説明

指定時間帯設定機能付きガス使用状況表示装置

【課題】最も経済的な時間帯別ガス料金メニューを設定可能な指定時間帯設定機能を備えたガス使用状況表示装置を提案すること。
【解決手段】検針用のハンディーターミナル6に内蔵のガス使用状況表示装置7は、指定時間帯設定スイッチ15が操作されると、電子式ガスメータ5の側から取得した一週間分の時間帯別ガス使用量に基づき、ガス使用量の多い所定数の時間帯を自動的に抽出する。抽出した時間帯が、電子式ガスメータ5の分計器8による指定時間積算値カウンタ27の指定時間帯として設定される。コジェネレーションシステムの実際の運転時間帯に対応した指定時間帯を設定でき、指定時間帯におけるガス使用量に割引料金を適用すれば、コジェネレーションシステムの実際の使用に対応したガス料金の値引きを行うことができ、コジェネレーションシステムの販売促進などに有利になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各家庭などにおいて時間帯別ガス使用量を含む各種のガス使用量の分計積算値群を表示可能なガス使用状況表示装置に関するものである。さらに詳しくは、ガス会社が提供しているガス料金メニューのうち、どれが最も経済的なガス料金メニューであるのかを表示内容から簡単に知ることができると共に、最も経済的な時間帯別ガス料金メニューを設定することができる指定時間帯設定機能付きガス使用状況表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスメータで計測されたガス流量に基づき、用途別、時間帯別、曜日別などのガス使用量を分計可能な分計器が各種提案されている。例えば、特許文献1に記載のマルチガスカウンタあるいはマルチガスメータは、用途別のガス使用量を分計するために、大流量積算値カウンタを用いて給湯のためのガス使用量を分計し、長時間積算値カウンタを用いて暖房のためのガス使用量を分計している。また、指定時間積算値カウンタを用いて時間帯別のガス使用量、例えば、昼間、早朝、深夜、晩などの指定時間帯におけるガス使用量を分計している。
【0003】
このような分計器を用いることにより、ガス会社は、ガス使用の夜間割引、特定ガス器具によるガス使用料の割引など、多様なガス料金メニューを採用して、ガス使用の普及、ガス器具の販売促進を行うことが可能になる。ガス使用量の分計器を用いてガス料金を算出するシステムについては、例えば、特許文献2に開示されている。
【特許文献1】特許第3357203号公報
【特許文献2】特開2004−85309号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来においては、各種の基準(用途別、ガス器具別、流量区分別、時間帯別、曜日別、日別などの基準)で分計されたガス使用量の分計積算値群は、専らガス会社によってガス料金算出などのために用いられているのみである。したがって、ガス消費者は、客観的な基準に基づき、提示された各種の割引料金が盛り込まれているガス料金メニューの中から、最も経済的な料金メニューを適切に選択することができなかった。
【0005】
このため、ガス消費者は自分の感と経験に基づき、最も割引が得られそうな料金メニューを選択せざるを得なかった。この結果、思ったほどの割引が得られず、不満を感ずることが多々ある。また、このような不満が多いと、ガス会社にとっても、ガスの普及、ガス器具の販売促進を効果的に行うことができない。
【0006】
特に、近年においてはガスを利用したコジェネレーションシステム(ガスエンジン・コジェネレーションシステム、ガスタービン・コジェネレーションシステム、燃料電池コジェネレーションシステム等)が普及しはじめている。コジェネレーションシステムは一般に学習機能を備えており、過去に使用した電力、給湯、暖房の状態に基づき、その運転時間を決定している。
【0007】
図13には、ガスエンジン・コジェンレーションシステムの運転状況の一例を示してある。ここに示す例では、学習により、1日9時間の運転を行っている。運転状態の学習は常時行われており、運転時間帯や1日の運転時間が順次変更される。
【0008】
コジェネレーションが運転される時間帯が分かっていれば、そのような時間帯におけるガス使用料金を割り引けば、コジェネレーションを使用した場合のガス料金が割安となり、コジェネレーションシステムの普及およびガスの拡販に繋がるので望ましい。
【0009】
しかしながら、コジェネレーションが運転される時間帯は学習によって変化する。このため、消費者がコジェネレーションシステムが運転される時間を予想して、そのような時間帯におけるガス使用量を割引対象とした場合には、実際のコジェネレーションシステムの運転時間と、割引対象として設定された指定時間帯とが合致しないことが多い。運転時間帯と割引対象の指定時間帯が合致していないと、ガス使用料金が予想した通りの割引料にならず、消費者が不満を感じることがある。このような不満が多いと、ガス会社にとってもガスの普及、ガス器具の販売促進を効果的に行うことができない。
【0010】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、ガス消費者が多様なガス料金メニューの中から、最も経済的なメニューを的確に選択できるように、ガス使用量の各種の分計積算値を分かり易い形態で表示することのできるガス使用状況表示装置を提案することにある。
【0011】
また、本発明の課題は、ガス会社が提供しているガス料金メニューのうち、どれが最も経済的なガス料金メニューであるのかを表示内容から簡単に知ることができると共に、最も経済的な時間帯別ガス料金メニューを設定することができる指定時間帯設定機能を備えたガス使用状況表示装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するために、本発明のガス使用状況表示装置は、
外部との間で通信を行う通信部と、
