接着剤供給のためのノズル
接着剤供給のためのノズル(10)は入口端(16)と出口端との間に流体通路(14)が形成されたボディ(12)とを備えている。そのノズル(10)はボディの側壁内に出口絞り部(20,20’)を備えている。その出口絞り部は肩部によって分離された上部と基部とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は接着剤供給のためのノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は、通常は弾性接着剤を用いて自動車のボディに取り付けられたフロントガラスを備えている。フロントガラスの取り付けは、とりわけ、ロントガラスのフレームとして作用する自動車のボディの互いの部品に接着剤のビードを塗布する工程、または代替的にフロントガラス自身の前処理されたセラミックコーティングストリップ(ガラス原料)に接着剤のビードを塗布する工程を一般的に含んでいる。どちらの場合においても、接着剤のビードは、接着剤用のガンまたは供給ノズルを備えた他の手動または自動の供給装置を使用して塗布することが知られている。接着剤のビードが自動車のボディまたはフロントガラスに塗布された後、場合によっては、フロントガラスは自動車のボディに対して押し付けられ、接着剤のビードがフロントガラスと自動車のボディとの間で圧縮されるようにする。最終的には、接着剤は硬化して弾性的なゴムとなり、フロントガラスと自動車のボディとの間の恒久的な接着を提供している。
【0003】
供給された接着剤のビードが圧縮される前には略三角形状であることは好ましいことであり、なぜならば、ビードの比較的広い基部は、場合によっては、接着剤のビードと自動車のフロントガラスとの間で十分な接触領域を形成するためである。周知のシステムにおいて、図1A〜1Cに見られるように、略三角形状のビードはノズル2から供給され、そのノズル2は、ノズルの側壁内に略三角形状の出口絞り部4を備えている。図1Bは図1Aのノズル2が、矢印に示された経路に沿って移動されることを示したものであり、接着剤8の略三角形状のビードがノズル2の出口絞り部4から供給されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
接着剤のビードが塗布された後、フロントガラスは自動車のボディに対して押し付けられ、そこで接着剤のビードを圧縮する。図1Cは図1Aおよび1Cのノズルを示しており、それに加えて自動車のボディに対してフロントガラスが押し付けられることによって圧縮される前の、ノズル2から供給された接着剤のビード6のプロファイルを示している。図示されているように、力がかけられると略三角形状の接着剤のビードは、略台形状のビードへと変化する。その工程において、圧縮された接着剤のビード7の底辺側9は、圧縮されていない接着剤のビード6の底辺側5よりも幅が広くなっている。結果として、接着剤ビードの底辺側とフロントガラスまたは自動車のフレームとの間の接触領域は、フロントガラスの組み込みの間に増加する。本発明者は、そのことが、接着剤のビード塗布後およびフロントガラスの組み込みの間の接着剤領域の所望しない広がりであるということがわかった。とりわけ、本発明者は、そのような広がりが接着剤のビードとフロントガラスまたは自動車のフレームとの間の接触を、弱める可能性を導くことになるかも知れず、規定どおり、且つ結果的に接着剤のビードの界面において接合力が弱められるということがわかった。
【0005】
これ以降に記載されている実施形態は、これらの観点、およびフロントガラス組み込みアプリケーションにおける周知の接着剤のビード供給用ノズルに関する他の欠点から発展されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
接着剤のビードを供給するためのノズルが開示されている。そのノズルは、入口端と出口端とを備え、およびその入口端と出口端との間のボディに貫通して延在している流体通路も備えている。出口絞り部はノズルボディの側壁内に配置されている。出口絞り部は上部および基部を備え、上部および基部は肩部によって分離されている。ある実施形態において、上部は略三角形状であり、基部は略台形状である。略台形状の基部は直線状または湾曲した側壁を備えていてもよい。
【0007】
