説明

排気浄化装置

【課題】 排気管の振動による破損を抑制可能であり、排気管からの排気熱による破損を抑制可能な排気浄化装置を提供する。
【解決手段】 排気管92から突出するように取り付けられた基部21の開口側から、有底筒状の導波管23が間隙Cをあけて対向配置されている。すなわち、導波管23の開口端部231の内径は、基部21の開口端部212の外径よりも大きくなっている。これにより、導波管23の開口端部231は、間隙Cをあけて、基部21の開口端部212を外側から非接触で覆う構成となっている。また、基部21が、導波管23へ向かう基部21の開口を閉塞する遮熱板213を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関(以下「エンジン」という)に適用される排気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、触媒を利用して排ガスを浄化する排気浄化装置が知られている。これは、排ガス中に含まれる汚染物質を触媒によって後処理するものである。このような排気浄化装置においては、触媒を昇温して活性化する必要がある。
通常、排ガスの熱(以下「排気熱」という)によって触媒は昇温されることになるが、エンジン始動の直後や渋滞による低速運転時など特定の運転条件下では、排気熱による触媒の活性化が不十分となることがあった。
【0003】
このような問題を解決するための方法として、マイクロ波を印加する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。つまり、特定の運転条件下においては、ECUからの指示により、マイクロ波を発生させて触媒を昇温するのである。
【0004】
【特許文献1】特開平5−202738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示される技術では、マイクロ波発生装置が排気管に直接取り付けられている。そのため、排気管の振動がマイクロ波発生装置に直接伝達されてしまい、マイクロ波発生装置を破損する虞がある。また、排気管を通る排ガスは高温となるため、排気熱がマイクロ波発生装置に伝達されてしまうことになり、マイクロ波発生装置を破損する虞がある。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、排気管の振動による破損を抑制可能な排気浄化装置を提供することにある。また、別の目的は、排気管からの排気熱による破損を抑制可能な排気浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するためになされた請求項1に記載の排気浄化装置は、触媒ユニットと、マイクロ波ユニットと、制御ユニットとを備えている。
【0008】
このとき、触媒ユニットは、エンジンの排気管に取り付けられる。この触媒ユニットによって、排気管を通過する排ガスが浄化される。また、マイクロ波ユニットは、基部、マイクロ波発生部、及び、導波部を有している。基部は、排気管の側方に開口を形成する構成である。マイクロ波発生部は、触媒ユニットに作用し触媒を活性化させるマイクロ波を発生する。そして、マイクロ波を基部の開口へ導くのが導波部である。これにより、マイクロ波は、導波管から基部へ導かれ、さらには、排気管を通して触媒ユニットの触媒を活性化する。ここで、マイクロ波発生部によるマイクロ波の発生タイミングは、制御ユニットによって制御される。
【0009】
ここで特に本発明では、マイクロ波ユニットが、基部の開口端部と導波部の開口端部とが直接的に接触しない態様で対向配置されてなる。
例えば、請求項2に示すように、基部及び導波部のうち一方の開口端部が他方の開口端部に内包されてなることが例示される。また例えば、請求項3に示すように、基部及び導波部の開口端部同士が離間して配置されてなることが例示される。
【0010】
このようにすれば、例えば排気管が車体下部に吊り下げられている場合等、エンジンの回転あるいは走行によって排気管が振動したとしても、導波部に、その振動が直接的に伝達されることがない。これによって、振動によるマイクロ波ユニットの破損を抑制することができる。
【0011】
ところで、振動を伝達させないために基部と導波部との間に間隙を設ければ、マイクロ波が外部へ漏洩する虞が生じてくる。
そこで、請求項4では、開口端部同士の形成する間隙を、マイクロ波の漏洩が抑制される程度に小さくした。すなわち、マイクロ波の波長と間隙周囲の構造とから、マイクロ波が外部へ漏洩しない程度の間隙を形成するのである。このようにすれば、特に他の部品を使うことなくマイクロ波の漏洩をも防止できる。
【0012】
また、請求項5では、連結閉塞部材によって、基部と導波部とが相対移動可能となるよう連結されている。ここでは、連結閉塞部材によって、開口端部同士が形成する間隙が閉塞されてマイクロ波の漏洩が抑制される。連結閉塞部材は、相対移動可能となることから、例えば板バネや蛇腹部材として具現化される。また、マイクロ波の漏洩を抑制することから、例えば金属製の部材として具現化される。このようにすれば、部品点数が増えるものの、間隙を大きくとることができ、振動の伝達を抑制するという観点から有利である。
