説明

押出しチーズクラッカーおよびスナックの製造方法

【課題】パスタ形状のチーズクラッカーおよびスナックの大量生産方法を提供する。
【解決手段】パスタ形状のチーズクラッカーまたはスナックは、少なくとも1種の穀粉、チーズ、および水を混合し、生地の重量あたり約5重量%〜約60重量%の本物のチーズ含量を有する生地を得、この生地を、デンプンの実質的なゼラチン化および生地の膨張が回避される圧力および温度で押し出すことで製造される。ダイを通して押し出すことで生地ロープを得、このロープを、成形された生地小片に切断する。成形された生地小片をベークしまたはフライにすることで、中空、格子、螺旋、または渦巻き形状などのパスタ形状の成形チーズクラッカーまたはスナックが得られる。このクラッカーまたはスナックは、非ガラス様のサクサクまたはパリパリした質感と、フワフワしていない気泡構造を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、押し出された生地をベースにしたチーズクラッカーおよびスナックの連続製造方法に関し、より詳細には、パスタの形状または形態を有するチーズクラッカーおよびスナックを大量生産する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チーズスナックまたはクラッカーは、一般に、成分を混合して生地を形成し、生地を重ね合わせ、生地をシート状にし、端部切り詰め器を用いまたは用いずに生地シートを小片に切断し、小片をベークすることによって製造される。製品は、種々の形状およびサイズの生地シートから製造される。しかし、マカロニのような中空のチューブ、スポーク付きのワゴンの車輪形状、格子形状、および螺旋または渦巻きなどのパスタ形状は、生地シートを切断することによって製造することができない。一部のチーズスナックは、中実なロープを押し出し捻ることによって製造されるが、これらの製品は一般に、ふわふわと柔らかく非常に膨張しており、膨張したクラッカーの質感および層状の気泡構造をもたらさない。フライドパスタスナックは、セモリナ/穀粉ベースのパスタ押出し物をフライにし、次いで局所的に油を付着させ味付けすることによって製造される。また、様々なパスタ形状で押し出されたペレットを、温風またはフライによって膨張させ、次いで局所的に油を付着させ味付けしている。しかし、これらのフライドパスタスナックは、クラッカーの質感および気泡構造と強力なチーズ香味をもたらすために、本物のチーズを用いて製造することはしていない。
【0003】
Hnatらの文献(例えば、特許文献1参照)に開示されているように、デュラム粉およびセモリナが、マカロニやスパゲッティなどのパスタ製品の製造に使用される。デュラム小麦は、中空またはリブ付き形状を保持することができ、かつ、成形し延伸し小片に切断することができる粘着性を有し、押出し可能な生地を製造できるようなグルテン分を有する硬質冬小麦である。押し出されたデュラム小麦ベースの生地は、乾燥すると硬くて脆い成形製品をもたらすが、その後で行われる煮沸によって、柔らかく曲げ易いパスタ製品になる。しかし、チーズクラッカーまたはスナックの製造では、室温で製造することができ、かつ輸送中、およびその後のサクサクまたはパリパリした質感にベークする間、その押出し形状を保持する機械加工可能な生地が望まれている。
【0004】
水と混合したときに、ジャガイモ粉やトウモロコシ粉などのグルテンを殆どまたは全く含まないデンプンベースの組成物は、凝集性でありかつ連続的に機械加工可能なまたはシート形成可能な生地を室温で形成しない。グルテンを殆どまたは全く含まない成分から作製された生地の機械加工性は、Fazzolareらの文献(例えば、特許文献2および3参照)に開示されているように、これらの成分を蒸すなどして、高温条件下で生地を形成することにより、改善することができる。
【0005】
Holmらの文献(例えば、特許文献4および5参照)は、表面の泡立ちが制御されている加工スナック製品の製造では、フライ中に泡が形成されているとき、生地シートが、生地またはプリフォームの1つまたは複数の表面が比較的均一に延伸するように、凝集性を持たなければならないことを開示している。非常に凝集性のある、非接着性の生地は、遊離ゼラチン化デンプンの量、デンプンの老化の程度(それによって、デンプンの所定量あたりの吸水量に影響を及ぼす)、および存在する任意のデンプン複合乳化剤の濃度を調節することによって作製できることが開示されている。Holmらの方法では、例えばジャガイモ固形分またはトウモロコシ固形分、生のまたはα化デンプン、加工デンプン、香味料、および油などを含む生地が形成される。しかし、パスタ形状のチーズクラッカーまたはスナックの製造は、開示されていない。
【0006】
Iversの文献(例えば、特許文献6参照)は、生地をベースにしたフライド食品の製造において、デンプン含有量の少ない粉またはフレークを用いる場合、ゼラチン化したまたはゼラチン化していない加工デンプンがしばしば添加されることを開示している。穀粉を軟化するため、また穀粉のタンパク質含量に応じて、製品の骨格であるタンパク質(グルテン)の網状構造を形成するために水が必要とされることが開示されている。Iversによれば、穀粉中に存在するデンプンは、結合剤として使用され、発酵していない製品をフライによって膨張させるのに必要である。タンパク質の骨格の程度が制御されるよう、生地に油を添加することによって、生地の粘着性および調理済み製品の硬さを制御することができる。生地は、粘着したり破れたりすることなく所望の厚さで均一にシート形成されるように、成分の比と混合時間とを調節することによって調製される。Iversによれば、生地ベースのフライドスナック食品の配合物に対する、水中にレシチンを懸濁させた懸濁液を少量添加することによって、移動、シート形成、および切断性が改善され、遊離脂肪酸の急速な蓄積が無く、かつ通常はレシチンを含有する食品のフライに付随するフライ油の著しい黒ずみが生じることなく、フライ中の凝集が著しく減少する。パスタ形状のチーズクラッカーまたはスナックの製造は開示されていない。
【0007】
Gillmoreらの文献(例えば、特許文献7参照)は、粘着性の穀粉、添加された繊維源、還元剤、および水を含む、低カロリーパスタ製品を作製するための方法を開示している。還元剤の使用により、添加された繊維源の内部または表面に存在する酸化剤を中和し、改善された高繊維質含有パスタの質感および食感が実現される。
【0008】
Matz(例えば、非特許文献1参照)によれば、グルテンの所与の品質および量による穀粉の特徴は、様々な非タンパク質改質剤、特に還元剤および酸化剤の作用によって変化させることができる。亜硫酸塩、システイン、および還元グルタチオンなどの還元剤の通常の作用により、生地をより柔らかく、粘り強くし、かつ弾性を少なくすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5695804号明細書
【特許文献2】米国特許第4873093号明細書
【特許文献3】米国特許第4834996号明細書
【特許文献4】米国特許第4931303号明細書
【特許文献5】米国特許第4994295号明細書
【特許文献6】米国特許第4560569号明細書
【特許文献7】米国特許第4976982号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Matz, Cookie and Cracker Technology, 2nd ed., AVI Publishing, pp 11-12 (1968)