本発明の特徴および発明的な態様は、以下の詳細な説明、請求項および添付図を参照することでより明らかにされるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図2A〜2Fは、加工工程の製品に接着剤のビードを塗布するために構成されたノズル10の第1の実施形態を示している。ここに記載されているように、ノズル10は、自動車のフロントガラスまたはフロントガラスの取り付けに関連した自動車のボディ(図示略)に、接着剤のビードを塗布するために使用されてもよい。
【0009】
図2A〜2Fをまとめて参照すると、ノズル10は、ノズルの入口端16と出口端18との間に形成された、流体通路14を備えたノズルボディ12を含んでいる。ノズルボディ12は一般的には円筒形状であり、入口端16から出口端18に延在する長手軸を備えている。ある実施形態において、ノズルボディ12の直径は、入口端16から出口端18に向かって徐々に細くなっている。ノズル10の入口端16は、ネジ山17または他の取り付け機構を含んでいてもよく、その機構はノズル10を供給ガンまたは他の同様のデバイスに取り付けるためのものである。ノズルボディ12は多様な異なった材料で形成されていてもよく、例えばポリエチレン、プラスチック、金属材料、またはポリイミド樹脂を含んでいるものでもよい。
【0010】
出口絞り部20はノズル10の側壁内に配置され、出口端18に隣接している。図2Dは出口絞り部20の拡大図を示している。出口絞り部20は上部22と基部24とを備え、それらは肩部26によって分離されている。肩部26はオフセット寸法Dを有しており、(図示されているような)略水平な壁を具備していてもよく、または略水平でない壁を具備していてもよく、若しくは他の形状を具備していてもよい。いずれにしても、肩部26は出口絞り部20の横断面プロファイルにおいて、上部22と基部24との間に不連続部を形成している。出口絞り部20の上部22は一般的に略三角形状であり、側壁28と30とを備えている。出口絞り部20の基部24は一般的に略台形状であり、その上側は上部22の略三角形状の底辺部に隣接している。基部24の上側は上部22の底辺側よりも幅広であり、結果として肩部26が形成されている。ノズルがフロントガラス、または自動車のボディといった加工工程の製品上を連続的に移動した場合、上部22と基部24とは、出口絞り部20の断面形状を備えた連続的な流体材料のビードを供給するために、ともに構成されている。出口絞り部20の上部22と基部24とを形成するために、他の形状が採用されてもよいということが予想される。
【0011】
上述のノズル10は、改良された接着剤のビードの横断面形状、特に自動車のフロントガラスの取り付けに関連して使用される接着剤のビードの横断面形状を提供している。図2Eおよび2Fに示されているように、ノズル10によって形成される接着剤のビード40は、一般的に略三角形状の上部42と略台形上の基部44とを備えている。基部44の底辺側46は上部42の底辺側48よりも幅広である。結果として、接着剤のビードがフロントガラスの組み付けの間に圧縮された場合、上部42の底辺側48は広がるが、基部44の底辺側46は一般的には広がらない。基部44の底辺側46は一般的には同じサイズのままである。従って、接着剤のビードの基部と自動車のボディまたはフロントガラスとの間の界面は、規定どおりに、圧縮の間ほとんど変化せず、接着剤のビードの界面において接合強さを改良している。
【0012】
ここで図3A〜3Fをまとめて参照すると、ノズル10の第2の実施形態が示されており、そのノズルは、加工工程の製品に接着剤を塗布するように構成されている。図2A〜2Fと図3A〜3Fとに示された実施形態の類似の特徴を備える部分には、類似の参照符号が付されている。図3A〜3Fにおいて、出口絞り部20’はノズル10の側壁内に配置され、出口端18に隣接している。図3Dは出口絞り部20’の拡大図を示している。出口絞り部20’は上部22’と基部24’とを備え、それらは湾曲した肩部26’によって分離されている。湾曲した肩部26’は出口絞り部20’の横断面プロファイルにおいて、上部22’と基部24’との間に不連続部を形成している。この不連続部は、この図において上部と基部との間の変曲点によって表されている、出口絞り部20’の上部22’は一般的に略三角形状であり、側壁28’と30’とを備えている。上部22’の側壁28’および30’は直線で示されているが、曲線であってもよい。出口絞り部の基部24’は一般的に略代形状であるが、直線状の壁の代わりに、基部24’の壁は湾曲している。基部の湾曲した側は略三角形状の上部22’の底辺に隣接している。基部24’の上側は、上部22’の底辺側と一般的に同じ円周の大きさである。ノズルがフロントガラス、または自動車のボディといった加工工程の製品上を連続的に移動した場合、上部22’と基部24’とは、出口絞り部20’の断面形状を備えた連続的な流体材料のビードを供給するために、ともに構成されている。
