接点モジュール及びその製造方法、ならびに前記接点モジュールを用いた接点付き部材及びその製造方法
【課題】 特に、従来に比べて電子部品やマザー基板等に接点モジュールを容易に取り付けることが出来る接点モジュール及びその製造方法、ならびに前記接点モジュールを用いた接点付き部材及びその製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】 スパイラル接触子2と、前記スパイラル接触子2の下側にバンプ3とを有して成る接点モジュール1を、マザー基板10に形成された貫通孔11内に挿入し、前記マザー基板10の裏面10aから前記バンプ3をかしめる。これにより、前記接点モジュール1を前記マザー基板10に容易に且つ適切に固定保持できる。
【解決手段】 スパイラル接触子2と、前記スパイラル接触子2の下側にバンプ3とを有して成る接点モジュール1を、マザー基板10に形成された貫通孔11内に挿入し、前記マザー基板10の裏面10aから前記バンプ3をかしめる。これにより、前記接点モジュール1を前記マザー基板10に容易に且つ適切に固定保持できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電子部品やマザー基板等に接点モジュールを容易に取り付けることが出来る接点モジュール及びその製造方法、ならびに前記接点モジュールを用いた接点付き部材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のスパイラルコンタクタが絶縁基板等に取り付けられた構造が開示されている。通常、複数のスパイラルコンタクタは、それぞれ、ばらばらにならないように絶縁シートに保持されており、前記絶縁シートが前記絶縁基板上に導電性接着剤等を介して貼り付けられていた。
【特許文献1】特開2002−175859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように複数のスパイラルコンタクタが保持された絶縁シートを前記絶縁基板に貼り付ける構造であると、前記スパイラルコンタクタを形成するとき、前記絶縁基板側に設けられた各電極部と導通させるための前記スパイラルコンタクタの各マウント部を、前記電極部の形成位置に合わせて高精度に形成する必要があり、また、前記絶縁基板上に前記絶縁シートを貼りあわせるとき、各マウント部と各電極部とを高精度に位置合わせする必要があった。
【0004】
また、上記の構造であると、前記電極部の配置等が変更されれば、当然、それにあわせて、前記スパイラルコンタクタの絶縁シートに対する配置も変更することが必要であった。
【0005】
このように従来の構造では、絶縁基板や電子部品等に対し、簡便に前記スパイラルコンタクタを付けることが出来なかった。
【0006】
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、従来に比べて電子部品やマザー基板等に接点モジュールを容易に取り付けることが出来る接点モジュール及びその製造方法、ならびに前記接点モジュールを用いた接点付き部材及びその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における接点モジュールは、
マウント部と前記マウント部から延出形成された弾性腕とを有して成る接触子と、前記接触子の下側に設けられた突起部と、を有することを特徴とするものである。
【0008】
本発明では、従来に比べて電子部品やマザー基板等に前記接点モジュールを容易に取り付けることが出来る。
【0009】
本発明では、前記突起部は前記弾性腕と高さ方向にて対向する位置に設けられていてもよいし、前記突起部は、前記弾性腕と高さ方向にて対向する位置からずれた位置に設けられていてもよい。
【0010】
また本発明では、前記マウント部の下面が前記突起部の上面に接合されていることが好ましい。
【0011】
また、少なくとも一部の前記マウント部の上面にはシート部材が設けられていてもよい。
【0012】
また本発明では、前記突起部はバンプであることが好ましい。これにより前記突起部を電極として用いることが可能である。
【0013】
また本発明では、前記弾性腕は、前記マウント部との基端から先端にかけて螺旋状に形成されていることが好ましい。また、前記弾性腕は上方に向けて立体成形されていることがより好ましい。
【0014】
また本発明では、前記接触子と突起部はそれぞれ一つづつ設けられていても、前記接触子及び突起部がそれぞれ複数個設けられていてもよい。
【0015】
また本発明における接点付き部材は、上記のいずれかに記載された接点モジュールと、前記突起部との対向面に凹部あるいは貫通孔が形成された保持部材と、を有し、前記突起部が前記凹部あるいは貫通孔に挿入され、前記接触子が前記保持部材の表面に露出していること特徴とするものである。
これにより従来に比べて簡単に接点付き部材を形成することが出来る。
【0016】
また本発明では、前記突起部は前記凹部あるいは貫通孔に圧入されることが、前記接点モジュールが適切に前記保持部材に固定保持されて好ましい。
【0017】
また本発明では、前記突起部は前記貫通孔に挿入され、前記突起部には、前記保持基板の裏面側で、前記貫通孔の周縁部に延出するかしめ部が形成されていることが好ましい。これにより前記接点モジュールが前記保持部材から抜け出るのを適切に防止できる。
【0018】
また本発明における接点モジュールの製造方法は、次の工程を有してなることを特徴とするものである。
【0019】
(a) マウント部と前記マウント部から延出形成された弾性腕とを有して成る接触子が複数形成されている接触子シートを、基板上に接合する工程と、
(b) 前記基板を裏面から掘り込んで、複数の突起部を形成する工程。
上記により簡単な手法により前記接点モジュールを製造することが出来る。
【0020】
また本発明では、前記基板には各接触子の弾性腕の一部と対向する位置に突出調整孔が形成され、前記(a)工程後に、前記突出調整孔に突出調整部材を挿入して、前記弾性腕を上方に立体成形することが好ましい。
【0021】
また本発明では、前記(b)工程で、各弾性腕と高さ方向にて対向する位置に前記突起部を形成することが好ましい。
【0022】
また本発明では、前記(b)工程後、以下の工程を有することが好ましい。
(c)前記接触子と突起部を一つづつ組にして、各組ごとに前記接触子シートを分断して、複数の接点モジュールを形成する工程。
【0023】
これにより、接触子と突起部をそれぞれ一つづつ有する接点モジュールを一度に複数形成できる。
【0024】
また本発明における接点付き部材の製造方法は、上記のいずれかにより製造された接点モジュールの突起部を、保持部材に形成された凹部あるいは貫通孔に圧入することを特徴とするものである。これにより、前記接点モジュールを適切に前記保持部材に保持でき、接点付き部材を容易に形成できる。
【0025】
また本発明では、前記貫通孔に挿入した前記突起部の一部を、前記保持部材の裏面側から、前記貫通孔の周縁部にまで広がるように潰し、前記接点モジュールを前記保持部材にかしめ固定することが、前記接点のジュールを、より強固に、前記保持部材に固定保持できて好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明では、従来に比べて電子部品やマザー基板等に接点モジュールを容易に取り付けることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1は、第1実施の形態の接点モジュールの部分断面図、図2は図1に示す接点モジュールをマザー基板に取り付ける際の一工程を示す接点モジュール及びマザー基板等の部分断面図、図3は、図2の接点モジュールがマザー基板に取り付けられた(固定保持された)状態での前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、図4は、図2,図3とは異なる手法により取り付けられた前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、図5は、図2〜図4とは異なる手法により取り付けられた前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、図6は図1に示す接点モジュールの部分平面図、図7は図6とは異なる形態の前記接点モジュールの部分平面図、図8は、第2実施の形態の接点モジュールの部分断面図、図9は、図8に示す接点モジュールがマザー基板に取り付けられた状態を示す前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、図10は、複数の接点モジュールがマザー基板に取り付けられた状態を示す前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、図11は電子部品に、接点モジュールが取付けられた状態を示す前記接点モジュール及び電子部品の部分断面図、図12は、複数の接点モジュールをマザー基板に取付ける際の一工程を示す前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、図13は、他の実施の形態の接点モジュールの部分断面図、図14はスパイラル接触子の部分側面図、である。
【0028】
図示Z方向は厚み方向,高さ方向を示し、図示X方向は、幅方向、図示Y方向は長さ方向を指す。各方向は残り二つの方向に対して直交する関係にある。
【0029】
なおこの明細書において「部分断面図」とは、前記幅方向と高さ方向からなる面と平行な方向から切断したときの切断面を指している。
【0030】
図1に示す接点モジュール1は、スパイラル接触子2とバンプ3とを有して構成される。前記スパイラル接触子2は、図6に示すように略リング状に形成された導電性のマウント部4と、前記マウント部4と一体に接続され、前記マウント部4との境界に当る基端6から先端7にかけて螺旋形状に延出する導電性の弾性腕5とで構成される。なお前記マウント部4の平面形状は図7に示すように外観形状が四角形状(図7では正四角形)に形成され、前記マウント部4の中央に形成された略円形状の穴4aと高さ方向にて対向する位置に螺旋状の前記弾性腕5が形成されている。
【0031】
図14に示すように前記マウント部4は、所定の膜厚で平面的な形状で形成され、前記弾性腕5は、螺旋階段状に上方向(図示Z1方向)に向けて立体的に形成されている。また前記先端7は、螺旋形状のほぼ中心点に位置している。
【0032】
前記スパイラル接触子2は、エッチング法またはメッキ法により形成されるものである。エッチング法では、薄い板状の銅膜をエッチングすることによりスパイラル接触子と同形状が形成され、さらにその表面に、ニッケルや熱による拡散保護用のメッキが施される。または、銅とニッケルとの積層体で形成することもできる。この構造では、主にニッケルまたは合金層が弾性機能を発揮し、銅が比抵抗を低下させるように機能する。
