説明

折畳み式携帯端末

【課題】第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み自在に連結する開閉軸と、開閉軸と直交し、第1の筐体を表裏反転自在に支持する垂直軸とを備えた携帯電話機において、表示部2を横長状態にして、机上に安定した状態で載置してテレビを視聴したりテレビ電話をしたりすることができるようにする。
【解決手段】第1の筐体3の裏面側に断面山形の山形部3aを膨出して形成する。この山形部3aに第1の筐体3を表裏反転した状態で第1の筐体3と第2の筐体5とを折り畳み、第1の筐体3を垂直軸を中心に若干回転させて左右側方の一方と第2の筐体5の表面との間隔を広げた状態で保持し、この間隔の広がった側方側を机上に載置可能とする側方載置用部材11を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉軸を中心に折り畳み自在な折畳み式携帯端末に関し、特に、その開閉軸に垂直な垂直軸を中心に表示部が回転自在に支持されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末、特に携帯電話機において、開閉軸によって折り畳み自在な折畳み式携帯電話機や、さらに開閉軸に垂直な垂直軸を中心に表示部を表裏反転自在に支持する携帯電話機が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、マイクとキー操作部、画像及び音声の無線送受信機能を持った装置本体部と、ビデオカメラと操作ダイヤルを備えた回転軸部、ビデオカメラで撮影した映像や受信した画像、及び入力操作用画面が表示可能でかつタッチパネルを装備した映像表示部、該映像表示部とCCDカメラ、スピーカー及び操作ボタンを備えたフリップ部とを備えたものが開示されている。この折畳み式携帯端末では、回転軸部は上記装置本体部とフリップ部を互いに相対回転可能であるように連結する開閉軸と、フリップ部を前述回転方向と異なる横方向に回転可能に連結する回転軸とを備え、フリップ部を開き横方向に回転させた場合にモニター付ビデオカメラとして使用することが知られている。
【0004】
特許文献2では、表示面の折り畳と回動とを可能とする携帯電話機に、カメラを正面配置又は回転や取り外しを可能とするカメラユニットを配設し、表示手段の折り畳みと回転可能な機構に加えて、カメラを配置した筐体と表示部を配置した筐体とにそれぞれ操作部を設け、それぞれの操作部を独立して使用することを可能にするものが開示されている。
【0005】
特許文献3では、表面にディスプレイが配備されたディスプレイパネルと、ヒンジ機構に連結された連結部とから構成される筐体を備えた折畳み式携帯端末が開示されている。この折畳み式携帯端末では、ディスプレイパネルは、ヒンジ機構の回転軸と垂直な枢軸を介して連結部に枢支され、連結部には、枢支機構を介してカメラが取り付けられている。枢支機構は、カメラの撮影方向をヒンジ機構の回転軸と同じ方向に向けた第1姿勢と、カメラの撮影方向をヒンジ機構の回転軸と垂直な方向に向けた第2姿勢との間で、連結部に対してカメラを回動可能に枢支して、テレビ電話機能と動画撮影機能を備えた折畳み式携帯端末において、1台のカメラを両方の機能のために使用することができる。
【特許文献1】特開2001−169166号公報
【特許文献2】特開2003−309634号公報
【特許文献3】特開2004−304458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、地上波デジタルテレビの普及に伴って、表示部を横長状態又は縦長状態に切換自在な折畳み式携帯電話機が使用されるようになっている。このような折畳み式携帯電話機においては、テレビ視聴時に表示部を横長状態にして机上に載置して手放しで視聴することが多い。
【0007】
同様に表示部を表裏反転自在に支持する折畳み式携帯電話機においても、机上に載置して手放しでテレビ視聴したり、テレビ電話を行ったりしたいというニーズがある。
【0008】
しかしながら、上記特許文献1及び3のものでは、机上に載置すると倒れてしまうので、下筐体を手に持ちテレビを横長にして使用することしかできない。
【0009】
また、特許文献2のテレビカメラ付携帯電話機では、上筐体を縦長状態にして下筐体を机上に載置してテレビ電話をすることができるが、画面を横長状態にして安定して机上に載置することはできない。したがって、横長状態で長時間テレビを視聴したりテレビ電話するのには向いていないという問題がある。
