説明

接合部強度試験装置及び接合部強度試験方法

【課題】プリント配線板に実装される電子部品の接合部や、半導体パッケージに接合されたバンプの接合部に対して衝撃を与えることにより接合部強度を測定するに際して、接合部への応力印加方向を実際の製品での応力方向に合わせると共に、より簡易な方法では接合強度試験を実現する試験装置及び試験方法を提供する。
【解決手段】試料保持部材の試料保持面に接合された測定試料の接合部強度試験装置であって、錘を自由落下させる際のエネルギーを利用して前記測定試料の接合部に対して試料保持面と直交する方向から衝撃を加える衝撃印加機構を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板に実装される電子部品の接合部や、半導体パッケージに接合されたバンプの接合部に対して、接合面と直交する方向から衝撃を加えることにより接合部強度を測定するための接合部強度試験装置、及び接合部強度試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板に実装される電子部品の接合部や、半導体パッケージに接合されたバンプの接合部についての接合強度を測定、評価するために、測定試料に対して物理的な衝撃を加える試験装置が種々提案されている。接合部の強度評価では、バンプ側のみならず、プリント配線板や半導体パッケージ側の接合部の状態についても評価が行われる。これは、プリント配線板や半導体パッケージ側のパッドのめっき状態やリフロー時の加熱温度条件等の適否を判断する必要があるからである。
特開2003−194690公報、及び特開2004−317394公報には、BGA、CSP等のパッケージ部品がはんだ接合により実装されたプリント配線板の実装面の反対面から高速で衝撃を与えて接合信頼性を評価する方法が開示されている。この評価方法は、実際の製品基板レベルでの接合信頼性を評価できる為、製品評価方法としては有用な試験方法である。
しかし、この試験方法では、プリント配線板に実際にパッケージ部品を実装しなければならず、試験結果を基板材料やはんだ材料そのものの接合評価や解析に結びつけるのは容易ではない。
【0003】
特開2002−22650公報には、接合部の強度を評価するために、バンプ単体に対してバンプの水平方向(プリント配線板面と平行な方向)から高速で衝撃を与える方法が開示されており、実際のプリント回路板上で見られる界面剥離モードが再現できる。
しかし、実際のプリント回路板では、電子部品を接合するバンプに対して水平方向から応力が加わるケースはごく稀であるため、実用性について疑問がある。水平方向から応力が加わるのは、プリント回路板の取り扱い時に不注意により横方向から電子部品に応力を加える場合等の稀な場合に限られる。
実際にバンプ部品に応力がかかるケースとしては、プリント回路板に直交する方向から変形や曲げが加わる場合(ボタンスイッチ等)やプリント回路板を搭載した機器が落下したり、バウンドする際にプリント回路板が撓む場合である。
上記の様に、バンプに加わる応力のほとんどが、接合面に対して直交する方向からの応力である。
【0004】
図25は、半導体パッケージ部品110をバンプ111を介して実装したプリント配線板101を、支持部材120により支持した状態で、部品搭載面の反対側から加圧手段121によって応力を加えることによりプリント配線板101を湾曲変形させた状態を示している。この場合、プリント配線板101だけでなく、半導体パッケージ110も変形することがある。バンプ111とプリント配線板101との接合部に加わる応力の度合いやはんだ接合状態によっては、図26に示すように、接合部に剥離が発生する場合がある。しかし、図25、図26に示したバンプの水平方向(配線板面と略平行な横方向)からの衝撃試験評価と、実際の機器において発生する頻度が多いバンプに対する直交方向からの衝撃とを結びつけるのは容易ではない。また、この装置構成は、バンプの水平方向からの高速シェア試験を行うためのものである為、衝撃を受けたバンプがシェア機構の移動前方方向に飛ばされる形となる。このため、パッケージ部品の場合、シェア試験を行うバンプの前方にあるバンプを予め除去しなければいけない。また、プリント配線板に接合したバンプの場合も、パッケージ部品の場合と同様にシェア試験機構の移動方向には1列に1個のバンプしか実装できないという制約が生じる。
【0005】
次に、特許第3855741号、特許第3888193号、特許第3888194号、特開2005−308763公報には、バンプ単体に対する高速衝撃試験を実現する為の振り子式の衝撃強度試験装置が開示されている。この振り子式衝撃試験装置も、バンプの水平方向(バンプ接合面と略平行な横方向)から振り子によって衝撃を加える試験であり、衝撃で剥離したバンプが振り子の前方方向に飛ばされる形となる。この為、衝撃評価を行うバンプの振り子可動方向前方には他のバンプを配置することができず、パッケージ部品の場合には前方方向にあるバンプを予め除去しなければいけない。また、プリント配線板に接合されたバンプの場合も、パッケージ部品の場合と同様に振り子移動方向に対しては、1列に1個のバンプしか実装できないという制約がある。更に、振り子式衝撃試験装置の場合、振り子の摺動部分の摩擦抵抗等により、計算上で求められる衝突時の衝撃エネルギーよりも多いエネルギー損失が実際には発生す可能性が高い。
