説明

接着テープ及びその用途

【課題】
少なくとも一つの上側接着剤、引き裂き可能な支持体及び引き裂き可能な該支持体の下側の下側粘着剤を有し、そして巻かれてロールを形成する平らな非極性ウエブ材料の早いウエブ速度のもとでの運転中ロール交換に適する接着テープの提供。
【解決手段】
この課題は、上側粘着剤(1,11)、引き裂き可能な支持体(12、12)、及び該引き裂き可能な支持体(2,12)の下側の下側接着剤(3,13)を有する該接着テープにおいて、上側粘着剤(1,11)として1.5 N/cm以上の対ポリエチレン製基体接着力(測定法:tesa test A)及び50mm以下の転がり距離(測定法:tesa test D)に相当する初期粘着性を有するシリコーン不含粘着剤を使用すること;
下側粘着剤(3,13)として1.5 N/cm以上の対ポリエチレン製基体接着力(測定法:tesa test A)及び1 rad/秒、40℃で10,000 Pa.s以上の複素粘度(測定法:tesa test F)を有する粘着剤を使用することを特徴とする、上記接着テープによって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念の構成要件に従う、ロール状に巻かれた非極性ウエブ材料の運転中ロール交換用の接着テープ並びにロール状に巻かれた非極性ウエブ材料の運転中ロール交換法にも関する。
【背景技術】
【0002】
平らなウエブ材料(紙、ホイル、フリース等)を加工するときに、運転中のロール交換は、殆ど巻き解かれた古いロールを高速機械を止めることなく新しいロールに交換するための慣用の方法である。このような運転中のロール交換のとき、古いウエブの末端部を新しいウエブの始まり部と接合するためにしばしば粘着テープが使用される。
【0003】
運転中のロール交換(“動的ロール交換”とも称する)は、フィルム及びフリース加工工業において非極性の表面を持つ材料の場合、二つの異なる方法で行われている。
【0004】
第一の方法では両面接着性の粘着テープが手作業で新しいロールのウエブの始めの部分に有利な配置で(一般にW−又はV−状で)貼り付けられ、そして接着テープを超えて飛び出したウエブ材料は分離除去される。追加的に新しいロールのウエブの始めの部分はその下にある新しいロールの巻きウエブの所にいわゆる固定保持ラベル(又は“テープ”)で固定され、新しいロールを古いロールの表面速度に早めるときにウエブが巻き解けるのを防止する。この方法の欠点は、ロールの準備に非常に長い時間が消費されそして接合に熟練工を使う必要があることである。さらに、この方法では、こうして得られる接合物が、ウエブ材料、固定保持ラベル及び接着剤ストリップと層状化するために比較的に厚くなるので、所望の結果を必ずしももたらさない。さらに、薄く柔軟なウエブ材料の場合には、新しいウエブの始めの部分の所に、回転のときに生じる向流する空気の流れのためにウエブ材料に膨れを生じることがあり得る。これは一般にウエブの不良な接合をもたらし得る。
【0005】
第二の公知の方法の場合には、片面接着性の粘着テープが、新しいロールの最も上のウエブの自由末端の内側に重なり、かつ、直線状に貼り付けられ、その結果接着性の側が外方向に面しそして一部分だけが新しウエブで覆われる。外方向に面する接着性の側の自由部分は古いロールのウエブに貼り付けられる。この方法の場合には新しいロールが古いロールの表面速度に早めらるときにウエブが巻き解けるのを防止するために、新しいロールの最も上のひと巻とそれの下にあるひと巻との間に液体が導入され、その結果上のひと巻がその下にあるひと巻に毛管力によって固定される。この方法も熟練工を使う必要がありそしてそれ故に、液体によりウエブ材料を固定する効率が沢山のパラメータ、例えばフィルム材料の表面エネルギー、柔軟性及び面積重量、使用される液体の量、それの極性、粘度、比重並びに液体膜の厚さ、面積及び剪断挙動に左右されるので、必ずしも工業的に有利な結果をもたらさないという欠点がある。さらに、この方法の決定的な欠点は、ロール交換のときのウエブ速度が早過ぎてはならないこと及び使用する液体のために装置及びウエブ材料が汚れることでもある。
【0006】
上記の方法は紙加工工業においても使用されている。該工業における第一の方法のさらなる改良は、固定のために役立つタブを紙ウエブの接合用粘着テープ中に一体的に形成することによるスプライシング法(Splicing method:紙継ぎ法)である。この場合ウエブの接合後にタブとして使用する引き裂き可能な支持体を引き裂き、その結果引き裂き可能な支持体の一部がウエブを接合する粘着テープの上に(すなわち上のひと巻の所に)残ってしまい、他方、もう一方の部分はその下にあるひと巻のところに貼り付いている。“引き裂き可能”な支持体とは、二次元の広がりに平行に引き裂き可能である支持体、特に紙継ぎ法における要求どおりに現実に引き裂ける種類の支持体をいう。
【0007】
この方法を実施するためには、紙加工工業における若干の製品が知られている。例えばドイツ特許出願公開第19632689A2号明細書には、主要な支持体に加えて引き裂き可能な紙製支持体を有する接着テープが開示されている。両方のロールのウエブを接合する場合に動的負荷がかかるとき、該紙製支持体は引き裂けそしてそれの残留物と一緒に、固定するために使用される接着剤が、他の接着テープの場合に解放状態のままである領域で非接着性の状態に覆われる。ドイツ特許出願公開第19902179A1号明細書にも同様にこのような接着テープが開示されている。この場合には、引き裂き可能な紙製支持体が、負荷がかかったときに破けるのを防止するために、主要な支持体に向き合って配置されている。
