニウム・クロライドをクレームしている。
【0009】
これらの化合物用の他の用途には、米国特許第4,393,378号での塗料添加剤および靴処理剤、米国特許第4,161,518号での歯磨添加剤、および米国特許第4,615,882号でのコンタクトレンズ消毒剤溶液中の添加剤が挙げられる。ハーディへのカナダ特許第1,217,004号には、これらの化合物が、次亜塩素酸ナトリウムなどの漂白剤に添加される場合に抗菌性であり、硬表面洗浄剤として用いることができることが教示されている。
【0010】
米国特許第4,406,892号には、疾病誘引微生物の増殖を防止するためのセルロース系織物の処理が記載されている。同様に、米国特許第4,421,796号でブリル(Burril)らは、油性汚れの除去を改善するためにポリジメチルシロキサンを含有する乳化液中の4級化有機シラン組成物の混合物により織物繊維を処理する方法を教示している。
【0011】
米国特許第4,467,013号において、3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシル・アンモニウム・クロライドが、手術衣、着衣および包帯の処理において有用であると教示されている。米国特許第4,564,456号でホーマン(Homan)は、水を処理し腐食および金属堆積を阻害するために有機シリコン第4級アンモニウム化合物を利用している。pH8〜10で適用する場合に髪が膨潤し始める3−(トリメトキシシリル)プロピル−ジメチルオクタデシル・アンモニウム・クロライドを含有する髪調整組成物が、米国特許第4,567,039号においてスタッドニック(Stadnick)により教示されている。
【0012】
3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシル・アンモニウム・クロライドなどの第4級アンモニウム有機シランを含有する一部の有機官能陽イオン性シランの使用により形成される水性乳化液は、米国特許第4,361,273号においてブレーム(Blehm)らにより教示されている。開示された水中油乳化液は、シランまたは水非混和性液体のいかなる事後の再度の濡れまたは再可溶化、およびその表面からの事後の損失を回避して、水非混和性液体およびシランのある種の基板表面への移送を可能とする。基板から離れる陽イオン性シランの再可溶化を防止するために用いられる水非混和性液体は、シリコン油、ワックス、炭化水素、グリコールまたは脂肪族アルコールであることが可能である。これらの乳化液の調製は、非イオン性および陽イオン界面活性剤などの共界面活性剤を利用し、高剪断条件を用いるホモジナイザーを必要とすると共に、4級化有機シランがその乳化液形態にありながらシラノールに加水分解せず、従って不溶性シロキサンに重合しないことを教示する。これらの乳化液は、4級化有機シランが結合する上述のような水非混和性液体を必要とすると共に、それらが教示する乳化液を形成するために特定の混合機を必要とする十分な剪断力が必要である。ブレームらは、非加水分解性4級化有機シランを、それが水非混和性成分により再可溶化に対して保護される表面に移送するために、調製された乳化液が用いられることを教示している。
【0013】
尋常性座瘡および白癬の治療における類似の水中油乳化液組成物の使用が、ゲッティングおよびホワイト(Gettings & White)への米国特許第4,908,355号に教示されている。この特許には、中に第4級アンモニウム有機シラン、特に3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシル・アンモニウム・クロライド、および4級化シランが濾胞性孔に浸透することを引き起こす低粘度、低分子量水非混和性液体シリコン流体がある、水中油乳化液の表皮への局所塗布を通して皮膚疾患を治療する方法が教示されている。揮発性シリコン流体は、シランを脂腺中に持ち込みそこに存在することが可能である細菌のブドウ球菌群を破壊する目的のために存在する。これらの乳化液の形成は、本質的に、前述の’273特許において教示される配合物である。この特許は、4級化シランが有機溶媒中、または水性溶媒溶液中にそのままで用いることができることを教示している。それは、さらに、油、ワックスまたはグリースなどの水非混和性成分が存在し、皮膚に塗布される組成物中に含まれなければならないことを教示している。それは、第4級アンモニウム有機シランの均一な水性溶液を教示しないし、皮膚への現実性および効果をも実証していない。シランが水溶液から皮膚に直接塗布される能力およびシランが皮膚上に残り、反復リンスまたは洗浄後でさえも抗菌的に活性であり続ける能力は、教示されていない。
【0014】
有機シラン第4級化合物により処理されるガラスビーズは、抗菌性品質が望まれるエアフィルタ中で用いられるとして、米国特許第4,682,992号に記載されている。米国特許第4,781,974号には、繊維に実質的な有機シリコン第4級アンモニウム化合物を有する濡れナプキンが教示されているが、しかし、それが表面または皮膚に移送されることは教示されていない。米国特許第4,797,420号でブライアント(Bryant)は、アルキル・ジメチル・ベンジル・アンモニウム・クロライド、非イオン性界面活性剤および消毒剤配合物として用いられる水中のイソプロパノールなどの低級アルコールを含有する配合物を教示している。
【0015】
ブランク(Blank)への米国特許第4,847,088号には、3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシル・アンモニウム・クロライドなどの第4級有機シラン組成物が、水中の酸と組み合わせる場合に抗菌性効果を増大させることが教示されている。同様の抗菌特性は、その多孔質媒体が既に有機シリコン第4級アンモニウム材料により処理された点眼液を分配するための方法およびデバイスのための米国特許第5,013,459号においてクレームされている。
【0016】
アベリ(Avery)らへの米国特許第5,411,585号には、硬表面洗浄剤中の成分として適用される場合に、表面を抗菌性とするための安定な加水分解性有機シラン第4級アンモニウム化合物の製造のためのさらなる方法が教示されている。
【0017】
数週間から数ケ月の安定性を有する第4級アンモニウム有機シラン化合物を含む安定化水性有機シラン溶液が、米国特許第5,954,869号においてエルファージ(Elfersy)らにより教示されている。これらの組成物は、3以下の介在原子および有機シランにより分離される少なくとも二つのヒドロキシ基を有するポリオール分子を含有する。これらの組成物は、食糧品、流体容器またはラテックス医療物品を被覆するために用いることが可能である。砂糖はこの特許において教示される最も一般的な安定剤である。
【0018】
第4級アンモニウム有機シランを含有する抗菌性皮膚製剤が、本明細書において参考のためにその全体を包含する米国特許第6,613,755号においてピーターソン(Peterson)らにより教示されている。
【0019】
従来の技術および公開文献には、以下に限定されないがそれらを含む広範囲の病原体に対する第4級アンモニウム有機シランの抗菌特性が開示されている:シトロバクター・フロインディイ菌、シトロバクター・ディバーサス菌、コリネバクテリウム・ジフテリア菌、肺炎球菌、ミクロコッカス属菌(I)、ミクロコッカス属菌(II)、ミクロコッカス属菌(III)、坑酸菌、白色ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、レモン色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、大便連鎖球菌、および化膿連鎖球菌などのグラム陽性菌;アシネトバクター・カルコアセチカス菌、エントロバクター・エアロゲネス菌、エントロバクター・アグロメランス(I)、エントロバクター・アグロメランス(II)、大腸菌、クレブシエラ肺炎菌、淋病菌、プロテウス・ミラビリス菌、プロテウス・モルガニ菌、プロテウス・ブルガーリス菌、プロビデンシアspp.、シュードモナス属菌、緑膿菌、シュードモナス・フラギ(fragi)菌、コレラ菌、腸炎菌、鶏チフス菌、パラチフスA菌、パラチフスB菌、ネズミチフス菌、チフス菌、セラチア・マルセッセンス菌、B群赤痢菌タイプII、D群赤痢菌、コレラ菌などのグラム陰性菌;アデノウイルス・タイプIV、ネコの肺炎菌、単純ヘルペス・タイプI&II、HIV−1(AIDS)、A型インフルエンザ(日本)、A2型インフルエンザ(アイチ)、A2型インフルエンザ(香港)、パーインフルエンザ(センダイ)、ポリオウイルス、レオウイルス、呼吸器系シンクチア(Synctia)などのウイルス;ススロビ菌、クロコウジカビ、黒酵母、カンジダ菌、クロカビ、植物病原性菌、グリオマスティックス・セレアリス(Gliomastix cerealis)、頭部白癬原因菌、モリニア・グリシー、フォーマ・フィメチ(fimeti)、ピトミセス・カルタルム、スコレコバシディウム・フミコーラ、トリコフィトン・インテルジキターレおよびトリコフィトン・メンタグロフィテスなどの菌類およびかび。
【0020】
上に引用した公開文献および従来技術には、液体中の微生物の生存数を減少させるための第4級アンモニウム有機シランコーティングで被覆される固相担体の使用が教示されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
発明の概要
本発明は、水精製および液体食材中の有害な微生物の低減などの多様な用途における使用のための方法および組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
一つの態様において、本発明は、液体中の微生物の生存数を減少させるかまたは除去する方法を提供する。本方法は、液体を、第4級アンモニウム有機シランコーティングで被覆される固相担体と接触させることを含む。
【0023】
代表的な態様において、第4級アンモニウム有機シラン試薬は、以下の式(I)を有する:
【化1】

【0024】
式(I)において、Aは、−OR4、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換へテロアリール基から選択される。1以上のAが存在する場合、各Aは上または下に列挙される基から独立に選択される。
【0025】