次に、特開2005−166856公報には、鋼球をバンプ側面に接したピストンに向けて落下させてバンプに衝撃を与える方法が開示されている。この鋼球落下試験の場合、摩擦抵抗による衝撃損出を少なくすることができる利点はあるものの、やはり、バンプの水平方向から衝撃が加わる試験であるため、実用的意義に疑問がある。また、この鋼球落下試験の場合も、振り子式の場合と同様に衝撃評価を行うバンプが飛ばされる前方方向に他のバンプを実装することができず、パッケージ部品の場合には前方方向にあるバンプを予め除去せねばならないという課題がある。また、プリント配線板にバンプを実装する場合も、パッケージ部品の場合と同様に鋼球落下方向に対しては1列に1個のバンプしか実装できない制約がある。
【0006】
次に、図27はプリント配線板101にバンプ111が実装された状態を示す拡大図である。このプリント配線板101は、基材103にCu電極パッド104を形成した上に、接合層としてNi皮膜105が形成されている。プリント配線板101とバンプ111が融合すると、合金層106が形成されて接合される。
図28は、はんだバンプ111に負荷を加えた場合の剥離位置を示す図である(図27、28は共にバンプのみならずプリント配線板についての接合部強度を試験する場合を含んでいる)。
剥離モードには、以下の3パターンがある。
(1)はんだ内部で剥離するパターンと、(2)界面で剥離するパターンと、(3)パッドで剥離するパターンである。
従来、プリント配線板に実装するはんだバンプ及び半導体パッケージのバンプの接合強度試験は、以下のように低速でのシェア試験やプル試験が行われてきた。
シェア試験速度:0.1〜600μm/s(0.0001〜0.6mm/s)
プル試験速度:1〜5000μm/s(0.001〜5mm/s)
低速でのシェア試験やプル試験を行うと、主にはんだ内部での剥離が起きる。しかし、上述のように実際の製品やプリント配線板に落下、衝撃力が加わった場合には、主に界面で剥離するにも関わらず、低速での試験では、それを再現できないという課題があった。
【0007】
近年、このような不具合に対処する手法として、部品実装状態で衝撃を与える試験方法と、バンプ単体に対してバンプの側面方向から高速で衝撃を与える試験方法と、パンプ単体に対してパンプの接合面と直交する方向から高速で衝撃を与える試験方法が提案されている。
尚、バンプ単体に対してバンプ側面から高速で衝撃を与える試験方法については、国際規格であるJEDEC STANDARD JESD22-B117A“Solder Ball Shear”にも記載されている。この文献には、高速シェア試験速度:0.01〜1.0m/s(10〜1000mm/s)である旨が開示されている。
ここに開示された第1の試験方法である部品実装状態で衝撃を与える試験方法は、製品及び評価用基板として接合良否判定評価を行う上では有用であるが、当該評価結果を基板材料やはんだ材料そのものの接合評価や解析に結びつけるのが容易ではなく、実装する部品を準備し、その部品が実装できる様に基板レイアウトや基板作製を行う必要があり、入手可能な部品が限定される場合には評価上の制約となる、という問題がある。
【0008】
次に、第2の試験方法である単体状態にあるバンプの側面方向から衝撃を与える試験方法では、界面剥離は再現できるものの、実際の製品でバンプに水平方向から応力が加わるケースはごく稀であるため、実用性に疑問がある。実際にバンプ部品にかかる応力は、バンプ接合面に対して直交する方向からがほとんどであり、バンプ水平方向(接合面と略平行な横方向)からの衝撃試験評価と、バンプに対して直交する方向からの衝撃事象を結びつけて正当に評価を行うのは容易ではない。また、バンプ側面から衝撃を与える場合、衝撃を与える機構の移動方向には、1列に1個のバンプしか配置できない制約がある。この為、強度評価を行うバンプの前後方向(衝撃印加方向の前後方向)にあるバンプは全て除去しなければならない。バンプ除去するのにも工数がかかり、試験できるバンプ個数も限定されてしまう。また、プリント配線板にバンプを実装する場合も、同様に衝撃を与える機構の移動方向を考慮してバンプ実装位置を決めなければならず、基板レイアウトや実装位置に制約がある。
【0009】
次に、第3の試験方法であるパンプ単体に対してパンプの接合面と直交する方向から高速で衝撃を与える試験方法では、実際の製品でバンプにかかる応力方向と同じになる為、試験方法としては有用である。
図29が、この高速プル試験装置の概略図である。このプル試験装置の構成は、プリント配線板101上のバンプ111に対して加圧手段121によって高速で衝撃を加える過程で、予め測定試料に助走をつける様な加速減速制御を加えて衝撃時の必要な速度を得る様にしている。
しかし、この高速プル試験装置の場合、高速で衝撃を加える為に、機構や制御が複雑になり、製作コストも高くなってしまう。
【特許文献1】特開2003−194690公報
【特許文献2】特開2004−317394公報
【特許文献3】特開2002−22650公報
【特許文献4】特許第3855741号
【特許文献5】特許第3888193号
【特許文献6】特許第3888194号
【特許文献7】特開2005−308763公報
【特許文献8】特開2005−166856公報
【非特許文献1】JEDEC STANDARD JESD22-B117A“Solder Ball Shear”
