説明

排気消音装置

【課題】排気ガスを冷却することにより排気音の音圧レベルを下げる排気消音装置を提供する。
【解決手段】エンジンからの排気ガスが流通する排気管3に熱音響冷却装置10を設ける。熱音響冷却装置10は、作業ガスが封入されたループ管11と、ループ管11に接続され作業ガスに熱音響自励振動による波動を発生させる熱音響発生部12A及び波動の発生によって作動するヒートポンプ12Bとを備えている。熱音響発生部12Aとヒートポンプ12Bとは、それぞれ蓄熱部14又は蓄冷部16を有するとともに、その両側に位置する高温側熱交換器13A,15A及び低温側熱交換器13B,15Bとを有する。高温側熱交換器13Aを排気管3の排気ガスの流れ方向の第1の部位に接続するとともに、第1の部位よりも下流側の第2の部位に低温側熱交換器15Bを接続する。低温側熱交換器13Bと高温側熱交換器15Aは、大気又はエンジン冷却水で除熱冷却させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の排気消音装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車の排気消音装置としては、その基本型として特許文献1の図2に記載のように(a)拡張型、(b),(b’)拡張共振型、(c)共振型、(d)吸収型、(e)干渉型、(f)抵抗型に分類できる。
しかし、排気ガスが排気管の出口から大気中に放出される前に、排気ガスの温度を下げることにより排気音の音圧レベルを低減できることも一般に知られている。
また、特許文献2には、熱音響現象を利用したループ管気柱音響波動冷凍機の技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3337556号公報
【特許文献2】特許第3015786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、排気ガスの温度を下げるために動力を用いて排気ガスを冷却することは、車両の燃費を増加させることになる。また、自動車の走行時の風を用いて空冷等により排気ガスを冷却する方法では、車両停車中の排気騒音の低減に関しては効率良く機能せず、又、排気ガスと大気との熱交換のための冷却部の体積が増加し、排気系統の体積を著しく増大させることになる。
【0005】
本発明は、前記した従来の課題を解決するものであり、簡単な構造で、動的機構を持たず、排気ガス自体を効率的に冷却することにより、排気音の音圧レベルを下げることができる排気消音装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明の排気消音装置は、エンジンからの排気ガスが流通する排気管に設けられ、排気音を低減するものであって、作業ガスが封入されたループ状の配管と、作業ガスに熱音響自励振動による波動を発生させる波動発生手段と、波動の発生によって作動するヒートポンプと、を有する熱音響冷却装置を備え、波動発生手段と、ヒートポンプとは、それぞれスタックとその両側に位置する高温側熱交換器及び低温側熱交換器とを有し、波動発生手段の高温側熱交換器を排気管の排気ガスの流れ方向の第1の部位に接続するとともに、第1の部位よりも排気ガスの流れ方向の下流側の排気管の第2の部位にヒートポンプの低温側熱交換器を接続し、波動発生手段の低温側熱交換器及びヒートポンプの高温側熱交換器は、大気又はエンジン冷却水で除熱冷却され、排気管の第1の部位における排気ガスの熱を波動発生手段の高温側熱交換器に供給し、ヒートポンプの低温側熱交換器に生じる冷熱により、第2の部位における排気ガスを冷却することを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、動的機構を有しない簡単な構成の波動発生手段とヒートポンプを有する熱音響冷却装置により排気管内を流れる排気ガスの温度を効率的に下げて、排気音の音圧レベルを下げることができる。そして、例えば、排気管の前記第2の部位より下流側にメインマフラを設ける場合には、それに流入する排気ガスの温度が従来よりも低減され、メインマフラの寿命がより延びる効果がある。
【0008】