【0008】
フィルム加工及びフリース加工において運転中ロール交換するのを改善するために、紙加工工業において既に公知であるのと同様に構造化されている接着テープを使用できることが望まれている。特に非極性の表面を持つフィルム材料及びフリース材料についてこのことが切望されている。このような非極性の表面は、小さい表面エネルギーの材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエチレンテレフタレート(PTF)の場合に生じる。表面エネルギーは、50 mN/m以下である場合には小さい。このような非極性表面のためには、相当に高い接着性及び同時に高い粘着性がある粘着剤が必要とされる。この目的のために必要な高い接着力及び高い初期粘着性(いわゆる“粘りけ(tack)”は、一般に接着剤の流動性を高めることによって得られる。
【0009】
しかしながら慣用の高接着性の及び高粘着性の接着剤は非極性のフィルム材料及びフリース材料の場合のスプライシング法では運転中のロール交換には不十分であるか或いは全く適していない。接着剤の接着力及び初期粘着性の増加はそれの流動性の増加に比例して得られる。高い流動性のために、この種の接着剤は接着性に加工処理された引き裂き可能な系から押し出されそしていわゆる引き裂き可能な支持体中に侵入し得る。このことが総括的には引き裂き可能な系をブロッキングさせそして紙継ぎ接合をだめにし得る。さらに、流動性の接着剤は紙継ぎ工程の間に接合部から流れだしそしてそれ故に引き裂き可能な支持体が引き裂かれた後に接着剤残留物が系内に未被覆の状態で停まり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って本発明の課題は、少なくとも一つの上側接着剤、引き裂き可能な支持体及び引き裂き可能な該支持体の下側の下側粘着剤を有し、そして巻かれてロールを形成する平らな非極性ウエブ材料の早いウエブ速度のもとでの運転中ロール交換に適する接着テープを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は驚くべきことに、巻かれてロールを形成する非極性表面を持つ平らなウエブ材料の運転中ロール交換に適しそして上側粘着剤として1.5 N/cm以上の対ポリエチレン製基体接着力(測定法:tesa test A)及び200mm以下の転がり距離(測定法:tesa test D)に相当する初期粘着性を有するシリコーン不含粘着剤を使用し;
下側粘着剤として1.5 N/cm以上の対ポリエチレン製基体接着力(測定法:tesa test A)及び1 rad/秒、40℃で10,000 Pa.s以上の複素粘度(測定法:tesa test F)を有する粘着剤を使用することを特徴とする、上記接着テープによって解決される。
【0012】
運転中ロール交換のためには、上側粘着剤の初期粘着性が50mm以下の転がり距離に相当する場合に特に有利である。
【0013】
上側粘着剤は、スプライシング法において、本発明の接着テープの上側が新しいロールのウエブの始めの部分及び古いロールの殆ど巻き解けたウエブと接合し、それによって両方のロールのウエブが接着テープを介して互いに接合されるのに役立つ。下側の粘着剤は、本発明の接着テープの下側を二番目の上側ひと巻と接合し、それによって新しいロールの最も上側ひと巻と二番目の上側ひと巻とを接着テープを介して初めて互いに接合するのに役立つ。ウエブ継ぎ法の別の過程で、引き裂き可能な支持体が引き裂けたときにロールの上側の二つのひと巻の接合が再び分離され、しかもそれぞれのひと巻の上側から不可逆的に接着する上側粘着剤の領域も下側の粘着剤も引き裂かれた支持体によって覆われて、接着しないようになったままとなっている。
【0014】
この場合、本発明にとって本質的に重要なのは、接着力、初期粘着力及び粘度に関する上側粘着剤及び下側粘着剤の具体的な設定である。下側粘着剤の複素粘度は、本発明に従い、下側粘着剤の冷間流動を防止する結果を生ずるように選択する。これによって粘着剤は引き裂き可能な支持体の下側のところで接合部から流れ出さず、かつ、引き裂き可能な支持体の上側と接合されており、それによって支持体のブロッキングが回避されそして系はさらに引き裂き可能なままである。
【0015】
上側粘着剤のためには、ウエブ継ぎ法のための要求を満足するような物質を選択するのが特に有利である。このものは、ウエブ継ぎ工程の時に非極性の材料、特にポリオレフィン系基体に良好に適合させるために、十分な初期粘着性を有するのが有利であり、工程中にこの種の基体から剪断剥離するべきでなく、良好な剪断強度を有しており、そしてポリオレフィン系材料に十分に良好な接着力を発揮するべきである。
【0016】
この場合、接着力の測定は次のように実施した(tesa test A):規定の基体(接着力シート)としてポリエチレン製板を使用した。このものはBasell社のHostalen GC7260 のHDPE−顆粒から射出成形法で試験用板として製造されている。測定前にこの板をエタノールで清浄処理した。試験すべき試験体として23μmの厚さの標準ポリエステル支持体をそれぞれの粘着剤で片面被覆した(粘着剤塗布量:50g/m)。被覆された標準ポリエステル支持体の20mm幅のストリップを荷重(2kg)のもとで基体に押し付けた。その後直ちに接着テープを基体から180°の角度で300mm/分の速度で引き剥がした。この引き剥がしのために室温で必要とされる力を測定した。測定値(N/cm)は三回の個々の測定値の平均として得た。測定法“tesa test A”を補正するために、非接着性の被覆の試験のための慣用の試験用接着テープ(tesa AG社の“tesa 7475“タイプ:規定通りの鋼鉄への接着力:31.25N/25mm)をこの測定法に従って試験した。この場合にポリエチレン試験板に対して測定される接着力は4.5N/cmであった。