4は、水素原子、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換へテロアリール基から選択される。
【0026】
Rは、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換シクロアルキレン、置換または非置換ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、および置換または非置換へテロアリーレン基から選択される。
【0027】
1、R2、およびR3は、水素原子、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換へテロアリール基から、独立に選択される。
【0028】
Zは、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、トシラート、水酸化物、硫酸塩およびリン酸塩から選択される。
【0029】
記号nは1、2または3である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
定義
本明細書において用いられる用語「微生物の生存数を減少させる」は、適切に増殖し、作用し、機能し、および/または成長することができる微生物の数を減少させることを意味する。本用語は、例えば、微生物の全体数を減少させること、活性微生物の数を減少させること(すなわち、微生物を不活性化すること)、繁殖することのできる微生物の数を減少させること、原型微生物の数を減少させること、病原菌の数を減少させること、微生物の除去、および微生物の不活性化;および/または他などを含む。「微生物の生存数を除去する」は、微生物の生存数をゼロに減少させることを意味する。
【0031】
本明細書において用いられる用語「微生物」は、個々には顕微鏡を通してしか見ることのできない生物を意味する。用語「微生物」には、例えば、細菌、菌類、放線菌類、藻、原生動物、酵母、病原菌、陸真珠、線虫、ウイルス、プリオン、および藻類が挙げられる。
【0032】
本明細書において用いられる略語は、化学および生物学技術分野内でそれらの従来の意味を有する。
【0033】
化学基が左から右に書かれるそれらの従来の化学式により規定される場合、それらは、構造を右から左に書くことから生じるであろう化学的に同一の代替品を等しく包含する、例えば、−CH2O−は−OCH2−に等しい。
【0034】
用語「アルキル」は、それ自体または別の置換基の一部として、特記のない限り、完全に飽和するか、1−または多不飽和であることが可能である少なくとも一つの炭素を含有する直鎖(すなわち、分岐していない)または分岐の炭素鎖を意味する。不飽和アルキル基は、1以上の二重結合または三重結合を有するものである。「非置換アルキル」は、主鎖炭素が水素および/または他の主鎖炭素に結合する分岐または非分岐アルキル基を指す。用語「アルキレン」は、アルキル基の2価ラジカル誘導体を指す。
【0035】
本明細書において用いられる「主鎖炭素」または「主鎖ヘテロ原子」は、それぞれ、アルキルまたはヘテロアルキル基の結合点にはなく、少なくとも一つの炭素を含有する分岐または非分岐鎖の一部を形成する炭素またはヘテロ原子を指す。
【0036】
用語「アルコキシ」は、酸素原子を介して分子残基に結合されるようなアルキル基を指す。
【0037】
用語「アルキルエーテル」は、少なくとも一つの炭素−酸素−炭素結合を有するアルキル基を指す。
【0038】
用語「ヒドロキシ−置換アルキル」は少なくとも一つの結合ヒドロキシル基を有するアルキル基を指す。
【0039】
用語「アミン−置換アルキル」は、少なくとも一つの結合第1級アミン、第2級アミン、または第3アミン基を有するアルキル基を指す。
【0040】
用語「ヘテロアルキル」は、それ自体または他の用語と組み合わせて、炭素鎖内に少なくとも一つのへテロ原子を有するアルキル基を意味する。へテロ原子は、窒素および硫黄原子が任意に酸化されると共に窒素へテロ原子が任意に4級化されることが可能であるO、N、およびSからなる群から選択される。ヘテロ原子(複数を含む)O、N、およびSは、ヘテロアルキル基のあらゆる内部位置に、またはアルキル基が分子残基に結合される位置に置くことが可能である。2個までのヘテロ原子は、例えば、−CH2−NH−OCH3のように、連続することが可能である。同様に用語「ヘテロアルキレン」は、それ自体または他の用語と組み合わせて、ヘテロアルキル基から誘導される2価ラジカルを意味する。ヘテロアルキレン基に対して、ヘテロ原子は、また、鎖末端のいずれかまたは両方を占めることができる。
【0041】
「非置換ヘテロアルキル」は、主鎖炭素が水素、他の主鎖炭素、および/または主鎖ヘテロ原子に結合される分岐または非分岐ヘテロアルキル基を指す。主鎖ヘテロ原子は、水素、主鎖炭素、他の主鎖ヘテロ原子、および/または酸素(酸化硫黄の場合において)に結合される。
【0042】
用語「シクロアルキル」および「ヘテロシクロアルキル」は、それら自体でまたは他の用語と組み合わせて、特記のない限り、それぞれ「アルキル」および「ヘテロアルキル」の環式版を表す。加えて、ヘテロシクロアルキル基に対して、ヘテロ原子はヘテロ環が分子残基に結合される位置を占めることができる。用語「シクロアルキレン」および「ヘテロシクロアルキレン」は、それぞれ、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル基の2価誘導体を指す。
【0043】
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、それら自体でまたは他の置換基の一部として、特記のない限り、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子を意味する。加えて、「ハロアルキル」などの用語は、モノハロアルキルおよびポリハロアルキルを含むことを意味する。
【0044】
用語「アリール」は、特記のない限り、一緒に縮合するかまたは共有結合状態にある単環または多環(好ましくは1〜3環)であることができる多不飽和、芳香族炭化水素を意味する。用語「ヘテロアリール」は、ヘテロ原子が環頂点を占める(本明細書において「環ヘテロ原子」とも呼ばれる)N、O、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含有するアリール基(または環)を指す。窒素および硫黄原子は、任意に酸化され、窒素原子(複数を含む)は任意に4級化される。ヘテロアリール基は、炭素またはヘテロ原子を通して分子残基に結合することができる。用語「アリーレン」および「ヘテロアリーレン」は、それぞれ、アリールおよびヘテロアリール基の2価誘導体を指す。
【0045】
「非置換アリール」または「非置換ヘテロアリール」は、それぞれ、分子残基への結合点には位置しない環頂点を占める炭素原子が中で水素または環頂点を占める他の原子のみに結合するアリールおよびヘテロアリール環を指す。分子残基への結合点には位置しない環頂点を占めるヘテロ原子は、水素、環頂点を占める他の原子、または酸素(酸化環ヘテロ原子の場合において)のみに結合する。
【0046】
本明細書において用いられる用語「オキソ」は、炭素原子に二重結合される酸素を意味する。
【0047】
本明細書において用いられる「液体」は、自由に流れ、結晶構造でなく、ガスとは違って周辺温度および圧力でその容器の形状とは独立に一定体積を保持する物質である。「水性液体」は、水部分を有する液体を指す。本発明の実施に適する水性液体には、例えば、廃水および下水、フルーツジュース、ミルク、および医療用流体が挙げられる。他の適する流体は当業者により容易に決定され、本発明により考慮される。
【0048】
本明細書において用いられる「固形物」は、周囲温度で水に溶解しない物質である。従って、「固相担体」は周辺温度で水に溶解しない担体である。
【0049】
方法
一つの態様において、本発明は、液体中の微生物の生存数を減少させるかまたは除去する方法を提供する。本方法は、液体を、第4級アンモニウム有機シランコーティングで被覆される固相担体に接触させることを含む。第4級アンモニウム有機シランコーティングは、直接微生物と接触することにより、液体中の微生物の生存数を減少させることが可能である。
【0050】
多様な固相担体が、本発明の方法および組成物と連動して有用である。固相担体は、例えば、平らな表面、チュービングまたはパイプの内張り、またはほぼ球形の粒子を含むあらゆる適切な寸法または形状であることが可能である。固相担体は、また、例えば、顕微鏡でないと見えない担体、裸眼で検出できる担体、センチメートル〜メートル長さである寸法を有するほぼ平面の担体、およびセンチメートル〜メートル長さである半径を有するほぼ球形の担体を含むあらゆる適切なサイズであることが可能である。
【0051】
固相担体は、一般的に、液体媒体(例えば、有機媒体、水性媒体、水など)中に不溶である1以上の物質または材料からなる。代表的な材料には、ガラス、シリカ、砂(例えば、マンガン緑砂およびフィルタ・サンド)、石英、フリント、ゼオライト、無煙炭、活性炭、ガーネット、イルメナイト、バーム、アルミニウム(非水和ケイ酸アルミニウム(例えば、フィルタAG)を含む)、鉄およびチタンの酸化物(例えば、イルメナイト)、珪藻土、ポゾラン(天然に産すると共に石炭燃焼の副産物として製造されるシリコン/アルミナ材料)、金属(例えば、スズ)、セラミック、および/または有機ポリマーおよびプラスチック(例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)またはポリ塩化ビニル(PVC))が挙げられる。
【0052】
代表的な態様において、液体は追加の固相担体に接触する。追加の固相体は、固相担体とは異なる第4級アンモニウム有機シランコーティングにより被覆することが可能である。追加の固相担体は、また、固相担体とは異なる材料からなることが可能である。
【0053】
第4級アンモニウム有機シラン試薬
本発明の固相担体は、第4級アンモニウム有機シランコーティングにより被覆される。第4級アンモニウム有機シランコーティングは、第4級アンモニウム有機シラン試薬から作製される。第4級アンモニウム有機シラン試薬は以下の式(I)を有する:
【化2】

【0054】
