説明

排気ガス検出器

製造者が、製造される検出器の空気中電圧の範囲を第1の空気中電圧の範囲と第2の空気中電圧の範囲のいずれかで選択的に制御することができる排気ガス検出器の製造方法。この検出器は、信号線および接地線を含む。この方法は、第1の空気中電圧の範囲内の検出器を製造するために信号線および接地線の両方に対して高ニッケル合金を使用する工程と、第2の空気中電圧の範囲内の検出器を製造するために信号線および接地線の一方のみに対して高ニッケル合金を使用する工程とを含む。空気中電圧の範囲は、標準化空燃比がλ>1の希薄用途と関連付けられた範囲である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2007年2月23日出願の米国仮特許出願第60/891,259号の優先権を主張し、その内容全体を参照により本願に組み込む。
【背景技術】
【0002】
本発明は排気ガス検出器に関し、より詳細には、希薄(lean)空燃比の用途に使用される排気ガス検出器に関する。
【0003】
排気ガス検出器は、自動車産業および他の産業における使用として周知である。高性能のレーシングカー、オーブン、ボイラーおよびディーゼル車両に使用される検出器などの特定の排気ガス検出器は、標準化空燃比λが1より大きい希薄な空燃比の用途において、良好に動作することができなければならない。λは、以下の式に基づいて求められる。
【0004】
【数1】

【0005】
式中、A/F=空燃比

これらの希薄用途の排気ガス検出器は、検出器が空気のみの雰囲気中(すなわち、燃料が存在しない)で動作している場合に信号線リードと接地リードとの間で測定される電圧である、低い空気中電圧(air−voltage)を一般に有する。空気中電圧は、検出器の感度の指標と見なすことができる。希薄用途の検出器に対して一般に要求される3つの既知の空気中電圧の範囲は、約−8.5mV〜約−12mVと、約−12mV〜約−15mVと、約−15mV〜約−18mVである。
【0006】
図1は、従来技術の希薄用途の排気ガス検出器10を示す。図示された従来技術の検出器は、検出器10内に収容される1つの信号線14と2つの加熱器線18(図1には1つだけ示されている)とを備えるので、3線式検出器として知られる。検出器10内に接地線は組み込まれない。図2に示されるように、検出器10は、それぞれの加熱器線18に電気的に結合された2つの加熱器リード22と、信号線14に電気的に結合された1つの信号リード26と、接地リード30とを有する組電線に接続される。接地リード30は、金属キャップ34に溶接され、これにより、検出器10の金属ハウジング38、スリーブ42およびシールリング46(図1を参照)との電気的接続を介して接地リード30が接地される。セラミックの検出器要素54の接地電極も、接地としてハウジング38に接続される。検出器10の空気中電圧は、信号リード26と接地リード30との間の電圧を測って測定される。
【0007】
図3は、検出器10の回路モデルを示す。参照番号50は、信号線14によって供給される信号を表し、参照番号54は、セラミックの検出器要素を表し、参照番号58は、接地リード30によって供給される信号を表す。空気中電圧は、燃料の存在しない空気中に検出器10がある場合に、回路モデルに示された正と負の端子間で測定される電圧である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
検出器が、所望の空気中電圧の範囲に収まるように選択的に製造できるよう、希薄用途の検出器の製造を制御することは困難であった。その代わりに、希薄用途の検出器は、一般に、同じ工程を用いて同じ構成要素で製造され、次いで試験をして初めて、検出器がどの空気中電圧の範囲に収まるか(例えば、−8.5mV〜−12mV、−12mV〜−15mV、または−15mV〜−18mV)を決定することができる。
【0009】
加熱器によって生じる僅かに高い温度、およびシンブル(thimble)型希薄用途の検出器のセラミックの検出器要素の僅かに小さい質量により、低い空気中電圧を有する検出器が得られることが知られている一方で、これらの変量は、制御するのが困難で費用がかかる。したがって、検出器の製造者は、検出器を組み立てて、完成時に検出器を試験して空気中電圧を決定することを強いられてきた。この「製作と試験」の工程は、製造量および在庫の問題をもたらす。具体的には、空気中電圧が−12mV〜−15mVの範囲内にある一定数の希薄用途の検出器を顧客が要求した場合、製造された検出器の多数が、顧客の要求仕様を満たさない−8.5mV〜−12mVの空気中電圧の範囲内に試験後に入るので、製造者は、顧客が所望するより多くの検出器を製造し、試験しなければならない。最終的には、顧客によって要求された−12〜−15mVの空気中電圧の範囲内にある、その一定数の希薄用途の検出器が製造されたとき、製造者には−8.5mV〜−12mVの範囲内の検出器の在庫が残る。これは、別の顧客が、−8.5mV〜−12mVの空気中電圧の範囲内の検出器を要求するまで保持しなければならない過剰な在庫をもたらす。これは、顧客の注文に応じるのに要する構成要素の数および時間を決定する上で問題も引き起こす。