【0017】
初期粘着性の測定は以下の通りに実施した(tesa test D):すなわち、非常に短い接触時間での初期粘着性の目安として、いわゆる転り球粘着(rolling ball tack)法によって測定した。試験すべき試料として、それぞれ23μmの厚さの標準ポリエステル支持体に粘着剤を片面に塗布した(粘着剤塗布量:50g/m)。接着テープの約10cmの長さのストリップを試験面の上に接着剤側を上に向けて水平に固定する。鋼鉄製の試験用球(直径:11mm;質量5.6g)をアセトンで掃除し、室内環境(温度:23℃+/−1℃、相対湿度:50%+/−1%)で状態調整する。測定するためにこの鋼鉄製球は65mmの高さの傾斜台(傾斜角:21℃)によって重力により加速させる。傾斜台から鋼鉄製球が試験体の接着面に直接的に案内される。接着剤の上に球が静止するまでに進んだ距離を測定する。この場合、こうして測定された転がり距離を粘着剤の粘着性の強さの目安として使用する(転がり距離が短ければ短い程、粘着性がますます強い。逆もまだ同様)。それぞれの測定値は5回の測定値の平均値から明らかである(長さの表示はmm)。
【0018】
複素粘度の測定はここでは次の通り実施した(tesa test F):すなわち、それぞれに得られた粘着剤を25mmの直径、0.8mmの高さ環状の円筒状試験体として変形調整された流量計 (Typ RDA III, Rheometrics Scientific; 板/板−形状; 測定ヘッド: 2000g のBendix)中で測定した(3Nの軸力で予めに組み込まれている)。動的測定は40℃で室内環境(標準条件)及び試験体の3%変形において0.1〜500rad/秒の周波数域で複素粘度η*として測定した。“複素粘度”として記載の数値[Pa.s]はここでは低い周波数域(1 rad/秒)でそして40℃で測定される複素粘度の値である。
【0019】
上側粘着剤及び/又は下側粘着剤としてポリエチレン基体に3.0N/cm以上の接着力(tesa test A)を有する粘着剤を使用する場合が、本発明の接着テープにとって有利である。この場合、ポリエチレン基体に5.0N/cm以上の接着力である場合が特に有利である。これによって非極性の接合すべき平らなウエブ材料のための特に効果的な接着テープが得られる。接合の耐久性及びそれ故のウエブ継ぎ法の効率が総合的に見てさらに改善される。
【0020】
さらに、上側粘着剤として、40mm以下の転がり距離(tesa test D)に相当する初期粘着性を有する粘着剤を使用する場合が有利である。この場合、初期粘着性の目安として用いられる転がり距離が20mm以下である場合が特に有利である。これによって両方の回転するロールによるウエブの接合のときに特に高い効率が達成される。
【0021】
上側粘着剤としては非極性表面のための代表的なシリコーン不含のあらゆる粘着剤が適する。これらは高い接着力及び高い初期粘着性を有しており、特にアクリレート、天然ゴム組成物及び特に有利にはスチレンブロックコポリマーをベースとする接着剤があり、中でもここでは非再パルプ化性粘着剤が特に適する。
【0022】
上側粘着剤としてはブロックコポリマー、特にスチレンブロックコポリマーをベースとするものを使用するのが有利である。ここでコポリマーは本発明によればビニル芳香族化合物、特に有利にはスチレンで形成されたポリマーブロック(A−ブロック)と1,3−ジエン類、例えばブタジエン又はイソプレン又はコポリマーの重合で形成されるポリマーブロック(B−ブロック)よりなるコポリマーが特に適している。上記のコポリマーは例えば上述の化合物、すなわちブタジエン及びイソプレンよりなるものである。
【0023】
種々のブロックコポリマーの混合物も使用してもよい。一部又は全体的に水素化されている生成物も使用することができる。
【0024】
ブロックコポリマーのブレンドに有利に使用できる一成分としては、線状のA−B−A構造を有するブロックコポリマーである。有利に使用できる別のものには線状のマルチブロックコポリマーがある。特に有利に使用できるのは、放射状のブロックコポリマー又は星型のマルチブロックコポリマーである。別の成分としてはA−B−2ブロックコポリマーが有利に使用される。特に上記のA−及びB−ブロックモノマーをベースとするものが有利である。
【0025】
本発明によれば、上側粘着剤(1,11)として沢山のスチレンブロックコポリマーよりなる混合物をベースとする粘着剤を使用するのが特に有利である。この場合、コポリマーの少なくとも1種類はスチレンをベースとするブロックの一つを持つ2ブロックコポリマ−である。
【0026】
上側粘着剤として本発明に従って有利に使用できるものは、例えば2ブロックを含有し上述のスチレンブロック成分及び/又は2ブロック成分を有する(SIS)−スチレン−イソプレン−スチレン−コポリマーであり、これは例えばEniChem社の登録商標Euriprene SOLT-192(スチレンの割合25重量%、2ブロックの割合23重量%)で市販されている。
【0027】
特に有利には上側粘着剤としては、スチレンの割合が少なくとも25重量%、特に少なくとも30重量%でありそして2ブロック成分の割合が少なくとも40重量%、特に少なくとも60重量%である少なくとも1種類のブロックコポリマー混合物を含有する粘着剤である。
【0028】