【非特許文献2】Atwell et al., “The Terminology And Methodology Associated With Basic Starch Phenomena,” Cereal Foods World, Vol. 33, No. 3, pgs. 306-311 (March 1988)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明では、デュラム小麦やセモリナなどの高グルテン含量穀粉を必要とすることなく、凝集性で機械加工が可能であり押出しが可能な形状を保持する生地から、中空形状、格子形状、または螺旋もしくは渦巻き形状などのパスタ形状をとる非ガラス様のサクサクまたはパリパリしたクラッカーの質感を有しかつ実質的に均一でフワフワとしていない膨張済みクラッカー気泡構造を有するチーズクラッカーまたはスナックを、本物のチーズまたは乳製チーズ成分を用いて製造する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様では、パスタ形状を有する押し出されたチーズクラッカーまたはスナックは、少なくとも1種の穀粉、好ましくは小麦粉、チーズ、および水を含む成分を混合して、生地の重量に対して約5重量%から約60重量%、好ましくは約10重量%から約50重量%、最も好ましくは約15重量%から約25重量%のチーズ含量を有する生地を得、この生地をダイに通して押し出して、成形された生地ロープを得ることによって製造することができる。チーズ味の強い嗜好製品の場合、より高い量のチーズが好ましく、生地の重量に対して例えば約30重量%から約45重量%である。押出しは、実質的なデンプンのゼラチン化および生地の膨張が回避される圧力および温度で実施することができる。成形された生地ロープを、成形された小片に切断することができ、これらをベークしまたはフライにして、非ガラス様のサクサクまたはパリパリした質感と、ふわふわしていない実質的に均一な気泡構造とを有する、成形されたチーズクラッカーまたはスナックを得ることができる。
【0013】
本発明の実施形態では、押出しを、約120psig(0.83MPa)未満、好ましくは約100psig(0.69MPa)未満、最も好ましくは約20psig(0.14MPa)から約60psig(0.41MPa)の圧力と、デンプンのゼラチン化温度よりも低い温度、好ましくは約125°F(52℃)未満の温度、最も好ましくは約100°F(38℃)未満の温度とで実施することができる。
【0014】
好ましい実施形態では、生地は、生地の小片の輸送中およびベーク中に、生地の小片の押出し生地形状を保持するのを助けるため、α化蝋様デンプンを含んでよい。α化蝋様デンプンは、生地の重量に対して約10重量%まで、例えば約0.5重量%から約5重量%、好ましくは約1重量%から約3重量%の量で、用いてよい。
【0015】
本発明の第2の態様では、穀粉と、α化蝋様デンプンと、生地の重量に対して約5重量%から約60重量%、好ましくは約10重量%から約50重量%、最も好ましくは約15重量%から約25重量%の本物のチーズ含量とを有する実質的に均質な生地を、ベークすることによって得られたチーズクラッカーまたはスナックは、中空形状、螺旋もしくは渦巻き形、または格子形状などのパスタ形状を有すると共に、非ガラス様のサクサクした質感と膨張済みのフワフワしていない気泡構造とを示す。チーズ味が強い嗜好製品の場合、例示的なチーズの量は、生地の重量に対して約30重量%から約45重量%でよい。
【0016】
本発明について、本発明の例示的な実施形態の非限定的な例として示された複数の図面を参照しながら、以下の詳細な説明で記述する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の方法によりパスタ形状のチーズクラッカーおよびスナックを作製するための、押し出された生地のチーズクラッカーまたはスナックのプロセスの流れを、概略的に示す図である。
【図2】本発明の方法を使用して製造することができる、三角形の格子形状に押し出されたチーズクラッカーまたはスナックを示す図である。
【図3】本発明の方法を使用して製造することができる、ワゴンの車輪形状に押し出されたチーズクラッカーまたはスナックを示す図である。
【図4】本発明の方法を使用して製造することができる、プレッツェル形状に押し出されたチーズクラッカーまたはスナックを示す図である。
【図5】本発明の方法を使用して製造することができる、ルーズなまたはヌードル状の、螺旋または渦巻き形状に押し出されたチーズクラッカーまたはスナックを示す図である。
【図6】本発明の方法を使用して製造することができる、チューブ形状に押し出されたチーズクラッカーまたはスナックを示す図である。
【図7】本発明の方法を使用して製造することができる、図6のチューブ形状に押し出されたチーズクラッカーまたはスナックの、側面図である。
【図8】本発明の方法を使用して製造することができる、リング形状に押し出されたチーズクラッカーまたはスナックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、押し出されたチーズクラッカーおよびスナックを連続製造するための方法を提供し、より詳細には、パスタの形状または形態を有するチーズクラッカーおよびスナックを大量生産するための方法を提供する。本発明の実施形態では、チューブ形状の生地小片と、これから作製されたクラッカーおよびスナックは、中空であり、潰れること無く開放端を維持する。格子形状の生地小片と、それから作製したクラッカーおよびスナックは、破れたり潰れたりすること無くリブまたは格子を維持し、螺旋または渦巻き形状の生地小片と、それから作製したクラッカーおよびスナックは、潰れること無く鋭い明確な曲線およびフライトまたはスレッドを保持する。生地は、低い押出し圧力および温度の連続混合プロセスを使用して、パスタ形状の生地小片に形成することができ、これをベークしまたはフライにすることによって、本物のチーズが100%というかなりのレベルのクラッカーまたはスナックを得ることができる。クラッカーまたはスナックは、非ガラス様のサクサクまたはパリパリした質感の、膨張した実質的に均一の、フワフワしていない気泡構造を示す。
【0019】
本発明の実施形態では、押し出されたチーズクラッカーまたはスナックは、生地が得られるように、少なくとも1種の穀粉と、チーズと、水とを含む成分を混合することによって製造することができる。生地は、成形された生地のロープが得られるようにダイを通して押し出すことができ、この押出しは、実質的なデンプンのゼラチン化および生地の膨張が回避される圧力および温度で行われる。成形された生地のロープは、成形された小片に切断してよく、成形された小片をベークしまたはフライにして、サクサクとしたまたはパリパリした質感の、成形されたチーズクラッカーまたはスナックを得ることができる。ダイの内部およびダイから押し出した後の生地は、ダイの形状をしている。ダイオリフィスから出てきた成形された生地を、ダイの位置で切断しない場合は、長く成形された生地ロープが形成されることになる。本発明の目的のため、ダイオリフィスから出て来たかまたはダイオリフィスから突き出された成形された生地は、それがダイフェースまたはダイオリフィスで切断される前に、成形された生地がどのくらい長いのかまたはダイからどのくらい突き出たかとは無関係に、それが切断される前は成形された生地ロープであると見なす。
【0020】
生地は、縦型ミキサやバッチミキサなど、従来の生地混合装置を使用して調製することができ、次いで調製された生地を、成形された生地ロープに押し出すために、押出し機または連続ミキサに移してもよい。本発明の実施形態では、生地を調製し、次いで据置き時間が殆どまたは全く無い状態で移送して、成形された生地ロープに押し出してもよい。本発明の実施形態では、生地は、押出し機または連続ミキサに成分を添加し、これらの成分を混合して生地を製造し、次いで押し出して成形された生地ロープにすることにより、連続的に製造してもよい。一般に、押出し用に実質的に均質な生地を得るための成分の混合は、生地ミキサで、約20rpmから約40rpmで、約7分から約10分間行ってよい。
【0021】
高い押出し圧力は、生地内の空気セルを変化させる傾向がある。一般に、圧力が高くなるほど、後続のベークまたはフライによる膨張の度合いが少なくなり、かつクラッカーまたはスナックの質感がより硬くなる。また、生地内のグルテンまたはタンパク質の過剰な作用は、サクサクしたクラッカーの質感ではなくガラス様の質感をもたらす傾向がある。本発明の実施形態では、押出しは、約120psig(0.83MPa)未満、好ましくは約100psig(0.69MPa)未満、最も好ましくは約20psig(0.14MPa)から約60psig(0.41MPa)の圧力で実施することができる。
【0022】
