説明

接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法

【課題】特に炭素当量の高い高強度鋼板が適用される自動車のボデーやシャシーあるいはそれらの部品等を摩擦攪拌点接合法によって点接合した場合においても、十分に高い十字引張強さが得られる、接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法を提供する。
【解決手段】引張強さが320〜1550MPa、板厚が0.6〜2.0mm、炭素当量が次式{C+Si/30+Mn/20+2P+4S>0.24(質量%)}で表される範囲とされた高強度鋼板10、20を接合する方法であり、高速回転する回転子5を高強度鋼板10、20に押圧し、回転子5と高強度鋼板10、20との摩擦熱によって高強度鋼板を部分的に軟化させ、軟化部分を撹拌することによって高強度鋼板を接合する摩擦攪拌点接合法を用い、回転子と高強度鋼板との間の加圧力を5.0〜8.0kN、回転子の回転数を2750〜3250rpm、加圧時間を1.0〜3.0secの範囲の条件とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法に関するものであり、特に、炭素当量の高い高強度鋼板が適用される自動車のボデーやシャシー、あるいはそれらの部品等の接合部において、優れた十字引張強さが得られる高強度鋼板の接合方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車分野においては、低燃費化や炭酸ガス(CO)の排出量削減を目的として、車体や部品等に薄肉の高強度鋼板を使用することにより、自動車車体の軽量化が進められている。また、このような軽量化に加えて、搭乗者の安全性を確保する衝突安全性の向上の観点からも、車体や部品等に薄肉の高強度鋼板を使用するニーズが高まっており、種々の高強度鋼板が提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
また、このような高強度鋼板の各種加工性を向上させるため、鋼板の成分組成及び製造条件の組合せにより、鋼板組織を適正化する方法が提案されている(例えば、特許文献3、4を参照)。
【0003】
高強度鋼板が用いられてなる車体の組立や部品の取付け等を行なう場合には、主としてスポット溶接法(抵抗スポット溶接法)が用いられるが、この際の溶接性を向上させるため、高強度鋼板の金属組織や成分組成等を適正化することが提案されている(例えば、特許文献5、6を参照)。
また、鋼板を接合する方法として、高速回転する回転子を鋼板に押圧し、回転子と鋼板との摩擦熱によって鋼板を部分的に軟化させ、この軟化部分を撹拌することによって鋼板を接合する摩擦攪拌接合法(フリクションスポット接合法)が提案されている(例えば、特許文献7、8を参照)。
【0004】
一方、高強度鋼板をスポット溶接した場合には、以下に説明するような問題が生じることが、本発明者等によって確認されている。
まず、一般的に、鋼板の引張強さが増加した場合、下記(1)式及び(2)式で表される鋼板の炭素当量の値が高くなって溶接部の硬さが増加するため、靭性が低下するという問題がある。下記(1)式は、溶接部の靭性に関わる炭素当量であり、また、下記(2)式は、溶接部の硬さに関わる炭素当量である。
Ceqt(質量%) = C+Si/30+Mn/20+2P+4S ・・・(1)
Ceqh(質量%) = C+Si/40+Cr/20 ・・・(2)
但し、上記(1)、(2)式において、C、Si、Mn、P、及びSは、それぞれ鋼板中の炭素、珪素、マンガン、リン、硫黄の各含有量(質量%)を示す。
【0005】
鋼板の炭素当量の値が高くなった場合、例えば、十字引張試験のような、接合部に形成された溶融部分であるナゲットの周囲において、高い応力集中が起こる強度試験を行った際に、ナゲット内においてき裂が発生し易くなる。特に、上記(1)式で表されるような、溶接部の靭性に関わる炭素当量が高くなり過ぎると、十字引張強さが低い値を示し、極端なケースでは、軟鋼板を溶接した継手よりも低い値を示す場合がある。
【0006】
また、上述のような強度試験の実施時のみならず、鋼板の引張強さが増加した場合には、ナゲット周囲における応力集中が増加する。これは、鋼板の引張強さの増加に伴い、ナゲット周囲が変形し難くなるために応力集中が高まり、この部分においてき裂が発生し易くなるためと考えられる。このため、鋼板の引張強さの増加に伴い、十字引張強さが低下するという問題が生じるというものである。
【0007】
上述のような引張強さは、スポット溶接部(溶接継手)の品質指標において、部材の強度を決定するパラメータとして非常に重要である。このような溶接継手の引張強さには、せん断方向に引張荷重を負荷付与して測定する引張せん断強さ(TSS)と、剥離方向に引張荷重を負荷付与して測定する十字引張強さ(CTS)があるが、部材の強度を保つためには、これら何れの強度値も重要である。