上側粘着剤として本発明に従って有利に使用されるものは、上述のスチレン成分及び2ブロック成分を持つ、2ブロック含有の(SB)n−スチレン−ブタジエン−多分岐コポリマー、例えばKraton社のKraton D1118 (仕様書によるとスチレンの割合33±2重量%、2ブロックの割合 約78重量%)の登録商標で市販されている。
【0029】
ブロックコポリマー或いはブロックコポリマー混合物の使用濃度は、粘着剤を規準として30重量%〜70重量%の範囲内、特に35重量%〜55重量%である場合が有利である。
【0030】
粘着性付与剤としては特に、スチレンブロックコポリマーのエラストマーブロックと相容性のある粘着樹脂が有利である。適する粘着樹脂には、中でも、コロホニウム又はコロホニウム誘導体をベースとする水素化されていないか又は部分的に水素化された又は完全に水素化された樹脂、ジシクロペンタジエンの水素化ポリマー、C5、C5/C9又はC9モノマー留分をベースとする水素化されていないか又は部分的に水素化された又は完全に水素化された炭化水素樹脂が有利である。α−ピネン及び/又はβ−ピネン及び/又はd−リモネンをベースとするポリテルペン樹脂が特に有利である。上記の粘着樹脂は単独でも又は相互の混合物の状態でも使用することができる。さらに接着剤調製物は室温で液状である少なくとも1種類の粘着樹脂を含有しているのが特に有利である。
【0031】
他の添加物としては以下のものを単独で又は組み合わせて利用することができる:
− 第一酸化防止剤、例えば立体障害フェノール類;
− 第二酸化防止剤、例えばホスフィット又はチオエーテル類;
− 加工安定剤、例えばC−ラジカル除去剤;
− 光安定剤、例えば紫外線吸収剤又は立体障害アミン類;
− 加工助剤;
− 末端ブロック補強樹脂。
【0032】
さらに、使用する粘着樹脂が多量の液状樹脂を、特に使用される樹脂の総量を規準として少なくとも25重量%、中でも少なくとも35重量%の割合で含有する場合が有利である。
【0033】
この種の組成物は特に有利な接着力及び初期粘着性を有する。上側粘着剤が15,000Pa.s以上の複素粘度を有する場合が特に非常に有利である。
【0034】
一般に上側粘着剤の被覆量は30〜100g/mの範囲内、特に35〜70g/mの範囲内で選択される。
【0035】
引き裂き可能な支持体としては、あらゆる引き裂き可能な支持体、特に容易に引き裂ける紙類、紙複合体系(例えば二重貼り合わせ紙及びサイズ処理された紙系)、フィルム積層体系(例えばサイズ処理されたフィルム系)、ポリマー積層系(同時押出成形された積層系)及びポリマーフリースが適する。一般に引き裂き力が5〜70cN/cm、特に12〜60cN/cmである支持体が一般に使用される。
【0036】
上側粘着剤及び下側粘着剤は高い接着力を有することが必要とされる。特にこの粘着剤の接着力はそれぞれの表面(支持体及び接合すべきウエブ)に、引き裂き可能な支持体を引き裂くのに必要とされる力より大きくあるべきである。下側粘着剤としては特に樹脂変性されたアクリレート組成物が適する。この種の樹脂変性された或いは樹脂ブレンドされた組成物は粘着樹脂及びアクリレート接着剤(部分架橋された)を含有している。粘着樹脂としては通例の粘着樹脂、例えばテルペンフェノール樹脂及びコロホニウム樹脂を使用することができる。アクリレート接着剤としては適当なガラス転位温度を有するアクリレートをベースとするコポリマー、特にコポリマーを全体的に軟化させる成分(例えばC〜C12の低分子量アクリレート、例えば2−エチルヘキシルアクリレート又はn−ブチルアクリレート)及び同様にコポリマーを全体的に硬質化させる成分(例えばアクリル酸又は官能化成分、例えばグリシジルメタクリレート又はヒドロキシエチルメタクリレート)をベースとするコポリマーを使用する。アクリレート接着剤を粘着樹脂で変性するためには、両者を混合する。次いで架橋を通例の架橋法に従って実施する。例えば高温での架橋反応として又は適当な触媒、例えば塩化亜鉛のようなルイスさんの使用によって実施する。
【0037】
さらに、下側粘着剤として12,000Pa.s以上の複素粘度(tesa test F)、特に15,000Pa.s以上の複素粘度を有する粘着剤を使用する場合が有利である。この実施態様は引き裂き可能な系のブロッキング及び引き裂き接合の失敗を防止するのに特に効果的なものである。
【0038】
下側粘着剤として樹脂変性されたアクリレート接着剤を使用するのが同様に有利である。該接着剤が70〜80重量%のアクリレート接着剤及び20〜30重量%の粘着樹脂を含有する場合が特に有利である。この場合、粘着樹脂としてテルペンフェノール樹脂を及び/又はアクリレート接着剤として48.5重量%のn−ブチルアクリレート、48.5重量%の2−エチルヘキシルアクリレート、2重量%のグリシジルメタクリレート及び1重量%のアクリル酸よりなるコポリマーを使用するのが特に有利である。このような組成は非極性のウエブ及びフリースに高い接着力を発揮しそして同時に引き裂き可能な支持体の引き裂き性を、その少ない流動性のために引き裂き可能な支持体中に侵入したり、接合部から押し出されない限り、確実にする。
【0039】
原則として例えば上述の樹脂変性アクリレート組成物として上側粘着剤も下側粘着剤も同様に選択してもよい。極めて有利な場合には引き裂き可能な系のブロッキングの危険が特に少ない。上側及び下側粘着剤は例えば同じシリコーン不含の粘着剤、特に上述の様にブロックコポリマーをベースとする粘着剤を使用してもよい。
【0040】
本発明の接着テープの構成は、異なる実施態様でも実現可能である。特に以下の文献に記載されており、それらの全内容は本発明の明細書の開示内容に含まれる:
− ドイツ特許出願公開第19632689A2明細書(Beiersdorf)、特に図1の構造及び第3欄、31〜44行に説明される事実。該明細書の上部に配置した接着剤(3:支持体(2)と被覆物(4)との間)は本発明の上側接着剤(1,11)に交換され及び/又はそれの下側接着剤(同様に3と記載されている)を本発明の下側接着剤(3,13)に交換される。
− ドイツ特許出願公開第19902179A1号明細書(Beiersdorf)、特に図1に従う構造及び第3欄、第31〜44行に説明される事実。それの接着剤(N1)は本発明の上側接着剤(1,11)に交換され及び/又はそれの接着剤(N3)を本発明の下側接着剤(3,13)に交換される。そしてそこの接着剤(N2)は本発明の接着剤(1,11,3,13)に交換できる。
− 国際特許出願公開第91/08159A1号明細書(Norrman)、特に図1に従う構造及び第2頁第35行〜第4頁第14行に説明される事実。それの接着剤(3)は本発明の上側接着剤(1,11)に交換され及び/又はそれの接着剤(4)は本発明の下側接着剤(3,13)に交換される。
− ドイツ特許出願公開第19841609A1明細書(Prinz)、特に図1の構造及び第3欄、第7〜37行に説明される事実。それの接着剤(34)は本発明の上側接着剤(1,11)に交換され及び/又はそれの接着剤(32)は本発明の下側接着剤(3,13)に交換される。
− 米国特許第2004/0126688A1号明細書(Bean等)、特に図2a、2b、2c及び2dの構造及び0024〜0037段落に説明される事実。それの接着剤(20或いは20a)は本発明の上側接着剤(1,11)に交換され及び/又はそれの接着剤(30a及び30b或いは30c)は本発明の下側接着剤(3,13)に交換される。
− 米国特許第6,432,241B1号明細書(Congard等)、特に図1及び2の構造及び第3欄、第52〜64行及び第4欄第34〜第6欄第53行に説明される事実。それの接着剤(12)は本発明の上側接着剤(1,11)に交換され及び/又はそれの接着剤(15)は本発明の下側接着剤(3,13)に交換される。
− 米国特許第2002/0056784A1号明細書(Davies等)、特に図2の構造及び0038〜0052段落に説明される事実。それの接着剤(16)は本発明の上側接着剤(1,11)に交換され及び/又はそれの接着剤(24)は本発明の下側接着剤(3,13)に交換される。
上記の実施態様を引用する結果から、本発明は如何なる不所望な制限も受けない。
【0041】
上側に上側粘着剤が塗布されておりそして下側が引き裂き可能な支持体の上側と完全に又は部分的に接合されている接着テープがさらに引き裂き不可能な支持体を有する場合が特に有利である。古いロールのウエブが新しいロールのウエブの出発点に、引き裂き可能な支持体の引き裂き前又は後にも接合している引き裂き不可能な支持体を使用することによって、特に負荷を掛けることが可能な両方のウエブの接合が達成されそしてウエブ継ぎ法の効率がさらに高められる。引き裂き不可能の支持体の下側(の全部又は一部)が接合用粘着剤を介して引き裂き可能な支持体の上側と接合されている場合が特に有利である(五層構造)。この接合は例えば粘着剤、硬化性粘着剤等を用いて原則として任意に生じ得る。
【0042】
機械的に安定な引き裂き不可能の支持体の使用によって、紙継ぎ法の際に古いロールのウエブを新しいロールのウエブと接合する効率が著し高められる。主要支持体としてあらゆる種類の代表的な平面状支持体材料、例えば片面又は両面塗工された滑らかなロール紙並びにフィルム支持体、例えばBOPPフィルム、PET−フィルム、アルミニウム加工されたPETフィルム及びアルミニウムホイルが使用される。この場合、引き裂き不可能な主要支持体が有利である。接合用粘着剤としては任意の代表的な粘着剤を使用することができる。しかしながら、接合用粘着剤及び下側粘着剤を、例えば樹脂変性されたアクリレート組成物を同時に選択する場合が有利である。何故ならばこの場合には引き裂き可能な系のブロッキングの危険が特に少ないからである。
【0043】
従って接着テープは接着部の全長さに亙って、従って接着テープの全長さに亙って引き裂き可能な支持体を有している。引き裂き可能な支持体は引き裂き不可能の支持体の全幅に亙っていてもよい。しかしながら、引き裂き可能な支持体の幅が接着テープの全幅よりも狭く、その結果その幅の少なくとも一部だけがそれの下にあるウエブに固定されるので有利である。この場合には、引き裂き可能な支持体が引き裂き不可能の支持体に強制的に固定されずに、それの代わりにその下側のところに挿入(インデント)固定する場合が特に有利である。これによってウエブ継ぎ法の際にウエブが裂ける危険がさらに減少される。
【0044】
本発明は、本発明の接着テープを、巻かれてロールを形成した、非極性表面を持つ平らなウエブ材料を稼動中ロール交換、特にフィルム及び/又はフリースの稼動中ロール交換の過程で用いることにも関する。接着テープの使用によってウエブ継ぎ法の効率が全体として著しく向上される。
【0045】
最後に本発明は、巻かれてロールを形成した、非極性表面を持つ平らなウエブ材料、特にフィルム及び/又はフリースの稼動中ロール交換のためのウエブ継ぎ法において、平らな非極性ウエブ材料の新しいロールの最も上側のウエブの末端に本発明の接着テープを少なくとも部分的に貼り付け、一方、接着テープの下側をそれの直ぐ下にある、新しいロールのウエブと貼り付けそしてそれによって、このように準備された新しいロールを殆ど完全に巻き解かれた交換すべきロールの隣に置きそして同じ表面速度に早め、次いで新しいロールが古いロールの最も上側のウエブに押し付けられ、その際に接着テープの露出した粘着剤が、実質的に同じウエブ速度のときに古いウエブに貼り付けられ、一方、引き裂き可能な系が同時に引き裂かれそして引き裂き可能な系の粘着剤が引き裂き可能な支持体の引き裂かれた両方の残留物で非接着的に覆われることを特徴とする、上記ウエブ継ぎ方法にも関する。