この通信部を介して、外部の分計器から供給される時間帯別ガス使用量、および、予め設定されている指定時間帯におけるガス使用量を示す指定時間帯分計積算値を含む分計積算値群を、グラフ表示するための表示部と、
この表示部による表示内容を切替制御する表示制御部と、
前記通信部を介して前記分計器の前記指定時間帯を設定および/または更新するための指定時間帯設定部とを有しており、
前記指定時間帯設定部は、少なくとも一週間分の前記時間帯別ガス使用量の中から、ガス使用量の多い順に所定数の時間帯を抽出し、抽出された各時間帯を前記分計器の前記指定時間帯として設定することを特徴としている。
【0013】
ここで、前記分計器から供給される分計積算値群には、次の(1)ないし(5)うちの少なくとも一つの分計積算値群が含まれていることを特徴としている。
【0014】
(1)用途別ガス使用量を示す分計積算値群
(2)流量区分別ガス使用量を示す分計積算値群
(3)ガス器具別ガス使用量を示す分計積算値群
(4)曜日別ガス使用量を示す分計積算値群
(5)日別ガス使用量を示す分計積算値群
【0015】
本発明では、前記通信部を介して外部の分計器から前記分計積算値群を供給する代わりに、当該分計器と同一機能を有する分計器が内蔵されたガス使用状況表示装置を用いることができる。この場合には、本発明のガス使用状況表示装置は、
外部との間で通信を行う通信部と、
この通信部を介して外部から供給されるガス使用流量に基づき、時間帯別ガス使用量、および、予め設定されている指定時間帯におけるガス使用量を示す指定時間帯分計積算値を含む分計積算値群を算出する分計器と、
前記時間帯別ガス使用量および前記分計積算値群をグラフ表示するための表示部と、
この表示部による表示内容を切替制御する表示制御部と、
前記分計器の前記指定時間帯を設定および/または更新するための指定時間帯設定部とを有しており、
前記指定時間帯設定部は、少なくとも一週間分の前記時間帯別ガス使用量の中から、ガス使用量の多い順に所定数の時間帯を抽出し、抽出された各時間帯を前記分計器の前記指定時間帯として設定することを特徴としている。
【0016】
この場合においても、前記分計器として、前記ガス使用流量に基づき、上記の(1)ないし(5)のうちの少なくとも一つの分計積算値群を算出するものを用いることができる。
【0017】
本発明のガス使用状況表示装置は分計積算値群をグラフ表示することができる。例えば、ガス器具別の分計積算値群のグラフ表示では、ガス器具毎に棒グラフ表示などによって、各ガス器具のガス使用量の全体に対して占める割合(百分率)を表示画面に表示できる。表示画面を見たガス消費者は、直感的に、最もガス使用割合の多いガス器具が分かるので、当該ガス器具によるガス使用量に割引料金が適用されるガス料金メニューを選択すれば、最も経済的なガス料金メニューが選択される。
【0018】
また、本発明のガス使用状況表示装置では、指定時間帯設定部によって、ガス使用量の多い所定数の時間帯が自動的に選択され、選択された時間帯が、外部の分計器あるいは内蔵の分計器の指定時間帯として設定される。また、指定時間帯設定部による指定時間帯の更新を例えば定期的に行うことにより、実際のガス使用状態に対応した指定時間帯を常に設定することができる。
【0019】
したがって、本発明によれば、コジェネレーションシステムの実際の運転時間帯に対応した指定時間帯を設定することができる。この結果、指定時間帯におけるガス使用量に割引料金を適用すれば、コジェネレーションシステムの使用に対応したガス料金の値引きを行うことができ、コジェネレーションシステムの販売促進などに有利になる。
【0020】
次に、本発明によるガス使用状況表示装置は、前記表示部の表示内容を切り替えるために操作される表示切替用手動操作部材を有し、この表示切替用手動操作部材が操作されると、前記表示制御部は、前記表示部によってグラフ表示される分計積算値群を予め定められた順番に従って切り替えることを特徴としている。
【0021】
単一の操作部材を繰り返し操作するという簡単な操作によって、用途別、ガス器具別、流量区分別、時間帯別などの各種の分計積算値群を切り替え表示できるので、多様な料金メニューの中から自分に最も適した料金メニューを選択することを簡単に行うことができる。
【0022】
また、各種のガス料金メニューを採用した場合におけるガス料金を比較できるようにするために、本発明によるガス使用状況表示装置は、少なくとも一つの前記分計積算値群に割り当てられているガス料金メニューに基づき、ガス料金を算出するガス料金算出部と、前記ガス料金を算出表示するために操作される自動計算用手動操作部材とを有し、前記表示制御部は、前記自動計算用手動操作部材が操作されると、前記ガス料金算出部にガス料金を算出させ、当該ガス料金を前記表示部によって表示させることを特徴としている。
【0023】
ここで、例えば、用途別のガス料金メニューにおいては、給湯用についての割引率と、暖房用についての割引率が異なる場合がある。このような場合についても、ガス料金を比較することができるようにするために、本発明によるガス使用状況表示装置は、少なくとも一つの前記分計積算値群に割り当てられているガス料金メニューでは、当該分計積算値群に含まれる少なくとも第1および第2分計積算値に対して、選択的に同一あるいは異なる第1および第2割引ガス料金がそれぞれ適用されるようになっており、前記自動計算用手動操作部材を繰り返し操作すると、前記表示部に、前記第1分計積算値に前記第1割引ガス料金を適用した場合の第1ガス料金と、前記第2分計積算値に前記第2割引ガス料金を適用した場合の第2ガス料金とが、所定の順序で周期的に切り替え表示されることを特徴としている。
【0024】
また、この場合において、最も経済的な料金メニューも表示できるようにすれば、ガス消費者にとってはガス料金メニューの選択に当って極めて便利である。このために、本発明によるガス使用状況表示装置は、前記自動計算用手動操作部材を繰り返し操作すると、前記表示部に、前記第1ガス料金、前記第2ガス料金、および、これらのガス料金のうち安い方の料金形態が、順次に切り替え表示されることを特徴としている。
