接着剤供給装置及び接着剤供給方法
【課題】シール若しくは接着剤の流動防止のための線幅を細く維持しつつ、均一で高い充填空間を確保できる接着剤供給装置及び接着剤供給方法を提供する。
【解決手段】紫外線の照射により硬化する接着剤Rを供給する接着剤供給装置において、ワークS1に対して線状に接着剤Rを供給する供給部10と、供給部10による接着剤Rの供給とともに、接着剤RにおけるワークS1との界面に対して、界面における接着剤が硬化するのに必要なエネルギーを有する紫外線を照射する照射部11と、を有する。
【解決手段】紫外線の照射により硬化する接着剤Rを供給する接着剤供給装置において、ワークS1に対して線状に接着剤Rを供給する供給部10と、供給部10による接着剤Rの供給とともに、接着剤RにおけるワークS1との界面に対して、界面における接着剤が硬化するのに必要なエネルギーを有する紫外線を照射する照射部11と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、一対のワークを貼り合わせるために、ワークに接着剤を供給する技術に改良を施した接着剤供給装置及び接着剤供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶ディスプレイは、液晶モジュール、操作用のタッチパネル、表面を保護する保護パネル(カバーパネル)等を積層することにより構成されている。これらの液晶モジュール、タッチパネル、保護パネル等(以下、ワークと呼ぶ)は、液晶ディスプレイの筐体に組み込まれる。
【0003】
このようなワーク同士を貼り合わせるためには、接着シートを用いる方法と樹脂の接着剤を用いる方法がある。接着シートは、接着剤に比べて比較的高価であり、剥離紙の剥離等の工程が必要となる。このため、近年のコスト削減の要求などから、接着剤を用いた貼り合わせが主流となってきている。
【0004】
また、積層される各ワークの間に空気の層が入ると、外光反射により、液晶の表示面の視認性が低下する。これに対処するため、各ワークを貼り合せる際に、接着剤によって各ワークの間(ギャップ)を埋めることにより、接着層を形成することが行われている。
【0005】
かかる接着層は、各ワークの間のスペーサとして、ワークを保護する機能を有する。また、液晶ディスプレイの大型化などから、ワークも大面積となり、変形が生じやすい。このため、変形を吸収してワークを保護するために、接着層に要求される厚みが増える傾向にある。たとえば、数100μm厚が要求されるようになってきている。
【0006】
かかる厚みを確保すると、必要な接着剤の量が増える。すると、ワークに供給された接着剤が流動して、ワークからはみ出しやすくなる。そこで、流動の少ない高粘度の樹脂(レジン)を用いる方法が考えられる。しかし、かかる場合にも、接着剤の塗布位置等、プロセス条件調整を厳密に行わないと、貼り合わせ時に、接着剤が所定の領域からはみ出してしまう場合がある。
【0007】
これに対処するため、あらかじめ、塗布領域を規定する外周に、高粘度の樹脂、仮硬化樹脂等によってシール(以下、土手部とする)を形成するシール方式がある(特許文献1参照)。これは、まず、ワークに、樹脂による接着剤を枠状に塗布して仮硬化させることにより、土手部を形成する。その後、土手部の内側に樹脂による接着剤を充填して、ワークを貼り合わせる。このシール方式では、外周に土手部があるので、この土手部によって、貼り合わせ時の接着剤の流動によるはみ出しを防止できる。
【0008】
また、液晶モジュールは、基板(これもワークに含まれる)間に液晶(機能材料)を充填した機能パネルとして構成されている。機能材料を充填して基板同士を貼り合わせる場合、接着剤としては、一般的に、紫外線硬化型の樹脂が用いられる。このとき、樹脂は、接着剤としての役割の他に、基板間に機能材料を充填する空間を形成するためのスペーサ、機能材料をシールするためのシール材としての役割も果たす。
【0009】
さらに、上記の液晶モジュールと保護パネル等のワークを積層する場合においても、光学的乱反射をなくすために、ワーク間を、ワークに屈折率が近い物質(これも、機能材料として捉えることができる)で充填する場合もある。この場合、充填物質は、ワークを接着する機能も担っている。
【0010】
このような機能材料のシール材としての役割を果たすために、接着剤によって、基板の片面の縁に充填領域を形成する技術が、特許文献2に記載されている。これは、接着剤を仮硬化させることにより、充填される液晶とのコンタミネーションを防止する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010−66711号公報
【特許文献2】特開2003−5194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、現在では、小型の携帯電話から大型のテレビまで、表示画面については、大型のものが求められている。しかし、表示装置が組み込まれた装置全体としては、持ち運びの容易さや設置スペースの制約等の観点から、大型化を抑える必要がある。
【0013】
たとえば、液晶ディスプレイにおいては、液晶の充填領域は、表示画面の大きさに直接つながる部分であるため、広い面積を確保することが望まれる。一方、充填領域を画するために、接着剤が塗布される部分は、直接表示画面を構成するわけではない。同様に、表面の保護パネルの化粧枠も、その領域が狭められる傾向にある。このため、上述の接着、スペーサ及びシール材としての要求を満たすのであれば、塗布部分の幅は、可能な限り細く(たとえば、1mm以下)することが望ましい。
【0014】
しかし、一般的に、塗布幅を細くするためには、塗布量を少なくしなければならず、充填空間として十分な高さを確保し難い。塗布量を多くすれば、塗布厚を高くすることはできるが、塗布線幅も広くなってしまうからである。これは、塗布後のレベリング(平滑化、平坦化)により、塗布線幅が拡大するため、塗布量が多くなれば、それだけレベリングが大きくなることによる。このため、充填空間の高さを確保するためには、塗布幅がある程度広くなることは許容せざるを得ない状況であった。
【0015】
特許文献1のように、紫外線硬化型の接着剤の塗布によって土手部を形成し、その後、紫外線照射により硬化させたとしても、レベリングは、接着剤がワークに接した瞬間から起こる。このため、塗布量が多いと、レベリングの影響を皆無にすることはできず、細線化には限定された効果しか望めない。
【0016】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、シール若しくは接着剤の流動防止のための線幅を細く維持しつつ、均一で高い充填空間を確保できる接着剤供給装置及び接着剤供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するため、本発明は、貼り合わせ対象となるワークに対して、電磁波の照射により硬化する接着剤を供給する接着剤供給装置において、ワークに対して線状に接着剤を供給する供給部と、前記供給部による接着剤の供給とともに、接着剤における前記ワークとの界面に対して、界面における接着剤の少なくとも一部が硬化するのに必要なエネルギーを有する電磁波を照射する照射部と、を有することを特徴とする。
【0018】
以上のような発明では、接着剤とワークとの界面に電磁波が照射されるので、当該界面から硬化が進行する。特に、界面は外気に曝されていないので、酸素阻害等の硬化阻害要因が排除され、硬化が進行しやすい。すると、単純に接着剤の表面から電磁波を照射した場合に比べて、ワークと接着剤との接着が強固となり、レベリングが抑制される。このため、接着剤の量を多くして、高い充填空間を確保しつつ、細い線幅を維持できる。一方、接着剤の表面側は、仮硬化状態となるので、粘着性が維持され、接着力を確保できる。
【0019】
他の態様は、前記ワークは、前記電磁波を透過する材質であり、前記照射部は、前記ワークにおける接着剤が供給される面と反対側の面から、前記接着剤に電磁波を照射する位置に配置されていることを特徴とする。