低圧押出し機または連続ミキサを、従来のパスタダイを使用して、生地を成形された生地ロープに押し出すのに使用してもよい。好ましい実施形態では、一般にプレッツェルの生地の押出しに用いられるような、低圧押出し機または形成もしくは成形押出し機を、本発明で使用することができる。用いられる押出し装置は、チャンバ内に生地をポンプ送出するポンプを含んでよく、チャンバ内の圧力が約30psig(0,21MPa)から約50psig(0,34MPa)などの所望の圧力に達した場合、生地は、押出しダイから外に押し遣られまたは出て行って、成形されたロープを形成する。生地は、可変容量ポンプを使用してポンプ送出してもよく、またはプラスチックスクリューを用いて、このスクリューの縦軸と水平に並んだダイヘッドに生地をポンプ送出してもよい。本発明の実施形態では、予備供給を、約3Hzから約10Hzで作動させることができ、押出し機のオーガーは、約8Hzから約30Hzで作動させることができる。
【0023】
少なくとも1種の穀粉成分のデンプンの、実質的なゼラチン化をもたらす高い押出し温度は、サクサクまたはパリパリしたクラッカーまたはスナックの質感ではなくて、硬いガラス様の質感をもたらす傾向がある。また、高温、例えば水の沸点よりも高い温度は、押出しダイから出てきたときに、生地をフワフワにしまたは過剰に膨張させる傾向がある。一般に、押出しは、ほぼ室温またはデンプンのゼラチン化温度よりも低い温度で実施してよい。例えば、本発明の実施形態では、押出しは、約125°F(52℃)未満、好ましくは約100°F(38℃)未満の温度で実施してよく、この押出し温度は、押出し機バレル内、出口ダイ内、またはダイから出たときの、生地温度として測定される。
【0024】
本発明の実施形態では、ベークまたはフライ前の、押し出された生地または生地小片中のデンプンは、約30%未満、好ましくは約20%未満、最も好ましくは約10%未満のデンプンのゼラチン化度を有することができ、または示差走査熱量測定(DSC)によって測定されるように完全に非ゼラチン化することができる。一般に、デンプンのゼラチン化は、a)十分な量の水、一般にはデンプンの重量に対して少なくとも約30重量%を添加し、デンプンと混合するとき、およびb)デンプンの温度が少なくとも約80℃(176°F)に、好ましくは100℃(212°F)上昇したときに生ずる。ゼラチン化温度は、デンプンとの相互作用に利用可能な水の量に依存する。利用可能な水の量が少ないほど、一般に、ゼラチン化温度はより高くなる。ゼラチン化は、デンプン顆粒内の分子秩序の瓦解(崩壊)と定義され、顆粒膨潤や天然微結晶溶融、複屈折の損失、デンプン可溶化などの性質の、不可逆的変化と表すことができる。ゼラチン化の初期段階の温度、およびそのゼラチン化が生じている間の温度範囲は、デンプン濃度、観察方法、顆粒タイプ、および観察下にある顆粒集団内の不均質性によって左右される。ペースト化は、デンプン溶解におけるゼラチン化の後の、第2段階の現象である。この段階では、顆粒膨潤が増大し、顆粒から分子成分(即ち、アミロース、その後のアミロペクチン)が浸出し、最終的には、顆粒の全体が崩壊する。文献(例えば、非特許文献2参照)を参照されたい。
【0025】
本発明の実施形態では、ベークまたはフライ前に押し出された生地または生地小片は、約20%未満、例えば約10%未満、好ましくは約5%未満の膨張率を有してよい。膨張率は、押出しダイを通して押し出す前の生地の体積を、押出しダイを通して押し出した後の、同じ重量の生地の体積と比較することによって決定される。押出し後の生地の過剰な膨張は、形状の輪郭が明確では無くなる傾向があり、望ましい実質的に均一な層状クラッカー気泡構造ではなくて、「チーズボール」のようなフワフワした構造を提供する。本発明の実施形態では、押し出された生地および生地小片を、ベークまたはフライ時に膨らませて、望まれる実質的に均一な層状クラッカー気泡構造またはスナック気泡構造にすることができる。
【0026】
成形された生地ロープは、この成形された生地ロープの縦軸に沿ってダイ出口で成形された生地ロープを切断するナイフなどの従来の切断装置を使用して、押出しダイから出たときに、成形された生地小片に切断してもよい。例えば、本発明の実施形態では、ダイは、生地ロープの縦軸に沿って生地ロープを切断することにより、ワゴンの車輪、リング、チューブ、または螺旋もしくは渦巻きの形をとる生地小片が得られるように、生地を生地ロープ形状に形成することができる。用いることができる例示的な切断速度は、分当たり約29から約85カットである。ダイヘッドから出て来る複数の生地ロープを同時に切断されるよう、ナイフを往復移動させながら切断してもよい。
【0027】
切断された生地小片は、従来のコンベヤベルトで、サクサクまたはパリパリしたチーズクラッカーにベークするためのガス直火燃焼対流式オーブンやバンドオーブンなどの従来のオーブンに移送してもよく、或いは、サクサクまたはパリパリしたフライドスナックにフライにするためのフライヤーに、移送してもよい。
【0028】
従来のフライヤー、フライヤー/クーラーなどの、従来のフライ装置を、成形された生地小片の加工に用いてもよい。撹拌機または撹拌パドルを備えたフライヤーは、フライ中に個々の生地小片が粘着するのを防ぐのに好ましい。本発明の実施形態では、フライヤーは、連続した完全な、より速いフライ作業のための、製品浸漬手段を備えていてもよい。
【0029】
フライ温度および時間は、約5から約20分間にわたり約280°F(139℃)から約360°F(182℃)に及んでよい。ベーク時間および温度は、種々の生地配合物やオーブンのタイプなどに合わせて変化させてよいが、一般に、商業的なクラッカーベーク時間は、約1.5分から約15分に及んでよく、好ましくは約2分から約4分に及んでよく、ベーク温度は約200°F(99℃)から約600°F(315℃)に及んでよく、好ましくは約200°F(99℃)から約475°F(246℃)に及んでよい。
【0030】
ベーク後、ベークした小片を、対流式オーブンもしくは乾燥機、回転式ドラム乾燥機、またはマルチパス乾燥機/冷却機などの従来の加熱または乾燥装置を使用して、乾燥してもよい。例示的な乾燥温度は、約200°F(99℃)から約225°F(107℃)に及んでよく、例示的な乾燥時間は、約4分から約7分に及んでよい。
【0031】
ベークおよび乾燥、またはフライ作業は、クラッカーまたはスナックの重量に対して約6重量%未満、例えば約0.25重量%から約4重量%などの、保存安定な含水率を有するクラッカーまたはスナックが実現されるように、成形された生地小片の含水率を実質的に低下させる。本発明のベークまたはフライ製品は、防腐剤を含まない微生物保存安定性に向けて、約0.7未満の、好ましくは約0.6未満の相対蒸気圧(「水分活性」)を有していてもよい。本発明の実施形態では、ベークしまたはフライにすると、生地小片の相当量がデンプンゼラチン化する可能性があり、本発明のクラッカーまたはスナックは、示差走査熱量測定(DSC)によって測定したときに約80%未満のデンプンゼラチン化度を有していてもよい。
【0032】
ベークおよび乾燥後、またはフライ後に、小片に、回転式ドラムなどの従来の調味料付着装置を使用して、従来の調味料およびトッピングオイルをトッピングしてもよい。
【0033】
本発明のスナック製品は、窒素フラッシュがなされた、ポリエチレンホイルで裏打ちされたバッグに詰め込んでもよい。この製品は、少なくとも6カ月、好ましくは少なくとも12カ月という長い保存寿命を示すことができる。
【0034】