【0046】
以下に本発明を図面によって更に詳細に説明する。図面は以下を意味する。
図1は本発明の接着テープの一つの実施態様の概略的側面図(三層構造、接着テープの長手方向切断面)を図示している。
図2は本発明の接着テープの別の一つの実施態様の概略的側面図(五層構造、接着テープの長手方向切断面)を図示している。
【0047】
図1には、本発明の接着テープが図示されている。この接着テープは、巻かれてロールを形成した、非極性表面を持つ平らなウエブ材料に適している。この接着テープは引き裂き可能な支持体(2)よりなる三層構造として形成されており、該支持体(2)は上側に上側粘着剤(1)が塗布されそして下側に下側粘着剤層(3)が塗布されている。この様な構造は、殆ど巻き解かれたロールのウエブに新しいロールのウエブの始めの部分を接合する際に生じる負荷に耐えることができるため、引き裂き可能な支持体(2)が二次元の広がりに亙って十分な耐機械的負荷性を持つ場合に使用できる。
【0048】
この接着テープは追加的に上側粘着剤(1)を非接着的被覆するための剥離性系(6)を有しており、接着テープの接着性の上側を保存時に保護する。剥離性系としてはあらゆる慣用の剥離紙、例えばシリコーン加工した剥離紙又はシリコーン加工された剥離フィルムを使用することができる。この場合、剥離系は一つのパーツでも又は複数のパーツ(図1には図示されていない)で形成されていてもよい。
【0049】
図2には、五層構造として本発明の接着テープの特に有利な別の一つの態様を図示している。接着テープ系のこの態様は引き裂き可能な支持体(12)及び引き裂き不可能の支持体(14)を有しており、これらは互いに接合されている。この接合は、ここでは別々の接合用粘着剤(15)で行っており、該粘着剤は引き裂き可能な支持体(12)の上側を引き裂き不可能の支持体(14)の下側の一部と接合している。従って引き裂き不可能の支持体(14)はそれの上側を上側粘着剤(11)で被覆されておりそして下側の一部を接合用粘着剤(15)で被覆され、該粘着剤(15)は引き裂き可能な支持体(12)を引き裂き不可能の支持体(14)に繋ぎ留めている。引き裂き可能な支持体(12)はこの場合には引き裂き不可能の支持体(14)に対して挿入(インデント)又はオフセットで配置されている。
【0050】
図2に図示された態様は更に追加的に上側粘着剤(11)を非接着的に被覆するための剥離系(16)を有しており、この目的のために慣用のあらゆる剥離紙、例えばシリコーン加工した剥離紙又はシリコーン加工された剥離フィルムを使用することができる。ここに図示した2つの部分の剥離系(16a/16b)が特に有利である。この系は長手方向において後ろの被覆部分(16a)と前の被覆部分(16b)とに例えばミシン目又はスリットによって分かれている。これは、接着テープを最初に新しいロールのウエブの最初の部分に貼り付けることができるという長所を有している。そのためには、接着テープの後ろの被覆部分(16a)の下の接着性領域だけを露出しそして古いロールのウエブに貼り付けるための接着性領域を前の被覆部分(16b)によって更に被覆しておきそしてそれ故に保護したままにする。
【0051】
本発明の接着テープの第二の実施態様を説明するために、以下に具体的な実施例を例示する。
【実施例】
【0052】
50mmの幅を持つ本発明の接着テープを、引き裂き不可能の支持体(14)としての54g/cmの面積重量及び66μmの厚さを持つ機械仕上げ加工された原紙から製造する。引き裂き不可能の支持体(14)の上側に上側粘着剤(11)を塗布する。
【0053】
上側粘着剤(11)として以下の組成を持つスチレン−ブロックコポリマーをベースとする合成ゴムを用いる:48重量%のスチレン/ブタジエン/スチレン−ブロックコポリマー(Kraton社の“Kraton D1118”タイプ)、24重量%のアルファピネン樹脂(DRT社の“Dercolyte A 115;軟化点115℃)、27重量%の液状炭化水素樹脂(Goodyear社の“Wingtack 10”タイプ;液状の合成脂肪族C−5ポリテルペン/炭化水素樹脂;軟化点10℃)、0.5重量%の第一酸化防止剤(Ciba社の“Irganox 1010“タイプ)及び0.5重量%の第二酸化防止剤(Interorgana社の“Weston 339“ タイプ)。
【0054】
さらに、この接着テープは引き裂き可能な支持体(12)並びに下側の粘着剤(13)及び接合用粘着剤(15)を有している。引き裂き可能な支持体(12)としては51g/cmの面積重量及び90μmの厚さを持つ紙を使用する。この引き裂き可能な支持体(12)の幅は12nmである。
【0055】
さらにこの接着テープは上側粘着剤(11)の非接着的に被覆するための2つの部分からなる剥離系(16)を有しており、従って接着性の上側が本発明の接着テープの保存時に保護されている。この剥離系(16)はシリコーン加工された剥離紙で製造されており、接着テープの一部を覆う後ろの被覆部分(16a)を有し、これは新しいロールのウエブの最上層と接合される。さらに接着テープの一部を被覆する前の被覆部分(16a)を有し、これは古いロールのウエブと接合する。両方の被覆部分は、接着テープの長手方向に沿って走るスリットによって互い分離されている。
【0056】
下側粘着剤(13)及び接合用粘着剤(15)としては以下の組成の同じ粘着剤を使用した:75重量%の(アクリレート接着剤としての)アクリレートベースのポリマー及び25重量%の(粘着樹脂としての)テルペンフェノール樹脂。