【0008】
従来、高強度鋼板におけるスポット溶接継手の十字引張強さを向上させる方法としては、スポット溶接の通電を終了してから一定時間が経過した後にテンパー通電を行うことにより、スポット溶接部(ナゲット部)と熱影響部を焼鈍して硬さを低下させる方法が知られている。しかしながら、このような方法は、テンパー通電の適正条件の範囲が非常に狭く、また、操業条件の変化によって再現性が乏しいという実用上の問題がある。特に、めっき鋼板を連続的に打点してスポット溶接する場合には、打点数の増加とともに、電極の先端がめっきとの合金化反応によって劣化し、電極の先端径が増大して電流密度が低下することにより、最適なテンパー通電条件から外れた条件となるため、安定的に継手の十字引張強さを向上させることが困難となる。また、このような方法を用いた場合には、溶接プロセス全体の時間が2倍以上になるという問題がある。
【0009】
また、上記方法以外では、上記(1)式で表される炭素当量の低い鋼板を使用する方法が考えられるが、鋼板成分の制限によって製造が困難となったり、必要な機械的特性が得られない等の問題が生じることがある。また、一定以上の強度を得るためには、炭素等量を一定量以下に下げることが困難な場合もある。
【0010】
また、溶接継手の十字引張強さを向上させる方法としては、抵抗スポット溶接打点数(ナゲット数)を増やす方法も知られている。しかしながら、この方法は、溶接作業効率の低下や溶接施工コストの上昇、さらには設計自由度の制約等の問題がある。また、この方法は、抵抗スポット溶接打点数を増やすことで、継手における1個当たりのナゲット周辺部の応力集中を軽減することを狙う方法であるが、継手に応力が負荷された際、必ずしも各ナゲットに均等に応力がかかるわけではない。このため、応力分散効果が十分に発揮されず、何れかのナゲットに応力が集中するので、溶接打点数を、1点から2点、3点と増やした場合でも、継手の強度は必ずしも2倍、3倍にはならないという問題があった。
【特許文献1】特開昭59−31827号公報
【特許文献2】特開昭59−38337号公報
【特許文献3】特開2003−212674号公報
【特許文献4】特開平11−350038号公報
【特許文献5】特開平11−279682号公報
【特許文献6】特公平6−45827号公報
【特許文献7】特開平11−226758号公報
【特許文献8】特開2003−226758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のように、高強度鋼板、特に炭素当量が高い高強度鋼板をスポット溶接した場合には、炭素等量の増加とナゲット周囲における応力集中増加によって継手の十字引張強さが低下し、場合によっては、軟鋼板を溶接した継手よりも低い値を示すものとなっていた。このため、炭素当量の値の高い高強度鋼板をスポット接合した場合であっても、この接合部における引張せん断強さ及び十字引張強さの何れもが優れた特性となる方法が強く求められていた。
【0012】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、特に、炭素当量の高い高強度鋼板が適用される自動車のボデーやシャシー、あるいはそれらの部品等を摩擦攪拌点接合法によってスポット接合した場合においても、十分に高い十字引張強さが得られる、接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者等が上記問題を解決するために鋭意研究したところ、高強度鋼板を摩擦攪拌点接合法によって点接合する際、所定の条件下で摩擦攪拌点接合を行うことにより、炭素当量を厳しく制限したり、また、接合プロセスに要する時間を長大化させたりすることなく、スポット接合部の十字引張強さを向上させることが可能となることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は以下のとおりである。
【0014】
[1] 引張強さが320〜1550MPa、板厚が0.6〜2.0mm、炭素当量が下記(3)式で表される範囲とされた高強度鋼板を接合する高強度鋼板の接合方法であって、高速回転する回転子を前記高強度鋼板に押圧し、前記回転子と前記高強度鋼板との摩擦熱によって該高強度鋼板を部分的に軟化させ、該軟化部分を撹拌することによって前記高強度鋼板を点接合する摩擦攪拌点接合法を用い、前記回転子と前記高強度鋼板との間の加圧力を5.0〜8.0kN、前記回転子の回転数を2750〜3250rpm、加圧時間を1.0〜3.0secの範囲の条件とすることを特徴とする、接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法。