【0013】
上述のノズル10は、改良された接着剤、特に自動車のフロントガラスの取り付けに関連して使用される接着剤のビードの横断面形状を提供している。図3Eおよび3Fに示されているように、ノズル10によって形成される接着剤のビード40は、一般的に略三角形状の上部42’と略台形上の基部44’とを備えている。基部44’の底辺側46’は上部42’の底辺側48’よりも幅広である。結果として、接着剤のビードがフロントガラスの組み付けの間に圧縮された場合、上部42’の底辺側48’は広がるが、基部44’の底辺側46’は一般的には広がらない。基部44’の底辺側46’は一般的には同じサイズのままである。
【0014】
一実施形態において、前記ボディの側壁内の出口絞り部は上部と基部とを備えており、絞り部の壁の上部と下部とは、変曲点によって分離されている。特に、絞り部の壁のスロープは、変曲点の第1の側でほぼ一定であり、変曲点の第2の側でほぼ一定ではない。
【0015】
上記の記載は図示された形態のみについて表されており、本発明の方法およびシステムの典型的な実施形態である。それは本発明が完全に網羅されたものではなく、開示された形態に限定されるものでもない。本発明の範囲から逸脱することなく様々な変形した形態が作製されてもよく、等価なものがその要素と置換されてもよいということは、当業者には理解されるであろう。さらに、本発明の教示の本質的な範囲から逸脱することなく、特殊な状況または材料が適用されて改良されてもよい。従って、本発明は、本発明を実施するために想定された最良の形態として限定的な特殊な実施形態を開示しているのではなく、本発明は請求の範囲内に納められた全ての実施形態を含んでいるということが意図されている。本発明は、その精神または範囲から逸脱することなく具体的に説明されおよび図示された別のやり方で実施されてもよい。本発明の範囲は請求項のみによって限定される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】側壁内に略三角形状の出口絞り部を備えた周知の供給ノズルの側面図を示している。
【図1B】図1Aのノズルの斜視図を示しており、供給された接着剤のビードがさらに示されている。
【図1C】図1Aのノズルの側面図を示しており、ノズルから供給された接着剤のビードの横断面図と、圧縮後の接着剤のビードの横断面図とがさらに示されている。
【図2A】本発明の第1の実施形態によるノズルの側面図を示している。
【図2B】図2Aの2B−2Bに沿った断面のノズルの断面斜視図を示している。
【図2C】図2Bの2C−2Cに沿った断面のノズルの断面図を示している。
【図2D】図2Aのノズルの出口絞り部の拡大図を示している。
【図2E】図2Aのノズルの斜視図を示しており、供給された接着剤のビードがさらに示されている。
【図2F】図2Aのノズルの側面図を示しており、ノズルから供給された接着剤のビードの横断面図と、圧縮後の接着剤のビードの横断面図とがさらに示されている。
【図3A】本発明の第2の実施形態によるノズルの側面図を示している。
【図3B】図3Aの3B−3Bに沿った断面のノズルの断面斜視図を示している。
【図3C】図3Bの3C−3Cに沿った断面のノズルの断面図を示している。
【図3D】図3Aのノズルの出口絞り部の拡大図を示している。
【図3E】図3Aのノズルの斜視図を示しており、供給された接着剤のビードがさらに示されている。
【図3F】図3Aのノズルの側面図を示しており、ノズルから供給された接着剤のビードの横断面図と、圧縮後の接着剤のビードの横断面図とがさらに示されている。
【符号の説明】
【0017】
2,10 ノズル
4,20,20’ 出口絞り部
8,40,40’ 接着剤のビード
12 ノズルボディ
14 流体通路
16 入口端
18 出口端
22,22’ 上部
24,24’ 基部
26,26’ 肩部
28,28’ 側壁
30,30’ 側壁
【技術分野】
【0001】