【0010】
また、特許文献1〜3のものでは、横長状態で机上に載置して長時間テレビを視聴したりテレビ電話をしたりするのには、適切な角度で机上に載置するための部品が別途必要となる。すると、この部品をいつも携帯しなければならず、また、部品が増える分、製造コストが高くなる。
【0011】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み自在に連結する開閉軸と、開閉軸と直交し、第1の筐体を表裏反転自在に支持する垂直軸とを備えた折畳み式携帯端末において、別部品を用いることなく、表示部を横長状態にして、机上に安定した状態で載置してテレビを視聴したりテレビ電話をしたりすることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明では、第1の筐体を表裏反転した状態で第1の筐体と第2の筐体とを折り畳んで表示部が横長になるように側方を机上に載置可能とする側方載置用部材を設けた。
【0013】
具体的には、第1の発明では、表面に表示部を有する第1の筐体と、
表面に操作部を有する第2の筐体と、
上記第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み自在に連結する開閉軸と、
該開閉軸と直交し、第1の筐体を表裏反転自在に支持する垂直軸とを備えた折畳み式携帯端末を対象とする。
【0014】
上記第1の筐体の裏面側には、断面山形の山形部が膨出して形成され、該山形部には、上記第1の筐体を表裏反転した状態で第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み、第1の筐体を垂直軸を中心に若干回転させて左右側方の一方と第2の筐体の表面との間隔を広げた状態で保持し、該間隔の広がった側方側を机上に載置可能とする側方載置用部材が形成されている。
【0015】
上記の構成によると、第1の筐体を表裏反転して第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み、さらに第1の筐体を垂直軸を中心に若干回転させて左右側方の一方と第2の筐体の表面との間隔を広げた状態で、側方載置用部材によって保持される。すると、この間隔が広がった側を机上に載置すれば、安定感が増して倒れにくくなると共に、表示部が横長になった状態でしかもユーザから見易い角度に保たれる。
【0016】
第2の発明では、第1の発明において、
上記側方載置用部材は、
上記山形部の左右端部の少なくとも一方に設けられた側方突起と、
上記山形部の頂点に設けられた中央突起と、
よりなるものとする。
【0017】
上記の構成によると、第1の筐体を表裏反転して第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み、さらに第1の筐体を垂直軸を中心に若干回転させて左右側方の一方と第2の筐体の表面との間隔を広げると、他方側の側方突起が第2の筐体の表面に当接すると共に、中央突起が第2の筐体の中央に当接する。このため、側方載置用部材によってこの状態が確実に保持される。
【0018】
第3の発明では、表面に表示部を有する第1の筐体と、
表面に操作部を有する第2の筐体と、
上記第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み自在に連結する開閉軸と、
該開閉軸と直交し、第1の筐体を表裏反転自在に支持する垂直軸とを備えた折畳み式折畳み式携帯端末を対象とする。
【0019】
上記第1の筐体の裏面側には、断面山形の山形部が膨出して形成され、上記第2の筐体の表面側には、上記第1の筐体を表裏反転した状態で第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み、第1の筐体を垂直軸を中心に若干回転させて左右側方の一方と第2の筐体の表面との間隔を広げた状態で保持し、該間隔の広がった側方側を机上に載置可能とする側方載置用部材が形成されている。
【0020】
上記の構成によると、第1の筐体を表裏反転して第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み、さらに第1の筐体を垂直軸を中心に若干回転させて左右側方の一方と第2の筐体の表面との間隔を広げた状態で、側方載置用部材によって保持される。すると、この間隔が広がった側を机上に載置すれば、安定感が増して倒れにくくなると共に、表示部が横長になった状態でしかもユーザから見易い角度に保たれる。