本発明で用いられるチーズは、パルメザンチーズ、ロマノチーズ、チェダーチーズ、スイスチーズ、ミュンスターチーズ、モッツァレラチーズ、モンテレージャック、ペッパージャックチーズ、プロボロンチーズ、アシアゴチーズ、フォンティナチーズ、ゴルゴンゾーラチーズ、およびブルーチーズなどと、これらの任意の組合せなどの、いずれか1種または複数の本物のまたは乳製チーズでよい。本物のチェダーチーズが、本発明で使用するのに好ましい。本発明の実施形態では、乳製チーズは、約60重量%よりも低い含水率を有していてもよい。より高い含水率のチーズは、細断するのが難しく、かつ/またはベーク中に突沸する可能性がある。使用することができる、より低い含水率のチーズの例には、パルメザンチーズおよびチェダーチーズが含まれる。用いることができる例示的なチーズには、レンネットなどの凝固剤もしくはチーズ製造用培養菌で乳製液を処理することによって、またはカゼインの等電点に酸性を発生させることによって、またはこれらの組合せによって製造された、いわゆるナチュラルおよび熟成チーズが含まれる。チーズ製造の分野で知られているように、チーズ製品の正体と、その特徴的な香味プロファイル、質感、および食感は、特定のチーズ製造用培養菌または発酵用に選択された酵素によって左右される。乳製液は、所望の酸性度に達するまで、この液に発酵剤(例えば、チェダーチーズ製造用の乳酸発酵剤)を接種することによって熟成させることができる。熟成乳およびレンネット源を合わせ、得られた混合物を、乳が凝固するのに十分な時間および温度で発酵させることによって発酵混合物を得てもよい。これらの成分を合わせる順序は、変えてもよい。発酵後、ビタミン強化した凝固乳を、カードからホエー副産物を除去しかつカードからチーズ製品を形成するのに使用される標準的なチーズ製造手順に従って加工してもよい。例えば、凝固乳を、切断し、調理/加熱してもよく、ホエーはカードから分離される。ホエーを抜き取った後、カードを、積み重ね、ミリング処理し、加塩してもよい。加塩カードにたがを嵌め、加圧して、余分なホエーを除去してもよい。チーズの所望の香味、芳香、および質感は、制御された条件(例えば、温度、湿度)の下である時間にわたってチーズの保持が行われる熟成によって得られる。「熟成」という用語は、本明細書では、「硬化」および「老化」と同義に使用される。カードは、熟成前に、形を整え、パラフィンでコーティングし、かつ/またはパックしてもよい。熟成後、硬化したチーズは、本発明の方法においては切断し、直接使用してもよく、あるいは使用前に包み/パックしてもよい。乳製チーズは、商業的に得ることもでき、本発明の実施形態では、チーズは、全脂肪チーズ、減脂肪チーズ、または低脂肪チーズでよい。本発明の実施形態では、チーズは、実質的に均質な生地の実現が促進されるようにその他の生地成分と混合するために、従来の手法で微粒子または大粒子に削ってもよい。
【0035】
チーズは、生地の重量に対して約5重量%から約60重量%、好ましくは約10重量%から約50重量%、最も好ましくは約15重量%から約25重量%の量で用いてもよい。チーズは、生地の作製、生地の混合、および押出し中に、潤滑化をもたらすのを助ける。過剰な量のチーズは、生地を過剰に軟化させる可能性があり、ベークオーブンもしくはフライヤーへの移送中に、またはベークもしくはフライ中に、生地の保形を損なう可能性がある。また、過剰な量のチーズは、ベークまたはフライ製品のサクサクした質感の実現を損なう可能性がある。好ましい実施形態では、最終製品の香味の印象および高いタンパク質含量を目的に、より高いチーズ含量が望まれる。例えば、チーズ味の強い嗜好製品では、生地の重量に対して約30重量%から約45重量%などの、より高いチーズ含量が好まれる。本発明の実施形態では、最終製品のタンパク質含量は、一人前の分量28g当たり、約2gから約7g、例えば約4gから約5gのタンパク質でよい。
【0036】
本発明の生地の製造で、チーズと組み合わせることができる穀粉成分またはデンプン質材料は、任意の粉砕された穀物または可食種子または野菜ミール、これらの誘導体、およびこれらの混合物でよい。使用することができる穀粉成分またはデンプン質材料の例は、小麦粉、トウモロコシ粉、コーンマサ粉、エンバク粉、大麦粉、ライ麦粉、米粉、ジャガイモ粉、グレインソルガム粉、タピオカ粉、グラハム粉、または、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプンなどのデンプン、α化デンプンなどの物理的にかつ/または化学的に変性させた穀粉もしくはデンプン、およびこれらの混合物でよい。穀粉は、漂白しても漂白しなくてもよく、全粒小麦粉などの全粒粉でよい。小麦粉、またはその他の穀粉および小麦粉の混合物が、好ましい。本発明の実施形態では、小麦粉などの少なくとも1種の穀粉のタンパク質含量は、この少なくとも1種の穀粉の重量に対して約10重量%未満でよい。一般に、デュラム小麦などの高タンパク質含量の穀粉は、硬質の、ガラス様の質感をもたらす可能性があり、低いタンパク質含量の穀粉が好ましい。さらに、チーズ成分はタンパク質をもたらし、したがって多過ぎるタンパク質が穀粉によって提供される場合には、製品は、ベークまたはフライ作業によって、硬質になりまたは過剰にパリパリしまたはガラス様になる可能性がある。
【0037】
本発明の組成物に使用される穀粉成分の総量は、例えば、生地の重量に対して約20重量%から約80重量%、好ましくは約30重量%から約75重量%に及んでよい。他に指示しない限り、全ての重量%は、香味チップ、ナッツ、およびレーズンなどの含有物を除く、本発明の生地または配合物を形成する全ての成分の全重量を基にする。したがって「生地の重量」は、含有物の重量を含まない。
【0038】
本発明の実施形態では、穀粉成分の全体または一部を、従来の穀粉代替物または増量剤、例えばゼラチン化したデンブンベースの増量剤など、または難消化性デンプン成分、例えばIII型難消化性デンプン(RS III)成分など、ポリデキストロース、ホロセルロース、ヘミセルロース、微結晶質セルロース、およびこれらの混合物などに代えてもよい。色を強化するためにまたは質感に影響を及ぼすために、コーン糠、小麦ふすま、オート麦糠、米糠、およびこれらの混合物などを、穀粉成分の全体または一部に代えて用いてもよい。
【0039】
穀粉代替物または増量剤、または糠を、生地の押出し可能性、生地の保形性、およびベークしまたは調理した製品の質感または気泡構造に、悪影響を及ぼさない量で用いてもよい。本発明の実施形態では、穀粉代替物または増量剤、例えばゼラチン化したデンプンベースの増量剤など、またはRS III成分の量は、一般に、ゼラチン化した増量剤および穀粉成分、例えば従来の非ゼラチン化小麦粉の、全重量に対して、約75重量%まででよい。
【0040】
本発明の実施形態では、生地の凝集性、伸展性、および押出し可能性、または機械加工性、およびサクサクした質感を高めるために、α化蝋様デンプンまたはα化高アミロペクチン含量デンプンを用いてもよい。本発明で使用してもよいα化蝋様デンプンまたはα化高アミロペクチン含量デンプンには、α化蝋様トウモロコシデンプン、α化蝋様米デンプン、α化蝋様大麦デンプン、α化蝋様ソルガムデンプン、およびこれらの混合物が含まれる。使用してもよい好ましいα化蝋様デンプンは、A.E.Staley Manufacturing Company製のX−Pand’R−612などの、非変性蝋様トウモロコシデンプンである。好ましいα化蝋様トウモロコシデンプンは、化学的変性も酸加水分解もしていない。α化蝋様デンプンは、好ましくは、約6重量%以下の含水率および約5から約6のpHを有する。α化蝋様デンプンは、好ましくは初期濃厚化をもたらして、生地形成を促進させかつ凝集および粘着を回避し、その後、穏やかな剪断および温度条件下での粘度の著しい低下をもたらして、ベーク中の膨張を促進させる。粘度の低下は、湿分除去中の加熱またはベーク条件下で熱の浸透速度を増大させる。5%乾燥固形分でのα化蝋様デンプンの粘度は、約85℃で少なくとも約1000cpsでよく、約85℃でピーク粘度に達するのに要する時間は、最長で約3分である。α化蝋様デンプンの粒度分布は、50メッシュのスクリーンを通過するものが約20重量%以下でよく、200メッシュのスクリーンを通過するものが約30%以下でよい。粒度が小さすぎる場合、α化デンプンは、主に表面で水和する傾向がある。α化蝋様デンプンの粒度が増大すると、均質な乾燥ブレンドを形成するその能力が増大する傾向があり、塊形成の傾向が減じられる。
【0041】
デンプン産業における「変性」とは、本質的に、物理的に処理するのではなくて化学的変性を意味する、規則形容詞である。ゼラチン化は、化学結合が破壊または生成されない物理的な処理である。化学的変性は、デンプン分子に実際の化学変化をもたらす。多くの種々のタイプの化学的変性があるが、蝋様トウモロコシデンプンの最も一般的な化学的変性は、架橋反応である。蝋様デンプンは、調理されると「長い」質感を有するとされる。調理されたデンプンスラリーをスプーンから注いだ場合、このスラリーは、粘液状の外観を有する。デンプンを架橋することにより、質感は「短く」なると言われるが、それは調理されたスラリーがスプーンから注がれると、その流れが落下を終了する前に途切れるからである。
【0042】