請求項2に係る発明の排気消音装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、熱音響冷却装置は、排気管に接続された排気ガスを浄化する触媒装置よりも排気ガスの流れ方向の下流側に配置されることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、熱音響冷却装置は、排気ガスを浄化する触媒装置よりも排気ガスの流れ方向の下流側に配置されるので、エンジンから排気される排気ガスが熱音響冷却装置で冷却される前に触媒装置に到達し、エンジン始動時の触媒装置の温度の上昇を妨げることを防止できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡単な構造で、動的機構を持たず、排気ガス自体を効率的に冷却することにより、排気音の音圧レベルを下げることができる排気消音装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る排気消音装置を含む排気系統の全体概略構成図である。
【図2】図1における熱音響冷却装置の概略構成図である。
【図3】(a)は、図2における熱音響発生部のA−A矢視断面図、(b)は、図2におけるヒートポンプのB−B矢視断面図である。
【図4】(a)は、図2における熱音響発生部の変形例のA−A矢視断面図、(b)は、図2におけるヒートポンプの変形例のB−B矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態に係る排気消音装置1を含む排気系統の全体概要について説明する。図1は、本実施形態に係る排気消音装置を含む排気系統の全体概略構成図であり、図2は、図1における熱音響冷却装置の概略構成図であり、図3の(a)は、図2における熱音響発生部のA−A矢視断面図、(b)は、図2におけるヒートポンプのB−B矢視断面図である。
【0013】
図1に示すように排気系統の排気管3は、図示しない排気マニホールドにフランジをボルト締結されて接続され、触媒装置5に排気ガスを流し、更に下流の従来サブマフラ6と称される中間部分に熱音響冷却装置10を備える。サブマフラ6の下流側には、フランジをボルト締結されてメインマフラ7が接続される。
【0014】
熱音響冷却装置10は、主にループ管(ループ状の配管)11で熱音響発生部(波動発生手段)12A、ヒートポンプ12Bを接続して構成されている。ループ管11内には、作業ガスとして不活性ガスが、例えば、所定の圧力のヘリウムガスが封入されている。
なお、作業ガスとしては、特許文献2に記載されているように他の成分の不活性ガス、例えば、窒素、アルゴン、ヘリウムとアルゴンの混合ガス等でも良い。
【0015】
熱音響発生部12Aは、触媒装置5の下流側に位置する排気管3の部位(第1の部位)に設けられ、ループ管11の直線管部11a(図2参照)に設けられた蓄熱部(スタック)14と、排気ガスの熱を蓄熱部14の一端側との間で熱交換する高温側熱交換器13Aと、蓄熱部14の他端側と外気との間で熱交換する低温側熱交換器13Bとを含んでいる。
蓄熱部14は、高温側熱交換器13Aと低温側熱交換器13Bとの間で熱勾配を持つことにより、熱エネルギを音響エネルギに変換して熱音響(波動)が自励発生し、直線管部11aの高温側熱交換器13A側から矢印31(図2参照)で示した方向に進行波が作業ガスにより図2の直線管部11aから連結管部11b、直線管部11cへと伝播して、ヒートポンプ12Bの蓄冷部16に伝達される(図2参照)。
【0016】
ヒートポンプ12Bは、前記した第1の部位より排気ガスの流れ方向で下流側に位置する排気管3の部位(第2の部位)に設けられ、ループ管11の直線管部11c(図2参照)に設けられた蓄冷部(スタック)16と、蓄冷部16の一端側と大気との間で熱交換する高温側熱交換器15Aと、蓄冷部16の他端側と排気管3の前記した第2の部位との間で熱交換する低温側熱交換器15Bとを含んでいる。高温側熱交換器15Aが、外気との間で熱交換することにより、高温側熱交換器15Aと低温側熱交換器15Bとの間に挟まれた蓄冷部16は熱勾配を持つことになる。そして、蓄冷部16は、音響エネルギを熱エネルギに変換するとともに、低温側熱交換器15Bから高温側熱交換器15Aへ熱輸送し、低温側熱交換器15Bは、排気管3の前記した第2の部位で排気ガスの熱を吸熱する。この吸熱機能については後記する。
