説明

排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置

【課題】各種自動車エンジンの冷却水より得られる温水を熱源とし、この温水を寒冷地で冷却固化する尿素水用ホース内の尿素水を前記尿素水用ホースに添接または一体化される温水用ホースに導通させて、尿素水用ホースに有効に熱伝導させてホース内の凍結した尿素水を加温溶解させるようにした排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置の提供。
【解決手段】自動車排気ガス経路に配設した還元剤触媒に対して、貯蔵タンク内に貯溜された還元剤を供給ホースより供給する還元剤供給手段Bと、エンジン冷却用冷却水の吸熱した温水を前記供給ホース口に滞溜する冷却固化した還元剤を加熱解凍する温水ホース7を備えたエンジン冷却水の温水供給手段Aとより成り、前記還元剤供給手段Bの供給ホース7と、前記エンジン冷却水の温水供給手段Aの温水ホース7とを並設一体に形成して複合ホース体XまたはYとして成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス浄化還元剤の配管内で冷却凍化した状態を、エンジン冷却水の温水によって、加熱溶解するようにした排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガソリン又はディーゼルの自動車内燃機関で発生した排気ガス中に、アンモニアを、選択的に化学反応をもたらす触媒SCR(Selective Catalytic Reduction)に噴射させて、NOxをNとHOに還元するようにした尿素SCRシステムと呼ばれる排気ガスの無害化処理方法が知られている。
【0003】
即ち、還元剤としてのアンモニア水は、尿素水としてタンク内に収容され、ホースを用いてポンプの働きで自動車排気ガス通路に介在させた触媒(SCR)に尿素水を噴射させ、排気ガスを浄化させるようにしたシステムであって、広く地球規模で自動車排気ガスによる環境汚染を防止している。
【0004】
ところが、尿素水で代表される還元剤は、寒冷地では凍結を余儀なくされ、還元剤により排ガス中のNOxを有効に浄化できない事態が考慮される。
【0005】
これに対し、還元剤貯蔵タンク及びポンプを含む供給管系の外表面の全体ないし主要部分にわたって電熱線を配置し、還元剤が冷却凝固した場合は電熱線に通電して発熱させ、この発熱エネルギーによって還元剤の冷却固化を加熱解凍させて還元剤を排ガス中に有効に分散させて排ガスの浄化作用を回復できるようにした構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、エンジン冷却水の温水で熱交換されたヒートパイプの熱エネルギーを還元水である尿素水の貯蔵タンク及び供給管に伝達させて、還元水の冷凍凍結を加温溶解してSCR機能を回復させるようにした構成も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
さらにまた、エンジン冷却水のエンジン冷却で加熱された温水を、還元剤の貯蔵タンクに循環させてガス化させて供給管を流通させて排ガス通路の触媒に噴射させるようにした構成も知られている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2000−27627号公報
【特許文献2】特開2006−316684号公報
【特許文献3】特開2001−3729号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで特許文献1にあっては、電熱線を用いているので別途電線を必要とし、かつ供給系に対して予め電熱線を配置する必要があるので、手間とコストが掛かるという不都合があると共に、使用中電熱線が断線するという不都合も避け得ない。併せて、解凍効率を上げるためには多大の電力が必要となる。
【0009】
また特許文献2にあっては、ヒートパイプによりエンジン冷却水の温水を利用して還元剤タンクや供給管を加温し、冷却凍結した還元水を解凍溶融させた構成が示されているが、ヒートパイプの構造上、特に車体の複雑な形状に沿って配設される供給管の形状に正しく沿って配設することは難しく、ヒートパイプの有効な熱伝導は不可能であり、その結果熱効率の低下は避けられないという問題がある。
【0010】
さらに特許文献3にあっては、エンジンの冷却水の温水を還元水の加熱に利用しているが、尿素水タンク内の尿素水を加熱するのみの構成しか示されておらず、排気ガスへ通ずる供給管に対する冷却固化の尿素水を加熱溶解するとい発想は全く開示されていない。
【0011】
本発明は叙上の点に着目して成されたもので、各種自動車エンジンの冷却水より得られる温水を熱源とし、この温水を寒冷地で冷却固化する尿素水用ホース内の尿素水(還元水)を、前記尿素水用ホースに添接または一体化される複合ホース体の前記温水用ホースに導通させて、尿素水用ホースに有効に熱伝導させて供給ホース内の凍結した尿素水を加温溶解させて、正常な尿素SCRシステムを行うことができるようにした排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置を提供するものである。
【0012】
さらに、尿素水タンクまたはポンプへのホース接続に際し、尿素水の供給ホースとエンジン冷却水の温水ホースの端部が離れてしまい、有効な加温伝達が行えないという問題があった。