式(I)において、Aは、−OR4、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換へテロアリール基から選択される。1以上のAが存在する場合、各Aは上または下に列挙される基から独立に選択される。
【0055】
4は、水素原子、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換へテロアリール基から選択される。
【0056】
Rは、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換シクロアルキレン、置換または非置換ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、および置換または非置換へテロアリーレン基から選択される。
【0057】
1、R2、およびR3は、水素原子、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換へテロアリール基から独立に選択される。
【0058】
Zは、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、トシラート、水酸化物、硫酸塩およびリン酸塩から選択される。
【0059】
記号nは1、2または3である。
【0060】
代表的な態様において、本明細書において可能なA、R1、R2、R3、およびR4部分として記載される、各置換アルキル、置換ヘテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、および置換ヘテロアリール基は、−OH、非置換(C1〜C5)アルキル、非置換2〜5員ヘテロアルキル、非置換(C5〜C7)員シクロアルキル、非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、および非置換ヘテロアリール基から独立に選択される少なくとも一つの置換基のみにより置換される。例えば、Aが置換(C1〜C10)アルキルである場合、置換(C1〜C10)アルキルは、−OH、非置換(C1〜C5)アルキル、非置換2〜5員ヘテロアルキル、非置換(C5〜C7)員シクロアルキル、非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、および非置換ヘテロアリール基から独立に選択される少なくとも一つの置換基のみにより置換される。
【0061】
関連態様において、本明細書において可能なA、R1、R2、R3、およびR4部分として記載される、各置換アルキル、置換ヘテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、および置換ヘテロアリール基は、−OH、非置換(C1〜C5)アルキル、非置換2〜5員ヘテロアルキル、非置換(C5〜C7)員シクロアルキル、非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、および非置換ヘテロアリール基から独立に選択される少なくとも一つの置換基のみにより置換される。別の関連態様において、本明細書において可能なA、R1、R2、R3、およびR4部分として記載される、各置換アルキル、置換ヘテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、および置換ヘテロアリール基は、−OH、非置換(C1〜C5)アルキル、非置換(C5〜C7)員シクロアルキル、および非置換フェニル基から独立に選択される少なくとも一つの置換基のみにより置換される。なお別の関連態様において、本明細書において可能なA、R1、R2、R3、およびR4部分として記載される、各置換アルキル、置換ヘテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、および置換ヘテロアリール基は、少なくとも一つの非置換(C1〜C3)アルキル基のみにより置換される。
【0062】
別の代表的な態様において、本明細書において可能なR部分として記載される、各置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリーレン、および置換ヘテロアリーレン基は、−OH、非置換(C1〜C5)アルキル、非置換2〜5員ヘテロアルキル、非置換(C5〜C7)員シクロアルキル、非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、および非置換ヘテロアリール基から独立に選択される少なくとも一つの置換基のみにより置換される。
【0063】
関連態様において、本明細書において可能なR部分として記載される、各置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリーレン、および置換ヘテロアリーレン基は、−OH、非置換(C1〜C5)アルキル、非置換2〜5員ヘテロアルキル、非置換(C5〜C7)員シクロアルキル、非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、および非置換ヘテロアリール基から独立に選択される少なくとも一つの置換基のみにより置換される。別の関連態様において、本明細書において可能なR部分として記載される、各置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリーレン、および置換ヘテロアリーレン基は、−OH、非置換(C1〜C5)アルキル、非置換(C5〜C7)員シクロアルキル、および非置換フェニル基から独立に選択される少なくとも一つの置換基のみにより置換される。なお別の関連態様において、本明細書において可能なR部分として記載される、各置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリーレン、および置換ヘテロアリーレン基は、少なくとも一つの非置換(C1〜C3)アルキル基のみにより置換される。
【0064】
Aは、−OR4、置換または非置換(C1〜C10)アルキル、置換または非置換2〜12員ヘテロアルキル、置換または非置換(C5〜C7)シクロアルキル、置換または非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換へテロアリール基から選択することが可能である。R4は、水素原子、置換または非置換(C1〜C10)アルキル、置換または非置換2〜10員ヘテロアルキル、置換または非置換(C5〜C7)シクロアルキル、置換または非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換へテロアリール基から選択することが可能である。
【0065】
一部の態様において、Aは、−OR4、非置換(C1〜C10)アルキル、非置換2〜12員ヘテロアルキル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、および非置換へテロアリール基から選択される。関連態様において、Aは、−OR4、非置換(C1〜C10)アルキル、非置換3〜12員アルキルエーテル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、および非置換フェニル基から選択される。
【0066】
Aは、また、−OR4、非置換(C1〜C4)アルキル、非置換3〜8員アルキルエーテル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、および非置換フェニル基から選択することが可能である。あるいは、Aは、−OR4、非置換(C1〜C4)アルキル、および非置換3〜8員アルキルエーテル基から選択される。
【0067】
4は、水素原子、非置換(C1〜C10)アルキル、非置換2〜12員ヘテロアルキル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、および非置換へテロアリール基から選択することが可能である。
【0068】
一部の態様において、R4は、水素原子、非置換(C1〜C10)アルキル、非置換3〜12員アルキルエーテル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、および非置換フェニル基から選択される。関連態様において、R4は、水素原子、非置換(C1〜C8)アルキル、非置換3〜8員アルキルエーテル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、および非置換フェニル基から選択される。あるいは、R4は、水素原子、非置換(C1〜C8)アルキル、および非置換3〜8員アルキルエーテル基から選択される。
【0069】
4は、また、フェニル、メチルフェニル、置換または非置換(C1〜C8)アルキル基、および−(CH2x−O−(CH2yCH3から選択することが可能である。xおよびyは1〜10から独立に選択される整数である。
【0070】
Rは、置換または非置換(C1〜C10)アルキレン、置換または非置換2〜10員ヘテロアルキレン、置換または非置換(C5〜C7)シクロアルキレン、置換または非置換2〜7員ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、および置換または非置換へテロアリーレン基から選択することが可能である。
【0071】
代表的な態様において、Rは、非置換(C1〜C10)アルキレン、非置換2〜10員ヘテロアルキレン、非置換(C5〜C7)シクロアルキレン、非置換5〜7員ヘテロシクロアルキレン、非置換アリーレン、および非置換へテロアリーレン基から選択される構成要素である。
【0072】
Rは、また、非置換(C1〜C10)アルキレンであることが可能である。
【0073】
1、R2、およびR3は、水素原子、置換または非置換(C1〜C20)アルキル、置換または非置換2〜20員ヘテロアルキル、置換または非置換(C5〜C7)シクロアルキル、置換または非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換へテロアリール基から選択することが可能である。
【0074】