以上のような態様では、ワークの接着剤の供給面とは反対側の面から電磁波を照射することにより、界面の硬化を容易に実現できる。
【0020】
他の態様は、前記照射部は、前記ワークにおける接着剤が供給される面と同じ面側から、前記接着剤に電磁波を照射する位置に配置されていることを特徴とする。
以上のような態様では、ワークが電磁波を透過しない材質であっても、界面の硬化を実現できる。
【0021】
他の態様は、前記照射部は、前記接着剤における前記ワークとの界面に対して、前記電磁波を集中させる集中部材を有することを特徴とする。
以上のような態様では、ワークの接着剤の供給面側から電磁波を照射することができるので、装置の簡略化が可能となる。
【0022】
他の態様は、ワークを透過した電磁波の拡散を抑制するカバーが、前記照射部に対してワークを挟んで対になる位置に設けられていることを特徴とする。
以上のような態様では、カバーを設けることにより、予想外の電磁波の拡散を防止することができる。
【0023】
他の態様は、前記接着剤の供給とともに、線状のスペーサ材を供給するスペーサ材供給部を有することを特徴とする。
他の態様は、前記スペーサ材を、ワークに対して押さえつける押さえ部を有することを特徴とする。
他の態様は、前記スペーサ材を、切断する切断部を有することを特徴とする。
以上のような態様では、スペーサ材の表面に接着剤を付着させながら、ワークに対して接着剤を供給できるので、確実に、高さを確保することができる。
【0024】
他の態様は、前記接着剤中に、スペーサ材が混入されていることを特徴とする。
以上のような態様では、スペーサ材のための特別な供給部を不要として、高さを確保できるので、装置の簡略化が可能となる。
【0025】
他の態様は、前記スペーサ材は、弾性を有することを特徴とする。
以上のような態様では、ワークの貼り合わせ時に加えられる加重、その後の変位が、スペーサ材の弾性変形により吸収されるので、適度な間隔調整を実現できる。
【0026】
なお、上記の各態様は、接着剤供給方法の発明としても捉えることができる。
【発明の効果】
【0027】
以上、説明したように、本発明によれば、シール若しくは接着剤の流動防止のための線幅を細く維持しつつ、均一で高い充填空間を確保できる接着剤供給装置及び接着剤供給方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態における接着剤の供給部と紫外線の照射部のワーク端間の移動開始(A)、移動終了(B)を示す説明図である。
【図2】図1の実施形態における貼合部の真空引き時(A)、貼り合わせ時(B)を示す説明図である。
【図3】図1の実施形態において、接着剤の塗布幅よりも、紫外線の照射幅が狭い場合を示す説明図である。
【図4】未硬化接着剤のレベリング進行状態(A)と、硬化によるレベリング抑制状態(B)を示す説明図である。
【図5】図1の実施形態において、接着剤の塗布幅よりも、紫外線の照射幅が広い場合を示す説明図である。
【図6】紫外線の集光角を小さくした態様の一例を示す説明図である。
【図7】線状のスペーサ材の供給部を有する態様の一例を示す説明図である。
【図8】スペーサ材の押さえ部を有する態様の一例を示す説明図である。
【図9】スペーサ材を切断する装置を有する態様の一例を示す説明図である。
【図10】接着剤にスペーサ材を混入させた態様の一例を示す説明図である。
【図11】接着剤が供給される面側から紫外線を照射する態様の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態(以下、実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。
[A.構成]
まず、本実施形態の接着剤供給装置(以下、本装置と呼ぶ)の構成を説明する。本装置は、図1及び図2に示すように、接着剤供給部1、貼合部2等を有している。貼り合わせの対象となるワークS1は、これらの接着剤供給部1及び貼合部2との間を、搬送部3によって移動可能に設けられている。なお、ワークS1は、電磁波を透過する材質によって形成されている。
【0030】
接着剤供給部1は、供給部10、照射部11等を有している。供給部10は、たとえば、図示しないタンクに収容された接着剤Rを、配管を介してワークS1に滴下塗布するディスペンサを備えている。本実施形態で用いる接着剤Rとしては、たとえば、紫外線(UV)硬化樹脂を用いることが考えられる。
【0031】
供給部10は、たとえば、絞り機構、可動のシャッター、ノズル交換等により、接着剤Rの吐出の口径が調整可能に設けられている。このため、接着剤Rの塗布幅は、吐出の口径、供給圧力、供給量等によって、所望の幅に調整可能に構成されている。また、供給部10は、たとえば、走査装置10a等の駆動機構によって走査されることにより、ワークS1の縁に沿って枠状に移動可能に構成されている。
【0032】
照射部11は、たとえば、図示しない光源からのUV光を、光ファイバを介して接着剤Rに照射する照射装置を備えている。なお、照射部11自体を光源としてもよい。この照射部11は、ワークS1を挟んで、供給部10に対向する位置に設けられている。ただし、以下に述べる照射が可能であれば、その位置、角度は問わない。
【0033】
照射部11は、たとえば、走査装置11a等の駆動機構によって走査されることにより、ワークS1の縁に沿って枠状に移動可能に構成されている。かかる構成により、照射部11は、供給部10による接着剤Rの供給とともに(供給と同時に若しくは供給に追従させて)、接着剤RにおけるワークS1との界面にUV光を照射可能に設けられている。
【0034】
この照射部11は、硬化後の接着剤Rが所望の幅に維持されるように、照射幅が調整可能に設けられている。この場合、照射光をスポット若しくは細線状とする光学部材を備えもよい。この光学部材としては、たとえば、集光レンズ、スリット、シャッタ、導光板等が適用可能である(集中部材)。これにより、適当な強度分布と集光・広がりのプロファイルを持つUV光を、所望の出力で照射できる。照射エネルギーの強度としては、最低限、界面における接着剤Rの少なくとも一部が硬化する程度であればよい。
【0035】
図4における11bは、照射部11に設けられた集光レンズの一例である。光学部材として、集光レンズ11bのような集光部材を用いた場合には、集光されたUV照射光は、接着剤RにおけるワークS1との界面にのみ集中して、ワークS1から離れるに従って広がるように設定されている。これは、界面以外の場所(たとえば、ディスペンサのノズル等)に当たって、接着剤Rが硬化することを防止するためである。
【0036】
照射強度は、光源の強度調整による他、かかる光学部材によっても調整可能である。なお、照射部11による照射口径、照射幅、照射強度等は、照射部11の昇降によっても調整可能である。
【0037】
なお、たとえば、照射部11自体の移動は限定的にして、照射角度を変更させる駆動機構若しくは光学部材を設けることも可能である。この場合、照射部11からの照射強度及び照射幅等を調整しながら、照射方向を変えることにより、接着剤Rの界面に追従させることができる。
【0038】
また、図5に示すように、供給部10の周囲若しくは近傍には、カバー部材10bを設けることも可能である。このカバー部材10bは、たとえば、照射部11からのUV光の散乱光が漏れて、周囲(たとえば、タンク、配管内の接着剤等、作業者)に影響を与えることを防止するものである。このため、カバー部材10bは、光の反射を抑える材質とするか、光の反射を抑える表面処理をしておくことが望ましい。
【0039】
貼合部2は、図2に示すように、ワークS1に対して、ワークS2を貼り合わせる貼合装置20を有している。貼合装置20は、たとえば、真空チャンバ21、押圧装置22等を有している。
【0040】
真空チャンバ21は、貼り合わされるワークS1、S2の周囲を覆い、搬送部3との間を密閉することにより、真空室を構成するチャンバである。真空チャンバ21には、真空源(減圧装置)である減圧ポンプ(図示せず)が、配管を介して接続されている。また、真空チャンバ21は、図示しない昇降機構によって、昇降可能に設けられている。
