説明

捕虫装置

【課題】 捕獲した虫の検知精度を向上させるとともに、高い捕獲効率を併せ持つ捕虫装置を提供する。
【解決手段】 筐体内において、光センサが、光センサの発光部と受光部との間の光路が検知空間に横並びに配列されるようにして複数設けられているため、虫の数を正確に検知して計数することができる。また、計数器は、光センサの受光部からの信号に対し、虫を検知したものとしてカウントする閾値が設定されているとともに、虫を検知していない時の受光信号レベルであるベースレベルが変化したときに、ベースレベルの変化に追従させるようにして閾値を調整するゲイン調整機能とを有している。従って、虫を検知していない時の、受光部の受光信号のベースレベルが低下した場合であっても、光センサによる虫の検知が可能となる。これにより、光センサの汚れや劣化等によってベースレベルが変化しても、虫の検知及び計数を高精度で行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光ランプ等の誘虫ランプの光によって誘引した虫を捕獲するとともに、捕獲した虫を検知して計数する手段とを備えた捕虫装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飛来した害虫を駆除する捕虫装置としては、害虫を誘引する蛍光管等ランプを備え、誘引された害虫を、例えば粘着シートで付着捕獲するものや殺虫薬剤等を使用して捕殺するものがある。
また、近年、捕虫した害虫を計数して記録する計数手段を備えたものが使用されるようになっている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
【特許文献1】特開2000−69893号公報
【特許文献2】特開平10−99001号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載された捕虫装置は、筐体にスリット状に形成された捕虫口から筐体内に誘虫した虫を筐体内に設置した漏斗に落下させて、漏斗下端の狭い落とし口へ導き、この落とし口に設けられた計数器によって、落とし口を通過する虫の数を計数するようになっている。しかしながら、一度に複数の虫が漏斗上に落下してきた場合、狭い落とし口で虫同士の重なり合いが生じやすく、過小カウントが発生するケースがあった。
また、特許文献2に記載された捕虫装置は、スリット状の侵入口から虫を誘引し、侵入口に備えられたセンサによって侵入した虫を検知し、捕虫口上方に配設された捕虫シートによって虫を捕獲するものであるが、捕虫口から侵入した虫を全て検知するため、捕虫シートで捕殺されずに再度捕虫口から逃げ出した虫を重複検知してしまい、過大カウントしてしまうケースがあった。
【0004】
本発明は上述の問題に鑑みて、捕獲した虫の検知精度を向上させるとともに、高い捕獲効率を併せ持つ捕虫装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、捕虫口を有する筐体と、この筐体の内部に設置された誘虫ランプと、前記筐体内にて前記誘虫ランプの下方に設置された捕虫器と、前記誘虫ランプと前記捕虫器との間に確保された検知空間に入った虫を検知するための光センサと、前記光センサから入力される検知信号に基づいて、前記光センサによって検知された虫の数をカウントする計数器とを具備し、前記光センサは、前記検知空間を介して対向配置された発光部と受光部との対を有して構成され、前記筐体には、前記光センサの前記発光部と前記受光部との間の光路が前記検知空間に横並びに配列されるようにして、前記光センサが複数設けられていることを特徴とする捕虫装置を提供する。
また、本発明は、前記計数器に、前記光センサの受光部の受光量の変化に応じてレベル変化する受光信号が前記光センサから入力されるようになっており、前記計数器は、前記受光信号のレベルが、前記光センサが虫を検知していない時の前記受光信号のレベルであるベースレベルから前記受光部における受光量の減少によって変化して、前記ベースレベルとは別に設定した閾値に達したときに、前記光センサが虫を検知したものとみなしてカウントする機能と、前記ベースレベルが変化したときに該ベースレベルの変化に追従させるようにして前記閾値を調整するゲイン調整機能とを有することを特徴とする捕虫装置を提供する。
本発明の前記捕虫口には、該捕虫口を複数に仕切る仕切部材が設けられている構成としても良い。
また、前記仕切部材を紫外線透過性材料から構成しても良い。
【発明の効果】