【0025】
ここで、前記指定時間帯の設定および/または更新を行うために操作される指定時間帯設定用手動操作部材を配置しておき、この指定時間帯設定用手動操作部材を操作して、前記指定時間帯設定部による前記指定時間帯の設定あるいは更新動作を行うようにしてもよい。
【0026】
また、設定されている指定時間帯を確認できるようにするためには、設定されている前記指定時間帯を表示するための指定時間表示用手動操作部材を配置し、この指定時間表示用手動操作部材が操作された場合に、前記表示部に前記指定時間帯を表示させるようにすればよい。さらに、前記指定時間帯設定部によって前記指定時間帯が設定あるいは更新されたことを確認できるようにするためには、当該指定時間帯設定部によって前記指定時間帯が設定あるいは更新された場合に、設定あるいは更新後の前記指定時間帯を前記表示部に表示させるようにすればよい。
【0027】
なお、本発明によるガス使用状況表示装置は、独立した装置として構成する代わりに、ガスメータの検針に用いるハンディーターミナル、ガスメータから供給されるガス流量などのガス使用状況に関する情報を表示するための携帯用通信端末などに組み込むことも可能である。
【0028】
また、各ガス消費地に設置されたガスメータシステムと通信回線を介して接続されている集中監視装置とを備えたガス検針システムの場合には、集中監視装置の側に本発明によるガス使用状況表示装置を設置あるいは組み込むようにすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によるガス使用状況表示装置は、時間帯別ガス使用量を示す時間帯別分計積算値と、用途別ガス使用量、流量区分別ガス使用量などを示す分計積算値群とを、表示部にグラフ表示できるようになっている。したがって、表示内容から、自己のガス使用状態を的確に、しかも、客観的に知ることができる。よって、従来のように経験あるいは感覚的に理解していた自分のガス使用状態に基づき各種の料金割引形態が含まれている多様なガス料金メニューの中から自分のガス使用状況に最も適した経済的なものを的確に選択することも可能になる。
【0030】
特に、本発明では、指定時間帯設定部によって、ガス使用量の多い所定数の時間帯が自動的に選択され、選択された時間帯が、外部の分計器あるいは内蔵の分計器の指定時間帯として設定される。よって、指定時間帯設定部による指定時間帯の更新を例えば定期的に行うことにより、実際のガス使用状態に対応した指定時間帯が常に設定された状態が得られる。
【0031】
したがって、本発明によれば、ガス・コジェネレーションシステムの実際の運転時間帯に対応した指定時間帯を設定することができる。この結果、指定時間帯におけるガス使用量に割引料金を適用すれば、コジェネレーションシステムの使用に対応したガス料金の値引きを行うことができ、コジェネレーションシステムの販売促進などに有利になる。
【0032】
次に、本発明によるガス使用状況表示装置は、各種の料金割引が含まれている各分計積算値群について、選択的に料金割引を選択した場合のガス料金をそれぞれ自動的に計算して、切り替え表示できるようになっている。したがって、ガス消費者は表示された料金に基づき、簡単に最も経済的な料金メニューを選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に図面を参照して、本発明を適用したガス使用状況表示装置を備えたガスメータ検針システムを詳細に説明する。
【0034】
図1は本発明を適用したガスメータ検針システムの概略構成図である。本例のガスメータ検針システム1は、ガス消費地、例えば一般家庭2に設置されている複数台のガス器具3と、これらのガス器具3に供給されるガス流量を計測する電子式ガスメータ5と、電子式ガスメータ5の検針データを収拾するためのハンディーターミナル6を有している。ハンディーターミナル6は電子式ガスメータ5との間で電文通信により検針データを受け取る。このハンディーターミナル6にはガス使用状況表示装置7が内蔵されている。
【0035】
電子式ガスメータ5にはガス使用量を各種の基準に基づき分計する分計器8が内蔵されている。ハンディーターミナル6の操作面61には、表示器9の表示画面9aと、電源スイッチ10、検針用のファンクションキー群11に加えて、表示切替スイッチ12と、自動計算スイッチ13と、リセットスイッチ14が配置されている。また、指定時間帯設定スイッチ15および設定時間帯確認用の指定時間帯表示スイッチ16が配置されている。
【0036】
ハンディーターミナル6の通信ケーブル17を、電子式ガスメータ5の検針データ出力用のポート(図示せず)に接続した後に、電源スイッチ10を入れて検針用のファンクションキー群11を操作することにより、電子式ガスメータ5の分計器8による各種の分計積算値を取得できる。表示切替スイッチ12を操作することにより、表示画面9a上に、分計器8による各種の分計積算値をグラフ表示することが可能となっている。また、自動計算スイッチ13を操作することにより、各種のガス料金割引メニューにより算出されたガス使用料などを表示画面9a上に表示可能となっている。
【0037】
さらに、指定時間帯設定スイッチ15を操作すると、後述の指定時間積算値カウンタによってガス使用量が積算される指定時間帯が、ガス消費地である一般家庭2におけるガス使用状況に応じて自動設定される。また、一旦設定された指定時間帯が自動更新される。自動設定、自動更新された指定時間帯は確認のために表示画面9aに表示される。また、指定時間帯表示スイッチ16を操作すると、設定されている指定時間帯を呼び出して表示画面9aに表示することができるようになっている。
【0038】
