説明

排気ガス浄化触媒及びその製造方法

【課題】排気ガス中に晒されても高い触媒性能を維持することができる排気ガス浄化触媒を提供する。
【解決手段】貴金属粒子7と該貴金属粒子7を担持した担体3とを有し、前記貴金属粒子7の少なくとも一部が、前記担体3における最外表面、又は最外表面から内方に向けて担体3の径の10%以内の部位に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガス浄化触媒及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車の排出ガス規制は益々厳しくなる一方であり、排気ガス浄化触媒には、排ガス中に含まれる有害な成分、例えば、未燃焼炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)の浄化をより高効率に行なうことが要求されている。排ガス浄化触媒は、アルミナ等の担体の表面に貴金属粒子を担持したものであり、排ガス中に含まれる有害な成分、例えば未燃焼炭化水素(HC)や一酸化炭素(CO)を貴金属粒子で酸化し、無害な成分である水やガスに変換する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、近年の厳しくなる排気ガス規制において、使用される貴金属量及び触媒の数量は増加の一途であり、資源枯渇や製造コスト増大という問題があるため、触媒の貴金属量を減らす必要がある。
【0004】
貴金属粒子の活性は貴金属粒子の持つ表面積にほぼ比例するため、少ない貴金属量で最大の触媒活性を維持するためには、貴金属粒子全体の表面積を極力大きい状態、すなわち貴金属粒子が微粒の状態で維持されることが必要である。
【0005】
【特許文献1】特開2005−230616公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の技術では、触媒を排気ガスに晒したときに、貴金属粒子が担体中に埋没してしまうおそれがあるため、貴金属粒子を微粒の状態に維持できていても、排気ガスと貴金属粒子との接触面積が減少してしまう。これにより、触媒活性が大幅に低下するという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、排気ガスに長時間晒されても高い触媒性能を維持することができる排気ガス浄化触媒及びその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係る排気ガス浄化触媒は、貴金属粒子と該貴金属粒子を担持した担体とを有し、前記貴金属粒子の少なくとも一部が、前記担体における最外表面、又は最外表面から内方に向けて担体の径の10%以内の部位に配置されたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る排気ガス浄化触媒の製造方法は、平均径が20〜30nmである担体のゾルに貴金属塩を含浸することにより、貴金属粒子を外表面に担持した担体を含む第1の溶液を作成する工程を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る排気ガス浄化触媒によれば、貴金属粒子の少なくとも一部が、前記担体における最外表面、又は最外表面から内方に向けて担体の径の10%以内の部位に配置されている。従って、排気ガスと貴金属粒子との接触面積が大きくなるため、排気ガスの浄化作用が大幅に向上する。
【0011】
また、本発明に係る排気ガス浄化触媒の製造方法によれば、貴金属粒子の少なくとも一部が、前記担体における最外表面、又は最外表面から内方に向けて担体の径の10%以内の部位に配置された触媒を効率的に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
【0013】
[触媒の構成]
本発明の実施形態による排気ガス浄化触媒1は、一次粒子又は二次粒子からなる担体3,5と、該担体3,5に担持された貴金属粒子7とを備えている。
【0014】
[貴金属粒子]
貴金属粒子7は、特に限定されないが、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、及びRh(ロジウム)のうち少なくともいずれか一種が好ましい。また、後述するように、特にPtが好ましい。
【0015】
[担体]
担体3,5は、Ce(セリウム)を含む酸化物であることが好ましい。例えば、CeO、又はCeとZrとの複合酸化物が好ましい。このCeとZrとの複合酸化物としては、例えばCeZrOが好ましい。担体としてCeを含む酸化物を用いる理由は、Ce化合物は、酸素貯蔵能力(OSC機能)を有すると共に、貴金属粒子7、特にPt粒子と結合しやすいからである。
【0016】
また、担体は、一次粒子3又は二次粒子5のいずれの形態でも適用することができる。
【0017】
図1は、一次粒子3からなる担体の最外表面に貴金属粒子7が担持されている状態を示している。この一次粒子3の平均粒子径Dは、150nm以下が好ましく、更に好ましくは20〜30nmである。