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記のような課題に鑑みてなされたものであり、プリント配線板に実装される電子部品の接合部や、半導体パッケージに接合されたバンプの接合部に対して衝撃を与えることにより接合部強度を測定するに際して、接合部への応力印加方向を実際の製品での応力方向に合わせると共に、より簡易な方法で接合強度試験を実現する試験装置及び試験方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の本発明によれば、試料保持部材の試料保持面に接合された測定試料、又は/及び、前記試料保持部材の接合部強度試験装置であって、錘を自由落下させる際のエネルギーを利用して前記測定試料の接合部に対して前記試料保持面と直交する方向から衝撃を加える衝撃印加機構を備えたことを特徴とする。
本接合部強度試験装置による試験対象は、測定試料、及び試料保持部材の接合部である。測定試料と試料保持部材との接合強度は試料保持部材側のパッドのめっき状態やリフロー時の加熱条件によって変動するため、測定試料のみならず、試料保持部材側の接合部の強度も試験する必要があるからである。
接合部にかかる応力の方向を、実際の製品に搭載された測定対象物に加わる応力方向に合わせる為に、接合部に対して直交する方向より衝撃を加えるようにしている。また、接合部の衝撃を加える方法として、錘を自由落下させる方法を用いることで、簡易な方法で、接合部に衝撃を加えることができる。
請求項2の本発明によれば、請求項1において、前記測定試料の接合部に加える衝撃を、前記錘の重さを変化させることにより制御することを特徴とする。
【0012】
請求項3の本発明によれば、請求項1、又は2において、前記測定試料の接合部に加える衝撃を、前記錘の落下距離を変化させることにより制御することを特徴とする。
請求項4の本発明によれば、前記試料保持部材を支持する支持部が試料保持面と平行な面に沿った任意の方向へ移動可能に構成されていることを特徴とする。
請求項5の本発明によれば、前記衝撃印加機構は、前記試料保持部材の側面を保持するクランプ機構を備えることを特徴とする。
請求項6の本発明によれば、測定対象物、或いは測定試料のサイズ、形状に合わせ、これらと干渉しない開口を有した脱着可能な測定対象物固定板を備えたことを特徴とする。
請求項7の本発明によれば、前記錘に、衝撃度合いを感知する衝撃感知手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項8の本発明によれば、前記試料保持部材の試料保持面とは反対側の面に、ひずみを測定するひずみ測定手段を備えたことを特徴とする。
請求項9の本発明によれば、接合強度測定を実施する際に、前記接合部の側面から該接合部の位置変動や剥離過程を高速度で観察するカメラ観察手段を備えたことを特徴とする。
請求項10の本発明によれば、前記衝撃感知手段、前記ひずみ測定手段、前記カメラ観察手段のうち、少なくとも2つ以上を組み合わせた構成を備えたことを特徴とする。
請求項11の本発明に係る接合部強度試験方法よれば、請求項1乃至10の何れか一項に記載の接合部強度試験装置を用いて、前記試料保持部材により保持された前記測定試料に対して錘の落下時のエネルギーによる衝撃を付与することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の接合部強度試験装置においては、接合部に対して試料保持面と直交する方向より衝撃を加えることにより、接合部にかかる応力の方向を実際の製品基板で加わる応力方向に合わせた形で接合部強度試験を行うことができる。
本発明の接合部強度試験装置においては、接合部強度評価で必要とする衝撃エネルギーを錘の重さで制御することができる。重さの異なる何種類かの錘を予め準備し、それを付け替えるだけで、必要とする衝撃エネルギーを制御することができる。
本発明の接合部強度試験装置においては、接合部強度評価で必要とする衝撃エネルギーを錘の落下高さで制御することができる。落下高さを変えるだけで、必要とする衝撃エネルギーを制御することができる。また、併せて、接合部の衝撃速度も制御することができる。
本発明の接合部強度試験装置においては、錘の重さと錘の落下高さを併用した制御を行うことで、衝撃エネルギーと衝撃速度の両面で、より細かな接合強度評価を行うことができる。
【0015】
本発明の接合部強度試験装置においては、測定試料を保持する測定試料保持部が、水平方向及び前後方向に移動可能な機構を備えていることにより、接合強度測定試料自体が移動でき、接合部を引っ張る線材の鉛直線上に任意の接合部を一致させることができる。この測定試料移動機構を備えることで、任意の接合部に対して、接合強度試験を行うことができる。
本発明の接合部強度試験装置においては、測定対象物、測定試料を側面から移動可能なクランプ機構で保持することにより、サイズの異なる測定試料に対しても保持することができる。これにより、試料ごとに個別に試料保持治具を準備する必要がなくなる。
本発明の接合部強度試験装置においては、測定対象物、測定試料のサイズ、形状に合わせ、接合部と干渉しない開口を有した脱着可能な測定対象物固定板で保持することにより、個々の測定対象物に適した形で測定対象物の保持を行うことができる。これにより、複雑な形状の測定対象物や変形しやすい薄い厚みの対象物にも、対応することができる。