【0017】
本実施形態の熱音響冷却装置10のループ管11は、基本的に熱交換機能部分を除いてステンレス製の略矩形形状に配管された管で構成されており、熱音響発生部12Aの蓄熱部14及びヒートポンプ12Bの蓄冷部16は、それぞれ、例えば、外形が筒状のハニカム構造のセラミックス25,26(図3の(a),(b)参照)を格納して構成されている。そして、それぞれ、直線管部11a,11cを構成するステンレス製の管に格納されている。セラミックス25,26は、直線管部11a,11cの軸方向に並行な小さい並行通路25a,26a(図3の(a),(b)参照)を多数有している。この並行通路25a,26aは、ループ管11内の作業ガスを媒体として伝播する音波の波長よりも十分小さい流体力学的通路直径である。例えば、音波の波長の3千分の1程度の狭い通路である。
【0018】
図3の(a)に示すように、熱音響発生部12Aの高温側熱交換器13Aは、排気管3の外周側にろう付け等で密着溶接して固定された、例えば、銅合金製の円筒形状の熱伝導部材21A、セラミックス25の一端側(蓄熱部14の一端側)の直線管部11aとその一端側が異種金属接合された、例えば、銅合金製の管形状の熱伝導部材21B、管形状の熱伝導部材21Bに格納された熱交換部材22、熱伝導部材21Aと熱伝導部材21Bとの間を熱伝導可能に接続する熱伝導部材21Cから構成されている。管形状の熱伝導部材21Bの他端側は、直線管部11aと異種金属接合されている。
熱交換部材22は、例えば、多数枚の薄肉金属板が微小間隔で配設されたものであり、作業ガスの音響波動がセラミックス25の小さい並行通路25aに伝わるように構成されているとともに、前記した多数枚の薄肉金属板がセラミックス25の一端側に接触しセラミックス25へ熱伝導可能な構成になっている。
【0019】
図3の(a)に示すように、熱音響発生部12Aの低温側熱交換器13Bは、セラミックス25の他端側(蓄熱部14の他端側)の直線管部11aにその一端側を異種金属接合された、例えば、銅合金製の冷却フィン付き管形状の熱伝導部材23と、熱伝導部材23に格納された熱交換部材24とから構成されている。熱伝導部材23は、その外周側に周方向に多数の冷却フィン23aを有し、冷却フィン23aで大気との熱交換表面積を増大させる構成となっている。熱伝導部材23の他端側は、直線管部11aと異種金属接合されている。
熱交換部材24は、例えば、多数枚の薄肉金属板が微小間隔で配設されたものであり、作業ガスの音響波動がセラミックス25の小さい並行通路25aに伝わるように構成されているとともに、前記した多数枚の薄肉金属板がセラミックス25の他端側に接触し、セラミックス25から熱伝導可能な構成になっている。
【0020】
図3の(b)に示すように、ヒートポンプ12Bの高温側熱交換器15Aは、セラミックス26の一端側(蓄冷部16の一端側)の直線管部11cにその一端側を異種金属接合された、例えば、銅合金製の冷却フィン付き管形状の熱伝導部材23と、熱伝導部材23に格納された熱交換部材24とから構成されている。熱伝導部材23は、その外周側に周方向に多数の冷却フィン23aを有し、冷却フィン23aで大気との熱交換表面積を増大させる構成となっている。熱伝導部材23の他端側は、直線管部11cと異種金属接合されている。
熱交換部材24は、例えば、多数枚の薄肉金属板が微小間隔で配設されたものであり、作業ガスの音響波動がセラミックス26の小さい並行通路26aに伝わるように構成されているとともに、前記した多数枚の薄肉金属板がセラミックス26の一端側に接触し、セラミックス26から熱伝導可能な構成になっている。
【0021】