【0018】
そして、貴金属粒子7は、一次粒子3からなる担体の最外表面、又は、この最外表面から内方に向けて担体の粒子径の10%以内の部位に配置されている。なお、本実施形態においては、排気ガスに接触する貴金属粒子7の表面積を極力大きくすることが望ましいため、担体の最外表面に貴金属粒子7が配置されていることが最も好ましい。担体が一次粒子3又は二次粒子5であっても、貴金属粒子7が担体の最外表面、又は最外表面から10%(若しくは5%)以内に配置されていれば、貴金属粒子7と排気ガスとの接触に支障が少ない。
【0019】
また、図2は、一次粒子の集合体である二次粒子5を担体とした場合の概略図である。この担体は、複数の一次粒子3が凝集した二次粒子5である。そして、該二次粒子5の全てを内包し、かつ、径が最も小さくなる仮想球9を想定する。すると、該仮想球9の球殻9aは、複数の一次粒子3の表面に点接触する。そして、前記仮想球9の球殻9a(二点鎖線で示す)と、この二点鎖線で示した球殻9aに対して径が10%小さい、別の仮想球11の球殻11a(一点鎖線で示す)との間に貴金属粒子7が配置されている。なお、これらの仮想球9,11の中心は、それぞれ同一に設定する。
【0020】
例えば、二点鎖線で示した仮想球9が例えば30nmの径Dを有する場合は、一点鎖線で示した別の仮想球11の径は、30−3=27nmとなる。
【0021】
なお、前記仮想球11の径が、仮想球9の径に対して5%小さい場合、仮想球11の径は、30−1.5=28.5nmとなる。
【0022】
ここで、図3は比較例に係る貴金属粒子7の配置状態を示す概略図である。一点鎖線は、前述したように、一次粒子からなる担体の径よりも10%小さい仮想球11の球殻11aを示す。
【0023】
図3に示す比較例においては、一次粒子3からなる担体の内部に貴金属粒子7が埋没している。具体的には、担体の最外表面から、担体の径の10%以上内方に配置されているため、触媒13が排気ガスに晒された場合でも、貴金属粒子7に排気ガスが接触しにくくなる。従って、このような比較例に係る触媒13では、排気ガスの浄化作用が大幅に低下してしまう。
【0024】
なお、担体を二次粒子5で構成した場合、触媒1を排気ガスに晒すと二次粒子5が分解するおそれがある。従って、担体を全て一次粒子3から構成することがより好ましい。
【0025】
[金属酸化物]
次いで、貴金属粒子を担持した担体が金属酸化物中に配置されている状態について、図4を用いて説明する。
【0026】
この金属酸化物15は、少なくともAl(アルミニウム)を含む酸化物であり、例えばAlが好ましい。図4では、金属酸化物15として複数のAl粒子を示している。また、貴金属粒子7はPtであり、CeOの一次粒子3及び二次粒子5を担体とした場合を示している。
【0027】
金属酸化物15であるAl粒子は、複数集合することによって細孔17を形成している。ここで、前記貴金属粒子7と該貴金属粒子7が担持された担体5とをユニット19とすると、個々のユニット19が金属酸化物15の細孔17中に配置されている。このように、複数のユニット19同士が金属酸化物15によって隔てて配置されており、矢印で示す排気ガスGが金属酸化物15の細孔17中に流入すると、前記ユニット19に接触する。ユニット19では、担体の外周側に貴金属粒子7が担持されているため、排気ガスGが、貴金属粒子7に効率的に接触することによって高い浄化作用を有する。このように、ユニット19を金属酸化物15の細孔17中に配置することにより、貴金属粒子7のシンタリングを抑制するだけでなく、担体同士の凝集も抑制することができる。
【0028】
貴金属粒子7、担体、及び金属酸化物15の好ましい組合せは、貴金属粒子7としてPt、担体としてCeO、及び金属酸化物15としてAlである。又は、貴金属粒子7としてPt、担体としてCeZrO、及び金属酸化物15としてAlとしても良い。
【0029】
なお、前記ユニット19の径は、金属酸化物15の細孔17よりも大きく形成することが好ましい。ユニット19の平均径が金属酸化物15の細孔17よりも小さい場合、金属酸化物15の細孔17から貴金属粒子7と担体とからなるユニット19が抜け出して、ユニット19同士が凝集を起こしやすくなる。
【0030】
ユニット19の径は、具体的には、150nm以下が好ましい。ユニットの径が150nm以上の場合、担体上の貴金属粒子7が多くなりすぎてしまい、貴金属粒子7同士の凝集が進んでしまう。
【0031】
また、ユニット19の径は、20〜30nmが更に好ましい。
【0032】
金属酸化物15であるAl粒子に形成された細孔17の平均径は約20nmであるため、ユニット19の径はこの20nmよりも大きくすることが好ましい。また、ユニット19の径が30nmよりも大きい場合、貴金属粒子7の粒子径は10nm以上になってしまう。貴金属粒子7の粒子径が10nm以上になると、触媒活性が急激に低下してしまうため、好ましくない。このため、ユニット19の径は20〜30nmが好ましい。