本発明は接着剤供給のためのノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は、通常は弾性接着剤を用いて自動車のボディに取り付けられたフロントガラスを備えている。フロントガラスの取り付けは、とりわけ、ロントガラスのフレームとして作用する自動車のボディの互いの部品に接着剤のビードを塗布する工程、または代替的にフロントガラス自身の前処理されたセラミックコーティングストリップ(ガラス原料)に接着剤のビードを塗布する工程を一般的に含んでいる。どちらの場合においても、接着剤のビードは、接着剤用のガンまたは供給ノズルを備えた他の手動または自動の供給装置を使用して塗布することが知られている。接着剤のビードが自動車のボディまたはフロントガラスに塗布された後、場合によっては、フロントガラスは自動車のボディに対して押し付けられ、接着剤のビードがフロントガラスと自動車のボディとの間で圧縮されるようにする。最終的には、接着剤は硬化して弾性的なゴムとなり、フロントガラスと自動車のボディとの間の恒久的な接着を提供している。
【0003】
供給された接着剤のビードが圧縮される前には略三角形状であることは好ましいことであり、なぜならば、ビードの比較的広い基部は、場合によっては、接着剤のビードと自動車のフロントガラスとの間で十分な接触領域を形成するためである。周知のシステムにおいて、図1A〜1Cに見られるように、略三角形状のビードはノズル2から供給され、そのノズル2は、ノズルの側壁内に略三角形状の出口絞り部4を備えている。図1Bは図1Aのノズル2が、矢印に示された経路に沿って移動されることを示したものであり、接着剤8の略三角形状のビードがノズル2の出口絞り部4から供給されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
接着剤のビードが塗布された後、フロントガラスは自動車のボディに対して押し付けられ、そこで接着剤のビードを圧縮する。図1Cは図1Aおよび1Cのノズルを示しており、それに加えて自動車のボディに対してフロントガラスが押し付けられることによって圧縮される前の、ノズル2から供給された接着剤のビード6のプロファイルを示している。図示されているように、力がかけられると略三角形状の接着剤のビードは、略台形状のビードへと変化する。その工程において、圧縮された接着剤のビード7の底辺側9は、圧縮されていない接着剤のビード6の底辺側5よりも幅が広くなっている。結果として、接着剤ビードの底辺側とフロントガラスまたは自動車のフレームとの間の接触領域は、フロントガラスの組み込みの間に増加する。本発明者は、そのことが、接着剤のビード塗布後およびフロントガラスの組み込みの間の接着剤領域の所望しない広がりであるということがわかった。とりわけ、本発明者は、そのような広がりが接着剤のビードとフロントガラスまたは自動車のフレームとの間の接触を、弱める可能性を導くことになるかも知れず、規定どおり、且つ結果的に接着剤のビードの界面において接合力が弱められるということがわかった。
【0005】
これ以降に記載されている実施形態は、これらの観点、およびフロントガラス組み込みアプリケーションにおける周知の接着剤のビード供給用ノズルに関する他の欠点から発展されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
接着剤のビードを供給するためのノズルが開示されている。そのノズルは、入口端と出口端とを備え、およびその入口端と出口端との間のボディに貫通して延在している流体通路も備えている。出口絞り部はノズルボディの側壁内に配置されている。出口絞り部は上部および基部を備え、上部および基部は肩部によって分離されている。ある実施形態において、上部は略三角形状であり、基部は略台形状である。略台形状の基部は直線状または湾曲した側壁を備えていてもよい。
【0007】
本発明の特徴および発明的な態様は、以下の詳細な説明、請求項および添付図を参照することでより明らかにされるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図2A〜2Fは、加工工程の製品に接着剤のビードを塗布するために構成されたノズル10の第1の実施形態を示している。ここに記載されているように、ノズル10は、自動車のフロントガラスまたはフロントガラスの取り付けに関連した自動車のボディ(図示略)に、接着剤のビードを塗布するために使用されてもよい。