【0010】
本発明は、希薄用途の排気ガス検出器の新しい製作および組立の工程を提供する。本発明の製作および工程により、製造者が、様々な構成要素の材料選択に基づいて、より正確に選択的に希薄用途の検出器の空気中電圧の範囲を制御することが可能となり、これにより、製造者が、従来技術に見られるまったく偶発的な構成よりもずっと高い割合で、試験後に所望の空気中電圧の範囲内に入る希薄用途の検出器を作ることを可能にする。製造および在庫の費用が大幅に低減される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施形態において、本発明は、検出器要素と、検出器要素に電気的に結合され且つ組電線へ接続される信号線と、組電線へ接続される接地線とを有する希薄用途の排気ガス検出器を提供する。信号線および接地線の少なくとも1つが、高ニッケル合金で作られる。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、製造される検出器の空気中電圧の範囲を第1の空気中電圧の範囲と第2の空気中電圧の範囲の間で選択的に制御するように排気ガス検出器を製造する方法を提供する。検出器は、信号線および接地線を備える。この方法は、第1の空気中電圧の範囲内の検出器を製造するために信号線および接地線の両方に対して高ニッケル合金を使用する工程と、第2の空気中電圧の範囲内の検出器を製造するために信号線および接地線の一方のみに対して高ニッケル合金を使用する工程とを含む。
【0013】
本発明の他の態様は、詳細な説明および添付の図面を考慮することによって明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来技術の希薄用途の検出器の断面図である。
【図2】組電線に結合された、図1の検出器の後方斜視図である。
【図3】図1の検出器の回路図である。
【図4】本発明を実施する希薄用途の検出器の断面図である。
【図5】組電線に結合された、図4の検出器の後方斜視図である。
【図6】図4の検出器の回路図である。
【図7】図4の検出器の信号線および信号接触板の側面図である。
【図8】図4の検出器の接地線および接地接触板の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明のいずれかの実施形態が詳細に説明される前に、本発明は、その用途において、以下の説明に記載された、または以下の図面に示された製作および構成要素の配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能で、様々な方法で実施される、または実行されることが可能である。また、本明細書に使用される言い回しおよび術語は、説明の目的のためであって、限定として見なされるべきでないことを理解されたい。本明細書において、「含む」、「構成する」、または「有する」およびその変形を使用することは、その後に列挙される事項およびその同等物、ならびに追加的事項を包含することを意味する。別段の指定または限定がない限り、「取り付けられた」、「接続された」、「支持された」、「結合された」およびその変形は、広い意味で使用され、直接および間接両方の取付け、接続、支持、および結合を包含する。さらに、「接続された」および「結合された」は、物理的または機械的な接続または結合に限定されない。
【0016】
図4は、本発明を実施する希薄用途の検出器60を示す。検出器60は、金属ハウジング68内に支持されたセラミックの検出器要素64を有するシンブル型検出器である。保護管72は、検出器要素64を排気ガスから保護するようにハウジング68に結合される。当技術分野において理解されるように、保護管72は、様々な形態を有することができ、種々の方法で形成され且つ種々の位置に配置される、孔を備えることができる。当技術分野において知られるように、加熱器76は検出器要素64内に延在する。断熱套管、すなわちスペーサ80は、ハウジング68内に少なくとも部分的に収容され、ハウジング68、およびハウジング68に結合されたスリーブ84から加熱器76を断熱する。当技術分野において一般に理解されているように、接触板88は、検出器要素64と套管80との間に挟まれ、検出器要素64を信号線92に電気的に接続させる。図示された実施形態において、接触板88と信号線92とは、図7に示されたように共に結合される。2つの加熱器線96(図4には1つだけ示されている)が、加熱器76に電気的に結合され加熱器76に電力を供給する。
【0017】