一部の態様において、R1、R2、およびR3は、水素原子、非置換(C1〜C20)アルキル、ヒドロキシ−置換(C1〜C20)アルキル、アミン置換(C1〜C20)アルキル、非置換2〜20員ヘテロアルキル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、および非置換へテロアリール基から独立に選択される。関連態様において、R1、R2、およびR3は、水素原子、非置換(C1〜C20)アルキル、非置換アルキルエーテル、ヒドロキシ−置換(C1〜C20)アルキル、アミン置換(C1〜C20)アルキル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、および非置換フェニル基から独立に選択される。
【0075】
1、R2、およびR3は、また、水素原子、非置換(C1〜C20)アルキル、非置換アルキルエーテル、ヒドロキシ−置換(C1〜C20)アルキル、アミン置換(C1〜C20)アルキル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、および非置換フェニル基から選択することが可能である。あるいは、R1、R2、およびR3は、水素原子、非置換(C1〜C20)アルキル、非置換アルキルエーテル、ヒドロキシ−置換(C1〜C20)アルキル、およびアミン置換(C1〜C20)アルキル基から選択される。
【0076】
他の代表的な態様において、R1、R2、およびR3は、qおよびtが0〜10から独立に選択される整数である、−(CH2qOCH3、−(CH2qOH、−(CH2qO(CH2tCH3、−(CH2qNHCH3、−(CH2qNH2、−(CH2qN(CH32および−(CH2qNH2(CH2tCH3から独立に選択される。R1、R2、およびR3は、また、−CH2CH2OCH3および−CH2CH2OCH2CH2OCH3からなる群から独立に選択することが可能である。あるいは、R1、R2、およびR3は、また、−CH2CH2OHおよび−CH2CH2CH2CH(OH)CH3から独立に選択することが可能である。R1、R2、およびR3は、また、−CH2CH2NH2および−CH2CH2N(CH32から独立に選択することが可能である。最終的にR1、R2、およびR3は、メチル、オクタデシル、ジデシル、およびテトラセシルから独立に選択される構成要素であることが可能である。
【0077】
代表的な態様において、第4級アンモニウム有機シラン試薬は、(CH3O)3Si(CH23+(CH32(C1837)(Cl-);(CH3CH2O)3Si(CH23+(CH32(C1837)(Cl-);(CH3O)3Si(CH23+(CH32(C1837)(Br-);(CH3O)3Si(CH23+(C10212(CH3)(Cl-);(CH3O)3Si(CH23+(CH32(C1429)(Cl-);(CH3O)3Si(CH23+(CH32(C1429)(Br-);および(CH3O)3Si(CH23+(CH32(C1633)(Cl-)から選択される。関連態様において、第4級アンモニウム有機シラン試薬は、3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシル・アンモニウム・クロライド、3−(トリメトキシシリル)プロピルジデシルメチル・アンモニウム・クロライド、および3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルテトラデシル・アンモニウム・クロライドから選択される。
【0078】
別の代表的な態様において、第4級アンモニウム有機シランは、ハロゲン化アンモニウムおよびシリコンに結合した加水分解性アルコキシ基を含有する。
【0079】
第4級アンモニウム有機シランコーティング
多様な方法が、第4級アンモニウム有機シラン試薬からの第4級アンモニウム有機シランコーティングを形成するために用いることが可能である。第4級アンモニウム有機シラン試薬は、例えば、第4級アンモニウム有機シラン試薬を共有結合的にまたは非共有結合的に固相担体に結合させて第4級アンモニウム有機シランコーティングを形成するための方法を含む技術上公知のあらゆる方法を用いて、固相担体に塗布することが可能である。
【0080】
固相担体は、第4級アンモニウム有機シラン試薬を含有する溶液製剤に接触させる(例えば、噴霧するか、浸漬するか、または別途塗布して)ことが可能である。一部の態様において、第4級アンモニウム有機シラン試薬被覆表面は、室温で十分な時間帯にわたり放置空気乾燥して、第4級アンモニウム有機シランコーティングの縮合硬化を完了させる。あるいは、十分な時間帯にわたり被覆表面に熱を加えて硬化を達成する。こうした持続時間および温度は当業者に公知である。
【0081】
代表的な態様において、第4級アンモニウム有機シラン試薬は、固相担体に共有結合的に結合される。一般的に、第4級アンモニウム有機シラン試薬は、固相担体の一部を形成する近接可能な担体反応基に共有結合的に結合される。多様な反応基は、第4級アンモニウム有機シラン試薬を共有結合的に結合することにおいて有用である。第4級アンモニウム有機シラン試薬は、第4級アンモニウム有機シラン試薬のシラン部分を通して担体反応基に共有結合的に結合することが可能である。本明細書において用いられるシラン部分は、式(I)で表される化合物のA4-n−Si−部分を指す。
【0082】
シラン部分は、担体反応基がシラン部分のシリコン原子に共有結合的に結合することを可能とすることにより、担体反応基に共有結合的に結合することが可能である。例えば、担体反応基がヒドロキシル基である場合、酸素原子は、シリコン原子に結合してシリコン−酸素結合を形成することを可能とし、それによって、第4級アンモニウム有機シラン試薬を担体分子に共有結合的に結合させる。関連態様において、シラン部分は、ヒドロキシル担体反応基の攻撃に際して残る少なくとも一つの−OR4を含む。この反応は、本明細書において、縮合反応と呼ぶことが可能である。従って、第4級アンモニウム有機シラン試薬は、縮合反応を介して担体分子に共有結合的に結合することが可能である。
【0083】
シラン部分は、また、本明細書においてシラン反応基と呼ばれる反応基を含有するA基を含むことが可能である。シラン反応基は、担体反応基と反応して共有結合を形成することができる。
【0084】
第4級アンモニウム有機シラン試薬を固相担体に共有結合的に結合することにおいて有用なシラン反応基、担体反応基および反応の種類は、一般に、生物学的共有化学の技術分野で周知のことである。これらには、求核置換反応(例えば、アミンおよびアルコールのハロゲン化アシル、活性エステルとの反応)、求電子置換反応(例えば、エナミン反応)および炭素−炭素および炭素−ヘテロ原子多重結合への付加反応(例えば、ミカエル反応、ディールス−アルダー付加反応)が挙げられるがそれらに限定されない。これらのおよび他の有用な反応は、例えば、March, ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY, 3rd Ed., John Wiley & Sons, New York, 1985;Hermanson, BIOCONJUGATE TECHNIQUES, Academic Press, San Diego,1996;および Feeney ら, MODIFICATION OF PROTEINS(登録商標);Advances in Chemistry Series, Vol. 198,American Chemical Society, Washington, D. C. , 1982に検討されている。
【0085】
有用なシランおよび担体反応官能基には、例えば、以下が挙げられる:
【0086】
(a)N−ヒドロキシスクシニミド・エステル、N−ヒドロキシベンズトリアゾール・エステル、酸ハロゲン化物、アシル・イミダゾール、チオエステル、p−ニトロフェニル・エステル、アルキル、アルケニル、アルキニルおよび芳香族エステルに限定されないがそれらを含む、カルボキシル基およびそれらの種々の誘導体;
【0087】
(b)エステル、エーテル、アルデヒド、などに転化することができるヒドロキシル基;
【0088】
(c)ハロゲン化物が、後に、例えば、アミン、カルボン酸陰イオン、チオール陰イオン、カルバニオン、またはアルコキシド・イオンなどの求核基により置き換えられることができ、それによって、ハロゲン原子の現場での新しい基の共有結合的結合をもたらすハロアルキル基;
【0089】
(d)例えば、マレイミド基などのディールス−アルダー反応に関与することができる求ジエン体基;
【0090】
(e)次の誘導体化が、例えば、イミン、ヒドラゾン、セミカルバゾンまたはオキシムなどのカルボニル誘導体の形成を介して、またはグリニヤール付加またはアルキルリチウム付加などの機構を介して可能であるようなアルデヒドまたはケトン基;
【0091】
(f)例えば、スルホンアミドを形成するための次のアミンとの反応用のハロゲン化スルホニル基;
【0092】
(g)ジスルフィドに転化するかまたはハロゲン化アシルと反応することができるチオール基;
【0093】
(h)例えば、アシル化、アルキル化または酸化することができるアミンまたはスルフヒドリル基;
【0094】
(i)例えば、付加環化、アシル化、ミカエル付加、などを行うことができるアルケン;
【0095】
(j)例えば、アミンおよびヒドロキシル化合物と反応することができるエポキシド;および
【0096】
(k)核酸合成に有用なホスホラミダイトおよび他の標準官能基。
【0097】
反応官能基は、それらが第4級アンモニウム有機シランコーティングを作るために必要な反応に関与せず、または干渉しないように選択することができる。あるいは、シランまたは担体反応官能基は、保護基の存在により反応に関与することから保護することができる。当業者は、選択された反応条件の設定に干渉しないように特定官能基をいかに保護するかを理解するであろう。有用な保護基の例に関しては、Greene ら, PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS, John Wiley & Sons, New York,1991を参照すること。
【0098】