【0009】
図2A〜2Fをまとめて参照すると、ノズル10は、ノズルの入口端16と出口端18との間に形成された、流体通路14を備えたノズルボディ12を含んでいる。ノズルボディ12は一般的には円筒形状であり、入口端16から出口端18に延在する長手軸を備えている。ある実施形態において、ノズルボディ12の直径は、入口端16から出口端18に向かって徐々に細くなっている。ノズル10の入口端16は、ネジ山17または他の取り付け機構を含んでいてもよく、その機構はノズル10を供給ガンまたは他の同様のデバイスに取り付けるためのものである。ノズルボディ12は多様な異なった材料で形成されていてもよく、例えばポリエチレン、プラスチック、金属材料、またはポリイミド樹脂を含んでいるものでもよい。
【0010】
出口絞り部20はノズル10の側壁内に配置され、出口端18に隣接している。図2Dは出口絞り部20の拡大図を示している。出口絞り部20は上部22と基部24とを備え、それらは肩部26によって分離されている。肩部26はオフセット寸法Dを有しており、(図示されているような)略水平な壁を具備していてもよく、または略水平でない壁を具備していてもよく、若しくは他の形状を具備していてもよい。いずれにしても、肩部26は出口絞り部20の横断面プロファイルにおいて、上部22と基部24との間に不連続部を形成している。出口絞り部20の上部22は一般的に略三角形状であり、側壁28と30とを備えている。出口絞り部20の基部24は一般的に略台形状であり、その上側は上部22の略三角形状の底辺部に隣接している。基部24の上側は上部22の底辺側よりも幅広であり、結果として肩部26が形成されている。ノズルがフロントガラス、または自動車のボディといった加工工程の製品上を連続的に移動した場合、上部22と基部24とは、出口絞り部20の断面形状を備えた連続的な流体材料のビードを供給するために、ともに構成されている。出口絞り部20の上部22と基部24とを形成するために、他の形状が採用されてもよいということが予想される。
【0011】
上述のノズル10は、改良された接着剤のビードの横断面形状、特に自動車のフロントガラスの取り付けに関連して使用される接着剤のビードの横断面形状を提供している。図2Eおよび2Fに示されているように、ノズル10によって形成される接着剤のビード40は、一般的に略三角形状の上部42と略台形上の基部44とを備えている。基部44の底辺側46は上部42の底辺側48よりも幅広である。結果として、接着剤のビードがフロントガラスの組み付けの間に圧縮された場合、上部42の底辺側48は広がるが、基部44の底辺側46は一般的には広がらない。基部44の底辺側46は一般的には同じサイズのままである。従って、接着剤のビードの基部と自動車のボディまたはフロントガラスとの間の界面は、規定どおりに、圧縮の間ほとんど変化せず、接着剤のビードの界面において接合強さを改良している。
【0012】
ここで図3A〜3Fをまとめて参照すると、ノズル10の第2の実施形態が示されており、そのノズルは、加工工程の製品に接着剤を塗布するように構成されている。図2A〜2Fと図3A〜3Fとに示された実施形態の類似の特徴を備える部分には、類似の参照符号が付されている。図3A〜3Fにおいて、出口絞り部20’はノズル10の側壁内に配置され、出口端18に隣接している。図3Dは出口絞り部20’の拡大図を示している。出口絞り部20’は上部22’と基部24’とを備え、それらは湾曲した肩部26’によって分離されている。湾曲した肩部26’は出口絞り部20’の横断面プロファイルにおいて、上部22’と基部24’との間に不連続部を形成している。この不連続部は、この図において上部と基部との間の変曲点によって表されている、出口絞り部20’の上部22’は一般的に略三角形状であり、側壁28’と30’とを備えている。上部22’の側壁28’および30’は直線で示されているが、曲線であってもよい。出口絞り部の基部24’は一般的に略代形状であるが、直線状の壁の代わりに、基部24’の壁は湾曲している。基部の湾曲した側は略三角形状の上部22’の底辺に隣接している。基部24’の上側は、上部22’の底辺側と一般的に同じ円周の大きさである。ノズルがフロントガラス、または自動車のボディといった加工工程の製品上を連続的に移動した場合、上部22’と基部24’とは、出口絞り部20’の断面形状を備えた連続的な流体材料のビードを供給するために、ともに構成されている。