【0033】
または、スパイラル接触子2は、銅層をメッキすることで形成でき、あるいは銅とニッケルとを連続メッキで積層して成膜して形成することができる。
【0034】
図1や図6に示すように、前記バンプ3の上面の周縁3aは、前記マウント部2の周縁2aよりも内側に位置しており、従って前記接点モジュール1を真上から見ても、前記バンプ3の上面の周縁3aは、前記マウント部2に覆われて見えない。このように、前記バンプ3の上面の周縁3aよりも外側に前記マウント部2が一部、突出している形態となっている。
【0035】
図1に示すように前記バンプ3の断面形状は、略逆台形状に形成されている。前記バンプ3の平面におけるほぼ中心には高さ方向に向けてバンプ3内部を貫く突出調整孔8が形成されている。図6に示すように、前記突出調整孔8の平面形状は略円形状で形成されているが、そのような形状に限定されることはない。また前記突出調整孔8は形成されていなくてもよい。図1のように突出調整孔8が形成された接点モジュール1では、前記スパイラル接触子2の弾性腕5は、前記突出調整孔8を利用して上方(図示Z1方向)に向けて立体成形されている。前記バンプ8は、導電性材料で形成される。なお前記バンプ8は半田バンプであってもよい。
【0036】
前記スパイラル接触子2のマウント部4の下面と前記バンプ3の上面は例えば導電性接着剤9を介して接合されている。前記スパイラル接触子2のマウント部4と前記バンプ3は電気的に接続されている。図1に示すように前記バンプ3は、前記スパイラル接触子2の弾性腕5と高さ方向(図示Z1−Z2方向)にて対向する位置に設けられている。前記スパイラル接触子2のマウント部4と前記バンプ3間は前記導電性接着剤9によって固定されている形態に限定されない。前記バンプ3上にスパイラル接触子2のマウント部4が直接、化学的結合によって接合されている形態であってもよい。
【0037】
図2に示すように、前記前記接点モジュール1は、搬送部材12に保持された状態にて、例えば、マザー基板10に形成された貫通孔11内に挿入される。前記搬送部材12の下面には前記弾性腕5と高さ方向(図示Z1−Z2方向)にて対向する位置に凹部12aが形成されており、前記接点モジュール1が前記搬送部材12にて搬送されるとき、前記弾性腕5が前記搬送部材12に接触しないようになっている。図2に示す形態では前記マザー基板10に形成された貫通孔11の平面形状は、前記バンプ3と同じように略円形状であり、前記貫通孔11の平面と平行な方向における面積は、前記貫通孔11の上面から下面にかけてほぼ一定である。また、前記貫通孔11の平面の面積は、前記接点モジュール1のバンプ3の平面と平行な方向における最大面積よりもやや大きいか、ほぼ同じくらいである。従って前記接点モジュール1を前記マザー基板10の貫通孔11内に挿入すると、前記貫通孔11内では、前記貫通孔11の側壁11aと前記バンプ3との間に若干の隙間が生じている。
【0038】
図2に示すように、前記バンプ3は一部、前記マザー基板10の裏面10aから下方向(図示Z2方向)へ突出した状態になっている。図2では、前記マザー基板10の裏面10a側に上面が平坦な押圧部材13が対向させられ、前記押圧部材13を上方(図示Z1方向)に向けて押し上げると、前記押圧部材13とバンプ3とが当接し、前記接点モジュール1が前記搬送部材12と押圧部材13との間に挟まれた状態になる。前記押圧部材13をさらに上方に押し上げると前記マザー基板10の裏面10aから下方に向けて突出しているバンプ3が押し潰され、これにより、前記貫通孔11の側壁11aと前記バンプ3との間に生じていた隙間が、前記貫通孔11内部でバンプ3が広がることで埋められるとともに、前記バンプ3の一部が前記マザー基板10の裏面10aの前記貫通孔11の周縁部11bにまで広がり、前記周縁部11bにまで広がった前記バンプ3がかしめ部3bとして、前記接点モジュール1が前記マザー基板10から上方へ抜け出るのを防止している。このように図3に示す形態では前記接点モジュール1のバンプ3をマザー基板10の裏面10aにてかしめており、また前記かしめにより、前記バンプ3は前記貫通孔11の側壁11aに圧着され、従って前記接点モジュール1は、前記マザー基板10の上面及び下面の双方から抜け出ることはない。前記マザー基板10の裏面10aには前記バンプ3が露出しているから、前記マザー基板10の裏面10aから露出するバンプ3を電極として用いることが出来る。
【0039】
なお前記押圧部材13には図示しない加熱手段が設けられ、前記押圧部材13と当接した前記バンプ3が加熱手段により溶融される等してもよい。
【0040】
図4に示す実施の形態では、前記接点モジュール1のバンプ3が前記マザー基板10の貫通孔11内に圧入されている。これにより前記接点モジュール1は前記マザー基板10の上面及び下面の双方から抜け出ることはなく、しっかりと前記マザー基板10に固定保持されている。図4では、前記バンプ3の一部が、前記マザー基板10の裏面10aから下方向へ突出しているので、この突出している前記バンプ3を図3のようにかしめてもよい。
【0041】
図5に示す実施の形態では、前記マザー基板10に形成された前記貫通孔11の平面の面積は、前記接点モジュール1のバンプ3の平面と平行な方向における最大面積よりもやや大きく、前記貫通孔11の壁面11aと前記バンプ3との間には隙間Aが形成されている。図5に示す実施の形態では、前記隙間A内に接着剤14が充填され、前記接着剤14により前記接点モジュール1が前記マザー基板10に固定保持されている。前記接着剤14の種類は限定されない。例えば異方性導電ペーストや非導電性ペーストを用いることが出来る。いずれも熱硬化性接着剤であるため前記接着剤14を前記隙間Aに充填した後、加熱して前記接着剤14を硬化させる。
【0042】
図8に示す接点モジュール20は、図1に示す接点モジュール1と異なって、前記スパイラル接触子2のマウント部4の一部の上面にシート部材21が設けられている。前記シート部材21は絶縁性の樹脂シート等であり、具体的にはポリイミド樹脂シートである。前記シート部材21が前記マウント部4上に設けられていることで、前記スパイラル接触子2の前記マウント部4上が適切にシート部材21により保護され、例えば電子部品のBGA等の電極部が前記マウント部4上に電気的に接触するのを防止できる。適切に前記弾性腕5のみが前記電子部品等との接点として機能し、電気的安定性を図ることが出来る。
【0043】
図8に示す接点モジュール20は図9に示すように、マザー基板22の貫通孔23内に圧入される。図9に示すように、前記マザー基板22の貫通孔23の側壁23aには、導通部24がスパッタ法等により形成されている。前記マザー基板22の上面及び下面にはそれぞれ上側電極部25と下側電極部26が設けられ、前記上側電極部25と下側電極部26は前記導通部24を介して導通している。図9に示す実施の形態では、スパイラル接触子2のマウント部4は前記上側電極部25と電気的に接続され、図示しない前記マザー基板22下にあるプリント基板と、前記スパイラル接触子2とが、上側電極部25,導通部24及び下側導通部26を介して導通接続されている。このため前記バンプ3が絶縁性の突起部で形成されても、前記スパイラル接触子2と前記プリント基板とを導通接続させることが出来る。なお、前記上側電極部25が形成されていない形態等により、前記スパイラル接触子2が前記導通部24,下側電極部26と直接、導通しない場合は、前記接点モジュール20に前記バンプ3を用いることで、スパイラル接触子2→バンプ3→導通部24→下側電極部26と繋がる経路を形成することが出来る。
【0044】
図10に示す実施の形態では図1に示す接点モジュール1が前記マザー基板30に設けられた複数の貫通孔31内に挿入され固定保持されている。固定保持は、図2,図3で説明したかしめ、図4で説明した圧入、図5で説明した接着のいずれであってもよいし、これらの固定方法を複数組み合わせても当然よい。また図9と同様に、マザー基板30の貫通孔31内に導通部24と、前記マザー基板30の上下面に電極部25,26とが設けられた構造であってもよい。当然、図8に示す接点モジュール20が前記マザー基板30に設けられた複数の貫通孔31内に挿入され固定保持されていてもよい。
【0045】
図11に示す実施の形態では、例えばマイク等の電子部品40の下面に凹部40aが形成されており、前記凹部40a内には電極部41が形成されている。そして図1に示す接点モジュール1を図1の状態から反転させ、前記バンプ3が上向きにされた状態にて、前記接点モジュール1が前記凹部40a内に圧入されている。前記バンプ3は導電性材料で形成されているから、前記電極部41と前記バンプ3は導通し、前記バンプ3と導通接続されているスパイラル接触子2の弾性腕5が前記電子部品40の弾性接点として機能している。
【0046】
図12に示す接点モジュール(接点モジュール集合体とも言う)50は、図1に示す接点モジュール1が複数、連結された形態となっている。例えば前記スパイラル接触子2を構成するマウント部4が各接点モジュール1を連結する連結部として機能している。あるいは図8に示す接点モジュール20を用い、シート部材21が複数の接点モジュール20を連結する連結部とされていてもよい。図12に示す接点モジュール50の場合、複数設けられたスパイラル接触子2が連結部として機能する前記マウント部4によって電気的に繋がっているので、各スパイラル接触子2間を電気的に遮断する必要がある場合には、図8に示す絶縁性のシート部材20を連結部として用いるか、あるいは前記複数の接点モジュール1のバンプ3をマザー基板60の貫通孔61内に圧入等した後、各スパイラル接触子2のマウント部4間を切断し、各スパイラル接触子2を電気的に分離する。
【0047】
図13に示す接点モジュール65では、前記スパイラル接触子2の弾性腕5と高さ方向(図示Z1−Z2方向)にて対向する位置から図示X2方向にずれた前記マウント部4の下面にバンプ3が設けられており、前記バンプ3と前記弾性腕5とが高さ方向にて対向する位置関係になっていない。上記した「ずれ」の状態には図13に示すような、前記バンプ3と前記弾性腕5とが高さ方向にて全く対向する位置関係になっていない状態のもの以外に、前記バンプ3と前記弾性腕5とが高さ方向にて一部対向しているが、前記弾性腕5の幅方向(図示X1−X2方向)及び長さ方向(図示Y1−Y2方向)における中心と、前記バンプ3の幅方向(図示X1−X2方向)及び長さ方向(図示Y1−Y2方向)における中心とが高さ方向(図示Z1−Z2方向)にて一致していない状態も含む。前記接点モジュール65も、前記マザー基板10に設けられた貫通孔11あるいは電子部品40の凹部41等に前記バンプ3が圧入等されて前記マザー基板10に固定保持される。例えば電子部品のBGA等の電極部と、フレキシブルプリント基板の電極部とが図示X1−X2方向にずれている場合、図13に示すスパイラル接触子2の弾性腕5とバンプ3とが図示X1−X2方向にずれた接点モジュール65を用いることで、適切且つ簡単に前記電子部品のBGA等の電極部と、フレキシブルプリント基板の電極部とを導通接続させることが可能になる。