サクサクしたコーティングのためのα化蝋様トウモロコシデンプンの、意図される機能は、被膜を形成することである。デンプンが架橋する程度まで(かつ通常のα化トウモロコシデンプンに関してデンプンがアミロースを含有する程度まで)、被膜形成機能および膨張性が低下する。化学変性していないα化蝋様デンプンは、サクサクした質感よりも被膜形成および膨張に関して優れた機能をもたらす。蝋様デンプンは、非常に高いアミロペクチン含量と、非常に低いアミロース含量を有する。一般に、蝋様デンプンのアミロース含量は、約2重量%未満である。アミロース含有デンプンは、より革のようであり、パリパリした質感である。小麦粉だけでは、膨張した製品でサクサクした質感を実現するのに必要な被膜形成機能を生じさせることができない。化学変性していないα化蝋様デンプンを添加すると、化学変性した蝋様トウモロコシデンプンまたはα化学変性蝋様デンプンを使用した場合に比べて、優れた被膜形成能力、膨張、およびサクサクした質感をもたらす。
【0043】
α化蝋様デンプンは、好ましくは、高いデンプンゼラチン化度を有し(示差走査熱量測定(DSC)により測定した場合)、したがってこのデンプンは、加熱前に、より容易に水和し、より容易に活性化される。本発明の実施形態では、α化デンプンのデンプン顆粒は、少なくとも約90%がゼラチン化され、好ましくは少なくとも約95%がゼラチン化され、最も好ましくは完全にゼラチン化されていてもよい。
【0044】
本発明の実施形態で使用してもよいα化蝋様デンプンの量は、生地の重量に対して約10重量%まで、例えば約0.5重量%から約5重量%、好ましくは約1重量%から約3重量%に及んでよい。
【0045】
本発明で製造された製品の質感および味を変更するのに使用してもよい、プロセス適合性成分には、スクロース、フルクトース、ラクトース、デキストロース、ガラクトース、マルトデキストリン、コーンシロップ固形分、水素化デンプン加水分解物、タンパク質加水分解物、グルコースシロップ、およびこれらの混合物などの糖が含まれる。フルクトース、マルトース、ラクトース、およびデキストロースなどの還元糖、または還元糖の混合物を使用して、褐色化を促進させてもよい。フルクトースは、その容易な利用可能性、およびその一般により強化された褐色化、および香味発生作用により、好ましい還元糖である。例示的なフルクトース源には、転化シロップ、高フルクトースコーンシロップ、糖蜜、ブラウンシュガー、メープルシロップ、およびこれらの混合物などが含まれる。
【0046】
糖などの質感付与成分は、結晶質もしくは粒状スクロース、粒状ブラウンシュガー、または結晶質フルクトースなどの、固体または結晶質形態をとるその他の成分、あるいはスクロースシロップや高フルクトースコーンシロップなどの、液体形態をとるその他の成分と混合してもよい。本発明の実施形態では、高フルクトースコーンシロップ、マルトース、ソルボース、ガラクトース、コーンシロップ、グルコースシロップ、転化シロップ、蜂蜜、糖蜜、フルクトース、ラクトース、デキストロース、およびこれらの混合物などの湿潤性の糖を使用して、ベーク製品の質感を軟化させることができる。
【0047】
湿潤性の糖の他に、糖ではなくまたはスクロースに比べて低い甘味度を保有する、その他の湿潤剤または湿潤剤の水溶液も、生地に用いてよい。例えば、グリセロール、マンニトールマルチトールやキシリトール、ソルビトールなどの糖アルコール、およびその他のポリオールを、湿潤剤として使用してもよい。
【0048】
湿潤性ポリオール(即ち、多価アルコール)の追加の例には、グリコール、例えばプロピレングリコール、および水素化グルコースシロップが含まれる。その他の湿潤剤には、糖エステル、デキストリン、水素化デンプン加水分解物、およびその他のデンプンか水分解生成物が含まれる。
【0049】
本発明の実施形態では、本発明の生地の全糖固形分含量または質感付与成分含量は、生地の重量に対して0から約50重量%にまで及んでよい。
【0050】
糖固形分は、その全体または一部を、従来の糖代替物または従来の増量剤、例えばポリデキストロース、ホロセルロース、ヘミセルロース、微結晶質セルロース、およびこれらの混合物などに代えてもよい。ポリデキストロースは、本発明の減カロリーベーク製品を作製するのに好ましい糖代替物または膨潤剤である。例示的な置換え量は、当初の糖固形分含量の少なくとも約25重量%、例えば少なくとも約40重量%、好ましくは約50重量%から約75重量%でよい。本発明の実施形態では、従来の糖代替物、従来の増量剤、または従来の穀粉代替物、好ましくはポリデキストロースの量は、生地の重量に対して約10重量%から約35重量%、例えば約15重量%から約25重量%でよい。
【0051】
本発明の生地の含水率は、生地の適正な形成、機械加工、および切断が可能になる所望のコンシステンシーをもたらすのに十分であるべきである。本発明の生地の全含水率には、別途添加された成分として含まれる全ての水、ならびに穀粉(通常、約12重量%から約14重量%の水分を含有する)およびチーズによって与えられた水分、および高フルクトースコーンシロップや添加シロップ、その他の液体湿潤剤など、配合物中に含まれるその他の生地添加剤または成分の含水率が含まれることになる。
【0052】
別途添加された水も含めた、生地の全ての水分源を考慮すると、本発明の生地の全含水率は、生地の重量に対して一般に約50重量%未満であり、好ましくは約45重量%未満である。本発明のクラッカーの生地は、一般に、生地の重量に対して約33重量%から約40重量%の含水率を有する。
【0053】
本発明の生地およびベーク製品またはフライ製品を得るのに使用してもよい油性組成物には、任意の知られているショートニングまたは脂肪ブレンド、またはベーキング用途に有用な組成物を含めることができ、それらには、従来の食品級乳化剤を含めてよい。分別され、一部水素化され、かつ/またはエステル交換された、植物油、ラード、魚油、およびこれらの混合物は、本発明で使用してもよいショートニングまたは脂肪の例である。食用の減または低カロリーの、部分消化性または非消化性脂肪、脂肪代替物、または合成脂肪、例えばスクロースポリエステルやトリアシルグリセリドなどであって、プロセス適合性のある物質を、使用してもよい。硬質および軟質の脂肪またはショートニングおよび油の混合物は、油性組成物の所望のコンシステンシーまたは融解プロファイルを実現するのに使用してもよい。本発明で使用される油性組成物を得るのに使用することができる、食用トリグリセリドの例には、大豆油、パーム核油、パーム油、菜種油、ベニバナ油、ゴマ油、ヒマワリ種子油、およびこれらの混合物など、植物源由来の天然に生ずるトリグリセリドが含まれる。鰯油、ニシン油、ババス油、ラード、および獣脂などの、魚油および動物性油脂を使用してもよい。合成トリグリセリド、ならびに脂肪酸の天然トリグリセリドは、油性組成物を得るのに使用してもよい。脂肪酸は、8から24炭素原子の鎖長を有していてもよい。例えば約75°F(24℃)から約95°F(44℃)の室温で、固体または半固体のショートニングまたは脂肪を、使用してもよい。本発明で使用するのに好ましい油性組成物は、大豆油を含む。
【0054】
一般に、チーズは潤滑性をもたらすので、あるとしてもごく僅かなショートニングまたは脂肪または油しか必要としない。本発明の実施形態では、用いられる油性組成物の量は、一般に、生地の重量に対して約10重量%にまで及んでよく、例えば約1重量%から約5重量%である。
【0055】
本発明により製造することができるベーク製品には、やはり減脂肪、低脂肪、または無脂肪生成物である、減カロリーベーク製品が含まれる。本明細書で使用される減脂肪食品は、その脂肪分が、標準または従来の製品から少なくとも25重量%減じられている製品である。低脂肪製品は、基準量またはラベルサービング当たりの脂肪が3g以下の脂肪分を有する。しかし、小さい基準量の場合(即ち、30g以下または食卓用大匙2杯以下)、低脂肪製品は、製品50g当たり3g以下の脂肪分を有する。無脂肪またはゼロ脂肪製品は、基準量当たりおよびラベルサービング当たり、0.5g未満の脂肪分を有する。塩を振りかけてあるクラッカーのような、つまみ用のクラッカーでは、基準量が15gである。スナックとして使用されるクラッカーでは、基準量が30gである。したがって、このように低脂肪クラッカーの脂肪分は、50g当たりの脂肪が3g以下に、または最終製品の全重量に対して約6%以下になる可能性がある。無脂肪のつまみ用クラッカーは、15g当たり0.5g未満または最終製品の重量に対して約3.33%未満の脂肪分を有する可能性がある。
【0056】