【0013】
上述のノズル10は、改良された接着剤、特に自動車のフロントガラスの取り付けに関連して使用される接着剤のビードの横断面形状を提供している。図3Eおよび3Fに示されているように、ノズル10によって形成される接着剤のビード40は、一般的に略三角形状の上部42’と略台形上の基部44’とを備えている。基部44’の底辺側46’は上部42’の底辺側48’よりも幅広である。結果として、接着剤のビードがフロントガラスの組み付けの間に圧縮された場合、上部42’の底辺側48’は広がるが、基部44’の底辺側46’は一般的には広がらない。基部44’の底辺側46’は一般的には同じサイズのままである。
【0014】
一実施形態において、前記ボディの側壁内の出口絞り部は上部と基部とを備えており、絞り部の壁の上部と下部とは、変曲点によって分離されている。特に、絞り部の壁のスロープは、変曲点の第1の側でほぼ一定であり、変曲点の第2の側でほぼ一定ではない。
【0015】
上記の記載は図示された形態のみについて表されており、本発明の方法およびシステムの典型的な実施形態である。それは本発明が完全に網羅されたものではなく、開示された形態に限定されるものでもない。本発明の範囲から逸脱することなく様々な変形した形態が作製されてもよく、等価なものがその要素と置換されてもよいということは、当業者には理解されるであろう。さらに、本発明の教示の本質的な範囲から逸脱することなく、特殊な状況または材料が適用されて改良されてもよい。従って、本発明は、本発明を実施するために想定された最良の形態として限定的な特殊な実施形態を開示しているのではなく、本発明は請求の範囲内に納められた全ての実施形態を含んでいるということが意図されている。本発明は、その精神または範囲から逸脱することなく具体的に説明されおよび図示された別のやり方で実施されてもよい。本発明の範囲は請求項のみによって限定される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】側壁内に略三角形状の出口絞り部を備えた周知の供給ノズルの側面図を示している。
【図1B】図1Aのノズルの斜視図を示しており、供給された接着剤のビードがさらに示されている。
【図1C】図1Aのノズルの側面図を示しており、ノズルから供給された接着剤のビードの横断面図と、圧縮後の接着剤のビードの横断面図とがさらに示されている。
【図2A】本発明の第1の実施形態によるノズルの側面図を示している。
【図2B】図2Aの2B−2Bに沿った断面のノズルの断面斜視図を示している。
【図2C】図2Bの2C−2Cに沿った断面のノズルの断面図を示している。
【図2D】図2Aのノズルの出口絞り部の拡大図を示している。
【図2E】図2Aのノズルの斜視図を示しており、供給された接着剤のビードがさらに示されている。
【図2F】図2Aのノズルの側面図を示しており、ノズルから供給された接着剤のビードの横断面図と、圧縮後の接着剤のビードの横断面図とがさらに示されている。
【図3A】本発明の第2の実施形態によるノズルの側面図を示している。
【図3B】図3Aの3B−3Bに沿った断面のノズルの断面斜視図を示している。
【図3C】図3Bの3C−3Cに沿った断面のノズルの断面図を示している。
【図3D】図3Aのノズルの出口絞り部の拡大図を示している。
【図3E】図3Aのノズルの斜視図を示しており、供給された接着剤のビードがさらに示されている。
【図3F】図3Aのノズルの側面図を示しており、ノズルから供給された接着剤のビードの横断面図と、圧縮後の接着剤のビードの横断面図とがさらに示されている。
【符号の説明】
【0017】
2,10 ノズル
4,20,20’ 出口絞り部
8,40,40’ 接着剤のビード
12 ノズルボディ
14 流体通路
16 入口端
18 出口端
22,22’ 上部
24,24’ 基部
26,26’ 肩部
28,28’ 側壁
30,30’ 側壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口端(16)と出口端(18)との間に流体通路(14)が形成されたボディ(12)と;
該ボディの側壁に形成され、肩部(26,26’)によって分離された上部(22,22’)と基部(24,24’)とを備えた出口絞り部(20,20’)と、
を具備していることを特徴とする接着剤(40,40’)供給のためのノズル(10)。
