説明

拡散防止構造を備えるシートメタル層および少なくとも1つのかかるシートメタル層を含む金属製ハニカム体

本発明は、長手方向(Q)および上側(2)および下側(3)および0.015〜0.1mmの厚さ(d)を有する高温耐食性スチールからなる拡散防止構造を有するシートメタル層(1)であって、そのシートメタル層(1)は、ほぼ長手方向(Q)に延びる不連続な微細構造(4、5)を含み、微細構造(4、5)は、構造高さ(SH)と、構造長さ(SL)と、構造幅(SB)と、シートメタル層(1)のほぼ長手方向に配置された最近接している微細構造(4、5)に対する互いの間の間隔(LA)であって、その間隔は中断部(6)によって形成される、間隔(LA)と、最近接して横方向に隣接する微細構造(4、5)に対する横方向の間隔(SA)とを有する、シートメタル層(1)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に内燃エンジンを有する自動車における排気ガス浄化システムにおいて使用される種類の金属製ハニカム体の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
金属製ハニカム体は典型的に、シートメタル層を巻くかまたは層状にすることによって製造され、実質的に平滑なシートメタル層が通常、波形または同様に構造化されたシートメタル層と交互になる。このように、サイズおよび形状が各々の用途と一致する、排気ガスの通路となり得るチャネルが得られる。排気ガス浄化システムのための典型的なハニカム体は、50から1000cpsi(平方インチ当たりのセル数)、すなわち断面積の平方インチ当たり50〜1000のチャネルを有する。特に好ましいオプションとして、かかるハニカム体は、触媒的に活性および/または吸着性を有するコーティングが設けられる。排気システムにおいて、排気ガスを浄化するためのハニカム体は、高い機械的および熱ストレスに交互に曝露される。この理由のために、一般に高温真空ろう付けによりメタルシートが互いにろう付けされる。現在の金属製ハニカム体は、平滑シートメタル層と構造化されたシートメタル層との間の接続ラインを全て一緒にろう付されておらず、弾性および安定性の要件に応じて特定のろう付け計画に従って選択された点においてのみ接続されているので、それらの耐用年数を多いに増加させることが可能である。
【0003】
しかしながら、典型的にろう付けプロセスに利用される温度は非常に高く(例えば1100℃以上)、ろう付けがそこに存在しない場合でさえ、拡散結合がシートの接触点の間に形成され、その結果として、ハニカム体は、特定のろう付け計画によって意図される特性を達成せず、非常に堅くなり、柔軟性がなくなる。従って、ろう付け材料を非常に特定の選択された点に適用し、ろう付け材料のない点において拡散結合を防ぐために様々な方法が開発されている。拡散結合を防ぐことは、不動態化層を製造するために比較的高価なさらなる予備酸化プロセスまたは他のさらなるプロセスステップを必要とし得るか、および/または使用されるべき1つの特定の材料のみを必要とし得る。
【0004】
さらに、微細構造を有する金属製ハニカム体において平滑および/または波形のシートメタル層を提供する実施は従来技術から知られている。そうするための1つの可能性のある理由は、ハニカム体における流れに影響を与えることである。なぜなら、特定のサイズの微細構造は乱流を引き起こし、層流の場合より、ガス流を十分に混合するからである。かかる微細構造は例えば特許文献1に記載されている。
【0005】
また、特許文献2は、シートメタル層が互いに容易にスライドできる構造を開示しており、これにより、製造プロセスの間にいくらかの利点を有することができる。この文献はまた、はっきりと規定されたろう付け点から得られる利点が記載されている。
【0006】
また、特許文献3は、特に、波形メタルシートの波形ピーク上の型打ちした特徴として微細構造を開示しており、この場合において、十分な量のろう付け材料が接続ラインに導入され得ることを意図している。
【0007】
特許文献4または特許文献5によれば、例えば、高いストレスに耐えることができるハニカム体が、非常に特定の点で接着剤または結合剤でプリントされ得、これらの方法が現れる前に知られていなかった、より複雑なろう付け計画の仕様および実施の精密性が可能となった。特に波形のシートメタル層において、平滑および構造化の間の正確で、規定された小領域のろう付け点を製造するための可能性にも関わらず、多くの場合、さらなる拡散結合に関する問題を満足のいくように解決することは不可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第0784507B1号明細書