【0006】
本発明の請求項1に係る捕虫装置によれば、筐体内において、光センサが、光センサの発光部と受光部との間の光路が検知空間に横並びに配列されるようにして複数設けられているため、検知空間に、一度に複数の虫が落下してきた場合でも、虫同士の重なり合いが生じにくい。これにより、虫の数を正確に検知して計数することができる。
本発明の請求項2に係る捕虫装置によれば、計数器が、光センサの受光部からの受光信号に対し、虫を検知したものとしてカウントする閾値が設定されているとともに、虫を検知していない時の受光信号レベルであるベースレベルが変化したときに、ベースレベルの変化に追従させるようにして閾値を調整するゲイン調整機能とを有している。従って、虫を検知していない時の、受光部の受光信号のベースレベルが低下した場合であっても、光センサによる虫の検知が可能となる。これにより、光センサの汚れや劣化等によってベースレベルが変化しても、虫の検知及び計数を高精度で行うことができる。
本発明の請求項3に係る捕虫装置によれば、捕虫口に、この捕虫口を複数に仕切る仕切部材を設けることにより、一度、筐体内に侵入した虫が筐体の外に逃げ出しにくくなるとともに、大型昆虫の侵入を防止している。これにより、捕獲効率が高まるとともに、大型昆虫の侵入による虫の捕獲数の過大カウントが防止され、計数精度が高められる。
本発明の請求項4に係る捕虫装置によれば、仕切部材を紫外線透過性材料によって構成することにより、誘虫ランプの光が捕虫口から外に放射されやすくなる。これにより、誘虫効果が高まり、虫の捕獲効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
図1、図2に示すように、本実施形態における捕虫装置1は、捕虫口3a、3bを有する筐体2と、この筐体2内の上方に設置されて虫10を筐体2内に誘引する誘虫ランプ4と、筐体2内にて誘虫ランプ4の下方に設置されて虫10を捕獲する捕虫器6と、誘虫ランプ4と捕虫器6との間に確保された検知空間8を上から下へ通過する虫10を検知するための光センサ5とを具備している。
また、筐体2の外部には、光センサ5から入力される検知信号に基づいて、光センサ5によって検知された虫10の数をカウントする計数器7が設けられ、接続線71によって筐体2の内部と接続されている。
【0008】
図1、図2に示すように、筐体2は、全体として横長の箱であり、前面板21及び後面板22が奥行き方向(図1において左右方向)に対向して配設されているとともに、横長の上板23及び底板24が上下方向(図1、図2において上下方向)に対向して配設され、縦長の側板25、26が左右方向(図2において左右方向)に対向して配設されている。
筐体2の内部は、捕虫装置1を構成する部品の一部が収納される他、虫10が誘引されて検知、捕獲される空間として機能する。
【0009】
捕虫口3a、3bは、筐体2の前面板21及び後面板22の上方に設けられる横長の孔であり、筐体2の前後方向において対向して配設され、筐体2内部への虫10の侵入口として機能する。
この捕虫口3a、3bには、横長板状の仕切部材31を上下方向に並べて複数有する仕切ユニット33が取り付けられている。この仕切ユニット33は、捕虫口3a、3bを仕切部材31によって上下方向で仕切ることで、横長の孔であるスリット32を複数形成している。
この構成により、スリット32は、虫10が筐体2内に侵入する捕虫口3a、3bとしての機能を持つ。
【0010】
誘虫ランプ4は、円筒状長尺の蛍光管であり、筐体2内の上方において、捕虫口3aと3bとの間に配設され、長手方向が筐体2の長手方向に沿って取り付けられている。この誘虫ランプ4が出射する光は、スリット32から筐体2の外部に放射されるとともに、透明の仕切部材31を透過することによって、捕虫口3a、3b全体から筐体2の外部に放射される。
誘虫ランプ4は、例えば蠅等の小型昆虫が好む波長である370nm付近の波長の光を出射するものが用いられ、捕虫口3a、3bを通じて虫10を筐体2内へ誘引する。
【0011】
光センサ5は、発光部51と受光部52とから構成され、この発光部51と受光部52とを対向配置して使用する光学式センサであり、発光部51は例えばLED等の発光素子、受光部52はCdS(硫化カドミウム)等の受光素子からなる。
発光部51と受光部52とは、捕虫ランプ4の下方において、筐体2の左右方向に対向させて対とするとともに、奥行き方向へ複数の対を並べて配設されている。