従来技術の希薄用途の検出器10とは異なり、本発明の希薄用途の検出器60は、検出器に直接組み込まれた接地線100も含み、検出器60を4線式検出器にさせる。接地線100は、接地接触板102を介して検出器要素64の接地電極ならびにハウジング68、スリーブ84およびハウジング68上に支持されたシールリング104に電気的に接続され、これにより、ハウジング68、スリーブ84およびシールリング104の構造と並列な追加の接地として機能する。図示された実施形態において、接触板102と接地線100は、図8に示されたように共に結合される。信号線92、加熱器線96および接地線100は、スリーブ84内に支持された別の套管、すなわちスペーサ108内のそれぞれの孔を貫通して延在し、套管108の端部およびスリーブ84から出て、2つの加熱器リード112と信号リード116と接地リード120とを有する組電線に接続される(図5を参照)。信号線および接地線、接触板、套管等の製作を含む、検出器60の一般的な製作に関するさらなる詳細については、2005年10月13日に公開された米国出願公開第2005/0224347A1号のある程度同様の検出器構成が参照され、その内容全体を参照により本明細書に組み込む。‘347出願に開示された検出器は、希薄用途の検出器でも加熱された4線式検出器でもなく、むしろ、通常の要素の一般的な製作および組立を記載するように組み込まれることに留意されたい。
【0018】
図6は、検出器60の回路モデルを示す。参照番号124は、信号線92によって供給される信号を表し、参照番号128は、ハウジング68、スリーブ84およびシールリング104の接地構造と並列な接地線100によって供給される信号を表す。空気中電圧は、検出器60が燃料の存在しない空気中にある場合に、回路モデルに示された正と負の端子間で測定される電圧である。
【0019】
4線式検出器(すなわち、接地線を組み込んだ加熱される検出器)は、排気ガス検出器の技術分野で知られてはいるが、大部分の希薄用途の検出器、すなわち標準化空燃比がλ>1によって表される条件で動作するように設計された検出器は、約−8.5mV〜約−18mVの空気中電圧を測定し、典型的には、従来技術の検出器10のような3線式検出器であった。上記の発明の概要で論じられたように、一般に要求される2つ以上の空気中電圧の範囲のうちの所望の1つの範囲(例えば、約−8.5mV〜約−12mV、または約−12mV〜約−15mV)内に全体的に収まる希薄用途の検出器を選択的に製造することは、困難または不可能であると判明した。
【0020】
本発明の検出器60は、一般に要求される空気中電圧の範囲内に収まる所望の空気中電圧を達成するように選択的に製作することができる希薄用途の検出器を提供する。これは、単に検出器10を製造し、試験して、達成される空気中電圧に対するいかなる制御または選択可能性なしに偶発的に様々な空気中電圧を達成する従来技術の手法に付随する余分の在庫および製造経費をなくすのに役立つ。
【0021】
本発明の一態様は、検出器60に対する「熱電対効果」すなわち「ゼーベック効果」の適用に見い出される。この科学的な原理は、任意の2つの異なる材料または合金が、それらの間に温度差がある状態で共に電気的に結合されるときに、2つの材料間に電位が発生するという認識に基づく。検出器60に適用された場合、空気中電圧値は、信号線92および接地線100として使用するため選択される材料の組合せに基づいて、2つ以上の所望の空気中電圧の範囲のうちの1つの範囲(例えば、約−8.5mV〜約−12mV、または約−12mV〜約−15mV)内に収まることが一般に予測できることが分かった。
【0022】
より具体的には、従来技術の検出器10は、約99.6重量%のニッケルを含む高ニッケル合金であるニッケル200(99重量パーセントを超えるそのニッケル含有量のために、時として純ニッケル合金と呼ばれる)で作られた信号線と約21重量%のニッケルを含む合金で作られた信号接触板とを利用した。従来技術の検出器10の空気中電圧は、それぞれが様々なステンレス鋼組成で作られたシールリング、ハウジングおよびスリーブの接地材料によって、部分的に規定された。3線式の希薄用途の排気ガス検出器に従来から使用された信号線は、高ニッケル合金または純ニッケル合金であり、従来技術の検出器の接地は、検出器10の標準的な外部構造の構成要素によって規定されたので、これらの構成要素の化学的性質の変動は、空気中電圧を選択的に制御するための実用的な試行方法ではなかった。したがって、検出器10の空気中電圧を制御しようとしてゼーベック効果を利用することは、直ちに明らかなまたは実行可能な選択枝ではなかった。
【0023】
しかし、本発明の検出器60は、別個に接地線100を組み込み、こうして、回路内に別の構成要素を導入する。ゼーベック効果を利用するために、いくつかの材料または化学的性質の間で直ちに容易に変更できるさらなる構成要素が今や存在するので、接地線100を追加することでより大きな融通性を提供し、したがって、検出器60の空気中電圧を制御するのに役立つ。具体的には、信号線92および/または接地線100用の材料を選択的に選んで、所望の空気中電圧をより選択的に達成するように、すなわち、より具体的には、2つ以上の所望の空気中電圧の範囲のうちの1つの範囲(例えば、約−8.5mV〜約−12mV、または約−12mV〜約−15mV)内に大幅に高い予測可能性で収まるように生産できる検出器60を実現することができる。