C+Si/30+Mn/20+2P+4S > 0.24(質量%) ・・・(3)
{但し、上記(1)式中、C、Si、Mn、P及びSは、それぞれ高強度鋼板中における炭素、珪素、マンガン、リン及び硫黄の各含有量(質量%)を示す。}
【0015】
[2] 前記高強度鋼板の炭素の含有量が、下記(4)式で表される範囲であることを特徴とする、上記[1]に記載の接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法。
0.25 ≦ C ≦ 0.45(質量%) ・・・(4)
【0016】
[3] 前記高強度鋼板が、片面あたりのめっきの目付け量が100g/m以下とされた高強度めっき鋼板であることを特徴とする、上記[1]又は[2]に記載の接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明の接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法によれば、所定の条件下で摩擦攪拌点接合を行う上記構成とすることにより、特に、炭素当量が比較的高い高強度鋼板が適用される自動車のボデーやシャシー、あるいはそれらの部品等を摩擦攪拌点接合法によって点接合した場合においても、炭素当量を厳しく制限したり、また、接合プロセスに要する時間を長大化させたりすることなく、接合部の十字引張強さを十分に向上させることが可能となる。従って、自動車分野等において本発明の高強度鋼板の接合方法を適用することにより、車体全体の軽量化による低燃費化や炭酸ガス(CO)の排出量削減、並びに衝突安全性の向上等のメリットを十分に享受することができ、その社会的貢献は計り知れない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法の実施形態について、図1(a)〜(d)及び図2(a)、(b)を参照しながら説明する(図3も適宜参照)。なお、本実施形態は、本発明の接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法の趣旨をより良く理解させるために詳細に説明するものであるから、特に指定の無い限り本発明を限定するものではない。
【0019】
本発明に係る接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法は、引張強さが320〜1550MPa、板厚が0.6〜2.0mm、炭素当量が下記(3)式で表される範囲とされた高強度鋼板を接合する方法であり、高速回転する回転子を高強度鋼板に押圧し、回転子と高強度鋼板との摩擦熱によって該高強度鋼板を部分的に軟化させ、該軟化部分を撹拌することによって高強度鋼板を点接合する摩擦攪拌点接合法を用い、回転子と高強度鋼板との間の加圧力を5.0〜8.0kN、回転子の回転数を2750〜3250rpm、加圧時間を1.0〜3.0secの範囲の条件とする方法としている。
C+Si/30+Mn/20+2P+4S > 0.24(質量%) ・・・(3)
{但し、上記(1)式中、C、Si、Mn、P及びSは、それぞれ高強度鋼板中における炭素、珪素、マンガン、リン及び硫黄の各含有量(質量%)を示す。}
【0020】
自動車分野においては、低燃費化や炭酸ガス(CO)の排出量削減を目的とする車体の軽量化や、搭乗者の安全性を確保する衝突安全性の向上の観点から、車体や部品等に薄肉の高強度鋼板を使用するニーズが高まっている。また、このような高強度鋼板が用いられてなる車体の組立や部品の取付け等を行なう場合には、主としてスポット溶接法が用いられており、高い接合強度特性が実現可能な接合方法に対するニーズが非常に高まっている。このようなニーズに対し、本発明では、上述したような、所定の条件下で摩擦攪拌点接合(フリクションスポット接合)を行う方法とすることにより、鋼板の炭素当量を厳しく制限したり、接合プロセスの時間を長大化させたりすることなく、スポット接合部の十字引張強さが向上できるものである。
以下、詳細を説明する。
【0021】
「摩擦攪拌点接合法(フリクションスポット接合法)」
本発明において用いられる摩擦攪拌点接合法とは、例えば、図1(a)〜(d)の模式断面図に示すように、高速回転する回転子5を被接合物である高強度鋼板10、20に押圧し、回転子5と高強度鋼板10、20との摩擦熱によって接合部30の部分を軟化させ、この部分を攪拌して高強度鋼板10、20の間を接合する方法である(上記特許文献7:特開平11−226758号公報、及び、特許文献8:特開2003−226758号公報も参照)。本発明では、高強度鋼板を点接合(スポット接合)する方法としている。
【0022】
上述のような摩擦攪拌点接合法による高強度鋼板の接合は、例えば、図2(a)、(b)に示すような従来公知の摩擦攪拌点接合装置1を用いて行なうことが可能である。この摩擦攪拌点接合装置1は、装置本体2と、被接合物である高強度鋼板10、20が載置される定盤3と、回転駆動手段4と、該回転駆動手段4によって回転される回転子5と、該回転子5を垂直方向(図2(a)において上下方向)に回転軸6に沿って移動させる垂直駆動手段7とが備えられている。