光センサ5は、接続線71を介して計数器7と電気的に接続されており、光センサ5(詳細には受光部52)から出力されて計数器7に入力される電流値Aが、受光量に応じて変動するようになっている。捕虫口3a、3bから筐体2内に誘引された虫10が発光部51と受光部52との間を通過して受光部52の受光量が減少すると、光センサ5から計数器7に入力される電流値Aが、光センサ5が虫10を検知していない時に光センサ5から計数器7に入力される電流値A(ベースレベル)から低下する(図4(b)の谷部Pが虫10の通過による電流値Aの低下箇所)。
なお、本実施形態では、計数器7に組み込んだ積分回路によって、谷部Pが曲線で現れるようにした場合を例示しているが、本発明では、積分回路は必要に応じて設ければ良く、省略することも可能である。
【0012】
捕虫器6は、光センサ5の下方に配設されている。
この捕虫器6は、横長板状であり、その短辺が立設されて、筐体2の底板24に対して垂直となるように配設されている。
捕虫器6は、例えば紙の表面に粘性剤が塗布された捕虫紙等からなり、誘虫ランプ4によって筐体2内に誘引された虫10を粘着作用によって付着させ、捕獲するものである。
【0013】
検知空間8は、筐体2内の上下方向で捕虫ランプ4と捕虫器6との間に位置し、筐体2内の奥行き方向及び左右方向に拡がる空間である。
図3に示すように、この検知空間8の左右両側には、一方の側に光センサ5の発光部51が、反対の側に受光部52が、対として配設されている。この対となった発光部51と受光部52とが、検知空間8の奥行き方向に並べて複数配設されている。
検知空間8は、筐体2内の上方に配設される捕虫ランプ4の側から下方に向かう虫10の通過通路として機能している。
【0014】
計数器7は、接続線71を介して筐体2内に配設された光センサ5に接続されており、光センサ5の受光部52から入力される電流値Aと閾値B(例えば図4(b)の符号B0、B1)との比較に基づき、光センサ5で検知された虫10の数を計数する機能を有する。
計数器7は、光センサ5の受光部52から信号(電流値Aの変動)が入力されるADコンバータ73と、このADコンバータ73からの信号が入力されるCPU74と、計数された虫10の数量等のデータを表示する表示器76とを備えている。
また、計数器7は、光センサ5が虫を検知していない時の受光部52の受光信号(電流値)のレベルであるベースレベルが変動したときに、このベースレベルの変動に追従させるようにして前記閾値Bを調整するゲイン調整部75(ゲイン調整機能)を有する。前記閾値B(ゲイン調整部75による調整前の初期値及び調整後の値)は、ベースレベルの電流値Aよりも低い所に設定される。この閾値Bは、ベースレベルDの電流値Aに対する所定の相対%で設定される。また、この閾値Bは、埃の侵入等に起因するベースレベルDの小さな揺れによる誤検知や、谷部Pの検知漏れを生じにくくするために、ベースレベルDに対して谷部PのベースレベルDからの変動幅(例えば図4(b)のΔh)の半分程度となるように設定される。
【0015】
捕虫装置1では、誘虫ランプ4の光に誘引された虫10が、捕虫口3a、3bに形成されたスリット32を通って筐体2の内部に侵入する。この際、筐体2外部への開口部はスリット32のみであるため、虫10は筐体2内から出られにくい状態となり、筐体2内を飛び回る。
筐体2内部を飛び回る虫10は、検知空間8を通過して下方に移動して捕虫器6に飛着又は衝突すると、捕虫器6の表面に塗布された粘性剤によって捕虫器6に付着し、捕獲される。
【0016】
図4(b)に示すように、検知空間8を虫が通過した際、受光部52からの受光信号(電流値A)は、ベースレベルDから急減して谷部Pを形成する。この谷部Pが、虫10を検知したことを示す検知信号としての機能を果たす。
ADコンバータ73は、該ADコンバータ73のアナログポート73aに光センサ5から入力された電流値Aと閾値Bとを比較する。電流値Aの谷部Pの最低値が閾値Bよりも低ければ、ADコンバータ73のデジタルポート73bから、カウント信号Cが出力される。
このカウント信号Cは、CPU74のカウンタポート74aに入力され、CPU74はこのカウント信号Cを計数する。これにより、検知空間8を通過して捕虫器6に向かった虫10の数量を、虫10の捕獲数として計数することができる。
【0017】
この時、検知空間8には、対となる光センサ5の発光部51及び受光部52が奥行き方向へ複数並べられているため、一度に複数の虫10が検知空間8を通過した場合でも、複数の光センサ5によって複数の虫10を検知することが可能となり、計数器7は虫10の正確な捕獲数を計数することができる。