【請求項2】
前記上部(22,22’)は略三角形状であることを特徴とする、請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記基部(24,24’)は略台形状であることを特徴とする、請求項1または2に記載のノズル。
【請求項4】
前記肩部は前記基部(24,24’)の底辺側と略平行であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のノズル。
【請求項5】
前記肩部は前記基部(24,24’)の底辺側と平行でないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のノズル。
【請求項6】
前記基部の底辺側は前記上部(22,22’)の底辺側よりも幅が広いことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のノズル。
【請求項7】
前記基部の上側は前記上部(22,22’)の底辺側よりも幅が広いことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のノズル。
【請求項8】
フロントガラスまたは自動車のどちらかに接着剤のビードを塗布するステップであって、肩部によって分離された上部(42,42’)と基部(44,44’)とからなる横断面形状を備えている前記接着剤のビード(40,40’)を塗布するステップと;
自動車に対してフロントガラスを押し付けるステップであって、前記基部の底辺部が前記押し付けのステップの間にほとんど広がらないように、前記接着剤のビードを圧縮するステップと、
を含んでいることを特徴とする自動車へのフロントガラスの組み付け方法。
【請求項9】
前記押し付けのステップは、前記接着剤のビードが略台形状になり、前記上部の底辺側が前記基部の上側の幅とほぼ同じになるまで行われることを特徴とする、請求項8に記載の組み付け方法。
【請求項10】
入口端(16)と出口端(18)との間に流体通路(14)が形成されたボディ(12)と;
該ボディの側壁に形成され、上部(22,22’)と基部(24,24’)とを備えた出口絞り部(20,20’)と、
を具備し、前記基部は湾曲した壁を備えていることを特徴とする接着剤供給のためのノズル(10)。
【請求項11】
前記上部(22,22’)は略三角形状であることを特徴とする、請求項10に記載のノズル。
【請求項12】
前記基部(24,24’)は略台形状であることを特徴とする、請求項10または11に記載のノズル。
【請求項13】
前記上部(22,22’)は湾曲した壁を備えていることを特徴とする、請求項10に記載のノズル。
【請求項14】
前記上部(22,22’)は直線状の壁を備えていることを特徴とする、請求項10〜13のいずれか一項に記載のノズル。
【請求項15】
入口端(16)と出口端(18)との間に流体通路(14)が形成されたボディ(12)と;
該ボディの側壁に形成され、上部(22,22’)と基部(24,24’)とを備えた出口絞り部(20,20’)と、
を具備した接着剤供給のためのノズル(10)において、
前記出口絞り部の壁の前記上部(22,22’)と基部(24,24’)とは、変曲点(26’)によって分離されていることを特徴とする接着剤供給のためのノズル(10)。
【請求項16】
前記出口絞り部の壁のスロープは、前記変曲点の第1の側においてほぼ一定であり、前記変曲点(26’)の第2の側においてほぼ一定でないことを特徴とする、請求項15に記載のノズル。
【請求項1】
入口端(16)と出口端(18)との間に流体通路(14)が形成されたボディ(12)と;
該ボディの側壁に形成され、肩部(26,26’)によって分離された上部(22,22’)と基部(24,24’)とを備えた出口絞り部(20,20’)と、
を具備していることを特徴とする接着剤(40,40’)供給のためのノズル(10)。
【請求項2】
前記上部(22,22’)は略三角形状であることを特徴とする、請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記基部(24,24’)は略台形状であることを特徴とする、請求項1または2に記載のノズル。
【請求項4】
前記肩部は前記基部(24,24’)の底辺側と略平行であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のノズル。