【特許文献2】国際公開第02/090734号パンフレット
【特許文献3】国際公開第97/35683号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2005/107992A1号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2005/021198A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、従来技術を参照して記載されている問題を少なくとも部分的に解決することであり、特に、本明細書で拡散防止構造ともいう、微細構造を有する実質的に平滑なシートメタル層を特定することであり、これにより、高いろう付け温度が利用される場合でさえも、さらなる拡大した拡散結合を形成せずに、非常に特定のろう付け計画に従って、このシートメタル層と隣接する構造化されたシートメタル層との間にろう付け点を製造することが可能となる。本発明の目的はまた、少なくとも1つのかかるメタルシートを使用して製造されるハニカム体を特定することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの目的を達成するために、請求項1に記載のシートメタル層および請求項6に記載のハニカム体が使用される。単一または組み合わせて利用され得る有益な実施形態は、それぞれ従属請求項および詳細な説明に特定される。
【0011】
本発明によるシートメタル層は、特に長手方向、上側および下側および0.015〜0.1mm、好ましくは0.02〜0.06mmの厚さを有する、クロムおよびアルミニウム部分を含む、高温耐食性スチールから構成され、そのシートメタル層は、長手方向に延びるか、または長手方向に対して鋭角に延びる不連続な微細構造を含む。
【0012】
微細構造は、構造高さと、構造高さの半分において外側で寸法決めされた構造長さと、構造高さの半分において外側で寸法決めされた構造幅と、シートメタル層のほぼ長手方向に配置された最近接している微細構造に対して構造高さの半分において外側で寸法決めされた互いの間の長手方向の間隔であって、前記間隔は中断部によって形成される間隔と、最近接して横方向に隣接する微細構造に対して構造中心の間で寸法決めされた横方向の間隔と、を有する。
【0013】
微細構造の一部が上側に対してシートメタル層から突出し、微細構造の一部が下側に対してシートメタル層から突出するように微細構造は設計される。
【0014】
微細構造はさらに離間して、配置され、長手方向に対して垂直なシートメタル層にわたって延びる各理論的直線が、上側に対して突出する少なくとも2つの微細構造および下側に対して突出する2つの微細構造と交わるように設計される。
【0015】
さらに、以下の関係を適用する:
構造高さは0.02〜0.1mm、好ましくは0.06〜0.08mmであり、
構造長さは2〜10mm、好ましくは4〜6mmであり、
構造幅は0.2〜1mm、好ましくはほぼ0.5mmであり、
シートメタル層のほぼ長手方向において配置された最近接している微細構造に対する長手方向の間隔は2mmより長く、好ましくは4〜8mmであり、
横方向の間隔は1〜10mm、好ましくは2〜6mmである。
【0016】
微細構造に関わらず、このように構造化されるシートメタル層は実質的に平滑であり、微細構造の間の中断部のため、および小さな構造高さのために、金属性ハニカム体についての従来の製造プロセスに十分に柔軟性がある。メタルシートを構造化、特に波形にすることを含む、本発明によるシートメタル層を交互に層状にするか、または巻く間、微細構造は、1つのみの正確に規定された接触点が波形のシートメタル層と平滑なシートメタル層との間に形成されるという効果を有する。次いで、これらの接触点の中から、ろう付け材料を適用すること、およびろう付けプロセスを実施することによって所定のろう付け計画に従って互いに接続されることを提案されるものを選択することができる。微細構造が他の点の間で接触することを防止するため、望ましくない直線の拡散結合が生じ得ず、従って、十分な再現性で正確に規定された特性を有するハニカム体を製造することが可能となる。