【0041】
押圧装置22は、ワークS2を押圧することにより、ワークS1に対してワークS2を貼り付ける装置である。この押圧装置22は、たとえば、ワークS2を保持する保持部、保持部を昇降させる昇降機構などにより構成されている。
【0042】
搬送部3は、ワークS1を、接着剤供給部1から貼合部2へと搬送する搬送装置30を有している。搬送装置30としては、たとえば、ターンテーブル、コンベア等及びその駆動機構が考えられる。ただし、上記各部の間でワークを搬送可能な装置であれば、どのような装置であってもよい。なお、搬送装置30におけるワークS1が載置される載置部31は、光を透過する材質(たとえば、ガラス、石英、樹脂)によって形成されている。
【0043】
なお、本実施形態は、貼り合わせ前に、接着剤Rによるシール部内に、充填材料(液晶等)を充填するために、充填材料を供給する供給装置を備えているものとする。かかる供給装置は、周知の技術であるため、説明を省略する。
【0044】
[B.作用]
以上のような構成を有する本実施形態の作用を、図1〜6を参照して説明する。
【0045】
まず、図1に示すように、搬送装置30は、前工程から載置部31に載置されたワークS1を、接着剤供給部1に搬送する。接着剤供給部1においては、図1(A)(B)に示すように、供給部10が、ワークS1に対して接着剤Rを供給する。
【0046】
たとえば、ディスペンサのノズルからワークS1に接着剤Rを滴下する。このディスペンサを、走査装置10aによって走査することによって、ワークS1の縁の枠状に、接着剤Rを滴下塗布していく。たとえば、塗布幅は、僅かなレベリングを考慮して、所望の幅と同等かやや細い程度とすることが考えられる。
【0047】
これと同時に、照射部11によって、UV光を接着剤RにおけるワークS1の界面に照射する。走査装置11aは、照射部11を走査することによって、ワークS1への接着剤Rの塗布に照射を追従させる。
【0048】
照射幅(スポット径、スリット幅等)は、たとえば、塗布幅と同じにする。ただし、図3に示すように、照射幅を塗布幅よりも小さくするか、図5に示すように、照射幅を塗布幅よりも大きくするかは、自由である。図6に示すように、照射角を狭く、細くすることも可能である。
【0049】
ここで、接着剤RにおけるワークS1との界面は、外気から遮断されているため、酸素阻害もなく、UV光が集中するため、比較的硬化が進行しやすい。よって、かかる部分が硬化部Hとなる。
【0050】
たとえば、図4(A)に示すように、UV照射がない場合、接着剤Rの粘度は低く、時間の経過に従ってレベリングが進行する。そして、貼り合わせ時には、潰れる量、広がる面積が大きくなってしまう。一方、本実施形態のように、界面へのUV照射を行った場合、図4(B)に示すように、硬化部Hが形成され、レベリングは進行しない。
【0051】
さらに、接着剤Rの表面は、大気に接していて酸素阻害があり、UV光は拡散しているため、硬化の進行が遅く、仮硬化状態となる。これにより、クッション性、粘着性を維持しつつ、塗布高さが維持される。また、仮硬化状態となるので、レベリングも抑制される。
【0052】
次に、図示しない充填装置(充填材供給部)によって、接着剤Rによるシールの内部に、液晶等の機能材料を供給する。その後、搬送装置30は、接着剤R及び機能材料が供給されたワークS1を、貼合部2に搬送する。貼合部2においては、図2(A)に示すように、押圧装置22にワークS2を保持した真空チャンバ21が下降して、ワークS1、S2の周囲が密閉される。そして、減圧ポンプが作動することにより、真空チャンバ21内の減圧(排気)が開始する。
【0053】
真空引き完了後は、押圧装置22が下降することにより、ワークS1に対して、ワークS2が押し付けられる(図2(B))。このとき、シール部の表面は、上記のようにクッション性、粘着性が維持されている。このため、貼り合わせ時の歪み等は吸収される。また、接着剤RにおけるワークS1との界面は、上記のように硬化が進んでいる。このため、厚みを維持するスペーサの役目を果たして、潰れによる広がりを抑制できる。これにより、貼り合わせ厚の均一性を実現できる。
【0054】
その後、排気路の開放等により真空破壊が行われ、真空チャンバ21が上昇することにより、貼り合わされたワークS1、S2は大気開放される。さらに、搬送装置30が、ワークS1、S2を貼合部2から次工程へと搬出する。たとえば、搬送装置30は、ワークS1、S2を、電磁波の照射により接着剤Rを本硬化させる本硬化部へと移動させる。
【0055】
[C.効果]
以上のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。接着剤RとワークS1との界面にUV光が集中して照射され、当該界面に硬化部Hが形成される。このため、単純に接着剤Rの表面からUV光を照射した場合に比べて、ワークS1と接着剤Rとの接着が強固となり、レベリングが抑制される。このような抑制効果は、照射幅や照射角にかかわらず、程度の差が生じる可能性はあるが、得ることができる。
【0056】
このため、接着剤Rの量を多くして、高い充填空間を確保しつつ、細い線幅を維持できる。一方、接着剤Rの表面側は、仮硬化状態となるので、粘着性が維持され、接着力を確保できる。このように、接着剤Rの種類、物性等に左右されにくく、高詳細、高アスペクト比のシール塗布を行うことができる。
【0057】
[D.他の実施形態]
本発明は、上記のような実施形態に限定されるものではない。たとえば、図7〜図10に示すように、ワークS1、S2間に、一定の間隔を得るために、スペーサ材Pを用いることも可能である。このスペーサ材Pは、所望の間隔を維持できるものであれば、どのような形状、材質であってもよい。
【0058】
たとえば、スペーサ材Pとして、図7〜図9に示すような線状、糸状(ファイバー)のもの、図10に示すような粒状のものとすることが考えられる。その材質は、たとえば、ガラス、カーボン、金属、樹脂等とすることが考えられる。スペーサ材Pの断面形状は、たとえば、丸形、方形、半円形等が考えられる。ワークS1との接触面は、平面となっていることが、より好ましい。また、材料自体により、若しくはチューブ状、中空状とすることにより、クッション性、柔軟性、弾力性を持たせてもよい。これにより、貼り合わせ時の間隔調整や、許容加重の増大が可能となる。
【0059】
図7は、所望の間隔とほぼ同じ太さを持つ糸状のスペーサ材Pを供給する供給部12を設けた態様である。この態様では、ワークS1に対して、供給部10から接着剤Rを供給するとともに供給部12からスペーサ材Pを供給しながら、照射部11からのUV光により界面の硬化を行う。
【0060】
図8は、ローラ等の押さえ部13を設けた態様である。押さえ部13は、図示しない駆動機構によって、昇降可能に且つ供給部10に追従して移動可能に設けられている。この態様では、供給部10は、図7と同様のスペーサ材PのワークS1との接触面側のみに接着剤Rを供給する。そして、押さえ部13によってスペーサ材PをワークS1側に押し付けながら、照射部11からのUV光により界面の硬化を行う。
【0061】
図9は、図7と同様のスペーサ材Pの切断部14を設けた態様である。切断部14は、たとえば、図示しない駆動機構によって、接着剤Rの塗布端において、スペーサ材Pを切断するカッタを有している。
【0062】
図10は、スペーサ材Pを粒状として、接着剤Rに混入した態様である。この態様では、供給部10から接着剤Rを供給するとともに、スペーサ材Pが供給される。これにより、特別にスペーサ材Pを供給する装置を設けることなく、間隔の確保が可能となる。
【0063】
さらに、照射部11を、ワークS1を挟んで供給部10と反対側に設けるのではなく、図11に示すように、供給部10と同じ側に設けることも可能である。この場合も、照射部11は、単純に接着剤Rの上方からUV光を照射するのではない。照射部11は、光学部材によって、接着剤RにおけるワークS1との界面に、UV光を集光させる。