【0048】
上記した実施の形態では、一つのスパイラル接触子2とその下側に設けられた一つのバンプ3とを有してなる接点モジュールを、マザー基板10に設けられた貫通孔11に圧入等という簡単な作業にて適切に前記マザー基板10に取り付けることが出来る。
【0049】
前記マザー基板10に設けられた複数の貫通孔11に接点モジュールを圧入等により取りつけるとき、本実施の形態では、各貫通孔11に対し、それぞれ個別に接点モジュールを取り付けることが出来る。このため、全ての貫通孔11に対して全て同じ接点モジュールを取り付ける必要はなく、例えば、ある貫通孔11に対しては図13に示す形態の接点モジュール65を取付け、他の貫通孔11に対しては、図1に示す接点モジュール1を取り付ける等、各貫通孔11に対して異なる形態の接点モジュールを取り付けることが可能であり、必要な形態の接点基板を容易に製造することが可能である。
【0050】
またマザー基板11のみならず、電子部品40等に対しても容易に、前記接点モジュールを取り付けることが出来る。
【0051】
また接点モジュールにバンプ3を設けることで、前記バンプ3を介してスパイラル接触子2とフレキシブルプリント基板の電極部とを導通させることが出来る。例えば、図3に示すように、前記接点モジュール1をマザー基板10の貫通孔11へかしめ固定したとき、前記マザー基板10の上面にはスパイラル接触子2が、前記マザー基板10の下面にはバンプ3が露出する状態となるため、前記バンプ3下にフレキシブルプリント基板を配置すれば、前記バンプ3を介して前記フレキシブルプリント基板の電極部とスパイラル接触子2とを導通接続させることが出来る。従来では、例えば特許文献1の図2等に示すようにマザー基板に設けられた貫通孔の内壁に導通部を形成する必要等があったが、本実施の形態(ただし図9を除く実施の形態)ではそのような必要がない。
【0052】
また前記接点モジュールをマザー基板の貫通孔等に圧入により取り付けた場合には、前記接点モジュールを前記基板から抜いて、新たな前記接点モジュールに交換できる等、利便性に優れる。
【0053】
本実施の形態は、マザー基板等に多数の接点を設ける場合より、少数の接点を設ける場合や、また、あまり規則性がなく接点をマザー基板上に並べる必要がある場合等に適している。
【0054】
図15ないし図20は図1に示す接点モジュール1の製造方法を示す一工程図である。図16及び図19は製造工程中における接点モジュール1の部分平面であり、残りの図は、製造工程中における接点モジュール1の部分断面図である。
【0055】
図15に示す工程では、複数の弾性腕5を有する接触子シート71を形成する。図16に示すように前記接触子シート71は複数の弾性腕5と、各弾性腕5間を繋いでいる連結板72とで構成される。前記弾性腕5と前記連結板72は元々は一枚の銅箔であり、前記銅箔に対しエッチング処理等により、前記銅箔に弾性腕5を形成し、残りの部分が前記連結板72となる。また前記エッチング後、前記弾性腕5の周囲及び連結板72の周囲に対しNi等がメッキ形成されていてもよい。前記連結板71は、図1に示すスパイラル接触子2のマウント部4となる部分である。
【0056】
図15に示す符号70は導電性材料からなる基板である。前記基板70は、図1に示す接点モジュール1のバンプ3となるべきものである。図15に示すように前記基板70には、複数の突出調整孔8が、前記弾性腕5の一部と高さ方向(図示Z1−Z方向)にて一致する位置に形成されている。前記突出調整孔8は少なくとも前記弾性腕5の先端17と高さ方向にいて一致する位置に形成されていることが好ましい。なお前記突出調整孔8の形成は必須でない。
【0057】
図15に示すように、前記基板70と前記接触子シート71の連結板72とを導電性接着剤9等を介して貼り付ける。
【0058】
図17に示す工程では、前記基板70の裏面70aにマスク層73を形成する。前記マスク層73をレジストで形成するときは前記基板70の裏面70aに前記レジストを塗布し、露光現像により前記マスク層73を形成する。前記マスク層73は前記弾性腕5と高さ方向(図示Z1−Z2方向)にて一致する位置に形成する。
【0059】
そして、前記基板70を裏面70a側からエッチングする。エッチングは等方性エッチングであり、このエッチング処理により前記マスク層73間の基板70が図17に示す点線に沿って除去される。
【0060】
図18に示すように、各弾性腕5の下側には図17に示す基板70がバンプ3として残される。図18に示す工程では前記バンプ3形成後、前記マスク層73を除去する。
【0061】
次に前記突出調整孔8の下側から、突出調整部材(図示しない)を前記突出調整孔8内に挿入し、前記突出調整部材を突き上げると、前記弾性腕5が上方(図示Z1方向)に持上げられ、前記弾性腕5が螺旋階段状に立体フォーミングされる(図20を参照)。
【0062】
図19及び図20に示すように、前記接触子シート71の連結板72の表面に、各弾性腕5を、一枚の前記接触子シート71から個々に分離する際の目印となる分離線を例えばV字形状の溝75により形成する。前記溝75を例えばエッチング等で形成する。図19では、前記溝75を、各弾性腕5の間であって幅方向(図示X1−X2方向)及び長さ方向(図示Y1−Y2方向)に沿って形成しているが、各弾性腕5の間に形成すれば、特に溝75の形成方向等は限定されない。なお前記溝75の形成は製造工程において必須ではない。
【0063】
図19に示すように、前記溝75及び前記接触子シート71の側縁部71aに囲まれた各連結板72は、各スパイラル接触子2のマウント部4を構成する。そして図20に示すように、前記溝75に沿って(図20に示す一点鎖線に沿って)、前記接触子シート71をレーザ等により切断すると、図1に示す接点モジュール1を複数個、得ることが出来る。
【0064】
図21ないし図25は図8に示す接点モジュール20の製造方法を示す一工程図である。図21ないし図25は製造工程中における接点モジュール20の部分断面図である。
【0065】
図21に示す工程では、弾性腕5とマウント部4とを有してなるスパイラル接触子2を、複数個、形成し、前記スパイラル接触子2のマウント部4上にポリイミド樹脂等で形成されたシート部材21を導電性接着剤(図示しない)等を介して貼り付ける。前記シート部材21には前記弾性腕5と高さ方向(図示Z1−Z2方向)にて対向する位置に貫通孔21aを形成する。図21に示すスパイラル接触子2と前記シート部材21とから成る構造体を以下では「接触子シート80」と称する。
【0066】
次に図22に示す工程では、各スパイラル接触子2の弾性腕5の下側に突出調整部材(図示しない)を待機させ、前記突出調整部材を上方へ(矢印方向へ)突き上げて前記弾性腕5を上方に向けて立体フォーミングする。
【0067】
図23に示す工程では、前記接触子シート80のシート部材21及びマウント部4と、導電性材料から成る基板70とを導電性接着剤9等を介して貼り付ける。
【0068】
図24に示す工程では、前記基板70の裏面70aにマスク層73を形成する。前記マスク層73をレジストで形成するときは前記基板70の裏面70aに前記レジストを塗布し、露光現像により前記マスク層73を形成する。前記マスク層73は前記弾性腕5と高さ方向(図示Z1−Z2方向)にて一致する位置に形成する。
【0069】
そして、前記基板70を裏面70a側からエッチングする。エッチングは等方性エッチングであり、このエッチング処理により前記マスク層73間の基板70が図24に示す点線に沿って除去される。
【0070】
図25に示すように、各スパイラル接触子2の下側には図24に示す基板70がバンプ3として残される。図25に示す工程では前記バンプ3形成後、前記マスク層73を除去する。
【0071】
次に、図25に示すように、前記シート部材21の表面に各スパイラル接触子2を一枚の前記接触子シート80から個々に分離するための目印となる分離線を例えばV字形状の溝81により形成する。前記溝81を例えばエッチング等で形成する。前記溝81を、例えば図19に示す溝75と同様に、各スパイラル接触子2間であって幅方向(図示X1−X2方向)及び長さ方向(図示Y1−Y2方向)に沿って形成する。なお前記溝81の形成は製造工程において必須ではない。
【0072】
図25に示すように、前記溝81に沿って(図25に示す一点鎖線に沿って)、前記接触子シート80をレーザ等により切断すると、図8に示す接点モジュール20を複数個、得ることが出来る。
【0073】
図15ないし図24に示す接点モジュール1,20の製造方法によれば、一連の製造工程を経ることで、一度に多数の接点モジュール1,20を簡単に製造できる。また、図15ないし図24に示す接点モジュール1,20の製造方法によれば、接点モジュール1のスパイラル接触子1,20の弾性腕5と高さ方向にて対向する位置にバンプ3を適切に形成できる。
【0074】
また、図12のように複数の接点モジュール1が連結された接点モジュール集合体50を形成したい場合には、図20や図25に示す分離工程で、複数のスパイラル接触子2が連なるように分離すればよい。
【0075】
また図15に示すように基板70に突出調整孔8を設け、前記突出調整部材を前記突出調整孔8に挿入し、前記突出調整部材を上方へ突き上げれば、容易に且つ適切に前記スパイラル接触子2の弾性腕5を上方に向けて立体フォーミングできる。また前記基板70に前記突出調整孔8を設けない形態の場合、前記立体フォーミングは以下の手法により行なうことが出来る。例えば図17に示す状態で、前記弾性腕5の先端7を掴み、前記先端7を上方に引っ張れば、前記弾性腕5を螺旋階段形状に立体フォーミングできる。ただし、図15に示すように基板70に突出調整孔8を設け、前記突出調整部材を前記突出調整孔8に挿入し、前記突出調整部材を上方へ突き上げることで前記弾性腕5を立体フォーミングするほうが、簡単に且つ適切に前記弾性腕5を立体フォーミングできて好ましい。図15ないし図20、あるいは図21ないし図25の工程を経て形成された接点モジュール1,20のバンプ3を、マザー基板に形成された貫通孔や電子部品に形成された凹部等に例えば圧入することで、前記接点モジュール1,20を、マザー基板や電子部品等に簡単に固定保持することが出来る。圧入以外に、図2,図3で説明したかしめ固定、あるいは図5で説明した接着固定等により、前記接点モジュール1,20を、マザー基板や電子部品等に固定保持してもよい。