前述の物質に加え、本発明の生地は、クラッカーおよびクッキーに従来から用いられているその他の添加剤を含んでよい。そのような添加剤には、例えば、乳副産物、卵もしくは卵副産物、ココア、バニラ、またはその他の香味料、ならびにナッツ、レーズン、ココナツ、チョコレートチップやバタースコッチチップ、カラメルチップなどの香味付きチップ、ドライハーブ、ドライフルーツ、ドライベジタブル、肉、および肉類似品などの含有物を、生地の重量に対して約15重量%までの例示的な量で含めてよい。
【0057】
ベーク製品に含めるのに適したタンパク質源は、Maillard褐色化が促進するように本発明の生地に含めてもよい。タンパク質源は、無脂肪ドライミルク固形分、乾燥しまたは粉末化した卵、およびこれらの混合物などを含んでもよい。タンパク質様供給源の量は、例えば、生地の重量に対して約5重量%までに及んでよい。しかし一般に、チーズは、十分な量のタンパク質をもたらし、その他のタンパク質源を必要としなくてよい。
【0058】
本発明の生地組成物は、生地の重量に対して約5重量%までの膨張系を含有してよい。使用してよい化学膨張剤またはpH調節剤の例には、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、リン酸酸性カルシウム、リン酸二水素カルシウム(一水和物)、ピロリン酸酸性ナトリウム、リン酸二アンモニウム、酒石酸、乳酸、およびこれらの混合物などの、アルカリ性材料および酸性材料が含まれる。酵母を、単独でまたは化学膨張剤と組み合わせて、使用してもよい。
【0059】
本発明の生地は、プロピオン酸カルシウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、フマル酸、およびクエン酸などの、抗真菌剤または保存剤を含んでよい。例示的な量は、微生物学的保存安定性を確実にするために、生地の約1重量%にまで及んでよい。
【0060】
乳化剤は、本発明の生地に、乳化に有効な量含めてよい。使用してよい例示的な乳化剤には、モノおよびジグリセリド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、ステアロイルラクチレート、およびこれらの混合物が含まれる。使用してよいポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの例は、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80)、およびこれらの混合物などの、水溶性ポリソルベートである。使用してよい例示的な天然レシチンには、大豆、菜種、ヒマワリ、またはトウモロコシなどの植物由来のもの、および卵黄などの動物源由来のものが含まれる。大豆油由来のレシチンが、好ましいレシチンである。ステアロイルラクチレートの例は、ナトリウムステアロイルラクチレート、カルシウムステアロイルラクチレート、およびこれらの混合物などの、アルカリおよびアルカリ土類ステアロイルラクチレートである。使用してよい乳化剤の例示的な量は、生地の約3重量%にまで及んでよい。
【0061】
従来のスナックの香味、調味、および着色成分、匂い物質、香辛料、糖剤、およびこれらの混合物を、生地に含めてもよく、かつ/または生地小片のベークまたはフライ後に局所的に付着させてもよい。使用してもよいそのような成分の例には、バーベキュー、サワークリーム、チャイブ、オニオン、ガーリック、バター、塩、ビネガー、ハニーマスタード、ランチ、ベーコン、チキン、ビーフ、チーズ、およびハム香味料の、食欲をそそる香味と、シナモンおよび砂糖、ピーナツバター、バナナナッツ、アップルパイ、ハニーグラハム、ショートブレッド、バタートフィー、ココアクランチ、チョコレートチップ、ハニーナッツ、オートミールレーズン、およびバニラクランチ香味料の、甘い香味、クッキー香味、ナッツおよび種子、バニラ、およびチョコレート製品、ペッパーやバジル、タイム、ペパーミント、ドライトマト、パセリフレークなどのドライベジタブルフレークおよびハーブフレーク、香辛料フレーク、フルーツフレーク、スパイス、チェダーチーズやナチョチーズ調味料粉末などのチーズパウダー、およびこれらの混合物が含まれる。
【0062】
調味料および香味料は、フライまたはベーク済み小片を油ベースの結合剤組成物でコーティングし、次いで粉末化調味料組成物を、結合剤がコーティングされた小片に付着させることによって、付着させてもよい。水ベースの結合剤ではなく油ベースの結合組成物を使用することによって、保存安定な最終的なクラッカーまたはスナック製品を得るために後で乾燥させる必要がなくなる。本発明の実施形態では、スナックがフライスナックの場合、油ベースの結合組成物または油スラリーを、味付けスナックの全重量に対して約2重量%から約8重量%の量で、好ましくは約4重量%から約6重量%の量で使用してよい。ベークした様々な製品では、油ベースの結合組成物を、味付けスナックの全重量に対して約20重量%までの量で、好ましくは約15重量%までの量で使用してよい。粉末化調味料は、味付けスナックの全重量に対して約2重量%から約15重量%の量で、好ましくは約4重量%から約8重量%の量で用いてよい。
【0063】
図1に示される、ベークまたはフライチーズクラッカーまたはスナックの製造方法では、成分貯蔵部1からの小麦粉およびチーズを含む成分を、従来の縦型生地ミキサなどの生地ミキサ5に移送し、ブレンドしまたは混合して生地を形成する。生地の形成において、湿潤成分を最初に添加して実質的に均質な混合物を形成し、その後、チーズおよび膨張剤などの少量の成分を、撹拌し続けながら添加することによって、実質的に均質なブレンドを得ることができる。次いで穀粉およびα化デンプンを含む乾燥成分を、混合し続けながらミキサに加えることにより、実質的に均質な生地を形成することができる。次いで生地を、水平ダイプレートを備えた低圧押出し機10に供給し、押出しを行って、1つまたは複数の成形された生地ロープに形成し、これを従来の切断装置12によって、所望のパスタ形状に切断することができる。パスタ形状を有する、切断した生地小片15、16を、ベルトコンベヤ25に載せて、バンドオーブンまたはフライヤーでもよい加熱または調理装置30に移送することができる。次いでベークまたはフライ小片を、ポストベークまたはポストフライ乾燥機35に移送して、水分を低減させまたは冷却することができる。乾燥しまたは冷却した小片は、調味ドラム40に供給することができる。スラリーまたは油45と、乾燥粉末化調味料50も、調味ドラム40に供給することができる。次いで味付けチーズクラッカースナックを、包装および貯蔵操作部55に移送することができる。
【0064】
本発明のチーズクラッカーまたはチーズスナックは、螺旋または渦巻き形状、チューブ形状、リング形状、オリンピックのリング形状のような多重リング形状、および格子形状、キャラクター、人、魚、鳥、恐竜、または動物の形状、文字または数字の形状など、任意のおよび全てのパスタ形状に製造することができる。チューブ形状は、円形断面、または三角形や楕円形、四角形、長方形、不規則な形、溝付き、楔形などの任意のその他の断面を有する、円筒形チューブでよい。リング形状は、円形、または三角形や楕円形、四角形、長方形、不規則な形、溝付きなどの、任意のその他の形状でよい。格子形状は、三角形、または円形や楕円形、四角形、長方形、不規則な形、溝付き、楔形、テニスラケット形状などの、任意のその他の形状でよい。
【0065】
例えば、図2から4に示されるように、クラッカーまたはスナックは、格子またはリブ付きパターンまたは形状を有してもよい。図2から4に示される格子形状の部分は、内側相互接続格子またはリブの、内側部に接続しかつ取り囲む、外側または周縁部を有してもよく、これにより複数の中空部分をリブの間にもたらす。
【0066】
図2に示されるように、三角形格子形状のチーズクラッカーまたはスナック200は、三角形状の外側または周縁部205と、クラッカーまたはスナック200の全体にわたって拡がる複数の中空部分215をもたらす格子またはリブの内側部210とを有する。
【0067】
図3に示されるように、ワゴンの車輪形状のチーズクラッカーまたはスナック225は、円形の外側または周縁部230と、ワゴンの車輪のスポークに似ておりかつクラッカーまたはスナック225の全体にわたって拡がる複数の中空部分240をもたらす、格子またはリブの内側部235とを有する。
【0068】