リンカーは、また、第4級アンモニウム有機シラン試薬を固相担体に結合するために用いることが可能である。リンカーは、第4級アンモニウム有機シラン試薬および/または固相担体に対する結合時点で反応基を含むことが可能である。あらゆる適切なリンカーは、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換シクロアルキレン、置換または非置換ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、および置換または非置換へテロアリーレン基を含んで本発明において用いることが可能である。代表的な態様において、リンカー基は、置換または非置換アルキレン、および置換または非置換ヘテロアルキレン基から選択される。関連態様において、リンカーは非置換アルキレン、少なくとも一つのオキシ基で置換されたアルキレン基、非置換へテロアルキレン、および少なくとも一つのオキシ基で置換されたヘテロアルキレン基から選択される。別の関連態様において、リンカーは、非置換(C1〜C25)アルキレン、少なくとも一つのオキシ基で置換された(C1〜C25)アルキレン基、非置換2〜26員ヘテロアルキレン、および少なくとも一つのオキシ基で置換された2〜26員ヘテロアルキレン基から選択される。
【0099】
他の有用なリンカーには、ポリエステル主鎖(例えば、ポリエチレン・グリコール)を有するものおよびそれらの誘導体が含まれる。多様な有用なリンカーは市販されている(例えば、アラバマ州、ハンツビルのネクター(Nektar, Inc.)から市販されているものなどのポリエチレン・グリコール系リンカー)。
【0100】
第4級アンモニウム有機シラン試薬は、また、ファン・デル・ワールス相互作用、疎水性相互作用、双極子間相互作用、静電的相互作用、および/または水素結合相互作用などのあらゆる相互作用を用いて、固相担体に非共有結合的に結合することが可能である。
【0101】
代表的な態様において、第4級アンモニウム有機シラン試薬は、部分的にまたは全体的に固相担体を覆う高分子網状組織を形成する。第4級アンモニウム有機シラン試薬が高分子網状組織を形成する場合、第4級アンモニウム有機シラン試薬は、付加的に、固相担体との共有および/または非共有結合を形成することが可能である。
【0102】
第4級アンモニウム有機シラン試薬は、一般的に、シラン部分を通して共有結合的に結合することにより、高分子網状組織を形成する。シラン部分が少なくとも一つの−OR4基を含む場合、第4級アンモニウム有機シラン試薬は、一連のシリコン−酸素−シリコン結合を有するシリコーンポリマーを形成することが可能である。シリコーンは線状ポリマーまたは架橋ポリマーであることが可能である。例えば、シラン部分は、少なくとも二つの−OR4基を含む場合、第4級アンモニウム有機シラン試薬は、各シリカ原子が少なくとも二つのシリコン−酸素−シリコン結合の一部を形成する架橋シリコーンポリマーを形成することが可能である。従って、重合は、他のシラン反応基との分子間共有結合を形成することができるシラン反応基を用いて達成することが可能である。
【0103】
代表的な態様において、第4級アンモニウム有機シラン試薬は、固相担体に塗布する前に水性液体に接触する。上述のように、有用な第4級アンモニウム有機シラン試薬には、シリコン原子に結合される加水分解性アルコキシ基を含有するものが含まれる。水分子に接触すると、アルコキシ基(例えば、メトキシ基)は加水分解して、加水分解(本明細書において縮合とも呼ばれる)の副生物としてのアルコールの同時生成を伴うヒドロキシ置換シリコン原子(本明細書において「シラノール」とも呼ばれる)を形成することが可能である。上記組成物の第4級アンモニウム有機シランを添加する際に形成されて得られる化合物は、対応するモノ−、ジ−またはトリ−シラノール化学種である。加水分解に際して調製される反応シラノール化学種は、上述のような高分子コーティングをもたらす他のシラノール化学種とのシリコン−酸素−シリコン共有結合を形成することが可能である。得られる高分子コーティングは、固相担体に非共有結合的および/または共有結合的に結合される分子網状組織であることが可能である。
【0104】
第4級アンモニウム有機シランコーティングが、一部の非縮合(uncondensed)シラノールまたはアルコキシ部分を含有することが可能である、立体的な架橋した水不溶性の高分子コーティングを形成することが可能であることは、当業者により理解される。単量体、2量体およびオリゴマー化学種は、第4級アンモニウム有機シラン試薬を含有する水溶液の塗布に続いて固相担体上に存在することが可能であり、これらは、共有結合または非共有結合機構のいずれであれ固相担体に結合することが可能である。
【0105】
固相担体上に形成される第4級アンモニウム有機シランコーティングは、それらの抗菌活性を保持する。それらは、固相担体に対して実質的なものであり、大部分は水性液体中に不溶である。例えば、一部の態様において、ミシガン州、アナーバーのNSFインターナショナルにより行われる標準42試験後、10ppb未満の第4級アンモニウム有機シラン試薬が水中で検出可能である。
【0106】
代表的な態様において、第4級アンモニウム有機シランコーティングは、以下の式(II)を有する:
【化3】

【0107】
式(II)において、A、R、R1、R2、およびR3は、式(I)で上に定義される通りである。Wは上述の通りの固相担体である。固相担体Wは、リンカー部分および/または反応基の残部を含むことが可能である。記号lは1、2、または3から選択される整数を表す。記号mおよびjは、mおよびjの両方が同時に0でなく、0、1、2、および3から独立に選択される整数を表す。m、j、およびlの合計は、4以下である。関連態様において、lは1、2、または3であり、mは1、2、または3であり、jは1、2、または3である。別の関連態様において、lは1であり、mは1、2、または3であり、jは1、2、または3である。
【0108】
微生物
本明細書において用いられる用語「微生物」は、個々には顕微鏡を通してしか見ることのできない生物を意味する。用語微生物には、例えば、細菌、菌類、放線菌類、藻、原生動物、酵母、病原菌、陸真珠、線虫、ウイルス、プリオン、および藻類が挙げられる。従って、代表的な態様において、微生物は、細菌、ウイルス(本明細書において細菌ウイルスとも呼ばれる)、菌類、藻、かび、酵母、胞子、および原生動物寄生虫から選択される。用語「細菌」には、グラム陽性およびグラム陰性菌の両方が含まれる。
【0109】
グラム陽性菌には、例えば、バシリス属細菌(増殖性細胞)、コリネバクテリウム・ジフテリア菌、ミクロコッカス・ルテア菌、ミクロコッカス属細菌、マイコバクテリウム・結核菌、マイコバクテリウム・恥垢菌、プロピオニバクテリウム・ニキビ菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、大便連鎖球菌、ミュータンス連鎖球菌、肺炎球菌、および化膿連鎖球菌が挙げられる。
【0110】
グラム陰性菌には、例えば、アシネトバクター・カルコアセチカス菌、エロモナス・ハイドロフィラ菌、シトロバクター・ディバーサス菌、シトロバクター・フロインディイ菌、エントロバクター・エアロゲネス菌、エントロバクター・アグロメラ菌、大腸菌、窒素固定菌、クレブシエラ肺炎菌、クレブシエラ・テリーナ(terriena)菌、レジオネラ・ニューモフィラ菌、モルガン菌、プロテウス・ミラビリス菌、プロテウス・ブルガーリス菌、緑膿菌、シュードモナス・フルオレセンス菌、コレラ菌、腸チフス菌、ネズミチフス菌、セラチア・リキファシエンス(liquifaciens)菌、およびザントモナス・キャンペストリス菌が挙げられる。
【0111】
ウイルスには、例えば、アデノウイルス・タイプIIおよびIV、牛アデノウイルス・タイプIおよびIV、ネコの肺炎菌、単純ヘルペス・タイプI、単純ヘルペス・タイプII、HIV−1(AIDS)、A2型インフルエンザ(アイチ)、A2型インフルエンザ(アジア)、B型インフルエンザ、ムンプス、パーインフルエンザ(センダイ)、レオウイルス・タイプI、シミアン・ウイルス40、ワクシニア、MS2、およびPRD1が挙げられる。
【0112】
菌類、藻、かび、酵母、および胞子には、例えば、ススロビ菌、コウジカビ、クロコウジカビ、糸状菌、糸状菌(テレウス)、かび毒産生菌、アスペルギルス・バルカリア菌、黒酵母、カンジダ菌、カンジダ・シュードトロポカリス、ケトミウム・グロブサム(globsum)、クロカビ、クロレラ、植物病原性菌、表皮菌、グリオマスチクス・セレアリス、キチリメンタケ、小胞子菌属、頭部白癬原因菌、モリニア・グリシー、ユレモ属、青カビ、ペニシリウム・コンミュネ、青カビ(食品汚染菌)、ペニシリウム・ピノフィリウム、青カビ(好塩基性菌)、フォーマ・フィメチ、ピトミセス・カルタルム、ポリア・プラセンタ、セネデスムス属、出芽酵母、スコレコバシディウム・フミコーラ、トリコデルマ・ウィリデ、トリコフィトン・インテルジキターレ、トリコフィトン・メイドソン(maidson)、トリコフィトン・メンタグロフィテス、およびトリコフィトン属が挙げられる。
【0113】
原生動物寄生虫には、例えば、クリプトスポリジウム・パーバム(オーシスト)およびジアルジア属が挙げられる。
【0114】
グラム陽性菌、グラム陰性菌、ウイルス、菌類、藻、かび、酵母、胞子および原生動物寄生虫に対する抗菌活性に関するさらに詳細な情報に関しては、それらそれぞれの全体を本明細書において参考のため包含する、Hisao, Y. Chinese Pat. Appl., PCT/CN98/00207(1998);Malek, J. ら,米国特許第4,259,103(1981);Klein, S., 米国特許第4,394,378(1983);Eudy, W.,米国特許第4,406,892(1983);Gettings, R. ら,米国特許第4,908,355(1990)および米国特許第5,013,459(1991);Blank, L. ら,米国特許第5,145,596(1992);Avery, R. 米国特許第5,411,585(1995);Blank,L.ら,米国特許第4,865,844(1989);Battice, D. ら,米国特許第4,631,297(1986);Higgs, B. ら,米国特許第5,359,104(1994);Avery, Rら,米国特許第5,411,585(1995);White, W. ら,Book of Papers, 12th Annual Nonwovens Tech. Symposium, pp. 13〜46(1984);McGee, J. ら,Am. Dyestuff Rep. 6:56〜59(1983);Dow Corning Technical Brochure;22−994−83(1983);Gettings, R. ら,Book of Papers, American Association of Textile Chemists および Colorists National Technical Conference, pp.259〜261(1978);Dow Corning Technical Brochure,24−095−85(1985);Tsao, I. ら,Biotechnol. Bioeng. , 34:639〜46(1989);Tsao, I. ら,ACS Symp. Ser.419:250〜67(1990);Klein, M.ら,Principles of Viral Inactivation,3rd Ed. , S. Block, Ed. ,(Lea & Febiger, Philadelphia, PA)pp.422〜434(1983);Peterson, W. ら,米国特許第6,613,755を参照すること。