【0033】
[排気ガス浄化触媒の製造方法]
以下に、本発明の実施形態による排気ガス浄化触媒の製造方法を説明する。
【0034】
まず、金属酸化物の原料有機塩を用いる方法を説明する。
【0035】
最初の工程では、平均径が20〜30nmである担体のゾルに貴金属塩を含浸することにより、貴金属粒子を外表面に担持した担体を含む第1の溶液を作成する。
【0036】
そして、有機溶媒中に金属酸化物の原料有機塩を分散させて第2の溶液を作成する。こののち、該第2の溶液と前記第1の溶液とを混合させることによって、金属酸化物の原料有機塩を加水分解する。さらに、この溶液を乾燥及び焼成させることにより、触媒粉末を作成する。ここで、有機塩としては、アルミニウムイソプロポキシド(AIP)等を用いることができる。このように、ゾルゲル法によって、貴金属粒子と担体とから構成されるユニットを金属酸化物中に配置させることができる。
【0037】
さらに、前記触媒粉末を用いてスラリーを作成し、該スラリーを耐火性無機担体(ハニカム担体)に塗布し、乾燥及び焼成させることにより、本発明による排気ガス浄化触媒が完成する。
【0038】
次に、金属酸化物の原料無機塩を用いる方法を説明する。
【0039】
担体の原料無機塩を水溶液中に分散させて第3の溶液を作成する。該第3の溶液に、前記第1の溶液を混合させる。この原料無機塩として、ベーマイト等を用いることができる。また、原料無機塩の方が原料有機塩よりも低コストである。
【0040】
さらに、この溶液を乾燥及び焼成させることにより、触媒粉末を作成する。これ以降の工程は、前記金属酸化物の原料有機塩を用いる方法と同様にして本発明による排気ガス浄化触媒が完成する。
【実施例】
【0041】
次いで、実施例を通して、本発明を更に詳細に説明する。
【0042】
[実施例1]
(1)Pt/CeOユニットの調製
まず、一次粒子の粒子径が26nmのCeOゾルにジニトロジアミン白金を投入し、一昼夜撹拌した。これにより、Ptからなる貴金属粒子を、CeOからなる担体に担持したPt/CeOユニットを調製した。
【0043】
(2)無機Al塩による包接
次に、ブロックベーマイトを水溶媒に溶かし、1時間撹拌した。このベーマイト溶液に、(1)で調製したPt/CeO溶液を投入し、さらに1時間撹拌した。この溶液をエバポレーターにて減圧乾燥した後、乾燥機中で150℃の温度で1時間乾燥した。この乾燥によって得られた粉末を空気中にて、550℃の温度で3時間の間、炉内で焼成し、Pt/CeO/Al触媒粉末を得た。このPt/CeO/Al触媒粉末は、Ptからなる貴金属粒子と、CeOからなる担体と、Alからなる金属酸化物とから構成されている。
【0044】
(3)ハニカム担体への塗布
(2)にて得られた触媒粉末を180g、ベーマイトを20g、水を290g、及び、10gの10wt%硝酸をアルミナ製磁性ポットに投入し、アルミナボールとともに、混合粉砕し、触媒スラリーを得た。この触媒スラリーを、コージェライト製ハニカム担体に塗布した。このコージェライト製ハニカム担体は、400セル、6ミル、容量が0.119Lであった。次いで、余剰スラリーを空気流にて除去し、120℃で乾燥し、400℃の空気気流中にて焼成することにより、ハニカム担体1L当たりで、200gの触媒粉末が塗布された触媒ハニカム体を得た。
【0045】
以下、下記表1の内容に基づいて、実施例2〜比較例5を実施した。
【表1】

【0046】
[実施例2]
実施例2においては、実施例1のCeOゾルに代えて、二次粒子のCeOを含むCeOゾルを用いた。このCeOゾル中のCeO粒子は、一次粒子の粒子径が2nmであり、二次粒子の粒子径は26nmであった。これ以外の条件については、実施例1と同様にして、触媒ハニカム体を得た。
【0047】
[実施例3]
実施例3においては、実施例1のCeOゾルに代えて、Ce−Zr−Oxの一次粒子を含むゾルを用いた。このゾルは、一次粒子の粒子径が25nmで、CeO:ZrOのモル比を70:30とした。この条件以外は、実施例1と同様にして、触媒ハニカム体を得た。
【0048】
[実施例4]
実施例4においては、実施例1のCeOゾルに代えて、二次粒子のCe−Zr−Oxを含むCe−Zr−Oxゾルを用いた。このCe−Zr−Oxゾル中のCe−Zr−Ox粒子は、一次粒子の粒子径が2nmであり、二次粒子の粒子径は24nmであった。また、CeO:ZrOのモル比は70:30であった。これ以外の条件については、実施例1と同様にして、触媒ハニカム体を得た。
【0049】
[実施例5]
(1)Pt/CeOユニットの調製
まず、二次粒子からなるCeO粉末を準備した。該CeO粉末においては、二次粒子の粒子径は数μmであり、一次粒子の粒子径は27nmであった。次に、CeO粉末にジニトロジアミン白金を含浸し、400℃で1時間焼成した。このPt/CeO粉末に水と硝酸を加え、ミルにて粉砕し、平均粒子径を130nmとした。
【0050】