【0076】
図15や図23に示す基板70を上記の実施の形態では導電性材料で形成したが、絶縁材料で形成してもよい。用途によって前記基板70の材質を変更できる。
【0077】
図26,図27は、図15ないし図25とは異なる製造工程を示す一工程図である。図26,図27は、製造工程中の接点モジュールの部分断面図である。
【0078】
図26に示す工程では、前記基板70上全面に犠牲層93をTiや導電フィラーが混合された樹脂層等で形成し、前記犠牲層93上に接触子90を形成する。前記接触子90はマウント部94と弾性腕95とで構成されており、前記接触子90には上面側と下面側とで異なる内部応力が付与されている。具体的には、前記接触子90の下面側には引張り応力を、前記弾性腕95の上面側には圧縮応力を付与している。前記接触子90をNiZr合金(Niを1at%程度添加)、MoCr等で形成する。前記接触子90をスパッタ蒸着法で形成するとき、真空ガス圧(例えばArガスを使用する)を徐々に変化させながら前記接触子90をスパッタ成膜していくことで、前記接触子90の上面側と下面側とで異なる内部応力を付与出来る。
【0079】
図26に示すように、前記基板70には前記弾性腕95と対向する位置に貫通孔91が形成されており、例えばこの貫通孔91を通じて前記犠牲層93を溶解させるエッチング液を流し、前記弾性腕95下にある前記犠牲層93を除去する。このとき前記マウント部94の下側にある犠牲層93を除去せず、そのまま残す。貫通孔91を前記マウント部94から図示X1−X2方向にて離した位置に形成すれば、前記エッチング液は前記マウント部94下までは及び難く、前記マウント部94下に前記犠牲層93を適切に残すことが出来る。
【0080】
次に図27に示す工程では、前記接触子90に対し熱処理を施す。前記熱処理により、前記犠牲層93により前記基板70に固定保持されていない前記弾性腕95が、内部応力の差により撓み変形し、具体的には、前記接触子90の下面側に引張り応力が、前記弾性腕95の上面側に圧縮応力が付与されているから、前記熱処理によって前記弾性腕95は図27に示すように上方に向けて撓む。
【0081】
このように内部応力に差を持たせ、機械的な加工ではなく、自らの内部応力の差により変形する接触子90を用いることも出来る。図27に示す工程の次には、図17ないし図20と同様の工程を行い、前記接触子90とバンプ3を有する接点モジュールを複数形成する。
【0082】
図27に示す弾性腕95を、図14に示すような螺旋状に形成してもよい。
また、図1や図8に示す弾性腕5を螺旋状以外の形態で形成してもよい。ただし前記弾性腕5を螺旋形状で形成すると、前記弾性腕5に当接する電子部品等の電極部の表面を前記弾性腕5が包むように変形しやすく、前記弾性腕5と電極部との導通性を良好に出来るので、前記弾性腕5を螺旋形状で形成することが好ましい。
【0083】
本実施の形態では、マザー基板や電子部品を、前記接点モジュールを固定保持するための保持部材として説明したが、前記保持部材は前記マザー基板及び電子部品以外のものであってもよい。例えば樹脂シートなどであってもよい。そして前記保持部材には、接点モジュールを圧入等するための貫通孔かあるいは凹部の少なくとも一方が形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1実施の形態の接点モジュールの部分断面図、
【図2】図1に示す接点モジュールをマザー基板に取り付ける際の一工程を示す接点モジュール及びマザー基板等の部分断面図、
【図3】図2の接点モジュールがマザー基板に取り付けられた(固定保持された)状態での前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、
【図4】図2,図3とは異なる手法により取り付けられた前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、
【図5】図2〜図4とは異なる手法により取り付けられた前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、
【図6】図1に示す接点モジュールの部分平面図、
【図7】図6とは異なる形態の前記接点モジュールの部分平面図、
【図8】第2実施の形態の接点モジュールの部分断面図、
【図9】図8に示す接点モジュールがマザー基板に取り付けられた状態を示す前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、
【図10】複数の接点モジュールがマザー基板に取り付けられた状態を示す前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、
【図11】電子部品に、接点モジュールが取付けられた状態を示す前記接点モジュール及び電子部品の部分断面図、
【図12】複数の接点モジュールをマザー基板に取付ける際の一工程を示す前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、
【図13】他の実施の形態の接点モジュールの部分断面図、
【図14】スパイラル接触子の部分側面図、
【図15】図1に示す接点モジュール1の製造方法を示す一工程図(部分断面図)、
【図16】図15に示す製造工程中の接点モジュールの部分平面図、
【図17】図15の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、
【図18】図17の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、
【図19】図18の次に行なわれる一工程図(部分平面図)、
【図20】図19の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、
【図21】図8に示す接点モジュール20の製造方法を示す一工程図(部分断面図)、
【図22】図21の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、
【図23】図22の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、
【図24】図23の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、
【図25】図24の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、
【図26】図15ないし図25とは異なる製造工程により形成される接点モジュールの製造方法を示す一工程図(部分断面図)、
【図27】図26の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、
【符号の説明】
【0085】
1、20 接点モジュール
2 スパイラル接触子
3 バンプ
4、94 マウント部
5、95 弾性腕
10、22、30、60 マザー基板
11、23、31、61 貫通孔
14 接着剤
21 シート部材
40 電子部品
40a 凹部
41 電極部
50 接点モジュール(接点モジュール集合体)
70 基板
71、80 接触子シート
72 連結板
75、81 溝
90 接触子
93 犠牲層
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば電子部品やマザー基板等に接点モジュールを容易に取り付けることが出来る接点モジュール及びその製造方法、ならびに前記接点モジュールを用いた接点付き部材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のスパイラルコンタクタが絶縁基板等に取り付けられた構造が開示されている。通常、複数のスパイラルコンタクタは、それぞれ、ばらばらにならないように絶縁シートに保持されており、前記絶縁シートが前記絶縁基板上に導電性接着剤等を介して貼り付けられていた。
【特許文献1】特開2002−175859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のように複数のスパイラルコンタクタが保持された絶縁シートを前記絶縁基板に貼り付ける構造であると、前記スパイラルコンタクタを形成するとき、前記絶縁基板側に設けられた各電極部と導通させるための前記スパイラルコンタクタの各マウント部を、前記電極部の形成位置に合わせて高精度に形成する必要があり、また、前記絶縁基板上に前記絶縁シートを貼りあわせるとき、各マウント部と各電極部とを高精度に位置合わせする必要があった。
【0004】
また、上記の構造であると、前記電極部の配置等が変更されれば、当然、それにあわせて、前記スパイラルコンタクタの絶縁シートに対する配置も変更することが必要であった。
【0005】
このように従来の構造では、絶縁基板や電子部品等に対し、簡便に前記スパイラルコンタクタを付けることが出来なかった。
【0006】
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、従来に比べて電子部品やマザー基板等に接点モジュールを容易に取り付けることが出来る接点モジュール及びその製造方法、ならびに前記接点モジュールを用いた接点付き部材及びその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における接点モジュールは、
マウント部と前記マウント部から延出形成された弾性腕とを有して成る接触子と、前記接触子の下側に設けられた突起部と、を有することを特徴とするものである。
【0008】
本発明では、従来に比べて電子部品やマザー基板等に前記接点モジュールを容易に取り付けることが出来る。
【0009】
本発明では、前記突起部は前記弾性腕と高さ方向にて対向する位置に設けられていてもよいし、前記突起部は、前記弾性腕と高さ方向にて対向する位置からずれた位置に設けられていてもよい。
【0010】
また本発明では、前記マウント部の下面が前記突起部の上面に接合されていることが好ましい。
【0011】
また、少なくとも一部の前記マウント部の上面にはシート部材が設けられていてもよい。
【0012】
また本発明では、前記突起部はバンプであることが好ましい。これにより前記突起部を電極として用いることが可能である。
【0013】
また本発明では、前記弾性腕は、前記マウント部との基端から先端にかけて螺旋状に形成されていることが好ましい。また、前記弾性腕は上方に向けて立体成形されていることがより好ましい。
【0014】
また本発明では、前記接触子と突起部はそれぞれ一つづつ設けられていても、前記接触子及び突起部がそれぞれ複数個設けられていてもよい。
【0015】