【0017】
請求項1に示した寸法の組み合わせが本発明の効果にとって重要である。各々の個々の寸法に関して、特定の範囲の変化が存在するが、微細構造の特定の最小高さは、接触の可能性および望まれない領域の拡散結合を容易に排除するのに必要とされる。これに対して、微細構造は非常に高くてなってはいけない。なぜなら、シートメタル層の剛性は、微細構造が高くなると増加するからである。微細構造の間の中断部はまた、柔軟性を促進する。
【0018】
隣接する波形のシートメタル層を有する本発明によるシートメタル層を層状化するか、または巻く間、波形ピークは、シートメタル層の上側または下側に直線の形態で直接存在すべきではない。なぜなら、これは望ましくない広がった拡散結合をまさに導き得るからである。従って、拡散防止構造は、各々の隣接する波形が規定された形態で少なくとも2つの微細構造に存在するように配置されなければならない。この理由のために、微細構造の一部はシートメタル層の上側に対して形成され、さらに微細構造の一部はシートメタル層の下側に形成されなければならず、それらは、長手方向において非常に長くなければならず、この条件が満たされ得るように異なる列で互いに対してオフセットして配置されなければならない。原則的に、この状態はまた、微細構造の無秩序状態の配置の場合に想定され得るが、現実的な製造方法により、隣接する列において微細構造の周期的な配置がもたらされ、列の数の比較的大きな自由度が存在するが、微細構造のパターンは、上側および下側に対して、ならびに微細構造の長さおよび間隔に関して形成される。典型的な実施形態が図面を参照してより詳細に説明される。
【0019】
好ましい実施形態において、このように微細構造は、長手方向にほぼ平行な列に配置され、1列において2つの微細構造の間の長手方向の間隔は2〜8mm、好ましくは4〜6mmである。
【0020】
本発明によれば、微細構造は好ましくは、スタンピング、特に単一のスタンピングステップによって製造される。スタンピングは比較的低コストの方法であり、ハニカム体のための既知の製造プロセスに容易に統合できる。
【0021】
少なくとも1列における全ての微細構造が上側に対して形成され、一方、少なくとも1つの隣接する列における全ての微細構造が下側に対して形成される場合、好ましい。上側および下側に対して突出する微細構造の複数のこのような列が平滑なシートメタル層上に形成される場合、最も利点がある。
【0022】
代替として、1列における微細構造が、上側および下側に対して交互に突出し、その結果として、特に上側および下側に対して突出する微細構造がチェスボード様の分布になることも可能である。
【0023】
既に説明したように、微細構造の間の中断部は、本発明によるシートメタル層の柔軟性にとって有益である。これらの中断部は、好ましくは構造長さ以下の長さで長手方向において互いにオフセットして異なる列に属する微細構造を配置することを必要とする。このように、微細構造のない領域の形成を防ぐことも可能であり、隣接するシートメタル層の波形ピークが、それら全体の長さにわたって平滑なシートメタル層と接触する。
【0024】
上記の目的はまた、実質的に平滑なシートメタル層および波形のシートメタル層の交互の層から巻かれ、および/または層状化される、特に排気ガス触媒のためのろう付けしたハニカム体によって達成され、平滑なシートメタル層の少なくとも1つは、上記のように微細構造を有して設計され、実質的に波形のシートメタル層と微細構造との間の接触点のみにおいて波形のシートメタル層と平滑なシートメタル層との間にろう付け点が存在する。平滑なシートメタル層および構造化されたシートメタル層から従来技術に従って製造され得るハニカム体の全ての形態はまた、拡散防止構造を有する本明細書に記載されるシートメタル層を使用する既知の方法に従って製造され得る。一般に、以前の公知のろう付け方法もまた使用されてもよいが、特に例えば国際公開第2005/021198A1または国際公開第2005/107992A1におけるもののような精度の高い選択的ろう付け適用法を利用することが特に有益である。ろう付け材料の配置において従来技術で既になされている高精度のために、所望の位置におけるろう付け材料を構造化されたシートメタル層の構造に適用すること、および/または所望の位置におけるろう付け材料を、微細構造を有する本発明による平滑なシートメタル層の波形ピークに適用することが可能である。