本発明の接合部強度試験装置においては、錘に、衝撃度合いを感知するセンサーを備えることにより、はんだ接合面の剥離有無や剥離位置を把握するだけでなく、接合部に衝撃が加わってから開放されるまでの衝撃度合いを把握することができる。強度試験後の剥離面外観では明確な差異が見られない場合でも、個々の接合部に対して衝撃度合いを測定することによって、その違いや有意差を数値的に捉えることができる。
本発明の接合部強度試験装置においては、接合部の試料反対面側にひずみを測定する機構を備えることにより、はんだ接合面の剥離有無や剥離位置を把握するだけでなく、接合部に衝撃が加わってから開放されるまでのひずみを把握することができる。
強度試験後の剥離面外観では、明確な差異が見られない場合でも、個々の接合部に対してひずみを測定することによって、その違いや有意差を数値的に捉えることができる。
【0016】
本発明の接合部強度試験装置においては、はんだ接合強度測定を実施する際に、接合部側面から接合部の位置変動や剥離状態の過程を高速度で観察するカメラ機構を備えることにより、はんだ接合面の剥離有無や剥離位置を把握するだけでなく、接合部に衝撃が加わってから開放されるまでの接合部の位置変動や剥離状態の過程を把握することができる。
強度試験後の剥離面外観では、明確な差異が見られない場合でも、個々の接合部に対して、カメラで観察することによって、その違いや有意差を画像として捉えることができる。
本発明の接合部強度試験装置においては、衝撃感知機構、ひずみ測定機構、カメラ機構のうち、少なくとも2つ以上を組み合わせた機構を備えることにより、はんだ接合面の剥離有無や剥離位置を把握するだけでなく、接合部に衝撃が加わってから開放されるまでの、衝撃度合い、試料ひずみ、試料位置変動や剥離状態の過程を把握することにより、はんだ接合強度や剥離状況を多方面から分析できる。特に、接合部の衝撃度合いと接合部に加わるひずみを並行して捉えることは、従来の強度試験装置にはない機能である。衝撃度合いとひずみを並行して捉えるので、より精度の高い接合強度解析を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を図面に示した実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る接合部強度試験装置の概略構成を示す正面図であり、図2は第1の実施形態のA−A断面図である。
図1、図2は、図22に図示する様にプリント配線板(試料保持部材=接合強度評価用基板)101Aの試料保持面(下面)に測定試料としてのバンプ2をはんだ接合した測定対象物1aの接合強度を試験する装置(方法)の実施形態である。
この接合部強度試験装置(例えば、半田接合部強度試験装置)は、ベース台6と、ベース台6に立設固定された支柱7と、支柱7の上部に固定されバンプ2の接合部(例えば、はんだ接合部)を下向きにセットする為のベースとなる測定試料保持ベース部材8aと、測定対象物1aを測定試料保持ベース部材8aに固定する測定対象物保持部材11と、測定対象物1aをセットした際に測定試料としてのバンプ2を把持するバンプ把持機構部3と、パンプ把持機構部3から垂れ下がるように接続した可撓性を有した線材4と、線材4の端部に固定された錘5と、ベース台6上に立設固定された錘支持機構部搭載台9と、錘支持機構部搭載台9の上方に配置された錘支持機構部10と、で構成されている。なお、プリント配線板101Aは試料保持部材であり、バンプ2(或いは接合部)は試料であり、試料保持部材及び試料は測定対象物1aを構成している。
バンプ把持機構部(クランプ機構)3、線材4、錘5等は、衝撃印加機構を構成している(以下の全ての実施形態に共通)。
なお、接合部の強度評価では、測定対象物1a全体が測定対象となる。即ち、バンプ(測定試料)側のみならず、プリント配線板や半導体パッケージ(測定試料保持部材)側の接合部の状態についても評価が行われる。これは、プリント配線板や半導体パッケージ側のパッドのめっき状態やリフロー時の加熱温度条件等の適否を判断する必要があるからである。
【0018】
図3は第1の実施形態の接合部強度測定前の状態図であり、図4は第1の実施形態の接合部強度測定時の状態図である。
図3に示した接合部強度測定前は、錘支持機構部10が錘5の対向する両側面に係合することにより所定高さ位置に錘を支持している。接合部強度測定時は、図4に示すように錘支持機構部10が錘5の支持を開放し、錘5が落下する様になっている。
バンプ2は、バンプ把持機構部(クランプ機構)3により接合部(プリント配線板面との境界部)を挟まれた状態となっている。尚、バンプ把持機構部3は、図示しないエアー機構により作動してバンプを着脱自在に把持することができる。
バンプ把持機構部3と錘5とは、伸長しにくい十分な強度を有した線材4で結ばれている。接合部強度測定前は錘5を錘支持機構部10が支持しており、その時には、線材4に所定長さのたるみを有している。接合部強度測定を行う際は、錘支持機構部10が錘5の支持を開放し、錘5を自由落下させることで錘5に繋がる線材4を介してバンプ2に衝撃を加える機構になっている。
この構成により、接合部に対して、直交する方向(試料保持面と直交する方向)より衝撃を加えることができる。
【0019】