また本発明における接点付き部材は、上記のいずれかに記載された接点モジュールと、前記突起部との対向面に凹部あるいは貫通孔が形成された保持部材と、を有し、前記突起部が前記凹部あるいは貫通孔に挿入され、前記接触子が前記保持部材の表面に露出していること特徴とするものである。
これにより従来に比べて簡単に接点付き部材を形成することが出来る。
【0016】
また本発明では、前記突起部は前記凹部あるいは貫通孔に圧入されることが、前記接点モジュールが適切に前記保持部材に固定保持されて好ましい。
【0017】
また本発明では、前記突起部は前記貫通孔に挿入され、前記突起部には、前記保持基板の裏面側で、前記貫通孔の周縁部に延出するかしめ部が形成されていることが好ましい。これにより前記接点モジュールが前記保持部材から抜け出るのを適切に防止できる。
【0018】
また本発明における接点モジュールの製造方法は、次の工程を有してなることを特徴とするものである。
【0019】
(a) マウント部と前記マウント部から延出形成された弾性腕とを有して成る接触子が複数形成されている接触子シートを、基板上に接合する工程と、
(b) 前記基板を裏面から掘り込んで、複数の突起部を形成する工程。
上記により簡単な手法により前記接点モジュールを製造することが出来る。
【0020】
また本発明では、前記基板には各接触子の弾性腕の一部と対向する位置に突出調整孔が形成され、前記(a)工程後に、前記突出調整孔に突出調整部材を挿入して、前記弾性腕を上方に立体成形することが好ましい。
【0021】
また本発明では、前記(b)工程で、各弾性腕と高さ方向にて対向する位置に前記突起部を形成することが好ましい。
【0022】
また本発明では、前記(b)工程後、以下の工程を有することが好ましい。
(c)前記接触子と突起部を一つづつ組にして、各組ごとに前記接触子シートを分断して、複数の接点モジュールを形成する工程。
【0023】
これにより、接触子と突起部をそれぞれ一つづつ有する接点モジュールを一度に複数形成できる。
【0024】
また本発明における接点付き部材の製造方法は、上記のいずれかにより製造された接点モジュールの突起部を、保持部材に形成された凹部あるいは貫通孔に圧入することを特徴とするものである。これにより、前記接点モジュールを適切に前記保持部材に保持でき、接点付き部材を容易に形成できる。
【0025】
また本発明では、前記貫通孔に挿入した前記突起部の一部を、前記保持部材の裏面側から、前記貫通孔の周縁部にまで広がるように潰し、前記接点モジュールを前記保持部材にかしめ固定することが、前記接点のジュールを、より強固に、前記保持部材に固定保持できて好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明では、従来に比べて電子部品やマザー基板等に接点モジュールを容易に取り付けることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1は、第1実施の形態の接点モジュールの部分断面図、図2は図1に示す接点モジュールをマザー基板に取り付ける際の一工程を示す接点モジュール及びマザー基板等の部分断面図、図3は、図2の接点モジュールがマザー基板に取り付けられた(固定保持された)状態での前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、図4は、図2,図3とは異なる手法により取り付けられた前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、図5は、図2〜図4とは異なる手法により取り付けられた前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、図6は図1に示す接点モジュールの部分平面図、図7は図6とは異なる形態の前記接点モジュールの部分平面図、図8は、第2実施の形態の接点モジュールの部分断面図、図9は、図8に示す接点モジュールがマザー基板に取り付けられた状態を示す前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、図10は、複数の接点モジュールがマザー基板に取り付けられた状態を示す前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、図11は電子部品に、接点モジュールが取付けられた状態を示す前記接点モジュール及び電子部品の部分断面図、図12は、複数の接点モジュールをマザー基板に取付ける際の一工程を示す前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、図13は、他の実施の形態の接点モジュールの部分断面図、図14はスパイラル接触子の部分側面図、である。
【0028】
図示Z方向は厚み方向,高さ方向を示し、図示X方向は、幅方向、図示Y方向は長さ方向を指す。各方向は残り二つの方向に対して直交する関係にある。
【0029】
なおこの明細書において「部分断面図」とは、前記幅方向と高さ方向からなる面と平行な方向から切断したときの切断面を指している。
【0030】
図1に示す接点モジュール1は、スパイラル接触子2とバンプ3とを有して構成される。前記スパイラル接触子2は、図6に示すように略リング状に形成された導電性のマウント部4と、前記マウント部4と一体に接続され、前記マウント部4との境界に当る基端6から先端7にかけて螺旋形状に延出する導電性の弾性腕5とで構成される。なお前記マウント部4の平面形状は図7に示すように外観形状が四角形状(図7では正四角形)に形成され、前記マウント部4の中央に形成された略円形状の穴4aと高さ方向にて対向する位置に螺旋状の前記弾性腕5が形成されている。
【0031】
図14に示すように前記マウント部4は、所定の膜厚で平面的な形状で形成され、前記弾性腕5は、螺旋階段状に上方向(図示Z1方向)に向けて立体的に形成されている。また前記先端7は、螺旋形状のほぼ中心点に位置している。
【0032】
前記スパイラル接触子2は、エッチング法またはメッキ法により形成されるものである。エッチング法では、薄い板状の銅膜をエッチングすることによりスパイラル接触子と同形状が形成され、さらにその表面に、ニッケルや熱による拡散保護用のメッキが施される。または、銅とニッケルとの積層体で形成することもできる。この構造では、主にニッケルまたは合金層が弾性機能を発揮し、銅が比抵抗を低下させるように機能する。
【0033】
または、スパイラル接触子2は、銅層をメッキすることで形成でき、あるいは銅とニッケルとを連続メッキで積層して成膜して形成することができる。
【0034】
図1や図6に示すように、前記バンプ3の上面の周縁3aは、前記マウント部2の周縁2aよりも内側に位置しており、従って前記接点モジュール1を真上から見ても、前記バンプ3の上面の周縁3aは、前記マウント部2に覆われて見えない。このように、前記バンプ3の上面の周縁3aよりも外側に前記マウント部2が一部、突出している形態となっている。
【0035】
図1に示すように前記バンプ3の断面形状は、略逆台形状に形成されている。前記バンプ3の平面におけるほぼ中心には高さ方向に向けてバンプ3内部を貫く突出調整孔8が形成されている。図6に示すように、前記突出調整孔8の平面形状は略円形状で形成されているが、そのような形状に限定されることはない。また前記突出調整孔8は形成されていなくてもよい。図1のように突出調整孔8が形成された接点モジュール1では、前記スパイラル接触子2の弾性腕5は、前記突出調整孔8を利用して上方(図示Z1方向)に向けて立体成形されている。前記バンプ8は、導電性材料で形成される。なお前記バンプ8は半田バンプであってもよい。
【0036】
前記スパイラル接触子2のマウント部4の下面と前記バンプ3の上面は例えば導電性接着剤9を介して接合されている。前記スパイラル接触子2のマウント部4と前記バンプ3は電気的に接続されている。図1に示すように前記バンプ3は、前記スパイラル接触子2の弾性腕5と高さ方向(図示Z1−Z2方向)にて対向する位置に設けられている。前記スパイラル接触子2のマウント部4と前記バンプ3間は前記導電性接着剤9によって固定されている形態に限定されない。前記バンプ3上にスパイラル接触子2のマウント部4が直接、化学的結合によって接合されている形態であってもよい。
【0037】
図2に示すように、前記前記接点モジュール1は、搬送部材12に保持された状態にて、例えば、マザー基板10に形成された貫通孔11内に挿入される。前記搬送部材12の下面には前記弾性腕5と高さ方向(図示Z1−Z2方向)にて対向する位置に凹部12aが形成されており、前記接点モジュール1が前記搬送部材12にて搬送されるとき、前記弾性腕5が前記搬送部材12に接触しないようになっている。図2に示す形態では前記マザー基板10に形成された貫通孔11の平面形状は、前記バンプ3と同じように略円形状であり、前記貫通孔11の平面と平行な方向における面積は、前記貫通孔11の上面から下面にかけてほぼ一定である。また、前記貫通孔11の平面の面積は、前記接点モジュール1のバンプ3の平面と平行な方向における最大面積よりもやや大きいか、ほぼ同じくらいである。従って前記接点モジュール1を前記マザー基板10の貫通孔11内に挿入すると、前記貫通孔11内では、前記貫通孔11の側壁11aと前記バンプ3との間に若干の隙間が生じている。
【0038】
図2に示すように、前記バンプ3は一部、前記マザー基板10の裏面10aから下方向(図示Z2方向)へ突出した状態になっている。図2では、前記マザー基板10の裏面10a側に上面が平坦な押圧部材13が対向させられ、前記押圧部材13を上方(図示Z1方向)に向けて押し上げると、前記押圧部材13とバンプ3とが当接し、前記接点モジュール1が前記搬送部材12と押圧部材13との間に挟まれた状態になる。前記押圧部材13をさらに上方に押し上げると前記マザー基板10の裏面10aから下方に向けて突出しているバンプ3が押し潰され、これにより、前記貫通孔11の側壁11aと前記バンプ3との間に生じていた隙間が、前記貫通孔11内部でバンプ3が広がることで埋められるとともに、前記バンプ3の一部が前記マザー基板10の裏面10aの前記貫通孔11の周縁部11bにまで広がり、前記周縁部11bにまで広がった前記バンプ3がかしめ部3bとして、前記接点モジュール1が前記マザー基板10から上方へ抜け出るのを防止している。このように図3に示す形態では前記接点モジュール1のバンプ3をマザー基板10の裏面10aにてかしめており、また前記かしめにより、前記バンプ3は前記貫通孔11の側壁11aに圧着され、従って前記接点モジュール1は、前記マザー基板10の上面及び下面の双方から抜け出ることはない。前記マザー基板10の裏面10aには前記バンプ3が露出しているから、前記マザー基板10の裏面10aから露出するバンプ3を電極として用いることが出来る。
【0039】