【0057】
テルペンフェノール樹脂としてはDRT社の“DT110l”タイプの製品を使用する。アクリレートベースのポリマーとしては、48.5重量%のn−ブチルアクリレート、48.5重量%の2−エチルヘキシルアクリレート、2重量%のグリシジルメタクリレート及び1重量%のアクリル酸よりなるコポリマーを使用する。このポリマーは950,000g/モルの質量平均分子量及びD=8.7の多分散性を有する[清浄濾過した100μLの試料(テトラヒドロフランに溶解した150μgのコポリマーを含有する)の、溶離剤としてテトラヒドロフラン(0.5mL/分)の使用下に、Polymer Standards Service 社の予備カラム(PSS SDV 10 μm、ID 8*50mm)及び分離カラム(PSS SDV 10 μm;線形、ID 8*300mm)並びに検出のための示差屈折計(Shodex RI71)を用いてのゲルパーミッションクロマトグラフィーの結果;狭い分布のポリスチレン標準(Polymer Standards Service社のPSS Ready Cals)を用いての補正;ポリスチレン補正から、ポリスチレンについてのMark-Houwink係数(K=0.0136;a=0.7140)及びポリメチルメタクリレートについてのMark-Houwink係数(K=0.0126;a=0.6880)を使用してのポリメチルメタクリレート補正への換算により決定]。架橋させるために混合物にルイス酸として、コポリマーの乾燥重量を規準として0.3重量%の塩化亜鉛を添加しそして120℃で15分乾燥する。
【0058】
最初に上側粘着剤(11)及び下側粘着剤(13)或いは接合用粘着剤(15)の接着特性を試験する。その際にポリエチレン基体への粘着剤の接着力(測定法:tesa test A)、転がり球粘着による粘着剤の初期粘着性(測定法:tesa test D)並びに粘着剤の複素粘度(測定法:tesa test F)を測定した。
【0059】
さらに粘着剤(11、13及び15)を用いて製造した接着テープの接着特性を試験した。この目的のために、一方では接着テープの剪断強度を保持力の形で、ポリエチレン基体で測定する(tesa test B)。これのために13mmの幅、20mmの長さの接着テープのストリップを、エタノールで予めに清浄処理したポリエチレン製試験シートに適用しそして一定の適用圧を用いて支持体に4回押し付ける。接着テープに室温で1kgの負荷をかけそして保持力(分)を三度の測定の平均値として測定する。
【0060】
さらに個々の粘着剤を両面に塗布した引き裂き可能な支持体の相対的引き裂き挙動を試験する(tesa test C)。比較値として、粘着剤を塗布していない引き裂き可能な支持体の引き裂き挙動を用いる。1度の測定のために、塗布された及び塗布されていない支持体の12cmの長さのストリップを、最初に24時間にわたって40℃で負荷をかける(2kg/cm)。測定するために支持体を2cmの長さに予備引き裂きしそして支持体を300mm/分の引き裂き速度で更に引き裂くために必要な力を測定した。この試験は、被覆された支持体の場合と被覆されていない支持体の場合に、更に引き裂くために必要な力の差が20%より少ない場合に合格と評価する。
【0061】
一方は上側粘着剤(11)についてそしてもう一方は下側粘着剤(13)/接合用粘着剤(15)についての試験結果を表1にそれぞれの試験法(tesa test)について表記する。
【0062】
表1:
【0063】
【表1】

【0064】
別の本発明に従う接着テープを実施例1と同様に製造しそして試験した。その際に該接着テープの上側粘着剤は以下の組成をベースとしている(粘着剤の全体組成:99%のベース粘着剤、0.5重量%の第一酸化防止剤(Ciba社の“Irganox 1010“)及び0.5重量%の第二酸化防止剤(Interorganaの“Weston 339”;実施例1に相応する)。表2で比較する。
【0065】
【表2】

【0066】
このように製造された接着テープを、35μm〜60μmの厚さのポリエチレンシートの稼動中ロール交換の際に使用して実際の試験で成功した。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の接着テープの一つの実施態様の概略的側面図を図示している。
【図2】本発明の接着テープの別の一つの実施態様の概略的側面図を図示している。
【符号の説明】
【0068】
・ 11・・・上側粘着剤
・ 12・・・引き裂き可能な支持体
・ 13・・・下側接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻かれてロールを形成した、非極性表面を持つ平らなウエブ材料の稼動中ロール交換に適する接着テープであって、上側粘着剤(1,11)、引き裂き可能な支持体(2、12)、及び該引き裂き可能な支持体(2,12)の下側の下側接着剤(3,13)を有する該接着テープにおいて、上側粘着剤(1,11)として1.5 N/cm以上の対ポリエチレン製基体接着力(測定法:tesa test A)及び50mm以下の転がり距離(測定法:tesa test D)に相当する初期粘着性を有するシリコーン不含粘着剤を使用すること;
下側粘着剤(3,13)として1.5 N/cm以上の対ポリエチレン製基体接着力(測定法:tesa test A)及び1 rad/秒、40℃で10,000 Pa.s以上の複素粘度(測定法:tesa test F)を有する粘着剤を使用することを特徴とする、上記接着テープ。
【請求項2】