図4に示されるように、プレッツェル形状のチーズクラッカーまたはスナック250は、3環プレッツェル形状の外側または周縁部255と、クラッカーまたはスナック250の全体にわたって拡がる複数の中空部分265をもたらす、格子またはリブの内側部260とを有する。
【0069】
本発明の実施形態では、図5に示すように、チーズクラッカーまたはスナックが、螺旋または渦巻き形状を有してよい。螺旋または渦巻き形状のパスタは、ダイを使用して、即ちその溝渠が、一方では押し出された生地の内屈を引き起こす構成を有しており、他方では押出された生地がその軸の周りに螺旋形状に巻き上げられるようにs形の出口オリフィスの構成を有しているダイを使用して、製造することができる。したがって本発明の実施形態では、押し出された生地ロープは、約0.75mmから約2.5mmの肉厚と、約6mmから約12mmの見掛けの直径とを有することができる。このロープは、ダイに押し付けられるナイフの助けを借りて、長さが約1.5cmから約5cm、好ましくは約2.5cmから約3.5cmのセクションに切断することができる。生地のロープは、長さ1インチ当たりに所望の数のスレッドまたはフライトを有する螺旋または渦巻き形状が得られるように、その中心縦軸の周りに捻られた様々な厚さのリボンの形をとることができる。
【0070】
図5に示されるように、螺旋または渦巻き形状のチーズクラッカー300は、連続的でありかつ深く連続した螺旋溝310をスレッド305の間に有する、複数の緩くまたは広く間隔が空けられたスレッド305を、例えば1インチ(2,54cm)当たり約2.5スレッドで有している、ヌードルまたはリボンの外見を有することができる。
【0071】
図6および7に示されるように、本発明のチューブ形状のチーズクラッカーまたはスナック325は、外側円筒壁部330と、このチューブクラッカーまたはスナック325の全長に素って延びる内側中空部335とを有することができる。チューブクラッカーまたはスナック325の外形と長さとの比は、一般に約1.5:1から約0.25:1に及んでよく、例えば約1.3:1から約0.5:1に及んでよい。肉厚は、一般に約0.10インチ(0.25cm)から約0.25インチ(0.62cm)に及んでよい。
【0072】
図8に示されるように、本発明のリング形状のチーズクラッカーまたはスナック350は、外側円筒壁部355と、このリング形状クラッカーまたはスナック350の厚さ全体に伸びる内側中空部360とを有してよい。外側円筒壁部355の断面は、円形でよい。本発明の実施形態では、リング形状は、円形または楕円形でよい。リング形状のチーズクラッカーまたはスナックは、一般に約0.5インチ(1.27cm)から約2インチ(5.08cm)、例えば約0.75インチ(1.91cm)から約1.25インチ(3.18cm)の外径を有してよい。肉厚または直径は、一般に、約0.10インチ(0.25cm)から約0.25インチ(0.62cm)に及んでよい。
【0073】
本発明について、下記の実施例でさらに例示するが、他に指示しない限り、全ての部、比、および%は重量によるものであり、全ての温度は°Fを単位とする。
【実施例1】
【0074】
本発明による押出しチーズクラッカーまたはスナックの製造に使用してよい成分およびその相対量は、下記の通りである。
【0075】
【表1】

【0076】
生地は、まずステージ1の成分を縦型ミキサに加え、これらの成分を約20rpmの速度で約2分間混合することによって製造することができる。次いでステージ2の成分を、ステージ1の成分に加えて約20rpmで約2分間混合し、その後、ステージ3の成分を加えて40rpmでさらに5分間混合することにより、実質的に均質な生地を得ることができる。
【0077】
次いで生地を、据置き時間なしで、水平ダイプレートを備えていてもよいReading Bakery Systems、Robesonia、PAにより製造された低圧プレッツェル押出し機に供給することができ、そこで垂直に押し出し、生地を三角形格子形状の生地ロープに形成する。押出しは、約3から10Hzで動作する予備供給部と、約8から30Hzで動作する押出し機オーガーを使用して実施することができる。この押出し機は約20psig(0.14MPa)から約100psig(0.69MPa)の圧力で動作することができ、この押出し機のダイの圧力は、約40psig(0.28MPa)から約100psig(0.69MPa)である。押出し温度は、室温から約85°F(29℃)でよい。
【0078】
生地ロープは、ダイに押し付けられる従来のブレードまたはナイフによって、ダイのところで切断し、三角形格子形状の生地小片にすることができる。ナイフは、分当たり約29から約85回切断するように動作させることができ、少なくとも実質的に垂直に向けられた生地ロープを少なくとも実質的に水平方向に切断することができる。切断された生地小片をベルトコンベヤ上に落下させ、複数の区画を有する連続ガス直火燃焼対流式オーブン内に向かう過程で三角格子形状を保持しながら、移送することができる。
【0079】
小片を、約200°F(99℃)から約225°F(107℃)の温度で予熱し、約400°F(204℃)から約475°F(246℃)の温度で約2分から約4分間ベークして、図2に示される形状を有する発酵クラッカーまたはスナックを得ることができる。次いでベークした小片を、ポストベーク対流式乾燥機に移送し、約200°F(99℃)から約225°F(107℃)で約4分から約7分間乾燥することにより、約3重量%の含水率を得ることができる。
【0080】
乾燥した小片を調味ドラムに供給することができ、そこでタンブル処理し移送することができるが、このとき油および粉末化チェダーバーベキュー調味料を、トッピングされまたは味付けされたクラッカーの全重量に対して約8重量%の有効調味量で、乾燥した小片の表面に噴霧しまたは付着させることができる。次いで図2に示す三角形格子形状を有する味付けチーズクラッカースナックを、包装機に移送し、従来の手法で包装し、貯蔵することができる。
【実施例2】
【0081】
押出しチーズクラッカーまたはスナックは、用いられる押出し機のダイが、図3から8に示されるパスタ形状を有するクラッカーまたはスナックにベークされる成形された生地小片をもたらすことができること以外、実施例1と同様にして製造することができる。
【実施例3】
【0082】
押出しチーズクラッカーまたはスナックは、図2から8に示されるパスタ形状を有するフライ製品を得るために、成形された生地小片をオーブンでベークする代わりに約280°F(138℃)から約360°F(182℃)の温度で約5から約20分間にわたりフライヤーでフライにしてもよいこと以外、実施例1および2と同様にして製造することができる。
【実施例4】
【0083】
本発明による押出しチーズクラッカーまたはスナックの製造に使用してもよい、成分およびその相対量は、下記の通りである。
【0084】
【表2】

【0085】
生地は、まず、ステージ1の成分を縦型ミキサに加え、これらの成分を約20rpmの速度で約1分間乾式ブレンドすることによって製造してもよい。次いでステージ2の成分を、約40rpmで約4から約6分間混合しながら、ステージ1の成分に加えることによって、実質的に均質な生地を得ることができる。
【0086】
次いで生地を、垂直に押し出して生地を三角形格子形状生地ロープに形成するための水平ダイプレートを備えた、Reading Bakery Systems、Robesonia、PA製の低圧プレッツェル押出し機に、据置き時間が全く無い状態で供給することができる。押出しは、約3から10Hzで動作する予備供給部および約8から30Hzで動作する押出し機オーガーを使用して、実施することができる。押出し機は、約20psig(0.14MPa)から約100psig(0.69MPa)の圧力操作することができ、この押出し機のダイの圧力は、約40psig(0.28MPa)から約100psig(0.69MPa)である。押出し温度は、室温程度から約85°F(29℃)でよい。
【0087】
生地ロープは、従来のブレードまたはナイフをダイに押し付けることで、ダイのところで、三角形の格子形状の生地小片に切断することができる。ナイフは、分当たり約29から約85回切断する速度で操作することができ、少なくとも実質的に垂直に向いた生地ロープを、少なくとも実質的に水平方向に切断することができる。切断された生地小片は、ベルトコンベヤ上に落下し、複数の区画を有する連続ガス直火燃焼対流式オーブンへの過程で、その三角形の格子形状を保持しながら移送することができる。