図3の(b)に示すように、ヒートポンプ12Bの低温側熱交換器15Bは、排気管3の外周側にろう付け等で密着溶接して固定された、例えば、銅合金製の円筒形状の熱伝導部材21A、セラミックス26の他端側(蓄冷部16の他端側)の直線管部11cとその一端側が異種金属接合された、例えば、銅合金製の管形状の熱伝導部材21B、管形状の熱伝導部材21Bに格納された熱交換部材22、熱伝導部材21Aと熱伝導部材21Bとの間を熱伝導可能に接続する熱伝導部材21Cから構成されている。管形状の熱伝導部材21Bの他端側は、直線管部11cと異種金属接合されている。
熱交換部材22は、例えば、多数枚の薄肉金属板が微小間隔で配設されたものであり、作業ガスの音響波動がセラミックス26の小さい並行通路26aに伝わるように構成されているとともに、前記した多数枚の薄肉金属板がセラミックス26の他端側に接触し、セラミックス26へ熱伝導可能な構成になっている。
【0022】
本実施形態によれば、特許文献2の図1に記載の技術のように、熱音響発生部12Aの高温側熱交換器13Aは、排気管3の第1の部位から排気ガスの熱を伝達されて高温となり、低温側熱交換器13Bは、大気との熱交換により除熱冷却されるので、蓄熱部14のセラミックス25の小さい並行通路25aの壁には、高温側熱交換器13A側から低温側熱交換器13B側に向かって軸方向に急激な温度勾配が生じる。そして、直線管部11a,11cの長さと連結管部11b,11dの長さとが所定のものに設定され、作業ガスの圧力が適切に設定されて封入されているので、セラミックス25の小さい並行通路25a内の作業ガスに与えられた熱エネルギがセラミックス25の小さい並行通路25aの壁によって圧力に変換され、変動する圧力から自励的振動を生じ、熱エネルギが音響エネルギに変換される。そして、セラミックス25の小さい並行通路25aの高温側熱交換器13A側から、図2の矢印31に示す方向に進む進行波と定在波の音波(波動)が発生する。
【0023】
ループ管11を伝播する音波は、ヒートポンプ12Bのセラミックス26の小さい並行通路26aの壁を通過することになる。ここで、音波がセラミックス26の小さい並行通路26aを高温側熱交換器15A側から進入すると、作業ガスと並行通路26aの壁との間で音響エネルギから熱エネルギへの変換と、熱エネルギから音響エネルギへの変換が繰り返される。その過程で、セラミックス26は低温側熱交換器15B側から高温側熱交換器15A側へ熱輸送するとともに、ヒートポンプ12Bの高温側熱交換器15Aにおいて大気との熱交換により除熱冷却され放熱される。その結果、低温側熱交換器15Bは、排気管3の第2の部位から排気ガスの熱を吸熱することができる。
【0024】
本実施形態によれば、熱音響冷却装置10は、排気管3の第1の部位で熱音響発生部12Aにより排気ガスの熱エネルギを音響エネルギに変換する過程で、排気ガスの温度を低減でき、更に、排気管3の第2の部位でヒートポンプ12Bにより排気ガスの熱エネルギを吸熱する過程でも排気ガスの温度を低減できる。
このように熱音響冷却装置10は、何等の動力を必要とすることなく排気管3の第1、第2の部位において2段階にわたり排気ガスの温度を低下させる効果により、効果的に排気ガスの消音が期待できる。また、メインマフラ7(図1参照)に到る排気ガスの温度を従来よりも低下させることが期待できるので、メインマフラ7の耐熱材料に要求される温度や耐酸化性の要求仕様を低減できコスト低減に役立つ。
【0025】
また、熱音響冷却装置10は、排気管3に設けられた触媒装置5よりも排気ガスの流れ方向で下流側に設置するので、エンジン始動時の触媒装置5の早期の温度上昇を妨げることが無く、触媒装置5による排気ガスの浄化機能を妨げることが無い。
【0026】
更に、従来のサブマフラにおいて排気ガスを小口径の孔を多数設けた部材を通過させて膨張を繰り返すことで消音する場合に比して排気ガスの圧損が少ないので、排気系の全体の背圧を従来よりも低くすることが可能となり、エンジンの出力増大に寄与することができる可能性がある。
【0027】
《変形例》
次に、図4を参照しながら熱音響発生部12A及びヒートポンプ12Bの変形例について説明する。図4の(a)は、図2における熱音響発生部の変形例のA−A矢視断面図、(b)は、図2におけるヒートポンプの変形例のB−B矢視断面図である。