【0013】
さらに本発明は、上記問題に着目して成されたもので、尿素水用ホースおよび温水用ホースは複合ホース体として一体化し、それぞれの両端には間隔調節自在の分岐部を設けて、形成,構造を異にするタンク,ポンプに適用接続できる排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、以下の構成を備えることにより、上記課題を解決できる。
【0015】
(1)自動車排気ガス経路に配設した還元剤触媒に対して、貯蔵タンク内に貯溜された還元剤を供給ホースより供給する還元剤供給手段と、エンジン冷却用冷却水の吸熱した温水を前記供給ホース口に滞溜する冷却固化した還元剤を加熱解凍する温水ホースを備えたエンジン冷却水の温水供給手段とより成り、前記還元剤供給手段の供給ホースと、前記エンジン冷却水の温水供給手段の温水ホースとを並設一体に形成して複合ホース体として成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。
【0016】
(2)前記(1)記載の還元剤供給手段の供給ホースと、エンジン冷却水の温水ホースとは、単一のホース内に夫々区劃して並設一体の複合ホース体に形成して成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。
【0017】
(3)前記(1)または(2)記載の還元剤供給手段の供給ホースは、エンジン冷却温水供給手段の単一の温水ホースに対して1または2より成り、並設一体の複合ホース体に形成して成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。
【0018】
(4)前記(1)ないし(3)いずれか記載の互いに並設された還元剤供給手段の還元剤の供給ホースと、エンジン冷却水の温水ホースとの複合ホース体の入口側および出口側の端部には、間隔調節自在の分岐部を設けて、他部材への各ホースの接続口部を設けて成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。
【0019】
(5)自動車排気ガス経路に配設した還元剤触媒に対して、貯蔵タンク内に貯溜された還元剤を供給ホースより供給する還元剤供給手段と、エンジン冷却用冷却水の吸熱した温水を前記供給ホース口に滞溜する冷却固化した還元剤を加熱解凍する温水ホースを備えたエンジン冷却水の温水供給手段とより成り、前記還元剤供給手段の供給ホースと、前記エンジン冷却水の温水供給手段の温水ホースとを並設一体の複合ホース体に形成すると共に、熱伝導性金属箔を前記両ホースの外周に包被し、かつ最外層に保温用断熱管体を被着保束して成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。
【0020】
(6)前記(5)記載の還元剤供給手段の供給ホースと、エンジン冷却水の温水ホースとは、単一のホース内に夫々区劃して並設一体の複合ホース体に形成して成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。
【0021】
(7)前記(5)または(6)記載の還元剤供給手段の供給ホースは、エンジン冷却温水供給手段の単一の温水ホースに対して1または2より成り、並設一体の複合ホース体に形成して成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。
【0022】
(8)前記(1)ないし(7)いずれか記載の供給ホースおよび温水ホースは、耐クーラント性の合成ゴムまたはエラストマーとして成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。
【0023】
(9)前記(1)ないし(7)いずれか記載の供給ホースおよび温水ホースは、補強糸を内蔵して成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、排ガスの無害化処理システムと知られている尿素水などの還元水を用いた触媒SCRが、酷寒地などでの冷却凍結に伴う機能の停止を、自動車エンジンの冷却水の冷却時の温水を利用し、この温水を温水ホースとして取り出し、尿素水タンクより供給される還元水ホースと一体的な複合ホース体として隣接固定させて、常に温水ホース内の温水で冷却凍結状態は勿論のこと、冷却凍結状態に近い状態の還元水を流通可能の状態に加熱できる。したがって、酷寒地での排気ガスの無害化が図られる。
【0025】
そして、冷却水の温水化された温水ホースと一体的に形成された尿素水ホースに、その外周又は内部に熱伝導性の良い金属箔を介在させて温水ホース内の温水熱量を無駄なく有効に、しかも迅速に尿素水ホースに伝達できるので、酷寒地での自動車の始動時での触媒SCRの有効無害化が著しく向上できる。
【0026】
さらに、本発明によれば、還元水の供給ホースと温水ホースとは複合ホース体の一体化構成となっており、両端は尿素水タンクやポンプとの接合凍結しやすい分岐部となっているので、車種や尿素水タンクの取付位置、さらにはエンジンの冷却水の循環位置に対して自由に屈曲,変形させて、好みのしかも取付配置ができるという利点がある。
【0027】
さらにまた、尿素水タンクを始め、還元水の供給ホースに対する温水の供給は、エンジン冷却用の冷却水がエンジン冷却で得られた熱エネルギーを用いて、供給ホース内の尿素水を加熱すれば良いので、別途に加熱手段を設ける必要がないという経済的効果は高い。