【0023】
上述のような摩擦攪拌点接合装置1に備えられる回転子5としては、例えば、図2(b)に示すような、円柱状の回転子本体(ショルダー)51の先端部51aに、円柱状のピン52が設けられたものを用いることができる。
ピン52は、回転子5が回転駆動手段4によって高速回転され、被接合物である高強度鋼板10、20に押圧される際に、高強度鋼板10、20が直接圧接されるものであり、図2(b)に示す例のように、外周部52bがねじ切り形状とされたものを用いることができる。また、図示例のピン52は、先端52aが、円柱中心を頂点とした緩やかなR形状として形成されている。
【0024】
回転子5の材質としては、例えば、切削バイト等と同様の工具鋼材料が用いられ、例えば、cBN等の硬い多結晶焼結体(セラミックス)が用いられる。
また、回転子5、特にピン52は、高速回転で高強度鋼板10、20に押圧されることを考慮し、例えば、TiC、TiN、TiCN、SiN又はダイヤモンド被膜等でコーティングしておくことが、接合品質の維持や寿命の点から好ましい。
【0025】
上述のような摩擦攪拌点接合装置1を用いて高強度鋼板10、20を点接合する際の手順について、図1(a)〜(d)及び図2(a)、(b)を参照しながら説明する。
まず、図2(a)に示す摩擦攪拌点接合装置1の定盤12の上に、被接合物である高強度鋼板10と高強度鋼板20とを重ねて載置し、図示略の固定手段で固定する。この際、回転子14は、高強度鋼板10(20)には接せず、高強度鋼板10、20の上方(図2(a)の上方)で待機した状態とされている。
【0026】
次いで、図1(a)に示すように、回転子5の回転軸6が高強度鋼板10、20の表面に対して垂直になるように位置決めし、回転駆動手段4(図2(a))によって、所定の回転数(2750〜3250rpm)で回転子5の高速回転を開始する。
次いで、図1(b)に示すように、回転子5を回転させながら、垂直駆動手段7(図2(a))によって所定の加圧力(5.0〜8.0kN)で高強度鋼板10に対して押し付ける。これにより、回転子5に備えられるピン52と高強度鋼板10との間に摩擦熱が発生し、高強度鋼板10の一部が軟化(図1(b)中の符合T参照)してピン52の高強度鋼板10中への圧入が始まる。
【0027】
次いで、図1(c)に示すように、ピン52が、高強度鋼板10中に入り込み、同様に高強度鋼板20中まで達することで、高強度鋼板10、20中に完全に埋没した状態となり、回転子本体51が高強度鋼板10に接触した後も、垂直駆動手段7による回転子5への加圧力印加、並びに回転子5の高強度鋼板10、20に対する加圧を所定時間(1.0〜3.0sec)維持する。
この間、図1(c)に示すように、高強度鋼板10、20中におけるピン52周辺の材質は、塑性流動現象を起こし(図1(c)中の符号U参照)、高強度鋼板10、20の各鋼板が攪拌、一体化される。
【0028】
そして、図1(d)に示すように、垂直駆動手段7により、回転子5を上方(図2(a)を参照)に引き上げてピン52を高強度鋼板10、20中から引き抜き、接合処理を完了する。これにより、高強度鋼板10、20の各々の間が、接合部30の位置で接合された状態となる。
【0029】
本発明の接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法は、上述のような摩擦攪拌点接合法による接合処理において、鋼板特性及び接合条件を、以下に説明するような適正範囲に限定することにより、高い接合強度が得られるという方法である。
【0030】
「鋼板特性の限定理由」
以下に、本発明における被接合物である高強度鋼板(図1(a)〜(d)における符号10、20を参照)の、鋼板特性の限定理由について詳述する。
【0031】
(引張強さ:320〜1550MPa)
本発明では、非接合物である高強度鋼板の引張強さを320〜1550MPaの範囲に規定する。
高強度鋼板の引張強さが320MPa未満だと、炭素当量が上記(3)式で表される関係を満たさず、また、接合部で形成される溶融部分であるナゲット端部への応力集中が低くなり過ぎるので、本発明による接合強度向上効果が得られ難くなる。また、高強度鋼板の引張強さが1550MPaを超えると、摩擦攪拌点接合法による接合部の攪拌が不十分となり、接合後の十字引張強さが十分に得られず、また、摩擦攪拌点接合装置の回転子(図2(a)、(b)の回転子5を参照)の寿命が極めて短くなる虞がある。さらに、ナゲット端部への応力集中が高くなり過ぎて、ナゲット端部で容易にき裂が発生するようになり、十字引張強さ向上の効果が得られ難くなる。
【0032】
(板厚:0.6〜2.0mm)