このように、所定の計画によれば、接着剤が提供されている接触点が最初に全て形成され、各々は1mm未満の領域であり、次いでそれらは粉末ろう付け材料で供給され、従来のろう付けプロセスでろう付けされる。従来技術との対比において、本発明によるシートメタル層は、ろう付け材料が存在しないハニカム体における点において望ましくない広がった拡散結合を決して生じない。このように、既存のろう付け計画または将来の非常に特異的なストレスパターンおよび特性のために処理されるものは、高精度で、煩わしい追加的な拡散結合を生じずに実施され得るので、極度のストレスに関する適用のための金属製ハニカム体の質および寿命を可能にする。拡散結合はろう付け材料のない接触点で生じる場合があるが、一方で、これは微細構造の適切なパターンを使用することによって少ない数まで減少できる。他方で、非常に小さな面積を覆う拡散結合は、ハニカム体の特性にさほど重要ではない。なぜなら、それらは比較的長い直線結合でない場合、わずかな張力または剪断力で再び分裂するからである。
【0025】
5mm未満、好ましくは3mm未満の間隔でろう付け接触点9の複数の隣接する対が形成されることを確保するために、好ましくは適切な接着剤の適用方法が使用され、その対に属する接触点は、同じ波形ピークであるが、異なる微細構造に沿って配置される。2つまたはさらに3つの隣接する結合の増加を含むろう付け計画は、製造で特定された誤りが存在したとしても、所望の分布で十分な結合が存在することを確実にする。
【0026】
拡散防止構造にも関わらず、前記構造の低い構造高さは、ウォッシュコートおよび/または触媒的に活性な材料の後のコーティングを妨げる、平滑なメタルシートと波形のメタルシートとの間でハニカム体に間隙が生じないことを意味する。
【0027】
本発明の実施形態および関連技術は、部分的に概略である図面を参照してより詳細に説明されるが、それらは本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、製造の間のハニカム体を概略的に示し、そのハニカム体は、拡散防止構造を有する、本発明によるシートメタル層を有する。
【図2】図2は、II−II線に沿った図1の部分を概略的に示す。
【図3】図3は、微細構造の拡大した断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、まだ完全に巻かれていないハニカム体10を概略的に示し、そのハニカム体10は、長手方向Qに延びる、上側2および下側3を有する、本発明による少なくとも1つの実質的に平滑なシートメタル層1を含む。長手方向Qは、ハニカム体10を通る後に続く流れの方向Sに対して横方向である。シートメタル層1は、上側に対して突出する微細構造4、および下側に対して突出する微細構造5が設けられる。以下の図面により詳細に見られるように、微細構造4、5は、構造高さSH、構造高さSHの半分において外側で寸法決めされた構造長さSL、および構造高さSHの半分において外側で寸法決めされた構造幅SBを有し、さらに微細構造4、5は、長手方向Qにおいて、構造高さSHの半分において外側で寸法決めされた長手方向の間隔LAにおいて離間され、この間隔は中断部6によって形成される。微細構造4、5の間に、微細構造の最も近接した列に対して、構造中心の間で寸法決めされた横方向の間隔SAがある。第1の列Rにおける微細構造4は、シートメタル層1の上側2に対して全て形成され、一方、第2の列Rにおける微細構造5は、シートメタル層1の下側3に対して全て形成される。列のこの配置は、上側2および下側3に対して交互に配置される微細構造4、5で周期的に繰り返される。同時に、同じ側に対して配置される少なくとも列において微細構造4、5は、長手方向Qにおいて互いに対してオフセットし、より具体的には、長手方向Qに対して横方向のシートメタル層1にわたって延びる、ここで示されている1つのみの理論的直線Gは、上側に対して突出する少なくとも2つの微細構造4および下側に対して突出する2つの微細構造5と交わる。これは、隣接する波形シートメタル層8の波形ピーク11が、微細構造4、5の間で続いて存在できないという効果を有する。構造長さSLは、有利には、隣接する波形のシートメタル層8の2つの波形ピークの間の間隔より大きくなるように選択され得るので、ほとんどの所望のろう付け計画が実施できることを確実にし得る。
【0030】