なお前記押圧部材13には図示しない加熱手段が設けられ、前記押圧部材13と当接した前記バンプ3が加熱手段により溶融される等してもよい。
【0040】
図4に示す実施の形態では、前記接点モジュール1のバンプ3が前記マザー基板10の貫通孔11内に圧入されている。これにより前記接点モジュール1は前記マザー基板10の上面及び下面の双方から抜け出ることはなく、しっかりと前記マザー基板10に固定保持されている。図4では、前記バンプ3の一部が、前記マザー基板10の裏面10aから下方向へ突出しているので、この突出している前記バンプ3を図3のようにかしめてもよい。
【0041】
図5に示す実施の形態では、前記マザー基板10に形成された前記貫通孔11の平面の面積は、前記接点モジュール1のバンプ3の平面と平行な方向における最大面積よりもやや大きく、前記貫通孔11の壁面11aと前記バンプ3との間には隙間Aが形成されている。図5に示す実施の形態では、前記隙間A内に接着剤14が充填され、前記接着剤14により前記接点モジュール1が前記マザー基板10に固定保持されている。前記接着剤14の種類は限定されない。例えば異方性導電ペーストや非導電性ペーストを用いることが出来る。いずれも熱硬化性接着剤であるため前記接着剤14を前記隙間Aに充填した後、加熱して前記接着剤14を硬化させる。
【0042】
図8に示す接点モジュール20は、図1に示す接点モジュール1と異なって、前記スパイラル接触子2のマウント部4の一部の上面にシート部材21が設けられている。前記シート部材21は絶縁性の樹脂シート等であり、具体的にはポリイミド樹脂シートである。前記シート部材21が前記マウント部4上に設けられていることで、前記スパイラル接触子2の前記マウント部4上が適切にシート部材21により保護され、例えば電子部品のBGA等の電極部が前記マウント部4上に電気的に接触するのを防止できる。適切に前記弾性腕5のみが前記電子部品等との接点として機能し、電気的安定性を図ることが出来る。
【0043】
図8に示す接点モジュール20は図9に示すように、マザー基板22の貫通孔23内に圧入される。図9に示すように、前記マザー基板22の貫通孔23の側壁23aには、導通部24がスパッタ法等により形成されている。前記マザー基板22の上面及び下面にはそれぞれ上側電極部25と下側電極部26が設けられ、前記上側電極部25と下側電極部26は前記導通部24を介して導通している。図9に示す実施の形態では、スパイラル接触子2のマウント部4は前記上側電極部25と電気的に接続され、図示しない前記マザー基板22下にあるプリント基板と、前記スパイラル接触子2とが、上側電極部25,導通部24及び下側導通部26を介して導通接続されている。このため前記バンプ3が絶縁性の突起部で形成されても、前記スパイラル接触子2と前記プリント基板とを導通接続させることが出来る。なお、前記上側電極部25が形成されていない形態等により、前記スパイラル接触子2が前記導通部24,下側電極部26と直接、導通しない場合は、前記接点モジュール20に前記バンプ3を用いることで、スパイラル接触子2→バンプ3→導通部24→下側電極部26と繋がる経路を形成することが出来る。
【0044】
図10に示す実施の形態では図1に示す接点モジュール1が前記マザー基板30に設けられた複数の貫通孔31内に挿入され固定保持されている。固定保持は、図2,図3で説明したかしめ、図4で説明した圧入、図5で説明した接着のいずれであってもよいし、これらの固定方法を複数組み合わせても当然よい。また図9と同様に、マザー基板30の貫通孔31内に導通部24と、前記マザー基板30の上下面に電極部25,26とが設けられた構造であってもよい。当然、図8に示す接点モジュール20が前記マザー基板30に設けられた複数の貫通孔31内に挿入され固定保持されていてもよい。
【0045】
図11に示す実施の形態では、例えばマイク等の電子部品40の下面に凹部40aが形成されており、前記凹部40a内には電極部41が形成されている。そして図1に示す接点モジュール1を図1の状態から反転させ、前記バンプ3が上向きにされた状態にて、前記接点モジュール1が前記凹部40a内に圧入されている。前記バンプ3は導電性材料で形成されているから、前記電極部41と前記バンプ3は導通し、前記バンプ3と導通接続されているスパイラル接触子2の弾性腕5が前記電子部品40の弾性接点として機能している。
【0046】
図12に示す接点モジュール(接点モジュール集合体とも言う)50は、図1に示す接点モジュール1が複数、連結された形態となっている。例えば前記スパイラル接触子2を構成するマウント部4が各接点モジュール1を連結する連結部として機能している。あるいは図8に示す接点モジュール20を用い、シート部材21が複数の接点モジュール20を連結する連結部とされていてもよい。図12に示す接点モジュール50の場合、複数設けられたスパイラル接触子2が連結部として機能する前記マウント部4によって電気的に繋がっているので、各スパイラル接触子2間を電気的に遮断する必要がある場合には、図8に示す絶縁性のシート部材20を連結部として用いるか、あるいは前記複数の接点モジュール1のバンプ3をマザー基板60の貫通孔61内に圧入等した後、各スパイラル接触子2のマウント部4間を切断し、各スパイラル接触子2を電気的に分離する。
【0047】
図13に示す接点モジュール65では、前記スパイラル接触子2の弾性腕5と高さ方向(図示Z1−Z2方向)にて対向する位置から図示X2方向にずれた前記マウント部4の下面にバンプ3が設けられており、前記バンプ3と前記弾性腕5とが高さ方向にて対向する位置関係になっていない。上記した「ずれ」の状態には図13に示すような、前記バンプ3と前記弾性腕5とが高さ方向にて全く対向する位置関係になっていない状態のもの以外に、前記バンプ3と前記弾性腕5とが高さ方向にて一部対向しているが、前記弾性腕5の幅方向(図示X1−X2方向)及び長さ方向(図示Y1−Y2方向)における中心と、前記バンプ3の幅方向(図示X1−X2方向)及び長さ方向(図示Y1−Y2方向)における中心とが高さ方向(図示Z1−Z2方向)にて一致していない状態も含む。前記接点モジュール65も、前記マザー基板10に設けられた貫通孔11あるいは電子部品40の凹部41等に前記バンプ3が圧入等されて前記マザー基板10に固定保持される。例えば電子部品のBGA等の電極部と、フレキシブルプリント基板の電極部とが図示X1−X2方向にずれている場合、図13に示すスパイラル接触子2の弾性腕5とバンプ3とが図示X1−X2方向にずれた接点モジュール65を用いることで、適切且つ簡単に前記電子部品のBGA等の電極部と、フレキシブルプリント基板の電極部とを導通接続させることが可能になる。
【0048】
上記した実施の形態では、一つのスパイラル接触子2とその下側に設けられた一つのバンプ3とを有してなる接点モジュールを、マザー基板10に設けられた貫通孔11に圧入等という簡単な作業にて適切に前記マザー基板10に取り付けることが出来る。
【0049】
前記マザー基板10に設けられた複数の貫通孔11に接点モジュールを圧入等により取りつけるとき、本実施の形態では、各貫通孔11に対し、それぞれ個別に接点モジュールを取り付けることが出来る。このため、全ての貫通孔11に対して全て同じ接点モジュールを取り付ける必要はなく、例えば、ある貫通孔11に対しては図13に示す形態の接点モジュール65を取付け、他の貫通孔11に対しては、図1に示す接点モジュール1を取り付ける等、各貫通孔11に対して異なる形態の接点モジュールを取り付けることが可能であり、必要な形態の接点基板を容易に製造することが可能である。
【0050】
またマザー基板11のみならず、電子部品40等に対しても容易に、前記接点モジュールを取り付けることが出来る。
【0051】
また接点モジュールにバンプ3を設けることで、前記バンプ3を介してスパイラル接触子2とフレキシブルプリント基板の電極部とを導通させることが出来る。例えば、図3に示すように、前記接点モジュール1をマザー基板10の貫通孔11へかしめ固定したとき、前記マザー基板10の上面にはスパイラル接触子2が、前記マザー基板10の下面にはバンプ3が露出する状態となるため、前記バンプ3下にフレキシブルプリント基板を配置すれば、前記バンプ3を介して前記フレキシブルプリント基板の電極部とスパイラル接触子2とを導通接続させることが出来る。従来では、例えば特許文献1の図2等に示すようにマザー基板に設けられた貫通孔の内壁に導通部を形成する必要等があったが、本実施の形態(ただし図9を除く実施の形態)ではそのような必要がない。
【0052】
また前記接点モジュールをマザー基板の貫通孔等に圧入により取り付けた場合には、前記接点モジュールを前記基板から抜いて、新たな前記接点モジュールに交換できる等、利便性に優れる。
【0053】
本実施の形態は、マザー基板等に多数の接点を設ける場合より、少数の接点を設ける場合や、また、あまり規則性がなく接点をマザー基板上に並べる必要がある場合等に適している。
【0054】
図15ないし図20は図1に示す接点モジュール1の製造方法を示す一工程図である。図16及び図19は製造工程中における接点モジュール1の部分平面であり、残りの図は、製造工程中における接点モジュール1の部分断面図である。
【0055】
図15に示す工程では、複数の弾性腕5を有する接触子シート71を形成する。図16に示すように前記接触子シート71は複数の弾性腕5と、各弾性腕5間を繋いでいる連結板72とで構成される。前記弾性腕5と前記連結板72は元々は一枚の銅箔であり、前記銅箔に対しエッチング処理等により、前記銅箔に弾性腕5を形成し、残りの部分が前記連結板72となる。また前記エッチング後、前記弾性腕5の周囲及び連結板72の周囲に対しNi等がメッキ形成されていてもよい。前記連結板71は、図1に示すスパイラル接触子2のマウント部4となる部分である。
【0056】
図15に示す符号70は導電性材料からなる基板である。前記基板70は、図1に示す接点モジュール1のバンプ3となるべきものである。図15に示すように前記基板70には、複数の突出調整孔8が、前記弾性腕5の一部と高さ方向(図示Z1−Z方向)にて一致する位置に形成されている。前記突出調整孔8は少なくとも前記弾性腕5の先端17と高さ方向にいて一致する位置に形成されていることが好ましい。なお前記突出調整孔8の形成は必須でない。
【0057】
図15に示すように、前記基板70と前記接触子シート71の連結板72とを導電性接着剤9等を介して貼り付ける。
【0058】
図17に示す工程では、前記基板70の裏面70aにマスク層73を形成する。前記マスク層73をレジストで形成するときは前記基板70の裏面70aに前記レジストを塗布し、露光現像により前記マスク層73を形成する。前記マスク層73は前記弾性腕5と高さ方向(図示Z1−Z2方向)にて一致する位置に形成する。
【0059】