【0024】
一行列に示す材料に対する試験結果が下記の表1に記載される。
【0025】
【表1】

【0026】
上記の表は、信号線92および接地線100用の材料の選択が、他の工程の変更なしに、製造される検出器60の空気中電圧の範囲にどのように著しく影響を与えるかを示す。具体的には、もしも顧客が、−12mV〜−15mvの空気中電圧の範囲内に収まる検出器を要求した場合、検出器構成1を選ぶことができ、製造される検出器の約84%が、顧客の要求した仕様に収まることになる。これは、製造時の空気中電圧が制御できない従来技術の検出器10に対する大幅な改善である。同様に、もしも顧客が、−8.5mV〜−12mvの空気中電圧の範囲内に収まる検出器を要求した場合、検出器構成2を選ぶことができ、製造される検出器の約92%が、顧客の要求した仕様に収まることになる。
【0027】
検出器60は、他の中間ニッケル合金(すなわち、約60重量パーセント〜約80重量パーセントのニッケルを含むニッケル合金)、または例えばニッケル200などの高ニッケル合金(すなわち、85重量パーセントより多くのニッケルを含むニッケル合金で、99重量パーセントより多くのニッケルを含む純ニッケル合金を包含する)から作られる信号線および接地線で製造することもできる。しかし、ニッケル201は、それを使用して達成された検出器60の安定性が高いため、ニッケル200を上回る利点を提供することが判明した。ニッケル201は、約0.02重量パーセントの最大炭素含有量を有するが、一方、ニッケル200は、約0.15重量パーセントの最大炭素含有量を有する。大部分の希薄用途の検出器が摂氏315度以上で動作されるが、ニッケル201の低い炭素含有率は、摂氏315度またはこれを超える高温で電線から析出または拡散する炭素が少ないため、摂氏315度を超える温度でのニッケル201の安定性を向上させる。同様に、所望により、約0.15重量パーセント未満の最大炭素含有率を持つように、使用する他のニッケル合金を選択し、機能的安定性を改善することもできる。
【0028】
モデル化を実施して、所望の空気中電圧の範囲を満たす他の材料を選択することができる。具体的には、空気中電圧は、図6に示された回路モデルを考慮して以下の式に基づいてモデル化することができる。
【0029】
【数2】

【0030】
式中、S信号は、信号線92のゼーベック係数である。
【0031】
接地は、接地線100のゼーベック係数である。
【0032】
Tは温度である。
【0033】
さらに、ゼーベック係数は以下により表される。
【0034】
【数3】

【0035】
式中、kはボルツマン定数である(1.380658×10−23JK−1)。
【0036】
Tはケルビン絶対温度である。
【0037】
eは電気素量である(1.6022×10−19C)。
【0038】
FOは、エレクトロンボルト単位の0ケルビン絶対温度でのフェルミ・エネルギーである。
【0039】
代入により次式を得る。
【0040】
【数4】

【0041】
信号線92および接地線100の材料を変更できるということは、空気中電圧の選択可能性に対する制御をより良く達成する能力を提供する。達成される空気中電圧範囲の割合に対するさらなる改善は、加熱器76の温度およびセラミックの検出器要素64の質量を含む、検出器60内の他の制御可能な変量を引き続き微調整することよって得ることができる。しかし、さらなる微調整なしでも、得られる検出器60の空気中電圧特性を制御するために、接地線100を追加し、接地線100および信号線92に対して異なる材料を使用することで、従来技術の検出器10に対して大幅な改善を提供する。この従来技術の検出器には、結果として得られる空気中電圧特性を選択的に制御する実用的または経済的な方法がなかった。その上、接地線100を希薄用途の検出器60に追加することにより、他の用途向けに製造された他の4線式検出器(例えば、非希薄用途の検出器)に対して部品および製造工程の何らかの一般化および統一化を可能にする。
【0042】
本発明の様々な特徴は、添付の特許請求の範囲に記載される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出器要素と、
前記検出器要素に電気的に結合され且つ組電線へ接続される信号線と、
組電線へ接続される接地線とを含み、
前記信号線および前記接地線のうち少なくとも1つが、高ニッケル合金から形成される希薄用途の排気ガス検出器。
【請求項2】
前記信号線のみが、高ニッケル合金から形成され、前記接地線が、前記高ニッケル合金より低いニッケル含有量を有する合金から形成される、請求項1に記載の検出器。
【請求項3】
前記検出器が、前記信号線と前記接地線との間で測定される空気中電圧を規定し、前記空気中電圧が約−12mV〜約−15mvの範囲内にある、請求項2に記載の検出器。
【請求項4】