【0013】
なお、ここまでは、振動によるマイクロ波ユニットの破損という観点から説明してきたが、このような構成に加えあるいは代え、排気熱によるマイクロ波ユニットの破損を防止するという観点から、次に示す構成を採用することが例示される。
【0014】
すなわち、請求項6に従属項として、又は、請求項7に独立項として示すように、マイクロ波ユニットが、基部の開口を閉塞し、導波管への熱の流入を抑制すると共に排気管へのマイクロ波の進入を許容する遮熱部材を有する構成である。このような遮熱部材としては、耐熱性が高く、誘電率の小さいものを採用する。具体的には、請求項8に示すように、セラミック、耐熱硝子、又は、マイカを用いて構成することが例示される。
【0015】
このようにすれば、排気熱のマイクロ波ユニットへの伝達が抑制されるため、排気熱によるマイクロ波ユニットの破損を抑制することができる。
【0016】
なお、以上は排気浄化装置の発明として説明してきたが、本発明の特徴がマイクロ波ユニットにあることから、マイクロ波ユニットの発明として実現することもできる。
すなわち、エンジンの排気管に配置される触媒ユニットの上流側に取り付けられ前記排気管の側方に開口を形成する基部、前記触媒ユニットに作用し触媒を活性化させるマイクロ波を発生するマイクロ波発生部、及び、当該マイクロ波発生部にて発生させられたマイクロ波を前記基部の開口へ導く導波部を有するマイクロ波ユニットであって、前記マイクロ波ユニットは、前記基部の開口端部と前記導波部の開口端部とが直接的に接触しない態様で対向配置されてなることを特徴とするマイクロ波ユニットである。
【0017】
このようなマイクロ波ユニットにおいても、上述の排気浄化装置と同様の種々の構成を採用することができ、上述の排気浄化装置と同様の効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本形態の排気浄化装置1は、エンジン91の排気管92に取り付けられる。排気浄化装置1は、触媒ユニット10と、マイクロ波ユニット20と、電子制御装置(以下「ECU」という)30と、温度センサ41と、添加弁42とを備えている。
【0019】
触媒ユニット10は、その内部に、ハニカム構造をなす炭化ケイ素(SiC)担体を具備する、いわゆるNOx還元触媒である。
マイクロ波ユニット20は、基部21、マイクロ波発生部22、及び、導波管23を有している。大まかな構成を言えば、排気管92から突出するように取り付けられた基部21の開口側から、有底筒状の導波管23が間隙をあけて対向配置されている。
【0020】
詳しくは、図2に示すように、基部21は、筒状を呈しており、ボルト211にて排気管92の側壁開口部93に固定されている。
マイクロ波発生部22は、アンテナ221を有し、ECU30からの指示により、このアンテナ221からマイクロ波を発生する。このマイクロ波を基部21側へ導くのが導波管23である。したがって、導波管23は、有底筒状であり、基部21側へ開口している。導波管23の開口端部231の内径は、基部21の開口端部212の外径よりも大きくなっている。これにより、導波管23の開口端部231は、間隙Cをあけて、基部21の開口端部212を外側から覆う構成となっている。換言すれば、基部21の開口端部212が導波管23の開口端部231に内包されている。このとき、間隙Cは、マイクロ波の波長と間隙Cの周囲構造との関係から、マイクロ波が外部へ漏洩しない程度(本形態では、約5mm)のものとなっている。なお、基部21が取り付けられる排気管92は車体下部に吊り下げられるのに対し、導波管23は、排気管92とは別の部位にボルト等で固定される。
【0021】
また、基部21には、遮熱板213が導波管23へ向かう基部21の開口を閉塞するように配置されている。この遮熱板213は、その素材に、セラミック、耐熱硝子、マイカ等が用いられ、誘電率が小さいものとなっている。かかる構成により、導波管23へ排ガスが流入することがなく、排気熱のマイクロ波発生部22への伝達が抑制される。なお、この遮熱板213は、端縁部を緩衝材214で挟まれた形で固定されている。これにより、振動で遮熱板213が損傷することも防止される。
【0022】
ここで図1の説明に戻る。
ECU30は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらを接続するバスラインなどを具備した、いわゆるコンピュータである。ECU30には、排気管92の上流側で排ガスの温度を取得するための温度センサ41からの温度情報が入力される。この温度情報に基づき、ECU30は、上述したマイクロ波発生部22を作動させる。
【0023】