【0064】
これにより、接着剤Rの界面における硬化を促進させ、上記と同様の効果を得ることができる。図11では、供給部10とともに移動する照射部11によって、供給部10の進行方向から、接着剤Rの界面に向けてエネルギーを集中させるように電磁波を照射している。照射部11は、供給部10の進行方向に先行して移動する態様(図11)でも、供給部10の進行方向に後方から追従する態様でも、供給部10の進行方向の横から追従する態様でもよい。この場合、供給部10と照射部11を一体のユニットとしたり、駆動機構を共通化したりすることにより、装置構成を簡略化することができる。また、ワークS1や載置部31が電磁波を透過しない材質のものであってもよい。
【0065】
なお、この場合も、照射部11自体の移動は限定的にして、照射角度を変更させる駆動機構若しくは光学部材を設けることも可能である。これにより、照射部11からの照射強度及び照射幅等を調整しながら、照射方向を変えることにより、接着剤Rの界面に追従させることができる。
【0066】
また、供給部及び照射部の数は、装置の構造及び規模、所望のタクト、コスト等に応じて、最適な数を選択して設計すればよい。また、走査方法等は、自由である。たとえば、複数の供給部及び照射部を用意し、異なる直線部分等について、同時並行的に塗布と照射を行うことにより、タクトタイムを短縮することができる。
【0067】
さらに、シール部内若しくはその近傍に供給する充填材料は、機能材料には限定されない。単に、接着剤を充填して、全面貼り合わせによる接着層の形成に用いてもよい。この場合も、表示装置の画面を避けて、狭い幅でありながら厚みが得られるシール部を形成できるので、画面内における境界の残留を防止して、接着層の厚みを確保できる。充填材供給部の走査方向は、上下、前後左右、回転等、自由に設計可能である。この場合も、多連のディスペンサを用いて効率良く充填させてもよい。その他、ローラによって塗布する装置、スキージによって塗布する装置、スピン塗布する装置等、種々の装置が適用可能である。
【0068】
また、使用する接着剤の種類は、紫外線硬化樹脂には限定されない。他の電磁波により硬化する樹脂も適用可能である。赤外線等の熱により硬化する熱硬化型樹脂等も利用可能である。
【0069】
シール部を構成する線は、その形状を問わない。方形、円形、楕円形、その他の多角形、曲線円形であってもよい。本発明を、特定領域の一部分のシールに使用してもよい。このため、接着剤を塗布する線は、必ずしも閉じた領域を構成していなくてもよい。直線状、屈曲線状、曲線状であってもよい。
【0070】
また、シール部を形成する箇所は、領域の外周を規定する線には限らない。たとえば、円形のディスクの内周円上のように、領域の内周を規定する線であってもよい。
【0071】
また、貼合部、搬送部についても、現在又は将来において利用可能なあらゆる方法、装置が適用可能である。たとえば、貼合部について、ワークを保持する構造も、たとえば、メカチャック、静電チャック、真空チャック等、どのような構造であってもよい。真空貼り合わせを行う空間も、下側の部材が昇降して密閉、開放を行う構造でも、ワークの通路のみが開閉する構造でもよい。さらに、必ずしも真空貼合装置でなくてもよく、大気中で貼り合わせを行う装置でもよい。
【0072】
搬送装置も、たとえば、ターンテーブル、コンベア、送り機構等、どのような構造であってもよい。載置部は、たとえば、サセプタ等が考えられるが、ワークを支持できる支持体として機能するものであれば、どのような材質、形状であってもよい。水平方向に支持するものには限らない。ワークの搬送方法も、載置部に載置される場合には限定されない。移動する台上に直接載置されていてもよい。
【0073】
さらに、上記の作業の一部を手動により行う方法も考えられる。たとえば、シール部近傍への充填材の供給等を、塗布、滴下等のための用具を用いて、作業者が行うこともできる。ワークの移動についても、作業者が手作業で行ってもよい。ワークの移動については、作業者が手作業で行ってもよい。
【0074】
また、貼り合せ対象となるワークは、液晶モジュールの基板等が、典型例である。しかし、本発明の適用対象となる一対のワークは、一対の貼着対象となり得るものであれば、その大きさ、形状、材質等は問わない。たとえば、表示装置を構成する各種の部材、半導体ウェーハ、光ディスク等にも適用可能である。ワークの一方に接着剤を供給する場合のみならず、双方に供給する場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
1…接着剤供給部
2…貼合部
3…搬送部
10、12…供給部
10a、11a…走査装置
10b…カバー部材
11…照射部
11b…集光レンズ
13…押さえ部
14…切断部
20…貼合装置
21…真空チャンバ
22…押圧装置
30…搬送装置
31…載置部
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、一対のワークを貼り合わせるために、ワークに接着剤を供給する技術に改良を施した接着剤供給装置及び接着剤供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、液晶ディスプレイは、液晶モジュール、操作用のタッチパネル、表面を保護する保護パネル(カバーパネル)等を積層することにより構成されている。これらの液晶モジュール、タッチパネル、保護パネル等(以下、ワークと呼ぶ)は、液晶ディスプレイの筐体に組み込まれる。
【0003】
このようなワーク同士を貼り合わせるためには、接着シートを用いる方法と樹脂の接着剤を用いる方法がある。接着シートは、接着剤に比べて比較的高価であり、剥離紙の剥離等の工程が必要となる。このため、近年のコスト削減の要求などから、接着剤を用いた貼り合わせが主流となってきている。
【0004】
また、積層される各ワークの間に空気の層が入ると、外光反射により、液晶の表示面の視認性が低下する。これに対処するため、各ワークを貼り合せる際に、接着剤によって各ワークの間(ギャップ)を埋めることにより、接着層を形成することが行われている。
【0005】
かかる接着層は、各ワークの間のスペーサとして、ワークを保護する機能を有する。また、液晶ディスプレイの大型化などから、ワークも大面積となり、変形が生じやすい。このため、変形を吸収してワークを保護するために、接着層に要求される厚みが増える傾向にある。たとえば、数100μm厚が要求されるようになってきている。
【0006】
かかる厚みを確保すると、必要な接着剤の量が増える。すると、ワークに供給された接着剤が流動して、ワークからはみ出しやすくなる。そこで、流動の少ない高粘度の樹脂(レジン)を用いる方法が考えられる。しかし、かかる場合にも、接着剤の塗布位置等、プロセス条件調整を厳密に行わないと、貼り合わせ時に、接着剤が所定の領域からはみ出してしまう場合がある。
【0007】
これに対処するため、あらかじめ、塗布領域を規定する外周に、高粘度の樹脂、仮硬化樹脂等によってシール(以下、土手部とする)を形成するシール方式がある(特許文献1参照)。これは、まず、ワークに、樹脂による接着剤を枠状に塗布して仮硬化させることにより、土手部を形成する。その後、土手部の内側に樹脂による接着剤を充填して、ワークを貼り合わせる。このシール方式では、外周に土手部があるので、この土手部によって、貼り合わせ時の接着剤の流動によるはみ出しを防止できる。
【0008】
また、液晶モジュールは、基板(これもワークに含まれる)間に液晶(機能材料)を充填した機能パネルとして構成されている。機能材料を充填して基板同士を貼り合わせる場合、接着剤としては、一般的に、紫外線硬化型の樹脂が用いられる。このとき、樹脂は、接着剤としての役割の他に、基板間に機能材料を充填する空間を形成するためのスペーサ、機能材料をシールするためのシール材としての役割も果たす。
【0009】