また、CPU74における計数データは、表示器76に表示することができる。
【0018】
計数器7はゲイン調整部75を有し、このゲイン調整部75は、受光部52からの出力信号である電流値Aが信号入力部75aに入力されることにより、電流値Aを常時モニタリングしている。ゲイン調整部75は、虫10を検知していない時の電流値AをベースレベルDとして認識する。
ところで、捕虫装置1は、長期間の使用による光センサ5の経年劣化や汚れ等によって、受光部52の受光量が次第に減少し、これに伴ってベースレベルDの電流値Aも次第に下降してゆく現象が可能性として考えられる。
図4(b)に示した電流値曲線において、谷部Pは虫10の検知による電流値Aの変動であり、谷部以外(虫10が検知されていない)のなだらかな下降曲線の部分がベースレベルDである。ベースレベルDは、上述したような経年劣化や汚れ等により、電流値曲線において、左側の初期値に対してなだらかに下降してゆく。
なお、図4(b)では、ベースレベルDの下降曲線に対して谷部Pを誇張して大きく図示している。
【0019】
図4(a)、(b)に示すように、ゲイン調整部75は、電流値AのベースレベルDが低下した際、このベースレベルDの低下に追従させるようにして、閾値Bを低い値に再設定するための設定信号Eを信号出力部75bから出力する。設定信号Eは、ADコンバータ73のフィードバックポート73cに入力され、ADコンバータ73は、電流値Aとの対比を行う閾値Bを再設定するが、このゲイン調整部75による閾値Bの再設定は、ベースレベルDの継続的な低下に伴い、段階的に複数回行われる。これにより、例えば図4(b)中、符号P0の谷部Pに比べてベースレベルDが低下した所で生じた符号P1の谷部Pについても、谷部P0を検知できる閾値B0よりも低い閾値B1によって確実に検知できる。
これにより、発光部51や受光部52の経年劣化や汚れ等によって受光部52から出力される電流値Aに変動があった場合であっても、虫10による受光量の変動を正確に検知することが可能となり、虫10の捕獲数を常に正確に計数することができる。
【0020】
なお、上述の構成において、センサ5(検知空間8)の下方の空間は、検知空間8よりも狭く構成してやることが好ましい。
図1に示すように、例えば、傾斜面27を形成して、下方へ向かうに従って傾斜面27が捕虫器6に近づくように構成してやることにより、検知空間8の通過によってセンサ5に検知された虫10が、捕虫器6によって確実に捕獲される。一方、検知空間8は広い空間を保っているため、センサ5は高い検知精度を維持することができる。
【0021】
以上、説明したように、本発明に係る捕虫装置1によれば、筐体2内において、光センサ5が、光センサ5の発光部51と受光部52との間の光路が検知空間8に横並びに配列されるようにして複数設けられているため、検知空間8に、一度に複数の虫10が落下してきた場合でも、虫10同士の重なり合いが生じにくい。これにより、虫10の数を正確に検知して計数することができる。
また、計数器7は、受光部52から入力される電流値Aに対し、虫10を検知したものとしてカウントする閾値Bが設定されているとともに、虫10を検知していない時の受光信号レベルであるベースレベルDが変化したときに、ベースレベルDの変化に追従させるようにして閾値Bを調整するゲイン調整部75とを有している。従って、虫10を検知していない時の受光部からの電流値AのベースレベルDが低下した場合であっても、光センサ5による虫10を検知するこが可能となる。これにより、光センサ5の汚れや劣化によって電流値AのベースレベルDが変動しても、虫10の検知及び計数を高精度で行うことができる。
また、捕虫口3a、3bに、この捕虫口3a、3bを複数に仕切る仕切部材31を設けることにより、一度、筐体2内に侵入した虫10が筐体2の外に逃げ出しにくくなるとともに、大型昆虫の侵入を防止している。これにより、捕獲効率が高まるとともに、大型昆虫の侵入による虫10の捕獲数の過大カウントが防止され、計数精度が高められる。
また、仕切部材31を紫外線透過性材料によって構成することにより、誘虫ランプ4の光が捕虫口3a、3bから外に放射されやすくなる。これにより、誘虫効果が高まり、虫10の捕獲効率が向上する。
【0022】
なお、本例においては、受光部52の受光量変動に伴う電流値Aの変動について、谷形の波形を描く谷部P(例えば図4(b)の谷部P0、P1)を検出する場合を例として説明しているが、計数器7の回路設計上、山形の波形を検出する場合であっても、本発明の構成によって、虫10の検知及び計数を高精度で行うことが可能であることは言うまでも無い。