図2は、分計器8が内蔵されている電子式ガスメータ5、および、ガス使用状況表示装置7が内蔵されているハンディーターミナル6の制御系を示す概略ブロック図である。この図に示すように、電子式ガスメータ5は、ガス流通部(図示せず)を流れるガス流量を計量する機械式計量部21と、この機械式計量部21の計量結果に基づきガス流量の積算値をカウントする機械式カウンタ22およびメータ積算値カウンタ23と、マイクロコンピュータから構成される制御部24とを有している。
【0039】
電子式ガスメータ5に内蔵されている分計器8は、制御部24の制御の下に動作する長時間積算値カウンタ25と、大流量積算値カウンタ26と、指定時間積算値カウンタ27と、通常積算値カウンタ28と、時間帯別ガス使用量記憶部29とを備えている。時間帯別ガス使用量記憶部29に保持されている時間帯別ガス使用量は、制御部24の制御の下に、通信部30を介して、ハンディーターミナル6の側に伝送可能となっている。この時間帯別ガス使用量記憶部29は、少なくとも一週間分の時間帯別ガス使用量を記憶保持するようになっている。
【0040】
ハンディーターミナル6は、公知の検針処理動作を行う検針部31とガス使用状況表示装置7とを備えている。これらは、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータから構成されており、ROM内に格納されている検針処理用の制御プログラム、ガス使用状況表示用の制御プログラム、指定時間帯設定用の制御プログラムなどを実行することにより各種の処理動作を行う。
【0041】
検針部31では、検針用のファンクションキー群11が操作されると、通信部32および通信ケーブル17を介して、電子式ガスメータ5の側から検針データを取得する動作を含む一連の検針動作を行う。すなわち、各積算値カウンタ23、25〜28の分計積算値群を取得し、記憶部33に格納する。また、プリンタ34を駆動して検針データをプリントアウトする。また、直近の一週間分の時間帯別ガス使用量が取得されて記憶部33に保持される。
【0042】
ガス使用状況表示装置7はデータ処理機能を備えており、受信した分計積算値群を表示器9の表示画面9a上にグラフ表示するためのグラフ表示データを作成する。また、ガス料金算出機能を備えており、各積算値カウンタ23、25〜28による各種の分計積算値群とガス料金メニューとに基づき、ガス料金を算出する。さらに、表示器9を駆動制御して、分計積算値群のグラフ表示およびガス料金などの表示を行わせる表示制御機能を備えている。
【0043】
表示切替スイッチ12が操作されると、電子式ガスメータ5の側から取得した各種の積算値群をグラフ表示するための表示データを作成する。作成された表示データは、表示器9の表示画面9a上にグラフ表示される。また、自動計算スイッチ13が操作されると、表示切替スイッチ12の操作により選択されている分計積算値群について、各料金割引が適用された場合のガス料金の算出動作を行う。算出されたガス料金は表示器9の表示画面9a上に表示される。リセットスイッチ14が操作されると各部が初期化される。
【0044】
さらに、ガス使用状況表示装置7は指定時間帯設定機能を備えており、指定時間帯設定スイッチ15が操作されると、例えば、直近の一週間分の時間帯別ガス使用量を記憶部33から読み出す。読み出した一週間分の時間帯別ガス使用量のうち、ガス使用量の多い順に所定数の時間帯、例えば50の時間帯を抽出する。抽出結果は記憶部33に記憶保持される。また、抽出した各時間帯におけるガス使用量が指定時間帯分計積算値として積算されるように、通信部32および通信ケーブル17を介して、電子式ガスメータ5の分計器8の指定時間積算値カウンタ27を設定する。すなわち、抽出した50の時間帯を指定時間積算値カウンタ27の指定時間として設定するための信号を生成して供給する。
【0045】
指定時間帯表示スイッチ16を操作すると、記憶部33に記憶保持されている一週間分の時間帯別ガス使用量、および、設定された指定時間帯が表示される。例えば、指定時間帯表示スイッチ16を操作すると、表示器9の表示画面9aに直近の一週間分の時間帯別ガス使用量が表示され、指定時間帯表示スイッチ16を再度操作すると、設定された指定時間帯の表示に切り替わる。指定時間帯表示スイッチ16の操作に応じて、これらの表示が順次に切り替わるようになっている。
【0046】
なお、スイッチ10〜16としては、機械式スイッチ、リードスイッチとマグネットを組み合わせたものなどを用いることができる。
【0047】
(積算値カウンタ)
図3、4および5を参照して、分計器8における3つの積算値カウンタ25〜27について説明する。
【0048】
まず、図3には長時間積算値をカウントするための長時間積算値カウンタ25の動作を示してある。この長時間積算値カウンタ25は、拡販対象の暖房器具などの特定ガス器具を使用している時のガスの従量単価を別料金とするために、一定流量以上のガス流量で、一定時間以上にわたりガスが使用された場合のガス流量の積算値を分計するためのものである。
【0049】
例えば、図3(a)に示すように、ガス流量がQ以上の使用状態が、一定時間T以上にわたる場合に、長時間積算値カウンタ25が積算値をカウントするものとする。図においては、流量Q以上の時間が一定時間Tよりも長い時間tに亘っており、この場合には、網掛け部分が長時間積算値となり、この面積分に相当するガス量が長時間積算値カウンタ25に加算される。
【0050】
すなわち、図3(b)のフローチャートに従って説明すると、まず、ガス流量が設定値Qを超えた時に、その時点の積算値Csを記憶する(ステップST1)。次に、ガス流量が設定値Qを下回った時、その時点の積算値Ceを記憶する(ステップST2)。次に、継続時間tが設定時間T以上の場合には、t時間内の積算値(Ce−Cs)を長時間積算カウンタ25に加算する(ステップST3)。しかるに、継続時間tが設定時間T未満の場合には、長時間積算値カウンタ25への加算は行わない。
【0051】