本発明では、非接合物である高強度鋼板の板厚を0.6〜2.0mmの範囲に規定する。
高強度鋼板の板厚が0.6mm未満だと、鋼板の剛性が低いために摩擦攪拌点接合法による接合処理を行なうことが困難となる。また、高強度鋼板の板厚が2.0mmを超えると、摩擦攪拌点接合法による接合部の攪拌が困難となり、接合後の十字引張強さが十分に得られない。
【0033】
(炭素当量:下記(3)式で規定)
本発明では、非接合物である高強度鋼板中の炭素当量を下記(3)式で表される範囲に規定する。
C+Si/30+Mn/20+2P+4S > 0.24(質量%) ・・・(3)
{但し、上記(1)式中、C、Si、Mn、P及びSは、それぞれ高強度鋼板中における炭素、珪素、マンガン、リン及び硫黄の各含有量(質量%)を示す。}
【0034】
上記(3)式の左辺で表される高強度鋼板中の炭素当量を0.24質量%未満とすると、スポット溶接部においても十分な十字引張強さが得られる。
上記(3)式の左辺で表される高強度鋼板中の炭素当量が0.24質量%を超えると、鋼板の硬さが増加して靭性が低下し、十字引張強さが低下する。このように、鋼板の炭素当量の値が0.24質量%を超える場合、十字引張試験のような、ナゲットの周囲で高い応力集中が起こる強度試験を行った際に、ナゲット内においてき裂が発生し易くなるので、十字引張強さが低い値を示し、ケースによっては、軟鋼板を溶接した継手よりも低い値を示すことがある。
【0035】
(炭素の含有量:0.25〜0.45質量%)
本発明では、上述したような、非接合物である高強度鋼板の各鋼板特性の規定に加え、さらに、下記(4)式で表されるように、鋼板中の炭素の含有量を0.25〜0.45質量%の範囲とすることが好ましい。
0.25 ≦ C ≦ 0.45(質量%) ・・・(4)
【0036】
高強度鋼板中の炭素の含有量が0.25質量%以上だと、摩擦攪拌点接合法による接合後の十分な十字引張強さ向上の効果が得られるが、0.25質量%未満だと、スポット溶接された継手でも十分に高い接合強度が得られる。また、高強度鋼板中の炭素の含有量が0.45質量%を超えると、摩擦攪拌点接合法による接合後の十字引張強さの向上効果が得られ難くなる。
【0037】
(めっきの目付け量:片面あたり100g/m以下)
本発明では、上述したような、非接合物である高強度鋼板の各鋼板特性の規定に加え、さらに、高強度鋼板が、片面あたりのめっきの目付け量が100g/m以下とされた高強度めっき鋼板であることが好ましい。
高強度鋼板の片面あたりのめっきの目付け量が100g/mを超えると、接合面のめっきが障害となり、十分な接合強度が得られなくなる虞がある。
【0038】
また、高強度鋼板の表層に施されるめっき層の種類については、特に限定されるものではなく、例えば、Zn系、Zn−Fe系、Zn−Ni系、Zn−Al系、Zn−Mg系、Pb−Sn系、Sn−Zn系、Al−Si系等、何れのめっき層であっても良い。また、めっき層の表層に無機系、有機系の皮膜(例えば、潤滑皮膜等)が施されていても良い。
【0039】
(高強度鋼板の鋼種)
本発明では、非接合物である高強度鋼板をなす鋼種については、特に限定されず、例えば、固溶強化型(例:C−Mn強化型、P添加型)、2相組織型(例:フェライト中にマルテンサイトを含む組織、フェライト中にベイナイトを含む組織)、加工誘起変態型(フェライト中に残留オーステナイトを含む組織)、微細結晶型(フェライト主体組織)等、何れの型であっても良い。何れの鋼種からなる高強度鋼板であっても、本発明の接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法を適用することにより、鋼板の特性を損なうことなく、優れた引張強さを有する溶接継手(接合部)が得られる。
【0040】
また、本発明の方法の適用は、同種同厚の鋼板の組合せに限定されるものではなく、各規定を満たす鋼板の接合であれば、同種異厚、異種同厚、或いは異種異厚の組合せで行なうことも可能である。
【0041】
「接合条件の限定理由」
以下に、本発明で規定する摩擦攪拌点接合の際の接合条件(スポット接合)について、その限定理由を詳述する。
【0042】
(摩擦攪拌点接合時の加圧力:5.0〜8.0kN)
本発明では、回転子5と高強度鋼板10、20との間の加圧力を5.0〜8.0kNの範囲に規定する。
摩擦攪拌点接合時の加圧力が5.0kN未満だと、接合部の攪拌が不十分となるために十字引張強さの向上効果が得られず、また、8.0kNを超えると、接合部における鋼板の板厚が薄くなり過ぎるので、同様に十字引張強さが低下する。
【0043】
(摩擦攪拌点接合時の回転子の回転数:2750〜3250rpm)
本発明では、摩擦攪拌点接合時の回転子5の回転数を2750〜3250rpmの範囲に規定する。