【0021】
第4の発明では、第3の発明において、
上記側方載置用部材は、
上記操作部の左右側方の少なくとも一方に設けられた側方突起と、
上記操作部の下方中央に設けた中央突起と、
よりなる。
【0022】
上記の構成によると、第1の筐体を表裏反転して第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み、さらに第1の筐体を垂直軸を中心に若干回転させて左右側方の一方と第2の筐体の表面との間隔を広げると、他方側の側方突起が山形部の表面に当接すると共に、中央突起が山形部の頂点に当接する。このため、側方載置用部材によってこの状態が確実に保持される。
【0023】
第5の発明では、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、
上記第1の筐体の側面は、机上に載置したときに机上に接地するように平坦な傾斜面が形成されている。
【0024】
上記の構成によると、表示部を傾斜させた状態で机上に載置したときに第1の筐体の側面が机の表面と水平になって、その平坦な部分が接地するので、ぐらつかず、快適なテレビ視聴やテレビ電話が可能となる。
【0025】
第6の発明では、第5の発明において、
上記傾斜面には、エラストマ又はゴム系樹脂で構成された接地部が設けられている。
【0026】
上記の構成によると、接地部分がぐらつかずにさらに安定するので、快適なテレビ視聴やテレビ電話が可能となる。
【0027】
第7の発明では、第2又は第4の発明おいて、
上記側方突起は、半円柱形又は半球形であり、
上記中央突起は、半円柱形又は半球形である。
【0028】
上記の構成によると、半円柱形の部分を連続させることで装飾とすることができ、半球形とすることで目立たなくすることができる。このことで、外観を損なうことなく、横長状態の画像をユーザから見易い角度でテレビ視聴やテレビ電話が行える折畳み式携帯端末が得られる。
【0029】
第8の発明では、第1乃至第7のいずれか1つの発明において、
上記山形部は、左右対称形状であり、
上記側方突起及び中央突起は、左右対称に配置されている。
【0030】
上記の構成によると、左右対称形状とすることにより見映えが向上する。
【0031】
第9の発明では、第1乃至第8のいずれか1つの発明において、
上記側方載置用部材は、エラストマ又はゴム系樹脂で構成されている。
【0032】
上記の構成によると、柔軟性があるので、側方載置用部材が当接する表面が傷つかない上、机上に載置したときに表示部が、がたつかない。
【0033】
第10の発明では、第1乃至第9のいずれか1つの発明において、折畳み式携帯端末は、携帯電話機とする。
【0034】
上記の構成によると、ユーザから見易い角度に保たれた横長状態の表示部を机上に載置してテレビ視聴したりテレビ電話したりすることが可能な商品性の高い携帯電話機が得られる。
【発明の効果】
【0035】
以上説明したように、本発明によると、第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み自在に連結する開閉軸と、開閉軸と直交し、第1の筐体を表裏反転自在に支持する垂直軸とを備えた折畳み式携帯端末において、別部品を用いることなく、表示部を横長状態にして、机上に安定した状態で載置してテレビを視聴したりテレビ電話をしたりすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1にかかる携帯電話機の閉じた状態を示す斜視図である。図2は、携帯電話機の開いた状態を示す斜視図である。図3は、実施形態1の携帯電話機の第1の筐体を垂直軸を中心に回転する途中を示す斜視図である。図4は、携帯電話機を閉じて机上に載置した状態を上方から見た側面図で、(a)は表示部が内面にある状態を示し、(b)は、表示部が外観に出た状態を示し、(c)は、表示部をさらに傾斜させた状態を示す。
【0037】
図1乃至図4において、本実施形態の折畳み式携帯端末としての携帯電話機1は、表面に表示部2が設けられた第1の筐体3と、表面に操作部4が設けられた第2の筐体5と、これら第1の筐体3と第2の筐体5とを折り畳み自在に連結し、水平に延びる開閉軸7と、この開閉軸7に直交する垂直軸8とを備えている。この垂直軸8により、第1の筐体3は、表裏反転自在に第2の筐体5に支持されている。
【0038】