次に、図5は第2の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図である。
本試験装置は、測定試料としてのバンプ2が上向きとなるようにプリント配線板(試料保持部材)101Aをセットした状態で、バンプ2の接合部に対して試料保持面と直交する上方向に衝撃を加える衝撃印加機構を含んでいる。
ベース6上に立設された支柱7の上部に固定されたプーリー支持ベース部材13にプーリー支持支柱14を介して、プーリー15を2カ所に取り付け、バンプ2を掴むパンプ把持機構部3に繋がる線材4が2カ所のプーリーを通って錘5に繋がっている。
バンプ把持機構部3、線材4、錘5等は、衝撃印加機構を構成している。
接合部強度測定前は、錘支持機構部10で錘5を所定高さ位置に支持し、その時には、線材4に所定長さのたるみを有している。接合部強度測定時は、錘支持機構部10が錘5支持を開放して錘5を落下させる機構になっている。
第2実施形態も第1実施形態と同様に、錘5を自由落下させて、バンプ2に衝撃を加える方式であり、バンプに対して、上方向に衝撃を加える機構以外は、第1実施形態と同じ構造である。
この構成により、バンプとプリント配線板との接合部に対して、基板面(試料保持面)と直交する方向より衝撃を加えることができる。
【0020】
図6は第1の実施形態の接合部強度試験装置を図23に図示する様なバンプ(測定試料)を有する半導体パッケージ部品(試料保持部材)101Bに適用して接合強度試験を実施している状態を示す正面図である。
このように本接合強度試験装置は、試料としてのバンプ2を接合した試料保持部材であれば、プリント配線板101A、半導体パッケージ部品(電子部品)101Bを問わず同様の手順により適用することができる。なお、試料と試料保持部材は、測定対象物1a、1b、1cを構成している。
【0021】
図7は第3の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図であり、図8は図7のB−B断面図である。
図7、図8は、図24に図示する様に、プリント配線板(試料保持部材=接合強度評価用基板)101Aの試料保持面に電子部品(測定試料)17をはんだ(接合部=測定試料)16を用いて接合した場合の接合部強度試験に係る実施形態である。
第3の実施形態では、接合部16の強度試験を、電子部品17を介して行っている。本実施形態では、電子部品17自体にフック18を取り付け可能な穴を有した部品を使用し、接合部強度測定前に、部品17に設けた穴にフック18を取り付ける。フック18と錘5とは、伸びにくい十分な強度を有した線材4で結ばれている。図7に示したように接合部強度測定前は錘5を錘支持機構部10が支持しており、その時には、線材4に所定長さのたるみを有している。図8に示すように、接合部強度測定を行う際は、錘支持機構部10が錘5支持を開放し、錘5を自由落下させることで、錘5に繋がる線材4を介して、バンプ2に衝撃を加える機構(衝撃印加機構)になっている。
なお、接合部強度試験を電子部品17を介して実施している構成以外は、第1実施形態の場合と同じ構造である。本装置(本方法)によれば、バンプ(測定試料)の接合部だけでなく、実装する電子部品(測定試料)に対しても、高速で衝撃を加える強度試験を実施することができる。
本実施形態の場合、穴を有した電子部品17にフック18を取り付けることにより錘と接続できる構造である為、試験自体が容易である。
【0022】
以上の各実施形態では、接合部の強度試験装置(方法)において、接合部にかかる応力の方向を、実際の機器に収容されたプリント回路板に加わる応力方向(基板面と直交する方向)に合わせている。接合部に直交方向から衝撃を加える方法として、錘を自由落下させる方法を用いることで、簡易な方法で、接合部に衝撃を加えることができる。
図1に示した接合部強度試験装置(衝撃印加機構)では、錘5が落下した際の位置エネルギーにより、バンプ(測定試料)2に高速で衝撃を与えることができる。本装置は、複雑な機構を有しておらず、摩擦抵抗等によるエネルギー損出は極めて少ない構造となっている。この為、バンプとプリント配線板との接合部(或いは、電子部品とバンプとの接合部)に衝撃が加わる直前の衝撃エネルギーは、錘5の重さと錘5の落下高さと重力加速度から算出される位置エネルギーに等しいと考えても差し支えない。
また、バンプ把持機構部(クランプ機構)3及び線材4は、錘5の重さに比べて、無視できる程度に軽いものである。
錘5の落下高さは、錘支持機構部10で錘5を支持している際の線材4のたるみ長さに相当する。ここで、位置エネルギーをUとした場合、U=mgh[J]となる。
m:錘の重さ
g:重力加速度
h:錘の落下高さ(線材のたるみ長さ)
バンプ2に衝撃が加わる際は、上記の位置エネルギーと等しい衝撃エネルギーが加わることになる。
また、バンプ2に衝撃が加わる際の衝撃速度は、以下となる。
衝撃が加わる直前の衝撃速度:V
V=√2gh[m/s]
【0023】
本発明の一実施形態に係る衝撃印加機構では、バンプ2に加える衝撃エネルギーを、錘5の重さ(m)を変えることによって制御する構成としている。この際、重さの異なる錘5を複数個準備することで、バンプに加える衝撃エネルギーを制御することができる。