(2)無機Al塩による包接
こののち、ブロックベーマイトを水溶媒に溶かし、1時間撹拌した。このベーマイト溶液に(1)で調製した。Pt/CeO溶液を投入し、さらに1時間撹拌した。この溶液をエバポレーターにて減圧乾燥した後、乾燥機中で150℃の温度で1時間乾燥した。この粉末を空気中にて、550℃の温度で3時間の間、炉内で焼成し、Pt/CeO/Al触媒粉末を得た。
【0051】
(3)ハニカム担体への塗布
(2)にて得られた触媒粉末を180g、20gのベーマイト、290gの水、及び10gの10wt%硝酸を、アルミナ製磁性ポットに投入し、アルミナボールとともに、混合粉砕し、触媒スラリーを得た。この触媒スラリーを、コージェライト製ハニカム担体に塗布した。このコージェライト製ハニカム担体は、400セル、6ミル、容量が0.119Lであった。次に、余剰スラリーを空気流にて除去し、120℃で乾燥し、400℃で空気気流中にて焼成し、ハニカム担体1L当たり、200gの触媒粉末が塗布された触媒ハニカム体を得た。
【0052】
[比較例1]
比較例1においては、実施例1のCeOゾルに代えて、一次粒子径が2nmであるCeO粒子を含むCeOゾルを用いた。この条件以外は、実施例1と同様にして、触媒ハニカム体を得た。
【0053】
[比較例2]
比較例2においては、実施例1のCeOゾルに代えて、Ce−Zr−Oxの一次粒子を含むゾルを用いた。このCe−Zr−Oxの一次粒子の粒子径は2nmであった。また、CeO:ZrOのモル比を70:30とした。この条件以外は、実施例1と同様にして、触媒ハニカム体を得た。
【0054】
[比較例3]
比較例3においては、実施例1のCeOゾルに代えて、一次粒子径が39nmであるCeO粒子を含むCeOゾルを用いた。この条件以外は、実施例1と同様にして、触媒ハニカム体を得た。
【0055】
[比較例4]
比較例4においては、実施例5とほぼ同様にして触媒ハニカム体を得た。ただし、実施例5におけるミルによる粉砕後の平均粒子径は130nmであったが、比較例4では、ミルによる粉砕後の平均粒子径を169nmとした。この条件以外は、実施例5と同様にした。
【0056】
[比較例5]
比較例5においては、比較例1とほぼ同様にして触媒ハニカム体を得た、ただし、CeOゾルにPtを担持した後、超音波によりユニットを分散させた。この条件以外は、比較例1と同様にして触媒ハニカム体を得た。
【0057】
[触媒の性能評価]
前記実施例1〜5、及び比較例1〜5で得られた触媒に、下記表2に示す排気ガスを晒して触媒の耐久試験を行った。
【0058】
使用したエンジンは、3.5LのV型エンジンであり、使用燃料は無鉛ガソリンとした。また、触媒の入口温度を900℃とし、30時間の耐久試験をした。その耐久試験の結果は、前記表2に示す通りである。
【表2】

【0059】
比較例1,2では、Pt粒子を担体に担持したときにユニットが急激に凝集して、Pt粒子が二次粒子からなる担体内に埋没してしまった。また、比較例3では、一次粒子からなる担体の径が30nm以上であるため、耐久試験後に貴金属粒子同士が凝集してしまい、貴金属粒子の集合体の径が10nm以上になってしまった。比較例4では、二次粒子からなる担体の径が150nm以上であるため、貴金属粒子同士の凝集が急激に凝集してしまい、触媒活性が低下した。比較例5では、担体の径が金属酸化物の細孔よりも小さいため、耐久試験後にユニットが細孔から抜け出した。その結果、ユニット同士が凝集すると共に、この凝集した複数のユニット内にPt粒子が埋没した。
【0060】
以上の結果より、実施例1〜5による触媒の方が、比較例1〜5による触媒よりも、高い触媒活性を維持できることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施形態による排気ガス浄化触媒中の貴金属粒子及び担体を拡大して示す概略図であり、担体が一次粒子から構成されている。
【図2】本発明の実施形態による排気ガス浄化触媒中の貴金属粒子及び担体を拡大して示す概略図であり、担体が二次粒子から構成されている。
【図3】比較例による排気ガス浄化触媒中の貴金属粒子及び担体を拡大して示す概略図である。
【図4】本発明の実施形態による、金属酸化物中に配置された貴金属粒子及び担体を示す概略図である。
【図5】実施例1で得られた触媒を示すTEMの顕微鏡写真である。
【図6】実施例2で得られた触媒を示すTEMの顕微鏡写真である。
【図7】比較例1で得られた触媒を示すTEMの顕微鏡写真である。
【図8】比較例3で得られた触媒を示すTEMの顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0062】
1…触媒
3…担体(一次粒子)
5…担体(二次粒子)
7…貴金属粒子
9…仮想球
9a…球殻
15…金属酸化物
17…細孔
19…ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貴金属粒子と該貴金属粒子を担持した担体とを有し、前記貴金属粒子の少なくとも一部が、前記担体における最外表面、又は最外表面から内方に向けて担体の径の10%以内の部位に配置されたことを特徴とする排気ガス浄化触媒。