なお、第1の筐体3の表示部2の上方には、受話部9が形成され、第2の筐体5の操作部4の下方には、送話部10が形成されている。
【0039】
上記第1の筐体3の裏面側には、断面山形の山形部3aが膨出して形成されている。山形部3aは、左右対称形状となっている。そして、本発明の特徴として、この山形部3aには、側方載置用部材11が形成されている。この側方載置用部材11により、第1の筐体3を表裏反転した状態で第1の筐体3と第2の筐体5とを折り畳み、第1の筐体3を垂直軸8を中心に若干回転させて左右側方の一方と第2の筐体5の表面との間隔を広げた状態で保持し、該間隔の広がった側方側を机上(図4に例えば、机の表面14を示す)に載置可能となっている。
【0040】
具体的には、上記側方載置用部材11は、山形部3aの左右端部に設けられた側方突起12と、山形部3aの頂点に設けられた中央突起13とよりなる。側方突起12は、半円柱形であり、半円柱形の部分を連続させることで装飾とすることができる。この側方突起12は、上端から下端に連続して延びていてもよいし、部分的であってもよい。また、上下略中央に半球形のものを設けてもよい。中央突起13は、半球形のもので構成されている。このことで、目立たなくすることができるが、半円柱形の連続するものとしてもよい。側方突起12及び中央突起13は、左右対称に配置されている。このように構成することで、見映えがよく、外観を損なうことはない。但し、左右いずれかの側面のみに側方突起12を設けてもよい。
【0041】
上記側方載置用部材11は、エラストマ又はゴム系樹脂で構成されている。このエラストマ又はゴム系樹脂は、柔軟性があるので、側方載置用部材11が当接する表面が傷つかない上、机上に載置したときに表示部2が、がたつかない。
【0042】
また、第1の筐体3の側面には、平坦な傾斜面3bが形成されている。この傾斜角度は、表示部2を傾斜させて机上に載置するときに机の表面14に対して水平になるように設定されている。
【0043】
−作用−
次に、本実施形態にかかる携帯電話機の作用について説明する。
【0044】
携帯電話機1は、通常は、図1に示すように、第1の筐体3と第2の筐体5を閉じた状態で携帯し、着信があると、図2に示すように、第1の筐体3を第2の筐体5に対して開閉軸7を中心に回転することにより、開いた状態にして通話を行う。
【0045】
一方、カメラ撮影を行うときなどには、第1の筐体3を垂直軸8を中心に180度回転して表示部2が外側になるように折り畳んだ後、表示部2で撮影範囲を確認しながら撮影する。
【0046】
また、長時間テレビ視聴をしたり、テレビ電話をしたりする場合には、表示部2を横長にして机上に載置して視聴する。
【0047】
図4(a)に示すように、第1の筐体3を折り畳んだ通常状態で机上に載置すると、接地面積が小さく安定しない。
【0048】
図4(b)に示すように、第1の筐体3を垂直軸8を中心に回転して、第1の筐体3を表裏反転して第1の筐体3と第2の筐体5とを折り畳み、表示部2が外観に現れるようにすると、第1の筐体3の設置部分と第2の筐体5の表面との距離が広がって、机上に載置することは可能である。しかし、表示部2が机の表面14に対して垂直であるため、ユーザが表示部2を見にくい。
【0049】
しかし、図4(c)に示すように、さらに第1の筐体3を垂直軸8を中心に若干回転させて左右側方の一方と第2の筐体5の表面との間隔を広げた状態とすると、他方の側方突起12が第2の筐体5の表面に当接すると共に、中央突起13が第2の筐体5の中央に当接し、安定した状態で保持される。この間隔が広がった側を机上に載置すれば、安定感が増して倒れにくくなると共に、表示部2が横長になった状態でしかもユーザから見易い角度に保たれる。
【0050】
表示部2を傾斜させると、第1の筐体3の側面の傾斜面3bが机の表面14に対して水平となり、この平坦な面が机の表面14に接地するので、特別に表示部2の角度を適切に保つための部品を用いなくても、ぐらつかず、見易くて快適なテレビ視聴やテレビ電話が可能となる。
【0051】
−実施形態1の効果−
したがって、本実施形態にかかる携帯電話機1によると、特別な部品を別途用意することなく、表示部2を横長状態にして、机上に安定した状態で載置してテレビを視聴したりテレビ電話をしたりすることができる。
【0052】
(実施形態2)
図5乃至図7は本発明の実施形態2を示し、側方載置用部材11の構成が異なる点で上記実施形態1と異なる。なお、図1乃至図4と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0053】