【0115】
本明細書において用いられてきた用語および表現は、説明の用語としてであって限定のためではなく、且つ、こうした用語および表現の使用において、示され説明される態様の同等物またはそれらの部分を除外するようには意図されていないので、種々の修正がクレームされている本発明の範囲内で可能であることは認識される。さらに、本発明のあらゆる態様のあらゆる1以上の態様は、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明のあらゆる他の態様のあらゆる1以上の他の態様と組み合わせることが可能である。例えば、本発明の試薬の態様は、本明細書において記載される本発明のコーティングに等しく適用可能である。本明細書において引用されるすべての公開文献、特許、および特許出願は、本明細書においてそれらの全体を参考のために包含する。
【実施例】
【0116】
以下の実施例は、限定目的ではなく、説明目的のみに提供される。当業者は、変更されるかまたは修正されて類似の結果を生みだすことができる多様な決定的でないパラメータを容易に認識するであろう。
【0117】
ODTA:オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリル)プロピル・アンモニウム・クロライド.メタノール中42%活性材料として、ノースカロライナ州、ウイルミントンのライト・ケミカル(Wright Chemical Corp.)から入手した。この材料を、3−(トリメトキシシリル)プロピル−ジメチルオクタデシル・アンモニウム・クロライドとも呼ぶことが可能である。また、ダウ・コーニング(登録商標)5700として市販されているミシガン州、ミッドランドのイージス・エンバイロメンタル・マネジメントからの材料も42%活性材料として利用可能である。
【0118】
リクアット:3−(トリメトキシシリル)プロピルジデシルメチル・アンモニウム・クロライド.メタノール中42%活性材料としてのリクアット1977を、コネチカット州、ニュープレストンのサニタイズドから入手した。
【0119】
TDTA:3−(トリメトキシシリル)プロピルテトラデシルジメチル・アンモニウム・クロライドを、メタノール中50%溶液としてのCat.No.SIT7090.0として、ペンシルベニア州、タリータウンのゲレストから入手した。
【0120】
実施例1
塗布に適する溶液を、ODTA4部を攪拌しながら100部の脱イオン水に添加することにより調製した。得られる透明な溶液を、開放型のポリ塩化ビニル(PVC)フラットタイプの蒸発皿に噴霧スプレーにより塗布し、すべての表面が完全に濡れていることを確認した。皿を放置して24時間にわたり空気乾燥し、第4級アンモニウム有機シラン試薬を容器表面に硬化させて、第4級アンモニウム有機シランコーティングを形成する。BIOSPERSE(登録商標)テストキットを用いて既に107全細菌/mlと測定された細菌レベルを含有する水を、表面積平方インチ当り水4.6グラムの比率で皿に添加した。30分後、BIOSPERSE(登録商標)テストキットを用いて水をサンプリングした。インキュベーション後、105細菌/mlを測定した。1時間および4時間での試験水の再サンプリングでは、それぞれ、104および<103の細菌数を得た。
【0121】
実施例2
実施例1により調製された4オンス溶液を、3/4インチねじトップを有する1パイントのブリキ板金属試験容器に添加した。溶液を1分間にわたり攪拌して容器の内表面を完全に濡らし、次に、デカンターに移した。試験容器を放置して1時間にわたり空気乾燥した。残留蒸気を5分間にわたるエアパージにより除去し、次に、容器を1時間にわたり105℃に加熱し第4級アンモニウム有機シラン試薬を容器表面に対して硬化させて、第4級アンモニウム有機シランコーティングを形成した。107細菌/mlの高細菌数を有する水(300g)を試験容器に添加した。試験容器を室温で1時間にわたり放置した。2時間後試験水細菌レベルを、BIOSPERSE(登録商標)テストキットを用いて103細菌/mlと測定した。
【0122】
実施例3
2オンスのガラス容器で、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)またはポリ塩化ビニル(PVC)を、1.5%TDTAを含有する水溶液で処理した。容器を1時間にわたり100℃に加熱し第4級アンモニウム有機シラン試薬を容器表面に対して硬化させて、第4級アンモニウム有機シランコーティングを形成した。次に、各容器を脱イオン水1オンスですすいだ。105細菌/mlを含有する水1オンスを各容器に添加し、栓をした。室温での24時間後、各容器をサンプリングし、BIOSPERSE(登録商標)テストキットを用いて細菌数を測定した。すべての容器は、24時間にわたるインキュベーション後103細菌/mlの細菌数を示した。
【0123】
実施例4
8フィート長さのおよび内径1/4インチを有するコイル状アルミニウム試験管を、イソプロパノール100部に対するリクアット8部の溶液で処理した。管を溶液で満たし、密封し、15分間にわたり放置した。管から水抜きをし、24時間にわたり100ml/分の速度で管を通過する圧縮空気流により空気乾燥し、第4級アンモニウム有機シラン試薬を管表面に対して硬化させて、第4級アンモニウム有機シランコーティングを形成した。細菌および藻107単位/mlを含有する水性液体を、コイル状アルミニウム管に通過させた。水性液体を5ml/分の速度で管を通して自然循環させ、<103細菌/mlの汚染をもたらした。
【0124】
実施例5
砂およびゼオライトを含むシリカ系表面の処理用に適する抗菌性溶液を、脱イオン水3.375kgおよび3−アミノプロピルトリメトキシシラン3グラムを含有する攪拌溶液に、リクアット67.5グラムを添加することにより調製した。透明溶液1kgを、回転混合機中で5分間にわたり#20ホワイト・シリカ・プールフィルタ砂50ポンド上に噴霧した。濡れた材料をさらに1時間にわたり攪拌しながら混合し、放置して24時間空気乾燥し第4級アンモニウム有機シラン試薬を砂表面に対して硬化させて、第4級アンモニウム有機シランコーティングを形成した。処理した砂を循環水系中に用いて、30分の運転において、微生物汚染をBIOSPERSE(登録商標)テストキットによる測定で107細菌/mlから<103細菌/mlに減少させた。
【0125】
実施例6
20〜40メッシュのほぼ90%の斜ブチロル沸石を含有するゼオライト(アッシュ・メドウズ・ゼオライト(Ash Meadows Zeolites, LLC))を、ODTA7部および水93部を含有する溶液で十分に濡らした。濡れたゼオライトを放置して24時間にわたり空気乾燥し、次に、強制空気オーブン中において110℃で2時間加熱し、第4級アンモニウム有機シラン試薬をゼオライト表面に対して硬化させて、第4級アンモニウム有機シランコーティングを形成した。処理したゼオライトを、全長38インチを有する2インチのPVC管中に置いた。以下に記載されるように、既知量の細菌ウイルス、細菌、藻および原生動物を含有する脱塩素水を、第4級アンモニウム有機シラン被覆ゼオライトを含有するPVC管に通過させた。
【0126】
実験装置は、ホース接続部用の結合金具、および各フィルタの入口および出口でのサンプルポートを含むマニホールドに取り付けられる1組の3フィルタ(フィルタ1、2および3)から構成された(図6を参照すること)。微生物単分散度を最大化するために、入口ポートの前の管組立て部品中にイン・ライン混合機を含んだ。対象試験水を、熱保護ポンプを用いて330ml/分の流量で各フィルタ中にポンプ注入した。
【0127】
各微生物試験の前にフィルタを脱塩素水道水で25分間にわたりフラシュした。顆粒活性炭フィルタを用いてフラッシュ水を脱塩素化し、ハック法8167を用いて脱塩素の前後で残留塩素を測定した。
【0128】
ポリプロピレン容器(ニューヨーク州ロチェスターのナルゲン社(Nalgene))中の脱塩素水道水20リットル中に既知の数の微生物を添加することにより、対象試験水を調製した。容器に入れる直前に微生物を1Xリン酸緩衝生理食塩水で洗浄した。対象試験水容器を、テフロン(登録商標)被覆攪拌棒を有する攪拌プレート上に置き、連続的に混合して流入水中の微生物の均一な分布を提供した。熱保護されたポンプ(オクラホマ州、オクラホマ市のリトル・ジャイアント・ポテント・ポンプ(Little Giant Potent Pump))を用いて、対象試験水を各フィルタ中にポンプ注入した。使用前に、微生物原液溶液を循環することによりポンプを準備した。ホースを各フィルタの入口結合金具に接続した。各フィルタに対して12分間にわたりポンプを運転した。1000mlメス・シリンダを用いて流量を測定し、CSLにより推奨される330ml/分に調整した。系の水圧パラメータに基づき、各フィルタは安定するまで12分間の運転を必要とした。12分後、流出サンプルを各フィルタから取り出し、8分後に第2フィルタから単一流入サンプルを集め、これが最終運転用の流入濃度を表した。一旦実験が完了すると、フィルタを再度脱塩素水道水で30分間にわたりフラッシュした。
【0129】
6.1細菌ウイルス