さらに、上記の液晶モジュールと保護パネル等のワークを積層する場合においても、光学的乱反射をなくすために、ワーク間を、ワークに屈折率が近い物質(これも、機能材料として捉えることができる)で充填する場合もある。この場合、充填物質は、ワークを接着する機能も担っている。
【0010】
このような機能材料のシール材としての役割を果たすために、接着剤によって、基板の片面の縁に充填領域を形成する技術が、特許文献2に記載されている。これは、接着剤を仮硬化させることにより、充填される液晶とのコンタミネーションを防止する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2010−66711号公報
【特許文献2】特開2003−5194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、現在では、小型の携帯電話から大型のテレビまで、表示画面については、大型のものが求められている。しかし、表示装置が組み込まれた装置全体としては、持ち運びの容易さや設置スペースの制約等の観点から、大型化を抑える必要がある。
【0013】
たとえば、液晶ディスプレイにおいては、液晶の充填領域は、表示画面の大きさに直接つながる部分であるため、広い面積を確保することが望まれる。一方、充填領域を画するために、接着剤が塗布される部分は、直接表示画面を構成するわけではない。同様に、表面の保護パネルの化粧枠も、その領域が狭められる傾向にある。このため、上述の接着、スペーサ及びシール材としての要求を満たすのであれば、塗布部分の幅は、可能な限り細く(たとえば、1mm以下)することが望ましい。
【0014】
しかし、一般的に、塗布幅を細くするためには、塗布量を少なくしなければならず、充填空間として十分な高さを確保し難い。塗布量を多くすれば、塗布厚を高くすることはできるが、塗布線幅も広くなってしまうからである。これは、塗布後のレベリング(平滑化、平坦化)により、塗布線幅が拡大するため、塗布量が多くなれば、それだけレベリングが大きくなることによる。このため、充填空間の高さを確保するためには、塗布幅がある程度広くなることは許容せざるを得ない状況であった。
【0015】
特許文献1のように、紫外線硬化型の接着剤の塗布によって土手部を形成し、その後、紫外線照射により硬化させたとしても、レベリングは、接着剤がワークに接した瞬間から起こる。このため、塗布量が多いと、レベリングの影響を皆無にすることはできず、細線化には限定された効果しか望めない。
【0016】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、シール若しくは接着剤の流動防止のための線幅を細く維持しつつ、均一で高い充填空間を確保できる接着剤供給装置及び接着剤供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の目的を達成するため、本発明は、貼り合わせ対象となるワークに対して、電磁波の照射により硬化する接着剤を供給する接着剤供給装置において、ワークに対して線状に接着剤を供給する供給部と、前記供給部による接着剤の供給とともに、接着剤における前記ワークとの界面に対して、界面における接着剤の少なくとも一部が硬化するのに必要なエネルギーを有する電磁波を照射する照射部と、を有することを特徴とする。
【0018】
以上のような発明では、接着剤とワークとの界面に電磁波が照射されるので、当該界面から硬化が進行する。特に、界面は外気に曝されていないので、酸素阻害等の硬化阻害要因が排除され、硬化が進行しやすい。すると、単純に接着剤の表面から電磁波を照射した場合に比べて、ワークと接着剤との接着が強固となり、レベリングが抑制される。このため、接着剤の量を多くして、高い充填空間を確保しつつ、細い線幅を維持できる。一方、接着剤の表面側は、仮硬化状態となるので、粘着性が維持され、接着力を確保できる。
【0019】
他の態様は、前記ワークは、前記電磁波を透過する材質であり、前記照射部は、前記ワークにおける接着剤が供給される面と反対側の面から、前記接着剤に電磁波を照射する位置に配置されていることを特徴とする。
以上のような態様では、ワークの接着剤の供給面とは反対側の面から電磁波を照射することにより、界面の硬化を容易に実現できる。
【0020】
他の態様は、前記照射部は、前記ワークにおける接着剤が供給される面と同じ面側から、前記接着剤に電磁波を照射する位置に配置されていることを特徴とする。
以上のような態様では、ワークが電磁波を透過しない材質であっても、界面の硬化を実現できる。
【0021】
他の態様は、前記照射部は、前記接着剤における前記ワークとの界面に対して、前記電磁波を集中させる集中部材を有することを特徴とする。
以上のような態様では、ワークの接着剤の供給面側から電磁波を照射することができるので、装置の簡略化が可能となる。
【0022】
他の態様は、ワークを透過した電磁波の拡散を抑制するカバーが、前記照射部に対してワークを挟んで対になる位置に設けられていることを特徴とする。
以上のような態様では、カバーを設けることにより、予想外の電磁波の拡散を防止することができる。
【0023】
他の態様は、前記接着剤の供給とともに、線状のスペーサ材を供給するスペーサ材供給部を有することを特徴とする。
他の態様は、前記スペーサ材を、ワークに対して押さえつける押さえ部を有することを特徴とする。
他の態様は、前記スペーサ材を、切断する切断部を有することを特徴とする。
以上のような態様では、スペーサ材の表面に接着剤を付着させながら、ワークに対して接着剤を供給できるので、確実に、高さを確保することができる。
【0024】
他の態様は、前記接着剤中に、スペーサ材が混入されていることを特徴とする。
以上のような態様では、スペーサ材のための特別な供給部を不要として、高さを確保できるので、装置の簡略化が可能となる。
【0025】
他の態様は、前記スペーサ材は、弾性を有することを特徴とする。
以上のような態様では、ワークの貼り合わせ時に加えられる加重、その後の変位が、スペーサ材の弾性変形により吸収されるので、適度な間隔調整を実現できる。
【0026】
なお、上記の各態様は、接着剤供給方法の発明としても捉えることができる。
【発明の効果】
【0027】
以上、説明したように、本発明によれば、シール若しくは接着剤の流動防止のための線幅を細く維持しつつ、均一で高い充填空間を確保できる接着剤供給装置及び接着剤供給方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態における接着剤の供給部と紫外線の照射部のワーク端間の移動開始(A)、移動終了(B)を示す説明図である。
【図2】図1の実施形態における貼合部の真空引き時(A)、貼り合わせ時(B)を示す説明図である。
【図3】図1の実施形態において、接着剤の塗布幅よりも、紫外線の照射幅が狭い場合を示す説明図である。
【図4】未硬化接着剤のレベリング進行状態(A)と、硬化によるレベリング抑制状態(B)を示す説明図である。
【図5】図1の実施形態において、接着剤の塗布幅よりも、紫外線の照射幅が広い場合を示す説明図である。
【図6】紫外線の集光角を小さくした態様の一例を示す説明図である。
【図7】線状のスペーサ材の供給部を有する態様の一例を示す説明図である。
【図8】スペーサ材の押さえ部を有する態様の一例を示す説明図である。
【図9】スペーサ材を切断する装置を有する態様の一例を示す説明図である。
【図10】接着剤にスペーサ材を混入させた態様の一例を示す説明図である。
【図11】接着剤が供給される面側から紫外線を照射する態様の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の実施の形態(以下、実施形態と呼ぶ)について、図面を参照して具体的に説明する。
[A.構成]
まず、本実施形態の接着剤供給装置(以下、本装置と呼ぶ)の構成を説明する。本装置は、図1及び図2に示すように、接着剤供給部1、貼合部2等を有している。貼り合わせの対象となるワークS1は、これらの接着剤供給部1及び貼合部2との間を、搬送部3によって移動可能に設けられている。なお、ワークS1は、電磁波を透過する材質によって形成されている。