本実施形態では、第2の筐体5の表面側に側方載置用部材11が形成されている。この側方載置用部材11により、上記実施形態1と同様に、第1の筐体3を表裏反転した状態で第1の筐体3と第2の筐体5とを折り畳み、第1の筐体3を垂直軸8を中心に若干回転させて左右側方の一方と第2の筐体5の表面との間隔を広げた状態で保持し、該間隔の広がった側方側を机上に載置可能となっている。
【0054】
本実施形態では、側方載置用部材11は、操作部4の左右側方に設けられた側方突起12と、操作部4の下方中央に設けた中央突起13とよりなる。実施形態1と同様に側方突起12は、半円柱形であり、半円柱形の部分を連続させることで装飾とすることができる。側方突起12は、上端から下端に連続して延びていてもよいし、部分的であってもよい。また、上下略中央に半球形のものを設けてもよい。さらに、左右いずれかの側面のみに側方突起12を設けてもよい。中央突起13は、半円柱状の短いもので構成されているが、半球形のものとしてもよい。側方突起12及び中央突起13は、左右対称に配置されていると見映えがよい。
【0055】
したがって、本実施形態においても、図7(a)に示すように、第1の筐体3を折り畳んだ通常状態で机上に載置すると、接地面積が小さく安定しない。
【0056】
図7(b)に示すように、第1の筐体3を垂直軸8を中心に回転して、第1の筐体3を表裏反転して第1の筐体3と第2の筐体5とを折り畳み、表示部2が外観に現れるようにすると、第1の筐体3の設置部分と第2の筐体5の表面との距離が広がって、机上に載置することは可能である。しかし、表示部2が机の表面14に対して垂直であるため、ユーザが表示部2を見にくい。
【0057】
しかし、図7(c)に示すように、さらに第1の筐体3を垂直軸8を中心に若干回転させて左右側方の一方と第2の筐体5の表面との間隔を広げた状態とすると、側方突起12が山形部3aの側方表面に当接すると共に、中央突起13が山形部3aの頂点に当接する。このため、この状態が確実に保持される。この間隔が広がった側を机上に載置すれば、安定感が増して倒れにくくなると共に、表示部2が横長になった状態でしかもユーザから見易い角度に保たれる。
【0058】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0059】
すなわち、上記実施形態では、側方突起12及び中央突起13は、エラストマ又はゴム系樹脂で構成したが、第1の筐体3又は第2の筐体5を形成する樹脂製キャビネットを突出させて形成してもよい。しかしながら、柔軟性の高いエラストマ又はゴム系樹脂で構成するのが、傷防止及びぐらつき防止の上で望ましい。
【0060】
また、傾斜面3bにエラストマ又はゴム系樹脂で構成された摩擦抵抗の大きい振動吸収可能な接地部を設けてもよい。このことで、接地部分がぐらつかず、さらに安定するので、快適なテレビ視聴やテレビ電話が可能となる。
【0061】
上記実施形態では、携帯電話機1を机の表面14に載置したが、載置場所はこれに限定されず、平らなものの上であればどこでもよい。
【0062】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上説明したように、本発明は、携帯電話機などの開閉軸を中心に折り畳み自在な折畳み式携帯端末に関し、特に、その開閉軸に垂直な垂直軸を中心に表示部が回転自在に支持されるもので、テレビ電話機能やテレビ受信機能を有するものについて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態1にかかる携帯電話機の閉じた状態を示す斜視図である。
【図2】携帯電話機の開いた状態を示す斜視図である。
【図3】第1の筐体を垂直軸を中心に回転する途中の斜視図である。
【図4】携帯電話機を閉じた状態で机上に載置して上方から見た側面図で、(a)は表示部が内面にある状態を示し、(b)は、表示部が外観に出た状態を示し、(c)は、さらに表示部を傾斜させた状態を示す。
【図5】実施形態2の携帯電話機を閉じた状態を示す図1相当図である。
【図6】実施形態2の携帯電話機の開いた状態を示す図2相当図である。
【図7】実施形態2の携帯電話機の図4相当図である。
【符号の説明】
【0065】
1 携帯電話機(折畳み式携帯端末)
2 表示部
3 第1の筐体
3a 山形部
3b 傾斜面
4 操作部
5 第2の筐体
7 開閉軸
8 垂直軸
9 受話部
10 送話部
11 側方載置用部材
12 側方突起