このような分計動作を行う長時間積算値カウンタ25を用いることにより、使用ガス器具を特定することができる。
【0052】
図4に大流量積算値を分計するための大流量積算値カウンタ26の動作を示してある。この大流量積算値カウンタ26は、ガス給湯器等の特定ガス器具を使用している時のガスの従量単価を別料金とするために、一定流量以上のガス流量の積算値を分計するためのものである。
【0053】
例えば、図4(a)に示すように、ガス流量がQ以上の場合に、網掛け部分の面積に相当するガス流量の積算値が、大流量積算値カウンタ26によりカウントされる。
【0054】
すなわち、図4(b)のフローチャートに従って説明すると、まず、ガス流量が設定値Qを超えた時に、その時点の積算値Csを記憶する(ステップST11)。次に、ガス流量が設定値Qを下回った時、その時点の積算値Ceを記憶する(ステップST12)。次に、積算値(Ce−Cs)を大流量積算値カウンタ26に加算する(ステップST13)。
【0055】
このような分計動作を行う大流量積算値カウンタ26を用いることにより、使用ガス器具を特定することができる。
【0056】
図5には指定時間積算値を分計するための指定時間積算値カウンタ27の動作を示してある。この指定時間積算値カウンタ27は、夜間、土日休日、指定の季節などのガスの従量単価を別料金とするために、指定時間帯の積算値をカウントするためのものである。
【0057】
例えば、図5(a)に示すように、時刻t1およびt2で規定される指定時間帯(網掛け
部分)のガス流量の積算値が、指定時間積算値カウンタ27によって分計される。
【0058】
図5(b)のフローチャートに従って説明すると、まず、指定時間t1になった時に、その時点の積算値Csを記憶する(ステップST21)。次に、指定時間t2になった時、その時点の積算値Ceを記憶する(ステップST22)。次に、指定時間帯である時間t1からt2までの積算値(Ce−Cs)を指定時間積算値カウンタ27に加算する(ステップS
T23)。
【0059】
なお、通常積算値カウンタ28は、長時間積算値カウンタ25および大流量積算値カウンタ26によってカウントされてないガス流量の積算値をカウントするためのものである。
【0060】
このように、分計器8における各積算値カウンタ23、25〜28は、異なる条件でのガス流量の積算値をカウントするものであり、各積算値カウンタ25〜27は同時にカウントを行うことの無いように、予め定めた優先順位でカウントを行い、これらによってカウントされない残りのガス使用量がカウンタ28によってカウントされるようになっている。
【0061】
(ガス使用状況表示装置の表示動作)
図6はハンディーターミナル6に内蔵されているガス使用状況表示装置7の表示動作を示すフローチャートであり、図7(a)ないし(e)は、積算値をグラフ表示した場合の画面表示例を示す説明図である。本例では、表示切替スイッチ12が操作される毎に、表示器9に表示される分計積算値群が、用途別ガス使用割合(用途別分計積算値群)、時間帯別ガス使用割合(時間帯別分計積算値群)、曜日別ガス使用割合(曜日別分計積算値群)、日別ガス使用割合(日別分計積算値群)の順に周期的に切り替わる。本例では、各分計積算値群の表示が、全ガス使用量に対する割合が分かるようにグラフ表示される。
【0062】
図6に従って説明すると、電源スイッチ10が投入された状態では、表示画面9aは表示無しの状態とされている(ステップST1)。この状態において表示切替スイッチ12を一回押すと、画面表示が図7(a)に示す用途別ガス使用割合のグラフ表示に切り替わる(ステップST2)。
【0063】
用途別分計積算値群は、コンロ用分計積算値、給湯用分計積算値およびストーブ用分計積算値を含み、これらが全ガス使用量に対する百分率でグラフ表示される。コンロ帯は通常積算値カウンタ28のカウントによるものであり、給湯帯は大流量積算値カウンタ26のカウントによるものであり、ストーブ帯は長時間積算値カウンタ25のカウントによるものである。なお、図7(b)には、別のグラフ表示形態を示してあり、コンロ帯、給湯帯、ストーブ帯の各使用量がそれぞれ棒グラフで表示されている。
【0064】
用途別ガス使用割合のグラフ表示状態において、表示切替スイッチ12を操作すると、表示画面が図7(c)に示す時間帯別ガス使用割合のグラフ表示に切り替わる(ステップST3)。時間帯別分計積算値群は各時間における分計積算値を含んでおり、一日におけるガス流量の積算値が一時間毎にグラフ表示される。
【0065】
このグラフは、縦軸が、一日の各時間における積算値の最大値を100としたときの指数表示であり、4段階表示で表してある。時間帯別分計積算値は、メータ積算値カウンタ23の積算値から算出したものである。なお、積算値記憶部29に、複数日分のメータ積算値カウンタ23による積算値が保持されている場合には、それを平均したものが同様にしてグラフ表示される。
【0066】
時間帯別ガス使用割合の表示状態において表示切替スイッチ12が操作されると、表示画面が図7(d)に示す曜日別ガス使用割合のグラフ表示に切り替わる(ステップST4)。曜日別分計積算値群は各曜日の分計積算値を含んでおり、曜日毎の分計積算値がグラフ表示される。
【0067】
このグラフにおいて、縦軸は、一週間の各曜日における積算値の最大値を100としたときの指数表示であり、4段階表示で表してある。曜日別分計積算値はメータ積算値カウンタ23の積算値から算出したものである。なお、積算値記憶部29に、複数週分の各曜日の分計積算値が保持されている場合には、それらの平均値がグラフ表示される。
【0068】
表示切替スイッチ12が再度操作されると、画面表示が図7(e)に示す日別ガス使用割合のグラフ表示に切り替わる(ステップST5)。日別分計積算値群は一ヶ月の各日におけるガス使用量の分計積算値を含んでおり、一ヶ月間におけるガス流量の積算値が一日毎にグラフ表示される。
【0069】