【請求項2】
前記貴金属粒子の少なくとも一部が、前記担体における最外表面、又は最外表面から内方に向けて担体の径の5%以内の部位に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化触媒。
【請求項3】
前記担体が二次粒子であり、該二次粒子全てを内包し、かつ径が最も小さい一つの仮想球を想定し、この仮想球の球殻から内方に向けて、該球殻の径の10%以内の部位に前記貴金属粒子が配置されたことを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化触媒。
【請求項4】
前記担体が二次粒子であり、該二次粒子全てを内包し、かつ径が最も小さな一つの仮想球を想定し、この仮想球の球殻から内方に向けて、該球殻の径の5%以内の部位に前記貴金属粒子が配置されたことを特徴とする請求項2に記載の排気ガス浄化触媒。
【請求項5】
前記担体が一次粒子からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス浄化触媒。
【請求項6】
前記貴金属粒子と該貴金属粒子が担持された担体とからなるユニットが金属酸化物中に複数配置され、該金属酸化物によって前記ユニット同士が隔てられた状態で配置されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒。
【請求項7】
前記貴金属粒子が、Pt、Pd、Rhのうち少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒。
【請求項8】
前記担体が、少なくともCeを含む酸化物であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒。
【請求項9】
前記金属酸化物が、少なくともAlを含む酸化物であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒。
【請求項10】
前記ユニットの平均径が、前記金属酸化物に形成された細孔の径よりも大きいことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒。
【請求項11】
前記ユニットの平均径が150nm以下であることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒。
【請求項12】
前記ユニットの平均径が20〜30nmであることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒。
【請求項13】
前記Ceを含む酸化物である担体がCeOであることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒。
【請求項14】
前記Ceを含む酸化物である担体がCeとZrとの複合酸化物であることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の排気ガス浄化触媒。
【請求項15】
前記貴金属粒子がPtからなることを特徴とする請求項13又は14に記載の排気ガス浄化触媒。
【請求項16】
平均径が20〜30nmである担体のゾルに貴金属塩を含浸することにより、貴金属粒子を外表面に担持した担体を含む第1の溶液を作成する工程を含むことを特徴とする排気ガス浄化触媒の製造方法。
【請求項17】
有機溶媒中に金属酸化物の原料有機塩を分散させて第2の溶液を作成し、該第2の溶液と前記第1の溶液とを混合させることによって、金属酸化物の原料有機塩を加水分解する工程をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の排気ガス浄化触媒の製造方法。
【請求項18】
金属酸化物の原料無機塩を水溶液中に分散させて第3の溶液を作成し、該第3の溶液と前記第1の溶液とを混合させる工程をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の排気ガス浄化触媒の製造方法。
【請求項19】
請求項16〜18で得られたスラリーを耐火性無機担体に塗布する工程をさらに含むことを特徴とする排気ガス浄化触媒の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−119629(P2008−119629A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−307674(P2006−307674)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(302057052)ルノー エス.ア.エス.ソシエテ パ アクション サンプリフェ (8)
【Fターム(参考)】