本変形例では、ループ管11(図1参照)は薄肉のステンレス管で構成されていることから、実施形態の図3の(a),(b)に示すように高温側熱交換器13A、低温側熱交換器13B、高温側熱交換器15A、低温側熱交換器15Bは、直線管部11aや直線管部11cと異種金属接合する構造とはせず、図4に示すように直線管部11aや直線管部11cの外周側に熱伝導部材21B,23がろう付け溶接される構造でも良い。
【0028】
本実施形態及び変形例では、蓄熱部14としてハニカム構造のセラミックス25を用いたがそれに限定されることは無く、特許文献2に記載のように多数枚のステンレス鋼メッシュ薄板が微小間隔で配置されたもの、ステンレス鋼繊維を集合した不織布、狭い複数の通路を有する焼結金属でも良い。同様に蓄冷部16としてハニカム構造のセラミックス26を用いたがそれに限定されることは無く、ステンレス鋼、銅、鉛等を用いてメッシュ状、球状、板状、板を円筒状に丸めた形状、エッチングで処理された板等多様なものが利用できる。ただ、作業ガスを媒体として高温側熱交換器15Aと低温側熱交換器15Bとの間に音響波動を伝播することが可能な狭い通路を多数確保されたものであれば良い。
【0029】
更に、本実施形態及び変形例では、低温側熱交換器13B、高温側熱交換器15Aは、大気に放熱する構成としたがそれに限定されること無く、熱伝導部材23の外周側に水ジャケットを被せ、熱伝導部材23の外周側にエンジン冷却水を循環させて放熱させる構成としても良い。この場合は、車両が走行状態で無い場合でも、又、大気温度が高い場合でも冷却フィン23aからの放熱が十分に期待でき、熱音響冷却装置10による消音効果が高まる。
【符号の説明】
【0030】
1 排気消音装置
3 排気管
5 触媒装置
6 サブマフラ
7 メインマフラ
10 熱音響冷却装置
11 ループ管(ループ状の配管)
11a,11c 直線管部
11b,11d 連結管部
12A 熱音響発生部(波動発生手段)
12B ヒートポンプ
13A 高温側熱交換器
13B 低温側熱交換器
14 蓄熱部(スタック)
15A 高温側熱交換器
15B 低温側熱交換器
16 蓄冷部(スタック)
21A,21B,21C 熱伝導部材
22 熱交換部材
23 熱伝導部材
23a 冷却フィン
24 熱交換部材
25 蓄熱部材(スタック)
25a 並行通路
26 蓄冷部材(スタック)
26a 並行通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンからの排気ガスが流通する排気管に設けられ、排気音を低減する排気消音装置であって、
作業ガスが封入されたループ状の配管と、前記作業ガスに熱音響自励振動による波動を発生させる波動発生手段と、前記波動の発生によって作動するヒートポンプと、を有する熱音響冷却装置を備え、
前記波動発生手段と、前記ヒートポンプとは、それぞれスタックとその両側に位置する高温側熱交換器及び低温側熱交換器とを有し、
前記波動発生手段の前記高温側熱交換器を前記排気管の排気ガスの流れ方向の第1の部位に接続するとともに、
前記第1の部位よりも排気ガスの流れ方向の下流側の前記排気管の第2の部位に前記ヒートポンプの低温側熱交換器を接続し、
前記波動発生手段の前記低温側熱交換器及び前記ヒートポンプの高温側熱交換器は、大気又はエンジン冷却水で除熱冷却され、
前記排気管の前記第1の部位における排気ガスの熱を前記波動発生手段の前記高温側熱交換器に供給し、前記ヒートポンプの前記低温側熱交換器に生じる冷熱により、前記第2の部位における排気ガスを冷却することを特徴とする排気消音装置。
【請求項2】
前記熱音響冷却装置は、前記排気管に接続された排気ガスを浄化する触媒装置よりも排気ガスの流れ方向の下流側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の排気消音装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−154251(P2012−154251A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14115(P2011−14115)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】