【0030】
接着剤供給部1は、供給部10、照射部11等を有している。供給部10は、たとえば、図示しないタンクに収容された接着剤Rを、配管を介してワークS1に滴下塗布するディスペンサを備えている。本実施形態で用いる接着剤Rとしては、たとえば、紫外線(UV)硬化樹脂を用いることが考えられる。
【0031】
供給部10は、たとえば、絞り機構、可動のシャッター、ノズル交換等により、接着剤Rの吐出の口径が調整可能に設けられている。このため、接着剤Rの塗布幅は、吐出の口径、供給圧力、供給量等によって、所望の幅に調整可能に構成されている。また、供給部10は、たとえば、走査装置10a等の駆動機構によって走査されることにより、ワークS1の縁に沿って枠状に移動可能に構成されている。
【0032】
照射部11は、たとえば、図示しない光源からのUV光を、光ファイバを介して接着剤Rに照射する照射装置を備えている。なお、照射部11自体を光源としてもよい。この照射部11は、ワークS1を挟んで、供給部10に対向する位置に設けられている。ただし、以下に述べる照射が可能であれば、その位置、角度は問わない。
【0033】
照射部11は、たとえば、走査装置11a等の駆動機構によって走査されることにより、ワークS1の縁に沿って枠状に移動可能に構成されている。かかる構成により、照射部11は、供給部10による接着剤Rの供給とともに(供給と同時に若しくは供給に追従させて)、接着剤RにおけるワークS1との界面にUV光を照射可能に設けられている。
【0034】
この照射部11は、硬化後の接着剤Rが所望の幅に維持されるように、照射幅が調整可能に設けられている。この場合、照射光をスポット若しくは細線状とする光学部材を備えもよい。この光学部材としては、たとえば、集光レンズ、スリット、シャッタ、導光板等が適用可能である(集中部材)。これにより、適当な強度分布と集光・広がりのプロファイルを持つUV光を、所望の出力で照射できる。照射エネルギーの強度としては、最低限、界面における接着剤Rの少なくとも一部が硬化する程度であればよい。
【0035】
図4における11bは、照射部11に設けられた集光レンズの一例である。光学部材として、集光レンズ11bのような集光部材を用いた場合には、集光されたUV照射光は、接着剤RにおけるワークS1との界面にのみ集中して、ワークS1から離れるに従って広がるように設定されている。これは、界面以外の場所(たとえば、ディスペンサのノズル等)に当たって、接着剤Rが硬化することを防止するためである。
【0036】
照射強度は、光源の強度調整による他、かかる光学部材によっても調整可能である。なお、照射部11による照射口径、照射幅、照射強度等は、照射部11の昇降によっても調整可能である。
【0037】
なお、たとえば、照射部11自体の移動は限定的にして、照射角度を変更させる駆動機構若しくは光学部材を設けることも可能である。この場合、照射部11からの照射強度及び照射幅等を調整しながら、照射方向を変えることにより、接着剤Rの界面に追従させることができる。
【0038】
また、図5に示すように、供給部10の周囲若しくは近傍には、カバー部材10bを設けることも可能である。このカバー部材10bは、たとえば、照射部11からのUV光の散乱光が漏れて、周囲(たとえば、タンク、配管内の接着剤等、作業者)に影響を与えることを防止するものである。このため、カバー部材10bは、光の反射を抑える材質とするか、光の反射を抑える表面処理をしておくことが望ましい。
【0039】
貼合部2は、図2に示すように、ワークS1に対して、ワークS2を貼り合わせる貼合装置20を有している。貼合装置20は、たとえば、真空チャンバ21、押圧装置22等を有している。
【0040】
真空チャンバ21は、貼り合わされるワークS1、S2の周囲を覆い、搬送部3との間を密閉することにより、真空室を構成するチャンバである。真空チャンバ21には、真空源(減圧装置)である減圧ポンプ(図示せず)が、配管を介して接続されている。また、真空チャンバ21は、図示しない昇降機構によって、昇降可能に設けられている。
【0041】
押圧装置22は、ワークS2を押圧することにより、ワークS1に対してワークS2を貼り付ける装置である。この押圧装置22は、たとえば、ワークS2を保持する保持部、保持部を昇降させる昇降機構などにより構成されている。
【0042】
搬送部3は、ワークS1を、接着剤供給部1から貼合部2へと搬送する搬送装置30を有している。搬送装置30としては、たとえば、ターンテーブル、コンベア等及びその駆動機構が考えられる。ただし、上記各部の間でワークを搬送可能な装置であれば、どのような装置であってもよい。なお、搬送装置30におけるワークS1が載置される載置部31は、光を透過する材質(たとえば、ガラス、石英、樹脂)によって形成されている。
【0043】
なお、本実施形態は、貼り合わせ前に、接着剤Rによるシール部内に、充填材料(液晶等)を充填するために、充填材料を供給する供給装置を備えているものとする。かかる供給装置は、周知の技術であるため、説明を省略する。
【0044】
[B.作用]
以上のような構成を有する本実施形態の作用を、図1〜6を参照して説明する。
【0045】
まず、図1に示すように、搬送装置30は、前工程から載置部31に載置されたワークS1を、接着剤供給部1に搬送する。接着剤供給部1においては、図1(A)(B)に示すように、供給部10が、ワークS1に対して接着剤Rを供給する。
【0046】
たとえば、ディスペンサのノズルからワークS1に接着剤Rを滴下する。このディスペンサを、走査装置10aによって走査することによって、ワークS1の縁の枠状に、接着剤Rを滴下塗布していく。たとえば、塗布幅は、僅かなレベリングを考慮して、所望の幅と同等かやや細い程度とすることが考えられる。
【0047】
これと同時に、照射部11によって、UV光を接着剤RにおけるワークS1の界面に照射する。走査装置11aは、照射部11を走査することによって、ワークS1への接着剤Rの塗布に照射を追従させる。
【0048】
照射幅(スポット径、スリット幅等)は、たとえば、塗布幅と同じにする。ただし、図3に示すように、照射幅を塗布幅よりも小さくするか、図5に示すように、照射幅を塗布幅よりも大きくするかは、自由である。図6に示すように、照射角を狭く、細くすることも可能である。
【0049】
ここで、接着剤RにおけるワークS1との界面は、外気から遮断されているため、酸素阻害もなく、UV光が集中するため、比較的硬化が進行しやすい。よって、かかる部分が硬化部Hとなる。
【0050】
たとえば、図4(A)に示すように、UV照射がない場合、接着剤Rの粘度は低く、時間の経過に従ってレベリングが進行する。そして、貼り合わせ時には、潰れる量、広がる面積が大きくなってしまう。一方、本実施形態のように、界面へのUV照射を行った場合、図4(B)に示すように、硬化部Hが形成され、レベリングは進行しない。
【0051】
さらに、接着剤Rの表面は、大気に接していて酸素阻害があり、UV光は拡散しているため、硬化の進行が遅く、仮硬化状態となる。これにより、クッション性、粘着性を維持しつつ、塗布高さが維持される。また、仮硬化状態となるので、レベリングも抑制される。
【0052】
次に、図示しない充填装置(充填材供給部)によって、接着剤Rによるシールの内部に、液晶等の機能材料を供給する。その後、搬送装置30は、接着剤R及び機能材料が供給されたワークS1を、貼合部2に搬送する。貼合部2においては、図2(A)に示すように、押圧装置22にワークS2を保持した真空チャンバ21が下降して、ワークS1、S2の周囲が密閉される。そして、減圧ポンプが作動することにより、真空チャンバ21内の減圧(排気)が開始する。
【0053】