摩擦攪拌点接合時の回転子5の回転数が2750rpm未満だと、接合部の攪拌が不十分となり、十字引張強さの向上効果が得られない。また、摩擦攪拌点接合時の回転子5の回転数が3250rpmを越えると、摩擦熱によって接合部の温度が上昇し過ぎ、接合部の軟化が生じることから十分な十字引張強さが得られず、また、回転子5の寿命が低下する。
【0044】
(摩擦攪拌点接合時の加圧時間:1.0〜3.0sec)
本発明では、摩擦攪拌点接合時の回転子5の高強度鋼板10、20への加圧時間、即ち、回転子5を高強度鋼板10、20に押圧する時間を1.0〜3.0secの範囲に規定する。
回転子5の高強度鋼板10、20への加圧時間が1.0sec未満だと、接合部の攪拌が不十分となり、十字引張強さの向上効果が得られない。また、回転子5の高強度鋼板10、20への加圧時間が3.0secを超えると、工程処理時間が長くかかり過ぎるので生産性が低下する。
【0045】
以上説明したように、本発明に係る接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法によれば、上記鋼板特性とされた高強度鋼板を上記条件とした摩擦攪拌点接合法によって接合する方法とすることにより、特に、炭素当量が比較的高い高強度鋼板が適用される自動車のボデーやシャシー、あるいはそれらの部品等を摩擦攪拌点接合法によって点接合した場合においても、炭素当量を厳しく制限したり、接合プロセスに要する時間を長大化させたりすることなく、スポット溶接による接合部の十字引張強さを十分に向上させることが可能となる。従って、自動車分野等において本発明の高強度鋼板の接合方法を適用することにより、車体全体の軽量化による低燃費化や炭酸ガス(CO)の排出量削減、並びに衝突安全性の向上等のメリットを十分に享受することができ、その社会的貢献は計り知れない。
【0046】
上述したように、従来の方法を用いて、摩擦攪拌点接合法によって高強度鋼板を接合した場合、特に炭素当量の高い高強度鋼板では、溶接部の硬さが増加して靱性が低下するという問題があった。特に、次式{C+Si/30+Mn/20+2P+4S}(質量%)で表される、溶接部の靭性に関わる炭素当量が大き過ぎる場合には、著しく低い十字引張強さを示すことがあった。
本発明では、引張強さ、板厚並びに炭素当量が上記規定の範囲とされた高強度鋼板を、摩擦攪拌点接合法を用いて接合する際、回転子と高強度鋼板との間の加圧力、回転子の回転数、加圧時間を適正化した方法とすることにより、生産性等を低下させることなく、点接合部の十字引張強さを向上させることが可能となる。
【実施例】
【0047】
以下、本発明に係る接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法の実施例を挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、もとより下記実施例に限定されるものではなく、前、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0048】
[実施例1]
下記表1に示すような、板厚:0.4、0.6、1.2、2.0、2.3mm、引張強さ:298〜1788MPaの軟鋼板(日本鉄鋼連盟規格:JSC 270E)、固溶強化型鋼板(同:JSC 440R)、加工誘起変態型鋼板(780TRIP:特開平11−270682号の実施例に記載の発明例を参照)、2相組織強化型鋼板(日本鉄鋼連盟規格:JSC 980Y、1180Y)、焼入れ型鋼板(1470HP、1760HP:特開2000−234153号の実施例に記載の発明例を参照)を用い(以上、何れも冷延鋼板)、抵抗スポット溶接継手の十字引張試験方法(JIS Z3137)に基づいて十字引張試験片を作製した。
【0049】
次いで、上記手順で得られた十字引張試験片を、図1(a)に示すように同鋼種の組合せで重ね合わせ、下記表1に示す条件で、摩擦攪拌点接合(フリクションスポット接合)法によって継手(接合部)を形成し、条件番号1〜11(本発明例)及び条件番号27〜36(比較例)の試験片サンプルとした。また、同様に、上記手順で得られた十字引張試験片を、図1(a)に示すように同鋼種の組合せで重ね合わせ、下記表1に示す条件で、抵抗スポット溶接で継手(接合部)を形成し、条件番号15〜23(比較例)の試験片サンプルとした。
【0050】
そして、上記手順で得られた各試験片サンプルについて、抵抗スポット溶接継手の十字引張試験方法(JIS Z3137)に基づき、図3に示すように、剥離方向F1、F2に負荷を付与して十字引張試験を実施した。
下記表1に、各試験片サンプルの作製条件並びに十字引張試験の結果を示す。
【0051】
【表1】

【0052】
表1の結果に示すように、本発明で規定する鋼材特性を備える高強度鋼板を、本発明で規定する接合条件で摩擦攪拌点接合法による点接合を行なった、条件番号1〜11の本発明例の試験片サンプルは、抵抗スポット溶接を行なった条件番号15〜23の比較例の試験片サンプルに比べて、何れの鋼種を用いた場合でも、十字引張強さ(CTS)が向上していることが明らかとなった。