図2は、本発明による実質的に平滑なシートメタル層1における拡散防止構造の配置を示す。上側2に対して形成される微細構造4は下側3に対して形成される微細構造5と交互になり、微細構造4、5は列R、R、...、Rで配置される。一方の側に突出している微細構造4、5を含む列は、長手方向において互いに対してオフセットしており、好ましくは微細構造の構造長さSLより短い長さでオフセットしている。
【0031】
図3は、微細構造4、5の寸法およびおおよその比率を拡大したスケールで示す。特に型打ちした特徴の場合において、微細構造4、5の理想的な平行六面体形状を想定できないので、寸法は適切な参照点に基づく。構造高さSHは、微細構造4、5がシートメタル層1の面より上にどれくらい高いかを示す。構造幅SBは、微細構造4、5の半分の高さにおいて外側で適切に規定され、構造長さSLおよび最も近接して配置される微細構造4、5に対する長手方向の間隔LAも規定される。最も近接する微細構造4、5に対する横方向の間隔SAは、微細構造4、5の中心の間でより容易に規定され得る。
【0032】
国際公開第2005/021198A1号に記載されているように、本発明によるハニカム体に対する接着剤およびろう付け材料を適用している間、例えば、液滴の接着剤の形態の接着剤が波形シートメタル層8に適用され得る。接着剤は、波形ピーク11に直接隣接する領域に適用される。すなわち、ハニカム体が波形シートメタル層8および実質的に平滑なシートメタル層1から構築される場合、層1、8の間の相対移動が、層1、8を巻くか、またはコイル状にする間に生じる。これは、実質的に平滑なシートメタル層1上の波形のシートメタル層8のスライドを導く。接着剤が波形ピーク11に直接適用される場合、これは、層1、8の間で滑り摩擦を増加させ、接着剤の塗布を導く。しかしながら、本発明によるハニカム体の波形のシートメタル層8と微細構造4、5との間の接触点は互いに接続されなければならない。従って、ハニカム体を巻くか、または層状にした後に、波形のシートメタル層8の波形ピークと微細構造4、5との間の接触点に近接して利用可能であるように、接着剤は適用されなければならない。従って、各々の場合に、少なくとも1つの接触点、好ましくは2つの隣接する接触点が、確実にろう付け材料でコーティングされ得るか、またはろう付けされ得ることを確保するために、適用される接着剤の領域は、接触に利用可能な2つの微細構造4、5の間の横方向の間隔SAより波形ピーク11に沿って十分に広くなければならない。これは、粉末のろう付け材料およびその後のろう付けを適用することによって達成される。波形のシートメタル層8と微細構造4、5との間の接触の際に、安定なくさび形のろう付け領域が接触点9の周囲に形成される。しかしながら、他の接着剤およびろう付け材料の適用方法が同様に利用されて、同様の結果を生じてもよい。
【0033】
本発明は、煩わしい付加的な線形拡散結合が形成されずに、複雑なろう付け計画に関しても、波形および実質的に平滑なメタルシートから金属製のハニカム体を正確に再製造できる。結果として、特定の用途にハニカム体を正確に適合でき、それらの耐用期間を増加できる。
【符号の説明】
【0034】
1 実質的に平滑なシートメタル層
2 シートメタル層1の上側
3 シートメタル層1の下側
4 上側2に対して突出する微細構造
5 下側3に対して突出する微細構造
6 中断部
7 ピークの後側
8 波形のシートメタル層
9 接触点
10 ハニカム体
11 波形ピーク
d シート厚さ
Q 長手方向
S ハニカム体10を通る流れの方向
G 理論的直線
SH 構造高さ
SL 構造長さ
SB 構造幅
LA 長手方向の間隔
SA 横方向の間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に長手方向(Q)および上側(2)および下側(3)および0.015〜0.1mm、好ましくは0.02〜0.06mmの厚さ(d)を有する、クロムおよびアルミニウム部分を含む、高温耐食性スチールからなるシートメタル層(1)であって、前記シートメタル層(1)は、前記長手方向(Q)に延びるか、または前記長手方向(Q)に対して鋭角に延びる不連続な微細構造(4、5)を含み、以下の特徴:
a.前記微細構造(4、5)は、構造高さ(SH)と、前記構造高さの半分において外側で寸法決めされた構造長さ(SL)と、前記構造高さの半分において外側で寸法決めされた構造幅(SB)と、前記シートメタル層(1)のほぼ長手方向に配置された最近接している前記微細構造(4、5)に対して前記構造高さの半分において寸法決めされた互いの間の間隔(LA)であって、前記間隔は中断部(6)によって形成される、間隔(LA)と、最近接して横方向に隣接する前記微細構造(4、5)に対して構造中心の間で寸法決めされた横方向の間隔(SA)と、を有すること、
b.前記微細構造(4、5)は、前記微細構造の一部が前記上側(2)に対して前記シートメタル層(1)から突出し、前記微細構造の一部が前記下側(3)に対して前記シートメタル層から突出するように設計されること、
c.前記微細構造(4、5)は、離間して配置され、前記長手方向(Q)に対して垂直な前記シートメタル層(1)にわたって延びる各理論的直線(G)が、前記上側(2)に対して突出する少なくとも2つの前記微細構造(4、5)および前記下側(3)に対して突出する2つの前記微細構造と交わるように設計されること、
によって特徴付けられ、
d.以下の関係を適用する:
前記構造高さ(SH)は0.02〜0.1mm、好ましくは0.06〜0.08mmであり、
前記構造長さ(SL)は2〜10mm、好ましくは4〜6mmであり、
前記構造幅(SB)は0.2〜1mm、好ましくはほぼ0.5mmであり、
前記シートメタル層(1)のほぼ長手方向において配置された最近接している前記微細構造に対する長手方向の前記間隔(LA)は2mmより長く、好ましくは4〜8mmであり、
最近接して横方向に隣接する前記微細構造(4、5)に対する横方向の間隔(SA)は1〜10mm、好ましくは2〜6mmである、
シートメタル層(1)。
【請求項2】
前記微細構造(4、5)は、前記長手方向Qにほぼ平行である列(R、R、...R)で配置され、1列における2つの微細構造の間の前記長手方向の間隔(LA)は2〜8mm、好ましくは4〜6mmである、請求項1に記載のシートメタル層(1)。
【請求項3】
前記微細構造(4、5)は、好ましくは単一のスタンピング工程において型打ちされる、請求項1または2に記載のシートメタル層(1)。
【請求項4】
少なくとも1つの列(R)における全ての前記微細構造(4)は前記上側(2)に対して突出し、一方、少なくとも1つの隣接する列(R)における全ての前記微細構造は前記下側(3)に対して突出する、請求項2または3に記載のシートメタル層(1)。
【請求項5】
異なる列(R、R、R、...、R)に属する前記微細構造(4、5)は、好ましくは前記構造長さ(SL)以下の長さで前記長手方向(Q)において互いに対してオフセットしている、請求項2〜4のいずれか一項に記載のシートメタル層(1)。
【請求項6】
実質的に平滑なシートメタル層(1)および波形のシートメタル層(8)の交互の層から巻かれ、および/または層状にされる、特に自動車における排気ガス浄化システムのためのろう付けしたハニカム体(10)であって、前記平滑なシートメタル層(1)のうちの少なくとも1つは、請求項1〜5のいずれか一項に記載の微細構造(4、5)を有して設計され、実質的に前記波形のシートメタル層(8)と前記微細構造(4、5)との間の接触点(9)のみで前記波形のシートメタル層(8)と前記平滑なシートメタル層(1)との間にろう付け点が存在する、ハニカム体(10)。
【請求項7】
5mm未満、好ましくは3mm未満の間隔で複数の隣接する対のろう付け接触点(9)が存在し、対に属する前記接触点は同じ波形ピーク(11)に沿って配置されるが、異なる微細構造(4、5)上に配置される、請求項6に記載のろう付けしたハニカム体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−524659(P2012−524659A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506460(P2012−506460)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055161
【国際公開番号】WO2010/122003
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(500038927)エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンス テクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング (156)
【Fターム(参考)】