【0028】
なお、尿素水の供給ホースに対しては1本ないし2本の温水ホースは別々のホースまたは一本のホースの分割が可能の合成樹脂チューブの組み合わせまたは一体の成形によって簡単に製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例】
【0030】
以下、本発明の一実施例を説明する。
【0031】
始めに、図1に基づいて全体のシステムを参考にして説明する。
【0032】
1は、各自動車に設置される還元水2を貯溜する尿素水タンク、3はガソリン又はディーゼルなどのエンジン、4は前記エンジン3を冷却する冷却水収納部、5は冷却処理で加熱された温水の流出部、6は還元水を加温して冷却されて熱交換された冷水の流入部を示し、両流出部5と流入部6との間に閉回路の温水ホース7によるエンジン冷却水の温水供給手段Aが形成される。なお、温水駆動用のポンプなどは省略してある。
【0033】
8は尿素水タンク1内の還元水2の流出部、9は流入部、10は還元水2のポンプ、11はエンジン3の排気管を示し、この排気管11内に臨ませたインジェクター12より前記尿素水タンク1内の還元水2より送給される還元水2を噴射させ、触媒SCR13(Selective Catalytic Reduction)に向けて排気ガス中のNOxをNとHOに還元させて、排気ガスの無害化を図らせるものである。
【0034】
そして、前記尿素水タンク1の流出部8と流入部9にはポンプ10に対して供給用と帰還用の2本の供給ホース14,15と、ポンプ10よりインジェクター12に通ずる供給ホース16が設けられ、全体として還元剤供給手段Bを構成してある。
【0035】
ところで、還元剤供給手段Bの2本の供給ホース14,15と1本の供給ホース16には、温水供給手段Aの温水ホース7が並列に隣接して図2の3列または図3の2列の複合ホース体X,Yとして形成される。
【0036】
17,17は複合ホース体X,Yの両端、即ち、入口側と出口側の各供給ホース14,15,16および温水ホース7の分岐部で、間隔調節自在として形成され、他部材への接続口部18および19を備え、好みの構造のジョイントを有する。即ち、尿素水タンク1との接続では複合ホース体Xの一方の分岐部17に設けられる2本の供給ホース14,15の接続口部18が、尿素水タンク1の2箇所の接続口、即ち、流出部8と流入部9にジョイントで接続固定させることができるし、複合ホース体Xの他方の分岐部17に設けられる接続口部18がポンプ10の接続口部と同様にジョイントで接続固定させることができる。
【0037】
また、他方の複合ホース体Yについては、ポンプ10の尿素水吐出側の接続口と、インジェクター12との間で分岐部17の供給ホース16の接続口部18がジョイントで簡単に接続固定できる。
【0038】
複合ホース体X,Yのうちの温水ホース7の分岐部17に臨まれる接続口部19は、他の温水供給手段Aの構成において、好みの構造のジョイントによって接続固定されて、全体の温水供給手段Aを形成している。
【0039】
つぎに、複合ホース体X,Yの構成について詳細に説明する。
【0040】
一般的な構成としては、複合ホース体Xでは中央に温水ホース7を配し、この温水ホース7の外周に対向して他の供給ホース14,15を隣接して配設する(図4(a)参照)。
【0041】
また、複合ホース体Yについては、温水ホース7に隣接して供給ホース16を配設すれば良い(図4(b)参照)。
【0042】
いずれの複合ホース体X,Yにも外周に直接または熱伝導性の良い金属、例えばアルミ箔20を被覆して結束かつ保持,保温用の可撓性材料の管筒21を被覆するものである。
【0043】
さらに、両複合ホース体X,Yの両端に設けられる間隔調節自在の供給ホース14,15,16および温水ホース7の分岐部17,17には、前記管筒21と連通する可撓性材料の膜片22を、直接またはアルミ箔20を被覆して形成する(図5(a)および(b)参照)。
【0044】
さらに、3列または2列の複合ホース体Xまたは複合ホース体Yの断面形状は、それぞれ図6および図7に示すものがある。即ち、図6において一つの構成に対して供給ホース14,15と温水ホース7が貫通されている場合((a)参照)と、供給ホース16と温水ホース7とが一つの構成に対して2列に貫通されて構成されている場合((b)参照)があり、特に2列構成の複合ホース体Yについて、図7に示すように(a)では内部に隔壁23を設けて片方の管体を供給ホース16とし、他方を温水ホース7として構成するものとか、(b)のように内外二重に形成して中央のパイプを供給ホース16とし、このホース16の外周を温水ホース7として構成することもできる。さらに図7(c)のように互いに半月状に形成して衝接し、一方を供給ホース16とし、他方を温水ホース7とすることもできる。
【0045】
さらに(d)のように一本の供給ホース16に対し、その外周にコイル状に温水ホース7を巻きつけて構成することもできる。
【0046】
以上は複合ホース体X,Yの一部の例示であり、何等特定されるものでなく、供給ホース14,15,16に対し、温水ホース7は隣接一体状態であれば良く、要は凝結固化した供給ホース14,15,16内の冷却尿素水が温水ホース7内を流通する温水によって迅速有効に加温解凍して、尿素水還元水として排気ガスの浄化作用に供せられる状態を確保できれば良い。
【0047】
なお、エンジンの冷却水の温水化された温水を流通する温水ホース並びに尿素水の供給ホースは、ゴム,プラスチックなどの可撓性弾性材料であれば、何等限定されない。