13 中央突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に表示部を有する第1の筐体と、
表面に操作部を有する第2の筐体と、
上記第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み自在に連結する開閉軸と、
該開閉軸と直交し、第1の筐体を表裏反転自在に支持する垂直軸とを備えた折畳み式携帯端末であって、
上記第1の筐体の裏面側には、断面山形の山形部が膨出して形成され、該山形部には、上記第1の筐体を表裏反転した状態で第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み、第1の筐体を垂直軸を中心に若干回転させて左右側方の一方と第2の筐体の表面との間隔を広げた状態で保持し、該間隔の広がった側方側を机上に載置可能とする側方載置用部材が形成されている
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の折畳み式携帯端末において、
上記側方載置用部材は、
上記山形部の左右端部の少なくとも一方に設けられた側方突起と、
上記山形部の頂点に設けられた中央突起と、
よりなる
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
【請求項3】
表面に表示部を有する第1の筐体と、
表面に操作部を有する第2の筐体と、
上記第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み自在に連結する開閉軸と、
該開閉軸と直交し、第1の筐体を表裏反転自在に支持する垂直軸とを備えた折畳み式折畳み式携帯端末であって、
上記第1の筐体の裏面側には、断面山形の山形部が膨出して形成され、上記第2の筐体の表面側には、上記第1の筐体を表裏反転した状態で第1の筐体と第2の筐体とを折り畳み、第1の筐体を垂直軸を中心に若干回転させて左右側方の一方と第2の筐体の表面との間隔を広げた状態で保持し、該間隔の広がった側方側を机上に載置可能とする側方載置用部材が形成されている
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
【請求項4】
請求項3に記載の折畳み式携帯端末において、
上記側方載置用部材は、
上記操作部の左右側方の少なくとも一方に設けられた側方突起と、
上記操作部の下方中央に設けた中央突起と、
よりなる
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1つに記載の折畳み式携帯端末において、
上記第1の筐体の側面は、机上に載置したときに机上に接地するように平坦な傾斜面が形成されている
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
【請求項6】
請求項5に記載の折畳み式携帯端末において、
上記傾斜面には、エラストマ又はゴム系樹脂で構成された接地部が設けられている
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
【請求項7】
請求項2又は4に記載の折畳み式携帯端末において、
上記側方突起は、半円柱形又は半球形であり、
上記中央突起は、半円柱形又は半球形である
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1つに記載の折畳み式携帯端末において、
上記山形部は、左右対称形状であり、
上記側方突起及び中央突起は、左右対称に配置されている
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1つに記載の折畳み式携帯端末において、
上記側方載置用部材は、エラストマ又はゴム系樹脂で構成されている
ことを特徴とする折畳み式携帯端末。
【請求項10】
携帯電話機である
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1つに記載の折畳み式携帯端末。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−219736(P2008−219736A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57154(P2007−57154)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】