そして、前記基板70を裏面70a側からエッチングする。エッチングは等方性エッチングであり、このエッチング処理により前記マスク層73間の基板70が図17に示す点線に沿って除去される。
【0060】
図18に示すように、各弾性腕5の下側には図17に示す基板70がバンプ3として残される。図18に示す工程では前記バンプ3形成後、前記マスク層73を除去する。
【0061】
次に前記突出調整孔8の下側から、突出調整部材(図示しない)を前記突出調整孔8内に挿入し、前記突出調整部材を突き上げると、前記弾性腕5が上方(図示Z1方向)に持上げられ、前記弾性腕5が螺旋階段状に立体フォーミングされる(図20を参照)。
【0062】
図19及び図20に示すように、前記接触子シート71の連結板72の表面に、各弾性腕5を、一枚の前記接触子シート71から個々に分離する際の目印となる分離線を例えばV字形状の溝75により形成する。前記溝75を例えばエッチング等で形成する。図19では、前記溝75を、各弾性腕5の間であって幅方向(図示X1−X2方向)及び長さ方向(図示Y1−Y2方向)に沿って形成しているが、各弾性腕5の間に形成すれば、特に溝75の形成方向等は限定されない。なお前記溝75の形成は製造工程において必須ではない。
【0063】
図19に示すように、前記溝75及び前記接触子シート71の側縁部71aに囲まれた各連結板72は、各スパイラル接触子2のマウント部4を構成する。そして図20に示すように、前記溝75に沿って(図20に示す一点鎖線に沿って)、前記接触子シート71をレーザ等により切断すると、図1に示す接点モジュール1を複数個、得ることが出来る。
【0064】
図21ないし図25は図8に示す接点モジュール20の製造方法を示す一工程図である。図21ないし図25は製造工程中における接点モジュール20の部分断面図である。
【0065】
図21に示す工程では、弾性腕5とマウント部4とを有してなるスパイラル接触子2を、複数個、形成し、前記スパイラル接触子2のマウント部4上にポリイミド樹脂等で形成されたシート部材21を導電性接着剤(図示しない)等を介して貼り付ける。前記シート部材21には前記弾性腕5と高さ方向(図示Z1−Z2方向)にて対向する位置に貫通孔21aを形成する。図21に示すスパイラル接触子2と前記シート部材21とから成る構造体を以下では「接触子シート80」と称する。
【0066】
次に図22に示す工程では、各スパイラル接触子2の弾性腕5の下側に突出調整部材(図示しない)を待機させ、前記突出調整部材を上方へ(矢印方向へ)突き上げて前記弾性腕5を上方に向けて立体フォーミングする。
【0067】
図23に示す工程では、前記接触子シート80のシート部材21及びマウント部4と、導電性材料から成る基板70とを導電性接着剤9等を介して貼り付ける。
【0068】
図24に示す工程では、前記基板70の裏面70aにマスク層73を形成する。前記マスク層73をレジストで形成するときは前記基板70の裏面70aに前記レジストを塗布し、露光現像により前記マスク層73を形成する。前記マスク層73は前記弾性腕5と高さ方向(図示Z1−Z2方向)にて一致する位置に形成する。
【0069】
そして、前記基板70を裏面70a側からエッチングする。エッチングは等方性エッチングであり、このエッチング処理により前記マスク層73間の基板70が図24に示す点線に沿って除去される。
【0070】
図25に示すように、各スパイラル接触子2の下側には図24に示す基板70がバンプ3として残される。図25に示す工程では前記バンプ3形成後、前記マスク層73を除去する。
【0071】
次に、図25に示すように、前記シート部材21の表面に各スパイラル接触子2を一枚の前記接触子シート80から個々に分離するための目印となる分離線を例えばV字形状の溝81により形成する。前記溝81を例えばエッチング等で形成する。前記溝81を、例えば図19に示す溝75と同様に、各スパイラル接触子2間であって幅方向(図示X1−X2方向)及び長さ方向(図示Y1−Y2方向)に沿って形成する。なお前記溝81の形成は製造工程において必須ではない。
【0072】
図25に示すように、前記溝81に沿って(図25に示す一点鎖線に沿って)、前記接触子シート80をレーザ等により切断すると、図8に示す接点モジュール20を複数個、得ることが出来る。
【0073】
図15ないし図24に示す接点モジュール1,20の製造方法によれば、一連の製造工程を経ることで、一度に多数の接点モジュール1,20を簡単に製造できる。また、図15ないし図24に示す接点モジュール1,20の製造方法によれば、接点モジュール1のスパイラル接触子1,20の弾性腕5と高さ方向にて対向する位置にバンプ3を適切に形成できる。
【0074】
また、図12のように複数の接点モジュール1が連結された接点モジュール集合体50を形成したい場合には、図20や図25に示す分離工程で、複数のスパイラル接触子2が連なるように分離すればよい。
【0075】
また図15に示すように基板70に突出調整孔8を設け、前記突出調整部材を前記突出調整孔8に挿入し、前記突出調整部材を上方へ突き上げれば、容易に且つ適切に前記スパイラル接触子2の弾性腕5を上方に向けて立体フォーミングできる。また前記基板70に前記突出調整孔8を設けない形態の場合、前記立体フォーミングは以下の手法により行なうことが出来る。例えば図17に示す状態で、前記弾性腕5の先端7を掴み、前記先端7を上方に引っ張れば、前記弾性腕5を螺旋階段形状に立体フォーミングできる。ただし、図15に示すように基板70に突出調整孔8を設け、前記突出調整部材を前記突出調整孔8に挿入し、前記突出調整部材を上方へ突き上げることで前記弾性腕5を立体フォーミングするほうが、簡単に且つ適切に前記弾性腕5を立体フォーミングできて好ましい。図15ないし図20、あるいは図21ないし図25の工程を経て形成された接点モジュール1,20のバンプ3を、マザー基板に形成された貫通孔や電子部品に形成された凹部等に例えば圧入することで、前記接点モジュール1,20を、マザー基板や電子部品等に簡単に固定保持することが出来る。圧入以外に、図2,図3で説明したかしめ固定、あるいは図5で説明した接着固定等により、前記接点モジュール1,20を、マザー基板や電子部品等に固定保持してもよい。
【0076】
図15や図23に示す基板70を上記の実施の形態では導電性材料で形成したが、絶縁材料で形成してもよい。用途によって前記基板70の材質を変更できる。
【0077】
図26,図27は、図15ないし図25とは異なる製造工程を示す一工程図である。図26,図27は、製造工程中の接点モジュールの部分断面図である。
【0078】
図26に示す工程では、前記基板70上全面に犠牲層93をTiや導電フィラーが混合された樹脂層等で形成し、前記犠牲層93上に接触子90を形成する。前記接触子90はマウント部94と弾性腕95とで構成されており、前記接触子90には上面側と下面側とで異なる内部応力が付与されている。具体的には、前記接触子90の下面側には引張り応力を、前記弾性腕95の上面側には圧縮応力を付与している。前記接触子90をNiZr合金(Niを1at%程度添加)、MoCr等で形成する。前記接触子90をスパッタ蒸着法で形成するとき、真空ガス圧(例えばArガスを使用する)を徐々に変化させながら前記接触子90をスパッタ成膜していくことで、前記接触子90の上面側と下面側とで異なる内部応力を付与出来る。
【0079】
図26に示すように、前記基板70には前記弾性腕95と対向する位置に貫通孔91が形成されており、例えばこの貫通孔91を通じて前記犠牲層93を溶解させるエッチング液を流し、前記弾性腕95下にある前記犠牲層93を除去する。このとき前記マウント部94の下側にある犠牲層93を除去せず、そのまま残す。貫通孔91を前記マウント部94から図示X1−X2方向にて離した位置に形成すれば、前記エッチング液は前記マウント部94下までは及び難く、前記マウント部94下に前記犠牲層93を適切に残すことが出来る。
【0080】
次に図27に示す工程では、前記接触子90に対し熱処理を施す。前記熱処理により、前記犠牲層93により前記基板70に固定保持されていない前記弾性腕95が、内部応力の差により撓み変形し、具体的には、前記接触子90の下面側に引張り応力が、前記弾性腕95の上面側に圧縮応力が付与されているから、前記熱処理によって前記弾性腕95は図27に示すように上方に向けて撓む。
【0081】
このように内部応力に差を持たせ、機械的な加工ではなく、自らの内部応力の差により変形する接触子90を用いることも出来る。図27に示す工程の次には、図17ないし図20と同様の工程を行い、前記接触子90とバンプ3を有する接点モジュールを複数形成する。
【0082】
図27に示す弾性腕95を、図14に示すような螺旋状に形成してもよい。
また、図1や図8に示す弾性腕5を螺旋状以外の形態で形成してもよい。ただし前記弾性腕5を螺旋形状で形成すると、前記弾性腕5に当接する電子部品等の電極部の表面を前記弾性腕5が包むように変形しやすく、前記弾性腕5と電極部との導通性を良好に出来るので、前記弾性腕5を螺旋形状で形成することが好ましい。
【0083】
本実施の形態では、マザー基板や電子部品を、前記接点モジュールを固定保持するための保持部材として説明したが、前記保持部材は前記マザー基板及び電子部品以外のものであってもよい。例えば樹脂シートなどであってもよい。そして前記保持部材には、接点モジュールを圧入等するための貫通孔かあるいは凹部の少なくとも一方が形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1実施の形態の接点モジュールの部分断面図、
【図2】図1に示す接点モジュールをマザー基板に取り付ける際の一工程を示す接点モジュール及びマザー基板等の部分断面図、
【図3】図2の接点モジュールがマザー基板に取り付けられた(固定保持された)状態での前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、
【図4】図2,図3とは異なる手法により取り付けられた前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、
【図5】図2〜図4とは異なる手法により取り付けられた前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、
【図6】図1に示す接点モジュールの部分平面図、
【図7】図6とは異なる形態の前記接点モジュールの部分平面図、
【図8】第2実施の形態の接点モジュールの部分断面図、
【図9】図8に示す接点モジュールがマザー基板に取り付けられた状態を示す前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、