前記信号線および前記接地線の両方が、高ニッケル合金から形成される、請求項1に記載の検出器。
【請求項5】
前記検出器が、前記信号線と前記接地線との間で測定される空気中電圧を規定し、前記空気中電圧が約−8.5mV〜約−12mvの範囲内にある、請求項4に記載の検出器。
【請求項6】
前記高ニッケル合金が、85重量パーセントより多くのニッケルを含む、請求項1に記載の検出器。
【請求項7】
前記高ニッケル合金が、99重量パーセントより多くのニッケルを含む、請求項6に記載の検出器。
【請求項8】
前記高ニッケル合金がニッケル200である、請求項1に記載の検出器。
【請求項9】
前記高ニッケル合金がニッケル201である、請求項1に記載の検出器。
【請求項10】
前記検出器要素内に少なくとも部分的に受け入れられる加熱器と、
前記加熱器に電気的に結合される第1および第2の加熱器線と、
組電線とをさらに含み、前記組電線が、
前記第1および第2の加熱器線それぞれに電気的に結合される第1および第2の加熱器リードと、
前記信号線に電気的に結合される信号リードと、
前記接地線に電気的に結合される接地リードとを含む、請求項1に記載の検出器。
【請求項11】
前記検出器が、空燃比がλ>1によって表される動作用の希薄用途の検出器として構成される、請求項1に記載の検出器。
【請求項12】
製造される排気ガス検出器の空気中電圧の範囲を第1の空気中電圧の範囲と第2の空気中電圧の範囲の間で選択的に制御するように排気ガス検出器を製造する方法であって、前記検出器が信号線および接地線を含み、前記方法が、
前記第1の空気中電圧の範囲内の検出器を製造するように前記信号線および前記接地線の両方に対して高ニッケル合金を使用する工程と、
前記第2の空気中電圧の範囲内の検出器を製造するように前記信号線および前記接地線のうち一方のみに対して高ニッケル合金を使用する工程とを含む方法。
【請求項13】
前記第1の空気中電圧の範囲が約−8.5mV〜約−12mvであり、前記第2の空気中電圧の範囲が約−12mV〜約−15mvである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記高ニッケル合金が、85重量パーセントより多くのニッケルを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記高ニッケル合金が、99重量パーセントより多くのニッケルを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記高ニッケル合金がニッケル200である、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記高ニッケル合金がニッケル201である、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記信号線および前記接地線のうち一方のみに対して高ニッケル合金を使用する工程が、前記信号線のみに対して高ニッケル合金を使用する工程を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記第1および第2の空気中電圧の範囲の各々が、前記空燃比がλ>1によって表される用途で動作可能な検出器で使用される空気中電圧の範囲を規定する、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
信号線リードおよび接地線リードを含む組電線を提供する工程と、
前記信号線リードを前記信号線に電気的に結合する工程と、
前記接地線リードを前記接地線に電気的に結合する工程とをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
前記組電線が、第1および第2の加熱器線リードをさらに含み、前記方法が、
第1および第2の加熱器線を含む加熱器を提供する工程と、
前記第1および第2の加熱器線リードを前記第1および第2の加熱器線それぞれに電気的に結合する工程とをさらに含む、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−519539(P2010−519539A)
【公表日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−550865(P2009−550865)
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/080242
【国際公開番号】WO2008/103192
【国際公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(591245473)ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (591)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【Fターム(参考)】