また、ECU30は、添加弁42の作動も制御する。添加弁42は、触媒ユニット10の上流側に配設されている。添加弁42は、既存のインジェクタとほぼ同様の構成を有する。すなわち、添加弁42は、電磁ソレノイドと噴孔を開閉するためのニードルとを備えた電磁式開閉弁として構成されている。これにより、ECU30からの指示で、還元剤(本形態では尿素水)が排気管92内に噴射可能となっている。
【0024】
以上、本形態の構成について説明した。次に、本形態における還元作用について説明する。
排気管92内に還元剤が噴射されると、排ガスの還元反応が、触媒ユニット10において生じる。具体的に本形態では、排ガスと共に尿素水が触媒ユニット10へ供給される。このとき、尿素水が加水分解されてアンモニアが生成され、このアンモニアが排ガス中のNOxと反応することによって、NOxが窒素に還元される。
【0025】
このとき、通常、尿素水は排気熱で加水分解される。しかしながら、エンジン始動の直後(例えば始動後1分程度)、又は、渋滞などによる低速走行持など特定の運転条件下では、排気熱だけでは十分な加水分解が得られないことがある。
そこで、本形態では、マイクロ波ユニット20により、触媒ユニット10に具備される炭化ケイ素(SiC)担体を急速加熱する構成とした。
【0026】
次に、ECU30によるマイクロ波発生処理について、図3を参照して説明する。この処理は、イグニッションキーがオンになっているときに、繰り返し実行される。
【0027】
最初のステップ(以下「ステップ」を単に記号Sで示す)100において、エンジン始動があったか否かを判断する。この処理は、イグニッションキーの操作によるスタータモータの駆動信号に基づくものである。ここでエンジン始動があったと判断された場合(S100:YES)、S110の処理を実行せず、S120へ移行する。一方、エンジン始動がないと判断された場合(S100:NO)、S110へ移行する。
【0028】
S110では、エンジン回転中か否かを判断する。この判断は、エンジン回転数センサ(不図示)からの入力信号によって行う。ここでエンジン回転中であると判断された場合(S110:YES)、S120へ移行する。一方、エンジン停止中であると判断された場合(S110:NO)、以降の処理を実行せず、本マイクロ波発生処理を終了する。
【0029】
S120では、所定温度以下であるか否かを判断する。この処理は、排ガスの温度が比較的冷たいか否かを判断するものであり、上述した温度センサ41からの入力情報に基づいて行われる。ここで所定温度以下であると判断された場合(S120:YES)、S130へ移行する。一方、所定温度以下でない、すなわち所定温度を上回っている場合には(S120:NO)、S120の判断処理を繰り返す。なお、この判断処理を繰り返すのは、渋滞などによる低速走行時には、排ガスの温度が低下することが想定されるためである。
【0030】
S130では、マイクロ波を発生する。この処理は、マイクロ波ユニット20のマイクロ波発生部22へ駆動信号を出力するものである。これにより、マイクロ波発生部22のアンテナ221からマイクロ波が発生する。
【0031】
続くS140では、還元剤を噴射する。この処理は、添加弁42への駆動信号を出力するものである。これにより、添加弁42が開弁し、還元剤が排気管92内へ噴射されることになる。
【0032】
なお、本形態における触媒ユニット10が「触媒ユニット」を構成し、マイクロ波ユニット20が「マイクロ波ユニット」を構成し、ECU30が「制御ユニット」を構成する。また、マイクロ波ユニット20の基部21が「基部」を構成し、マイクロ波発生部22が「マイクロ波発生部」を構成し、導波管23が「導波部」を構成する。さらにまた、遮熱板213が「遮蔽部材」を構成する。
【0033】
次に本形態の排気浄化装置1により奏される効果を説明する。
本形態の排気浄化装置1では、排気管92から突出するように取り付けられた基部21の開口側から、有底筒状の導波管23が間隙をあけて配置されている。すなわち、図2に示したように、導波管23の開口端部231の内径は、基部21の開口端部212の外径よりも大きくなっている。これにより、導波管23の開口端部231は、間隙Cをあけて、基部21の開口端部212を外側から非接触で覆う構成となっている。したがって、車体下部に吊り下げられる排気管92が、エンジンの回転あるいは走行によって振動したとしても、導波管23に、その振動が伝達されない。これによって、振動によるマイクロ波発生部22の破損を抑制することができる。
【0034】
しかも、この間隙Cは、5mm程度となっており、マイクロ波の波長と間隙Cの周囲構造との関係から、マイクロ波が外部へ漏洩しない程度のものとなっている。したがって、たとえ間隙Cを設けたとしても、マイクロ波の外部への漏洩が抑制される。
【0035】
また、本形態の排気浄化装置1では、導波管23へ向かう基部21の開口を密閉する遮熱板213を備えている(図2参照)。これによって、導波管23へ排ガスが流入することがなく、排気熱のマイクロ波発生部22への伝達が抑制されている。その結果、排気熱によるマイクロ波発生部22の破損をも抑制することができる。