このグラフにおいて、縦軸は、一ヶ月間の各日における積算値の最大値を100としたときの指数表示であり、4段階表示で表してある。日別分計積算値もメータ積算値カウンタ23の積算値から算出される。なお、積算値記憶部29に複数ヶ月分の日別分計積算値が保持されている場合には、それらを平均したものがグラフ表示される。
【0070】
なお、上記のグラフ表示例以外にも、例えば、時間帯別ガス使用割合のグラフ表示では、1日を2時間毎あるいは3時間毎に区切るといったことも可能である。他のガス使用割合のグラフ表示でも同様である。また、一年間を、1週間毎、2週間毎・・・、あるいは1ヶ月毎、2ヶ月毎・・・に区切り、その間の積算値をグラフ表示してもよい。このようなグラフ表示をすると、季節毎のガス使用量を把握できるので、料金メニューに季節割引がある場合にはその指標となるので便利である。
【0071】
次に、上記の各ガス使用割合のグラフ表示状態(ステップST2、3、4、5)において、自動計算スイッチ13が操作されると、各種の割引ガス料金の一つが適用された場合のガス料金の表示画面に切り替わる。自動計算スイッチ13が更に操作されと、異なる割引ガス料金が適用された場合のガス料金の表示画面に切り替わる。さらに自動計算スイッチ13が操作されると、最も経済的なガス料金となるガス料金メニューを「お奨めメニュー」として表示する画面に切り替わる。このような表示が、自動計算スイッチ13の操作毎に周期的に切り替わるようになっている。
【0072】
例えば、用途別ガス使用割合のグラフ表示状態(ステップST2)において、自動計算スイッチ13を操作すると、給湯割引を適応した場合のガス料金、すなわち、給湯用分計積算値に割引ガス料金を乗算して算出された料金に、他のガス使用量に定額従量単価を乗算して算出された料金を加算したガス料金が求められ、これが、「給湯割引適用」の文字と共に表示される(ステップST2(1))。この表示状態において自動計算スイッチ13を再度押すと、暖房割引を適用した場合のガス使用料金が「暖房割引適用」の文字と共に表示される(ステップST2(2))。自動計算スイッチ13を再度押すと、給湯割引および暖房割引を適用する場合のうち、より安いガス使用料金となる方を、「お奨めメニュー」の文字と共に表示する(ステップST2(3))。
【0073】
時間帯別ガス使用割合のグラフ表示状態(ステップST3)においても、自動計算スイッチ13が操作される毎に、各分計積算値に割引料金を適用した場合におけるガス使用料金が自動計算されて、割引対象の時間帯とともに表示される(ステップST3(1)、・・・
ST3(k−1))。本例では、ガス料金メニューとしてコジェネレーション使用に対応した指定時間帯割引メニューが用意されている。この場合は、一週間における設定されている50の指定時間帯のガス使用量が割引ガス料金の適用対象であり、設定されている50の指定時間帯に基づきガス使用料金が自動計算されて割引対象の時間帯と共に表示される(ステップST3(i))。また、n回目の操作によって、最も経済的なガス使用料金となる場合が表示される(ステップST3(k))。
【0074】
曜日別ガス使用割合のグラフ表示状態(ステップST4)および日別ガス使用割合のグラフ表示状態(ステップST5)においても割引された各ガス使用料金および最も経済的なお奨めメニューが所定の順序で周期的に切替表示される(ステップST4(1)・・、4(m−1)、4(m))(ステップST5(1)・・・、5(n−1)、5(n))。
【0075】
(指定時間帯の自動設定・自動更新)
次に、図8を参照して、ガス使用状況表示装置7の指定時間帯設定機能による指定時間帯の設定・更新動作例を説明する。図8(a)に示すように、記憶部33には、直近の一週間分の各時間のガス使用量の積算値(単位リットル)が記憶保持される。この一週間分のデータに基づき、ガス使用量の最も多い順に50時間分の時間帯が抽出される。図8(b)には抽出された時間帯を黒丸で表示してある。
【0076】
なお、直近の一週間分の積算値の代わりに、二週間分、あるいは三週間分以上の積算値を用いることもできる。また、抽出する時間帯も、50時間分の代わりに、それよりも少ない時間分、あるいは、それよりも多い時間分としてもよい。
【0077】
抽出された時間帯は記憶部33に記憶保持される。また、抽出した各時間帯におけるガス使用量が指定時間積算値として積算されるように、通信部32および通信ケーブル17を介して、電子式ガスメータ5の分計器8における指定時間積算値カウンタ27が設定される。
【0078】
ここで、指定時間帯を予め設定しておき、一週間毎に指定時間帯の自動更新を行うようにしてもよい。また、指定時間帯を未設定状態としておき、例えば一週間経過後に指定時間帯設定機能によって指定時間帯を自動設定してもよい。本例では、指定時間帯設定スイッチ15が配置されており、指定時間帯が未設定状態において当該スイッチ15を操作すると指定時間帯が設定される。また、設定後に再び指定時間帯設定スイッチ15が操作されると、設定されている指定時間帯が更新される。
【0079】
次に、指定時間帯表示スイッチ16を操作すると、記憶部33に記憶保持されている一週間分の時間帯別ガス使用量、および、設定された指定時間帯が表示される。先に述べたように、本例では、指定時間帯表示スイッチ16を操作すると、表示器9の表示画面9aに図8(a)に示すような、直近の一週間分の時間帯別ガス使用量の一覧表が表示される。指定時間帯表示スイッチ16を再度操作すると、図8(b)に示すように指定時間帯が黒丸で表示された一覧表が表示される。
【0080】
(その他の実施の形態)
なお、ガス使用状況表示装置7をハンディーターミナル6から分離させて、独立したガス使用状況表示装置としてもよい。また、ガス使用状況表示装置7に分計器8を内蔵させてもよい。さらに、ガス使用状況表示装置7を、ハンディーターミナル6に内蔵する代わりに、ガスメータ5から供給されるガス流量などのガス使用状況に関する情報を表示するためのPDAなどの携帯用通信端末に組み込むことも可能である。また、各ガス消費地でのガス使用量などを通信回線を介して集中監視している集中監視システムの側に搭載することも可能である。