上側粘着剤(1、11)及び/又は下側粘着剤(3,13)として3.0 N/cm以上、特に5.0 N/cm以上の対ポリエチレン製基体接着力(測定法:tesa Test A)を有する粘着剤を使用する、請求項1に記載の接着テープ。
【請求項3】
上側粘着剤(1、11)として40mm以下の転がり距離(測定法:tesa Test D)に相当する初期粘着性、特に20mm以下の転がり距離に相当する初期粘着性を有する粘着剤を使用する、請求項1又は2に記載の接着テープ。
【請求項4】
下側粘着剤(3、13)として12,000 Pa.s以上の複素粘度(測定法:tesa Test F)を有する粘着剤を使用する、請求項1〜3のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項5】
上側粘着剤(1,11)として合成ゴム組成物を使用する、請求項1〜4のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項6】
上側粘着剤(1、11)としてブロックコポリマーをベースと粘着剤を使用する請求項1〜5のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項7】
上側粘着剤(1、11)としてスチレンをベースとするブロックを持つ少なくとも1種類の2ブロックコポリマ−を含有する複数種のスチレンブロックコポリマーの混合物をベースとする粘着剤を使用する、請求項6に記載の接着テープ。
【請求項8】
ブロックコポリマー全体量を規準としてスチレンの割合が少なくとも25重量%、特に少なくとも30重量%であり及び/又は2ブロック成分の割合が少なくとも40重量%、特に少なくとも60重量%である、請求項7に記載の接着テープ。
【請求項9】
合成ゴム組成物が45重量%のスチレン/イソプレン/スチレン−ブロックコポリマー、39重量%のコロホニウムエステル、15重量%の液状炭化水素樹脂、0.5重量%の第一酸化防止剤及び0.5重量%の第二酸化防止剤を含有する、請求項5〜7のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項10】
下側粘着剤(3、13)として樹脂変性されたアクリレート接着剤を使用する、請求項1〜9のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項11】
樹脂変性された粘着剤として70〜80重量%のアクリレート接着剤及び20〜30重量%の粘着樹脂を含む粘着剤を使用する、請求項10に記載の接着テープ。
【請求項12】
粘着樹脂としてテルペンフェノール樹脂を及び/又はアクリレート接着剤として48.5重量%のn−ブチルアクリレート、48.5重量%の2−エチルヘキシルアクリレート、2重量%のグリシジルメタクリレート及び1重量%のアクリル酸よりなるコポリマーを使用する、請求項11に記載の接着テープ。
【請求項13】
さらに接合引き裂き不可能の支持体(14)を有し、該引き裂き不可能の支持体(14)の上側が上側粘着剤(11)で被覆されておりそして引き裂き不可能の支持体(14)の下側の少なくとも一部が引き裂き可能な支持体(12)の上側と接合されている、請求項1〜12のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項14】
引き裂き不可能の支持体(14)の下側の少なくとも一部を引き裂き可能な支持体(12)の上側と接合する接合用粘着剤(15)を有する、請求項10の接着テープ。
【請求項15】
上側粘着剤(1,11)及び/又は下側粘着剤(3,13)として15,000 Pa.s以上の複素粘度(測定法:tesa test F)を有する粘着剤を使用する請求項1〜14のいずれか一つに記載の接着テープ。
【請求項16】
巻かれてロールを形成した、非極性表面を持つ平らなウエブ材料を稼動中ロール交換、特にフィルム及び/又はフリースの稼動中ロール交換の過程での、請求項1〜15のいずれか一つに記載の接着テープの使用。
【請求項17】
巻かれてロールを形成した、非極性表面を持つ平らなウエブ材料、特にフィルム及び/又はフリースの稼動中ロール交換のためのウエブ継ぎ法において、平らな非極性ウエブ材料の新しいロールの最も上側のウエブの末端に本発明の接着テープを少なくとも部分的に貼り付け、一方、接着テープの下側をそれの直ぐ下にある、新しいロールのウエブと貼り付けそしてそれによって、このように準備された新しいロールを殆ど完全に巻き解かれた交換すべきロールの隣に置きそして同じ表面速度に早め、次いで新しいロールが古いロールの最も上側のウエブに押し付けられ、その際に接着テープの露出した粘着剤が、実質的に同じウエブ速度のときに古いウエブに貼り付けられ、一方、引き裂き可能な系が同時に引き裂かれそして引き裂き可能な系の粘着剤が引き裂き可能な支持体の引き裂かれた両方の残留物で非接着的に覆われることを特徴とする、上記ウエブ継ぎ方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−527600(P2009−527600A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555645(P2008−555645)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【国際出願番号】PCT/EP2006/068520
【国際公開番号】WO2007/096010
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(507249591)テーザ・アクチエンゲゼルシャフト (52)
【Fターム(参考)】