【0036】
しかも、遮熱板213は、その端縁部を緩衝材214で挟まれて固定されている(図2参照)。これによって、振動で遮熱板213自体が損傷することが防止される。
【0037】
このような構成の下、マイクロ波発生処理(図3参照)を実行することで、図4(a)に示すように、エンジン始動後において、早いタイミングで触媒温度を上昇させることができる。結果として、図4(b)に示すように、エンジン始動直後におけるNOx濃度を大きく減少させることができる。
【0038】
(第2実施形態)
本形態は、上記形態のマイクロ波ユニット20の構成が異なるものである。そこで、その相違部分のみを説明する。なお、上記形態と同様の構成についての説明は割愛し、同一構成部位には同一の符号を付す。
【0039】
図5に示すように、本形態のマイクロ波ユニット50は、基部51、マイクロ波発生部22、及び、導波管23を有している。ここで、マイクロ波発生部22及び導波管23の構成は、上記形態と同様である。
【0040】
基部51が、筒状を呈し排気管92に固定されるのは上記形態と同様であるが、本形態では、その開口端部511の外径が、より小さくなっている。すなわち、導波管23との間隙Dが上記形態の間隙Cと比較して大きくなっている。そして、この間隙Dを基部51側から閉塞するように、金属製でリング状の板バネ54が配置されている。なお、板バネ54は、導波管23又は基部51に溶接等で固定される。
【0041】
なお、本形態における触媒ユニット10が「触媒ユニット」を構成し、マイクロ波ユニット50が「マイクロ波ユニット」を構成し、ECU30が「制御ユニット」を構成する。また、マイクロ波ユニット50の基部51が「基部」を構成し、マイクロ波発生部22が「マイクロ波発生部」を構成し、導波管23が「導波部」を構成する。さらにまた、遮熱板213が「遮蔽部材」を構成し、板バネ54が「連結閉塞部材」を構成する。
【0042】
本形態においても、上記形態と同様の効果が奏される。
そして、特に本形態では、導波管23と基部51との間隙Dを相対的に大きくすることで、例えば排気管92の振動が大きくなったとしても、基部51と導波管23との直接的な接触を回避することができる。その結果、振動によるマイクロ波発生部22の破損を抑制することができる。
【0043】
また、間隙Dを基部51側から閉塞する金属製の板バネ54が配置されているため、たとえ間隙Dが相対的に大きくなったとしても、マイクロ波の外部への漏洩が抑制される。
【0044】
(第3実施形態)
本形態は、上記形態のマイクロ波ユニット20、50の構成が異なるものである。そこで、その相違部分のみを説明する。なお、上記形態と同様の構成についての説明は割愛し、同一構成部位には同一の符号を付す。
【0045】
図6に示すように、本形態のマイクロ波ユニット60は、基部61、マイクロ波発生部22、及び、導波管63を有している。ここで、マイクロ波発生部22の構成は、上記形態と同様である。
【0046】
本形態では、基部61の開口端部611の外径及び内径、導波管63の開口端部631の外径及び内径がそれぞれ等しくなっている。そして、基部61の開口端部611と、導波管63の開口端部631とが、金属製の蛇腹部材64で接続されている。
【0047】
なお、本形態における触媒ユニット10が「触媒ユニット」を構成し、マイクロ波ユニット60が「マイクロ波ユニット」を構成し、ECU30が「制御ユニット」を構成する。また、マイクロ波ユニット60の基部61が「基部」を構成し、マイクロ波発生部22が「マイクロ波発生部」を構成し、導波管63が「導波部」を構成する。また、遮熱板213が「遮蔽部材」を構成し、蛇腹部材64が「連結閉塞部材」を構成する。
【0048】
このような本形態においても、上記形態と同様の効果が奏される。
そして、特に本形態では、導波管63と基部61とが離間して配置され、重なり合う部分がない。したがって、例えば排気管92の振動が大きくなったとしても、基部61と導波管63との直接的な接触を確実に回避することができる。その結果、振動によるマイクロ波発生部22の破損を抑制することができる。
【0049】
また、基部61と導波管63の離間部分には、金属製の蛇腹部材64が配置されているため、マイクロ波の外部への漏洩が抑制される。
【0050】
以上、本発明は、上記形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施できる。
上記形態では、還元剤として尿素水を添加するNOx浄化の構成としたが、例えば三元触媒によって未燃焼の炭化水素や一酸化炭素の排ガスを浄化するタイプの装置に適用することもできる。また、導波管部や開口部は円筒に限らず、箱形等で形成することをできる。なお、排気で温まりにくい触媒の後方部を暖めるため、触媒の下流に開口部を設けてマイクロ波を照射することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】第1実施形態の排気浄化装置の構成を示す概略構成図である。