一方、本発明で規定する範囲外の接合条件で摩擦攪拌点接合法による点接合を行なった、条件番号27〜36(比較例)の試験片サンプルは、何れの鋼種を用いた場合においても、十字引張強さが向上していないことが明らかとなった。
【0053】
[実施例2]
下記表2に示すような、板厚:0.4、0.6、1.2、2.0、2.3mm、引張強さ:298〜1788MPa、炭素量:0.002〜0.50%の各種鋼板を用い(何れも冷延鋼板)、上記実施例1と同様に十字引張試験片を作製した。
次いで、上記実施例1と同様、得られた十字引張試験片を、図1(a)に示すように同鋼種の組合せで重ね合わせ、下記表2に示す条件で、摩擦攪拌点接合(フリクションスポット接合)法によって継手(接合部)を形成し、条件番号38〜48(本発明例)及び条件番号66〜75(比較例)の試験片サンプルとした。また、同様に、得られた十字引張試験片を、図1(a)に示すように同鋼種の組合せで重ね合わせ、下記表2に示す条件で、抵抗スポット溶接で継手(接合部)を形成し、条件番号52〜62(比較例)の試験片サンプルとした。
【0054】
そして、上記手順で得られた各試験片サンプルについて、抵抗スポット溶接継手の十字引張試験方法(JIS Z3137)に基づき、図3に示すように、剥離方向F1、F2に負荷を付与して十字引張試験を実施した。
下記表2に、各試験片サンプルの作製条件並びに十字引張試験の結果を示す。
【0055】
【表2】

【0056】
表2の結果に示すように、本発明で規定する鋼材特性を備える高強度鋼板を、本発明で規定する接合条件で摩擦攪拌点接合法による点接合を行なった、条件番号38〜48の本発明例の試験片サンプルは、抵抗スポット溶接を行なった条件番号52〜62の比較例の試験片サンプルに比べて、何れの鋼種を用いた場合でも、十字引張強さ(CTS)が向上していることが明らかとなった。
一方、本発明で規定する範囲外の接合条件で摩擦攪拌点接合法による点接合を行なった、条件番号66〜75(比較例)の試験片サンプルは、何れの鋼種を用いた場合においても、十字引張強さが向上していないことが明らかとなった。
【0057】
[実施例3]
上記表1に示すような、板厚:1.2mm、引張強さ:785MPa、片面あたりのめっき目付量45〜120g/mの加工誘起変態型鋼板(780TRIP:実施例1参照)を用い、上記実施例1〜2と同様に十字引張試験片を作製した。
次いで、上記実施例1〜2と同様、得られた十字引張試験片を、図1(a)に示すように同鋼種の組合せで重ね合わせ、上記表1に示す条件で、摩擦攪拌点接合(フリクションスポット接合)法によって継手(接合部)を形成し、条件番号12〜14(本発明例)及び条件番号37(比較例)の試験片サンプルとした。また、同様に、得られた十字引張試験片を、図1(a)に示すように同鋼種の組合せで重ね合わせ、上記表1に示す条件で、抵抗スポット溶接で継手(接合部)を形成し、条件番号24〜26(比較例)の試験片サンプルとした。
【0058】
そして、上記手順で得られた各試験片サンプルについて、抵抗スポット溶接継手の十字引張試験方法(JIS Z3137)に基づき、図3に示すように、剥離方向F1、F2に負荷を付与して十字引張試験を実施し、結果を上記表1に示した。
【0059】
表1に示す結果のように、本発明で規定する鋼材特性並びにめっき条件とされた高強度鋼板を、本発明で規定する接合条件で摩擦攪拌点接合法による点接合を行なった、条件番号12〜14の本発明例の試験片サンプルは、抵抗スポット溶接を行なった条件番号24〜26の比較例の試験片サンプルに比べて、何れの鋼種を用いた場合でも、十字引張強さ(CTS)が向上していることが明らかとなった。
一方、本発明で規定する範囲外のめっき条件とされた高強度鋼板を用いて、摩擦攪拌点接合法による点接合を行なった、条件番号37(比較例)の試験片サンプルは、何れの鋼種を用いた場合においても、十字引張強さが向上していないことが明らかとなった。
【0060】
[実施例4]
上記表2に示すような、板厚:1.2mm、引張強さ:1008MPa、炭素量:0.35%、片面あたりの目付量45〜120g/mの鋼板(980)を用い、上記実施例1〜3と同様に十字引張試験片を作製した。
次いで、上記実施例1〜3と同様、得られた十字引張試験片を、図1(a)に示すように同鋼種の組合せで重ね合わせ、上記表2に示す条件で、摩擦攪拌点接合(フリクションスポット接合)法によって継手(接合部)を形成し、条件番号49〜51(本発明例)及び条件番号76(比較例)の試験片サンプルとした。また、同様に、得られた十字引張試験片を、図1(a)に示すように同鋼種の組合せで重ね合わせ、上記表2に示す条件で、抵抗スポット溶接で継手(接合部)を形成し、条件番号63〜65(比較例)の試験片サンプルとした。