細菌ウイルスMS2およびPRD1を用いて一連の実験を行った。流出および流入サンプルを上述のように取り出し、希釈した。MS2およびPRD1用のサンプルを連続的に希釈し、二重層寒天法(Adams, M. H. , Bacteriophages, Interscience, New York(1959))によりそれらそれぞれの細菌宿主を用いて検定した。プレートを37℃で24時間にわたり培養し、この時に、透明なウイルスプラーク数を計算した。結果を図1に示す。MS2およびPRD1に対するlog除去および不活性化率は、それぞれ、2.40〜2.96、および1.50〜2.27logの間の範囲にあった。MS2およびPRD1に対する全体平均除去率は、それぞれ、2.8〜2.0logであった。データは、第4級アンモニウム有機シラン被覆ゼオライトが水溶液中の細菌ウイルスの生存数を減少させることができることを示す。
【0130】
6.2細菌
細菌クレブシエラ・テリーナおよび大腸菌(ATCC25922)を用いて独立の一連の実験を行った。流出および流入サンプルを上述のように取り出し、希釈した。0.4μm孔径膜フィルタを用いる膜濾過技術によりサンプルを検定した。膜フィルタを選択性媒体上に置き37℃で24時間にわたり培養し、この時に、細菌コロニー数を計算した。結果を図2(A)および(B)に示す。図2(A)および図3に示すように、クレブシエラに対する一致した除去率がすべてのフィルタにおいて見られ、それらは平均値99.50%(2.3log)を有する99.37%(2.2log)〜99.60%(2.4log)の範囲にあった。図2(B)に示すように、大腸菌に対する除去率は、平均値99.98%(3.88log)を有する99.96%(3.50log)〜99.99%(4.39log)の範囲にあった。この検討は、第4級アンモニウム有機シラン被覆ゼオライトが水溶液中の生存細菌数を有効に減少させることができることを示す。
【0131】
6.3藻
藻に対する媒体の除去ならびに不活性化両方の効果を測定するために、クロレラ菌を用いて実験を行った。流出および流入サンプルを上述のように取り出し、希釈した。全体除去および不活性化率に対して検定する前に、サンプルを遠心分離により濃縮した。除去率を顕微鏡での全体体積数により測定した。不活性化率を生死判別試験により測定した。藻細胞を、2%トリプシン(ハンクス液中)により消化し、2酢酸フルオレセイン(シグマ・ケミカルズ(Sigma Chemicals)F−7378)により染色した。2酢酸フルオレセイン(FDA)は、細胞膜を通過する非極性エステルである。一旦細胞内に入ると、FDAはエステラーゼ(生存細胞中に存在する酵素)により加水分解されて、生存細胞壁の内側に集積し紫外光下で蛍光を発するフルオレセインを生みだす。白色光および紫外光両方を備える顕微鏡を用いて、生および死の藻細胞を定量化した。結果を図4に示す。それぞれフィルタ1、2、および3に対して、99.11%(2.05log)、98.74%(1.90log)および98.74%(1.90log)の平均除去率が見られた。フィルタ1、2、および3に対する三つの不活性化率測定の平均値は、11%(0.05log)、12%(0.06log)および22%(0.11log)であった。しかし、個々の測定値に基づき、3フィルタに対する不活性化率の全体範囲は、5%(0.02log)〜46%(0.27log)であり、平均は15%(0.07log)であった。第4級アンモニウム有機シラン被覆ゼオライトが水溶液中の生存藻数を有効に減少させることができることは明白である。
【0132】
6.4原生動物寄生虫
クリプトスポリジウム・パーバム・オーシストを、アリゾナ州、ツーソンのアリゾナ大学、スターリング・パラジトロジー・ラボラトリーから入手し、感染性オーシストの除去または不活性化の効率を測定するために用いた。クリプトスポリジウム・パーバム・オーシストの除去率を濃縮サンプル上の血球計数値により測定したが、一方で、感染性オーシストの数は、最確数アッセイを有する細胞培養技術(FDM−MPN)を用いる感染焦点検出法により測定した(Slifko ら,Applied Environmental Microbiology, 65:3936〜3941(1999))。結果を図5に示す。
【0133】
感染性C.パーバム・オーシストの累計除去/不活性化率は、すべての3フィルタに対して平均97.9%(1.68log)であった。各フィルタによる除去および不活性化性能は、それぞれフィルタ1、2、および3に対して、95.4%(1.34log)、99.3%(2.15log)、および98.9%(1.96log)であった。オーシストの除去率(のみ)は、それぞれフィルタ1、2、および3に対して、75.9%(0.62log)、65.5%(0.46log)、および72.4%(0.56log)の個々の除去率を有して平均71.3%(0.54log)であった。この検討は、第4級アンモニウム有機シラン被覆ゼオライトが水性液体中の生存原生動物寄生虫数を有効に減少させることができることを示す。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】第4級アンモニウム有機シラン被覆ゼオライトによる細菌ウイルスの生存数の減少を示す。
【図2】第4級アンモニウム有機シラン被覆ゼオライトによる(A)K.テリーナ菌、および(B)大腸菌の生存数の減少を示す。
【図3】第4級アンモニウム有機シラン被覆ゼオライトによる細菌および細菌ウイルスの生存数の平均減少率を示す。
【図4】第4級アンモニウム有機シラン被覆ゼオライトによる藻の生存数の減少を示す。
【図5】第4級アンモニウム有機シラン被覆ゼオライトによる原生動物寄生虫の生存数の減少を示す。
【図6】液体中の微生物の生存数減少に用いる第4級アンモニウム有機シラン被覆ゼオライトを充填したカラムを含有する実験装置を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体中の微生物の生存数を減少させるかまたは除去する方法であって、該方法は、前記液体を第4級アンモニウム有機シランコーティングで被覆される固相担体と接触させることを含む。
【請求項2】
前記第4級アンモニウム有機シランコーティングが、以下の式を有する第4級アンモニウム有機シラン試薬から作製される請求項1に記載の方法:
【化1】

式中:
Aは、−OR4、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換へテロアリール基からなる群から独立に選択される構成要素であり、
(式中R4は、水素原子、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換へテロアリール基からなる群から選択される構成要素である);
Rは、置換または非置換アルキレン、置換または非置換ヘテロアルキレン、置換または非置換シクロアルキレン、置換または非置換ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、および置換または非置換へテロアリーレン基からなる群から選択される構成要素であり;
1、R2、およびR3は、水素原子、置換または非置換アルキル、置換または非置換ヘテロアルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換へテロアリール基からなる群から独立に選択される構成要素であり;
Zは、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、トシラート、水酸化物、硫酸塩およびリン酸塩からなる群から選択される構成要素であり;および
nは1、2または3である。
【請求項3】
Aが−OR4、置換または非置換(C1〜C10)アルキル、置換または非置換2〜10員ヘテロアルキル、置換または非置換(C5〜C7)シクロアルキル、置換または非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換へテロアリール基からなる群から独立に選択される構成要素であり、
(式中R4は、水素原子、置換または非置換(C1〜C10)アルキル、置換または非置換2〜10員ヘテロアルキル、置換または非置換(C5〜C7)シクロアルキル、置換または非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換へテロアリール基からなる群から選択される構成要素である);
Rが、置換または非置換(C1〜C10)アルキレン、置換または非置換2〜10員ヘテロアルキレン、置換または非置換(C5〜C7)シクロアルキレン、置換または非置換5〜7員ヘテロシクロアルキレン、置換または非置換アリーレン、および置換または非置換へテロアリーレン基からなる群から選択される構成要素であり;および
1、R2、およびR3が、水素原子、置換または非置換(C1〜C20)アルキル、置換または非置換2〜20員ヘテロアルキル、置換または非置換(C5〜C7)シクロアルキル、置換または非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、および置換または非置換へテロアリール基からなる群から独立に選択される構成要素である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各置換アルキル、置換ヘテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、および置換ヘテロアリール基が、−OH、非置換(C1〜C5)アルキル、非置換2〜5員ヘテロアルキル、非置換(C5〜C7)員シクロアルキル、非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、および非置換へテロアリール基からなる群から独立に選択される少なくとも一つの置換基のみにより置換され、および
前記置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリーレン、および置換へテロアリーレン基が、−OH、非置換(C1〜C5)アルキル、非置換2〜5員ヘテロアルキル、非置換(C5〜C7)員シクロアルキル、非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、および非置換へテロアリール基からなる群から独立に選択される少なくとも一つの置換基のみにより置換される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