【図2】第1実施形態のマイクロ波ユニットの構成を示す概略断面図である。
【図3】マイクロ波発生処理を示すフローチャートである。
【図4】マイクロ波発生による触媒温度及びNOx濃度の推移を示す説明図である。
【図5】第2実施形態のマイクロ波ユニットの構成を示す概略断面図である。
【図6】第3実施形態のマイクロ波ユニットの構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1…排気浄化装置、10…触媒ユニット、20、50、60…マイクロ波ユニット、21、51、61…基部、212、511、611…開口端部、213…遮熱板(遮蔽部材)、214…緩衝材、22…マイクロ波発生部、221…アンテナ、23、63…導波管(導波部)、231、631…開口端部、30…ECU(制御ユニット)、41…温度センサ、42…添加弁、54…板バネ(連結閉塞部材)、64…蛇腹部材(連結閉塞部材)、91…エンジン、92…排気管、93…側壁開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの排気管に取り付けられ、通過する排ガスを浄化可能な触媒ユニットと、
前記排気管の側方に開口を形成する基部、前記触媒ユニットに作用し触媒を活性化させるマイクロ波を発生するマイクロ波発生部、及び、当該マイクロ波発生部にて発生させられたマイクロ波を前記基部の開口へ導く導波部を有するマイクロ波ユニットと、
前記マイクロ波発生部におけるマイクロ波の発生タイミングを制御する制御ユニットと、を備えた排気浄化装置であって、
前記マイクロ波ユニットは、前記基部の開口端部と前記導波部の開口端部とが直接的に接触しない態様で対向配置されてなること
を特徴とする排気浄化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の排気浄化装置において、
前記マイクロ波ユニットは、前記基部及び前記導波部のうち一方の開口端部が他方の開口端部に内包されてなることを特徴とする排気浄化装置。
【請求項3】
請求項1に記載の排気浄化装置において、
前記マイクロ波ユニットは、前記基部及び前記導波部の開口端部同士が離間して配置されてなることを特徴とする排気浄化装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の排気浄化装置において、
前記マイクロ波ユニットは、前記開口端部同士の形成する間隙がマイクロ波の漏洩を抑制する程度に小さくなっていることを特徴とする排気浄化装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の排気浄化装置において、
前記マイクロ波ユニットは、
前記基部と前記導波部とが相対移動可能となるよう連結されてなり、
前記開口端部同士が形成する間隙を閉塞してマイクロ波の漏洩を抑制する連結閉塞部材を有していることを特徴とする排気浄化装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の排気浄化装置において、
前記マイクロ波ユニットは、前記基部の開口を閉塞し、前記導波管への熱の流入を抑制すると共に前記排気管へのマイクロ波の進入を許容する遮熱部材を有していることを特徴とする排気浄化装置。
【請求項7】
エンジンの排気管に取り付けられ、通過する排ガスを浄化可能な触媒ユニットと、
前記触媒ユニットの上流側に取り付けられ前記排気管の側方に開口を形成する基部、前記触媒ユニットに作用し触媒を活性化させるマイクロ波を発生するマイクロ波発生部、及び、当該マイクロ波発生部にて発生させられたマイクロ波を前記基部の開口へ導く導波部を有するマイクロ波ユニットと、
前記マイクロ波発生部におけるマイクロ波の発生タイミングを制御する制御ユニットと、を備えた排気浄化装置であって、
前記マイクロ波ユニットは、前記基部の開口を閉塞し、前記導波管への熱の流入を抑制すると共に前記排気管へのマイクロ波の進入を許容する遮熱部材を有していること
を特徴とする排気浄化装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の排気浄化装置において、
前記遮熱部材は、セラミック、耐熱硝子、又は、マイカを用いて構成されていることを特徴とする排気浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−84608(P2010−84608A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254014(P2008−254014)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】