本発明の他の実施形態に係る衝撃印加機構では、バンプ2に加える衝撃エネルギーを、錘5の落下高さ(h)を変えることによって制御する構成としている。長さが異なる線材4を準備することで、落下高さを変えることができ、バンプに加える衝撃エネルギーを制御することができる。また、バンプ2に衝撃が加わる際の衝撃速度を制御することができる。
次に、本発明の他の実施形態に係る衝撃印加機構では、バンプ2に加える衝撃エネルギーを、錘5の重さ(m)と錘5の落下高さ(h)を併用して制御する構成としている。重さの異なる錘5と長さが異なる線材4を準備することで、衝撃エネルギーと衝撃速度の両面で、より細かな接合強度評価を行うことができる。
【0024】
次に、図9は本発明の第4の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図であり、図10は図9のC−C断面図である。
本実施形態では、ベース6上に立設された支柱7の上部に差し渡し固定された測定試料保持ベース8bに、水平(左右)及び前後方向移動機構部(横方向移動機構部)19を取り付け、それに、測定対象物1aを固定する構成となっている。
水平及び前後方向移動機構部19により、測定対象物1a自体が横方向の任意の方向へ移動可能になる。図9において測定対象物1aを水平方向に移動させる場合には、水平方向移動送り機構部22を回転させることで、水平方向移動ステージ21が水平方向に移動する。
また、図9で測定対象物1aを前後方向に移動させる場合には、前後方向移動送り機構部24を回転させることで、前後方向移動ステージ23が前後方向に移動する。
この水平及び前後方向移動機構24に、接合部を引っ張る線材4の鉛直線上に実装されている個々のバンプを一致させることができ、個々のバンプに対して容易にはんだ接合強度試験を行うことができる。
【0025】
次に、図11は本発明の第5の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図である。
本実施形態では、第4の実施形態の水平及び前後方向移動機構部19に対して測定対象物クランプ機構部25を取り付け、クランプ機構25により測定対象物1aを保持する構成となっている。
図12は、測定対象物1aのバンプ2実装側を下方から見た測定対象物クランプ機構部25である。
この測定対象物クランプ機構部25は、中空の測定対象物クランプベース部材26の中に対向する形で配置された2個の測定対象物クランプ部27に設けた雌螺子部が、左右対称に配置されたボールネジ28に螺合した構成になっている。測定対象物クランプ送り機構部30を回転させることで、1本のボールネジ28が回転し、更にベルト29を介してもう1本のボールネジ28が同時に回転する形となっている。左右対称なボールネジ28の回転により、測定対象物クランプ部27が測定対象物クランプベース部材26の水平方向センターを基点として、左右対称に動く。
測定対象物クランプ機構部25上に測定対象物1aを載せ、測定対象物クランプ送り機構部30を回転させながら測定対象物1aの側面から保持する。この測定対象物クランプ機構により、サイズが種々異なる測定対象物1aであっても的確に保持することができる。
【0026】
次に、図13は本発明の第6の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図である。
本実施形態では、第4の実施形態の水平及び前後方向移動機構部19に、測定対象物1aの形状やサイズに合わせた形状の測定対象物固定板31を付加し、測定対象物固定板31によって測定対象物1aを固定する構成としている。
図14は測定対象物1aのバンプ2実装側を下側から見た場合に測定対象物1aが測定対象物固定板31に固定された状態を示す図である。図15は測定対象物1aを固定する測定対象物固定板31の構成説明図である。図16は複雑な形状をした測定対象物1aの構成説明図である。
固定試料板31は測定対象物1aのバンプ2を形成した領域と干渉しない形状(該領域全体を受け入れる形状)の開口31aを有している。尚、測定対象物固定板31としては、測定対象物1aの厚みに合わせた高さ調整ブロック32を使い、測定対象物固定板31の変形をなくした形で、図示しない固定部材により水平及び前後方向移動機構部に固定されている。
この測定対象物固定板31を使用することで、複雑な形状の測定対象物1aであっても、確実に保持することができる。つまり、測定対象物のサイズ、形状に合わせ、接合部(バンプ)と干渉しない開口を有した脱着可能な測定対象物固定板で保持することにより、個々の測定対象物に適した測定対象物保持を行うことができる。
【0027】
次に、図17は本発明の第7の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図である。
本実施形態は、図1に示した第1の実施形態の接合部強度試験装置に錘5に衝撃感知センサー(衝撃感知手段)33を取り付けた構成としている。衝撃感知センサー33とは、加速度センサー、速度センサー等を含み、錘5が落下してバンプ2に衝撃が加わってから開放するまでの衝撃度合いを測定する手段である。
錘5に、衝撃度合いを感知するセンサー33を備えることにより、接合部に衝撃が加わってから開放されるまでの衝撃度合いを把握することができる。
図18は本発明の第8の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図である。