各置換アルキル、置換ヘテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、および置換ヘテロアリール基が、−OH、非置換(C1〜C5)アルキル、非置換(C5〜C7)員シクロアルキル、および非置換フェニル基からなる群から独立に選択される少なくとも一つの置換基のみにより置換され、および
前記置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリーレン、および置換へテロアリーレン基が、−OH、非置換(C1〜C5)アルキル、非置換(C5〜C7)員シクロアルキル、および非置換フェニル基からなる群から独立に選択される少なくとも一つの置換基のみにより置換される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
各置換アルキル、置換ヘテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、および置換ヘテロアリール基が、少なくとも一つの非置換(C1〜C3)アルキル基のみにより置換され、および
前記置換アルキレン、置換ヘテロアルキレン、置換シクロアルキレン、置換ヘテロシクロアルキレン、置換アリーレン、および置換へテロアリーレン基が、少なくとも一つの(C1〜C3)アルキル基のみにより置換される、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
Aが−OR4、非置換(C1〜C10)アルキル、非置換2〜12員ヘテロアルキル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、および非置換へテロアリール基からなる群から独立に選択される構成要素であり、
(式中R4は、水素原子、非置換(C1〜C10)アルキル、非置換2〜12員ヘテロアルキル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、および非置換へテロアリール基からなる群から選択される構成要素である);
Rが、非置換(C1〜C10)アルキレン、非置換2〜10員ヘテロアルキレン、非置換(C5〜C7)シクロアルキレン、非置換5〜7員ヘテロシクロアルキレン、非置換アリーレン、および非置換へテロアリーレン基からなる群から選択される構成要素であり;
1、R2、およびR3が、水素原子、非置換(C1〜C20)アルキル、ヒドロキシ置換(C1〜C20)アルキル、アミン置換(C1〜C20)アルキル、非置換2〜20員ヘテロアルキル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、非置換5〜7員ヘテロシクロアルキル、非置換アリール、および非置換へテロアリール基からなる群から独立に選択される構成要素である、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
Aが−OR4、非置換(C1〜C10)アルキル、非置換3〜12員アルキルエーテル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、および非置換フェニル基からなる群から独立に選択される構成要素であり、
(式中R4は、水素原子、非置換(C1〜C10)アルキル、非置換3〜12員アルキルエーテル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、および非置換フェニル基からなる群から選択される構成要素である);
Rが非置換(C1〜C10)アルキレン基であり;
1、R2、およびR3が、水素原子、非置換(C1〜C20)アルキル、非置換アルキルエーテル、ヒドロキシ置換(C1〜C20)アルキル、アミン置換(C1〜C20)アルキル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、および非置換フェニル基からなる群から独立に選択される構成要素である請求項3に記載の方法。
【請求項9】
Aが−OR4、非置換(C1〜C4)アルキル、
非置換3〜8員アルキルエーテル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、および非置換フェニル基からなる群から独立に選択される構成要素であり、
(式中R4は、水素原子、非置換(C1〜C8)アルキル、非置換3〜8員アルキルエーテル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、および非置換フェニル基からなる群から選択される構成要素である);
Rが非置換(C1〜C10)アルキレン基であり;
1、R2、およびR3が、水素原子、非置換(C1〜C20)アルキル、非置換アルキルエーテル、ヒドロキシ置換(C1〜C20)アルキル、アミン置換(C1〜C20)アルキル、非置換(C5〜C7)シクロアルキル、および非置換フェニル基からなる群から独立に選択される構成要素である請求項3に記載の方法。
【請求項10】
Aが−OR4、非置換(C1〜C4)アルキル、および非置換3〜8員アルキルエーテル基からなる群から独立に選択される構成要素であり、
(式中R4は、水素原子、非置換(C1〜C8)アルキル、および非置換3〜8員アルキルエーテル基からなる群から選択される構成要素である);
Rが非置換(C1〜C10)アルキレン基であり;
1、R2、およびR3が、水素原子、非置換(C1〜C20)アルキル、非置換アルキルエーテル、ヒドロキシ置換(C1〜C20)アルキル、およびアミン置換(C1〜C20)アルキル基からなる群から独立に選択される構成要素である請求項3に記載の方法。
【請求項11】
1、R2、およびR3が、qおよびtが0〜10から独立に選択される整数である、−(CH2qOCH3、−(CH2qOH、−(CH2qO(CH2tCH3、−(CH2qNHCH3、−(CH2qNH2、−(CH2qN(CH32および−(CH2qNH2(CH2tCH3からなる群から独立に選択される構成要素である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
1、R2、およびR3が、−CH2CH2OCH3および−CH2CH2OCH2CH2CH3からなる群から独立に選択される構成要素である請求項10に記載の方法。
【請求項13】
1、R2、およびR3が、−CH2CH2OHおよび−CH2CH2CH2CH(OH)CH3からなる群から独立に選択される構成要素である請求項10に記載の方法。
【請求項14】
1、R2、およびR3が、−CH2CH2NH2および−CH2CH2N(CH32からなる群から独立に選択される構成要素である請求項10に記載の方法。
【請求項15】
1、R2、およびR3が、メチル、オクタデシル、ジデシル、およびテトラデシルからなる群から独立に選択される構成要素である請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記第4級アンモニウム有機シラン試薬が3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシル・アンモニウム・クロライドである請求項2に記載の方法。
【請求項17】
前記第4級アンモニウム有機シラン試薬が3−(トリメトキシシリル)プロピルジデシルメチル・アンモニウム・クロライドである請求項2に記載の方法。
【請求項18】
前記第4級アンモニウム有機シラン試薬が3−(トリメトキシシリル)プロピルジメチルテトラデシル・アンモニウム・クロライドである請求項2に記載の方法。
【請求項19】
前記液体が、異なる第4級アンモニウム有機シランコーティングにより被覆される少なくとも一つの追加固相担体と接触する請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記微生物がグラム陽性およびグラム陰性菌からなる群から選択される構成要素である請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記微生物がウイルスである請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記微生物が菌類である請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記微生物が藻およびかびからなる群から選択される構成要素である請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記微生物が酵母である請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記微生物が胞子である請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記液体が水および水溶液からなる群から選択される構成要素である請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記固相担体が、ガラス、シリカ、砂、石英、フリント、ゼオライト、無煙炭、活性炭、ガーネット、イルメナイト、バーム、非水和ケイ酸アルミニウム、鉄およびチタンの酸化物、珪藻土、ポゾラン、金属、セラミック、および有機プラスチックからなる群から選択される材料を含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記液体が、前記固相担体とは異なる材料を含む前記追加固相担体と接触する請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−502328(P2007−502328A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533251(P2006−533251)
【出願日】平成16年5月19日(2004.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/015853
【国際公開番号】WO2004/105687
【国際公開日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(505432658)コーティング システムズ ラボラトリーズ,インコーポレイティド (1)
【出願人】(505432670)ノーザン グラベル カンパニー (1)
【Fターム(参考)】