【0088】
小片は、約200°F(99℃)から約225°F(107℃)の温度で予熱し、約400°F(204℃)から約475°F(246℃)の温度で約2分から約4分間ベークして、図2に示される形状を有する発酵クラッカーまたはスナックを得ることができる。次いでベークした小片をポストベーク対流式乾燥機に移送し、約200°F(99℃)から約225°F(107℃)で約4から約7分間乾燥することにより、約3重量%の含水率を得ることができる。
【0089】
乾燥した小片を調味ドラムに供給することができ、そこでタンブル処理し移送することができるが、このとき油および粉末化チェダーバーベキュー調味料を、トッピングされまたは味付けされたクラッカーの全重量に対して約8重量%の有効調味量で、乾燥した小片の表面に噴霧しまたは付着させることができる。次いで図2に示される、三角形格子形状を有する味付けチーズクラッカースナックを、包装機に移送し、従来の手法で包装し、貯蔵することができる。
【実施例5】
【0090】
押出しチーズクラッカーまたはスナックは、用いられる押出し機のダイが、図3から8に示されるパスタ形状を有するクラッカーまたはスナックにベークされる成形された生地小片をもたらすこと以外、実施例4と同様にして製造することができる。
【実施例6】
【0091】
押出しチーズクラッカーまたはスナックは、図2から8に示されるパスタ形状を有するフライ製品を得るために、成形された生地小片をオーブンでベークする代わりにフライヤーで、約280°F(138℃)から約360°F(182℃)の温度で約5から約20分間フライにすること以外、実施例4および5と同様にして製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.少なくとも1種の穀粉、チーズ、および水を含む成分を混合して、生地の重量に対して約5重量%から約60重量%のチーズ含量を有する生地を得るステップと、
b.生地をダイに通して押し出して、成形された生地ロープを得るステップであって、押出しが、デンプンの実質的なゼラチン化および生地の膨張を回避する圧力および温度で行われるステップと、
c.成形された生地ロープを、成形された小片に切断するステップと、
d.小片をベークしまたはフライにして、サクサクまたはパリパリした質感の成形されたチーズクラッカーまたはスナックを得るステップと
を含むことを特徴とする、押出しチーズクラッカーまたはスナックの製造方法。
【請求項2】
前記押出しは、約120psig(0.83MPa)未満の圧力、およびデンプンのゼラチン化温度よりも低い温度で実施されることを特徴とする、請求項1に記載の押出しチーズクラッカーまたはスナックの製造方法。
【請求項3】
前記押出しは、約100psig(0.69MPa)未満の圧力、および約125°F(52℃)未満の温度で実施されることを特徴とする、請求項2に記載の押出しチーズクラッカーまたはスナックの製造方法。
【請求項4】
前記押出しは、約20psig(0.14MPa)から約60psig(0.41MPa)の圧力、および約100°F(38℃)未満の温度で実施されることを特徴とする、請求項3に記載の押出しチーズクラッカーまたはスナックの製造方法。
【請求項5】
生地は、生地の重量に対して約10重量%から約50重量%のチーズ含量を有することを特徴とする、請求項1に記載の押出しチーズクラッカーまたはスナックの製造方法。
【請求項6】
小片をベークし、ベークした小片を乾燥させることを特徴とする、請求項1に記載の押出しチーズクラッカーまたはスナックの製造方法。
【請求項7】
α化蝋様デンプンをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の押出しチーズクラッカーまたはスナックの製造方法。
【請求項8】
ダイは、生地を生地ロープ形状に形成し、前記生地ロープの縦軸を横切るように前記生地ロープを切断することによって、生地小片がワゴンの車輪、リング、チューブ、格子、プレッツェル、螺旋、または渦巻きの形状で得られるようにすることを特徴とする、請求項1に記載の押出しチーズクラッカーまたはスナックの製造方法。
【請求項9】
生地小片は、ワゴンの車輪、リング、チューブ、格子、プレッツェル、螺旋、または渦巻きの形状を有するクラッカーにベークされることを特徴とする、請求項8に記載の押出しチーズクラッカーまたはスナックの製造方法。
【請求項10】
生地小片は、螺旋または渦巻きの形状を有するクラッカーにベークされることを特徴とする、請求項9に記載の押出しチーズクラッカーまたはスナックの製造方法。
【請求項11】
ダイに通して押し出したときに生地は約20体積%未満膨張し、生地小片はベーク時に膨らませることができることを特徴とする、請求項1に記載の押出しチーズクラッカーまたはスナックの製造方法。
【請求項12】
前記少なくとも1種の穀粉には小麦粉が含まれ、生地は、前記生地の重量に対して約15重量%から約25重量%のチーズ含量を有することを特徴とする、請求項1に記載の押出しチーズクラッカーまたはスナックの製造方法。
【請求項13】
前記少なくとも1種の穀粉は、前記少なくとも1種の穀粉の重量に対して約10重量%未満のタンパク質含量を有し、押し出された生地は、示差走査熱量測定(DSC)により測定したときに、約30%未満のデンプンゼラチン化度および約20体積%未満の膨張度を有し、前記クラッカーまたはスナックは、示差走査熱量測定(DSC)により測定したときに約80%未満のデンプンゼラチン化度を有することを特徴とする、請求項1に記載の押出しチーズクラッカーまたはスナックの製造方法。
【請求項14】
前記チーズは、パルメザンチーズ、ロマノチーズ、チェダーチーズ、スイスチーズ、ミュンスターチーズ、モッツァレラチーズ、モンテレージャック、ペッパージャックチーズ、プロボロンチーズ、アシアゴチーズ、フォンティナチーズ、ゴルゴンゾーラチーズ、およびブルーチーズからなる群から選択された少なくとも1つのメンバーを含む乳製チーズであることを特徴とする、請求項1に記載の押出しチーズクラッカーまたはスナックの製造方法。
【請求項15】
サクサクした非ガラス様の質感、膨張済みのフワフワしていない気泡構造、およびワゴンの車輪、リング、チューブ、格子、プレッツェル、螺旋、または渦巻きの形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法によって得られたチーズクラッカーまたはスナック。
【請求項16】
螺旋または渦巻きの形状を有することを特徴とする、請求項15に記載のチーズクラッカーまたはスナック。
【請求項17】
非ガラス様のサクサクした質感および膨張済みのフワフワしていない気泡構造にベークされる生地を含み、前記生地は、小麦粉、チーズ、およびα化蝋様デンプンの実質的に均質な混合物を含み、前記生地は、前記生地の重量に対して約5重量%から約60重量%のチーズ含量を有し、中空形状、螺旋もしくは渦巻き形状、または格子形状を有することを特徴とするチーズクラッカーまたはスナック。
【請求項18】
生地は、前記生地の重量に対して約10重量%から約50重量%のチーズ含量を有することを特徴とする、請求項17に記載のチーズクラッカーまたはスナック。
【請求項19】
螺旋または渦巻きの形状を有することを特徴とする、請求項18に記載のチーズクラッカーまたはスナック。
【請求項20】
前記チーズは、パルメザンチーズ、ロマノチーズ、チェダーチーズ、スイスチーズ、ミュンスターチーズ、モッツァレラチーズ、モンテレージャック、ペッパージャックチーズ、プロボロンチーズ、アシアゴチーズ、フォンティナチーズ、ゴルゴンゾーラチーズ、およびブルーチーズからなる群から選択された少なくとも1つのメンバーを含む乳製チーズであることを特徴とする、請求項19に記載のチーズクラッカーまたはスナック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−57487(P2010−57487A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−196853(P2009−196853)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(508247877)クラフト・フーヅ・グローバル・ブランヅ リミテッド ライアビリティ カンパニー (53)
【Fターム(参考)】