【請求項5】
前記肩部は前記基部(24,24’)の底辺側と平行でないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のノズル。
【請求項6】
前記基部の底辺側は前記上部(22,22’)の底辺側よりも幅が広いことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のノズル。
【請求項7】
前記基部の上側は前記上部(22,22’)の底辺側よりも幅が広いことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のノズル。
【請求項8】
フロントガラスまたは自動車のどちらかに接着剤のビードを塗布するステップであって、肩部によって分離された上部(42,42’)と基部(44,44’)とからなる横断面形状を備えている前記接着剤のビード(40,40’)を塗布するステップと;
自動車に対してフロントガラスを押し付けるステップであって、前記基部の底辺部が前記押し付けのステップの間にほとんど広がらないように、前記接着剤のビードを圧縮するステップと、
を含んでいることを特徴とする自動車へのフロントガラスの組み付け方法。
【請求項9】
前記押し付けのステップは、前記接着剤のビードが略台形状になり、前記上部の底辺側が前記基部の上側の幅とほぼ同じになるまで行われることを特徴とする、請求項8に記載の組み付け方法。
【請求項10】
入口端(16)と出口端(18)との間に流体通路(14)が形成されたボディ(12)と;
該ボディの側壁に形成され、上部(22,22’)と基部(24,24’)とを備えた出口絞り部(20,20’)と、
を具備し、前記基部は湾曲した壁を備えていることを特徴とする接着剤供給のためのノズル(10)。
【請求項11】
前記上部(22,22’)は略三角形状であることを特徴とする、請求項10に記載のノズル。
【請求項12】
前記基部(24,24’)は略台形状であることを特徴とする、請求項10または11に記載のノズル。
【請求項13】
前記上部(22,22’)は湾曲した壁を備えていることを特徴とする、請求項10に記載のノズル。
【請求項14】
前記上部(22,22’)は直線状の壁を備えていることを特徴とする、請求項10〜13のいずれか一項に記載のノズル。
【請求項15】
入口端(16)と出口端(18)との間に流体通路(14)が形成されたボディ(12)と;
該ボディの側壁に形成され、上部(22,22’)と基部(24,24’)とを備えた出口絞り部(20,20’)と、
を具備した接着剤供給のためのノズル(10)において、
前記出口絞り部の壁の前記上部(22,22’)と基部(24,24’)とは、変曲点(26’)によって分離されていることを特徴とする接着剤供給のためのノズル(10)。
【請求項16】
前記出口絞り部の壁のスロープは、前記変曲点の第1の側においてほぼ一定であり、前記変曲点(26’)の第2の側においてほぼ一定でないことを特徴とする、請求項15に記載のノズル。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【公表番号】特表2008−543541(P2008−543541A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−516331(P2008−516331)
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063265
【国際公開番号】WO2006/134161
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(504274505)シーカ・テクノロジー・アーゲー (227)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月16日(2006.6.16)
【国際出願番号】PCT/EP2006/063265
【国際公開番号】WO2006/134161
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(504274505)シーカ・テクノロジー・アーゲー (227)
【Fターム(参考)】
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