【0048】
但し、耐クーラント性を考慮すればEPDMなどが好ましい。しかも、各ホースの素材としては、断熱スポンジや高耐圧性を考慮して補強糸を配合したり、ホースの肉厚を内圧に対応して自由に決定設計可能である。
【0049】
実施例では、熱の伝導性を良くするためアルミ金属箔を用いたが、他の導熱性材料の使用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置の全体のシステム図
【図2】図1の複合ホース体の中央部分を省略して示す一部切欠平面図
【図3】図1の他の複合ホース体の中央部分を省略して示す一部切欠平面図
【図4】(a)は図2のC−C線拡大断面図、(b)は図3のA−A線拡大断面図
【図5】(a)は図2のD−D線拡大断面図、(b)は図3のB−B線拡大断面図
【図6】(a),(b)は複合ホース体の2例の断面図
【図7】(a),(b),(c),(d)は複合ホース体の4例の断面図
【符号の説明】
【0051】
1 尿素水タンク
2 還元水
3 エンジン
4 冷却水収納部
5 温水の流出部
6 冷水の流入部
7 温水ホース
8 流出部
9 流入部
10 ポンプ
11 排気管
12 インジェクター
13 触媒SCR
14,15,16 供給ホース
17 分岐部
18,19 接続口部
20 アルミ箔
21 管筒
22 膜片
23 隔壁
A 温水供給手段
B 還元剤供給手段
X,Y 複合ホース体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車排気ガス経路に配設した還元剤触媒に対して、貯蔵タンク内に貯溜された還元剤を供給ホースより供給する還元剤供給手段と、エンジン冷却用冷却水の吸熱した温水を前記供給ホース口に滞溜する冷却固化した還元剤を加熱解凍する温水ホースを備えたエンジン冷却水の温水供給手段とより成り、前記還元剤供給手段の供給ホースと、前記エンジン冷却水の温水供給手段の温水ホースとを並設一体に形成して複合ホース体として成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。
【請求項2】
請求項1記載の還元剤供給手段の供給ホースと、エンジン冷却水の温水ホースとは、単一のホース内に夫々区劃して並設一体の複合ホース体に形成して成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の還元剤供給手段の供給ホースは、エンジン冷却温水供給手段の単一の温水ホースに対して1または2より成り、並設一体の複合ホース体に形成して成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか記載の互いに並設された還元剤供給手段の還元剤の供給ホースと、エンジン冷却水の温水ホースとの複合ホース体の入口側および出口側の端部には、間隔調節自在の分岐部を設けて、他部材への各ホースの接続口部を設けて成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。
【請求項5】
自動車排気ガス経路に配設した還元剤触媒に対して、貯蔵タンク内に貯溜された還元剤を供給ホースより供給する還元剤供給手段と、エンジン冷却用冷却水の吸熱した温水を前記供給ホース口に滞溜する冷却固化した還元剤を加熱解凍する温水ホースを備えたエンジン冷却水の温水供給手段とより成り、前記還元剤供給手段の供給ホースと、前記エンジン冷却水の温水供給手段の温水ホースとを並設一体の複合ホース体に形成すると共に、熱伝導性金属箔を前記両ホースの外周に包被し、かつ最外層に保温用断熱管体を被着保束して成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。
【請求項6】
請求項5記載の還元剤供給手段の供給ホースと、エンジン冷却水の温水ホースとは、単一のホース内に夫々区劃して並設一体の複合ホース体に形成して成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。
【請求項7】
請求項5または6記載の還元剤供給手段の供給ホースは、エンジン冷却温水供給手段の単一の温水ホースに対して1または2より成り、並設一体の複合ホース体に形成して成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。
【請求項8】
請求項1ないし7いずれか記載の供給ホースおよび温水ホースは、耐クーラント性の合成ゴムまたはエラストマーとして成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。
【請求項9】
請求項1ないし7いずれか記載の供給ホースおよび温水ホースは、補強糸を内蔵して成ることを特徴とする排気ガス浄化用還元剤の解凍保温装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−243279(P2009−243279A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−87357(P2008−87357)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(390035909)興国インテック株式会社 (18)
【出願人】(000005463)日野自動車株式会社 (1,484)
【Fターム(参考)】