真空引き完了後は、押圧装置22が下降することにより、ワークS1に対して、ワークS2が押し付けられる(図2(B))。このとき、シール部の表面は、上記のようにクッション性、粘着性が維持されている。このため、貼り合わせ時の歪み等は吸収される。また、接着剤RにおけるワークS1との界面は、上記のように硬化が進んでいる。このため、厚みを維持するスペーサの役目を果たして、潰れによる広がりを抑制できる。これにより、貼り合わせ厚の均一性を実現できる。
【0054】
その後、排気路の開放等により真空破壊が行われ、真空チャンバ21が上昇することにより、貼り合わされたワークS1、S2は大気開放される。さらに、搬送装置30が、ワークS1、S2を貼合部2から次工程へと搬出する。たとえば、搬送装置30は、ワークS1、S2を、電磁波の照射により接着剤Rを本硬化させる本硬化部へと移動させる。
【0055】
[C.効果]
以上のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。接着剤RとワークS1との界面にUV光が集中して照射され、当該界面に硬化部Hが形成される。このため、単純に接着剤Rの表面からUV光を照射した場合に比べて、ワークS1と接着剤Rとの接着が強固となり、レベリングが抑制される。このような抑制効果は、照射幅や照射角にかかわらず、程度の差が生じる可能性はあるが、得ることができる。
【0056】
このため、接着剤Rの量を多くして、高い充填空間を確保しつつ、細い線幅を維持できる。一方、接着剤Rの表面側は、仮硬化状態となるので、粘着性が維持され、接着力を確保できる。このように、接着剤Rの種類、物性等に左右されにくく、高詳細、高アスペクト比のシール塗布を行うことができる。
【0057】
[D.他の実施形態]
本発明は、上記のような実施形態に限定されるものではない。たとえば、図7〜図10に示すように、ワークS1、S2間に、一定の間隔を得るために、スペーサ材Pを用いることも可能である。このスペーサ材Pは、所望の間隔を維持できるものであれば、どのような形状、材質であってもよい。
【0058】
たとえば、スペーサ材Pとして、図7〜図9に示すような線状、糸状(ファイバー)のもの、図10に示すような粒状のものとすることが考えられる。その材質は、たとえば、ガラス、カーボン、金属、樹脂等とすることが考えられる。スペーサ材Pの断面形状は、たとえば、丸形、方形、半円形等が考えられる。ワークS1との接触面は、平面となっていることが、より好ましい。また、材料自体により、若しくはチューブ状、中空状とすることにより、クッション性、柔軟性、弾力性を持たせてもよい。これにより、貼り合わせ時の間隔調整や、許容加重の増大が可能となる。
【0059】
図7は、所望の間隔とほぼ同じ太さを持つ糸状のスペーサ材Pを供給する供給部12を設けた態様である。この態様では、ワークS1に対して、供給部10から接着剤Rを供給するとともに供給部12からスペーサ材Pを供給しながら、照射部11からのUV光により界面の硬化を行う。
【0060】
図8は、ローラ等の押さえ部13を設けた態様である。押さえ部13は、図示しない駆動機構によって、昇降可能に且つ供給部10に追従して移動可能に設けられている。この態様では、供給部10は、図7と同様のスペーサ材PのワークS1との接触面側のみに接着剤Rを供給する。そして、押さえ部13によってスペーサ材PをワークS1側に押し付けながら、照射部11からのUV光により界面の硬化を行う。
【0061】
図9は、図7と同様のスペーサ材Pの切断部14を設けた態様である。切断部14は、たとえば、図示しない駆動機構によって、接着剤Rの塗布端において、スペーサ材Pを切断するカッタを有している。
【0062】
図10は、スペーサ材Pを粒状として、接着剤Rに混入した態様である。この態様では、供給部10から接着剤Rを供給するとともに、スペーサ材Pが供給される。これにより、特別にスペーサ材Pを供給する装置を設けることなく、間隔の確保が可能となる。
【0063】
さらに、照射部11を、ワークS1を挟んで供給部10と反対側に設けるのではなく、図11に示すように、供給部10と同じ側に設けることも可能である。この場合も、照射部11は、単純に接着剤Rの上方からUV光を照射するのではない。照射部11は、光学部材によって、接着剤RにおけるワークS1との界面に、UV光を集光させる。
【0064】
これにより、接着剤Rの界面における硬化を促進させ、上記と同様の効果を得ることができる。図11では、供給部10とともに移動する照射部11によって、供給部10の進行方向から、接着剤Rの界面に向けてエネルギーを集中させるように電磁波を照射している。照射部11は、供給部10の進行方向に先行して移動する態様(図11)でも、供給部10の進行方向に後方から追従する態様でも、供給部10の進行方向の横から追従する態様でもよい。この場合、供給部10と照射部11を一体のユニットとしたり、駆動機構を共通化したりすることにより、装置構成を簡略化することができる。また、ワークS1や載置部31が電磁波を透過しない材質のものであってもよい。
【0065】
なお、この場合も、照射部11自体の移動は限定的にして、照射角度を変更させる駆動機構若しくは光学部材を設けることも可能である。これにより、照射部11からの照射強度及び照射幅等を調整しながら、照射方向を変えることにより、接着剤Rの界面に追従させることができる。
【0066】
また、供給部及び照射部の数は、装置の構造及び規模、所望のタクト、コスト等に応じて、最適な数を選択して設計すればよい。また、走査方法等は、自由である。たとえば、複数の供給部及び照射部を用意し、異なる直線部分等について、同時並行的に塗布と照射を行うことにより、タクトタイムを短縮することができる。
【0067】
さらに、シール部内若しくはその近傍に供給する充填材料は、機能材料には限定されない。単に、接着剤を充填して、全面貼り合わせによる接着層の形成に用いてもよい。この場合も、表示装置の画面を避けて、狭い幅でありながら厚みが得られるシール部を形成できるので、画面内における境界の残留を防止して、接着層の厚みを確保できる。充填材供給部の走査方向は、上下、前後左右、回転等、自由に設計可能である。この場合も、多連のディスペンサを用いて効率良く充填させてもよい。その他、ローラによって塗布する装置、スキージによって塗布する装置、スピン塗布する装置等、種々の装置が適用可能である。
【0068】
また、使用する接着剤の種類は、紫外線硬化樹脂には限定されない。他の電磁波により硬化する樹脂も適用可能である。赤外線等の熱により硬化する熱硬化型樹脂等も利用可能である。
【0069】
シール部を構成する線は、その形状を問わない。方形、円形、楕円形、その他の多角形、曲線円形であってもよい。本発明を、特定領域の一部分のシールに使用してもよい。このため、接着剤を塗布する線は、必ずしも閉じた領域を構成していなくてもよい。直線状、屈曲線状、曲線状であってもよい。
【0070】
また、シール部を形成する箇所は、領域の外周を規定する線には限らない。たとえば、円形のディスクの内周円上のように、領域の内周を規定する線であってもよい。
【0071】
また、貼合部、搬送部についても、現在又は将来において利用可能なあらゆる方法、装置が適用可能である。たとえば、貼合部について、ワークを保持する構造も、たとえば、メカチャック、静電チャック、真空チャック等、どのような構造であってもよい。真空貼り合わせを行う空間も、下側の部材が昇降して密閉、開放を行う構造でも、ワークの通路のみが開閉する構造でもよい。さらに、必ずしも真空貼合装置でなくてもよく、大気中で貼り合わせを行う装置でもよい。
【0072】
搬送装置も、たとえば、ターンテーブル、コンベア、送り機構等、どのような構造であってもよい。載置部は、たとえば、サセプタ等が考えられるが、ワークを支持できる支持体として機能するものであれば、どのような材質、形状であってもよい。水平方向に支持するものには限らない。ワークの搬送方法も、載置部に載置される場合には限定されない。移動する台上に直接載置されていてもよい。
【0073】
さらに、上記の作業の一部を手動により行う方法も考えられる。たとえば、シール部近傍への充填材の供給等を、塗布、滴下等のための用具を用いて、作業者が行うこともできる。ワークの移動についても、作業者が手作業で行ってもよい。ワークの移動については、作業者が手作業で行ってもよい。