本実施形態は、図1に示す第1の実施形態の接合部強度試験装置において、バンプ2が実装されている測定対象物1aの反対面側に、ひずみゲージ(ひずみ測定手段)34を取り付けた構成としている。ゲージ34は、錘5が落下してバンプ2に衝撃が加わってから開放するまでのひずみを測定する。
このように接合部を設けた反対側に、ひずみを測定するゲージ34を備えることにより、接合部に衝撃が加わってから開放されるまでのひずみを把握することができる。
【0028】
次に、図19は本発明の第9の実施形態の接合部強度試験装置の正面図である。
本実施形態は、図1に示す第1の実施形態の接合部強度試験装置において、測定対象物1a、或いは試料の側面からバンプ2を高速度カメラ(カメラ観察手段)35で観察するようにした構成としている。
高速度カメラ35は、カメラ固定台36を介して測定対象物保持部材11に固定されている。錘5が落下して、バンプ2に衝撃が加わってから開放するまでのバンプ2の位置変動や剥離状態の過程を観察する。
このように接合強度測定を実施する際に、接合部側面から接合部の位置変動や剥離状態の過程を高速度で観察するカメラ機構を備えることにより、接合部に衝撃が加わってから開放されるまでの、接合部の位置変動や剥離状態の過程を把握することができる。
【0029】
図20は本発明の第10の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図である。
本実施形態は、図1に示す第1の実施形態の接合部強度試験装置において、衝撃感知センサー33、ひずみゲージ34、高速度カメラ35のうちの少なくとも2つ以上を組み合わせて設置した構成を有している。
錘5が落下して、バンプ2に、衝撃が加わってから開放するまでの衝撃度合い、ひずみ、位置変動や剥離状態の過程を捉えることができる。
このように接合強度測定を実施する際に、衝撃感知センサー、ひずみ測定機構、カメラ機構のうち、少なくとも2つ以上を組み合わせた機構を備えることにより、接合部(測定試料)に衝撃が加わってから開放されるまでの、衝撃度合い、接合部ひずみ接合部位置変動や剥離状態の過程を把握し、はんだ接合強度や剥離状況を多方面から分析できる様にすることができる。
【0030】
次に、図21は本発明の第11の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図である。図20の装置構成では、測定試料としてのバンプ2を下向きにセットした形で衝撃を加えているが、図21では、測定試料としてのバンプ2を上向きにセットした形で衝撃を加える点が異なっている。
本試験装置は、測定試料としてのバンプ2が上向きとなるようにプリント配線板(試料保持部材)101Aをセットした状態で、バンプ2の接合部に対して試料保持面と直交する上方向に衝撃(引張り衝撃)を加える装置である。
ベース6上に立設された支柱7の上部に固定されたプーリー支持ベース部材13にプーリー支持支柱14を介して、プーリー15を2カ所に取り付け、バンプ2を掴むパンプ把持機構部3に繋がる線材4が2カ所のプーリーを通って錘5に繋がっている。
更に、衝撃感知センサー33、ひずみゲージ34、高速度カメラ35のうちの少なくとも2つ以上を組み合わせて設置した構成を有している。
なお、本発明の測定試料としての接合部は、はんだ接合部に限らない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】第1の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図。
【図2】第1の実施形態に係る接合部強度試験装置のA−A断面図。
【図3】第1の実施形態に係る接合部強度試験装置の接合部強度測定前の状態図。
【図4】第1の実施形態に係る接合部強度試験装置の接合部強度測定時の状態図。
【図5】第2の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図。
【図6】第1の実施形態で、半導体パッケージ部品の接合強度試験を実施している正面図。
【図7】第3の実施形態に係る接合部強度試験装置の接合部強度試験装置の正面図。
【図8】第3の実施形態に係る接合部強度試験装置のB−B断面図。
【図9】第4の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図。
【図10】第4の実施形態に係る接合部強度試験装置のC−C断面図。
【図11】第5の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図。
【図12】測定対象物クランプ機構部の構成説明図。
【図13】第6の実施形態の接合部強度試験装置の正面図。
【図14】測定対象物固定板で測定試料を固定している状態図。
【図15】測定対象物固定板の正面図。
【図16】複雑な形状をした測定試料の正面図。
【図17】第7の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図。
【図18】第8の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図。
【図19】第9の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図。