【0061】
そして、上記手順で得られた各試験片サンプルについて、抵抗スポット溶接継手の十字引張試験方法(JIS Z3137)に基づき、図3に示すように、剥離方向F1、F2に負荷を付与して十字引張試験を実施し、結果を上記表2に示した。
【0062】
表2の結果に示すように、本発明で規定する鋼材特性並びにめっき条件とされた高強度鋼板を、本発明で規定する接合条件で摩擦攪拌点接合法による点接合を行なった、条件番号49〜51の本発明例の試験片サンプルは、抵抗スポット溶接を行なった条件番号63〜65の比較例の試験片サンプルに比べて、何れの鋼種を用いた場合でも、十字引張強さ(CTS)が向上していることが明らかとなった。
一方、本発明で規定する範囲外のめっき条件とされた高強度鋼板を用いて、摩擦攪拌点接合法による点接合を行なった、条件番号76(比較例)の試験片サンプルは、何れの鋼種を用いた場合においても、十字引張強さが向上していないことが明らかとなった。
実施例4においては、鋼板の板厚を変更して実験を行った場合も、また、めっき種を変更して実験を行った場合も、結果は上記同様であった。
【0063】
以上説明した実施例の結果より、本発明の接合強度特性に優れる高強度鋼板の接合方法を用いることにより、スポット溶接による接合部よりも高い十字引張強さを得ることが可能であることが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明によれば、高強度鋼板、特に、炭素当量が比較的高い高強度鋼板が適用される自動車のボデーやシャシーあるいはそれらの部品等を点接合した場合において、接合部の十字引張強さを十分に向上させることが可能となる。従って、自動車分野等における本発明の適用により、車体全体の軽量化による低燃費化や炭酸ガス(CO)の排出量削減、並びに衝突安全性の向上等のメリットを十分に享受することができ、その社会的貢献は計り知れない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係る接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法の一例を模式的に説明する図であり、摩擦攪拌点接合法による高強度鋼板の接合プロセスを示す概略断面図である。
【図2】本発明に係る接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法の一例を模式的に説明する図であり、摩擦攪拌点接合装置の一例を示す概略図である。
【図3】本発明に係る接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法の実施例について説明する図であり、十字引張試験方法を示す概略図である。
【符号の説明】
【0066】
1…摩擦攪拌点接合装置、5…回転子、6…回転軸、10、20…高強度鋼板、30…接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
引張強さが320〜1550MPa、板厚が0.6〜2.0mm、炭素当量が下記(1)式で表される範囲とされた高強度鋼板を接合する高強度鋼板の接合方法であって、
高速回転する回転子を前記高強度鋼板に押圧し、前記回転子と前記高強度鋼板との摩擦熱によって該高強度鋼板を部分的に軟化させ、該軟化部分を撹拌することによって前記高強度鋼板を点接合する摩擦攪拌点接合法を用い、前記回転子と前記高強度鋼板との間の加圧力を5.0〜8.0kN、前記回転子の回転数を2750〜3250rpm、加圧時間を1.0〜3.0secの範囲の条件とすることを特徴とする、接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法。
C+Si/30+Mn/20+2P+4S > 0.24(質量%) ・・・(1)
{但し、上記(1)式中、C、Si、Mn、P及びSは、それぞれ高強度鋼板中における炭素、珪素、マンガン、リン及び硫黄の各含有量(質量%)を示す。}
【請求項2】
前記高強度鋼板の炭素の含有量が、下記(2)式で表される範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法。
0.25 ≦ C ≦ 0.45(質量%) ・・・(2)
【請求項3】
前記高強度鋼板が、片面あたりのめっきの目付け量が100g/m以下とされた高強度めっき鋼板であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の接合強度特性に優れた高強度鋼板の接合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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