【0023】
また、本例においては、虫10を捕獲する捕虫器6として、粘性剤を塗布した捕虫紙を例に説明しているが、例えば、殺虫剤や誘虫剤が塗布された捕虫紙を使用しても良いし、筐体2内の下方に、殺虫剤や誘虫剤等が含浸され、これらの成分が揮発するプレートを設けてやっても良い。
【0024】
また、本例においては、捕虫口3a、3bを、筐体2の前面板21及び後面板22の2箇所に設けているが、例えば何れか1箇所のみに設ける構成であっても良いし、上板23に設けるように構成しても良い。
【0025】
また、本例おいては、捕虫口3a、3bに、仕切部材31を複数有する仕切ユニット33を取り付けてスリット32を複数形成する例について説明しているが、スリット32の数については、例えば1つとなるように構成しても良い。仕切ユニット33に設けられる仕切部材31の形状や数量については、使用形態に応じて適宜選択でき、例えば網状の仕切部材31であっても良い。
【0026】
また、本例においては、ゲイン調整部75について、図3(a)に示すようなデジタル回路で構成したものを例に説明しているが、例えばネガティブフィードバック等のアナログ回路を受光部52側に接続して行う構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る捕虫装置の一実施形態を説明する側面破断図である。
【図2】本発明に係る捕虫装置の一実施形態を説明する正面概略図である。
【図3】本発明に係る捕虫装置の一実施形態を説明する上面破断図であり、光センサが配設された検知空間を示す図である。
【図4】本発明に係る捕虫装置の一実施形態を説明する図であり、(a)は計数器を示すブロック図、(b)は時間軸に対する電流値変動を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
1…捕虫装置、2…筐体、3a、3b…捕虫口、31…仕切部材、4…誘虫ランプ、5…光センサ、51…発光部、52…受光部、6…捕虫器、7…計数器、75…ゲイン調整部、8…検知空間、10…虫

【特許請求の範囲】
【請求項1】
捕虫口を有する筐体と、この筐体の内部に設置された誘虫ランプと、前記筐体内にて前記誘虫ランプの下方に設置された捕虫器と、前記誘虫ランプと前記捕虫器との間に確保された検知空間を上から下へ通過する虫を検知するための光センサと、前記光センサから入力される検知信号に基づいて、前記光センサによって検知された虫の数をカウントする計数器とを具備し、
前記光センサは、前記検知空間を介して対向配置された発光部と受光部との対を有して構成され、
前記筐体には、前記光センサの前記発光部と前記受光部との間の光路が前記検知空間に横並びに配列されるようにして、前記光センサが複数設けられていることを特徴とする捕虫装置。
【請求項2】
前記計数器には、前記光センサの受光部の受光量の変動に応じてレベル変動する受光信号が前記光センサから入力されるようになっており、前記計数器は、前記受光信号のレベルが、前記光センサが虫を検知していない時の前記受光信号のレベルであるベースレベルから前記受光部における受光量の減少によって変動して、前記ベースレベルとは別に設定した閾値に達したときに、前記光センサが虫を検知したものとみなしてカウントする機能と、前記ベースレベルが変動したときに該ベースレベルの変動に追従させるようにして前記閾値を調整するゲイン調整機能とを有することを特徴とする請求項1に記載の捕虫装置。
【請求項3】
前記捕虫口に、該捕虫口を複数に仕切る仕切部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の捕虫装置。
【請求項4】
前記仕切部材が紫外線透過性材料からなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の捕虫装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−136276(P2006−136276A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−330581(P2004−330581)
【出願日】平成16年11月15日(2004.11.15)
【出願人】(000101938)イカリ消毒株式会社 (33)
【Fターム(参考)】