【図10】複数の接点モジュールがマザー基板に取り付けられた状態を示す前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、
【図11】電子部品に、接点モジュールが取付けられた状態を示す前記接点モジュール及び電子部品の部分断面図、
【図12】複数の接点モジュールをマザー基板に取付ける際の一工程を示す前記接点モジュール及びマザー基板の部分断面図、
【図13】他の実施の形態の接点モジュールの部分断面図、
【図14】スパイラル接触子の部分側面図、
【図15】図1に示す接点モジュール1の製造方法を示す一工程図(部分断面図)、
【図16】図15に示す製造工程中の接点モジュールの部分平面図、
【図17】図15の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、
【図18】図17の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、
【図19】図18の次に行なわれる一工程図(部分平面図)、
【図20】図19の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、
【図21】図8に示す接点モジュール20の製造方法を示す一工程図(部分断面図)、
【図22】図21の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、
【図23】図22の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、
【図24】図23の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、
【図25】図24の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、
【図26】図15ないし図25とは異なる製造工程により形成される接点モジュールの製造方法を示す一工程図(部分断面図)、
【図27】図26の次に行なわれる一工程図(部分断面図)、
【符号の説明】
【0085】
1、20 接点モジュール
2 スパイラル接触子
3 バンプ
4、94 マウント部
5、95 弾性腕
10、22、30、60 マザー基板
11、23、31、61 貫通孔
14 接着剤
21 シート部材
40 電子部品
40a 凹部
41 電極部
50 接点モジュール(接点モジュール集合体)
70 基板
71、80 接触子シート
72 連結板
75、81 溝
90 接触子
93 犠牲層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マウント部と前記マウント部から延出形成された弾性腕とを有して成る接触子と、前記接触子の下側に設けられた突起部と、を有することを特徴とする接点モジュール。
【請求項2】
前記突起部は前記弾性腕と高さ方向にて対向する位置に設けられる請求項1記載の接点モジュール。
【請求項3】
前記突起部は、前記弾性腕と高さ方向にて対向する位置からずれた位置に設けられる請求項1記載の接点モジュール。
【請求項4】
前記マウント部の下面が前記突起部の上面に接合されている請求項1ないし3のいずれかに記載の接点モジュール。
【請求項5】
少なくとも一部の前記マウント部の上面にはシート部材が設けられる請求項1ないし4のいずれかに記載の接点モジュール。
【請求項6】
前記突起部はバンプである請求項1ないし5のいずれかに記載の接点モジュール。
【請求項7】
前記弾性腕は、前記マウント部との基端から先端にかけて螺旋状に形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の接点モジュール。
【請求項8】
前記弾性腕は上方に向けて立体成形されている請求項1ないし7のいずれかに記載の接点モジュール。
【請求項9】
前記接触子と突起部はそれぞれ一つづつ設けられる請求項1ないし8のいずれかに記載の接点モジュール。
【請求項10】
前記接触子及び突起部がそれぞれ複数個設けられる請求項9記載の接点モジュール。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載された接点モジュールと、前記突起部との対向面に凹部あるいは貫通孔が形成された保持部材と、を有し、前記突起部が前記凹部あるいは貫通孔に挿入され、前記接触子が前記保持部材の表面に露出していること特徴とする接点付き部材。
【請求項12】
前記突起部は前記凹部あるいは貫通孔に圧入される請求項11記載の接点付き部材。
【請求項13】
前記突起部は前記貫通孔に挿入され、前記突起部には、前記保持基板の裏面側で、前記貫通孔の周縁部に延出するかしめ部が形成されている請求項11または12に記載の接点付き部材。
【請求項14】
次の工程を有してなることを特徴とする接点モジュールの製造方法。
(a) マウント部と前記マウント部から延出形成された弾性腕とを有して成る接触子が複数形成されている接触子シートを、基板上に接合する工程と、
(b) 前記基板を裏面から掘り込んで、複数の突起部を形成する工程。
【請求項15】
前記基板には各接触子の弾性腕の一部と対向する位置に突出調整孔が形成され、前記(a)工程後に、前記突出調整孔に突出調整部材を挿入して、前記弾性腕を上方に立体成形する請求項14記載の接点モジュールの製造方法。
【請求項16】
前記(b)工程で、各弾性腕と高さ方向にて対向する位置に前記突起部を形成する請求項14または15に記載の接点モジュールの製造方法。
【請求項17】
前記(b)工程後、以下の工程を有する請求項14ないし16のいずれかに記載の接点モジュールの製造方法。
(c)前記接触子と突起部を一つづつ組にして、各組ごとに前記接触子シートを分断して、複数の接点モジュールを形成する工程。
【請求項18】
請求項14ないし17のいずれかにより製造された接点モジュールの突起部を、保持部材に形成された凹部あるいは貫通孔に圧入することを特徴とする接点付き部材の製造方法。
【請求項19】
前記貫通孔に挿入した前記突起部の一部を、前記保持部材の裏面側から、前記貫通孔の周縁部にまで広がるように潰し、前記接点モジュールを前記保持部材にかしめ固定する請求項18記載の接点付き部材の製造方法。
【請求項1】
マウント部と前記マウント部から延出形成された弾性腕とを有して成る接触子と、前記接触子の下側に設けられた突起部と、を有することを特徴とする接点モジュール。
【請求項2】
前記突起部は前記弾性腕と高さ方向にて対向する位置に設けられる請求項1記載の接点モジュール。
【請求項3】
前記突起部は、前記弾性腕と高さ方向にて対向する位置からずれた位置に設けられる請求項1記載の接点モジュール。
【請求項4】
前記マウント部の下面が前記突起部の上面に接合されている請求項1ないし3のいずれかに記載の接点モジュール。
【請求項5】
少なくとも一部の前記マウント部の上面にはシート部材が設けられる請求項1ないし4のいずれかに記載の接点モジュール。
【請求項6】
前記突起部はバンプである請求項1ないし5のいずれかに記載の接点モジュール。
【請求項7】
前記弾性腕は、前記マウント部との基端から先端にかけて螺旋状に形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の接点モジュール。
【請求項8】
前記弾性腕は上方に向けて立体成形されている請求項1ないし7のいずれかに記載の接点モジュール。
【請求項9】
前記接触子と突起部はそれぞれ一つづつ設けられる請求項1ないし8のいずれかに記載の接点モジュール。
【請求項10】
前記接触子及び突起部がそれぞれ複数個設けられる請求項9記載の接点モジュール。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれかに記載された接点モジュールと、前記突起部との対向面に凹部あるいは貫通孔が形成された保持部材と、を有し、前記突起部が前記凹部あるいは貫通孔に挿入され、前記接触子が前記保持部材の表面に露出していること特徴とする接点付き部材。
【請求項12】
前記突起部は前記凹部あるいは貫通孔に圧入される請求項11記載の接点付き部材。
【請求項13】
前記突起部は前記貫通孔に挿入され、前記突起部には、前記保持基板の裏面側で、前記貫通孔の周縁部に延出するかしめ部が形成されている請求項11または12に記載の接点付き部材。
【請求項14】
次の工程を有してなることを特徴とする接点モジュールの製造方法。
(a) マウント部と前記マウント部から延出形成された弾性腕とを有して成る接触子が複数形成されている接触子シートを、基板上に接合する工程と、
(b) 前記基板を裏面から掘り込んで、複数の突起部を形成する工程。
【請求項15】
前記基板には各接触子の弾性腕の一部と対向する位置に突出調整孔が形成され、前記(a)工程後に、前記突出調整孔に突出調整部材を挿入して、前記弾性腕を上方に立体成形する請求項14記載の接点モジュールの製造方法。
【請求項16】
前記(b)工程で、各弾性腕と高さ方向にて対向する位置に前記突起部を形成する請求項14または15に記載の接点モジュールの製造方法。
【請求項17】
前記(b)工程後、以下の工程を有する請求項14ないし16のいずれかに記載の接点モジュールの製造方法。
(c)前記接触子と突起部を一つづつ組にして、各組ごとに前記接触子シートを分断して、複数の接点モジュールを形成する工程。
【請求項18】
請求項14ないし17のいずれかにより製造された接点モジュールの突起部を、保持部材に形成された凹部あるいは貫通孔に圧入することを特徴とする接点付き部材の製造方法。
【請求項19】
前記貫通孔に挿入した前記突起部の一部を、前記保持部材の裏面側から、前記貫通孔の周縁部にまで広がるように潰し、前記接点モジュールを前記保持部材にかしめ固定する請求項18記載の接点付き部材の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
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【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2006−302642(P2006−302642A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−122234(P2005−122234)
【出願日】平成17年4月20日(2005.4.20)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月20日(2005.4.20)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
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