【0081】
次に、分計器8も独立した装置として構成することができる。また、ガスメータ5に内蔵する代わりに、ガスメータ5から供給されるガス流量などのガス使用状況に関する情報を表示するための表示器、ガスメータ5によって計量されたガス流量を通信回線を介して送信するために用いる伝送装置、ガスメータの検針のために用いるハンディーターミナル6、ガスメータ5から供給されるガス流量などのガス使用状況に関する情報を表示するための携帯用通信端末などに組み込むことも可能である。
【0082】
図9には本発明を適用したシステム構成例を示してある。図9(a)は、前述の例であり、電子式ガスメータ5に分計器8が内蔵され、ハンディーターミナル6にガス使用状況表示装置7が内蔵されている例である。図9(b)は、電子式ガスメータ5から供給されるガス流量などのガス使用状況に関する情報を表示するための表示器41に分計器8が内蔵され、ハンディーターミナル6にガス使用状況表示装置7が内蔵されている例である。
【0083】
図10にはガス使用状況表示装置7が内蔵された検針用のPDA42を用いたシステム構成例であり、(a)は電子式ガスメータ5に分計器8が内蔵された例であり、(b)は検針データ表示用の表示器41に分計器8が内蔵された例である。
【0084】
図11および図12は、本発明を、各ガス消費地に設置されたガスメータシステムと通信回線を介して接続されている集中監視装置を備えたガス検針システムに適用した場合を示してある。図11(a)は、分計器8を備えたガスメータ5に、伝送装置(NCU)又はPHS型伝送装置43が接続された構成のガスメータシステム44が、電話回線などの通信回線45を介して集中監視装置46に接続されている例である。集中監視装置46にガス使用状況表示装置7が内蔵されている。図11(b)は、ガスメータ5に分計器8を備えた表示器41が接続され、この表示器41に伝送装置43が接続されたガスメータシステム44aが、電話回線などの通信回線45を介して、ガス使用状況表示装置7が内蔵されている集中監視装置46に接続されている例である。
【0085】
図12は、ガス検針システムに特定小電力無線を使用する場合のシステム構成例を示す図である。図12(a)では、分計器8を備えたガスメータ5に接続した無線子機47と伝送装置43に接続した無線親機48の間で通信が行われるガスメータシステム44bが、電話回線などの通信回線45を介して、ガス使用状況表示装置7が内蔵されている集中監視装置46に接続されている例である。図12(b)は、ガスメータ5に、分計器を備えた表示器41が接続され、この表示器41に無線子機47が接続され、伝送装置43に接続された無線親機48との間で通信が行われるガスメータシステム44cが、電話回線などの通信回線を介して、ガス使用状況表示装置7が内蔵されている集中監視装置46に接続されている例である。
【0086】
なお、上記の各例において、ハンディーターミナル6およびPDA42の接続方式としては、有線、特定省電力無線、微弱無線、RFID、Bluetoothなどがある。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明を適用したガスメータシステムの概略構成図である。
【図2】図1の制御系を示す概略ブロック図である。
【図3】長時間積算値カウンタの動作を示す説明図である。
【図4】大流量積算値カウンタの動作を示す説明図である。
【図5】指定時間積算値カウンタの動作を示す説明図である。
【図6】ガス使用状況表示装置の表示動作を示すフローチャートである。
【図7】分計積算値群のグラフ表示例を示す説明図である。
【図8】指定時間帯の更新動作を示す説明図である。
【図9】本発明を適用した各種の実施の形態を示す説明図である。
【図10】本発明を適用した各種の実施の形態を示す説明図である。
【図11】本発明を適用した実施の形態の二例を示す説明図である。
【図12】本発明を適用した実施の形態を示す説明図である。
【図13】ガスエンジン・コジェネレーションシステムの運転状況の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0088】
1 ガスメータシステム
2 一般家庭(ガス消費地)
3 ガス器具
5 ガスメータ
6 ハンディーターミナル
7 ガス使用状況表示装置
8 分計器
9 表示器
10 電源スイッチ
11 検針用のファンクションキー群
12 表示切替スイッチ
13 自動計算スイッチ
14 リセットスイッチ
15 指定時間帯設定スイッチ
16 指定時間帯表示スイッチ
17 通信ケーブル
23 メータ積算値カウンタ
25 長時間積算値カウンタ
26 大流量積算値カウンタ
27 指定時間積算値カウンタ
28 通常積算値カウンタ
29 指定時間帯ガス使用量記憶部
31 制御部
32 通信部
33 記憶部
34 プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部との間で通信を行う通信部と、
この通信部を介して、外部の分計器から供給される時間帯別ガス使用量、および、予め設定されている指定時間帯におけるガス使用量を示す指定時間帯分計積算値を含む分計積算値群を、グラフ表示するための表示部と、
この表示部による表示内容を切替制御する表示制御部と、
前記通信部を介して前記分計器の前記指定時間帯を設定および/または更新するための指定時間帯設定部とを有しており、
前記指定時間帯設定部は、少なくとも一週間分の前記時間帯別ガス使用量の中から、ガス使用量の多い順に所定数の時間帯を抽出し、抽出された各時間帯を前記分計器の前記指定時間帯として設定することを特徴とするガス使用状況表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記分計器から供給される分計積算値群には、次の(1)ないし(5)うちの少なくとも一つの分計積算値群が含まれていることを特徴とするガス使用状況表示装置。