【0074】
また、貼り合せ対象となるワークは、液晶モジュールの基板等が、典型例である。しかし、本発明の適用対象となる一対のワークは、一対の貼着対象となり得るものであれば、その大きさ、形状、材質等は問わない。たとえば、表示装置を構成する各種の部材、半導体ウェーハ、光ディスク等にも適用可能である。ワークの一方に接着剤を供給する場合のみならず、双方に供給する場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0075】
1…接着剤供給部
2…貼合部
3…搬送部
10、12…供給部
10a、11a…走査装置
10b…カバー部材
11…照射部
11b…集光レンズ
13…押さえ部
14…切断部
20…貼合装置
21…真空チャンバ
22…押圧装置
30…搬送装置
31…載置部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貼り合わせ対象となるワークに対して、電磁波の照射により硬化する接着剤を供給する接着剤供給装置において、
ワークに対して線状に接着剤を供給する供給部と、
前記供給部による接着剤の供給とともに、接着剤における前記ワークとの界面に対して、界面における接着剤の少なくとも一部が硬化するのに必要なエネルギーを有する電磁波を照射する照射部と、
を有することを特徴とする接着剤供給装置。
【請求項2】
前記ワークは、前記電磁波を透過する材質であり、
前記照射部は、前記ワークにおける接着剤が供給される面と反対側の面から、前記接着剤に電磁波を照射する位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の接着剤供給装置。
【請求項3】
前記照射部は、前記ワークにおける接着剤が供給される面と同じ面側から、前記接着剤に電磁波を照射する位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の接着剤供給装置。
【請求項4】
前記照射部は、前記接着剤における前記ワークとの界面に対して、前記電磁波を集中させる集中部材を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤供給装置。
【請求項5】
ワークを透過した電磁波の拡散を抑制するカバーが、前記照射部に対してワークを挟んで対になる位置に設けられていることを特徴とする請求項4記載の接着剤供給装置。
【請求項6】
前記接着剤の供給とともに、線状のスペーサ材を供給するスペーサ材供給部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤供給装置。
【請求項7】
前記スペーサ材を、ワークに対して押さえつける押さえ部を有することを特徴とする請求項6記載の接着剤供給装置。
【請求項8】
前記スペーサ材を、切断する切断部を有することを特徴とする請求項6又は請求項7記載の接着剤供給装置。
【請求項9】
前記接着剤中に、スペーサ材が混入されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤供給装置。
【請求項10】
前記スペーサ材は、弾性を有することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の接着剤供給装置。
【請求項11】
貼り合わせ対象となるワークに対して、電磁波の照射により硬化する接着剤を供給する接着剤供給方法において、
ワークに対して線状に接着剤を供給し、、
接着剤の供給とともに、接着剤におけるワークとの界面に対して、界面における接着剤の少なくとも一部が硬化するのに必要なエネルギーを有する電磁波を照射することを特徴とする接着剤供給方法。
【請求項12】
前記ワークは、前記電磁波を透過する材質であり、
前記ワークにおける接着剤が供給される面と反対側の面から、前記接着剤に電磁波を照射することを特徴とする請求項11記載の接着剤供給方法。
【請求項13】
前記照射部は、前記接着剤における前記ワークとの界面に対して、前記電磁波を集中して照射させることを特徴とする請求項11又は請求項12記載の接着剤供給方法。
【請求項1】
貼り合わせ対象となるワークに対して、電磁波の照射により硬化する接着剤を供給する接着剤供給装置において、
ワークに対して線状に接着剤を供給する供給部と、
前記供給部による接着剤の供給とともに、接着剤における前記ワークとの界面に対して、界面における接着剤の少なくとも一部が硬化するのに必要なエネルギーを有する電磁波を照射する照射部と、
を有することを特徴とする接着剤供給装置。
【請求項2】
前記ワークは、前記電磁波を透過する材質であり、
前記照射部は、前記ワークにおける接着剤が供給される面と反対側の面から、前記接着剤に電磁波を照射する位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の接着剤供給装置。
【請求項3】
前記照射部は、前記ワークにおける接着剤が供給される面と同じ面側から、前記接着剤に電磁波を照射する位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の接着剤供給装置。
【請求項4】
前記照射部は、前記接着剤における前記ワークとの界面に対して、前記電磁波を集中させる集中部材を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤供給装置。
【請求項5】
ワークを透過した電磁波の拡散を抑制するカバーが、前記照射部に対してワークを挟んで対になる位置に設けられていることを特徴とする請求項4記載の接着剤供給装置。
【請求項6】
前記接着剤の供給とともに、線状のスペーサ材を供給するスペーサ材供給部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤供給装置。
【請求項7】
前記スペーサ材を、ワークに対して押さえつける押さえ部を有することを特徴とする請求項6記載の接着剤供給装置。
【請求項8】
前記スペーサ材を、切断する切断部を有することを特徴とする請求項6又は請求項7記載の接着剤供給装置。
【請求項9】
前記接着剤中に、スペーサ材が混入されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤供給装置。
【請求項10】
前記スペーサ材は、弾性を有することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の接着剤供給装置。
【請求項11】
貼り合わせ対象となるワークに対して、電磁波の照射により硬化する接着剤を供給する接着剤供給方法において、
ワークに対して線状に接着剤を供給し、、
接着剤の供給とともに、接着剤におけるワークとの界面に対して、界面における接着剤の少なくとも一部が硬化するのに必要なエネルギーを有する電磁波を照射することを特徴とする接着剤供給方法。
【請求項12】
前記ワークは、前記電磁波を透過する材質であり、
前記ワークにおける接着剤が供給される面と反対側の面から、前記接着剤に電磁波を照射することを特徴とする請求項11記載の接着剤供給方法。
【請求項13】
前記照射部は、前記接着剤における前記ワークとの界面に対して、前記電磁波を集中して照射させることを特徴とする請求項11又は請求項12記載の接着剤供給方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−152677(P2012−152677A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12356(P2011−12356)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】
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