【図20】第10の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図。
【図21】第11の実施形態に係る接合部強度試験装置の正面図。
【図22】試料保持部材に測定試料を実装した測定対象物の側面図。
【図23】測定試料を有する半導体パッケージ部品(試料保持部材)の側面図。
【図24】試料保持部材に、部品をはんだで接合した測定対象物の側面図。
【図25】半導体パッケージ部品が実装された試料保持部材に応力が加わり、試料保持部材が変形した状態図。
【図26】試料保持部材に応力が加わり、接合部に剥離が発生した状態図。
【図27】試料保持部材に測定試料が接合した状態の断面図。
【図28】剥離モード(剥離位置)を示す断面図。
【図29】従来の高速プル試験装置の概略図。
【符号の説明】
【0032】
1a、1c…測定対象物(接合強度評価用プリント配線板)、1b…測定対象物(バンプを有する半導体パッケージ部品)、2…バンプ、3…バンプ把持機構部(クランプ機構)、4…線材、5…錘、6…ベース台、7…支柱、8a、8b、12…測定試料保持ベース部材、9…錘支持機構部搭載台、10…錘支持機構部、11…測定対象物保持部材、13…プーリー支持ベース部材、14…プーリー支持支柱、15…プーリー、16…接合部、17…電子部品(試料保持部材)、18…フック、19…水平及び前後方向移動機構部、20…水平及び前後方向移動機構支持ベース部材、21…水平方向移動ステージ、22…水平方向移動送り機構部、23…前後方向移動ステージ、24…前後方向移動送り機構部、25…測定対象物クランプ機構部、26…測定対象物クランプベース部材、27…測定対象物クランプ部、28…ボールネジ、29…ベルト、30…測定対象物クランプ送り機構部、31…測定対象物固定板、32…高さ調整ブロック、33…衝撃感知センサー(衝撃感知手段)、34…ひずみゲージ(ひずみ測定手段)、35…高速度カメラ(カメラ観察手段)、36…カメラ固定台、101A…プリント配線板(試料保持部材)、101B…半導体パッケージ部品(電子部品=試料保持部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料保持部材の試料保持面に接合された測定試料、又は/及び、前記試料保持部材の接合部強度試験装置であって、錘を自由落下させる際のエネルギーを利用して前記測定試料の接合部に対して前記試料保持面と直交する方向へ衝撃を加える衝撃印加機構を備えたことを特徴とする接合部強度試験装置。
【請求項2】
請求項1において、前記測定試料の接合部に加える衝撃を、前記錘の重さを変化させることにより制御することを特徴とする接合部強度試験装置。
【請求項3】
請求項1、又は2において、前記測定試料の接合部に加える衝撃を、前記錘の落下距離を変化させることにより制御することを特徴とする接合部強度試験装置。
【請求項4】
前記試料保持部材を支持する支持部が前記試料保持面と平行な面に沿った任意の方向へ移動可能に構成されていることを特徴とする接合部強度試験装置。
【請求項5】
前記衝撃印加機構は、前記試料保持部材を側面から保持するクランプ機構を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の接合部強度試験装置。
【請求項6】
前記測定対象物、或いは前記測定試料のサイズ、形状に合わせ、これらと干渉しない開口を有した脱着可能な測定対象物固定板を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の接合部強度試験装置。
【請求項7】
前記錘に、衝撃度合いを感知する衝撃感知手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の接合部強度試験装置。
【請求項8】
前記試料保持部材の試料保持面とは反対側の面に、ひずみを測定するひずみ測定手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の接合部強度試験装置。
【請求項9】
接合強度測定を実施する際に、前記接合部の側面から該接合部の位置変動や剥離過程を高速度で観察するカメラ観察手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の接合部強度試験装置。
【請求項10】
前記衝撃感知手段、前記ひずみ測定手段、前記カメラ観察手段のうち、少なくとも2つ以上を組み合わせた構成を備えたことを特徴とする請求項7、8、又は9の何れか一項に記載の接合部強度試験装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載の接合部強度試験装置を用いて、前記試料保持部材により保持された前記測定試料に対して錘の落下時のエネルギーによる衝撃を付与することを特徴とする接合部強度試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2009−25218(P2009−25218A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−190223(P2007−190223)
【出願日】平成19年7月20日(2007.7.20)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】