(1)用途別ガス使用量を示す分計積算値群
(2)流量区分別ガス使用量を示す分計積算値群
(3)ガス器具別ガス使用量を示す分計積算値群
(4)曜日別ガス使用量を示す分計積算値群
(5)日別ガス使用量を示す分計積算値群
【請求項3】
外部との間で通信を行う通信部と、
この通信部を介して外部から供給されるガス使用流量に基づき、時間帯別ガス使用量、および、予め設定されている指定時間帯におけるガス使用量を示す指定時間帯分計積算値を含む分計積算値群を算出する分計器と、
前記時間帯別ガス使用量および前記分計積算値群をグラフ表示するための表示部と、
この表示部による表示内容を切替制御する表示制御部と、
前記分計器の前記指定時間帯を設定および/または更新するための指定時間帯設定部とを有しており、
前記指定時間帯設定部は、少なくとも一週間分の前記時間帯別ガス使用量の中から、ガス使用量の多い順に所定数の時間帯を抽出し、抽出された各時間帯を前記分計器の前記指定時間帯として設定することを特徴とするガス使用状況表示装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記分計器は、前記ガス使用流量に基づき、次の(1)ないし(5)のうちの少なくとも一つの分計積算値群を算出することを特徴とするガス使用状況表示装置。
(1)用途別ガス使用量を示す分計積算値群
(2)流量区分別ガス使用量を示す分計積算値群
(3)ガス器具別ガス使用量を示す分計積算値群
(4)曜日別ガス使用量を示す分計積算値群
(5)日別ガス使用量を示す分計積算値群
【請求項5】
請求項2または4において、
表示切替用手動操作部材を有し、
この表示切替用手動操作部材が操作されると、前記表示制御部は、前記表示部によってグラフ表示される分計積算値群を、予め定められた順番に従って切り替えることを特徴とするガス使用状況表示装置。
【請求項6】
請求項5において、
少なくとも一つの前記分計積算値群に割り当てられているガス料金メニューに基づき、ガス料金を算出するガス料金算出部と、
前記ガス料金を算出表示するために操作される自動計算用手動操作部材とを有し、
前記表示制御部は、前記自動計算用手動操作部材が操作されると、前記ガス料金算出部にガス料金を算出させ、当該ガス料金を前記表示部によって表示させることを特徴とするガス使用状況表示装置。
【請求項7】
請求項6において、
少なくとも一つの前記分計積算値群に割り当てられているガス料金メニューでは、当該分計積算値群に含まれる少なくとも第1および第2分計積算値に対して、選択的に同一あるいは異なる第1および第2割引ガス料金がそれぞれ適用されるようになっており、
前記自動計算用手動操作部材を繰り返し操作すると、前記表示部に、前記第1分計積算値に前記第1割引ガス料金を適用した場合の第1ガス料金と、前記第2分計積算値に前記第2割引ガス料金を適用した場合の第2ガス料金とが、所定の順序で周期的に切り替え表示されることを特徴とするガス使用状況表示装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記自動計算用手動操作部材を繰り返し操作すると、前記表示部に、前記第1ガス料金、前記第2ガス料金、および、これらのガス料金のうち安い方の料金形態が、順次に切り替え表示されることを特徴とするガス使用状況表示装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のうちのいずれかの項において、
指定時間帯設定用手動操作部材を有し、
この指定時間帯設定用手動操作部材が操作されると、前記指定時間帯設定部による前記指定時間帯の設定動作および/または更新動作が行われることを特徴とするガス使用状況表示装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のうちのいずれかの項において、
指定時間帯表示用手動操作部材を有し、
前記表示制御部は、前記指定時間帯表示用手動操作部材が操作された場合には、設定されている前記指定時間帯を前記表示部に表示させ、前記指定時間帯設定部によって前記指定時間帯が設定および/または更新された場合には、設定および/または更新後の前記指定時間帯を前記表示部に表示させることを特徴とするガス使用状況表示装置。
【請求項11】
ガスメータの検針のために用いるハンディーターミナルにおいて、
請求項1ないし10のいずれかの項に記載のガス使用状況表示装置が内蔵されていることを特徴とするハンディーターミナル。
【請求項12】
ガスメータから供給されるガス流量などのガス使用状況に関する情報を表示するための携帯用通信端末において、
請求項1ないし10のいずれかの項に記載のガス使用状況表示装置が内蔵されていることを特徴とする携帯用通信端末。
【請求項13】
ガス消費地に設置されているガスメータシステムと、
このガスメータシステムに対して通信回線を介して接続されている集中監視装置とを有し、
前記ガスメータシステムは、ガスメータと、このガスメータおよび前記集中監視装置の間を通信接続するための伝送装置とを備えており、
前記集中監視装置は、請求項1ないし10のいずれかの項に記載のガス使用状況表示装置を備えていることを特徴とするガス検針システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−263803(P2007−263803A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−90286(P2006−90286)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000222657)東洋計器株式会社 (39)
【Fターム(参考)】